説明

スイッチユニット及び遊技機

【課題】入力操作に際して、表示部の表示を見づらくすることなく、直感的な操作感を与えることができるスイッチユニット及び遊技機を提供する。
【解決手段】LCDと、LCDの上側に設けられ、かつ接点を有して、LCDに表示された少なくとも1箇所の入力領域に向けて押圧されることにより該入力領域に対応するカーボン接点が導通されるPCBと、LCDの入力領域に向けての押し下げ操作により、該入力領域に対応するPCBのカーボン接点を導通させる操作ボタン13とを備える。操作ボタン13は透光性を有する直方体状部材にてなり、直方体状部材の少なくとも1つの側面壁13aは、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチユニットに関し、特に、タッチパネルの操作感を改善したスイッチユニット及びこれを搭載した遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるスロットマシンと呼ばれるゲーム機が存在している。スロットマシンは、複数種類のシンボルが表示された複数のリールが回転し、停止したときに表示されているシンボルの揃い方及びその揃っているシンボルにより役が決定し、決定した役及びベット数に応じて賞が付与されるものである。
【0003】
そして、ベット数の設定並びにリールの回転等の操作は、ボタンを押すことにより行われていた。すなわち、遊技者は、例えば、設定するベット数分、ベットボタンを手で押すことにより該ベット数を決定し、リール回転ボタンを手で押すことにより当たり抽選が確定され、当たり抽選が確定された後にリールの回転を開始させ、自動で停止させていた。
【0004】
ところで、スロットマシンは、例えばカジノ等に設置されている。カジノには、1つの遊技機メーカが製造したものだけでなく、様々な遊技機メーカのスロットマシンが設置されている。遊技者は、様々な遊技機メーカのスロットマシンの中から嗜好の合ったスロットマシンを選択して遊技を行う。このため、カジノでは、遊技者に人気のあるスロットマシンを設置して、競合する他社に対する優位性を確保しようとする経営戦略をとっている。したがって、各遊技機メーカは、遊技者にアピールできるスロットマシンを提供できるように努力している。
【0005】
その一つとして、例えば、特許文献1には、タッチパネルで構成された表示部を設け、表示部にキャラクター及びテンキーを表示して、ベット数の設定及びリールの回転開始をタッチパネルで行う遊技機としてのスロットマシンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−111137号公報(2005年4月28日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の遊技機の構成では、タッチパネルの画面に直接タッチしているだけなので、遊技者に対し直感的な操作感を与えることができないという問題点を有している。それは、次の理由による。
【0008】
従来の押しボタン方式のスイッチユニットを有する遊技機では、遊技者は、設定するベット数分だけ押しボタンを押下するという操作によって、感覚的にベット数を設定していた。しかしながら、タッチパネルの画面にタッチするという操作では、タッチによってベット数が設定されたか否かを1回1回、画面上で確認しながら行わなくてはならない。これでは、操作感及びクリック感が従来の押しボタン方式よりも劣ってしまい、直感的な操作感を与えることができない。また、1回1回の操作に時間を要してしまうと、1回のゲームに要する時間も増えてしまう。
【0009】
ただし、このような課題を解決するために、表示部の表示が見づらくなるのは好ましくない。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、入力操作に際して、表示部の表示を見づらくすることなく、直感的な操作感を与えることができるスイッチユニット及び遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のスイッチユニットは、上記課題を解決するために、少なくとも1箇所の入力領域の画像を表示する表示部と、上記表示部の上側に設けられ、かつ接点を有して、上記表示部に表示された少なくとも1箇所の入力領域に向けて押圧されることにより該入力領域に対応する上記接点が導通される入力部と、上記表示部の入力領域に向けての押し下げ操作により、該入力領域に対応する入力部の接点を導通させる操作ボタンとを備え、上記操作ボタンは透光性を有する直方体状部材にてなり、上記直方体状部材の少なくとも1つの側面壁は、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっていることを特徴としている。
【0012】
上記の発明によれば、入力部の上側には、表示部の入力領域に向けての押し下げ操作により、該入力領域に対応する入力部の接点を導通させる操作ボタンとが設けられている。このため、入力部への押圧操作は物理的な操作ボタンを介して行われるので、操作ボタンを押し下げすることによって直感的な操作感、及びクリック感を得ることができる。
【0013】
この結果、操作ボタンを押し下げるという、物理的な動作により操作を行うことできるので、1回1回操作ができているか否かを目で確認する必要はなく、スピード感・クイック感のあるスイッチユニットを提供することができる。
【0014】
ところで、操作ボタンは透光性を有する直方体状部材にてなっているので、表示部に表示された入力領域の画像が、直方体状部材からなる立体的な操作ボタンの側面壁に反射して遊技者の視覚に入る。その結果、表示部に表示された入力領域の画像が2重に見えるので、表示が見づらくなる。この現象は、スイッチユニットを傾けて設置することにより、操作ボタンの側面壁が傾斜するので、一層増長され、特に、操作ボタンにおいて遊技者に対して奥となる側面壁の表示が見づらくなる。また、これにより、画像の奥まり感が出てくる。
【0015】
そこで、本発明では、直方体状部材からなる操作ボタンの少なくとも1つの側面壁は、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっている。
【0016】
このため、1つの側面壁に形成された、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面を、遊技者に対して奥となるように配設することによって、遊技者からは側面壁からの反射光が目に入らなくなるようにすることができる。また、画像の奥まり感も軽減できる。
【0017】
したがって、入力操作に際して、表示部の表示を見づらくすることなく、直感的な操作感を与えることができるスイッチユニットを提供することができる。
【0018】
本発明のスイッチユニットでは、前記直方体状部材からなる操作ボタンにおける少なくとも一対の両側面壁は、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっていると共に、上記一対の側面壁における一方の傾斜面における傾斜角度は、該一対の側面壁における他方の傾斜面における傾斜角度よりも大きいことが好ましい。
【0019】
すなわち、直方体状部材からなる操作ボタンにおける2つの側面壁に傾斜面を設けることを考えた場合、遊技者に対して前後の側面壁での反射光が目に入り易い。
【0020】
そこで、本発明では、前記直方体状部材からなる操作ボタンにおける少なくとも一対の両側面壁に、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面を設ける。これにより、遊技者に対して前後の側面壁での反射光が目に入るのを防止することができる。ここで、詳細には、遊技者に対して前後の側面壁においては、前の側面壁よりも後の側面壁からの反射光が目に入り易い。
【0021】
そこで、本発明では、一対の側面壁における一方の傾斜面における傾斜角度は、該一対の側面壁における他方の傾斜面における傾斜角度よりも大きくしている。この結果、遊技者に対して前後の側面壁での反射光が目に入るのを適切に防止することができる。
【0022】
また、本発明のスイッチユニットでは、前記直方体状部材からなる操作ボタンにおける4つの側面壁が、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっているとすることができる。
【0023】
すなわち、スイッチユニットが水平に設置されている場合に、操作ボタンを上から見ると、前後左右の側面壁からの反射光が目に入る。そこで、本発明では、操作ボタンにおける前後左右の4つの側面壁が、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっていることによって、が、操作ボタンにおける左右の側面壁にも下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面を設けることによって、操作ボタンの前後左右の側面壁から反射光が目に入るのを防止することができる。
【0024】
また、本発明のスイッチユニットでは、前記操作ボタンと入力部との間には弾性部材が設けられ、上記操作ボタンの下側の4隅には接点押圧部が設けられていると共に、上記弾性部材における、操作ボタンの4隅の接点押圧部が接触する位置の全部又は一部には、空洞が形成されているとすることができる。
【0025】
これにより、操作ボタンが押し下げられ、操作ボタンにおける下側の4隅の接点押圧部が弾性部材に接触すると、弾性部材における空洞が存在する部分が凹んで、入力部を押圧する。したがって、この弾性部材における空洞の存在に基づく弾性によって操作ボタンに適度な押し下げ感を与え、一層の直感的な操作感、クリック感を与えることができる。
【0026】
また、本発明のスイッチユニットでは、前記直方体状部材からなる操作ボタンは、一辺に支持端を有し、該一辺の支持端を軸とした回動による押し下げ自在に設けられているとすることができる。
【0027】
すなわち、入力部の上側に物理的な操作ボタンを設け、入力に接点方式を用いた場合には、直方体状部材からなる操作ボタンのどの部分を押してもスイッチオンすることになり、逆に、表示部の1箇所の入力領域に対して各所の入力部に対して連続してスイッチオンしてしまうという多点感が発生する。
【0028】
そこで、本発明では、直方体状部材からなる操作ボタンは、一辺に支持端を有し、該一辺の支持端を軸とした回動による押し下げ自在に設けられている。この結果、操作ボタンは片持ち構造となるので、多点感を解消し、安定した押し下げ感覚を提供することができる。
【0029】
また、本発明のスイッチユニットでは、前記弾性部材における、操作ボタンの4隅の接点押圧部が接触する位置の全部に空洞が形成されていると共に、上記操作ボタンにおける4隅の接点押圧部のうちの一辺側に存在する2隅の接点押圧部が接触する位置の弾性部材の空洞には、充填材が充填されているとすることが可能である。
【0030】
これにより、弾性部材に支持固定点を形成する必要がなくなるので、部品点数が増大するのを防止することができる。
【0031】
本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、上記スイッチユニットを備えていることが好ましい。
【0032】
上記の発明によれば、入力操作に際して、表示部の表示を見づらくすることなく、直感的な操作感を与えることができるスイッチユニットを備えた遊技機を提供することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明のスイッチユニットは、以上のように、少なくとも1箇所の入力領域の画像を表示する表示部と、上記表示部の上側に設けられ、かつ接点を有して、上記表示部に表示された少なくとも1箇所の入力領域に向けて押圧されることにより該入力領域に対応する上記接点が導通される入力部と、上記入力領域に向けての押し下げ操作により、該入力領域に対応する入力部の接点を導通させる操作ボタンとを備え、上記操作ボタンは透光性を有する直方体状部材にてなり、上記直方体状部材の少なくとも1つの側面壁は、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっているものである。
【0034】
また、本発明の遊技機は、以上のように、前記スイッチユニットを備えているものである。
【0035】
それゆえ、入力操作に際して、表示部の表示を見づらくすることなく、直感的な操作感を与えることができるスイッチユニット及び遊技機を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明におけるスイッチユニットの実施の一形態を示すものであり、スイッチユニットの操作ボタンの構成を示す斜視図である。
【図2】(a)は上記スイッチユニットを備えた遊技機としてのスロットマシンの構成を示す斜視図であり、(b)は上記スロットマシンの構成を示す正面図であり、(c)は上記スロットマシンの構成を示す平面図であり、(d)は上記スロットマシンの構成を示す右側面図である。
【図3】(a)は上記スイッチユニットの構成を示す平面図であり、(b)はスイッチユニットの側面図であり、(c)はスイッチユニットの底面図である。
【図4】(a)はスイッチユニットの内部構成の一部を図3(a)のA−A断面及びB−B断面で破断して示す斜視図であり、(b)はスイッチユニットの内部構成の一部を図3(a)のC−C断面で破断して示す斜視図である。
【図5】上記スイッチユニットを斜め上方向から見たときの構成を示す分解斜視図である。
【図6】上記スイッチユニットを斜め下方向から見たときの構成を示す分解斜視図である。
【図7】(a)は上記スイッチユニットにおけるボタンケースの構成を示す平面図であり、(b)は上記ボタンケースの構成を示す正面図であり、(c)は上記ボタンケースの構成を示す側面図であり、(d)は上記ボタンケースの構成を示す底面図である。
【図8】(a)は上記スイッチユニットにおけるラバーの構成を示す平面図であり、(b)は上記ラバーの構成を示す正面図であり、(c)は上記ラバーの構成を示す底面図である。
【図9】(a)は上記スイッチユニットにおけるPCBの構成を示す平面図であり、(b)は上記PCBの構成を示す側面図であり、(c)は上記PCBの構成を示す底面図である。
【図10】(a)は上記スイッチユニットにおけるLCDケースの構成を示す平面図であり、(b)は上記LCDケースの構成を示す正面図であり、(c)は上記LCDケースの構成を示す側面図であり、(d)は上記LCDケースの構成を示す底面図である。
【図11】(a)は上記スイッチユニットにおけるベースの構成を示す平面図であり、(b)は上記ベースの構成を示す正面図であり、(c)は上記ベースの構成を示す側面図であり、(d)は上記ベースの構成を示す底面図である。
【図12】(a)は傾斜面を有する操作ボタンの視認性を示す説明図であり、(b)は傾斜面を有しない操作ボタンの視認性を示す説明図である。
【図13】操作ボタンにおける前後の側面壁に傾斜面を有すると共に、遊技者の後の側面壁における傾斜面の角度が、前の側面壁における傾斜面の角度よりも大きい操作ボタンを示す断面図である。
【図14】4つの側面壁に傾斜面を有する操作ボタンを上側から見たときの視認性を示す断面図である。
【図15】4点入力接点方式の操作ボタンにおける動作を示す説明図である。
【図16】片持ち構造の操作ボタンの構成を示す断面図である。
【図17】上記片持ち構造の操作ボタンにおける動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の一実施形態について図1〜図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0038】
尚、本実施の形態では、いわゆるスロットマシン等の遊技機に用いられるスイッチユニットについて説明するが、本発明はスロットマシンに限られるものではない。すなわち、スイッチユニットによりユーザの操作を受け付けて行う装置であれば、どのような装置であっても適用可能である。例えば、遊技機は、ポーカーゲーム等のトランプゲーム機や麻雀ゲーム機等にも適用できる。
【0039】
まず、本実施の形態のスイッチユニットを備えた遊技機としてのスロットマシンについて、図2(a)〜(d)に基づいて説明する。図2(a)は上記スイッチユニットを備えた遊技機としてのスロットマシンの構成を示す斜視図であり、図2(b)は上記スロットマシンの構成を示す正面図であり、図2(c)は上記スロットマシンの構成を示す平面図であり、図2(d)は上記スロットマシンの構成を示す右側面図である。
【0040】
図2(a)〜(d)に示すように、スロットマシン1には、筐体の上部で遊技者の目線に当たる位置に表示モニター2が設けられていると共に、遊技者の手が置かれる筐体中央付近の位置に、操作部分が遊技者側に若干傾くようにスイッチユニット10が設けられている。
【0041】
表示モニター2には複数のリールが表示されている。これらリールは遊技者の操作によって回転することができ、停止したときのリールに示されているシンボルにより役が決定し、役に応じて賞が付与されるようになっている。尚、リールの表示は、液晶画面等の表示画面にリールに相当するものが表示されているものであってよく、又はリールそのものが設けられ、これが表示モニター2に配置されているものであってもよい。
【0042】
スイッチユニット10は、遊技者からの操作を受け付けるものである。本実施の形態では、スイッチユニット10は、例えば、遊技者がスロットマシン1をプレイするときのベット数の指定操作、並びにリールの回転開始等の操作を受け付ける。
【0043】
上記スイッチユニット10の構成について、図3(a)(b)(c)及び図4(a)(b)に基づいて説明する。図3(a)はスイッチユニット10の外観を示す平面図であり、図3(b)はスイッチユニット10の外観を示す側面図であり、図3(c)はスイッチユニット10の外観を示す底面図である。また、図4(a)はスイッチユニット10の内部構成を、図3(a)のA−A断面及びB−B断面で破断して示す斜視図であり、図4(b)はスイッチユニット10の内部構成を図3(a)のC−C断面で破断して示す斜視図である。尚、以降では、スイッチユニット10の操作面側を上側(上面側)、その反対側を下側(下面側)と呼ぶ。また、スイッチユニット10を上側から見たときの長手方向をx方向、短手方向をy方向、スイッチユニット10の上方向をz方向と呼ぶ。
【0044】
スイッチユニット10は、スロットマシン1から分離できるようになっており、図3(a)に示すように、分離したものを上側(+z側)から見ると、例えば11個の操作ボタン13が並んでおり、操作ボタン13の周りを操作ボタンケース12が囲っている。さらに、操作ボタンケース12をカバー11が覆っている。また、図3(b)及び図4(a)(b)に示すように、スイッチユニット10を側面又は斜めから見ると、カバー11に対して操作ボタン13が+z方向に飛び出していることが分かる。さらに、図3(c)に示すように、スイッチユニット10を下面から見ると、ベース19が見える。
【0045】
上記スイッチユニット10の詳細構成について、図5及び図6に基づいて説明する。図5は斜め上方向から見たときのスイッチユニット10の構成を示す分解斜視図であり、図6は斜め下方向から見たときのスイッチユニット10の構成を示す分解斜視図である。
【0046】
スイッチユニット10は、図5及び図6に示すように、上から(+z方向から)順に、カバー11、操作ボタンケース12、操作ボタン13、レンズ14、弾性部材としてのラバー15、入力部としてのPCB(printed circuit board:基板)16、LCD(liquid crystal display)ケース17、表示部としてのLCD18、及びベース19にて構成されている。操作ボタンケース12とLCDケース17、及びカバー11と操作ボタンケース12とは、ビス20によって留められている。尚、本発明においては、カバー11、レンズ14、ラバー15、LCDケース17、及びベース19は省略することができる。
【0047】
上記カバー11は、例えば、プラスチックのような合成樹脂で成形されている。また、操作ボタンケース12は、例えば、ガラス、プラスチック等により成形されている。上記カバー11及び操作ボタンケース12には、操作ボタン13の数と同じ数だけ、操作ボタン13の位置に合わせて、開口部11a及び開口部12aが設けられている。これにより、操作ボタン13が、開口部11a及び開口部12aを通してカバー11の上側に突出すると共に、押し下げ自在に遊嵌されるようになっている。尚、本実施の形態では、操作ボタン13が例えば11個備えられている例について説明しているが、操作ボタン13の数はこれに限られない。11個よりも少なくても多くてもよいし、1個でもよい。
【0048】
また、操作ボタンケース12には、図7(a)〜(d)に示すように、例えば、光拡散部21及び導光部22が設けられており、PCB16に設けられている後述するLED(light-emitting diode、発光部)61が発する光が、光拡散部21及び導光部22により、操作ボタン13の周囲を光らせるようになっている。上記導光部22は、操作ボタン13の周りのみを光らせ、操作ボタン13自体には光が届かないようになっている。すなわち、図4(b)に示すように、操作ボタンケース12は、上記LED61側に、表面が粗面に形成された光拡散部21を備え、光拡散部21から操作ボタン13の周囲に広がるように形成された中実の樹脂からなる導光部22を有している。
【0049】
操作ボタン13は、下側の四隅に突出する接点押圧部31を備えている一方、PCB16には接点押圧部31の真下に位置する箇所に接点としてのカーボン接点62が設けられている。このため、操作ボタン13が押し下げされると、操作ボタン13の接点押圧部31がラバー15の突起部51を介してカーボン接点62に押圧力を加える。これにより、突起部51の裏側に設けられた図示しない導板が、隙間を有して離間して設けられた図示しない2つの電極上に跨って接触するので、PCB16は該位置のカーボン接点62に導通があったことを認識する。この結果、PCB16では、該位置のカーボン接点62の上側に存在する操作ボタン13が押し下げされたことを検出することができる。尚、本実施の形態では、PCB16におけるカーボン接点62は、スイッチユニット10の上側からは見えないので、透明電極である必要はない。したがって、本実施の形態のスイッチユニット10は、この意味で、一般的なタッチパネルの入力装置は使用していない。
【0050】
また、本実施の形態では、操作ボタン13は、例えば、内側部分が凹部32となっており、この凹部32に、レンズ14が嵌まるように設けられている。これにより、LCD18によって表示されている画像(絵、文字等)を、操作ボタン13の上面である操作面33に表示されているように見せることができる。尚、操作ボタン13の詳細構成については後述する。上記レンズ14は、操作ボタン13の凹部32に嵌合するように例えば立方体の形状を有している。レンズ14は、LCD18に表示されている画像を操作ボタン13の上面で表示されているように見せることができるように、凸レンズとなっている。
【0051】
上記操作ボタン13の下(−z方向側)には、上述したように、ラバー15が配置されている。これにより、操作ボタン13が押下された場合、操作ボタン13が+z方向に押し下げられると共に、再び−z方向に押し戻されるようにすることができる。すなわち、操作ボタン13の押圧感を出すことができる。
【0052】
上記ラバー15は、例えばシリコンゴム等の弾性を有する部材からなっており、透明又はそれに近い例えば乳白色等の色を有している。ラバー15には、図8(a)(b)(c)にも示すように、上記操作ボタン13と対応する位置に開口部52が設けられている。また、操作ボタン13の接点押圧部31と対応する位置に突起部51が設けられている。上記操作ボタン13の接点押圧部31と突起部51とは接触しており、操作ボタン13が押下されると、接点押圧部31が突起部51を押し込むことにより、接点押圧部31と上記カーボン接点62とが接触する。また、突起部51は弾性を有しているので、押し込まれた後、接点押圧部31を押し返す。これにより、操作ボタン13が押しボタンとして機能するようになっている。
【0053】
上記PCB16は、必要な配線が施されたプリント基板であり、操作ボタン13の押下を検出して予め定められた処理を実行するものである。図9(a)(b)(c)にも示すように、PCB16には、上記操作ボタン13と対応する位置に開口部63が設けられていると共に、操作ボタン13の接点押圧部31と対応する位置に、前述したように、カーボン接点62が設けられている。また、開口部63のx方向側、y方向側の周囲にそれぞれ、2つずつLED61が設けられている。
【0054】
次に、上記LCDケース17は、LCD18の上面を保護するものである。このLCDケース17には、図10(a)〜(d)に示すように、上記操作ボタン13との対応位置に開口部71が設けられている。
【0055】
上記LCD18は、液晶表示装置であり、絵、文字等の所定画像の表示を行うものである。
【0056】
上記ベース19は、スイッチユニット10の裏面を覆うものであり、図11(a)〜(d)に示すように、LCD18を固定するためのLCD固定部91を有している。このLCD固定部91は、例えば、ベース19の長手方向に2ヶ所ずつ、短手方向中央に1ヶ所ずつ設けられている。
【0057】
上記スイッチユニット10の構成によれば、PCB16の上側には、LCD18の入力領域に向けての押し下げ操作により、該入力領域に対応するPCB16のカーボン接点62を導通させる操作ボタンケース12とが設けられている。このため、PCB16への押圧操作は物理的な操作ボタンケース12を介して行われるので、操作ボタン13を押し下げすることによって直感的な操作感、及びクリック感を得ることができる。
【0058】
この結果、操作ボタン13を押し下げるという、物理的な動作により操作を行うことできるので、1回1回操作ができているか否かを目で確認する必要はなく、スピード感・クイック感のあるスイッチユニット10を提供することができる。
【0059】
また、スイッチユニット10は、押しボタン方式のような操作感、クイック感を有しつつ、操作ボタン13の周囲を光らせると共に、操作ボタン13の上面に様々な情報(文字、絵等)を表示させることができるものとなっている。この結果、スイッチユニット10は、押しボタン方式の利点を有したまま、顧客吸引力を有するユーザインタフェースを提供することができるようになっている。
【0060】
すなわち、本実施の形態のスイッチユニット10では、タッチパネル形式では提供できない操作感を遊技者に与えることができると共に、操作ボタン13にLCD18の表示画像を表示させ、かつ操作ボタン13の周りを光らせることにより、遊技者に対し魅力あるスイッチユニット10を提供できるものとなっている。
【0061】
次に、図1に基づいて、操作ボタン13の構成について詳述する。図1は、操作ボタン13の構成を示す斜視図である。
【0062】
本実施の形態の操作ボタン13は、透明のプラスチック等で成形されており、図1に示すように、直方体状部材からなっている。ただし、この直方体状部材は、内側部分に空洞を有していてもよい。そして、この空洞にレンズ14が嵌合することにより、LCD18で表示されている画像が上面に表示されているように見えるようにすることができる。
【0063】
この操作ボタン13には、下面の4隅に接点押圧部31を有しており、前述したように、接点押圧部31が押下されることにより、この接点押圧部31が、ラバー15を介してPCB16のカーボン接点62を押圧し、これによって、操作ボタン13が押下されたことを検出することができるようになっている。
【0064】
ところで、操作ボタン13は、透光性を有する直方体状部材にてなっているので、図12(b)に示すように、直方体状部材からなる立体的な操作ボタン13の側面壁13aが垂直に立設している場合には、LCD18に表示された入力領域の画像が、直方体状部材からなる立体的な操作ボタン13の側面壁13aに反射して遊技者の視覚に入る。その結果、LCD18に表示された入力領域の画像が2重に見えるので、表示が見づらくなる。この現象は、スイッチユニット10を傾けて設置することにより、操作ボタン13の側面壁13aが傾斜するので、一層増長され、特に、操作ボタン13において遊技者に対して奥となる側面壁13aの表示が見づらくなる。また、これにより、画像の奥まり感が出てくる。
【0065】
そこで、本実施の形態では、図12(a)及び図1に示すように、直方体状部材からなる操作ボタン13の少なくとも1つの側面壁13aは、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっている。この傾斜面は、下方に鈍角になるように垂直面に対して例えば10〜20°の傾斜となっている。尚、図1においては、操作ボタン13の側面には、側面壁13aの傾斜面と、操作ボタン13の上面側の各辺の角部に形成された面取りによる傾斜面との2つの傾斜面が存在する。本発明の傾斜面は、主として、操作ボタン13の底面側の各辺を含む側面壁13aの傾斜面をいうが、面取りによる傾斜面を含んでいてもよい。
【0066】
このため、1つの側面壁13aに形成された、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面を、遊技者に対して奥となるように配設することによって、遊技者からは側面壁13aからの反射光が目に入らなくなるようにすることができる。また、画像の奥まり感も軽減できる。
【0067】
したがって、入力操作に際して、LCD18の表示を見づらくすることなく、直感的な操作感を与えることができるスイッチユニット10及びスロットマシン1を提供することができる。
【0068】
ここで、直方体状部材からなる操作ボタン13における2つの側面壁13aに傾斜面を設けることを考えた場合、遊技者に対して前後の側面壁13aでの反射光が目に入り易い。
【0069】
そこで、本実施の形態では、直方体状部材からなる操作ボタン13における少なくとも一対の両側面壁13a・13aに、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面を設けることが可能である。これにより、遊技者に対して前後の側面壁13a・13aでの反射光が目に入るのを防止することができる。ここで、詳細には、遊技者に対して前後の13a・13aにおいては、前の側面壁よりも後の側面壁からの反射光が目に入り易い。そこで、本実施の形態では、図13に示すように、一対の側面壁13a・13aにおける一方の傾斜面である後ろの傾斜角度は、該一対の側面壁13a・13aにおける他方の傾斜面である前の傾斜角度よりも大きくすることが可能である。この結果、遊技者に対して前後の側面壁での反射光が目に入るのを適切に防止することができる。
【0070】
また、本実施の形態のスイッチユニット10では、直方体状部材からなる操作ボタン13における4つの側面壁13a・13a・13a・13aが、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっているとすることができる。
【0071】
すなわち、スイッチユニット10が水平に設置されている場合に、操作ボタン13を上から見ると、前後左右の側面壁13a…からの反射光が目に入る。そこで、本実施の形態では、図14に示すように、操作ボタン13における前後左右の4つの側面壁13a…が、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっていることによって、操作ボタン13ンの前後左右の側面壁13a…から反射光が目に入るのを防止することができる。また、これによって、画像周囲に反射した側面壁13a…の影が見えないようになるので、画像の奥まり感を軽減することができる。
【0072】
ここで、本実施の形態のスイッチユニット10では、図5及び図6に示すように、操作ボタン13とPCB16との間にはラバー15が設けられ、かつ図1に示すように、操作ボタン13の下側の4隅には接点押圧部31…が設けられている。そして、後述する図16に示すように、ラバー15における、操作ボタンの4隅の接点押圧部31が接触する位置の全部又は一部には、突起部51に空洞51aが形成されている。
【0073】
これにより、操作ボタン13が押し下げられ、操作ボタン13における下側の4隅の接点押圧部31…がラバー15に接触すると、ラバー15における突起部51に形成された空洞51aが存在する部分が凹んで、PCB16のカーボン接点62を押圧する。したがって、このラバー15における突起部51に形成された空洞51aの存在に基づく弾性によって操作ボタン13に適度な押し下げ感を与え、一層の直感的な操作感、クリック感を与えることができる。
【0074】
ここで、本実施の形態の操作ボタン13では、上述したように、下側の4隅に接点押圧部31を有している。その結果、図15に示すように、操作ボタン13の4隅全ての方向に動作が可能なため、操作ボタン13の押圧挙動が安定せず、LCD18の1箇所の入力領域におけるPCB16の複数箇所の接点押圧部31を連続して接触させてしまうという多点感が発生する。
【0075】
そこで、本実施の形態では、図16に示すように、直方体状部材からなる操作ボタン13は、一辺に支持端13bを有し、該一辺の支持端13bを軸とした回動による押し下げ自在に設けられているとすることができる。この支持端13bは、操作ボタン13における、遊技者の奥側の一辺とすることが操作性の点で好ましい。
【0076】
すなわち、図16に示すように、操作ボタン13の支持端13bの下側には、ラバー15の支持固定点としての断面円形突起部53が形成されており、これによって、操作ボタン13は、支持端13bを軸として、断面円形突起部53の円形断面に沿って白抜き矢印の方向へ回動し、ラバー15における前方(遊技者側)の突起部51を押し下げる。尚、このとき、操作ボタン13の前方の側面壁13aが垂直壁である場合には、操作ボタン13の回動時に前方の側面壁13aが操作ボタンケース12の開口部12aに接触する虞がある。しかし、本実施の形態では、側面壁13aが傾斜面となっているので、回動時に、操作ボタン13の側面壁13aが開口部12aに接触することはない。
【0077】
この結果、入力に接点方式を用いた場合に、操作ボタン13は片持ち構造となるので、図17に示すように、片持ち構造による押し下げ接点の減少を図り、多点感を解消し、安定した押し下げ感覚を提供することができる。
【0078】
尚、図16においては、ラバー15において、操作ボタン13における後方の接点押圧部31の下側に存在するラバー15の構造を支持固定点としての断面円形突起部53とした。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、断面円形突起部53とせずに、ラバー15における空洞51aを有する突起部51の空洞51aの内部に充填材としての非導電体のスペーサを入れることにより、支持固定点とすることが可能である。これにより、ラバー15に断面円形突起部53を形成する必要がなくなるので、部品点数が増大するのを防止することができる。
【0079】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、タッチパネルの操作感を改善したスイッチユニット及びこれを搭載した遊技機に関するものであり、広くLCD等の表示部の上側に入力部を有するスイッチユニットに適用できる。また、遊技機としては、スロットマシンのみならず、ポーカーゲーム機、麻雀ゲーム機、トランプゲーム機等の遊技機に適用できる。
【符号の説明】
【0081】
1 スロットマシン
10 スイッチユニット
11 カバー
11a 開口部
12 操作ボタンケース
12a 開口部
13 操作ボタン
13a 側面壁
13b 支持端
14 レンズ
15 ラバー(弾性部材)
16 PCB(入力部)
17 LCDケース
18 LCD(表示部)
19 ベース
21 光拡散部
22 導光部
31 接点押圧部
32 凹部
33 操作面
51 突起部
51a 空洞
52 開口部
53 断面円形突起部(支持固定点)
61 LED
62 カーボン接点(接点)
91 LCD固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1箇所の入力領域の画像を表示する表示部と、
上記表示部の上側に設けられ、かつ接点を有して、上記表示部に表示された少なくとも1箇所の入力領域に向けて押圧されることにより該入力領域に対応する上記接点が導通される入力部と、
上記表示部の入力領域に向けての押し下げ操作により、該入力領域に対応する入力部の接点を導通させる操作ボタンとを備え、
上記操作ボタンは透光性を有する直方体状部材にてなり、上記直方体状部材の少なくとも1つの側面壁は、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっていることを特徴とするスイッチユニット。
【請求項2】
前記直方体状部材からなる操作ボタンにおける少なくとも一対の両側面壁は、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっていると共に、
上記一対の側面壁における一方の傾斜面における傾斜角度は、該一対の側面壁における他方の傾斜面における傾斜角度よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のスイッチユニット。
【請求項3】
前記直方体状部材からなる操作ボタンにおける4つの側面壁が、下側に向かうにつれて外側に広がる傾斜面となっていることを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチユニット。
【請求項4】
前記操作ボタンと入力部との間には弾性部材が設けられ、
上記操作ボタンの下側の4隅には接点押圧部が設けられていると共に、
上記弾性部材における、操作ボタンの4隅の接点押圧部が接触する位置の全部又は一部には、空洞が形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載のスイッチユニット。
【請求項5】
前記直方体状部材からなる操作ボタンは、一辺に支持端を有し、該一辺の支持端を軸とした回動による押し下げ自在に設けられていることを特徴とする請求項4記載のスイッチユニット。
【請求項6】
前記弾性部材における、操作ボタンの4隅の接点押圧部が接触する位置の全部に空洞が形成されていると共に、
上記操作ボタンにおける4隅の接点押圧部のうちの一辺側に存在する2隅の接点押圧部が接触する位置の弾性部材の空洞には、充填材が充填されていることを特徴とする請求項5記載のスイッチユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載されたスイッチユニットを備えていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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