説明

スイッチングシステムおよびスイッチングシステムの制御方法

【課題】EMIを低減できるスイッチングシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、スイッチングシステムを提供する。スイッチングシステムは、Hブリッジ、電流ルーターおよび制御回路を含む。Hブリッジは、第一出力ノードに結合される第一スイッチと第二スイッチおよび第二出力ノードに結合される第三スイッチと第四スイッチを含み、ロードは、第一出力ノードと第二出力ノード間に結合される。電流ルーターは、第一出力ノードと第二出力ノード間に結合される第一シャントスイッチと第二シャントスイッチを含む。制御回路は、第一制御信号を生成して、第一スイッチと第四スイッチを制御し、第二制御信号を生成して、第二スイッチと第三スイッチを制御し、第三制御信号を生成して、第一シャントスイッチを制御し、第四制御信号を生成して、第二シャントスイッチを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Hブリッジを含むスイッチングシステムに関するものであって、特に、Hブリッジのエレクトロマグネティックインターフェアレンス(EMI)を低減できるスイッチングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
Dクラス増幅器と称されるスイッチングアンプは、高い電力変換効率のため、音声増幅器としてよく使われる。ABクラス増幅器が通常80%に満たないのに対し、スイッチングアンプの電力変換効率は、95%またはもっと高い。よって、スイッチングアンプは、ABクラス増幅器より高い電力変換効率を有し、スイッチングアンプを用いたシステムは、ABクラス増幅器を用いたシステムより長いバッテリー再生時間を有する。
【0003】
スイッチングアンプの主な欠点は、高いエレクトロマグネティックインターフェアレンス(EMI)に関連している。EMI問題は、L−C(インダクタ−キャパシタ)フィルターにより解決される。副次的影響は、インダクタが大きい、非線形であるおよび電力を消耗すること(インダクタは本来備わっている寄生抵抗を有する)である。スイッチングアンプの快速切り換えメカニズムは、スイッチングアンプ近くの電子回路に干渉またはエラーを発生させるエレクトロマグネティックインターフェアレンス(EMI)問題を誘発する。
【0004】
ロードとつながっているスイッチングアンプは、特徴Hの形状と回路を形成し、Hブリッジと称される。図1は、従来のHブリッジの回路図である。Hブリッジは、第一出力ノードOUTPと第二出力ノードOUTMを有し、ロードは、Hブリッジの出力ノードOUTPとOUTM間に結合される。Hブリッジは、4個のスイッチM1、M2、M3およびM4を含む。第一スイッチM1は電源VDDと第一出力ノードOUTPの間に結合され、第二スイッチM2は第一出力ノードOUTPと接地GND間に結合され、第三スイッチM3は電源VDDと第二出力ノードOUTM間に結合され、第四スイッチM4は第二出力ノードOUTMと接地GND間に結合される。
【0005】
スイッチM1、M2、M3およびM4は、それぞれ、ボディダイオードDM1、DM2、DM3およびDM4を有する。4つの制御信号GD1、GD2、GD3およびGD4は、それぞれ、トランジスタM1、M2、M3およびM4のゲートに結合されて、トランジスタM1、M2、M3およびM4をオフにしたりオンにしたりする。制御信号GD1、GD2、GD3およびGD4は、パルス幅変調(PWM)に従って生成される。PWMの異なる変調スキーム間で、低いEMIと高効率のため、BD変調が幅広く用いられる。なお、従来のBD変調に対する本発明の長所が下記に詳細に説明される。従来のBDクラスPWMにおいて、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧、ロード(OUTP−OUTM)を横切る電圧およびコモンモード電圧1/2(OUTP+OUTM)は、スイッチGD1、GD2、GD3およびGD4のオンオフ状態によって決定され、以下の表1にまとめられる。
【表1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−206191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コモンモード電圧は、VDD、1/2VDD、0の3レベルを有する。コモンモード電圧はPWMクロックで切り換えられ、快速スイッチ波は、30−1000MHz幅の大幅なEMI放射を生成する。このEMIは、出力ノード(OUTPとOUTM)とGND間に結合されるLCフィルターにより抑制される。加えられたフィルターはスイッチングシステムのコストと尺寸を増加させる。よって、コモンモードスイッチングノイズを減少させる方策を見つけることが望まれる。このほか、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧の急速な変動は、スイッチングシステムのパフォーマンスをさらに低下させる大きいEMI効果を誘発する。よって、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧の急速な変動を回避する新しいスイッチングシステムが要求される。
【0008】
本発明は上記課題を解決するものであり、EMIを低減できるスイッチングシステムおよびスイッチングシステムの制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の好ましい態様中、スイッチングシステムは、Hブリッジと電流ルーターを含む。Hブリッジは、第一スイッチ、第二スイッチ、第三スイッチおよび第四スイッチを含む。第一スイッチは、電源と第一出力ノード間に結合され、第一制御信号に結合されるゲートを有する。第二スイッチは、第一出力ノードと接地間に結合され、第二制御信号に結合されるゲートを有する。第三スイッチは、電源と第二出力ノード間に結合され、第二制御信号に結合されるゲートを有する。第四スイッチは、第二出力ノードと接地間に結合され、第一制御信号に結合されるゲートを有する。ロードは、第一出力ノードと第二出力ノード間に結合される。電流ルーターは、第一シャントスイッチと第二シャントスイッチを含む。第一シャントスイッチは、第一出力ノードと第一ノード間に結合され、第三制御信号に結合されるゲートを有する。第二シャントスイッチは、第二出力ノードと第一ノード間に結合され、第四制御信号に結合されるゲートを有し、第一シャントスイッチのボディダイオードは第二シャントスイッチのボディダイオードと反対の方向を有する。
【0010】
本発明は、スイッチングシステムの制御方法を提供する。好ましい態様中、スイッチングシステムは、Hブリッジと電流ルーターを含み、Hブリッジは、第一出力ノードに結合される第一スイッチと第二スイッチおよび第二出力ノードに結合される第三スイッチと第四スイッチを含み、電流ルーターは、第一出力ノードと第二出力ノード間に結合される第一シャントスイッチと第二シャントスイッチを含み、ロードは、第一出力ノードと第二出力ノード間に結合される。まず、スイッチングシステムは、第一スイッチ、第四スイッチおよび第一シャントスイッチをオンにし、および、第二スイッチ、第三スイッチおよび第二シャントスイッチをオフにすることにより、第二状態に従って、動作が可能になる。その後、スイッチングシステムは、第一シャントスイッチをオンにし、および、第一スイッチ、第二スイッチ、第三スイッチ、第四スイッチおよび第二シャントスイッチをオフにすることにより、第一状態に従って、動作が可能になる。その後、スイッチングシステムは、第一シャントスイッチと第二シャントスイッチをオンにし、および、第一スイッチ、第二スイッチ、第三スイッチおよび第四スイッチをオフにすることにより、ゼロ状態に従って、動作が可能になる。その後、スイッチングシステムは、第二シャントスイッチをオンにし、第一スイッチ、第二スイッチ、第三スイッチ、第四スイッチおよび第一シャントスイッチをオフにすることにより、逆第一状態に従って、動作が可能になる。その後、スイッチングシステムは、第二スイッチ、第三スイッチおよび第二シャントスイッチをオンにし、第一スイッチ、第四スイッチおよび第一シャントスイッチをオフにすることにより、逆第二状態に従って、動作を可能にする。
【0011】
本発明は、スイッチングシステムを提供する。好ましい態様中、スイッチングシステムは、Hブリッジ、電流ルーターおよび制御回路を含む。Hブリッジは、第一出力ノードに結合される第一スイッチと第二スイッチおよび第二出力ノードに結合される第三スイッチと第四スイッチを含み、ロードは、第一出力ノードと第二出力ノード間に結合される。電流ルーターは、第一出力ノードと第二出力ノード間に結合される第一シャントスイッチと第二シャントスイッチを含む。制御回路は第一制御信号を生成して、第一スイッチと第四スイッチを制御し、第二制御信号を生成して、第二スイッチと第三スイッチを制御し、第三制御信号を生成して、第一シャントスイッチを制御し、第四制御信号を生成して、第二シャントスイッチを制御する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のスイッチングシステムはEMIを低減できる。その結果、スイッチング回路のパフォーマンスを改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来のHブリッジの回路図である。
【図2A】改善されたHブリッジの回路図である。
【図2B】図2Aに示される改善されたHブリッジの電流路を示す図である。
【図2C】図2Aに示される改善されたHブリッジの電流路を示す図である。
【図2D】図2Aに示される改善されたHブリッジの電流路を示す図である。
【図2E】図2Aに示される改善されたHブリッジの出力ノード上の電圧の波形を示す図である。
【図3】本発明の好ましい態様によるスイッチング回路を示す図である。
【図4】電源からスイッチング回路、そして接地への直流通路を示す図である。
【図5A】状態S2に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。
【図5B】状態S1に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。
【図5C】状態S0に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。
【図5D】電流状態が、状態S2から、状態S1、そして、状態S0に変化する時のスイッチング回路の出力ノード上の電圧を示す図である。
【図6A】状態S2に従って動作するスイッチング回路中の電流フローの別の態様を示す図である。
【図6B】状態S1に従って動作するスイッチング回路中の電流フローの別の態様を示す図である。
【図6C】状態S0に従って動作するスイッチング回路中の電流フローの別の態様を示す図である。
【図6D】電流状態が、状態S2から、状態S1、そして、状態S0に変化する時のスイッチング回路の出力ノード上の電圧の別の態様を示す図である。
【図7A】本発明の好ましい態様によるスイッチング回路の状態遷移を示す図である。
【図7B】BD符号化状態を本発明のスイッチング回路の状態に変換する状態符号化回路を示す図である。
【図7C】BD符号化の状態と本発明のスイッチング回路の変換状態間の対応関係を示す図である。
【図8】本発明の好ましい態様によるスイッチングシステムの回路図である。
【図9A】本発明の好ましい態様による異なる状態に対応する制御信号XHB、XLA、XSA、XSB、XHAおよびXLBの電圧を示す図である。
【図9B】図2Aに示されるHブリッジの出力ノードの電圧を示す図である。
【図10】本発明の好ましい態様によるBD変調回路と制御回路を示す図である。
【図11A】本発明の好ましい態様による入力信号、搬送波およびBD変調回路により生成されるBD変調信号CAとCBを示す図である。
【図11B】BD変調信号CAとCB、信号DAとDBおよび制御信号XHA、XHB、XSB、XHB、XLAおよびXSAの波形を示す図である。
【図12】本発明の好ましい態様による電流ルーターの4つの状態(A〜D)の電流フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
比較例として、出力ノードOUTPとOUTM上における、コモンモード電圧を一定にするように、改善されたHブリッジを提案する。図2Aは、改善されたHブリッジの回路図である。改善されたHブリッジも、スイッチM1、M2、M3およびM4を含む。シャントバイアス回路は、1/2VDDに等しい出力ノードOUTPとOUTM上に電圧をクランプする。このほか、二個のシャントスイッチMS1とMS2が、出力ノードOUTPとOUTM間に結合される。制御信号GDPはスイッチM1とM4を制御し、制御信号GDMはスイッチM2とM3を制御し、制御信号GDSはシャントスイッチMS1とMS2を制御する。改善されたHブリッジは、3つの異なる状態S2、S−2、およびS0に従って動作する。3つの状態に従って動作する改善されたHブリッジの電圧は以下の表2に示される。
【表2】

【0015】
表2に示されるように、シャントバイアス電圧が1/2VDDに設定される場合、コモンモード電圧は、常に、1/2VDDに等しい。表1に示されるコモンモード電圧変動はもはや存在せず、これによりEMIを低減する。BD変調に従って、状態S0は、常に、状態S2とS−2間で発生する。ゲート電圧GDP、GDMとGDSのタイミング制御はEMIを減少させ、VDDとGND間の短絡を回避するのに非常に重要である。たとえば、Hブリッジの状態が、S2からS0に変化することを考慮する。GDPが無効になる前(低レベルに設定)、制御信号GDSが有効になる場合(高レベルに設定)、スイッチM1、MS1、MS2およびM4が全てオンになる重複期間があり、VDDとGND間の直流通路が形成されて、潜在的に装置にダメージを与えるショットスルー状態(shoot-through condition)を誘発する。この問題を解決するため、無駄時間状態は、制御信号GDSが有効になる前、制御信号GDPが無効になり、且つ、一般に、状態S2とS0間に挿入される。以下の説明のように、無駄時間状態挿入の問題は、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧で突然ジャンプし、電圧ジャンプはEMIを誘発することである。
【0016】
図2B、2Cおよび2Dは、状態S2、無駄時間状態および状態S0に従って動作するHブリッジによる電流フローを示す図である。図2Bに示されるように、Hブリッジは状態S2に従って動作し、制御信号GDPは有効で、制御信号GDMとGDSは無効である。ノードOUTP上の電圧はVDD、ノードOUTM上の電圧はGNDで、電流は、ノードOUTPからノードOUTMに流れる。その後、図2Cに示されるように、Hブリッジが制御されて、無駄時間状態に従って動作する。インダクタを流れる電流は時間内、継続されなければならないので、全スイッチがオフになる。インダクタにより、ノードOUTPからノードOUTMを流れる電流は、スイッチM2とM3のボディダイオードDM2とDM3を流れる経路を見つける。ノードOUTP上の電圧は、GND−Vdにジャンプすることを余儀なくされ、ノードOUTM上の電圧はVDD+Vdにジャンプすることを余儀なくされ、電圧Vdは、ボディダイオードDM2とDM3の順バイアス電圧である。
【0017】
その後、図2Dに示されるように、Hブリッジが制御されて、状態S0に従って動作する。制御信号GDSが有効になり、シャントスイッチMS1とMS2をオンにする。その後、電流は、ロードおよびシャントスイッチMS1とMS2を循環し、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧はどちらも、1/2VDDに等しい。図2Eは、Hブリッジの出力ノードOUTPとOUTM上の電圧の波形を示す図である。ノードOUTP上の電圧は、まず、状態S2で、VDDに等しく、その後、無駄時間状態SDで、GNDにジャンプし、その後、状態S0で、1/2VDDにジャンプする。ノードOUTM上の電圧は、まず、状態S2で、GNDに等しく、その後、無駄時間状態SDで、VDDにジャンプし、その後、状態S0で、1/2VDDにジャンプする。出力ノードOUTPとOUTM上の電圧の急速な変動もEMIを誘発し、よって、スイッチングシステムのパフォーマンスを低下させる。よって、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧の急速な変動を回避する新しいスイッチングシステムが要求される。
【0018】
図3は、本発明の好ましい態様によるスイッチング回路を示す図である。スイッチング回路は、4個のスイッチM1、M2、M3およびM4を含むHブリッジおよび2個のシャントスイッチMS1とMS2を含む電流ルーターを有する。スイッチM1、M2、M3およびM4は、それぞれ、ボディダイオードDM1、DM2、DM3およびDM4を有する。シャントスイッチMS1とMS2は、それぞれ、ボディダイオードDMS1とDMS2を有する。Hブリッジは、二個の出力ノードOUTPとOUTMを有する。ロードは、出力ノードOUTPとOUTM間に結合される。スイッチM1は、電源VDDと出力ノードOUTP間に結合される。スイッチM2は、出力ノードOUTPと接地間に結合される。スイッチM3は、電源VDDと出力ノードOUTM間に結合される。スイッチM4は、出力ノードOUTPと接地間に結合される。シャントスイッチMS1とMS2は、出力ノードOUTPとOUTM間に結合され、シャントスイッチMS1のボディダイオードDMS1の方向は、シャントスイッチMS2のボディダイオードDMS2と逆である。制御回路(図3に示されない)は、4つの制御信号GDP、GDM、GS1およびGS2を生成する。スイッチM1とM4のゲートは制御信号GDPに結合される。スイッチM2とM3のゲートは制御信号GDMに結合される。シャントスイッチMS1とMS2のゲートは、それぞれ、制御信号GS1とGS2に結合される。
【0019】
図2Aの改善されたHブリッジおよび3つの状態(表2)と比較すると、本発明は、5つの状態S0、S1、S−1、S2およびS−2から選択される電流状態に従って動作するスイッチング回路を提案する。図3中、制御信号GDP、GDM、GS1およびGS2は5つの値を有して、個々に、スイッチM1、M2、M3およびM4とシャントスイッチMS1とMS2をオンオフにする。表3は、5つの状態S0、S1、S−1、S2およびS−2に対応する制御信号GDP、GDM、GS1およびGS2の値を示す。
【表3】

【0020】
たとえば、スイッチング回路が状態S2に従って動作する時、制御信号GDPが有効で、スイッチM1とM4をオンにし、制御信号GDMが無効で、スイッチM2とM3をオフにし、制御信号GS1が有効で、シャントスイッチMS1をオンにし、制御信号GS2が無効で、シャントスイッチMS2をオフにする。スイッチング回路が状態S1に従って動作する時、制御信号GDPが無効で、スイッチM1とM4をオフにし、制御信号GDMが無効で、スイッチM2とM3をオフにし、制御信号GS1が有効で、シャントスイッチMS1をオンにし、制御信号GS2が無効で、シャントスイッチMS2をオフにする。スイッチング回路が状態S0に従って動作する時、制御信号GDPは無効で、スイッチM1とM4をオフにし、制御信号GDMが無効で、スイッチM2とM3をオフにし、制御信号GS1が有効で、シャントスイッチMS1をオンにし、制御信号GS2が有効で、シャントスイッチMS2をオンにする。
【0021】
表3と表2を比較すると、本発明は、2つの特別な状態S1とS−1を導入する。状態S1において、電流は、OUTMからOUTPだけに流れ、状態S−1において、電流は、OUTPからOUTMだけに流れる。故に、複合シャントスイッチMS1とMS2は電流ルーターと称される。図2Eに示されるように、別の状態間で、適切に、状態S1とS−1を挿入することにより、電流ルーターは、電流フローを適切に誘導し、突然のノード過渡電圧を防止することが出来る。
【0022】
状態S0、S1、S−1、S2、S−2に加え、制御信号GDP、GDM、GS1およびGS2の異なる値に対応する別の状態がある。しかし、これらの状態において、電源VDDから接地GNDの直流通路が生成されて、電流シュートスルーを誘発するので、スイッチング回路は、これらの状態に従って、動作を禁止する。たとえば、図4に示されるように、制御信号GDPは無効、制御信号GDMは有効、制御信号GS1は有効、制御信号GS2は無効である。よって、スイッチM2とM3およびシャントスイッチMS1はオンになり、シャントスイッチMS2がオフになる。これにより、電源から、スイッチM3、シャントスイッチMS2のボディダイオードDMS2、シャントスイッチMS1、スイッチM2を経た接地GNDへの直流通路が形成される。電流路は、スイッチング回路にダメージをもたらし、図4の状態が放棄される。
【0023】
表3に示されるように、シャントスイッチMS1とMS2両方がオンになる状態S0を除けば、シャントスイッチMS2がオフである時、シャントスイッチMS1はオンで、シャントスイッチMS1がオフである時、シャントスイッチMS2はオンである。シャントスイッチMS1とMS2のひとつだけをオンにする目的は、出力ノードGDPとGDMのひとつの電圧が、高論理レベルから低論理レベルになる時、電流路を提供することである。過渡電圧の間、出力ノードGDPとGDMの電圧両方が0に等しい短期間があり、無駄時間期間と称される。状態S1かS−1を適切に挿入し、前もって、シャントスイッチMS1とMS2のひとつをオンにすることにより、負荷電流は、シャントスイッチを流れる経路を有し、図2Eに示されるように、出力ノードOUTPとOUTMの電圧が、高論理レベルから低論理レベルに急速に変化するのを回避し、この快速遷移に関連するEMIが大幅に減少する。
【0024】
図5A、5Bおよび5Cは、電流が、ロードを経て、ノードOUTPからノードOUTMに流れる時の状態S2から状態S1、そして、状態S0に遷移する電流フローを示す図である。図5Aは、状態S2に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。スイッチング回路が状態S2に従って動作する時、制御信号GDPは、スイッチM1とM4をオンにし、制御信号GDMはスイッチM2とM3をオフにし、制御信号GS1はシャントスイッチMS1をオンにし、GS2はMS2をオフにし、電流は、電源VDDから、スイッチM1、ロードおよびスイッチM4を経て、接地GNDに流れる。出力ノードOUTP上の電圧はVDDに等しく、出力ノードOUTM上の電圧はGNDに等しい。
【0025】
図5Bは、状態S1に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。スイッチング回路が状態S1に従って動作する時、制御信号GDPはスイッチM1とM4をオフにし、制御信号GDMはスイッチM2とM3をオフにし、制御信号GS1はシャントスイッチMS1をオンにし、制御信号GS2はシャントスイッチMS2をオフにし、これにより、電流は、ロード、シャントスイッチMS2のボディダイオードDMS2、シャントスイッチMS1を循環する。出力ノードOUTP上の電圧は(1/2VDD−1/2Vd)に等しく、出力ノードOUTM上の電圧は(1/2VDD+1/2Vd)に等しく、VdはボディダイオードDMS2を横切る電圧で、通常は、VDDより大幅に小さい。
【0026】
図5Cは、状態S0に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。スイッチング回路が状態S0に従って動作する時、制御信号GDPはスイッチM1とM4をオフにし、制御信号GDMはスイッチM2とM3をオフにし、制御信号GS1はシャントスイッチMS1をオンにし、制御信号GS2はシャントスイッチMS2をオンにする。これにより、電流は、ロード、シャントスイッチMS2およびシャントスイッチMS1を循環する。出力ノードOUTP上の電圧は1/2VDDに等しく、出力ノードOUTM上の電圧は1/2VDDに等しい。
【0027】
図5Dは、スイッチング回路の電流状態が、状態S2から状態S1、そして、状態S0に変化する時の出力ノードOUTPとOUTM上の電圧を示す図である。スイッチング回路が状態S2に従って動作する時、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧は、それぞれ、VDDとGNDである。スイッチング回路が状態S1に従って動作する時、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧は、それぞれ、(1/2VDD−1/2Vd)と(1/2VDD+1/2Vd)である。スイッチング回路が状態S0に従って動作する時、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧は、共に、1/2VDDである。図2Eとの比較において、無駄期間SD中の快速な過渡電圧が消失し、よって、EMIが減少して、スイッチング回路のパフォーマンスを改善する。
【0028】
図6A、6Bおよび6Cは、ロードを流れる電流が、ノードOUTMからノードOUTPに流れる時の状態S2から状態S1、そして、状態S0に遷移する電流フローを示す図である。図6Aは、状態S2に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。スイッチング回路が状態S2に従って動作する時、電流は、接地GNDからスイッチM4、ロードおよびスイッチM1、そして、電源VDDに流れる。出力ノードOUTP上の電圧はVDDに等しく、出力ノードOUTM上の電圧はGNDに等しい。図6Bは、状態S1に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。スイッチング回路が状態S1に従って動作する時、電流は、順に、接地GNDから、スイッチM4のボディダイオードDM4、ロード、スイッチM1のボディダイオードDM1、そして、電源VDDを流れる。出力ノードOUTP上の電圧は(VDD+Vd)に等しく、出力ノードOUTM上の電圧は(GND−Vd)に等しく、Vdは、ボディダイオードDM4かDM1を横切る電圧である。
【0029】
図6Cは、状態S0に従って動作するスイッチング回路中の電流フローを示す図である。スイッチング回路が状態S0に従って動作する時、制御信号GS1はシャントスイッチMS1をオンにし、制御信号GS2はシャントスイッチMS2をオンにする。これにより、電流は、ロード、シャントスイッチMS1およびシャントスイッチMS2を循環する。出力ノードOUTP上の電圧は1/2VDDに等しく、出力ノードOUTM上の電圧も1/2VDDに等しい。
【0030】
図6Dは、スイッチング回路の電流状態が、状態S2から状態S1、そして状態S0に変化する時の出力ノードOUTPとOUTM上の電圧を示す図である。スイッチング回路が状態S2で動作する時、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧は、それぞれ、VDDとGNDである。スイッチング回路が状態S1に従って動作する時、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧は、それぞれ、(VDD+Vd)と(GND−Vd)である。スイッチング回路が状態S0に従って動作する時、出力ノードOUTPとOUTM上の電圧は共に1/2VDDである。図2Eとの比較において、無駄期間SD中の快速な過渡電圧が消失し、これにより、EMIが減少して、スイッチング回路のパフォーマンスを改善する。
【0031】
図7Aは、本発明の好ましい態様によるスイッチング回路の状態遷移を示す図である。3レベルのBD変調にとって、状態遷移は、常に、S2とS0またはS−2とS0の間である。この提案において、状態S1はS2とS0間に挿入され、状態S−1はS0とS−2間に挿入される。中間状態S1は状態S2とS0間に挿入され、中間状態S−1は状態S0とS−2間に挿入されるからである。状態S1とS−1において、電流ルーターMS1とMS2は、電流を適切に、OUTMからOUTPに(状態S1)またはOUTPからOUTMに(状態S−1)に誘導するので、状態遷移期間中、電圧が突然に、スイッチング回路の出力ノードOUTPとOUTMにジャンプせず、よって、EMIが減少する。電流状態が状態S2である時、スイッチングシステムの状態は、まず、状態S1に変化し、その後、状態S0になる。電流状態が状態S−2の時、スイッチングシステムの状態は、まず、状態S−1に変化し、その後、状態S0になる。電流状態が状態S0の時、スイッチングシステムの状態は、順に、状態S1に変化し、その後、状態S2になるか、または、順に、状態S−1に変化し、その後、状態S−2になる。
【0032】
図7Bは、BD符号化状態を本発明のスイッチング回路の状態に変換するアルゴリズムを示す図である。BD符号化中、4つの可能な状態遷移がある。状態符号化回路は、まず、前のBD符号化状態、BD−1および現在のBD符号化状態、BD0を保存し、その後、状態マッピングテーブルに従って、中間状態、0−1およびスイッチング回路の最終状態00を生成する。注意すべきことは、00=BD0である。表4に示す状態マッピングテーブルに従って、状態符号化回路は、BD符号化状態をスイッチング回路の状態に変換する。
【表4】

【0033】
出力は、その後、図7Cに従って順序付けされる。図7Cにおいて、BD符号化中の本来のスイッチング期間はTである。5状態符号化中、同じ期間はT1とT2に分けられる。T=T1+T2である。T1は中間状態S1とS2により用いられる。通常、T2よりかなり小さいT1が選択されて、歪みを最小化する。
【0034】
図8は、本発明の好ましい態様によるスイッチングシステムの回路図である。スイッチングシステムは、制御回路222、スイッチ171、172、175および176を含むHブリッジ、および、シャントスイッチ173と174を含む電流ルーター178を含む。ロード170は、Hブリッジの出力ノードOUTBとOUTA間に結合される。制御回路222は、制御信号XHB、XLB、XHA、XLAを生成し、スイッチ176、175、172および171を制御する。また、制御回路222は、制御信号XSBとXSAを生成し、シャントスイッチ174と173を制御する。
【0035】
図8に示されるスイッチングシステムの動作は、図3中のスイッチング回路と同じである。図9Aは、本発明の好ましい態様による異なる状態に対応する制御信号XHB、XLA、XSA、XSB、XHAおよびXLBの電圧を示す図である。この例において、スイッチングシステムの電流状態は、順に、S0から、S1、S2、S0、S−1、S−2およびS−1に変化し、そして、S0に戻る。インダクタ電流方向が、OUTPからOUTMである場合、電流ルーターは、電流を適切に、挿入状態S1とS−1に導くので、スイッチングシステムの出力ノードOUTAとOUTB上の電圧は、図9A上部に示されるようである。インダクタ電流方向が、OUTMからOUTPである場合、スイッチングシステムの出力ノードOUTAとOUTB上の電圧は、図9Aの中間部に示されているとおりである。図9Bは、図2Aに示される改善されたHブリッジの出力ノードの電圧を示す図である。改善されたHブリッジは、本発明のような電流ルーター機能を有さず、よって、無駄時間は状態遷移間に挿入される必要がなく、それらは、図9B中でSXとして表示される。図2Eに示されるように、出力ノードOUTAとOUTBは快速遷移を示す。図9Bとの比較において、図9A中のスイッチングシステムの電圧変動のレベルは小さく、よって、EMIが減少し、本発明のスイッチングシステムのパフォーマンスを改善する。
【0036】
図10は、本発明の好ましい態様によるBD変調回路1004と制御回路1002を示す図である。BD変調回路1004は、入力信号と搬送波に従って、BD変調信号CAとCBを生成する。好ましい態様中、BD変調回路1004は、インバーターIV0と2個の比較器C1とC2を含む。インバーターIV0は入力信号を反転させて、逆入力信号を生成する。比較器C1は、入力信号と搬送波を比較して、BD変調信号CAを生成する。比較器C2は、逆入力信号と搬送波を比較して、BD変調信号CBを生成する。図11Aは、本発明の好ましい態様による入力信号、搬送波およびBD変調回路により生成されるBD変調信号CAとCBを示す図である。
【0037】
その後、制御回路1002は、BD変調信号CAとCBに従って、制御信号XHA、XLB、XSH、XSA、XHB、XLAを生成し、図8中のHブリッジのスイッチ171、172、176、175と電流ルーター178のシャントスイッチ174と173を制御する。好ましい態様中、制御回路1002は、インバーターIV1、IV2、IV3およびIV4とNORゲートG1、G2、G3、G4、G5およびG6を含む。インバーターIV1はBD変調信号CAを反転させて、第一信号を生成する。インバーターIV2はBD変調信号CBを反転させて、第二信号を生成する。NORゲートG1は、第一信号とBD変調信号CB上でNOR動作を実行して、第三信号DAを得る。NORゲートG2は、BD変調信号CAと第二信号上でNOR動作を実行して、第四信号DBを得る。インバーターIV3は、第三信号DAを反転させて、逆第三信号を得る。インバーターIV4は、第四信号DBを反転させて、逆第四信号を得る。NORゲートG3は、逆第三信号と制御信号XSH上でNOR動作を実行して、制御信号XHAとXLBを得る。NORゲートG4は、第三信号と制御信号XHA上で、NOR動作を実行して、制御信号XSHを得る。NORゲートG5は、第四信号と制御信号XHB上で、NOR動作を実行して、制御信号XSAを得る。NORゲートG6は、逆第四信号と制御信号XSA上で、NOR動作を実行し、制御信号XHBとXLAを得る。図11Bは、BD変調信号CAとCB、信号DAとDBおよび制御信号XHA、XHB、XSB、XHB、XLAおよびXSAの波形を示す図である。
【0038】
図3と図8に示される電流ルーターは、4つの動作状態から選択される電流状態に従って動作する。図12A、12B、12Cおよび12Dは、本発明の好ましい態様による電流ルーターの4つの状態の電流フローを示す図である。電流ルーターは、2個のシャントスイッチMS1とMS2とシャントスイッチMS1とMS2の2個のボディダイオードDMS1とDMS2を含み、ボディダイオードDMS1の方向は、ボディダイオードDMS2と逆である。図12Aに示される第一状態によると、制御信号GS1はシャントスイッチMS1をオンにし、制御信号GS2はシャントスイッチMS2をオンにする。よって、シャントスイッチMS1とMS2の電流路が形成され、電流は、シャントスイッチMS2からシャントスイッチMS1に、または、シャントスイッチMS1からシャントスイッチMS2に流れる。図12Bに示される第二状態に従って、制御信号GS1はシャントスイッチMS1をオフにし、制御信号GS2はシャントスイッチMS2をオフにする。電流路が形成されず、電流は、シャントスイッチMS1とMS2を流れない。
【0039】
図12Cに示される第三状態に従って、制御信号GS1はシャントスイッチMS1をオフにし、制御信号GS2はシャントスイッチMS2をオンにする。よって、ボディダイオードDMS1とシャントスイッチMS2を経る電流路が形成され、電流は、ボディダイオードDMS1からシャントスイッチMS2だけに流れる。図12Dに示される第四状態に従って、制御信号GS1はシャントスイッチMS1をオンにし、制御信号GS2はシャントスイッチMS2をオフにする。ボディダイオードDMS2とシャントスイッチMS1を経る電流路が形成され、電流は、ボディダイオードDMS2からシャントスイッチMS1だけに流れる。
【0040】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変形や調整を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0041】
出力ノード…OUTP、OUTM、GDP、GDM
スイッチ…M1、M2、M3、M4、GD1、GD2、GD3、GD4、171、172、175、176
電源…VDD
ボディダイオード…DM1、DM2、DM3、DM4
状態…S0、S1、S−1、S2、S−2
制御信号…GDP、GDM、GS1、GS2、XHB、XLB、XHA、XLA、XSB、XSA
接地…GND
シャントスイッチ…MS1、MS2、173、174
ロード…170
電流ルーター…178
制御回路…222、1002
BD変調回路…1004
インバーター…IV0、IV1、IV2、IV3、IV4
比較器…C1とC2
NORゲート…G1、G2、G3、G4、G5、G6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流ルーターの制御方法であって、前記電流ルーターは、第一ボディダイオードを有する第一シャントスイッチおよび第二ボディダイオードを有する第二シャントスイッチを含み、前記電流ルーターはロードと並列に結合され、制御回路は複数の制御信号を生成して、前記第一シャントスイッチと前記第二シャントスイッチをオンにするかどうかを制御し、前記第一ボディダイオードの前記方向は、前記第二ボディダイオードと逆であり、本方法は、
前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第二シャントスイッチをオンにして、電流を、前記第一シャントスイッチから前記第二シャントスイッチに、または、前記第二シャントスイッチから前記第一シャントスイッチに流す工程と、
前記第一シャントスイッチをオフにし、前記第二シャントスイッチをオフにして、電流が、前記第一シャントスイッチから前記第二シャントスイッチに、および、前記第二シャントスイッチから前記第一シャントスイッチに流れるのを阻止する工程と、
前記第一シャントスイッチをオフにし、前記第二シャントスイッチをオンにして、電流を、前記第一ボディダイオードから前記第二シャントスイッチに流す工程と、
前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第二シャントスイッチをオフにして、電流を、前記第二ボディダイオードから前記第一シャントスイッチに流す工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項2】
スイッチングシステムであって、
ロードに連結する第一出力端と第二出力端を有し、パワーサプライと前記第一出力端間に結合される第一スイッチ、前記パワーサプライと前記第二出力端間に結合される第二スイッチ、接地と前記第一出力端間に結合される第三スイッチ、および、前記接地と前記第二出力端間に結合される第四スイッチを含み、前記第一スイッチと前記第四スイッチは第一制御信号により制御され、前記第二スイッチと前記第三スイッチは第二制御信号により制御されるHブリッジと、
前記第一出力端と第二シャントスイッチ間に結合される第一シャントスイッチおよび前記第二出力端と前記第一シャントスイッチ間に結合される前記第二シャントスイッチを含み、前記第一シャントスイッチは第三制御信号により制御され、前記第二シャントスイッチは第四制御信号により制御される電流ルーターと、
前記第一制御信号、前記第二制御信号、前記第三制御信号および第四制御信号を生成し、前記スイッチングシステムの複数の状態の選択を制限して、各状態において、前記パワーサプライと前記接地間に直流通路がない状態にする制御ユニットと、
を含むことを特徴とするスイッチングシステム。
【請求項3】
前記スイッチングシステムの状態遷移が発生する時、前記スイッチングシステムの前記第一出力端と前記第二出力端上で生成される出力電圧は、前記パワーサプライと前記接地間で直接遷移させないことを特徴とする請求項2に記載のスイッチングシステム。
【請求項4】
マッピング方法であって、3レベル出力システムを、5状態遷移システムに変換して、前記3レベル出力システム中の無駄時間に関する突然の遷移が緩和されることを特徴とするマッピング方法。
【請求項5】
前記3レベル出力システムは、パルス幅変調(PWM)スイッチングシステムであることを特徴とする請求項4に記載のマッピング方法。
【請求項6】
スイッチングシステムであって、
電源と第一出力ノード間に結合され、第一制御信号に結合されるゲートを有する第一スイッチと、前記第一出力ノードと接地間に結合され、第二制御信号に結合されるゲートを有する第二スイッチと、前記電源と第二出力ノード間に結合され、前記第二制御信号に結合されるゲートを有する第三スイッチと、前記第二出力ノードと前記接地間に結合され、前記第一制御信号に結合されるゲートを有する第四スイッチと、を有し、ロードが、前記第一出力ノードと前記第二出力ノード間に結合されるHブリッジと、
前記第一出力ノードと第一ノード間に結合され、第三制御信号に結合されるゲートを有する第一シャントスイッチと、前記第二出力ノードと前記第一ノード間に結合され、第四制御信号に結合されるゲートを有する第二シャントスイッチと、を含み、前記第一シャントスイッチの前記ボディダイオードは、前記第二シャントスイッチの前記ボディダイオードと逆の方向を有する電流ルーターと、
を含むことを特徴とするスイッチングシステム。
【請求項7】
前記第一シャントスイッチと前記第二シャントスイッチが共にオンになるゼロ状態を除けば、前記第四制御信号が前記第二シャントスイッチをオフにする時、前記第三制御信号は前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第四制御信号が前記第二シャントスイッチをオンにする時、前記第三制御信号は前記第一シャントスイッチをオフにすることを特徴とする請求項6に記載のスイッチングシステム。
【請求項8】
前記スイッチングシステムが、ゼロ状態、第一状態、第二状態、逆第一状態および逆第二状態から選択される電流状態に従って動作する時、
前記電流状態が前記第一状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオフにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオフにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオフにし、
前記電流状態が前記逆第一状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオフにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオフにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオフにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオンにし、
前記電流状態が前記第二状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオンにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオフにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオフにし、
前記電流状態が前記逆第二状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオフにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオンにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオフにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオンにし、
前記電流状態が前記ゼロ状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオフにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオフにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオンにする
ことを特徴とする請求項6に記載のスイッチングシステム。
【請求項9】
前記スイッチングシステムは、さらに、前記第一制御信号、前記第二制御信号、前記第三制御信号および前記第四制御信号を生成する制御回路を含むことを特徴とする請求項6に記載のスイッチングシステム。
【請求項10】
前記スイッチングシステムの前記状態の前記遷移は、以下の順序に従い、
前記電流状態が前記第二状態である時、前記スイッチングシステムの前記状態は、まず、前記第一状態に変化し、その後、前記ゼロ状態になり、
前記電流状態が前記逆第二状態である時、前記スイッチングシステムの前記状態は、まず、前記逆第一状態に変化し、その後、前記ゼロ状態になり、
電流状態が前記ゼロ状態である時、前記スイッチングシステムの前記状態は、順に、前記第一状態に変化し、その後、前記第二状態になるか、または、順に、前記逆第一状態に変化し、その後、前記逆第二状態になる
ことを特徴とする請求項8に記載のスイッチングシステム。
【請求項11】
スイッチングシステムの制御方法であって、前記スイッチングシステムはHブリッジと電流ルーターを含み、前記Hブリッジは、第一出力ノードに結合される第一スイッチと第二スイッチおよび第二出力ノードに結合される第三スイッチと第四スイッチを含み、前記電流ルーターは、前記第一出力ノードと前記第二出力ノード間に結合される第一シャントスイッチと第二シャントスイッチを含み、ロードは前記第一出力ノードと前記第二出力ノード間に結合され、前記方法は、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第一スイッチ、前記第四スイッチおよび前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第二スイッチ、前記第三スイッチおよび前記第二シャントスイッチをオフにすることにより、第二状態に従って動作する工程と、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第一スイッチ、前記第二スイッチ、前記第三スイッチ、前記第四スイッチおよび前記第二シャントスイッチをオフにすることにより、第一状態に従って動作する工程と、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第一シャントスイッチと前記第二シャントスイッチをオンにし、前記第一スイッチ、前記第二スイッチ、前記第三スイッチおよび前記第四スイッチをオフにすることにより、ゼロ状態に従って動作する工程と、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第二シャントスイッチをオンにし、前記第一スイッチ、前記第二スイッチ、前記第三スイッチ、前記第四スイッチおよび前記第一シャントスイッチをオフにすることにより、逆第一状態に従って動作する工程と、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第二スイッチ、前記第三スイッチおよび前記第二シャントスイッチをオンにし、前記第一スイッチ、前記第四スイッチおよび前記第一シャントスイッチをオフにすることにより、逆第二状態に従って動作する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記方法は、さらに、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第二スイッチ、前記第三スイッチおよび前記第二シャントスイッチをオンにし、前記第一スイッチ、前記第四スイッチおよび前記第一シャントスイッチをオフにすることにより、前記逆第二状態に従って動作する工程と、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第二シャントスイッチをオンにし、前記第一スイッチ、前記第二スイッチ、前記第三スイッチ、前記第四スイッチおよび前記第一シャントスイッチをオフにすることにより、前記逆第一状態に従って動作する工程と、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第一シャントスイッチと前記第二シャントスイッチをオンにし、前記第一スイッチ、前記第二スイッチ、前記第三スイッチおよび前記第四スイッチをオフにすることにより、前記ゼロ状態に従って動作する工程と、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第一スイッチ、前記第二スイッチ、前記第三スイッチ、前記第四スイッチおよび前記第二シャントスイッチをオフにすることにより、前記第一状態に従って動作する工程と、
前記スイッチングシステムを有効にして、前記第一スイッチ、前記第四スイッチおよび前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第二スイッチ、前記第三スイッチおよび前記第二シャントスイッチをオフにすることにより、前記第二状態に従って動作する工程と、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記Hブリッジは、
電源と前記第一出力ノード間に結合され、前記第一制御信号間に結合されるゲートを有する前記第一スイッチと、
前記第一出力ノードと接地間に結合され、前記第二制御信号に結合されるゲートを有する前記第二スイッチと、
前記電源と前記第二出力ノード間に結合され、前記第二制御信号に結合されるゲートを有する前記第三スイッチと、
前記第二出力ノードと前記接地間に結合され、前記第一制御信号に結合されるゲートを有する前記第四スイッチと、
を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記電流ルーターは、
前記第一出力ノードと第一ノード間に結合され、前記第三制御信号に結合されるゲートを有する前記第一シャントスイッチと、
前記第二出力ノードと前記第一ノード間に結合され、前記第四制御信号に結合されるゲートを有する前記第二シャントスイッチと、
を含み、
前記第一シャントスイッチの前記ボディダイオードは、前記第二シャントスイッチの前記ボディダイオードと逆の方向を有する
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
スイッチングシステムであって、
第一出力ノードに結合される第一スイッチと第二スイッチ、および、第二出力ノードに結合される第三スイッチと第四スイッチを含み、ロードが、前記第一出力ノードと前記第二出力ノード間に結合されるHブリッジと、
前記第一出力ノードと前記第二出力ノード間に結合される第一シャントスイッチと第二シャントスイッチを含む電流ルーターと、
第一制御信号を生成して、前記第一スイッチと前記第四スイッチを制御し、第二制御信号を生成して、前記第二スイッチと前記第三スイッチを制御し、第三制御信号を生成して、前記第一シャントスイッチを制御し、第四制御信号を生成して、前記第二シャントスイッチを制御する制御回路と、
を含むことを特徴とするスイッチングシステム。
【請求項16】
前記制御回路は、
第一信号を反転させて、逆第一信号を生成する第一インバーターと、
第二信号を反転させて、逆第二信号を生成する第二インバーターと、
前記逆第一信号と前記第二信号上でNOR動作を実行して、第三信号を得る第一NORゲートと、
前記第一信号と前記逆第二信号上でNOR動作を実行して、第四信号を得る第二NORゲートと、
前記第三信号を反転させて、逆第三信号を得る第三インバーターと、
前記第四信号を反転させて、逆第四信号を得る第四インバーターと、
前記逆第三信号と前記第三制御信号上でNOR動作を実行し、前記第二制御信号を得る第三NORゲートと、
前記第三信号と前記第二制御信号上でNOR動作を実行して、前記第三制御信号を得る第四NORゲートと、
前記第四信号と前記第一制御信号上でNOR動作を実行して、前記第四制御信号を得る第五NORゲートと、
前記逆第四信号と前記第四制御信号上でNOR動作を実行し、前記第一制御信号を得る第六NORゲートと、
を含むことを特徴とする請求項15に記載のスイッチングシステム。
【請求項17】
前記スイッチングシステムは、さらに、BD変調回路を含み、
入力信号を反転させて、逆入力信号を得る第七インバーターと、
入力信号と搬送波を比較して、前記第一信号を生成する第一比較器と、
前記逆入力信号と前記搬送波を比較して、前記第二信号を生成する第二比較器と、
を含むことを特徴とする請求項15に記載のスイッチングシステム。
【請求項18】
前記Hブリッジは、
電源と前記第一出力ノード間に結合され、前記第一制御信号に結合されるゲートを有する前記第一スイッチと、
前記第一出力ノードと接地間に結合され、前記第二制御信号に結合されるゲートを有する前記第二スイッチと、
前記電源と前記第二出力ノード間に結合され、前記第二制御信号に結合されるゲートを有する前記第三スイッチと、
前記第二出力ノードと前記接地間に結合され、前記第一制御信号に結合されるゲートを有する前記第四スイッチと、
を含むことを特徴とする請求項15に記載のスイッチングシステム。
【請求項19】
前記電流ルーターは、
前記第一出力ノードと第一ノード間に結合され、前記第三制御信号に結合されるゲートを有する前記第一シャントスイッチと、
前記第二出力ノードと前記第一ノード間に結合され、前記第四制御信号に結合されるゲートを有する前記第二シャントスイッチと、
を含み、
前記第一シャントスイッチの前記ボディダイオードは、前記第二シャントスイッチの前記ボディダイオードと逆の方向を有する
ことを特徴とする請求項15に記載のスイッチングシステム。
【請求項20】
前記第一シャントスイッチと前記第二シャントスイッチが両方オンになるゼロ状態を除けば、前記第四制御信号が前記第二シャントスイッチをオフにするとき、前記第三制御信号は前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第四制御信号が前記第二シャントスイッチをオンにするとき、前記第三制御信号は前記第一シャントスイッチをオフにする
ことを特徴とする請求項15に記載のスイッチングシステム。
【請求項21】
前記スイッチングシステムが、ゼロ状態、第一状態、第二状態、逆第一状態および逆第二状態から選択される電流状態に従って動作する時、
前記電流状態が前記第一状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオフにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオフにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオフにし、
前記電流状態が前記逆第一状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオフにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオフにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオフにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオンにする
ことを特徴とする請求項15に記載のスイッチングシステム。
【請求項22】
前記電流状態が前記第二状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオンにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオフにし、前記第三制御信号は前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第四制御信号は前記第二シャントスイッチをオフにし、
前記電流状態が前記逆第二状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオフにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオンにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオフにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオンにし、
電流状態がゼロ状態である時、前記第一制御信号は、前記第一スイッチと前記第四スイッチをオフにし、前記第二制御信号は、前記第二スイッチと前記第三スイッチをオフにし、前記第三制御信号は、前記第一シャントスイッチをオンにし、前記第四制御信号は、前記第二シャントスイッチをオンにし、
電流状態が前記第二状態である時、前記スイッチングシステムの前記状態は、まず、前記第一状態に変化し、その後、前記ゼロ状態、前記逆第一状態および前記逆第二状態になり、
電流状態が前記逆第二状態である時、前記スイッチングシステムの前記状態は、まず、前記逆第一状態に変化し、その後、前記ゼロ状態、前記第一状態および前記第二状態になる
ことを特徴とする請求項21に記載のスイッチングシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−98987(P2013−98987A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−239799(P2012−239799)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(512282028)新能微股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】