説明

スイッチング回路およびスイッチング回路を用いた撮像装置

【課題】EM−CCDのCMG駆動回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量CMG電圧の振幅の減衰を防ぎ、矩形波特性を改善する。
【解決手段】論理バッファとPchMOSとNchMOSのゲート間にフェライトビーズとダイオードの並列接続を挿入し、MOSがターンオフする方向にダイオードが接続されているスイッチング回路において、PchMOSのドレインソース間導通抵抗が2オーム以上あり、PchMOSのドレインとNchMOSのドレインとが1オーム以上の抵抗で接続され、PchMOSのドレインと容量負荷間に、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記容量性負荷のインピーダンスの1/2より低いインピーダンスのフェライトビーズを直列接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング回路およびスイッチング回路を用いた撮像装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電荷転送型(Charge Coupled Device以下CCDと略す)撮像素子の水平転送電極駆動回路も、駆動対象の撮像素子の電圧振幅が5V以下であれば、CCD撮像素子の駆動用論理集積回路が使用でき、電圧振幅が6V以下であれば、汎用CMOS論理集積回路が使用できる(非特許文献1参照)。
【0003】
しかし、電子増倍CCD撮像素子(Electron Multiplying-CCD以下EM−CCDと略す)は、電子冷却と組み合わせて感度を高くできるが、EM−CCDの電子増倍を行う水平転送電極(Charge Multiplication Gate以下CMGと略す)は、例えば、TEXAS INSTRUMENTS(以下TIと略す)製の33万画素で、容量負荷約25pFで12.5MHzでのインピーダンスは約509Ωと重い負荷となり、電圧振幅が18 Vp-pから24Vp-pと大きくかつ可変な上に、CMG電圧振幅が高い高電子増倍時は、0.1Vの電圧変動で1.4倍感度が変化し、11℃の温度変化で1.8倍感度が変化するので、駆動波形の電圧振幅確保と高安定性と発熱つまり消費電力の低減が求められる。例えば、e2V Technology(以下e2Vと略す)製では、CMG電圧振幅が35Vp-pから45Vp-pとさらに大きい。したがって、CCD撮像素子の他の電極駆動の様に耐圧18V程度の汎用集積回路を利用することが困難である。そこで、EM−CCDの電子増倍を行う水平転送電極に、電源電圧可変の相補のエンハンスメント型金属酸化膜形電界効果トランジスタ(MOSFET)のドレインでパルス波形を供給し、MOSFETのゲートを容量結合したCMOS論理集積回路で駆動することが一般的である。また読み出しの水平転送電極は、例えば、TI製の33万画素で、容量負荷約85pFと約55pFで12.5MHzでのインピーダンスは約150Ωと約231Ωと重い負荷となり、電圧振幅が8Vp-pで耐圧18V程度のピンドライバと呼ばれる集積回路が使用される。さらに、EM−CCDは、frame interline transfer-CCD(以下FIT−CCDと略す)であり、撮像部転送路と蓄積部転送路と別々に駆動するため、例えば、端子数が24ピンと多く、約6.4mm×4.8mmの撮像寸法に対し、約32mm×17.5mmの外形寸法と大きく、CMGの4番ピンと出力リセットパルス(RST)の5番ピンが隣接している。さらに背面はペルチェ冷却に用いるので、プリント板の配線はピンの外側に限定される(非特許文献2、非特許文献3参照)。そのため、4番ピンのCMGへのプリント板の配線から5番ピンの出力リセットパルス(RST)へのプリント板の配線を介し10番ピンの出力(VOUT)への飛び込みが発生し易い。CMG電圧振幅のスパイクやMOSFETのドレイン電流のスパイクもプリント板の配線を介して、EM−CCD出力への飛び込みが発生し易い。
CMG電圧振幅が高い高電子増倍時は水平変調度と水平解像度が低下するので、EM−CCDを冷却してCMG電圧振幅を最小限にする(非特許文献4参照)。水平変調度と水平解像度が低下するのはCMG電圧振幅が高い高電子増倍時はCMGの矩形波特性が劣化し、水平転送が不完全になるためと推定される。また、過大光量により垂直転送路へ漏れこんだ電荷が、蓄積部転送路、水平転送路へ次々と溢れだして行くブルーミングと称される状態も起こる。
【0004】
また、小型自動車や放送用カメラの電圧10.5V〜17Vの公称12Vバッテリ入力のスイッチング電源や非増倍の水平転送電極Hφ駆動用に、導通時間と非導通時間がほぼ等しくする従来の相補のMOSFET駆動回路の構成を示すブロック図の図7のような各種の回路も実用化されている(特許文献1参照)。図8に従来の相補のMOSFET駆動回路の入出力電圧動作の模式図を示す。
【0005】
図7と図8において、MOSFETのゲートを駆動するIC4の出力電圧Vout4が0Vになる際は、ダイオードD6が導通し抵抗5で駆動されてPch−MOSFETのQ1のゲート電圧は比較的長い時間でスレッショルド電圧を越えてPch−MOSFETのQ1は導通開始(ターンオン)する。MOSFETのゲートを駆動するIC4の出力電圧Vout4が5Vになる際は、ダイオードD7が導通し抵抗6で駆動されてPch−MOSFETのQ1のゲート電圧はスレッショルド電圧までは短い時間で上昇しチャージ電荷が引き抜かれるまで、スレッショルド電圧に止まり、比較的長い時間でPch−MOSFETのQ1は導通終了(ターンオフ)する。
【0006】
同様に、MOSFETのゲートを駆動するIC4の出力電圧Vout4が0Vになる際は、ダイオードD8が導通し抵抗7で駆動されてNch−MOSFETのQ2のゲート電圧はスレッショルド電圧までは短い時間で下降しチャージ電荷が引き抜かれるまで、スレッショルド電圧に止まり比較的長い時間でNch−MOSFETのQ2はターンオフする。MOSFETのゲートを駆動するIC4の出力電圧Vout4が5Vになる際は、ダイオードD9が導通し抵抗8で駆動されてNch−MOSFETのQ2のゲート電圧は比較的長い時間でスレッショルド電圧を越えてNch−MOSFETのQ2はターンオンする。
【0007】
MOSFETのゲートソース間入力容量(以下入力容量Cgsと略す)はドレインソース耐圧(以下耐圧と略す)とドレイン電流容量(以下電流容量と略す)との積に比例し、加工の細かさ(デザインルール)にもほぼ比例する。2006年量産の、例えば三洋製のMCH3335とMCH3435等耐圧30VのMOSFETではPchピーク電流容量1.6Aで入力容量約40pFでドレインソース間導通抵抗(以下ドレイン抵抗または導通抵抗またはオン抵抗と略す)はゲートソース間4Vで約1.4Ωであり、Nchピーク電流容量2.8Aで入力容量約30pFでドレイン抵抗はゲートソース間4Vで約0.7Ωである。2007年量産の耐圧30VのMOSFETでは、東芝製PchのSSM3J09Fではピーク電流容量0.4Aで、入力容量約22pF、ドレインソース間導通抵抗(以下ドレイン抵抗または導通抵抗またはオン抵抗と略す)はゲートソース間4Vで約3.2Ωでゲートソース間5Vで約2.8Ωである。東芝製NchのSSM3K09Fとではピーク電流容量0.8Aで、入力容量約20pFで、ドレイン抵抗はゲートソース間3V約1.2Ωでゲートソース間4Vで約0.8Ωである。東芝製のSSM3J15FとSSM3K15Fとではピーク電流容量0.2Aで、入力容量Pch約9pF、Nch約8pFで、ドレイン抵抗はPchゲートソース間4Vで約8Ωでゲートソース間5Vで約6Ω、Nchゲートソース間3Vで約3Ωでゲートソース間4Vで約2Ωである(非特許文献7から10参照)。ターンオフを高速化するため、入力容量とゲートチャージ電荷の少ないMOSFETを選択すると、PchMOSFETのドレイン抵抗が高いため、PchMOSFETのドレイン電圧Vd1のなまりが大きく、NchMOSFETのドレイン抵抗が低いため、NchMOSFETのドレイン電圧Vd2のなまりが少ない。そのため、負荷容量電圧Vcmgの波形がアンバランスとなっている。また、MOSFETの電流をカットオフさせるゲートチャージ電荷(以下Qgと略す)は耐圧と電流容量との積やドレイン電流に比例し、加工の細かさにもほぼ比例する。前記三洋製のMCH3335とMCH3435等2006年量産の耐圧30Vのドレイン抵抗が低いMOSFETではQgはPch電流1A当たり約2100pC、Nch電流1A当たり約1400pCであり、Pchはターンオフが遅くなる。そのため、負荷容量電圧Vcmgのデューティー比がアンバランスとなっている。
【0008】
また、水平転送の約600倍と遅い周期の水平同期周期でCCD撮像素子の基盤電極をバイポーラトランジスタで定電流駆動する回路も実用化されている(特許文献2参照)。
【0009】
上記の導通時間と非導通時間をほぼ等しくする従来技術では、従来の相補のMOSFET駆動回路の構成を示すブロック図の図7において、MOSFETのゲートに接続された抵抗と直列に接続された抵抗直列ダイオードD6〜D9で、ゲート駆動振幅がダイオード順方向降下電圧0.6Vの2倍の1.2V減少し3.8Vと、従来の相補のMOSFET駆動回路の動作の入出力波形をしめす模式図の図8の様になる。また、負荷容量電圧Vcmgは、フェライトビーズZ1とZ2とで、なまりが大きくなっても、PchMOSFETのドレイン抵抗が大きいためとゲートチャージ電荷の値が大きいために、波形とデューティー比との矩形波特性がアンバランスとなっている。特に、ターンオフを高速化するため、入力容量とゲートチャージ電荷の少ないMOSFETを選択すると、例えばドレイン抵抗はPchゲートソース間4V約8Ωで、Nchゲートソース間3V約3Ωで、負荷容量電圧Vcmgの波形のなまりのアンバランスが目立つ。
【0010】
EM−CCDの電子増倍を行う水平転送電極(CMG)を駆動するスイッチング回路では、例えば18 Vp-pから24Vp-pや35Vp-pから45Vp-pと振幅が大きく、バッテリ入力のスイッッチング電源や非増倍の水平転送電極Hφ駆動用の低耐圧で導通抵抗がほぼ飽和するゲートソース間(制御)電圧も低いMOSFETは使用できない。CMG駆動のPchMOSFETのオン抵抗が下がるゲート電圧は例えば4.5Vと高い。したがって、上記の導通時間と非導通時間がほぼ等しくする従来技術をCMG駆動に適用できない。そのため、NchMOSFETとPchMOSFETとが同時導通する同時導通時間が発生し、無効電力が消費される。無効電力による損失が大きい分発熱量が増加し温度が上昇しEM−CCDの感度が低下することが予想される。そのため、NchMOSFETとPchMOSFETとのドレイン間に許容損失の大きい約33オームの抵抗を挿入し、NchMOSFETとPchMOSFETとが同時導通する電流を低減させる替わりに、CMGの容量は約25pFで12.5MHzでのインピーダンスは約509Ωであり、CMG電圧振幅例えば24Vp-pの減衰を(24Vx509/(509+33+2))=22.5Vと図7のR3とR4とCMGとによる電圧降下を1.5Vも許容していた。これは例えば、TI製TC246の最高感度動作では、0.1Vで1.4倍感度が変化することからおおよそ1/160の感度低下に相当する。
【0011】
また、背景技術のDesert Star System製品のようにCMG電圧振幅が高い高電子増倍時は水平変調度と水平解像度が低下する。さらに、水平転送のブルーミングが劣化する。
【0012】
ところで、最近不要輻射低減用に、低い周波数では、低いインピーダンスで、特定周波数からインピーダンスが急激に高くなり、抵抗成分が大きいフェライトビーズが多様な種類で量産されている(非特許文献5参照)。フェライトビーズの近似の等価回路はインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものである(非特許文献6参照)。
【0013】
逆方向もれ電流IRを低減したまま、順方向降下電圧VFを0.13Vと低減したショットキバリアダイオードもある。
そこで、フェライトビーズを用い、相補のMOSFETが同時導通するのを低減する回路も考案された(特許文献3参照)。
【0014】
相補のMOSFETが同時導通するのを低減しても、NchMOSFETに比べ、PchMOSFETはQg1の値が大きいために、Vcmgはアンバランスとなり易い。また、Vcmg電圧波形が急激に変化すると、負荷容量のEM−CCDのCMGからEM−CCDの出力信号への飛び込みが発生する。飛び込みを低減するため、EM−CCDのCMGにMOSFETを近接配置しようと小型化品のMOSFETでかつターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の少ないMOSFETを選択すると、NchMOSFETに比べ、PchMOSFETはドレイン抵抗が大きく、Vcmgはさらにアンバランスとなり易い。例えば、MOSFETのピンを含めた外形は1.2mm×1.2mmまたは1.0mm×0.6mmならドレイン抵抗はPchゲートソース間4V約8Ωで、Nchゲートソース間3V約3Ωが開発されてきた(非特許文献7から12参照)。また、ドレイン抵抗が低いMOSFETでは、ピンを含めた外形が前記三洋製のMCH3335とMCH3435等2.0mm×2.1mm以上と比較的大きく、EM−CCDのCMGに近接配置するのが困難である。
【0015】
そのため、相補のMOSFETが同時導通するのを低減する回路でも、相補のMOSFETの各ドレイン間とCMG電極間の抵抗の抵抗値またはフェライトビーズのインピーダンス値は低くできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2001−298943号公報
【特許文献2】特開2001−45384号公報
【特許文献3】特開2010−11451号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】ソニー製ICX422AL対角11mm(2/3型)EIA白黒用固体撮像素子 J01X22A41
【非特許文献2】TI製TC246RGB-B0 680x500PIXEL IMPACTRONTM PRIMARY COLOR CCD IMAGE SENSOR SOCS087-DECEMBER 2004-REVISED MARCH 2005
【非特許文献3】e2V製A1A-CCD65_Series_Ceramic Issue 7, June 2004
【非特許文献4】Desert Star Systems製Night and Low-Light Imaging with FrogEye(TM) and SharkEye(TM) Digital Cameras Application Note 2nd Edition 28OCT05
【非特許文献5】TDK製006-01/20071025/j9412_mmz2012.fm
【非特許文献6】TDK製mmz2012EquivalentCircuit http://www.tdk.co.jp/etvcl/equivalent/mmz2012.pdf
【非特許文献7】東芝製SSM3J15FV http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/SSM3J15FV_ja_datasheet_100427.pdf
【非特許文献8】東芝製SSM3K15AMFV http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/SSM3K15AMFV_ja_datasheet_100716.pdf
【非特許文献9】東芝製SSM3J09FU http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/SSM3J09FU_ja_datasheet_071101.pdf
【非特許文献10】東芝製SSM3K09FU http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/SSM3K09FU_ja_datasheet_071101.pdf
【非特許文献11】東芝製SSM3J15CT http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/SSM3J15CT_ja_datasheet_071101.pdf
【非特許文献12】東芝製SSM3K15ACT http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ja/Transistor/SSM3K15ACT_ja_datasheet_100901.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、スイッチング回路から他の信号への飛び込みを低減しながら、スイッチング回路の負荷の矩形波特性を改善する事を目的とする。
また、撮像装置のEM−CCDのCMGを駆動する回路に本発明のスイッチング回路を適用する場合には、スイッチング回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながらスイッチング回路の負荷容量のCMGの矩形波特性を改善する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、電源電圧が6Vを超え、負荷を駆動し、Pch金属酸化膜形電界効果トランジスタ(以下MOSFET)とNchMOSFETと論理バッファとを用い、前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間にインピーダンス体または抵抗またはインピーダンス体と抵抗の直列接続とダイオードの並列接続を挿入し、前記PchMOSFETとNchMOSFETがターンオフする方向にダイオードが接続されているスイッチング回路において、(導通時のPchMOSFETのゲートーソース電圧を導通時のNchMOSFETのゲートーソース電圧よりも大きくするように)前記PchMOSFETがターンオフする方向に接続されているダイオードの直列個数を前記NchMOSFETがターンオフする方向に接続されているダイオードの直列個数を前記PchMOSFETがターンオフする方向に接続されているダイオードの直列個数より少なくし、(導通時のPchMOSFETのゲートーソース電圧を大きくするように)前記インピーダンス体または抵抗と並列接続されているダイオードをショットキーバリアダイオードとし、前記論理バッファを論理バッファで駆動された6並列接続の論理バッファとし、電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にする手段を追加したことを特徴とするスイッチング回路である。
【0020】
また、上記において、前記CMG電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にする手段として、前記PchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が2オーム以上あり、前記PchMOSFETのドレインと前記NchMOSFETのドレインとが1オーム以上の抵抗で接続され、前記PchMOSFETのドレインと容量負荷間に、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記容量性負荷のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体を直列接続したことと、前記論理バッファ出力と前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極との間に直列に挿入された導通終了方向のダイオードに並列に、前記Pchスイッチング素子と前記NchMOSFETのタ−ンオフ期間周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ2倍より高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体とスイッチング基本波周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ1/2より低い抵抗を直列接続すること、前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間にインピーダンス体と抵抗の直列接続とダイオードの並列接続を挿入すること、前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記PchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上として、前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲートに交流的または直接に接続された交流的ゲート点と、接地点と交流的または直接に接続された交流的接地点との間にゲート容量負荷間に、前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲートーソース間容量よりも大きい入力容量を接続し、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記ゲートーソース間容量と前記入力容量との合計値のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体と、インダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものと、抵抗と、の少なくとも一方を前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間のダイオードに並列接続したことと、
前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記PchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上とする(ことにより、ドレインソース間導通抵抗を前記NchMOSFETのQ2のドレインソース間導通抵抗と概略揃える)こと、の一方を特徴とするスイッチング回路である。
【0021】
また、上記において、前記CMG電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にする手段として、
前記PchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が2オーム以上あり、前記PchMOSFETのドレインと前記NchMOSFETのドレインとが1オーム以上の抵抗で接続され、前記PchMOSFETのドレインと容量負荷間に、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記容量性負荷のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体を直列接続し、前記論理バッファ出力と前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極との間に直列に挿入された導通終了方向のダイオードに並列に、前記Pchスイッチング素子と前記NchMOSFETのタ−ンオフ期間周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ2倍より高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体とスイッチング基本波周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ1/2より低い抵抗を直列接続すること、
前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記PchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上として、(ドレインソース間導通抵抗を前記NchMOSFETのQ2のドレインソース間導通抵抗と概略揃えて、)前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間にインピーダンス体と抵抗の直列接続とダイオードの並列接続を挿入すること、
前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記PchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上として、(ドレインソース間導通抵抗を前記NchMOSFETのQ2のドレインソース間導通抵抗と概略揃えて、)前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲートに交流的または直接に接続された交流的ゲート点と、接地点と交流的または直接に接続された交流的接地点との間にゲート容量負荷間に、前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲートーソース間容量よりも大きい入力容量を接続し、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記ゲートーソース間容量と前記入力容量との合計値のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体と、インダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものと、抵抗と、の少なくとも一方を前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間のダイオードに並列接続したことと、の一方を特徴とするスイッチング回路である。
また、上記のスイッチング回路において、前記インピーダンス体がフェライトビーズであることを特徴とするスイッチング回路である。
【0022】
さらに、上記のスイッチング回路と電子増倍電荷転送型撮像素子(以下EM−CCD)とタイミング発生部と垂直転送駆動部と水平転送駆動部と雑音を除去するCDS(Correlated Double Sampling)と暗電流補正と利得可変増幅回路とデジタル映像信号に変換するADC(Analog Digital Converter)とを内蔵したAFE(Analog Front End processor)と映像信号処理部とを有し、前記スイッチング回路を前記電子増倍電荷転送型撮像素子の電子増倍電極の駆動に用いることを特徴とする撮像装置である。
さらに、上記の撮像装置において、(前記PchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が高いことを許容し、)前記PchMOSFETとNchMOSFETとは外形概略1.2mm×1.2mm以下であり、前記PchMOSFETとNchMOSFETを前記EM−CCDのCMG端子から前記EM−CCDの端子間隔(1.778mm)の概略3倍以下の近くにガードシールドパターンと配置することと、前記PchMOSFETとNchMOSFETとは外形概略1.0mm×0.6mm以下であり、前記PchMOSFETとNchMOSFETを前記EM−CCDのCMG端子から前記EM−CCDの端子間隔と概略同等以下の近くに配置することと、の一方を特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、スイッチング回路の負荷の電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にすることで、スイッチング回路から他の信号への飛び込みを低減しながら、スイッチング回路の負荷の矩形波特性を改善し、負荷容量の電圧振幅減衰を減少する。
また、撮像装置のEM−CCDのCMGを駆動する回路に本発明のスイッチング回路を適用する場合には、スイッチング回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながらスイッチング回路の負荷容量のCMGの矩形波特性を改善し、CMGの電圧振幅減衰を減少して、撮像装置の感度向上になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例の相補のMOSFET駆動回路の構成を示すブロック図(ドレイン間抵抗で片方のドレインとCMG間にフェライトビーズ挿入し、ゲート直列ダイオードと並列に抵抗とフェライトビーズの直列を挿入)
【図2】本発明の一実施例の相補のMOSFET駆動回路の構成を示すブロック図(PchMOSFETを並列として図1のフェライトビーズZ5または抵抗R5をフェライトビーズZ5と抵抗R5の直列接続とし図1のフェライトビーズZ6または抵抗R6をフェライトビーズZ6と抵抗R6の直列接続とし、図1の抵抗R1とフェライトビーズZ2を短絡)
【図3】本発明の一実施例の相補のMOSFET駆動回路の構成を示すブロック図((a)はゲート接地間に容量を追加し、(b)はゲートソース間ダイオードと並列に容量を追加し、それぞれ図1の抵抗R1とフェライトビーズZ2を短絡)
【図4】本発明の一実施例の相補のMOSFET駆動回路の入出力波形動作をしめす模式図(ゲート直列とドレイン直列とにフェライトビーズ挿入)
【図5】本発明の一実施例の相補のMOSFET駆動回路の入出力波形動作をしめす模式図(ゲート直列ダイオードと並列に抵抗とフェライトビーズの直列)
【図6】本発明の一実施例の相補のMOSFET駆動回路の入出力波形動作をしめす模式図(ゲートソース間ダイオードと並列に容量)
【図7】従来例の相補のMOSFET駆動回路の構成を示すブロック図
【図8】従来例の相補のMOSFET駆動回路の入出力波形動作をしめす模式図
【図9】EM−CCD撮像素子を用いた撮像装置の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0025】
本発明の一実施例のスイッチング回路を、電子増倍CCD撮像素子(EM−CCD)の水平転送電極の駆動に用いた撮像装置をブロック図の図9を用いて説明する。それから、本発明の1実施例のスイッチング回路をブロック図の図1、図2,3と、波形模式図の図4、図5、図6を用いて説明する。
【0026】
図9は、EM−CCDを用いた撮像装置の構成を示すブロック図であり、図9において、1は撮像装置、2はレンズである。撮像装置1内で、3はEM−CCD、4は雑音を除去するCDS(Correlated Double Sampling)と暗電流補正と利得可変増幅回路(Automatic Gain Control以下AGC)とデジタル映像信号Viに変換するADC(Analog Digital Converter)とを内蔵したAFE(Analog Front End processor)であり、5は映像信号処理部、6はCPU、7はタイミング発生部(Timing Generator:以下TG)であり、映像信号処理部5とCPU6とTG7とはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路に集積されることもある。8は垂直転送駆動部、9は水平転送駆動部、10は電子増倍を行う水平転送電極(CMG)駆動部である。
【0027】
CMG電圧振幅が例えば18Vp-pから24Vp-pや35Vp-pから45Vp-pと大きくかつ可変なEM−CCDを用いた撮像装置の構成を示すブロック図の図9のCMG駆動部10に本発明の1実施例のスイッチング回路を用いた動作を説明する。
【0028】
従来の相補のMOSFET駆動回路の構成を示すブロック図の図7では、従来の相補のMOSFET駆動回路の入出力波形動作をしめす模式図の図8のように、PchMOSFETのドレイン抵抗と、貫通電流低減制限用フェライトビーズZ1とZ2によりCMG電圧振幅を減衰し、TI製TC246の最高感度動作では電圧振幅が0.1Vで1.4倍感度が変化するので、従来は感度低下していた。
【0029】
本発明の実施例によれば、ゲート駆動の工夫でPchMOSFETとNchMOSFETとが同時導通する貫通電流を低減しておき、CMGを駆動する電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にする手段を前記PchMOSFETとNchMOSFETの周囲に追加し、CMGの駆動回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量の振幅の減衰を防ぎ、矩形波特性を改善しEM−CCDの感度がさらに向上する。
また、CMG電圧の矩形波特性を改善すれば、CMG電圧振幅が高い高電子増倍時の水平変調度と水平解像度の低下が改善され、映像信号処理部5での輪郭強調量を少なくできるので、画面上の雑音が低減し、AFE4の増幅度を上げることができ、実効的な感度が向上する。
【0030】
以下、本発明の1実施例のスイッチング回路をブロック図の図1、図2,3と、タイミング波形模式図の図4、図5、図6を用いて説明する。図1は、ゲート電極容量のインピーダンスやCMG容量のインピーダンスに対し、フェライトビーズZ2と抵抗R1のインピーダンスが、スイッチング基本周波数において、10分の1以下と充分低く、スイッチングのターンオフ時間を周期とする周波数において、インピーダンスが10倍以上と十分高い、ゲート駆動のフェライトビーズZ5,Z6または抵抗R5,R6の特性の適合が好適な状態で、Q1とQ2とが同時導通しない場合で、前記論理バッファが、(中速度低雑音TTLレベル入力バッファ)インバータで駆動された、(シュミットトリガまたはTTLレベル入力)バッファインバータの(6)並列接続であり、前記Pchスイッチング素子の導通抵抗が2オーム以上あり、前記Pchスイッチング素子のドレインと前記Nchスイッチング素子のドレインとが2オーム以上の抵抗で接続され、前記Pchスイッチング素子のドレインと容量負荷間に、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記容量性負荷のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体であるフェライトビーズを直列接続し、前記論理バッファ出力と前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極との間に直列に挿入された導通終了方向のダイオードに並列に、前記Pchスイッチング素子と前記NchMOSFETのタ−ンオフ期間周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ2倍より高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体とスイッチング基本波周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ1/2より低い抵抗を直列接続する構成例である。
【0031】
また、図1では、前記論理バッファ出力と前記Pchスイッチング素子と前記Nchスイッチング素子のゲート電極との間に直列に挿入された導通終了方向のダイオードに並列に前記Pchスイッチング素子と前記Nchスイッチング素子のタ−ンオフ期間周波数におけるインピーダンスが前記Pchスイッチング素子と前記Nchスイッチング素子のゲート電極インピーダンスのおおよそ2倍より高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体であるフェライトビーズを接続されている。
【0032】
図2は、図1のPchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上として、例えばPchMOSFETをQ1とQ3との並列として導通抵抗を、NchMOSFETのQ2の導通抵抗と概略揃えて、図1のフェライトビーズZ5または抵抗R5をフェライトビーズZ5と抵抗R5の直列接続とし図1のフェライトビーズZ6または抵抗R6をフェライトビーズZ6と抵抗R6の直列接続とし、図1の抵抗R1とフェライトビーズZ2を短絡して不要としても、容量性負荷のCMGの矩形波特性のターンオンとターンオフの対称性を維持して高速化する構成例である。
【0033】
図1と図2はMOSFET駆動回路がゲートとをターンオン時に比較的遅く駆動しターンオフ時に比較的早く駆動する本発明の1実施例を示したブロック図であり、図3はMOSFETのターンオン時のゲートーソース電圧の変化を緩やかにしてMOSFETのターンオン時のドレイン抵抗の低下を緩やかにして緩やかなターンオンの前にターンオフさせ、MOSFETのドレインとCMGとの間の抵抗R1とフェライトビーズZ2を短絡して不要としても、負荷容量のEM−CCDのCMGからEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量の振幅の減衰を防ぎ、矩形波特性を改善しEM−CCDの感度がさらに向上する本発明の他の一実施例を示したブロック図である。
【0034】
図4と図5はMOSFET駆動回路がゲートとをターンオン時に比較的遅く駆動しターンオフ時に比較的早く駆動する本発明の一実施例の動作の入出力電圧をしめす模式図であり、図6MOSFETのターンオン時のゲートーソース電圧の変化を緩やかにしてMOSFETのターンオン時のドレイン抵抗の低下を緩やかにして、MOSFETのドレインとCMGとの間にフェライトビーズを挿入しなくても、CMG駆動回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量の振幅の減衰を防ぎ、矩形波特性を改善すしEM−CCDの感度がさらに向上するする本発明の他の一実施例の動作の入出力電圧をしめす模式図である。
【0035】
図1、図2、図3、図4、図5、図6において、VccHは論理電源、VHとVLとはスイッチング回路電源であり、IC3 1/6〜6/6は図1では一般的な6個入りACT04、LVC04、LVC14、VHCT04等TTLレベル入力バッファインバータInvICを1入力5出力に直列接続してあるがIC3は駆動電流が大きい1ゲート/1パッケージCMOSバッファ論理集積回路(BufIC)が1個でも良い。
【0036】
Q1はPchMOSFET、Q2はNchMOSFET、D1〜D5は直流再生ダイオード、D10〜D13は逆流防止のショットーキバリアダイオード(以下SBD)である。また、CMGはEM−CCDの電子増倍水平転送電極、C1とC2は交流結合容量であり、R5とR6はゲート駆動抵抗であり、Z5とZ6はフェライトビーズであり、R5とR6またはZ5とZ6のクロック基本波周波数におけるインピーダンスがクロック基本波周波数における容量性負荷のインピーダンスより低く、スイッチング回路の同時導通時間を半周期とする周波数におけるインピーダンス分は高い。
【0037】
図1、図2、図3、図4、図5、図6において、Viは論理回路1、論理回路2、論理回路3の入力波形であり、Vout1は論理回路1 IC1の出力波形であり、Vout2は論理回路2 IC2の出力波形であり、Vout3は論理回路3 IC3 2/6〜6/6 の出力波形であり、Vg1はPchMOSFETのQ1のゲート電圧波形であり、Vg2はNchMOSFETのQ2のゲート電圧波形であり、Vd1はPchMOSFETのQ1のドレイン電圧波形であり、Vd2はNchMOSFETのQ2のドレイン電圧波形であり、Vcmgは負荷容量CMGに印加される出力電圧波形である。
【0038】
本発明の一実施例を示したブロック図の図1と図2と図3と従来技術のブロック図の図7との相異は、CMGを駆動する電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にする手段を前記PchMOSFETとNchMOSFETの周囲に追加し、CMG駆動回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量の電圧振幅の減衰を防ぎ、対称性等の矩形波特性を改善したことである。
また、PchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が高いことを許容し、小型化品のMOSFETでかつターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の少ないMOSFETを選択して、EM−CCDのCMGにMOSFETを近接配置して、CMG駆動回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量のCMG電圧振幅の減衰を防ぎ、対称性等の矩形波特性を改善したことである。
【0039】
以下図1と図2と図3と図4と図5と図6を用いて、本発明の一実施例を説明する。
【0040】
図1と図2と図3において、Q1のPchMOSFETのon抵抗が下がるゲート電圧は例えば4.5Vと高いので、VccHはIC1の推奨最大電圧以下に設定する。つまりIC3 1/6〜6/6の品種がTTL論理IC74LSとピン配置が同一で、高速で駆動電流も大きく耐圧も比較的高い74ACならVccH=6V以下、IC3の品種が高速ではあるが耐圧が中くらいの74LVCならVccH=5.5V以下にする。
したがって、例えば74ACなら、図1、図2、図3、図4、図5、図6において、VccH=6Vで、Vf(Forward Voltage of diode:順方向降下電圧)=0.6Vで、Vg1はVH+2Vf=VH+1.2VでVH−VccH+2Vf=VH−4.8Vとなり、Vg2はVL+VccH−3Vf=VL−4.2VでVL−3Vf=VL−1.8Vとなる。
【0041】
図1において、Q1のゲートGもQ2のゲートGもコンデンサC1とC2を介して、ターンオフ時にはSBDのD11とD12とでIC3 2/6〜6/6からチャージ電荷Qgが駆動され、ターンオフ遅延はほとんどなくなる。ターンオン時にはフェライトビーズZ5とZ6または抵抗R5とR6とで高周波数成分の駆動は制限され、ターンオンは遅延し、Q1とQ2との間で導通期間と非導通期間とが相互にほぼ等しくQ1とQ2との間で同時オン期間がなくなる。抵抗R1は0ΩからのQ1Q2間突入電流制限用抵抗であり、Z2はCMG突入電流制限用フェライトビーズであり、ターンオン期間の周波数fturn-onでのインピーダンスはZ2がR1より大きい(0≦R1≦Z2 at fturn-on)。
そのため、図4において、Q1のドレイン電圧Vd1の波形は、立ち上がりは、ターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の少ないPchMOSFETQ1のドレイン抵抗が例えば約3.2Ωと高い分なまりが大きい上に、立下りは例えば2.2Ωの抵抗R1でなまりが大きい。それに対し、Q2のドレイン電圧Vd2の波形は、立ち上がりも立下りもNchMOSFETドレイン抵抗が例えば約1.2Ω程度と比較的低い分なまりが少ない。そして、Vd1とフェライトビーズZ2で接続されている負荷容量CMGの電圧Vcmgの波形は、立ち上がりはPchMOSFETのドレイン抵抗でなまり、立下りは抵抗R1でなまり、立ち上がりと立下りとが均等になまり、フェライトビーズZ2でさらになまる。その結果、ターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の少なくPchMOSFETQ1のドレイン抵抗が例えば約8Ωと高いMOSFETを選択しても、負荷容量電圧Vcmgの波形のなまりがバランスする。そして、CMG駆動回路の貫通電流からEM−CCDの出力信号への飛び込みと負荷容量CMGの駆動電圧からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量CMGの電圧Vcmgの対称性の矩形波特性を改善しEM−CCDの感度がさらに向上する。ターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の更に少ないPchMOSFETQ1のドレイン抵抗が例えば約8Ωで5.1Ωの抵抗R1でNchMOSFETドレイン抵抗が例えば約3Ω程度でも良い。
つまり、図1において、フェライトビーズZ5とZ6または抵抗R5とR6とで導通開始(ターンオン)方向の高周波数成分のインピーダンスは高く維持され、Q1のPchMOSFETとQ2のNchMOSFETとのターンオンの遅延は維持される。さらに、図5の導通開始(ターンオン)方向のダイオードD10とD13の順方向降下電圧がなくなり、導通時のMOSFETゲートーソース電圧を大きく確保し導通時のMOSFETのQ1とQ2のドレインソース間導通抵抗が下がり、CMG電圧の矩形波特性を改善しEM−CCDがさらに感度が向上する。
【0042】
図2において、クロック基本周波数fclkでのインピーダンスはR5とR6とがZ5とZ6より十分大きく(Z5≪R5 at fclk、Z6≪R6 at fclk)、ターンオン期間の周波数fturn-onでのインピーダンスはZ5とZ6がR5とR6とより十分大きい(R5≪Z5 at fturn-on、R6≪Z6
at fturn-on)。また、NchMOSFETよりもチャージ電荷や入力容量の大きいPchMOSFETのQ1とQ3を並列化したのを補正するため、R5よりR6が十分大きい(R5≪R6)。そのため、Q1のゲートもQ2のゲートもコンデンサC1とC2を介して、ターンオフ時にはSBDのD11とD12とでIC3からチャージ電荷Qgで駆動され、ターンオフ遅延はほとんどなくなる。ターンオン時にはSBDのD10とD13とフェライトビーズZ5とZ6と抵抗R5とR6とで高周波数成分の駆動は制限され、ターンオンは遅延し、貫通電流が非常に少なくなる。また、負荷容量CMGの電圧Vcmgのターンオンの高周波数成分も制限される。
そのため、図5において、Q1のドレイン電圧Vd1とQ2のドレイン電圧Vd2と負荷容量CMGの電圧Vcmgの波形は等しく、立ち上がりは、ターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の少ないPchMOSFETQ1とQ3の並列でドレイン抵抗が例えば3.2Ωの半分の1.6Ωと比較的低くても、抵抗R5とフェライトビーズZ5とで、なまりが2段階となる。立ち下がりは、NchMOSFETQ2のドレイン抵抗が例えば1.2Ωと比較的低くても、抵抗R6とフェライトビーズZ6とで、なまりが2段階となる。その結果、CMG駆動回路の貫通電流からEM−CCDの出力信号への飛び込みと負荷容量CMGの駆動電圧からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量CMGの電圧Vcmgの振幅の減衰と遅延とを防ぎ、対称性と波形なまりとデューティー比との矩形波特性を改善しEM−CCDの感度がさらに向上する。ターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の更に少ないPchMOSFETQ1とQ3のドレイン抵抗が例えば約8ΩでNchMOSFETドレイン抵抗が例えば約3Ω程度でも良い。
【0043】
図3では、(a)はゲート接地間に容量C5とC6を追加し、(b)はゲートソース間ダイオードと並列に容量C5とC6を追加し、MOSFETのターンオン時のゲートーソース電圧の変化を緩やかにしてMOSFETのターンオン時のドレイン抵抗の低下を緩やかにして、MOSFETのドレインとCMGとの間にフェライトビーズを挿入しなくても、CMG駆動回路の貫通電流からEM−CCDの出力信号への飛び込みと負荷容量CMGの駆動電圧からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量の振幅の減衰を防ぎ、矩形波特性を改善しEM−CCDの感度がさらに向上する。チャージ電荷や入力容量がPch−MOSFETの方が大きいのを補正するため、 また、NchMOSFETよりもチャージ電荷や入力容量の大きいPchMOSFETのQ1とQ3を並列化したのを補正するため、抵抗のR5よりR6が十分大きい(R5≪R6)か、容量のC5よりC6が十分大きい(C5≪C6)。
そのため、図6において、Q1のドレイン電圧Vd1とQ2のドレイン電圧Vd2と負荷容量CMGの電圧Vcmgの波形は等しく、立ち上がりは、PchMOSFETQ1とQ3の並列でドレイン抵抗が例えば3.2Ωの半分の1.6Ωと比較的低くても、抵抗R5と容量C5とによるスローターンオンとなり、ターンオン時のみなまりが大きくなる。立ち下がりは、NchMOSFETQ2のドレイン抵抗が例えば0.8Ωと比較的低くても、抵抗R6と容量C6とによるスローターンオンとなり、ターンオン期間のみなまりが大きくなる。その結果、CMG駆動回路の貫通電流からEM−CCDの出力信号への飛び込みと負荷容量CMGの駆動電圧からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量CMGの電圧Vcmgの振幅の減衰と遅延とを防ぎ、対称性と波形なまりとデューティー比との矩形波特性を改善しEM−CCDの感度がさらに向上する。ターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の更に少ないPchMOSFETQ1とQ3のドレイン抵抗が例えば約8ΩでNchMOSFETドレイン抵抗が例えば約3Ω程度でも良い。
【0044】
図2と図3において、PchMOSFETの並列個数をNchMOSFETの並列個数のドレイン抵抗の比に反比例して2倍以上とするか、または詳しくは後述するように、導通時のPchMOSFETゲートーソース電圧を大きく確保すれば、ドレイン抵抗と矩形波特性の対称性とEM−CCDの感度とはさらに良くなる。
その結果、高感度動作のためにCMGの電圧振幅を大きくしてMOSFETのドレイン電流が増加し、よりQgが増加しても、Q1とQ2との同時オン期間の貫通電流が無視できるまで少なくなり、CMGの電圧振幅と矩形波形が確保され、感度低下がなくなり、実効感度が改善される。また、貫通電流が少ない分電力損失が低減し、発熱と温度上昇とが低減し、さらに感度が向上する。
【0045】
また、図1と図2と図3と図4と図5と図6において、Q1のPchMOSFETのon抵抗が下がるゲート電圧は例えば4.5Vと高いので、直流再生ダイオードD3を順方向降下電圧0.3VのSBDにしてオン時のPchMOSFETのQ1ゲート電圧Vgs=−5.4V〜−4.7Vを確保する。また、ゲート電圧が確保される一方、MOSFETのゲートのスレッショルド電圧で電荷引き抜きを駆動する際の論理CMOS集積回路の電源電圧と論理CMOS集積回路の出力電圧との差が低減するが、駆動電流24mAを保証するLVCシリーズ等の高速論理CMOS集積回路IC3を例えば3個等複数個を並列接続すれば、VccH=5Vにしても良い。IC1をさらに駆動能力の高い品種にするか並列個数を増加すれば、直流再生ダイオードD3を順方向降下電圧0.2VのSBDにしても良い。
【0046】
その結果、本発明の一実施例の図1と図2と図3の回路は、MOSFET駆動回路がゲートとをターンオン時に比較的遅く駆動しターンオフ時に比較的早く駆動する本発明の一実施例の動作の入出力電圧をしめす模式図の図4と図5と図6の動作(Vg1波形)になり、NchMOSFETとPchMOSFETとが同時導通する期間を無視できる程度に短くなり、容量負荷CMGの電圧振幅減衰をおおよそ0.2Vに減少し、0.1Vで1.4倍感度が変化するため、0.2Vで2倍の感度変化で、感度低下をおよそ1/2にして、従来のおおよそ1/160の感度低下に比較しおおよそ80倍の感度向上になる。また、貫通電流が少ない分電力損失が低減し、発熱と温度上昇とが低減し、さらに感度が向上する。
【0047】
非特許文献7から12のように、Q2のNchMOSFETと比較しQ1のPchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が大きいため、図8のVcmg波形の立ち上がり立ち下がりが非対称になるのに対し、図1ではQ1のPchMOSFETの抵抗が短絡されQ2のNchMOSFETのドレインにのみR2が挿入され、図4のVcmgの立ち上がりも立ち下がりも同等となり対称性が改善される。
【0048】
また、図2と図3とでは、導通時のMOSFETゲートーソース電圧を大きく確保すると共にQ1とQ3とのPchMOSFETを並列化して、Q1とQ3とのPchMOSFETのドレインソース間導通抵抗を並列化して、Q2のNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗と同等にして、図5と図6のVcmgの立ち上がりも立ち下がりも同等となり対称性が改善される。具体的には、Pchのゲートーソース電圧を5V確保しNchのゲートーソース電圧を3Vとすれば、非特許文献7から12から、Pchのドレインソース間導通抵抗約2.8Ωで並列化して約1.4Ωに対しNchの約1.2Ωとほぼ等しく、Pchのドレインソース間導通抵抗約8Ωから約6Ωで並列化して約4Ωから約3Ωに対しNchの約3Ωとほぼ等しくなる。
その結果、図5と図6とのVcmgの立ち上がりも立ち下がりも同等となり対称性が改善される。
【0049】
さらに図8のVcmg波形の立ち上がり立ち下がり以降もの傾斜が残るのに対し、図5と図6のVcmgの立ち上がりも立ち下がりも波形の飽和が急となり、立ち上がり立ち下がり以降もの傾斜がほとんどなくなる。
【0050】
相補のMOSFETが同時導通するのを低減してもVcmg電圧波形が急激に変化すると、負荷容量のEM−CCDのCMGからEM−CCDの出力信号への飛び込みが発生する。飛び込みを低減するため、EM−CCDのCMGにMOSFETを近接配置しようと小型化品のMOSFETを選択しても、NchMOSFETに比べ、PchMOSFETはドレイン抵抗が大きく、Qg1の値が大きいために、従来技術では、Vcmgはアンバランスとなり易い。しかし、本発明の一実施例の図1と図2と図3の回路は、NchMOSFETに比べ、PchMOSFETはドレイン抵抗が大きく、Qg1の値が大きいことを補正でき、小型化品のMOSFETを撮像装置のプリント基板上でEM−CCDのCMGに近接配置できる。図1と図2と図3との電源VHと電源VLとの図示しないデカップリングコンデンサも、図1の抵抗R1とフェライトビーズZ2も、撮像装置のプリント基板上でMOSFETとEM−CCDのCMGに近接配置する必要がある。しかし、例えば0.4mm×0.2mmの抵抗とフェライトビーズとセラミックコンデンサとが製品化され、プリント基板内蔵用の0.05mm厚のセラミックコンデンサが製品化され、0.3mm×0.15mmの抵抗も開発され、実装上の問題にはならない。
例えば、非特許文献7と8の外形1.2mm×1.2mmまたは非特許文献11と12の外形1.0mm×0.6mmでドレインソース間導通抵抗はPchゲートソース間4V約8Ωで、Nchゲートソース間3V約3Ωと小型化したMOSFETのQ1とQ2(図1と図2)またはQ1とQ2とQ3(図3)をEM−CCDのCMG端子からEM−CCDの端子間隔(1.778mm)の概略3倍以下の近くに配置すれば、Q1のドレイン電圧Vd1とQ2のドレイン電圧Vd2と負荷容量CMGの電圧Vcmgのプリント板の配線パターンの範囲がEM−CCDの4番ピンのCMGと5番ピンのReset gate(RST)との端子間隔と比較して同等程度まで小さくなる。そのため、CMGへのプリント板の配線パターンとRSTへのリセットパルスのプリント板の配線パターンとの間に交流的に接地されたパターンを配置して飛び込みを低減するいわゆるガードシールド(Guard shield)パターンと併用すれば、4番ピンのCMGへのプリント板の配線パターンから5番ピンのRSTへのプリント板の配線パターンを介し10番ピンの出力(Output signal:OUT)への飛び込みを低減し、CMG電圧振幅のスパイクやMOSFETのドレイン間の貫通電流のスパイクからプリント板の配線を介して、EM−CCDの出力信号への飛び込みと負荷容量のEM−CCDのCMGからEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減することができる。外形1.0mm×0.6mmのMOSFETをEM−CCDのCMG端子からEM−CCDの端子間隔と概略同等以下の近くに配置にすれば、ガードシールドパターンの必要性も低減する。その結果、スパイクの飛び込みを考慮しなくて済む分、矩形波特性をさらに改善し、容量負荷CMGの電圧振幅減衰をさらに減少し、さらに感度が向上する。
図1にのみ、Guard shieldとRSTとOUTを図示したが、図示しない図2と図3でもCMGとRSTとOUT間にGuard shieldを配置しても良い。また、MOSFETをEM−CCDのCMG端子からEM−CCDの端子間隔と概略同等以下の近くに配置して、図1でも図示しない図2と図3でもGuard shieldを省略しても良い。
【0051】
また、CMG駆動回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、CMG電圧の矩形波特性を改善すれば、過大光量により垂直転送路へ漏れこんだ電荷が蓄積部転送路から水平転送路へ次々と溢れだして行くブルーミングも起きにくくなる。
【0052】
以上説明したように本発明によれば、NchMOSFETに比べ、PchMOSFETはドレイン抵抗が大きく、Qg1の値が大きいことを補正できる。そのため、ターンオフを高速化するため入力容量とゲートチャージ電荷の少なく外形も小型化品のMOSFETをEM−CCDのCMGに近接配置し、NchMOSFETとPchMOSFETとの相互が同時導通する貫通電流を低減し、CMG駆動回路からEM−CCDの出力信号への飛び込みを低減しながら、負荷容量のCMG電圧の振幅の減衰を防ぎ、感度低下を減少して、感度向上になる。また、CMGを駆動する電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にして、CMG電圧の矩形波特性を改善し、CMG電圧振幅が高い高電子増倍時の水平解像度と水平変調度の低下が改善され、輪郭強調量を少なくできるので、画面上の雑音が低減し、AFEの増幅度を上げることができ、実効的な感度が向上する。
その結果、EM−CCDを用いた撮像装置の感度がより向上し、光の波長より分解能の高い近接場光顕微鏡の観察や、生きた細胞の蛍光の動画観察や、半導体の動作時の発光動画観察や、曇天や雨天の夜間の可視光または近赤外光での監視などの、超低照度にまで用途が拡張される。さらに、CMG電圧振幅が高い高電子増倍時の水平解像度と水平変調度の低下が改善され、超低照度での高い解像度と高い変調度が必要な、開放口径比が暗く解像度と変調度が低下している超高倍率ズームレンズの望遠端での超遠距離監視などにまで用途が拡張される。
【符号の説明】
【0053】
1:撮像装置、2:レンズ、3:EM−CCD、4:AFE、
5:映像信号処理部、6:CPU、7:タイミング発生部(TG)、
8:垂直転送駆動部、9:水平転送駆動部、10:CMG駆動部
IC1、IC2、IC3、IC4:反転論理CMOS集積回路(Inv IC)、
Q1:PchMOSFET、 Q2:NchMOSFET、
D1〜D9:ダイオード、D10〜D13:ショットキダイオード、
C1,C2:容量、CMG:EM−CCDの電子増倍水平転送電極、
Z1〜Z6:フェライトビーズ、R1〜R8:抵抗、
6V,5.5V,5V:論理電源、VH,VL:電源、
Vi:IC1、IC2、IC3、の入力波形、
Vout1:IC1の出力波形、Vout2:IC2の出力波形、
Vout3:IC3の2/6〜6/6の出力波形、
Vg1:PchMOSFETのQ1のゲート電圧波形、
Vg2:NchMOSFETのQ2のゲート電圧波形、
Vd1:PchMOSFETのQ1のドレイン電圧波形、
Vd2:NchMOSFETのQ2のドレイン電圧波形、
Vcmg:負荷容量CMGに印加される出力電圧波形、


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧が6Vを超え、負荷を駆動し、Pch金属酸化膜形電界効果トランジスタ(以下MOSFET)とNchMOSFETと論理バッファとを用い、前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間にインピーダンス体または抵抗またはインピーダンス体と抵抗の直列接続とダイオードの並列接続を挿入し、前記PchMOSFETとNchMOSFETがターンオフする方向にダイオードが接続されているスイッチング回路において、
前記PchMOSFETがターンオフする方向に接続されているダイオードの直列個数を前記NchMOSFETがターンオフする方向に接続されているダイオードの直列個数を前記PchMOSFETがターンオフする方向に接続されているダイオードの直列個数より少なくし、前記インピーダンス体または抵抗と並列接続されているダイオードをショットキーバリアダイオードとし、前記論理バッファを論理バッファで駆動された6並列接続の論理バッファとし、
電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にする手段を追加したことを特徴とするスイッチング回路である。
【請求項2】
請求項1のスイッチング回路において、前記CMG電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にする手段として、
前記PchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が2オーム以上あり、前記PchMOSFETのドレインと前記NchMOSFETのドレインとが1オーム以上の抵抗で接続され、前記PchMOSFETのドレインと容量負荷間に、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記容量性負荷のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体を直列接続したことと、
前記論理バッファ出力と前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極との間に直列に挿入された導通終了方向のダイオードに並列に、前記Pchスイッチング素子と前記NchMOSFETのタ−ンオフ期間周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ2倍より高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体とスイッチング基本波周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ1/2より低い抵抗を直列接続すること、
前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間にインピーダンス体と抵抗の直列接続とダイオードの並列接続を挿入すること、
前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記PchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上として、前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲートに交流的または直接に接続された交流的ゲート点と、接地点と交流的または直接に接続された交流的接地点との間にゲート容量負荷間に、前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲートーソース間容量よりも大きい入力容量を接続し、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記ゲートーソース間容量と前記入力容量との合計値のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体と、インダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものと、抵抗と、の少なくとも一方を前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間のダイオードに並列接続したことと、
前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記PchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上とすること、の一方を特徴とするスイッチング回路である。
【請求項3】
請求項1のスイッチング回路において、前記CMG電圧波形の立上がりの傾斜と立下りの傾斜とを同等にする手段として、
前記PchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が2オーム以上あり、前記PchMOSFETのドレインと前記NchMOSFETのドレインとが1オーム以上の抵抗で接続され、前記PchMOSFETのドレインと容量負荷間に、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記容量性負荷のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体を直列接続し、前記論理バッファ出力と前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極との間に直列に挿入された導通終了方向のダイオードに並列に、前記Pchスイッチング素子と前記NchMOSFETのタ−ンオフ期間周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ2倍より高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体とスイッチング基本波周波数におけるインピーダンスが前記PchMOSFETと前記NchMOSFETのゲート電極インピーダンスのおおよそ1/2より低い抵抗を直列接続すること、
前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記PchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上として、前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間にインピーダンス体と抵抗の直列接続とダイオードの並列接続を挿入すること、
前記PchMOSFETとNchMOSFETのドレインソース間導通抵抗が1オーム以上あり、前記PchMOSFETの並列個数がNchMOSFETの並列個数のおおよそ倍以上として、前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲートに交流的または直接に接続された交流的ゲート点と、接地点と交流的または直接に接続された交流的接地点との間にゲート容量負荷間に、前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲートーソース間容量よりも大きい入力容量を接続し、スイッチング基本波周波数におけるインピーダンスがスイッチング基本波周波数における前記ゲートーソース間容量と前記入力容量との合計値のインピーダンスのおおよそ1/2より低いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したもので近似の等価回路として表せるインピーダンス体と、インダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものと、抵抗と、の少なくとも一方を前記論理バッファと前記PchMOSFETとNchMOSFETのゲート間のダイオードに並列接続したことと、の一方を特徴とするスイッチング回路である。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のスイッチング回路と電子増倍電荷転送型撮像素子(以下EM−CCD)とタイミング発生部と垂直転送駆動部と水平転送駆動部と雑音を除去するCDS(Correlated Double Sampling)と暗電流補正と利得可変増幅回路とデジタル映像信号に変換するADC(Analog Digital Converter)とを内蔵したAFE(Analog Front End processor)と映像信号処理部とを有し、前記PchMOSFETとNchMOSFETとは外形概略1.2mm×1.2mm以下であり、前記PchMOSFETとNchMOSFETを前記EM−CCDのCMG端子から前記EM−CCDの端子間隔(1.778mm)の概略3倍以下の近くにガードシールドパターンと配置することと、前記PchMOSFETとNchMOSFETとは外形概略1.0mm×0.6mm以下であり、前記PchMOSFETとNchMOSFETを前記EM−CCDのCMG端子から前記EM−CCDの端子間隔と概略同等以下の近くに配置することと、の一方を特徴とする撮像装置である


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−195934(P2012−195934A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−40531(P2012−40531)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】