説明

スイッチング素子用ゲート駆動装置

【課題】同時オン防止回路を有し、かつ3レベル電力変換装置の構成部品を少なくし信頼性を向上した3レベル電力変換装置のゲート駆動装置を提供する。
【解決手段】3レベル電力変換装置は、一対の直流電源端子間に順次直列に接続された第一ないし第四の半導体スイッチング素子4〜7をそれぞれ、第一ないし第四のゲート駆動回路28〜31により駆動し、第一及び第二の半導体スイッチング素子4、5のみをオンしたときプラス出力、第二及び第三の半導体スイッチング素子5、6のみをオンしたとき零出力、そして、第三及び第四の半導体スイッチング素子6、7のみをオンしたときマイナス出力を出力する。その際、第一の駆動回路28と第三の駆動回路29、第二の駆動回路30と第四の駆動回路31をそれぞれ同一の基板に実装し、各基板上において、通信線を介して相互に論理回路に接続し、いずれか一方のゲート駆動回路がオンしている時に他方のゲート駆動回路をオフする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3レベル電力変換装置の半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パワーエレクトロニクス技術の進展に伴い、様々な電力変換回路が実用化されている。電力変換回路とは一般に、電力の形態を直流−交流間で自在に変換するものであり、回路構成により2レベル方式や3レベル方式などいくつかの方式がある。
図2(a)に3レベル電力変換装置の例を示す。3レベル電力変換装置は直流電圧が高い用途において、耐圧の低いスイッチング素子を使って回路を形成する場合に適用される。また、3レベル電力変換装置は、2レベル方式に比べてより正弦波に近い波形を出力できるため、高調波などの規制が厳しい用途に好適である。
【0003】
図2(a)において、4〜7はIGBT、8、9は中性点クランプ用ダイオード、10、11は電源安定化コンデンサ、36は交流端子、37、38は直流端子で、37が正極、38が負極、39〜42はゲート駆動装置であり、以下その動作を簡単に説明する。
直流を交流に変換する場合を考える。直流端子37、38に直流電圧が印加されている状態で、IGBT4、5のみをオンさせるとプラス出力が、IGBT5、6のみをオンすると0Vが、IGBT6、7のみをオンする場合にはマイナスがそれぞれ出力される。このように3レベル主回路は2つのIGBTを組にしてオンさせることでプラス、0、マイナスの3つのレベルの電圧を出力できるという特徴を持つ。
【0004】
3レベル電力変換装置で注意しなくてはならないこととしては、IGBT4、IGBT5、IGBT6、あるいはIGBT5、IGBT6、IGBT7のように直列する3つのIGBTが同時にオンすることによるアーム短絡現象が挙げられる。特にこうした3レベル電力変換装置を鉄道車両に用いる場合、直流電圧は1000Vを超える場合があり、アーム短絡が発生した場合、P−C間もしくはC−N間がIGBTにより短絡状態(電源短絡状態)になり、過大な電流が流れてIGBTが破壊に至る。
そこで、通常3レベル主回路ではアーム短絡が発生しないようにIGBT4、IGBT5、IGBT6や、IGBT5、IGBT6、IGBT7が同時にオンしないよう、IGBTを駆動する制御信号のシーケンスが組まれている。しかしながら実際には、制御シーケンスの間違いやゲート駆動装置の故障などの何らかの想定しない事象により、IGBT4、IGBT5、IGBT6、あるいはIGBT5、IGBT6、IGBT7が同時にオンしてしまいアーム短絡が起こるという問題が起きていた。
【0005】
このような問題を解決する手法としては、ゲート駆動装置39とゲート駆動装置41、およびゲート駆動装置40とゲート駆動装置42が同時にオンすることを防止する機能を搭載することによりアーム短絡を防止する技術が、特開2007−185024号公報に開示されている。
【0006】
図2(b)に同時オン防止機能を搭載したゲート駆動装置を使った3レベル主回路の構成図を示す。図2(b)において、図2(a)と同一の構成要素には同じ符号を付してある。図2(b)において1は制御論理部、12〜15は駆動指令、16〜19はオン許可信号、43〜46は同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板である。一般に制御論理部1と高電圧の主回路に接続されているIGBTの間は絶縁が必要になることから、駆動指令12〜15は光ファイバを使って通信している。また、オン許可信号16〜19も光ファイバを介して通信している。
【0007】
この回路では、同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板43〜46がIGBTの動作状態を監視し、IGBTがオフしている場合のみ、対となるゲート駆動装置基板にオンを許可する信号を送り、アーム短絡を防止している。例えば、同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板43はIGBT4の状態を監視し、IGBT4がオフの場合にのみ、対となる同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板45にオン許可信号18を送る。同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板45ではオン許可信号18が送られてきた場合のみ、IGBT6をオンすることができる。
反対に同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板45はIGBT6のオフを検出し、同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板43にオン許可信号16を送り、同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板43はオン許可信号16が送られてきた場合のみIGBT4をオンすることができる。このような構成とすることで、同時に直列する3つのIGBTが同時にオンすることを禁止し、アーム短絡を防止している。
この構成を実現するに当たっては、電位が異なるゲート駆動装置基板間でオン許可信号を通信するため、一般に光ファイバ等をゲート駆動装置基板間に接続し、光信号伝送により通信が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−185024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の従来技術には、次のような問題があった。
すなわち、図2(b)に示すように光ファイバをゲート駆動装置間で光信号伝送に使用すると、同時オン防止機能搭載ゲート駆動装置基板間を多くの光ファイバ(図2(b)の場合は4本)で接続する必要が生じ、これら光ファイバの配線スペースが新たに必要になり、変換器のサイズが大きくなってしまう。
また、光ファイバは不要な曲げ応力を掛けるとファイバが折れてしまい信号を伝達できなくなるという欠点を有し、取り扱いに注意が必要なことから、配線時の作業が繁雑になるとともに、耐久性にも問題があった。さらに、駆動指令を含め多くの光ファイバ(図2(b)では12本)を配線しなくてはならず、誤って配線するという問題点も有していた。
そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決するものであって、3レベル電力変換装置のゲート駆動装置において同時オン防止回路を有し、かつ3レベル電力変換装置の構成部品を少なくし信頼性を向上したゲート駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、3レベル電力変換装置において、第1のIGBTと第3のIGBTの両方を駆動するゲート駆動装置と、第2のIGBTと第4のIGBTの両方を駆動するゲート駆動装置を1枚の基板に実装したゲート駆動装置で構成することで達成させる。
より具体的には、本発明の半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置では、次のような技術的手段を講じた。すなわち、
(1)一対の直流電源端子間に順次直列に接続された第一ないし第四の半導体スイッチング素子と、該第一ないし第四のスイッチング素子にそれぞれ接続され、これらの半導体スイッチング素子を駆動する第一ないし第四のゲート駆動回路とからなり、第一及び第二の半導体スイッチング素子のみをオンしたときプラス出力、第二及び第三の半導体スイッチング素子のみをオンしたとき零出力、そして、第三及び第四の半導体スイッチング素子のみをオンしたときマイナス出力を出力することにより交流に変換する3レベル電力変換装置であって、前記第一の駆動回路と前記第三の駆動回路、及び、前記第二の駆動回路と前記第四の駆動回路をそれぞれ同一の基板に実装し、各基板上において、前記二つのゲート駆動回路におけるゲート出力回路を、通信線を介して相互に論理回路に接続し、いずれか一方のゲート駆動回路がオンしている時に他方のゲート駆動回路をオフすることにより、同時オンを防止するようにした。
【0011】
(2)上記の半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置において、前記同一の基板において、二つのゲート駆動回路に印加される直流電圧に基づいて、規格上定められる最小限の絶縁距離を確保した。
【0012】
(3)上記の半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置において、前記同一の基板において、二つのゲート駆動回路の間に絶縁スリットを設けた。
【0013】
(4)上記の半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置において、前記同一の基板において、二つのゲート駆動回路のゲート出力回路を、パルストランス、高耐圧フォトカプラや光ファイバ等の光素子及び高絶縁のキャパシタンスの少なくともひとつを使用した絶縁信号送信回路を介して、前記論理解路に接続した。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1のIGBTと第3のIGBTのゲート駆動装置基板間の光信号伝送および第2のIGBTと第4のIGBTのゲート駆動装置基板間を接続しオン許可信号をやりとりすることで、アーム短絡を防止すると共に、オン許可信号をゲート駆動装置基板内に配線することでゲート駆動装置の組立時の作業性の向上や誤配線を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1のゲート駆動装置を適用した3レベル電力変換装置の構成を示す図。
【図2】(a)は前提となる3レベル電力変換装置の一例、(b)は、従来技術の同時オン防止機能を搭載したゲート駆動装置を適用した3レベル電力変換装置の構成を示す図。
【図3】本発明の実施例2のゲート駆動装置を適用した3レベル電力変換装置の構成を示す図。
【図4】本発明の実施例3のゲート駆動装置を適用した3レベル電力変換装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【実施例】
【0017】
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1のゲート駆動装置を3レベル電力変換装置に適用した例を示す。
図2(a)、図2(b)と同一の構成要素には同じ符号を付してある。
図1において、20〜23はAND回路、24〜27はIGBTオン判定回路、28〜31はゲート駆動回路、32〜35はゲート出力回路である。第1のIGBT4に対しオン信号を出力するゲート出力回路32を具備するゲート駆動回路28と、第3のIGBT6に対しオン信号を出力するゲート出力回路33を具備するゲート駆動回路29は、後述するAND回路やGBTオン判定回路とともに同一基板に実装され、ゲート駆動装置2を構成している。
同様に、第2のIGBT5に対しオン信号を出力するゲート出力回路34を具備するゲート駆動回路30と、第4のIGBT7に対しに対しオン信号を出力するゲート出力回路35を具備するゲート駆動回路31は、後述するAND回路やGBTオン判定回路とともに同一基板に実装され、ゲート駆動装置3を構成している。
【0018】
ゲート駆動装置2とゲート駆動装置3は同一構成であるため、以下、ゲート駆動装置2を使用して、動作を説明する。
制御論理部1からの駆動信号は駆動指令12を介してAND回路20に出力され、また、GBTオン判定回路25は、ゲート出力回路33からの信号に基づいて、第3のIGBT6がオフしているとき、オン許可信号16をAND回路20に出力され、AND回路20は、駆動指令12とオン許可信号16のANDをとり、両方Hiレベルの場合オン信号を出力する。
すなわち制御論理部1からの指令が「オン」で、しかも、第3のIGBT6がオフしており、オン許可信号16が「許可」の場合のみ、AND回路20、ゲート出力回路32を介して、第1のIGBT4をオンすることができる。
【0019】
このとき、ゲート出力回路32では、IGBT4をオンさせると同時に、IGBTオン判定回路24が、第1のIGBT4がオンしていることを判定し、AND回路21に出力されるオン許可信号18をLoレベルに引き下げることで、ゲート駆動回路29に第1のIGBTがオンしたことを伝達する。
オン許可信号18がLoレベルの場合、AND回路21の出力は、制御論理部1からのゲート出力回路33に対する駆動指令14の状態にかかわらず常にオフとなり、IGBT6がオンすることを防止する。これにより、IGBT4がオンしている状態ではIGBT6がオンしないように保護する、いわゆる同時オン防止機能を実現している。
【0020】
一方、IGBT4がオンしているにもかかわらず、誤動作等予期しない原因によりIGBT6がオンに切り換えられようとした場合、IGBTオン判定回路25がこれを検出して、AND回路20に出力されるオン許可信号16をLoレベルにする。AND回路20ではオン許可信号16がLoレベルになったため、制御論理部1からの駆動指令12がHiレベル、すなわちオンの指令であってもオフ信号をゲート出力回路32に出力する。その結果、ゲート駆動回路32はIGBT4のゲート電圧を引き下げて、IGBTの閾値電圧を下回る電圧に抑えることでIGBT4をオフさせる。
以下、本実施例1の特徴を従来技術の図2(b)と対比させて説明する。
【0021】
上述したように、図2(b)の従来技術では、同時オン防止機能を実現するために、IGBT4〜IGBT7に対する個別のゲート駆動装置39〜41を構成する回路基板間に信号配線を敷設しなければならないため様々な問題があった。これに対し、本実施例によれば、図1に示すようにIGBT4のゲート駆動回路28とIGBT6のゲート駆動回路29、およびIGBT5のゲート駆動回路30とIGBT7のゲート駆動回路31を、それぞれゲート駆動装置2、3として一枚の基板に集約し、この間に接続されるオン許可信号16〜19のための通信線を、ゲート駆動装置を構成する基板上に実装することで、ゲート駆動装置を個別の基板で構成した場合とは異なり、基板間を接続する配線を不要とすることができ、組立時の作業性の向上や、誤配線を防止することも可能になる。
また、ゲート駆動装置基板の枚数を半分に減らすことができるため、3レベル電力変換装置の構成部品を減らし、コストダウンを図ることもできる。
なお、同一基板上に実装されるゲート駆動回路28と29の距離は、絶縁のために、以下に示す距離が必要となる。
【0022】
例えば、鉄道車両に適用するゲート駆動装置を例に説明する。鉄道車両に適用する場合、直流端子の電圧は一般に750V以上である。ゲート駆動装置基板の電位はIGBTのエミッタ電位と同じになることから、ゲート駆動回路30と31の間には750Vの電圧が印加されることになる。架線電圧は鉄道車両が走行しているときには変動することが知られており、750V架線の場合には最大で1000Vに達する。この電圧に対してゲート駆動回路30と31の絶縁を確保するために必要な絶縁距離は規格から5mmであることが知られている。一方IGBT4とIGBT6の間には3レベル主回路の場合、回路の構成上直流電圧の1/2の電圧しか印加されない。このためゲート駆動回路28と29の間の絶縁は最大1000Vの1/2の500Vに対して確保しておけばよく、2.5mmの距離があれば良い。このように、規格上十分な絶縁を確保した上で、ゲート駆動回路30と31との間隔を、必要最小限とすることにより、基板の一層のコンパクト化を実現することが可能となる。
【0023】
[実施例2]
図3は、本発明の実施例2のゲート駆動装置を示したものである。
図1、図2(a)、図2(b)と同一の構成要素には同じ符号を付してある。図3において、40は絶縁通信手段である。
実施例2の特徴を実施例1の図1と対比させ説明する。
上記したように図1の実施例1ではオン許可信号16、18は光ファイバを使用して通信していた。実施例2によれば、図3に示すように40に絶縁信号送信回路としてパルストランスや高耐圧のフォトカプラ、また従来の光ファイバの長さを短くしたものや、高絶縁のキャパシタンスを使用することができる。これらにより、図1の実施例1で示した効果を同じく得ることができる。
【0024】
[実施例3]
図4は、本発明の実施例3のゲート駆動装置を示したものである。
図1、図2(a)、図2(b)、図3と同一の構成要素には同じ符号を付してある。図4において、41は絶縁スリットである。
本実施例3の特徴を実施例1の図1と対比させ説明する。
上記したように、図1の実施例1ではゲート駆動回路30と31の間には絶縁領域を5mm以上必要としていた。図4では絶縁スリット41を挿入することで、絶縁領域を短くすることができる。規格では空気中の最小空間距離が4mmになることが知られているので、絶縁領域を4mmまで短くすることができる。一方図1の実施例1のゲート駆動回路28と29の間には絶縁領域を2.5mm以上必要としていた。図4では絶縁スリット41を挿入することで、絶縁領域を短くすることができる。規格では空気中の最小空間距離が1.5mmとなることが知られているので、絶縁領域を1.5mmまで短くすることができる。
【0025】
以上の実施例では、3レベル主回路の例を説明してきたが、もちろん3レベル主回路に限定されるものではなく、5レベル、7レベルなどマルチレベル主回路に適用した場合も同様の効果が得られることは当業者にとって明らかである。要は、同時にオンになると、電源短絡状態となり、IGBTを破壊するようなゲート駆動回路の組み合わせを1つの基板に実装して、この基板に、ゲート出力回路を、通信線を介して相互に論理回路に接続し、少なくともひとつのゲート駆動回路が必ずオフとなるようなようにすればよい。
また、半導体素子としてIGBTの例を説明したが、バイポーラトランジスタやMOSFET、GTO等のパワーデバイスを適用しても同様の効果を得ることができる。
更に、本実施例で説明した鉄道車両用のみならず、製鉄所の圧延ローラ駆動用の電力変換器や高電圧の電源用途などあらゆるマルチレベル電力変換回路に適用しても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、3レベル電力変換装置において、第一の駆動回路と第三の駆動回路、及び、第二の駆動回路と第四の駆動回路をそれぞれ同一の基板に実装し、各基板上において、二つのゲート駆動回路におけるゲート出力回路を、通信線を介して相互に論理回路に接続し、いずれか一方のゲート駆動回路がオンしている時に他方のゲート駆動回路をオフすることにより、同時オンを防止するようにしたので、3レベル電力変換装置の構成部品を簡素化、コンパクト化でき、耐久性の向上、配線作業の簡略化を改善できるので、特に、高電圧の直流電源を使用した電力変換器に広く採用されることが期待できる。
【符号の説明】
【0027】
1 制御論理部
2、3 ゲート駆動装置
4〜7 IGBT
8、9 中性点クランプ用ダイオード
10、11 電源安定化コンデンサ
12〜15 駆動指令
16〜19 オン許可信号
20〜23 AND回路
24〜27 IGBTオン判定回路
28〜31 ゲート駆動回路
32〜35 ゲート出力回路
36 交流端子
37、38 直流端子
40 絶縁通信手段
41 絶縁スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の直流電源端子間に順次直列に接続された第一ないし第四の半導体スイッチング素子と、
該第一ないし第四のスイッチング素子にそれぞれ接続され、これらの半導体スイッチング素子を駆動する第一ないし第四のゲート駆動回路とからなり、第一及び第二の半導体スイッチング素子のみをオンしたときプラス出力、第二及び第三の半導体スイッチング素子のみをオンしたとき零出力、そして、第三及び第四の半導体スイッチング素子のみをオンしたときマイナス出力を出力することにより交流に変換する3レベル電力変換装置であって、
前記第一の駆動回路と前記第三の駆動回路、及び、前記第二の駆動回路と前記第四の駆動回路をそれぞれ同一の基板に実装し、各基板上において、前記二つのゲート駆動回路におけるゲート出力回路を、通信線を介して相互に論理回路に接続し、いずれか一方のゲート駆動回路がオンしている時に他方のゲート駆動回路をオフすることにより、同時オンを防止するようにしたことを特徴とする半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置において、前記同一の基板において、二つのゲート駆動回路に印加される直流電圧に基づいて、規格上定められる最小限の絶縁距離を確保したことを特徴とする半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置において、前記同一の基板において、二つのゲート駆動回路の間に絶縁スリットが設けられていることを特徴とする半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置において、
前記同一の基板において、二つのゲート駆動回路のゲート出力回路を、パルストランス、高耐圧フォトカプラや光ファイバ等の光素子及び高絶縁のキャパシタンスの少なくともひとつを使用した絶縁信号送信回路を介して、前記論理解路に接続したことを特徴とする半導体スイッチング素子用ゲート駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−31267(P2013−31267A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164509(P2011−164509)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】