説明

スイッチ装置

【課題】レーザを発射する訓練用小火器において、引金(トリガ)の状態を接点端子の接触・開放により電気的に導通状態・非導通状態として検出し、導通状態・非導通状態に応じた電気信号をレーザ送信装置に伝送可能とするスイッチ装置を提供する。
【解決手段】ハウジング1に回転軸3により回転自在に取付けられたトリガ2と、トリガ2に連動するように設けられた第1の接点端子5と、第1の接点端子5の移動位置に設けられた第2の接点端子6と、第1の接点端子5を第2の接点端子6から離す方向に力が加えられるばね4と、第1の接点端子5及び第2の接点端子6にそれぞれ電気的に接続されたコネクタ11とを具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレーザ送信装置よりレーザを発射する訓練用小火器(小銃・機関銃)の引金操作に連動し、レーザの発射タイミングを電気的に検出する接点端子式のスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ送信装置よりレーザを発射する訓練用小火器(小銃・機関銃)においては、引金部分の操作から機械的にリンク構造を用いてレーザ送信装置のスイッチレバーを稼動させてレーザを発射している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−42893号公報
【特許文献2】特開2002−81897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レーザ送信装置よりレーザを発射する訓練用小火器(小銃・機関銃)の引金操作から機械的にリンク構造を用いてレーザ送信装置のスイッチレバーを稼動させる場合、レーザの発射タイミング調整が微妙であり、固定ねじの締め込みにより調整不良が発生しやすく煩雑な作業であった。また、引金部とレーザ送信装置の機械的位置関係についても限定されるため、レーザ送信装置は各小火器専用品となっていた。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、引金(トリガ)の状態を接点端子の接触・開放により電気的に導通状態・非導通状態として検出し、前記導通状態・非導通状態に応じた電気信号をレーザ送信装置に伝送可能とするスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明のスイッチ装置は、ハウジングに回転軸により回転自在に取付けられたトリガと、前記トリガに連動するように設けられた第1の接点端子と、前記第1の接点端子の移動位置に設けられた第2の接点端子と、前記第1の接点端子を前記第2の接点端子から離す方向に力が加えられるばねと、前記第1の接点端子及び前記第2の接点端子にそれぞれ電気的に接続されたコネクタとを具備することを特徴とするものである。
【0007】
また本発明は、前記スイッチ装置において、第2の接点端子を第1の接点端子との間隔を変えるように移動するスライド部材と、前記スライド部材を移動する調整つまみと、前記調整つまみを所定の間隔でクリック調整するプランジャとを具備することを特徴とするものである。
【0008】
また本発明は、前記スイッチ装置において、第1の接点端子にクッションを設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のスイッチ装置は、引金(トリガ)の状態を接点端子の接触・開放により電気的に導通状態・非導通状態として検出し、前記導通状態・非導通状態に応じた電気信号をレーザ送信装置に伝送可能とすることにより、スイッチ装置とレーザ送信装置の装着位置の機械的制約をなくすことが可能となる。これにより、レーザ送信装置を複数種類の小火器に共通化することができる。そして、スイッチ装置をレーザ送信装置に装着後のスイッチ装置の検出タイミング調整方法は調整つまみを回転し接点端子の接触するタイミングを可変させることで調整可能となるため、煩雑な作業は解消される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るスイッチ装置を示す斜視図である。
【図2】(a)は本発明の実施形態に係るスイッチ装置を示す側面図、(b)は(a)のA−A´線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係るスイッチ装置を示す斜視図、図2(a)は本発明の実施形態に係るスイッチ装置を示す側面図、図2(b)は図2(a)のA−A´線断面図である。
【0013】
図1及び図2において、1はハウジング、2はトリガ(引金)、3はトリガ回転軸、4はねじりコイルばね、5は第1の接点端子、6は第2の接点端子、7は調整つまみ、8はスライド部材、9は調整ねじ、10はプランジャ、11はコネクタ、12は干渉クッションである。
【0014】
図1及び図2に示すように、板状の枠体よりなるハウジング1の先端部には調整つまみ7が軸方向を略水平にして回転自在に設けられ、前記調整つまみ7の中心軸部には調整ねじ9がねじ込まれて略水平に設けられる。前記調整ねじ9にはスライド部材8が一体に略水平に延長して設けられ、前記スライド部材8の後端部には第2の接点端子6が水平方向に対して傾斜して設けられる。前記ハウジング1には調整つまみ7を所定の間隔でクリック調整するためのプランジャ10が設けられる。
【0015】
前記ハウジング1の後端部にはトリガ2が操作部201を下方に突出してトリガ回転軸3により回転自在に設けられると共に、トリガ2にはねじりコイルばね4により反時計方向の回転力が与えられる。前記トリガ2の上端部には干渉クッション12を介して先端部が半球状の第1の接点端子5が先端部を第2の接点端子6方向にして設けられる。前記干渉クッション12はトリガ2の引き過ぎによる第1の接点端子5、第2の接点端子6、及びトリガ2等のスイッチ装置の破損を防止するために設けられる。
【0016】
前記ハウジング1の上部にはコネクタ11が設けられ、前記コネクタ11は前記第1の接点端子5及び第2の接点端子6に電気的に接続されている。前記コネクタ11は接続ケーブルによりレーザ送信装置に接続される。
【0017】
すなわち、トリガ2の操作部201に指をかけて矢印A方向に引くことにより、トリガ2はねじりコイルばね4の回転力に逆らって時計方向に回転し、第1の接点端子5の先端部が第2の接点端子6に接触して導通状態になる。なお、調整つまみ7を回転することにより、調整ねじ9によりスライド部材8が略水平方向に移動し、前記第2の接点端子6が略水平方向に移動して第1の接点端子5と第2の接点端子6との接触するタイミングが調整可能となる。この場合、調整つまみ7はプランジャ10により所定の間隔でクリック調整される。
【0018】
一方、トリガ2の操作部201から指を離すと、トリガ2はねじりコイルばね4の回転力により反時計方向に回転し、第1の接点端子5の先端部が第2の接点端子6から離れて非導通状態になる。
【0019】
第1の接点端子5と第2の接点端子6の間の導通状態または非導通状態を表す電気的信号はインターフェースとなるコネクタ11から接続ケーブルでレーザ送信装置に伝送される。
【0020】
以上のように本発明の実施形態に係るスイッチ装置によれば、ハウジング1及びトリガ回転軸3に支持されたトリガ2を具備し、トリガ2に取付けた第1の接点端子5はトリガ2に連動して可動し、第2の接点端子6に接触し、電気的信号を導通状態にする。稼動させたトリガ2はねじりコイルばね4で、元の状態に戻り、電気的信号を非導通状態にする。また、電気的信号の導通もしくは非導通の状態を接続ケーブルでレーザ送信装置に伝送するためのインターフェースとなるコネクタ11が設けられる。
【0021】
また、第2の接点端子6はスライド部材8に固定されており、調整つまみ7と連動し、スライド部材8が移動することにより第1の接点端子5との接触するタイミングが調整可能となる。また、調整つまみ7はハウジング1に圧入されたプランジャ10で任意の間隔でクリック調整を可能とする。
【0022】
また、トリガ2の引き過ぎによるスイッチ装置の破損を防止するため、第1の接点端子5の下部に干渉クッション(αGELL)12が構成される。
【0023】
したがって、安全で、引金操作の電気的検出及び検出タイミングの調整を行うことができる。
【0024】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0025】
1…ハウジング、2…トリガ(引金)、3…トリガ回転軸、4…ねじりコイルばね、5…第1の接点端子、6…第2の接点端子、7…調整つまみ、8…スライド部材、9…調整ねじ、10…プランジャ、11…コネクタ、12…干渉クッション。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに回転軸により回転自在に取付けられたトリガと、
前記トリガに連動するように設けられた第1の接点端子と、
前記第1の接点端子の移動位置に設けられた第2の接点端子と、
前記第1の接点端子を前記第2の接点端子から離す方向に力が加えられるばねと、
前記第1の接点端子及び前記第2の接点端子にそれぞれ電気的に接続されたコネクタと
を具備することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
第2の接点端子を第1の接点端子との間隔を変えるように移動するスライド部材と、
前記スライド部材を移動する調整つまみと、
前記調整つまみを所定の間隔でクリック調整するプランジャと
を具備することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
第1の接点端子にクッションを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−58713(P2011−58713A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208316(P2009−208316)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000221155)東芝電波プロダクツ株式会社 (62)
【Fターム(参考)】