説明

スイッチ装置

【課題】簡素な構成で押し込み部を押す操作がしやすいスイッチ装置を提供する。
【解決手段】筐体11と、前記筐体に設けられ、少なくとも2つの押し込み部17を備えた押圧体13と、弾性体で構成され、前記筐体11から延出するコード9の周囲を囲んで前記筐体11に設けられ、前記各押し込み部17のうちの少なくとも1つの押し込み部17が押されたときに、一部が前記押された押し込み部17に反力を付与するブッシュ15とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に係り、たとえば、ヘッドセットに用いられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、独立した3つボタンが縦方向(長手方向)に並んで設けられているスイッチ装置を備えたコントローラ付きのヘッドホンが知られている。
【0003】
上記従来のスイッチ装置では、上記各ボタンが独立して設けてあるか、もしくは、図8で示す従来のスイッチ装置200ように、上記各ボタンを、細長い押圧体208の長手方向に並べて設けてある。
【0004】
図8で示す従来のスイッチ装置200について詳しく説明すると、スイッチ装置200は、細長い押圧体208の長手方向に押し込み部(ボタンに相当するもの)202,204,206を並べて3つ設けてある。また、各押し込み部202,204,206の間にリブ210を設けてある。そして、3つの押し込み部202,204,206を選択して押すようになっている。
【0005】
なお、図8における参照符号212は、スイッチ装置200の筐体であり、参照符号214は、スイッチ装置200の基板であり、参照符号216は、スイッチ装置200のブッシュであり、参照符号218は、コードであり、参照符号220は、スイッチ部である。
【0006】
また、上記従来の技術に関する文献として、たとえば、特許文献1を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−95323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のスチッチ装置では、押し込み部を押す操作がしにくいという問題がある。すなわち、各押し込み部を押すときに、押圧体が弾性変形するのであるが、両脇の押し込み部を押すときに要する力に比べて、リブの間に存在している真ん中の押し込み部を押すときに要する力が大きくなり、スイッチの操作時において違和感が発生する。また、押し込み位置がすれた場合には、同時に2つの押し込み部を押してしまうという弊害がある。また、独立した3つボタンを設ける構成では、装置の構成が煩雑になってしまう。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で押し込み部を押す操作がしやすいスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、筐体(11)と、前記筐体に設けられ、少なくとも2つの押し込み部(17)を備えた押圧体(13)と、弾性体で構成され、前記筐体(11)から延出するコード(9)の周囲を囲んで前記筐体(11)に設けられ、前記各押し込み部(17)のうちの少なくとも1つの押し込み部(17)が押されたときに、一部が前記押された押し込み部(17)に反力を付与するブッシュ(15)とを有するスイッチ装置(1)である。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記筐体(11)内には基板(25)が設けられており、前記反力を付与する前記ブッシュ(15)の部位(21)は、前記基板(25)と前記押し込み部(17)との間に設けられているスイッチ装置(1)である。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、前記筐体(11)内には基板(25)が設けられており、前記押圧体(13)は、第1の押し込み部(17)と第2の押し込み部(17)とこれらの押し込み部(17)の間に設けられているリブ(49)とを備えており、前記反力を付与する前記ブッシュ(15)の部位(21)は、前記基板(25)と前記押し込み部(17)との間に設けられており、前記基板(25)と前記リブ(49)との間には弾性体(59)が設けられているスイッチ装置(1)である。
【0013】
第4の発明は、第1の発明において、前記筐体(11)内には基板(25)が設けられており、前記ブッシュ(15)の先端部側の部位が前記基板(25)の一部を挟み込んでおり、この挟み込んでいる部位のうちの一方の側の部位が、前記基板(25)と前記押し込み部(17)との間に位置して、前記反力を発生する前記ブッシュ(15)の部位(21)を構成しているスイッチ装置(1)である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡素な構成で押し込み部を押す操作がしやすいスイッチ装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ヘッドセットの概略構成を示す図である。
【図2】スイッチ装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】スイッチ装置の断面図である。
【図4】変形例に係るスイッチ装置の断面図である。
【図5】別の変形例に係るスイッチ装置の断面図である。
【図6】さらなる別の変形例に係るスイッチ装置の断面図である。
【図7】図3におけるVIII概略矢視図である。
【図8】従来のスイッチ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
スイッチ装置1は、たとえば、ヘッドセット3に使用される装置であり、ヘッドセット3は、端子部5とイヤホン部7とコード9とマイクロホン(図示せず)が設けられているスイッチ装置1とを備えて構成されている(図1参照)。
【0017】
スイッチ装置1は、図3で示すように、筐体11と押圧体(ボタン体)13とブッシュ15とを備えている。押圧体13は、筐体11に設けられており、少なくとも2つの押し込み部17を備えている。そして、各押し込み部17のうちの1つの押し込み部17がオペレータによって選択されて押されるようになっている。
【0018】
ブッシュ15は、弾性体で構成されており、たとえば、筐体11から延出するコード9を保護するために、コード9の周囲を囲んで筐体11に設けられている。また、ブッシュ15の一部21が各押し込み部17のうちの少なくとも1つの押し込み部17(たとえば、押し込み部17A,17B)が、図3Aに下方に押し込まれたときに、この押し込まれた押し込み部17に反力(弾性による反力;図3の上方の向かう力)を付与するようになっている。
【0019】
ブッシュ15は、筒状の本体部(ブッシュ本体部)19と反力を付与する部位(前記一部)21とを備えて構成されている。コード9がブッシュ本体部19の貫通孔を貫通している。コード9の外径は貫通孔の内径よりも僅かに大きくなっている。コード9がブッシュ本体部19の貫通孔を貫通している状態では、ブッシュ本体部19が弾性変形してブッシュ本体部19の内径が僅かに大きくなり、コード9の外周と貫通孔の内周とが付勢力をもって接触している。
【0020】
ブッシュ15は、筐体11の内部に設置されている。ブッシュ19が設置されている筐体の部位(筐体11に形成されている凹部)23の深さの値は、筒状のブッシュ本体部19の長さの値とほぼ等しくなっている。筒状(必ずしも円筒である必要はない)のブッシュ本体部19の外径は、筐体凹部23の内径よりも僅かに大きくなっている。
【0021】
コード9がブッシュ本体部19の貫通孔を貫通しているブッシュ15を筐体11に設置した状態では、ブッシュ本体部19の長手方向の一端部が筐体凹部23の底面に接触して、ブッシュ本体部19が筐体凹部23内に入り込んでいる。また、反力付与部位(反力発生部位)21がブッシュ本体部19の長手方向の一端部よりもさらに筐体11の内側に突出している。また、ブッシュ本体部19の長手方向の他端部が、筐体凹部23の入口のところに位置しており、コード9が、ブッシュ本体部19(ブッシュ15)から延出している(筐体11から離れる方向に延出している)。また、ブッシュ本体部19が弾性変形してブッシュ本体部19の内径が僅かに小さくなり、ブッシュ本体部19の外周と筐体凹部23の内周とが付勢力をもって接触している。
【0022】
なお、筒状のブッシュ本体部19の長さの値を、筐体凹部23の深さの値よりも大きくして、ブッシュ15を筐体11に設置した状態で、ブッシュ本体部19が筐体11の外に突出するようにしてもよい。
【0023】
また、スイッチ装置1には、基板25が設けられており、ブッシュ15の反力付与部位21は、少なくとも一部の押し込み部17(押し込み部17A,17C)と基板25との間に設けられている。
【0024】
さらに説明すると、スイッチ装置1の筐体11と押圧体13と基板25とは、ほぼ剛体とみなすことができる硬質の合成樹脂やベークライト等の材料で構成されており、ブッシュ15は、ゴムや軟質の合成樹脂等の弾性を備えた材料で構成されている。また、筐体11と押圧体13とブッシュ19とは絶縁性を備えている。
【0025】
スイッチ装置1(筐体11)の外観は、たとえば、長手方向の両端部が半円状(半円柱状)になっている細長い棒状(四角柱状)に形成されている。コード9は、筐体11の長手方向の両端部から延出している。したがって、ブッシュ15も筐体11の長手方向の両端部のところに設けられている。
【0026】
筐体11の長手方向の一端部側(図3では左側)に設けられているブッシュ15Aは、ブッシュ本体部19の長手方向の他端部(図3では左側)が、筐体11の長手方向の一端部のところに位置し、ブッシュ本体部19の長手方向の一端部(図3では右側)が、筐体11の長手方向の中央部側に位置し、反力付与部位21が、ブッシュ本体部19の長手方向の一端部よりも、筐体11の長手方向でさらに中央側(図3ではさらに右側)に位置している。
【0027】
同様にして、筐体11の長手方向の他端部側(図3では右側)に設けられているブッシュ15Bは、ブッシュ本体部19の長手方向の他端部(図3では右側)が、筐体11の長手方向の他端部のところに位置し、ブッシュ本体部19の長手方向の一端部(図3では左側)が、筐体11の長手方向の中央部側に位置し、反力付与部位21が、ブッシュ本体部19の長手方向の一端部よりも、筐体11の長手方向でより中央側(図3ではさらに左側)に位置している。
【0028】
筐体11は、ベース体27とカバー体29とを備えて構成されている。
【0029】
ベース体27は、細長い枡状に形成されている。カバー体29も細長い枡状に形成されている。なお、カバー体29には、細長い貫通孔31が形成されている。この貫通孔31は、貫通孔31の長手方向がカバー体29(筐体11)の長手方向と一致し、貫通孔31の幅方向がカバー体29(筐体11)の幅方向と一致するようにして、枡状のカバー体29の底部の中央に形成されている。なお、ベース体27とカバー体29の長手方向の両端部には、ブッシュを設置するために凹み(筐体の凹部23を形成する凹み)が形成されている。
【0030】
基板25は細長い矩形な平板状に形成されている。押圧体13も細長い板状(平板ではなくて若干曲がっている板状)に形成されている。
【0031】
そして、ベース体27に、基板25を設置し、基板25から延出しブッシュ19が設けられているコード9を設置し、さらに、押圧体13を設置した後、ベース体27の開口部を塞ぐようにカバー体29をベース体27に一体的に設置することで、スイッチ装置1が組み立つようになっている。
【0032】
スイッチ装置1では、ベース体27の長手方向とカバー体29の長手方向と基板25の長手方向と押圧体13の長手方向とがお互いに一致しており、ベース体27の幅方向とカバー体29の幅方向と基板25の幅方向と押圧体13の幅方向とがお互いに一致しており、ベース体27の高さ(厚さ)方向とカバー体29の高さ(厚さ)と基板25の厚さ方向と押圧体13の厚さ方向とがお互いに一致している。
【0033】
上記組立により、ベース体27と基板25とブッシュ15とは一体化するが、押圧体13は、スイッチ装置1での押し込みのために、ベース体27と基板25とブッシュ15とカバー体29とに対して僅かに動くようになっている。ただし、押圧体13が、ベース体27とカバー体29等とから分離してしまうことは無い。
【0034】
ここで、スイッチ装置1を構成しているベース体27等の各構成部品の位置関係について詳しく説明する。説明の便宜のために、スイッチ装置1をこの長手方向で7つの部位(第1の長手方向部位〜第7の長手方向部位)33,35,37,39,41,43,45に分ける。第1の長手方向部位〜第7の長手方向部位33〜45は、スイッチ装置1(筐体11)の長手方向の一端部(図3では左側の端部)から他端部(図3では右側の端部)に向かって、この順に並んでいる。
【0035】
第1の長手方向部位33では、スイッチ装置1の幅方向の中央部におけるスイッチ装置1の高さ方向で、ベース体27とブッシュ本体部19とカバー体29とが、この順に並んでいる。また、スイッチ装置1の長手方向に対して直交する平面による断面では、筒状のブッシュ本体部19の周りをベース体27とカバー体29とが囲んでいる。
【0036】
第2の長手方向部位35では、スイッチ装置1の幅方向の中央部におけるスイッチ装置1の高さ方向で、ベース体27とブッシュ本体部19と押圧体13とが、この順に並んでいる。また、スイッチ装置1の長手方向に対して直交する平面による断面では、筒状のブッシュ本体部19の周りをベース体27とカバー体29と押圧体13とが囲んでいる。
【0037】
第3の長手方向部位37では、スイッチ装置1の幅方向の中央部におけるスイッチ装置1の高さ方向で、ベース体27と基板25とブッシュ15の反力付与部位21と押圧体13とが、この順に並んでいる。また、スイッチ装置1の長手方向に対して直交する平面による断面では、基板25の厚さ方向の一方の面(押圧体13側の面)に反力付与部位21が接触しており、基板25と反力付与部位21の周りをベース体27と押圧体13とカバー体29とが囲んでいる。
【0038】
第4の長手方向部位39では、スイッチ装置1の幅方向の中央部におけるスイッチ装置1の高さ方向で、ベース体27と基板25と押圧体13とが、この順に並んでいる。また、スイッチ装置1の長手方向に対して直交する平面による断面では、基板25の周りをベース体27とカバー体29と押圧体13とが囲んでいる。
【0039】
第5の長手方向部位41では、第3の長手方向部位37と同様にして、ベース体27と基板25とブッシュ15の反力付与部位21と押圧体13とがこの順に並んでおり、第6の長手方向部位43では、第2の長手方向部位35と同様にして、ベース体27とブッシュ本体部19と押圧体13とがこの順に並んでおり、第7の長手方向部位45では、第1の長手方向部位33と同様にして、ベース体27とブッシュ本体部19とカバー体29とがこの順に並んでいる。
【0040】
また、スイッチ装置1では、押圧体13がカバー体29の貫通孔31のところで露出しており、押圧体13の押し込みができるようになっている。
【0041】
なお、すでに理解されるように、スイッチ装置1(筐体11、押圧体13)は、スイッチ装置1の長手方向では、スイッチ装置1の中心を通りスイッチ装置1の長手方向に対して直交している平面に対してほぼ対称に形成されており、スイッチ装置1の幅方向では、スイッチ装置1の中心を通りスイッチ装置1の幅方向に対して直交している平面に対してほぼ対称に形成されている。
【0042】
ところで、押圧体13は、細長い板状の押圧体本体部47と、3つの押し込み部17(第1の押しこみ部17A、第2の押し込み部17B、第3の押し込み部17C)と、2つのリブ49(第1のリブ49A、第2のリブ49B)とを備えて構成されている。
【0043】
第1の押し込み部17Aは、押圧体本体部47(押圧体13)の長手方向で押圧体13の一端部側(図3では左側)に設けられており、第2の押し込み部17Bは、押圧体本体部47の長手方向で押圧体13の中央に設けられており、第3の押し込み部17Cは、押圧体本体部47の長手方向で押圧体13の他端部側(図3では右側)に設けられている。
【0044】
第1のリブ49Aは、押圧体本体部47の厚さ方向の一方の面(図3では下面)から起立(図3では下方に起立)しており、押圧体本体部47の長手方向では、第1の押し込み部17Aと第2の押し込み部17Bとの間に位置している。第2のリブ49Bは、押圧体本体部47の厚さ方向の一方の面から起立しており、押圧体本体部47の長手方向では、第2の押し込み部17Bと第3の押し込み部17Cとの間に位置している。
【0045】
第1の押し込み部17Aは、押圧面51と押圧部(押圧突起)53とで構成されている。押圧面51は、押圧体本体部47の厚さ方向の他方の面(リブ49とは反対側の面;図3では上面)に設けられており、押圧部53は、押圧体本体部47の厚さ方向の一方の面(リブ49側の面)で、押圧体本体部47から突出している。
【0046】
第2の押し込み部17Bや第3の押し込み部17Cも、第1の押し込み部17Aと同様な押圧面と押圧部とで構成されている。
【0047】
第1の押し込み部17Aの第1の押圧部53Aは、基端部側が円錐台状に形成されており、この円錐台の頂上部に短い円柱状の中間部が形成されており、先端部が半球状になっている。第3の押し込み部17Cの第3の押圧部53Cは、第1の押圧部53Aと同形状になっている。第2の押し込み部17Bの第2の押圧部53Bは、先端が半球状である円柱状になっている。第2の押圧部53Bの円柱の外径は、第1の押圧部53Aの円柱部分の外径とほぼ等しくなっている。第1の押圧部53Aの突出高さは、第2の押圧部53Bの突出高さとほぼ等しくなっている。
【0048】
ブッシュ15の反力付与部位21は、平板状に形成されている。反力付与部位21の中央部には、反力付与部位21の厚さ方向に貫通している円形状の貫通孔55が形成されている。この貫通孔55の内径は、第1の押圧部53A(第3の押圧部53C)の円柱状部の外径よりも大きく、第1の押圧部53A(第3の押圧部53C)の円錐台の底面の外径よりも小さくなっている。
【0049】
そして、常態(各押し込み部17が押されていない状態)では、押圧体13のリブ49が基板25に接触しており、各押圧部53と基板25との間は、所定の間隙が存在している。この間隙にところにスイッチ部(たとえば、特開2004−95323号公報に記載のように、ダイヤフラムを備えて構成されているスイッチ部)57が設けられている。
【0050】
ここで、押し込み部17が押された場合におけるスイッチ装置1の動作について説明する。
【0051】
常態において、各スイッチ部57はオフになっており、また、ブッシュ15の反力付与部位21の貫通孔55に、第1の押圧部53A(第3の押圧部53C)の先端部側部位(円錐台の先端部側と円柱状部と半球状部)とが入り込んでおり、反力付与部位21の貫通孔55の円形状の開口部が、第1の押圧部53A(第3の押圧部53C)の円錐台の斜面の一部に接触している。この場合、反力付与部位21と第1の押圧部53A(第3の押圧部53C)とがお互いが単に接触している構成であるが、反力付与部位21が第1の押圧部53A(第3の押圧部53C)を図3の上側に(基板25から離れる側)に付勢している構成であってもよい。
【0052】
第2の押し込み部17Bが押された場合、各リブ49(49A,49B)の間で押圧体13が両持ち梁のごとく弾性変形して第2の押し込み部17B(第2の押圧部53B)が基板25側に移動する。この移動によって、スイッチ部(第2の押圧部53Bと基板25との間に設けられているスイッチ部;第2のスイッチ部)57が押圧されて、第2のスイッチ部57がオン状態になる。
【0053】
第1の押し込み部17Aが押された場合、リブ49Aよりも端部側(図3では左側)に存在している押圧体13の部位が片持ち梁のごとく弾性変形して第1の押し込み部17A(第1の押圧部53A)が基板25側に移動する。この移動によって、反力付与部位21とスイッチ部(第1の押圧部53Aと基板25との間に設けられているスイッチ部;第1のスイッチ部)57が押圧されて、反力付与部位21が第1の押圧部53Aに反力(図3の上方向の力、押圧力とは反対向きの力)を与えるとともに、第1のスイッチ部57がオン状態になる。
【0054】
第3の押し込み部17Cが押された場合も、第1の押し込み部17Aが押された場合と同様である。なお、既に理解されているように、スイッチ装置1の各押し込み部17は、それぞれが、独立して押されて使用されるのである。
【0055】
スイッチ装置1によれば、1つの押圧体13を備えて3つのスイッチ部分を構成しており、また、ブッシュ15が反力付与部位21を備えているので、押し込み部17を押す操作がしやすくなる。
【0056】
すなわち、3つのスイッチの部分のそれぞれが、お互いに独立した別体になっているわけではなく、1つの押圧体13に3つの押し込み部17が設けられて、これらの押し込み部17を選択して押す構成であるので、スイッチ装置1の構成部品が削減されスイッチ装置1の構成が簡素になっている。
【0057】
また、第1の押し込み部17Aや第3の押し込み部17Cが押されたときに、反力付与部位21が反力を発生するので、スイッチ装置1の両端部側に存在している第1の押し込み部17Aや第3の押し込み部17Cのクリック感と、スイッチ装置1の中央に位置している第2の押し込み部17Bのクリック感とがお互いにほぼ等しくなり、押し込み部17を押す操作がしやすくなっている。
【0058】
さらに、反力付与部位21を設けたことで、スイッチ装置1の中央に位置している第2の押し込み部17Bを押したときに、誤って、第1の押し込み部17Aや第3の押し込み部17Bを押し込んでしまう等の弊害が回避される。
【0059】
また、ブッシュ15を延長して、反力付与部位21を形成しているので、スイッチ装置1に別途反力付与部位を設ける必要がなく、部品点数が削減され、スイッチ装置1の構成が簡素化されている。つまり、ブッシュ19そのものは従来から用いている部品であるので、スイッチ装置1を構成するにあたり、特別な部品を用いることはなく、部品点数の増加やコストアップをしないで3つボタン式の構造を実現することができる。
【0060】
また、反力付与部位21が設けられていることで、第1の押し込み部17Aや第3の押し込み部17Cが押されたときに、過大な力で、スイッチ部57や基板25が押圧されることがなくなり、摩耗による劣化でスイッチ装置1のクリック感が失われたり、スイッチ装置1の基板25等に衝撃が伝わるという弊害を回避することができる。
【0061】
また、ブッシュ15が絶縁性を備えたもので構成されているので、外部からの静電気が基板25に落ちて基板25の電子部品が壊れることを防ぐことができる。
【0062】
また、スイッチ装置1によれば、反力付与部位21が基板25に厚さ方向の一方の面の側にのみ設けられているので、スイッチ装置1の組立が簡素化されている。
【0063】
ここで、スイッチ装置1の変形例であるスイッチ装置1aについて、図4を参照しつつ説明する。
【0064】
スイッチ装置1aは、ブッシュ15の反力付与部位21をリブ49のところまで延長した点が、スイッチ装置1と異なり、その他の点は、スイッチ装置1とほぼ同様に構成されてほぼ同様の効果を奏する。
【0065】
すなわち、スイッチ装置1aでは、基板25とリブ49との間に弾性体59が設けられている。弾性体59は、たとえば、ブッシュ15の反力付与部位21を筐体11の中央側に延長することで形成されている。なお、弾性体59は、基板25の厚さ方向の一方の面(リブ49側の面)にのみ設けられている。
【0066】
スイッチ装置1aによれば、基板25とリブ49との間に弾性体59が設けられているので、各押し込み部17が押されたときに、弾性体59が弾性変形し、基板25等における磨耗発生や基板25等での衝撃の発生を一層回避することができる。
【0067】
また、スイッチ装置1aによれば、弾性体59が、ブッシュ15の反力付与部位21を延長することで形成されているので、スイッチ装置1aの構成が簡素化されている。
【0068】
続いて、スイッチ装置1の別の変形例であるスイッチ装置1bについて、図5を参照しつつ説明する。
【0069】
スイッチ装置1bは、基板25の厚さ方向の両側に、ブッシュ15の反力付与部位21が設けられている点が、スイッチ装置1と異なり、その他の点は、スイッチ装置1とほぼ同様に構成されてほぼ同様の効果を奏する。
【0070】
すなわち、スイッチ装置1bでは、ブッシュ15の先端部(筐体11の中心側に位置している端部)側の部位が基板25の一部(長手方向の両端部)を挟み込んでおり(基板25の厚さ方向の両側から挟み込んでおり)、この挟み込んでいる部位のうちの一方の側の部位(基板25を間にして押圧体13側に位置している部位)が、基板25と押し込み部17A(17B)との間に位置して、反力付与部位21を構成している。
【0071】
また、スイッチ装置1bでは、ベース体27に設けられている突起(押圧体13の押圧部53Aと同様に形成された突起)61が、反力付与部位21の貫通孔55に挿入されて、ブッシュ15を支持している。
【0072】
なお、図5で示すスイッチ装置1bにおいて、反力付与部位21を、図4に示す場合と同様にして、リブ49のところまで延長してもよい。
【0073】
続いて、スイッチ装置1のさらなる別の変形例であるスイッチ装置1cについて、図6を参照しつつ説明する。
【0074】
スイッチ装置1cは、基板25が削除されている点がスイッチ装置1(スイッチ装置1b)と異なり、その他の点は、スイッチ装置1(スイッチ装置1b)とほぼ同様に構成されてほぼ同様の効果を奏する。
【0075】
なお、上記説明では、ヘッドセット3に使用されるスイッチ装置を例に掲げて説明したが、スイッチ装置を他の機器(たとえば、コントローラ付きのヘッドホン)に使用してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 スイッチ装置
9 コード
11 筐体
13 押圧体
15 ブッシュ
17 押し込み部
21 反力付与部位
25 基板
49 リブ
59 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられ、少なくとも2つの押し込み部を備えた押圧体と、
弾性体で構成され、前記筐体から延出するコードの周囲を囲んで前記筐体に設けられ、前記各押し込み部のうちの少なくとも1つの押し込み部が押されたときに、一部が前記押された押し込み部に反力を付与するブッシュと、
を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置において、
前記筐体内には基板が設けられており、
前記反力を付与する前記ブッシュの部位は、前記基板と前記押し込み部との間に設けられていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチ装置において、
前記筐体内には基板が設けられており、
前記押圧体は、第1の押し込み部と第2の押し込み部とこれらの押し込み部の間に設けられているリブとを備えており、
前記反力を付与する前記ブッシュの部位は、前記基板と前記押し込み部との間に設けられており、
前記基板と前記リブとの間には弾性体が設けられていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のスイッチ装置において、
前記筐体内には基板が設けられており、
前記ブッシュの先端部側の部位が前記基板の一部を挟み込んでおり、この挟み込んでいる部位のうちの一方の側の部位が、前記基板と前記押し込み部との間に位置して、前記反力を発生する前記ブッシュの部位を構成していることを特徴とするスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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