説明

スカベンジャー担体及び金属抽出プロセスでのスカベンジャー担体の使用

金属含有溶液をスカベンジャー担体と接触させ、スカベンジャー担体を少なくとも幾分かの溶液中金属と結合させ、溶液中金属の量を減少させる溶液から金属を除去する方法において、スカベンジャー担体が、1,3-ケトエステル又は1,3-ケトアミド又はこれらの混合物から選択される担体に結合しているペンダント基を含み、多数のペンダント基はアミンと反応する、官能性化担体を含むことを特徴とする方法が提供される。式(1)(式中R1は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;XはO又はNR2であり(式中、O又はNR2の自由原子価は場合によってはリンカーを介して担体に結合している);R2は水素、場合によっては置換されているヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基である)の1,3--ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化担体を含有し、多数のペンダント基がアミンと反応するスカベンジャー担体も提供される。好ましいスカベンジャー担体としては、式(3)又は(4)(式中、R1は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;XはO又はNR2であり、ここでO又はNR2の自由原子価は場合によってはリンカーを介して結合しており;R2は水素、場合によっては置換されているヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;R4は置換基であり;R5は水素又は置換基であるか、又はR4及びR5は場合によっては置換されている複素環を形成するような態様で場合によっては結合している)又は互変異性体又はこれらの塩の3--イミノエステルペンダント基、3-イミノアミドペンダント基、2,3-エナミノエステルペンダント基又は2,3-エナミノアミドペンダント基を含むスカベンジャー担体を挙げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スカベンジャー担体及びスカベンジャー担体、特にケトエステル樹脂担体とアミン類との反応により得ることができるスカベンジャー担体を用いる溶液からの金属分の除去、特に溶液からのパラジウムの除去方法に関する。
【0002】
過去数年にわたり、新薬開発技術(pharmaceutical drug discovery technology)としてのコンビナトリアル化学(及びマルチパラレル合成(multi parallel synthesis))の拡大及び利用は迅速に発展している。コンビナトリアル/マルチパラレル化学の分野は、迅速化された化合物合成の固相及び液相方法ばかりでなく、固相合成の精製上の利点と液相合成の自由度とを組み合わせるハイブリッドアプローチをも含むように拡大されてきている(Kaldor, S. W. and Siegel, M. G., Curr. Opin. Chem. Biol. 1997, 1, 101-106 及びThompson, L. A. and Ellman J. A., Chem. Rev. 1996, 96, 555- 600)。ケミカルライブラリーを創製するためのアプローチには、ケミカルライブラリー要素をそれらの調製中に迅速に純化し、単離し、操作する必要性が内在する。
【0003】
重合性捕捉試薬(Polymeric scavenging reagents)は、コンビナトリアル合成のため、特に液相ケミカルライブラリー合成のために有用なツールとして出現している。これらの物質は、不要な試薬又は副産物を除去又は捕捉するために用いられ、よって物質の精製を補助する(Creswell, M. W. et. al., Tetrahedron, 1998, 54, 3983-3998; Kaldor, S. W. et. al., Tetrahedron Lett. 1996, 37, 7193-7196; Flynn, D. L. et. al., S., J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 4874-4882; Kaldor, S. W. et. al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 1996, 24(6), 3041-3044; Caldarelli, M. et. al., J. Chem. Soc, Perkin Trans. 1. 1999, 107-110; Booth, R. J. and Hodges, J. C, J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 4882-4886; Gayo, L. M. and Suto, M. J., Tetrahedron Lett. 1997, 38, 513-516; Siegel, M. G. et. al., Tetrahedron Lett. 1997, 38, 3357-3360)。典型的には、重合性スカベンジャー(polymeric scavenger)は、化学反応により過剰の反応体及び副産物が完全に除かれた後に添加される。得られる樹脂結合反応体は、溶液中に生成物を残す単純濾過により除かれる。重合性スカベンジャー試薬の例としては、
【0004】
【化1】

【0005】
を挙げることができる。
上記樹脂のすべては、ポリスチレン又はポリスチレンコポリマービーズの初期合成、続いて捕捉官能基を導入するための1種以上の化学修飾工程により作られる。たとえば、アミン類用スカベンジャーとして販売されているイソシアネート官能性ビーズは、アミノメチルポリスチレンを介してMerrified 樹脂から調製することができる:
【0006】
【化2】

【0007】
用いられる樹脂は、典型的には軽度に架橋されたポリスチレン(1〜3%ジビニルベンゼン)であり、典型的には試薬をポリマー結合官能性基にアクセスさせるために樹脂を膨張させる溶剤を必要とする。あるいは、樹脂は、溶剤のタイプに関わらず反応体を官能性基にアクセスさせる永久的な多孔性を有するマクロ多孔性樹脂(高いジビニルベンゼン含有率)であってもよい。
【0008】
コンビナトリアル用途に用いられるスカベンジャー担体の多くは、有機試薬を除去するように設計される。スカベンジャー担体の使用が潜在的に有用である合成の一領域は、たとえば金属媒介反応にある。金属媒介反応は種々の化学転換を行う合成において有用であるが、典型的にはこれらの反応において用いられる触媒は遷移金属誘導体である。
【0009】
さらに、工業規模での金属接触プロセスからの触媒残渣の除去はより重要になってきている。製品の汚染及び廃棄流におけるより厳格な規制は、これらの製品及び廃棄流からの重金属の除去のための代替方法に対するより高いニーズを生じさせている。特に米国医薬品管理局(the Federal Drug Administration (FDA))による製薬産業規制において、医薬品原薬(API)中の遷移金属の非常に低い目標レベルが制定されている。さらに、医薬品中間体中の金属汚染は、製造プロセスにおけるより後の工程で実施される化学に影響を与え得る。
【0010】
したがって、金属、特に遷移金属に対してスカベンジャーとして作用し且つ良好な化学的安定性を示す官能性化担体に対するニーズがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の側面によれば、金属含有溶液はスカベンジャー担体と接触して、スカベンジャー担体は溶液中の金属の少なくとも幾分かと結合し、溶液中金属量を減少させる方法であって、スカベンジャー担体が、担体に結合している1,3-ケトエステル類又は1,3-ケトアミド類又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含み、ここで多数のペンダント基はアミンと反応する官能性化担体を含むことを特徴とする、溶液から金属を除去する方法が提供される。
【0012】
本発明のプロセスにおいて、アミンの選択は、金属に結合するスカベンジャー担体の親和性及び/又は選択性に影響を与え得る。
典型的には、金属は遷移金属である。好ましくは金属は白金族金属(8族、9族又は10族)であり、より好ましくは金属はパラジウムである。好ましくは金属は、金属塩、金属錯体又は錯体金属塩(complexed metal salt)として溶液中に存在する。好ましい金属塩としては、カルボン酸金属塩、たとえば金属酢酸塩、金属ハライド、金属クロライド及びブロマイド、及びアセトアセテート金属塩を挙げることができる。好ましい錯体金属塩(complexed metal salt)としては、金属−リガンドハライドを挙げることができ、リガンドは1種以上のホスフィン、たとえばトリフェニルホスフィン、1種以上のアミン類、たとえばトリエチルアミン又は1種以上のニトリル類、たとえばアセトニトリル、又はこれらの混合物である。金属塩、金属錯体又は錯体金属塩(complexed metal salt)の例としては、Pd(OAc)2、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、PdCl2、CoCI2(PPh3)2、Ni(Acac)2、NiCI2(PPh3)2、OV(Acac)2、[Rh(OAc)2]2及びCu(Acac)2を挙げることができる。
【0013】
いくつかの場合において、金属種の性質は、金属接触反応中に用いられる触媒種から誘導され、たとえば熱への暴露、圧力、試薬、溶剤、加工助剤、抽出工程、濾過工程及び典型的には化学処理の間に行われる他の工程など反応条件又は反応後の処理条件により変化するかもしれないので、金属種の正確な性質は知られていない。いくつかの場合において、金属種は、たとえば不適切な処理物質又は処理条件の使用(ステンレススチール容器中での塩酸の使用など)による処理中の汚染の結果として存在するかもしれず、望ましくない金属残渣による所望の生成物の汚染を引き起こす。一般に、金属種の性質が知られていない場合、金属の存在は、誘導結合プラズマ又は原子吸光分析などの適切な分析方法により検出される。
【0014】
本発明のプロセスにおいて、官能性化担体は、まずアミンと反応してスカベンジャー担体を与え、次いでスカベンジャー担体は金属含有溶液に添加されてもよい。金属が負荷されたスカベンジャー担体は、次いで好ましくは濾過により溶液から分離される。接触時間は、溶液中金属の少なくとも部分的な消耗を可能とする時間である。あるいは、金属含有溶液をスカベンジャー担体の集団又はカラムに通過させる。滞留時間は、溶液中金属の少なくとも部分的な消耗を可能とする時間である。接触時間又は滞留時間は、溶液中金属のレベルにおける減少をモニタリングすることにより決定することができる。
【0015】
本発明のプロセスは、溶剤の存在下で行ってもよい。適切な溶剤としては、スカベンジャー担体と相性がよい適宜溶剤を挙げることができる。適切な溶剤としては、架橋樹脂に基づくスカベンジャー担体を膨張させ得る溶剤又はマクロ多孔性樹脂に基づくスカベンジャー担体の孔に侵入し得る溶剤を挙げることができる。適切な溶剤は、極性、非極性、プロトン性及び非プロトン性の溶剤から選択され得る。適切な溶剤の例としては、ヘキサン及びヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン(DCM)及びクロロホルムなどの塩素化炭化水素類、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル及びテトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類、酢酸エチル及び酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトン及びメチルエチルケトンなどのケトン類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びN-メチルピロリドン(NMP)などの双極性非プロトン性溶剤、アセトニトリル及びプロピオニトリルなどのニトリル類、メタノール及びプロパン-2-オールなどのアルコール類、水及びこれらの混合物を挙げることができる。好ましい溶剤としては、トルエン、THF、DCM、DMF及びプロパン-2-オールを挙げることができる。
【0016】
本発明のプロセスは、化学反応から得られる混合物から金属を除去するために応用することができる。化学反応混合物は、限定されるわけではないが出発物質、溶剤、試薬、触媒、副産物及び生成物など非常に多くの成分を含み得る。このような化学反応からの混合物は、本発明のスカベンジャー担体と直接的に接触してもよく、スカベンジャー担体は溶液中金属の少なくとも幾分かと結合して、溶液中金属量を減少させることができる。本発明のプロセスは、反応混合物から所望の生成物を単離し精製するために、より大きなプロセスの一部として用いられてもよい。よって、本発明のプロセスは、出発物質、溶剤、試薬、触媒及び副産物などの混合物の不要成分を除去する最初の工程、中間工程又は最後の工程として用いることができる。本発明のプロセスは、他の精製プロセスと組み合わせて又は同時に用いることができる。このような精製プロセスは当業者に周知である。特に、本発明のプロセスは、酸、塩基、求核試薬、 求電子試薬又は他の特定の成分の捕捉、固相抽出(SPE)、クロマトグラフィー、清澄化などの他の固相精製方法と同時に用いることができる。同時に用いられる場合、本発明のプロセスは、余分な処理工程なしに生成物中金属のレベルを低下させることができる。
【0017】
本発明のプロセスは、-100〜250℃の範囲の温度、好ましくは-10〜100℃の範囲の温度、より好ましくは10〜40℃の範囲の温度、最も好ましくは大気温、たとえば15〜30℃の範囲の温度で行うことができる。
【0018】
本発明のプロセスにおいて、好ましくは実質的にすべての金属を除去するために十分なスカベンジャー担体が効果的に用いられる。好ましくは、用いられる金属溶液に対するスカベンジャー担体の比率は、存在する金属の濃度及びスカベンジャー担体上の活性官能基の比率(%)に直接関連する。スカベンジャー担体上の活性官能基の比率(%)は、アミンと反応した官能性担体の1,3-ケトエステルペンダント基及び/又は1,3-ケトアミドペンダント基の比率(%)を表す。溶液中金属のモル濃度に対するスカベンジャー担体上の活性官能基のモル濃度の比率は、1:1〜100:1の範囲にあり得る。好ましくは、過剰の活性官能基が用いられ、たとえば1:1〜20:1の範囲にある比率、より好ましくは1:1〜4:1の範囲にある比率である。このような過剰量は、金属の効果的で且つ早い除去を促進することができる。
【0019】
本発明のプロセスにおいて用いられるアミンと反応してスカベンジャー担体を与える1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性担体は、直接担体に結合しているか又は結合基を介して担体に結合している1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を有するものでよい。好ましくは、1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基は、結合基を介して担体に結合される。適切な結合基としては、Lの定義において後述する結合基を挙げることができる。
【0020】
1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダントが結合している官能性担体としては、無機及び有機の担体を挙げることができる。好ましくは、担体は有機担体であり、より好ましくは有機樹脂担体、特に合成有機樹脂担体である。
【0021】
1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基としては、式1
【0022】
【化3】

【0023】
(式中、R1は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
XはO又はNR2(式中、O又はNR2の自由原子価は場合によってはリンカーを介して担体に結合している)であり;
R2は水素、場合によっては置換されているヒドロカルビル基もしくはヘテロシクリル基である)
の基を挙げることができる。
【0024】
R1及びR2で表すことができるヒドロカルビル基としては、アルキル基、アルケニル基及びアリール基、これらの任意の組み合わせ、アラルキル基及びアルカリール基など、たとえばベンジル基などを挙げることができる。
【0025】
R1及びR2で表すことができるアルキル基としては、20個以内の炭素原子、特に1〜7個の炭素原子及び好ましくは1〜5個の炭素原子を含む直鎖及び分枝アルキル基を挙げることができる。アルキル基が分枝である場合、アルキル基はしばしば10個以内の分枝鎖炭素原子、好ましくは4個以内の分枝鎖原子を含む。いくつかの実施形態において、アルキル基は、最も大きな環に一般に3〜10個の炭素原子を含み、場合によっては1種以上の結合環を特徴とする環式であってもよい。R1及びR2で表すことができるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2-プロピル基、ブチル基、2-ブチル基、t-ブチル基及びシクロヘキシル基を挙げることができる。
【0026】
R1及びR2で表すことができるアルケニル基としては、C2-20、好ましくはC2-6アルケニル基を挙げることができる。1種以上の炭素−炭素二重結合が存在していてもよい。アルケニル基は、1種以上の置換基、特にフェニル置換基を有していてもよい。アルケニル基の例としては、ビニル基、スチリル基及びインデニル基を挙げることができる。
【0027】
R1及びR2で表すことができるアリール基としては、1個の環又は2個以上の縮合環を含んでいてもよく、シクロアルキル、アリール又は複素環を挙げることができる。R1及びR2で表すことができるアリール基の例としては、フェニル基、トルイル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、アニシル基、ナフチル基及びフェロセニル基を挙げることができる。
【0028】
Rで表すことができる過ハロゲン化ヒドロカルビル基としては、独立に過ハロゲン化アルキル基及び過ハロゲン化アリール基及びこれらの任意の組み合わせ、アラルキル基及びアルカリール基などを挙げることができる。Rで表すことができる過ハロゲン化アルキル基の例としては、-CF3及び-C2F5を挙げることができる。
【0029】
R1及びR2で表すことができる複素環基としては、独立に、芳香族環系、飽和環系及び部分的に不飽和である環系を挙げることができ、1個の環又は2個以上の縮合環からなるものでもよく、シクロアルキル、アリールもしくは複素環を挙げることができる。複素環基は、少なくとも1の複素環を含むであろう。そのうち最も大きな環は一般に3〜7個の環原子を含み、少なくとも1個の原子は炭素であり、少なくとも1個の原子はN、O、S又はPのいずれかである。R1及びR2で表すことができる複素環基の例としては、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾイル基及びトリアゾイル基を挙げることができる。
【0030】
R1又はR2が置換されたヒドロカルビル基又は複素環基である場合、置換基は反応の速度又は選択性に不利な影響を与えないようなものとすべきである。任意の置換基としては、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、チオール基、アシル基、ヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基、ヘテロシクリル基、ヒドロカルビルオキシ基、モノもしくはジ−ヒドロカルビルアミノ基、ヒドロカルビルチオ基、エステル基、カーボネート基、アミド基、スルホニル基及びスルホンアミド基を挙げることができ、ここでヒドロカルビル基はR1及びR2について上記で規定したものである。1種以上の置換基が存在していてもよい。
【0031】
R1は好ましくはアルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。
R2は好ましくは水素又はアルキル基である。R2がアルキル基である場合、好ましくはR2はメチル基である。最も好ましくはR2は水素である。
【0032】
担体としては、無機担体及び有機担体、特にポリマー担体を挙げることができる。
無機担体は、天然に発生する無機物質又はマトリックスから誘導されたものでもあるいは合成されたものでもよい。無機物質又はマトリックスとしては、ガラス、シリカ、アルミナ、チタン酸塩及びこれらのハイブリッド酸化物、グラファイト、酸化物及びゼオライトを挙げることができる。ある種の無機担体は、無機物質又はマトリックスと官能基化試薬との反応、すなわち1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を含む無機担体を与えるか又は適切な官能基化性、たとえば1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基が直接又は結合基を介して結合され得るペンダントハロ基、ペンダントヒドロキシ基もしくはペンダントアミノ基を有する担体を与える反応から誘導されたものでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、アミノ官能性化シリカはジケテン、2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン又はt-ブチルアセトアセテートなどのアセト酢酸のエステル類と反応して(エステル-アミド交換反応において)、1,3-ケトアミドペンダント基を有するシリカ担体を形成する。
【0034】
さらなる実施形態において、アミノ官能性化シリカは、例としてエチレングリコールジアセトアセテート、エチレンビスアセトアセタミド、1,1,1-トリス(アセトアセトキシメチル)プロパン、ジアセトアセト-o-トリジド、ジアセトアセト-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2-クロロ-5-メチル-1,4-フェニレンジアミド及びジアセトアセト-2,5-ジクロロ-1,4-フェニレンジアミドを挙げることができる多官能性ケトエステルもしくはケトアミドと反応して、下記のように、ケトエステルペンダント基もしくはケトアミドペンダント基にケトアミド結合を介して結合しているシリカを得る。
【0035】
【化4】

【0036】
あるいは、1,3-ケトエステルペンダント基を有するシリカ担体は、ヒドロキシ官能基化シリカを用いる上記方法によって得ることができる。たとえばヒドロキシ官能基化シリカをジケテン、2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン又はt-ブチルアセトアセテートなどのアセト酢酸のエステルと反応させて(エステル交換反応において)、1,3-ケトエステルペンダント基を有するシリカ担体を形成する。
【0037】
ポリマー担体は、1種以上のモノマーを含む組成物の重合から誘導されてもよく、好ましくは2種以上のモノマーを含む組成物の重合から誘導される。モノマーは1種以上の重合性二重結合を含み得る。好ましくは、ポリマー担体は、ただ1個の重合性二重結合を含む1種以上のモノマーと、2個以上の重合性二重結合を含む1種以上のモノマーと、を含む組成物の重合から誘導される。最も好ましくは、ポリマー担体は、ただ1個の重合性二重結合を含む1種又は2種のモノマーと、2個又は3個の重合性二重結合を含む1種のモノマーとを含む組成物の重合から誘導される。
【0038】
ただ1個の重合性二重結合を含むモノマーの例としては、α-メチルスチレン、メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ブロモスチレン及びアセトキシスチレンなどのスチレン及び置換スチレン;マレイン酸ジn-ブチル及びフマール酸ジn-ブチルなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のアルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル及びVeoVa 9及びVeoVa 10(VeoVaはShellの商標である)などのバーサチック(versatic)酸のビニルエステル;メチルアクリルアミド及びエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド;メチルメタクリルアミド及びエチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルなどのニトリルモノマー;アクリル酸及びメタクリル酸のエステル、好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸の場合によっては置換されているC1-20アルキル及びC1-20シクロアルキルエステル、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、i-プロピルアクリレート及びn-プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート及びN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートなどを挙げることができる。ただ1個の重合性二重結合を含む上述のモノマーの官能性誘導体を用いることができる。
【0039】
2個以上の重合性二重結合を含むモノマーの例としては、ジビニルベンゼン(DVB)、トリビニルベンゼン及び多官能性アクリレート及びメタクリレート、たとえばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びN,N-ビス-アクリロイルエチレンジアミンなどを挙げることができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、ポリマー担体は、スチレン及び置換スチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、モノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のアルキルエステル、カルボン酸のビニルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド及びこれらの官能性誘導体から選択されるモノマーの重合から誘導される。好ましいポリマー担体は、スチレン及び置換スチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸のエステル及びメタクリル酸のエステルから選択されるモノマーの重合から誘導される。特に好ましいポリマー担体は、スチレンモノマー、ジビニルベンゼンモノマー及びメタクリレートエステルモノマーの混合物の重合から誘導されるか、又はスチレンモノマー、ジビニルベンゼンモノマー及びアクリレートエステルモノマーの混合物の重合から誘導される。
【0041】
ポリマー担体が2個以上の重合性二重結合を有するモノマーを含む組成物の重合から誘導される場合、ポリマー担体は変動する架橋程度を示すことがある。これらのポリマーにおける架橋の程度はパーセンテージで表すことができ、重合性二重結合の総モル数のパーセンテージとして2個以上の重合性二重結合を含むモノマーから誘導される重合性二重結合のモル数に対応する。
【0042】
官能性担体のポリマー担体が1%〜5%又は一般には1%〜3%などの低いレベルの架橋を示すだけである場合、これらの架橋スカベンジャー担体を定期的にスカベンジャー担体を膨張させる溶剤と接触させる。このような官能性担体は微小孔性樹脂と呼ばれることが多い。
【0043】
多くの実施形態において、微小孔性樹脂は、最適な溶剤中で膨張して、樹脂上の官能性基に容易にアクセスできるようになる。最適な溶剤はポリマー組成物を考慮することによって予測することができ、理論的な直鎖ポリマーにとって「良好な溶剤」であることが多く、類似の組成物であるが架橋剤が存在しない組成物から作られてもよい。
【0044】
微小孔性樹脂に対する好ましい膨張比は3〜20、より好ましくは5〜20の範囲にある。膨張比は:
【0045】
【数1】

【0046】
として定義される。
官能性担体のポリマー担体が20%〜90%又は一般には30%〜80%などのより高いレベルの架橋を示す場合、これらのより高い架橋官能性担体はしばしば永久的な多孔性を有し、よってポリマー担体に結合しているペンダント基に対する試薬のアクセスは溶剤とは主として無関係である。このような官能性担体はマクロ多孔性樹脂と呼ばれることが多い。
【0047】
用語「マクロ多孔性」は、永久的な十分に発達した孔構造を有する樹脂のクラスを示す。重要なことに、これらの樹脂は、ゲルタイプ樹脂よりも乾燥状態において十分に高い表面積(窒素BET法で測定)を有することができる。典型的には、乾燥状態における表面積は、50〜1000 m2/gの範囲にあってもよい。マクロ多孔性樹脂の一般的に受け入れられた定義はないが、スチレン-DVB樹脂の場合には、マクロ多孔性樹脂は、シクロヘキサンに暴露された場合に16時間にわたり少なくとも0.1 m2g-1のシクロヘキサン取り込み量(uptake)を示す乾燥状態にある樹脂として定義され得ることが示唆されている( Millar, J. R. et. al., J. Chem. Soc, 1996, 218.)。
【0048】
マクロ多孔性樹脂は、ポロゲン(porogen)の存在下で2個以上の重合性二重結合を含むモノマーを含む組成物が重合される場合にしばしば形成される。ポロゲン(porogen)は、ポリマーマトリックスの相分離を引き起こす。ポロゲン(porogen)の除去及び乾燥は、硬く不透明で永久的に多孔性であるビーズを得る。相分離は、用いられるポロゲン(porogen)の性質及びレベル及び用いられる架橋剤のレベルにより制御される。
【0049】
官能性担体が誘導されるモノマー及び/又は架橋剤の選択は、スカベンジャー担体の所望の形態、及びスカベンジャー担体が用いられるであろう溶剤又は反応系により、部分的に決定され得る。形態とモノマー組成物との関係は、「Sherrington, D. C, J. Chem. Soc, Chem Commun., 1998, 2275」(p.2278〜2284の教示内容は本願に援用される)に論評されている。
【0050】
1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基が直接又はリンカーによってポリマー担体に結合している場合、結合はポリマー担体の繰り返し単位にてなされる。ポリマー担体が1よりも多いモノマータイプから誘導されている場合、繰り返し単位のタイプは1よりも多いであろう。好ましくは1,3-ケトエステル基もしくは1,3-ケトアミド基は直接又はリンカーを介して、ただ1種のタイプの繰り返し単位に結合する。好ましくは、1,3-ケトエステル基もしくは1,3-ケトアミド基が直接又はリンカーを介して結合する繰り返し単位は、メタクリレート又はアクリレート誘導モノマーである単独のモノマータイプから誘導される。
【0051】
直接又はリンカーを介してポリマー担体に結合している1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基は、予形成された(preformed)ポリマー担体と官能性化試薬との反応により導入されても、あるいはポリマー担体の重合中に導入されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、アミノポリスチレンなどのアミノ官能性化ポリマーは、ジケテン、2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン又はアセト酢酸のエステル、たとえばt-ブチルアセトアセテートと反応して(エステル-アミド交換反応にて)、1,3-ケトアミドペンダント基を有するポリスチレン担体を形成する。
【0053】
別の実施形態において、アミノポリスチレンなどのアミノ官能性化ポリマーは、例としてエチレングリコールジアセトアセテート、エチレンビスアセトアセタミド、1,1,1-トリス(アセトアセトキシメチル)プロパン、ジアセトアセト-o-トリジド、ジアセトアセト-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2-クロロ-5-メチル-1,4-フェニレンジアミド及びジアセトアセト-2,5-ジクロロ-1,4-フェニレンジアミドを含む多官能性ケトエステルもしくはケトアミドと反応して、下記のようにケトアミド結合を介してケトエステルペンダント基もしくはケトアミドペンダント基に結合しているポリマーを得る。
【0054】
【化5】

【0055】
あるいは、1,3-ケトエステルペンダント基を有するポリマー担体は、ヒドロキシ官能性化ポリマーを用いる上記方法により得ることができる。たとえば、ヒドロキシ官能性化ポリスチレンをジケテン、2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オン又はアセト酢酸のエステル、たとえばt-ブチルアセトアセテートと反応させて(エステル交換反応にて)、1,3-ケトエステルペンダント基を有するポリスチレン担体を形成する。
【0056】
好ましくは、1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダン基がリンカーを介してポリマー担体に結合している場合、官能性担体は、リンカーを介して単独のモノマータイプに結合している1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーを含む組成物の重合から誘導される。より好ましくは、官能性担体は、2個以上のモノマーを含む組成物の重合から誘導される。ここで、少なくとも1のモノマーは、リンカーを介して単独のモノマータイプに結合している1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーである。最も好ましくは、官能性担体は、ただ1個の重合性二重結合を有する1種以上のモノマーと、2個以上の重合性二重結合を有する1種以上のモノマーと、リンカーを介して単独のモノマータイプに結合している1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を有する官能性化モノマーとを含む組成物の重合から誘導される。ただ1個の重合性二重結合を有する1種又は2種のモノマーと、2個又は3個の重合性二重結合を有する1種のモノマーと、リンカーを介して単独のモノマータイプに結合している1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を有する官能性化モノマーとを含む組成物の重合から誘導されたポリマー担体が非常に好ましい。
【0057】
官能性担体は、リンカーを介して単独のモノマータイプに結合している1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を有する官能性化モノマーと、α-メチルスチレン、メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ブロモスチレン及びアセトキシスチレンなどのスチレン及び置換スチレン;マレイン酸ジn-ブチル及びフマール酸ジn-ブチルなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のアルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル及びVeoVa 9及びVeoVa 10(VeoVaはShellの商標である)などのバーサチック(versatic)酸のビニルエステル;メチルアクリルアミド及びエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド;メチルメタクリルアミド及びエチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルなどのニトリルモノマー;アクリル酸及びメタクリル酸のエステル、好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸の場合によっては置換されているC1-20アルキル及びC1-20シクロアルキルエステル、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、i-プロピルアクリレート及びn-プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート及びN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート;ジビニルベンゼン;トリビニルベンゼン;多官能性アクリレート及びメタクリレート、たとえばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びN,N-ビス-アクリロイルエチレンジアミンなどを含む群から選択される1種以上のモノマーを含む組成物の重合から誘導されてもよい。1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基がリンカーを介して結合している単独のモノマータイプは、好ましくはメタクリレート又はアクリレート誘導モノマー単位である。
【0058】
好ましく1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーは、一般式2:
【0059】
【化6】

【0060】
(式中、各Xは独立にO又はNR2であり;
R1及びR2は上記で定義したものであり;
R3はH又は場合によっては置換されているヒドロカルビル、過ハロゲン化ヒドロカルビル又はヘテロシクリル基であり;
Lは結合基である)
を有する。
【0061】
R3によって表すことができる場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又は ヘテロシクリル基は上記R1について定義したとおりである。
【0062】
より好ましくは1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーは、一般式2a:
【0063】
【化7】

【0064】
(式中、XはO又はNR2であり;
R1及びR2は上記定義のとおりであり;
R3はH又は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
Lは結合基である)
を有する。
【0065】
Lにより表すことができる結合基は、場合によっては置換されているメチレン、ポリメチレン、エーテル、ポリエーテル又は環式の橋かけ単位を含む。
Lにより表すことができるメチレン及びポリメチレン橋かけ単位は、20個以内の炭素原子、特に1〜7個の炭素原子、好ましくは1〜5個の炭素原子を含む直鎖及び分枝アルキレン鎖を含む。アルキル基が分枝である場合、アルキル基は、しばしば10個以内の分枝鎖炭素原子、好ましくは4個以内の分枝鎖原子を含む。Lにより表すことができるアルキレン鎖の例としては、-CH2-、-CH2CH2-、-(CH2)3-、-CH2CH(CH3)-及び-CH2C(CH3)2-鎖を挙げることができる。
【0066】
Lにより表すことができるエーテル及びポリエーテル橋かけ単位としては、150個以内の炭素原子及び40個以内の酸素原子、特に2〜15個の炭素原子及び1〜4個の酸素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子及び1〜2個の酸素原子を含む直鎖及び分枝アルキレン-オキシ-アルキレン鎖又はポリ(アルキレンオキシ)-アルキレン鎖を挙げることができる。Lにより表すことができるアルキレン-オキシ-アルキレン鎖又はポリ(アルキレンオキシ)-アルキレン鎖の例としては、-CH2-O-CH2-、-CH2CH2-O-CH2CH2-、-(CH2)3-O-(CH2)3-、-CH2CH(CH3)-O-CH2CH2-、-CH2CH(CH3)-O-CH2CH(CH3)-鎖、さらに-[CH2CH2-O]n-CH2CH2-及び-[CH2CH(CH3)-O]n-CH2CH(CH3)-鎖(式中、n=2、3又は4)を挙げることができる。
【0067】
Lにより表すことができる環式橋かけ単位としては、芳香族環系、飽和環系及び部分的に不飽和である環を挙げることができ、シクロアルキル、アリール又は複素環を含んでいてもよい1個の環又は2個以上の縮合環からなるものでよい。いくつかの実施形態において、シクロアルキル環及びアリール環は最も大きな環に3〜10個の炭素原子を一般に含み、複素環は3〜7個の環原子を一般に含み、ここで少なくとも1個の原子は炭素であり、少なくとも1個の原子はN、O、S又はPのいずれかである。Lで表すことができる芳香族環系、飽和環系及び部分的に不飽和である環系の例としては、-CH2C6H4CH2-及び-CH2C6H10CH2-を挙げることができる。
【0068】
1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を有する官能性化モノマーの例としては、
【0069】
【化8】

【0070】
を挙げることができる。
非常に好ましい実施形態において、リンカーを介して単独のモノマータイプに結合している1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を有する官能性化モノマーは、式:
【0071】
【化9】

【0072】
を有するアセトアセトキシエチルメタクリレートである。
好ましい実施形態において、官能性担体は、式:
【0073】
【化10】

【0074】
を有するモノマーからなる群より選択される1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を有する官能性化モノマーと、α-メチルスチレン、メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ブロモスチレン及びアセトキシスチレンなどのスチレン及び置換スチレン;マレイン酸ジn-ブチル及びフマール酸ジn-ブチルなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のアルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル及びVeoVa 9及びVeoVa 10(VeoVaはShellの商標である)などのバーサチック(versatic)酸のビニルエステル;メチルアクリルアミド及びエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド;メチルメタクリルアミド及びエチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルなどのニトリルモノマー;アクリル酸及びメタクリル酸のエステル、好ましくは 場合によっては置換されているアクリル酸及びメタクリル酸のC1-20アルキル及びC1-20シクロアルキルエステル、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、i-プロピルアクリレート及びn-プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート及びN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート;ジビニルベンゼン;トリビニルベンゼン;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びN,N-ビス-アクリロイルエチレンジアミンなどの多官能性アクリレート及びメタクリレートからなる群より選択される1種以上のモノマーと、を含む組成物の重合から誘導される。
【0075】
より好ましい実施形態において、官能性担体は、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート及びアセトアセトキシプロピルメタクリレートからなる群より選択される1種以上のモノマーと、スチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレートからなる群より選択される1種以上のモノマーと、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びN,N-ビス-アクリロイルエチレンジアミンからなる群より選択される1種以上のモノマーと、を含む組成物の重合から誘導される。
【0076】
非常に好ましい実施形態において、官能性担体は、アセトアセトキシエチルメタクリレート、スチレン及びジビニルベンゼンを含む組成物の重合から誘導される。
官能性担体が、ただ1個の重合性二重結合を有する1種又は2種のモノマーと、2個又は3個の重合性二重結合を有する1種のモノマーと、一般式(2)の官能性化モノマーとを含む組成物の重合から誘導される場合、ただ1個の重合性二重結合を有するモノマー:一般式(2)の官能性化モノマーの総モル数のモル比は100:1〜1:100であってもよく、 好ましくは70:30〜 1:99であり、最も好ましくは60:40〜15:85である。上記のように定義された架橋レベルはしばしば0.5%〜80%であってよく、好ましくは1%〜60%であり、最も好ましくは1%〜40%である。
【0077】
官能性担体がスチレン、ジビニルベンゼン及び一般式(2)の官能性化モノマーの重合から誘導される場合、スチレン:一般式(2)の官能性化モノマーのモル比は100:1〜1:100であってよく、好ましくは70:30〜1:99であり、最も好ましくは60:40〜15:85である。架橋レベルはしばしば0.5%〜80%であり、好ましくは1%〜60%であり、最も好ましくは1%〜40%である。
【0078】
1,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基を有する官能性化モノマーから調製される官能性担体は、好ましくはビーズとして製造される。ビーズはしばしば、10μm〜2000μmの直径、好ましくは50μm〜1000μmの直径、最も好ましくは75μm〜500μmの直径範囲である。
【0079】
官能性担体は、水性懸濁重合プロセス、たとえばJournal of Applied Polymer Science, 1982, 27, 133-138に記載されているプロセスにより調製されてもよい。モノマーは、水中で1μm〜1000μmの直径の滴として懸濁していてもよい。好ましくは安定剤を添加して、滴の凝集を防止する。添加することができる安定剤の例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムを挙げることができる。懸濁物の撹拌を好ましく用いる。用いられる撹拌方法は、懸濁を維持することをアシストすることを助けることができる。遊離基開始剤は一般に重合を開始するために作用する。用いられる遊離基開始剤は、存在するモノマーのタイプに従って選択される。本発明のプロセスで用いることができるスカベンジャー担体を調製するために用いることができる遊離基開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ジオクタノイル、過酸化ジラウロイル、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル及び2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を挙げることができる。適切な温度範囲の選択は、存在するモノマー及び開始剤の性質により影響を受けるであろう。モノマーの重合は、一般に15〜160℃の範囲、好ましくは50〜90℃の範囲にある温度で行われる。得られる官能性担体は、濾過により単離されてもよく、場合によっては1種以上の溶剤で洗浄される。スカベンジャー担体を洗浄するための適切な溶剤としては、テトラヒドロフラン、メタノール及び水を挙げることができる。得られる官能性担体を乾燥してもよく、ビーズはたとえば篩によって寸法ごとに分類されてもよい。
【0080】
官能性担体の1 ,3-ケトエステルペンダント基もしくは1,3-ケトアミドペンダント基と反応し得るアミンとしては、場合によっては置換されている第一級及び第二級アミン、場合によっては置換されているヒドラジン又はこれらの塩を挙げることができる。場合によっては置換されている第一級及び第二級アミンとしては、モノアミン、ジアミン及びポリアミンを挙げることができる。場合によっては置換されている第一級及び第二級アミンは、好ましくは、式HNR4R5のアミン又は式H2NNR4R5のヒドラジン(式中、R4は置換基であり、R5は水素又は置換基であるか、又はR4とR5は場合によっては置換されている複素環を形成するように場合によっては結合していてもよい)である。R4及びR5で表すことができる置換基は、独立に、R1について定義されたような場合によっては置換されているヒドロカルビル基及び場合によっては置換されているヘテロシクリル基、SO2Ra基(式中、RaはR1について定義したような場合によっては置換されているヒドロカルビル基又は場合によっては置換されているヘテロシクリル基である)などのスルホニル基、CORb基、CO2H基又はCO2Rb基(式中、RbはR1について定義したような場合によっては置換されているヒドロカルビル基又は場合によっては置換されているヘテロシクリル基である)などのアシル基、及びCSRc基、CS2H基、CSNH2基、CS2Rc基又はCSNHRc基(式中、RcはR1について定義したような場合によっては置換されているヒドロカルビル基又は場合によっては置換されているヘテロシクリル基である)などのチオアシル基を含む。R4又はR5が場合によっては置換されているヒドロカルビル基及び場合によっては置換されているヘテロシクリル基である場合、任意の置換基は、R1について定義されたような任意の置換基及びSO2Ra(式中、RaはR1について定義されたような場合によっては置換されているヒドロカルビル基又は場合によっては置換されているヘテロシクリル基である)などのスルホニル基、CORb、CO2H又はCO2Rb基(式中、RbはR1について定義されたような場合によっては置換されているヒドロカルビル基又は場合によっては置換されているヘテロシクリル基である)などのアシル基、CSRc、CS2H、CSNH2、CS2Rc又はCSNHRc基(式中、RcはR1について定義されたような場合によっては置換されているヒドロカルビル基又は場合によっては置換されているヘテロシクリル基である)などのチオアシル基を含み、特に任意の置換基はアミノ置換ヒドロカルビル基のスルホニル基、アシル基又はチオアシル基置換(substitute)アミノ基であった。好ましくは、R4は場合によっては置換されているヒドロカルビル基又は場合によっては置換されているヘテロシクリル基である。
【0081】
アミンの例としては、
【0082】
【化11】

【0083】
を挙げることができる。非常に好ましいアミンは:
【0084】
【化12】

【0085】
である。
ポリマー担体に結合している1,3-ケトエステル又は1,3-ケトアミド又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む官能性化担体とアミンとの反応により得ることができるスカベンジャー担体は、好ましくは、ポリマー担体に結合している3-イミノエステル、3-イミノアミド、2,3-エナミノエステル又は2,3-エナミノアミド又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含むスカベンジャー担体である。
【0086】
3-イミノエステルペンダント基、3-イミノアミドペンダント基、2,3-エナミノエステルペンダント基又は2,3-エナミノアミドペンダント基としては、式(3)又は(4):
【0087】
【化13】

【0088】
(式中、R1は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
XはO又はNR2であり、ここでO又はNR2の自由原子価は場合によってはリンカーを介してポリマー担体に結合しており;
R2は水素、場合によっては置換されているヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
R4は置換基であり;
R5は水素又は置換基であるか、又はR4及びR5は場合によっては置換されている複素環を形成するような態様で場合によっては結合している)
の基又は互変異性体又はこれらの塩を挙げることができる。
【0089】
本発明のプロセスに用いられるスカベンジャー担体は、金属含有溶液と接触する前又は後に、アミンとケトエステル基又はケトアミド基を含む官能性担体とを反応させることにより調製してもよい。金属含有溶液と接触した後でアミンが官能性担体と反応する場合、金属含有溶液を最初にアミン又はアミン含有溶液と接触させ、次いで官能性担体と接触させてもよく、あるいは金属含有溶液を最初に官能性担体と接触させ、次いでアミン又はアミン含有溶液と接触させてもよい。好ましくは、金属含有溶液と接触する前に、アミンは官能性担体と反応して、式(3)又は(4)による基を含有するスカベンジャー担体を与える。
【0090】
本発明のプロセスに用いられるスカベンジャー担体は、-100〜250℃の間、好ましくは-10〜100℃の間、より好ましくは10〜80℃の間、最も好ましくは15〜70℃の温度にて、アミンを官能性担体と接触させることにより調製してもよい。
【0091】
本発明のプロセスで用いられるスカベンジャー担体は、溶剤の存在下で、アミンを官能性担体と接触させることにより調製してもよい。適切な溶剤としては、官能性担体と相性のよい任意の溶剤を挙げることができる。適切な溶剤としては、官能性担体が架橋樹脂に基づく場合には架橋樹脂を膨張させることが可能な任意の溶剤、官能性担体がマクロ多孔性樹脂に基づく場合にはマクロ多孔性樹脂の孔に侵入することが可能な任意の溶剤を挙げることができる。適切な溶剤は、極性、非極性、プロトン性及び非プロトン性溶剤から選択することができる。適切な溶剤の例としては、ヘキサン及びヘプタンなどの脂肪族炭化水素、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン(DCM)及びクロロホルムなどの塩素化炭化水素、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル及びテトラヒドロフラン(THF)などのエーテル、酢酸エチル及び酢酸イソプロピルなどのエステル、アセトン及びメチルエチルケトンなどのケトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びN-メチルピロリドン(NMP)などの双極性非プロトン性溶剤、アセトニトリル及びプロピオニトリルなどのニトリル、メタノール及びプロパン-2-オールなどのアルコール、水及びこれらの混合物を挙げることができる。好ましい溶剤としては、ヘキサン、トルエン、THF、DCM、クロロホルム、DMF、NMP、ピリジン、アセトン、酢酸エチル、メチルターシャリブチルエーテル、エタノール、水及びこれらの混合物を挙げることができる。微小孔性樹脂に基づく官能性化担体の場合、樹脂を膨張させることが可能な適切な溶剤を用いることができる。樹脂を膨張させることが可能な好ましい溶剤としては、トルエン、THF、DCM、クロロホルム、DMF、NMP、ピリジン、アセトン、酢酸エチル、エタノール及びこれらの混合物を挙げることができる。マクロ多孔性樹脂に基づく官能性担体を用いる場合、溶剤は必要ではなくてもよく、希釈されていないアミンを官能性担体と接触させてもよい。
【0092】
本発明のプロセスに用いられるスカベンジャー担体は、場合によっては触媒の存在下でアミンを官能性担体と接触させることにより調製することができる。触媒としては、シリカ、脱水剤、酸及び金属塩などのケトエステル又はケトアミドとアミンとの反応を促進するために公知である触媒を挙げることができる。好ましくは、触媒は、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸又は硫酸などの酸又は硫酸マグネシウム、過塩素酸リチウム又は過塩素酸亜鉛などの金属塩である。
【0093】
本発明のプロセスに用いられるスカベンジャー担体は、ケトエステル基又はケトアミド基の少なくとも一部がアミンと反応するに十分な時間にわたり、アミンを官能性担体と接触させることにより調製することができる。アミンのモル濃度に対するスカベンジャー担体上のケトエステル官能基もしくはケトアミド官能基のモル濃度の比は、1:100〜100:1の範囲にあってもよい。好ましくは、過剰量のアミンが用いられ、たとえば1:1〜20:1の範囲又はより好ましくは1:1〜4:1の範囲にある。
【0094】
さらに本発明の好ましい側面において、式(3)又は(4)により表される官能性担体とアミンとの反応により調製されたスカベンジャー担体は、使用する前に、さらに化学修飾されていてもよい。
【0095】
化学修飾は、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル類及びチオエステル類、アシルハライド類、スルホニルハライド類(スルホンアミドまで)、エポキシド類、ハロアルキルカルボキシレート類(アミンのアルキル化)を含むハロアルキル化合物類、スルホニルエステル類(アミンのアルキル化)、二硫化炭素、ケトン類、アルデヒド類、イソシアネート類及びイソチオシアネート類を含む、アミンと反応することができる任意の化合物によってなされてもよい。1種以上の化学修飾を行ってもよい。
【0096】
好ましくは、使用前に化学的に修飾されたスカベンジャー担体は、官能性化担体を1よりも多いアミン基を含むアミンと反応させることにより得ることができるスカベンジャー担体である。この態様で得ることができるスカベンジャー担体は、アミン官能基の少なくとも一部がさらに化学修飾を受け入れる余地があるアミン基を含むアミン多官能基を含むスカベンジャー担体である。好ましくは、アミン多官能基を含むスカベンジャー担体は、第一級及び第二級アミン官能基の混合物を含む。アミン多官能基を有するスカベンジャー担体のアミン基の化学修飾は、部分的でも完全でもよい。
【0097】
いくつかの好ましい実施形態において、ケトエステル基もしくはケトアミド基を含む官能性担体は、ジエチレントリアミンなどのトリアミンと反応し、次いで二硫化炭素、イソチオシアネート又はハロアセテート、たとえばクロロ酢酸又はそれらの塩、エステル又は酸クロライドなどの存在するアミンとさらに反応するであろう試薬と接触する。好ましくは、過剰量のトリアミンを用いて単独のトリアミンと単独のケトエステルペンダントもしくはケトアミドペンダントとの反応を促進させ、したがって両末端で連結され得る鎖の数を減少させる。
【0098】
アミン多官能基を有するスカベンジャー担体がアミンとさらに反応するであろう試薬と接触する場合、二硫化炭素との接触はジチオカルバメート基又はこれらの塩の形成をもたらし、イソチオシアネートとの接触はチオウレア基又はこれらの塩の形成をもたらし、クロロ酢酸又はこれらの塩、エステル又は酸クロライドとの接触は酢酸アミノ基又はこれらの塩の形成をもたらすことは想定される。
【0099】
別の好ましい実施形態において、アルケン官能性アミンはケトエステルもしくはケトアミド担体と反応し、次いでさらに二官能性ホスフィンにより官能性化される。
使用前に化学的に修飾されるスカベンジャー担体の例としては:
【0100】
【化14】

【0101】
【化15】

【0102】
(式中、Rは場合によっては置換されているヒドロカルビルであり、Xは前述の担体である)
を挙げることができる。
【0103】
前述のスカベンジャー担体を用いて金属を結合する場合、たとえば本発明の第1の側面に従うプロセスにおいて、得られる担体結合金属組成物は新規である。これらの担体結合金属組成物は試薬又は触媒として使用することができるであろう。
【0104】
本発明のさらなる側面によれば、金属含有溶液をスカベンジャー担体と接触させ、スカベンジャー担体は溶液中金属の少なくとも幾分かと結合し、溶液中金属の量を減少させることにより得ることができる担体結合金属組成物であって、スカベンジャー担体が、担体に結合している1,3-ケトエステルもしくは1,3-ケトアミド又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含み、多くのペンダント基がアミンと反応する官能性化担体を含むことを特徴とする担体結合金属組成物が提供される。
【0105】
金属、金属含有溶液及びスカベンジャー担体は前述したとおりである。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【実施例】
【0106】
[実施例1]求核アミンを用いる担体1-12を有するエナミノエステルの調製
アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)、スチレン及び1 wt%ジビニルベンゼン(国際公開WO0198378パンフレットに教示されるように)から調製し、2.0 mmol/gのアセトアセトキシ官能基を含む樹脂2.0 g(4 mmol)を大型バイアル瓶に仕込んだ。テトラヒドロフラン(THF)(20 ml)を添加し、樹脂を1時間、放置して膨張させた。次いで、アミン含有化合物(12 mmol、3当量)を添加し、バイアル瓶に栓をして、混合物を18時間、ローラ上で撹拌させたまま放置した。樹脂を焼結フィルタで濾過して、次いでTHF(5×20 ml)、THF/メタノール50/50(10×20 ml)及びメタノール(5×20 ml)で洗浄した。樹脂を室温で真空下、一定の質量まで乾燥させた。負荷値は、窒素含有量の元素分析から計算した。製造された樹脂をTable 1に詳細に示す。
【0107】
【表1】

【0108】
[実施例2]芳香族アミンを用いる担体13及び14を含むエナミノエステルの調製
アセトアセトキシエチルメタクリレート、スチレン及び1 mol%ジビニルベンゼンから調製し(国際公開WO0198378パンフレットに教示されているように)、2.0 mmol/gのアセトアセトキシ官能基を含有する樹脂2.0 g(4 mmol)をスターラー、温度プローブ及びコンデンサーを具備する100mlの4首丸底フラスコに仕込んだ。THF(20 ml)を添加し、樹脂を30分間で膨張させた。2-アミノチオフェノール又は4-アミノチオフェノール(1.502 g、12 mmol、3当量)及びp-トルエンスルホン酸(50 mg、0.29 mmol、0.07当量)を撹拌した懸濁物に添加した。反応混合物を還流(67℃)まで加熱して、この温度にさらに5時間維持した。混合物を室温まで冷却し、樹脂をガラス焼結漏斗上で濾過して、続いてTHF(5×20 ml)、THF/メタノール50/50(10×20 ml)及びメタノール(5×20 ml)で洗浄した。樹脂を40℃、真空下で一定質量まで乾燥させた。負荷値は窒素及び硫黄含有量の元素分析から計算した。製造された樹脂の詳細をTable 2に示す。
【0109】
【表2】

【0110】
[実施例3]フェニルチオセミカルバジド及びケトエステル樹脂の反応から誘導される樹脂15の調製
アセトアセトキシエチルメタクリレート、スチレン及び1 mol%ジビニルベンゼンから調製され(国際公開WO0198378パンフレットに教示)、2.0 mmol/gのアセトアセトキシ官能基を含有する樹脂2.0 g(4 mmol)をスターラー、温度プローブ及びコンデンサーを具備する100ml 4首丸底フラスコに仕込んだ。THF(20 ml)を添加して、樹脂を30分間で膨張させた。4-フェニル-3-チオセミカルバジド(2.0 g、12 mmol、3当量)をエタノール及びTHF(50:50 vol:vol、20 ml)の混合物中に溶解させ、溶液を膨張した樹脂に添加した。p-トルエンスルホン酸(50 mg、0.29 mmol、0.07当量)をフラスコに添加し、反応混合物を還流(67℃)まで加熱し、この温度にさらに5時間維持した。混合物を室温まで冷却し、樹脂をガラス焼結漏斗上で濾過し、続いてTHF(5×20 ml)、THF/メタノール50/50(10×20 ml)及びメタノール(5×20 ml)で洗浄した。樹脂を40℃、真空下で一定の質量まで乾燥させた。負荷値は、窒素及び硫黄含有量の元素分析から計算した。製造した樹脂の詳細はTable 3に示す。
【0111】
【表3】

【0112】
[実施例4]AAEM-DETA樹脂4の化学修飾
[4.1 樹脂16を与える二硫化炭素との反応]
AAEM-DTA樹脂4(3.0 g、1.36 mmol/g、4.08 mmol)をスターラー、温度プローブ及びコンデンサーを具備する100 ml フラスコに仕込んだ。ジクロロメタン無水物(DCM)(30 ml)を添加し、懸濁物を0℃まで冷却した。二硫化炭素(0.621 g、8.16 mmol、2当量)を撹拌した懸濁物に仕込んで、続いてトリエチルアミン(0.826 g、8 mmol、2当量)を仕込んだ。反応混合物を0〜5℃で1時間撹拌したまま放置し、反応混合物を室温まで暖めた。次いで、反応混合物を4時間還流まで加熱して、冷却し、樹脂を濾過した。樹脂をDCM(5×20 ml)、DCM/メタノール50/50(10×20 ml)及びメタノール(5×20 ml)で洗浄し、40℃、真空下で一定の質量まで乾燥させた。負荷値は、窒素及び硫黄含有量の元素分析から計算した。製造した樹脂の詳細をTable 4に示す。
[4.2 樹脂17を与えるヘキシルチオイソシアネートとの反応]
AAEM-DTA樹脂4(2.0 g、1.36 mmol/g、2.72 mmol)を大型バイアル瓶に仕込んだ。無水THF(20 ml)を添加し、樹脂を30分間膨張させた。ヘキシルチオイソシアネート(1.946 g、13.6 mmol、5当量)を添加し、バイアル瓶を密封して、48時間、室温にてローラ上で撹拌した。反応混合物を濾過して、樹脂をTHF(5×20 ml)及びジエチルエーテル(5×20 ml)で洗浄し、次いで40℃、真空下で一定の質量まで乾燥させた。負荷値は窒素及び硫黄含有量の元素分析から計算した。製造した樹脂の詳細をTable 4に示す。
【0113】
【表4】

【0114】
[実施例5]マクロ多孔性AAEM樹脂を用いる担体18〜19を含むエナミノエステルの調製
総量で2.3 mmol/gのアセトアセトキシ官能基(ポロゲン(porogen)としてトルエン溶液中30%ポリスチレン(分子量50000)を用いて、総有機相で40%にて、AAEM及び40 wt%ジビニルベンゼンから調製した、国際公開WO0198378パンフレットに教示)を含むマクロ多孔性樹脂2.0 g(4.6 mmol)を大型バイアル瓶に仕込んだ。THF(20 ml)を添加して、樹脂を1時間、放置して膨張させた。次いで、アミン含有化合物(12 mmol、3当量)を添加し、バイアル瓶に栓をして、混合物を18時間、ローラ上で撹拌させたまま放置した。樹脂を焼結フィルタで濾過して、次いでTHF(5×20 ml)、THF/メタノール50/50(10×20 ml)及びメタノール(5×20 ml)で洗浄した。樹脂を室温で真空下、一定の質量まで乾燥させた。負荷値は、窒素含有量の元素分析から計算した。製造された樹脂の詳細はTableに示す。
【0115】
【表5】

【0116】
[実施例6]微小孔性アミノ官能性樹脂を用いる担体20を含むエナミノアミドの調製
50 mlの無水DCMを5.0 gのアミノメチルポリスチレン樹脂(Biotherm BT-3100 100-200 mesh、約1.4 mmol/g、6.8 mmol)に窒素下で添加し、室温で30分間膨張させ、次いで撹拌しながら-5℃まで冷却した。ジケテン(2.62 ml、34 mmol、5当量)を無水DCM 5 mlに溶解させ、次いで撹拌した樹脂にゆっくりと添加し、一方、反応温度は-15〜-20℃に維持した。室温まで暖める前に、混合物をこの温度で2時間、撹拌させ、さらに18時間撹拌した。樹脂を溶液から濾過して、DCM(5×50 ml)、DCM/メタノール(10×50 ml)及びメタノール(5×50 ml)で洗浄し、真空炉中40℃で一晩乾燥させ、ネガティブな(negative)Kaiser test(樹脂約5 mgをエタノール中5%ニンヒドリン4滴、エタノール中80%フェノール2滴、ピリジン(乾燥)2滴でインキュベートすることを含む第一級アミン用の定性的比色分析テスト)で5.49 gのビーズを得た。これは、下記反応スキーム:
【0117】
【化16】

【0118】
に従ってすべてのアミン官能基が反応したことを示す。
こうして製造したケトアミド樹脂1gをTHF(10 ml)で30分間膨張させて、次いで、ジエチレントリアミン(0.421 g、4.1 mmol、理論的負荷で3当量)で処理して、18時間撹拌した。樹脂を濾過して、THF(5×10 ml)、THF/メタノール50/50(10×10 ml)及びメタノール(5×10 ml)で洗浄した。樹脂を室温で真空下、一定の質量まで乾燥させて、担体20を与えた。
[実施例7]微小孔性アミノ官能性樹脂及び多官能性ケトエステルから調製されるケトエステル官能性担体21の調製
窒素下で50 ml無水THFを5.0 gのアミノメチルポリスチレン樹脂(Biotherm BT-3100 100-200 mesh、約1.4 mmol/g、6.8 mmol)に添加し、室温で30分間膨張させた。この混合物にトリメチロールプロパントリアセトアセテート(Lonzamon AATMP、7.88g、20 mmol、3当量)を添加し、18時間、室温にて反応させたまま放置した。樹脂を溶液から濾過し、DCM(5×50 ml)、DCM/メタノール(10×50 ml)及びメタノール(5×50 ml)で洗浄し、真空炉内で40℃にて一晩乾燥させ、非常に弱いポジティブなKaiser testで5.99 gのビーズを得た。これはアミン官能基のほとんどが下記スキーム:
【0119】
【化17】

【0120】
に従って反応したことを示す。
こうして製造した樹脂1gをTHF(10 ml)で30分間、膨張させ、次いでジエチレントリアミン(1.263 g、12.2 mmol、ケトエステルの理論的最大負荷量で4.5当量)で処理し、18時間撹拌した。樹脂を濾過して、THF(5×10 ml)、THF/メタノール50/50(10×10 ml)及びメタノール(5×10 ml)で洗浄した。樹脂を室温、真空下で一定質量まで乾燥させて、担体21を得た。
[実施例8]アミノ官能性シリカゲルを用いる担体22を含むエナミノアミドの調製
40 ml無水DCMを5.0 gのアミノプロピル官能性シリカ(表面積650 m2/g、7.2% C含有率)に添加し、オーバーヘッド撹拌しながら-15℃まで冷却した。温度を-15〜-20℃の間に維持しながら、DCM(5 ml)中ジケテン(2.396 g)をゆっくりと添加し、混合物をこの温度で2時間撹拌し、次いで室温まで暖めた。さらに18時間後、シリカを濾過し、DCM(10×40 ml)及びジエチルエーテル(5×40 ml)で洗浄し、次いで真空炉内、40℃で一定質量まで乾燥させた。こうして、第一級アミンに対するネガティブなKaiser testで5.129 gのシリカを得た。これは、アミンが下記スキーム:
【0121】
【化18】

【0122】
に従って反応したことを示す。
こうして製造したシリカ1.0 gをTHF(10 ml)中ジエチレントリアミン(0.353 g)で処理し、室温にて18時間撹拌した。シリカを濾過し、THF(5×10 ml)、THF/メタノール1:1(10×5 ml)及びメタノール(5×10 ml)で洗浄し、次いで真空炉内、40℃で一定質量まで乾燥させ、1.0 gの担体22を得た。
【0123】
【表6】

【0124】
[実施例9]有機溶液からのパラジウムの捕捉
追加の化合物を有するか又は有していないパラジウム塩を含むように7種の溶液を作った。酢酸パラジウム(II)を3種の別個の単独溶剤:ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフラン中に溶解させた。酢酸パラジウム(II)をDCM及びトリエチルアミンの9:1 vol/vol混合物中にも溶解させた。THF中塩化パラジウム(ll)溶液を作った。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)をDCM中に溶解させた。酢酸パラジウム(II)及び4当量のトリフェニルホスフィンをDCM中に溶解させた。
【0125】
1000 ppm又は500 ppmを目標レベルとする溶液を作るために用いた試薬の典型量は以下の通りである。
【0126】
【表7】

【0127】
幾つかの溶液は、この表に掲げたよりも低いレベルのパラジウムを目標として作った。
有効性試験は、多量の被験樹脂を密封バイアル瓶内の溶液の10 mlアリコートと混合して、ローラ上で16時間撹拌することにより行った。
【0128】
Smopex 110(イソチオウロニウム官能基)(Johnson Matthey Inc.から入手した)、Smopex 111(チオール官能基)(Johnson Matthey Inc.から入手した)及びChelex 100(イミノジアセテート官能基、Flukaから入手した)を用いる比較例について、用いた樹脂の量は金属のモル当量あたり官能基16モル当量であった。
【0129】
樹脂1〜19及び22について、用いた樹脂の量は、金属のモル当量あたり樹脂上エナミン4モル当量であった。
たとえば、DCM中酢酸パラジウムの1000 ppm wt/vol Pd 溶液(94 μmol Pd)10mlに対して0.240 gの樹脂1(1.57 mmol/g、377 μmolエナミン)を用いた。樹脂を濾過して、溶液をパラジウム分析に供した。
【0130】
加えて、実施例1〜4のスカベンジャー担体の調製で用いた官能性担体であるAAEMケトエステル樹脂及び実施例5のスカベンジャー担体の調製で用いた官能性担体であるMP-AAEMケトエステル樹脂もテストして、非アミン官能性担体の対照例とした。
【0131】
溶液(開始溶液を含む)をICP-AES(誘導結合プラズマ−原子発光分析)によりパラジウムについてテストした。溶剤を最初に蒸発により除去し、残渣を硝酸/硫酸混合物中で消化させた。結果を溶液中パラジウムのppm wt/wt 及び捕捉後、溶液中パラジウムの減少率(%)で表す。結果をTable 9.1〜9.7に示す。
【0132】
Table 9.1において、実施例1〜19及び22で調製した樹脂、本発明スカベンジャー担体は、対照(非アミン官能性化樹脂)及び比較例よりも効果的に溶液からパラジウムを除去することが示される。
【0133】
Table 9.2〜9.6において、本発明の幾つかのスカベンジャー担体は、溶液中パラジウムに配位することが知られているDMF、トリエチルアミン及びトリフェニルホスフィン(注意:トリエチルアミン、特にトリフェニルホスフィンは特に強い配位子であることが知られている)などの種を含む溶液からパラジウムを効果的に除去することが示される。
【0134】
【表8】

【0135】
Smopex 110、Smopex 111及びChelex 100は比較例である。
AAEMは、実施例1〜4におけるアミンとの反応に用いられるケトエステル樹脂であり、MP- AAEMは、実施例5におけるアミンとの反応に用いられる樹脂である。これらは対照実験であり、非アミン官能性化樹脂の例である。
【0136】
樹脂12について定量的データは得られなかった。着色は、高レベルの捕捉を示す。
【0137】
【表9】

【0138】
【表10】

【0139】
【表11】

【0140】
【表12】

【0141】
【表13】

【0142】
【表14】

【0143】
*定量的なデータは得られなかった。着色は高レベルの捕捉を示す。
[実施例10]他の金属錯体の有機溶液からの金属の捕捉
パラジウム以外の金属に対するスカベンジャーとしての本発明の担体の有効性を示すために、種々の他の遷移金属溶液(コバルト、ニッケル、バナジウム、ロジウム及び銅)を下記のように作った:
【0144】
【表15】

【0145】
有効性テストは、多量の被験樹脂を密封バイアル瓶内の溶液の10 mlアリコートと混合して、ローラ上で16時間撹拌することによって行った。用いた樹脂の量は、金属のモル当量あたり樹脂上のエナミン4モル当量であった。得られた溶液を実施例8と同じ態様(溶剤の蒸発及び残渣の消化)でICP-OES分析に供した。
【0146】
たとえば、DCM中ビス(トリフェニルホスフィノ)コバルト(ll)クロライドの500 ppm wt/vol Co 溶液(85μmol Co)の10 mlに対して、0.21 gの樹脂9(1.64 mmol/g、344 μmolエナミン)を用いた。樹脂を溶液から濾過して、溶液をコバルトについてのICP分析に供した。
【0147】
結果をTable 10に示す。これらは、本発明の樹脂が種々の錯体における広範囲の遷移金属に対して高い親和性を示すことを示す。
【0148】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属含有溶液をスカベンジャー担体と接触させ、こうしてスカベンジャー担体を溶液中金属の少なくとも幾つかと結合させて、溶液中金属の量を減少させる、溶液から金属を除去する方法であって、前記スカベンジャー担体は、担体に結合している1,3-ケトエステル類、1,3-ケトアミド類またはこれらの混合物から選択されるペンダント基を含有する官能性化担体を含み、多数のペンダント基はアミンと反応することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記官能性化担体は、式1
【化1】

(式中、R1は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基またはヘテロシクリル基であり、
XはOまたはNR2(式中、OまたはNR2の自由原子価は場合によってはリンカーを介して担体に結合している)
R2は水素、場合によっては置換されているヒドロカルビル基またはヘテロシクリル基である)
の1,3-ケトエステルペンダント基または1,3-ケトアミドペンダント基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記担体は、無機もしくは有機担体であり、好ましくは有機担体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記担体は無機担体であり、担体に結合している1,3-ケトエステル類、1,3-ケトアミド類またはこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む前記官能性化担体はアミノ官能性化シリカとエチレングリコールジアセトアセテート、エチレンビスアセトアセタミド、1,1,1-トリス(アセトアセトキシメチル)プロパン、ジアセトアセト-o-トリジド、ジアセトアセト-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2-クロロ-5-メチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジクロロ-1,4-フェニレンジアミド、ジケテンまたは2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オンから選択される官能化剤との反応により得られ得る、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記担体は有機担体であり、担体に結合している1,3-ケトエステル類、1,3-ケトアミド類またはこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む前記官能性化担体はアミノポリスチレンなどのアミノ官能性化ポリマーとエチレングリコールジアセトアセテート、エチレンビスアセトアセタミド、1,1,1-トリス(アセトアセトキシメチル)プロパン、ジアセトアセト-o-トリジド、ジアセトアセト-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2-クロロ- 5-メチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジクロロ-1,4-フェニレンジアミド、ジケテンまたは2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オンから選択される官能化剤との反応により得られる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記担体は有機担体であり、担体に結合している1,3-ケトエステル類、1,3-ケトアミド類またはこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む前記官能性化担体は、リンカーによって単一のモノマータイプに結合されている1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーを含有する組成物の重合によって得ることができる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
担体に結合している1,3-ケトエステル類、1,3-ケトアミド類またはこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む前記官能性化担体は、リンカーによって単一のモノマータイプに結合されている1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーを含有する組成物と、スチレン及びα-メチルスチレン、メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ブロモスチレン及びアセトキシスチレンなどの置換スチレン;マレイン酸ジ-n-ブチル及びフマール酸ジ-n-ブチルなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸アルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル及びVeoVa 9及びVeoVa 10(VeoVa はShellの商標である)などのバーサチック(versatic)酸のビニルエステル類;メチルアクリルアミド及びエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド;メチルメタクリルアミド及びエチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルなどのニトリルモノマー;アクリル酸及びメタクリル酸のエステル、好ましくはメチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、i-プロピルアクリレート及びn-プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート及びN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの場合によっては置換されているアクリル酸及びメタクリル酸のC1-20アルキル及びC1-20シクロアルキルエステル類; ジビニルベンゼン;トリビニルベンゼン;及びエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びN,N-ビス-アクリロイルエチレンジアミンなどの多官能性アクリレート類及びメタクリレート類からなる群より選択される1以上のモノマーと、の重合により得ることができる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーは一般式2:
【化2】

(式中、各Xは、独立にO又はNR2であり;
R1及びR2は、上記に規定されたものであり;
R3はH又は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
Lは結合基である)
を有する、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーは、一般式2a:
【化3】

(式中、XはO又はNR2であり;
R1及びR2は上記に規定したものであり;
R3はH又は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
Lは結合基である)
を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
官能性担体は、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート及びアセトアセトキシプロピルメタクリレートからなる群より選択される1種以上のモノマーと、スチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレートからなる群より選択される1種以上のモノマーと、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びN,N-ビス-アクリロイルエチレンジアミンからなる群より選択される1種以上のモノマーと、を含む組成物の重合により得ることができる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
官能性担体は、アセトアセトキシエチルメタクリレート、スチレン及びジビニルベンゼンを含む組成物の重合により得ることができる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
アミンは、場合によっては置換されている第一級アミン、場合によっては置換されている第二級アミン、場合によっては置換されているヒドラジン又はそれらの塩である、請求項1〜11のいずれか1に記載の方法。
【請求項13】
アミンは、
【化4】

から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
アミンは、
【化5】

から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
スカベンジャー担体は、ポリマー担体に結合している3-イミノエステル類、3-イミノアミド類、2,3-エナミノエステル類又は2,3-エナミノアミド類又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含むスカベンジャー担体である、請求項1〜14のいずれか1に記載の方法。
【請求項16】
スカベンジャー担体は、式(3)又は(4):
【化6】

(式中、R1は、場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
XはO又はNR2であり、ここでO又はNR2の自由原子価は場合によってはリンカーを介して担体に結合しており;
R2は水素、場合によっては置換されているヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
R4は置換基であり;
R5は水素又は置換基であるか、又はR4及びR5は場合によっては置換されている複素環を形成するような態様で場合によっては結合していてもよい)
の3-イミノエステル類ペンダント基、3-イミノアミド類ペンダント基、2,3-エナミノエステル類ペンダント基又は2,3-エナミノアミド類ペンダント基又は互変異性体又はこれらの塩を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
アミンは、1よりも多いアミン基、好ましくはトリアミン、より好ましくはジエチレントリアミンを含むアミンである、請求項1〜16のいずれか1に記載の方法。
【請求項18】
スカベンジャー担体は、金属含有溶液と接触する前に、二硫化炭素、イソチオシアネート又はハロアセテートと反応する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
金属は、遷移金属であり、好ましくは白金族金属(8、9又は10族)であり、より好ましくはパラジウムである、請求項1〜18のいずれか1に記載の方法。
【請求項20】
担体に結合している1,3-ケトエステル類又は1,3-ケトアミド類又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む官能性化担体とアミンとの反応により得ることができるスカベンジャー担体。
【請求項21】
官能性化担体は、式1:
【化7】

(式中、R1は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
XはO又はNR2であり、ここでO又はNR2の自由原子価は場合によってリンカーを介して担体に結合しており;
R2は水素、場合によっては置換されているヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基である)
の1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む、請求項20に記載のスカベンジャー担体。
【請求項22】
担体は、無機又は有機担体であり、好ましくは有機担体である、請求項21に記載のスカベンジャー担体。
【請求項23】
担体は無機担体であり、
担体に結合している1,3-ケトエステル類又は1,3-ケトアミド類又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む官能性化担体は、アミノ官能性化シリカと、エチレングリコールジアセトアセテート、エチレンビスアセトアセタミド、1,1,1-トリス(アセトアセトキシメチル)プロパン、ジアセトアセト-o-トリジド、ジアセトアセト-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2-クロロ- 5-メチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジクロロ-1,4-フェニレンジアミド、ジケテン又は2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オンから選択される官能化剤と、の反応により得ることができる、請求項22に記載のスカベンジャー担体。
【請求項24】
担体は有機担体であり、
担体に結合している1,3-ケトエステル類又は1,3-ケトアミド類又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む官能性化担体は、アミノポリスチレンなどのミノ官能性化ポリマーと、エチレングリコールジアセトアセテート、エチレンビスアセトアセタミド、1,1,1-トリス(アセトアセトキシメチル)プロパン、ジアセトアセト-o-トリジド、ジアセトアセト-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2-クロロ- 5-メチル-1,4-フェニレンジアミド、ジアセトアセト-2,5-ジクロロ-1,4-フェニレンジアミド、ジケテン又は2,2,6-トリメチル-4H-1,3-ジオキシン-4-オンから選択される官能化剤と、の反応により得ることができる、請求項22に記載のスカベンジャー担体。
【請求項25】
担体は有機担体であり、
担体に結合している 1,3-ケトエステル類又は1,3-ケトアミド類又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む官能性化担体は、リンカーによって単独のモノマータイプに結合している1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーを含む組成物の重合によって得ることができる、請求項22に記載のスカベンジャー担体。
【請求項26】
担体に結合している1,3-ケトエステル類又は1,3-ケトアミド類又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含む官能性化担体は、単独のモノマータイプにリンカーによって結合している1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーと、α-メチルスチレン、メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ブロモスチレン及びアセトキシスチレンなどのスチレン及び置換スチレン類;マレイン酸ジ-n-ブチル及びフマール酸ジ-n-ブチルなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のアルキルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル及びVeoVa 9及びVeoVa 10(VeoVa はShellの商標である)などのバーサチック(versatic)酸のビニルエステル類;メチルアクリルアミド及びエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド;メチルメタクリルアミド及びエチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルなどのニトリルモノマー;アクリル酸及びメタクリル酸のエステル類、好ましくはメチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、i-プロピルアクリレート及びn-プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート及びN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの場合によっては置換されているアクリル酸及びメタクリル酸のC1-20アルキル及びC1-20シクロアルキルエステル類;ジビニルベンゼン;トリビニルベンゼン;及びエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びN,N-ビス-アクリロイルエチレンジアミンなどの多官能性アクリレート類及びメタクリレート類からなる群より選択される1種以上のモノマーを含む組成物の重合により得ることができる、請求項25に記載のスカベンジャー担体。
【請求項27】
1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む官能性化モノマーは、一般式2:
【化8】

(式中、各Xは独立にO又はNR2であり;
R1及びR2は上記に規定したものであり;
R3はH又は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり;
Lは結合基である)
を有する、請求項25又は26に記載のスカベンジャー担体。
【請求項28】
1,3-ケトエステルペンダント基又は1,3-ケトアミドペンダント基を含む前記官能性化モノマーは、一般式2a:
【化9】

(式中、XはO又はNR2であり、
R1及びR2は上記で規定したとおりであり、
R3はH又は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基もしくはヘテロシクリル基であり、
Lは結合基である)
を有する、請求項27に記載のスカベンジャー担体。
【請求項29】
前記官能性担体は、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート及びアセトアセトキシプロピルメタクリレートからなる群より選択される1種以上のモノマーと、スチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレートからなる群より選択される1種以上のモノマーと、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート及びN,N−ビス−アクリロイルエチレンジアミンからなる群より選択される1種以上のモノマーと、を含む組成物の重合により得ることができる、請求項28に記載のスカベンジャー担体。
【請求項30】
前記官能性担体は、アセトアセトキシエチルメタクリレート、スチレン及びジビニルベンゼンを含む組成物の重合により得ることができる、請求項29に記載のスカベンジャー担体。
【請求項31】
前記アミンは、場合によっては置換されている第一級アミン、場合によっては置換されている第二級アミン、場合によっては置換されているヒドラジン又はそれらの塩である、請求項20〜30のいずれか1に記載のスカベンジャー担体。
【請求項32】
前記アミンは、
【化10】

から選択される、請求項31に記載のスカベンジャー担体。
【請求項33】
前記アミンは
【化11】

から選択される、請求項32に記載のスカベンジャー担体。
【請求項34】
前記スカベンジャー担体は、ポリマー担体に取り付けられている3-イミノエステル類、3-イミノアミド類、2,3-エナミノエステル類又は2,3-エナミノアミド類又はこれらの混合物から選択されるペンダント基を含むスカベンジャー担体である、請求項20〜33のいずれか1に記載のスカベンジャー担体。
【請求項35】
前記スカベンジャー担体は、式(3)又は(4):
【化12】

(式中、R1は場合によっては置換されているヒドロカルビル基、過ハロゲン化ヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり、
XはO又はNR2であり、O又はNR2の自由原子価は場合によってはリンカーを介して担体に結合しており、
R2は水素、場合によっては置換されているヒドロカルビル基又はヘテロシクリル基であり、R4は置換基であり、
R5は水素又は置換基であるか、又はR4とR5とは場合によっては置換されている複素環を形成するような態様で場合によっては結合している)
の3-イミノエステル類ペンダント基、3-イミノアミド類ペンダント基、2,3-エナミノエステル類ペンダント基又は2,3-エナミノアミド類ペンダント基又は互変異性体又はこれらの塩を含む、請求項34に記載のスカベンジャー担体。
【請求項36】
前記アミンは1よりも多いアミン基を含むアミンであり、好ましくはトリアミンであり、より好ましくはジエチレントリアミンである、請求項20〜35のいずれかに記載のスカベンジャー担体。
【請求項37】
請求項36に記載のスカベンジャー担体を二硫化炭素、イソチオシアネート又はハロアセテートから選択される試薬と反応させることにより得ることができるスカベンジャー担体。

【公表番号】特表2008−502470(P2008−502470A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516023(P2007−516023)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002308
【国際公開番号】WO2005/123971
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(506051636)リアクサ・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】