説明

スキャナマウス

【課題】マウス装置に、ペンスキャナ機能を付加し、マウス機能とペンスキャナ機能を切り替える切替手段で、マウス機能とペンスキャナ機能とを切り替えて、所望の機能を選択し、選択した機能の使用を可能とする。
【解決手段】マウス底部にイメージスキャナ口を設け、該イメージスキャナ口からのイメージを取り込めるイメージ取込機能を設け、該切替手段で、マウス機能とペンスキャナ機能を切り替えて、両機能を自在に選択して使用でき、特に光マウスの場合には、光マウスの光取込口を、該イメージスキャナ口としても利用し、ハードウェアの改造を要することなく、マウス移動情報でマウス機能を、そしてマウス移動情報と、光マウスの光学系を介して取り込まれたイメージとで、ソフトウェアのレベルで、連結作業と縮小作業で処理で、ペンスキャナのスキャンイメージを作り出すイメージスキャナ機能を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペンスキャナ機能をマウス装置に設けて、マウス装置で、容易にペンスキャナの機能を実現するものに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージ入力装置の中で、ペンスキャナは、入力情報の記載された媒体の形状や媒体上の入力情報の位置を問わず、必要な情報のみを入力できる利点があるので、バーコードの入力部として実用に供されている。
【0003】
ここで、ペンスキャナは、ペンスキャナ先端の紙上における軌跡の軌跡イメージを取り込む手段のものである。そして、マウスは、マウス操作面上を操作して、マウスカーソルをコントロールしている。机上に、ペンスキャナとマウスの存在は、煩雑であり、マウスにペンスキャナの機能を設け、ペンスキャナ機能とマウス機能を切り替える様にすると、この煩雑さから逃れられ、両機能を切り替えて、使用することが出来、便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−28297
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Panasonic KX-FS10N ハンドスキャナ 取扱説明書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ペンスキャナにバーコード読取機能を設けることでペンスキャナのバーコード読取装置ができることから、以降、これらをまとめて、ペンスキャナとする。
【0007】
コンピュータに殆んど装備されているマウスに、バーコードを読取る機能のためのを該ペンスキャナを設けることで、該ペンスキャナを手で持って、バーコードに当てる従来の読取りスタイルからも脱却できる。
【0008】
以降、ペンスキャナを手で持たなくてもよく、マウスに備えたペンスキャナで、読取り方式に従って、CCD等のラインセンサーを採用した市販のペンスキャナに対応の場合には、バーコード面にマウスを持っていってワンタッチの代わりクリックで、フォトリフレクタ等のポイントセンサー等を採用したペンスキャナの場合には、バーコード面にマウスをもっていって、マウス移動のドラッグによるワンスキャンで、バーコードのイメージを取り込めるようにする。
【0009】
バーコード面の走査には、マウスの所定箇所、例えば、左右に、又上に印をつけて、バーコードの存在箇所の辺り決め用に使うか、マウスの所定箇所、又は全部を透明にすればよい。
【0010】
又、現在、市場に出回りだした発光受光方式の光マウスでは、光センサー口で目視では区別できないが顕微鏡では区別できる微細な表面の時間的に前後する変化を比較して、マウスの移動方向等のマウス情報をマウス情報割出機能で割り出している。これとは別途に、ペンスキャナ機能用、例えば、CCDラインセンサーのスリット、又はペンスキャナ口を該光センサー口の近辺に設け、マウス/スキャナ切替手段で、マウス機能とペンスキャナ機能を切替え選択出来るようにしてもよい。
【0011】
さらに、上記の光マウスの該光センサー口での取込まれた取込イメージを、マウス情報割出機能の用途に、上記のペンスキャナ口等のペンスキャナ機能の用途に兼用し、マウス/スキャナ切替手段で切替えるようにしても良い。具体的には、該光センサー口から得た取込イメージを、マウス情報割出の用途に使うか、イメージ処理であるバーコードのデコードの用途に使うかを切替えればよい。
【0012】
重要なことであるが、光マウスの該光センサー口から得た極微領域の取込イメージを、マウス情報割出機能によるマウス情報の加工で得られる位置情報と対にして保存してゆき、該位置情報で極微領域を連結させてゆき、走査イメージに仕上げ、該走査イメージをペンスキャナで走査したものとするのである。
【0013】
以下は、概略的な話になるが、処理速度の向上の面で、目視精度と顕微鏡精度は、少なくとも数10倍の倍率差がある。視認では数0.1mm、顕微鏡によるきれいな事務机の表面での移動検知では数0.001mm
だろう。このために処理速度の向上の面から、すべての光センサー口からの取込イメージの内、ある特定のサンプリング時間間隔で間引きして処理データ数を減し、ソフト又はハード面からの倍率変換という調整をすることも考えられる。これで、顕微鏡的な広大な面は、該倍率変換で縮小して戻され、通常にマウス下の面上を目視するような目視的な微小面、そして適当なサンプリングによる間引きで得られる該微小面の連結は、通常のペンスキャナによる走査ラインの取込イメージを形成する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ペンスキャナ機能をマウス装置に設けるため、マウス底面にペンスキャナのイメージセンサ機能を設けたことが、最も主要な特徴とする。
【0015】
マウス底面にイメージセンサ機能を設けるにおいて、バーコードをワンタッチで読み取れるサイズのバーコード読取口を設けるか、光マウスでも可能であるが、特に回転ボール方式のマウスの場合には、ペンスキャナの先端に相当する様に、ポイントイメージリーダ用のペンスキャナ口を設ける。
【0016】
次に、マウスにペンスキャナ機能を追加し、マウス/
ペンスキャナ切替スィッチで、マウスとペンスキャナとを切替えて使えるようにするものも考えられる。ペンスキャナ機能としては、CCDラインセンサーを使ってのワンタッチリード方式と、ペンスキャナを使っての読取対象である、例えばバーコード上の1スキャンリード方式とが考えられる。
【0017】
別途ペンスキャナ口を設けず、光マウスでの光センサー口の読取イメージを、マウス移動距離割出機能とペンスキャナ機能との両方に兼用するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
ペンスキャナ機能をマウス装置に設けるために、マウス底面に、イメージセンサ機能用のペンスキャナ口を設け、該切替手段で、マウス機能とペンスキャナ機能を選択でき、ペンスキャナを別途設ける必要が無くなった。
【0019】
特に光マウスでは、ハードウェアの変更をせずにソフトウェアレベルでのペンスキャナ機能の追加が可能である。
【0020】
例えば、バーコードの読取作業で、ペンスキャナを使う場合、ペンスキャナを持ち上げて、バーコード上をスキャンさせる必要があるが、マウスにペンスキャナ機能を設けると、マウスを持ち上げることなく、滑らせて、読取対象に移動させ、読み取る作業も、マウスを滑らせるだけなので、気持ち的に緊張を強いられることが無い。
【発明を実施するための形態】
【0021】
マウスの底部に、イメージ読取用のイメージセンサ口を、形状としては、バーコードなどの用途には、バーコードを読み取れるサイズの長方形のスリットを、イメージ取込だけの用途には、走査箇所を読み取れるサイズの穴を設け、ここから入るイメージを取り込める手段を設ければよい。
【実施例】
【0022】
図1は、マウス50の底部にペンスキャナ口を設け、バーコード読取口31とした例を示す。マウス50とバーコード読取の機能切替用にマウス/読取切替スィッチ53を設ける。マウス50は4つの支持部52で支えられて机上で使われることから、バーコード読取口31をマウス50の底部に設けて、机上で、バーコードや模様を読み取り易くしたものである。
【0023】
この場合、ワンタッチで、バーコードを読み取るので、画像読み取りの際の移動同期(
ペンスキャナーの走査速度を一定にすることは難しいので、どれだけ移動したかを知る手段が必要になる) が、別途設けなくても実現できるというメリットがある。
【0024】
該移動同期に付いて述べると、非特許文献1のハンディスキャナでは、底部に3箇所のゴムリングが同一軸で、回転可能になっていて、ハンディスキャナを移動させると、ゴムリングが回転し、移動距離の算定に利用されている。もし、このゴムリングが無かったなら、ハンディスキャナで取り込まれるイメージが走査対象のどの位置に対応しているか、判定できないからである。
【0025】
このために、ペンスキャナ等で、走査対象を走査するときには、走査イメージに対応して走査位置を得る手段が必要で、この手段を該移動同期という表現にしたのである。
【0026】
図2は、マウス50の底部にバーコード読取口31の代わりにペンスキャナ口56を設けた実施例を示す。
【0027】
この場合には、該移動同期が必要で、マウスのボールの回転を利用した方式で可能である。
【0028】
図3は、光学マウス60の光センサー口61にペンスキャナ口56を併設した実施例を示す。出力信号は、マウス/スキャナ切替スィッチ62で切り替える。
【0029】
この場合には、該移動同期が必要で、光マウス60の光センサー口61の移動検知イメージ情報を利用してもよい。
【0030】
図4は、図3でセンサー口61とペンスキャナ口56
を個別に併設したが、ペンスキャナ口56 を別途設けず、センサー口61からの取込イメージを、ソフト的にセンサー用とペンスキャナ用に兼用した実施例である。
【0031】
該兼用に付いて述べると、光マウス60用の光センサー口61からの取込みイメージ(マウスイメージ)
は目視できないほどの微細で顕微鏡レベルであり、ペンスキャナ口56 からの取込イメージ(ペンスキャナイメージ)は目視レベルであることから、マウス/スキャナ切替スィッチ62で、マウス/スキャナのモード切替を、併せてマウスイメージからペンスキャナイメージへの倍率変換を行なわせ、マウスモードでは、マウス操作の信号が出力され、スキャナモードでは、該倍率変換されたペンスキャナイメージが出力されるようにしたものである。該倍率変換は、光マウス自体では必要なく、該マウスイメージを該ペンスキャナイメージに変換するのに必要な機能である。
【0032】
該倍率変換の方式は、光マウスの本来持っている機能でもって顕微鏡レベルの取込イメージからマウス移動情報を得ながら、並行して、一旦コンピュータ本体に、移動に応じて、該マウス移動情報を適当なサンプリング間隔で該微小イメージと対で取り込んでおいて、コンピュータ本体で微小イメージを連結させて太い線を作る連結作業と、そして、これを目視レベルに縮小する縮小作業でなる。
【0033】
光マウスの顕微鏡レベルの取込イメージである該マウスイメージが、該倍率変換機能で、該ペンスキャナイメージを得ても実用に耐えないならば、始めから、該マウスイメージの取込の領域を少し大きくした光学系の光マウスを採用することで、該ペンスキャナイメージを実用に耐え得るように改善してもよい。
【0034】
要約すると、該光マウスは、該マウスイメージからマウス移動量を算定して,マウスカーソルをコントロールしているが、併行して該マウスイメージを該連結作業で一連のイメージ(かなり長いものになる)にし、これを該縮小作業で、具体的には、間引くなりして、目視レベルのサイズに縮小させることで、あたかもペンスキャナでなぞったレベルのサイズにしてペンスキャナイメージとするのである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】バーコード読取口をマウス底部に設けた概略図である。
【図2】回転ボール方式のマウスの底部にペンスキャナ口を設けた概略図である。
【図3】光マウスの底部で、光センサー口近傍に、ペンスキャナ口を設けた概略図である。
【図4】光マウスの底部の光センサー口からの受光イメージを、マウス移動距離割出機能とイメージ取込機能の両方に兼用した場合の概略図である。
【符号の説明】
【0036】
31 バーコード読取口
50 マウス
53 マウス/読取切替スィッチ
55 モード切替スィッチ
56 ペンスキャナ口
60 光マウス
61 光センサー口
62 マウス/スキャナ切替スィッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウス機能に、イメージ取込機能を設け、該マウス機能と該イメージ取込機能の切替を行うマウス/イメージ切替手段を有するマウス装置
【請求項2】
該イメージ取込機能が、マウス底部に設けたイメージ取込口からのイメージ取込でなる請求項1記載のマウス装置
【請求項3】
該イメージ取込口が、光マウスの光センサー口の近傍に設けられた請求項2記載のマウス装置
【請求項4】
該イメージ取込機能が、光センサー口からの取込イメージを、該マウス移動情報取込手段と該スキャナ走査イメージ取込手段とに兼用し、該マウス移動情報取込手段で得られる移動イメージを、該スキャナ走査イメージ取込手段の走査イメージに変換するイメージ変換機能を備えた請求項2記載のマウス装置
【請求項5】
該イメージ変換機能が、該マウス移動情報取込手段で得られる連続する移動イメージの連結作業と、該連結作業で得られる一連のイメージに対する縮小作業で、なる請求項4記載のマウス装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−27064(P2010−27064A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240907(P2009−240907)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【分割の表示】特願2003−880(P2003−880)の分割
【原出願日】平成15年1月7日(2003.1.7)
【出願人】(302014125)
【Fターム(参考)】