説明

スキャン可能な歪補償用仮想バーコード画像

【課題】スキャン可能な歪補償用仮想バーコード画像を提供する
【解決手段】本発明は、一般的に、非平坦面、或いは、不規則面に適用するためのバーを修正するシステム及び方法に関する。非平坦面或いは不規則面による歪みを補償することによって、非平坦面或いは不規則面のためのバーコードシンボルが生成され、これらの面から読み取られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、バーコードシンボルのバーとスペースを修正するシステムと方法に関する。具体的には、バーコードシンボルを非平坦面或いは不規則面に適用するためにバーコードのバーが修正される。特に、本発明は、非平坦面或いは不規則面に起因する歪を補償するために、不規則面上にバーコードシンボルを生成して読み取る。補償されたバーコードを生成することによって、また、補償されたバーコードシンボルを適用する(apply)ことによって、さらに、非平坦面に適用されたバーコードシンボルを読み取ることによって、バーコードは、今までバーコード化できなかった多くの表面に適用され、ここから読み取られ得る。
【背景技術】
【0002】
本明細書は、本願の援用文献である2004年1月14日に出願された米国仮出願60/536、480「スキャン可能な非平坦面補償用仮想バーコード画像」の利益を請求するものであり、この援用文献は、参照により本開示の一部を成す。
【0003】
製造において、マシン読み取り可能な情報の提供は非常に必要である。バーコード技術は、マシン読み取り可能なデータを提供するために最も経済的でよく知られる手段である。製造における倉庫保管、出荷、商品販売(merchandising)を含む異なる活動の特定のニーズに合致するよう、多様な種類のバーコードシンボルが開発されている。
【0004】
最も単純な形態において、バーコードは、印刷された垂直バーとスペースの並びであり、これらは様々な方法で表面に適用されて、スキャナによってデジタル情報として読み取られる。いずれにしても、バーコードの読み込みが成功するかどうかは、複数の要因に依存する。ほとんどのスキャナは、何千ものライン状光パルスをコードを横断して(across)投射することによって“読み取り”を行う。バー及びスペースは、規則的な幅(単位尺度(Unit-Measure)或いはX寸法(X-Dimension)の倍数)である。バー及びスペースは、コントラストの程度によって定義され、それに基づいてこれらのパルスを吸収或いは反射する。スキャナは、スキャナのソフトウェアを使って、それらの“イエス”信号或いは“ノー”信号を、符号化情報に変換されるべき2進数として集計する。
【0005】
これを成功させるため、バー或いはスペースの幅と、反射する光パルスの数の間に一定の関係が存在するよう、スキャナの光投影パルスは、バーコードが一定の角度でインプリントされた表面に対応(meet)しなければならない。このことは、バーコードが平坦面に印刷されなければならないことを意味する。当然、全ての面が平坦ではないため、結果として、バーコードがどこに適用可能か(及び何に適用可能か)には明白な限定がある。
【0006】
UCC/EANの一部であるUniform Code Council(UCC)は、UPCバーコードとEANバーコードのためのグローバルバーコード規格(standards)を起草し、様々な読み取り可能性を取り扱っている。最も堅牢な(robust)コード(2進コード)は、2通りのみのバーの濃淡(thicknesses)(“濃い”及び“薄い”)を有し、バー幅には50%までの偏差があるにもかかわらず、読み取り可能である。しかしながら、標準(standard)UPCのバーは、4通りの区別可能な濃淡を有し、許容寸法誤差は、遥かに小さい。許容誤差は、パーセンテージで表され、コードは、そのサイズが減少するにつれて、ますます読み取り可能性の問題が生じやすくなる。このため、UCCは、UPCの最小幅を、例えば、1インチをちょうど越える値に指定する。同様に、バーコードのバーを横切る最大湾曲(curve)用のUCC標準は、バーコードのサイズの関数である。UCCによれば、バーコードは、円柱(cylinder)の円周の60°と同程度を占め得る。このため、典型的には、UPCが適用され得る最小の円柱は、その円周が6インチをちょうど越える値である。
【0007】
バーコードを製品に適用して読み取ることへの他の技術的挑戦には多様なものが存在する。生産ライン上の多くの製品は、例えば、うねった(ribbed)形状や円筒(cylinder)状や球状等の不規則で非平坦である表面を有する。バーコードをこれらの非平坦面に適用することは極めて困難である。すなわち、標準バーコードを不規則面に適用すると、バーコードのバーは、これらの表面に適用された場合に、スキャナにとって、歪んで見える。また、バー間のスペースも、必然的に歪む。こうした歪みは、バーコードを、読み取りエラー、或いは、読み取り不能とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本技術分野においてバーコードのバー及びスペースを不規則或いは非平坦面に適用するためのデバイス及び方法への強いニーズが存在する。不規則或いは非平坦面からバーコードを読み取るための方法への付随するニーズも、本技術分野において存在する。
【0009】
従って、バーコードを生成し、それを不規則或いは非平坦面に適用し、読み取るという困難で積年の固有の課題を効果的に克服することが可能な、改良された方法及びシステムが提供される。これらの課題は、これらの面に起因する歪みを補償するための非常に効果的な手法で、解決される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある態様によれば、システムは、所望の標準バーコードから補償されたバーコードを生成するよう説明される。この補償されたバーコードは、曲面(curved surface)上に適用される。このシステムは、曲面の半径を決定する手段を有する。また、このシステムは、曲面上のバーコードの中心からの距離の関数として、標準バーコードのバー及びスペースの寸法を変更する手段を備える。これによって、補償されたバーコードが曲面に適用されたときに、補償されたバーコードは、曲面による歪みが補償され、スキャナにより読み取られ得る。
【0011】
本発明の他の態様は、バーコードを曲面に適用することによって歪んだバーコードを読み取るシステムである。このシステムは、曲面の半径を決定する手段を備える。また、このシステムは、歪みを補正するために、曲面上のバーコードの中心からの距離の関数として、バーコードのバー及びスペースの寸法の標準的な読み取りを変更する手段を備える。こうして、バーコードは、スキャナによって読み取られ得る。
【0012】
本発明の他の態様は、補償されたバーコードを曲面に適用するために所望の標準バーコードから補償されたバーコードを生成する方法である。この方法は、曲面の半径を決定し、補償されたバーコードが曲面に適用されるときに、補償されたバーコードが曲面による歪みを補償され、スキャナにより読み取り可能となるよう、曲面上のバーコードの中心からの距離の関数として、標準バーコードのバー及びスペースの寸法を変更することを含む。
【0013】
本発明のさらに他の態様は、バーコードを曲面に適用することによって、歪んだそのバーコードを読み取る方法を含む。この方法は、曲面の半径を決定することと、スキャナによって読み取られ得るよう、歪みを補正するために、曲面上のバーコードの中心からの距離の関数として、バーコードのバー及びスペースの寸法の標準的な読み取りを変更することとを備える。
【0014】
本発明のさらに他の態様は、補償されたバーコードを非平坦面に適用するために所望の標準バーコードから補償されたバーコードを生成する方法である。この方法は、非平坦面を記述する数式を決定することと、この数式の関数として標準バーコードのバー及びスペースの寸法を変更することとを具備する。こうして、補償されたバーコードが非平坦面に適用される際、補償されたバーコードは、非平坦面による歪みが補償され、スキャナにより読み取られ得る。
【0015】
本発明のさらに他の態様は、バーコードを非平坦面に適用することによって歪んだバーコードを読み取る方法である。この方法は、非平坦面を記述する数式を決定することと、バーコードがスキャナによって読み取り可能となるよう、歪みを補正するために、数式の関数として、バーコードのバー及びスペースの寸法の標準的な読み取りを変更することとを具備する。
【0016】
当業者によって十分に理解されるように、本発明によって提供される主な利点は、非平坦面を有する製品のためのバーコードを生成可能とする点にある。このため、本発明の目的は、バーコードのバーを修正して、非平坦面にバーコードシンボルを適用可能とする点にある。本発明の他の目的は、非平坦面からバーコードを読み取る点にある。本発明のさらに他の目的は、以下の開示から明らかとなる。
【0017】
本発明に係る方法及び装置は、以下の特定の実施形態の詳細な説明と、これらの実施形態を例示する添付図面を参照することによって、より良好に理解され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図面を参照して本発明の特定の実施形態が説明される。
【0019】
図面によって例示される以下の好適な実施形態は、本発明を例示するものであって、本願の請求項に包含される本発明を限定するものではない。非平坦面のためのバーコードを生成し、非平坦面からバーコードを読み取るシステム及び方法が、ここに開示される。
【0020】
通常のバーコードが、例えば、円筒(cylinder)の表面に適用される場合、バーコードスキャナからバーコードまでの距離と角度が連続的に変化するため、その画像に歪みが生じる。シリンダの直径が十分に短い場合、(スキャナが認識するときの)単位バーの寸法は、許容できない程、コードの長さに亘って変動する。
【0021】
この問題を解決するために、今や、同一の基本システムと方法をそれぞれ利用する少なくとも2つの手法のうちの1つを使うことによって補償をなし得ることが見出された。以下で説明される解決方法は、バーコードが適用される円筒(cylinder)の半径に基づく。当然、同様の方法は、あらゆる通常の面、非平坦面に適用され得る。ここで、“通常”とは、数式で記述可能な面を意味する。
【0022】
図1に示すように、半径Rの円筒がある。長方形のバーコード図形(graphic)があり、この図形の一辺は、シリンダの直径(2R)よりも短い。これを円筒の表面に適用する場合、平坦面に戻る投射像がオリジナルの像と同じになるように、図形は、変形される或いは修正され得る。その結果、バーコードリーダーは、正しく位置づけられ、このコードを成功裡に読み取る。
【0023】
Aは、軸であり、Cは、円筒の表面に適用した際に得られる図形の中心線であり、CはAと平行である。Sは、図形を通る断面線(sectional line)である。P1は、S上の任意の点で、図形上にある。ここで、Lは、P1とPの間の距離或いは円弧長であり、これが問題となる。これが解決されれば、オリジナル図形上のあらゆる点は、結果として得られる図形でのCまでの距離のために決定される新たな値を持つ。この問題を解決するために、図2はA、P1、Pを見ることができる断面を示す。問題は、所定のRと、X軸上でのPのx値、或いは、Pの投射値であるXとにより、L値を得ることである。非平坦面で発生する歪みの関数として、以下の方程式を使うことによって、バーコードは歪み得る:
sinβ=X/R;
β=arcsin(X/R);
L=βR=arcsin)(X/R)R
ここで、βはA-PとA-P1の間の角度である。こうして、Lは、オリジナルの(変更されていない)バーコード図形の各点の位置を変更して、歪みを発生させるための一因子として機能する。
【0024】
本発明の一実施形態において、本発明のシステムと方法は、バーコードを生成して、一旦これを円筒表面に適用すると、通常にスキャンされる歪みコードを製造するために使用され得る。
【0025】
図3のフローチャートに従って、バーコードに変換されるデータは、システム内にインプリント(imprint)される。このデータは、その後符号化される。符号化は、入力した所定のデータをバーコード画像、即ち、バー及びスペースの画像に変換することを伴う。ここで、このバー及びスペースの位置と相対的なサイズは、標準の或いは通常のバーコード画像を生成するためのあらゆる公知のバーコード生成ソフトウェアによって画像にマッピングされる。
【0026】
その後、バーコードが適用される非平坦面が、決定される。それは物理的に測定され得、或いは、より可能性が高いことには、パッケージ或いは製品の全仕様のうちの一部としてより早い段階で指定され得る。この例において、非平坦面は、半径1インチで指定された円筒の表面である。半径1インチを:
sinβ=X/R;
β=arcsin(X/R);
L=βR=arcsin)(X/R)R
に代入することによって、補償されたバーコードが生成され、これにより、これをバーコードが適用される表面の半径の関数として処理することによって、バーコード要素の位置及び相対的なサイズが再配置(remapping)される。こうして、所定の手法を使って通常のバーコード画像が歪ませられ、これにより、生成され補償されたバーコード画像を垂直に観察すると、補償されたバーコードは、曲面による歪みが補償される。典型的に、既存のバーコード・ソフトウェアは、コード(symbology)、入力された線形2次元データ、目標のプリンタの解像度(resolution)、X軸の寸法とバー幅の縮小率のための入力フィールドを含む。ここで、曲面の半径がまた、考慮され得る。図3に示されるように、入力された半径の関数として歪ませられたバーコード図形が、生成され得る。
【0027】
当然、非平坦面の関数である本発明に係るバーコード図形が生成され得る。あらゆる通常の(regular)、数学的に記述された非平坦面のためのバーコード画像を生成するには、読み取り可能なバーコード画像を生成するために必要となる多くの点が、この面上に仮想的にプロットされなければならない。当業者にとってはよく知られているが、上述の円筒の例は、以下の一般的な例のうちの特定の一例に過ぎない。表面と、それに続く式は、以下で説明される。
【0028】
S=S(x,y)が任意に連続する、単一の値(single-value)の面(孔や切り欠きのない)とすると、即ち、あらゆる所定の(x,y)に対してS(x,y)の決定値が存在し、また、あらゆる所定の(x,y)と(x1,y1)に対して、x‘x1或いはy‘y1 であれば、S(x,y) ‘S(x1,y1)が存在する。
【0029】
あらゆる所定の点Xに対しては、値xが存在する。Xは、原点からxまでの距離である。一方、X1は、原点から表面S(x,y)に沿ってXまでの距離である。同様に、あらゆる所定の点Yに対しては、値yが存在する。Yは、原点からyまでの距離である。一方、Y1は、原点から表面S(x,y)に沿ってYまでの距離である。
【0030】
F(x)=x1とG(y)=y1の式を使うことによって、その面上に画像が生成され得る。リーダー装置による後続する読み取りのためにSに適用するために図形が生成される際には、それは、異なる表面S1上に生成することが好適である(ここで、S1は平坦であり、S1上のあらゆる点(x,y)のために、S1上に座標(x1,y1)と共に描画する)。この図形がSに適用された後に読み取られると、リーダー装置は、オリジナルの歪みのない図形として描かれた図形の投影像を読み取る(perceives)。
【0031】
本発明の他の実施形態において、図4と図5に示されているように、非平坦面上に配置されることで歪んだ通常のバーコードを読み取るために、本発明に係るシステムと方法が使用され得る。
【0032】
バーコードの中心のガードバー(guard bars)を調べることによって、UPC(A)(及びその他の固定長バーコード)の歪みを補正するようにスキャナが教示され得る。図4は、半径がシステム内に事前に指定された場合の、スキャナがいかにして歪バーコードを読み取るか、を示す。スキャナは、これらのバーの寸法に基づいて、歪みのないコードの全長を(単位バー(unit-bars)で)決定し得、こうして、Lの値を、図示されたアルゴリズムで求める。この式を逆算すると、半径(R)と弧角度(β)を求めることができ、歪んだバーコードは、再配置され、正確に読み取られ得る。
【0033】
図5に示されるように、一例として、半径が当初は未知であるか、或いは、初めは正確な読み取りができないバーコードに付随する(contingent on)かのいずれかである場合にも、この手順が使用され得る。この手順は、良好な読み取りを保証するものではないが、これに代えて、“読み取り不能”と考えられていたコードを読み取るスキャナを、より良好に備える。他の例において、まず半径がスキャナに入力され、これにより、これを非平坦面上に配置することによって歪んだ通常のバーコードが、読み取り可能となる。
【0034】
(バーコード生成例)
本発明に係る以下の例は、本発明を限定することを意図するものではないことが、理解されるべきである。何故ならば、本発明の要旨から逸脱することなく請求の範囲内で、多くの他の修正をなし得るからである。
【0035】
典型的に、設計者には、パッケージの寸法(dimensions)及び仕様(specifications)が提供される。この例において、パッケージは、UPC(A)を使ってバーコード化され得る小さな円筒状の缶である。設計者は、缶の回りを取り巻くように、1インチの高さのラベルを設計するよう要請される。缶自体の高さは4インチであり、直径は1インチである。
【0036】
設計者は、UPC(A)の最小幅は1.25インチであって、バーコードの最も一般的な方向ではうまくいかない(これは、バーが曲面を水平方向に掛かる“はしごスタイル(ladder-style)”である)ことを理解する。ラベルの高さは、コードに適合させるためには十分ではないので、設計者は、バーを90°回転させて、本開示で説明された発明を使って読み取り可能性のためコードを歪ませることを決定する。
【0037】
開示された本発明を使って、設計者は、UPC(A)をコード(symbology)、数値データ、X次元値として指定し、半径を1インチと指定する。当然、用語体系(nomenclature)と単位を変更して設計者の考えに合わせるか、若しくは、バーコードが充足しなければならないその他の必要な仕様に固執してもよい。
【0038】
上述のシステムと方法を使うことによって、設計者の設計物に配置される歪バーコード図形が生成される。コードは、非正統的な方向であるにもかかわらず、通常のスキャナによって読み取り可能である。
【数1】

【0039】
上記は、通常のUPC(A)図形(graphic)である。
【数2】

【0040】
上記は、本発明のシステムと方法によって修正されたものと同じUPC(A)の図形であり、これによって、直径が1インチの円筒の周囲に巻きつけられたときに、バーコードが読み取られ得る。修正(altered)されたコードと修正されていないコードとを区別することは裸眼にも困難であるにもかかわらず、正しいプロポーション(proportions)のシリンダの周囲に巻きつけない限り、平坦面(例えば、一枚の紙)上の修正コードは、実際に読み取ることができない。
【0041】
(バーコード読み取り例)
本発明のシステムと方法を利用する他のオプションは、本発明の方法を使ってスキャナをプログラムし、スキャナが読み取ったデータを解釈する際にスキャナがそれを適用することである。バーコードの通常の読み取り処理において円滑にこの特徴を実装する1つの方法は、まず、歪の程度を決定し、次に、本発明の方法をスキャナの読み取り性能に適用することによって歪を補正(correct)するように、スキャナをプログラムすることである。
【0042】
例えば、典型的には、スキャナは“始点(START)”と“停止点(STOP)”の文字をバー及びスペースのパターン中から探して、コードを決定する。UPC(A)の場合は、スキャナは、コードの始めと中間と終わりで薄い“ガードバー(guard bars)”の3ペアを調べる。通常の(歪みのない)UPCでは、これらのバーの3ペアは同一である。しかしながら、UPCが曲面に適用されると、ガードバーの“始点”と“停止点”のペアが、中心(center)のペアに対して、曲面半径に基づいて、所定量、歪められる。ここで、スキャナが、歪データを補正して、これにより成功裡に読み取り可能となるように、読み取りを行う以前に、半径を数学的に決定するように、スキャナは、プログラムされ得る(図5のフローチャート参照)。
【0043】
上述の解決手段とは別に、同じ本発明を利用して他のタイプの歪みを補正する他の手法がある。例えば、試験管の半球状の底部は、単純な湾曲ではなく、より多くの方向でバーコードを歪ませるが、この歪みは、同様に数学的に判読可能である(scrutable)。この形状が本発明のシステムと方法に数学的に適用されると、適切に補償されたバーコードが生成される。当然、ほとんど全ての表面に適用可能な補償されたバーコードを生成するために、非平坦面を記述するあらゆる数式が使用され得る。
【0044】
上記で図示されて説明された特定の実施形態は、本発明が関連するバーコードシンボルインプリント技術における多くのアプリケーションで有用であることが検証されるが、当業者であれば、本発明をさらに修正することができる。こうした全ての修正は、添付の請求項によって規定される本発明の範囲及び要旨の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、バーコードを表面に備える円筒の直交図である。
【図2】図2は、図1の円筒の断面図である。
【図3】図3は、補償されたバーコードの生成に関する本発明のステップを示すフローチャートである。
【図4】図4は、表面半径が指定された場合に、歪んだバーコードを読み取ることに関する本発明のステップを示すフローチャートである。
【図5】図5は、表面半径が不明な場合に、歪んだバーコードを読み取ることに関する本発明のステップを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補償されたバーコードを曲面上に適用するために、所望の標準バーコードから補償されたバーコードを生成するシステムであって、
a)前記曲面の半径を決定する手段と、
b)前記補償されたバーコードが前記曲面に適用されるときに、前記補償されたバーコードが前記曲面による歪みを補償してスキャナにより読み取られ得るように、前記曲面上の前記バーコードの中心からの距離の関数として、前記標準バーコードのバー及びスペースの寸法を変更する手段とを具備する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記決定する手段は、入力デバイスを具備する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記決定する手段は、記憶デバイスをさらに具備する
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記変更する手段は、コンピュータプロセッサを具備する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
バーコードを曲面に適用することによって歪んだバーコードを読み取るシステムであって、
a)前記曲面の半径を決定する手段と、
b)スキャナによって読み取り可能となるよう、前記歪みを補償するために、前記曲面上の前記バーコードの中心からの距離の関数として、前記バーコードのバー及びスペースの寸法の標準的な読み取りを修正する手段とを具備する
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
前記決定する手段は、前もって指定された半径にアクセスすることを備える
ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記決定する手段は、スキャンデバイスを備える
ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記決定する手段は、記憶デバイスをさらに備える
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記変更する手段は、コンピュータプロセッサを備える
ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
補償されたバーコードを曲面上に適用するために、所望の標準バーコードから補償されたバーコードを生成する方法であって、
a)前記曲面の半径を決定し、
b)前記補償されたバーコードが前記曲面に適用されるときに、前記補償されたバーコードが前記曲面による歪みを補償され、スキャナにより読み取り可能となるよう、前記曲面上の前記バーコードの中心からの距離の関数として、前記標準バーコードのバー及びスペースの寸法を変更することを備える
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記決定するステップは、前記面をスキャンすることを備える
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記決定するステップは、前もって指定された半径を有するデータファイルをアクセスすることを備える
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記変更するステップは、コンピュータプロセッサを備える
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
バーコードを曲面に適用することによって歪んだ前記バーコードを読み取る方法であって、
a)前記曲面の半径を決定するステップと、
b)スキャナによって読み取り可能になるように前記歪みを補償するために、前記曲面上の前記バーコードの中心からの距離の関数として、前記バーコードのバー及びスペースの寸法の標準的な読み取りを修正することを備える
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記決定するステップは、前記面をスキャンすることを備える
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記決定するステップは、前もって指定された半径にアクセスすることを備える
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記変更するステップは、コンピュータプロセッサを備える
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
補償されたバーコードが曲面に適用されるときに、前記補償されたバーコードが、前記曲面による歪みを補償し、及びスキャナにより読み取り可能となるように、
前記曲面の半径が決定することにより、及び、
前記曲面上のバーコードの中心からの距離の関数として、標準バーコードのバー及びスペースの寸法を変更することにより、
前記標準バーコードから生成される補償されたバーコード。
【請求項19】
前記関数は、
sinβ=X/R;
β=arcsin(X/R);
L=βR=arcsin)(X/R)R
を備える
ことを特徴とする請求項18に記載のバーコード。
【請求項20】
補償されたバーコードを非平坦面に適用するために、所望の標準バーコードから補償されたバーコードを生成する方法であって、
a)前記非平坦面を記述する数式を決定し、及び、
b)補償されたバーコードが前記非平坦面に適用されるときに、前記補償されたバーコードが前記非平坦面による歪みを補償し、及びスキャナにより読み取り可能となるよう、前記数式の関数として、前記標準バーコードのバー及びスペースの寸法を変更することを備える
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記決定するステップは、前記面をスキャンすることを備える
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記決定するステップは、前もって指定された数式を有するデータファイルにアクセスすることを備える
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記変更するステップは、コンピュータプロセッサを備える
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項24】
バーコードを非平坦面に適用することによって、歪んだバーコードを読み取る方法であって、
a)非平坦面を記述する数式を決定し、及び、
b)スキャナによって読み取り可能になるよう、前記歪みを補償するために、前記数式の関数として、前記バーコードのバー及びスペースの寸法の標準的な読み取りを修正することを備える
ことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記決定するステップは、前記面をスキャンすることを備える
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記決定するステップは、前記非平坦面を記述する、前もって指定された数式にアクセスすることを備える
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記変更するステップは、コンピュータプロセッサを備える
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−520001(P2007−520001A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549641(P2006−549641)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/001290
【国際公開番号】WO2005/067533
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506194058)インターナショナル バーコード コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】