説明

スキンケア組成物およびその使用方法

少なくとも10種類の単離された活性剤を含む局所用組成物であって、それぞれの単離された活性剤は、抗酸化活性、抗マトリックスメタロプロテイナーゼ(MPP)活性、抗エラスターゼ活性、抗炎症活性、抗刺激活性、微小循環維持活性、コラーゲン合成活性、エネルギー生産活性、酸素供給活性、DNA保護および修復活性、細胞固定支持活性、真皮−表皮粘着支持活性、細胞再生活性、グリコサミノグリカンの合成および/または保護活性、損傷タンパク質の保護および/または修復および/または排除活性、皮膚免疫機能の保護活性、含水活性、皮膚色素沈着の調節活性、ならびに、抗セルライト活性からなる群から選択される少なくとも1つの活性を有し、この組成物は、前述の活性のうち少なくとも5つを有する、局所用組成物。それらの使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法119条(e)(35 U.S.C.§119(e))の下で2008年4月15日に出願された米国仮特許出願第61/045,114号の優先権を主張するものである。上記全ての文献の内容全体を、参照により本願明細書に組み込んだものとする。
【0002】
本発明は、スキンケア組成物およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
老化は、多元的な現象である。皮膚の老化は主に、その人の遺伝的素因(経時的老化として知られている)、および環境ストレスに対するその人の生理的反応(光線性老化として知られている)の結果である。経時的老化は、主には遺伝的に促進され、抗酸化物質生成の減少に主に関連しているようである。光線性老化は、皮膚特異的と思われ、皮膚の生物学的反応への外部環境の影響として定義される。日光および汚染への曝露ならびに喫煙により引き起こされうる光線性老化に対する皮膚反応は典型的に、正常な含水の欠如、毛細管拡張症の出現、皮膚のたるみ、ならびに小じわおよびしわの出現を伴う。
【0004】
従来の抗老化スキン製品は、単一または少数の老化原因を標的にするものである。多数の原因に同時に対処する新規の改良型抗老化スキン製品に対する必要性が存在する。
【0005】
本記載は、多くの文献に言及し、それら文献の内容全体は、参照により本願明細書に組み込まれるものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/045,114号
【特許文献2】米国特許第5,618,925号
【特許文献3】米国特許第5,985,839号
【特許文献4】米国特許第6,025,334号
【特許文献5】米国特許第6,028,118号
【特許文献6】米国特許第6,635,285号
【特許文献7】米国特許出願公開第20090060852号
【特許文献8】米国特許出願公開第20070248633号
【特許文献9】米国特許出願公開第20080226756号
【特許文献10】米国特許第6284750号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さらに詳細には、本発明によれば、少なくとも10種類の単離された活性剤を含む局所用組成物であって、それぞれの単独活性剤は、抗酸化活性、抗マトリックスメタロプロテイナーゼ(MPP)活性、抗エラスターゼ活性、抗炎症活性、抗刺激活性、微小循環維持活性、コラーゲン合成活性、エネルギー生産活性、酸素供給活性、DNA保護および修復活性、細胞固定支持活性、真皮−表皮粘着支持活性、細胞再生活性、グリコサミノグリカンの合成および/または保護活性、損傷タンパク質の保護および/または修復および/または排除活性、皮膚免疫機能の保護活性、含水活性、皮膚色素沈着の調節活性、ならびに、抗セルライト活性からなる群から選択される少なくとも1つの活性を有する、局所用組成物が提供され、この組成物は、前述の活性のうち少なくとも5つを所有する。
【0008】
特定の実施形態では、この組成物は、アクリロイルジメチルタウリン誘導体(acryloyldimethyltaurate derivative)およびエマルジョン安定化剤をさらに含み、この組成物は、乳化剤を欠いているか、または、約2重量%未満の乳化剤を含み、この乳化剤は、含まれている場合、約11を上回る親水性親油性バランス(HLB)を有する。別の特定の実施形態では、乳化剤は、含まれている場合、約11から16の間の親水性親油性バランス(HLB)を有し、さらに特定の実施形態では約12から16の間、さらに特定の実施形態では約13から16の間、さらに特定の実施形態では約14から16の間、さらに特定の実施形態では約15から16の間、そしてさらに特定の実施形態では約15.6の親水性親油性バランス(HLB)を有する。
【0009】
別の特定の実施形態では、エマルジョン安定化剤は、カルボマーまたはキサンタンガムである。別の特定の実施形態では、アクリロイルジメチルタウリン誘導体は濃度が、約0.2重量%から約5重量%の間である。別の特定の実施形態では、アクリロイルジメチルタウリン誘導体は濃度が、約0.4重量%から約2重量%の間である。別の特定の実施形態では、アクリロイルジメチルタウリン誘導体は濃度が、約0.4重量%から約0.75重量%の間である。
【0010】
別の特定の実施形態では、アクリロイルジメチルタウリン誘導体は、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム誘導体である。別の特定の実施形態では、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム誘導体は、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン共重合体である。別の特定の実施形態では、アクリロイルジメチルタウリン誘導体は、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ベヘネス25である。
【0011】
別の特定の実施形態では、エマルジョン安定化剤は、カルボマーまたはキサンタンガムであり、濃度が約0.2重量%から約5重量%の間である。別の特定の実施形態では、カルボマーまたはキサンタンガムは濃度が、約0.4重量%から約2重量%の間である。別の特定の実施形態では、カルボマーまたはキサンタンガムは濃度が、約0.8重量%から約1.2重量%の間である。別の特定の実施形態では、水は濃度が、約20%から約90重量%の間である。
【0012】
別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも11種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも12種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも13種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも14種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも15種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも16、17、18、または19種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも20種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも21、22、23、または24種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも25種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも26、27、28、または29種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも30種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも31、32、33、または34種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも35種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも36、37、38、または39種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも40種類の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも41、42、43、または44種類の活性剤を含む。
【0013】
別の特定の実施形態では、本組成物は、上述した活性のうちの少なくとも6つを含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも7つを含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも8つを含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも9つを含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも10個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも11個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも12個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも13個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも14個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも15個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも16個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも17個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、前述の活性のうちの少なくとも18個を含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、全ての前述の活性を所有する。
【0014】
別の特定の実施形態では、各活性剤は濃度が、本組成物のうち少なくとも0.0025重量%である。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の制御された送達系をさらに含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の保存料をさらに含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類のキレート化剤をさらに含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、パラベンを含まない。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の粘着性低下剤(detackifying agent)をさらに含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の粘性増加剤をさらに含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の膜形成剤をさらに含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の香料をさらに含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の抗褐変剤をさらに含む。別の特定の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種類の光拡散剤(light-diffracting agent)をさらに含む。
【0015】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの皮膚老化徴候の減少または予防に使用するために本発明の組成物が提供される。特定の実施形態では、皮膚老化徴候は、小じわ、しわ、炎症、発赤、毛細管拡張症、皮膚のたるみ、過剰皮脂、拡張した毛穴、くま、皮膚の堅さの損失、褐斑(brown spot)、くすんだ皮膚(dull skin)、目の下のたるみ、皮脂生成の障害、皮膚の快適さの損失、乾燥、および皮膚の活力喪失からなる群から選択される。
【0016】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの皮膚状態または疾患の減少または予防に使用するために本発明の組成物が提供される。特定の実施形態では、皮膚状態または疾患は、酒さ、酒さ性ざ瘡、くも状静脈、皮膚の紅潮、アクネ、にきび、皮膚炎、発疹、異常肌色、セルライト、詰まった毛穴、および腫物からなる群から選択される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、局所用製剤の製造における本発明の組成物の使用が提供される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの皮膚老化徴候を減少または予防するために本発明の組成物の使用が提供される。特定の実施形態では、皮膚老化徴候は、小じわ、しわ、炎症、発赤、毛細管拡張症、皮膚のたるみ、過剰皮脂、拡張した毛穴、くま、皮膚の堅さの損失、褐斑(brown spot)、くすんだ皮膚(dull skin)、目の下のたるみ、皮脂生成の障害、皮膚の快適さの損失、乾燥、および皮膚の活力喪失からなる群から選択される。
【0019】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの皮膚状態または疾患を減少または予防するために本発明の組成物の使用が提供される。特定の実施形態では、皮膚状態または疾患は、酒さ、酒さ性ざ瘡、くも状静脈、皮膚の紅潮、アクネ、にきび、皮膚炎、発疹、異常肌色、セルライト、詰まった毛穴、および腫物からなる群から選択される。
【0020】
本発明の別の態様によれば、対象の皮膚老化徴候または皮膚の状態もしくは疾患を予防または減少するための方法であって、有効量の本発明の組成物を対象の皮膚上に塗布することを含む、方法が提供され、それにより皮膚老化徴候または皮膚の状態もしくは疾患が予防または減少される。
【0021】
本発明の他の目的、利点および特徴は、添付の図面を参照してほんの一例として与えられた以下の特定実施形態の非限定的説明を読むとより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の組成物(実施例11を参照のこと)で処置された皮膚の処置前後の写真を示している(62歳女性)。
【図2】本発明の組成物(実施例11を参照のこと)で処置された皮膚の処置前後の写真を示している(24歳女性)。
【図3】本発明の組成物(実施例11を参照のこと)で処理された目の下のたるみの2ヶ月半にわたる進展の写真を示している(72歳女性)。
【図4】本発明の組成物(実施例11を参照のこと)で処置された皮膚の処置前後の写真を示している(77歳男性)。
【図5】本発明の組成物(実施例2を参照のこと)の皮膚パラメータ(皮膚の肌理、皮膚の緊張、小じわおよびしわ、ならびに毛穴サイズ)への影響を示している。被験者:年齢35歳〜62歳の20人の女性、皮膚タイプ:正常、塗布:顔、首、目、頻度:1日2回、期間:3ヶ月;評価:シリコン転写、形状測定(profilometry)、角質水分測定(corneometry)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
例示的実施形態の説明
本発明は、複数の抗老化活性を有する組成物に関する。以下は、本発明の組成物の特定の実施形態が有する抗老化活性の例である。そのように限定されることなく、特定の実施形態において、本発明の組成物は、全ての以下の抗老化活性を有する。以下は、本発明に使用されうる活性物質(actives)および賦形剤を列挙したものである。米国パーソナルケア製品評議会(U.S. Personal Care Products Council's)の国際化粧品原料事典ハンドブック(The International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第12版(2008)は、本発明の特定の実施形態の組成物に含めるための他の有用な成分を列挙している。
【0024】
抗酸化物質
【0025】
遊離基(FR)、活性酸素種(ROS)および活性窒素種(RNS)は、細胞構造ならびに細胞外マトリックスの成分を攻撃することによって皮膚に多大な損傷を引き起こしうる。FR、ROSおよびRNSの有害な影響に対して対抗するために、皮膚は、抗酸化物質として知られる天然の保護体を生成する。これらの抗酸化物質は、FR、ROSおよびRNSを不活性化するか、または除去し、それによりこれらの化学的攻撃体から皮膚を保護する。不運なことに、年齢(年齢25歳を超えるとすでに可能性がある)、UVへの曝露、ストレス、環境汚染物質などの要因、または単にFR、ROSまたはRNSの過剰生成でさえ、天然の抗酸化防御システムを弱め、皮膚が有害な酸化反応をより起こしやすくなる。化粧品成分として現在使用されている、全てでないにしても大抵の抗酸化物質は、FR、ROSおよびRNSと反応すると不活性になる。したがって、化粧品製剤の抗酸化能力は、急速に消滅し得る。特定の実施形態では、本発明は、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド(ethylbisiminomethylguaiacol manganese chloride)を使用し、これはFR、ROSおよびRNSを不活性化し除去して、関連する化学反応の完了時に自己再生する最近開発された抗酸化技術である。この技術で、化粧品製剤の抗酸化能力はそれ自体を再利用し、長期間活性のままでいることができる。
【0026】
用語「抗酸化剤」は本明細書で使用される場合、皮膚および/または化粧品製剤それ自体における酸化反応を排除または減少することができる任意の成分を指すように意図される。そのように限定することなく、以下は、本発明の組成物において抗酸化物質として作用することができる成分の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物(proteolytic hydrolysates)、ペプチド、動物由来抽出物(animal derivative extracts)ならびに合成化合物。より詳細には、そのような成分には、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド;ジパルミトイルヒドロキシプロリン(dipalmitoyl hydroxyproline)、ジメチルメトキシクロマノール(dimethylmethoxy chromanol)の調合物;ラウリン酸ヘスペレチン(hesperetin laurate)、ヘスペリジンメチルカルコン(hesperidin methyl chalcone)と、ステアレス20と、ジペプチド−2(ジペプチドバリル−トリプトファン)と、パルミトイルテトラペプチド−7との調合物、オリーブ葉抽出物、ユビキノン、超酸化物不均化酵素、フラバノール、イソフラボン、フルフリルアデニン(furfuryladenine)、パンテノール、リポ酸、ナイアシンアミド、メラニン、カタラーゼ、グルタチオン、ポリフェノール、システイン、アラントイン、カイネチン、アスコルビン酸およびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)、ビタミンEおよびその誘導体(例えば、α−トコフェロール、δ−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸トコフェロール)、スクアラン、リポクロマン−6(lipochroman-6)、甘草抽出物、ブドウ種子抽出物、ならびにチャノキ抽出物(camellia sinensis extract)が含まれる。また、他の抗酸化剤については米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0027】
抗MMP(コラーゲン保護)
【0028】
MMP(マトリックスメタロプロテイナーゼ)は、コラーゲン線維の緩徐な代謝回転に関与する天然の皮膚酵素である。皮膚中では、MMPの天然の阻害剤(中和剤)の存在が、MMPの過剰活性を防ぐ。MMPとそれらの中和剤との間の微妙な平衡が、細胞外マトリックスのホメオスタシスを確実にし、これにより皮膚がその堅さおよび健康的な外見を維持することができる。しかしながら、このMMPとそれらの阻害剤との間の微妙なバランスは、ある条件下で乱されうる。老化(年齢25歳を過ぎるとすでに可能性がある)、UV曝露、ストレス、タバコの煙、および環境汚染物質が、過剰MMP活性を促進するようにこの酵素バランスを変化させることが知られている。この現象は最終的には、コラーゲン線維の破壊の増加、および細胞外マトリックスの進行的分解を導くことになる。
【0029】
特定の実施形態では、本発明は、MMPの強力な天然阻害剤である海洋由来成分、すなわちグリコサミノグリカンを含有する。この活性剤は、最先端のバイオテクノロジーの成果であり、天然のMMP阻害剤を皮膚に「補充」し、酵素平衡を回復する。皮膚の細胞外マトリックスの完全性(integrity)の維持および回復は主に、完全な皮膚補正に貢献する。そのように限定するものではないが、本発明において使用するための有用なグリコサミノグリカンは、サメ軟骨から抽出され、Aeterna Zentaris GmbHに付与された、1997年4月8日発行の米国特許第5,618,925号;1999年11月16日発行の同第5,985,839号;2000年2月15日発行の同第6,025,334号;2000年2月22日発行の同第6,028,118号;および2003年10月21日発行の同第6,635,285号に記載されている。
【0030】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における炎症MMPを阻害しうる他の活性剤である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、および/または豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、サメ軟骨抽出物を含む動物由来抽出物、ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、アデノシン、チャノキ抽出物、ポリフェノール、ユビキノン、spatholobi caulis抽出物、ニシキギ(euonymus alatus)抽出物、キョウカツ(rhizoma notopterygii)抽出物、ケルセチン、グリコサミノグリカン、パルミトイルペンタペプチド−4、ポリメトキシフラボノイド、甘草抽出物、N−アセチル−システイン、2−フリルジオキシム、イソフラボン、ビタミンCおよびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン(acitretine)、タザロテン、アダパレン(adapalene)、β−カロチン、レチニルエステル)、ヒドロキサマート誘導体、グリコサミノグリカン、APT(商標)(サイミ(Ahnfeltia concinna)抽出物)、α2アドレナリン作動性受容体作動薬(米国特許出願公開第20090060852号)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カフェイン、塩酸テトラヒドロゾリン、ならびに葛根抽出物が含まれる。また、他のMMP阻害剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0031】
抗エラスターゼ(エラスチン保護)
【0032】
エラスターゼは、細胞外マトリックスの重要な成分であるエラスチン線維を攻撃し破壊する酵素である。エラスチン線維は、弾力性および粘弾性特性を皮膚に与える。老化は、エラスチン線維の過剰破壊を導く酵素エラスターゼの活性増加の原因である。それは、皮膚の粘弾性特性の進行的損失をもたらす。特定の実施形態では、本発明は、エラスターゼの酵素活性の阻害剤を含有する。この作用は、エラスチンの過剰分解を防ぎ、それにより皮膚の弾力性および粘弾性を維持するのを助ける。
【0033】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物におけるエラスターゼ活性を阻害または減少しうる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、および/または豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物、ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、ラウリン酸ヘスペレチン;ヘスペリジンメチルカルコン、ステアレス20、ジペプチド−2およびパルミトイルテトラペプチド−7の調合物;大豆抽出物、麦芽抽出物、ウルソール酸、ジパルミトイルヒドロキシプロリン、ならびにナス科の抽出物(solanacear extract)が含まれる。また、エラスターゼ活性を減少する他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0034】
抗炎症
【0035】
光線加齢を含む老化では、皮膚は、炎症に対してより敏感になることが知られている。炎症は、物理的、化学的、および生物学的な様々な形の攻撃に対する皮膚のための防御メカニズムである。炎症の間、タンパク質分解活性が微小血管壁の周りで増加され、周囲組織における炎症促進性細胞の動員および移出入を促進する。移出入プロセスそれ自体は、そのような細胞を活性化し、追加のタンパク質分解酵素、ならびに炎症性サイトカインおよび脂質を放出させる。続いて起こる、MMPによるコラーゲン分解の増加およびエラスターゼによるエラスチン分解の増加は、悪循環で炎症性細胞の動員にさらに貢献するフラグメントの生成を導き、このプロセスにおいて皮膚の老化を加速する。特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種類の抗炎症剤、すなわち炎症性サイトカインおよび脂質を活性化するプロセスを減速することができる活性剤を含有する。
【0036】
特定の実施形態では、本発明は、例えば凍結乾燥したラウリン酸ヘスペレチン、ビオフラボノイドを含有することができる。凍結乾燥のプロセスは、フラボノイド分子の安定性を増加させると同時に最適な生物活性を維持する。本発明は、活性剤の安定性を増加させるため凍結乾燥した活性剤の使用を含む。これらのビオフラボノイドは、微小血管の透過性を減少させる能力を有する。このことは、証明されたフリーラジカル捕捉および抗エラスチン分解効果(anti-elastinolytic effects)により介在される可能性が高い。微小血管の周囲においてECM完全性を維持することは、微小血管壁をまっすぐにし、それらの透過性を減少させることと関連する。したがって、炎症性細胞の動員および活性化は、皮膚組織内部で減少される。
【0037】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における炎症を阻害または減少しうる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、および/または豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物、ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、アラントイン、ユビキノン、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、ビタミンEおよびその誘導体(例えば、α−トコフェロール、δ−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸トコフェロール)、カモミール油、イチョウ葉油(gingko biloba oil)、チャノキ抽出物、β−グルカン、ビサボロール、トウモロコシ(コーン)抽出物、甘草抽出物、中国クズ(Chinese kudzu);アゼライン酸;グリコサミノグリカン;カプリル/カプリン酸 コハク酸トリグリセリド(capryl/capric succinic triglyceride)、ゴマ種油(sesamum indicum seed oil)、コムギ胚芽油、および酢酸トコフェロールの調合物;ジパルミトイルヒドロキシプロリン;ラウリン酸ヘスペレチン;パルミトイルテトラペプチド−7(palmytoyl tetrapeptide-7)、ならびに、パルミトイルトリペプチド−8が含まれる。また、炎症を阻害または減少しうる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0038】
抗刺激
【0039】
皮膚がUV放射、化学物質、および汚染物質などの環境ストレスに曝露されると、炎症反応が起きうる。いわゆる炎症性サイトカインおよびプロスタグランジン(脂質)の形成が、最終的に皮膚の老化および光線加齢を加速させうる反応のカスケードを開始する。
【0040】
刺激および炎症を阻止するために、本発明の特定の実施形態は、少なくとも1種類の抗刺激剤も含有する。特定の実施形態では、本発明は、深海熱水噴出孔内で発見された微生物、アルテロモナス属に由来する抗刺激剤を含有する。この微生物は、生物学的シールドとして作用する可能性の高い機能性多糖類を分泌する。バイオテクノロジー抽出プロセスが、この抗刺激剤を構成する多糖類複合体を抽出するために開発されている。
【0041】
別の特定の実施形態では、本発明は、脂肪酸、化粧品適用性のある油、および脂溶性ビタミンの複合体からなる抗刺激剤を含有する。この複合体は、皮膚に含水および抗炎症効果をもたらしうる。この複合体の活性剤は、皮膚障壁機能を改善し、環境からの襲撃に対して保護することができる。
【0042】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における刺激を減少しうる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、アラントイン、チャノキ抽出物、ラベンダー油、ホンアロエ、リンデン抽出物、ヤナギラン(epilobium angustifolium)抽出物、クリサンテルムインジクム(chysanthellum indicum)抽出物、コラノキ(cola nitida)抽出物、アルテロモナス発酵抽出物(Alteromonas ferment extract)、β−グルカン、ビサボロール、甘草抽出物、ゼニアオイ抽出物、ツボクサ、および、カプリル/カプリン酸 コハク酸トリグリセリド、ゴマ種油、コムギ胚芽油、酢酸トコフェロールの調合物が含まれる。また、刺激を減少しうる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0043】
他の特定の実施形態は、皮膚の上層において活性剤のうちの少なくとも1種類の遅延放出を可能にするシステムを含むこともできる。
【0044】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、制御された送達系としてPEG−8/SMDIを使用する。この化合物により、非被包性活性剤が、適度な分散のための効果的な媒介物を見出し、それにより改善された生物学的利用能率、および、長い間にわたる持続放出を可能にする。
【0045】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における活性剤の遅延放出を可能にしうる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、デキストリン、シクロデキストリン、7−デヒドロコレステロール(コレステロール前駆体)、マルトデキストリン、およびPEG−8/SMDIが含まれる。また、活性剤の遅延性放出を可能にしうる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0046】
微小循環維持
【0047】
光線加齢を含む老化で見られる、炎症性媒介物質、タンパク質分解活性、ならびにROS、FRおよびRNSの放出増加は、最終的に皮膚の微小循環に影響を及ぼす。それらの3つの要因が収束して、真皮の微小毛細血管およびリンパ管の構造性を変え、血管拡張および血管透過性の増加を引き起こす。したがって、血漿流体が真皮内部に漏れて、浮腫を発生させる傾向がある。重要なことに、局在的な体液の貯留は、目の周りの腫れ(たるみ)およびくまの出現の原因である。血管拡張もまた、老化の進行における審美的関心事である、酒さ、毛細管拡張症、発赤、および紅潮を伴う。
【0048】
特定の実施形態では、本発明は、マトリックス完全性を維持することによって真皮の微小毛細血管およびリンパ管の構造完全性を改善するよう探求するものである。特定の実施形態では、1種類の特定の活性剤、すなわちグリコサミノグリカン(GAG)がこの態様に直接的に向けられている。GAGは、微小毛細血管およびリンパ管の周りにおける細胞外マトリックスの変質の一因となるMMPタンパク質分解活性を阻害する。GAGはまた、真皮の微小毛細血管およびリンパ管の構造完全性をさらに保護する抗炎症および抗酸化効果を有する。
【0049】
特定の実施形態では、本発明はまた、くまおよび目の腫れを減少または予防するための少なくとも1種類の薬剤を含有することもできる。特定の実施形態では、本発明は、目の腫れの臨床的状態を有意に減少することが示されている、ヘスペリジンメチルカルコン、ステアレス20、ジペプチド−2およびパルミトイルテトラペプチド−7の調合物を含有することもできる。
【0050】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における、微小循環を支持し目の腫れおよびくまを減少することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、グリコサミノグリカン、ラウリン酸ヘスペレチン、ヘスペリジンメチルカルコンと、ステアレス20と、ジペプチド−2と、パルミトイルテトラペプチド−7との調合物;シュードアルテロモナス発酵抽出物、加水分解小麦タンパク質、加水分解大豆タンパク質、トリペプチド−10シトルリンおよびトリペプチド−1の混合物;加水分解米糠タンパク質、ツルマメ(大豆)タンパク質およびオキシドレダクターゼの調合物;ナギイカダ抽出物、プロリン、カフェイン、大豆抽出物、アセチルテトラペプチド−5、アスコフィルムノドスム(ascophyllum nodosum)抽出物と、アスパラゴプシスアルマタ(asparagopsis armata)抽出物との混合物;ならびに、リン酸アスコルビルナトリウム(SAP)が含まれる。また、微小循環を維持することができ、ゆえに、くまおよび/または目の腫れを減少することができる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0051】
コラーゲン合成
【0052】
コラーゲン線維は、真皮の主な構成成分である。コラーゲン線維は、皮膚の弾力性および三次元構成を維持するために皮膚の細胞外マトリックスにとって必須である。コラーゲン線維は細胞支持を提供し、また、真皮−表皮界面において原線維の付着(sitting)の固定も提供する。コラーゲン成分は、線維芽細胞内部で合成および組み立てられ、その後、細胞外媒体(extracellular media)内に分泌され、ここでコラーゲン成分は束になる。コラーゲン線維は通常、緩徐な代謝回転を受ける。MMPによるコラーゲン線維の分解は、小フラグメントを放出し、この小フラグメントは、皮膚の線維芽細胞によって感知され、新合成のために必要な信号として解釈される。しかしながら、老化した線維芽細胞は、合成のための能力が減少しており、コラーゲンを再生するためには補助を必要とし得る。
【0053】
特定の実施形態では、本発明は、コラーゲン合成の刺激のために少なくとも1種類の薬剤を含有することができる。他の特定の実施形態では、本発明は、ペプチドパルミトイル−ペンタペプチド4(パルミトイル−リシル(Lysysl)−トレオニル−トレオニル−リシル−セリン(配列ID番号1))を含有する。このペプチドは、細胞活性を刺激する生理学的「フィードバック」経路を通して作用することによって皮膚の線維芽細胞のコラーゲン線維を合成する能力を強化する。パルミトイル−ペンタペプチド4の作用は、皮膚内にすでに存在している正のフィードバックを模倣する。パルミトイル−ペンタペプチド4はある程度、前述したコラーゲンの小フラグメントの作用を模倣する。パルミトイル−ペンタペプチド4は、天然の生理学的プロセスにより皮膚の堅さを促進する。
【0054】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物におけるコラーゲン合成を刺激しうる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、アデノシン、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β−カロチン、レチニルエステル)、ビタミンCおよびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)、成長因子およびその誘導体、パルミトイルペンタペプチド−4、アセチルオクタペプチド−3、アルテロモナス発酵抽出物、パルミトイルトリペプチド−5、カプロオイルテトラペプチド−3、ならびに麦芽抽出物が含まれる。
【0055】
エネルギー生産
【0056】
皮膚細胞は、代謝的に活性であり続けるため、および、生命維持機能を行うためにエネルギーを必要とする。細胞内部において、ミトコンドリアは、クレアチンキナーゼ酵素の助けによりATP(アデノシン三リン酸)−クレアチンの形で保存されるエネルギー生産と細胞呼吸をつなぐ、ほぼ豆形状の細胞小器官である。これらのリンクに貯蔵されたエネルギーは、ATP消費の際に放出され、細胞代謝を維持するために働く。老化によるROS損傷の蓄積は、ミトコンドリアの完全性を変え、クレアチンキナーゼ活性を減少し、したがって細胞の代謝活性に影響を与え、細胞老化に導く。追加のROSが、障害を有するミトコンドリア呼吸の副産物として生成される。古いミトコンドリアは、より少ないATPを生成し、皮膚レベルでくすんだ様相につながるエネルギー危機を引き起こす。
【0057】
特定の実施形態では、本発明は、PO残基の供与を通してATP貯蔵を再生することができる少なくとも1種類の薬剤を含有することができる。このようにして、皮膚の細胞は、新たな生体エネルギーへのアクセスを有し、皮膚のホメオスタシスを維持するために必要な正常な代謝機能を正常に続けることができる。
【0058】
さらに特定の実施形態では、本発明は、クレアチンを含有する。本発明の特定の実施形態において使用されるクレアチンに対する研究は、局所適用の際の皮膚細胞エネルギー生産における大幅な改善を示している。
【0059】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物におけるATPを再生/刺激することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、クレアチン、seanergilium BG(褐藻類)、エスクロシド、およびカルニチンが含まれる。また、ATPを再生/刺激することができる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0060】
酸素供給
【0061】
皮膚への酸素補給は、2つの相補的方法、1つは内部的、1つは外部的な方法で保証されている。身体内部において、血液が、拡散により細胞へ送られる酸素を運び、続いて赤血球のヘモグロビン内容物から酸素が放出される。表皮内部には血管は存在しない。結果として、酸素は、真皮を潤している小血管から上層へ拡散しなければならない。不運なことに、真皮の毛細血管は、老化とともにより脆弱になり、酸素は、皮膚の深い層から上層へより非効率的に拡散する。外部供給源から、酸素は、細胞代謝および周囲空気の質により影響される細胞呼吸を通して吸収される。長い間にわたる都市型生活が、皮膚細胞の乏しい酸化の一因となることがあり、したがって皮膚の様相に悪影響を与えうる。
【0062】
特定の実施形態では、本発明は、酸素分子の皮膚内への直接的送達または生成を促進する、または容易にする少なくとも1種類の薬剤を含有することができる。
【0063】
特定の実施形態では、本発明は、酸素供給剤としてエチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド(サレン−マンガン化合物)を使用する。この化合物の触媒部位は、Mn原子である。前述した一連の反応に説明されるように活性化されると、この化合物は、かなり不安定であり、水および酸素分子を形成するように最終的な過酸化物分子(peroxyde molecule)と迅速に反応する必要がある。この反応において、Mnは、IIIの酸化還元状態に戻り、フリーラジカル/ROS排除の別の完全なサイクルに着手する準備ができる。分子は、自己再生していると言われる。
【0064】
以下の反応フローチャートは、分子酸素がエチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドなどのサレン−マンガン化合物によって原位置でどのように生成されうるのかを示す:
【0065】
−の不均化
【0066】
Mn(III) + O− → Mn(II) + Oは、Mn(III)のMn(II)への還元である。
【0067】
2H+ + Mn(II) + O− → Mn(III) + Hは、Mn(II)がMn(III)へ酸化されることである。
【0068】
除去
【0069】
Mn(III) + H → Mn(V)O− + HOは、HによりMn(III)がオキソMn−サレンに酸化されることである。
【0070】
Mn(V)O2− + H → Mn(III) + HO + Oは、オキソMn−サレンがMn(III)に還元されることである。
【0071】
SOD反応(超酸化物の不均化)
【0072】
Mn原子はその原形において、IIIの原子価すなわち酸化還元状態で存在する。超酸化物アニオンと反応すると、Mn原子は、フリーラジカルの自由電子によりIIの酸化還元状態に還元される。Mn(II)はその後、第2超酸化物と(および陽子と)反応して、再び酸化されて酸化還元(III)に戻る。この反応では、SOD反応の通常の生成物である過酸化水素(hydrogen peroxyde)が、生成される。
【0073】
カタラーゼ反応(過酸化水素の除去)
【0074】
Mn(III)は、過酸化水素の分子と反応し、酸化されて、Vの酸化還元状態のオキソMn−サレンになる。後者はさらに、Hと反応して、還元されてMn(III)に戻る。この反応の過程において、水および分子酸素が生成される。
【0075】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における、皮膚の酸素供給を促進することができる活性剤である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、胎盤酵素、糖タンパク質、スクアラン、ユビキノンおよびジメチルメトキシクロマノールが含まれる。また、皮膚酸素供給を促進することができる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0076】
DNA保護および修復
【0077】
細胞のまさに心臓部であるDNAは、タンパク質の線形および3次元の構造を指図する遺伝暗号を保持する。老化および日光曝露により増加する酸化反応は、DNAに影響を与え、細胞分裂中にDNAの正確な複製を防ぐ損傷を引き起こし、あるいは、老化プロセスを早める変異をもたらす。ROS誘導DNA損傷には、様々な種類がある。DNA塩基酸化、チミジン二量体(T−T)形成、およびDNA鎖切断は、UV曝露に続いて一般的に見られ、皮膚の光線加齢と関連する。各細胞には日々何千ものDNA変化が起こっていると推定される。実に幸いなことに、皮膚は、それらの損傷を修復するためのメカニズム、例えば様々な酵素を介して作用する、ミスマッチ修復、ヌクレオチド除去修復、および二本鎖切断修復などを発展させた。サーチュインは、DNA維持に関与する酵素の一分類である。サーチュインは、タンパク質脱アセチル酵素である。これらの標的のいくつかは、脱アセチル化すると自由にDNA分子と結合することができるヒストンタンパク質であり、二本鎖切断修復を可能にするのに十分に長いDNAを安定化させる。しかし当然のことながら、DNA修復システムの効率は、時間および日光曝露とともに低下し、これは老化加速に関連する現象である。
【0078】
特定の実施形態では、本発明は、UV誘導損傷に対してDNAを保護する少なくとも1種類の活性剤を含むことができ、それにより任意の最終的な修復を容易にする。
【0079】
さらに特定の実施形態では、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドが、本発明の組成物においてこの役割を担う。インヴィトロでのエチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリドの研究は、その分子がDNAでのT−T二量体の形成を減少し、DNA修復を刺激し、それによりUV曝露に続く細胞生存力を増加させることを示した。
【0080】
別の特定の実施形態では、イネ(コメ)抽出物が、本発明の組成物においてこの役割を担う。イネは、サーチュイン発現および活性の活性化因子であり、この活性化因子は、UVおよび酸化的損傷の後、皮膚の保護および修復を改善する。
【0081】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物におけるDNA保護および修復を促進することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、エチルビスイミノメチルグアヤコールマンガンクロリド、イネ抽出物、AC−11(商標)(キャッツクロー)、フサフジウツギ抽出物、スイカ(citrullus lanatus)果実抽出物、レスベラトロール、クレアチンおよびユビキノンが含まれる。
【0082】
細胞固定の維持
【0083】
皮膚老化は、しわおよびたるみを生成する真皮内部の細胞外マトリックス(ECM)の進行的崩壊に付随して起こる。真皮のECMは、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカンおよびGAGから作られ、これらは共に皮膚の構造完全性を確立するよう貢献する。真皮において、ECM成分は、線維芽細胞によって生成されて三次元網状組織を形成し、三次元網状組織は、その見返りとして細胞の支持および固定を提供する。真皮の線維芽細胞のECMへの適切な付着は、移出入、増殖および分化を含む細胞機能を促進する。それゆえに当然のことながら、真皮ECM三次元網状組織におけるいかなる変更も、皮膚の生体力学的特性に影響を与えることにより皮膚老化の一因となりやすい。
【0084】
特定の実施形態では、本発明は、線維芽細胞活性を促進する少なくとも1種類の活性剤を含有することができる。さらに特定の実施形態では、少なくともジパルミトイルヒドロキシプロリンが、本発明の組成物においてこの役割を担う。ジパルミトイルヒドロキシプロリンは、コラーゲン網に固定しコラーゲン網を支持するために線維芽細胞の能力を増加させる多数の特性を有する。この現象は、ECMの三次元完全性に対するプラスの効果を有する可能性がある。
【0085】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における、改善された細胞固定により線維芽細胞活性を促進することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、ジパルミトイルヒドロキシプロリン、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β−カロチン、レチニルエステル)、ビタミンDおよびその誘導体(コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール)、成長因子、エストラジオール誘導体、αヒドロキシ酸、トリペプチド−10 シトルリン、多糖類、β−グルカン、サイミ抽出物(APT(商標))、サリチル酸(salicilyc acid)(例えばヤナギ樹皮抽出物);ユリ科のハナスゲ(Anemarrhenae asphodeloides)根抽出物;アセチルテトラペプチド−2;アスコフィルムノドスム抽出物;ユビキノン(コエンザイムq10);アセチルオクタペプチド−3;カプロオイルテトラペプチド−3(Caprooyl tetrapeptide-3);グリコール酸;乳酸;シトラス酸(citrus acid)およびクルミ殻粉が含まれる。
【0086】
真皮−表皮粘着
【0087】
組織学技術により明らかにされるように、皮膚老化の最も特筆すべき顕在化したことの1つは、真皮−表皮接合部(DEJ)における扁平化であり、真皮乳頭の損失によるものである。後者は、真皮と表皮との間の栄養交換および代謝副産物排出を容易にする絨毛組織を形成する。これらの老化に伴う消失は、表皮細胞代謝回転を減速させる一因となる。DEJは、表皮を下層の真皮に固定するので、DEJは、皮膚粘着のために主として重要な構造である。このゾーンは、様々なタイプの固定原線維により構成されており、例えばフィブロネクチン、ラミニン、コラーゲンVIIおよびコラーゲンIVなどである。後者は、基底膜の占有成員であり、この基底膜の構造は、細胞の接着、移出入、および分化に影響を及ぼす超分子ネットワークを形成する。コラーゲンIVは、皮膚の機械的安定性のために不可欠である。コラーゲンIV含有量は、35歳以後年齢と共に減少し、皮膚構造を弱め、しわ形成の一因となることを研究が示している。
【0088】
特定の実施形態では、本発明は、皮膚粘着を促進する少なくとも1種類の活性剤を含有することができる。さらに特定の実施形態では、少なくともパルミトイルペンタペプチド−4が、本発明の組成物においてこの役割を担う。パルミトイルペンタペプチド−4は、過剰ECM劣化のサインとして細胞が認識するコラーゲン前駆体から誘導される。ペプチドは、皮膚内部で正のフィードバックを誘引し、DEJにおけるコラーゲンIVおよびフィブロネクチンの合成を促進する。
【0089】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における皮膚粘着を促進することができる活性剤である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、パルミトイルペンタペプチド−4、カプロオイルテトラペプチド−3、パルミトイルジペプチド−5 ジアミノブチロイルヒドロキシトレオニン(palmitoyl dipeptide-5 diaminobutyloyl hydroxythreonine)とパルミトイルジペプチド−6 ジアミノヒドロキシブチレートとの混合物、サッカロミセス・セレビジアエ酵母抽出物、ショクヨウガヤツリ(Cyperus esculentus)(tigemut)抽出物、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β−カロチン、レチニルエステル)が含まれる。
【0090】
細胞再生の刺激
【0091】
皮膚再生は、表皮の内層である基底層内に存在する幹細胞からの新しいケラチノサイトの生成で始まる。新しい細胞が形成し続けているとき、ケラチノサイトは、上方に移動し角質細胞に分化する。非常に線維質のタンパク質であるケラチンが、分化プロセスの間に生産され、細胞壁を硬化させ、角質層(SC)を形成する。ケラチノサイトの最終的な分化は、最後には細胞死という結果になる。古い角質細胞は、落屑によりSCから取り除かれる。老化は、減少した表皮増殖と関連する。
【0092】
特定の実施形態では、本発明は、細胞再生を促進する少なくとも1種類の活性剤を含有することができる。さらに特定の実施形態では、少なくともレチノールが、本発明の組成物においてこの役割を担う。レチノールは、表皮内部の基底層での細胞再生、ならびに、細胞が上方へ向かってSCに移動する際の分化を同時に刺激する。このようにしてレチノールは、皮膚再生を容易にする。
【0093】
すでに市場に出ている多くのレチノール含有製品とは異なり、本発明の特定の実施形態は、刺激を引き起こさない。抗刺激剤ならびに遅延放出システムにより、皮膚を滑らかで柔らかに保ちつつ、皮膚がレチノールの利点の恩恵を受けることができる。
【0094】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における細胞再生を促進することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、アデノシンリボシドおよびその誘導体、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β−カロチン、レチニルエステル)、ビタミンDおよびその誘導体(コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフェロール)、成長因子、エストラジオール誘導体、αヒドロキシ酸、トリペプチド−10 シトルリン、多糖類、β−グルカン、サイミ抽出物(APT(商標))、サリチル酸(例えばヤナギ樹皮抽出物)、ユリ科のハナスゲ根抽出物、アセチルテトラペプチド−2;アスコフィルムノドスム抽出物、ユビキノン、クレアチン、アセチルオクタペプチド−3、グリコール酸、乳酸、シトラス酸、およびクルミ殻粉、ならびに、トクサと、ミルラと、小麦胚芽と、ホップ抽出物との植物複合体調合物(a phytocomplex blend)が含まれる。また、細胞再生を促進することができる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0095】
グリコサミノグリカンの合成および/または保護
【0096】
グリコサミノグリカン(GAG)は、枝分かれしていない長鎖多糖類である。生理学的に重要である特定のGAGは、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、およびケラタン硫酸である。コラーゲン網状組織の空間的配置は、これらの支持巨大分子の存在に依存する。若い皮膚において、コラーゲン線維は、一種のネットを形成するように規則的に結合することによって所定の位置に保持され、そのネット内部で細胞間隙「線維間の空隙」がプロテオグリカン(タンパク質結合GAG)およびGAGによって充填される。これら後者は、水飽和したゲルを形成し、そのゲル内で水溶性分子およびイオンが循環することができる。この巨大分子の皮膚細胞間流体ネットワークは、コラーゲン線維と混ざり合って、細胞外マトリックスの三次元構成内で重要な役割を担う。光線加齢を含む老化は、合成減少およびヒアルロニダーゼ酵素により加速した破壊に起因する表皮内部におけるGAGの損失を伴う。GAGの生成増加および保護は、細胞外マトリックスの完全性を改善し皮膚の含水を支持するのを助ける。
【0097】
特定の実施形態では、本発明は、GAG合成を促進する少なくとも1種類の活性剤を含有することができる。さらに特定の実施形態では、海産GAGが、この役割を担う。GAG巨大分子は、それらの重量の1000倍までの水を保持するので、本発明の特定の実施形態に含まれる他の活性物質の保湿作用を維持するための補足的方法として、GAG巨大分子を皮膚含水のための重要な成分にすることができる。さらに、細胞外マトリックスに与えられたこの流動性特性は、成長因子信号および必須微量栄養素の細胞間移出入に好都合である。
【0098】
別の特定の実施形態では、少なくともパルミトイルペンタペプチド−4が、本発明の組成物においてこの役割を担う。パルミトイルペンタペプチド−4は、GAGの合成を増加させるとインヴィトロの研究で示された。
【0099】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物におけるGAG合成および/または保護を促進することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、パルミトイルペンタペプチド−4、アセチルヘキサペプチド−3、サイミ抽出物(APT(商標))、テオフィリン、ケルセチン、ケンペロール、甘草抽出物(ヒアルロニダーゼの阻害剤として)、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン(acitretine)、タザロテン、アダパレン(adapalene)、β−カロチン、レチニルエステル)、ならびに成長因子が含まれる。また、グリコサミノグリカン合成および/または保護を促進することができる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0100】
損傷タンパク質の予防、修復および/または排除
【0101】
細胞外マトリックスは、コラーゲンおよびエラスチン線維などの長命タンパク質が豊富である。したがって、それらタンパク質は、時間およびUV曝露により蓄積する傾向にある様々な翻訳後修飾に対して脆弱であり、それらタンパク質の構造および生物学的機能に影響を及ぼす。これら修飾の中でも、グリケーションは、老化および光線加齢の間に皮膚タンパク質に影響を及ぼすことが知られている。グリケーションは、タンパク質への糖の非酵素的付加の結果起こり、異常タンパク質架橋を誘発する。このプロセスは、高グルコースレベル、FR、ROS、およびRNSの存在下で加速される。老化している身体において、ECM架橋は、皮膚の硬化および皮膚の脆性の一因となり、皮膚再生を妨げる。
【0102】
アスパラギン酸の異性化およびアスパラギン残基の脱アミドは、老化および光線加齢プロセスによって生じる、皮膚タンパク質に対する自然発生的損傷の別の重要な部分を表す。これらの変更は、時間と共に自然発生的に起こり、UV、フリーラジカル、ROS、およびRNS曝露によって早められる。そのような修飾は、コラーゲン、エラスチンおよびフィブロネクチンなどのECMタンパク質に影響を及ぼし、それらの機能を変えることが知られている。この種類のタンパク質損傷は、皮膚細胞中に存在するタンパク質イソアスパルチルメチルトランスフェラーゼ(PIMT)と呼ばれる酵素によって少なくとも部分的に修復されうる。しかしながら、この酵素は、老化により損傷が蓄積するにつれ圧倒されうる。直接的または間接的のいずれかで、追加のPIMT活性を皮膚細胞に対して維持または提供することにより、損傷タンパク質を修復し皮膚における老化プロセスを減速するのを助けることができる。
【0103】
老化の間の、UV,フリーラジカル、ROSおよびRNS曝露の別の悪影響は、皮膚組織内部での酸化タンパク質、ミスフォールドしたタンパク質、およびタンパク質凝集体の蓄積である。これらの損傷タンパク質の信頼は通常、細胞の細胞質ゾルおよび核の分画内に見出される巨大タンパク質複合体であるプロテアソームによって分解されることである。しかしながら老化の間に、プロテアソーム活性は減退する。続いて起こる酸化タンパク質の蓄積は、タンパク質合成およびタンパク質分解の減退によって引き起こされる老化線維芽細胞でのタンパク質代謝回転の減少と関連する。プロテアソーム活性を維持することが、老化の徴候における改善と関連する。
【0104】
特定の実施形態では、本発明は、皮膚の損傷タンパク質の予防、修復および/または排除を促進する少なくとも1種類の活性剤を含有することができる。
【0105】
さらに特定の実施形態では、ビオフラボノイドヘスペリジンが、本発明の組成物においてこの役割を担う。ヘスペリジンフラボノイドは、インヴィトロでコラーゲングリケーションを阻害すると報告された。
【0106】
別の特定の実施形態では、本発明は、生体外でヒト皮膚外植片において皮膚タンパク質をグリケーション活性から相乗的に保護することが示されたクロロゲン酸または葛根抽出物のいずれかとのアミノグアニジン塩酸塩の会合体を含む。
【0107】
別の特定の実施形態では、本発明は、プロテアソーム(proteosomal)活性を刺激し皮膚中の損傷タンパク質の排除を促進すると知られているレチノールまたはその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β−カロチン、レチニルエステル)を含有する。
【0108】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における損傷タンパク質の防止、修復または排除を促進することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、グリケーション阻害剤には(限定するものではないが)アミノグアニジン、クロロゲン酸または葛根抽出物の会合体;リポクロマン−6;レスベラトロール;ケルセチン;アルブチン;カルノシン;ジペプチド−4;シュードアルテロモナス発酵抽出物、加水分解小麦タンパク質、加水分解大豆タンパク質、トリペプチド−10 シトルリン、トリペプチド−1の複合体が含まれる。PIMT活性の支持体には、(限定するものではないが)ヒドロキシチロソール(hydroxytyrosol)、ミヤコグサ(lotus)抽出物、およびS−アデノシルメチオニン塩が含まれる。プロテアソーム活性を維持するものには、(限定するものではないが)レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン、タザロテン、アダパレン、β−カロチン、レチニルエステル)、ならびに、カルノシンが含まれる。
【0109】
皮膚免疫機能の保護
【0110】
UV放射線は、皮膚が曝露される最も重大な環境ストレスのうちの1つである。皮膚は、異物が侵入するのを防ぐ障壁機能を発揮するだけでなく重要な免疫機能も所有する。ランゲルハンス細胞は、表皮の常在細胞である。皮膚の「免疫」細胞としても知られている、これらの細胞の役割は、抗原(非自己分子からの粒子)を免疫システムに提供することであり、この免疫システムはその後宿主を保護する免疫的攻撃を展開することになる。老化と共に、またUVへ曝露されると、ランゲルハンス細胞は、表皮から激減する。ランゲルハンス細胞の機能が失われると、重要なことに、皮膚の免疫防御は減少される。この現象は、年齢−およびUV−誘導型免疫抑制として知られている。この場合、皮膚は、ウイルス感染および皮膚がんに、よりかかりやすくなる。最近では、UV−誘導型免疫抑制の測定が、日焼け止め剤の効果を評価するための機能パラメータとしてますます使用されている。
【0111】
特定の実施形態では、本発明は、ランゲルハンス細胞保護を促進する少なくとも1種類の活性剤を含有することができる。
【0112】
さらに特定の実施形態では、少なくともアルテロモナス発酵抽出物が、本発明の組成物においてこの役割を担う。
【0113】
この抽出物は、アルテロモナス微生物の発酵プロセスを通して得られる天然の多糖複合体である。この多糖複合体は、ランゲルハンス細胞をUVストレスから保護することによって免疫反応を調節する能力を有する。この複合体は、UVへの曝露の際、通常のランゲルハンス細胞密度を維持することが示された。
【0114】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における皮膚免疫機能を支持することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、フィトスフィンゴシン、局所ステロイド、代謝拮抗物質、ビンカアルカロイド、βグルカン、レチノール、ヒアルロン酸、サリチル酸、ヤナギ樹皮抽出物、甘草抽出物、およびアルテロモナス発酵抽出物が含まれる。また、細胞再生を促進する他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0115】
含水(Hydration)
【0116】
皮膚の乾燥は、全ての皮膚タイプで起こり、特に有害な現代の大気環境において皮膚全体の完全性を脅かす。乾燥の主要原因は、例えば皮膚障壁機能(すなわち皮膚の上方層の内側における流体保護)が不十分または機能不全であるときに起こる経皮的水蒸発損失(TWEL)である。
【0117】
皮膚の湿潤は部分的に、適切な水・浸透圧平衡に起因する。大抵の極性物質に対する不浸透性障壁として作用する二重の脂質層は、細胞の容量オスモル濃度を維持すること、特にイオン濃度勾配を維持することに関与する、イオンの移出入に対する障害物である。無機イオンおよび小分子の運搬は、膜貫通タンパク質を必要とし、この膜貫通タンパク質の各々は、特有のイオンまたは分子種類を取り扱う。選択的透過性は、細胞質の濃度と細胞外媒介物の濃度との間における相当の濃度差を作り出すことを可能にする。健康な皮膚において、細胞の内側と外側のカチオン総濃度の間に平衡が存在する。これらの濃度差は、積極的にK+(カリウム)を細胞内に送り入れNa+(ナトリウム)を吐き出すNa+/K+(ナトリウムおよびカリウム)ポンプにより維持され、このようにして、このポンプが細胞の体積を制御する浸透圧を調節することを可能にする。適切に働くために、このポンプは、細胞外K+(カリウム)を細胞内に流入することによって活性化されなければならない。ATPは、(膜ATPアーゼを介して)イオンを送り入れるために必要なエネルギーを供給する。K+の流入が(K+結合部位を遮断する)ウアバイン(ouabaine)により遮断されると、通常、「ポンプ」タンパク質の立体構造における変化を誘導する脱ホスホリル化がもはや起こることができず、ポンプは働きを止める。イオン勾配はもはや維持されず、細胞はもはやその浸透圧平衡を制御できなくなる。
【0118】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、最大の含水および快適さを表皮にもたらすため多数の方法で働く少なくとも1種類の含水剤を含有する。
【0119】
表皮のレベルでの含水を制御することに加えて、本発明の組成物の特定の実施形態は、細胞レベルでの含水を制御し、浸透を保護することができる。
【0120】
さらに特定の実施形態では、本発明の組成物は、チガヤ(Imperata cylindrica)(ヘチマ)根抽出物を含有する。この亜熱帯植物は、様々な代謝経路により水を貯留する能力のため、水供給せずに数週間生き延びることができる。チガヤ抽出物は、2つの方法、すなわち浸透圧バランスに必須のカリウムを提供すること、および皮膚細胞が水分子を捕らえることができる特定の「浸透圧調節物質」を送達することにより、皮膚の含水を助ける。
【0121】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における含水を促進することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、そのような活性剤には、キュウリ抽出物、ナトリウム−2−ピロリドンカルボキシラート、ナトリウムPCA、ヒアルロン酸ナトリウム、キチンおよびその誘導体、αヒドロキシ酸、ヒアルロン酸、加水分解小麦タンパク質、トクサと、ミルラと、小麦胚芽と、ホップ抽出物との植物複合体調合物;グリセリン、ジパルミトイルヒドロキシプロリン、酢酸トコフェロール(ビタミンe)、グリチルリチン酸二カリウム;カプリル/カプリン酸 コハク酸トリグリセリド、ゴマ種油、コムギ胚芽油および酢酸トコフェロール(LNST)の調合物;スクアラン;チガヤ根抽出物;セラミド3,6 II,1およびフィトスフィンゴシンの調合物;デオキシリボ核酸ナトリウム、マンニトール、ズルシトール、ベタイン、ジ−ベンゾ−p−ジオキシン(di-benzo-p-dioxine)(国際公開第2009017369号)、ならびに海産グリコサミノグリカンが含まれる。また、含水を促進することができる他の活性剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0122】
皮膚の色素沈着
【0123】
皮膚の色素沈着は、酵素チロシナーゼによるチロシンのヒドロキシル化によって表皮中に生成される色素であるメラニンの存在に起因する。メラニン色素はメラノサイトと呼ばれる特殊化した細胞で作られ、表皮全体にわたる適切な拡散を保証するようにケラチノサイトへ運ばれるメラノソームと呼ばれる細胞小器官内に詰め込まれる。用語「美白/色素沈着剤」は、メラニン生成を限定すること、メラノソームの成熟および運搬を阻害すること、または色素分解を刺激することによって、皮膚色素沈着を減少または調節することができる活性剤を指す。
【0124】
特定の実施形態では、本発明は、皮膚色素沈着を減少または調節する少なくとも1種類の活性剤を含有することができる。
【0125】
さらに特定の実施形態では、少なくともルメックスオクシデンタリス(Rumex occidentalis)の抽出物が、本発明の組成物においてこの役割を担う。ルメックスオクシデンタリスは、北カナダ大草原地帯原産の植物であり、この植物から、チロシナーゼ活性の阻害剤が抽出された。
【0126】
別の特定の実施形態では、少なくともエンドウの抽出物が、この役割を担う。エンドウは、メラノサイト内でのメラノソームの成熟をさらに妨げるチロシナーゼ活性の阻害剤である。
【0127】
別の特定の実施形態では、レチノールが、この役割を担う。レチノールは、メラノサイトからケラチノサイトへのメラノソームの移動における減少をさらに促進するチロシナーゼ活性の阻害剤である。
【0128】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における皮膚色素沈着を調節することができる活性剤である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。さらに詳細には、チロシナーゼ阻害剤には(限定するものではないが)、アルブチン、アゼライン酸(azealeic acid)、ビタミンCおよびその誘導体(パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム)、ヒドロキノン、N−アセチル−4−システアミニルフェノール(N-acetyl-4-cysteanimylphenol)、コウジ酸、ナノペプチド−1(nanopeptide-1)、トレチノイン、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン(acitretine)、タザロテン、アダパレン(adapalene)、β−カロチン、レチニルエステル)、ルメックスオクシデンタリス抽出物、ウコン、甘草抽出物、クワの実、ウワウルシ(クマコケモモ)、セラミド3,6,II,1とフィトスフィンゴシンとの混合物;アセチルオクタペプチド−3、デオキシリボ核酸ナトリウム、白血球抽出物、リン酸アスコルビルマグネシウム、ウワウルシ葉抽出物、ならびにαアルブチンが含まれる。メラニン成熟および移動阻害剤には(限定するものではないが)、エンドウ抽出物、センタウレイジン(centaureidine)、レチノイン酸およびその誘導体(レチノール、レチンアルデヒド、レチニルパルミテート、トランス−レチノイン酸、13−シス レチノイン酸、9−シス レチノイン酸、レチノイルグルクロニド、トレチノイン、イソトレチノイン、エトレチナート、アシトレチン(acitretine)、タザロテン、アダパレン(adapalene)、β−カロチン、レチニルエステル)、ヒドロキシル化ジフェニルメタン(米国特許出願公開第20070248633号);水、二酸化チタン、ポリソルベート20、アクリレート/C10−30 アクリル酸アルキルの混合物;クロスポリマー、ポリメタクリル酸メチル、トリラウリン、ジアセチルボルジン(Diacetiyl Boldine)(Lumisphere)、コショウソウ(Lepidum sativum)芽抽出物(SulforaWhite);パラミツ種子抽出物(Whitessence)の混合物;アーティチョーク葉抽出物(Biobenefity);ウワウルシ葉抽出物、リン酸アスコルビルマグネシウムの混合物(Melfade J);カンゾウ(Licorice Eco)、ならびに大豆抽出物が含まれる。また、チロシナーゼ活性、メラノソーム成熟および移動を阻害すること、あるいはメラニン色素分解を刺激することができる他の活性剤について、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0129】
抗セルライト
【0130】
セルライトは、体重過多の個人だけでなくやせている個人にも影響を及ぼすので、肥満に厳密には関連しない。セルライトの病態生理学は、複雑であり、過剰皮下脂肪、微小循環系、リンパ管、炎症、および細胞外マトリックスの存在に関連する。セルライトは、脂肪分解と脂肪生成との間のバランスが損なわれている脂肪組織の状態である。このアンバランスは、ホルモンまたは栄養上の原因があると信じられている。このアンバランスが起こると、脂肪細胞が、脂質を蓄積することにより過剰に成長する(すなわち、それらの当初のサイズの100倍まで)。並行して、脂肪細胞の糖を捕獲する能力が、増大する。糖過剰は、通常は皮膚に弾力性を提供するコラーゲン線維の硬化を招く。脂質で飽和された脂肪細胞は、この硬直した線維の網状組織内に捕らわれる。血管は、この組織内部に適切に延びることができなくなり、その結果、水貯留および不十分な毒素排除を招く。時間とともに、脂肪堆積ポケットが生成され、影響を受けた領域上に特徴的な凹みおよび隆起(オレンジの皮のような外見)を形成する。本発明は、抗セルライト活性を含む組成物も含む。
【0131】
特定の実施形態では、本発明は、ホスホジエステラーゼ阻害、サイクリックAMP活性化、α−アドレナリン拮抗作用、および/または、アディポネクチン生成刺激を通して脂肪細胞代謝を促進する少なくとも1種類の活性剤を含有することができる。アディポネクチンは、インスリン作用に対して脂肪細胞を敏感にする。
【0132】
さらに特定の実施形態では、ハス葉抽出物が、本発明の組成物においてこの役割を担う。ハス葉抽出物は、アディポネクチンの局所的生成増加により脂肪細胞内での脂肪貯蔵を減少する。この抽出物はまた、ECMの構造を保持する。
【0133】
そのように限定するものではないが、以下は、本発明の組成物における抗セルライト活性を促進することができる活性剤の例である:植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、動物由来抽出物ならびに合成化合物。より詳細には、そのような活性剤には、グリセリン/水/ヤシ油アルキルグルコシド/カプリリルグリコール/アルコール/グラウシンの混合物(Bodylift);加水分解ケイトウ花/種子抽出物および加水分解ウツボグサ(Prunella Vulgaris)抽出物の混合物(BIOSCULPTINE);ブチレングリコール、水およびハス葉抽出物の混合物(PRO−SVELTYL);水、プロピレングリコールおよびビターオレンジ(ダイダイ)花抽出物の混合物(REMODULINE);水、ブチレングリコールおよびピネウムスボルドス(Peumus boldus)葉抽出物の混合物(SLIMACTIVE);セクロピアオブツーサ(Cecrpia obtusa)抽出物(SLIM FIT)、テオフィリン、カフェイン、テオブロミン、ヨヒンビン、カルニチン、ツボクサ(Asiatica cantella)、ルチン、ケイトウ(Celosia cristata)とウツボグサ抽出物との調合物;ハス葉抽出物、セクロピアオブツーサ(Cecropia obtusa)抽出物、ピネウムスボルドス葉抽出物、ビターオレンジ(ダイダイ)花抽出物、ラウリン酸ヘスペレチン、チガヤ抽出物、ならびに甘草抽出物が含まれる。
【0134】
列挙されなかったが、皮膚の全体的な外見ならびに/または皮膚の快適さおよび状態を改善する他の活性剤も、本発明にしたがって含まれうる。他の非限定的な例には、皮膚の障壁機能を強化するヒアルロン酸およびc−グリコシド誘導体(米国特許出願公開第20080226756号);細胞における熱ショック応答を誘導し、それにより細胞損傷を減少するアシルサリチル酸(acyl-salicylates)(好ましくはC3−C25アシルサリチル酸)(国際公開第03049692号);ならびに、皮膚萎縮症、および、フケ症、アクネおよび乾癬などの疾患を治療するためのヒドロキシ安息香酸、DEHAおよびサリチル酸DEHA(DEHA salicylate)(米国特許第6284750号)が含まれる。
【0135】
本明細書に使用される、用語「乳化剤」は、エマルジョン中の不混和性物質の分離を防ぐこと、一物質を別物質中で均等に分布させるのを助けること、質感、均質性、粘稠度および安定性を改善することができる成分を指すことを意図する。特に、この用語は、油を細かくして組成物中の水相に入れ込む少なくとも1種類の薬剤を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、本発明の組成物中に使用されうる乳化剤は、11を超える高い親水性親油性バランス(HLB)を結果として有する、任意の乳化剤または乳化剤の組み合わせを含む。さらに特定の実施形態ではHLBは、約11から約16の間であり、さらに別の特定の実施形態では約12から約16の間であり、さらに別の特定の実施形態では約13から約16の間であり、さらに別の特定の実施形態では約14から約16の間であり、さらに別の特定の実施形態では約15から約16の間であり、さらに別の特定の実施形態では約15.6である。このような乳化剤または乳化剤の組み合わせは、限定するものではないが、ポリソルベート40などのポリエチレンソルビタンエステル;プロピレングリコールエステル;グリセロールエチレングリコール;限定するものではないが、ラウレス12(ポリエチレン600グリコールラウリルエーテル)とラウレス23との組み合わせなどのポリエチレンエステル;PEGジラウラート−ポリエチレングリコールエステル、セテアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、アクリル酸アルキルクロスポリマー、ステアリン酸、乳化ろう、オレイン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、ポリエチレン共重合体、モノパルミチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート、ポリエチレングリコポリソルベート(polyethylene glycopolysorbate)、トリエタノールアミン、シクロペンタシロキサン、ジメチコンコポリオール、ステアリン酸PEG−20、ステアリン酸PEG−23、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、ジステアリン酸スクロース、ステアリン酸PEG−100、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、ラウレス−7、リン酸セチル、セチルリン酸DEA、ステアリン酸グリコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘントリモニウムメトサルフェート、および、セテアレス−2、および、それらの組み合わせである。本発明にしたがって使用されうる乳化剤の量は、好ましくは約2%未満であり、限定するものではないが:約1.95%未満、約1.90%未満、約1.85%未満、約1.80%未満、約1.75%未満、約1.70%未満、約1.65%未満、約1.60%未満、約1.55%未満、約1.50%未満、約1.45%未満、約1.40%未満、約1.35%未満、約1.30%未満、約1.25%未満、約1.20%未満、約1.15%未満、約1.10%未満、約1.05%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.7%未満、約0.6%未満、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、約0.2%未満、約0.1%、または約0.05%未満を含む。
【0136】
従来の組成物において、いったん製剤が、エマルジョンを維持する(エマルジョン中で油を細かくする)のに必要な乳化剤濃度を吸収したら、いくらかの未使用/自由な乳化剤が組成物中にとどまることがある。この未使用/自由な乳化剤は、皮膚の脂質二重層を破壊することがあり、このことは刺激材料が皮膚障壁へ入り込むのを可能にしうる。従来の局所組成物は典型的に、2〜7重量%の乳化剤を使用する。ゆえに特定の実施形態では、本発明は、エマルジョンを維持しつつ可能なかぎり未使用/自由な乳化剤の存在を防ぐために、乳化剤の使用を完全に避けるか、またはその使用を最小限まで減らす。本発明において使用されうるさらなる乳化剤は、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)に列挙されている。特定の実施形態では、本発明の組成物は有利に、約1.5重量%未満の乳化剤を含む。さらに特定の実施形態では、本発明の組成物は、最大で約1重量%の乳化剤を含有する。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、最大で約0.9重量%の乳化剤を含有する。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、最大で約0.8重量%の乳化剤を含有する。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満の乳化剤、0.5重量%未満の乳化剤、0.4重量%未満の乳化剤、0.3重量%未満の乳化剤、0.2重量%未満の乳化剤、0.1重量%未満の乳化剤を含有する。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、乳化剤を全く含有しない。
【0137】
本明細書に使用される、用語「カルボマー」は、カルボマーそれ自体、カルボマーナトリウム、カルボマーカリウム、カルボマーカルシウムカリウム、カルボマー誘導体、またはこれらの組み合わせを指すために使用される。カルボマーは、多官能化合物と架橋結合したアクリル酸のポリマーであり、ゆえにポリ(アクリル酸)またはポリアクリレートである。
【0138】
本明細書に使用される、用語「アクリロイルジメチルタウリン酸誘導体(Acryloyldimethyltaurate derivative)」は、アクリロイルジメチルタウリン酸ファミリーのポリマー(例えば共重合体、クロスポリマー)またはこのファミリーからのポリマーの混合物を指すために使用される。さらに特定の実施形態では、アクリロイルジメチルタウリン酸誘導体は、「アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム誘導体」である。そのように限定するものではないが、このファミリーには、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン共重合体(例えばAristoflex AVC);アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25クロスポリマー(例えばAristoflex HMB);トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(Caprylic/Capric Triglyceride)(および)アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体(および)トリラウレス−4リン酸(および)セスキイソステアリン酸ポリグリセリル−2(Polyglyceryl-2-Sesquiisostearate)(例えばAristoflex AVL);アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25クロスポリマー(例えばAristoflex HMS)、ならびに、これらの混合物などが含まれる。
【0139】
本明細書に使用される用語「活性剤」は、少なくとも1種類の抗老化活性、または本明細書に記載されている皮膚の状態または疾患に対する少なくとも1種類の活性を有する成分を指すように意図される。特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体のうち約20重量%から約90重量%の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体のうち約25重量%から約90重量%の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体のうち約30重量%から約90重量%の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体のうち約35%から約90重量%の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体のうち約40重量%から約90重量%の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体のうち約45重量%から約90重量%の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体のうち約50重量%から約90重量%の活性剤を含む。別の特定の実施形態では、本発明の組成物は、組成物全体のうち少なくとも約20重量%(21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、70重量%)の活性剤を含む。
【0140】
本明細書に使用される、表現「単離された活性剤」における用語「単離された」は、その活性剤の天然の状態から「人間の手によって」変えられたこと(すなわちその活性剤が天然に存在する場合、変化させられたか、またはその本来の環境から取り除かれた)、あるいは、その活性剤が、非天然の環境で合成された(例えば人工的に合成した)ことを意味する。これらの用語は、(均質調製品など)絶対的な純度を必要とするものでないが、その代わりにそれが天然の環境におけるよりも比較的純度が高いという示唆を表している。例えば、天然の植物抽出物(すなわち果実、野菜、豆、花、および/または香辛料抽出物)、藻類抽出物、酵母抽出物およびそれらの誘導体などの微生物抽出物、発酵体、タンパク質加水分解物、ペプチド、または動物由来抽出物の中に天然に存在する活性剤は、「単離」されないが、その天然の状態の共存物質から分離される同一活性剤(例えば少なくとも約90〜95%の純度)は、この用語が本明細書で使用されるとおりに「単離」される。本明細書で使用される場合、天然の抽出物は、単一活性剤を構成する。
【0141】
本発明の局所組成物は、本発明の組成物のための複数の異なる局所製剤を提供するために、溶液、懸濁液、ローション、チンキ剤、ゲル、クリーム、スプレー、エマルジョン、液滴(droplets)、乳剤(milks)、スティック(sticks)、軟膏、またはリポソーム(リポソーム中に存在する多標的製剤の少なくとも一部分)など多様な形態をとることができる。本発明の組成物の適用は、局所適用可能な化粧品組成物を含む。このような局所適用可能な組成物の非限定的な例には、スキンケアクリーム、クレンジングクリーム、スキンケアローション、スキンケアゲル、スキンケアフォーム、サンケア用組成物、化粧落としクリーム、化粧落としローション、ファンデーションクリーム、リキッドファンデーション、入浴およびシャワー用調製品、デオドラント組成物、制汗剤組成物、シェービング製品組成物、アフターシェーブ・ゲルまたはローション、美容補助組成物、脱毛クリーム、石鹸組成物、ハンドクリーナー組成物、クレンジング・バー、ボディケア、ヘアケア、シャンプー、セットローション、トリートメントローション(treatment lotion)、ヘアクリーム、ヘアゲル、カラーリング組成物、再構築組成物(restructuring composition)、パーマネント組成物、抗抜け毛組成物、または局所美容療法での使用に適している任意の他の組成物が含まれる。
【0142】
そのように限定するものではないが、本発明の組成物は、前述した1つ以上のメカニズムを標的とする抗老化剤に加えて、皮膚に有益な活性を所有する他の種類の薬剤を含むこともできる。ゆえに、そのように限定するものではないが、本発明の組成物は、麻酔薬、抗アクネ剤、抗老化剤、抗菌剤、抗セルライト剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗刺激剤、 抗酸化剤、抗寄生虫剤、汚染防止剤(antipollution agent)、鎮痒剤、抗酒さ剤、抗脂漏剤、抗ストレス剤、抗毛細管拡張剤、抗ウイルス剤、抗しわ剤、乳児ケア剤、バス・アンド・ボディ剤(bath and body agent)、沈静化剤(calming agent)、クレンジング剤、コラーゲン合成剤、DNA保護および修復剤、エラスターゼ阻害剤、皮膚摩擦剤、顔面ピーリング剤、引き締め剤(firming agent)、フットケア剤、フリーラジカル捕捉剤、グリコサミノグリカン合成剤、抗グリケーション剤、免疫機能調節剤、角質溶解剤、たるみ除去剤(lift agent)、化粧落とし剤、メラニン形成刺激剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、保湿剤、油吸収剤、浸透圧調節剤、抗光線加齢剤、保護剤、タンパク質修復剤、プロテアソーム刺激剤、若返り剤、再生剤、再構築剤、敏感肌剤、シェービング製品剤、サーチュイン刺激剤、皮膚防御促進剤(skin defense enhancer agent)、皮膚美白剤、皮膚清澄剤、皮膚修復剤、痩身剤、平滑化剤(smoothing agent)、軟化剤、鎮静剤、サンケア剤、セルフタンニング剤(sunless tanning agent)、緊張化剤、および、ホワイトニング剤、または前記化粧品組成物の局所適用を含む美容療法での使用に適している任意の他の剤を含むことができる。
【0143】
本発明の局所組成物は、緩衝剤、キャリアー剤(carrier agent)、キレート化剤、コンディショニング剤(conditioning agent)、着色剤、粘着性低下剤、皮膚軟化剤、膜形成剤、発泡剤、湿潤剤、ラクチレート剤(lactylate agent)、親油性剤、中和剤、油剤(oil agent)、乳白剤、保存剤、可溶化剤、溶剤、安定化剤、乳化剤、増粘剤、粘性増加剤、吸水剤、光拡散剤、および浸潤剤などの追加の賦形剤をさらに含むこともできる。また、他の賦形剤については、米国パーソナルケア製品評議会の国際化粧品原料事典ハンドブック、第12版(2008)を参照されたい。
【0144】
用語「緩衝剤」または「緩衝液」は、皮膚の性質および皮膚のpHに適合性のある、塩基/酸の塩を指す。酢酸ナトリウムは、頻繁に使用される緩衝剤の例である。本発明の組成物のpHは、可能なかぎり皮膚のpHに近づけることが望ましい。そのように限定するものではないが、本発明の組成物は、約4.5から約6.5までのpHを有し、さらに特定の実施形態では約4.75から約5.25まで、またさらに別の特定の実施形態では約5.3から約6.5までのpHを有する。
【0145】
本明細書に使用される用語「キャリアー剤」は、活性剤の適用を助けることができる成分を指すことを意図する。イソヘキサデカンは、頻繁に使用されるキャリアーの例である。
【0146】
本明細書に使用される用語「キレート化剤」は、一価陽イオンおよび二価陽イオンを結合することができる成分を指すことを意図する。材料の有効性および寿命を最大にする。そのように限定するものではないが、キレート化剤には、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウムおよびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸およびエチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、ならびにこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0147】
本明細書に使用される用語「コンディショニング剤」は、潤滑作用および含水効果を有する成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、セトリモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリデセス−I2、クオタニウム−Z7、クオタニウム−I8、ポリクオタニウム−10、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セテアリルアルコール、ステアラミドプロピルジメチルアミン、トリメチルシリルアモジメチコン、イソラウレス−6、オクトキシノール−4、ジメチコン、ジメチコノール、シクロペンタシロキサン、パレス−7、パレス−9、リノール酸、グリセリン、および、それらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0148】
本明細書で使用される用語「溶媒」は、他の薬剤を溶解することができる非水性または水性の成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、水性溶媒には、水が含まれる。そのように限定するものではないが、非水性溶媒には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0149】
用語「粘着性低下剤」および「潤滑剤」は、互換的に使用され、本明細書において、粘着性材料上に吸着し、それら材料の粘着する傾向を減少することができる成分を指すことを意図され、あるいは、皮膚への適用を改善するために滑りやすさを加え摩擦を減少することができる。そのように限定するものではないが、これには、シクロペンタシロキサン、ジメチコン、ジメチコンコポリオールおよびビニルジメチコン、フェニルトリメチコン、イソプロピルエステル、イソステアリン酸エステル、セバシン酸ジメチルおよびセバシン酸ジプロピル;フェニルトリメチコンとポリシリコーン11との混合物;ジメチコンとポリシリコーン11との混合物;シクロメチコンとポリシリコーン11との混合物;シクロメチコン/シクロペンタシロキサンの混合物;および、HDI/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー、ならびに、それらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0150】
本明細書において使用される、用語「香料」は、香りを生成する、あるいは香りを遮断する成分を指すことを意図する。局所組成物に使用するために適切な香料は、当業界において周知であり、人工香料、または精油などの天然香料を含む。
【0151】
本明細書において使用される、用語「固結防止剤(anticaking agent)」は、過剰水分を吸着すること、または、粒子を被覆してそれらを撥水性にすることができる成分を指すことを意図される。この用語は、普通は固形生成物ためのものである。いくつかの固結防止剤は、水に可溶である;その他は、アルコールまたは他の有機溶媒に可溶である。そのように限定するものではないが、それには、HDI/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0152】
本明細書において使用される、用語「皮膚軟化剤」は、潤滑作用および含水効果を有する成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、パルミチン酸イソプロピル、ヒマワリ種子油、鉱油、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン、カプリル酸(caprylic)、トリカプリン酸グリセリル、シクロペンタシロキサン、ジメチコン、ビニルジメチコン、ビス−フェニルプロピルジメチコン、アルキルジメチコン、ステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸スクロース、ミリスチルアルコール、乳酸ミリスチル、酢酸セチル、ジカプリリルエーテル、フローラエステル−20、マレイン酸変性ダイズ油(maleated soybean oil)、シクロメチコン、スクアラン、シアバター、硬化ココナツ油、パルミチン酸イソプロピル、シロキシケイ酸ジイソステアロイルトリメチロールプロパン、および安息香酸アルキル、ならびにそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0153】
本明細書において使用される、用語「膜形成剤」は、製剤の粘着性を最小にするために寸法安定性のある連続的な膜を形成することができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、小麦タンパク質、エイコセン共重合体、ペルフルオロメチルイソプロピルエーテル、PVP(ポリビニルピロリドン(polyvinylpirrolidone))、シロキシケイ酸ジイソステアロイルトリメチロールプロパン、トリメチルシロキシケイ酸、ジメチコン、ビニルジメチコン、およびシクロペンタシロキサン、ならびにそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0154】
本明細書において使用される、用語「発泡剤」は、生成物中の空気の量を調節することができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、ラウルアミドDEAおよびコカミドMEA、スルホコハク酸ラウレス2Na、N−オクタデシルスルホスクシナミン酸2Na(disodium N-octadecyl sulfosuccinamate)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム2−エチルヘキシル、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0155】
本明細書において使用される、用語「湿潤剤」は、一定の湿気を維持し水分を保つことができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、グリセリン、PEG−8、ブチレングリコール、プロピレングリコール、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0156】
本明細書において使用される、用語「中和剤」は、酸−アルカリのバランスを変えることができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0157】
本明細書において使用される、用語「乳白剤」は、透明または半透明の生成物の外観をよりクリーム色、または、より真珠色のものに変えることができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG−100、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0158】
本明細書において使用される、用語「保存料」または「保存剤」は、微生物(グラム陰性および/またはグラム陽性)酵母、真菌、または化学的損傷を妨害または防ぐこと、ならびに、変色および活性損失に対して保護することができる任意の成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、DMDMヒダントイン、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、エチルパラベン、ブチルパラベン、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、symdiol−68、symdiol−68T、cosmocil−CQ、クオタニウム−8、クオタニウム−14、クオタニウム−15、プロピレングリコール、デヒドロ酢酸およびその誘導体、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、1,2−ヘキサンジオール、germaben、ならびにそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。保存料の組み合わせは、グラム陽性バクテリア、グラム陰性バクテリア、真菌、および/または酵母に対して保護するために有用でありうる。
【0159】
本明細書において使用される、用語「可溶化剤」は、非相溶性成分を均質溶液の一部にさせることができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、ポリソルベート、セテアレス、ステアレス、PEG、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0160】
本明細書において使用される、用語「安定化剤」は、プロセスの間およびプロセス後、物理的および化学的特性を維持し、製品寿命の間、物質の物理的特性における変化を防ぐか、または限定することができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、ポリエチレン、塩化ナトリウム、ステアリルアルコール、キサンタンガム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、carbopolおよびその誘導体、ジメチコンコポリオール、ならびにそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0161】
本明細書において使用される、用語「日焼け止め剤」は、太陽光線の影響から皮膚を保護する成分を指すことを意図する。日焼け止め剤は、紫外線放射を吸収することによって、あるいは、入射光を反射することによって作用する。そのように限定するものではないが、これには、オクチノキサート(UVB)、ベンゾフェノン−3(UVB)、サリチル酸オクチル(UVB)、メトキシ桂皮酸オクチル、オクチサレート、オクトクリレン(Octicrylene)、Parsol 1789(アボベンゾン)(UVA)などの少なくとも1種類の化学的日焼け止め剤、および/または、酸化亜鉛(UVB))および二酸化チタン(UVA)などの少なくとも1種類の物理的日焼け止め剤、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0162】
本明細書において使用される、用語「増粘剤」は、粘性を与えるため、ならびに/あるいは、粘稠度もしくは質感を改善する、エマルジョンの外側相の粘度を増加する、および/またはエマルジョンを安定化させるために、水を吸収することができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、ステアリン酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カルボマー、アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、ラウレス−7、セチルアルコール、キサンタンガム、アルキルジメチコン、ヒドロキシエチルセルロース、ステアリン酸グリセリル、テトラステアリン酸ペンタエリスリチル、ステアリルアルコールおよびポリクオタニウム−10、グリセロール、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrolidone)、デキストラン、ならびにそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0163】
本明細書において使用される、用語「粘性増加剤」は、流動度、および流体によって示される流れに対する内部抵抗を制御することができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、本発明の組成物において使用されうる粘性増加剤には、カルボマーナトリウム、アクリロイルジメチルタウリン/ビニルピロリドン共重合体、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、カプリリルグリコール、ミリスチルアルコール、ナイロン−12、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。特定の実施形態では、本発明の組成物は、典型的には約8,000から約50,000までの間の粘性を有する。
【0164】
本明細書において使用される、用語「吸水」剤は、水分を維持するために生成物の水を吸収することができる成分である。そのように限定するものではないが、これには、カルボキシビニルポリマー、アクリル共重合体、ポリアクリルアミド、多糖類、天然ゴム、粘土、改質粘土、金属塩、脂肪酸、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0165】
本明細書において使用される、用語「光拡散剤」は、可視光線を発するか、または散乱させ、それによりしわの外見を減少させることができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これらには、ナイロン−12が含まれる。
【0166】
本明細書において使用される、用語「浸潤剤」は、より良好な浸透力または表面上での広がりのために水の表面張力を減少することができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、カプリル酸塩、カプリリルグリコール、カプリン酸グリセリル、カプリン酸ポリグリセリル−2、ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−3、および、ラウレス硫酸TEA、ならびにそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0167】
本明細書において使用される、用語「着色剤」は、組成物を着色することができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、そのような薬剤には、限定するものではなく雲母グループ、着色二酸化チタン、酸化鉄、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つのメンバーなどの色素であってよい。
【0168】
本明細書において使用される、用語「抗褐変剤」は、製剤の褐変を防ぐことができる成分を指すことを意図する。そのように限定するものではないが、これには、メタ重亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸二ナトリウム(disodium pyrosulfite)、二亜硫酸二ナトリウム(disodium disulfite)、ピロ亜硫酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせのうち少なくとも1つが含まれる。
【0169】
本明細書において使用される、用語「皮膚老化兆候」は、小じわ、しわ、炎症、発赤、毛細管拡張症、皮膚のたるみ、過剰皮脂、拡張した毛穴、くま、皮膚の堅さの損失、褐斑、増大した皮膚の厚み、日光による損傷、色素過剰の皮膚、くすんだ皮膚、皮膚の弾力性およびコラーゲン含有量の損失、目の下のたるみ、黒子、黒皮症、皮脂生成の障害、乾燥、皮膚の快適さの損失、ならびに、皮膚の活力喪失(減少した代謝活性)を指すことを意図する。
【0170】
本明細書において使用される、用語「皮膚の状態または疾患」は、酒さ、酒さ性ざ瘡、くも状静脈、皮膚の紅潮、アクネ、にきび、皮膚炎、発疹、異常肌色、セルライト、詰まった毛穴、および腫物を指すことを意図する。
【0171】
本明細書において使用される表現「皮膚老化徴候を減少する」または「皮膚状態または疾患を減少する」における用語「減少する」は、それぞれ、先在する老化皮膚徴候または皮膚の状態もしくは疾患の減少を指すことを意図する。これにはそれぞれ、老化徴候または皮膚状態もしくは疾患の完全または部分的な補正/治療が含まれる。本明細書において使用される、表現「皮膚老化徴候を防ぐ」または「皮膚状態または疾患を防ぐ」における用語「防ぐ」は、それぞれ皮膚老化徴候または皮膚状態もしくは疾患の開始の遅延、または完全もしくは部分的な防止を指すことを意図する。
【0172】
本発明の組成物に関連する場合、本明細書において使用される、用語「有効量」は、対象の皮膚老化徴候または皮膚状態もしく疾患を効果的に防ぐまたは減少する量である。これは、典型的に治療されるべき皮膚を覆うのに十分な量となり、適用割合は典型的には、1日に1回または2回である。有効量は、組成物の形態(例えばゲル、クリーム、セラムなど)、および対象の皮膚タイプに応じて変わりうる。
【0173】
本発明の組成物は、限定するものではないが、従来の方法で、広口瓶、ボトル、チューブ、スティック、ローラーボール塗布器(roller-ball applicator)、エアロゾル噴霧装置などを含む任意の適切な方法で包装することができる。例えば、活性剤および局所的に許容可能な媒介物は、多量で提供されてよく、そこから必要とされる量を様々な測定装置を使用して取り出すことができ、その様々な測定装置とは、固形には計量スプーンまたはカップ、あるいは液体には目盛り付きバイアルまたは点滴器などがある。本発明の組成物を、基板上に広げて、その後続いて包装することができる。適した基板には、フィルムドレッシング材および包帯を含む手当用品が含まれる。一実施形態では、キットまたはパッケージが、例えば皮膚状態もしくは皮膚老化徴候を防ぐまたは減少するための説明書などの、使用/適用のための説明書を含むことができる。
【0174】
本発明において使用される用語「約」は、範囲に関連して用いられるとき、その範囲の両端に適用される。これは、本発明の組成物を得て特徴付けるために使用される設備およびプロセスの相対精度を反映するために使用される。
【0175】
冠詞「a」、「an」および「その(the)」は、その冠詞の文法上の目的語の1つまたは2つ以上に(すなわち少なくとも1つに)言及するために本明細書において使用される。
【0176】
用語「含む(including)」および「具備する(comprising)」は、フレーズ「限定するものではないが含む」および「限定するものではないが具備する」を意味するように本明細書において使用され、それらフレーズと交換可能に再使用される。
【0177】
用語「など」は、フレーズ「限定するものではないが、〜など」を意味するように本明細書において使用され、このフレーズと交換可能に使用される。
【0178】
本明細書において使用される、用語「対象」は、ヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、雌ウシ、サル、ウマ、などを含む任意の哺乳類を指すことを意図する。特定の実施形態では、この用語は、ヒトを指すものである。
【0179】
本発明は、以下の非限定的実施例によってさらなる詳細が例示される。
実施例1
【表1A】

【表1B】

【0180】
製造プロセス
1.可変性高速プロペラ撹拌(2,400RPM)またはタービンミキサーおよびスイープ撹拌を備えたステンレス鋼製被覆ケトル設備内で、上記の表で特定されたグループ1の成分(水および保存料)を80〜82℃に加熱した適当な剪断の下、混ぜ合わせた。先に進む前にメチルパラベンの溶解を確実にするためにタンクの上部および底部を観察した。その後、混合物を76〜78℃まで冷却した。
【0181】
2.その後グループ2の成分を混合物に加えてこの混合物をゲルに変換した。有効な場合、撹拌を2,400RPMまで増加した。
【0182】
3.その後グループ3の成分を加えた。有効な場合、撹拌を2,400RPMまで増加した。
【0183】
4.プロペラ型撹拌を備えた別個のケトル内で、グループ4の成分を撹拌の下、混ぜ合せて80〜82℃まで加熱した。
【0184】
5.その後、80〜82℃で適当な剪断撹拌の下、グループ4の成分をグループ1、2および3の成分の混合物にゆっくり加えた。粘性物質(グループ2および3の成分)の添加後にバッチが重くなった場合、有効ならば調節を行った。
【0185】
6.ゲルが十分に形成され一様になるまで温度および撹拌を維持した。その後混合物を70℃まで冷却した。その温度でグループ5の成分をバッチ内にゆっくりと振りかけた(プラスチックパウダー)。例えば、バッチが液状すぎると思われた場合、バッチの粘性を増加させるために、約70℃でグループ1、2および4の成分でエマルジョンを形成した後、追加量のAristoflex(商標) AVCを加えた。
【0186】
7.その後混合物を50℃まで冷却した。その温度で、グループ6の成分(ゲル)をバッチに加えた。有効な場合、そのグループの成分を取り込んだ後、スイープ撹拌を用いた。その後混合物を35〜40℃まで冷却した。
【0187】
8.35〜40℃で混ぜ合わせて前もって混合したグループ7の成分を、必要な場合エネルギーを調節しながら、非常にゆっくりと少しずつバッチに加えた。
【0188】
9.混合物を、25℃まで冷却し、混合は混合物が一様になるまで続けた。
【0189】
仕様
【0190】
組成物のpHは、6.26±0.25で、6.01〜6.51の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、64%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、113,000cpsで、約100,000から125,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重(密度)は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.008±0.02であり、0.988〜1.028の範囲であった。
実施例2
【表2A】

【表2B】

【0191】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0192】
仕様
組成物のpHは、6.19±0.25で、5.94〜6.44の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、66%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、132,000cpsで、約125,000から140,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.986〜1.026の範囲でった。
【0193】
促進安定性試験
生成物の安定性を促進老化プロセスにより試験した。その生成物を3ヶ月の間、4℃、25℃および45℃にさらした。時間0、1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月に測定および観察を行った。以下のパラメータを尺度とした:pH、粘性、色、官能観察、皮膚上での官能知覚、ならびに分離の出現および徴候。外見の観察は、温度の急激な変動に続いて、および凍結融解サイクル後に行った。
【0194】
pHは、全ての温度において安定したままであった。粘性は変化したが液状化または過剰増粘しないことが観察された。芳香は、安定していたが、芳香の強さは時がたつにつれて次第に弱まった。芳香は45℃で3ヶ月の時点で変化し始め、これは25℃で約2年と等しいと言えるだろう。色は、不安定であった。色が黒ずみ、褐変率は温度と相関性があった。クリームは45℃で2週間以内に2パントン番号だけ黒ずみ、その後1ヶ月ごとに1パントン番号黒ずみが増した。光は褐変率にほとんど影響力を持たなかった。クリームは2年半以内に暗褐色になると予測された。クリームの外見も変化した。シネレシスが25℃で観察され、温度変化、すなわち凍結融解サイクルおよび加熱に伴って増加した。45℃で3ヶ月後、シネレシスは均質性の損失を伴って観察された。
【0195】
臨床試験
実施例2で説明された組成物の効果を、35歳〜62歳までの健康な女性ボランティア20人に実施された単一中心の自由解答式研究(monocentric open-ended study)で評価した。治療は、セラムを12週間にわたって1日2回、眼の輪郭、顔および首の領域に塗布することを伴った。研究の第3週目から含水ゲルをセラムと混ぜ合わせ始めた。Comeometer(商標)による皮膚の含水の測定、すなわち、眼の輪郭ゾーンからシリコン転写の補助によりしわ外形を、およびデジタル写真を、治療前(D=0)および治療後(D=7、D=28、D=56およびD=84)の各ボランティアから取得した。その結果は、セラムが抗老化特性を有し、しわパラメータ、皮膚の肌色、肌理、一様性、厚みおよび全体的な外見を改善し、そして、これはクリームの真の抗しわおよび抗老化の潜在的利益を弱めた可能性もある乾燥効果にもかかわらず起こったことを示した。例えばしわの平均数は、試験セラムによる治療の84日後、97から91に減少したことが見出された。しわの全表面積も、17.97から15.26に減少し、全長は69.15から59.38に減少した。この研究の結果の例については、図5を参照されたい。
実施例3
【表3A】

【表3B】

【0196】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0197】
仕様
pHは、6.19±0.25で、5.94〜6.44の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、66%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、132,000cpsで、約125,000から140,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.986〜1.026の範囲であった。
実施例4
【表4A】

【表4B】

【0198】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0199】
仕様
pHは、6.19±0.25で、5.94〜6.44の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、66%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、132,000cpsで、約125,000から140,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.986〜1.026の範囲であった。
実施例5
【表5A】

【表5B】

【0200】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0201】
仕様
pHは、6.19±0.25で、5.94〜6.44の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、66%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、132,000cpsで、約125,000から140,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.986〜1.026の範囲であった。
実施例6
【表6A】

【表6B】

【0202】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0203】
仕様
pHは、6.19±0.25で、5.94〜6.44の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、66%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、132,000cpsで、約125,000から140,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.986〜1.026の範囲であった。
実施例7
【表7A】

【表7B】

【0204】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0205】
仕様
pHは、6.19±0.25で、5.94〜6.44の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、66%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、132,000cpsで、約125,000から140,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.986〜1.026の範囲であった。
実施例8
【表8A】

【表8B】

【0206】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0207】
仕様
pHは、6.19±0.25で、5.94〜6.44の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、66%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、132,000cpsで、約125,000から140,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02で0.986〜1.026の範囲であった。
【0208】
促進安定性試験
上記の実施例2で説明されたとおりの試験を行った。
【0209】
pHは、全ての温度において安定したままであった。粘性はわずかに変化したが、液状化または過剰増粘しないことが観察され、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されなかった。芳香は、安定していたが、芳香の強さは時がたつにつれて次第に弱まった。芳香は45℃で3ヶ月の時点で変化し始め、これは25℃で約2年と等しいと言えるだろう。クリームの表面の色は黒ずみ、褐変率は温度と相関性があり、光は褐変をわずかに促進した。しかしながらクリーム内側の色は安定したままであった。クリームは2年半以内に暗褐色になると予測された。エマルジョンは、分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。クリームは急激な温度変化によく対応していた。しかしながら、たった一凍結融解サイクルだけにしか耐えられなかった。続くサイクルでは、クリームの手触りはより堅く、シネレシスの徴候を示した。このクリームは、安定であり、予想される寿命は2年半を超えるとみなされた。
実施例9
【表9A】

【表9B】

【表9C】

【0210】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0211】
仕様
pHは、6.35±0.25で、6.10〜6.60の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、54%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、54,100cpsで、約48,000から58,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.982〜1.014の範囲であった。
【0212】
促進安定性試験
上記の実施例2で説明されたとおりに試験を実行した。
【0213】
pHは、全ての温度において安定したままであり、45℃でわずかであるが許容可能な低下があった。粘性はわずかに低下したが、液状化または過剰増粘しないことが観察され、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されてなかった。この低下は室温で1ヶ月毎に約1000cpsであったが、約6ヶ月から2年以内に8000cpsで安定することが予想された。
【0214】
芳香は、安定していたが、芳香の強さは時がたつにつれて次第に弱まった。芳香は45℃で3ヶ月の時点で変化し始め、これは25℃で約2年と等しいと言えるだろう。クリームの表面の色は黒ずみ、褐変率は温度と相関性があった。しかしながら色調はベージュの色調の範囲内のままであった。クリームは2年半以内に暗ベージュになるだろうと予測された。エマルジョンは、4から45℃の間で分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。クリームは急激な温度変化によく対応していた。クリームは、凍結融解サイクル後、広口瓶の表面にいくつかの水滴を示したが、エマルジョンは、分離しなかった。このクリームは、中程度に安定であり、予想される寿命は約1年半であるとみなされた。寿命は黒ずみに対する耐性を有して、約3年に達することができ得る。
実施例10
【表10A】

【表10B】

【0215】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0216】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例11
【表11A】

【表11B】

【表11C】

【0217】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0218】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
【0219】
臨床試験
マツクラ医師の監督の下で日本企業のメディカル・リサーチ・インターナショナル・インコーポレイテッドが、上記の実施例11および以下の実施例24の組成物を用いて有効性研究を行った。研究は、敏感な皮膚において組成物を試験することも意図された。単一中心の自由解答形式の研究を、健康な日本人ボランティア25人(年齢26歳〜62歳)に実施した。日本人の皮膚は、世界中で最も敏感な皮膚タイプのうちの1つであると知られている。
【0220】
処置は、各被験者により(年齢および皮膚状態毎に)1ヶ月から4.6ヶ月までの様々な期間、実施例2または実施例21のいずれかのセラムを1日2回、眼の輪郭、顔および首領域に塗布することを伴った。ボランティアは実施例2または実施例21のいずれかの30mL顔用セラムを受け取り、1回の塗布毎にポンプ3〜4プッシュを使用するように指示された。
【0221】
全被験者は、通常の衛生生活規制を続行すること、および、上記のセラムをクレンジング・ローション、トニック・ローション、保湿クリーム、昼夜用クリーム、マスクなどを含む被験者の他の通常美容ケア製品に加えることを要求された。
【0222】
以下のパラメータが観察された:総合的な皮膚の快適さ、しわ、皮膚肌色の透明度、皮膚の水分、皮膚細胞の網状組織。以下のように所望パラメータに適合された3つの方法を用いて皮膚の観察が行われた:1)総合的な皮膚の快適さ:被験者自身の評価;しわ:被験者自身の評価および研究者の記録;皮膚肌色の透明度:被験者自身の評価、研究者の記録、およびバックアップサポートとして塗布前後の写真、皮膚の水分 被験者自身の評価;皮膚細胞の網状組織:被験者自身の評価および研究者の記録。全ての被験者について0日に、そして各被験者に従って1,2,3または4.6ヶ月に観察が行われた。
【0223】
被験者自身の評価の結果は、1)80%のボランティアがセラムの手触り、塗布および香気を好み、一方で20%がセラムの手触り、塗布および香気をほどほどに好んだ;2)93%がこの生成物を使用しやすいと感じ、一方で7%がほどほどに使用しやすいと感じた;3)62%が皮膚の網状組織(肌理)に改善を感じ、31%が皮膚の網状組織にほどほどの改善を感じ、そして7%が皮膚の網状組織にほとんどまたは全く改善を感じなかった;4)64%が皮膚肌色(透明度)に改善を感じ、18%が皮膚肌色にほどほどの改善を感じ、そして18%が皮膚肌色にほどんとまたは全く改善を感じなかった;5)84%が皮膚の水分に改善を感じ、11%がほどほどの改善を感じ、そして5%がほとんど改善を感じなかった;6)50%が総合的な皮膚の快適さの改善を感じ;37%がほどほどの改善を感じ、そして13%が皮膚の快適さにほとんど改善を感じなかった;7)59%が顔のいくつかの領域におけるしわに改善を感じ、一方で41%はしわにほとんどまたは全く改善を感じなかった;8)72%がこの生成物を効果的だと感じ、11%がこの生成物をほどほどに効果的であると感じ、そして17%がこの生成物はほとんど効果的でないと感じた。さらに具体的には、以下の皮膚老化徴候ならびに皮膚の疾患および状態が、少なくとも一被験者において減少または治療された:炎症、酒さ性ざ瘡、発疹、末梢循環、活力喪失、たるみ、くすんだ皮膚肌色、斑、不安定血流、小じわ、しわ、不規則な皮膚肌色、拡張した、または詰まった毛穴、酒さ、アクネ、腫物、過剰皮脂、脂漏、および皮脂貯留。
【0224】
図1および図2は、皮膚の改善を示している処置前後の写真を提供する。図3は、ある期間の間の72歳女性の目の下のたるみの減少を示している。図4は、77歳男性の皮膚の皮脂の減少を示している。
【0225】
報告は、このセラムが皮膚の全体バランス、皮膚の外見、および皮膚の透明度(肌色)を改善するのを助けることを示している。美白製剤(実施例21の組成物)を使用した場合、皮膚を明るくし、時折褐斑の色を薄くする。総合的に、この生成物は、毒素、皮脂および他の不純物の排除において重要な要素である、脂質および血液の末梢微小循環を助けることにおいて、その有効性を示した。脂質および血液の末梢微小循環は、微小毛細血管ネットワークの改善に対する役割も担い、ゆえに、皮膚における乱された微小毛細血管ネットワークと関連する、酒さ、腫物、および他の同様の皮膚状態の危険性を減少する。数人の被験者が、この生成物を使用した最初の数日間、皮膚刺激を訴えたが、この問題はすぐに解決した。報告は、被験者のほとんどが高品質スキンケアおよび抗老化顔面トリートメントの常用者であったが、それにもかかわらず、本発明の組成物の規則的な適用は、日々かなりの皮膚改善を示したと述べている。
実施例12
【表12A】

【表12B】

【表12C】

【0226】
製造プロセス
1.ステンレス鋼容器中で、上記の表で特定されたグループ1の成分を共にGreaves(商標)ホモジナイザーを用いて混合した。混合物を5〜6FORおよび3〜4REVの間で速度および方向を変えながら撹拌した。撹拌は均質混合物が得られるまで継続した。
【0227】
2.ステップ1で説明された撹拌を継続しながら、グループ2の成分(エチルビスイミノメチルグアヤコール)を、計量皿(weighting boat)を用いて混合物上に振りかけた。ステップ1および2の混合時間は、合計約40分であった。
【0228】
3.グループ3の成分の第1部分(カルボマーナトリウム)をステップ2の混合物に(約20分にわたって)ゆっくりと振りかけ、同時にGreaves(商標)ホモジナイザーを用いて5±1FORで撹拌した。均質混合物が得られるまで、Greaves(商標)ホモジナイザーを用いて、また、手動でスパチュラを用いて混合を継続した。
【0229】
4.別個のステンレス鋼製容器の中で、グループ4の成分を共に、60に調節され80〜82℃に加熱されたBaldor(商標)撹拌器を用いて混合した。混合はステップ7まで継続した。
【0230】
5.残量の水を小さなLee(商標)タンクの中に注ぎ、80〜82℃まで加熱した。Leeson(商標)撹拌器、および4〜5に調節されたGreaves(商標)ホモジナイザーを用いて撹拌をしながら、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体以外のグループ5の成分をこの水に加えた。その後アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体を、スパチュラでたびたび混合しながらゆっくりと加えた。
【0231】
6.Leeson(商標)撹拌器、および3〜4REVに調節したGreaves(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌し、たびたび手動で攪拌しながら、グループ6の成分(カルボマーナトリウム)をステップ5の混合物に加えた。均質混合物が得られるまで混合を継続した。ステップ5および6の混合時間は、合計約35分であった。
【0232】
7.油性相(ステップ4)の温度が約80〜82℃に達し、ステップ6の水相の温度が約76〜78℃に達したとき、ステップ4の混合物を、Leeson(商標)撹拌器、4〜5FORに調節したGreaves(商標)ホモジナイザー、および手動でスパチュラを用いて攪拌しながらステップ6の混合物に混ぜ合わせた。完全なエマルジョンが得られるまで混合物を混合した。
【0233】
8.撹拌を維持しながら、グループ7の成分(残量のカルボマーナトリウム)をステップ7の混合物に(約15分にわたって)ゆっくりと加えた。温度を約76〜78℃に維持しながら、Greaves(商標)ホモジナイザーを4REVに調節し、滑らかな均質混合物が得られるまで、混合物を最大15分間、撹拌した。撹拌の間、2回にわたって弁に排出させた(すなわち、十分に混合するために、タンクの底部分が排出され、バッチの上部に注がれた)。
【0234】
9.撹拌を維持しながら、ステップ8の混合物を約68〜70℃まで冷却した。Greaves(商標)ホモジナイザーを4〜5REVに調節することによって撹拌を維持しながらこの温度に達したとき、グループ8の成分を混合物の中に振りかけた。
【0235】
10.撹拌を維持しながら、ステップ9の混合物を約48〜50℃まで冷却した。この温度に達したとき、グループ9の成分を加えた。均質混合物が得られるまで混合を約20分間継続した。タンクの壁部を手動で攪拌し、撹拌の間、弁に排出させた。
【0236】
11.撹拌を維持しながら、グループ10の混合物を約45℃まで冷却した。この温度に達したとき、撹拌を維持しながらステップ3の混合物を加えた。均質混合物が得られるまで、混合は約10分間継続した。タンクの壁部を手動で撹拌し、撹拌の間、弁に2回にわたって排出させた。
【0237】
12.Greaves(商標)ホモジナイザーを停止した。ステップ11の混合物の手動およびLeesonによる撹拌を、約15分間または混合物が約30±2℃に冷却されるまで、継続した。
【0238】
このスケールアッププロセスは、本願における本発明の様々な製剤への使用に適切である。
【0239】
促進安定性試験
試験に際し、サンプルは25℃および45℃で保管した。外見、香り、色は、2週間、1ヶ月、2ヶ月、および3ヶ月に測定した。外見:25℃または45℃で、滑らかな均質エマルジョンが観察され、褐色小斑点および分離徴候は観察されなかった。pHは、試験の間中、双方の温度において安定であった。
【0240】
25℃における粘性は2週間後、1500cpsだけ、11750cpsまで落ち、4週間後、2250cpsだけ、11000cpsまで落ちた。その後は、粘性は2ヶ月目および3ヶ月目の間、10250cpsまでゆっくりと低下した。粘性は時間が経過するにつれ変動するので、このことは重要ではない。
【0241】
45℃の粘性は4週間後、5250cpsだけ、8000cpsまで落ちた。生成物は、エマルジョン分離の徴候がなく、かなり安定していると評価される。この生成物は、室温で約2年の貯蔵寿命を有すると予想される。
【0242】
臨床試験
実施例12の組成物の安全性および有効性を、全ての皮膚タイプを有する、フランス本土の45歳から65歳までの女性ボランティア124人に試験した。ボランティアは、4週間の間、1日2回、各適用につきポンプを4回押すことによってこのスキンケアを使用し、顔にいかなる他のスキンケアも使用しないが、それ以外は美容習慣を変えないように指示された。
【0243】
回答者114人の調査票から収集されたデータを分析し、かつ、それらを10842のスキンケア事例のデータを含む消費者調査会社の顔スキンケアデータベースにおける対応データと比較することによって、いくつかの特徴的な点が確認された。この組成物は、1)皮膚の保湿において非常に有効である、すなわちデータベースの対応データよりも選択回答形式の質問において有意に良くなっている;2)皮膚を快適快適なままに保つことにおいて非常に有効である、すなわちデータベースの対応データよりも自由回答形式の質問において有意に良くなっている;ならびに3)しわを減少することにおいて非常に有効である、すなわちデータベースの対応データよりも自由回答形式の質問において有意に良くなっている、ということが立証された。報告はまた、不快率がデータベースの不快率よりも有意に低かったこと、また、許容率がデータベースの許容率と一致していたことから、この組成物の安全性プロファルが非常に良かったことを立証した。
実施例13
【表13A】

【表13B】

【表13C】

【0244】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0245】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例14
【表14A】

【表14B】

【表14C】

【0246】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0247】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
【0248】
4および25℃で、この生成物の安定性は良好であった。45℃でクリームは、帯黄色になり、エマルジョンの分離を引き起こした。この生成物の貯蔵寿命は、25℃で約1.5年と予測される。
実施例15
【表15A】

【表15B】

【表15C】

【0249】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0250】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
【0251】
このエマルジョンは、1ヵ月後全ての温度で分離した。
実施例16
【表16A】

【表16B】

【表16C】

【0252】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0253】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
【0254】
このエマルジョンは、1ヵ月後全ての温度で分離した。
実施例17
【表17A】

【表17B】

【表17C】

【0255】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップ1〜8を実施した。
【0256】
9.その後、エマルジョンの外見を改善し、処理中の水分喪失を補うために(すなわち産業において標準的であるように、製造中の水分損失を補うためにステップ1の間に3〜5%の追加の水を加えた)、バッチを、インライン式ホモジナイザー(inline homogenizer)、インサート・ドロップイン・ホモジナイザー(insert drop-in homogenizer)、または高剪断タービン混合ユニット(high sheer turbine-mixing unit)にかけた。エマルジョンが最終段階の添加後、わずかにインバーテッド(inverted)になったら、滑らかで均一の質感を得るために混合物を均質化した。
【0257】
10.混合物を25℃まで冷却し、混合物が一様になるまで混合を継続した。
【0258】
仕様
組成物のpHは、6.27±0.25で6.50〜6.02の範囲であった。
【0259】
Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例18
【表18A】

【表18B】

【表18C】

【0260】
製造プロセス
上記の実施例17で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0261】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例19
【表19A】

【表19B】

【表19C】

【表19D】

【0262】
製造プロセス
上記の実施例17で説明されたステップ1〜9に続いて組成物を調製した。
【0263】
10.グループNo.8の成分をその後、高エネルギー/プロペラミキサーの下、異なるケトル内で、これらの成分が完全に溶解しするまで予混合し、グループ1〜7の混合物に混ぜた。グループ8の成分をバッチに加えた際、バッチが十分に形成され一様であることを確実にするために上部および底部を観察した。
【0264】
11.グループ9、10および11の成分をその後、バッチを冷却しながらバッチに各々加えた。
【0265】
12.混合物を25℃まで冷却し、一様になるまで混合を継続した。
【0266】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例20
【表20A】

【表20B】

【表20C】

【表20D】

【0267】
製造プロセス
上記の実施例19で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0268】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例21
【表21A】

【表21B】

【0269】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0270】
仕様
組成物のpHは、6.26±0.25で、6.01〜6.51の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、58%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、116,000cpsで、約112,000から130,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.986〜1.026の範囲であった。
【0271】
促進安定性試験
試験および結果は、上記の実施例2で報告されたとおりであった。
実施例22
【表22A】

【表22B】

【0272】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0273】
仕様
pHは、6.26±0.25で、6.01〜6.51の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、3RPMでスピンドルNo.4、58%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、116,000cpsで、約112,000から130,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.006±0.02であり、0.986〜1.026の範囲であった。
【0274】
促進安定性試験
上記の実施例2で説明されたとおりに試験を実施した。
【0275】
pHは、全ての温度において安定したままであった。粘性はわずかに変化したが、液状化または過剰増粘は観察されず、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されてなかった。芳香は、安定していたが、芳香の強さは時がたつにつれて次第に弱まった。芳香は45℃で3ヶ月の時点で変化し始め、これは25℃で約2年と等しいと言えるだろう。クリームの表面の色は黒ずみ、褐変率は温度と相関性があり、光は褐変をわずかに促進した。クリームは2年半以内に中間褐色(medium brown)になると予測された。エマルジョンは、分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。クリームは急激な温度変化によく対応していた。しかしながら、たった一凍結融解サイクルだけにしか耐えられなかった。続くサイクルでは、クリームの手触りはより堅く、シネレシスの徴候を示した。このクリームは、わずかに安定であり、予想される寿命は長くて2年であるとみなされた。
実施例23
【表23A】

【表23B】

【表23C】

【0276】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップに従うことによって組成物を調製した。
【0277】
仕様
pHは、6.25±0.25で、6.00〜6.50の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、68%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、62,700cpsで、約55,000から65,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
【0278】
促進安定性試験
上記の実施例2で説明されたとおりに試験を実行した。
【0279】
pHは、全ての温度において安定したままであり、45℃でわずかであるが許容可能な低下があった。粘性はわずかに低下したが、液状化または過剰増粘は観察されず、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されなかった。この低下は室温で1ヶ月毎に約1000cpsであったが、約6ヶ月から2年以内に8000cpsで安定することが予想された。
【0280】
芳香は、安定していたが、芳香の強さは時がたつにつれて次第に弱まった。芳香は45℃で3ヶ月の時点で変化し始め、これは25℃で約2年と等しいと言えるだろう。クリームの表面の色は黒ずみ、褐変率は温度と相関性があった。光は褐変を促進しなかった。色調は45℃で褐色になった。クリームは20℃で、1年以内にベージュになり、2年以内に褐色になるだろうと予測された。エマルジョンは、4から45℃の間で分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。クリームは、凍結融解サイクル後、広口瓶の表面にいくつかの水滴を示したが、エマルジョンは、分離しなかった。このクリームは、中程度に安定であり、予想される寿命は約1年であるとみなされた。寿命は、黒ずみに対する耐性を有して約2年半に達し得る。
実施例24
【表24A】

【表24B】

【0281】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがうことによって組成物を調製した。
【0282】
仕様
pHは、6.25±0.25で、6.00〜6.50の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、35%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、35,400cpsで、約32,000から42,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.001±0.02であり、0.981〜1.021の範囲であった。
実施例25
【表25A】

【表25B】

【表25C】

【0283】
製造プロセス
上記の実施例12で説明されたプロセスステップにしたがって組成物を調製した。
【0284】
仕様
上記の実施例23で説明されたとおりである。
【0285】
促進安定性試験
試験に際し、サンプルは25℃および45℃で保管した。外見、香り、色は2週間、1ヶ月、2ヶ月、および3ヶ月に測定した。外見:25℃または45℃で、滑らかな均質エマルジョンが観察され、褐色小斑点および分離徴候は観察されなかった。pHは、試験の間中、両方の温度において安定であった。
【0286】
25℃における粘性は4週間後、2250cpsだけ、10500cpsまで落ちた。その後、粘性は、2ヶ月目および3ヶ月目の間に9000cpsまでゆっくりと低下した。粘性は時間が経過すると変動するので、このことは重要ではない。
【0287】
45℃の粘性は4週間後、6000cpsだけ、7000cpsまで落ちた。その後、粘性は、2ヶ月目および3ヶ月目の間に6250cpsまでゆっくりと低下した。生成物は、エマルジョン分離の徴候がなく、かなり安定していると評価される。この生成物は、室温で約2年の貯蔵寿命を有すると予想される。
実施例26
【表26A】

【表26B】

【表26C】

【0288】
製造プロセス
上記の実施例1で説明されたステップにしたがうことによって組成物を調製した。
【0289】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例27
【表27A】

【表27B】

【表27C】

【0290】
製造プロセス
上記の実施例17で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0291】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、66%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000〜52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例28
【表28A】

【表28B】

【0292】
製造プロセス
上記の実施例19で説明されたステップにしたがって組成物を調製した。
【0293】
仕様
pHは、6.27±0.25で、6.50〜6.02の範囲であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、45,200cpsで、約42,000から52,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。比重は、25℃でステンレス鋼グリースピクノメーターによると1.002±0.02であり、0.982〜1.022の範囲であった。
実施例29
【表29A】

【表29B】

【0294】
製造プロセス
1.ステンレス鋼製容器内で、上記の表に特定されたグループ1の成分を共に、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて混合した。一様な混合物が得られるまで混合物を均質化した。
【0295】
2.ステンレス鋼製容器内に、グリセリンを加え、エチルビスイミノメチルグアヤコールを振りかけた(グループ2の成分)。この混合物を5分間、手動ホモジナイザーで攪拌し、その後グループ1の成分の混合物に加えた。結果として生じたグループ1および2の成分の混合物を、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低20分間撹拌した。サンプルを視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない褐色粒子がないことを確実にした。
【0296】
3.小さなLee(商標)タンク内で、水を75±5℃まで加熱した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、水の一部(および)グリセリン(および)ギシギシ属抽出物(Tyrostat−11)(グループ3)を加えた。混合物をその後、最低15分間、または、均質混合物が得られるまで、撹拌した。
【0297】
4.5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いた撹拌を維持しながら、かつ、混合物の温度を80±2℃に維持しながら、グループ4の成分を以下のように加えた:カルボマーナトリウムをステップ3の混合物にゆっくりと加えた。混合物をその後、20分を超えず最低5分間、十分に混合し、その後アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体をゆっくりと加えた。均質混合物が得られるまで混合物を撹拌した。
【0298】
5.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内に、グループ5の成分を以下のように加えた:ポリソルベート40およびスクアランHQを加えて5分間混合した。その後、ビタミンE、αビサボロールラセミ体、および、ジパルミトイルヒドロキシプロリンを加えた。一様な混合物が得られるまで、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて混合物を撹拌した。
【0299】
6.油性相(ステップ5)の温度が80±2℃に達し、水性相(ステップ4)の温度が80±2℃に達したとき、ステップ5の混合物をステップ4の混合物中へ攪拌しながら移した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低15分間撹拌を継続した。
【0300】
7.均質混合物が得られるまで、3±1に設定したGreaves(商標)、または1400±200rpmでGreaves 2(商標)を用いて撹拌を維持しながら、ステップ6の混合物を48±2℃まで冷却した。
【0301】
8.5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、ステップ7の混合物をステップ2の混合物にゆっくりと加えた。その後、撹拌を、20分を超えず最低10分間、あるいは、滑らかで均質の混合物が得られるまで、維持した。サンプル混合物を視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない粒子がないことを確実にした。
【0302】
9.混合物をその後25±2℃まで冷却した。サンプル混合物を視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない粒子がないことを確実にした。
【0303】
仕様
pHは、6.1であり、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield(商標)LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、34,000cpsで、約30,000から45,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、白色半透明ゲルの外見であった。
【0304】
促進安定性試験
生成物の安定性を促進老化プロセスにより試験した。この生成物を3ヶ月の間、4℃、25℃および40℃にさらした。時間0、1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月の時点で測定および観察を行った。以下のパラメータを測定した:pH、粘性、色、官能観察、皮膚上での官能知覚、ならびに分離の出現および徴候。外見の観察は、温度の急激な変動に続いて、および凍結融解サイクル後に行った。
【0305】
pHは、全ての温度においてかなり安定したままであり、40℃でわずかであるが許容可能な低下があった。粘性はわずかに低下したが、液状化または過剰増粘は観察されず、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されなかった。この低下は室温で1ヶ月毎に約3,000cpsであったが、約6ヶ月から2年以内に8,000cpsで安定することが予想された。
【0306】
芳香および色は、安定していた。この調製物は、分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。ゲルは急激な温度変化によく対応していた。しかしながら、たった一凍結融解サイクルだけにしか耐えられなかった。続くサイクルでは、ゲルの手触りはより堅く、シネレシスの徴候を示した。このゲルは、かなり安定であり、予想される寿命は約2年であるとみなされた。
実施例30
【表30A】

【表30B】

PF:パラベン非含有
【0307】
製造プロセス
1.ステンレス鋼製容器内で、上記の表に特定されたグループ1の成分を共に、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて混合した。一様な混合物が得られるまで混合物を均質化した。
【0308】
2.ステンレス鋼製容器内に、グループ2の成分を以下のように加えた:グリセリンを加え、エチルビスイミノメチルグアヤコールを振りかけた(グループ2の成分)。この混合物を5分間、手動ホモジナイザーで攪拌し、その後グループ1の成分の混合物に加えた。グループ1および2の成分の混合物を、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低10分間撹拌した。サンプルを視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない褐色粒子がないことを確実にした。
【0309】
3.ステンレス鋼製容器内で、水の一部およびTyrostat−11(グループ3)を加えて、この混合物を75±5℃まで加熱した。その後、手動ホモジナイザーで攪拌しながら、最低15分間、または、均質混合物が得られるまで、混合物を均質化した。
【0310】
4.5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いた撹拌を維持しながら、かつ、混合物の温度を80±2℃に維持しながら、グループ4の成分を以下のように加えた:カルボマーカリウムをステップ3の混合物にゆっくりと加えた。混合物をその後、最低5分間、十分に混合し、その後アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25クロスポリマーをゆっくりと加えた。均質混合物が得られるまで混合物を撹拌した。
【0311】
5.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内に、グループ5の成分を以下のように加えた:スクアランHQ、ビタミンE、αビサボロールラセミ体、および、ジパルミトイルヒドロキシプロリン。一様な混合物が得られるまで、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、混合物を80±20℃まで加熱した。
【0312】
6.油性相(ステップ5)の温度が80±2℃に達し、水性相(ステップ4)の温度がが80±2℃に達したとき、ステップ5の混合物をステップ4の混合物中へ攪拌しながら移した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低15分間撹拌を継続した。
【0313】
7.ホモジナイザーを止め、ステップ6の混合物を48±2℃まで冷却した。
【0314】
8.5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、ステップ7の混合物をステップ2の混合物にゆっくりと加えた。その後、撹拌を、20分を超えず最低10分間、あるいは、滑らかで均質の混合物が得られるまで、維持した。サンプル混合物を視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない粒子がないことを確実にした。混合物をその後25±2℃まで冷却した。サンプル混合物を視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない粒子がないことを確実にした。
【0315】
仕様
pHは、6.0であり、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield(商標)LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、44,000cpsで、約40,000から55,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。
【0316】
促進安定性試験
生成物の安定性を促進老化プロセスにより試験した。この生成物を3ヶ月の間、4℃、25℃および40℃にさらした。時間0、1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月の時点で測定および観察を行った。以下のパラメータを測定した:pH、粘性、色、官能観察、皮膚上での官能知覚、ならびに分離の出現および徴候。外見の観察は、温度の急激な変動に続いて、および凍結融解サイクル後に行った。
【0317】
pHは、全ての温度において安定したままであり、40℃でわずかであるが許容可能な低下があった。粘性はわずかに低下したが、液状化または過剰増粘しないことが観察され、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されなかった。この低下は室温で1ヶ月毎に約1,000cpsであったが、約6ヶ月から2年以内に約8,000cpsで安定することが予想された。
【0318】
芳香は安定していた。クリームの表面の色は黒ずみ、褐変率は温度と相関性があった。光は褐変を促進しなかった。クリームは、1年以内にベージュになるだろうと予測された。エマルジョンは、分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。クリームは急激な温度変化によく対応していた。しかしながら、たった一凍結融解サイクルだけにしか耐えられなかった。続くサイクルでは、クリームの手触りはより堅く、シネレシスの徴候を示した。このクリームは、かなり安定であり、予想される寿命は約2年であるとみなされた。
実施例31
【表31A】

【表31B】

【表31C】

【表31D】

PF:パラベン非含有
【0319】
製造プロセス
1.ステンレス鋼製容器内で、上記の表で特定されたグループ1の成分を共に、約10分間、または一様な混合物が得られるまで、手動ホモジナイザーで混合した。混合物を後のステップで混ぜ合わせるまで放置した。このステップを短くするために、熱を加え(<60℃)撹拌することによって、HDPRを別に予め水和させることができる。
【0320】
2.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内で、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを使用して攪拌しながら、上記の表に特定されたグループ2の成分を
共に混合した。一様な混合物が得られるまで混合物を撹拌した。
【0321】
3.ステンレス鋼製容器内に、グリセリンを加え、エチルビスイミノメチルグアヤコールをふりかけた(グループ3の成分)。約10分間、または均質混合物が得られるまで、混合物を手動ホモジナイザーで撹拌した。
【0322】
4.最低15分間撹拌を継続しながら、ステップ3の混合物をステップ2の混合物の中に移した。サンプルを視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない褐色粒子がないことを確実にした。
【0323】
5.最低15分間撹拌を継続しながら、ステップ4の混合物をステップ1の混合物の中に移した(グループ1,2および3の成分の混合)。
【0324】
6.小さいLee(商標)タンク内で、水を75±5℃まで加熱した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いた撹拌を継続しながら、PEG−8/SMDI共重合体を加えた(グループ4の成分)。最低15分間、または均質混合物が得られるまで撹拌を継続した。
【0325】
7.ステップ6の混合物の温度を75±2℃に維持し、かつ、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いた撹拌を維持しながら、グループ5の成分を以下のように加えた:カルボマー(Synthalen L)をゆっくりと加えた。15分を超えず最低10分間混合物を十分に混合し、その後アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体(Aristoflex AVC)をゆっくりと加えた(グループ5の成分)。均質混合物が得られるまで混合物を混合した。(グループ4および5の成分の混合)
【0326】
8.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内で、30±10に設定したLeeson(商標)ホモジナイザー、または、5±1に設定したLeeson 2(商標)ホモジナイザー、または、80±10に設定したBaldor(商標)ホモジナイザーを用いて撹拌しながら、上記の表に特定されたグループ6の成分を混合し、80±2℃で共に
溶かした。その後、手動ホモジナイザーを使用して、上記の表に特定されたグループ7の成分を加え、一様な混合物が得られるまで混合物を混合した。(グループ6および7の成分の混合)
【0327】
9.油性相(ステップ8)の温度が80±2℃に達し、水性相(ステップ7)の温度が75±2℃に達したとき、攪拌しながらステップ8の混合物をステップ7の混合の中に移した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低20分間撹拌を継続した。(グループ4〜7の成分の混合)。
【0328】
10.一様な混合物が得られるまで、4±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1600±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、ステップ9の混合物の均質化を継続し、その後、48±2℃まで冷却した。(グループ4〜7の成分の混合)
【0329】
11.4±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1600±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを使用して、シクロメチコンおよびポリシリコーン−11(Gransil GCM)(グループ8の成分)をステップ10の混合物に加えた。20分を超えず最低10分間、または均質混合物が得られるまで、混合物を撹拌した。(グループ4〜8の成分の混合)。
【0330】
12.その後、4±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1600±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、ステップ11の混合物を38±2℃まで冷却した。(グループ4〜8の成分の混合)
【0331】
13.ステンレス鋼製容器内に、水およびデヒドロ酢酸(Geogard 111 A)(グループ9の成分)を注いで、均質混合物が得られるまでスパチュラで混合した。(グループ9の成分の混合)
【0332】
14.5±1に設定したGreaves(商標)、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)を用いて攪拌しながら、ステップ5および13からの混合物をステップ12の混合物の中に移した。その後、20分を超えず最低10分間、または滑らかで均質な混合物が得られるまで、撹拌を継続した。この混合物を25±2℃まで冷却した。混合物のサンプルを視覚的に検査して、サンプルに褐色粒子すなわち溶解されていない粒子がないことを確実にした。
【0333】
仕様
pHは、5.5であり、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield(商標)LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、41,000cpsで、約40,000から55,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。
【0334】
促進安定性試験
生成物の安定性を促進老化プロセスにより試験した。その生成物を3ヶ月の間、4℃、25℃および40℃にさらした。時間0、1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月の時点で測定および観察を行った。以下のパラメータを測定した:pH、粘性、色、官能観察、皮膚上での官能知覚、ならびに分離の出現および徴候。外見の観察は、温度の急激な変動に続いて、および凍結融解サイクル後に行った。
【0335】
pHは、全ての温度において安定したままであり、40℃でわずかであるが許容可能な低下があった。粘性はわずかに低下したが、液状化または過剰増粘しないことが観察され、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されなかった。この低下は室温で1ヶ月毎に約1,000cpsであったが、約6ヶ月から2年以内に8,000cpsで安定することが予想された。
【0336】
芳香は、安定していたが、芳香の強さは時がたつにつれて次第に弱まった。芳香は40℃で3ヶ月の時点で変化し始め、これは25℃で約2年と等しいと言えるだろう。クリームの表面の色は黒ずみ、褐変率は温度と相関性があった。光は褐変を促進しなかった。クリームは、1年以内にベージュになるだろうと予測された。エマルジョンは、分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。クリームは急激な温度変化によく対応していた。しかしながら、たった一凍結融解サイクルだけにしか耐えられなかった。続くサイクルでは、クリームの手触りはより堅く、シネレシスの徴候を示した。このクリームは、かなり安定であり、予想される寿命は約2年であるとみなされた。
実施例32
【表32A】

【表32B】

【表32C】

【表32D】

PF:パラベン非含有
【0337】
製造プロセス
エマルジョン安定化剤としてカルボマーの代わりにカルボマーカルシウムカリウムを加えたことを除いて、上記の実施例31で説明されたステップにしたがうことによって組成物を調製した。
【0338】
仕様
pHは、5.4で、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、44,000cpsで、約40,000から55,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、使用された香料に特有のものであった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。
【0339】
促進安定性試験
試験および結果は、上記の実施例31で報告されたとおりであった。
実施例33
【表33A】

【表33B】

【表33C】

【表33D】

PF:パラベン非含有
【0340】
製造プロセス
上記の実施例31で説明されたステップにしたがうことによって組成物を調製した。
【0341】
仕様
pHは、5.5で、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、47,000cpsで、約40,000から55,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、使用された香料に特有のものであった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。
【0342】
促進安定性試験
試験および結果は、上記の実施例31で報告されたとおりであった。
実施例34
【表34A】

【表34B】

【表34C】

【表34D】

PF:パラベン非含有
【0343】
製造プロセス
エマルジョン安定化剤としてカルボマーの代わりにキサンタンガムを加えたことを除いて、上記の実施例31で説明されたステップにしたがうことによって組成物を調製した。
【0344】
仕様
pHは、5.6で、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、48,000cpsで、約40,000から55,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、使用された香料に特有のものであった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。
【0345】
促進安定性試験
試験および結果は、上記の実施例31で報告されたとおりであった。
実施例35
【表35A】

【表35B】

【0346】
製造プロセス
1.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内で、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを使用して攪拌しながら、上記の表に特定されたグループ1の成分を共に混合した。一様な混合物が得られるまで混合物を撹拌した。
【0347】
2.ステンレス鋼製容器内に、グループ2の成分を以下のように加えた:グリセリンを加え、エチルビスイミノメチルグアヤコールをふりかけた。約10分間、または均質混合物が得られるまで、混合物を手動ホモジナイザーで撹拌した。
【0348】
3.最低15分間撹拌を継続しながら、ステップ2の混合物をステップ1の混合物の中に移した。サンプルを視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない褐色粒子がないことを確実にした。(グループ1および2の成分の混合)
【0349】
4.小さいLee(商標)タンク内で、水を75±5℃まで加熱した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いた撹拌を継続しながら、グループ3の成分を以下のように加えた:カルボマーナトリウムをゆっくりと加えた。15分を超えず最低10分間混合物を十分に混合し、その後アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体(Aristoflex AVC)をゆっくりと加えた。均質混合物が得られるまで混合物を混合した。(グループ3の成分の混合)
【0350】
5.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内で、30±10に設定したLeeson(商標)ホモジナイザー、または、5±1に設定したLeeson 2(商標)ホモジナイザー、または、80±10に設定したBaldor(商標)ホモジナイザーを用いて撹拌しながら、上記の表に特定されたグループ4の成分を混合し、80±2℃で共に溶かした。その後、手動ホモジナイザーを使用して、一様な混合物が得られるまで混合物を混合した。(グループ4の成分の混合)
【0351】
6.油性相(ステップ5)の温度が80±2℃に達し、水性相(ステップ4)の温度が75±2℃に達したとき、ステップ5の混合物をステップ4の混合物中へ攪拌しながら移した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低10分間撹拌を継続した。(グループ3〜4の成分の混合)。
【0352】
7.4±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1600±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて撹拌しながら、一様なゲルが得られるまでステップ6の混合物を攪拌し、38±2℃まで冷却した。
【0353】
8.5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、ステップ3の混合物をステップ7の混合物の中にゆっくりと移した。その後、10分を超えず最低5分間、あるいは、滑らかで均質の混合物が得られるまで、撹拌を継続した。混合物をその後、25±2℃まで冷却した。サンプル混合物を視覚的に検査して、サンプルに褐色粒子すなわち溶解されていない粒子がないことを確実にした。
【0354】
仕様
pHは、5.8であり、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、44,000cpsで、約40,000から55,000cpsの間の範囲であった。色はわずかに黄色であった。香りは、わずかにフルーツのような特徴があった。外見は、幾分不透明ゲルの外見であった。
【0355】
促進安定性試験
生成物の安定性を促進老化プロセスにより試験した。この生成物を3ヶ月の間、4℃、25℃および40℃にさらした。時間0、1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月の時点で測定および観察を行った。以下のパラメータを測定した:pH、粘性、色、官能観察、皮膚上での官能知覚、ならびに分離の出現および徴候。外見の観察は、温度の急激な変動に続いて、および凍結融解サイクル後に行った。
【0356】
pHは、全ての温度においてかなり安定したままであり、40℃でわずかであるが許容可能な低下があった。粘性は低下したが、液状化または過剰増粘は観察され、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されなかった。この低下は室温で1ヶ月毎に約2,000cpsであったが、約6ヶ月から2年以内に8,000cpsで安定することが予想された。
【0357】
芳香は、安定していた。ゲルの色はほぼ同じに留まっていた。ゲルは、分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。ゲルは急激な温度変化によく対応していた。しかしながら、たった一凍結融解サイクルだけにしか耐えられなかった。続くサイクルでは、ゲルの手触りはより堅く、シネレシスの徴候を示した。このゲルは、かなり安定であり、予想される寿命は約2年であるとみなされた。
実施例36
【表36A】

【表36B】

【表36C】

【表36D】

PF:パラベン非含有
【0358】
製造プロセス
1.ステンレス鋼製容器内で、上記の表で特定されたグループ1の成分を共に、約10分間、または一様な混合物が得られるまで、手動ホモジナイザーで混合した。混合物を後のステップで混ぜ合わせるまで放置した。(グループ1の成分の混合)
【0359】
2.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内で、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを使用して攪拌しながら、上記の表に特定されたグループ2の成分を共に混合した。一様な混合物が得られるまで混合物を撹拌した。(グループ2の成分の混合)
【0360】
3.ステンレス鋼製容器内で、グリセリンを加え、エチルビスイミノメチルグアヤコールをふりかけた(グループ3の成分)。約5分間、または均質混合物が得られるまで、混合物を手動ホモジナイザーで撹拌した。この混合物をステップ2の混合物の中に移した(グループ2〜3の成分の混合)。
【0361】
4.最低20分間、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを使用した攪拌を継続しながら、ステップ1の混合物をステップ3の混合物の中に移した。サンプルを視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない褐色粒子および色素がないことを確実にした。(グループ1〜3の成分の混合)
【0362】
5.小さいLee(商標)タンク内で、水を75±5℃まで加熱した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いた撹拌を継続しながら、グリセリンおよびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを加えた。PEG−8/SMDI共重合体をその後加えた(グループ4の成分)。最低15分間、または均質混合物が得られるまで混合物を混合した。(グループ4の成分の混合)
【0363】
6.その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いてステップ5の混合物の撹拌を継続しながら、かつ、混合物の温度を80±℃に維持しながら、カルボマーナトリウムをゆっくりと加えた。20分を超えず最低15分間混合物を十分に混合し、その後、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体(Aristoflex AVC)をゆっくりと加えた(グループ5の成分)。均質混合物が得られるまで、混合物を混合した。(グループ4〜5の成分の混合)
【0364】
7.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内で、上記の表に特定されたグループ6の成分を共に5分間混合した。上記の表に特定されたグループ7の成分をその後加えた。その後混合物を、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて10分間撹拌した。その後グループ8の成分を加えた。混合物を共に80±2℃に加熱し、撹拌を継続しながら、上記の表に特定されたグループ9の成分を加え、一様な混合物が得られるまで混合物を混合した。(グループ6〜9の成分の混合)
【0365】
8.油性相(ステップ7)の温度が80±2℃に達し、水性相(ステップ6)の温度が75±2℃に達したとき、攪拌しながらステップ7の混合物をステップ6の混合物の中に移した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低15分間撹拌を継続した。(グループ4〜9の成分の混合)。
【0366】
9.ステップ9の混合物を、3±1でGreaves(商標)を、または1400±200rpmでGreaves 2(商標)を用いて攪拌しながら、48±2℃まで冷却した。(グループ4〜9の成分の混合)。
【0367】
10.ホモジナイザーを使用して、シクロメチコン&ポリシリコーン−11およびポリアミノプロピルビグアニド(グループ10の成分)を、ステップ9の混合物に加えた。混合物をその後、5±1でGreaves(商標)ホモジナイザーを、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低10分間、または均質混合物が得られるまで混合した。(グループ4〜10の成分の混合)。
【0368】
11.ステップ10の混合物を38±2℃まで冷却した。
【0369】
12.5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、ステップ4の混合物をステップ11の混合物の中にゆっくりと移した。その後、20分を超えず最低10分間、または、滑らかで均質な混合物が得られるまで、撹拌を継続した。(グループ1〜10の成分の混合)
【0370】
13.ステンレス鋼製容器内に、水およびGeogard 111 Aを加えた(グループ11の成分)。均質混合物が得られるまで混合物をスパチュラで撹拌した。(グループ11の成分の混合)
【0371】
14.5±1に設定したGreaves(商標)、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)を用いて攪拌しながら、ステップ13の混合物をステップ12の混合物の中にゆっくりと移した。混合物を25±2℃まで冷却した。サンプル混合物を視覚的に検査して、サンプルに褐色の溶解されていない粒子がないこと、またいかなる色素も含有していないことを確実にした。
【0372】
仕様
pHは、5.7であり、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、50,000cpsで、約40,000から55,000cpsの間の範囲であった。色はピンクがかった色調の淡いベージュであった。香りは、使用された香料に典型的なものであった。外見は、滑らかな均質クリームの外見であった。
【0373】
促進安定性試験
生成物の安定性を促進老化プロセスにより試験した。この生成物を3ヶ月の間、4℃、25℃および40℃にさらした。時間0、1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月の時点で測定および観察を行った。以下のパラメータを尺度とした:pH、粘性、色、官能観察、皮膚上での官能知覚、ならびに分離の出現および徴候。外見の観察は、温度の急激な変動に続いて、および凍結融解サイクル後に行った。
【0374】
pHは、全ての温度において安定したままであった。粘性は4℃および25℃で安定していたが、40℃では1ヵ月後に15,000cpsだけ、34,400cpsまで急激に低下した。しかしながら、液状化または過剰増粘は観察され、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されなかった。粘性は、2年以内は約8,000cpsで安定することが予想される。
【0375】
芳香は、安定していたが、芳香の強さは時がたつにつれて次第に弱まった。芳香は40℃で3ヶ月の時点で変化し始め、これは25℃で約2年と等しいと言えるだろう。クリームの色は、バッチごとにわずかに異なる傾向にあったが、時間に対してはむしろ安定していた。エマルジョンは、分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。クリームは急激な温度変化によく対応していた。しかしながら、たった一凍結融解サイクルだけにしか耐えられなかった。続くサイクルでは、クリームの手触りはより堅く、シネレシスの徴候を示した。このクリームは、かなり安定であり、予想される寿命は約2年であるとみなされた。
実施例37
【表37A】

【表37B】

【表37C】

【0376】
製造プロセス
1.ステンレス鋼製容器内で、上記の表で特定されたグループ1の成分を共に、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、一様な混合物が得られるまで混合した。混合物を後のステップで混ぜ合わせるまで放置した。(グループ1の成分の混合)
【0377】
2.コールター・タンクまたはステンレス鋼製容器内で、上記の表に特定されたグループ2の成分を共に混合した。混合物を5分間手動ホモジナイザーで撹拌し、ステップ1の混合物に加えた。(グループ1〜2の成分の混合)
【0378】
3.5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを使用して、最低20分間撹拌を継続した。サンプルを視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない褐色粒子および色素がないことを確実にした。(グループ1〜2の成分の混合)
【0379】
4.小さいLee(商標)タンク内で、水を75±5℃まで加熱した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いた撹拌を継続しながら、グループ3の成分を加えた。最低15分間、または均質混合物が得られるまで混合物を混合した。(グループ3の成分の混合)
【0380】
5.その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いたステップ4の混合物の撹拌を継続しながら、かつ、混合物の温度を80±℃に維持しながら、カルボマーナトリウムをゆっくりと加えた。20分を超えず最低15分間混合物を十分に混合し、その後、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体(Aristoflex AVC)をゆっくりと加えた(グループ4の成分)。均質混合物が得られるまで、混合物を混合した。(グループ3〜4の成分の混合)
【0381】
6.コールター(商標)タンクまたはステンレス鋼製容器内で、上記の表に特定されたグループ5の成分を共に5分間混合した。その後、上記の表に特定されたグループ6の成分を加えた。混合物を80±2℃に維持し、撹拌を継続しながら、上記の表に特定されたグループ7の成分を加え、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、一様な混合物が得られるまで混合物を混合した。(グループ5〜7の成分の混合)
【0382】
7.油性相(ステップ6)の温度が80±2℃に達し、水性相(ステップ5)の温度が75±2℃に達したとき、攪拌しながらステップ6の混合物をステップ5の混合物の中に移した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低15分間撹拌を継続した。(グループ3〜7の成分の混合)
【0383】
8.ステップ7の混合物を75℃まで冷却し、3±1でGreaves(商標)を、または1400±200rpmでGreaves 2(商標)を用いて攪拌しながら、グループ8の成分を加えた。3±1でGreaves(商標)を、または1400±200rpmでGreaves 2(商標)を用いて攪拌しながら、48±2℃まで冷却を続行した。(グループ3〜8の成分の混合)
【0384】
9.ホモジナイザーを使用して、上記の表に特定されたグループ9の成分をステップ8の混合物に加えた。その後混合物を、5±1でGreaves(商標)ホモジナイザーを、または1800±200rpmでGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて、最低10分間、または、均質混合物が得られるまで、混合した。(グループ3〜9の成分の混合)
【0385】
10.ステップ9の混合物を38±2℃まで冷却した。
【0386】
11.5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、ステップ3の混合物をステップ10の混合物の中にゆっくりと移した。その後、20分を超えず最低10分間、または滑らかで均質な混合物が得られるまで、撹拌を継続した。サンプルを視覚的に検査して、サンプルに溶解されていない褐色粒子および色素がないことを確実にした。(グループ1〜9の成分の混合)
【0387】
12.ステンレス鋼製容器内に、水およびGeogard 111 Aを加えた(グループ10の成分)。均質混合物が得られるまでスパチュラで混合物を撹拌した。(グループ10の成分)。
【0388】
13.5±1に設定したGreaves(商標)、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)を用いて攪拌しながら、ステップ12の混合物をステップ11の混合物の中にゆっくりと移した。その後、5±1に設定したGreaves(商標)ホモジナイザー、または1800±200rpmに設定したGreaves 2(商標)ホモジナイザーを用いて攪拌しながらグループ11の成分を加え、均質混合物が得られるまで撹拌した。混合物を25±2℃に冷却した。サンプル混合物を視覚的に検査して、サンプル混合物に褐色の溶解されていない粒子がないこと、またいかなる色素も含有していないことを確実にした。
【0389】
仕様
pHは、5.1であり、典型的な値は5.0から6.5の間であった。Brookfield LVT DV I型、25℃/1分、6RPMでスピンドルNo.4、45%でのダイヤル読取値で算定された粘性は、47,000cpsで、約40,000から55,000cpsの間の範囲であった。色はオフホワイトから幾分ベージュであった。香りは、使用された香料に特有のものであった。外見は、滑らかな質感があり、適度に粘性のクリームの外見であった。
【0390】
促進安定性試験
試験は、上記の実施例36で説明されたとおりに実施した。
【0391】
pHは、全ての温度において安定したままであり、40℃でわずかであるが許容可能な低下があった。粘性はわずかに低下したが、液状化または過剰増粘は観察され、皮膚に塗布されたとき粘性の変化は観察されなかった。この低下は室温で1ヶ月毎に約1,000cpsであったが、約6ヶ月から2年以内に8,000cpsで安定することが予想された。
【0392】
芳香は、安定していたが、芳香の強さは時がたつにつれて次第に弱まった。芳香は40℃で3ヶ月の時点で変化し始め、これは25℃で約2年と等しいと言えるだろう。クリームの表面の色は黒ずみ、褐変率は温度と相関性があった。光は褐変を促進しなかった。クリームは、1年以内にベージュになるだろうと予測された。エマルジョンは、分離またはシネレシスすることなく全ての温度において安定したままであった。クリームは急激な温度変化によく対応していた。しかしながら、たった一凍結融解サイクルだけにしか耐えられなかった。続くサイクルでは、クリームの手触りはより堅く、シネレシスの徴候を示した。このクリームは、かなり安定であり、予想される寿命は約2年であるとみなされた。
実施例38
【表38A】

【表38B】

【表38C】

【表38D】

【0393】
1.グループ1の成分(またはそのうちの選択したもの)を、それらが溶解するように徐々に(例えば一つずつ)、ステンレス鋼製タンクに加える。約40℃および60℃未満の加熱ならびに撹拌は必要ではないが、このステップを加速することができる。いくつかの器具でグループ2の成分をグループ1の成分に混ぜ合わせることができ得る。
【0394】
2.ステンレス鋼製タンク内で、ホモジナイザーまたは任意の適切な撹拌器を用いて、グループ2の成分(またはそのうちの選択したもの)を混合する。一様な混合物に達するまで混合物を均質化する。
【0395】
3.ステンレス鋼製タンク内に、グループ3の成分を加える:グリセリン、それからEuk−134を振りかけ/ふりかける。混合物を手動で約5分間均質化し、ステップ2の混合物に加える。このステップはEuk−134の不適当な混合を防ぐために有用であるが、Euk 134を混合物に均質的に徐々に加えることができるなら、回避することもできる。
【0396】
4.ステップ1の混合物を、(使用する器具に応じて)約7分±5分間攪拌しながらステップ3の混合物に混ぜ合わせる。サンプルが褐色の溶解されていない粒子を含有していないことを確実にするために、サンプルを視覚化する。(グループ1〜3の成分の混合)
【0397】
5.ステンレス鋼製タンク内で、水の一部を75±10℃に加熱する。攪拌しながら(例えば手動ホモジナイザー)、第2部分のグリセリンにグループ4の成分を徐々に(例えば一つずつ)加える。混合物を(使用する器具に応じて)少なくとも15分±5分間、または均質混合物が得られるまで、均質化する。
【0398】
6.均質化を維持し、かつ混合物の温度を80±12℃に維持しながら、グループ5の成分を、キサンタンガムまたはカルボマーから始めて、ステップ5の混合物にゆっくりと加える。混合物を、(使用する器具に応じて)少なくとも5分±3分間混合する。その後、アクリロイルジメチルタウリン酸誘導体をゆっくりと加える。均質になるまで混合物を混合する。キサンタンガムを使用する場合、良好な分散を確実にするために撹拌することが望ましい。代替的に別の固形物と共に混合することもできる(例えば、Euk−134)。(グループ4〜5の成分の混合)
【0399】
7.ステンレス鋼製タンク内に、グループ6の成分(またはそのうちの選択したもの)を徐々に(例えば一つずつ)加える。最適には、成分の混ぜ合わせを容易にするために各成分の添加後、この混合物を(使用する器具に応じて)約2〜12分間攪拌する。その後混合物を、Gransil PMゲルおよびGransil DMG−6を加える前に、均質化を維持しながら70±15℃まで加熱する。その後、一様な混合物を得るまで、混合物を均質化する。温度、期間、および撹拌速度は、使用する器具(表面面積、器具が作製されている材料、熱伝導率、撹拌器の形状およびモデルなど)に応じて様々であり得、所望の均質度に達成するように調節することができる。
【0400】
8.油性相(ステップ7)の温度が80±2℃に達し、水性相(ステップ6)の温度が75±2℃に達したとき、攪拌しながらステップ7の混合物をステップ6の混合物の中に移す。その後、使用する器具に応じて最低15分±7分間、撹拌を継続する。
【0401】
9.その後撹拌器を止め、ステップ8の混合物を34±7℃まで冷却する。
【0402】
10.均質化しながら、グループ7の成分をステップ9の混合物に徐々に(例えば一つずつ)加える。その後、均質混合物が得られるまで、混合物を撹拌する(使用する器具に応じて約15分±7分)
【0403】
11.その後、ステップ10の混合物を約34±7℃まで冷却する。
【0404】
12.ステップ4の混合物を、均質化しながらステップ11の混合物にゆっくりと加える。均質化は、約20分間、または滑らかで均質な混合物が得られるまで維持する。
【0405】
13.ステンレス鋼製タンク内で、水の一部を使用してGeogard 111 Aを分散する。グループ8の残りの成分(またはそのうちの選択したもの)をスパチュラまたは他の器具を用いて徐々に(例えば一つずつ)加える。この添加は、ステップ12のタンクを冷却しながら、このタンクの中に直接実施することもできる。
【0406】
14.均質化しながら、ステップ13の混合物をステップ12の混合物の中にゆっくりと移す。その後混合物を25±8℃まで冷却し、滑らかな均質混合物が得られるまで撹拌する。
【0407】
本発明は、その特定の実施形態により本明細書において上記で説明されたが、特許請求の範囲に定められた本発明の精神および性質から逸脱することなく変更することもできる。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも10種類の単離された活性剤を含む局所用組成物であって、
それぞれの単離された活性剤は、抗酸化活性、抗マトリックスメタロプロテイナーゼ(MPP)活性、抗エラスターゼ活性、抗炎症活性、抗刺激活性、微小循環維持活性、コラーゲン合成活性、エネルギー生産活性、酸素供給活性、DNA保護および修復活性、細胞固定支持活性、真皮−表皮粘着支持活性、細胞再生活性、グリコサミノグリカンの合成および/または保護活性、損傷タンパク質の保護および/または修復および/または排除活性、皮膚免疫機能の保護活性、含水活性、皮膚色素沈着の調節活性、ならびに、抗セルライト活性からなる群から選択される少なくとも1つの活性を有し、前記組成物は、上述した前記活性のうち少なくとも5つを所有する、局所用組成物。
【請求項2】
アクリロイルジメチルタウリン誘導体およびエマルジョン安定化剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物であって、前記組成物は、乳化剤を欠いているか、または、約2重量%未満の乳化剤を含み、前記乳化剤は、含まれている場合、約11を上回る親水性親油性バランス(HLB)を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記乳化剤は、含まれている場合、約15から16の間のHLBを有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記乳化剤は、含まれている場合、約15.6のHLBを有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記エマルジョン安定化剤は、カルボマーまたはキサンタンガムである、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記アクリロイルジメチルタウリン誘導体は、約0.2重量%から約5重量%の間の濃度である、請求項2〜5のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記アクリロイルジメチルタウリン誘導体は、約0.4重量%から約2重量%の間の濃度である、請求項2〜5のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記アクリロイルジメチルタウリン誘導体は、約0.4重量%から約0.75重量%の間の濃度である、請求項2〜5のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記アクリロイルジメチルタウリン誘導体は、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン共重合体である、請求項2〜8のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記アクリロイルジメチルタウリン誘導体は、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ベヘネス25である、請求項2〜8のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記エマルジョン安定化剤は、カルボマーまたはキサンタンガムであり、約0.2重量%から約5重量%の間の濃度である、請求項2〜10のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記カルボマーまたはキサンタンガムは、約0.4重量%から約2重量%の間の濃度である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記カルボマーまたはキサンタンガムは、約0.8重量%から約1.2重量%の間の濃度である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
水が、約20重量%から約90重量%の間の濃度である、請求項1〜13のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも15種類の薬剤を含む、請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも20種類の活性剤を含む、請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも25種類の活性剤を含む、請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも30種類の活性剤を含む、請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも35種類の活性剤を含む、請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも40種類の活性剤を含む、請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
上述した前記活性のうちの少なくとも6つを有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
上述した前記活性のうちの少なくとも7つを有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
上述した前記活性のうちの少なくとも8つを有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
上述した前記活性のうちの少なくとも9つを有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
上述した前記活性のうちの少なくとも10個を有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
上述した前記活性のうちの少なくとも11個を有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
上述した前記活性のうちの少なくとも12個を有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
上述した前記活性のうちの少なくとも13個を有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
上述した前記活性のうちの少なくとも14個を有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
上述した前記活性のうちの少なくとも15個を有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
上述した前記活性のうちの少なくとも16個を有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
上述した前記活性のすべてを有する、請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
各活性剤は、前記組成物の少なくとも0.0025重量%の濃度である、請求項1〜32のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
少なくとも1種類の制御された送達系をさらに含む、請求項1〜33のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1種類の保存料をさらに含む、請求項1〜34のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
少なくとも1種類のキレート化剤をさらに含む、請求項1〜35のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
パラベンを含まない、請求項1〜36のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
少なくとも1種類の粘着性低下剤をさらに含む、請求項1〜37のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
少なくとも1種類の粘性増加剤をさらに含む、請求項1〜38のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
少なくとも1種類の膜形成剤をさらに含む、請求項1〜39のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
少なくとも1種類の香料をさらに含む、請求項1〜40のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
少なくとも1種類の抗褐変剤をさらに含む、請求項1〜41のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
少なくとも1種類の光拡散剤をさらに含む、請求項1〜42のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
少なくとも1つの皮膚老化徴候の減少または予防に使用するための、請求項1〜43のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記皮膚老化徴候は、小じわ、しわ、炎症、発赤、毛細管拡張症、皮膚のたるみ、過剰皮脂、拡張した毛穴、くま、皮膚の堅さの損失、褐斑、くすんだ皮膚、目の下のたるみ、皮脂生成の障害、皮膚の快適さの損失、乾燥、および皮膚の活力喪失からなる群から選択される、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
少なくとも1つの皮膚状態または疾患の減少または予防に使用するための、請求項1〜43のうちのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
前記皮膚状態または疾患は、酒さ、酒さ性ざ瘡、くも状静脈、皮膚の紅潮、アクネ、にきび、皮膚炎、発疹、異常肌色、セルライト、詰まった毛穴、および腫物からなる群から選択される、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
局所用製剤の製造における請求項1〜43のうちのいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項49】
少なくとも1つの皮膚老化徴候を減少または予防するための、請求項1〜43のうちのいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項50】
前記皮膚老化徴候は、小じわ、しわ、炎症、発赤、毛細管拡張症、皮膚のたるみ、過剰皮脂、拡張した毛穴、くま、皮膚の堅さの損失、褐斑、くすんだ皮膚、目の下のたるみ、皮脂生成の障害、皮膚の快適さの損失、乾燥、および皮膚の活力喪失からなる群から選択される、請求項49に記載の使用。
【請求項51】
少なくとも1つの皮膚状態または疾患を減少または予防するための、請求項1〜43のうちのいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項52】
前記皮膚状態または疾患は、酒さ、酒さ性ざ瘡、くも状静脈、皮膚の紅潮、アクネ、にきび、皮膚炎、発疹、異常肌色、セルライト、詰まった毛穴、および腫物からなる群から選択される、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
対象の皮膚老化徴候または皮膚の状態もしくは疾患を予防または減少するための方法であって、
有効量の請求項1〜43のうちのいずれか1項に記載の組成物を前記対象の皮膚上に塗布することを含み、
それにより、前記皮膚老化徴候または皮膚の状態もしくは疾患が予防または減少される、方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−516585(P2011−516585A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504294(P2011−504294)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000494
【国際公開番号】WO2009/127058
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(510275161)イマネンス・インテグラル・デルモ・コレクション・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】