説明

スキンパック包装体

【課題】 台紙を折らなくても簡単に自立させることができるスキンパック包装体を提供する。
【解決手段】 本発明のスキンパック包装体11は、台紙21と、スキンパックフィルム31と、前記台紙21とスキンパックフィルム31の間に保持された被包装物41と、を有し、前記台紙21とスキンパックフィルム31の間に自立補助部材51が設けられている。好ましくは、前記自立補助部材51は、指を挿入可能な指掛け部731を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立させることができるスキンパック包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
スキンパック包装体は、台紙の表面に添えた被包装物を覆うように、スキンパックフィルムを被せ、真空吸引してスキンパックフィルムを伸展させ、台紙の表面にスキンパックフィルムを接着させることにより得られる(例えば、特許文献1)。
スキンパック包装体は、ブリスター包装体に比して、コンパクト且つ安価に被包装物を包装できる包装形態である。
【0003】
スキンパック包装体は、通常、吊下げ用孔を通じて吊下げ陳列されるが、市場においては、自立させて陳列できるスキンパック包装体が求められている。
この点、特許文献2には、台紙を折り曲げ且つ組み合わせることによって台紙を側面視略三角形状に形成した、自立可能なスキンパック包装体が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献2のスキンパック包装体は、台紙の折り曲げ及び組み立てという人為的な作業が必要であり、その製造コストが高くなるという問題点がある。
また、スキンパック包装体においては、スキンパックフィルムを手では容易に剥がしにくいので(開封しにくいので)、その改善も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62−76165号公報
【特許文献2】実開平4−39187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、台紙を折らなくても自立させることができるスキンパック包装体を提供することであり、さらに、容易に開封できるスキンパック包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスキンパック包装体は、台紙と、スキンパックフィルムと、前記台紙とスキンパックフィルムの間に保持された被包装物と、を有し、前記台紙とスキンパックフィルムの間に自立補助部材が設けられている。
なお、本明細書において、「台紙」は、スキンパックフィルムと協働して被包装物を保持する部材であり、台紙の「紙」は、「台紙が紙製である」という限定的な意味を有するわけではないことに留意されたい。
【0008】
上記本発明のスキンパック包装体は、台紙に自立補助部材が設けられている。このため、台紙の下縁を載置面に置いてスキンパック包装体を自立させることができる。
【0009】
本発明の好ましいスキンパック包装体は、前記自立補助部材が指掛け部を有する。
自立補助部材は、台紙の表面とスキンパックフィルムの間に設けられるが、指掛け部を有する自立補助部材にあっては、その指掛け部に指を掛けて自立補助部材を引き起こすことにより、自立補助部材と共にスキンパックフィルムを台紙から引き剥がすことができる。よって、かかる好ましいスキンパック包装体は、スキンパックフィルムを容易に開封できる。
【0010】
本発明のさらに好ましいスキンパック包装体は、前記自立補助部材が、台紙の表面に接する当接部と、脚部と、を有し、前記脚部の下縁が、前記台紙の表面に対して略直交する平面であって前記台紙の下縁を含む平面にほぼ位置し、前記スキンパックフィルムの下方部が、台紙の下方部に接着されている。
かかるスキンパック包装体は、自立補助部材の脚部の下縁が台紙の表面に対して略直交し且つ台紙の下縁を含む平面にほぼ位置しているので、台紙を載置面に対して略垂直に立てた状態で、スキンパック包装体を自立させることができる。
さらに、スキンパックフィルムの下方部が台紙の下方部に接着されているので、スキンパックフィルムが台紙から不用意に捲れ難く、又、スキンパックフィルムの下方から台紙とスキンパックフィルムの間に異物が進入することを防止できる。
【0011】
本発明のさらに好ましいスキンパック包装体は、前記自立補助部材が、台紙の表面に接し且つ台紙の上方に延びる当接部と、脚部と、前記指掛け部に形成され且つ指を挿入可能な孔部と、を有し、前記孔部の軸芯が、台紙の上下方向に向いている。
かかる好ましいスキンパック包装体は、孔部に指を入れつつ指掛け部に指を掛け、自立補助部材を上方に引き上げることにより、スキンパックフィルムを台紙から引き剥がすことができる。特に、自立補助部材は台紙の上方に延びる当接部を有するので、自立補助部材を引き上げた際に当接部がスキンパックフィルムを内側から引き剥がしていくようになる。このため、途中で途切れることなく、スキンパックフィルムを引き剥がすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のスキンパック包装体は、自立補助部材が設けられているので、台紙を折り曲げることなく簡単に自立させることができる。
さらに、本発明のスキンパック包装体は、自立補助部材を利用してスキンパックフィルムを容易に開封することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係るスキンパック包装体の正面図。
【図2】同スキンパック包装体の左側面図。
【図3】同スキンパック包装体の底面図(下方から見た図)。
【図4】図1のIV−IV線(水平方向)で切断した断面図。ただし、スキンパックフィルムは、その厚みを表わさずに、1本の実線で表している。
【図5】図1のV−V線(縦方向)で切断した拡大断面図。
【図6】図1のVI−VI線(縦方向)で切断した拡大断面図。
【図7】第1実施形態に係る自立補助部材の正面図。
【図8】同自立補助部材の右側面図。
【図9】同自立補助部材の平面図(上方から見た図)。
【図10】第1実施形態の変形例に係る自立補助部材の左側面図。
【図11】同変形例に係る自立補助部材を具備するスキンパック包装体を、図1のVI−VI線と同じ箇所で切断した拡大断面図。
【図12】第2実施形態に係る自立補助部材の正面図。
【図13】同自立補助部材の右側面図。
【図14】同自立補助部材の底面図。
【図15】第2実施形態に係るスキンパック包装体の正面図。
【図16】同スキンパック包装体の左側面図。
【図17】図15のXVII−XVII線で切断した断面図。ただし、スキンパックフィルムは、その厚みを表わさずに、1本の実線で表している。
【図18】図15のXVIII−XVIII線で切断した拡大断面図。
【図19】第3実施形態に係る自立補助部材の正面図。
【図20】同自立補助部材の左側面図。
【図21】同自立補助部材の底面図。
【図22】第3実施形態に係るスキンパック包装体の正面図。
【図23】図22のXXIII−XXIII線で切断した拡大断面図。
【図24】図22のXXIV−XXIV線で切断した拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の具体的な実施態様について適宜図面を参照しつつ説明する。
各部の用語の接頭語として、第1及び第2を付す場合があるが、この接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、各部の優劣などを意味しない。また、台紙の「表面」は、スキンパックフィルムに近い側の面を指し、その「裏面」は、その反対側の面を指す。さらに、方向性を示す用語として、「上、下、左、右」を使用するが、これらは、便宜上、スキンパック包装体を自立させ、それを図1の正面から見たときの方向を指す。また、「前方」は、台紙の表面から離れる側を、「後方」は、台紙の表面に近づく側を指す。
【0015】
[第1実施形態]
図1乃至図6において、スキンパック包装体11は、台紙21と、スキンパックフィルム31と、被包装物41と、台紙21とスキンパックフィルム31の間に設けられた自立補助部材51と、を有する。
前記被包装物41及び自立補助部材51は、前記台紙21とスキンパックフィルム31の間に保持されている。
【0016】
具体的には、台紙21は、所定形状(例えば、正面視略矩形状など)に形成されたシートからなる。
台紙21は、厚み方向に通気性を有するシートであれば、その材質は特に限定されず、例えば、普通紙、コート紙、合成紙、合成樹脂シート、発泡樹脂シートなどの各種のシートを用いることができる。台紙21は、単一のシートでもよいし、同種又は異種の2以上のシートが積層された積層シートでもよい。
なお、台紙21の裏面又は表面には、必要に応じて、商品名、説明書き、絵柄などの所望のデザインが印刷によって表されていてもよい。
【0017】
また、台紙21の表面には、スキンパックフィルム31を接着させるための接着剤(図示せず)が塗布されている。もっとも、スキンパックフィルムとして台紙21の表面に自己接着しうるスキンパックフィルム31を用いた場合には、台紙21の表面に接着剤が塗布されていなくてもよい。
【0018】
スキンパックフィルム31は、従来公知のフィルムを用いることができる。例えば、スキンパックフィルム31の材質としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニル、ポリエチレンなどのポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
被包装物41は、特に限定されず、化粧品、文房具、乾電池などの様々な商品が挙げられる。
被包装物41の形状や大きさも特に限定されないが、被包装物41は、自立補助部材51の横幅よりも大きくてもよいし、それよりも小さい又は同等でもよい。後述する自立補助部材51の一対の当接部611,621の間に収まる大きさの被包装物41が好ましい。
図示例の被包装物41は、自立補助部材51の一対の当接部611,621の間に収まる大きさであり、その形状は例えば円筒状である。
【0019】
前記被包装物41は、台紙21の表面に添えられ、その上からスキンパックフィルム31を被着することにより、被包装物41が台紙21とスキンパックフィルム31の間に保持されている。
【0020】
本発明のスキンパック包装体11は、自立補助部材51によって自立可能である。
すなわち、本発明のスキンパック包装体11は、台紙21の下縁21aを平坦な載置面上に置き、台紙21の表面が前記載置面に対して略直交する状態で自立させることができる。
なお、前記載置面は、スキンパック包装体11を載せる面であり、例えば、小売店の陳列棚などが挙げられる。
【0021】
前記自立補助部材51は、台紙21とスキンパックフィルム31の間に設けられており、自立補助部材51は、被包装物41と同様に、台紙21とスキンパックフィルム31によって保持されている。
自立補助部材51は、被包装物41よりも下方に設けられており、自立補助部材51は、台紙21の下縁21aと協働してスキンパック包装体11を自立させる。
【0022】
自立補助部材51は、台紙21の表面に接する当接部611,621と、載置面に接する脚部71と、を有する。なお、スキンパック包装体11に具備された自立補助部材51の脚部71は、載置面に直接接するわけではなく、通常、載置面と脚部の間にはスキンパックフィルム31が介在している(以下、同様)。もっとも、自立補助部材51の脚部71の下縁71aの一部又は全部がスキンパックフィルム31で覆われていない場合もある(脚部71の下縁71aの一部又は全部が露出している場合もある)ことに留意されたい。
自立補助部材51が台紙21とスキンパックフィルム31の間に保持された状態において、前記当接部611,621は、台紙21の上方に延び、前記脚部71は、その下縁71aが前記台紙21の表面に対して略直交する平面であって前記台紙21の下縁21aを含む平面上にほぼ位置している。
【0023】
図7乃至図9は、第1実施形態の自立補助部材51を示す。
この自立補助部材51は、当接部611,621と脚部71と指掛け部731とを有する。
当接部611,621と脚部71は、連結されており、自立補助部材51を側面から見ると、自立補助部材51は、略L字状を成している。
当接部611,621は、板状に形成されていてもよいし、棒状に形成されていてもよい。
【0024】
本発明において、当接部は、1つでもよいし、複数から構成されていてもよい。図示例では、当接部611,621は、2つからなる。各当接部611,621(第1当接部611及び第2当接部621)は、その下方部において脚部71に連結されている。
1つの当接部の横幅(左右方向の長さ)及び厚み(前後方向の長さ)は、特に限定されず、強度を考慮して適宜設定される。例えば、1つの当接部の横幅及び厚みは、2mm〜10mm程度である。
【0025】
第1当接部611と第2当接部621は、左右に所定間隔を開けて互いに略平行に配置され、上方に向かって延びている。
脚部71は、第1当接部611及び第2当接部621に連結されており、一部分に指を挿入可能な孔部81が形成されている。
【0026】
具体的には、脚部71は、前記第1当接部611及び第2当接部621と同様な棒状の部分からなり、第1当接部611の下方部から前方に延びる第1部分711と、第2当接部621の下方部から前方に延びる第2部分721と、前記第1部分711の前方部及び第2部分721の前方部に架け渡された架橋部分731と、を有する。前記第1部分711、第2部分721及び架橋部分731で囲われた範囲内に、孔部81が形成されている。
前記脚部71の架橋部分731は、指掛け部を兼用している。
孔部81は、日本の標準的な成人男性の人差し指を挿入できる大きさに形成されている。孔部81の軸芯(軸芯は、孔部の開口を含む平面に対する垂線に相当する)は、第1当接部611の延びる方向と略平行とされている。
【0027】
脚部71の第1部分711と第1当接部611、及び、脚部71の第2部分721と第2当接部621は、それぞれ略直角状の角部Aを有して連結されている。つまり、当接部611,621の裏面(台紙21の表面に接する側の面)と脚部71の下縁71aが略直角状を成して連なるように、脚部71の第1部分711と第1当接部611、及び、脚部71の第2部分721と第2当接部621は、それぞれ連結されている。
脚部71の架橋部分731は、平面視で曲線状に形成されているが、直線状に形成されていてもよい。
【0028】
脚部71の下縁71a(第1部分711、第2部分721及び架橋部分731の各下縁)は、1つの平面上に接するように、平坦面とされている。
なお、第1部分711と第2部分721の間には、補強のため、両部分を架橋する補強部分911が複数本設けられている。なお、必要に応じて、第1当接部611と第2当接部621の間にも、補強のための補強部分が設けられていてもよい(図示せず)。
自立補助部材51の形成材料は特に限定されず、合成樹脂、金属、木などを用いることができるが、一般的には、自立補助部材51は、合成樹脂の成形品で構成される。
【0029】
図1乃至図6に示すように、上記自立補助部材51の当接部611,621の裏面が台紙21の表面に接し且つ自立補助部材51の脚部71の下縁71aが台紙21の表面に対して略直交する平面であって前記台紙21の下縁21aを含む平面にほぼ位置するように、自立補助部材51が台紙21の表面に添えられ、その自立補助部材51にスキンパックフィルム31が被せられている。
【0030】
なお、自立補助部材51の当接部611,621と脚部71の連結部分である角部Aが(換言すると、脚部71の下縁71aが)、台紙21の下縁21aよりも僅かに上方に位置するように、自立補助部材51が台紙21の表面に添えられている。
また、自立補助部材51の一対の当接部611,621(第1当接部611と第2当接部621)の間又は一対の当接部611,621の延長線の間に対応する台紙21の表面に、被包装物41が添えられている。被包装物41は、自立補助部材51の上に接する又は重なっていてもよいし、図示したように、自立補助部材51から離されていてもよい。
【0031】
前記被せられたスキンパックフィルム31のうち、被包装物41及び自立補助部材51が存在しない箇所におけるスキンパックフィルム31は、台紙21の表面に接着され、被包装物41及び自立補助部材51が存在している箇所におけるスキンパックフィルム31は、被包装物41及び自立補助部材51に密着している。なお、密着とは、接しているが、接着していない状態をいう。
【0032】
具体的には、被せられたスキンパックフィルム31は、自立補助部材51の当接部611,621の表面(台紙21の表面に接する当接部611,621の裏面以外の露出部分)に密着していると共に、自立補助部材51の脚部71の周囲に密着している。
スキンパックフィルム31が被包装物41に密着することによって、被包装物41は台紙21の所定位置に保持され、同様に、スキンパックフィルム31が自立補助部材51の当接部611,621に密着することによって、自立補助部材51は台紙21の所定位置に保持される。
【0033】
また、スキンパックフィルム31が脚部71の周囲に密着することによって、図5に示すように、孔部81の開口においては、脚部71の上下側から被さるスキンパックフィルム31同士が接着する。
また、スキンパックフィルム31の下方部は、台紙21の下方部に接着されている。特に、図6に示すように、自立補助部材51の脚部71の角部Aと台紙21の下縁21aの間における台紙21の表面下方部に対しても、スキンパックフィルム31の下方部が接着されている。
このようにスキンパックフィルム31の下方部が台紙21の下方部に接着されていることにより、スキンパックフィルム31の不用意な捲れやスキンパックフィルム31と台紙21の間への異物の進入を防止できる。
【0034】
本発明のスキンパック包装体11は、それを自立させるために自立補助部材51を設けているが、スキンパックフィルム31は自立補助部材51と接着しないので、自立補助部材51の下縁と台紙21の間において、スキンパックフィルム31が捲れたり、或いは、その間から異物が進入するおそれがある。本発明のスキンパックフィルム31においては、自立補助部材51を介在させた状態で、スキンパックフィルム31の下方部と台紙21の下方部を接着することにより、前記不具合を防止している。
なお、本発明において、自立補助部材51の表面に接着剤を塗布したり、或いは、スキンパックフィルム31に自己接着しうる材質で自立補助部材51を形成することもできる。かかる自立補助部材51を用いれば、スキンパックフィルム31が接着するので、スキンパックフィルム31の不用意な捲れを防止することができるが、自立補助部材51の下縁と台紙21の間の隙間から異物が進入することを効果的に防止できないおそれがある。このため、上述のように、スキンパックフィルム31の下方部が台紙21の下方部に接着されていることが好ましい。
【0035】
上記スキンパック包装体11の製造手順は、例えば、次の通りである。
台紙21の表面の略中央部に被包装物41を添え、台紙21の表面であって被包装物41の下方に自立補助部材51の当接部611,621を添える。
そして、加熱して軟化させたスキンパックフィルム31を前記被包装物41及び自立補助部材51の上から被せ、真空雰囲気下で、台紙21とスキンパックフィルム31の間の空気を吸引する。前記空気は、台紙21を通じて台紙21の裏面側へと吸引されていく。
前記空気の吸引により、スキンパックフィルム31が伸展して被包装物41及び自立補助部材51に密着すると共に、これらが接しない台紙21の表面にスキンパックフィルム31が接着する。
このようにしてスキンパック包装体11が得られる。
必要に応じて、得られたスキンパック包装体11の周囲の不要部分を切り取って、スキンパック包装体11の外形を整えてもよいし、さらに、吊下げ用の孔を穿設してもよい。
【0036】
本発明のスキンパック包装体11は、図2に示すように、台紙21の下縁21aを載置面Xの上に置くと自立補助部材51の脚部71の下縁71aが載置面Xに載るので、台紙21を折り曲げるなどの行為を行うことなく、自立補助部材51を介して簡単に自立させることができる。
特に、自立補助部材51は、その脚部71の下縁71aが台紙21の表面に対して略直交する平面であって台紙21の下縁21aを含む平面にほぼ位置するように設けられているので、台紙21を載置面に対して略垂直に立てた状態で、スキンパック包装体11を自立させることができる。
【0037】
また、スキンパック包装体11から被包装物41を取り出す際には、スキンパックフィルム31が台紙21から引き剥がされる。
本発明のスキンパック包装体11は、自立補助部材51に指掛け部731が設けられているので、指掛け部731に指を掛けて自立補助部材51を引き起こすことにより、自立補助部材51と共にスキンパックフィルム31を台紙21から引き剥がすことができる。
特に、自立補助部材51の指掛け部731は孔部81を有するので、この孔部81に指を刺してスキンパックフィルム31を破ると、指掛け部731に確実に指が引っ掛かる。また、自立補助部材51は、前記孔部81の軸芯が台紙21の上下方向と略平行となるように台紙21に設けられているため、孔部81に指を掛けて自立補助部材51を上方に引き上げ易くなる。自立補助部材51を上方に引き上げると、スキンパックフィルム31を下方から上方に向かって引き剥がすことができ、スキンパックフィルム31を容易に開封できる。
【0038】
また、自立補助部材51は台紙21の上方に延びる当接部611,621を有するので、自立補助部材51を引き上げた際に、当接部611,621がスキンパックフィルム31を内側から引き剥がしていくようになる。このため、スキンパックフィルム31を開封する際に、スキンパックフィルム31を途切れさせずに引き剥がすことができる。
特に、上記スキンパック包装体11は、複数の当接部611,621の間に被包装物41が収まっているので、自立補助部材51の当接部611,621が台紙21から離れるまでスキンパックフィルム31を引き剥がすと、被包装物41の一部が露出する。このため、スキンパックフィルム31全体を台紙21から引き剥がさなくても、被包装物41を取り出すことも可能となる。
【0039】
なお、本実施形態において、当接部611,621と脚部71は、当接部611,621の裏面(台紙21の表面に接する側の面)と脚部71の下縁71aが略直角状を成して連なっているが、例えば、図10に示すように、当接部611,621の裏面と脚部71の下縁71aが連ならないように、連結部を介して当接部611,621と脚部71が連結されていてもよい。この連結部921は、例えば、図示したように、当接部611,621の裏面及び脚部71の下縁71aに対して鈍角状に架け渡されている。この連結部921の裏面側と当接部611,621の裏面の延長面との間には、空間Sを有する。
【0040】
図10に示す変形例に係る自立補助部材51を、上記実施形態と同様に、当接部611,621の裏面を台紙21の表面に当て、且つ脚部71の下縁71aが台紙21の表面に対して略直交する平面であって台紙21の下縁21aを含む平面にほぼ位置するように、台紙21の表面に添えた後、スキンパックフィルム31を被せることにより、スキンパック包装体11が構成される。
【0041】
この変形例に係る自立補助部材51は上記連結部921を介して当接部611,621と脚部71が連結されているので、図11に示すように、連結部921の裏面の空間Sにスキンパックフィルム31が回り込み、スキンパックフィルム31の下方部が台紙21の下方部に十分な面積で接着する。特に、変形例に係る自立補助部材51を用いれば、自立補助部材51の脚部71の下縁71aが台紙21の下縁21aを含む平面と同じ又はその平面よりも僅かに下方に位置するように自立補助部材51を台紙21の表面に添えた後、スキンパックフィルム31を被した場合であっても、スキンパックフィルム31の下方部を台紙21の下方部に接着させることができる。
【0042】
また、本実施形態の自立補助部材51の脚部71(第1部分711及び第2部分721)は、当接部(第1当接部611及び第2当接部621)に対して略直交する方向に延びているが、脚部71が当接部に対して鈍角又は鋭角を成して設けられていてもよい。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るスキンパック包装体及び自立補助部材を説明する。ただし、第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の構成及び効果についてはその説明を省略し且つ用語を援用することがある。
【0044】
図15乃至図18において、第2実施形態のスキンパック包装体12も、台紙22と、スキンパックフィルム32と、被包装物42と、自立補助部材52と、を有する。
台紙22、スキンパックフィルム32及び被包装物42は、上記第1実施形態で説明したものと同様である。
ただし、本実施形態では、略直方体状の被包装物42を図示し、その被包装物4の横幅は、自立補助部材52の横幅よりも大きい。もっとも、第2実施形態においても、かかる被包装物42を包装する場合に限定されない。
【0045】
本実施形態の自立補助部材52は、(第1実施形態と形状が異なっているが)図12乃至図14にも示すように、台紙22の表面に接し且つ上方に延びる一対の当接部612,622と、載置面に接する脚部72と、指を挿入可能な孔部82と、を有する点において、第1実施形態と同様である。
【0046】
具体的には、自立補助部材52は、長方形状の枠部材を3つ組み合わせた形状からなる。
当接部は、複数設けられている。一対の当接部612,622(第1当接部612及び第2当接部622)は、それぞれ上方に延び且つ所定間隔を開けて互いに略平行に配置されている。
脚部72は、前記第1当接部612及び第2当接部622と同様な棒状の部分からなり、第1当接部612の下方部から前方に延びる第1部分712と、第2当接部622の下方部から前方に延びる第2部分722と、を有する。
脚部72の第1部分712と第1当接部612、及び、脚部72の第2部分722と第2当接部622は、それぞれ略直角状の角部Aを有して連結されている。
【0047】
また、第1当接部612と脚部72の第1部分712、及び、第2当接部622と脚部72の第2部分722には、第1枠部932及び第2枠部942がそれぞれ連結されている。
第1枠部932は、第1当接部612の上方部から前方に延び且つ脚部72の第1部分712の前方部から上方に延びていると共に、その延出端部同士が連結されてなる側面視略L字状の部分である。
第2枠部942は、第2当接部622の上方部から前方に延び且つ脚部72の第2部分722の前方部から上方に延びていると共に、その延出端部同士が連結されてなる側面視略L字状の部分である。
【0048】
さらに、第1当接部612の上方部と第2当接部622の上方部は、第1架け渡し部952を介して連結されており、同様に、第1枠部932の前方上部及び第2枠部942の前方上部は第2架け渡し部962を介して連結されている。なお、第1架け渡し部952の裏面は台紙22の表面に接するので、第1架け渡し部952は当接部を兼ねている。
第1当接部612と脚部72の第1部分712と第1枠部932で囲われた範囲内、及び、第2当接部622と脚部72の第2部分722と第2枠部942で囲われた範囲内に、それぞれ孔部82が形成されている。
【0049】
本実施形態の自立補助部材52も、上記実施形態と同様にスキンパック包装体12の一部として使用される。
すなわち、本実施形態のスキンパック包装体12は、図1乃至図6に示すように、自立補助部材52の当接部612,622の裏面が台紙22の表面に接し且つ自立補助部材52の脚部72の下縁72aが台紙22の表面に対して略直交する平面であって台紙22の下縁22aを含む平面にほぼ位置するように、自立補助部材52が台紙22の表面に添えられ、その自立補助部材52にスキンパックフィルム32が被せられている。
このスキンパック包装体12も、第1当接部612及び第2当接部622が台紙22の上方に延び、スキンパックフィルム32の下方部が台紙22の下方部に接着されている。
【0050】
本実施形態のスキンパック包装体12も、上記実施形態のスキンパック包装体11と同様に、自立補助部材52を介して簡単に自立させることができる。
また、脚部72の第1部分712若しくは第2部分722、又は、第1枠部932若しくは第2枠部942、又は、第2架け渡し部962(これらは指掛け部に相当する)に指を掛けて自立補助部材52を引き起こすことができ、自立補助部材52を利用してスキンパックフィルム32を容易に開封することができる。
また、スキンパックフィルム32の不用意な捲れや異物の進入も防止できる。
【0051】
なお、本実施形態の自立補助部材52においても、上記第1実施形態の変形例のように、当接部612,622の裏面と脚部72の下縁72aが連ならないように、裏面に空間を生じさせる連結部を介して当接部612,622と脚部72が連結されていてもよい(図示せず)。
【0052】
また、本実施形態の自立補助部材52の脚部72(第1部分712及び第2部分722)は、当接部(第1当接部612及び第2当接部622)に対して鈍角又は鋭角を成して設けられていてもよい。
【0053】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るスキンパック包装体及び自立補助部材を説明する。ただし、第3実施形態の説明において、上記第1及び第2実施形態と同様の構成及び効果についてはその説明を省略し且つ用語を援用することがある。
【0054】
図22乃至図24において、第3実施形態のスキンパック包装体13も、台紙23と、スキンパックフィルム33と、被包装物43と、自立補助部材53と、を有する。
台紙23、スキンパックフィルム33及び被包装物43は、上記第1実施形態で説明したものと同様である。
【0055】
本実施形態の自立補助部材53は、(第1及び第2実施形態と形状が異なっているが)図19乃至図21にも示すように、台紙23の表面に接し且つ上方に延びる当接部613と、載置面に接する脚部73と、指を挿入可能な孔部83と、を有する点において、第1実施形態と同様である。
【0056】
具体的には、本実施形態の自立補助部材53は、正面視略T字状を成している。
当接部は複数設けられている。第1当接部613は、それぞれ上方に延びている。この第1当接部613の上方部には、左右方向に延びる第2当接部623が設けられている。
この第2当接部623の両端部には、上面視略コ字状の枠部973が連結されている。従って、第2当接部623及び枠部973を上方から見ると、長方形状の枠形状となっている。
前記枠部973の前方部には、下方に延びる脚部73が連結されている。この脚部73と第1当接部613は、上下方向に延びる平行な棒状である。また、脚部73の上下方向の中途部と第1当接部613の下方部には、架け渡し部983が連結されている。架け渡し部983は、脚部73に対して略直交する方向に延びているが、脚部73に対して鈍角又は鋭角に延びていてもよい。
第1当接部613と脚部73と架け渡し部983で囲われた範囲内に、孔部83が形成されている。
【0057】
本実施形態の自立補助部材53も、上記実施形態と同様にスキンパック包装体13の一部として使用される。
すなわち、本実施形態のスキンパック包装体13は、図22乃至図24に示すように、自立補助部材53の当接部613,623の裏面が台紙23の表面に接し且つ自立補助部材53の脚部73の下面73aが台紙23の表面に対して略直交する平面であって台紙23の下縁23aを含む平面にほぼ位置するように、自立補助部材53が台紙23の表面の左右方向略中央部に添えられ、その自立補助部材53にスキンパックフィルム33が被せられている。
【0058】
本実施形態のスキンパック包装体13も、自立補助部材52の脚部73の下縁73aと台紙23の下縁23aの協働により、載置面上に簡単に自立させることができる。上記第1及び第2実施形態の自立補助部材の脚部は比較的広い面積で載置面に接触するが、本実施形態の自立補助部材53のように、脚部73の下縁73aが載置面に点状(又は線状)に接触するようにしても、良好に自立させることができるスキンパック包装体13が得られる。
【0059】
このスキンパック包装体13も、第1当接部613が台紙23の上方に延び、スキンパックフィルム33の下方部が台紙23の下方部に接着されている。
特に、本実施形態の自立補助部材53も、図24に示すように、脚部73の下面73aと架け渡し部983の間には空間Sを有するので、スキンパックフィルム33の下方部を台紙23の下方部に十分な接着面積をもって接着させることができる。
また、脚部73、枠部973又は架け渡し部983(これらは指掛け部に相当する)に指を掛けて自立補助部材53を引き起こすことができ、自立補助部材53を利用してスキンパックフィルム33を容易に開封することができる。
【0060】
なお、上記第1乃至第3実施形態でそれぞれ示した自立補助部材の構成を適宜組み合わせてもよい。その他、本発明の意図する範囲で、スキンパック包装体及び自立補助部材は様々な態様に変更できる。
【符号の説明】
【0061】
11,12,13…スキンパック包装体、21,22,23…台紙、21a,22a,23a…台紙の下縁、31,32,33…スキンパックフィルム、41,42,43…被包装物、51,52,53…自立補助部材、611,621,612,622,613…当接部、71,72,73…脚部、71a,72a,73a…脚部の下縁、731…指掛け部、81,82,83…孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙と、スキンパックフィルムと、前記台紙とスキンパックフィルムの間に保持された被包装物と、を有し、
前記台紙とスキンパックフィルムの間に自立補助部材が設けられている、スキンパック包装体。
【請求項2】
前記自立補助部材が、指掛け部を有する、請求項1に記載のスキンパック包装体。
【請求項3】
前記自立補助部材が、台紙の表面に接する当接部と、脚部と、を有し、
前記脚部の下縁が、前記台紙の表面に対して略直交する平面であって前記台紙の下縁を含む平面にほぼ位置し、
前記スキンパックフィルムの下方部が、台紙の下方部に接着されている、請求項1または2に記載のスキンパック包装体。
【請求項4】
前記自立補助部材が、台紙の表面に接し且つ台紙の上方に延びる当接部と、脚部と、前記指掛け部に形成され且つ指を挿入可能な孔部と、を有し、
前記孔部の軸芯が、台紙の上下方向に向いている、請求項2または3に記載のスキンパック包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−103731(P2013−103731A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247690(P2011−247690)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】