説明

スクラバ液中のCaCO3含有量の決定方法及び決定するための装置

【課題】スクラバ・コラムのスクラバ液流路から分離されたスクラバ液中のCaCO含有量の決定方法に関する。
【解決手段】サンプリング・トラップ22に分離されたスラバ液テスト体積量が供給される。測定セル26にHCl体積量を導入。測定セル26に供給されたスラバ液とHCl体積量とが混合される。混合物のpH値がpHプローブ38によって決定される。テスト体積量中のCaCO↓3含有量をpH値の変化に基づいて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクラバ・コラムのスクラバ液流路から分離されたスクラバ液中のCaCO含有量の決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプのスクラバ・コラムは、例えば、石炭発電所などからの煙道ガスの浄化のように、煙道ガスの浄化に使用される。普通、スクラバ・コラムは、しばしばいくつかの水準に配置されたスクラバ液ノズルを有する1つのスクラバ・コラムと、スクラバ液を集める1つのスクラバ液だめと、スクラバ・コラムの円筒状レセプタクルの内部でスクラバ液だめから上方のスクラバ液ノズルの水準に向けて延びた1つの吸収ゾーンと、を備えている。煙道ガスは、スクラバ・コラムの吸収ゾーンの低い部分に導入され、そこから上方に流れてスクラバ液ノズルの上に設けられた出口からスクラバ・コラムを抜け出る。スクラバ・コラムの流路上で、煙道ガスはスクラバ液ノズルから出てくるスクラバ液と接触し、後述するように、浄化される。
【0003】
スクラバ液は、好ましくは、水以外に、煙道ガス中に含まれる硫黄酸化物及びスクラバ・コラム中に発生する硫黄酸化物と反応するアルカリ土類を含む。特に、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの形態の石灰が用いられる。
【0004】
アルカリ土類は、煙道ガス中に存在する硫黄酸化物と反応し、原則的にスクラバ液に捉えられる亜硫酸カルシウムとなる。このようにして、煙道ガスは、好ましくない硫黄酸化物の浄化が行われ、その後、浄化装置から流出する。しかしながら、スクラバ液はその中に浮いている亜硫酸カルシウム粒子を含んでおり、スクラバ液だめに流れ込み、そこに集められる。
【0005】
煙道ガスの浄化中に生成された亜硫酸カルシウムは、天然石膏と同様の良い性質を有している。そこで、それは、スクラバ液だめに集められたスクラバ液から得られる、煙道ガスの浄化プロセスにおける望ましい副産物になる。亜硫酸カルシウム粒子はスクラバ液だめからスクラバ液と共に取り除かれ、次工程においてスクラバ液から抽出される。亜硫酸カルシウムは、さらに処理されて、特に建設資材のような資材とされる。
【0006】
良質の亜硫酸カルシウムを得るには、スクラバ液だめから亜硫酸カルシウムを得るためにスクラバ液が取り除かれるとき、スクラバ液だめに集められたスクラバ液中のアルカリ土類が、可能な限り少量だけ含まれるように気を付けなければならない。
【0007】
一方、スクラバ・コラムの吸収ゾーンにおける完全な反応を引き起こすために、十分な量のアルカリ土類がスクラバ液中に存在することが確保されなければならない。
【0008】
スクラバ液中のアルカリ土類の正確な含有量を決定するために、スクラバ液中のCaCO含有量を決定することが知られている。
【0009】
ドイツ出願公開A−19733284(特許文献1)は、特に、煙道ガス浄化装置の吸着装置からのスクラバ検査液のCaCO含有量を測定するための方法を開示しており、バイパス中の所定の一定測定流が連続的にpH測定装置に供給され、検査液のpH値が測定される。ここで、その測定流は、時間間隔をおいてpH測定装置の前方の接種位置において酸によって接種され、酸による接種の結果であるpH値の変化が測定される。検査液中のCaCO含有量は、前記接種地点とpH値測定装置との流れの距離に基づく検査液の滞留時間を考慮して測定された基準のデータとの比較により、測定されたpH値の差に基づいて決定される。正しいpH値の測定がpH測定装置において実行されるためには、ある酸の体積量が接種点位置において所定の検査液体積に加えられ、両体積がpH測定装置に向かう途中で互いに充分混合されるということが、この方法の精度の決め手となる。特に、検査液と酸の体積の精密な調剤は、多大の努力が必要であり、また、間違った結果に導かれ易く、その結果、測定されたpH値の精度に影響する。この方法を実現するために正しい調剤となるように監視することは、困難である。結果として、この方法は、その信頼性を逆に損なうような、エラー源を有している。
【0010】
ドイツ出願公開A−3809379(特許文献2)は、新たな石灰石の粉の投入調整のために、煙道ガス浄化装置の中で連続的に循環していて部分的に使用される石灰石の懸濁液の炭酸塩の含有量を決定する方法を開示している。ここで、石灰石の懸濁液の一定量の、測定目的のため流路から分離されたサブセットが、それぞれ枝分かれ管から取り出される。そして、酸がそのサブセットに加えられる。最後に、生成されたCOの体積が、一定温度と一定圧力のもとで測定され、その値が新たな石灰石の粉の投入のために使われる。厳密に言えば、この方法において、ガス漏れのないセル中の圧力及び測定セル中の温度の増加の測定とから、酸の投入によって引き起こされた体積変化を考慮してガス量が測定され、そして、このガス量に基づいて、石灰石懸濁液の炭酸塩含有量が決定される。ドイツ出願公開A−19733284(特許文献1)と比較すると、この方法は、従って、炭酸塩含有量決定のための代替方法である。
【特許文献1】ドイツ出願公開A−19733284号
【特許文献2】ドイツ出願公開A−3809379号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、スクラバ・コラムのスクラバ液流路から分離されたスクラバ液中のCaCO含有量を決定するための、改善された又は代替となる方法及び対応する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、本発明の請求項1の方法によって、また請求項10の装置によって達成される。各従属請求項は、本発明に基づく方法、又は、本発明に基づく装置の個々の実施形態を参照するものである。
【0013】
本発明の方法において、スクラバ液の所定のテスト体積量は、初めに、連続的に得られるスクラバ液の体積流から分離される。テスト体積量は、次に、前もって調剤された所定のHCl体積量と同様に、測定セルに供給される。所定の反応時間の後、両方の体積量は互いに混合され、互いに反応する。最終的に、このようにして形成された混合物のpH値が測定され、pH値の変化に基づいてCaCO含有量が決定される。
【0014】
ドイツ出願公開A−3809379(特許文献2)と比較すると、本発明の方法は、CaCO含有量を決定するための1つの代替案であって、生成されたCOの体積が一定温度と一定圧力のもとで測定されるのでなく、代わりに、測定セルに存在するスクラバ液とHClの混合物のpH値が検出される。
【0015】
ドイツ出願公開A−19733284(特許文献1)と比較して、スクラバ液と酸は、パイプ中で混合されてpH値が測定されるのではなく、スクラバ液の所定のテスト体積量が連続的に得られるスクラバ液の体積流から分離され、調剤された所定のHCl体積量と共に、測定セルに供給され、両体積量が混合され、最終的に所定の反応時間の後に、pH値が測定される。ドイツ出願公開A−19733284(特許文献1)と比較して、本発明の方法は、スクラバ液テスト体積量とHCl体積量の両方が、精密に調剤できることが確実であるという利点がある。両体積量の正しい混合も保証できる。従って、本発明の方法によって決定されたpH値は、より正確である。さらに、スクラバ液体積流、測定セル中のテスト体積量、及び調剤されたHCl体積量は、例えば、簡単な方法によって監視でき、従って、本方法によってなされるpHの測定の信頼性を、必要に応じて、検証することができる。
【0016】
本発明の方法の好ましい変形例として、比較的簡単な方法によって実現できるサンプリング・トラップの方法を用いて、所定のスクラバ液テスト体積量の分離を行うことができ、また、CaCO含有量の決定をpHプローブを用いて実行できる。
【0017】
所定のスクラバ液テスト体積量が分離されるスクラバ液体積流は、好ましくは、別途形成されたスクラバ液体積流である。これは、分離されたスクラバ液流路、従って、分離されたスクラバ液体積流は、例えば、pH値の測定に専用に用いられる閉循環パイプラインによって形成されるということである。これは、閉循環パイプラインの操作が、外部の予圧から独立して行えるという利点を有し、閉循環パイプラインとそれに配設されたポンプによって自前の安定した流路を形成できる。吸着装置からの取り出しと別個のポンプによる閉循環パイプラインの操作は、その操作の信頼性の故に、pHと密度/固体測定の実現のための多くの設備において、成功が実証されている。しかし、この構想の欠点は、これらの閉循環パイプラインを追加配置するための投資コストが高いということである。
【0018】
スクラバ液テスト体積量は、もちろん、内部に圧力の存在するパイプ、例えば、スクラバ液だめからスクラバ液ノズルに向かうパイプ、から取り出されると理解される。しかし、CaCOの測定を実行するための独立なパイプが好ましい。
【0019】
本発明の他の有利な実施形態によれば、スクラバ液テスト体積量及び/又は調剤されたHCl体積量を変更することができる。
【0020】
さらに、CaCO測定の要求される精度をいつも保証するために、測定セルとして用いられる測定装置が正規に較正されていると好都合である。較正は、湿式分析比較測定(wet analytical comparison measurements)によって都合良く行われる。
【0021】
さらに、固体付着を防止するため、少なくとも測定セルとサンプリング・トラップが、付属したパイプと同様に、正規の時間間隔でクリーニングされる。
【0022】
最後に、本発明の方法において、この方法が正しく機能することを保証するために、pH測定の正当性がスクラバ液の体積流、測定セル中のテスト体積量、及び、調剤されたHClの体積量を監視することによって検証されることが好ましい。
【0023】
スクラバ液中のCaCO含有量を決定するための、本発明の装置は、閉循環パイプラインと、閉循環パイプラインに活性状態で接続されたポンプと、スクラバ液のサンプルを分離するために前記閉循環パイプラインに設けられたサンプリング・トラップと、サンプリング・トラップに接続されスクラバ液のサンプルのpH値を決定するための測定装置を有する測定セルと、を備えている。
【0024】
ここで、前記測定装置は、好ましくは、HCl調剤装置とpH値を測定するためのpHプローブとを備えている。
【0025】
さらに、好ましくは、すすぎ装置及び/又はエアレーション装置が備えられてている。
【0026】
サンプリング・トラップは、好ましくは、スクラバ液テスト体積量の分離の間、サンプリング・トラップによってスクラバ液がバイパスされるように、また、閉循環パイプライン中のスクラバ液体積流が邪魔されずに、連続的な流れが得られるように、バイパスを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態が、スクラバ液中のCaCO含有量を決定するための本発明の装置の実施形態の概略を示す添付した図面を参照して、詳述される。
【0028】
代表的な装置は、閉循環パイプライン10を備えており、これを介してポンプ12によってスクラバ液が、図中に部分的に示されたスクラバ・コラム16のスクラバ液だめ14からポンピングされる。ここで、前記スクラバ液だめ14から引き出されたスクラバ液は、矢印A,Bで示されているように、閉循環パイプライン10を流れた後、前記スクラバ液だめ14に戻される。閉循環パイプライン10は、さらに、スクラバ液の通過を許可又は阻止するストップ・バルブ18,20を備えている。
【0029】
上記ポンプ12の下流には、閉循環パイプライン中にサンプリング・トラップ22が配置されており、そのサンプリング・トラップは、前記閉循環パイプラインから所定のスクラバ液テスト体積量を分離可能とする。サンプリング・トラップ22は、パイプ24を介して測定セル26に接続され、そこに、前記サンプリング・トラップ22に分離されたスクラバ液テスト体積量が供給される。さらに、ストップ・バルブ28aによって開閉されるパイプ28が、前記測定セル26にHCl体積量を導入可能にしており、そのHCl酸は、HCl貯蔵タンク30から得られ、前記測定セルに供給されるべく、調剤装置32によって調剤される。前記測定セル26は、モータ34によって駆動されるアジテータ36を備えており、これによって、前記測定セル26に供給されたスクラバ液とHCl体積量とが混合される。両体積の混合の後、混合物のpH値がpHプローブ38によって決定される。そこでのpH値の決定の後、その混合物は、パイプ40に備えられたストップ・バルブ42を開けることによって、測定セルから排出される。
【0030】
サンプリング・トラップ22をバイパスするために、前記閉循環パイプライン10は、ストップ・バルブ46の付いたバイパス44を備えている。
【0031】
前記閉循環パイプライン10をクリーニングするために、ストップ・バルブ50の付いたすすぎ水パイプ48が、さらに備えられている。前記バルブ50が開の場合、すすぎ水は、ポンプ12の方向に流入し、前記閉循環パイプライン10に流入することができる。
【0032】
最後に、接続枝管52が、サンプリング位置22に配置されており、その接続配管は、ストップ・バルブ52a,52b,52cに対応する3つの入口を備えている。対応するストップ・バルブ52a又は52bを開とすることにより、すすぎ水がパイプ54を介して、又は、替わりの圧縮空気がパイプ56を介して、前記接続枝管52に導入され、開となったバルブ22bを介して前記サンプリング・トラップ22に導入される。ストップ・バルブ52cを開とすることにより、パイプ58を介して通気が実現される。対応するストップ・バルブ62を有しているエアレーション・パイプ60、及び、ストップ・バルブ66を有しているすすぎ水パイプ64が、前記測定セル26に接続されている。
【0033】
図1で代表される装置の操作について、以下に詳述される。
【0034】
初期位置において、全てのバルブ18,20,22a〜22d,42,46,50,52a〜52c,62,66が閉とされている。この代表装置をスタートさせるために、ストップ・バルブ18,20,22a,22cが開とされ、ポンプ12がスイッチONされる。そして、スクラバ液が、前記ポンプ12によってスクラバ・コラム16の前記スクラバ液だめ14からポンピングされ、前記サンプリング・トラップ22を通して前記閉循環パイプライン10に入り、スクラバ液だめ14に戻される。
【0035】
所定のスクラバ液体積量が、前記閉循環パイプライン10から、前記サンプリング・トラップ22によって排出される場合、まず、前記サンプリング・トラップ22のストップ・バルブ22cが閉とされる。
【0036】
このようにして、所定のスクラバ液体積量が、前記サンプリング・トラップ22に溜められ、サンプリング・トラップ22のストップ・バルブ22aを閉とすることによって、その中に閉じ込められる。前記サンプリング・トラップ22のストップ・バルブ22aが閉じられると、同時に、バイパス44のストップ・バルブ46が開とされ、スクラバ液が、もはや前記サンプリング・トラップ22に流れ込まず、代わりに、バイパス44を介してスクラバ液だめ14に戻る。前記サンプリング・トラップ22に入れられた所定のスクラバ液体積量は、前記サンプリング・トラップ22の前記ストップ・バルブ22d,52cを開とすることにより、パイプ24を介して、測定セル26に導かれる。前記測定セル26に導入されているスクラバ液体積量に適合されるHCl体積量は、調剤装置32で調剤され、ストップ・バルブ28aを開とすることによりパイプ28を介して前記測定セル26に導かれる。モータ34によって駆動されるアジテータ36は、前記測定セル26の中でスクラバ液体積量をHCl体積量と混合する。所定の反応時間の後、前記測定セル26の中に存在する混合物のpH値がpHプローブ38によって決定される。pH値が測定されると直ちに、ストップ・バルブ42を開にすることによりパイプ40を介して、混合物が排出される。
【0037】
前記サンプリング・トラップ22を用いて次のサンプルを取得するためには、スクラバ液がサンプリング・トラップに再度流れ込むように、前記ストップ・バルブ22d,46が再び閉とされ、前記ストップ・バルブ22aが再び開とされなければならない。
【0038】
前記閉循環パイプライン10と前記バイパス44がクリーニングされる場合、前記サンプリング・トラップ22のバルブ22a,22cが閉とされ、バルブ46が開とされなければならない。そうすると、すすぎ水が、対応する部品を通ってすすぎ水パイプ48を介して流れ込み、その後、開とされたストップ・バルブ20を介して前記スクラバ・コラム16に戻る。前記サンプリング・トラップ22とその接続パイプ、及び、前記閉循環パイプライン10を、バルブ46,22b,22dを閉とし、同様にバルブ50,22a,22c,20を開とすることによって、同様にすすぐことができる。
【0039】
前記サンプリング・トラップ22の単体をクリーニングのためには、そのバルブ22a,22cを閉とし、そのバルブ22b,22dを開としなければならない。バルブ52aを開とすることによって、すすぎ水が、パイプ54から接続枝管52を介して前記サンプリング・トラップ22に流れ込み、これをすすぐ。すすぎ水は、そこから、パイプ24を通して前記測定セル26に流れ込み、ストップ・バルブ42を開とすることによって、パイプ40を介して流れ去る。
【0040】
測定セルそのものは、バルブ66を開とすることにより、パイプ64を介してすすぎ水を満たすことができる。すすぎの後、水はバルブ42とパイプ40を介して流れ去る。
【0041】
本発明の代表とされた装置は、1つの例に過ぎず、添付の請求項で定義された本発明によって保護される内容を離れることなく、他の変形や変更が可能である、ということが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置の概略図。
【符号の説明】
【0043】
10 閉循環パイプライン
12 ポンプ
14 スクラバ液だめ
16 スクラバ・コラム
18 ストップ・バルブ
20 ストップ・バルブ
22 サンプリング・トラップ
22a〜22d ストップ・バルブ
24 パイプ
26 測定セル
28 パイプ
28a ストップ・バルブ
30 HCl貯蔵タンク
32 調剤装置
34 モータ
36 アジテータ
38 pHプローブ
40 パイプ
42 ストップ・バルブ
44 バイパス
46 ストップ・バルブ
48 すすぎ水パイプ
50 ストップ・バルブ
52a〜52c ストップ・バルブ
54 パイプ
56 パイプ
58 パイプ
60 エアレーション・パイプ
62 ストップ・バルブ
64 すすぎ水パイプ
66 ストップ・バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクラバ・コラムのスクラバ液流路から分離されたスクラバ液中のCaCO含有量の決定方法であって、
連続的に得られるスクラバ液の体積流からスクラバ液の所定のテスト体積量を分離する工程と、
スクラバ液のテスト体積量を測定セルに供給する工程と、
所定のHCl体積量を調剤し前記測定セルに供給する工程と、
前記供給された体積量を混合する工程と、
所定の反応時間の終了まで待つ工程と、
pH値を測定する工程と、
前記テスト体積量中のCaCO含有量を測定pH値の変化に基づいて決定する工程と、を備えていることを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記分離がサンプリング・トラップを用いて行われることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の方法であって、前記CaCO含有量の決定がpHプローブを用いて行われることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方法であって、分離して連続的に得られるスクラバ液の体積流が前記CaCO含有量の決定のために生成されていることを特徴とする。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法であって、前記スクラバ液のテスト体積量及び/又は前記調剤したHCl体積量が変更可能なことを特徴とする。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法であって、前記測定セルとして用いられる測定装置が正規に較正されていることを特徴とする。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記較正が湿式分析比較測定によって実現されることを特徴とする。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の方法であって、少なくとも前記測定セルとサンプリング・トラップが正規の時間間隔でクリーニングされていることを特徴とする。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の方法であって、前記pH測定の正当性が前記スクラバ液の体積流、前記測定セル中の前記テスト体積量、及び、前記調剤されたHClの体積量を監視することによって検証されることを特徴とする。
【請求項10】
スクラバ液中のCaCO含有量を決定するための装置であって、
閉循環パイプラインと、
前記閉循環パイプラインに活性状態で接続されたポンプと、
スクラバ液のサンプルを分離するために前記閉循環パイプラインに設けられたサンプリング・トラップと、
前記サンプリング・トラップに接続されスクラバ液のサンプルのpH値を決定するための測定装置を有する測定セルと、を備えていることを特徴とする。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、前記測定装置がHCl調剤装置とpHプローブとを備えていることを特徴とする。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の装置であって、さらに、すすぎ装置を備えていることを特徴とする。
【請求項13】
請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の装置であって、エアレーション装置を備えていることを特徴とする。
【請求項14】
請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の装置であって、前記サンプリング・トラップがバイパスを備えていることを特徴とする。

【図1】
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【公開番号】特開2006−250939(P2006−250939A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67056(P2006−67056)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(506085055)ルルギ レントイェス アーゲー (3)
【Fターム(参考)】