説明

スクリーンを使用して方向を指示する方法および装置とその装置を装備した車両

本発明は、相対的に暗いセクションと相対的に明るいセクションのパターンが、観察者が案内される方向へスクリーン上を動かされる、スクリーンを使用して方向を指示する方法に関係する。本発明は、少なくともスクリーンおよび画像情報生成手段を備え、画像情報生成手段が第1および第2のセクションの移動パターンの形式で少なくとも第1の画像を上記スクリーンに表示する少なくとも1個のアルゴリズムを備え、第1のセクションが第2のセクションより相対的に明るく、スクリーンが縦エッジを有し、上記画像生成手段が好ましくは少なくとも1個の縦エッジの方向に上記パターンを少なくとも一時的に移動させるため適合する、スクリーン上で情報を指示する装置にさらに関係する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクリーンを使用して方向を指示する方法に関係する。本発明は、この目的のため適した装置およびこのような装置が装備された車両にさらに関係する。
【背景技術】
【0002】
実際面から、たとえば、自動車のような車両用のナビゲーションシステムにおいて、方向を指示するためスクリーンを使用することが知られている。このようなシステムの一例は、オランダ国のPhilipsのナビゲーションシステム、すなわち、Carin(登録商標)である。GPSに基づいて、車両の位置が決定され、インターフェイスを用いて車両の希望の目的地が入力される。ナビゲーションシステムは、次に、決定された位置と希望の位置との間の経路を選択する。運転中に、この経路は明るい色のアニメーションでスクリーンによって表示される。
【0003】
これらの知られたシステムにおいて、スクリーン情報は比較的詳細であり、提示された情報を観察するためにスクリーンを直視しなければならない。これは安全上好ましくない。その上、提示される情報は、画像差し替えが連続的ではなく周期的に行われるので相対的に静止している。設定された精度および縮尺に応じて、提示される情報は、比較的遅れているか、または、少なくとも視覚的に精度が低い。
【0004】
この欠点を軽減するために、音声情報によって視覚情報を支援することが知られている。この場合、経路情報は音声生成を使用して提示される。この情報の例は、たとえば、「300メートル先まで左側通行」または「200メートル先で最初の角を曲がれ」である。このようにして、運転者がスクリーンを見るために自分の目を道路から反らすことを必要とせずに、関連情報が提示される。さらに、この情報は比較的早く与えられる。音声サポートの欠点は、車両雑音、車両内の会話および音楽などのような背景雑音の中で失われることである。さらに、このような音声情報は不明瞭であり、運転者の苛立ちの原因になる。
【0005】
たとえば、矢印および類似したアニメーションを使用して、方向情報をスクリーンに提示することがさらに知られている。たとえば、支払端末と共に、スクリーンが使用され、矢印を頼りに、特定の希望のアクションのために押されるべき/押すことができるボタンが指示される。これらは特に視覚的に障害のある人にとっては認識することが難しい。
【0006】
特開平09−159480号公報は、車両用のナビゲーションシステムについて記載する。道路地図上に、進むべき道路は、暗いセクションと明るいセクションで構築された、この進むべき道路の表示の上を移動し、全体として、道路地図に沿って移動する線の形式で描写される。したがって、この線は曲がり角を含むことがよくあるので、線を構築するセクションは様々な方向へ移動する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上記の欠点が少なくとも部分的に回避された、スクリーンを使用して方向情報を提示する方法を考慮する。
【0008】
この発明は、特に、既存のナビゲーションシステムより使いやすさおよび/または安全性が高められた、たとえば、車両用のナビゲーションシステムと共に、または、そのようなナビゲーションシステムとして適用可能である方法を提供することを考慮する。
【0009】
この発明は、スクリーンが設けられた装置の使いやすさが高められた、冒頭に記載されたタイプの方法を提供することをさらに考慮する。
【0010】
この発明は、より詳細には、スクリーンを直視することなく、車両の運転者または装置の別のユーザに見え、かつ、明瞭な情報がスクリーンに提示される、このような方法を提供することを考慮する。
【0011】
この発明は、少なくともスクリーンを使用して方向情報を提示する装置、および、この装置を装備した車両を提供することをさらに考慮する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的およびその他の目的のうちの少なくともいくつかは本発明による方法または装置で達成される。
【0013】
本発明による方法において、相対的に暗いセクションと相対的に明るいセクションとのパターンは、観察者が指示される方向にスクリーン上を動かされる。
【0014】
スクリーン上の相対的に暗いセクションと相対的に明るいセクションの移動パターンは、たとえば、車両の運転者のような観察者にとって、特に、周辺視野においても同様に、よく目に見え、情報を与えることが分かった。その上、このようなパターンは簡単な命令を与えるため非常によく適し、他の視覚的情報の代わりに、または、好ましくは、付加的に提示されることが分かった。よって、希望の方向情報の少なくとも一部分は、たとえば、車両の運転者が道路から目を反らす必要なく車両の運転者に提示される。その上、このようなパターンは、たとえば、視覚的に障害のある人のために簡単に使用されるが、その理由は、驚くべきことに、その人たちの周辺視野がこのような移動パターンに依然として敏感であり、一方、中心視野は視覚的に取り除かれていることがしばしば分かる。
【0015】
この明細書において、観察者は、提示された情報の対象とするユーザを意味することが理解される。この明細書において、指示方向は、たとえば、車両の希望の移動方向だけでなく、同様に、制御ボタンなどのための、たとえば、支払端末などのスクリーン上の命令のような希望の注意および/またはアクションの方向に関する情報を意味することが少なくとも理解される。その文脈で使用され得る情報を含むこと、たとえば、実際の情報を提示する前に、たとえば、観察者の注意を正確に引き出すために用いられる移動パターンのような注意情報を含むことが明示的に理解される。
【0016】
この明細書において、移動パターンは、好ましくは、比較的高い頻度で、たとえば、スクリーンの縦エッジの方向に移動するために、視覚的に出現するスクリーン上の画像を意味することが少なくとも理解される。
【0017】
この発明による方法において、好ましくは、交互の相対的に暗いセクションと相対的に明るいセクションのパターン、特に、ストライプが使用される。
【0018】
特に有利な実施形態では、このパターンは、パターンに関して相対的に静止した第2の画像の隣に、または、第2の画像の背景として、スクリーン上に提示される。たとえば、このパターンは、既存のナビゲーションシステムのスクリーンに背景として、第2の画像として、または、たとえば、電話機ディスプレイ、ATM、コンピュータスクリーンなどのスクリーンにおけるサポートとして表示される。
【0019】
特に有利な実施形態では、この発明による方法は、請求項5に記載された手段によって特徴付けられた、車両における経路情報を提示する方法で使用される。
【0020】
このような方法において、ナビゲーションシステムのスクリーンは、運転者がまっすぐ前方を見ている場合に、好ましくは、この自動車の運転者の周辺視野に位置するように、自動車のような車両に設置される。スクリーン上には、通常の仕方で、たとえば、付随的に音声支援されたアニメーションによって、視覚的経路情報が与えられる。同じスクリーン上には好ましくは、運転者の特別な注意が必要とされる場合に限り、たとえば、向きを変える場合、経路および/または交通情報などの場合、および/または、このような情報を提示する前に、上記の方法で移動するセクションのパターンが提示される。
【0021】
パターンが提示されるので、運転者の注意は安全に引き付けられ、比較的簡単な情報が、この目的のためスクリーンを見ること、および/または、音声情報を聴くことを必要とすることなく伝達される。特に、スクリーンが周辺視野に置かれるならば、安全性がこれによってかなり向上させられる。
【0022】
好ましくは、このパターンは、地形画像および/または経路のグラフィック表示より低い輝度および/またはコントラストで、特に、地形画像および/または経路のグラフィック表示の50%より低いコントラストおよび/または輝度で提示される。それらのコントラストの20%未満でさえ、周辺視野において所望の情報を伝達するために十分であることが分かった。
【0023】
視覚的に障害のある人々の利用のために、好ましくは、たとえば、第2あるいはより多くの静止画のコントラストと同程度の、より高いコントラストが使用される。
【0024】
パターンはグレーで、少なくとも実質的にモノクロームセクションであり、線などとして提示されることが好ましい。経路情報または類似した第2の画像がカラーで提示されるならば、これは、魅力的な画像を生じ、その画像によって、たとえば、高い情報密度および非常に良い明瞭さが実現されるので特に有利である。
【0025】
この発明によるパターンによって、少なくともこのパターンの構造および/または移動速度および/または変調周波数および/または方向および/またはそのパターンの合成のために、情報が提示され、たとえば、運転者の所望する注意、および/または、運転者によって実行されるべきアクションに基づいて命令される。好ましくは、移動の方向として少なくとも構造が使用される。
【0026】
この発明は、請求項11に記載された手段によって特徴付けられた、スクリーンに情報を提示する装置にさらに関係する。
【0027】
このような装置があれば、特に、スクリーンを直視することが望ましくない、または、逆に、運転者の注意が引き付けられるべきであるという状況においても、および/または、ユーザが視覚的に障害のある場合に、簡単かつ安全な仕方で、情報がスクリーンを使用して提示される。
【0028】
好ましくは、この発明による装置は、第2の画像の形態で、パターンによって形成された画像の隣に、または、パターンによって形成された画像を通して、さらなる情報をスクリーンに提示する画像情報生成手段をさらに備える。これは、組み合わせと個別との両方とも、可視的であり、かつ、理解可能である2つの画像を提示することを意味することが少なくとも理解される。
【0029】
本発明は、本発明による装置を備えた車両にさらに関係する。
【0030】
従属項では、この発明による方法、装置および車両のさらなる有利な実施形態が示されている。この発明を明確にするため、その例示的な実施形態が図面を参照してさらに説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本明細書中、同じ部分または対応する部分は同じ参照番号または対応する参照番号を有する。一例として、図1−5は、車両としての車における本発明による方法および装置を示す。図6は一例としてATMを示す。しかし、示された実施形態および使用は決して限定的であると解釈されるべきでない。
【0032】
図1は、本発明による方法を使用する、本発明による装置1を示す。この装置1は、スクリーン2と、CDまたはDVDプレーヤ4のような画像情報を格納し供給する手段が連結された、計算ユニット3のような画像情報生成手段とを備える。さらに、たとえば、キーボード、リモートコントロール、ステアリングホイールコントロールなどの制御手段5が設けられる。このような装置は、それ自体が、たとえば、車、ボート、航空機などで用いるナビゲーションシステムとして知られている。画像情報生成手段3には、好ましくは、GPS受信機6または類似した位置決定装置が結合されるので、装置の位置はいつでも決定され、スクリーン2に表示される。
【0033】
本発明による装置1では、画像情報生成手段3において、モジュール7が付加または結合され、このモジュールは、たとえば、図7に示されるように、第1の実質的な動画8をスクリーンに表示するために構成された、少なくとも1つのアルゴリズムが設けられる。このような第1の画像8は、たとえば、スクリーン2の縦エッジ9の方向に移動するか、または、往復運動をするパターン30により構成される。より全体的には、このようにして、スクリーン2上で回転および/または並進するという印象を与え、および/または、移動を示唆する光強度若しくはコントラストおよび/または構造が変化するという印象を与える動的な第1の画像8が生成される。
【0034】
示された例示的な実施形態では、第1の画像8は、互いに対して相対的に明るいセクションおよび相対的に暗いセクションで構築される。図7は、たとえば、第1の相対的に明るいセクション10と第2の相対的に暗いセクション11を交互に含み、それらの間に、色調が相対的に暗いセクション11から相対的に明るいセクション10へ変化し、その逆もまた同様の移行セクション12が設けられた、第1の画像8を示す。ストライプが示されているが、もちろん、緩やかなストライプ、または、異なるタイプのセクション、たとえば、ブロック、円などが使用され得る。図7において、画像8、少なくともパターン30は、上側縦エッジの方向に、図の下から上に方向Pへ進行する。ここで、移動は、たとえば、ストライプ10、11が上方へ移動する(ようにみえる)ことを意味することが理解されるべきである。これらの移動が複数の個別のまたは合成された方向で行われ得ることは明瞭である。移動の示唆は、もちろん、第1の画像8の部分をオンとオフに切り替えることによって、生成され、少なくとも強調される。
【0035】
図3が示すように、スクリーン2上に、第1の画像8が第2の画像13とともに、図示された実施例では、ナビゲーションシステムの道路地図とともに表示される。この第1の画像上で、主に相対的に暗いセクション11が第2の画像13の上に現れる。第2の画像13は、道路システムの一部分を表す。そのシステムでは、フラグ14がユーザによって制御手段5を使用して入力された目的地15、並びに、出発点(図示せず)からこの目的地までの経路16を示す。矢印17のような記号を使用して、装置1、特に、ナビゲーションシステムが収容された車両18が位置する場所が示される。示された実施形態を説明するために、図3において、第1の画像にフレーム20が設けられる。これは実際には省略可能である。
【0036】
図2は車両18内のスクリーン2の配置を示す。図2は、ハンドル22の後側の運転者位置21から、フロントガラス25を通して前方をまっすぐ見る運転者の一次視野23および二次視野24を表す。スクリーン2は、一次視野23の外側で二次視野24内に配置されている。このように配置されたスクリーン2上の第1の画像8の使用は運転者によく見え、少なくとも高い注意値をもち、運転者はスクリーン2を直視しなくてもよいことが分かった。したがって、運転者は自分の目を道路上に保つことができる。制御手段5は、通常の仕方で、たとえば、ステアリングホイール22に設けられる。
【0037】
図5A−Cは、車両18の3カ所の連続した位置における、本発明による車両1のスクリーン2の3枚の画像を示す。
【0038】
図5Aでは、車両18は道路の比較的直線的な部分にある(矢印17参照)。ここで、第2の画像13は完全に目に見え、第1の画像8は表示されず、すなわち、完全に透明な第1の画像8が表示される。したがって、運転者は自分が単に道路に沿って進めばよいことが分かる。
【0039】
図5Bでは、第2の画像13の上に、第1の画像8が表示され、上および/または下へ流れるセクション10、11、12のパターンを伴う。明瞭に示されるように、車両18(矢印17)は、車両が曲がるべき曲がり角26(出口「Houten 29」)に接近する。上方へ移動および/または下方へ移動する、および/または、点滅する、および/または、加速および/または減速する、および/または、合成(composition)が変化するパターン30によって、運転者の注意は、スクリーン上に目の焦点を合せることなく(「目のコーナーの外で」)そのパターンに固定される。対応する曲がり角26がより近くに接近するならば、運転者の注意値を増加させるために、たとえば、移動速度が増加されるか、または、画像が強調されるか、または、好ましくは、変調周波数が調節される。
【0040】
図5Cは、車両18(矢印17)が対応する曲がり角26に到達したことを示す。ここで、相対的に静止した第2の画像13の上に、第1の画像8が左から右へ流れるセクション10、11、12のパターン30によって表示される。したがって、第2の画像13のサポートとして、この曲がり角26を曲がるべきであることが運転者に指示され、この目的のため、ハイウェイは、入力された目的地15へ到達するために、右側に残される(車両18の運転方向に見える)。このパターン30は、たとえば、曲がり角26に到達する直前に展開される。図5Bに示されるようなパターン30は、任意で、たとえば、スポークの付いたホイールの形式をした画像8と共に、スクリーン2上の回転によって、図5Cに示されるようなパターンに変更され得る。
【0041】
変化する変調周波数によって、スクリーン2、少なくとも第1の画像8を制御することは、特に有利であることが分かった。ここで、変調周波数は、経路情報へのユーザのより高い注意が望ましいときに増加させられる。本明細書において、変調周波数は、画像を変調するため用いられる周波数、たとえば、(第1の)画像がリフレッシュされる周波数を意味することが少なくとも理解される。たとえば、図5Aに相当する曲がり角などの無い道路部分を運転するとき、画像は、緩やかな移動で第2の画像13の上をスライドし得る。図5Bに示されるように、曲がり角26がより近くに接近するならば、変調周波数は、第1の画像8が急に揺れるようにして第2の画像13の上を移動するように調節される。より安心感をユーザに与えることが分かったので、好ましくは、第1の画像はいつでも見え続ける。図5Cに示されるように、対応する曲がり角26へ(実際に)到達したとき、変調周波数は、第1の画像8がわずかに揺れるようにして第2の画像13の上を動くようにさらに調節される。ここでも同様に、第1の画像8はいつでも見え続けることが好ましい。したがって、この場合、第1の画像8は、第2の画像の上を段階的に、たとえば、上記のように上へ、次に、右へ移動し、同時に、変調周波数が所望の注意の尺度として使用され得る。ここで、第1の画像は、交互に静止と移動を行ってもよく、および/または、交互にオンとオフとに切り替えられてもよい。
【0042】
当然ながら、音響的および/または光学的補助を追加してもよい。たとえば、車両のダッシュボード上の注意ライト、または、スクリーン内の注意ライトが与えられ、その点滅周波数は曲がり角により接近するのに伴って増加する。
【0043】
注意値をサポートするために、パターン30に加えて、または、パターン30の代わりに、たとえば、図5Bに示されているように、注意の増加が必要であるならば、スクリーン2の輝度が一時的に調節され得る。第1の画像8のパターン30の移動は、緩やかでもあり断続的でもあり、すなわち、「ジャーキング(jerking)」である。
【0044】
種々のパターンの選択によって、種々のメッセージが、車両の運転者のような観察者に伝達されることは明瞭である。たとえば、移動の方向Pは、所望の車両方向と、希望の加速および減速などに応じて選択され、モールス符号のような符号と同程度であるパターンの符号化により、やや複雑なメッセージが伝達され、また、たとえば、異なる方向の移動を伴う多数の第1の画像8が表示され得る。その上、第1の画像に加えて、たとえば、それらが常にオンであるか、若しくは、常にオフであるように、または、迂回のような「複雑な」交通状況が発生した場合に限りオンに切り替えられるように、調節可能である音声命令のような、その他の、既に知られたサポート手段が、勿論、同様に使用される。
【0045】
図4は、電話機スクリーン上に、移動パターン30の形式をした第1の動画8が、この場合も相対的に暗いセクションと明るいセクション10、11、および、移行セクション12に示され、それによって、たとえば、ナビゲーションシステムをサポートするために、運転者の注意が車両内の異なる位置に引き付けられ得る、本発明による装置の代替的な実施形態を示す。図示された実施形態では、パターンは、たとえば、選択された番号がもはや契約されていないならば(「番号が契約されている」は「ダイヤル」に変わる)、このことが単に運転者に指摘されるように、運転者の注意を第2の画像13の変化に引き付けるためにも使用される。
【0046】
図6はATMの形式でこの発明による装置1の代替的な実施形態を示す。この装置は、クレジットカードスロット31、キーボード32、マネースロット33、および、周りに配置された制御ボタン34を伴うスクリーン2のような通常の部品を備える。クレジットカード(銀行カード)を挿入し、キーボード33によって識別コードを入力した後、通信はスクリーンおよび制御ボタンを介して継続する。記入済みテキスト35を用いて、スクリーン上に、連続して押されるべき、または、押されるべきでない制御ボタン34、そして、任意で所望のアクションを実行する制御ボタン34に関して情報が与えられる。特に、視覚的に障害のある人に対して、このような説明書きは読めないか、または、読むのが困難であることが分かった。同様に好ましくない照明条件は他の人に対してもこのことを困難にする。
【0047】
本発明による方法を使用することにより、このような装置1の使用はかなり改善される。ここで、テキスト35の代わりに、好ましくは、テキスト35に加えて、画像情報生成手段3のモジュール7によって、移動セクション10、11のパターン30がスクリーン2上に提示され、このパターン30は、操作されるべき、または、操作可能である次のボタンである制御ボタン34の方向Pに移動する。ここで、パターンは、たとえば、2個の制御ボタンの間の選択、および、それらの機能の間の選択のようなさらなる情報を、たとえば、コードの形式で表示可能である。このようなパターンは、特に視覚的に障害のある人であっても、特に、その人が、このパターンに対して、グレイを特に感じる周辺視野、特に、カラーを感じない目のロッドを使用するならば、見えることが分かった。これは、このような装置1の使いやすさをかなり改良することができる。
【0048】
図示された例示的な実施形態では、明るいセクションおよび暗いセクション10、11、12は、明瞭さの理由で、相対的に明るく、高いコントラストで表示される。しかし、このコントラストは相対的に低くなるように、たとえば、第2の画像13のコントラストの50%より低いコントラストであるように選択できることが分かった。好ましくは、使用されるコントラストは、25%未満、特に、20%未満である。第2の画像13に対してはカラーが使用されるが、第1の画像8は、好ましくは、グレイで構築される。本明細書中、コントラストと、相対的に暗いおよび相対的に明るいは、グレイおよび/またはカラーにおけるグレイ値の差を意味することが少なくとも理解される。
【0049】
第1の画像8は形式に関して第2の画像13と無関係に提示されることが明らかである。よって、図1〜5による実施形態によると、第1の画像8の形式は、第2の画像13に任意で提示された進むべき経路の形式とは異なり、画像は互いに依存して移動しない。図6に示された実施形態では、第1の画像の形式は第2の画像上の情報の形式とは異なる。明るいセクションおよび暗いセクションは、完全に、または、部分的に透明であるので、第2の画像はこれらのセクションの下で少なくとも部分的に可視的である。
【0050】
この発明は決して明細書本文と図面に記載された実施例に限定されない。それらの多数の変形が請求項に記載された発明の枠内で可能である。
【0051】
たとえば、他の手段が、たとえば、インターネットまたはイントラネット接続を介して、第2の画像を構築するために使用され、一方、それに加えて、情報が第2の画像を用いて異なる形式で提示される。第1の画像および第2の画像は、二つの異なるスクリーンに提示されてもよく、たとえば、第1の画像は電話機またはボードコンピュータスクリーンのようなスクリーン上に、第2の画像はナビゲーションシステムのスクリーン上に提示される。さらに、本発明による装置は、当然ながら、他の車両、および、たとえば、ネットワークなどにおいて、スクリーン付きの他のアプリケーションで使用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による装置を概略的に示す図である。
【図2】車両内での本発明による装置の配置を概略的に示す図である。
【図3】第1の実施形態において、本発明による装置のスクリーン上の画像を概略的に示す図である。
【図4】第2の実施形態において、本発明による装置のスクリーン上の画像を概略的に示す図である。
【図5A】接近する方向の変化とその後のこの方向の変化の指示に注意を引き付ける一連の連続画像構造を示す図である。
【図5B】接近する方向の変化とその後のこの方向の変化の指示に注意を引き付ける一連の連続画像構造を示す図である。
【図5C】接近する方向の変化とその後のこの方向の変化の指示に注意を引き付ける一連の連続画像構造を示す図である。
【図6】本発明の代替的な使用を示す図である。
【図7】本発明による方法と共に使用する画像構造を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に暗いセクション(11)および相対的に明るいセクション(10)のパターン(30)が、観察者の向かうべき方向にスクリーン(2)上で移動する、スクリーン(2)を使用して方向を指示する方法。
【請求項2】
前記パターン(30)は、一連の交互の前記相対的に暗いセクション(11)と前記相対的に明るいセクション(10)とから構築される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターン(30)は、相対的に明るいストライプ(10)と相対的に暗いストライプ(11)とから構築される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パターン(30)は、前記スクリーン(2)上で移動し、そのスクリーン(2)上で、同時に、前記パターン(30)に関して相対的に静止した第2の画像(13)が表示される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法を使用して、車のような車両(18)において経路情報を提示する方法であって、
ナビゲーションシステムのような経路情報システムのスクリーン(2)が、前記車両(18)に、好ましくは、前記車両(18)の運転者の周辺視野(24)に配置され、
前記スクリーン(2)上に、少なくとも1つの地形画像および/または経路(16)のグラフィック表現が提示され、
同時に、前記パターン(30)を車両(18)の運転者へ推奨された方向Pに前記スクリーン(2)上で動かす方法。
【請求項6】
前記パターン(30)は、前記地形画像および/または経路(16)のグラフィック表示のコントラストより低いコントラストで提示される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記パターン(30)のコントラストは、前記地形画像および/または前記経路(16)のグラフィック表示のコントラストの50%より低く、好ましくは25%未満、より好ましくは20%未満である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記パターン(30)はグレイで提示され、前記地形画像および/または経路(16)のグラフィック表示はカラーで提示される、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも前記スクリーン(2)上の前記パターンの構造、および/または、移動速度、および/または、方向、および/または、そのパターンの合成が、前記運転者により所望される注意に基づいて、および/または、前記運転者によって実行されるべきアクションに基づいて命令される、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記パターン(30)を使用して、その構造とその移動の方向との両方によって、情報が提示される、請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのスクリーン(2)および画像情報生成手段(3)を備え、
前記画像情報生成手段(3)は少なくとも、前記スクリーンに、第1のセクション(10)および第2のセクション(11)の移動パターン(30)の形式で、少なくとも第1の画像(8)を表示するアルゴリズムを備え、
前記第1のセクション(10)は、前記第2のセクション(11)より相対的に明るく、
前記スクリーン(2)は、縦エッジ(9)を有し、前記画像情報生成手段は、好ましくは、前記縦エッジの少なくとも一方の方向に前記パターンを少なくとも一時的に動かすたように構成されたことを特徴とする、スクリーン(2)上で情報を指示する装置(1)。
【請求項12】
前記画像情報生成手段(3)は、前記スクリーン(2)上で、前記第1の画像(8)の上に、第2の画像(13)の形式でさらなる情報を表示するようにさらに構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の画像(8)のコントラストが前記第2の画像(13)のコントラストより低く、特に50%以上低く、さらには75%以上低く、より好ましくは、80%以上低い、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の画像(8)のコントラストが前記第2の画像(13)と無関係に調節可能である、請求項12または請求項13のいずれか一項記載の装置。
【請求項15】
前記第1の画像(8)がグレイで表示され、少なくとも実質的に白黒のセクション(10,11,12)から構築される、請求項11から請求項14のいずれか一項記載の装置。
【請求項16】
当該装置(1)は前記移動パターン(30)によってサポートされた経路情報手段を備える、請求項11から請求項15のいずれか一項記載の装置。
【請求項17】
請求項11から請求項16のいずれか一項記載の装置が装備された車両(18)であって、前記スクリーン(2)は車両(18)の運転者の周辺視野(24)に設けられている、車両。
【請求項18】
ナビゲーションシステム(1)が装備され、前記スクリーンが前記ナビゲーションシステム(1)の一部である、請求項17に記載の車両(18)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−513323(P2007−513323A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537910(P2006−537910)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000767
【国際公開番号】WO2005/043083
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(501259662)ネイダーランゼ、オルガニザティー、ボー、トゥーゲパストナトゥールウェテンシャッペルーク、オンダーツォーク、ティーエヌオー (28)
【氏名又は名称原語表記】NEDERLANDSE ORGANISATIE VOOR TOEGEPASTNATUURWETENSCHAPPELIJK ONDERZOEK TNO
【Fターム(参考)】