説明

スクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法

【課題】スクリーン印刷機の状態の変化による印刷ずれを検出し、検出した印刷ずれ量をフィードバックすることによって、高精度の印刷の維持を可能とするスクリーン印刷機を提供する。
【解決手段】被印刷物にスクリーンを介してクリーム半田を印刷するスクリーン印刷機において、前記被印刷物の基準となるランドとこのランドに対応して印刷されたクリーム半田の画像を取得する基板認識カメラと、取得された画像から前記ランドと印刷されたクリーム半田とのずれ量を演算し、演算された前記ずれ量に1未満の所定の係数を乗算し、前記乗算した値を次の印刷時に印刷ずれ補正量として出力する制御部と、前記印刷ずれ補正量に基づいて前記次の印刷時に印刷ずれを補正する位置合わせ機構とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーンマスク上の塗布剤を前記スクリーンマスクに開設された印刷パターン孔を介して、スキージを移動させることによりプリント基板上に塗布するスクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法に関し、特に、プリント基板上に塗布される印刷パターンの印刷ずれを補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に良好な印刷の状態を得るために、スクリーン印刷機の設定時には、作業者は、試し刷りをして、その印刷状態を肉眼で計測し、直接印刷ずれ補正用データへ入力するか、後工程の印刷検査機で計測して得たずれ量を、印刷ずれ補正データへフィードバックする方法が行われている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−125716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のように、計測したずれ量をそのまま次回印刷にフィードバックする方法では、ずれ量が、基板認識システムの精度、基板自体の製作精度、装置(スクリーン印刷機)の振動などの影響で毎回変動していることから、逆に、印刷ずれの振幅が大きくなり、印刷が安定しないことがある。
本発明は、上記のような問題に鑑み、スクリーン印刷機の状態の変化による印刷ずれを検出し、検出した印刷ずれ量をフィードバックすることによって、高精度の印刷の維持を可能とするスクリーン印刷機およびスクリーン印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するために、本発明のスクリーン印刷機は、スクリーン印刷機の状態の変化による印刷ずれを検出し、検出したずれ量を、次回印刷にフィードバックする量を、検出したずれ量の0から1(0[%]〜100[%])の間の所定の割合で設定し、かつ、フィードバックを行うかどうかのずれ量の閾値を設定したものである。
即ち、上記本発明のスクリーン印刷機は、被印刷物にスクリーンを介してクリーム半田を印刷するスクリーン印刷機において、前記被印刷物の基準となるランドとこのランドに対応して印刷されたクリーム半田の画像を取得する基板認識カメラと、取得された画像から前記ランドと印刷されたクリーム半田とのずれ量を演算し、演算された前記ずれ量に1未満の所定の係数を乗算し、前記乗算した値を次の印刷時に印刷ずれ補正量として出力する制御部と、前記印刷ずれ補正量に基づいて前記次の印刷時に印刷ずれを補正する位置合わせ機構とを備えたものである。
好ましくは、上記本発明のスクリーン印刷機において、前記制御部の前記所定の係数は、0超の小数であることを特徴とする。
また好ましくは、上記本発明のスクリーン印刷機において、前記制御部は、前記ずれ量が所定の閾値未満の場合には、前記次の印刷時に前記印刷ずれ補正量をゼロまたは所定の値とすることを特徴とする。
【0006】
また、上記本発明のスクリーン印刷方法は、被印刷物にスクリーンを介してクリーム半田を印刷するスクリーン印刷機のスクリーン印刷方法において、前記被印刷物の基準となるランドとこのランドに対応して印刷されたクリーム半田の画像を取得し、取得された画像から前記ランドと印刷されたクリーム半田とのずれ量を演算し、演算された前記ずれ量に1未満の所定の係数を乗算し、前記乗算した値を次の印刷時に印刷ずれ補正量として出力し、前記印刷ずれ補正量に基づいて前記次の印刷時に印刷ずれを補正して位置合わせするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷後の半田のランド等の印刷位置からのずれ量を計測し、適正なフィードバック量で、次回の印刷にフィードバックすることができるため、安定して精度良い印刷が実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のスクリーン印刷機の一実施例の模式的な概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のスクリーン印刷機の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のスクリーン印刷機100の制御ユニットの構成の一実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明のスクリーン印刷機の一実施例のスクリーン印刷機での印刷ずれを説明するための模式図である。
【図5】本発明のスクリーン印刷機の一実施例における印刷ずれ量のフィードバック処理動作の手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】印刷ずれ量と印刷回数の関係を示す図によって、本発明のスクリーン印刷機を実行した場合の効果の一例について説明する図である。
【図7】印刷ずれ量と印刷回数の関係を示す図によって、本発明のスクリーン印刷機を実行した場合の効果の一例について説明する図である。
【図8】印刷ずれ量と印刷回数の関係を示す図によって、本発明のスクリーン印刷機を実行した場合の効果の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各構成要素若しくは全構成要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。また、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、できるだけ説明の重複を避けるため、説明を省略するようにした。
【0010】
図1によって、本発明のスクリーン印刷機の一実施例の構成を説明する。図1は、本発明のスクリーン印刷機の一実施例の構成を示すブロック図であって、スクリーン印刷機の模式的な概略正面図である。100は本発明の一実施例のスクリーン印刷機、Pはプリント基板(以下、単に、基板と称する)、Sはスクリーン印刷機100の設置面、1は装置(スクリーン印刷機)本体、2は基板支持ユニット、3はスクリーン、4は基板矯正認識ユニット、5は基板認識カメラ、6はスクリーン認識カメラ、7は印刷機構、10はスクリーンクリーニングユニット、13は送り機構、14はクリーニングシート、15は圧接ヘッド、19は巻き取りローラ、300は制御ユニットである。また2Aはバックアップテーブル、2Bは支持シュートである。
【0011】
図1において、スクリーン印刷機100は、プリント基板P上に塗布剤であるクリーム半田を印刷するためのもので、装置本体1上に設置された基板支持ユニット2と、この基板支持ユニット2の上方に配され水平方向に延びるY軸方向(図1の左右方向)に移動するための移動機構を備えたスクリーン支持手段(図示せず)により支持されたスクリーン3と、基板支持ユニット2とスクリーン3との間に配され、基板支持ユニット2上に載置されたプリント基板Pの基板認識マークを撮像する基板認識カメラ5を備えると共にプリント基板を上から押圧して反りを矯正する基板矯正ユニットを備える基板矯正認識ユニット4と、スクリーン3に付されたスクリーン認識マークを撮像するスクリーン認識カメラ6と、スクリーン3の上方に配されてスキージ27を備えた印刷機構7と、それらスクリーン印刷機100を構成する諸要素を制御する制御ユニット300とを備えている。制御ユニット300の詳細については、後述の図3によって説明する。
【0012】
基板支持ユニット2は、X軸方向、水平面内での角度方向および垂直(Z)方向に移動可能な移動機構(図示せず)と、プリント基板PをX軸方向に搬送する基板搬送機構(図示せず)と、プリント基板Pを下方から支持するバックアップピンを備えてZ方向に移動可能なバックアップテーブル2Aと、プリント基板を側方から挟んで支持する(クランプする)一対の支持シュート2Bとを備えている。
基板矯正認識ユニット4は、スクリーン3の下方位置とスクリーン3から退避する位置とのY軸方向(図1の左右方向)に移動可能であり、また基板矯正ユニットのみ垂直方向に移動可能である。
制御ユニット300は、例えば、マイクロコンピュータから成る。制御ユニット300は、スクリーン印刷機100を構成する各機器を制御し、本発明のスクリーン印刷機の動作を実行する。
スクリーン3の図1の左斜め下方にはスクリーンクリーニングユニット10が配設されている。このスクリーンクリーニングユニット10は、スクリーン印刷機の装置本体1に設けられたガイドに沿って図示しない駆動源により右斜め上方へ、即ちスクリーン3に向けて移動可能である。
【0013】
スクリーンクリーニングユニット10は、スクリーン3の下面に付着したクリーム半田を拭き取るためのものであってクリーム半田を溶解させる溶剤を含ませることができる素材によって形成された長尺のクリーニングシート14と、このクリーニングシート14をスクリーン3の下面に圧接するとともにクリーニングシート14におけるスクリーンに接触した部分の送り方向がスクリーン3の移動方向Aと平行になるようにクリーニングシート14を案内する圧接ヘッド15と、供給ローラ16(図示せず)にロール状に巻かれた状態のクリーニングシート14を長さ方向に送る送り機構13と、クリーニングシート14に溶剤を吹出し供給する溶剤供給手段(圧接ヘッド15と一体に形成されている。)と、拭き取ったクリーニングシート14を巻き取る巻き取りローラ19とを備えている。
【0014】
スクリーンクリーニングユニット10は、スクリーン印刷機の装置本体1に設けられたガイドに沿って図示しない駆動源により右斜め上方へ、即ち、スクリーン3に向けて移動可能であり、移動させてスクリーンクリーニングユニット10を停止させた状態で、スクリーン3をY軸方向(図1の左右方向)に往復移動させることにより、クリーニングシート14を、スクリーン3裏面に擦るように移動させて、溶剤をクリーニングシートに吹き付けてクリーム半田を溶解させては、クリーム半田をクリーニングシート14に付着させて拭き取るように清掃する。
【0015】
次に、図2によって、本発明のスクリーン印刷機の一実施例の構成をさらに説明する。図2は、本発明のスクリーン印刷機の一実施例の構成を示すブロック図であって、図1のスクリーン3の上部の印刷機構7の構成を示す側面図である。20はフレーム、21はスキージ上下シリンダ、23はスキージヘッド、25はスキージホルダ、26は押さえ板、27はスキージ、28はスクリーン板、29はスクリーン枠である。
【0016】
図2において、スクリーン3を介して基板支持ユニット2に載置されたプリント基板上に印刷を行う印刷機構7を図2に基づき説明する。スクリーン印刷機100は、Y軸方向(図1および図2の左右方向)に移動可能に取り付けられたフレーム20を有している。このフレーム20には、各スキージ上下シリンダ21によりZ軸方向(図2の上下方向)に独立して移動する一対のスキージヘッド23が対向するように取り付けられている。この各スキージヘッド23の下部には、スクリーン3面に対して所定角度傾斜して支持されたスキージホルダ25が設けられ、このスキージホルダ25と押さえ板26との間にスキージ27が固定される。
【0017】
また、スクリーン3は、プリント基板Pの所望の回路パターンに対応して穿設された印刷パターン孔が設けられたスクリーン板28と、スクリーン板28を囲む平面視矩形状のスクリーン枠29とから構成される。プリント基板は、搬送コンベア(図示せず)によって、印刷位置に配置されたバックアップテーブル2A上に載置されると共に印刷終了後にこのバックアップテーブル2Aから搬出される。
【0018】
次に、図3に基づき、スクリーン印刷機100の制御部ユニット300について説明する。図3は、本発明のスクリーン印刷機100の制御ユニット300の構成の一実施例を示すブロック図である。33は制御部、30はテーブルX軸駆動モータ、31はテーブルθ軸駆動モータ、32はスクリーンY軸駆動モータ、34はスキージY軸駆動モータ、37はスクリーン認識X軸駆動モータ、38は基板認識X軸駆動モータ、39は基板認識Y軸駆動モータ、35は駆動回路、36は認識処理装置である。
【0019】
図3において、制御部33は、駆動回路35を介して、基板支持ユニット2のバックアップテーブル2AをX軸方向に移動させるためのテーブルX軸駆動モータ30およびバックアップテーブル2Aをθ軸方向(水平面内での回転方向)に移動させるためのテーブルθ軸駆動モータ31、スクリーン3をY軸方向に移動させるためのスクリーンY軸駆動モータ32、印刷機構7(スキージ27)をY軸方向に移動させるためのスキージY軸駆動モータ34を制御する。
同様に、制御部33は、駆動回路35を介して、スクリーン認識カメラ6をX軸方向に移動させるためにスクリーン認識X軸駆動モータ37を制御する。また、制御部33は、駆動回路35を介して、基板認識カメラ5をX軸方向に移動させるために基板認識X軸駆動モータ38を制御し、基板認識カメラ5をY軸方向に移動させるために基板認識Y軸駆動モータ39を制御する。
【0020】
認識処理装置36は、制御部33に接続され、スクリーン認識カメラ6により撮像された画像の認識処理や、基板認識カメラ5により撮像された画像の認識処理を行い、2つの認識処理結果を制御部33に出力する。
制御部33は、入力された2つの認識処理結果に基づいて、各基板認識マークの位置と各スクリーン認識マークの位置とを相対的に位置決めるように、位置ずれ量を演算し、その演算結果を内蔵する記憶部(図示しない)に格納する。従って、制御部33は、この演算され格納された位置ずれ量に基づいて、テーブルX軸駆動モータ30およびテーブルθ軸駆動モータ31を制御すると共に、スクリーンY軸駆動モータ32を制御する。これにより、プリント基板Pとスクリーン3の相対的な位置ずれを補正して位置決めする。
なお、上述の図1〜図3の実施例では、基板Pとスクリーン3間の位置合わせや位置補正をX軸方向とθ方向をテーブルの移動で行い、Y軸方向に対してはスクリーンの移動で行った。しかし、基板Pとスクリーン3間の位置合わせや位置補正は相対的に移動出来ればよく、X軸方向、Y軸方向、およびθ方向において、テーブルとスクリーンのどちらを移動するようにしても良く、また両者を移動するようにしても良いことは勿論である。
【0021】
次に、図4によって、本発明のスクリーン印刷機の一実施例における、印刷ずれの具体的な状態と印刷ずれ量の測定方法について説明する。図4は、本発明のスクリーン印刷機の一実施例のスクリーン印刷機での印刷後のクリーム半田のランドからの印刷ずれを説明するための模式図である。41は基板位置決め用マーク、42と42’は基板Pの対角にそれぞれ設けられた基準となるランド、43は基準となるランド42の近傍を示す枠、43’は枠43を拡大して表示した図、44はクロスカーソル、45は印刷されたクリーム半田、46は矢印である。
なお、印刷ずれ量とは、印刷エリアに搬入された基板Pとスクリーン3との相対的な位置ずれ量を除いたずれ量である。基板Pとスクリーン3との相対的な位置ずれ量とは、基板認識カメラ5およびスクリーン認識用カメラ6がそれぞれ取得した画像を画像処理した結果演算された、基板Pの位置決め用マークと、スクリーン3の所定の基板位置決め用マーク41との相対的なずれ量である。
【0022】
本発明のスクリーン印刷機の一実施例では、まず、印刷エリアに搬入された基板Pに対して、基板認識カメラ5が動作し、基板Pの基板位置決め用マーク41を検出する。検出には、制御部33が駆動回路35と認識処理装置36を制御して実行する。例えば、印刷エリアに搬入された基板Pの所定の基板位置決め用マーク41近傍を基板認識カメラ5が撮像できるように、基板認識カメラ5を相対的に移動させる。即ち、制御部33は、駆動回路35を介して、基板認識X軸駆動モータ38および基板認識Y軸駆動モータ39を制御する。なお、テーブルX軸モータ30、テーブルθ軸モータ31およびスクリーンY軸モータ32を制御しても良い。
基板認識カメラ5は、それら移動した2つの箇所の基板Pの画像を取得し、取得した画像を認識処理装置36に出力する。認識処理装置36は入力された画像を周知の技術で画像処理し、基板Pの基板位置決め用マーク41に基づいて、基板PのX軸方向、Y軸方向および上θ軸方向の位置ずれを検出し、検出した位置ずれ量を制御部33に出力する。制御部33は、入力された位置ずれ量に基づいて、テーブルX軸駆動モータ30、テーブルθ軸駆動モータ31およびスクリーンY軸駆動モータ34を駆動して基板Pとスクリーン3とを位置合わせする。
【0023】
なお、図示しないが、基板認識カメラ5は、動作していない時には、スクリーン印刷を邪魔しないように、制御部33の制御により図示しない駆動機構が制御されることによって、所定の退避場所に退避している。
例えば、上記位置合わせ後、制御部33は、基板認識カメラ5を退避させ、基板P上のスクリーン3を所定の高さに移動(基板認識カメラ5の画像取得時には、スクリーン3は、上方若しくは後方に移動している)し、周知のスクリーン印刷動作で半田印刷を行う。この半田印刷は、スクリーン印刷機100の設定時の試し刷りが終了後若しくは、試し刷りを省いた、本番の半田印刷である。
【0024】
上記半田印刷後の基板Pの画像を、基板認識カメラ5を用いて再度取得する。
例えば、図4の本発明のスクリーン印刷機100によって半田印刷された基板Pにおいて、2つの基板位置決め用マーク41の近傍に、あらかじめ2つの基準となるランド42の位置を登録した状態を示す。
矢印46の示す拡大図43’のクロスカーソル44の中心位置は、基板Pの種類毎にあらかじめ登録しておいた所定の基準となるランド42’の中心位置であり、斜線の四角で表した印刷されたクリーム半田45の中心との差を半田の印刷ずれ量として、本発明のスクリーン印刷機100によって計測する。そして、制御部33は、計測した2つの点(即ち、2つの基準となるランドの中心点についての)の半田の印刷ずれ量から基板Pとスクリーン3の相対的な印刷ずれ量(X方向、Y方向、θ方向)を算出する。ここで、θ方向のずれを求めるには、計測された2つの点を結ぶ直線と登録された2点を結ぶ直線との位置ずれを算出すれば良い。
【0025】
次に、図5に示すフローチャートによって、本発明のスクリーン印刷機の一実施例における印刷ずれ量のフィードバック方法について説明する。図5は、本発明のスクリーン印刷機の一実施例における印刷ずれ量のフィードバック処理動作の手順を説明するためのフローチャートである。図5の処理は、制御部33がスクリーン印刷機を構成する各機器を制御して実行する。
また、基板認識カメラ5は、図5のフローチャート処理動作を実行していなく、動作していない時には、スクリーン印刷を邪魔しないように、所定の退避場所に退避し、図5のフローチャート処理動作を実行する時には、基板認識カメラ5が、所定の撮像位置に移動する。即ち、適宜、所定の位置に移動する。例えば、下記のステップS53では、印刷エリアに搬入された基板Pの所定の基板位置決め用マーク41近傍を基板認識カメラ5が撮像できるように、基板認識カメラ5を相対的に移動させる。
【0026】
ステップ51では、1枚の基板Pにクリーム半田を印刷する。このとき、基板認識カメラ5とスクリーン認識カメラ6による基板Pとスクリーン3との相対的な位置ずれ量に、フィードバックされた前回に求めた印刷ずれ補正量を加算して位置合わせを行う。
ステップ52では、印刷ずれ検出インターバルのカウントアップを行う。カウント値が所定の値であればカウントをクリアしてステップ53の処理を実行する。また、カウント値が所定の値n未満であれば、カウント値に1を加えて、処理を終了する。所定の値nは、印刷ずれを検出する間隔を表し、例えば、n=1ならば、基板Pを1枚印刷する都度印刷ずれ量を検出し、本発明によるずれ補正を実行する。また例えば、n=10ならば、基板Pを10枚印刷する都度、印刷ずれ量を検出し、本発明による印刷ずれ補正を実行する。
【0027】
ステップ53では、基板位置決め用マーク41の近傍にあらかじめ登録された2点または3点のランド42の座標を中心とする所定の範囲(基準となるランド42上のクリーム半田の位置を判定可能な領域内)の画像を、基板認識カメラ5が取得する。
ステップ54では、次に基準となるランド42の座標と認識したクリーム半田、即ち、基準となるランド42に対応し、このランド42と本来一致すべきクリーム半田の位置の差である印刷ずれ量を算出する。
【0028】
ステップ55では、算出した印刷ずれ量を、あらかじめ登録しておいたフィードバックの閾値(規定値)Tと比較する。印刷ずれ量が閾値T以内の場合には、フィードバック計数をゼロとし、処理を終了する。また、印刷ずれ量が閾値Tを超えた場合には、ステップ56の処理を実行する。印刷ずれ量の閾値Tとの比較は、X方向(閾値Tx)、Y方向(閾値Ty)、θ方向(閾値Tθ)それぞれについて実行する。
ステップ56では、X方向とY方向の印刷ずれ量に、フィードバック係数を乗算しフィードバックする印刷ずれ量とする。フィードバック係数Rは、印刷ずれ量を次回の印刷ずれ補正に反映する量であり、0から1(0<R<100[%])の間の値(例えば、50[%])をあらかじめ登録しておく。なお、このフィードバック計数Rは、X方向(閾値Tx)、Y方向(閾値Ty)、θ方向(閾値Tθ)それぞれで同一値(フィードバック計数R)にしても良いし、いずれかの係数または全ての係数を異なる値(フィードバック計数Rx、Ry、Rθ)に設定しても良い。
次に、フィードバック係数を乗算して求めた半田のずれ量から印刷ずれの補正量X、Y、θ成分を算出する。所定の閾値以下の場合には位置ずれ補正量は0(ゼロ)である。
ステップ57では、求めた印刷ずれ補正量を、次回印刷時の印刷ずれ補正量としてフィードバックする。
なお、ステップ55において、印刷ずれ量が閾値T以内の場合には、フィードバック計数をゼロとし、処理を終了する。
また、図4に記載したように、基板Pの対角にそれぞれ離れて設けられたランド42と、当該2つのランド42に対応して印刷されたクリーム半田との、X方向およびY方向の印刷ずれ量を算出し、算出された印刷ずれ量に基づいて基板Pに対する印刷の傾きを求めて、印刷の傾きとX方向、Y方向のずれ量に基づいて印刷ずれを補正することにより、より印刷精度を向上することができる。
【0029】
次に本発明の効果を、図6〜図8によって説明する。図6〜図8は、印刷ずれ量と印刷回数の関係を示す図によって、本発明のスクリーン印刷機を実行した場合の効果の一例について説明する図である。図6〜図8において、横軸は時間、縦軸はY軸方向の印刷ずれ量である。
なお、X方向若しくはθ方向の印刷ずれ量に対しても同様の傾向であるので、説明は省略する。
【0030】
図6は、印刷ずれのフィードバックを行わない従来の場合のY軸方向の印刷ずれ量の変化を示す図である。全体に+方向にずれているが、その印刷ずれ量は、印刷方向による違い等により、毎回変化している。
【0031】
図7は、印刷ずれの補正量を、次々回の印刷補正に100[%](1倍)加算させた場合のY軸方向の印刷ずれ量の変化を示す。絶対的な印刷ずれ量は図6に比べて少なくなっているが、ずれ量0を中心としてプラスマイナス方向に大きく振れている。
【0032】
図8は、印刷ずれの補正量を、次々回の印刷補正に50[%](0.5倍)加算させ、閾値以内であればフィードバックを行わない場合のY軸方向の印刷ずれ量の変化を示す。閾値外から数回で閾値Ty内に収まった後、閾値Ty内でゆるやかに振れており、振れ幅も図7に比べ少なくなっており、高い印刷精度で安定して印刷ができていることが分かる。
【0033】
上記図1〜図5の実施例によれば、図8に示すように、印刷のランド等の印刷位置からの印刷ずれ量を計測し、適正なフィードバック量で、次回の印刷にフィードバックすることができるため、安定して精度良い印刷が実現することができる。
【0034】
上述の図1〜図8の実施例では、被印刷物としてプリント基板を例に挙げた。しかし、プリント基板である必要はなく、IC等の半導体やその他電子部品、あるいは機械部品を実装するため平板であれば良い。また、図1〜図8の実施例では、スクリーン印刷による印刷物をクリーム半田として説明したが、クリーム状の接着剤や他の塗布物でも本実施例が十分適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0035】
1:装置本体、 2:基板支持ユニット、 2A:バックアップテーブル、 2B:支持シュート、 3:スクリーン、 4:基板矯正認識ユニット、 5:基板認識カメラ、 6:スクリーン認識カメラ、 7:印刷機構、 10:スクリーンクリーニングユニット、 13:送り機構、 14:クリーニングシート、 15:圧接ヘッド、 19:巻き取りローラ、 20:フレーム、 21:スキージ上下シリンダ、 23:スキージヘッド、 25:スキージホルダ、 26:押さえ板、 27:スキージ、 28:スクリーン板、 29:スクリーン枠、 30:テーブルX軸駆動モータ、 31:テーブルθ軸駆動モータ、 32:スクリーンY軸駆動モータ、 33:制御部、 34:スキージY軸駆動モータ、 35:駆動回路、 36:認識処理装置、 37:スクリーン認識X軸駆動モータ、 38:基板認識X軸駆動モータ、 39:基板認識Y軸駆動モータ、 41:基板位置決め用マーク、 42、42’:基準となるランド、 43:基準となるランド42の近傍を示す枠、 43’:枠43を拡大して表示した図、 44:クロスカーソル、 45:印刷されたクリーム半田、 46:矢印、 100:スクリーン印刷機、 300:制御ユニット、 P:プリント基板(基板)、 S:設置面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物にスクリーンを介してクリーム半田を印刷するスクリーン印刷機において、前記被印刷物の基準となるランドとこのランドに対応して印刷されたクリーム半田の画像を取得する基板認識カメラと、取得された画像から前記ランドと印刷されたクリーム半田とのずれ量を演算し、演算された前記ずれ量に1未満の所定の係数を乗算し、前記乗算した値を次の印刷時に印刷ずれ補正量として出力する制御部と、前記印刷ずれ補正量に基づいて前記次の印刷時に印刷ずれを補正する位置合わせ機構とを備えたことを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項2】
請求項1記載のスクリーン印刷機において、前記制御部の前記所定の係数は、0超の小数であることを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のスクリーン印刷機において、前記制御部は、前記ずれ量が所定の閾値未満の場合には、前記次の印刷時に前記印刷ずれ補正量をゼロまたは所定の値とすることを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項4】
被印刷物にスクリーンを介してクリーム半田を印刷するスクリーン印刷機のスクリーン印刷方法において、前記被印刷物の基準となるランドとこのランドに対応して印刷されたクリーム半田の画像を取得し、取得された画像から前記ランドと印刷されたクリーム半田とのずれ量を演算し、演算された前記ずれ量に1未満の所定の係数を乗算し、前記乗算した値を次の印刷時に印刷ずれ補正量として出力し、前記印刷ずれ補正量に基づいて前記次の印刷時に印刷ずれを補正して位置合わせすることを特徴とするスクリーン印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−196824(P2012−196824A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61450(P2011−61450)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】