説明

スクリーン印刷機及びスクリーン印刷方法

【課題】ペーストの厚さムラに起因する印刷精度の低下を防止することができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板2の、マスク15に対するスキージ16の摺動方向と直交する水平面内方向であるスキージ16の幅方向の寸法Rを記憶する寸法記憶部62と、寸法記憶部62に記憶された基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rを読み出し、その読み出した基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rに応じてペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLを設定するペースト長さ設定部50bとを備える。ペースト供給シリンジ18は、ペースト長さ設定部50bにより設定されたスキージ16の幅方向の長さを有するペーストPstをマスク15上に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに形成されたパターン孔を介して基板の電極にペーストを転写するスクリーン印刷機及びスクリーン印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板に半田ペースト等のペーストのスクリーン印刷を行うスクリーン印刷機は、基板の電極の配置に応じたパターン孔が形成されたマスクに基板を接触させ、マスク上にペーストを供給したうえでスキージをマスク上で摺動させることにより、マスクのパターン孔を介して基板の電極にペーストを転写させるようになっている(例えば、特許文献1)。このようなスクリーン印刷機では、従来、オペレータが手作業で、マスク上の一箇所に、塊状のペーストを供給するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−160710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように、オペレータが手作業でマスク上の一箇所に塊状のペーストを供給する場合、マスク上でのペーストの広がり具合を均一にすることは難しいことから、スキージの中央部付近に比べてスキージの端部付近のペーストの厚さが小さくなるといったマスク上でのペーストの厚さムラが生じ易く、印刷精度が低下してしまう場合があるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、ペーストの厚さムラに起因する印刷精度の低下を防止することができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のスクリーン印刷機は、基板の電極の配置に応じて形成されたパターン孔を有し、下面に基板が接触されるマスクと、マスク上を摺動するスキージと、基板の、マスクに対するスキージの摺動方向と直交する水平面内方向であるスキージの幅方向の寸法を記憶する寸法記憶部と、寸法記憶部に記憶された基板のスキージの幅方向の寸法を読み出し、その読み出した基板のスキージの幅方向の寸法に応じてペーストのマスク上でのスキージの幅方向の長さを設定するペースト長さ設定部と、ペースト長さ設定部により設定されたスキージの幅方向の長さを有するペーストをマスク上に供給するペースト供給手段と、ペースト供給手段によりペーストが供給されたマスク上でスキージを摺動させ、マスクのパターン孔を介して基板の電極にペーストを転写させるスキージ駆動手段とを備えた。
【0007】
請求項2に記載のスクリーン印刷方法は、基板の電極の配置に応じて形成されたパターン孔を有したマスクの下面に基板を接触させる工程と、基板の、マスクに対するスキージの摺動方向と直交する水平面内方向であるスキージの幅方向の寸法に応じてペーストのマスク上でのスキージの幅方向の長さを設定する工程と、設定したスキージの幅方向の長さを有するペーストをマスク上に供給する工程と、ペーストが供給されたマスク上でスキージを摺動させ、マスクのパターン孔を介して基板の電極にペーストを転写させる工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、基板のスキージの幅方向(マスクに対するスキージの摺動方向と直交する水平面内方向)の寸法に応じてペーストのマスク上でのスキージの幅方向の長さを設定し、その設定したスキージの幅方向の長さを有するペーストをマスク上に供給するようになっているので、マスク上でのペーストの広がり具合を容易に均一にすることができる。このため、スキージの中央部付近に比べてスキージの端部付近のペーストの厚さが小さくなるといったマスク上でのペーストの厚さムラが生じにくく、これに起因する印刷精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の平面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の正面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の側面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるマスクホルダ及びマスクホルダに設置されたマスクの平面図
【図5】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるペースト供給シリンジの斜視図
【図6】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるスキージ及びペースト供給シリンジの側面図
【図7】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の部分正面図
【図8】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の制御系統を示すブロック図
【図9】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備える後方のスキージの(a)斜視図(b)側面図
【図10】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機におけるペーストの供給状態の一例を示すマスクホルダ及びマスクの平面図
【図11】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が実行するスクリーン印刷作業の手順を示すフローチャート
【図12】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【図13】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【図14】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【図15】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【図16】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1、図2及び図3に示すスクリーン印刷機1は、実装基板生産用の電子部品実装ラインを構成する電子部品実装用装置の一種であり、基板2を搬入してその基板2の表面に設けられた電極3上に半田ペーストや導電性ペースト等のペーストPst(図3参照)を転写するスクリーン印刷を行った後、その基板2を下流側の電子部品実装機(図示せず)等に搬出する動作を連続実行するものである。以下、説明の便宜上、このスクリーン印刷機1における基板2の搬送方向をX軸方向(図1の紙面左右方向)、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向(図1の紙面上下方向)とし、上下方向をZ軸方向とする。また、Y軸方向をスクリーン印刷機1の前後方向、X軸方向をスクリーン印刷機1の横(左右)方向とする。更に、前後方向のうち、スクリーン印刷機1のオペレータOP(図1)がスクリーン印刷機1に対して作業を行う側(図1の紙面下方)をスクリーン印刷機1の前方、その反対側(図1の紙面上方)をスクリーン印刷機1の後方とする。
【0011】
図1、図2及び図3において、スクリーン印刷機1は、基台11上に設けられた基板保持移動ユニット12、基板保持移動ユニット12の基板2の搬送方向(X軸方向)の上流側(図1の紙面左側)に設けられた基板搬入コンベア13、基板保持移動ユニット12の基板2の搬送方向の下流側(図1の紙面右側)に設けられた基板搬出コンベア14、基板保持移動ユニット12の上方に設けられた金属製の薄板材料から成るプレート状のマスク15、前後一対のスキージ16、カメラユニット17及びペースト供給シリンジ18を備えている。
【0012】
図2及び図3において、基板保持移動ユニット12は、水平移動部21、昇降部22、コンベア部23、下受け部24及び基板保持部25から成る。
【0013】
図2及び図3において、水平移動部21は、Yテーブル駆動モータMyの作動によって基台11に対してY軸方向に移動するYテーブル21a、Xテーブル駆動モータMxの作動によってYテーブル21aに対してX軸方向に移動するXテーブル21b、Xテーブル21bに対してZ軸回りに回転するθテーブル21c、θテーブル21cの上面に固定されたベーステーブル21d及びベーステーブル21dの上面から上方に延びて設けられた複数の昇降テーブルガイド21eから成る。
【0014】
図2及び図3において、昇降部22は、水平移動部21の複数の昇降テーブルガイド21eにガイドされてベーステーブル21dに対して昇降する昇降テーブル22a、昇降テーブル22aの上面から上方に延びて設けられた複数の下受け部昇降ガイド22b及び昇降テーブル22aの上面に設けられた前後の昇降フレーム22cから成る。
【0015】
図3において、コンベア部23は昇降フレーム22cに支持されて昇降テーブル22aとともにベーステーブル21dに対して昇降する前後一対のベルトコンベア支持部材23aと、各ベルトコンベア支持部材23aに支持されてX軸方向に送り動作をする前後一対のベルトコンベア23bから成り、これら前後のベルトコンベア23bが同期して作動することにより、基板2のX軸方向への搬送がなされる。
【0016】
図2及び図3において、下受け部24は、コンベア部23の下方において、下受け部昇降ガイド22bにガイドされて昇降する下受けユニット支持テーブル24a及び下受けユニット支持テーブル24aの上面に設けられた下受けユニット24bから成る。下受けユニット24bは上方に延びて設けられた複数のピン部材24c(図2)を有しており、下受けユニット支持テーブル24aと一体となって昇降テーブル22aに対して昇降し、複数のピン部材24cの上端を、前後のベルトコンベア23bによって両端部が支持された基板2の下面に下方から接触させてその基板2を支持する。
【0017】
図3において、基板保持部25は、前後のベルトコンベア支持部材23aそれぞれの上部にY軸方向に移動自在に設けられた前後一対のクランプ部材25aから成る(図1も参照)。これら前後のクランプ部材25aは、昇降フレーム22cに取り付けられたクランプ部材作動モータ26(図3)を作動させることにより、図示しないリンク機構を介して互いに反対の方向に(すなわちY軸方向に開閉する方向に)移動させることができ、前後のベルトコンベア23bによって両端部が支持された基板2をその搬送方向を基準とした場合の幅方向(Y軸方向)からクランプして保持し、またその保持の解除をすることができる。
【0018】
図1及び図2において、基板搬入コンベア13及び基板搬出コンベア14はそれぞれ、基板保持移動ユニット12のコンベア部23と同様に前後一対のベルトコンベア13a,14aを有して成る。基板搬入コンベア13は、スクリーン印刷機1の外部から投入された基板2を搬入して基板保持移動ユニット12のコンベア部23に受け渡し、基板搬出コンベア14は、基板保持移動ユニット12のコンベア部23から受け渡された基板2をスクリーン印刷機1の外部に搬出する。
【0019】
このように、基板搬入コンベア13、基板保持移動ユニット12のコンベア部23及び基板搬出コンベア14は基板2の搬送を行う基板搬送路27(図1)として機能する。また、基板保持移動ユニット12のコンベア部23は基板搬送路27の一部を構成し、一対のベルトコンベア23bにより基板2の両端部を下方から支持してその基板2の搬入を行うものとなっている。
【0020】
図1及び図2において、基台11上には基板搬入コンベア13及び基板搬出コンベア14をそれぞれY軸方向に跨ぐ一対の門型フレーム31が設けられており、これら一対の門型フレーム31によってマスクホルダ32が支持されている。マスクホルダ32は、門型フレーム31に両端が取り付けられて基板保持移動ユニット12が備える基板保持部25の上方をX軸方向に延びて配置された前後一対のガイド部材33と、一対のガイド部材33上をY軸方向に延びて設けられた左右一対のマスク支持レール34とから成る。マスク15はマスクホルダ32が備える左右一対のマスク支持レール34によって左右両端が支持されて基板保持移動ユニット12の上方に水平姿勢に保持される(図4も参照)。
【0021】
図1及び図4において、マスク15は平面視において矩形の枠状部材から成るマスク枠15wによって四辺が支持されており、マスク枠15wによって囲まれた矩形の領域には、基板2上の複数の電極3に対応した多数のパターン孔15aが設けられている。すなわちマスク15は、基板2の電極3の配置に応じて形成された多数のパターン孔15aを有したものとなっている。
【0022】
図1において、基板2の対角位置には2つ一組の基板側位置決め用マークmkが設けられている。一方、図4において、マスク15には、基板側位置決め用マークmkに対応して配置された2つ一組のマスク側位置決め用マークMKが設けられている。これら基板側位置決め用マークmkとマスク側位置決め用マークMKが上下に合致する状態で基板2をマスク15に接触させると、基板2の電極3とマスク15のパターン孔15aが上下に合致した状態となる。なお、図4中、破線で示す矩形領域Sgは、マスク15に基板2を接触させたときに基板2と接触することとなる領域である。
【0023】
図1及び図2において、一対の門型フレーム31には、X軸方向に延びたX軸ステージ35の両端部がY軸方向にスライド自在に支持されている。X軸ステージ35上にはカメラ支持ステージ36がX軸方向に移動自在に設けられており、カメラ支持ステージ36には前述のカメラユニット17が取り付けられている。カメラユニット17は、撮像視野を下方に向けた第1カメラ17aと撮像視野を上方に向けた第2カメラ17bを備えている(図3)。
【0024】
図1及び図2において、一対の門型フレーム31にはX軸方向に延びたスキージベース37の両端が支持されており、スキージベース37は門型フレーム31に沿ってY軸方向に往復移動自在となっている。
【0025】
図2及び図3において、スキージベース37の上面の中央部のY軸方向に対向する位置には2つのスキージ昇降シリンダ38がピストンロッド38aを下方に向けて設けられており、これら2つのスキージ昇降シリンダ38のピストンロッド38aはそれぞれ、スキージベース37を上下方向に貫通して延びている。各スキージ昇降シリンダ38のピストンロッド38aの下端部には前述のスキージ16が取り付けられている。各スキージ16はX軸方向に延びた「へら」状の部材から成る。
【0026】
スキージ昇降シリンダ38のピストンロッド38aを上下方向に作動させると、ピストンロッド38aの下端に取り付けられたスキージ16が、スキージベース37に対して(したがってマスク15に対して)昇降する。そして、スキージベース部37に対して前方のスキージ16(図6における紙面左側のスキージ16)及び後方のスキージ16(図6における紙面左側のスキージ16)のうちの一方を下降させ、そのスキージ16をマスク15の上面に当接させた状態でスキージベース37を前後方向(Y軸方向)に移動させることにより、スキージ16をマスク15に対して水平面内方向に摺動させることができる。
【0027】
ペースト供給シリンジ18は、図5及び図6に示すように、スキージベース37の前部(図6の紙面左側)にシリンジ取り付けブラケット41を介して取り付けられており、シリンジ取り付けブラケット41はスキージベース37と対向する後面に設けられたスライダ42が、スキージベース37の前面をX軸に延びて設けられたスライドガイド43に噛み合ってスキージベース37の往復移動方向(Y軸方向)と直交する水平面内方向(X軸方向)に移動自在になっている。
【0028】
図5及び図7において、スキージベース37の上面前端部のX軸方向両端部には一対のブラケット(モータ取り付けブラケット44及び従動プーリ取り付けブラケット45)が取り付けられており、モータ取り付けブラケット44にはシリンジ移動モータ46が取り付けられている。シリンジ移動モータ46の駆動軸46a(図6)はモータ取り付けブラケット44を水平に貫通して前方に延びており、その先端部には駆動プーリ47が取り付けられている。一方、従動プーリ取り付けブラケット45から水平前方に延びたプーリ軸(図示せず)には従動プーリ48が取り付けられている。
【0029】
図5及び図7において、駆動プーリ47と従動プーリ48には歯付ベルト49が掛け渡されており、歯付ベルト49の下面にはシリンジ取り付けブラケット41の上部の上面が固定されている。このためシリンジ移動モータ46の駆動軸46aが駆動されて駆動プーリ47が回転すると、駆動プーリ47及び従動プーリ48と噛合した歯付ベルト49がX軸方向に走行し、これに伴ってシリンジ取り付けブラケット41が(したがってペースト供給シリンジ18が)、スキージベース37の前方の領域を、スキージベース37に対して、スキージベース37の往復移動する方向(Y軸方向)と直交する水平面内方向(X軸方向)に移動する。
【0030】
図6において、ペースト供給シリンジ18は、スキージベース37の前方に設けられたシリンジ取り付けブラケット41の前面に、鉛直線VLに対して角度φだけ下方が後方に傾いて延びる軸線Jに沿って延びて設けられている。このペースト供給シリンジ18は、下端にペースト供給口18pを有したノズル部18aが軸線Jに沿って移動自在になっており、ノズル部18aを(すなわちペースト供給口18pを)下動させて前方のスキージ16の直下に位置させる張り出し位置(図6中、一点鎖線で示すノズル部18a参照)と、ノズル部18aの下端のペースト供給口18pを上動させた格納位置(図6中、実線で示すノズル部18a参照)との間で移動させることができる。ここで、上記角度φは、ペースト供給シリンジ18のノズル部18aが張り出し位置に位置している状態で、前方のスキージ16の直下にペーストPstを供給できるような角度として任意に設定される。
【0031】
ペースト供給シリンジ18はノズル部18aを張り出し位置に位置させた状態において、内部に貯蔵したペーストPstをマスク15上に吐出供給する動作を行う。なお、ペースト供給シリンジ18のX軸方向への移動範囲(移動ストローク)は、少なくとも、スクリーン印刷機1によって取り扱う基板2の搬送方向の寸法(X軸方向の寸法であり、X軸方向に延びたスキージ16の幅方向の寸法でもある)をカバーできる範囲を有するものとする。
【0032】
基板2の搬送を行う基板搬送路27としての基板搬入コンベア13、基板保持移動ユニット12におけるコンベア部23及び基板搬出コンベア14の各動作は、制御装置50(図8)が図示しないアクチュエータ等から成る基板搬送路作動機構51(図8)の作動制御を行うことによってなされる。制御装置50は、この基板搬送路作動機構51を作動させることにより、スクリーン印刷機1の外部から投入された基板2の基板保持移動ユニット12内への搬入と、スクリーン印刷を終えた基板2のスクリーン印刷機1の外部への搬出とを行う。
【0033】
基板保持移動ユニット12の基板保持部25を構成する前後のクランプ部材25aの開閉動作は、制御装置50が前述のクランプ部材作動モータ26(図8も参照)の作動制御を行うことによってなされる。制御装置50は、このクランプ部材作動モータ26を作動させることにより、基板保持移動ユニット12に搬入された基板2のクランプ(保持)を行う。
【0034】
基板保持移動ユニット12が備える下受け部24の昇降動作は、制御装置50が図示しないアクチュエータ等から成る下受け部昇降機構52(図8)の作動制御を行うことによってなされる。制御装置50は、この下受け部昇降機構52を作動させることにより、基板保持移動ユニット12に搬入された基板2の下方からの支持を行う。
【0035】
カメラユニット17を構成する第1カメラ17a及び第2カメラ17bはそれぞれ、制御装置50に制御されて撮像動作を行い、取得した画像データはともに制御装置50に入力される(図8)。また、カメラユニット17の水平面内での移動動作、すなわち一対の門型フレーム31に対するX軸ステージ35のY軸方向への移動動作及びX軸ステージ35に対するカメラ支持ステージ36のX軸方向への移動動作の各制御は、制御装置50が図示しないアクチュエータから成るカメラユニット移動機構53(図8)の作動制御を行うことによってなされる。制御装置50は、第1カメラ17a、第2カメラ17b及びカメラユニット移動機構53を作動させることにより、第1カメラ17aによる基板側位置決め用マークmkの撮像と第2カメラ17bによるマスク側位置決め用マークMKの撮像を行って、基板2及びマスク15それぞれの位置を検出する。
【0036】
基板保持移動ユニット12による基板保持部25の水平面内方向への移動動作は、制御装置50が、基台11に対するYテーブル21aのY軸方向への移動、Yテーブル21aに対するXテーブル21bのX軸方向への移動及びXテーブル21bに対するθテーブル21cの(すなわちベーステーブル21dの)Z軸回りの回転動作を行わせる、前述のYテーブル駆動モータMyやXテーブル駆動モータMxを含むアクチュエータ等から成る水平面内方向移動機構54(図8)の作動制御を行うことによってなされる。制御装置50は、カメラユニット17により検出した基板2及びマスク15ぞれぞれの位置に基づいて水平面内方向移動機構54を作動させることにより、基板保持部25により保持した基板2のマスク15に対する水平面内方向の位置決めを行う。
【0037】
基板保持移動ユニット12による基板保持部25の上下方向への移動動作は、制御装置50が、ベーステーブル21dに対する昇降テーブル22aの昇降動作を行わせる図示しないアクチュエータ等から成る上下方向移動機構55(図8)の作動制御を行うことによってなされる。制御装置50は、この上下方向移動機構55を作動させることにより、基板保持部25により保持し、マスク15に対して水平面内方向の位置決めを行った基板2をマスク15の下面に下方から接触させる。
【0038】
ペースト供給シリンジ18によるペーストPstの供給動作は、制御装置50が図示しないアクチュエータ等から成るペースト供給機構56(図8)の作動制御を行うことによってなされる。また、ペースト供給シリンジ18をX軸方向へ移動させるペースト供給シリンジ18の移動動作制御は、制御装置50が前述のシリンジ移動モータ46の作動制御を行うことによってなされ、ペースト供給シリンジ18のノズル部18aの突没動作(下動及び上動動作)は、制御装置50が図示しないアクチュエータ等から成るノズル部突没作動機構57(図8)の作動制御を行うことによってなされる。制御装置50は、これらペースト供給機構56、シリンジ移動モータ46及びノズル部突没作動機構57を作動させることにより、基板2と接触されたマスク15上にペーストPstを供給する。
【0039】
各スキージ16のスキージベース37に対する昇降動作は、制御装置50がスキージベース37の上部に取り付けられた前述の2つのスキージ昇降シリンダ38(図8も参照)の作動制御を行うことによってなされる。また、前後のスキージ16をY軸方向に往復移動させるスキージベース37の作動制御は、制御装置50が図示しないアクチュエータ等から成るスキージベース移動機構58(図8)の制御を行うことによってなされる。
【0040】
制御装置50は、スキージ昇降シリンダ38及びスキージベース移動機構58を作動させ、前後のスキージ16のうちの一方をマスク15に接触させた状態でスキージベース37を前後方向(Y軸方向)に移動させることにより、ペースト供給シリンジ18によってマスク15上に供給されたペーストPstをスキージ16で掻き寄せて、マスク15のパターン孔15aを介して基板2の電極3にペーストPstを転写させる。ここで、制御装置50は、前方のスキージ16をマスク15の前方領域から後方領域に摺動させることによって行う基板2の1枚当たりのペーストPstの転写動作と、後方のスキージ16をマスク15の後方領域から前方領域に摺動させることによって行う基板2の1枚当たりのペーストPstの転写動作とを交互に行う。なお、実装基板生産の開始時には、はじめに前方のスキージ16によるペーストPstの転写動作を行う。
【0041】
図9(a),(b)において、後方のスキージ16(図6における紙面右側のスキージ16)のスキージ面(ペーストPstを掻く面であり、後方のスキージ16では前方に向く面)には、ペースト高さ検出センサ59が設けられている。このペースト高さ検出センサ59は、後方のスキージ16の幅方向(X軸方向であり、マスク15に対するスキージ16の摺動方向と直交する水平面内方向)の一端側に設けられてX軸方向に検査光Lの投光を行う投光器59aと、後方のスキージ16の幅方向の他端側に設けられて投光器59aが投光する検査光Lの受光を行う受光器59bから成る。
【0042】
制御装置50がスキージベース移動機構58を作動させて後方のスキージ16によってマスク15上のペーストPstをマスク15の前方に掻き寄せている間、ペースト高さ検出センサ59の投光器59aが投光する検査光Lを受光器59bが受光しなかった場合には、そのペーストPstの高さh(図9(b))が、マスク15の上面から測った検査光Lの高さに相当する所定高さH(図9(b))を下回っていることになる。
【0043】
制御装置50に繋がるペースト高さ記憶部61(図8)には、上記ペースト高さ検出センサ59によって検出された現在のマスク15上のペーストPstの高さhが所定高さHを下回っているかどうかの情報が記憶される。制御装置50のペースト高さ判定部50a(図8)は、後方のスキージ16によるペーストPstの転写動作(後方のスキージ16のマスク15上での摺動動作)が行われ、ペースト高さ検出センサ59によるペーストPstの高さhの検出が行われるごとにマスク15上のペーストPstの高さhが所定高さHを下回っているかどうかの判定を行い、その判定結果をペースト高さ記憶部61に書き込んで更新する。このためペースト高さ記憶部61には、マスク15上のペーストPstの高さhが所定高さHを下回っているかどうかの最新の情報が記憶される。なお、実装基板生産開始時には、ペースト高さ記憶部61には、ペースト高さhが所定高さHを下回っている旨の情報が記憶されている。
【0044】
制御装置50に繋がる寸法記憶部62(図8)には、スクリーン印刷の対象となる基板2のスキージ16の幅方向(マスク15に対するスキージ16の摺動方向と直交する水平面内方向)の寸法R(図10)のデータが基板2の種類ごとに記憶されており、制御装置50のペースト長さ設定部50b(図8)は必要に応じて、マスク15に接触された基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rを寸法記憶部62から読み出し、その読み出した基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rに応じてペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPL(図10)を設定する。ここで行うスキージ16の幅方向の長さPLの設定は、基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rに対応する値として予め作成したおいた対応テーブルから読み出すようにしてもよいし、基板2の寸法Rに所定の係数を乗じて算出するようにしてもよい。ここで設定されたペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLの値は、後述するように、ペースト供給シリンジ18によるマスク15上へのペーストPstの供給時に用いられる。
【0045】
次に、図11のフローチャート及び図12〜図16の説明図を加えてスクリーン印刷機1の動作手順を説明する。スクリーン印刷機1の制御装置50は、図示しない検知手段によって、スクリーン印刷機1の上流側から基板搬入コンベア13に基板2が投入されたことを検知したら、基板搬入コンベア13とコンベア部23を連動作動させてスクリーン印刷機1内に基板2を搬入し(図12(a)中に示す矢印A)、更に、図示しない検知手段により、コンベア部23が搬入する基板2が所定の搬送停止位置に到達したことを検知したところでコンベア部23の作動を停止させて、基板2を静止させる(図12(b)。図11のステップST1に示す基板搬入工程)。
【0046】
制御装置50は、上記の基板搬入工程が終了したら、前後のクランプ部材25aを閉作動させて、コンベア部23上の基板2の両側部をY軸方向からクランプ(保持)する(図13(a)。図中に示す矢印B1)。そして、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対する下降位置に位置させたまま、下受け部24を昇降テーブル22aに対する下降位置から上昇させる(図13(b)中に示す矢印C1)。そうすると下受け部24の上端(複数のピン部材24cの上端)は前後のベルトコンベア23bによって両端部が支持された基板2の下面に下方から当接する(図13(b))。そして、下受け部24の上端が基板2の下面に当接した後も下受け部24を上昇させて(図13(c)中に示す矢印C2)、基板2の上面が前後のクランプ部材25aの上面と同じ高さになるまで基板2を押し上げる。これにより基板2はその両端部を前後のクランプ部材25aに対して摺動させながら上昇し、両端部が前後のベルトコンベア23bから上方に離間して、基板2は下受け部24によって持ち上げ支持された状態となる(図13(c)。図11のステップST2に示す基板支持工程)。
【0047】
制御装置50は、上記の基板支持工程が終了したら、カメラユニット移動機構53の作動制御を行い(X軸ステージ35をY軸方向に移動させるとともに、カメラ支持ステージ36をX軸方向に移動させ)、第1カメラ17aを基板2に設けられた基板側位置決め用マークmkの直上に位置させて、第1カメラ17aに基板側位置決め用マークmkの撮像を行わせて基板2の位置を検出し(図14(a)。図11のステップST3に示す基板位置検出工程)、次いで、第2カメラ17bをマスク15に設けられたマスク側位置決め用マークMKの直下に位置させ、第2カメラ17bにマスク側位置決め用マークMKの撮像を行わせてマスク15の位置の検出を行う(図14(b)。図11のステップST4に示すマスク位置検出工程)。
【0048】
制御装置50は、上記のマスク位置検出工程が終了したら、基板保持移動ユニット12が備える水平移動部21の作動制御を行って基板保持部25を(したがって基板2を)水平面内方向に移動させ、マスク15に対する基板2の水平面内方向の位置決めを行う(図11のステップST5に示す位置決め工程)。
【0049】
この位置決め工程では、制御装置50は、ステップST3の基板位置検出工程で検出した基板側位置決め用マークmkと、ステップST4のマスク位置検出工程で検出したマスク側位置決め用マークMKが上下に合致した状態となるように、基板2をマスク15に対して位置決めする。
【0050】
制御装置50は、上記の位置決め工程が終了したら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対して上昇させ(図14(c)中に示す矢印D1)、コンベア部23及び基板2を下方から支持した状態の下受け部24を一体に上昇させることにより、基板2の被印刷面である上面をマスク15の下面に接触させる(図14(c)。図11のステップST6に示す接触工程)。これにより基板2の電極3とマスク15のパターン孔15aは上下に合致した状態となる。
【0051】
制御装置50は、上記の接触工程が終了したら、これから前方のスキージ16により摺動を行うのか否かの判断を行う(図11のステップST7に示す摺動スキージ判断工程)。制御装置50はこの摺動スキージ判断工程で、これから前方のスキージ16による摺動を行うと判断した場合には、現在ペースト高さ記憶部61に記憶されている、マスク15上のペーストPstの高さhが所定高さHを下回っているか否かの情報に基づいて、現在のマスク15上のペーストPstの量(以下、ペースト量と称する)が十分であるか否かの判断を行う(図11のステップST8に示すペースト量判断工程)。
【0052】
このペースト量判断工程では、現在ペースト高さ記憶部61にペーストPstの高さhが所定高さHを下回っている旨の情報が記憶されているときにはペースト量が不足している(不十分である)と判断し、現在ペースト高さ記憶部61に記憶されているペーストPstの高さhが所定高さH以上である旨の情報が記憶されているときにはペースト量が十分であると判断する。
【0053】
制御装置50のペースト長さ設定部50bは、上記ペースト量判断工程においてペースト量が不足していると判断したときには、オペレータOPによって予め入力されるなどして得た基板2の種類等の情報に基づいて、マスク15と接触させた基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rを寸法記憶部62より読み出し(図11のステップST9に示す基板寸法読み出し工程)、その読み出した基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rに応じてペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLを設定する(図11のステップST10に示すペースト長さ設定工程)。制御装置50のペースト長さ設定部50bによりペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLが設定されたら、制御装置50は、ペースト供給シリンジ18により、マスク15上へのペーストPstの供給を行う(図11のステップST11に示すペースト供給工程)。
【0054】
このペースト供給工程では、制御装置50は、先ず、スキージベース移動機構58の作動制御を行ってスキージベース37をY軸方向に移動させ、前方のスキージ16を前方のクランプ部材25aの直上にマスク15から離間して位置させる(図15(a))。そして、ノズル部突没作動機構57の作動制御を行ってノズル部18aを張り出し位置に位置させ、ノズル部18aの下端のペースト供給口18pを前方のスキージ16の直下に位置させる。そして、シリンジ移動モータ46及びペースト供給機構56の作動制御を行い、ペースト供給シリンジ18をX軸方向に移動させながらペースト供給シリンジ18からペーストPstを吐出させることにより、スキージ16の幅方向(X軸方向)に継続的にペーストPstを供給し(図15(b))、ペースト長さ設定部50bにおいて設定されたスキージ16の幅方向の長さPLを有するペーストPstがマスク15上に形成されるようにする(図10)。制御装置50は、ペースト供給シリンジ18よりマスク15上にペーストPstを供給させたら、ノズル部突没作動機構57の作動制御を行って、ノズル部18aを格納位置に位置させる。
【0055】
このペースト供給工程により、前方のクランプ部材25aの直上のマスク15上に追加分のペーストPstが加えられ、不足状態となっていたペースト量の回復がなされる。
【0056】
このように、基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rに応じて設定された長さPLでマスク15上に供給されたペーストPstは、基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rの大きさによらず、その後に行われるスキージ16のマスク15上での摺動動作において、スキージ16の幅方向の全域において均一に均されるので、スキージ16の中央部付近に比べてスキージ16の端部付近のペーストPstの厚さが小さくなるといったマスク15上でのペーストPstの厚さムラが生じにくい。
【0057】
また、前述のように、実装基板生産開始時には、ペースト高さ記憶部61には、ペースト高さhが所定高さHを下回っている旨の情報が記憶されているので、ペーストPstの補充時だけでなく、マスク15上に全くペーストPstが供給されていない基板2の生産開始時においても、自動でマスク15上へのペーストPstの供給がなされる。
【0058】
なお、上記の「基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rに応じてペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLを設定する」とは、基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rに対応してペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLを設定するという意味であり、基板2の寸法Rが他の基板2の寸法Rと比較して相対的に大きくなればそれに応じてペーストPstの長さPLを大きくし、基板2の寸法Rが他の基板2の寸法Rと比較して相対的に小さくなればそれに応じてペーストPstの長さPLを小さくすることを意味する(対応する基板2の寸法RとペーストPstの長さPLとの間の大小関係は問わない)。よって、ペーストPstの長さPLは、例えば、「基板2の寸法Rと同じ長さにする」とか、「基板2の寸法Rよりもわずかに(或いは所定の割合だけ)小さくする(図10参照)」といった具合に設定することができる。
【0059】
制御装置50は、上記のペースト供給工程が終了したら、2つのスキージ16のうちの一方を下降させてマスク15の上面に当接させた後、スキージベース37を前後方向(Y軸方向)に移動させることによってスキージ16をマスク15上で摺動させ(図15(c)中に示す矢印E)、マスク15のパターン孔15aを介して基板2の電極3にペーストPstを転写させる(図11のステップST12に示すペースト転写工程)。そして、制御装置50は、スキージ16の摺動が終了したら、マスク15に当接させた側のスキージ16を上昇させ、そのスキージ16をマスク15の上面から離間させる。
【0060】
ここで、前方のスキージ16については、前方のクランプ部材25aの上面領域から後方のクランプ部材25aの上面領域までマスク15上を後方(図15における紙面右側。矢印Eの方向)に移動させるようにし、後方のスキージ16については、後方のクランプ部材25aの上面領域から前方のクランプ部材25aの上面領域までマスク15上を前方(図15における紙面左側。矢印Eとは反対の方向)に移動させるようにする。
【0061】
なお、制御装置50は、前述のステップST7の摺動スキージ判断工程で、後方のスキージ16による摺動を行うと判断した場合、或いは、ステップST7で前方のスキージ16による摺動を行うと判断した場合であっても、次のステップST8のペースト量判断工程において、現在のペースト量が十分であると判断した場合には、ステップST9〜ステップST11をスキップしてステップST12のペースト転写工程に進む。
【0062】
制御装置50のペースト高さ判定部50aは、上記ペースト転写工程において、後方のスキージ16によってペーストPstをマスク15の前方に掻き寄せる際には、ペースト高さ検出センサ59からの検出情報に基づいて、後方のスキージ16の前方のペーストPstの高さhが所定高さHを下回っているか否かの判断を行い、その結果をペースト高さ記憶部61に書き込んで(ペースト高さ記憶部61に記憶させて)、次にスクリーン印刷を行う基板2について行うステップST8のときに用いるようにする。
【0063】
制御装置50は、上記のペースト転写工程が終了したら、昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対して下降させ(図16(a)中に示す矢印D2)、マスク15から基板2を離間させて版離れを行う(図16(a)。図11のステップST13に示す版離れ工程)。これによりペーストPstが基板2の電極3上に印刷された状態となる。
【0064】
制御装置50は、上記の版離れ工程が終了したらクランプ部材25aを開作動させ(図16(b)中に示す矢印B2)、基板2のクランプを解除し、基板2が下受け部24によって支持されるようにしたうえで、下受け部24を昇降テーブル22aに対して下降させる(図16(c)中に示す矢印C3)。これにより、先ず基板2の両端部が前後のベルトコンベア23b上に載置され、次いで下受け部24の上端が基板2の下面から下方に離間した状態となる(図16(c))。これにより基板保持部25による基板2の支持が解除される(図11のステップST14に示す基板支持解除工程)。
【0065】
制御装置50は、基板支持解除工程が終了したら、基板保持移動ユニット12が備える水平移動部21を作動させ、基板搬出コンベア14に対するコンベア部23の位置調整を行ったうえで、コンベア部23と基板搬出コンベア14を連動作動させ、コンベア部23上の基板2を基板搬出コンベア14に受け渡してそのまま基板2をスクリーン印刷機1の外部に搬出する(図11のステップST15に示す基板搬出工程)。
【0066】
制御装置50は、基板搬出工程が終了したら、他にスクリーン印刷を施す基板2があるかどうかの判断を行う(図11のステップST16に示す基板有無判断工程)。その結果、他にスクリーン印刷を施す基板2があった場合にはステップST1に戻って新たな基板2の搬入を行い、他にスクリーン印刷を施す基板2がなかった場合には一連のスクリーン印刷作業を終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1は、基板2の電極3の配置に応じて形成されたパターン孔15aを有し、下面に基板2が接触されるマスク15と、マスク15上を摺動するスキージ16と、基板2の、マスク15に対するスキージ16の摺動方向(Y軸方向)と直交する水平面内方向(X軸方向)であるスキージ16の幅方向の寸法を記憶する寸法記憶部62と、寸法記憶部62に記憶された基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rを読み出し、その読み出した基板2のスキージ16の幅方向の寸法Rに応じてペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLを設定するペースト長さ設定部50bと、ペースト長さ設定部50bにより設定されたスキージ16の幅方向の長さPLを有するペーストPstをマスク15上に供給するペースト供給手段としてのペースト供給シリンジ18と、ペースト供給シリンジ18によりペーストPstが供給されたマスク15上でスキージ16を摺動させ、マスク15のパターン孔15aを介して基板2の電極3にペーストPstを転写させるスキージ駆動手段(スキージベース移動機構58及びその作動制御を行う制御装置50)を備えたものとなっている。
【0068】
また、本実施の形態におけるスクリーン印刷方法は、基板2の電極3の配置に応じて形成されたパターン孔15aを有したマスク15の下面に基板2を接触させる工程(ステップST6の接触工程)と、基板2の、マスク15に対するスキージ16の摺動方向(Y軸方向)と直交する水平面内方向(X軸方向)であるスキージ16の幅方向の寸法に応じてペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLを設定する工程と(ステップST10のペースト長さ設定工程)、設定したスキージ16の幅方向の長さPLを有するペーストPstをマスク15上に供給する工程と(ステップST11のペースト供給工程)、ペーストPstが供給されたマスク15上でスキージ16を摺動させ、マスク15のパターン孔15aを介して基板2の電極3にペーストPstを転写させる工程(ステップST12のペースト転写工程)を含むものとなっている。
【0069】
このように、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1及びスクリーン印刷方法では、基板2のスキージ16の幅方向(マスク15に対するスキージ16の摺動方向と直交する水平面内方向)の寸法に応じてペーストPstのマスク15上でのスキージ16の幅方向の長さPLを設定し、その設定したスキージ16の幅方向の長さPLを有するペーストPstをマスク15上に供給するようになっているので、マスク15上でのペーストPstの広がり具合を容易に均一にすることができる。このため、スキージ16の中央部付近に比べてスキージ16の端部付近のペーストPstの厚さが小さくなるといったマスク15上でのペーストPstの厚さムラが生じにくく、これに起因する印刷精度の低下を防止することができる。
【0070】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態では、ペースト供給手段としてのペースト供給シリンジ18はスキージベース37に取り付けられてスキージ16と一緒に移動する構成であったが、ペースト供給手段はスキージ16と別個に移動するものであってもよい。また、ペースト供給手段は、ペースト長さ設定部50bにより設定されたスキージ16の幅方向の長さPLを有するペーストPstをマスク15上に供給することができればよく、その構成は特に問わない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
ペーストの厚さムラに起因する印刷精度の低下を防止することができるスクリーン印刷機及びスクリーン印刷方法を提供する。
【符号の説明】
【0072】
1 スクリーン印刷機
2 基板
3 電極
15 マスク
15a パターン孔
16 スキージ
18 ペースト供給シリンジ(ペースト供給手段)
50 制御装置(スキージ駆動手段)
50b ペースト長さ設定部
58 スキージベース移動機構(スキージ駆動手段)
62 寸法記憶部
Pst ペースト
PL ペーストのマスク上でのスキージの幅方向の長さ
R 基板のスキージの幅方向の寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の電極の配置に応じて形成されたパターン孔を有し、下面に基板が接触されるマスクと、
マスク上を摺動するスキージと、
基板の、マスクに対するスキージの摺動方向と直交する水平面内方向であるスキージの幅方向の寸法を記憶する寸法記憶部と、
寸法記憶部に記憶された基板のスキージの幅方向の寸法を読み出し、その読み出した基板のスキージの幅方向の寸法に応じてペーストのマスク上でのスキージの幅方向の長さを設定するペースト長さ設定部と、
ペースト長さ設定部により設定されたスキージの幅方向の長さを有するペーストをマスク上に供給するペースト供給手段と、
ペースト供給手段によりペーストが供給されたマスク上でスキージを摺動させ、マスクのパターン孔を介して基板の電極にペーストを転写させるスキージ駆動手段とを備えたことを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項2】
基板の電極の配置に応じて形成されたパターン孔を有したマスクの下面に基板を接触させる工程と、
基板の、マスクに対するスキージの摺動方向と直交する水平面内方向であるスキージの幅方向の寸法に応じてペーストのマスク上でのスキージの幅方向の長さを設定する工程と、
設定したスキージの幅方向の長さを有するペーストをマスク上に供給する工程と、
ペーストが供給されたマスク上でスキージを摺動させ、マスクのパターン孔を介して基板の電極にペーストを転写させる工程とを含むことを特徴とするスクリーン印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−224806(P2011−224806A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94693(P2010−94693)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】