説明

スクリーン印刷機

【課題】スキージの交換作業とペースト供給シリンジ内へのペーストの補充作業の双方を容易に行うことができるようにしたスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
【解決手段】ペースト供給シリンジ14が、スキージベース30からスキージベース30の往復移動方向と平行な垂直面内を水平線HLに対して下方に傾いて延びる軸線41回りに揺動自在に取り付けられ、下端のノズル部14aがスキージ15の直下に位置するように上記垂直面内を垂直線VLに対して斜め方向に延びるペースト供給姿勢とこのペースト供給姿勢から上記軸線41回りにほぼ90度揺動した格納姿勢との間での姿勢変換が可能な構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクプレートに形成されたマスクパターンのパターン孔を介して基板にペーストを印刷するスクリーン印刷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷機は、基板の電極の配置に応じたマスクパターンが形成されたマスクプレートと、マスクプレートの上方を水平方向に往復移動するスキージベースに取り付けられたスキージとを有し、マスクプレートを基板の上面に接触させ、スキージをマスクプレートに上方から当接させた状態でスキージベースとともに往復移動させてマスクプレート上を摺動させることにより、マスクプレート上に供給された半田ペーストや導電性ペースト等のペーストをマスクパターンのパターン孔内に充填させ、その後基板とマスクプレートとを分離することによってペーストを基板に転写させるようになっている。
【0003】
このようなスクリーン印刷機において、マスクプレート上のペーストが少なくなってきたときには、ペースト供給シリンジによってペーストがマスクプレート上に供給されるが(特許文献1)、このペースト供給シリンジは、スキージとは別個に移動できるようになっているもののほか、スキージベースに取り付けられてスキージと一体に移動するようになっているものがある。後者のものでは機構を簡単なものにすることができるだけでなく、ペースト供給シリンジ内のペーストが不足状態となった場合にその補充作業を迅速に行うことができるので、基板の生産性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−107145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなスクリーン印刷機において、ペースト供給シリンジ内へのペーストの補充作業は、オペレータがスクリーン印刷機の前方から手作業で行う必要があり、そのためにはペースト供給シリンジはオペレータから見てスキージベースの前方の領域に設けられていることが好ましい。しかしながら、その一方、スキージは基板のサイズ等に応じて適宜交換する必要があり、ペースト供給シリンジがスキージベースの前方の領域に設けられているとスキージの交換作業を行いにくく、作業性が悪いという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、スキージの交換作業とペースト供給シリンジ内へのペーストの補充作業の双方を容易に行うことができるようにしたスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のスクリーン印刷機は、基板の上面に接触され、基板の電極の配置に応じたマスクパターンが形成されたマスクプレートと、マスクプレートの上方を水平方向に往復移動するスキージベースに取り付けられ、マスクプレートに上方から当接した状態でスキージベースとともに水平方向に移動してマスクプレート上を摺動することにより、マスクプレート上で掻き寄せたペーストをマスクパターンのパターン孔内に充填させるスキージと、スキージベースからスキージベースの往復移動方向と平行な垂直面内を水平線に対して下方に傾いて延びる軸線回りに揺動自在に取り付けられ、下端のノズル部がスキージの直下に位置するように前記垂直面内を垂直線に対して斜め方向に延びるペースト供給姿勢とこのペースト供給姿勢から前記軸線回りにほぼ90度揺動した格納姿勢との間での姿勢変換が可能であって、スキージベースのオペレータの作業位置側から見て前方の領域に設けられたペースト供給シリンジと、ペースト供給シリンジをペースト供給姿勢と格納姿勢との間で揺動させるシリンジ姿勢変換手段と、ペースト供給シリンジが格納姿勢となっている状態において、ペーストが垂れることを防止する部材とを備えた。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、ペースト供給シリンジが、スキージベースからスキージベースの往復移動方向と平行な垂直面内を水平線に対して下方に傾いて延びる軸線回りに揺動自在に取り付けられ、下端のノズル部がスキージの直下に位置するように上記垂直面内を垂直線に対して斜め方向に延びるペースト供給姿勢とこのペースト供給姿勢から上記軸線回りにほぼ90度回転した格納姿勢との間での姿勢変換が可能となっているので、ペースト供給シリンジ内へのペーストの補充作業が容易になるように、ペースト供給シリンジをスキージベースのオペレータの作業位置側から見て前方の領域に設けた場合であっても、ペースト供給シリンジを格納姿勢にすることによってスキージベースの前方の領域を開放状態にすることができ、スキージの交換作業も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の平面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の正面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の側面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機のマスクプレートの平面図
【図5】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が備えるスキージベースの部分斜視図
【図6】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機のスキージ及びペースト供給シリンジの付近の側面図
【図7】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機のスキージ及びペースト供給シリンジの付近の正面図
【図8】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機のスキージ及びペースト供給シリンジの付近の正面図
【図9】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の蓋部材の動作を説明する図
【図10】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の制御系統を示すブロック図
【図11】(a)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の後方スキージの斜視図(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の後方スキージの側面図
【図12】本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機が実行するスクリーン印刷工程の流れを示すフローチャート
【図13】(a)(b)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【図14】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【図15】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【図16】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態におけるスクリーン印刷機の動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1、図2及び図3において、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1は基板2の表面に設けられた電極3上に半田ペーストや導電性ペースト等のペーストをスクリーン印刷するものであり、基台11上に設けられて基板2の搬送及び所定の作業位置への位置決めを行う基板位置決めユニット12、基板位置決めユニット12の上方に設けられたマスクプレート13、ペースト供給シリンジ14、一対のスキージ15及びカメラユニット16を備えている。以下、説明の便宜上、このスクリーン印刷機1における基板2の搬送方向(図1の紙面左右方向)をX軸方向、X軸方向と直交する水平方向(図1の紙面上下方向)をY軸方向、上下方向(図2の紙面上下方向)をZ軸方向とする。また、このスクリーン印刷機1のオペレータOP(図1)がスクリーン印刷機1に対して作業を行う側(図1の紙面下方)をスクリーン印刷機1の前方、その反対側(図1の紙面上方)をスクリーン印刷機1の後方とする。
【0011】
図2及び図3において、基板位置決めユニット12は、基台11に対してY軸方向に移動するYテーブル21a、Yテーブル21aに対してX軸方向に移動するXテーブル21b、Xテーブル21bに対してZ軸回りに回転するθテーブル21c及びθテーブル21cの上面に固定されたベーステーブル21dを備えて成る水平面内位置決め部21と、水平面内位置決め部21のベーステーブル21dに対して昇降する第1昇降テーブル22a、第1昇降テーブル22aに対して昇降する第2昇降テーブル22b、第2昇降テーブル22bの上面に設けられた下受けユニット22cを備えて成る上下方向位置決め部22、上下方向位置決め部22の第1昇降テーブル22aに取り付けられて基板2をX軸方向に搬送するとともに、その基板2を所定の作業位置に位置決めする一対のベルトコンベア機構から成る位置決めコンベア23、位置決めコンベア23の上方でY軸方向に開閉作動し、位置決めコンベア23上の基板2のY軸方向の両側部を基板2の側方からクランプして(挟んで)保持する一対のクランプ部材(クランパ)24を備えて成る。
【0012】
図1及び図2において、基板位置決めユニット12を構成する位置決めコンベア23のX軸方向の両側(基板2の搬送方向の上流側と下流側)の位置には、スクリーン印刷機1の外部(図1及び図2の紙面左側)から投入された基板2を搬送(搬入)して位置決めコンベア23に受け渡す搬入コンベア25と、位置決めコンベア23から受け渡された基板2をスクリーン印刷機1の外部(図1及び図2の紙面右側)に搬送(搬出)する搬出コンベア26が設けられている。
【0013】
図1及び図4において、マスクプレート13は平面視において矩形形状を有する枠部材13wによって四辺が支持されており、枠部材13wによって囲まれた矩形の領域には、基板2上の複数の電極3に対応して設けられた(すなわち電極3の配置に応じた)多数のパターン孔phから成るマスクパターンMPが形成されている。
【0014】
図1において、基板2の対角位置には2つ一組の基板側位置合わせマークmkが設けられている。一方、図4において、マスクプレート13には、基板側位置合わせマークmkに対応して配置された2つ一組のマスク側位置合わせマークMKが設けられている。
【0015】
マスクプレート13は、オペレータOPがこのマスクプレート13の両端部を両手で把持してスクリーン印刷機1の前方から基板位置決めユニット12の上方をY軸方向に延びて設けられた一対のマスク支持レール27(図1及び図4)の間に挿入し、枠部材13wの先頭部がマスク支持レール27上に設けられたストッパ27a(図1及び図4)に当接するまで後方に押し込むことによって、所定の位置に設置される。
【0016】
図1及び図2において、基台11上には搬入コンベア25及び搬出コンベア26をそれぞれY軸方向に跨ぐ一対の門型フレーム28が設けられており、これら一対の門型フレーム28にはX軸方向に延びたX軸ステージ29aの両端部がY軸方向にスライド自在に支持されている。X軸ステージ29a上にはカメラ支持ステージ29bがX軸方向に移動自在に設けられており、カメラ支持ステージ29bには前述のカメラユニット16が取り付けられている。カメラユニット16は、撮像視野を下方に向けた第1カメラ16aと撮像視野を上方に向けた第2カメラ16bを備えている(図3)。
【0017】
図1において、上記一対の門型フレーム28にはX軸方向に延びたスキージベース30の両端が支持されており、スキージベース30は門型フレーム28に沿ってY軸方向に往復移動自在となっている。このスキージベース30には前述の一対のスキージ15がY軸方向に対向して設けられている。各スキージ15はX軸方向に延びた「へら」状の部材から成り、それぞれスキージベース30に対して昇降自在に取り付けられている。以下、一対のスキージ15のうち前方に設けられているスキージ15を前方スキージ15a、後方に設けられているスキージ15を後方スキージ15bと称する。
【0018】
ペースト供給シリンジ14は、図5及び図6に示すように、スキージベース30の前部(図6の紙面左側)にシリンジ取り付けブラケット31を介して取り付けられており、シリンジ取り付けブラケット31はスキージベース30と対向する後面に設けられたスライダ32が、スキージベース30の前面をX軸に延びて設けられたスライドガイド33に噛み合ってスキージベース30の往復移動方向(Y軸方向)と直交する水平方向(X軸方向)に移動自在になっている。
【0019】
図5、図6及び図7において、スキージベース30の上面前端部のX軸方向両端部には一対のモータ取り付けブラケット(モータ取り付けブラケット34及び従動プーリ取り付けブラケット35)が取り付けられており、モータ取り付けブラケット34にはシリンジ移動モータ36が取り付けられている。シリンジ移動モータ36の駆動軸36a(図6)はモータ取り付けブラケット34を水平に貫通して前方に延びており、その先端部には駆動プーリ37が取り付けられている。一方、従動プーリ取り付けブラケット35から水平前方に延びたプーリ軸(図示せず)には従動プーリ38が取り付けられている。
【0020】
図5、図6及び図7において、駆動プーリ37と従動プーリ38には歯付ベルト39が掛け渡されており、歯付ベルト39の下面にはシリンジ取り付けブラケット31の上部の上面が固定されている。このためシリンジ移動モータ36の駆動軸36aが駆動されて駆動プーリ37が回転すると、駆動プーリ37及び従動プーリ38と噛合した歯付ベルト39がX軸方向に走行し、これに伴ってシリンジ取り付けブラケット31が(したがってペースト供給シリンジ14が)、スキージベース30の前方の領域を、スキージベース30に対して、スキージベース30の往復移動する方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に移動する。すなわち本実施の形態において、シリンジ移動モータ36、駆動プーリ37、従動プーリ38及び歯付ベルト39から成る機構は、ペースト供給シリンジ14をスキージベース30の往復移動方向(Y軸方向)と直交する水平方向に移動させるシリンジ移動機構40を構成している。
【0021】
ここで、ペースト供給シリンジ14は、図6に示すペースト供給姿勢にある状態において、内部に貯蔵した半田ペーストや導電性ペースト等のペーストを、斜め下方に向けて供給する動作を行う。なお、このシリンジ移動機構40によるペースト供給シリンジ14のX軸方向への移動範囲(移動ストローク)は、少なくとも、スクリーン印刷機1によって取り扱う基板2の幅(X軸方向寸法)をカバーできる範囲を有するものとする。
【0022】
図5、図6及び図7において、スキージベース30の前方に設けられたシリンジ取り付けブラケット31の前面には、スキージベース30の往復移動方向(Y軸方向)と平行な垂直面内(図6の紙面と平行なYZ面内)を水平線HL(図6)に対して前方斜め下方に傾いて延びる軸線41の回りに揺動(回転)自在なシリンジホルダ42が設けられており、ペースト供給シリンジ14はこのシリンジホルダ42に保持されて軸線41の回りに揺動(回転)自在になっている。このためシリンジホルダ42に保持されるペースト供給シリンジ14は、下端のノズル部14aが前方スキージ15aの直下に位置するように、上記垂直面内(YZ面内)を垂直線VL(図6)に対して所定角度θだけ後方(図6の紙面右側)斜めに傾いて延びるペースト供給姿勢(図5、図6及び図7)と、このペースト供給姿勢から上記軸線41回りにほぼ90度回転した格納姿勢(図1)との間での姿勢変換が可能になっている。ここで、上記所定角度θは、ペースト供給シリンジ14がペースト供給姿勢にある状態で、前方スキージ15aの直下にペーストを供給できるような角度として任意に設定される。
【0023】
また、図5及び図7に示すように、スキージベース30の前方下部には下方に延びる案内部材取り付けブラケット43が設けられており、この案内部材取り付けブラケット43の前面には、スキージベース30のX軸方向中央側に向かってなだらかに降下する曲面状の案内面44aを有した案内部材(カム部材)44が前方に突出して設けられている。
【0024】
ペースト供給シリンジ14がスキージベース30のY軸方向中央部においてペースト供給姿勢にある状態から、シリンジ移動モータ36が駆動されてペースト供給シリンジ14がスキージベース30の案内部材44側の端部方向(図8では紙面左側)に移動し、ペースト供給シリンジ14の移動ストロークの端部付近に達すると(図8(a)中に示す矢印A1)、ペースト供給シリンジ14の側面であって、軸線41よりも下方の位置に設けられた従動部材としての第1のカムフォロア45が案内部材44の案内面44aに当接する(図8(a))。そして、その後、更にスキージベース30が案内部材44側の端部方向に移動すると(図8(b)中に示す矢印A2)、第1のカムフォロア45は案内面44a上を転動する(案内される)ので、ペースト供給シリンジ14の下部は案内部材44によって押し上げられて軸線41回りに揺動し(図8(b))、最終的にはほぼ90度揺動した水平な格納姿勢となる(図8(c))。
【0025】
すなわち本実施の形態において、案内部材44は、ペースト供給姿勢にあるペースト供給シリンジ14がシリンジ移動機構40によってスキージベース30の往復移動方向(Y軸方向)と直交する水平方向(X軸方向)に移動されたとき、ペースト供給シリンジ14の軸線41よりも下方の部分に設けられた第1のカムフォロア45を案内し、ペースト供給シリンジ14を軸線41回りにほぼ90度揺動させてペースト供給シリンジ14を格納姿勢にするものとなっている。
【0026】
スキージ15は基板2のサイズ等に応じて適宜交換する必要があり、このスキージ15の交換作業では、オペレータOPは、スクリーン印刷機1の前方からスキージベース30の下方に手を差し入れるようにするが、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1では、上記のように、ペースト供給シリンジ14をペースト供給姿勢から格納姿勢に姿勢変換することができるようになっているので、ペースト供給シリンジ14をスキージベース30のオペレータOPの作業位置側から見て前方の領域に設けた場合であっても、ペースト供給シリンジ14を格納姿勢にすることによってスキージベース30の前方の領域を開放状態にすることができ、スキージ15の交換作業を容易に行うことができる。そして、ペースト供給シリンジ14をペースト供給姿勢から格納姿勢に姿勢変換させる機構として、ペーストPstを基板2の幅方向に均等に供給させるために、ペースト供給シリンジ14をスキージベース30の往復移動方向と直交する水平方向に移動させるシリンジ移動機構40を利用しているので、ペースト供給シリンジ14を格納姿勢にする構成を簡単なものとすることができる。
【0027】
また、図5及び図7において、案内部材取り付けブラケット43の前面であって、案内部材44が設けられている位置よりもスキージベース30の中央側(図5及び図7では紙面右側)の位置には蓋部材46が取り付けられている。この蓋部材46は、その一端側が案内部材取り付けブラケット43の前面から水平前方(Y軸方向)に突出して設けられた蓋部材揺動軸47に枢支されており、その蓋部材揺動軸47に枢支された側の端部(枢支側端部)を中心に、反対側の端部(非枢支側端部)が蓋部材揺動軸47のスキージベース30の中央側に位置して案内部材取り付けブラケット43の前面に設けられた第1ストッパ43a(図7)に上方から当接する水平姿勢(非閉塞姿勢。図5、図8(a)及び図9(a))と、非枢支側端部が蓋部材揺動軸47の直上に位置する垂直姿勢(閉塞姿勢。図8(c)及び図9(b))との間で揺動自在となっている。
【0028】
図5及び図9(a),(b)において、蓋部材46の枢支側端部の後方側(スキージベース30側)には、蓋部材46と直交する方向に延びた押圧片46aが設けられており、この押圧片46aは、蓋部材46が非閉塞姿勢になっているときには蓋部材46の枢支側端部から垂直上方に延びて位置し(図5、図8(a)及び図9(a))、蓋部材46が閉塞姿勢になっているときには、蓋部材46の枢支側端部から、スキージベース30の中央側とは反対の側に水平方向に延びて位置し(図8(c)及び図9(b))、案内部材取り付けブラケット43の前面に設けられた第2ストッパ43b(図5及び図7)に上方から当接するようになっている(図8(c))。
【0029】
図5及び図7において、シリンジ取り付けブラケット31には、シリンジ取り付けブラケット31の移動方向(X軸方向)であって、案内部材44が設けられている側とは反対の側(図5及び図7では紙面右側)に水平方向に延びたアーム部材48が設けられている。このアーム部材48の先端部は、図5、図7及び図9に示すように下方に屈曲して延びた屈曲部48aとなっており、この屈曲部48aには水平前方(Y軸方向)に突出した軸(図示せず)の回りに回転自在な第2のカムフォロア49が取り付けられている。
【0030】
上記のように、シリンジ移動モータ36が駆動されてペースト供給シリンジ14がペースト供給姿勢から格納姿勢に姿勢変換する過程において、アーム部材48の屈曲部48aに設けられた第2のカムフォロア49が、非閉塞姿勢にある蓋部材46の押圧片46aにスキージベース30の中央部側(図5及び図7の紙面右側)から当接した後、蓋部材46を案内部材44側(図5及び図7の紙面左側)に押圧する(図9(a)中に示す矢印B1)。これにより蓋部材46は蓋部材揺動軸47回りに揺動し、水平な非閉塞姿勢から垂直な閉塞姿勢になって(図9(b)中に示す矢印B2)、格納姿勢になった直後のペースト供給シリンジ14のノズル部14aを側方から閉塞する(蓋をする)。このように、ペースト供給シリンジ14がペースト供給姿勢からほぼ90度回転した格納姿勢において、ノズル部14aが蓋部材46によって閉塞される(蓋をされる)ことから、ペースト供給シリンジ14がペーストPstを供給しない格納姿勢となっている状態において、そのノズル部14aからペーストPstが垂れることが防止される。
【0031】
なお、ペースト供給シリンジ14が格納姿勢からペースト供給姿勢になるときには、ペースト供給シリンジ14のノズル部14aが垂直姿勢になっている蓋部材46をスキージベース30の中央部側(図5及び図7の紙面右側)に押圧するので、蓋部材46は蓋部材揺動軸47回りに揺動して垂直な閉塞姿勢から水平な非閉塞姿勢になる(押圧片46aは水平姿勢から垂直姿勢になる)。これにより、蓋部材46によるペースト供給シリンジ14のノズル部14aの閉塞状態が解除される(図8(c)→図8(b)→図8(a))。なお、蓋部材46が第2のカムフォロア49によって押圧されていない状態では確実に非閉塞姿勢になるように、蓋部材46を非閉塞姿勢の方向にばね等で付勢する構造としてもよい。
【0032】
このスクリーン印刷機1において、基板2の搬送を行う基板搬送路としての搬入コンベア25、位置決めコンベア23及び搬出コンベア26の各動作は、制御装置50(図10)が図示しないアクチュエータ等から成る基板搬送路作動機構51(図10)の作動制御を行うことによってなされ、クランプ部材24による基板2のクランプ動作は、制御装置50が図示しないアクチュエータ等から成るクランプ部材作動機構52(図10)の作動制御を行うことによってなされる。
【0033】
基台11に対するYテーブル21aのY軸方向への移動、Yテーブル21aに対するXテーブル21bのX軸方向への移動、Xテーブル21bに対するθテーブル21cの(すなわちベーステーブル21dの)Z軸回りの回転、ベーステーブル21dに対する第1昇降テーブル22aの昇降、第1昇降テーブル22aに対する第2昇降テーブル22bの(すなわち下受けユニット22cの)昇降の各動作は、制御装置50がYテーブル駆動モータMyやXテーブル駆動モータMx(図2及び図3参照)等のアクチュエータ等から成る基板位置決めユニット作動機構53(図10)の作動制御を行うことによってなされる。
【0034】
カメラユニット16の水平面内での移動動作、すなわち一対の門型フレーム28に対するX軸ステージ29aのY軸方向への移動動作及びX軸ステージ29aに対するカメラ支持ステージ29bのX軸方向への移動動作の各制御は、制御装置50が図示しないアクチュエータから成るカメラユニット移動機構54(図10)の作動制御を行うことによってなされる。
【0035】
一対のスキージ15をY軸方向に往復移動させるスキージベース30の動作制御は、制御装置50が図示しないアクチュエータ等から成るスキージ移動機構55(図10)の制御を行うことによってなされる。また、各スキージ15のスキージベース30に対する昇降動作は、制御装置50がスキージベース30の上部に取り付けられたスキージ昇降シリンダ56の作動制御を行うことによってなされる。
【0036】
ペースト供給シリンジ14をX軸方向へ移動させるペースト供給シリンジ14の移動動作制御は、制御装置50が前述のシリンジ移動モータ36の作動制御を行うことによってなされる。また、ペースト供給シリンジ14によるペーストPstの供給動作は、制御装置50が図示しないアクチュエータ等から成るペースト供給機構57(図10)の作動制御を行うことによってなされる。
【0037】
図11(a)において、後方スキージ15bのスキージ面(ペーストPstを掻く面であり、後方スキージ15bでは前方に向く面)には、後方スキージ15bの幅方向(X軸方向)の一端側に設けられてX軸方向に検査光Lの投光を行う投光器58aと、後方スキージ15bの幅方向の他端側に設けられて投光器58aが投光する検査光Lの受光を行う受光器58bから成るペースト高さ検出センサ58が設けられている。
【0038】
制御装置50は、後方スキージ15bにマスクプレート13上のペーストPstを接触させた状態で、ペースト高さ検出センサ58の投光器58aが投光する検査光Lが受光器58bによって受光されたことを検知した場合(図11(b)に示す状態の場合)には、そのペーストPstの高さh(図11(b))が、マスクプレート13の上面から測った検査光Lの高さに相当する所定値(所定高さ)H(図11(b))を下回っており、ペーストPstの供給が必要であるとの認識を行う。
【0039】
カメラユニット16を構成する第1カメラ16aは、制御装置50に制御されて、基板位置決めユニット12によって作業位置に位置決めされた基板2の基板側位置合わせマークmkの撮像を行い、第2カメラ16bは、制御装置50に制御されて、マスクプレート13に設けられたマスク側位置合わせマークMKの撮像を行う。第1カメラ16aの撮像によって得られた画像データと第2カメラ16bの撮像によって得られた画像データはともに制御装置50に入力される(図10)。
【0040】
次に、図12のフローチャート及び図13〜図16の動作説明図を用いてスクリーン印刷機1の動作について説明する。スクリーン印刷機1の制御装置50は、図示しない検出手段によってオペレータOP(或いはスクリーン印刷機1の上流側に設置された図示しない他の装置)から搬入コンベア25に基板2が投入されたことを検知したら、搬入コンベア25と位置決めコンベア23を連動作動させてスクリーン印刷機1内に基板2を搬入し(図13(a)中に示す矢印C)、図示しない検知手段により、位置決めコンベア23が搬送する基板2が所定の作業位置に到達したことを検知したら、位置決めコンベア23の作動を停止させて基板2の位置決めを行う(図13(b)。基板の搬入及び位置決め工程。図12のステップST1)。
【0041】
制御装置50は、基板2の作業位置への位置決めを行ったら、基板位置決めユニット12が備える上下方向位置決め部22の第2昇降テーブル22bを第1昇降テーブル22aに対して上昇させ(図14(a)中に示す矢印D1)、下受けユニット22cが基板2の下面に接触したら第2昇降テーブル22bの上昇を停止させる。そして、クランプ部材24を作動させ、位置決めコンベア23上の基板2の両側部をクランプする(図14(b)中に示す矢印E1。基板クランプ工程。図12のステップST2)。
【0042】
制御装置50は、クランプ部材24により基板2をクランプして保持したら、再び第2昇降テーブル22bを第1昇降テーブル22aに対して上昇させ(図14(c)中に示す矢印D2)、下受けユニット22cで基板2を押し上げる。これにより基板2は両端をクランプ部材24に対して摺動させながら上昇し(これにより基板2は位置決めコンベア23から上方に離間する)、基板2の上面が両クランプ部材24の上面とほぼ同じ高さになったところで下受けユニット22cの押し上げが停止される(図14(c))。
【0043】
制御装置50は、基板2の上面が両クランプ部材24の上面とほぼ同じ高さになったところで下受けユニット22cの押し上げを停止させたら、カメラユニット移動機構54の作動制御を行ってカメラユニット16を基板2とマスクプレート13の間の領域に移動させ、第1カメラ16aにより基板2に設けられた基板側位置合わせマークmkの撮像を行わせるとともに、第2カメラ16bによりマスクプレート13に設けられたマスク側位置合わせマークMKの撮像を行わせる。そして、得られた基板側位置合わせマークmkの画像データから基板2の位置を把握するとともに、得られたマスク側位置合わせマークMKの画像データからマスクプレート13の位置を把握する。
【0044】
制御装置50は、基板2の位置とマスクプレート13の位置を把握したら、基板位置決めユニット12が備える水平面内位置決め部21の作動制御を行って基板2を水平方向に移動させ、基板側位置合わせマークmkとマスク側位置合わせマークMKとが上下に対向するように、基板2とマスクプレート13の水平方向の位置合わせを行う。そして、基板2とマスクプレート13の水平方向位置合わせが終わったら、制御装置50は、基板位置決めユニット12が備える上下方向位置決め部22の第1昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対して上昇させ(図15(a)中に示す矢印D3)、基板2の被印刷面である上面をマスクプレート13に下方から接触させる(図15(a)。基板・マスクプレート接触工程。図12のステップST3)。これによりマスクプレート13のパターン孔phと基板2上の電極3とが上下方向に合致した状態となる。
【0045】
制御装置50は、基板2をマスクプレート13に接触させたら、必要に応じてマスクプレート13上にペーストPstの供給を行う(ペースト供給工程。図12のステップST4)。このペーストPstの供給を行う場合には、制御装置50は、先ず、スキージベース30をY軸方向に移動させて前方スキージ15aが前方のクランプ部材24の直上に位置するようにする。そして、シリンジ移動モータ36の作動制御を行ってシリンジ移動機構40を駆動し、ペースト供給シリンジ14をスキージベース30の前方の領域をX軸方向に移動させ、ペースト供給シリンジ14を格納姿勢から軸線41回りに90度回転させてペースト供給姿勢にしたうえで、ペースト供給シリンジ14より前方スキージ15aの直下のマスクプレート13上にペーストPstを供給させる。なお、このペーストPstの供給時には、シリンジ移動機構40によってペースト供給シリンジ14をX軸方向に移動させ、ペーストPstが基板2の幅方向に均等に供給されるようにする。制御装置50は、ペースト供給シリンジ14によるマスクプレート13上へのペーストPstの供給が終わったら、シリンジ移動機構40を駆動して、ペーストシリンジ14をペースト供給姿勢から格納姿勢にする。
【0046】
制御装置50は、基板2をマスクプレート13に接触させ、必要に応じてマスクプレート13上へのペーストPstの供給を行ったら、スキージベース30をY軸方向に往復移動させて、マスクプレート13のマスクパターンMPのパターン孔ph内にペーストPstを充填させる(ペースト充填工程。図12のステップST5)。このペーストPstの充填動作は、具体的には、先ず、前方スキージ15aを下降させてその下縁をマスクプレート13の上面に当接させた後、スキージベース30の後方に移動させ、前方スキージ15aをマスクプレート13上で摺動させることによって、後方のクランプ部材24の上面領域までペーストPstを掻き寄せる(図15(b)中に示す矢印F1)。ペーストPstを後方のクランプ部材24の上面領域まで掻き寄せたら、スキージベース30の移動を停止させたうえで、前方スキージ15aを上昇させてマスクプレート13から離間させるとともに、後方スキージ15bを下降させてその下縁をマスクプレート13の上面に当接させる。そして、スキージベース30を矢印F1とは反対の方向に移動させ、後方スキージ15bをマスクプレート13上で摺動させることによって、前方のクランプ部材24の上面領域までペーストPstを掻き寄せる(図15(c)中に示す矢印F2)。これによりマスクプレート13のパターン孔ph内にペーストPstが充填される。
【0047】
制御装置50は、マスクプレート13のパターン孔ph内にペーストPstを充填させたら、第1昇降テーブル22aをベーステーブル21dに対して下降させ、マスクプレート13を基板2から離間させる(図16(a)中に示す矢印D4)。これにより版離れが行われ、ペーストPstが基板2の電極3上に印刷された状態となる(版離れ工程。図12のステップST6)。
【0048】
制御装置50は、基板2へのペーストPstの印刷が終了したら、クランプ部材24を作動させて基板2のクランプを解除する(図16(b)中に示す矢印E2。クランプ解除工程。図12のステップST7)。そして、第2昇降テーブル22bを第1昇降テーブル22aに対して下降させ、基板2を位置決めコンベア23上に降ろす(図16(c)中に示す矢印D5)。そして、基板位置決めユニット12が備える水平面内位置決め部21を作動させ、搬出コンベア26に対する位置決めコンベア23の位置調整を行ったうえで、位置決めコンベア23と搬出コンベア26を作動させ、位置決めコンベア23上の基板2を搬出コンベア26に受け渡してそのままスクリーン印刷機1の外部に搬出する(基板搬出工程。図12のステップST8)。
【0049】
制御装置50は、基板2を搬出したら、他にスクリーン印刷を施す基板2があるかどうかの判断を行う(判断工程。図12のステップST9)。その結果、他にスクリーン印刷を施す基板2があった場合にはステップST1に戻って基板2の搬入及び位置決めを行い、他にスクリーン印刷を施す基板2がなかった場合には一連のスクリーン印刷工程を終了する。
【0050】
このようなスクリーン印刷工程において、制御装置50は、上記ステップST5のペースト充填工程で、後方スキージ15bによってペーストPstをマスクプレート13の前方に掻き寄せる際、ペースト高さ検出センサ58からの検出情報に基づいて、後方スキージ15bの前方のペーストPstの高さh(図11(b))が所定値H(図11(b))を下回っているか否かの判断を行う。そして、その結果、ペーストPstの高さhが、マスクプレート13の上面から測った検査光Lの高さに相当する所定値Hを下回っており、ペーストPstの供給が必要であるとの認識を行ったときには、その旨(ペーストPstの供給が必要であるとの認識を行った旨)を図示しない記憶部に記憶し、次回のペースト充填工程(ステップST5)を実行する前に、ペースト供給シリンジ14を格納姿勢からペースト供給姿勢にして、マスクプレート13上へのペーストPstの供給(ステップST4)を実行するようにしている。これにより前方のクランプ部材24上のペーストPstに追加分のペーストPstが加えられ、減少したペーストPstの量が回復される。また、ペーストPstを前方に掻き寄せた状態で前方スキージ15aの直下にペーストPstの供給を行う構成となっているため、基板2の搬送中にペーストPstの供給を行ったとしても、マスクプレート13のパターン孔phからペーストPstが垂れ落ちることはない。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態におけるスクリーン印刷機1は、基板2の上面に接触され、基板2の電極3の配置に応じたマスクパターンMPが形成されたマスクプレート13と、マスクプレート13の上方を水平方向に往復移動するスキージベース30に取り付けられ、マスクプレート13に上方から当接した状態でスキージベース30とともに水平方向に移動してマスクプレート13上を摺動することにより、マスクプレート13上で掻き寄せたペーストPstをマスクパターンMPのパターン孔ph内に充填させるスキージ15と、スキージベース30からスキージベース30の往復移動方向と平行な垂直面内を水平線HLに対して下方に傾いて延びる軸線41回りに揺動自在に取り付けられ、下端のノズル部14aがスキージ15(前方スキージ15a)の直下に位置するように上記垂直面内を垂直線VLに対して斜め方向に延びるペースト供給姿勢とこのペースト供給姿勢から上記軸線41回りにほぼ90度回転した格納姿勢との間での姿勢変換が可能なペースト供給シリンジ14と、ペースト供給シリンジ14をペースト供給姿勢と格納姿勢との間で揺動させるシリンジ姿勢変換手段(シリンジ移動機構40及び案内部材44)を備えたものとなっている。
【0052】
本実施の形態におけるスクリーン印刷機1は、ペースト供給シリンジ14が、スキージベース30からスキージベース30の往復移動方向と平行な垂直面内を水平線HLに対して下方に傾いて延びる軸線41回りに揺動自在に取り付けられ、下端のノズル部14aがスキージ15(前方スキージ15a)の直下に位置するように上記垂直面内を垂直線VLに対して斜め方向に延びるペースト供給姿勢とこのペースト供給姿勢から上記軸線41回りにほぼ90度回転した格納姿勢との間での姿勢変換が可能となっているので、ペースト供給シリンジ14内へのペーストPstの補充作業が容易になるように、ペースト供給シリンジ14をスキージベース30のオペレータOPの作業位置側から見て前方の領域に設けた場合であっても、ペースト供給シリンジ14を格納姿勢にすることによってスキージベース30の前方の領域を開放状態にすることができ、スキージ15の交換作業も容易に行うことができる。
【0053】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述の実施の形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態では、スクリーン印刷機1は2つのスキージ15(前方スキージ15a及び後方スキージ15b)を備えるものであったが、これは一例であり、1つのスキージ15しか備えないものであっても構わない。
【0054】
また、上述の実施の形態では、ペースト供給シリンジ14をペースト供給姿勢と格納姿勢との間で揺動させるシリンジ姿勢変換手段は、シリンジ移動機構40と案内部材44の組み合わせから成るものであったが、シリンジ姿勢変換手段はペースト供給シリンジ14をペースト供給姿勢と格納姿勢との間での姿勢変換できる構成のものであればよく、その構成は上述の実施の形態に示したものに限定されない。したがって、軸線41に一致した駆動軸を有するモータによってペースト供給シリンジ14を直接揺動させる構成等であってよい。また、上述の実施の形態では、ペースト供給シリンジ14は水平方向に移動することによってペースト供給姿勢と格納姿勢との間で揺動するようになっていたが、ペースト供給シリンジ14がペースト供給姿勢と格納姿勢との間で揺動する過程において、ペースト供給シリンジ14が水平方向に移動することは、必須の要件ではない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
スキージの交換作業とペースト供給シリンジ内へのペーストの補充作業の双方を容易に行うことができるようにしたスクリーン印刷機を提供する。
【符号の説明】
【0056】
1 スクリーン印刷機
2 基板
3 電極
13 マスクプレート
14 ペースト供給シリンジ
14a ノズル部
15 スキージ
30 スキージベース
40 シリンジ移動機構(シリンジ姿勢変換手段)
41 軸線
44 案内部材(シリンジ姿勢変換手段)
46 蓋部材
HL 水平線
VL 垂直線
MP マスクパターン
ph パターン孔
Pst ペースト
OP オペレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上面に接触され、基板の電極の配置に応じたマスクパターンが形成されたマスクプレートと、
マスクプレートの上方を水平方向に往復移動するスキージベースに取り付けられ、マスクプレートに上方から当接した状態でスキージベースとともに水平方向に移動してマスクプレート上を摺動することにより、マスクプレート上で掻き寄せたペーストをマスクパターンのパターン孔内に充填させるスキージと、
スキージベースからスキージベースの往復移動方向と平行な垂直面内を水平線に対して下方に傾いて延びる軸線回りに揺動自在に取り付けられ、下端のノズル部がスキージの直下に位置するように前記垂直面内を垂直線に対して斜め方向に延びるペースト供給姿勢とこのペースト供給姿勢から前記軸線回りにほぼ90度揺動した格納姿勢との間での姿勢変換が可能であって、スキージベースのオペレータの作業位置側から見て前方の領域に設けられたペースト供給シリンジと、
ペースト供給シリンジをペースト供給姿勢と格納姿勢との間で揺動させるシリンジ姿勢変換手段と、
ペースト供給シリンジが格納姿勢となっている状態において、ペーストが垂れることを防止する部材とを備えたことを特徴とするスクリーン印刷機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−206518(P2012−206518A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156224(P2012−156224)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2010−2514(P2010−2514)の分割
【原出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】