説明

スクリーン印刷装置、スクリーン印刷方法、及び前記装置或いは前記方法を用いて製造された液晶パネル

【課題】スクリーン印刷によるシールパターン形成時におけるスクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良或いはシールパターン幅のバラツキを防ぎ安定的に液晶パネルを製造することのできるスクリーン印刷装置を得る。
【解決手段】この発明に係るスクリーン印刷装置は、スキージを走査することによりスクリーン版上のペーストを前記スクリーン版に設けられた開口パターンを介して前記スクリーン版の下部に配置された基板1の主面に塗布し、基板1を保持するステージ2が、ステージ基部2aと、ステージ基部2aに固定或いは取り付けられ、ステージ2の一部よりなる平面と基板1の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材3とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルを製造する際のシールパターンを形成するスクリーン印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シールパターンによって額縁状に囲まれたセル構造をもった表示装置として一般的な液晶パネルの製造プロセスにおけるパネル組み立ての工程は、主にガラス基板を元に作成された液晶を駆動するスイッチング素子を載せたスイッチング素子基板とカラーフィルタの役割であるカラーフィルタ基板について、其々の基板表面に配向膜を塗布し、ラビング処理する工程と、間隔をあけて貼り合わせる工程と、所定のパネルサイズに切断する工程と、その間隔内に液晶を注入する工程がある。
【0003】
基板を貼り合せる為には、スイッチング素子基板或いはカラーフィルタ基板上に、パネルの表示部分を囲むような形状にシールパターンを形成する。方法としては、スクリーン版に形成されたシールパターンの開口部からシール材を押し出すスクリーン印刷方式とノズル走査によってパターンを描くシールディスペンス方式の二つが一般的である。両者のうちスクリーン印刷方式は基板あたりのパネル数が多い場合においても生産性に優れるなどの点から広く採用されている。
【0004】
この様なスクリーン印刷方式を用いたシールパターン形成工程においては、印刷条件によっては、印刷の際にスクリーン版が基板に押し付けられることになり、基板表面の配向膜にスクリーン版表面のメッシュパターンが転写される場合がある。その結果、メッシュパターンの転写部分では、配向膜による液晶の所定の配向が得られず、ムラとして視認される等、液晶パネルとして画像の表示不良を招いていた。
【0005】
また、その対策として基板を固定するチャックを基板表面より上部へ張り出した状態で印刷を行うことによって、スクリーン版が先に張り出したチャックに接触することにより、スクリーン版が基板表面に押し付けられる圧力を緩和する方法が特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−147524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年スクリーン印刷処理される大きなガラス基板において、基板表面とスクリーン版の距離の制御、及び、スクリーン版を押し付けるスキージへの印加圧力は、メッシュパターン転写による不良の発生、シールパターン幅のバラツキに敏感に影響する。これらの要因を大きな基板面の全ての位置において適正に制御する必要があり、特許文献1に記載されているような可動部分であるチャック、或いはチャックと独立に高さの決まるステージ部によってスクリーン版と基板間のギャップを制御することは、困難であり、量産時において安定的に行うことは不可能であった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、スクリーン印刷によるシールパターン形成時におけるスクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良或いはシールパターン幅のバラツキを防ぎ安定的に液晶パネルを製造することのできるスクリーン印刷装置或いは液晶パネルの製造方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るスクリーン印刷装置においては、スキージを走査することによりスクリーン版上のペーストを前記スクリーン版に設けられた開口パターンを介して前記スクリーン版の下部に配置された基板の主面に塗布し、前記基板を保持するステージが、ステージ基部と、前記ステージ基部に固定或いは取り付けられ、前記ステージの一部よりなる平面と前記基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材とから構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スクリーン印刷によるシールパターン形成時における、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
本実施の形態1のスクリーン印刷装置の構成について図1のステージ部の斜視図、図2のステージを構成するギャップ調整板の斜視図及び図3のギャップ調整板の取り付け状態説明図を用いて説明する。なお、図は、模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。また、図中、既出の図において説明したものと同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下の図においても同様とする。
【0012】
図1に示される様に、このスクリーン印刷装置を構成する基板1を保持するステージ2は、以下のステージ基部2aと、ステージ基部2aに取り付けられ、ステージ2の上面と基板1の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材の役割をするギャップ調整板3と、基板1を位置決めするアライメント機構4a、4bと、ステージ上の位置決め可能な位置まで基板1を搬送する搬送ローラ部5a、5aa(搬送ローラ部5aと同様の構造で図中基板1の下に配置、図示せず)とから構成されている。また、ステージ2上への搬入及び搬出を行う搬送ローラ部5b及び5cがステージ2の前後に配置されている。
【0013】
また、図2の斜視図から判る様に、ギャップ調整板3は、基板形状のくり抜き部6が形成された環状であり、基板1の厚み以上であるhの厚みを持ったブロック状である。特にある程度の強度や厚み精度を持てば、金属であっても、樹脂等であっても構わないが、ここでは、切削加工により厚み精度が確保し易く、必要な強度も確保できるステンレス材料を用いた。また、ギャップ調整板3には、必要に応じ、アライメント機構4a、4bの動作範囲に対応したくり抜き部6aや搬送ローラ部5aの位置に対応したくり抜き部6bが形成されている。
【0014】
図3(a)は、ギャップ調整板3の取り付け状態を示す断面図であり、図1におけるA―Aの位置での断面図を示している。この図より基板形状のくり抜き部6がステージ基部2aに形成された基板1を保持する面を凸とする突出部7と勘合していることが判る。組み合う場合の寸法精度としては、取り外しが容易な程度で、ズレやガタツキが発生しない程度とすることが好ましい。また、ギャップ調整板3がある程度の厚みと重さを持ち、この様に勘合することにより取り付けられる為、特にネジなどにより固定することなく精度良く印刷することが可能である。また、ギャップ調整板3がステンレス等で基板厚み以上に形成されていることにより、ステージ基部2aとの着脱を繰り返しても、変形などが発生し難く、耐久性に優れている。
【0015】
また、処理する基板1の厚みに応じ、対応するギャップ調整板3を用意し、ギャップ調整板3を使い分けることにより、適切な印刷結果を容易に得ることができる。例えば、図3(a)に示す、突出部7の高さdについては印刷装置の初期設計の固定値とし、この装置により処理する可能性のある基板1が基板厚さt1、t2、t3の三種類である場合には、0.1mm≦h1−d−t1≦0.2mmを満たす厚さh=h1のギャップ調整板3a、0.1mm≦h2−d−t2≦0.2mmを満たす厚さh=h2のギャップ調整板3b、0.1mm≦h3−d−t3≦0.2mmを満たす厚さh=h3のギャップ調整板3cという様に、厚さの異なる三種類のギャップ調整板3を用意し、基板1の種類により交換して使い分けると良い。
【0016】
続いて、図3(b)は、図3(a)のギャップ調整板3の形状を若干変更したものについて図3(a)と同様に断面図を示したものである。図からわかる様に、ギャップ調整板3のくり抜き部6の一方に、斜めに面取り8を形成している。
【0017】
図の様に、この面取り8がギャップ調整板3の上側になる様に取り付けることにより、基板1を収容するギャップ調整板3のくり抜き部6の開口部が上に向かって広がることになる。この構造とすることによって、ステージ2上に搬送された基板1はこの広がった開口部まで位置決めされれば、面取り8の表面にガイドされて、基板1を保持するステージ基部2aの突出部7上の所定の位置に位置決めされる。結果として、アライメント機構4aによる基板1の位置決め精度の許容範囲を拡げることができる。更に、搬送ローラ部5aの精度の向上や搬送中での基板幅方向の位置あわせを行い、面取り8により広がった開口部内まで搬送することにより、アライメント機構4aを省略することも可能となる。
【0018】
続いて、本実施の形態1のスクリーン印刷装置のステージ2の動作について図1を用いて説明する。まず、図1で説明した搬送ローラ5b、5a、5aaによって、ステージ2上の位置決め可能な位置まで基板1が搬送される。次に、アライメント機構4a、4bが基板1を挟み込む動作することによって基板1の端部を押圧して位置決めを行う。アライメント機構4aは基板1の幅方向、アライメント機構4bは基板1の長手方向の位置決めを行う。この様な位置決め動作を行うことにより、ステージ2上面に取り付けられたギャップ調整板3のくり抜き部6内に基板1が収容される。
【0019】
続いて、本実施の形態1のスクリーン印刷装置の印刷に関係する部分の構成及びそれらの動作について図4を用いて説明する。先ず、構成について図4(a)を用い説明する。9は、スクリーン版であり、10は、スクリーン版9に設けられた開口パターン、11は、開口パターン10を介して基板1上にシールパターンとして塗布されるペースト、12は、スクリーン版9上を走査しペースト11を開口パターン10より基板1上に押し出し印刷塗布するスキージである。
【0020】
次に、図4(b)を用い、印刷動作について説明する。図1で説明した位置決め動作の後、図4(a)に矢印で示す方向にステージ2は上昇し、図4(b)に示す様にスクリーン版9と基板1が接触する間際まで近接される。印刷動作は、この図4(b)に示す様にスキージ12がスクリーン版9上を図中に示される矢印の方向に向かって走査されペースト11をスクリーン版9に設けられた開口パターン10を介してスクリーン版9の下部に配置された基板1の主面に塗布することにより行われる。
【0021】
続いて、本実施の形態1におけるスクリーン印刷装置の印刷処理に及ぼす作用について図5を用いて説明する。図5は図4(b)におけるB―Bの位置、即ち、スキージの12の走査方向に対し垂直な方向での断面図を示している。図5に示す様に、スキージ12の走査方向に対し基板1の両側において、高さ調整板3の上面が基板1の主面である上面よりも張り出している。この張り出した平面がスクリーン版9を介してスキージ12と接することにより、スキージ12による、スクリーン版9の押し付け圧力を受け止めている。また、この平面と基板1の上面との高さの差G(図5中に図示)が設けられており、この高さの差Gは、スキージ12により押し付けられ基板1の方向へ張り出したスクリーン版9が基板1に接触し難くする役割、或いは、接触した場合における接触圧を緩和する役割をする。図5では、スクリーン版9が基板1に接触しない状態を示している。
【0022】
スクリーン版9が基板1の主面に強く押し付けられることになると、基板1主面の配向膜にスクリーン版9表面のメッシュパターンが強く転写され、表示不良が発生する。この為、高さの差Gは正であること、更にできるだけ大きい方が、スクリーン版9が基板1に接触し難くなること、或いは、接触した場合における接触圧を緩和されることから表示不良を防止でき好ましい。しかしながら、本実施の形態1では、高さの差Gについて、0.1mm≦G≦0.2mmとなる様に、即ち基板1の厚さt、突出部7の高さdに対して、ギャップ調整板3の厚さhについて、高さの差GはG=h−d−tで表されることから0.1mm≦h−d−t≦0.2mmを満たす様に選定している。
【0023】
これは、表示不良を防止できる範囲に加えて、印刷シール幅をバラツキ少なく安定化するのに適正な範囲を選定したものである。印刷シール幅の安定化には、スキージ12が通り過ぎた直後の基板1の主面からスクリーン版9を引き剥がす張力が安定してかかることが必要である。例えばスクリーン印刷によって液晶パネルを製造する場合として標準的なスクリーン版9の大きさが一辺1000mm程度、基板サイズが基板幅500mm程度の場合、高さの差Gが0.1mmよりも小さいと張力が少なくなり版が一定の速度で剥がれなる。また、0.2mmよりも大きいと基板1の主面とスクリーン版9の距離が離れ過ぎてペースト10の滲みが発生したり、無理にスキージ12への印加圧力を増やすとスクリーン版9の伸びが発生する。いずれの場合にも結果として安定した印刷ができなくなる。
【0024】
以上説明した様に、本実施の形態1では、ギャップ調整板3の厚さhについて、基板1の厚さt、突出部7の高さdに対し、0.1mm≦h−d−t≦0.2mmを満たす様に予め用意されたギャップ調整板3を使用することにより、メッシュパターンの転写による表示不良を防止することができ、尚且つ印刷シール幅バラツキの少ない安定した印刷結果を得ることができる。
【0025】
更に、ギャップ調整板はステージ基部に接する様に取り付けられていることから、基板とステージとの上面の高さの差が変動する可能性が無い為、連続して処理を続けた場合においても、適切な印刷条件が変動することが無く、安定した印刷結果が得られる。また、基板厚さを変更した場合においても、其れに対応して決まった厚さの予め用意されたギャップ調整板をステージ基部に接する様に取り付け用いるので、適切な印刷条件の再現性が良く、毎回安定した印刷結果が得られる。
【0026】
以上説明した実施の形態1では、スクリーン印刷装置において、処理する基板の厚みに対応してステージ上面と基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材を備えることにより最適な印刷条件となる様に印刷を行うことが可能である。更に、スキージの走査方向に対し基板の両側において、基板の主面よりも上側に張り出した高さ調整部材が取り付けられることにより、液晶パネルの製造工程に用いた場合に、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生することが無く、シールパターン幅バラツキが少ない液晶パネルを製造できるスクリーン印刷装置を得ることができる。また、高さ調整部材はステージ基部に接する様に取り付けられていることから、基板の主面とステージ上面の高さの差が変動することがなく、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。
【0027】
実施の形態2.
実施の形態1のスクリーン印刷装置では、ステージ2として、突出部7を設けたステージ基部2aとギャップ調整板3を勘合する様に組み合わせたものを用いた。ここでは、ステージ基部に突出部を設けず、比較的薄いギャップ調整板を取り付けた実施の形態2について説明する。
【0028】
本実施の形態2では、ステージ2における、ステージ基部2aとギャップ調整板3の構造のみが実施の形態1と異なるが、この変更以外については、印刷動作、その他構造などは実施の形態1と同様である為、詳細な説明は省略する。
【0029】
先ず、本実施の形態2のスクリーン印刷装置の構成について図6のステージ部の斜視図と図7のギャップ調整板及び取り付け状態説明図を用いて説明する。
【0030】
実施の形態1と同様に、図6に示される様に、このスクリーン印刷装置を構成する基板1を保持するステージ2は、以下のステージ基部2aと、ステージ基部2aに取り付けられ、ステージ2の上面と基板1の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材の役割をするギャップ調整板3と、ギャップ調整板3の周辺部においてギャップ調整板3をステージ基部2aに取り付け固定する固定ネジ13と、基板1を位置決めするアライメント機構4a、4bと、ステージ上の位置決め可能な位置まで基板1を搬送する搬送ローラ部5a、5aa(搬送ローラ部5aと同様の構造で図中基板1の下に配置、図示せず)とから構成されている。また、ステージ2上への搬入及び搬出を行う搬送ローラ部5b及び5cがステージ2の前後に配置されている。
【0031】
また、図7(a)はギャップ調整板3の斜視図であり、ギャップ調整板3には、基板形状のくり抜き部6及び固定ネジ13の位置に対応した取り付け穴13aが周辺部に形成されている。また、ギャップ調整板3には、必要に応じ、アライメント機構4a、4bの動作範囲に対応したくり抜き部6aが形成されている。図7(b)は図7(a)のギャップ調整板3のC'−C'の位置における断面図を示している。この様にギャップ調整板3は厚さhの厚みをもった薄板状である。
【0032】
また、図7(c)は、ギャップ調整板3の取り付け状態を示す断面図であり、図6におけるC―Cの位置での断面図を示している。この図よりステージ基部2aには基板1の形状に掘り込み部14が形成されており基板1を収容している。更にギャップ調整板3は基板形状のくり抜き部6が基板1の位置に対応する様に取り付けられており、ギャップ調整板3の厚さh、掘り込み部14の深さe、基板厚さtに対して、ステージ2の上面が基板1の主面よりも張り出す様に即ちギャップ調整板3の表面と基板1の上面との高さの差G=e+h−tが正となる様にギャップ調整板3の厚さが選ばれている。
【0033】
この様に本実施の形態2において、ギャップ調整板3は、高さの差Gが少なくとも正となる様にステージ基部2aに設けられた掘り込み部14の深さを補充する役割をしていることから、掘り込み部14がある場合に限らず、掘り込み部14の深さがゼロである場合、即ちステージ基部2aが平坦な場合まで応用が可能であり本実施の形態2と同様の効果がある。
【0034】
また、実施の形態1で説明したとおり、ステージ2の上面が基板1の主面よりも張り出していること、即ちギャップ調整板3の表面と基板1の上面との高さの差Gが正であること、更に、Gの値が大きくなる程、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生しにくくなり、0.1mm≦G≦0.2mmとなる様に、即ち基板1の厚さt、掘り込み部14の深さeに対して、ギャップ調整板3の厚さhについて、高さの差GはG=e+h−tで表されることから0.1mm≦e+h−t≦0.2mmを満たす様に選定することによってシール幅バラツキの少ない安定した印刷結果を得ることができる。実施の形態1と同様に、処理する基板1の厚さに対応した異なるギャップ調整板3を用意し、基板1の種類により交換して使い分けることにより容易に適切な条件で印刷を行うことができる。
【0035】
本実施の形態2においては、実施の形態1と異なり、ギャップ調整板3は、ステージ基部2aの全面を覆うのではなく、基板1の周辺部のみを覆う形状とした。しかし、印刷時に影響する高さ調整の効果は、実際は、スキージが乗り上げる領域でのギャップ調整板3により生ずることから、少なくとも基板1の両側の印刷時にスキージが乗り上げる領域にギャップ調整板3が配置されれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、本実施の形態2のギャップ調整板3は、実施の形態1に比較して薄く強度が無いことから、必要最小限の大きさとすることによって、交換時や保管時における破損を防止することができる。
【0036】
また、実施の形態2においては、ステージ基部2aが、実施の形態1の突出部を設けた構造の様に特別な形状ではないことから、通常のスクリーン印刷装置に対しても応用可能であり、通常のスクリーン印刷装置のステージに対して適切なギャップ調整板3を取り付けることによって同様の効果を得ることができる。更に、ギャップ調整板3の固定手段についても、固定ネジ13に限らず、ステージ基部2aとギャップ調整板3の間に両面テープなどを用い固定しても良く、テープなどをギャップ調整板3の端部に掛かる様にステージ基部2aに貼り付け固定しても良い。この様な場合には、テープの厚さも含めギャップ調整板3の厚みにより基板1の主面からの張り出し量を調整するか、ギャップ調整板3のスキージが乗り上げる領域にはテープが掛からない様に固定する。また、ステージ基部2aはステンレスなどの磁石と引き合う材質からなるのが一般的であることから、ギャップ調整板3を磁石材料により形成することにより、磁力により貼り付け固定しても良い。これらの方法についても、通常のスクリーン印刷装置に対して応用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0037】
以上説明した実施の形態2においても実施の形態1と同様に、スクリーン印刷装置において、処理する基板の厚みに対応してステージ上面と基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材を備えることにより最適な印刷条件となる様に印刷を行うことが可能である。更に、スキージの走査方向に対し基板の両側において、基板の主面よりも上側に張り出した高さ調整部材が取り付けられることにより、液晶パネルの製造工程に用いた場合に、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生することが無く、シールパターン幅バラツキが少ない液晶パネルを製造できるスクリーン印刷装置を得ることができる。また、高さ調整部材はステージ基部に固定されていることから、基板の主面とステージ上面の高さの差が変動することがなく、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。
【0038】
実施の形態3.
ギャップ調整板3をステージ基部2aに取り付けることによって上面が基板1の主面よりも張り出した状態のステージ2を構成する為には、ステージ基部2aとギャップ調整板3の形状を変形することにより幾つかの変形例が考えられる。これらの変形例について、本実施の形態3で説明する。
【0039】
まず、第1の変形例のスクリーン印刷装置について、図8の断面図を用いて説明する。このスクリーン印刷装置の全体図は、実施の形態2について説明した図6における固定ネジ13を省略している点以外は同様であるので省略する。
【0040】
第1の変形例では、図8(a)に示す様に、実施の形態2について説明した図7と比較して、やや厚みhが厚く、基板1の形状のくり抜き部6が形成された環状のギャップ調整板3と、掘り込み部15が形成されたステージ基部2aにより構成されており、図8(b)に示す様に、ステージ基部2aの掘り込み部15とギャップ調整板3が勘合することにより取り付けること、図8(a)の矢印で示した様に着脱することが可能である。
【0041】
図8(b)に示す様に、ステージ基部2aにギャップ調整板3を取り付けられた状態では、ギャップ調整板3の厚さh、掘り込み部15の基板1を保持する面からの深さf、基板1の厚さtに対して、ステージ2の上面が基板1の主面よりも張り出す様に即ちギャップ調整板3の表面と基板1の上面との高さの差G=h−f−tが正となる様にギャップ調整板3の厚さが選ばれている。
【0042】
また、上記説明の変形例1においては、実施の形態2においても説明したとおり、少なくとも基板1の両側の印刷時にスキージが乗り上げる領域にギャップ調整板3が配置されれば良いことから、環状のギャップ調整板3のうち、スキージの乗り上げる部分のみとすれば良い。即ち基板1のスキージの動作方向に対して両側に二枚の直方体のギャップ調整板3Rと3Lを配置しても良い。
【0043】
続いて、第2の変形例のスクリーン印刷装置について、図9の断面図を用いて説明する。
第2の変形例では、図9(a)に示す様に、基板形状の掘り込み部16が形成されたギャップ調整板3と、掘り込み部15が形成されたステージ基部2aにより構成されており、図9(b)に示す様に、ステージ基部2aの掘り込み部15とギャップ調整板3が勘合することにより取り付けることができ、図9(a)の矢印で示した様に着脱が可能である。
【0044】
また、図9(b)に示す様に、ステージ基部2aにギャップ調整板3を取り付けられた状態では、ギャップ調整板3の厚さh、基板1を収容する掘り込み部16の深さg、基板1の厚さtに対して、ステージ2の上面が基板1の主面よりも張り出す様に即ちギャップ調整板3の表面と基板1の上面との高さの差G=g−tが正となる様にギャップ調整板3の掘り込み部16の深さGが選ばれている。
【0045】
続いて、第3の変形例のスクリーン印刷装置について、図10の断面図を用いて説明する。第3の変形例では、図10(a)に示す様に、基板形状の板状のギャップ調整板3と、基板形状の掘り込み部17が形成されたステージ基部2aにより構成されており、図10(b)に示す様に、ステージ基部2aの掘り込み部17とギャップ調整板3が勘合することにより取り付けることができ、図9(a)の矢印で示した様に着脱が可能である。
【0046】
また、図10(b)に示す様に、ステージ基部2aにギャップ調整板3を取り付けられた状態では、ギャップ調整板3の厚さh、基板形状の掘り込み部17の深さk、基板1の厚さtに対して、ステージ2の上面が基板1の主面よりも張り出す様に即ちギャップ調整板3の表面と基板1の上面との高さの差G=k−h−tが正となる様にギャップ調整板3の掘り込み部17の深さGが選ばれている。
【0047】
以上説明した変形例1〜3においても、更に実施の形態1と同様に、0.1mm≦G≦0.2mmとなる様に基板1の厚さに対応したギャップ調整板3を選定することによってシール幅バラツキの少ない安定した印刷結果を得ることができる。
【0048】
また、実施の形態1と同様に、ギャップ調整板3がある程度の厚みと重さを持ち、ステージ基部2aと勘合することにより取り付けられる為、特にネジなどにより固定することなく精度良く印刷することが可能である。
【0049】
また、実施の形態2と同様に、ギャップ調整板3を必要最小限の大きさとすることによって、コンパクトで軽量とすることが出来ることから、交換時の持ち運びが容易で、保管時にも比較的狭いスペースに収納可能である。
【0050】
以上説明した実施の形態3においても実施の形態1と同様に、スクリーン印刷装置において、処理する基板の厚みに対応してステージ上面と基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材を備えることにより最適な印刷条件となる様に印刷を行うことが可能である。更に、スキージの走査方向に対し基板の両側に、基板の主面よりも上側にステージ上面が張り出す様に高さ調整部材が取り付けられることにより、液晶パネルの製造工程に用いた場合に、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生することが無く、シールパターン幅バラツキが少ない液晶パネルを製造できるスクリーン印刷装置を得ることができる。また、高さ調整部材はステージ基部に接する様に取り付けられていることから、基板の主面とステージ上面の高さの差が変動することがなく、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。
【0051】
実施の形態4.
続いて、実施の形態3の変形例1のスクリーン印刷装置において、ステージ基部2aにギャップ調整板3を移動する移動機構を備えるように変形した実施の形態4について図11の断面図を用い説明する。
【0052】
本実施の形態4では、実施の形態3の変形例1と比較して、図11に示す様に、基板1の形状のくり抜き部6が形成されたギャップ調整板3と、掘り込み部15が形成されたステージ基部2aにより構成されている点、ステージ基部2aの掘り込み部15とギャップ調整板3が勘合することにより取り付けられている点については同様である。実施の形態3の変形例1とは、ギャップ調整板3を図中の矢印の様に上下に移動する移動機構18がステージ基部2aに設けられている点が異なる。また、更に、移動後の位置においてギャップ調整板3をステージ基部2aに固定する固定手段である固定ネジ19が設けられている。
【0053】
移動機構18は、ギャップ調整板3を精密に上下動作させる駆動ギア20と駆動ギア20により上下動作に変換される回転力を与える回転ノブ21からなる。また、ギャップ調整板3の微量の移動量を見積る為、回転ノブ21はマイクロメータなどの移動量を見積る目盛を備えた構造とすることが望ましい。また、固定ネジ19は、ネジ込むことによりギャップ調整板3を挟み込み、移動後の位置において、完全に固定することができる。
【0054】
また、図11に示す様に、厚さtの基板1に対して、ステージ2の上面が基板1の主面よりも張り出す様に即ちギャップ調整板3の表面と基板1の上面との高さの差Gが正となる様にギャップ調整板3を移動機構18により移動し移動量の調整を行う。
【0055】
以上説明した実施の形態4においても、更に実施の形態1と同様に、0.1mm≦G≦0.2mmとなる様に基板1の厚さtに対応してギャップ調整板3を移動機構18により移動し移動量の調整を行い、更に固定ネジ19によって移動位置においてステージ基部2aに固定することによってシール幅バラツキの少ない安定した印刷結果を得ることができる。
【0056】
以上説明した実施の形態4においても実施の形態1と同様に、スクリーン印刷装置において、処理する基板の厚みに対応してステージ上面と基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材を備えることにより最適な印刷条件となる様に印刷を行うことが可能である。更に、スキージの走査方向に対し基板の両側に、基板の主面よりも上側に張り出した高さ調整部材が固定されることにより、液晶パネルの製造工程に用いた場合に、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生することが無く、シールパターン幅バラツキが少ない液晶パネルを製造できるスクリーン印刷装置を得ることができる。また、高さ調整部材はステージ基部に固定されていることから、基板の主面とステージ上面の高さの差が変動することがなく、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。
【0057】
実施の形態5.
続いて、実施の形態4の変形例1のスクリーン印刷装置において、ステージ基部2aへのギャップ調整板3の固定方法を変形した実施の形態5について図12〜図14の説明図を用い説明する。
【0058】
本実施の形態5では、図12の断面図に示す様に、実施の形態4と同様に基板1の形状のくり抜き部6が形成されたギャップ調整板3と、掘り込み部15が形成されたステージ基部2aにより構成されており、ギャップ調整板3はステージ基部2aの掘り込み部15と勘合することにより取り付けられている。また、ギャップ調整板3を図中の矢印の様に上下に移動する移動機構18がステージ基部2aに設けられており、ギャップ調整板3を固定する固定手段である固定ネジ19が設けられている。実施の形態3の変形例1との相違点としては、固定ネジ19に対応して、取り付け穴22をギャップ調整板3の側面に設けた点が異なる。この取り付け穴22に固定ネジ19が差し込まれることによりギャップ調整板3をステージ基部2aに固定することが可能である。
【0059】
この取り付け穴22と固定ネジ19は、異なる基板1の厚さに対応して、ギャップ調整板3の高さを変更可能な様に、異なる位置において固定できる複数組設けると、一つのギャップ調整板3を交換しなくても数種類の基板の最適条件に対応することができる。この方法について、図13および図14を用いて詳細に説明する。
【0060】
図13(a)は実施の形態5のスクリーン印刷装置の図12における上側の方向からみた平面模式図、図13(b)は(a)における固定ネジ側の側面からみた模式図を示している。これらの図よりステージ基部2aの側面に複数の固定ネジ19a、19bが設けられていることが判る。
【0061】
また、図14(a)はギャップ調整板3の側面からみた模式図を示しており、図13(b)における固定ネジ19a、19bに対応した取り付け穴22a、22bがギャップ調整板3に設けられていることが判る。また、複数組の取り付け穴22aと複数組の取り付け穴22bとは、異なる高さに設けられており、対応するステージ基部2aに設けられた固定ネジ19aと固定ネジ19bは同じ高さに設けられている。
【0062】
続いて、図13(b)において点線で示した断面線a、断面線bにおける断面模式図である図14(b)、図14(c)を用い、取り付け穴22aと固定ネジ19aによる固定と、取り付け穴22bと固定ネジ19bによる固定の使い分けについて説明する。図14(b)は、取り付け穴22aと固定ネジ19aにより固定した場合を示しており、図14(c)は、取り付け穴22bと固定ネジ19bにより固定した場合を示している。取り付け穴22bは取り付け穴22aよりもギャップ調整板3の低い位置に設けられていることから、図14(c)の様に取り付け穴22bによる固定を選んだ場合、図14(b)の取り付け穴22aによる固定より固定ステージ基部2aに対して高い位置でギャップ調整板3を固定することができる。
【0063】
この様に、取り付け穴22aと固定ネジ19aによる固定と、取り付け穴22bと固定ネジ19bによる固定を使い分けることにより、二種類の異なる高さによる固定を行うことができる。例えば図14(b)においては、比較的薄い厚さt1の基板1aに対して、ステージ2の上面が基板1aの主面よりも張り出す様に即ちギャップ調整板3の表面と基板1の上面との高さの差Gが正となる様に取り付け穴22aと固定ネジ19aの位置関係を決めておき、比較的厚い厚さt2の基板1bに対しては、ステージ2の上面が基板1bの主面よりも張り出す様に即ちギャップ調整板3の表面と基板1の上面との高さの差Gが正となる様に取り付け穴22bと固定ネジ19bの位置関係を決めておくことにより、ギャップ調整板3を交換すること無く二種類の厚さの基板1a、基板1bに対して最適条件となる様に対応することができる。
【0064】
以上説明した実施の形態5においても、更に実施の形態1と同様に、0.1mm≦G≦0.2mmとなる様に基板1の厚さtに対応してギャップ調整板3を移動機構18により移動し移動量の調整を行い、更に固定ネジ19によって移動位置においてステージ基部2aに固定することによってシール幅バラツキの少ない安定した印刷結果を得ることができる。
【0065】
また、本実施の形態5においては、二種類の基板厚さに対応した説明としたが、更に異なる高さに固定できる取り付け穴22と固定ネジ19を設けることにより、三種類以上の基板にも対応することが可能である。更に、本実施の形態5では、ステージ基部2aに設けた固定ネジ19の高さは同じとして、ギャップ調整板3に設けた取り付け穴22の高さを変えた。これは、ギャップ調整板3は比較的容易に交換できることから、様々な基板厚さに対応し易い点でこの様な構成としたが、取り付け穴22を同じ高さとして、固定ネジ19の高さを変えた構成としても本実施の形態5と同様に異なる厚さの基板に対して最適条件で印刷を行うことができる。
【0066】
また、本実施の形態5の変形例として、図15に示す様に実施の形態5における高さ調整部材であるギャップ調整板3をギャップ調整板3mとギャップ調整板3nに分割した構成としても良い。ギャップ調整板3mは、実施の形態5と同様の移動機構18により上下に移動可能であり、ギャップ調整板3mに設けられた取り付け穴22により固定が可能である。これにより、実施の形態5と同様に複数の種類の異なる厚みの基板1に対応して最適な条件で印刷を行うことができる。更に、厚みの異なるギャップ調整板3nを用意し使い分けることで、更に様々な厚みの基板1に対応することが可能である。この変形例においては、ギャップ調整板3mを取り外すこと無く、ギャップ調整板3nのみを交換することができる為、容易に様々な厚みの基板1に対応させる変更を行うことが可能である。
【0067】
以上説明した実施の形態5においても実施の形態1と同様に、スクリーン印刷装置において、処理する基板の厚みに対応してステージ上面と基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材を備えることにより最適な印刷条件となる様に印刷を行うことが可能である。更に、スキージの走査方向に対し基板の両側に、基板の主面よりも上側に張り出した高さ調整部材が固定されることにより、液晶パネルの製造工程に用いた場合に、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生することが無く、シールパターン幅バラツキが少ない液晶パネルを製造できるスクリーン印刷装置を得ることができる。また、高さ調整部材はステージ基部に固定されていることから、基板の主面とステージ上面の高さの差が変動することがなく、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。
【0068】
実施の形態6.
続いて、実施の形態1或いは実施の形態2におけるキャップ調整板にアライメント機構の動作範囲に対応したくり抜き部を設けない構成である実施の形態6のスクリーン印刷装置について図16および図17を用いて説明する。
【0069】
図16は実施の形態6のスクリーン印刷装置のステージ上側の方向からみた平面模式図を示している。図16に示す様に、本実施の形態6のスクリーン印刷装置においては、基板1を保持するステージ2は、以下のステージ基部2aと、ステージ基部2aに取り付けられ基板1のスキージの動作方向に対して両側に配置された二枚の直方体からなるギャップ調整板3R、3Lと、ギャップ調整板3R、3Lをステージ基部2aに収納する、ステージ基部2aに形成された掘り込み部23と、基板1を位置決めするアライメント機構4a、4bとから構成されており、ギャップ調整板3R、3Lはアライメント機構4a、4bの位置決め動作時には退避する様にした。なお図中においては、退避時の位置を実線で、基板1の両側に配置された場合における位置を点線で示している。また、基板1を搬送する搬送ローラ部等については、実施の形態1と同様であることから図示および説明を省略する。
【0070】
続いて、図16における断面線D−Dにおける断面図である図17を用い、位置決め動作時から印刷前の状態への動作について説明する。
【0071】
図17(a)に示す様に、アライメント機構4aは図中の矢印の方向に開閉動作を行い基板1の位置決め動作を行う。この時、ギャップ調整板3R、3Lは、アライメント機構4aの位置決め動作の妨げにならない様に、掘り込み部23R、21L内においてステージ2の外側の位置に退避する。
【0072】
基板1の位置決めが完了すると図17(b)に示す様に、アライメント機構4aは図中の矢印の方向、即ちステージ基部2aの下部の方へ退避する。続いて、アライメント機構4aの位置決め動作の妨げにならない様に退避していたギャップ調整板3R、3Lは、図17(c)に示す様に図中の矢印の方向、即ち基板1のスキージの動作方向に対して両側に配置される様に移動し、印刷時におけるステージ2の状態となる。
【0073】
また印刷時においては、図11に示す様に、厚さtの基板1に対して、ステージ2の上面が基板1の主面よりも張り出す様に即ちギャップ調整板3L、3Rの表面と基板1の上面との高さの差Gが正となる様にギャップ調整板3L、3Rの厚みとステージ基部2aに設けられた掘り込み部23R、21Lの深さが予め設計される。
【0074】
以上説明した実施の形態6においても、更に実施の形態1と同様に、0.1mm≦G≦0.2mmとなる様に基板1の厚さtに対応してギャップ調整板3L、3Rの厚みとステージ基部2aに設けられた掘り込み部23R、21Lの深さを予め設計することによりシール幅バラツキの少ない安定した印刷結果を得ることができる。
【0075】
また、本実施の形態6におけるギャップ調整板3L、3Rにおいては、位置決め動作時に退避する為、アライメント機構4a、4bの動作範囲に対応したくり抜き部を形成する必要がない。この為、印刷時において、スキージがアライメント機構に対応したくり抜き部による影響を受けずに、一定の速度と圧力で印刷を行うことができる為、更にメッシュパターンの転写による表示不良が発生し難い。
【0076】
以上説明した実施の形態6においても実施の形態1と同様に、スクリーン印刷装置において、処理する基板の厚みに対応してステージ上面と基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材を備えることにより最適な印刷条件となる様に印刷を行うことが可能である。更に、スキージの走査方向に対し基板の両側において、基板の主面よりも上側に張り出した高さ調整部材が取り付けられることにより、液晶パネルの製造工程に用いた場合に、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生することが無く、シールパターン幅バラツキが少ない液晶パネルを製造できるスクリーン印刷装置を得ることができる。また、高さ調整部材はステージ基部に接する様に取り付けられていることから、基板の主面とステージ上面の高さの差が変動することがなく、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。
【0077】
実施の形態7.
続いて、図18を用いて、本実施の形態7により製造される液晶パネルの構成について説明する。尚、ここでは、一例としてTFT(hin ilm ransistor)方式の液晶パネルについて説明する。この液晶パネル200は、図に示される様に、スイッチング素子基板210、カラーフィルタ基板220、及びスイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220との間に充填された液晶230から構成されている。
【0078】
上述のスイッチング素子基板210は、ガラス基板211の一方の面に液晶230を配向させる配向膜212、配向膜212の下部に設けられ液晶230を駆動する電圧を印加する画素電極213、画素電極213に電圧を供給するTFTなどのスイッチング素子214、スイッチング素子214を覆う絶縁膜215、スイッチング素子214に供給される信号を外部から受け入れる端子216、端子216から入力された信号を対向電極へ伝達する為のトランスファ電極217等を有している。また、ガラス基板211の他方の面には偏光板231を有している。
【0079】
一方、上述のカラーフィルタ基板220は、ガラス基板221の一方の面に液晶230を配向させる配向膜222、配向膜222の下部に配置され、スイッチング素子基板210上の画素電極213との間に電界を生じ液晶230を駆動する共通電極223、共通電極223下部に設けられるカラーフィルタ224及び遮光層225等を有している。また、ガラス基板221の他方の面には偏光板232を有している。
【0080】
また、スイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220はシール材233を介して貼り合わされている。更にトランスファ電極217と共通電極223は、トランスファ材234により電気的に接続されており、端子216から入力された信号が共通電極223に伝達される。この他に、液晶パネル200は駆動信号を発生する制御基板235、制御基板235を端子216に電気的に接続するFPC(lexible rinted ircuit)236、光源となるバックライトユニット(図示せず)等を備えている。
【0081】
この液晶パネル200は次の様に動作する。例えば、制御基板235から電気信号が入力されると、画素電極213及び共通電極223に駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶230の分子の方向が変わる。そして、バックライトユニットの発する光がスイッチング素子基板210、液晶230及びカラーフィルタ基板220を介して外部へ透過或いは遮断されることにより、液晶パネル200に映像等が表示される。
【0082】
尚、この液晶パネル200は、一例であり他の構成でもよい。液晶パネル200の動作モードは、TN(wisted ematic)モードや、STN(upper wisted ematic)モード、強誘電性液晶モード等でもよく、駆動方法は、単純マトリックスやアクティブマトリックス等でもよく、カラーフィルタ基板220に設けた共通電極223をスイッチング素子基板210側に設置して、画素電極213との間に横方向に液晶230に対して電界をかける横電界方式を用いた液晶パネルでもよい。
【0083】
次に、本実施の形態7にかかる液晶パネルの製造方法について説明する。スイッチング素子基板210及びカラーフィルタ基板220の製造方法については一般的な方法を用いる為、簡単に説明する。スイッチング素子基板210は、ガラス基板211の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチング等のパターン形成工程を繰り返し用いてスイッチング素子214や画素電極213、端子216、トランスファ電極217を形成することにより製造される。また、カラーフィルタ基板220は、同様に、ガラス基板221の一方の面に、カラーフィルタ224や共通電極223を形成することにより製造される。
【0084】
続いて、本実施の形態7において特徴的な組み立て工程について図19に示すフローチャートにしたがって説明する。まず、基板洗浄工程において、画素電極213が形成されているスイッチング素子基板210を洗浄する(S1)。次に、配向膜形成工程において、スイッチング素子基板210の一方の面に、配向膜212を形成する(S2)。この工程は、例えば、印刷法により有機膜からなる配向膜212を塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理し乾燥させる。その後、ラビング工程において配向膜212にラビングを行い、配向膜212を配向させる(S3)。
【0085】
また、S1からS3と同様に、共通電極223が形成されているカラーフィルタ基板220についても、洗浄、配向膜222の形成、ラビングを行う。
【0086】
続いて、シール塗布工程において、実施の形態1で説明したシール印刷装置によりスイッチング素子基板210或いはカラーフィルタ基板220の一方の面にシール材233の塗布処理を行う(S4)。この際には、処理基板の厚さに対応した適切な高さ調整部材を用いて印刷を行った。この実施の形態1で説明したシール印刷装置を用いたことによって、配向膜212或いは配向膜222表面へのシール版の押圧が安定して緩和される様に印刷をすることができる。シール材233には、例えばエポキシ系接着剤等の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いた。
【0087】
次に、トランスファ材塗布工程において、スイッチング素子基板210或いはカラーフィルタ基板220の一方の面にトランスファ材234の塗布処理を行う(S5)。そして、スペーサ散布工程において、スイッチング素子基板210或いはカラーフィルタ基板220の一方の面にスペーサを散布する(S6)。この工程は、例えば、湿式法や乾式法によりスペーサを分散させることにより行われる。
【0088】
その後、貼り合わせ工程において、スイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220を貼り合わせる(S7)。続いて、シール硬化工程において、スイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220を貼り合わせた状態で、シール材233を完全に硬化させる(S8)。この工程は、例えば、シール材233の材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。次に、セル分断工程において、貼り合わせた基板を個別セルに分解する(S9)。そして、液晶注入工程において、液晶注入口から液晶を注入する(S10)。この工程は、例えば、液晶230を液晶注入口から真空注入により充填することにより行われる。更に、封止工程において、液晶注入口を封止する(S11)。この工程は、例えば、光硬化型樹脂で封じ、光を照射することにより行われる。
【0089】
以上のS7〜S13の貼り合わせから液晶封止までの工程については、通常の注入口からの液晶注入方法を一例として説明した。しかし、別の液晶注入方法として、注入口の無いシール材233の形状とし、液晶230をスイッチング素子基板210或いはカラーフィルタ基板220の上に液滴状態で滴下して形成し、この滴下した液晶230を挟む様にスイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220を貼り合わせた後にシール材233を硬化させる方法、所謂、滴下注入方式を用いてもかまわない。
【0090】
最後に、偏光板貼付工程において、セルに偏光板231、232を貼り付け(S12)、制御基板実装工程において、制御基板235を実装する(S13)ことによって、液晶パネル200が完成する。
【0091】
以上説明した実施の形態7の液晶パネルにおいては、上述の通り、スキージの走査方向に対し基板の両側に、基板の主面よりも上側に張り出した高さ調整部材が取り付けられたステージを備えたスクリーン印刷装置を液晶パネルのシール塗布工程に用いたことにより、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良の発生の無い表示品質の高い、シールパターン幅バラツキが少ない液晶パネルを得ることができる。本実施の形態7においては、実施の形態1のスクリーン印刷装置をシール塗布工程に用いた液晶表示パネルの製造方法について説明したが、実施の形態1のスクリーン印刷装置に代えて他の実施の形態2〜6において説明したスクリーン印刷装置を用いた場合においても本実施の形態7と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置のステージ部の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置のステージ部を構成するギャップ調整板の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置のステージ部の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置の印刷動作の状態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置の印刷動作の状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2におけるスクリーン印刷装置のステージ部の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2におけるスクリーン印刷装置のステージ部を構成するギャップ調整板の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態3における第1の変形例のスクリーン印刷装置のステージ部を構成するギャップ調整板の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態3における第2の変形例のスクリーン印刷装置のステージ部を構成するギャップ調整板の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3における第3の変形例のスクリーン印刷装置のステージ部を構成するギャップ調整板の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態4におけるスクリーン印刷装置のステージ部の断面図である。
【図12】本発明の実施の形態5におけるスクリーン印刷装置のステージ部の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態5におけるスクリーン印刷装置のステージ部の平面図および側面図である。
【図14】本発明の実施の形態5におけるスクリーン印刷装置のステージ部を構成するギャップ調整板の説明図である。
【図15】本発明の実施の形態5におけるスクリーン印刷装置の変形例のステージ部を構成するギャップ調整板の説明図である。
【図16】本発明の実施の形態6におけるスクリーン印刷装置のステージ部の平面図である。
【図17】本発明の実施の形態6におけるスクリーン印刷装置のステージ部の動作の状態を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態7における液晶パネルの構成図である。
【図19】本発明の実施の形態7における液晶パネルの製造方法における組み立て工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0093】
1 基板、2 ステージ、3 ギャップ調整板、6 くり抜き部、7 突出部、9 スクリーン版、10 開口パターン、11 ペースト、12 スキージ、15 、16、17 掘り込み部、18 移動機構、19 固定ネジ、22 取り付け穴、200 液晶パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキージを走査することによりスクリーン版上のペーストを前記スクリーン版に設けられた開口パターンを介して前記スクリーン版の下部に配置された基板の主面に塗布するスクリーン印刷装置であって、
前記基板を保持するステージが、ステージ基部と、前記ステージ基部に固定或いは取り付けられ、前記ステージの一部よりなる平面と前記基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材とから構成されたことを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
高さ調整部材は、スキージの走査方向に対し基板の両側において前記基板の主面よりも上側に張り出した前記ステージの一部よりなる平面を持つ様に固定或いは取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
高さ調整部材は、基板形状のくり抜き部が形成された環状であり、前記くり抜き部がステージ基部に形成され基板を保持する面を凸とする突出部と勘合することにより前記ステージ基部に取り付けられることを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項4】
ステージ基部に高さ調整部材と勘合する掘り込み部が形成されることを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項5】
高さ調整部材は基板形状の板状であり、ステージ基部に基板形状の掘り込み部が形成され、前記高さ調整部材と前記ステージ基部に形成された掘り込み部が勘合することを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項6】
高さ調整部材に基板を収容する基板形状の掘り込み部が形成され、ステージ基部に前記高さ調整部材と勘合する掘り込み部が形成されることを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項7】
高さ調整部材を移動する移動機構を備えたことを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項8】
高さ調整部材の移動量を見積る目盛を備えたことを特徴とする請求項7に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項9】
高さ調整部材を移動後の位置において固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項7或いは8のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項10】
固定手段は高さ調整部材を固定する固定ネジとステージ基部に設けられた取り付け穴による固定であることを特徴とする請求項9に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項11】
異なる所定の位置において固定する複数の取り付け穴を備えることを特徴とする請求項10に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項12】
高さ調整部材の移動はステージ上の基板の位置決めを行うアライメント機構の位置決め動作の妨げにならない位置への退避と、前記位置決め動作完了後における前記基板の主面よりも上側に張り出した平面をスキージの走査方向に対し前記基板の両側に持つ位置への移動を含むことを特徴とする請求項7に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項13】
張り出し量が0.1〜0.2mmであることを特徴とする請求項2〜12のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項14】
スキージを走査することによりスクリーン版上のペーストを前記スクリーン版に設けられた開口パターンを介して前記スクリーン版の下部に配置された基板の主面に塗布するスクリーン印刷装置方法であって、
前記基板を保持するステージを構成するステージ基部に、前記ステージ基部に取り付けられ前記ステージを構成するとともに、前記ステージの一部よりなる平面と前記基板の主面の高さとの関係を調整する高さ調整部材を、前記基板の厚みに対応して、前記スキージの走査方向に対し前記基板の両側において前記基板の主面よりも上側に0.1〜0.2mm張り出す様に固定或いは取り付けて印刷することを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項15】
請求項1〜請求項13のいずれかに記載のスクリーン印刷装置を用いて製造された液晶パネル。
【請求項16】
請求項14のスクリーン印刷方法により製造された液晶パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−260143(P2008−260143A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102627(P2007−102627)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】