説明

スクリーン印刷装置、及び前記スクリーン印刷装置を用いて製造された液晶パネル

【課題】スクリーン印刷によるシールパターン形成時のスクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を防ぎ安定的に液晶パネルを製造することのできるスクリーン印刷装置を得る。
【解決手段】この発明に係るスクリーン印刷装置は、基板1を保持するステージ2と、前記基板1を位置決めするアライメント部材3a、3b、前記アライメント部材3a、3bを動作させる駆動部4a、4bと、スキージが前記基板上を走査する際の走査領域14と干渉しない領域において、前記ステージ2上面に開口され、前記アライメント部材3a、3bを前記ステージ2内に収納する開口部6a、6bを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルを製造する際のシールパターンを形成するスクリーン印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シールパターンによって額縁状に囲まれたセル構造をもった表示装置として一般的な液晶パネルの製造プロセスにおけるパネル組み立ての工程は、主にガラス基板を元に作成された液晶を駆動するスイッチング素子を載せたスイッチング素子基板とカラーフィルタの役割であるカラーフィルタ基板について、其々の基板表面に配向膜を塗布し、ラビング処理する工程と、間隔をあけて貼り合わせる工程と、所定のパネルサイズに切断する工程と、その間隔内に液晶を注入する工程がある。
【0003】
基板を貼り合せる為には、スイッチング素子基板或いはカラーフィルタ基板上に、パネルの表示部分を囲むような形状にシールパターンを形成する。方法としては、スクリーン版に形成されたシールパターンの開口部からシール材を押し出すスクリーン印刷方式とノズル走査によってパターンを描くシールディスペンス方式の二つが一般的である。両者のうちスクリーン印刷方式は基板あたりのパネル数が多い場合においても生産性に優れるなどの点から広く採用されている。
【0004】
この様なスクリーン印刷方式を用いたシールパターン形成工程においては、採用する印刷条件により、印刷の際にスクリーン版が基板に押し付けられ、基板表面の配向膜にスクリーン版表面のメッシュパターンが転写される場合がある。その結果、メッシュパターンの転写部分では、配向膜による液晶の所定の配向が得られず、ムラとして視認される等、液晶パネルとして画像の表示不良を招いていた。
【0005】
また、その対策として基板を固定するチャックを基板表面より上部へ張り出した状態で印刷を行うことによって、張り出したチャックにスクリーン版を先に接触させることにより、スクリーン版が基板表面に押し付けられる圧力を緩和する方法が特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−147524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年スクリーン印刷処理される大きなガラス基板において、基板表面とスクリーン版の距離の制御、及び、スクリーン版を押し付けるスキージへの印加圧力は、メッシュパターン転写による不良の発生、シールパターン幅の安定性に敏感に影響する。これらの要因を大きな基板面の全ての位置において適正に制御する必要があり、特許文献1に記載されているような可動部分であるチャック、或いはチャックと独立に高さの決まるステージ部によってスクリーン版と基板間のギャップを制御することは、困難であり、量産時において安定的に行うことは不可能であった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、スクリーン印刷によるシールパターン形成時のスクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を防ぎ安定的に液晶パネルを製造することのできるスクリーン印刷装置及び液晶パネルの製造方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るスクリーン印刷装置においては、スキージを走査することによりスクリーン版上のペーストを前記スクリーン版に設けられた開口部を介して前記スクリーン版の下部に配置された基板の主面に塗布するスクリーン印刷装置であって、前記基板を保持するステージと、前記基板の端部を押圧して前記ステージ上の所定の位置に前記基板を位置決めするアライメント部材、及び前記アライメント部材を動作させる駆動部と、前記スキージが前記基板上を走査する際の走査領域と干渉しない領域において、前記ステージ上面に開口され、前記アライメント部材を前記ステージ内に収納する開口部を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スクリーン印刷によるシールパターン形成時における、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
本実施の形態1のスクリーン印刷装置の構成について図1のステージ部の斜視図、図2のステージ部の断面図、及び図3の印刷処理部を含めた斜視図を用いて説明する。なお、図は、模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。また、図中、既出の図において説明したものと同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、その他の図においても同様とする。
【0012】
このスクリーン印刷装置は、図1に示される様に、基板1を保持するステージ2と、基板1を位置決めするアライメント部材3a、3b、3c、3d、アライメント部材3aを動作させる駆動部4a(ステージ内部に配置されている為、位置を点線により図示) 、同様にアライメント部材3b〜3dを動作させる駆動部4b〜4d(図示せず)、アライメント部材3aと駆動部4aからなるアライメント機構5a、同様にアライメント部材3b〜3dと駆動部4b〜4dからなるアライメント機構5b〜5d(図示せず)、ステージ2上面には、アライメント部材3a〜3dをステージ2内に収納する開口部6a、6b、6c、6d、基板1を収容する溝部7、基板1のステージ2上への搬入及び搬出を行う搬送ローラ部8a、8b、8c、8d、溝部7内に設けられ、処理後の基板1を溝部7より搬出する搬送ローラ8e(搬送ローラ部8b、8cと同様の構造で図中基板1の下に配置、図示せず)から構成されている。
【0013】
また、図2は、図1におけるアライメント部材3a付近のX―Xで示す箇所における断面図であり、これよりステージ2の基板1を収容する溝部7の深さd、基板1の厚さtに対して、ステージ2の上面と基板1の印刷処理される主面即ち基板1の上側表面の高さの差Gは、G=d−tの関係となる。本実施の形態1では、ステージ2の上面より基板1の主面が低く、更にGが0.1〜0.2mmとなる様にステージ2の溝部7の深さdを設計した。
【0014】
次に、このスクリーン印刷装置の印刷処理に関する部分を図3を用いて説明する。印刷処理に関する部分は、スクリーン版9と、スクリーン版9上のペースト10を、スクリーン版9上を走査しながら、スクリーン版9に設けられた開口パターン11より、スクリーン版9の下部に配置された基板1の主面上に転写塗布するスキージ12とから構成されている。印刷時には、図中矢印で方向を示した様にステージ2は上昇し、スクリーン版9と基板1が接触する間際まで近接される。また、スキージ12の走査方向については、図中矢印で方向を示したとおり基板1の長手方向としている。
【0015】
続いて、本実施の形態1のスクリーン印刷装置のステージ2の動作について図4及び図5を用いて説明する。
【0016】
まず、図1で説明した搬送ローラ8a、8bによって、ステージ2上に基板1が搬入される。次に、図4(a)の様に、ステージ2の上面と略平行方向に延在したアライメント部材3a、3bが回転動作を行い先端を基板1の方向へ向ける(向けた後の状態のアライメント部材3a、3bの位置を点線で図示している)。続いて、図4(b)の様にアライメント部材3a〜3dが基板1を挟み込む動作をすることによって基板1の端部を押圧して位置決めを行う(挟み込んだ状態のアライメント部材3a、3bの位置を点線で図示している)。この様な位置決め動作を行うことにより、ステージ2上面に設けられた溝部7内に基板1が収容される。また、本実施の形態1の場合には、アライメント部材3a、3bの動作を回転と位置決め動作を二段階に分けた動作とした、これは、位置決め動作の精度を上げる為であり、回転動作によって直接位置決めを行う動作としても構わない。
【0017】
位置決め完了後、図5の様にアライメント部材3a、3bについては、スキージ12の走査方向と略平行に回転した後、アライメント部材3c、3dについては、位置決め位置から退避した後、其々、開口部6a〜6dよりステージ2上面から張り出さない位置まで下降しステージ2内に収納される(収納状態については図3中に点線により図示)。動作は、図1で説明した駆動部4a〜4dによって行われる。
【0018】
続いて、本実施の形態1のスクリーン印刷装置の印刷動作について図6及び図7を用いて説明する。図3で説明したとおり、位置決め動作の後、ステージ2は上昇しスクリーン版9と基板1が接触する間際まで近接される。この状態で、図6の様に、スキージ12がスクリーン版9上を走査されペースト10をスクリーン版9に設けられた開口パターン11を介してスクリーン版9の下部に配置された基板1の主面に塗布する。
【0019】
また、図7に示す様に、スキージ12は、刷り始め位置13から走査を開始し、走査領域14の範囲を走査し、刷り終り位置15で走査を終了する。ステージ2においては、走査領域14と干渉しない領域に、開口部6a、6bが設けられている。また、開口部6a、6bは、長手方向がスキージ12の走査方向と略平行な方向に配置されている。
【0020】
以上の様にして基板1への印刷が完了すると、ステージ2は、図3で示す矢印と逆向きに、搬出可能な位置まで下降し、図1により説明した搬送ローラ8c、8d、8eによって、ステージ2上から基板1が搬出される。
【0021】
続いて、比較例を用いながら、本実施の形態1の作用について説明する。図8は比較例のスクリーン印刷装置のステージ102を示しており、基板101を位置決めするアライメント部材103a、103b、103c、103d、アライメント部材103a〜103dをステージ102内に収納する開口部106a、106b、106c、106d、及び基板101を収容する溝部107、などから構成されている。特に、実施の形態1とは、スキージ112の走査方向と垂直な方向の位置決めを行うアライメント部材103a、103b、開口部106a、106bの配置が大きく異なる。図中では、アライメント部材103a〜103dとスキージ112を双方とも図示しているが、印刷時には、アライメント部材103a〜103dは図中点線で位置を示している様にステージ102内に収納されており、直接スキージ112と干渉することは無い。
【0022】
この比較例のスクリーン印刷装置を液晶パネルのシールパターン形成工程に用いた場合、完成した液晶パネルにおいて表示不良116が発生する。その表示不良116の発生位置を図8の基板101上に網掛けにより示している。表示不良116は、従来より問題となっているスクリーン版のメッシュパターンの転写によるものであり、発生位置は、開口部106a、106bの位置の近傍であった。しかし、比較例においても、開口部106a、106b近傍以外の部分では、全く表示不良が発生せず画像表示は良好であった。
【0023】
続いて、図9を使って、この様な表示不良116が発生する理由について説明する。図9(a)は、図8のA―Aの位置をスキージ112が走査している時の進行方向と垂直な面における断面図である。これより、ステージ102の上面より基板101の主面は段差Gだけ低い位置にある。また、スキージ112によってスクリーン版109がステージ102の上面に押し付けられ、更にスクリーン版109は、基板101の主面に接触または接触間際まで押し下げられる。
【0024】
更に、スキージ112からの押圧は、スキージ112の両端がスクリーン版109を介して接触するステージ102の幅W1a及びW1bの部分によって支えられる。上述のスクリーン版109が基板101の主面に接触するか否か、更に接触した場合の押し付け圧は、このスキージ112からの押圧及びステージ102の接触する部分の幅W1a及びW1bの大小によって決まる。これは、スキージ112からの押圧を支える部分となる幅W1a及びW1bの大小により、押圧によるスキージ112の変形量、言い換えればスキージ112がステージ102の上面よりも下側に入り込む程度が変わることになるからである。
【0025】
一方、図9(b)は、図8においてB―Bで示す箇所、即ち開口部106a、106b上をスキージ112が走査している時における進行方向と垂直な面での断面図である。これより、スキージ112からの押圧を支えるステージ102と接触する部分の幅W2a及びW2bが上記説明の幅W1a及びW1bと比較して開口部106a、106bの分だけ小さくなることが解る。この様にステージ102の接触する部分の幅が小さくなるとスクリーン版109が基板101の主面に接触する様になり、更にスクリーン版109の基板101主面への押し付け圧は大きくなる。
【0026】
従って、開口部106a、106bの位置近傍では、スクリーン版109が基板101の主面に相対的に強く押し付けられることとなり、基板101主面の配向膜にスクリーン版109表面のメッシュパターンが強く転写され、表示不良116が発生する。
【0027】
また、スキージ112の押圧を小さくすることによって、表示不良116を軽減する方向に調整することは可能であったが、スキージ112の押圧を減らすことによりシールパターンの基板101への転写自体に不具合を起しシールパターン幅のバラツキが大きくなった。この様に、比較例の場合においては、実用上適当な条件の範囲で表示不良116を無くすことは不可能であった。
【0028】
以上、説明した様に、比較例の場合には、基板101の位置合わせに必要な開口部106a、106bの影響で表示不良116が発生する。これと比較して、図7で説明した本実施の形態1におけるスクリーン印刷装置では、スキージ12が基板1上を走査する際の走査領域14と干渉しない領域に開口部6a、6bを有することにより、基板1上を走査する間の全ての位置において比較例での図9(a)の状態を続けることができる。つまり、スクリーン版9を基板1の主面に接触させ無い状態を保つこと、或いはスクリーン版9の基板1主面への押し付け圧を均一に保つことが可能となり、比較例の様な表示不良116を発生させることが無い。
【0029】
また、本実施の形態1では、基板1の主面がステージ2上面より低く、高さの差Gを0.1〜0.2mmとした。これは、印刷シール幅の安定化の為には、スキージ12が通り過ぎた後、スクリーン版9に作用する張力が基板1の主面から引き離す方向に安定してかかることが必要であることから決定した。例えばスクリーン印刷によって液晶パネルを製造する場合として標準的なスクリーン版9の大きさである一辺1000mm程度、基板サイズが基板幅500mm程度の場合、高さの差Gが0.1mmよりも小さいと張力が小さくなりスクリーン版9が一定の速度で剥がれなくなる。また、0.2mmよりも大きいと基板1の主面とスクリーン版9の距離が離れ過ぎてペースト10の滲みが発生したり、無理にスキージ12への印加圧力を増やすとスクリーン版9の伸びが発生する。いずれの場合にも結果として安定した印刷ができなくなる。
【0030】
以上の説明の様に、印刷としてシール幅を安定化するには高さの差Gを0.1〜0.2mmとすることが最適であり、比較例の様な表示不良116を防止する点からは、高さの差Gが大きい程防止効果が高くなり望ましい。しかしながら、本実施の形態1の表示不良116の防止効果は、基板1の主面がステージ2の上面と同じ高さ、更に基板1の主面の方が高い場合についても効果がある。これらの場合には、基板1の主面にスクリーン版9が強く押し付けられることになるが、押し付け圧を均一に保つことができることからスクリーン版9によるメッシュパターンの転写についても均一に転写されることになる。表示不良となるムラは、面内で変化が発生した場合に人間の目に見えやすくなる性質があり、全面に均一に変化する場合には視認され難い。
【0031】
また、スキージ12が基板1上を走査する際の走査領域14と干渉しない領域に、開口部6a、6bを有することによって、基板1の主面とステージ2上面がどの様な関係においても、表示不良の防止効果が得られる。また、基板1の主面の方が高い場合、特に基板1を収容する溝部7自体が無い場合においても、スキージ12への印加圧力によってはステージ2上面と干渉することが考えられる為、同様に防止効果が得られる。
【0032】
但し、基板1の主面がステージ2上面より低い場合、直接スキージ12の押圧をステージ2の上面が支えることになることからメッシュパターンの転写の発生を低減できること、スキージ12の走査領域14と干渉しない領域に、開口部6a、6bを設けたことによる効果が特に顕著となることから、基板1を収容する溝部7があり基板1の主面がステージ2上面より低くなることが望ましい。
【0033】
また、本実施の形態1では、ステージ2の上面に備えられた溝部7の深さdはステージ2に直接掘り込まれた構造として一体成形されていることから処理中などにおいて容易に変動することが無く、基板の厚さtも固定されているので、シール幅、表示不良の発生に敏感に影響を与える基板1の主面とステージ2上面の高さの差Gが変動することが無い。この為、多数の基板1を処理した場合にも、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。
【0034】
更に、本実施の形態1では、開口部6a、6bは長手方向がスキージ12の走査方向と略平行な方向に配置され、アライメント部材3a、3bは位置決め後、駆動部4a、4bによりスキージ12走査方向と略平行に回転し、開口部6a、6bよりステージ2内に収納される構造をとっている。この構造により、比較的長いアライメント部材3a、3bを収納する開口部6a、6bの長手方向を基板1のアライメント動作時のアライメント部材3a、3bの長手方向と90度回転した方向とすることができ、結果としてステージ2の大きさをコンパクトにすることが可能である。
【0035】
以上説明した実施の形態1では、スクリーン印刷装置において、スキージが前記基板上を走査する際の走査領域と干渉しない領域にアライメント部材を収納する開口部を配置したことにより、液晶パネルの製造工程に用いた場合に、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生することが無いスクリーン印刷装置を得ることができる。また、基板を収容する溝がステージに直接掘り込まれ一体成形されていることから基板の主面とステージ上面の高さの差が変動することがなく、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。更に、開口部を長手方向がスキージの走査方向と略平行な方向に配置することにより、スクリーン印刷装置のステージの大きさをコンパクトにすることが可能である。
【0036】
実施の形態2.
実施の形態1では、アライメント部材3a、3bを収納する開口部6a、6bを長手方向がスキージ12の走査方向と略平行となる様に配置した。開口部6a、6bの配置を変更した変形例である実施の形態2について説明する。
【0037】
本実施の形態2では、開口部6a、6bの配置及びアライメント機構5b〜5dの機構及び動作のみが実施の形態1と異なるが、この変更以外については、印刷動作、その他構造などは実施の形態1と同様である為、詳細な説明は省略する。
【0038】
先ず、本実施の形態2のスクリーン印刷装置の構成について図10のステージ部の斜視図を用いて説明する。
【0039】
実施の形態1と同様に、基板1を保持するステージ2と、基板1を位置決めするアライメント部材3a、3b、3c、3d、アライメント部材3aを動作させる駆動部4a 、同様にアライメント部材3b〜3dを動作させる駆動部4b〜4d(図示せず)、アライメント部材3aと駆動部4aからなるアライメント機構5a、同様にアライメント部材3b〜3dと駆動部4b〜4dからなるアライメント機構5b〜5d(図示せず)、ステージ2上面には、アライメント部材3a〜3dをステージ2内に収納する開口部6a、6b、6c、6d、基板1を収容する溝部7、基板1のステージ2上への搬入及び搬出を行う搬送ローラ部8a、8b、8c、8d、溝部7内に設けられ、処理後の基板1を溝部7より搬出する搬送ローラ8e(搬送ローラ部8b、8cと同様の構造で図中基板1の下に配置、図示せず)から構成されている。
【0040】
本実施の形態2では、開口部6a、6bは長手方向が基板1の長手方向と略垂直な方向に配置されている点が実施の形態1と異なっている。
【0041】
続いて、本実施の形態2のスクリーン印刷装置のステージ2の動作について図11及び図12を用いて説明する。
【0042】
図11は本発明の実施の形態2におけるスクリーン印刷装置のステージ部の動作状態を示す説明図である。また、図12は、図11においてC−Cで示す箇所の断面図であり、アライメント部材3a、3bの動作状況を示すものである。まず、図11に示すように、ステージ2の上面と略平行方向に延在したアライメント部材3a、3bが基板1に近づくように移動して、基板1を挟み込む動作をすることによって基板1部の端部を押圧して位置決めを行う。位置決めされた基板1は、断面図12(a)に示すように、溝部7内に収容される。なお、位置決めを行った際のアライメント部材3a、3bの位置については、断面図である図12(a)だけでなく、図11においても対応する位置を点線で示している。
【0043】
また、位置決めが完了すると、駆動部4a、4bによりアライメント部材3a、3bは、基板1から離れる方向に後退し、図12(b)の様に開口部6a、6bよりステージ2上面から張り出さない位置まで下降し、ステージ2内に収納される。
【0044】
以上の様に、アライメント部材の動作は位置決めから収納まで、平行移動及び上下動作のみであり、駆動部には、回転動作、平行移動、上下動作を組み合わせた様な複雑な動作機構が必要無く、比較的簡単な駆動機構を用いることができる。
【0045】
続いて、本実施の形態2のスクリーン印刷装置の印刷動作について図13を用いて説明する。図13から判る様にスキージ12は、刷り始め位置13から走査を開始し、走査領域14の範囲を走査し、刷り終り位置15で走査を終了する。ステージ2に設けられた開口部6a、6bについては、実施の形態1と同様に走査領域14と干渉しない領域に開口されている。
【0046】
以上説明した実施の形態2では、実施の形態1と同様にスクリーン印刷装置において、スキージが前記基板上を走査する際の走査領域と干渉しない領域にアライメント部材を収納する開口部を配置したことにより、液晶パネルの製造工程に用いた場合に、スクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良を発生することが無いスクリーン印刷装置を得ることができる。また、基板を収容し基板の主面とステージの上面の高さの差を決定する溝の深さが、溝がステージに直接掘り込まれ一体成形されていることから、シール幅のバラツキや表示不良の発生を安定して防ぐことが可能である。
【0047】
更に、本実施の形態2では、開口部を長手方向がスキージの走査方向と略垂直な方向に配置され、アライメント部材は位置決め後、駆動部により基板から離れる方向に後退し、開口部からステージ内に収納される構造をとっていることから、駆動部には、比較的簡単な駆動機構を用いることができる。
【0048】
実施の形態3.
続いて、図14を用いて、本実施の形態3により製造される液晶パネルの構成について説明する。尚、ここでは、一例としてTFT(Thin Film Transistor)方式の液晶パネルについて説明する。この液晶パネル200は、図に示される様に、スイッチング素子基板210、カラーフィルタ基板220、及びスイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220との間に充填された液晶230から構成されている。
【0049】
上述のスイッチング素子基板210は、ガラス基板211の一方の面に液晶230を配向させる配向膜212、配向膜212の下部に設けられ液晶230を駆動する電圧を印加する画素電極213、画素電極213に電圧を供給するTFTなどのスイッチング素子214、スイッチング素子214を覆う絶縁膜215、スイッチング素子214に供給される信号を外部から受け入れる端子216、端子216から入力された信号を対向電極へ伝達する為のトランスファ電極217等を有している。また、ガラス基板211の他方の面には偏光板231を有している。
【0050】
一方、上述のカラーフィルタ基板220は、ガラス基板221の一方の面に液晶230を配向させる配向膜222、配向膜222の下部に配置され、スイッチング素子基板210上の画素電極213との間に電界を生じ液晶230を駆動する共通電極223、共通電極223下部に設けられるカラーフィルタ224及び遮光層225等を有している。また、ガラス基板221の他方の面には偏光板232を有している。
【0051】
また、スイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220はシール材233を介して貼り合わされている。更にトランスファ電極217と共通電極223は、トランスファ材234により電気的に接続されており、端子216から入力された信号が共通電極223に伝達される。この他に、液晶パネル200は駆動信号を発生する制御基板235、制御基板235を端子216に電気的に接続するFFC(Flexible Flat Cable)236、光源となるバックライトユニット(図示せず)等を備えている。
【0052】
この液晶パネル200は次の様に動作する。例えば、制御基板235から電気信号が入力されると、画素電極213及び共通電極223に駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶230の分子の方向が変わる。そして、バックライトユニットの発する光がスイッチング素子基板210、液晶230及びカラーフィルタ基板220を介して外部へ透過あるいは遮断されることにより、液晶パネル200に映像等が表示される。
【0053】
尚、この液晶パネル200は、一例であり他の構成でもよい。液晶パネル200の動作モードは、TN(Twisted Nematic)モードや、STN(Supper Twisted Nematic)モード、強誘電性液晶モード等でもよく、駆動方法は、単純マトリックスやアクティブマトリックス等でもよく、カラーフィルタ基板220に設けた共通電極223をスイッチング素子基板210側に設置して、画素電極213との間に横方向に液晶230に対して電界をかける横電界方式を用いた液晶パネルでもよい。
【0054】
次に、本実施の形態3にかかる液晶パネルの製造方法について説明する。スイッチング素子基板210及びカラーフィルタ基板220の製造方法については一般的な方法を用いる為、簡単に説明する。スイッチング素子基板210は、ガラス基板211の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチング等のパターン形成工程を繰り返し用いてスイッチング素子214や画素電極213、端子216、トランスファ電極217を形成することにより製造される。また、カラーフィルタ基板220は、同様に、ガラス基板221の一方の面に、カラーフィルタ224や共通電極223を形成することにより製造される。
【0055】
続いて、本実施の形態3において特徴的な組み立て工程について図15に示すフローチャートにしたがって説明する。まず、基板洗浄工程において、画素電極213が形成されているスイッチング素子基板210を洗浄する(S1)。次に、配向膜形成工程において、スイッチング素子基板210の一方の面に、配向膜212を形成する(S2)。この工程は、例えば、印刷法により有機膜からなる配向膜212(例えばJSR社製AL3046)を塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理し乾燥させる。その後、ラビング工程において配向膜212にラビングを行い、配向膜212を配向させる(S3)。
【0056】
また、S1からS3と同様に、共通電極223が形成されているカラーフィルタ基板220についても、洗浄、配向膜222の形成、ラビングを行う。
【0057】
続いて、シール塗布工程において、実施の形態1で説明したシール印刷装置によりスイッチング素子基板210あるいはカラーフィルタ基板220の一方の面にシール材233の塗布処理を行う(S4)。この印刷装置を用いたことによって、配向膜212或いは配向膜222表面へのシール版の押圧が均一となる様に印刷をすることができる。シール材233には、例えばエポキシ系接着剤等の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いた。
【0058】
次に、トランスファ材塗布工程において、スイッチング素子基板210あるいはカラーフィルタ基板220の一方の面にトランスファ材234の塗布処理を行う(S5)。そして、スペーサ散布工程において、スイッチング素子基板210あるいはカラーフィルタ基板220の一方の面にスペーサを散布する(S6)。この工程は、例えば、湿式法や乾式法によりスペーサを分散させることにより行われる。
【0059】
その後、貼り合わせ工程において、スイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220を貼り合わせる(S7)。続いて、シール硬化工程において、スイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220を貼り合わせた状態で、シール材233を完全に硬化させる(S8)。この工程は、例えば、シール材233の材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。次に、セル分断工程において、貼り合わせた基板を個別セルに分解する(S9)。そして、液晶注入工程において、液晶注入口から液晶を注入する(S10)。この工程は、例えば、液晶230(例えばMerck社製ZNL-4792)を液晶注入口から真空注入により充填することにより行われる。更に、封止工程において、液晶注入口を封止する(S11)。この工程は、例えば、光硬化型樹脂で封じ、光を照射することにより行われる。
【0060】
以上のS7〜S13の貼り合わせから液晶封止までの工程については、通常の注入口からの液晶注入方法を一例として説明した。しかし、別の液晶注入方法として、注入口の無いシール材233の形状とし、液晶230をスイッチング素子基板210或いはカラーフィルタ基板220の上に液滴状態で滴下して形成し、この滴下した液晶230を挟む様にスイッチング素子基板210とカラーフィルタ基板220を貼り合わせた後にシール材233を硬化させる方法、所謂、滴下注入方式を用いてもかまわない。
【0061】
最後に、偏光板貼付工程において、セルに偏光板231、232を貼り付け(S12)、制御基板実装工程において、制御基板235を実装する(S13)ことによって、液晶パネル200が完成する。
【0062】
以上説明した実施の形態3の液晶パネルにおいては、上述の通り、シール材の塗布処理工程において、スキージが前記基板上を走査する際の走査領域と干渉しない領域にアライメント部材を収納する開口部を配置したシール印刷装置を用いたことにより、配向膜へのシール版の押圧が均一となる様に印刷をするができる。その結果としてスクリーン版のメッシュパターンの転写による表示不良の発生の無い表示品質の高い液晶パネルを得ることができる。
【0063】
更に、本実施の形態3では、基板を収容する溝がステージに直接掘り込まれ一体成形されているシール印刷装置を用いたことにより、シール幅のバラツキや表示不良の発生の無い安定した製造をすることができ製造コストがかからず信頼性の高い液晶パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置のステージ部の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置のステージ部の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置のステージ部の動作状態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置のステージ部の動作状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置の印刷動作状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1におけるスクリーン印刷装置の印刷動作状態を示す説明図である。
【図8】比較例におけるスクリーン印刷装置の印刷動作状態を示す説明図である。
【図9】比較例におけるスクリーン印刷装置の印刷動作状態を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2におけるスクリーン印刷装置のステージ部の斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態2におけるスクリーン印刷装置のステージ部の動作状態を示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態2におけるスクリーン印刷装置のステージ部の動作状態を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態2におけるスクリーン印刷装置の印刷動作状態を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態3における液晶パネルの構成図である。
【図15】本発明の実施の形態3における液晶パネルの製造方法における組み立て工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 基板、2 ステージ、3a、3b アライメント部材、4a、4b 駆動部、6a、6b 開口部、7 溝部、9 スクリーン版、10 ペースト、11 開口パターン、12 スキージ、14 走査領域、200 液晶パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキージを走査することによりスクリーン版上のペーストを前記スクリーン版に設けられた開口パターンを介して前記スクリーン版の下部に配置された基板の主面に塗布するスクリーン印刷装置であって、前記基板を保持するステージと、前記基板の端部を押圧して前記ステージ上の所定の位置に前記基板を位置決めするアライメント部材、及び前記アライメント部材を動作させる駆動部と、前記スキージが前記基板上を走査する際の走査領域と干渉しない領域において、前記ステージ上面に開口され、前記アライメント部材を前記ステージ内に収納する開口部を有することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
開口部は長手方向がスキージの走査方向と略平行な方向に配置され、
アライメント部材は位置決め後、駆動部により前記スキージの走査方向と略平行に回転し、前記開口部よりステージ内に収納されることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
開口部は長手方向がスキージの走査方向と略垂直な方向に配置され、アライメント部材は位置決め後、駆動部により基板より離れる方向に後退し、前記開口部よりステージ内に収納されることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項4】
ステージの上面に、基板を収容する溝部を備え、前記溝部は、前記基板が収容された際に、前記基板の主面が前記ステージ上面より低くなるように、その深さが設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項5】
基板の主面とステージ上面の高さの差が0.1〜0.2mmであることを特徴とする請求項4に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスクリーン印刷装置を用いて製造された液晶パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−94023(P2008−94023A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280004(P2006−280004)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】