説明

スクリーン清掃装置

【課題】拭取シートを巻き取る巻取ロールの着脱が容易なスクリーン清掃装置を提供する。
【解決手段】装置本体110が回転可能に支持する支持ロール140,142はそれぞれ、両端に3本ずつの円環溝158,182を備え、それらの中にピニオン150,170,支持ローラを備える。3個ずつのピニオン150,170,支持ローラについてそれぞれ、固定位置決めローラ212a,可動位置決めローラ212bを設ける。供給ロール52,巻取ロール54は両端にギヤ58,90を備え、ギヤ58,90を3本ずつの円環溝158,182のうち拭取シート50の幅に応じた1本に嵌合し、ピニオン150,170に噛み合わせ、支持ローラ上に載置し、位置決めローラ212a,212bがギヤ58,90に接触し、位置決めする。ギヤ58,90をピニオン150,170,支持ローラ上に載せ、離間させるのみで簡単に供給ロール52,巻取ロール54を着脱できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷機のスクリーンを帯状の拭取シートにより清掃する装置に関するものであり、特に、拭取シートを巻き取る巻取ロールのスクリーン清掃装置に対する着脱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のスクリーン清掃装置は、下記の特許文献1に記載されているように既に知られている。特許文献1に記載の巻取ロールは、装置本体に設けられた固定支持部材および可動支持部材によってスクリーン清掃装置に取り付けられる。固定支持部材は、装置本体に回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられ、可動支持部材は装置本体により、固定支持部材と同心の軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動可能に設けられている。可動支持部材は、装置本体に軸方向に移動可能に設けられたシャフトと、シャフトの先端部に相対回転可能に設けられた受け部材とを含み、装置本体との間に配設されたスプリングにより、固定支持部材に接近する向きに付勢されている。巻取ロールを装置本体に取り付ける際には、可動支持部材をスプリングの付勢力に抗して後退させ、固定支持部材との間に巻取ロールを挿入可能なスペースを生じさせる。その状態で巻取ロールの一端部を固定支持部材に相対回転不能に嵌合した後、可動支持部材をスプリングの付勢により前進させ、受け部材を巻取ロールの他端部に係合させる。巻取ロールを装置本体から取り外す際には、可動支持部材をスプリングの付勢力に抗して後退させ、受け部材を巻取ロールから離脱させた状態で巻取ロールを固定支持部材から外すとともに、装置本体から抜け出させる。
【特許文献1】特開2001−287345公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のスクリーン清掃装置においては、巻取ロールをスクリーン清掃装置に取付け,取外す際に可動支持部材をスプリングの付勢力に抗して後退させるとともに、その状態を保って巻取ロールの固定支持部材に対する嵌合,離脱作業を行わなければならず、面倒である。また、可動支持部材を操作する際、作業者の手が入り難く、作業性が悪い場合もある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、拭取シートを巻き取る巻取ロールの着脱が容易なスクリーン清掃装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するために、スクリーン印刷機のスクリーンの汚れを拭取シートにより拭き取って清掃するスクリーン清掃装置を、(a)装置本体と、(b)その装置本体に、回転軸線まわりに回転可能に保持され、拭取シートを巻き取る巻取ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた一対の被支持回転体に、自身の外周面において接触して支持する少なくとも2個の支持回転体と、(c)前記装置本体に保持され、前記被支持回転体の各々をそれぞれ対応する前記支持回転体に支持された状態に位置決めするとともに、その位置決め状態で、前記巻取ロールにその巻取ロールの軸線と直交する一方向の力が加えられた場合に、その巻取ロールの前記装置本体からの離脱を許容する位置決め装置と、(d)装置本体に保持され、拭取シートを供給する拭取シート供給装置と、(e)装置本体に保持された回転駆動装置とを含むものとし、かつ、少なくとも2個の支持回転体のうち、巻取ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた一対の被支持回転体の少なくとも一方に対応するものを、その少なくとも一方に回転トルクを伝達する駆動回転体とし、その駆動回転体を回転駆動装置により回転させることを要旨とするものである。
【0005】
駆動回転体に支持される被支持回転体は被駆動回転体であることになる。
支持回転体は、被支持回転体の各々に対して2個ずつ設けられ、それら2個が共同して1個ずつの被支持回転体を支持するようにすることも可能であり、その場合には、それら2個ずつの支持回転体に位置決め装置を兼ねさせることも可能である。しかし、後述するように、各被支持回転体を1個ずつの支持回転体に支持させ、位置決め装置を別個設ける方が装置コストを低減し得る場合が多い。
巻取ロールの軸方向に隔たった2部分は、巻取ロールの両端部でもよく、少なくとも一方が端より内側の部分であってもよい。前者の場合、例えば、巻取ロールを拭取シートの幅と同じ長さのものとすることができ、無駄が少ない。また、拭取シートを巻取ロールの軸方向において位置決めする少なくとも1個の位置決め部材を巻取ロールに軸方向に移動可能に設けてもよい。後者の場合、2個の被支持回転体を巻取ロールの、拭取シートの幅と同じ距離を隔てた2位置にそれぞれ設け、幅が異なる複数種類の拭取シートの巻取りに、長さが同じである共通の巻取ロールを使用することができる。この場合、2個の被支持回転体の少なくとも一方を巻取ロールの軸方向に相対移動可能に設け、拭取シートの幅に応じた位置に位置させてもよい。
拭取シート供給装置は、拭取シートが巻かれた供給ロールが巻取ロールと同様に支持されるものとしてもよく、あるいは内部に拭取シートが折り畳まれて収容されたシート収容部材が着脱可能に取り付けられ、拭取シートがシート収容部材から引き出される装置でもよい。
駆動回転体は、歯車とされてもよく、少なくとも外周面が高摩擦係数層とされた円形断面の回転体とされてもよい。
1対の被支持回転体の各々に対応する支持回転体を両方とも駆動回転体とすれば、巻取ロールにその軸方向に隔たった2部分において回転トルクを伝達することができ、巻取ロールの回転がより安定するが、不可欠ではない。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係るスクリーン清掃装置において巻取ロールを装置本体に取り付ける際には、巻取ロールの1対の被支持回転体をそれぞれ、支持回転体に支持させ、支持を解く際には支持回転体から離間させればよい。位置決め装置は、被支持回転体を対応する支持回転体に支持された状態に位置決めするが、その位置決め状態で、巻取ロールにその巻取ロールの軸線と直交する一方向の力が加えられた場合には、その巻取ロールの前記装置本体からの離脱を許容する。すなわち、前記従来の装置におけるように、被支持回転体を支持回転体に支持させ、離間させる際に、可動支持部材をスプリングの付勢力に抗して後退させなくてよく、面倒がない。また、可動支持部材の操作の際、作業者の手が入り難くて作業が困難であることもなく、容易にかつ迅速に巻取ロールを装置本体に取り付け、取り外すことができる。
【発明の態様】
【0007】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0008】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項ないし(8)項を合わせたものが請求項4に、(9)項が請求項5に、(10)項と(11)項とを合わせたものが請求項6にそれぞれ相当する。
【0009】
(1)スクリーン印刷機のスクリーンの汚れを拭取シートにより拭き取って清掃するスクリーン清掃装置であって、
装置本体と、
その装置本体に、回転軸線まわりに回転可能に保持され、前記拭取シートを巻き取る巻取ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた一対の被支持回転体に、自身の外周面において接触して支持する少なくとも2個の支持回転体と、
前記装置本体に保持され、前記被支持回転体の各々をそれぞれ対応する前記支持回転体に支持された状態に位置決めするとともに、その位置決め状態で、前記巻取ロールにその巻取ロールの軸線と直交する一方向の力が加えられた場合に、その巻取ロールの前記装置本体からの離脱を許容する位置決め装置と、
前記装置本体に保持され、前記拭取シートを供給する拭取シート供給装置と、
前記装置本体に保持された回転駆動装置と
を含み、かつ、前記少なくとも2個の支持回転体のうち、前記巻取ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた前記一対の被支持回転体の少なくとも一方に対応するものが、その少なくとも一方に回転トルクを伝達する駆動回転体であり、その駆動回転体が前記回転駆動装置により回転させられるスクリーン清掃装置。
(2)前記支持回転体が2個であり、かつ、前記位置決め装置が、
前記被支持回転体の各々の外周面に1対ずつ接触する合計2対の位置決めローラと、
各対の位置決めローラの一方を前記装置本体に固定的に取り付けて固定位置決めローラとする固定取付装置と、
各対の位置決めローラの他方を、前記装置本体に、前記被支持回転体のほぼ半径方向に移動可能に取り付けて可動位置決めローラとする可動取付装置と、
前記可動位置決めローラを前記被支持回転体に向かって付勢する付勢装置と
を含み、前記支持回転体,前記固定位置決めローラおよび前記可動位置決めローラのうち、前記被支持回転体の周方向において互いに隣接する2個ずつの間の角度間隔のいずれの2つの和も全て180度より大きい(1)項に記載のスクリーン清掃装置。
被支持回転体は支持回転体に支持させられるとき楔の機能を果たし、可動位置決めローラを付勢装置の付勢力に抗して被支持回転体から離間させ、固定位置決めローラとの間に進入可能な隙間を生じさせつつ支持回転体に支持された状態となり、その状態では、付勢装置の付勢力により、支持回転体,固定位置決めローラおよび可動位置決めローラに挟まれて回転軸線と直交する方向において位置決めされた状態に保たれる。また、これら支持回転体等は、被支持回転体の周方向において互いに隣接する2個ずつの間の角度間隔のいずれの2つの和も全て180度より大きくされているため、被支持回転体に付勢装置の付勢力を超える力が作用しない限り、被支持回転体の支持回転体からの離間が防止され、被支持回転体が支持回転体に支持された状態に保たれる。本位置決め装置は離間防止装置としても機能するのである。巻取ロールをスクリーン清掃装置から取り外す際には、巻取ロールに支持回転体から離間する向きの力を加えれば、取付け時と同様に、被支持回転体が楔作用によって可動位置決めローラを付勢装置の付勢力に抗して後退させつつ、可動位置決めローラと固定位置決めローラとの間から抜け出す。本項の位置決め装置を備えたスクリーン清掃装置においても、被支持回転体を支持回転体に接近させ、離間させる操作のみにより、容易に巻取ロールを装置本体に取り付け、取り外すことができる。
なお、可動取付装置と付勢装置とを兼用とすることも可能である。例えば、板ばねに可動位置決めローラを回転可能に保持させ、板ばねを付勢装置兼ローラ保持部材とするのである。
(3)前記巻取ロールが両端部に軸部を備え、前記支持回転体が2個であり、かつ、前記位置決め装置が、それぞれ前記装置本体に設けられ、前記軸部の各々を、前記被支持回転体のほぼ半径方向に移動可能に受容する案内溝を含む(1)項に記載のスクリーン清掃装置。
被支持回転体は巻取ロールの自重により支持回転体に支持された状態に保たれるようにすることも可能である。この場合、巻取ロールは、その自重に打ち勝つ力が、巻取ロールの軸線と直交する一方向であって、案内溝の長手方向に加えられれば、装置本体から離脱させられる。しかし、位置決め装置を、被支持回転体の支持回転体からの浮き上がりを防止する浮上がり防止装置を含むものとすることが望ましい。案内溝が上下方向の成分を有し、巻取ロールの自重が支持回転体に被支持回転体を支持させた状態に保たせるのであれば、浮上がり防止装置は不可欠ではないのであるが、設けることが望ましく、支持回転体が駆動回転体であり、被支持回転体が被駆動回転体である場合には、特に望ましい。
軸部が案内溝に嵌合され、案内されることにより、被支持回転体の支持回転体上への接近が案内されるとともに、軸部と溝側面との係合により、被支持回転体が支持回転体に支持された状態に位置決めされる。
(4)前記支持回転体の外周面に円環溝が形成され、その円環溝に前記被支持回転体が嵌合されることにより、被支持回転体の軸方向の位置決めが行われる(2)項または(3)項に記載のスクリーン清掃装置。
円環溝に被支持回転体が嵌合されることにより、巻取ロールが軸方向に移動することがなくなり、安定して拭取シートを巻き取ることができる。支持回転体とは別に、被支持回転体を軸方向において位置決めする位置決め装置を設けることも可能であるが、構成が複雑になる。それに対し、本項の発明によれば、被支持回転体を円環溝に嵌合することにより位置決めすることができ、容易にかつ迅速に被支持回転体を支持回転体に支持させることができるとともに、軸方向の位置決めもすることができる。
(5)前記2個の支持回転体が、1本の支持ロールの軸方向に隔たった2部分により構成された(2)項または(3)項に記載のスクリーン清掃装置。
軸方向に隔たった2部分は、軸方向の両端でもよく、少なくとも一方が端より内側の部分でもよい。
本項の支持ロールは、一体の部材としてもよく、複数の部材が一体的に組み付けられて成るものとしてもよい。後者の場合、例えば、支持ロールを、その軸部を構成する軸部材と、2個の支持回転体とを含むものとするとともに、支持回転体を軸部材に対して軸方向の位置を多段階あるいは無段階に調節可能とすれば、2個の被支持回転体間の距離の違いに対応させることができる。2個の被支持回転体が拭取シートを幅方向において位置決めする位置決め部材としても機能する場合、拭取シートの幅に応じて2個の被支持回転体間の距離が異ならされるが、それら距離の違いに1本の支持ロールにより対応し、幅が異なる複数種類の拭取シートをスクリーン清掃装置にセットすることができる。
2個の支持回転体を別体とし、それぞれ別々に装置本体に取り付けてもよい。しかし、この場合には、2個の支持回転体を個別に装置本体に取り付けることが必要であり、構成が複雑になる。それに対し、本項のスクリーン清掃装置においては、1本の支持ロールを装置本体に取り付ければ、2個の支持回転体を装置本体に取り付けたことになり、取付装置の構成を単純化できる。また、回転駆動装置の駆動力を支持ロールあるいは2個の支持回転体の一方に伝達することにより2個の支持回転体を回転させることができ、回転駆動装置の構成も簡易にすることができる。
(6)前記支持ロールの前記軸方向に隔たった2部分の外周面に円環溝が形成され、それら円環溝に前記被支持回転体が嵌合されることにより、被支持回転体の、支持ロールの軸方向における位置決めが行われる(5)項に記載のスクリーン清掃装置。
本項に記載のスクリーン清掃装置においては、例えば、(4)項に記載の作用および効果が得られる。
(7)前記円環溝が3本以上形成されており、それら円環溝から選択された2本に前記一対の被支持回転体が嵌合される(6)項に記載のスクリーン清掃装置。
例えば、支持ロールの軸方向に隔たった2部分の一方に円環溝が1本形成され、他方に2本以上形成され、一方の1本と、他方の複数の円環溝のうちの1本とにそれぞれ、被支持回転体が嵌合されてもよく、次項に記載のスクリーン清掃装置におけるように、支持ロールの軸方向の1点に対して対称な複数対の位置にそれぞれ円環溝が形成されてもよい。
支持ロールの軸方向に隔たって対を成す2本の円環溝であって、それらの間の距離が異なる円環溝対が複数対得られ、互いの間隔が異なる複数対の被支持回転体を嵌合することができ、幅が異なる複数種類の拭取シートをスクリーンの清掃に使用することが容易となる。
巻取ロールをスクリーン清掃装置に取り付ける場合、1対の被支持回転体間の距離に対応する距離を隔てて対を成す2本の円環溝を選んで被支持回転体を嵌合すればよく、巻取ロールの着脱が容易であるという(1)項に係る発明の利点が損なわれることがない。また、支持回転体の支持ロールの軸方向における位置を調節可能とする場合のような位置調節作業が不要であり、拭取シートの幅の違いに容易に対応することができる。スクリーンの、印刷に使用される印刷使用領域の幅は、回路基板の印刷剤が印刷されるべき領域である被印刷領域の幅によって変わり、印刷使用領域の幅に応じた幅を有する拭取シートを清掃に使用すれば、拭取シートの無駄を抑えて清掃を行うことができる。
なお、支持回転体を軸方向において長いものとし、円環溝は設けず、そのうちの任意の個所において被支持回転体を支持させ、幅が異なる複数種類の拭取シートをセット可能とすることもできる。この場合、支持回転体は複数の支持回転体が一体に設けられたものであると考えることができる。
(8)前記円環溝が前記支持ロールの軸方向の1点に対して対称な複数対の位置にそれぞれ形成され、それら複数対から選ばれた一対の円環溝に前記一対の被支持回転体が嵌合される(7)項に記載のスクリーン清掃装置。
支持ロールの軸方向の1点は、例えば、支持ロールの軸方向の中央とされ、その場合、巻取ロールは、その長さに関係なく、支持ロールの中央部において支持され、スクリーン清掃装置を左右対称に構成することができる。
(9)前記駆動回転体とその駆動回転体に対応する前記被支持回転体とが、それぞれ外周面に歯が形成された歯車である(1)項ないし(8)項のいずれかに記載のスクリーン清掃装置。
駆動回転体を歯車のみからなるものとし、歯車自体に被支持回転体を支持させる態様であり、構成が単純で済む利点がある。しかし、それに限定されるわけではない。例えば、駆動回転体を、外周面が円筒面である支持部と、その支持部と同心かつ一体的な歯車部とを備えたものとするとともに、その駆動回転体に支持される被支持回転体も、被支持部と歯車部とを備えたものとし、被支持部が支持部により支持された状態で歯車同士が噛み合うようにすることも可能である。
本項の発明によれば、歯車同士の噛み合いにより、駆動回転体から被支持回転体に確実に回転トルクが伝達される。
本項が(2)項に従属する態様では、位置決め装置によって被支持回転体の支持回転体からの離間が防止されることにより、歯車同士が噛み合った状態に保たれ、より確実に回転トルクが伝達される。
(10)前記拭取シート供給装置が、
前記拭取シートが巻かれた供給ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた一対の被支持回転体に、それぞれ自身の外周面において接触して支持する少なくとも2個の支持回転体と、
前記装置本体に保持され、前記被支持回転体の各々をそれぞれ対応する前記支持回転体に支持された状態に位置決めするとともに、その位置決め状態で、前記供給ロールにその供給ロールの軸線と直交する一方向の力が加えられた場合に、その供給ロールの前記装置本体からの離脱を許容する位置決め装置と
を含む(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のスクリーン清掃装置。
供給ロール用の支持回転体と位置決め装置との少なくとも一方を巻取ロール用のそれらと同じ構成とすることが可能である。特に、供給ロール用の支持回転体と位置決め装置との少なくとも一方の部品を共通化すれば、装置コストの低減を図り得る。また、(2)項または(3)項に記載の特徴を本項の位置決め装置にも適用することができる。さらに、拭取シートを供給し終えた供給ロールを巻取ロールとして使用したり、巻取ロールに巻き取られた拭取シートを外して供給ロールとして使用したりすることも可能である。
本項に記載のスクリーン清掃装置においては、拭取シートが巻き付けられた供給ロールを巻取ロールと同様に容易にかつ迅速に装置本体に取り付け、位置決めすることができる。
前記特許文献1に記載のスクリーン清掃装置においては、拭取シートが供給ロールに巻かれ、供給ロールは巻取ロールと同様にして装置本体に取り付けられる。そのため、巻取ロール、供給ロール共に着脱作業が面倒であり、拭取シートの交換作業にかかる時間がより長くなる。それに対し、本項の発明によれば、拭取シートは供給ロールに巻かれて供給されるが、巻取ロールと同様に簡単に装置本体に取り付け、取り外すことができ、供給,巻取共にロールが使用されても迅速に着脱することができる。
(2)項ないし(9)項の各々に記載の特徴を本項の支持回転体にも適用することができる。
(11)前記装置本体に保持された制動装置を含み、前記供給ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた前記一対の被支持回転体の少なくとも一方に対応する支持回転体が、その少なくとも一方に前記制動装置の制動トルクを伝達する制動トルク伝達体である(10)項に記載のスクリーン清掃装置。
巻取ロールが回転させられれば、拭取シートが巻取ロールにより引っ張られ、供給ロールが回転させられて拭取シートが供給ロールから引き出される。この際、被支持回転体に支持回転体から制動トルクが伝達されることにより、供給ロールに拭取シートが引き出される方向とは逆向きの力が作用し、拭取シートに張力が付与される。また、巻取ロールが停止させられた際、供給ロールが慣性によって回転し続け、拭取シートにたるみが生じることが防止される。
(12)横断面形状が円形の筒状を成すとともに、スクリーン印刷機のスクリーンの汚れを拭き取る帯状の拭取シートの幅とほぼ同じ長さを有し、拭取シートが巻き付けられるロールと、
そのロールの両端に設けられた1対の歯車と
を含む拭取シート巻付体。
1対の歯車は、ロールと一体に設けられてもよく、別体に設けられ、着脱可能にあるいは着脱不能に取り付けられてもよい。後者の場合、ロールは拭取シートの幅と同じ長さを有するものとすることが望ましいが、不可欠ではない。拭取シートの幅よりやや短いものとすることも、やや長いものとすることも可能なのである。ロールが拭取シートの幅よりやや短いものである場合には、例えば、1対の歯車をそれぞれ、中央部から突出した嵌合突部を備えたものとし、それら嵌合突部をロールの両端部の内側に嵌合し、各歯車の端面が拭取シートの幅方向の位置を規定するフランジの機能を果たすようにすればよい。ロールが拭取シートの幅よりやや長いものである場合には、1対の歯車をそれぞれ、中央部に嵌合凹部を備えたものとし、それら嵌合凹部をにロールの両端部の外側に嵌合し、歯車の端面が拭取シートの幅方向の位置を規定するフランジの機能を果たすようにすればよい。
ロールに未使用の拭取シートが巻き付けられている場合、ロールは供給ロールを構成し、ロールが空の状態でスクリーン清掃装置に取り付けられ、使用済みの拭取シートが巻き付けられる場合、ロールは巻取ロールを構成する。
本拭取シート巻付体は、(9)項に記載の巻取ロールと同様にスクリーン清掃装置に容易にかつ迅速に取り付けられる。
(13)前記1対の歯車が前記ロールとは別体に設けられ、それら歯車をロールに着脱可能に取り付ける歯車取付装置を含む(12)項に記載の拭取シート巻付体。
本項の発明によれば、例えば、ロールが繰り返し使用可能なものであるが、寿命等により使用不能となった場合、ロールのみを交換すればよく、交換コストが少なくて済む。あるいはロールが使い捨てのものである場合、使用の済んだロールから歯車を外し、未使用のロールに取り付けて使用することができ、拭取シート巻付体のコストを低減させることができる。
【実施例】
【0010】
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0011】
本スクリーン印刷機は、図1に示すように、印刷機本体を構成するフレーム10,基板搬送装置(図示省略),基板支持装置12,基板支持装置昇降装置14,スクリーン支持装置16,スキージ装置18,スクリーン清掃装置20等を備えている。基板搬送装置は、回路基板24を図1においては左右方向であって、回路基板24の半田印刷面に平行な方向である水平方向に搬送し、基板支持装置12に搬入し、基板支持装置12から搬出する。基板支持装置12は、回路基板24を水平に支持し、接触,離間装置としての基板支持装置昇降装置14により昇降させられ、スクリーン支持装置16に支持されたスクリーン30に直角な方向に移動させられて、基板支持装置12に支持された回路基板24がスクリーン30に接触,離間させられる。
【0012】
スクリーン支持装置16は、図1に示すように、フレーム10の、基板支持装置12の上方の位置に設けられている。スクリーン30は矩形のスクリーン枠32に保持され、そのスクリーン枠32においてスクリーン支持装置16により水平に支持されている。スクリーン30には、図示は省略するが、被印刷剤としての高粘性流体の一種であるクリーム半田が充填される多数の貫通穴が設けられている。
【0013】
スキージ装置18は、図1に示すように、フレーム10の、スクリーン支持装置16の上方の位置に設けられている。スキージ装置18は、本実施例では、それぞれスキージ38を有する1対のスキージヘッド40(図1には1つのみ図示されている),それらスキージヘッド40をそれぞれ昇降させるスキージヘッド昇降装置42およびスキージヘッド40をスクリーン支持装置16に支持されたスクリーン30に平行で水平な方向に移動させるスキージヘッド移動装置44を含む。本実施例では、スクリーン支持装置16に支持されたスクリーン30については、基板搬送方向に平行な方向を幅方向とする。スキージ38は、本実施例では、その長手方向がスクリーン30の幅方向に平行となる姿勢で配設され、スクリーン30に平行な平面内においてスクリーン30の幅方向に直角な方向に移動させられる。
【0014】
スクリーン清掃装置20を説明する。
スクリーン清掃装置20は、拭取シート50(図4参照)によってスクリーン30を回路基板24が接触させられる側から拭いて清掃する装置である。拭取シート50は帯状を成し、図4に示すように、供給ロール52に巻かれて供給され、巻取ロール54により巻き取られる。
【0015】
拭取シート50は、幅が複数種類、本実施例では3種類に異なるものが用意されている。スクリーン30の貫通穴が形成された部分を含み、クリーム半田の印刷に使用される領域である印刷使用領域の大きさは、回路基板24のクリーム半田が印刷されるべき領域である被印刷領域の大きさによって変わり、それによりスクリーン30の清掃を必要とする要清掃領域の大きさも変わる。3種類の拭取シート50は、要清掃領域の幅(スクリーン30と同様に、基板搬送方向に平行な方向の寸法)に応じた幅を有するものが選択的に使用され、拭取シート50の無駄を抑えつつ、スクリーン30の拭取りが行われる。
【0016】
供給ロール52は、図4および図5に示すように、横断面形状が円形の筒状を成し、その両端にそれぞれ被支持回転体としてのギヤ58(図4および図5には一方のギヤ58のみが図示されている)が着脱可能に取り付けられている。これらギヤ58にはそれぞれ、図5に一方のギヤ58を示すように、係止部材たるコレット部材62が同心にかつ一体的に設けられている。コレット部材62は、横断面形状が円形を成す中空の筒状を成し、ギヤ58の中央部から突出した嵌合突部63を有し、内部に雌ねじ穴64および先端ほど直径が直線的に減少するテーパ内周面66が形成されるとともに、それら雌ねじ穴64およびテーパ内周面66が形成された部分に、軸方向に延びるスリット68が複数、本実施例では4本(図5には3本図示されている)、等角度間隔に形成されている。
【0017】
コレット部材62は、コレット駆動部材72により径が拡大させられる。コレット駆動部材72は、操作部としての頭部74,頭部74から突出させられた雄ねじ部76および上記テーパ内周面66に対応する傾斜のテーパ突部78を備えている。コレット部材62の嵌合突部63が供給ロール52の端部の内側に嵌合され、ギヤ58が供給ロール52の端面に当接させられた状態でコレット駆動部材72がコレット部材62を駆動する。コレット駆動部材72は雄ねじ部76が雌ねじ穴64に螺合されるとともに、テーパ突部78がテーパ内周面66に嵌合され、スリット68の幅を広げる。それによりコレット部材62の径が広げられて供給ロール52の内周面に押し付けられ、それらの間の摩擦により、ギヤ58が供給ロール52に軸方向に相対移動不能かつ相対回転不能に取り付けられる。コレット駆動部材72の螺合を緩め、コレット部材62の供給ロール52の内周面に対する係合を解除すれば、ギヤ58を供給ロール52から取り外すことができる。コレット部材62およびコレット駆動部材72が、ギヤ58を供給ロール52に着脱可能に取り付ける歯車取付装置としてのコレットチャック80を構成している。これら供給ロール52,1対のギヤ58およびコレットチャック80を含んで拭取シート供給体82が構成されている。
【0018】
供給ロール52は、本実施例では紙により作られ、拭取シート50の幅と同じ長さを有し、本スクリーン清掃装置20によるスクリーン清掃のために、長さが3段階に異ならされた3種類の供給ロール52が用意され、それぞれ幅が異なる拭取シート50が巻き付けられている。また、拭取シート50の供給ロール52に対する巻付けの最大直径は、図5に二点鎖線で示すように、ギヤ58の歯底円の直径より小さくされている。1対のギヤ58はそれぞれ、その歯底円の直径が供給ロール52の外径より大きく、供給ロール52に取り付けられた状態では、供給ロール52の両端から半径方向外向きに突出させられている。それにより、1対のギヤ58は、供給ロール52に巻かれた拭取シート50を挟み、供給ロール52からの引き出しを許容しつつ、供給ロール52の軸方向において位置決めし、拭取シート50が供給ロール52の軸方向においてずれることを防止する。1対のギヤ58の互いに対向する面であって、供給ロール52側の面は、拭取シート50の幅と等しい距離を隔てて対峙し、拭取シート50を位置決めする位置決め面を構成し、本実施例では、1対のギヤ58がそれぞれシート位置規定用フランジを兼ねている。
【0019】
前記巻取ロール54は、供給ロール52と同様に構成され、横断面形状が円形を成す中空の筒状を成し、紙製とされ、その両端にそれぞれ被支持回転体としてのギヤ90がコレット部材92およびコレット駆動部材94(図4参照)を含むコレットチャック96により、軸方向に相対移動不能かつ相対回転不能であって、着脱可能に取り付けられている。これら巻取ロール54,1対のギヤ90およびコレットチャック96を含んで拭取シート巻取体98が構成されている。また、巻取ロール54は供給ロール52と同様に、拭取シート50の幅と同じ長さを有するものとされ、長さが3段階に異なる3種類の巻取ロール54が用意されている。供給ロール52および巻取ロール54は紙製であるため、使用後は捨てることができる。この際、ギヤ58,98は、使用可能であれば、供給ロール52および巻取ロール54から取り外し、別の供給ロール52,巻取ロール54や新しい供給ロール52,巻取ロールに取り付けらて使用することができる。供給ロールおよび巻取ロールは金属製とし、繰り返し使用されるようにしてもよい。
【0020】
スクリーン清掃装置20は、スクリーン平行方向移動装置100(図1参照)により、スクリーン支持装置16に支持されたスクリーン30に平行で水平な方向に移動させられ、接触,離間装置であるスクリーン清掃装置昇降装置102(図3参照)により、スクリーン30に直角な方向に移動させられ、昇降させられる。スクリーン平行方向移動装置100は、図1に示すように、移動部材104および移動部材移動装置106(図1参照)を備えている。移動部材移動装置106は、図示は省略するが、駆動源としての電動回転モータであるサーボモータと、ボールねじおよびナットを含む送りねじ装置とを備えている。移動部材104は、図1に示すように、フレーム10に、下降端位置に位置する基板支持装置12に支持された回路基板24と、スクリーン支持装置16に支持されたスクリーン30との間に形成される空間内を移動可能に設けられ、前記スキージ装置18のスキージ38の移動方向と同じ方向に移動させられる。
【0021】
移動部材104上にスクリーン清掃装置20が昇降可能に設けられ、スクリーン30の下側の空間をスクリーン30に沿って、スクリーン30の幅方向と直角な方向に移動させられる。スクリーン清掃装置20の装置本体110は、図3に示すように、長手方向の断面形状がコの字形を成し、1対の側壁部112およびそれら側壁部112を連結する連結部114を含み、移動部材104上に設けられたスクリーン清掃装置昇降装置102により昇降させられる。スクリーン清掃装置昇降装置102は、本実施例では、図3に示すように、1対のエアシリンダ122を備え、装置本体110を、それぞれガイド部材としての1対ずつのガイドロッド124およびガイドブロック126に案内させつつ昇降させる。
【0022】
装置本体110は移動部材104上に、連結部114の長手方向が、スクリーン30の幅方向に平行となる姿勢で設けられており、図3および図4に示すように、連結部114上に吸引部材130が連結部114の長手方向に平行に設けられている。吸引部材130には、その上面に開口し、長手方向に延びる開口132(図2参照)が形成されるとともに、内部に負圧が供給される。なお、図4において符号134は、シートガイドである。
【0023】
装置本体110には、前記拭取シート供給体82および拭取シート巻取体98が取付け,取外しされ、供給ロール52および巻取ロール54が取付け,取外しされる。図2に示すように、1対の支持ロール140,142がそれぞれ、吸引部材130の長手方向に平行で水平な軸線まわりに回転可能に支持されている。これら支持ロール140,142は、吸引部材130の長手方向と直角で水平な方向の両側にそれぞれ配設され、支持ロール140は前記供給ロール52を支持し、支持ロール142は前記巻取ロール54を支持する。
【0024】
支持ロール140は、図2および図5に示すように、その軸方向の一端部に複数個、本実施例では3個の支持回転体としてのピニオン150を備え、他端部に複数個、本実施例では3個の支持回転体としての支持ローラ152を備えている。支持ロール140は、図5に示すように、製造の都合上、複数の部材が一体的に組み付けられて成り、3個のピニオン150は支持ロール140の軸部を構成する軸部材に相対回転不能かつ軸方向に相対移動不能に組み付けられて支持ロール140を構成している。3個のピニオン150はそれぞれ、供給ロール52のギヤ58よりやや大きい幅を有し、それらの間にそれぞれスペーサ154が挟まれるとともに、両端のピニオン150の外側にそれぞれスペーサ156が配設されて軸部材に組み付けられている。これらスペーサ154,156の直径はピニオン150の直径より大きく、支持ロール140の軸方向の一端部の外周面に複数本、本実施例では3本の円環溝158が形成されている。ピニオン150は円環溝158内に設けられており、支持回転体の外周面である円環溝158の底面に歯が形成されてピニオン150が設けられていると考えることができる。また、スペーサ154,156は、円環溝形成部材であると考えることができる。さらに、ピニオン150および2個ずつのスペーサ154,156の各ピニオン150の両側の部分であって、円環溝158の溝壁を形成する部分が支持回転体を構成していると考えられる。このように考えれば、支持回転体は外周面に円環溝が形成されたものであることになる。
【0025】
3個の支持ローラ152もピニオン150と同様に、支持ロール140を構成する軸部材に2個ずつのスペーサ162,164を挟み、挟まれて組み付けられ、軸部材に対して相対回転不能かつ軸方向に相対移動不能とされ、支持ロール140を構成している。支持ローラ152の幅はギヤ58の歯幅よりやや大きくされ、スペーサ162,164の直径は支持ローラ152の直径より大きく、支持ロール140の軸方向の他端部の外周面に3本の円環溝166が形成されている。円環溝166の底面部分が支持ローラ152を構成していると考えることもできる。また、支持ローラ152および2個ずつのスペーサ162,164の円環溝166の溝壁を形成する部分が支持回転体を構成していると考えられ、支持ロール140の他端部の支持回転体は外周面に円環溝が形成されたものであることになる。3個ずつのピニオン150と支持ローラ152とは、支持ロール140の軸方向の1点である軸方向の中央に対して対称の位置に位置させられ、上記3本ずつの円環溝158と166とは、上記中央に対して対称な3対の位置であって、前記3種類の供給ロール52の各々の1対のギヤ58間のピッチと等しいピッチの位置にそれぞれ形成されている。
【0026】
前記支持ロール142は、図2に示すように、支持ロール140と同様に構成されており、軸方向の両端部にそれぞれ、3個ずつのピニオン170および支持ローラ172を2個ずつのスペーサ174,176およびスペーサ178,180により挟み、挟まれて軸方向に相対移動不能かつ相対回転不能に備え、3本ずつの円環溝182,184が軸方向の1点である軸方向の中央に対して対称な3対の位置にそれぞれ形成されている。
【0027】
支持ロール142は、回転駆動装置190により回転させられる。回転駆動装置190は電動回転モータ192(図3参照)を駆動源とし、前記装置本体110の連結部114の下面に設けられ、装置本体110と共に昇降させられる。電動回転モータ192の回転は、その出力軸に設けられたプーリ194,支持ロール142に設けられたプーリ196(図2参照)およびベルト198を含む回転伝達装置200により支持ロール142に伝達され、支持ロール142が回転させられてピニオン170,支持ローラ172が回転させられる。
【0028】
装置本体110にはまた、前記供給ロール52の1対のギヤ58をそれぞれ、3個ずつのピニオン150および支持ローラ152のうちの1個ずつによって支持された状態に位置決めする供給ロール用位置決め装置208と、前記巻取ロール54の1対のギヤ90をそれぞれ、3個ずつのピニオン170および支持ローラ172のうちの1個ずつによって支持された状態に位置決めする巻取ロール用位置決め装置210とが保持されている。これら位置決め装置208,210は同様に構成されており、供給ロール用位置決め装置208を代表的に説明する。
【0029】
供給ロール用位置決め装置208は、図2に示すように、本実施例では、2対の位置決めローラ212を含み、3個のピニオン150と3個の支持ローラ152とについてそれぞれ、1対ずつ配置されている。2対の位置決めローラ212は同様に構成されており、3個のピニオン150について設けられた1対の位置決めローラ212を代表的に説明する。
【0030】
対を成す2個の位置決めローラ212はそれぞれ、図2に示すように、支持ロール140の3個のピニオン150を含む部分と同じ長さを有し、それら2個の位置決めローラ212の一方は、図4に示すように、装置本体110の側壁部112のピニオン150より連結部114側の部分であって、ピニオン150が供給ロール52のギヤ58と噛み合わされた状態において、ギヤ58の回転軸線を含む一平面であり、水平面に対してピニオン150とは反対側に位置する部分に突設された軸214により、支持ロール140の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能であって、装置本体110に対して移動不能に取り付けられている。この一方の位置決めローラ212は、装置本体110に固定的に取り付けられた固定位置決めローラであり、以後、固定位置決めローラ212aと称する。また、軸214が固定取付装置を構成している。
【0031】
対を成す2個の位置決めローラ212の他方は可動位置決めローラ212bとされ、可動取付装置220により装置本体110の側壁部112に移動可能に取り付けられている。可動取付装置220は、図2および図4に示すように、側壁部112に軸222により、支持ロール140の回転軸線に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられた可動部材の一種である回動部材としてのレバー224を備えている。レバー224はL字形を成し、その一方のアーム部226は、軸222から上方であって、ピニオン150に噛み合わされた供給ロール52のギヤ58の回転軸線を含む一平面であり、水平面に対してピニオン150とは反対側へ延び出させられ、その延出端部に可動位置決めローラ212bが軸228により、支持ロール140の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられており、レバー224の回動により、ピニオン150によって支持されるギヤ58のほぼ半径方向に移動させられる。軸222は、側壁部112のピニオン150に対して前記軸214とは反対側の部分に設けられており、可動位置決めローラ212bは、ピニオン150に対して固定位置決めローラ212aとは反対側に位置させられる。レバー224の他方のアーム部230と側壁部112との間には、付勢手段の一種である弾性部材としての引張コイルスプリング232が配設され、レバー224は、可動位置決めローラ212bが、ピニオン150と噛み合わされたギヤ58に向かう向きに付勢されている。このスプリング232の付勢によるレバー224の回動限度ないし可動位置決めローラ212bの移動限度は、回動限度規定部材ないし移動限度規定部材たるピン状のストッパ234(図2,図4参照)により規定され、供給ロール52がスクリーン清掃装置20に取り付けられない状態では、可動位置決めローラ212bは、ピニオン150と噛み合わされたギヤ58の外周面に接触する位置より、やや内側(固定位置決めローラ212a側)に位置させられる。なお、図2に示すように軸228は長く、支持ロール140の3個の支持ローラ152について設けられた1対の位置決めローラ212の可動位置決めローラ212bと共用とされており、2つの可動位置決めローラ212bが同時に移動させられる。
【0032】
軸方向に長く、3個のピニオン150に対応可能な位置決めローラ212および3個の支持ローラ152に対応可能な位置決めローラ212は、3個のピニオン150に共通の位置決めローラおよび3個の支持ローラ152に共通の位置決めローラであると考えることもでき、3個のピニオン150の各々について設けられた3個の位置決めローラが一体的に設けられ、3個の支持ローラ152の各々について設けられた3個の位置決めローラが一体的に設けられたものであると考えることもできる。前者の場合、3対のピニオン150および支持ローラ152について位置決め装置が1つ設けられ、その位置決め装置の、1対のギヤ58を、1対のピニオン150および支持ローラ152によって支持された状態に位置決めする部分が発明の態様の項の(2)項に記載の位置決め装置を構成していると考えることができ、後者の場合、3対のピニオン150および支持ローラ152の各対について位置決め装置が設けられ、それら3つの位置決め装置が、レバー,スプリング等の構成要素を互いに共用していると考えることができる。本スクリーン清掃装置20においては、3対のピニオン150および支持ローラ152と供給用ロール用位置決め装置208とを含む拭取シート供給装置236により拭取シート50が供給される。また、3対のピニオン170および支持ローラ172と、巻取ロール用位置決め装置210と、回転駆動装置190とを含む拭取シート巻取装置238により拭取シート50が巻き取られる。
【0033】
装置本体110にはまた、図2に示すように、制動装置240が設けられている。制動装置240は、供給ロール52を支持する支持ロール140について設けられ、側壁部112の外面に、支持ロール140の端部と対向する状態で設けられている。制動装置240は、側壁部112に固定の保持部材たるケーシング242と、ケーシング242に、支持ロール140と同心に軸方向に移動可能かつ相対回転不能に嵌合された摩擦部材244と、摩擦部材244を支持ロール140に向かって付勢する付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング246とを含む。摩擦部材244は、横断面形状が円形を成し、摩擦係数の高い材料、例えば、ゴムあるいはその類似物あるいは合成樹脂により作られている。これらゴム等は、摩擦係数調整材が入れられることが望ましい。摩擦部材244は、スプリング246の付勢により支持ロール140の端面に押し付けられている。
【0034】
本スクリーン印刷機は、コンピュータを主体とする制御装置260(図1参照)により制御される。制御装置260は、スクリーン印刷機を構成する各種装置を制御するとともに、報知装置262を制御する。また、巻取ロール54による拭取シート50の巻取長さを検出するシート巻取長さ検出装置264が接続されている。シート巻取長さ検出装置264は、例えば、特開平10−029747号公報に記載の検出装置と同様の原理で構成され、供給ロール52に巻かれた拭取シート50の外周面に相対回転可能に接触させられた検出部材としての検出ローラを備えている。検出ローラは、拭取シート50の巻取り(供給ロール52からの拭取シート50の引出し)によるシート巻径の減少に追従しつつ、供給ロール52の回転につれ回り、検出ローラの回転量の検出に基づいて拭取シート50の巻取長さないし供給長さが検出される。
【0035】
前記供給ロール52ないし拭取シート供給体82,巻取ロール54ないし拭取シート巻取体98のスクリーン清掃装置20に対する取付け,取外しを説明する。
供給ロール52の取付け時には、作業者は拭取シート供給体82を持ち、図2に二点鎖線で示すように、供給ロール52の両端に取り付けられた1対のギヤ58と、支持ロール140の3対の円環溝158,166のうちの1対であって、ピッチが、1対のギヤ58のピッチと等しい1対の円環溝158,166との位置を合わせた状態で拭取シート供給体82を支持ロール140上へ下ろす。3対の円環溝158,166の中から、1対のギヤ58間の距離に対応する距離を隔てて対を成す1対を選んで位置を合わせ、嵌合させるのである。この際、1対のギヤ58はそれぞれ、ピニオン150と支持ローラ152とについてそれぞれ設けられた固定位置決めローラ212a,可動位置決めローラ212bに接触し、横断面形状が円形を成すギヤ58は楔の機能を果たし、図4に二点鎖線で示すように、レバー224をスプリング232の付勢力に抗して回動させ、可動位置決めローラ212bを後退させてギヤ58から離間させ、固定位置決めローラ212aとの間に進入可能な隙間を生じさせつつ、ピニオン150,支持ローラ152に接近させられ、円環溝158,166に嵌合される。供給ロール52が取り外された状態では、可動位置決めローラ212bは、ギヤ58に接触する位置よりやや固定位置決めローラ212a側に位置し、それらローラ212a,212b間には、ギヤ58が自身の楔機能によって可動位置決めローラ212bをスプリング232の付勢力に抗して後退させることができる隙間が確保されており、ギヤ58をピニオン150,支持ローラ152に接近させつつ、可動位置決めローラ212bを後退させてピニオン150,支持ローラ152に支持させることができる。そして、一方のギヤ58をピニオン150と噛み合わせ、他方のギヤ58を支持ローラ152上に載置する。それにより、ピニオン150,支持ローラ152がそれぞれ、自身の外周面(ピニオン150においては歯の歯面も外周面の一部を成す)において1対のギヤ58に接触し、支持するとともに、1対のギヤ58はそれぞれ、円環溝158,166の1対ずつの溝側面に挟まれて支持ロール140の軸方向において位置決めされ、軸方向の移動が防止される。
【0036】
このように1対のギヤ58がピニオン150および支持ローラ152によって支持された状態では、図4に一方のギヤ58について実線で示すように、可動位置決めローラ212bがスプリング232の付勢力によりギヤ58の外周面に相対回転可能に接触した状態に保たれ、ギヤ58は、スプリング232の付勢力によりピニオン150,固定位置決めローラ212aおよび可動位置決めローラ212bが、ギヤ58の周方向に隔たった3点において接触し、それらに挟まれて回転軸線と直交する方向において位置決めされ、ピニオン150および支持ローラ152に支持された状態に保たれる。前述のように、固定位置決めローラ212aおよび可動位置決めローラ212bは、その回転軸線を含む水平面に対してピニオン150とは反対側に位置するように設けられ、ピニオン150と噛み合わされたギヤ58の外周面に、上記水平面に対してピニオン150とは反対側において接触するように設けられるとともに、ピニオン150に対して互いに反対側に位置させられ、その反対側の位置においてギヤ58の外周面に接触するため、ピニオン150,固定位置決めローラ212aおよび可動位置決めローラ212bのうち、ギヤ58の周方向において互いに隣接する2個ずつの間の角度間隔のいずれの2つの和も全て180度より大きくなる。したがって、ギヤ58は、スプリング232の付勢力を超える力が作用しない限り、ピニオン150からの浮上がりが防止される。それにより、ギヤ58とピニオン150とが噛み合った状態に保たれ、ピニオン150の回転が確実にギヤ58に伝達される。他方のギヤ58についても同様であり、支持ローラ152により支持され、位置決めローラ212a,212bにより位置決めされるとともに、浮上がりが防止される。本実施例では、供給ロール用位置決め装置208は浮上がり防止装置としても機能するのである。このように支持され、位置決めされた状態では、1対のギヤ58の各回転軸線と、ピニオン150および支持ローラ152の各回転軸線とを通る直線が上下方向に平行となり、1対のギヤ58はそれぞれピニオン150および支持ローラ152によって下方から支持される。
【0037】
巻取ロール54は供給ロール52と同様にして装置本体110に取り付けられ、図2に二点鎖線で示すように、1対のギヤ90の一方が3本の円環溝182のうちの1本に嵌合され、ピニオン170に噛み合わされるとともに支持され、他方が3本の円環溝184のうちの1本に嵌合され、支持ローラ172上に載せられて支持される。また、1対のギヤ90が円環溝182,184の1対ずつの溝側面に挟まれて軸方向において位置決めされるとともに、巻取ロール用位置決め装置210によって位置決めされ、浮上がりが防止される。拭取シート50は、図4に示すように、供給ロール52から引き出され、前記1対のシートガイド134および吸引部材130上に被せられた後、巻取ロール54に端が固定され、巻き取られるようにされる。拭取シート50は、その幅方向がスクリーン30の幅方向に平行となる。
【0038】
スクリーン30の清掃時には、スクリーン清掃装置20が退避領域から清掃開始位置へ移動させられる。退避領域は、スクリーン清掃装置20のスクリーン平行方向移動装置100による移動方向においてスクリーン30および基板支持装置12から外れた位置である。移動後、スクリーン清掃装置20はスクリーン清掃装置昇降装置102により上昇させられ、拭取シート50の吸引部材130に被せられた部分がスクリーン30の基板接触面に接触させられる。その状態でスクリーン清掃装置20がスクリーン平行移動装置100によってスクリーン30に沿って移動させられ、拭取シート50がスクリーン30に付着した汚れを拭き取る。また、吸引部材130に負圧が供給され、スクリーン30の貫通穴の内周面等に付着したクリーム半田等の汚れを吸ってスクリーン30から離間させ、拭取シート50に拭き取らせる。吸引部材130は、拭取り時に拭取シート50を支持する支持部材としても機能する。スクリーン清掃装置20は、清掃終了位置へ到達し、拭取りが終了すれば、下降させられ、拭取シート50がスクリーン30から離間させられるとともに、スクリーン清掃装置20が清掃開始位置へ戻される。
【0039】
スクリーン清掃装置20の清掃開始位置への戻りの間に、巻取ロール54が回転させられて拭取シート50が巻き取られ、拭取シート50の拭取りに使用されて汚れた部分が吸引部材130上から退避させられ、拭取シート50の汚れていない新しい部分が吸引部材130上に位置させられるとともに、供給ロール52から引き出される。巻取り時には支持ロール142が回転駆動装置190により回転させられ、ピニオン170が回転させられることにより、ピニオン170と噛み合わされたギヤ90に回転トルクが伝達され、巻取ロール54が回転させられる。本実施例では、支持ロール142のピニオン170が駆動回転体を構成し、ピニオン170と噛み合わされるギヤ90が被駆動回転体を構成している。支持ローラ172も支持ロール142の回転により回転させられ、ギヤ90を支持し、巻取ロール54を支持しつつ、その回転を許容する。拭取シート50の巻取り長さの検出に基づいて電動回転モータ192が制御され、拭取シート50が所定長さ巻き取られる。
【0040】
また、供給ロール52には制動トルクが作用する。巻取ロール54が回転させられ、拭取シート50が長手方向に移動させられるとき、供給ロール52は回転して拭取シート50の引出しないし巻取りを許容するのであるが、支持ロール140には、摩擦部材244が押し付けられているため、それらの間の摩擦により支持ロール140に、供給ロール52の拭取シート50が引き出される向きとは逆向きの制動トルクが作用するとともに、ピニオン150とギヤ58との噛み合いによりギヤ58に伝達され、供給ロール52に拭取シート50が引き出される方向とは逆向きの力が作用する。そのため、拭取シート50に、巻取ロール54の回転によって作用する張力とは逆向きの張力が付与され、拭取シート50がたるみなく引き出され、所定長さ、巻取ロール54により巻き取られる。また、巻取ロール54が停止させられた際、供給ロール52が慣性によって回転し続け、拭取シート50にたるみが生じることが防止され、張った状態に保たれ、スクリーン30の拭取りが良好に為される。本実施例においては、支持ロール140のピニオン150が制動トルク伝達体を構成し、ピニオン150と噛み合わされるギヤ58が制動トルク被伝達体を構成している。また、支持ローラ152も供給ロール52を支持しつつ回転する。
【0041】
スクリーン清掃装置20は、清掃開始位置へ戻された後、再度、スクリーン30の拭取りを行う。そのため、スクリーン清掃装置20が上昇させられて拭取シート50の未使用のきれいな面がスクリーン30に接触させられ、その状態でスクリーン清掃装置20がスクリーン30に沿って移動させられて、拭取シート50がスクリーン30を拭いて仕上げする。スクリーン清掃装置20は、清掃終了位置へ到達したならば、下降させられて拭取シート50がスクリーン30から離間させられるとともに、退避領域へ退避させられ、次の清掃に備えて待機させられる。
【0042】
供給ロール52において供給する拭取シート50がなくなれば、巻取ロール54を回転駆動しても供給ロール52が回転しなくなる。そのため、シート巻取長さ検出装置264の検出ローラが回転しない状態が設定時間続いたことにより、拭取シート50がなくなったことが検出されるとともに、報知装置262により作業者に報知される。それにより、作業者は、供給ロール52および巻取ロール54をスクリーン清掃装置20から取り外し、未使用の拭取シート50が巻かれた供給ロール52と空の巻取ロール54とを取り付ける。
【0043】
この際、作業者は、供給ロール52に位置決めローラ212a,212bが接触し、供給ロール用位置決め装置208によって位置決めされたままの状態で拭取シート供給体82を、スプリング232の付勢力を超える力を加えつつ上方へ真っ直ぐに持ち上げ、1対のギヤ58をピニオン150,支持ローラ152から離間させ、スクリーン清掃装置20から取り外す。1対のギヤ58は、楔作用によって可動位置決めローラ212bをスプリング232の付勢力に抗して後退させつつ、固定位置決めローラ212aと可動位置決めローラ212bとの間から抜け出させられ、供給ロール52ないし拭取シート供給体82がスクリーン清掃装置20から容易に取り外される。巻取ロール54も同様に取り外し、新しい拭取シート50が巻かれた供給ロール52と、空の巻取ロール54とをスクリーン清掃装置20に取り付ける。
【0044】
供給ロール52および巻取ロール54は、クリーム半田が印刷される回路基板24の種類が変わり、スクリーン30の印刷使用領域の幅が変わって要清掃領域の幅が変わった場合にも交換される。本スクリーン清掃装置20は、支持ロール140,142が3本ずつの円環溝158,166,182,184,3個ずつのピニオン150,170,支持ローラ152,172を備え、幅が異なる3種類の拭取シート50を選択的にセットすることができるようにされており、作業者は、現にスクリーン清掃装置20に取り付けられている供給ロール52および巻取ロール54を取り外し、要清掃領域の幅に応じた幅を有する拭取シート50が巻き付けられた供給ロール52およびその拭取シート50を巻き取る巻取ロール54をスクリーン清掃装置20に取り付ける。取付け時には、供給ロール52の両端のギヤ58をそれぞれ、支持ロール140の3対の円環溝158,166のうち、拭取シート50の幅に応じた1対であって、ピッチが1対のギヤ58間のピッチと等しい1対の円環溝158,166を選んで嵌合する。巻取ロール54についても同様であり、拭取シート50を幅が異なるものに交換する場合にも、ギヤ58,90を拭取シート50の幅に応じた円環溝158,166,182,184に嵌合し、支持ローラ152,172上に載置し、ピニオン150,170に噛み合わせるのみで容易にかつ迅速に交換作業を行うことができる。位置決め装置208,210の位置決めローラ212a,212bは長く、1対ずつのギヤ58,90間のピッチが3段階のうちのいずれであっても、ピニオン150,170,支持ローラ152,172により支持されたギヤ58,90に接触して位置決めすることができる。
【0045】
このように本スクリーン清掃装置20においては、供給ロール52および巻取ロール54を、その回転軸線と直交する方向であって、鉛直方向に移動させるのみでスクリーン清掃装置20に簡単に取付け,取外しすることができる。位置決め装置208,210の可動位置決めローラ212bはスプリング232により付勢されているが、ギヤ58自身が楔の機能を果たして可動位置決めローラ212bをスプリング232の付勢力に抗して後退させるため、作業者が可動位置決めローラ212bを後退させて供給ロール52,巻取ロール54の着脱を許容させなくてもよく、拭取シート供給体82および拭取シート巻取体98を支持ロール140,142に接近,離間させることにより、位置決め装置208,210に供給ロール52,巻取ロール54を位置決めさせ、位置決めを解除させつつ、容易にスクリーン清掃装置20に取付け,取外しすることができるのである。また、ギヤ58,90とピニオン150,170とを噛み合わせるが、ギヤ58,90をピニオン150,170に載せつつ、噛み合わせればよく、簡単である。特に、ギヤ58,90は供給ロール52,巻取ロール54の両端に設けられていて、ロール52,54については両端の被支持回転体を共通のものとすることができるのに対し、ピニオン150,170は支持ロール140,142の各一端のみに設けられているため、1つの支持ロールの両端にそれぞれピニオンが設けられ、2個のピニオンにそれぞれ歯車を噛み合わせる場合に比較して噛み合わせ作業が容易であり、供給ロール52,巻取ロール54を迅速に取り付けることができる。また、巻取ロール54の両端部にそれぞれ、ギヤ90が設けられているため、巻取ロール54をスクリーン清掃装置20に取り付ける際に、巻取ロール54の両端部のいずれをピニオン170,支持ローラ172に支持させてもよく、取付けが容易である。供給ロール52の両端にもそれぞれギヤ58が設けられているため、供給ロール52に拭取シートを巻く際に巻付方向を問わず、巻付けが容易である。
【0046】
請求可能発明の別の実施例を図6に基づいて説明する。
本実施例のスクリーン清掃装置268においては、位置決め装置270が、装置本体272に形成された案内溝274を含むものとされている。案内溝274は、装置本体272を構成する1対の側壁部276(図6には一方の側壁部276のみが図示されている)にそれぞれ、側壁部276を支持ロール277の回転軸線に平行な方向に貫通し、鉛直にかつ上方に開口する状態で形成されている。案内溝274の開口部は、1対の溝側面278間の距離が上方ほど大きくされ、傾斜させられて案内部280が形成されている。側壁部276にはまた、浮上がり防止装置282が設けられている。浮上がり防止装置282は、本実施例ではボールプランジャにより構成されており、ケーシング284と、ケーシング284内に移動可能に収容されたボール286と、ボール286をケーシング284から突出する向きに付勢するスプリング(図示省略)とを含み、側壁部276内に組み付けられている。ボール286は、ケーシング284からの抜け出しは阻止されているが、その一部が、一方の溝側面278から案内溝274内に突出させられている。
【0047】
本スクリーン清掃装置268にセットされる供給ロールおよび巻取ロールは、図6に巻取ロール290を代表的に示すように、両端部に軸部292を備えている(図6には一端部の軸部292のみが図示されている)。軸部292は、例えば、コレットチャック294のチャック駆動部材296に設けられている。その他の構成は前記実施例のスクリーン清掃装置20と同じであり、説明を省略する。
【0048】
巻取ロール290をスクリーン清掃装置268に取り付ける場合には、両端部の軸部292をそれぞれ、案内溝274に嵌合する。軸部292は、案内部280に案内されて案内溝274内に進入させられ、ボール286をスプリングの付勢力に抗してケーシング284内に引っ込ませつつ嵌合される。巻取ロール290は、軸部292が案内溝274に案内されることにより真っ直ぐ下ろされ、一方のギヤ300が支持ロール277のピニオン304に噛み合わされ、他方の歯車(図示省略)が支持ロール277の支持ローラ(図示省略)上に載置される。この状態では、ボール286がスプリングの付勢により軸部292に係合させられるとともに、斜面の作用によりギヤ300をピニオン304,支持ローラに押し付けて浮上がりを防止し、ギヤ300がピニオン304に噛み合い、支持ローラに支持された状態に保たれる。1対のギヤ300は、軸部292と案内溝274の1対の溝側面278との係合によりピニオン304,支持ローラに支持された状態に位置決めされる。巻取ロール290を装置本体272から取り外す場合には、巻取ロール290を、浮上がり防止装置282のスプリングの付勢力を超える力を加えつつ上方へ移動させ、軸部292を、ボール286をスプリングの付勢力に抗してケーシング内に引っ込ませつつ、案内溝274から抜け出させる。
【0049】
請求可能発明の更に別の実施例を図7に基づいて説明する。
本実施例のスクリーン清掃装置318においては、駆動回転体が支持部および歯車部を含むものとされている。そのため、支持ロール320の一端部の複数の駆動回転体322はそれぞれ、図7に一部を示すように、互いに隣接して設けられた支持部としての支持ローラ324と歯車部としてのピニオン326とを含む。支持ローラ324の直径はピニオン326の直径より小さく、隣接する2つの駆動回転体322を隔てるスペーサ328とピニオン326との間に円環溝330が形成されており、円環溝330の底面が支持ローラ324を構成していると考えることもできる。支持ロール320の他端部には、図示は省略するが、駆動回転体322と同数の支持ローラが設けられている。支持ロール320の他端部には、複数の円環溝330と同数の円環溝が、支持ロール320の軸方向の中央に対して対称の位置にそれぞれ形成され、各円環溝内にそれぞれ支持ローラが設けられている。円環溝の底面が支持ローラを構成しているとも考えられる。
【0050】
支持ロール320により支持される巻取ロール334の一端部には、被支持部としての被支持ローラ336および歯車部としてのギヤ338が設けられ、被支持回転体ないし被駆動回転体を構成している。被支持ローラ336はギヤ338より大径とされている。巻取ロール334の他端部には、図示は省略するが、被支持ローラのみが設けられ、被支持回転体を構成している。巻取ロール334の他端部にも被支持ローラおよび歯車を設けてもよい。
【0051】
巻取ロール334を支持ロール320に支持させる場合には、一端部においては被支持ローラ336を円環溝330に嵌合させ、支持ローラ324上に載せるとともに、ギヤ338をピニオン326と噛み合わせる。また、他端部においては、被支持ローラを円環溝に嵌合させ、支持ローラ上に載せる。巻取ロール334は、その両端部において支持ローラ(324)と被支持ローラ(336)との接触により支持され、ギヤ338とピニオン326とは、その噛み合いにより回転トルクを伝達するのみとされる。本実施例においても、支持ローラ324,ピニオン326およびスペーサのそれぞれ円環溝330の溝壁を形成する部分が支持回転体を構成すると考えられる。
【0052】
請求可能発明の更に別の実施例を図8に基づいて説明する。
本実施例のスクリーン清掃装置348においては、2個の支持回転体が共同して1個の被支持回転体を支持する。そのため、スクリーン清掃装置348の装置本体には、例えば、巻取ロール350の一端のギヤ352について、ピニオン354および支持ローラ356が設けられ、それらが共同してギヤ352を支持するようにされている。ピニオン354および支持ローラ356は、それらがギヤ352を支持した状態においてギヤ352の回転軸線を含み、鉛直な平面に対して反対側の位置であって、ギヤ352の回転軸線を中心とする一円周上において、例えば、120度の角度を隔てた位置にそれぞれ回転可能に設けられている。巻取ロール350の他端の歯車については、装置本体に支持回転体としての2個の支持ローラが設けられている。これら支持ローラはそれぞれ、ピニオン354,支持ローラ356と同心に設けられている。なお、ピニオン354と支持ローラ356とは、各回転軸線が、ギヤ352の回転軸線を中心とする異なる円周上に位置するように設けてもよい。
【0053】
巻取ロール350は、一端のギヤ352がピニオン354に噛み合わされて支持されるとともに、支持ローラ356上に載せられて支持され、他端の歯車が2個の支持ローラ上に載せられて支持される。これらピニオン354および支持ローラ356と2個の支持ローラとはそれぞれ、ギヤ352を挟んで位置決めし、水平方向に移動することを防止し、巻取ロール352を位置決めする位置決め装置としても機能する。
【0054】
なお、供給ロール,巻取ロールの各一対の被支持回転体の一方は歯車ではなく、被支持ローラにしてもよい。
【0055】
また、スクリーン清掃装置の支持回転体が2個である場合、それら2個の支持回転体を、いずれも歯車としてもよい。
【0056】
さらに、スクリーン清掃装置がスクリーンを清掃する際、清掃開始位置から清掃終了位置へ移動する往路時と、清掃終了位置から清掃開始位置へ戻る復路時との両方において拭取シートによりスクリーンの汚れを拭き取るようにしてもよい。この際、例えば、スクリーン清掃装置が清掃終了位置へ到達した後、拭取シートがスクリーンに接触させられたままの状態で巻取ロールに所定長さ巻き取られ、未使用のきれいな面がスクリーンに接触させられた状態で復路時での拭取りが行われるようにされる。この場合、スクリーン清掃装置が、スクリーンに対して拭取シートが供給ロールから引き出される方向とは逆向きに移動させられる際に、支持回転体から被支持回転体に伝達される制動トルクを増し、スクリーンと拭取シートとの間に作用する力により供給ロールが回転させられて拭取シートが供給ロールから引き出されることがないようにすることが望ましい。
【0057】
また、請求可能発明に係るスクリーン清掃装置は、スクリーン印刷機の外に設けられ、スクリーン支持装置から取り外されたスクリーンの清掃に使用されてもよい。スクリーン清掃装置がスクリーン印刷機に設けられる場合にも、スクリーン印刷機外に設けられる場合にも、スクリーンを、基板接触面とは反対側の面であり、スキージが接触させられる面側であって上面側から清掃する装置としてもよい。この場合、被支持回転体の支持回転体からの離間を防止する離間防止装置は、落下防止装置として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】請求可能発明の一実施例であるスクリーン清掃装置を備えたスクリーン印刷機を概略的に示す正面図である。
【図2】上記スクリーン清掃装置を示す平面図(一部断面)である。
【図3】上記スクリーン清掃装置を昇降させるスクリーン清掃装置昇降装置を示す正面図である。
【図4】上記スクリーン清掃装置を示す側面図である。
【図5】上記スクリーン清掃装置の巻取ロールを支持する支持ロールのピニオンが設けられた側の部分を巻取ロールと共に示す正面断面図である。
【図6】請求可能発明の別の実施例であるスクリーン清掃装置の位置決め装置を概略的に示す側面図である。
【図7】請求可能発明の更に別の実施例であるスクリーン清掃装置の駆動回転体を概略的に示す正面図である。
【図8】請求可能発明の更に別の実施例であるスクリーン清掃装置の位置決め装置を概略的に示す側面図である。
【符号の説明】
【0059】
20:スクリーン清掃装置 30:スクリーン 50:拭取シート 52:供給ロール 54:巻取ロール 58,90:ギヤ 110:装置本体 140,142:支持ロール 150:ピニオン 152:支持ローラ 158,166:円環溝 170:ピニオン 172:支持ローラ 182,184:円環溝 190:回転駆動装置 208:供給ロール用位置決め装置 210:巻取ロール用位置決め装置 212:位置決めローラ 214:軸 220:可動取付装置 232:引張コイルスプリング 240:制動装置 268:スクリーン清掃装置 270:位置決め装置 272:装置本体 274:案内溝 277:支持ロール 282:浮上がり防止装置 300:ギヤ 304:ピニオン 318:スクリーン清掃装置 320:支持装置 322:駆動回転体 324:支持ローラ 326:ピニオン 330:円環溝 334:巻取ロール 336:被支持ローラ 338:ギヤ 348:スクリーン清掃装置 350:巻取ロール 352:ギヤ 354:ピニオン 356:支持ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン印刷機のスクリーンの汚れを拭取シートにより拭き取って清掃するスクリーン清掃装置であって、
装置本体と、
その装置本体に、回転軸線まわりに回転可能に保持され、前記拭取シートを巻き取る巻取ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた一対の被支持回転体に、自身の外周面において接触して支持する少なくとも2個の支持回転体と、
前記装置本体に保持され、前記被支持回転体の各々をそれぞれ対応する前記支持回転体に支持された状態に位置決めするとともに、その位置決め状態で、前記巻取ロールにその巻取ロールの軸線と直交する一方向の力が加えられた場合に、その巻取ロールの前記装置本体からの離脱を許容する位置決め装置と、
前記装置本体に保持され、前記拭取シートを供給する拭取シート供給装置と、
前記装置本体に保持された回転駆動装置と
を含み、かつ、前記少なくとも2個の支持回転体のうち、前記巻取ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた前記一対の被支持回転体の少なくとも一方に対応するものが、その少なくとも一方に回転トルクを伝達する駆動回転体であり、その駆動回転体が前記回転駆動装置により回転させられることを特徴とするスクリーン清掃装置。
【請求項2】
前記支持回転体が2個であり、かつ、前記位置決め装置が、
前記被支持回転体の各々の外周面に1対ずつ接触する合計2対の位置決めローラと、
各対の位置決めローラの一方を前記装置本体に固定的に取り付けて固定位置決めローラとする固定取付装置と、
各対の位置決めローラの他方を、前記装置本体に、前記被支持回転体のほぼ半径方向に移動可能に取り付けて可動位置決めローラとする可動取付装置と、
前記可動位置決めローラを前記被支持回転体に向かって付勢する付勢装置と
を含み、前記支持回転体,前記固定位置決めローラおよび前記可動位置決めローラのうち、前記被支持回転体の周方向において互いに隣接する2個ずつの間の角度間隔のいずれの2つの和も全て180度より大きいことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン清掃装置。
【請求項3】
前記支持回転体の外周面に円環溝が形成され、その円環溝に前記被支持回転体が嵌合されることにより、被支持回転体の軸方向の位置決めが行われることを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン清掃装置。
【請求項4】
前記2個の支持回転体が、1本の支持ロールの軸方向に隔たった2部分により構成され、前記円環溝がその支持ロールの軸方向の1点に対して対称な複数対の位置にそれぞれ形成され、それら複数対から選ばれた一対の円環溝に前記一対の被支持回転体が嵌合されることを特徴とする請求項3に記載のスクリーン清掃装置。
【請求項5】
前記駆動回転体とその駆動回転体に対応する前記被支持回転体とが、それぞれ外周面に歯が形成された歯車であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスクリーン清掃装置。
【請求項6】
前記拭取シート供給装置が、
前記拭取シートが巻かれた供給ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた一対の被支持回転体に、それぞれ自身の外周面において接触して支持する少なくとも2個の支持回転体と、
前記装置本体に保持され、前記被支持回転体の各々をそれぞれ対応する前記支持回転体に支持された状態に位置決めするとともに、その位置決め状態で、前記供給ロールにその供給ロールの軸線と直交する一方向の力が加えられた場合に、その供給ロールの前記装置本体からの離脱を許容する位置決め装置と、
を含み、かつ、当該スクリーン清掃装置が前記装置本体に保持された制動装置を含み、前記供給ロールの軸方向に隔たった2部分に設けられた前記一対の被支持回転体の少なくとも一方に対応する支持回転体が、その少なくとも一方に前記制動装置の制動トルクを伝達する制動トルク伝達体であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のスクリーン清掃装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−321106(P2006−321106A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145864(P2005−145864)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】