説明

スクロール制御装置、スクロール制御方法、およびスクロール制御プログラム

【課題】確実かつ短時間で大量の項目の中から所望の項目を見つけ出すことが可能なスクロール制御装置等を提供する。
【解決手段】本スクロール制御装置は、所定方向に連続する複数の領域を含むリストを表示画面に表示する画面表示部120と、リストを上記所定方向にスクロールするためのスクロール操作入力を受け付けるタッチパネル130と、タッチパネル130へのスクロール操作入力に応じて、スクロールを実行し、スクロール中のリストの表示形式を決定するスクロール制御部112と、決定された表示形式に応じてリストを表示画面に表示するよう制御するリスト表示制御部113と、を備える。スクロール制御部112は、表示画面内の表示を終了する最終領域から、表示画面内の表示を開始する最初領域にかけて、領域に記載された情報を大きく表示するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロール制御装置、スクロール制御方法、およびスクロール制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、カーナビゲーション装置、携帯電話端末、携帯型情報端末、パーソナルコンピュータなどの電子機器は、文字、図形、画像などの様々な情報を表示可能な液晶パネルなどで構成される表示画面を備えている。この表示画面はサイズや有効画素数が限られているので、表示画面上に一度に表示可能な情報の量も限られる。また、一度に表示可能な情報の数を増やすためにそれぞれの情報の表示サイズを縮小すると、ユーザから見て表示内容が読み取りにくくなる。
【0003】
従って、出力対象の情報の総数が、画面上に一度に表示可能な情報量を超えている場合には、出力対象の情報の中から一部分だけを抽出して画面上に表示するのが一般的である。例えば、出力対象の情報として100件の項目が存在する場合に、これらの各項目を1行ずつに分け、順番に並べて一覧表示しようとしても、表示画面に表示可能な行数の最大値が10であれば、一度に10件の項目だけしか画面上に表示できない。この場合、電子機器は、全体の100件の中で実際に表示する10件の項目の範囲を特定し、この範囲内の10件の情報だけを抽出し、一覧表示することになる。
【0004】
また、ユーザが所定のスクロール操作を行うことにより、画面上に表示しきれなかった残りの項目の情報も表示することができる。例えば、スクロールの機能が割り当てられたボタンをユーザが押下することにより、表示画面上に表示する情報の範囲を順次に切り替えることができる。この場合、表示画面上に表示される情報が、操作されたボタンに応じて画面の上から下に、あるいは下から上に向かって所定量(例えば1行)ずつ移動する(スクロールする)ように見える。また、例えば上から下に向かうように1行ずつ移動させる場合には、最下行の情報は移動後に画面から消えて、最下行の1つ上の行の情報が代わりに最下行に表示される。また、最上部の行の情報は上から2行目に移動するため、新たな項目の情報が1行目に現れる。
【0005】
つまり、大量の表示対象項目が存在する場合であっても、ユーザは、スクロール操作を繰り返すことにより、画面に表示される項目の範囲を順次に更新させ、各項目の表示位置を画面上で移動させながら内容を確認することが可能である。また、1回のスクロール操作に対して、1ページ分の範囲に渡って一気に表示範囲を移動するページスクロールの機能を備える場合も多い。
【0006】
表示画面上でスクロール動作を行うスクロール制御装置に関する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1においては、変位スクロールおよび慣性スクロールが提案されている。変位スクロールでは、タッチパネルにタッチした際の入力座標の変化ベクトルに基づき、変化ベクトルに等しい又は比例したベクトルで画面をスクロールさせるように制御する。また、タッチ状態が解除されて非接触状態になると、慣性スクロールに遷移する。慣性スクロールでは、座標入力がなくなる直前の入力座標の変化ベクトルに従って、変化ベクトルに等しい又は比例したベクトルで画面をスクロールさせる。更に、慣性スクロールでは、摩擦力が働いている状態のように減衰量を定めておき、スクロール量を徐々に減衰させる。
【0007】
すなわち、特許文献1の技術では、ユーザがタッチパネルにタッチして指を払う操作(フリックとも称する)を行うと、払った速度に応じてスクロールの移動速度が決定される。また、ユーザの操作が終了しても、スクロールの動作は慣性相当分だけしばらく継続し、その後停止する。これにより、スクロールの移動速度をユーザが自由に調整することができ、比較的少ない操作回数で目的の項目まで到達することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−161628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
大量の項目で構成される情報群の中からユーザが目的の項目を探し出そうとする場合には、上述のようなスクロールの機能を利用して、大量の項目の中の一部分の範囲の情報を順次に画面上に表示させることになる。つまり、ユーザは、スクロールにより画面上で移動する各項目の情報を目視により認識しながら目的の項目を探し出さなければならない。
【0010】
しかしながら、特に携帯型カーナビゲーション装置のような携帯端末の場合には、表示画面が小さく、一度に表示できる情報の量(画面の表示行数など)が少ないので、ユーザが大量の項目の中から目視で目的の項目を見つけ出す作業は容易ではない。
【0011】
例えば、表示画面上におけるスクロールの移動速度が速くなると、各々の項目が表示画面上に表示される時間が短くなるので、表示されている各項目をユーザが目視で認識するのが困難になる。つまり、スクロールの移動速度が高速である場合には、目的の項目が現れてもユーザが見逃してしまう可能性が高くなり、同じ動作を反復しなければならず、時間がかかることがある。また、スクロールの移動速度が低速である場合には、表示される各項目をユーザは容易に認識できるが、目的の項目を表示する状態に到達するまでに、時間がかかることがある。
【0012】
また、ユーザのスクロール操作により1行ずつ画面のスクロールを行う場合や、1ページ単位でスクロールを行う場合であっても、順次に表示される全ての項目について、ユーザが目視で認識しながら操作を行うので、目的の項目を探し出すのは容易ではない。
【0013】
また、大量の項目における目的の項目の位置をユーザが認識していないことも多い。この場合にはユーザは見逃しを避けるためにスクロールの移動速度を低速にするので、目的の項目の探索に時間がかかってしまう。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、確実かつ短時間で大量の項目の中から所望の項目を見つけ出すことが可能なスクロール制御装置、スクロール制御方法、およびスクロール制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のスクロール制御装置は、所定方向に連続する複数の領域を含むリストを表示画面に表示する表示部と、前記リストを前記所定方向にスクロールするためのスクロール操作入力を受け付ける入力部と、前記入力部によるスクロール操作入力に応じて、前記スクロールを実行し、スクロール中の前記リストの表示形式を決定するスクロール制御部と、前記スクロール制御部により決定された表示形式に応じて、前記表示部が前記リストを前記表示画面に表示するよう制御するリスト表示制御部と、を備え、前記スクロール制御部が、前記表示画面内の表示を終了する最終領域から、前記表示画面内の表示を開始する最初領域にかけて、前記領域に記載された情報を大きく表示するよう制御する。
【0016】
この構成によれば、ユーザが大量の項目の中から所望の項目を見つけ出す作業を確実かつ短時間で実現可能になる。すなわち、スクロールによって表示画面に最初に現れる領域である最初領域に近い場所の情報が大きく表示されるので、最初領域近傍における表示内容の視認性が向上し、目的の項目を見つけ出すことが容易になる。
【0017】
本発明のスクロール制御方法は、所定方向に連続する複数の領域を含むリストを前記所定方向にスクロールするためのスクロール操作入力を受け付ける入力ステップと、前記スクロール操作入力に応じて、前記スクロールを実行し、スクロール中の前記リストの表示形式を決定するスクロール制御ステップと、前記決定された表示形式に応じて、前記リストを表示画面に表示するよう制御するリスト表示制御ステップと、を有し、前記スクロール制御ステップにおいて、前記表示画面内の表示を終了する最終領域から、前記表示画面内の表示を開始する最初領域にかけて、前記領域に記載された情報を大きく表示するよう制御する。
【0018】
この方法によれば、ユーザが大量の項目の中から所望の項目を見つけ出す作業を確実かつ短時間で実現可能になる。すなわち、スクロールによって表示画面に最初に現れる領域である最初領域に近い場所の情報が大きく表示されるので、最初領域近傍における表示内容の視認性が向上し、目的の項目を見つけ出すことが容易になる。
【0019】
本発明のスクロール制御プログラムは、上記スクロール制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0020】
このプログラムによれば、ユーザが大量の項目の中から所望の項目を見つけ出す作業を確実かつ短時間で実現可能になる。すなわち、スクロールによって表示画面に最初に現れる領域である最初領域に近い場所の情報が大きく表示されるので、最初領域近傍における表示内容の視認性が向上し、目的の項目を見つけ出すことが容易になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、確実かつ短時間で大量の項目の中から所望の項目を見つけ出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態におけるスクロール制御装置の構成例を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態におけるスクロール制御装置による画面表示の状態遷移の第1例を示す模式図
【図3】本発明の実施形態におけるスクロール制御装置の画面表示とユーザの注目位置との関係の一例を表す模式図
【図4】本発明の実施形態におけるスクロール制御装置による画面表示の状態遷移の第2例を示す模式図
【図5】本発明の実施形態におけるスクロール制御装置によるスクロール時の3つの画面表示例を示す図
【図6】本発明の実施形態におけるスクロール制御装置による表示画面の更新速度が高速である場合における画面表示の状態遷移例を示す模式図
【図7】本発明の実施形態におけるスクロール制御装置によるスクロール制御時の動作例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。
【0024】
本発明の実施形態におけるスクロール制御装置の構成例が図1に示されている。図1に示すスクロール制御装置100は、代表例として、カーナビゲーション装置、携帯電話端末、携帯型情報端末、のような装置に組み込んで使用されることを想定している。また、その他の電子機器、表示装置に組み込むことも想定される。
【0025】
図1に示すように、このスクロール制御装置100は、マイクロコンピュータ110、画面表示部120、タッチパネル130、およびリスト情報保持部140を有して構成される。なお、図1に示す構成要素の他に、必要に応じて様々な要素を追加してスクロール制御装置100を構成することが想定される。
【0026】
マイクロコンピュータ110は、CPU、ROM、RAM等を有しており、予め用意されたプログラムを実行することにより、スクロール制御装置100の動作に必要とされる機能を実現する。主要な機能を実現する構成部として、マイクロコンピュータ110は、図1に示すようにタッチイベント受信部111、スクロール制御部112、およびリスト表示制御部113を備える。
【0027】
画面表示部120は、液晶表示パネル等により構成される表示画面を有しており、この表示画面上の各部に、文字列、図形、画像などの可視情報を必要に応じて表示する。例えば、画面表示部120は、表示画面に、各種情報が多数記載されたリストの少なくとも一部を表示する。このリストには、所定方向に連続する複数の領域が含まれる。複数の領域とは、例えばリストにおける行や列で区切られる領域であり、この領域に様々な情報が記載される項目が配置される。また、上記の所定方向はスクロールによる移動方向と略一致している。
【0028】
タッチパネル130は、画面表示部120の表示画面上に重ねて配置されている。表示画面上のタッチパネル130への接触や押下(タッチ)に基づいて、入力操作を受け付ける。入力操作としては、タッチパネル130を指やペンや他の入力手段(以下、指等ともいう)でタッチするタッチオン操作、タッチパネル130から指等を離すタッチオフ操作、タッチパネル130を指等で払うフリック操作、タッチパネル130を指等でタッチしたまま移動させる(引きずる)ドラッグ操作、等がある。タッチパネル130は、リストを所定方向にスクロールするためのスクロール操作入力を受け付ける入力部の一例である。
【0029】
リスト情報保持部140は、ユーザに対して画面表示部120を介して提示可能な様々な情報を蓄積する記憶装置である。代表例としては、アドレス帳のデータベースのように、多数の項目で構成される情報群をリスト情報保持部140上に保持しておくことが想定される。
【0030】
タッチイベント受信部111は、タッチパネル130に対してユーザの入力操作が行われた場合に、その入力操作に関するイベント(タッチイベント)の情報をタッチパネル130から受信する。これにより、タッチイベント受信部111は、ユーザの指等が表示画面にタッチしたか否かを識別したり、タッチした位置を表す座標の情報を検出したり、タッチした位置の移動に関する方向(移動方向)、移動量、移動速度などを検出する。したがって、タッチイベント受信部111は、タッチオン操作、タッチオフ操作、フリック操作、ドラッグ操作等のイベントを検出する。そして、タッチイベント受信部111は、スクロール操作に関する指示をスクロール制御部112に与える。
【0031】
スクロール制御部112は、画面表示部120の表示画面上にリスト形式で表示される情報をスクロールするための制御を行う。例えば、表示画面上の各項目の表示位置を操作入力により指定された方向に順次にスクロール(移動)するよう制御したり(スクロールを実行したり)、スクロールによって空きができた位置に後続する項目の情報を移動するよう制御したりする。また、スクロール制御部112は、スクロールの速度に応じて表示画面に表示されるリストの行数や文字サイズなどの表示形式を決定する。
【0032】
すなわち、スクロール制御部112は、スクロール操作入力に応じて、スクロールを実行し、スクロール中のリストの表示形式を決定する。
【0033】
リスト表示制御部113は、リスト情報保持部140からタッチパネル130等を介して指示されて取り出した情報を、スクロール制御部112により決定された表示形式により、表示画面上にリスト形式等にして一覧表示するよう画面表示部120を制御する。ただし、画面表示部120の表示画面における表示能力(表示行数等)は限られているので、リスト表示制御部113は、リスト情報保持部140が保持している大量の項目の情報群の中から、スクロール制御部112の制御結果に応じて、表示すべき範囲の情報だけを抽出する。リスト表示制御部113は、この抽出された情報を表示画面上に一覧表示するよう制御する。
【0034】
すなわち、リスト表示制御部113は、スクロール制御部112により決定された表示形式に応じて、画面表示部120がリストを表示画面に表示するよう制御する。
【0035】
次に、スクロール時の画面表示の状態遷移例について説明する。
【0036】
スクロール制御装置100による画面表示の状態遷移の第1例が図2に示されている。図2に示した例では、リスト情報保持部140からアドレス帳のデータをリスト表示制御部113が取り出して画面表示部120の表示画面に表示させる場合を想定している。また、図2の例では、アドレス帳の各項目から氏名の情報を取り出し、1項目毎に画面上での1行を割り当て、文字列情報として一覧表示する場合を想定している。なお、表示画面のスクロールは、スクロール操作としてのフリック操作等により行われる。
【0037】
図2に示した例では、スクロール停止中の表示画面121Aにおいて、n番目の項目K(n)から(n+5)番目の項目K(n+5)までの6項目の情報が、画面における6行に渡って表示されている。項目K(n)〜K(n+5)の各々の文字列は、その項目に割り当てられた(該当する)人物の氏名を表している。
【0038】
図2に示した表示画面121Aにおいては、項目K(n)〜K(n+5)の各行に割り当てられた縦方向の幅(行幅)は均一になっており、項目K(n)〜K(n+5)の各文字列のサイズも同じになっている。
【0039】
一方、図2に示したスクロール中の表示画面121Bにおいては、n番目の項目K(n)から(n+7)番目の項目K(n+7)までの8項目の情報が、画面における8行に渡って表示されている。項目K(n)〜K(n+7)の各々の文字列は、該当する人物の氏名を表している。
【0040】
また、図2に示した表示画面121Bにおいては、スクロールによる移動方向の上流にある表示開始位置Psに近い箇所に表示されている1行目の項目K(n)および2行目の項目K(n+1)について、画面の縦方向の行幅および文字サイズが他の行よりも大きくなっている。また、3行目以降の各行の項目K(n+2)〜K(n+7)については、スクロールによる移動方向の下流にある表示終了位置Peに向かって、縦方向の行幅および文字サイズが徐々に小さくなっている。
【0041】
図2に示したような表示画面の状態変化は、スクロール制御部112およびリスト表示制御部113の制御により実現される。すなわち、タッチパネル130を介してユーザの入力操作に従ってスクロールを行った場合には、スクロール制御部112は、画面表示部120の表示画面121Bに表示する情報の範囲および表示位置をスクロール操作入力に応じた方向に向かって移動するよう制御する。
【0042】
また、スクロール制御部112は、スクロールによる移動方向の表示開始位置Psに近い場所に表示される項目K(n)の情報を、移動方向の表示終了位置Peに近い位置に表示される項目K(n+7)と比べて相対的に大きいサイズで表示するよう制御する。
【0043】
また、スクロール制御部112は、スクロール中の表示画面121Bでは、移動方向の表示終了位置Peに近い位置の項目の行幅および文字サイズを、表示画面121Aの行幅および文字サイズよりも小さくすることにより、1画面に表示する行数を増やしてもよい。
【0044】
また、スクロールが終了すると、スクロール制御部112は、図2に示した表示画面121Aのように、リスト形式で表示する際の各行の縦方向の行幅および文字サイズを均等にする(均等に戻す)よう制御してもよい。
【0045】
なお、図2に示した表示画面121Bにおいては、画面の上から下に向かってスクロールする場合を想定しているので、表示開始位置Psが画面の上端部になり、表示終了位置Peが画面の下端部になる。逆に下から上の方向にスクロールする場合には、表示開始位置Psが画面の下端部になり、表示終了位置Peが画面の上端部になる。その場合は、スクロール制御部112は、画面の下側の行幅および文字サイズが大きくなり、画面の上側の行幅および文字サイズが小さくなるよう制御する。
【0046】
また、スクロール時の表示画面121Bにおける表示開始位置Ps近傍の行における行幅および文字サイズ、並びに、表示終了位置Pe近傍の行における行幅および文字サイズについては、スクロール制御部112がスクロールの移動速度に応じて可変にする。つまり、スクロール制御部112は、高速でスクロールする場合には、低速である場合と比べて、表示開始位置Ps近傍の行における行幅および文字サイズをより大きくし、表示終了位置Pe近傍の行における行幅および文字サイズをより小さくし、表示画面中に表示する行数も増やす。なお、スクロール制御部112が、行幅および文字サイズを小さくすること、行数を増やすこと、のいずれか一方のみ行うようにしてもよい。
【0047】
このように、スクロール制御部112は、表示画面内の表示を終了する最終領域(例えば表示終了位置Peの行)から、表示画面内の表示を開始する最初領域(例えば表示開始位置Psの行)にかけて、領域(各行)に記載された情報を大きく表示するよう制御する。
【0048】
これにより、ユーザが大量の項目の中から所望の項目を見つけ出す作業を確実かつ短時間で実現可能になる。すなわち、スクロールによって表示画面に最初に現れる領域である最初領域に近い場所の情報が大きく表示されるので、最初領域近傍における表示内容の視認性が向上し、目的の項目を見つけ出すことが容易になる。
【0049】
また、スクロール制御部112は、最終領域から最初領域にかけて、領域に記載された情報の表示サイズを大きくするよう制御してもよい。また、スクロール制御部112は、最終領域から最初領域にかけて、領域における所定方向(スクロール方向)の長さ(例えば行幅)を長くするよう制御してもよい。これにより、ユーザが大量の項目の中から所望の項目を見つけ出す作業を確実かつ短時間で実現可能になる。
【0050】
また、スクロール制御部112は、スクロール中に表示画面内に表示される領域の数(例えば行数)が、非スクロール中に表示画面内に表示される領域の数よりも多くなるよう制御してもよい。これにより、目的の項目が画面の表示開始位置Psの近傍に現れてから表示終了位置Peの近傍で消えるまでの時間を長くすることができ、目的の項目の内容をユーザが認識するのに十分な余裕ができる。
【0051】
また、速度検出部としてのタッチイベント受信部111が、スクロール操作入力の操作速度を検出し、スクロール制御部112が、検出されたスクロール操作入力の操作速度が高速である程、表示画面内に表示される領域の数(例えば行数)を増加するよう制御してもよい。これにより、スクロールによる移動速度が速い場合でも、各々の項目が表示画面上に現れている時間の長さを十分に確保することができ、ユーザは余裕を持って各項目を認識可能になる。
【0052】
また、スクロール制御部112は、検出されたスクロール操作入力の操作速度が高速である程、最初領域(例えば表示開始位置Psにある行)に記載された情報を大きく表示するよう制御してもよい。これにより、スクロールによる移動速度が速い場合でも、最上流の項目K(n)の情報が表示画面上に現れたときに、ユーザは容易にこの情報の内容を認識可能になる。
【0053】
次に、画面表示とユーザの注目位置(視線方向)との関係について説明する。
スクロール制御装置100の画面表示とユーザの注目位置との関係の具体例が図3に示されている。
【0054】
一般的に人間が動くものを見る時には、限定された特定の位置を注視するか、もしくは動いている特定の対象物に注目することになる。つまり、図3に示すようにスクロールにより表示画面121Bにおいて上から下の方向に移動する情報を見る場合には、ユーザは表示開始位置Psに近い1行目の項目K(n)や2行目の項目K(n+1)付近の場所の表示内容に注目することになる。
【0055】
従って、図3に示すように表示開始位置Psに近い項目K(n)、K(n+1)が大きい行幅や大きい文字サイズで表示されている場合には、項目K(n)、K(n+1)の表示内容が目に付きやすく、目視による表示内容の認識も短時間で可能になる。そして、ユーザは最初の項目K(n)について自分が探している目的の項目の可能性が高いか否かを瞬時に判断し、目的の項目の可能性が低いと判断した場合には、そのまま項目K(n)の内容を読み飛ばし、同じ場所の注目を続ける。また、目的の項目の可能性が高いと判断した場合には、項目K(n)の内容に注目するので、項目K(n)の移動に伴ってユーザの注目位置は上から下に移動する。つまり、項目K(n)が表示開始位置Ps付近に現れてから表示終了位置Peで表示画面から消える(表示終了)まで、項目K(n)の表示を目で追ってその内容を確認することができる。
【0056】
また、図3に示すように表示終了位置Peに近い行幅や文字サイズを小さくすることにより、表示画面121B内に一度に表示できる行数(項目数)を増やすことができる。表示できる行数が増えると、スクロールにより特定の項目K(n)が現れてから(表示開始から)消えるまで(表示終了まで)の表示時間を長くすることができる。つまり、スクロールによる移動速度が速い場合であっても、ユーザが特定の項目K(n)に注目できる時間を十分に確保することができ、表示内容の認識に時間的な余裕ができる。なお、特定の項目K(n)にユーザが既に注目している場合には、スクロールの移動に伴って該当する行幅や文字サイズが小さくなっても、ユーザは表示内容を容易に認識できる。
【0057】
次に、スクロール制御装置100における画面表示の状態遷移の第2例が図4に示されている。図4に示した例では、リスト情報保持部140からアドレス帳のデータをリスト表示制御部113が取り出して画面表示部120の表示画面に表示させる場合を想定している。また、図4の例では、アドレス帳の各項目から氏名の情報を取り出し、1項目毎に画面の1行を割り当て、文字列情報として一覧表示する場合を想定している。なお、表示画面のスクロールは、スクロール操作としてのフリック操作等により行われる。
【0058】
また、図4に示した例では、ユーザの操作に応じて表示画面122A〜122Cの3種類の表示状態に遷移する場合を想定している。表示画面122Aは、図2に示した表示画面121Bと同様に、画面の上から下に向かう方向に表示内容が移動しているスクロール状態を表している。
【0059】
表示画面122Aが表示されている状態で、すなわちリストのスクロール中に、ユーザが指等でタッチパネル130にタッチすると、この入力操作をタッチイベント受信部111が検出して、スクロール制御部112がスクロールを停止する。スクロールを停止した状態で、表示画面122Bが表示される。つまり、タッチによりスクロールを停止した時の表示画面122Bでは、スクロール中の表示画面122Aと同じ表示形式(行幅、文字サイズ等)が維持される。
【0060】
また、表示画面122Bが表示された状態で、ユーザが指等でタッチパネル130にタッチしたまま画面(タッチパネル130)上で移動すると、ドラッグ操作が行われる。すなわち、表示画面122Bの状態でタッチイベント受信部111がドラッグ操作のイベントの情報を受信すると、スクロール制御部112は、ドラッグ操作によるタッチパネル130上の移動に相当する分だけ、各項目の表示位置を移動するよう制御する。
【0061】
また、表示画面122Bが表示された状態で、ユーザがタッチパネル130上で指等をすばやく払うように動かすと、フリック操作のイベントが発生する。タッチイベント受信部111がこのフリック操作のイベントの情報を検出すると、スクロール制御部112は、再び表示画面122Aの状態に遷移し、リストのスクロールを再開するよう制御する。
【0062】
また、表示画面122Bが表示された状態において、ユーザが指等をタッチパネル130から離すと、タッチイベント受信部111がタッチオフ操作のイベントの情報を検出する。この場合、表示画面122Cの表示状態に遷移する。表示画面122Cの状態は、スクロール操作を行っていない通常表示(非スクロール時の表示)の状態である。すなわち、スクロール制御部112は、リストの各行の行幅および文字サイズが均等な状態になるよう制御する。
【0063】
すなわち、スクロール制御部112が、スクロール中に入力部としてのタッチパネル130によりタッチ操作が入力された場合には、スクロールを停止し、リストの表示形式をタッチ操作入力時の状態(例えば表示画面122A、122Bの表示形式)としてもよい。これにより、スクロールを一時的に停止した状態でも、所望の項目を容易に見つけ出すことができる。
【0064】
また、スクロール制御部112が、スクロール中にタッチパネル130によりタッチ操作が入力された後にタッチオフ操作が検出された場合には、スクロールを停止し、リストの表示形式をスクロール操作前の状態(例えば表示画面122Cの表示形式)としてもよい。これにより、所望の項目を発見してスクロール操作に伴うタッチパネル130へのタッチ操作を完了した後には、通常表示に復帰させて表示画面上の項目に記載された情報を平等に確認することができる。
【0065】
また、スクロール制御部112が、スクロール中にタッチパネル130によりタッチ操作の後にドラッグ操作が入力された場合には、ドラッグ操作入力に応じたスクロールを実行し、リストの表示形式をタッチ操作入力時の状態(例えば表示画面122A、122Bの表示形式)としてもよい。これにより、例えばスクロールを一時的に停止した後にドラッグ操作により低速にスクロールさせる場合には、フリック操作によるスクロール中と同様の表示形式によりリストを確認できるので、目的の項目を容易に見つけ出すことができる。
【0066】
次に、スクロール制御装置100におけるスクロール時の画面表示について3種類の具体例が図5に示されている。なお、図5の各画面においては表示画面の上から下に向かってスクロールする場合を想定している。つまり、図5では不図示ではあるが、図2の場合と同様に、表示開始位置Psが画面の上端部(上流側)に存在し、表示終了位置Peが画面の下端部(下流側)に存在する。
【0067】
図5に示した表示画面123Aにおいては、スクロール制御部112が、画面中でスクロール方向における上流側の2行を行幅や文字サイズが大きくなるように制御し、他の行の行幅や文字サイズがこの2行よりも小さくなるように制御している。なお、ここでは2行としているが、1行であっても3行以上であってもよい。
【0068】
すなわち、スクロール制御部112は、最初領域側の一部の領域に記載された情報(例えば、表示画面123Aにおける項目K(n),K(n+1)の情報)を、これ以外の領域に記載された情報(例えば、表示画面123Aにおける項目(K(n+2)〜K(n+5))よりも大きく表示するよう制御してもよい。これにより、最初領域側に目的の項目が存在する場合に特に容易に見つけ出すことが可能になる。
【0069】
なお、表示画面123Aでは項目(K(n+2)〜K(n+5))は同じ行幅および文字サイズで示されているが、スクロール制御部112が、段階的に小さくなるように制御してもよい。
【0070】
図5に示した表示画面123Bにおいては、スクロール制御部112が、画面中でスクロール方向における下流側から上流側に向かって、行毎に行幅や文字サイズが所定量ずつ大きくなるように制御している。
【0071】
すなわち、スクロール制御部112は、最終領域(例えば、表示画面123Aにおける最上端行)から最初領域(例えば、表示画面123Aにおける最上端行)にかけて、領域に記載された情報を所定値ずつ大きく表示するよう制御してもよい。これにより、最初領域側に目的の項目が存在する場合に見つけやすいが、最終領域にかけても比較的視認性を落とさずに確認することができる。
【0072】
図5に示した表示画面123Cにおいては、スクロール制御部112が、画面中でスクロール方向における下流側から上流側に向かって、行毎に行幅および文字サイズが徐々に大きくなるように制御すると共に、行幅および文字サイズの変化量を少しずつ(例えば所定変化量ずつ)増やすように制御している。
【0073】
すなわち、スクロール制御部112は、最終領域(例えば、表示画面123Aにおける最上端行)から最初領域(例えば、表示画面123Aにおける最上端行)にかけて、領域に記載された情報を大きく表示するよう制御し、かつ、その変化量を増大するよう制御してもよい。これにより、最終領域から最終領域にかけて、目的の項目が存在する位置が最初領域に近い程、指数関数的に見つけやすくなる。
【0074】
図5に示した表示画面123A〜123Cのいずれの表示形式であっても、高速でスクロールしながら順番に表示される多数の項目の中からユーザが目的の項目を短時間で目視により探し出すことが容易になる。
【0075】
また、スクロール制御部112は、表示画面123A〜123Cのような複数種類の表示形式を予め図示しないテーブル等で用意しておき、ユーザの選択操作により所望の表示形式に切り替えることができるようにしても良い。
【0076】
次に、表示画面の更新速度が高速である場合のスクロール制御装置100の動作について説明する。
表示画面の更新速度が高速である場合の画面表示の状態変化の具体例が図6に示されている。
【0077】
画面表示部120が画面表示を高速に更新可能である場合には、画素が多数含まれる行単位ではなく、1画素単位のような微小な変化が生じる毎に、その変化を画面表示に反映させることができる場合がある。従って、表示画面においてリストのスクロールを行う場合にも、高速に画面表示を更新することにより、項目に表示された情報を滑らかに移動させることができる。
【0078】
しかし、前述のようにリストの行毎に行幅や文字サイズが変化するように制御する場合には、画面表示の更新速度が高速であると不自然な見え方をする可能性がある。例えば、図6に示す表示画面124Sの状態から項目K(n+1)の行が1行分移動して表示画面124Eの状態になるまで100msecの時間がかかる場合を想定する。この場合、画面表示の更新周期が25msecであれば、表示画面124Sから表示画面124Eまでの間の途中で、3回表示が更新されることになる。
【0079】
上記の途中の画面表示の状態において、スクロール制御部112は、表示画面における項目の配置位置の計算を行う。これにより、不自然な表示をなくすことができる。すなわち、図6に示す表示画面124A〜124Cのように滑らかに画面表示を移動させる。
【0080】
具体的には、スクロール制御部112が、スクロールによる移動前の表示画面124Sの項目K(n+1)の行に関するスクロール方向における上端位置TSおよび下端位置BSと、1行分移動した後の表示画面124Eの該当行(項目K(n+1))に関するスクロール方向における上端位置TEおよび下端位置BEと、に基づき、次式の計算を行う。
【0081】
T1=TS+(TS−TE)/4
T2=TS+((TS−TE)/4)×2
T3=TS+((TS−TE)/4)×3
B1=BS+(BS−BE)/4
B2=BS+((BS−BE)/4)×2
B3=BS+((BS−BE)/4)×3
T1:25msec後の該当行の上端位置
B1:25msec後の該当行の下端位置
T2:50msec後の該当行の上端位置
B2:50msec後の該当行の下端位置
T3:75msec後の該当行の上端位置
B3:75msec後の該当行の下端位置
【0082】
つまり、図6に示す表示画面124A〜124Cのように、各時点の項目K(n+1)の行の位置をスクロール制御部112が算出する。この計算により、スクロールにより1行分移動する途中であっても、行幅が変化し、これに伴って文字サイズを変更させることができる。他の項目の行についても、同様の計算により位置を求めることができる。
【0083】
すなわち、スクロール制御部112は、表示画面の更新速度がスクロールの速度よりも高速である場合、領域1つ分(例えば1行分)移動させるためのスクロールの開始から終了までの間の所定タイミング(例えば、表示画面124A〜124Cの表示がされるタイミング)において、表示画面における所定領域(例えば、項目K(n+1))が表示される位置を、表示画面の更新速度、スクロールの速度、並びに、スクロールの開始時点の所定領域の位置(例えば、図6における上端位置TSおよび下端位置BS)およびスクロールの終了時点の所定領域の位置(例えば、図6における上端位置TEおよび下端位置BE)、に基づいて決定してもよい。これにより、不自然な表示状態が生じることなく、滑らかにリストをスクロールすることができる。
【0084】
次に、スクロール制御装置100によるスクロール制御時の動作例について説明する。
スクロール制御装置100によるスクロール制御時の動作例が図7に示されている。図7の処理手順について以下に説明する。
【0085】
ステップS11では、マイクロコンピュータ110のタッチイベント受信部111は、タッチパネル130からの通知の有無を監視し、タッチイベントの通知があった場合はそれを受信する。
【0086】
ステップS12では、タッチイベント受信部111は、ステップS11で受信したタッチイベントの通知の内容を解析し、通知されたイベントの種類が「ドラッグ」、「フリック」、「タッチオフ」のいずれに該当するかを識別する。そして、通知が「ドラッグ」の場合はステップS16に進み、「フリック」の場合はステップS13に進み、「タッチオフ」の場合はステップS11に戻る。
【0087】
ステップS13では、マイクロコンピュータ110のスクロール制御部112は、受信したタッチイベントの通知に含まれるフリック速度(スクロール操作入力の操作速度に相当)の情報を取得する。つまり、表示画面上でタッチパネル130に対してユーザが行ったフリック操作の速度を表す情報を取得する。また、速度だけでなく指等を動かした方向(フリック方向)を表す情報も取得する。
【0088】
ステップS14では、スクロール制御部112は、ステップS13で取得したフリック速度の大小に応じて、表示画面でのリストのスクロールの速度およびスクロールの方向を決定する。すなわち、フリック速度が速い場合はスクロールの速度を速くし、フリック速度がゆっくりの場合はスクロールの速度も遅くする。例えば、フリック速度とスクロール速度とは一対一に対応するようにあらかじめ設定されている。スクロール方向はフリック方向に対応させている。
【0089】
ステップS15では、スクロール制御部112は、ステップS14で決定したスクロール速度に基づいて、リスト情報保持部140に保持された情報を画面表示部120の表示画面上に表示する際の表示形式を決定する。例えば、図2に示した表示画面121Bのように、表示開始位置Psに近い行の項目における行幅や文字サイズ、表示終了位置Peに近い行の項目における行幅や文字サイズ、表示画面内に表示される行数などを表示形式として決定する。
【0090】
ステップS16では、スクロール制御部112は、受信したタッチイベントの通知に含まれるドラッグ操作による変位量を取得する。すなわち、ユーザが指等のドラッグ操作によってタッチパネル130上で移動した量に相当する値を取得する。
【0091】
ステップS17では、スクロール制御部112は、リストのスクロールの指示をリスト表示制御部113に対して送信する。つまり、スクロール制御部112は、リスト表示制御部113に対して、ドラッグ操作を検出した場合にはその操作量に相当する距離だけリストをスクロールし、フリック操作の場合にはその操作速度に応じた表示形式で図4の表示画面122Aのようにスクロールする。そして、リスト表示制御部113に対して、スクロール結果に該当する情報を表示画面に表示させるよう指示を行う。
【0092】
また、「タッチオフ」の場合には、スクロール制御部112は、初期状態の表示形式を表すパラメータを採用し、リスト表示制御部113による表示制御を行わせる。例えば、図4の表示画面122Cのように一定の行幅および一定の文字サイズをリスト全体に適用して表示させる。
【0093】
従って、ユーザが表示画面上でフリック操作を行った場合には、その操作速度に応じてスクロール速度が変化し、スクロール速度に応じて画面上に表示される内容の表示形式(行幅、行数、文字サイズ等)も変化する。
【0094】
このようなスクロール制御装置100によれば、膨大な行数のリストの中から、ユーザが所望の項目を簡単に見つけ出すことができる。また、スクロール速度が高速である場合であっても、ユーザは所望の項目を簡単に見つけることができるので、スクロール速度とユーザの認識しやすさを両立させることができる。
【0095】
なお、上述の実施形態では、氏名などの文字列を含む各項目の情報を行単位で並べてリスト形式で表示する場合を主に想定したが、文字列以外にも、様々な種類の情報を表示することが考えられる。例えば、図形や画像などによって構成される多数のアイコン、写真の縮小画像、等を表示することも考えられる。
【0096】
従って、各項目を表示する際に必ずしも行単位で管理する必要はなく、更に、リスト形式で表示する各項目の並び方向およびスクロールの方向についても、上下方向だけでなく、左右方向、あるいは斜め方向に変更することも考えられる。
【0097】
また、タッチパネル130は各種操作を受け付ける入力部の一例である。これ以外であっても、例えばタッチパネル上や別装置でスクロールボタンを押下することでスクロール操作を入力するようにしてもよい。
【0098】
本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0099】
また、本発明は、上記実施形態の機能を実現するプログラムを、ネットワークあるいは各種記憶媒体を介してスクロール制御装置100に供給し、このスクロール制御装置のCPUが読み出して実行するプログラムも適用範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、確実かつ短時間で大量の項目の中から所望の項目を見つけ出すことが可能なスクロール制御装置、スクロール制御方法、スクロール制御プログラム等に関する。
【符号の説明】
【0101】
100 スクロール制御装置
110 マイクロコンピュータ
111 タッチイベント受信部
112 スクロール制御部
113 リスト表示制御部
120 画面表示部
121A,121B,122A〜122C,123A〜123C,124A〜C,123S,124E 表示画面
130 タッチパネル
140 リスト情報保持部
K(n) リストにおけるn番目の項目
Ps 表示開始位置
Pe 表示終了位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に連続する複数の領域を含むリストを表示画面に表示する表示部と、
前記リストを前記所定方向にスクロールするためのスクロール操作入力を受け付ける入力部と、
前記入力部によるスクロール操作入力に応じて、前記スクロールを実行し、スクロール中の前記リストの表示形式を決定するスクロール制御部と、
前記スクロール制御部により決定された表示形式に応じて、前記表示部が前記リストを前記表示画面に表示するよう制御するリスト表示制御部と、
を備え、
前記スクロール制御部は、前記表示画面内の表示を終了する最終領域から、前記表示画面内の表示を開始する最初領域にかけて、前記領域に記載された情報を大きく表示するよう制御するスクロール制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、前記最初領域側の一部の領域に記載された情報を、前記最初領域側の一部以外の領域に記載された情報よりも大きく表示するよう制御するスクロール制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、前記最終領域から前記最初領域にかけて、前記領域に記載された情報を所定値ずつ大きく表示するよう制御するスクロール制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、前記最終領域から前記最初領域にかけて、前記領域に記載された情報を大きく表示するよう制御し、かつ、その変化量を増大するよう制御するスクロール制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、前記最終領域から前記最初領域にかけて、前記領域に記載された情報の表示サイズを大きくするよう制御するスクロール制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、前記最終領域から前記最初領域にかけて、前記領域における前記所定方向の長さを長くするよう制御するスクロール制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、スクロール中に前記表示画面内に表示される前記領域の数が、非スクロール中に前記表示画面内に表示される前記領域の数よりも多くなるよう制御するスクロール制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のスクロール制御装置であって、更に、
前記入力部により入力されたスクロール操作入力の操作速度を検出する速度検出部を備え、
前記スクロール制御部は、前記速度検出部により検出されたスクロール操作入力の操作速度が高速である程、前記最初領域に記載された情報を大きく表示するよう制御するスクロール制御装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のスクロール制御装置であって、更に、
前記入力部により入力されたスクロール操作入力の操作速度を検出する速度検出部を備え、
前記スクロール制御部は、前記速度検出部により検出されたスクロール操作入力の操作速度が高速である程、前記表示画面内に表示される前記領域の数を増加するよう制御するスクロール制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、スクロール中に前記入力部によりタッチ操作が入力された場合には、前記スクロールを停止し、前記リストの表示形式を前記タッチ操作入力時の状態とするスクロール制御装置。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、スクロール中に前記入力部によりタッチ操作が入力された後にタッチオフ操作が検出された場合には、前記スクロールを停止し、前記リストの表示形式を前記スクロール操作前の状態とするスクロール制御装置。
【請求項12】
請求項10に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、前記入力部により前記タッチ操作の後にドラッグ操作が入力された場合には、前記ドラッグ操作入力に応じたスクロールを実行し、前記リストの表示形式を前記タッチ操作入力時の状態とするスクロール制御装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載のスクロール制御装置であって、
前記スクロール制御部は、前記表示画面の更新速度が前記スクロールの速度よりも高速である場合、前記領域1つ分移動させるためのスクロールの開始から終了までの間の所定タイミングにおいて、前記表示画面における所定領域が表示される位置を、前記表示画面の更新速度、前記スクロールの速度、並びに、前記スクロールの開始時点の前記所定領域の位置および前記スクロールの終了時点の前記所定領域の位置、に基づいて決定するスクロール制御装置。
【請求項14】
所定方向に連続する複数の領域を含むリストを前記所定方向にスクロールするためのスクロール操作入力を受け付ける入力ステップと、
前記スクロール操作入力に応じて、前記スクロールを実行し、スクロール中の前記リストの表示形式を決定するスクロール制御ステップと、
前記決定された表示形式に応じて、前記リストを表示画面に表示するよう制御するリスト表示制御ステップと、
を有し、
前記スクロール制御ステップにおいて、前記表示画面内の表示を終了する最終領域から、前記表示画面内の表示を開始する最初領域にかけて、前記領域に記載された情報を大きく表示するよう制御するスクロール制御方法。
【請求項15】
請求項14に記載のスクロール制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのスクロール制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−77239(P2013−77239A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217957(P2011−217957)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】