説明

スケルトンスピンレスノズル及びスケルトンスピンレスノズルを装備したレジスト塗布装置

【課題】スピンレスレジスト塗布装置を用いたレジスト塗布時に、スピンレスのスリットノズル内の気泡、詰まりを早期に発見し、塗布不良の発生を未然に防止することである。
【解決手段】レジストを吐出するスリットノズルと、スリットノズルにレジストを供給するレジスト供給源からなるレジスト供給機構とを備え、被処理基板の表面に水平走行させつつ、スリットノズルの内部に充填されたレジストを吐出させることにより、レジストを基板に塗布するスケルトンスピンレスノズルであって、スリットノズル及びレジスト供給機構は、透明化した部分からなるスケルトンスピンレスノズルであり、透明化した部分からその内部に充填されたレジストが視認されるスケルトンスピンレスノズルであって、そのスケルトン部分の表面の一部分に監視カメラが付設され、レジストの撮像の変化量が監視されるスケルトンスピンレスノズル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト塗布用のスケルトンスピンレスノズル(スケルトンSPLノズル)及びスケルトンスピンレスノズルを装備したレジスト塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶用ガラス基板、半導体ウエハ、フィルム液晶用フレキシブル基板、フォトマスク用基板、カラーフィルタ用基板等、各種基板の表面にフォトレジスト液を塗布するレジスト塗布装置としては、スリット状の吐出部を有するスリットノズルを用いてスリットコートを行うスリットコータや、一旦スリットコートを施してから、スピンコートするスリット・スピンコータが公知である。
【0003】
従来、カラーフィルタの製造プロセスでは、フォトプロセス法による画素パターンの形成が行われている。その工程、例えばカラーフィルタの場合、ガラス基板上にレジスト膜を形成した後、フォトマスクを介して画素パターンを露光、転写したレジストを現像により画素を形成する。すなわち、カラーフィルタでは、レジスト塗布、露光、現像処理の一連のフォトプロセスを遮光画素、R画素、G画素、B画素と4回繰り返し実行して画素形成する。
【0004】
カラーフィルタの製造プロセスのうち、レジスト塗布は、レジスト塗布装置を用いて基板上にレジスト液を塗布する。レジスト塗布の方式は、スピンコート方式、スリット・スピンコート方式、スピンレス方式がある。スピンコート方式は、基板中央部にレジスト液を滴下し、基板全体を回転しながら(以下スピンと記す)レジスト液を基板周辺まで分散させて均一膜厚のレジストを形成する方法である。スリット・スピンコート方式は、スリットノズルよりレジスト液を滴下し、基板全体を回転しながらレジスト液を基板周辺まで分散させて均一膜厚のレジストを形成する方法である。スピンレスコート方式は、スリットノズルよりレジスト液を滴下し、基板全体を回転せずに、レジスト液を基板周辺まで分散させて均一膜厚のレジストを形成する方法である。
【0005】
スピンコート方式、スリット・スピンコート方式は、レジストの消費量が多量であり、スピン機能による装置の大型化となる問題がある。スピンレス方式は、レジストの消費量が極めて少なく、装置は省スペース化する利点がある。一方、カラーフィルタの大画面化への製造装置の更新が加速され、基板の大型化、それに伴う装置スペースの拡大が問題となってきた。
【0006】
一般に、大型化の基板では、スピンコート方式、スリット・スピンコート方式は不向きであり、スピンレスコート方式が採用されている。
【0007】
スピンレスコート方式の短所は、レジスト塗布時のムラが発生し易いことが問題視されている。スピンコート方式、スリット・スピンコート方式の場合は、レジスト塗布時のムラが発生してもスピンで消えてしまうが、スピンレスコート方式では、レジスト塗布時の塗布ムラがそのまま残り不具合を発生する場合がある。
【0008】
図4は、従来のスピンレスコート方式のレジスト塗布装置の一事例の説明図で、(a)は、レジスト塗布装置を示す斜視図であり、(b)は、レジスト塗布装置の側断面図を示し、レジスト液の塗布動作に係る主たる構成要素を示す図である。
【0009】
図4のスピンレスコート方式のレジスト塗布装置1(スピンレスレジスト塗布装置)は、本体2及びスリットノズル41と、制御系6及びレジスト供給機構9とに大別され、カラーフィルタを製造するためのガラス基板90の表面に感光性のレジスト液を塗布する装置として構成されている。したがって、スリットノズル41はレジスト液を吐出するようになっている。基板90の表面に形成する画素パターン等はフォトプロセス法により形成する。
【0010】
本体2は、基板90を載置して保持するための保持台として機能するとともに、付属する各機構の基台としても機能するステージ3を備えている。
【0011】
ステージ3の上面は水平面とされており、基板90の保持面30となっている。保持面30には多数の真空吸着口が分布して形成されており、基板90を吸着することにより、基板90を所定の水平位置に保持する。
【0012】
保持面30を挟んだ両端部には、水平方向に平行に伸びる一対の走行レール31が固設されている。走行レール31は、架橋構造4の移動を補助し、架橋構造4を保持面30の上方に支持するリニアガイドを構成する。
【0013】
ステージ3の上方には、このステージ3の両側部分から水平に掛け渡された架橋構造4が設けられている。架橋構造4は、例えばカーボンファイバ補強樹脂を骨材とするスリットノズル支持部40と、その両端を支持する昇降機構43,44とから主に構成される。
【0014】
スリットノズル支持部40には、ギャップセンサ42を含むスリットノズル41が取り付けられている。
【0015】
図4においてY軸方向に長手方向を有するスリットノズル41には、スリットノズル41へレジスト液を供給する配管、レジスト用ポンプなどを含むレジスト供給機構9が接続されている。基板90の表面を走行しつつ、レジスト用ポンプにより供給されたレジスト液を基板90表面の所定の領域(以下、レジスト塗布領域と記す)に吐出することにより、スリットノズル41は基板90にレジスト液を塗布する。ここで、レジスト塗布領域とは、通常、基板90の全面積から、端縁に沿った所定幅の領域を除いた領域である。
【0016】
ギャップセンサ42は、スリットノズル41の近傍となるよう、スリットノズル支持部40に取り付けられ、下方の平面、例えば、基板90の表面や、若しくはレジスト膜の表面との間の高低差(ギャップ距離)を測定して、制御系6はギャップセンサ42の測定結果に基づいて、上記存在物とスリットノズル41との距離を制御できる。
【0017】
昇降機構43,44は、スリットノズル41の両側に分かれて、スリットノズル支持部40によりスリットノズル41と連結されている。昇降機構43,44は、制御系6からの制御信号に基づいて、架橋構造4の昇降駆動力を生成する。これにより、昇降機構43,44は、スリットノズル41を並進的に昇降させる。
【0018】
保持面30において、保持エリアの(−X)方向側には、開口32が設けられている。開口32はスリットノズル41と同じくY軸方向に長手方向を有し、かつ長手方向長さはスリットノズル41の長手方向長さとほぼ同じである。また、開口32の下方の本体2の内部には、待機ポットと、スリットノズル洗浄機構7と、前塗布機構13とが設けられている。これらはいずれも、基板90へのレジスト液の塗布に先立って行われる、レジスト液供給処理、空気抜き処理、あるいは前ディスペンス処理などの予備処理に際し用いられる。
【0019】
待機ポットは、スリットノズル41が走行処理を行わずに待機する際の待機場所として設けられている。なお、スリットノズルにレジスト液を供給する処理も待機位置で行われる。
【0020】
前塗布機構13は、スリット41bの部分に付着したレジスト液を除去するために、塗布処理に先立って少量のレジスト液を塗布する前塗布を行うための機構である。前塗布は、基板等への実際の塗布処理の直前に行われる。前塗布の際、前塗布機構13は、スリットノズル41が前塗布機構13の直上位置(以下、前塗布位置と記す)にある状態で、断面が正八角形のディスペンスロールを、正八角形の中心を回動軸として回動させつつ、この回動動作に同期して、正八角形の各辺に相当する被塗布面に対しスリットノズル41からレジスト液を少量吐出させる。前塗布を行うことにより、スリットノズル41に付着したレジスト液は効率よく取り除かれるので、塗布処理において、スリットノズル41に付着したレジスト液に起因した膜厚の不均一を防止することができる。なお、前塗布面に塗布されたレジスト液は、前塗布が終了して、塗布処理が行われている間に、樹脂またはゴム等により形成されたディスペンスロールスクレーパによって掻き取られる。さらに、所定の溶剤で満たされたディスペンスポットにて洗浄される。
【0021】
制御系6及びレジスト供給機構9は、プログラムに従って各種データを処理する演算部、プログラムや各種データを保存する記憶部を内部に備える。また、前面には、オペレータがレジスト塗布装置1に対して必要な指示を入力するための操作部、および各種データを表示する表示部を備える。
【0022】
制御系6及びレジスト供給機構9は、ケーブルにより本体2に付属する各機構と電気的に接続されている。制御系6及びレジスト供給機構9は、操作部からの入力信号や、ギャップセンサ42およびその他の各種センサーなどからの信号に基づいて、昇降機構43,44による昇降動作、走行機構5による走行動作、レジスト供給機構9によるレジスト液の供給及び吐出動作、さらにスリットノズル洗浄機構7および前塗布機構13に付随する各駆動機構、各回動機構および各バルブ等の動作を制御する。
【0023】
具体的には、データを一時的に記憶するRAM、読み取り専用のROM、および磁気ディスク装置などが記憶部に該当する。また、操作部には、ボタンおよびスイッチ類、キーボードやマウスなどが該当する。
【0024】
次いで、従来のスリットノズルおよびレジスト供給機構について説明する。図5は、スリットノズルと、レジスト液を供給するためのレジスト供給機構とを模式的に示す図であり、(a)は正面断面図であり、(b)は、側断面図である。
【0025】
図5(a)において、スリットノズル41は、その長手方向に平行な断面図として示している。また、図5(b)は、スリットノズル41の図5(a)におけるA−A’断面(図4(a)のZX面と平行な面)を示す図である。図5(b)に示すように、スリットノズル41の下側略半分は、長手方向に垂直な面内における断面が下方に向けて細くなった略V字型の外観形状をなしている。
【0026】
図5(a)および図5(b)に示すように、スリットノズル41の内部には、長手方向の両側端部間にわたって、かつ断面中央部の上寄りに、基板に塗布するためのレジスト液を一時的に貯留するマニホールド45が設けられている。さらに、スリットノズル41の内部には、マニホールド45の上端部からスリットノズル41の上端部にまで達する空気抜き穴47が設けられている。空気抜き穴47は、マニホールド45から空気および空気が混入したレジスト液を排出する排出口である。スリットノズル41の長手方向の中央部に設けられる。
【0027】
また、マニホールド45の両側端部には、レジスト液をマニホールド45に供給するために供給口46a、46bが設けられている。さらに、マニホールド45の最下部と、V字型の下部の頂点部分に相当するスリットノズル41の下部の先端との間には、一定間隔のギャップ41aが、スリットノズル41の両側端部間にわたって設けられている。ギャップ41aの最下端が、レジスト液を吐出するためのスリット41bとなっている。
【0028】
マニホールド45に供給されたレジスト液がレジスト供給機構9によって所定の吐出圧を与えられると、ギャップ41aを経てスリット41bから吐出されて基板90に塗布される。
【0029】
マニホールド45は、A−A’断面において空気抜き穴47側からギャップ41a側に向けて傾斜を有するように設けられている。また、空気抜き穴47は、そのマニホールド45側の端部に配置した供給口46a、46bよりも高い位置となるように設けられている。すなわち、マニホールド45は、長手方向において、その上面45aが、空気抜き穴47と供給口46a、又は空気抜き穴と46bとの間で傾斜を有するように形成されている。一方で、マニホールド45の下面45bはスリットノズル41の上下側端と平行を保つよう形成されていることから、マニホールド45は、長手方向において、供給口46a、46b側から中央部側へ向かうにつれて上下面間の間隔がだんだんと大きくなるように設けられていることになる。あるいは、断面積がだんだんと大きくなるように設けられているともいえる。
【0030】
レジスト供給機構9は、レジスト液を貯留するレジスト液供給源91と、レジスト液供給源91からスリットノズル41へとレジスト液を供給するためのレジスト液供給経路L1と、スリットノズル41内のレジスト液に混入している空気を除去するための空気抜き経路L2とを備える。空気抜き経路L2は、空気および空気が混入しているレジスト液を排出する排出経路となる。
【0031】
レジスト液供給経路L1には、レジスト液供給源91側から順に、バルブVと、供給ポンプ92と、バルブVと、圧力計とが、所定の配管によって接続されて備わっている。レジスト液供給源91に貯留されたレジスト液は、圧縮空気によって加圧供給される。供給ポンプ92によって、レジスト液供給源91に貯留されたレジスト液が汲み上げられて定量送液される。圧力計93は、レジスト液の供給圧力をモニターするために備わる。
【0032】
また、レジスト液供給経路L1は、圧力計とスリットノズル41との間で2方に分岐しており、分岐供給経路L1はそれぞれ、スリットノズル41の長手方向の両側端部にて、供給口46a、46bとそれぞれ接続している。また、分岐供給経路L1およびL1にはそれぞれ、電磁バルブVおよび電磁バルブVが備わっている。
【0033】
次に、スリットノズル41に対するレジスト液の充填について説明する。図6(a)は、レジスト液を供給中のスリットノズル41の長手方向に平行な断面の模式図であり、図6(b)は、その際の図5(a)のA−A’断面における模式図である。
【0034】
レジスト液が全く未充填のスリットノズル41にレジスト液を供給する場合、まず、スリットノズル41を待機位置に位置させる。そして、スリットノズル41の両端のバルブV,Vならびに空気抜きバルブVを全て開にした状態で、供給ポンプによる定量送液もしくはレジスト液供給源91からの加圧供給によりレジスト液の供給を行う。これにより、レジスト液供給経路L1および分岐供給経路L1およびL1を経たレジスト液が、スリットノズル41の長手方向側端部にある供給口46aおよび46bから、スリットノズル41の内部、マニホールド45へと連続的に注入される。
【0035】
スリットノズル41においては、マニホールド45の下方にギャップ41aが形成されている。そのため、マニホールド45へと流入したレジスト液は、ギャップ41aへと流入するが、ギャップ41aの間隙が50〜250μm程度と狭く、かつレジスト液の粘度が比較的高いことから、ギャップ41aにおけるレジスト液の流動性は、マニホールド45の内部における流動性よりも十分に低く保たれる。従って、マニホールド45に流入したレジスト液は、ごく少量はスリットノズル41の下端のスリット41bから流出し、待機ポットへと滴下したりスリット41bの近傍に付着したりするものの、ギャップ41aがほぼ満たされた際には、レジスト液の液面は上昇し、マニホールド45、空気抜き穴47、さらには空気抜き経路L2を順次に満たしていくことになる。
【0036】
レジスト液を充填する際、マニホールド45においては、主として、両側端部に設けられた供給口46aおよび46b側から、中央上端部に設けられた空気抜き穴47へと向けて、レジスト液が流動することになる。このレジスト液の流入に伴って、マニホールド45内部の空気は、空気抜き穴47さらには空気抜き経路L2を経て排気されることになる。また、このようにレジスト液がスリットノズル41の両側端部から中央部にかけて、つまりはマニホールド45全体において流動することから、マニホールド45において、充填に際してレジスト液が滞留する箇所が生じることはない。
【0037】
図7(a)は、レジスト液中に気泡が混入している場合のスリットノズル41の長手方向に平行な断面の模式図であり、図7(b)は、その際の図5(a)のA−A’断面における模式図である。
【0038】
図7(a)や図7(b)に示すように、たとえマニホールド45に空気が気泡となって混入している場合でも、これら気泡は、マニホールド内壁に滞留することなくレジスト液の流れに乗って、順次に排出されるようになる。あるいは、空気抜き穴47が、マニホールド45の上方に設けられていることで、気泡そのものがスリットノズル41から外へと抜けやすいようになっている。すなわち、スピンレスレジスト塗布装置1においては、スリットノズル41から短時間で確実に気泡を除去することが出来る。
【0039】
図7(a)〜(b)に示すような場合、スリットノズル内壁では、時間と共に、内壁の清浄度が劣化する。例えば、マニホールド45に空気が気泡となって混入している場合では、内壁の清浄度が劣化と共に、これら気泡は、マニホールド内壁に滞留することがありレジスト液の流れに逆らって、レジスト液内に滞留し、排出され難くくなる。あるいは、空気抜き穴47が、マニホールド45の上方に設けられているも、気泡そのものが内壁等に密着しスリットノズル41から外へと排除されないようになる。すなわち、スピンレスレジスト塗布装置1においては、内壁の清浄度の劣化の加速により、スリットノズル41から気泡の排除するまでの時間が延長され、確実に気泡を除去することができ難くなる問題が発生する。すなわち、この場合スリットノズルの内壁が汚染され、洗浄作業が必要となる。
【0040】
次いで、レジスト塗布装置の塗布動作、例えばスリットノズル41によるレジスト液の塗布動作について説明する。
【0041】
まず、(a)搬送機構により、基板90がステージ3の所定位置に搬送され、保持面30に吸着保持される。
【0042】
次いで、(b)スリットノズル洗浄機構7によって、スリットノズル41の先端のスリット41bの近傍が洗浄される。スリットノズル洗浄機構7は、所定の洗浄処理を施した後、退避位置に退避する。
【0043】
次いで、(c)走行機構5は、スリットノズル41を含む架橋構造4を前塗布位置に移動させる。そして、スリットノズル41の高さ方向の位置を調節した後、駆動によるディスペンスロールの回動に同期して、供給ポンプ92が所定時間だけ所定の圧力にてレジスト液に対し押圧することにより、ディスペンスロールのある被塗布面へのレジスト液を塗布する前塗布処理を実行する。
【0044】
次いで、(d)走行機構5が架橋構造4を基板90上の塗布処理を行う位置に移動させるとともに、昇降機構43,44が所定の高さにスリットノズル41の高さを調節する。
【0045】
次いで、(e)走行機構5が架橋構造4を所定の速さで移動させつつ、供給ポンプ92によって所定圧力にてレジスト液を押圧することにより、基板90へのレジスト液を塗布する塗布処理が実行される。
【0046】
次いで、(f)塗布処理が終了すると、走行機構5が架橋構造4を移動させ、スリットノズル41は待機位置に復帰する。
【0047】
以上、(a)〜(f)により、基板上にレジストを形成する。
【0048】
前記スピンレスコート方式では、スピンしないため、スリットノズルよりのレジスト液の吐出ムラがレジスト塗布ムラとなる問題がある。上述したように、スピンレスコート方式では、レジスト塗布時の塗布ムラがそのまま残り、不具合を発生する場合がある。そのため、スリットノズルの維持管理が重要となる。以下、スリットノズルの不具合を発生についての問題点を説明する。
【0049】
スリットノズルでは、レジスト塗布時の塗布ムラの発生として、塗布されるレジスト液内の気泡、スリットノズル内のレジスト詰まり等がある。
【0050】
この場合、スリットノズルは、SUS製のため、その内部のレジスト液の状態、例えば気泡の確認、スリットノズル内レジスト詰まりを外部から視認出来ない。
【0051】
従来のスリットノズルでは、外部から視認出来ないために、スリットノズル内のレジスト液内の気泡、又はスリットノズル内のレジスト詰まり、又はレジスト液内の異物等による塗布不良の発生を未然に防止することが出来ない。スリットノズル内を外部から視認出来ない場合、レジスト液内の気泡、レジスト詰まり、レジスト液内の異物の発生状況を予知できない問題がある。
【0052】
例えば、空気が混入は、スリットノズル内部の圧力変動やバルブ開閉時の圧力変動によってレジスト自体から発生する。そして、その空気の混入は、例えば空気とレジストが反応してゲル状物質がスリットノズル内で形成される事によりスリットから均一な吐出が出来なくなりスジ状の塗布ムラが発生する。
【0053】
例えば、空気が混入は、塗布終了時に膜厚を一定化させる為のサックバック処理時にスリットノズル先端から混入する。そして、その空気の混入は、例えば空気が混入する事により塗布開始時の吐出流量の一次遅れが発生して塗布開始時の膜厚が不安定になる。
【0054】
例えば、空気が混入は、レジスト塗布装置初期セットアップ時にスリットノズル内部にレジスト液を充填する。そして、その空気の混入は、例えば空気が混入する事により塗布終了時は、逆にレジスト吐出停止の遅れが発生して膜厚が不安定になる。例えば空気が混入する事によりスリットノズル内部のレジスト動圧分布が変化して放射状のムラを発生さ
せる。
【0055】
これらの不具合を回避するためには、スリットノズル内部の空気抜きを的確かつ敏速に行う必要がある。こうした的確かつ敏速な空気抜きを目的とする技術は、すでに公知である。
【0056】
また、レジスト塗布装置においては、スリットノズルの内部においてレジスト液の滞留が局所的に生じることによってスリットノズル内部のレジスト流動性が悪くなり、用いるレジスト液の種類によっては放射状の塗布ムラを発生させてしまうことがある。これを避けるために、スリットノズル内部のレジスト液を常に同じ状態に流動させつつ塗布する技術は、既に公知である。あるいは、塗布層の厚みの均一化を図る技術も既に公知である。
【0057】
従来のスピンレスノズルでは、レジスト塗布ムラの防止策は、スリットノズル内でのレジスト液の同一状態に流動の維持、若しくは監視が重要であり、スリットノズル内でのレジスト液内の気泡の発生の監視、スリットノズル内壁での清浄度の劣化程度の監視、等が重要となる。しかし、前記維持や監視では、スリットノズル内のレジスト液の微小変化であり、単純なセンサーや不連続性監視データではその予知が不完全であり、極短時間での連続性監視データや技術ノウハウを加味した判断業務の介入等が必要となる。すなわち、レジスト塗布時、スリットノズル内壁及びレジスト液面を監視、若しくは視認する方法が必要であり、その具体的方法が重要となる。
【0058】
以下に公知文献を記す。
【特許文献1】特開2005−144376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0059】
本発明の課題は、スピンレスレジスト塗布装置を用いたレジスト塗布時に、スピンレスのスリットノズル内の気泡、詰まりを早期に発見し、塗布不良の発生を未然に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0060】
本発明の請求項1に係る発明は、レジストを吐出するスリットノズルと、スリットノズルにレジストを供給するレジスト供給源からなるレジスト供給機構とを備え、被処理基板の表面に水平走行させつつ、スリットノズルの内部に充填されたレジストを吐出させることにより、レジストを基板に塗布するスケルトンスピンレスノズルであって、
スリットノズル及びレジスト供給機構は、透明化した部分からなるスケルトンスピンレスノズルであり、透明化した部分からその内部に充填されたレジストが視認されることを特徴とするスケルトンスピンレスノズルである。
【0061】
本発明の請求項2に係る発明は、前記透明化した部分は、スリットノズルの内壁がレジストに接する部分を含むことを特徴とする請求項1記載のスケルトンスピンレスノズルである。
【0062】
本発明の請求項3に係る発明は、前記透明化した部分は、レジスト供給機構の内壁がレジストに接する部分を含むことを特徴とする請求項1、又は2記載のスケルトンスピンレスノズルである。
【0063】
本発明の請求項4に係る発明は、前記透明化した部分は、その表面近傍の一部分がその内壁若しくは充填されたレジストを観察するための監視カメラと、その撮像の変化量を管
理するレジスト監視機構によって、レジストの撮像の変化量が監視されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のスケルトンスピンレスノズルである。
【0064】
本発明の請求項5に係る発明は、本体とスリットノズル及び制御系とレジスト供給機構を備え、本体は、被処理基板を保持する保持台と、スリットノズルを基板の表面に水平走行させる走行機構と、スリットノズルにレジストを供給するレジスト供給源とのレジスト供給機構を備え、スリットノズルは、レジストを吐出するスリットを備え、基板の表面に水平走行させつつ、スリットノズルの内部に充填されたレジストをスリットから吐出させることにより、レジストを基板表面に塗布するスケルトンスピンレスノズルを装備したレジスト塗布装置であって、
スリットノズル及びレジスト供給機構は、前記請求項1乃至4のいずれか1項記載のスケルトンスピンレスノズルを装備したことを特徴とするスケルトンスピンレスノズルを装備したレジスト塗布装置である。
【発明の効果】
【0065】
本発明のスケルトンスピンレスノズル(スケルトンSPLノズル)を装備したレジスト塗布装置を用いれば、スピンレスノズルを透明化したことにより、スピンレスノズル内のレジスト液が外側より視認されて、気泡の発生の状況、又はノズル詰まりが確認されることで、内壁の清浄度、塗布ムラの原因の早期発見が可能となり、塗布ムラによる不良基板の発生が防止され、レジスト塗布装置の稼働率を損なう問題を解消できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
本発明のスケルトンピンレスノズル(スケルトンSPLノズル)及びそれを備えたレジスト塗布装置の一実施例を以下説明する。
【0067】
図1は、本発明のスケルトンスピンレスノズルの一実施例であり、(a)は、正面断面図であり、(b)は、側面図である。
【0068】
本発明のスケルトンスピンレスノズルでは、ピンレスノズルを透明化することで、レジスト液内に空気が残留しているかを確認することで塗布不良の発生を防止するものであり、ピンレスノズル内部のレジスト液から空気が抜けきれていることを視認した後、レジストを吐出し、塗布ムラの発生を防止するものである。
【0069】
図1に示す本発明のスケルトンスピンレスノズルは、レジストを吐出する透明化した部分からなるスリットノズル41と、スリットノズルにレジストを供給するレジスト供給源91からなる透明化した部分からなるレジスト供給機構9とを備え、被処理基板の表面に水平走行させつつ、透明化した部分からなるスリットノズルの内部に充填されたレジストを吐出させることにより、レジストを基板に塗布するものである。スケルトンスピンレスノズルは、透明化した部分からその内部に充填されたレジストが視認されることを特徴とするスリットノズルである。視認により不具合を発見した場合、装置を停止する措置を行う。
【0070】
図1では、本発明のスケルトンスピンレスノズルは、透明化した部分からなる(以下スケルトンと記す)スリットノズル41と、スケルトンレジスト供給機構9とを装備している。本発明では、透明化部分は、スケルトンスリットノズル41では多くの部分が、スケルトンレジスト供給機構9では少ない部分が透明化して形成されている。透明化部分は、スリットノズル若しくはレジスト供給機構の内部に充填されたレジストを視認することができる。
【0071】
本発明のスケルトンスピンレスノズルにおいて、レジスト液は、レジスト供給源91か
らレジスト供給口46a、46bを経由しマニホールド45へ充填する。各々の拠点間はレジスト液供給経路L1の配管がされている。スリットノズルの内部に充填されたレジストは、押圧されることにより、ギャップ41aを通過し、スリット41bから吐出させ、レジスト液を基板に塗布するものである。スリットノズルの内部に充填されたレジストは、気泡が混入する場合があり、空気抜経路L2が付設され、空気抜経路L2はマニホールド45の上方の空気抜き穴47から外部処理装置へ放出する。スケルトンスピンレスノズルでは、マニホールド45にレジスト液を充填し、マニホールド45からレジスト液の吐出を交互に繰り返しレジスト塗布を実行するものである。また、図1aでは、洗浄液供給源97は、スケルトンスリットノズル41及びスケルトンレジスト供給機構9の内部を洗浄するための装置である。
【0072】
前記スケルトンスリットノズルの透明化部分は、その内壁がレジストに接する部分、例えば、マニホールド45、を含むギャップ41a、スリット41bである。前記スケルトンレジスト供給機構の透明化した部分は、空気抜経路L2、例えば空気抜き穴47である。その他、内壁がレジストに接する部分は、必要に応じて適宜スケルトン化とする。
【0073】
図1(b)は、本発明のスケルトンスピンレスノズルの一実施例の側面図であり、走行機構50上で、基板90を載置したステージ3を水平方向(図右方向へ)走行させながら、基板の表面にスリットノズル41からレジスト液を吐出しレジストを塗布する。この場合、スリットノズルは固定し、基板が水平走行する塗布方法であり、例えば、インラインの製造では、一般化した製造ラインである。本発明では、マニホールド45にレジスト液を充填し、マニホールド45からレジスト液の吐出する動作を交互に繰り返し実行するレジスト塗布において、スケルトン部からレジスト液を視認する方法により、レジスト液の流動等の異常を監視し、レジスト塗布異常の発生を予知した場合、基板の走行を停止する。
【0074】
前記レジスト液を視認する方法は、その表面の一部分にその内壁若しくは充填されたレジストを観察するための監視カメラを付設する方法がある。この場合、その撮像の変化量を管理するレジスト監視機構を装備して、レジストの撮像の変化量を算出し、自動監視する方法もあり、適宜最適な監視方法を選択することができる。
【0075】
前記スケルトンスリットノズルの透明化部分の材料は、そのピンレスノズル内にはレジストが充填されるため、使用する材質には耐溶剤性、内圧、若しくは自重に耐えられる剛性が必要とされる。
【0076】
スケルトン材料は、ソーダガラスの透明性を改善したガラス、例えば耐熱石英ガラス、又は透明耐熱樹脂のオレフィン・マレイミド共重合体等がある。
【0077】
図2、図3は、本発明のスケルトンスピンレスノズルの一実施例であり、図2は、A−A’側断面図であり、図3は、正面断面図であり、(a1)〜(a3)はマニホールド45にレジスト液を充填と、(b1)〜(b3)は、マニホールド45からレジスト液の吐出する。
【0078】
図2は、A−A’側断面図であり、一実施例では、スリットノズル41の前後側及び上下面に監視カメラ81を配置した事例である。監視カメラ81は、レジスト液と、それと接するノズル内壁を撮像し、レジスト監視機構はその撮像から画像入力し、特徴抽出する画像データ処理により画像パターンデータ等の算出し、レジストの撮像の変化量を画像パターンとして出力する。画像パターンでは、品質情報データベースから正常、又は目標となる画像パターンと、塗布不良時の画像パターンとを比較照合して、レジストの画像パターンの変化量を算出し、塗布不良の発生の予知の情報を抽出する。なお、この場合では、スリットノズル41は、2台配置、タンデム方式を採用している。
【0079】
監視カメラは、高速度で、CCDカメラ、すなわち、400〜1000ショット/secのCCD高速度カメラを用い、その撮像より算出する画像パターンは、静止画像、又はビデオ画像で端末画面上に出力する。
【0080】
監視カメラの撮像は、レジスト液の供給及び吐出動作の動作信号と連動させ、吐出開始前後、吐出中間時、又は吐出終了前後を撮影し、そのうち、各々5から15ショットを画像パターンとする。
【0081】
スリットノズルを用いた塗布方法において、以下のことは公知であり、通常、正常な状態でのスリットノズル内部のレジスト液は、常に同じ状態に流動させつつ塗布することが基本技術として認知されている。本発明では、レジスト液は常に同じ状態の流動する画像パターン、例えば、静止画像、又はビデオ画像を基準とし、撮像より算出した画像パターンの静止画像、又はビデオ画像を照合し、その変化量を抽出する方法である。なお、品質情報のデータベースからは、変化量の変動グラフ等と、この場合の塗布不良の発生までの時間差等の実績データを用いて、塗布不良の発生時間を予知する方法である。また、必要に応じて、スリットノズル41を待機中のスリットノズルに切り替えて、塗布作業を続ける。なお、スリットノズルは、2台を準備したタンデム方式のスリットノズルを装備した。
【0082】
品質情報のデータベースでは、以下のことは公知であり、空気の混入は、例えば空気とレジストが反応してゲル状物質が発生する。本発明の監視項目は、ゲル状物質を抽出することである。すなわちスリットノズルの内部においてレジスト液の滞留が局所的に生じることによってスリットノズル内部のレジスト流動性が悪くなり、局所的にゲル状物質が生じる。
【0083】
空気の混入は、例えば空気が混入する事により塗布開始時の遅れが発生し、吐出開始位置にレジスト液を吐出出来ないため、基板上のレジスト形成位置を計測し、そのズレ量(距離)を抽出する。
【0084】
空気の混入は、例えば空気が混入する事により塗布終了時は、逆にレジスト吐出停止の遅れが発生し、吐出終了位置でレジスト液を吐出停止出来ないため、基板上のレジスト終了位置を計測し、そのズレ量(距離)を抽出する。
【0085】
スリットノズル内において、レジスト液内の気泡の発生の監視、例えばマニホールド上面45a、空気抜き穴47での気泡、その移動状態を抽出し、内壁の気泡の滞留時間若しくは移動速度の遅れの程度からのスリットノズル内壁での清浄度の劣化程度の監視する。
【0086】
図3では、(a1)〜(a3)は、マニホールド45にレジスト液を充填時であり、b1〜b3は、マニホールド45からレジスト液の吐出する正面断面図である。
【0087】
図3では、(a1)〜(a3)は、内壁の清浄度の劣化の程度、すなわちスリットノズル内壁の洗浄処理の実施時機の予知を主として監視し、(a1)〜(a3)では、マニホールド45でのレジスト液の充填時のレジストの流動の変化を監視する。(b1)〜(b3)は、レジスト液の気泡、異物の混入程度、又はレジストの流動性の劣化の程度、すなわちゲル化、又はレジスト詰まりの発生予知を監視し、(b1)〜(b3)では、マニホールド45でのレジスト液の吐出時のレジストの流動の変化を監視する。
【0088】
図3では、(a1)は、スリットノズル41の両側からレジスト液が充填されている。
次いで、(a2)を経て、(a3)は、マニホールド45内にレジスト液が充填され、空気抜き穴47の近傍では、気泡が排出される。監視カメラは、左右の供給口46a、46bと、空気抜き穴47の近傍を撮像する。次いで、(b1)は、レジスト液の吐出動作に連動し、空気抜き穴47の近傍ではレジスト液面が低下し、(b2)を経て、(b3)は、マニホールド45からレジスト液が吐出され、ギャップ41a内のレジスト液まで吐出する。監視カメラは、空気抜き穴47、マニホールド45の内壁、特にマニホールド上面45aのレジスト液面の低下と、ギャップ41a内のレジスト液の流動及びスリット41bのレジスト液の付着を監視するため、空気抜き穴47、マニホールド上面45a、ギャップ41aの内壁及びスリット41bの近傍を撮像する。
【0089】
本発明のスケルトンスピンレスノズルを装備したレジスト塗布装置は、本体2とスリットノズル41及び制御系6とレジスト供給機構9を備え、本体2は、被処理基板を保持する保持台と、スリットノズルを基板の表面に水平走行させる走行部位と、スリットノズルにレジストを供給するレジスト供給源とを備え、スリットノズル41は、レジストを吐出するスリット41aを備え、基板の表面に水平走行させつつ、スリットノズルの内部に充填されたレジストをスリット41aから吐出させることにより、レジストを基板表面に塗布する塗布装置である。スリットノズル41及びレジスト供給機構9は、本発明のスケルトンスピンレスノズルを装備した。スケルトンスピンレスノズルを装備したレジスト塗布装置では、監視カメラが付設され、監視カメラは、高速度、CCDカメラを用い、その撮像より算出する画像パターンは、静止画像、又はビデオ画像で端末画面上に出力する。出力画面では、レジスト液は常に同じ状態に流動状態の画像パターンを基準とし、撮像時の静止画像、又はビデオ画像を照合し、その変化量を画像パターンで開示する。また、変化量の変動から、塗布不良の発生までの時間を予知する方法である。
【0090】
高速度、CCDカメラの監視カメラの撮像と、又は画像入力し、特徴抽出の画像データ処理により画像パターンデータ等の算出等は、公知の技術であり、その方法により実施可能である。なお、レジスト液は常に同じ状態の流動状態の画像パターンを基準として標準化することが重要である。変化量の変動から、塗布不良の発生までの時間を予知は、過去のデータの蓄積、塗布工程管理情報、実験データ等を最適化することが重要となる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明のスケルトンスピンレスノズルの一実施例であり、(a)は、正面断面図であり、(b)は、側断面図である。
【図2】本発明のスケルトンスピンレスノズルの一実施例であり、A−A’側断面図である。
【図3】本発明のスケルトンスピンレスノズルの一実施例であり、正面断面図である。
【図4】従来のスピンレス方式のレジスト塗布装置の一事例について説明図で、(a)は、斜視図であり、(b)は、側断面図であり、レジスト液の塗布動作に係る主たる構成要素を示す図である。
【図5】従来のスリットノズルとレジスト供給機構を示す説明図で、(a)は、正面断面図であり、(b)は、スリットノズルのA−A’側断面図である。
【図6】従来のスリットノズルであり、レジスト液を供給中のスリットノズル41の長手方向に平行な断面の模式図であり、(a)は、正面断面図であり、(b)は、A−A’側断面図である。
【図7】従来のスリットノズルであり、レジスト液中に気泡が混入している場合のスリットノズル41の長手方向に平行な断面の模式図であり、(a)は、正面断面図であり、(b)は、A−A’側断面図である。
【符号の説明】
【0092】
1…レジスト塗布装置
2…本体
3…ステージ
4…架橋構造
5…走行機構
6…制御系
7…スリットノズル洗浄機構
9…レジスト供給機構
13…前塗布機構
21…レジスト膜
30…保持面
31…走行レール
32…開口
40…スリットノズル支持部
41…スリットノズル
41a…ギャップ
41b…スリット
42…ギャップセンサ
43…昇降機構
44…昇降機構
45…マニホールド
45a…(マニホールドの)上面
45b…(マニホールドの)下面
46a…(レジスト液の)供給口
46b…(レジスト液の)供給口
47…空気抜き穴
50…走行機構
51…走行機構
50a…リニアモータ
50b…リニアモータ
51a…リニアモータ
51b…リニアモータ
71…レジスト膜
81…カメラ
90…基板
91…レジスト液供給源
92…供給ポンプ
94…センシング部
95…空気センサー
96…配管
L1…レジスト液供給経路
L2…空気抜経路
V1…空気抜きバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジストを吐出するスリットノズルと、スリットノズルにレジストを供給するレジスト供給源からなるレジスト供給機構とを備え、被処理基板の表面に水平走行させつつ、スリットノズルの内部に充填されたレジストを吐出させることにより、レジストを基板に塗布するスケルトンスピンレスノズルであって、
スリットノズル及びレジスト供給機構は、透明化した部分からなるスケルトンスピンレスノズルであり、透明化した部分からその内部に充填されたレジストが視認されることを特徴とするスケルトンスピンレスノズル。
【請求項2】
前記透明化した部分は、スリットノズルの内壁がレジストに接する部分を含むことを特徴とする請求項1記載のスケルトンスピンレスノズル。
【請求項3】
前記透明化した部分は、レジスト供給機構の内壁がレジストに接する部分を含むことを特徴とする請求項1、又は2記載のスケルトンスピンレスノズル。
【請求項4】
前記透明化した部分は、その表面の一部分がその内壁若しくは充填されたレジストを観察するための監視カメラと、その撮像の変化量を管理するレジスト監視機構によって、レジストの撮像の変化量が監視されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のスケルトンスピンレスノズル。
【請求項5】
本体とスリットノズル及び制御系とレジスト供給機構を備え、本体は、被処理基板を保持する保持台と、スリットノズルを基板の表面に水平走行させる走行機構と、スリットノズルにレジストを供給するレジスト供給源とのレジスト供給機構を備え、スリットノズルは、レジストを吐出するスリットを備え、基板の表面に水平走行させつつ、スリットノズルの内部に充填されたレジストをスリットから吐出させることにより、レジストを基板表面に塗布するスケルトンスピンレスノズルを装備したレジスト塗布装置であって、
スリットノズル及びレジスト供給機構は、前記請求項1乃至4のいずれか1項記載のスケルトンスピンレスノズルを装備したことを特徴とするスケルトンスピンレスノズルを装備したレジスト塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−140825(P2008−140825A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323141(P2006−323141)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】