説明

スズ−ビスマス合金層沈着(析出)のための電解質及び方法

【課題】スズ−ビスマス合金層沈着(析出)のための電解質及び方法
【解決手段】本発明は、一種以上のアルキルスルホン酸及び/又はアルカノールスルホン酸、一種以上の可溶性スズ(II)塩、一種以上の可溶性ビスマス(III)塩、一種以上の非イオン性界面活性剤及び一種以上のチアゾール及び/又はチアヂアゾール化合物を含む、スズ−ビスアス合金の沈着のための酸性電解質を記述する。加えて、前記電解質を用いた方法、該方法を用いて得られたコーティング、並びに電子部品コーティングのための前記電解質の使用も可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スズ−ビスマス合金沈着のための酸性電解質、この電解質を用いた方法、該方法を用いて得られるコーティング、及び電子部品のコーティングのための該電解質の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
電気及び電子アセンブリの製造は、しばしば、機能的な理由から、電解沈着されたスズ−鉛層を有するコーティングを有する部品の使用を必要とする。極めて長い貯蔵期間の後でさえも、これらコーティングは、部品が簡単にはんだ付けできることを確実にする。
【0003】
電気機器及び電子機器の製造における鉛の使用は、それにもかかわらず、そのような機器がゴミ捨て場に保管されるときはいつでも、鉛による環境汚染のリスクをもたらす。腐食プロセスは、はんだ付け接合部からの鉛を水溶性形態に変換させる原因となり、長期的には地下水汚染をもたらすこととなる。2006年7月1日より、欧州連合指令は、わずかな例外を除いて、もはや鉛含有はんだ及び電着スズ−鉛層の使用を認めていない(欧州議会及び欧州理事会による、電気及び電子機器における特定有害物質の使用の制限に関する、2003年1月27日の指令 2002/95/EC)。
【0004】
電着された純スズ層、又は、スズ銅(銅:1−2質量%)、スズ銀(銀:2−5質量%、スズビスマス(ビスマス:2−4質量%)などのスズ合金層が、代替コーティングとして試験されている。プロセス上、純スズコーティングは簡単な技術であり、一見したところではスズ−鉛層の経済的な代替物でもある。ウィスカー形成のリスクは、完全に排除できず、なおも欠点である。ウィスカーは針状のスズの単結晶として定義される。これらは通常、数マイクロメーターの直径を有しているが、数ミリメーターの長さにも到達し得る。電子部品が小型化されるペースが進む結果、ウィスカー形成が近接する導電部品の短絡化を引き起こし得るようになった。これは、電気及び電子機器に、相当量の経済的損失と共に、機能不良を引き起こし得る。
【0005】
スズ層におけるウィスカー形成は、微量のさらなる金属の共沈着によって防止可能である。微量の鉛(少なくとも3質量%)の共沈着は、ここで効果的なプロセスであることが立証されている。上述に説明したように、しかしながら、この共沈着は僅かな用途にのみ許されている。
【0006】
約2−4質量%のビスマスを含有するスズ−ビスマス合金の沈着は、さらに、ウィスカーを防止するための信頼できる措置であることが判明している。より多量のビスマスは不都合となるが、なぜなら、結果として沈着層の靭性が落ちるためであり、従って電子部品のピンが機械的に加工される場合にクラックがコーティングに現れるというリスクがあるためである。その結果、該層のはんだの容易さ及び耐食性などの特性は悪化する。2質量%未満のビスマスが共沈着される場合、ウィスカー形成は完全には除外されない。
【0007】
スズビスマス沈着の適当な工業実施可能な方法が、既に電子製品の製造に使用されており、例えば欧州特許第0255558号明細書、欧州特許第0715003号明細書、日本国特許第2983548号公報及び日本国特許第2132894号公報の明細書などに記載される。
【0008】
スズ(−0.12ボルト)とビスマス(+0.35ボルト)の電気化学ポテンシャルにおける著しい差のために、電解質中Bi3+として溶解形態で存在するビスマスは、電荷交
換の間、より電気陰性のスズ陽極上に沈着する。
【0009】
この反応は以下の式によって起こる:
3Sn0+2Bi3+ → 3Sn2++2Bi0
この電荷交換反応中に沈着するビスマスは、自然に陽極から剥がれ落ちる多孔性のスポンジ状のコーティングの形態で沈着し、それにより、電解質が浸透し、それゆえ部品もコートされる。この場合には、これらビスマス粒子も電着層中に取り込まれ、それゆえさらに技術的には無用な極めて樹枝状の層を生じさせる。これは同様に生産中止に帰着し得る。
【0010】
加えて、上記電荷交換反応は、絶えず電解質から溶解されたビスマスを奪うこととなり、従ってビスマスは十分に補給されねばならず、ゆえにプロセスコストを増大させる。ビスマスの共沈着が2−4質量%の要求された範囲を確保するために、電解質中のビスマス含量を不断の分析に付し、それに従ってビスマス量を補うことが必要とされる。これは相当量の時間と努力を要する。
【0011】
電荷交換反応によるビスマスの損失を防止できた場合、自動定量ポンプとアンペア時計の組み合わせをによって、流れる電流量に従って必要量のビスマス化合物の補給が可能となり得るかもしれない。該方法は、実行することが簡単であり、結果的により経済的となる。この場合、電解質中のより正確なビスマス分析は、単にそれほど頻繁でない間隔で必要とされる。
【0012】
上記電荷交換反応に付随するさらなる欠点は、例えばシステム異常の結果として、コーティング操作が中断され、また部品が電流負荷なしで短時間、電解質中に浸されているときはいつでも、この反応はスズ陽極だけでなく既にコートされた部品上でも起こる。これは、表面に黒色汚れを引き起こし得る。電気めっきがその後続けられた場合、所謂サンドイッチコーティングが生ずる。電荷交換反応によって製造されるスズビスマス層は、電解沈着された二層のスズ−ビスマス層の間に形成されてしまう。ピンが機械的に加工される場合、この層配列はクラック形成につながり得、該層を剥げ落ちさせ得、貧弱なはんだぬれ性になり得る。
【0013】
電荷交換反応の結果とするビスマスの沈着を防止するために、メタンスルホン酸及び該酸のスズ及びビスマス塩からなる電解質の使用が提案されており、該電解質は、有機添加剤として不飽和カルボン酸及びポリエチレンオキサイド/ポリプロピレオキサイドコポリマーの群からの非イオン性界面活性剤を含む(米国特許出願公開第2003/0132122号明細書)。この電解質の場合、ビスマスの沈着は、電荷交換の間、確かに相当減少するが、コーティング内に必要な2質量%のBiの共沈着を達成することは不可能である。電解質中に、総金属含量に対して10質量%ものBiが存在していたとしても、沈着層におけるビスマス含量は約1.5−2質量%にすぎない。
【特許文献1】欧州特許第0255558号明細書
【特許文献2】欧州特許第0715003号明細書
【特許文献3】日本国特許第2983548号公報
【特許文献4】日本国特許第2132894号公報
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/0132122号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が基づく目的は、それゆえ、少なくとも2−4質量%の合金含量を有するスズ−ビスマス合金を沈着するための、利用可能な電解質を製造することであり、該電解質中では、電流が中断される場合、電荷交換の間に既にコートされた表面上にビスマスが沈着さ
れない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
該目的は、一種以上のアルキルスルホン酸及び/又はアルカノールスルホン酸、一種以上の可溶性スズ(II)塩、一種以上の可溶性ビスマス(III)塩、一種以上の非イオン性界面活性剤、及び、一種以上のチアゾール化合物及び/又はチアジアゾール化合物からなる、スズ−ビスマス合金を沈着するための水性酸性電解質によって達成される。
【発明の効果】
【0016】
より電気陰性の金属上への貴金属の沈着を防ぐための前提条件として当業者が予期するであろう、ビスマスの電極電位の負の方向へのシフトを、電解質に含まれている化合物のいずれもがさせないことから、本発明の電解質を用いた上記目的のための解決法は、それゆえ、当業者に関する限りでは驚くべきことである。組み合わせられた時でさえ、電解質に含まれている成分は、平衡電位を陰極にシフトさせない。新たに沈着されたスズ−ビスマス表面上へのビスマスの沈着を避けることは、それゆえ、電気化学条件では説明不可能である。使用時の物質の組合せは無電解浸透法を妨害するが、ビスマスの電解質沈着は妨害しないなどの、抑制効果が存在し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
チアゾール又はチアジアゾール化合物に、何ら特定の制限は加えられない。用語“チアゾール化合物”は、置換された又は非置換の、飽和の又は不飽和のチアゾール化合物のいずれをも定義するためのものである。チアゾール化合物の可能な例は:ベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、6−アミノベンゾチアゾール、2−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、6−メトキシ−2−アミノベンゾチアゾール及び2−チアゾリン
チオール−2が挙げられる。前記のうち、特に好ましいのは、2−メルカプトベンゾチアゾールである。用語“チアジアゾール化合物”は、置換された又は非置換の、飽和の又は不飽和のチアジアゾール化合物のいずれをも定義するためのものである。チアジアゾール化合物の可能な例は:2−アミノ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール及び2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールが挙げられる。チアゾール及びチアジアゾール化合物はそれ自身で又は互いに組合せて使用することができる。
【0018】
チアゾール及び/チアジアゾール化合物の電解質中の濃度は、好ましくは5乃至1,000mg/l電解質、特に好ましくは50乃至500mg/l電解質である。
【0019】
既知のいずれの非イオン性界面活性剤も非イオン性界面活性剤として使用可能である。そのうち、具体的な言及は、エチレン及びプロピレンオキサイドのブロックコポリマー及びコポリマーである。特に好ましいのは、質量平均分子量2,000乃至10,000を有する、一般式H−(OCH2−CH2)m−(OCH(CH3)−CH2)n−OH(式中、m及びnは5乃至60の整数を表す)で表されるポリエチレンオキサイド/ポリプレピレンオキサイドコポリマーである。さらにより好ましい実施態様において、非イオン性界面活性剤は、>30℃の曇点を有する。
【0020】
本発明による電解質中の非イオン性界面活性剤の濃度は、好ましくは、1−50g/lの範囲であり、より好ましくは2−20g/lであり、特に好ましくは5−10g/lである。
【0021】
スズ(II)は鉱酸、アルキルスルホン酸またはアルカノールスルホン酸の塩として電
解質内に存在し得る。鉱酸の塩の例は、スルフェート及びテトラフルオロボレートが挙げられる。好ましいアルキルスルホン酸塩は、例えば、メタンスルホネート、エタンスルホネート、n−及びイソ−プロパンスルホネート、メタンジスルホネート、エタンジスルホネート、2,3−プロパンジスルホネート及び1,3−プロパンジスルホネートが挙げられる。適当なアルカノールスルホネートは、2−ヒドロキシエタンスルホネート、2−ヒドロキシプロパンスルホネート及び3−ヒドロキシプロパンスルホネート等が挙げられる。特に好ましいものは、スズ(II)メタンスルホネートである。
【0022】
スズ(II)塩類は、スズ(II)として計算して、電解質中、好ましくは5乃至200g/l電解質の量で存在し、特に好ましくは10乃至100g/l電解質である。
【0023】
ビスマス(III)塩は、電解質内でBi(III)イオンへの十分な溶解性を可能にする、任意の形態で電解質へ添加できる。添加は、溶解されたBi(III)塩の形態、又は、遊離酸の存在下で電解質中で溶解性Bi(III)化合物に変換される固体化合物の形態で実施され得る。適当なBi(III)塩の例は、塩化物、テトラフルオロホウ酸塩、硝酸塩などの鉱酸の塩、メタンスルホネート、エタンスルホネート、メタンジスルホネート、エタンジスルホネート、2,3−プロパンジスルホネート及び1,3−プロパンジスルホネートなどのアルキルスルホン酸の塩、2−ヒドロキシエタンスルホネート及び3−ヒドロキシプロパンスルホネートなどのアルカノールスルホン酸の塩である。特に好ましいのは、ビスマス(III)メタンスルホネートである。Bi(III)が固体形態で添加される場合、ビスマス(III)カーボネート又はビスマス(III)オキシドが好ましく用いられる。これら化合物はアルカリ及び/又はアルカノールスルホン酸の存在下で電解質中に溶解して、溶解性Bi(III)化合物を形成する。
【0024】
ビスマスの濃度は、得られるスズ−ビスマス合金において要求されるBi量と選択されたスズ(II)塩濃度による。電解質は好ましくはビスマス(III)塩を、2−4%Biの合金組成を有するスズ−ビスマス合金の沈着を可能にする濃度で含む。この場合、Biイオンの濃度は、選択されたスズ(II)濃度に対して、好ましくは3−6%、特に好ましくは5%である。
【0025】
アルキルスルホン酸及びアルカノールスルホン酸は好ましくは1乃至10の炭素原子数、特に好ましくは1乃至5の炭素原子数を有している。一例として、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸、イソ−プロパンスルホン酸、メタンジスルホン酸、エタンジスルホン酸、2,3−プロパンジスルホン酸及び1,3−プロパンジスルホン酸が、アルキルスルホン酸として存在する。適するアルカノールスルホン酸の例としては、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及び3−ヒドロキシプロパンスルホン酸が挙げられる。
【0026】
アルキル及び/又はアルカノールスルホン酸は、好ましくは50乃至300g/l電解質の範囲の濃度で存在し、好ましくは100乃至200g/l電解質の濃度である。
【0027】
さらに、スズの酸化を避けるために、電解質は、例えば、カテコール、ヒドロキノン及びフェノールスルホン酸などのモノ−または多価フェノール化合物などの慣用の酸化防止剤を含み得る。カテコールの使用が好ましい。これら酸化防止剤の濃度は、50乃至2,000mg/l電解質であり得、好ましくは500乃至1,000mg/lである。
【0028】
電解質は、スズ合金の沈着のための酸性電解質で一般的に使用される、結晶粒微細化剤、湿潤剤、増白剤などの様々な添加剤もまた含み得る。
【0029】
結晶粒微細化剤の量は、好ましくは0.1乃至50g/l電解質の量で存在し、好まし
くは1乃至10g/l電解質である。
【0030】
湿潤剤は0.1乃至50g/l電解質の量でに存在し得、好ましくは0.5乃至10g/l電解質である。
【0031】
酸性電解質のpHは、好ましくは0乃至<1である。
【0032】
加えて、本発明は、基板をスズ−ビスマス合金で電解コーティングするための方法を提供するための基礎であって、該方法は新規な電解質、金属陽極及びコートされる基板でできた陰極をコーティングを沈着するために使用し、その方法の間、直流を流すものである;本発明はまた、この方法の使用によって得られるコーティングの提供の基礎である。
【0033】
電流密度は0.1A/dm2(バレル又はラックめっき法)最高100A/dm2(高速システム)であり得る。
【0034】
電解質の温度は好ましくは0乃至70℃の範囲であり、特に好ましくは20乃至50℃の範囲である。
【0035】
銅、銅含有合金、ニッケル−鉄合金(例えば合金42)又はニッケルめっき材料などの、一般に電子部品の製造に用いられる任意の材料が、コートされる基板として存在し得る。
【0036】
本発明の電解質は、電子部品のコートに使用可能である。
【実施例】
【0037】
本発明は以下の実施例及び比較例に基づいてここに説明される。
【0038】
実施例
以下のものを含む電解質を調製した:
150g/l メタンスルホン酸、70質量%
80g/l スズ[Sn(CH3SO32として]
3.5g/l ビスマス[Bi(CH3SO33として]
1g/l カテコール
4g/l EO/POブロックコポリマー(BASF社のプルロニック(Pluronic)PE6400、分子量約2,900)
1g/l メタクリル酸
200mg/l 2−メルカプトベンゾチアゾール
【0039】
この電解質中、銅シートのコーティングは以下の条件下で実施した。
温度: 40℃
電流密度: 10A/dm2
運動: 磁気撹拌、700rpm
継続時間: 2分間
【0040】
この方法で得られるスズ−ビスマスコーティングは、2.8%のBi(残りはSn)合金含量を有する10μmの層厚さを有していた。
【0041】
電荷交換中のビスマスの沈着を試験するために、同一の条件下で、さらに試験シートをコートした。2分間の沈着後、電流を止め、シートを夫々30、60、120及び180秒間、電解質中に保持した。合金組成を、X線蛍光分析の手法によって測定した。
【表1】

【0042】
全ての表面が均一な半光沢の金属性外観であった。
【0043】
比較例
実施例1と同様の条件下で、以下の組成を有する電解質からの沈着を実施した。
150g/l メタンスルホン酸、70質量%
80g/l スズ[Sn(CH3SO32として]
3.5g/l ビスマス[Bi(CH3SO33として]
1g/l カテコール
5g/l 12EO基を有する2−ナフトールエトキシレート(BASF社のルガルバン(Lugalvan)BNO−12)
0.5g/l ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物(BASF社のタモール(Tamol)NN4501)
【表2】

【0044】
この方法によって沈着されたこれら試料表面は、デッド露出後、継続時間に応じて、かなりの濃い変色を示した。180秒の持続的な露出後、表面は深みのある黒色であった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種以上のアルキルスルホン酸及び/又はアルカノールスルホン酸、
一種以上の可溶性スズ(II)塩、
一種以上の可溶性ビスマス(III)塩、
一種以上の非イオン性界面活性剤、及び
一種以上のチアゾール化合物及び/又はチアジアゾール化合物
を含む、スズ−ビスマス合金の沈着のための水性酸性電解質。
【請求項2】
前記チアゾール化合物が、ベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、6−アミノベンゾチアゾール、2−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、6−メトキシ−2−アミノベンゾチアゾール及び2−チアゾリンチオール−2から選択される、請求項1記載の電解質。
【請求項3】
前記チアジアゾール化合物が、2−アミノ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール及び2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールから選択される、請求項1記載の電解質。
【請求項4】
前記チアゾール化合物及び/又はチアジアゾール化合物が、前記電解質中、5乃至1,000mg/lの濃度で存在している、請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の電解質。
【請求項5】
前記非イオン性界面活性剤が、ポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドコポリマーである、請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の電解質。
【請求項6】
前記ポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドコポリマーが、質量平均2,000乃至10,000の分子量を有する、一般式 H−(OCH2−CH2)m−(OCH(CH3)−CH2)n−OH(式中、m及びnは5乃至60の整数を表す。)で表されるポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドコポリマーである、請求項5記載の電解質。
【請求項7】
前記ポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドコポリマーが>30℃の曇点を有する、請求項6記載の電解質。
【請求項8】
一種以上の多価フェノール化合物がさらに存在する、請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の電解質。
【請求項9】
前記多価フェノール化合物がカテコールである、請求項8記載の電解質。
【請求項10】
スズ−ビスマス合金を基板に電解コーティングする方法であって、前記コーティングが、請求項1乃至9のうち何れか一項に記載の前記電解質を通じて直流を通過させることによって、さらに金属スズ陽極を用いることによりかつコートされるべき基板でできた陰極を用いることによって実施される、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法によって得られるコーティング。
【請求項12】
電子部品のコーティングのための、請求項1乃至9のうち何れか一項に記載の前記電解質の使用。


【公表番号】特表2008−536011(P2008−536011A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505749(P2008−505749)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002183
【国際公開番号】WO2006/108476
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(504324730)デーエル.−イーエヌゲー.マックス シュレッター ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー (2)
【Fターム(参考)】