説明

スズスクロース付加物の塩基を利用した形成

スクロース−6−エステルを形成する方法が、a)アミン及び塩基性アルカリ金属塩から選択される塩基の存在下で溶媒中で、スクロースを有機スズベースのアシル化促進剤と接触させる工程、b)水を除去して、スズスクロース付加物を形成する、除去する工程、並びにc)上記スズスクロース付加物をアシル化剤と接触させて、上記スクロース−6−エステルを形成する、接触させる工程を順次含む。スクロース−6−エステルを次いでスクラロースへと変換してもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
スクロースから作られる高甘味度甘味料であるスクラロース(4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース)は、多くの食品用途及び飲料用途で使用することができる。
【0002】
【化1】

【0003】
スクラロース調製のための多数の異なる合成経路が開発されているが、これらの経路では、6位の反応性ヒドロキシルが初めにアシル基でブロックされ、スクロース−6−エステルが形成される。アシル基は典型的にはアセチル又はベンゾイルであるが、他のものを使用してもよい。次いで、スクロース−6−エステルが塩素化され、4位、1’位、及び6’位のヒドロキシルが置換されて、4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース−6−エステル(本明細書中ではスクラロース−6−エステルと称される)が生じ、続いて加水分解によってアシル置換基が除去され、それによりスクラロースが生じる。スクロース−6−エステル形成のための幾つかの合成経路は、スズ媒介アシル化反応を伴い、その具体例は特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5(全て参照により本明細書中に援用される)に開示されている。
【0004】
様々な塩素化剤をスクロース−6−エステルを塩素化するために使用することができるが、最も一般的にはアーノルド試薬等のビルスマイヤー型の塩が使用される。好適な塩素化プロセスの一つがWalkup et al.(特許文献6(参照により本明細書中に援用される))によって開示されている。このプロセスでは、第三級アミド、典型的にはN,N−ジメチルホルムアミド(「DMF」)が塩素化反応溶媒として使用される。塩素化が完了した後、スクロースの基部(base sucrose moiety)上のアーノルド試薬の付加物、及び過剰の塩素化試薬が塩基水溶液で中和(「クエンチ」)され、塩素化試薬の反応により得られる第三級アミド溶媒及び塩とともに、水溶液中にスクラロース−6−エステルが生じる。次いで、スクラロース−6−エステルが脱アシル化され、スクラロースが生じる。好適な脱アシル化プロセスの一つは、Navia et al(特許文献7(その開示全体が参照により本明細書中に援用される))によって教示されている。スクロース−6−エステル調製の収率及び選択性を改善することにより、スクラロース収率及びプロセス効率が増加し、並びに精製が簡素化されることは明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,950,746号
【特許文献2】米国特許第5,023,329号
【特許文献3】米国特許第5,089,608号
【特許文献4】米国特許第5,034,551号
【特許文献5】米国特許第5,470,969号
【特許文献6】米国特許第4,980,463号
【特許文献7】米国特許第5,498,709号
【発明の概要】
【0006】
本発明は、スクロース−6−エステルを形成する方法を提供する。該方法は、
a)アミン及び塩基性アルカリ金属塩から選択される塩基の存在下で溶媒中で、スクロースを有機スズベースのアシル化促進剤と接触させる工程、
b)水を除去して、スズスクロース付加物を形成する工程、並びに
c)前記スズスクロース付加物をアシル化剤と接触させて、前記スクロース−6−エステルを形成する工程を順次含む。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、スクラロースを製造する方法を提供するが、ここで中間体スクロース−6−エステルの形成において、水除去(「脱水」)工程の前に塩基がスクロース及び有機スズベースのアシル化促進剤の混合物とともに含まれており、この工程により、スズスクロース付加物が形成され、次にこれがアシル化されて、エステルを形成する。プロセスにおけるこの時点での塩基の添加は、スクロース−6−エステルを製造するためのスクロースのスズ媒介性アシル化の収率及び選択性を増加し得る。本発明によるスクラロースを製造する全体的なプロセスがここで記載され、続いて各種工程がより詳細に開示される。
【0008】
スクロースからのスクラロースの調製に関する好適なプロセスの1つは、下記工程を包含する。まず、スクロースの6位におけるヒドロキシルを、アセテート又はベンゾエートのようなエステル基でブロックする。次に、生じるスクロース−6−エステルの4位、1’位及び6’位におけるヒドロキシルは、4位での立体化学的配置の反転を伴って、クロロ基へ変換される。4位での立体化学的配置の反転を伴うエステルの4位、1’位及び6’位におけるヒドロキシルのクロロ基への変換は、Walkupの特許文献6、Jaiの米国特許出願公開第2006/0205936号及びFryの米国特許出願公開第2007/0100139号(それらの開示が全て、参照により本明細書に援用される)に開示されている。続いて、生じるスクラロース−6−エステルの6位におけるエステル基を除去して、生じる生成物であるスクラロースを精製及び単離する。このプロセス、又はそのプロセスの個々の工程のいずれも、パッチプロセス又は連続プロセスのいずれかであり得る。下記事項は、プロセスの幾つかの実施形態がどのように実施され得るかの詳述である。
【0009】
スクロース−6−エステルの調製
スクロースの6−ヒドロキシルの選択的保護は、有機スズベースのアシル化促進剤の存在下、無水極性非プロトン性溶媒中で、スクロース−6−エステルを生成させるのに十分な温度及び期間で、スクロースと無水酢酸又は無水安息香酸等のカルボン酸無水物とを反応させることによって実行することができる。6−エステル基は6位のヒドロキシルを塩素化反応から保護する。したがって、塩素化反応条件に安定であり、得られたスクラロースに影響を与えない条件下で除去することができる任意のエステル基が使用され得る。スクロース−6−アセテートを調製する場合、有機スズベースのアシル化促進剤として、例えば1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタンノキサン、及びカルボン酸無水物として無水酢酸を使用することができる。スクロース−6−エステルの調製は、例えばO' Brienの米国特許第4,783,526号、Naviaの特許文献1、Simpsonの米国特許第4,889,928号、Neiditchの特許文献2、Walkupの特許文献3、Vernonの特許文献4、Sankeyの特許文献5、Kahnの米国特許第5,440,026号、Clarkの米国特許第6,939,962号、及びLiの米国特許出願公開第2007/0227897号(それらの開示が全て、参照により本明細書中に援用される)に開示されている。
【0010】
スクロース−6−エステルの典型的な調製は、2工程プロセスを採用する。まず、スクロースを、溶媒中で有機スズベースのアシル化促進剤と接触させて、反応の水を除去して、スズスクロース付加物を形成する。次に、スズスクロース付加物を含有する反応混合物を、カルボン酸無水物と接触させる。スクロース−6−エステルは、生じる反応混合物から単離することができる。あるいは、有機スズアシル化促進剤及び/又はその反応生成物は、反応混合物から除去することができ、生じた極性非プロトン性溶媒中のスクロース−6−エステルの溶液は、次工程、即ち4位、1’位及び6’位のヒドロキシルのクロロ基への変換で使用することができる。
【0011】
極性非プロトン性溶媒の選択は、スクロース、有機スズベースのアシル化促進剤及び生じるスタンニル化されたスクロース生成物の溶媒中での溶解度により、並びに安全性及び毒性の考慮により決定される。好ましくは、極性非プロトン性溶媒の沸点は、大気圧での水の沸点よりも高い。より好ましくは、極性非プロトン性溶媒の沸点は、大気圧での水の沸点よりも少なくとも50℃高い。好適な極性非プロトン性溶媒は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、及び好ましくはN,N-ジメチルホルムアミドである。
【0012】
使用されるべき極性非プロトン性溶媒の量もまた、上述の溶解度の考慮により決定される。極性非プロトン性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドである場合、通常、スクロース1g当たり約8g〜約22gの極性非プロトン性溶媒、好ましくはスクロース1g当たり約8g〜約12gの極性非プロトン性溶媒を使用することができる。
【0013】
有機スズベースのアシル化促進剤は当該技術で既知の促進剤、例えばNaviaの特許文献1、Neiditchの特許文献2、Walkupの特許文献3及び/又はVernonの欧州特許出願公開第0475619号(それらの開示が全て、参照により本明細書に援用される)に開示されている促進剤のいずれであってもよい。特に、有機スズベースのアシル化促進剤は1,3−ジ(ヒドロカルビルオキシ)−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタンノキサン、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシド、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシドと二価アルコール、アルカノールアミン、又はエノール化可能なα−ヒドロキシケトンとの反応生成物、及び1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタンノキサンからなる群から選択することができる。ジ(ヒドロカルビル)スズジアルコキシド(例えば、ジメトキシド)を使用してもよい。「ヒドロカルビル」という用語は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を指す。有機スズベースのアシル化促進剤は好ましくは、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタンノキサンである。
【0014】
有機スズベースのアシル化促進剤が1,3−ジ(ヒドロカルビルオキシ)−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタンノキサンである場合、このヒドロカルビルオキシ基は好ましくは、C〜Cアルコキシ基又はフェノキシ基、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基又はn−ヘキシルオキシ基であり、最も好ましくはメトキシ基である。したがって、ヒドロカルビル基は、好ましくはアルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基、最も好ましくはn−ブチル基である。
【0015】
有機スズベースのアシル化促進剤がジ(ヒドロカルビル)スズオキシドである場合、このヒドロカルビル基は、好ましくはアルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基、最も好ましくはn−ブチル基である。
【0016】
有機スズベースのアシル化促進剤がジ(ヒドロカルビル)スズオキシドと二価アルコール、アルカノールアミン、又はエノール化可能なα−ヒドロキシケトンとの反応生成物である場合、上記ジ(ヒドロカルビル)スズオキシドが好適である。二価アルコールはアルカンジオール、好ましくは炭素原子2個〜8個を有するアルカンジオールであり得る。好適な例には、エチレングリコール、2,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、及び1,2−ヘキサンジオールがある。代替的に、二価アルコールは、シクロアルカンジオール、好ましくは炭素原子5個〜8個を有するシクロアルカンジオールであることができる。好適な例には、1,2−シクロヘキサンジオール及び1,2−シクロペンタンジオールがある。いずれの場合も、2個のヒドロキシル基は、これらが結合している炭素鎖上で互いに4個よりも多くの炭素原子で隔てられていないことが好ましく、これらが隣接する炭素原子上に存在するか、又はヒドロキシル基が結合している炭素原子を隔てる炭素原子が1個存在すると好ましい。アルカノールアミンは、好ましくはC〜Cアルカノールアミンであり、またヒドロキシル基とアミノ基とが、これらが結合している炭素鎖上で互いに4個よりも多くの炭素原子で隔てられていないことが好ましく、ヒドロキシル基とアミノ基とが隣接する炭素原子上に存在するか、又はヒドロキシル基及びアミノ基が結合している炭素原子を隔てる炭素原子が1個のみであるとさらに好ましい。好適なアルカノールアミンは、エタノールアミン、2−アミノ−1−プロパノール、及び1−アミノ−2−プロパノールである。好適なエノール化可能なα−ヒドロキシケトンは、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン及び3−ヒドロキシ−2−ブタノンである。
【0017】
幾つかの実施形態において、有機スズベースのアシル化促進剤は、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタンノキサンである。この1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタンノキサンのヒドロカルビル基は、好ましくはアルキル基、より好ましくはC〜Cアルキル基、最も好ましくはブチル基であり、したがって1,1,3,3−テトラブチルジスタンノキサンは、特に好ましい。アシルオキシ基が使用されるカルボン酸無水物のアシル基と一致していると好都合であり、したがって例えば、スクロース−6−アセテートを調製する場合、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタンノキサン(ジスタンノキサンジアセテート、即ちDSDA)は最も好ましい。
【0018】
有機スズベースのアシル化促進剤が1分子当たり2個のスズ原子を含有する二核性の種である場合(例えば、ジスタンノキサン)、スクロース1モル当たり好ましくは0.5モル当量〜2.5モル当量、より好ましくは0.75モル当量〜1.2モル当量、さらに好ましくは0.9モル当量〜1.1モル当量、最も好ましくは1.0モル当量でアシル化促進剤を反応混合物中に存在させる。有機スズベースのアシル化促進剤が1分子当たり1個のスズ原子を含有する単核性の種である場合(例えば、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシド)、スクロース1モル当たり好ましくは0.5モル当量〜2.5モル当量、より好ましくは0.8モル当量〜1.5モル当量、最も好ましくは1.2モル当量でアシル化促進剤を反応混合物中に存在させる。
【0019】
スズスクロース付加物を形成するために、極性非プロトン性溶媒中にスクロースを含む第1の反応混合物は、極性非プロトン性溶媒、通常N,N−ジメチルホルムアミド中にスクロースを溶解させることによって調製される。わずかな加熱を使用して、スクロースを溶解させることができる。次に、有機スズベースのアシル化促進剤を反応混合物へ添加する。スクロースと促進剤との反応を開始し、スズスクロース付加物を形成する水の除去前に、塩基もまた反応混合物へ添加される。これは、水が除去される前に行われる限りは、有機スズベースのアシル化促進剤が添加される前又は後のいずれに行ってもよい。好適な塩基としては、アルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物、三塩基性リン酸塩、二塩基性リン酸塩及びカルボン酸塩が挙げられる。同様に、アミン、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)もまた好適である。少なくとも100℃、より典型的には少なくとも120℃の沸点を有するアミンが通常使用されるが、他の沸点も許容可能である。他の第三級アミンもまた、本発明に従って使用されてもよく、同様に第一級アミン及び第二級アミンも使用され得る。好適なアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、エタノールアミン、アニリン、t−ブチルアミン及びモルホリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソピロピルアミン、ピペリジン、ピロリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)及びジメチルエタノールアミン(DMEA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
続いて、任意の従来の方法により、生じる混合物から水を除去してもよい。例えば、Sankeyの特許文献5、Whiteの欧州特許第0776903号及びVernonの欧州特許第0475619号(それらの開示が参照により本明細書に援用される)に記載されるような共蒸留により水を除去することが可能な添加される無極性共溶媒を使用して、反応の水の効率の良い除去を促進してもよい。かかる溶媒は通常、極性非プロトン性溶媒、有機スズベースのアシル化促進剤又はスクロースと反応しないもの、極性非プロトン性溶媒、有機スズベースのアシル化促進剤及びスクロースとの混合物を生じるもの、約75℃〜約153℃の範囲内、好ましくは100℃未満の内部反応温度で環流するもの、水と共蒸留するもの、並びにスクロースを不溶性にさせないものである。かかる溶媒は通常、飽和炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、ケトン及びエーテルのような水と不混和性であり、且つ水と一定組成の最低沸点(minimum-boiling)共沸混合物を形成するものである。かかる溶媒の例としては、シクロヘキサン、n−ヘプタン、トルエン及びイソオクタン(2,2,4−トリメチルペンタン)が挙げられる。本発明の1つのさらなる態様では、減圧下での蒸留により、水及び極性非プロトン性溶媒の少なくとも一部の除去後に形成される第1の反応混合物は、スクロース、極性非プロトン性溶媒、有機スズベースのアシル化促進剤及びそれらの反応生成物で本質的に構成される。
【0021】
スクラロース−6−エステルの調製
スクロース−6−エステルをスクラロース−6−エステルへと変換するために、スクロース−6−エステルの4位、1’位、及び6’位のヒドロキシルをクロロ基へと変換し、4位での立体化学的配置を反転させる。4位での立体化学的配置の反転を伴う、このエステルの4位、1’位、及び6’位のヒドロキシルのクロロ基への変換は、Walkupの特許文献6、Jaiの米国特許出願公開第2006/0205936号、及びFryの米国特許出願公開第2007/0100139号(それらの開示が全て、参照により本明細書中に援用される)に開示されている。
【0022】
塩素化プロセスは以下の工程を含む。スクロース−6−エステル、第三級アミド、及び少なくとも7モル当量の塩素化剤を含む反応混合物を調製する。例えば、一プロセスでは、スクロース−6−エステルは、約20重量%〜約40重量%のスクロース−6−エステルを含む供給流中に添加することができる。反応混合物中の全炭水化物に対する第三級アミドの重量比は、約5:1〜約12:1であり得る。代替的には、予め形成したクロロホルムイミニウム塩、例えば(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロリド(アーノルド試薬)等を使用することができる。(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロリドは、例えばホスゲンとN,N−ジメチルホルムアミドとの反応によって調製することができる。典型的には、スクロース−6−エステルに対する(クロロメチレン)ジメチルアンモニウム塩のモル比は約7:1〜約11:1である。
【0023】
続いて、スクロース−6−エステルの2位、3位、4位、1’位、3’位、4’位、及び6’位のヒドロキシル基を、O−アルキルホルムイミニウム基へと変換する。得られた反応混合物を、残存するヒドロキシル基がO−アルキルホルムイミニウム基として残るスクラロース−6−エステルの誘導体を含有する生成物を生成させるのに十分な温度(単数又は複数)及び期間(単数又は複数)で加熱する。例えば、Walkupの特許文献6(その開示が参照により本明細書中に援用される)及びFryの米国特許出願公開第2007/0100139号(その開示が参照により本明細書中に援用される)は、かかるプロセスを開示している。
【0024】
クロロホルムイミニウム塩又はビルスマイヤー試薬の形成は塩素化反応に必須ではないため、塩素化剤とは、クロロホルムイミニウム塩若しくはビルスマイヤー試薬を形成するために使用することができるか、又はスクロース−6−エステルのヒドロキシル基をクロロ基へと変換することができる任意の化合物を指す。第三級アミドと反応し、クロロホルムイミニウム塩を形成することができる幾つかの塩素化剤としては、例えばホスゲン、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、塩化オキサリル、クロロギ酸トリクロロメチル(「ジホスゲン」)、炭酸ビス(トリクロロメチル)(「トリホスゲン」)、及びメタンスルホニルクロリドが挙げられる。使用することができる第三級アミドとしては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルモルホリン、及びN,N−ジエチルホルムアミドが挙げられる。N,N−ジメチルホルムアミドを第三級アミドとして使用する場合、反応溶媒としても使用することができる。最大で反応媒体の液体相の約80容量%以上の共溶媒を使用することができる。有用な共溶媒は、共に化学的に不活性であり、反応が一塩素化段階で本質的に均一となることを可能とする十分な溶媒力をもたらす溶媒、例えばトルエン、o−キシレン、1,1,2−トリクロロエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルである。
【0025】
反応混合物のクエンチによって、2位、3位、3’位、及び4’位のヒドロキシル基が元に戻り、スクラロース−6−エステルが形成される。反応混合物は、反応において使用される塩素化剤の量に対して約0.5モル当量〜約2.0モル当量、典型的には約1.0モル当量〜約1.5モル当量のアルカリを添加することによってクエンチすることができる。反応をクエンチするために、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物の水性スラリー、又は水酸化アンモニウム水溶液を使用することができる。例えば、約5重量%〜約35重量%、典型的には約8重量%〜約20重量%、好ましくは約10重量%〜約12重量%を含有する水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を使用することができる。
【0026】
下記に記載されるように、二重流(dual stream)プロセス又は循環プロセスによって反応混合物にアルカリを添加することでクエンチを実行することができる。いずれの場合も、アルカリの添加の間、pH及び温度を制御する。クエンチは典型的には、約8.5〜約10.5のpH及び約0℃〜約60℃の温度で実行される。好ましくは、pHはクエンチ反応の間、約10.5を上回ってはならない。
【0027】
二重流プロセスにおいては、クエンチは、反応容器にアルカリ水溶液をゆっくりと添加すると同時に、塩素化反応材料をゆっくりと添加することによって実行される。塩素化反応混合物及びアルカリ水溶液は、所望の量の塩素化反応混合物が添加されるまで同時にゆっくりと添加される。さらなるアルカリ水溶液を所望のpHに達するまで添加する。次いで、反応の残りの期間中、温度及びpHを所望のレベルに維持する。このプロセスはバッチプロセスであっても、又は連続プロセスであってもよい。
【0028】
循環プロセスにおいては、クエンチは塩素化反応混合物を容器から循環ループを通して循環させることによって実行される。塩素化反応混合物及びアルカリ水溶液を、この循環ループ内にゆっくりと添加する。所望のpHに達するまで十分なアルカリ水溶液を添加する。次いで、反応の残りの期間中、温度及びpHを所望のレベルに維持する。このプロセスはバッチプロセスであっても、又は連続プロセスであってもよい。
【0029】
クエンチに続いて、酸性水溶液、例えば塩酸水溶液を添加することによって反応混合物を中和することができる。得られた混合物は、主要な溶媒が水である水性溶媒中に、スクラロース−6−エステル、塩素化炭水化物不純物を含む他の炭水化物、未反応の第三級アミド、及び塩を含むものである。
【0030】
スクラロース−6−エステルのスクラロースへの変換
スクラロース−6−エステル含有水性供給流は、典型的にはスクラロース及びスクラロース−6−エステルの両方を含む。スクラロース−6−エステルを加水分解する方法は、例えばCataniの米国特許第5,977,349号、同第6,943,248号、同第6,998,480号、及び同第7,049,435号、Vernonの米国特許第6,890,581号、El Kabbaniの米国特許第6,809,198号、及び同第6,646,121号、Naviaの米国特許第5,298,611号及び特許文献7、及び米国特許出願公開第2004/0030124号、Liesenの米国特許出願公開第2006/0188629号、Fryの米国特許出願公開第2006/0276639号、El Kabbaniの米国特許出願公開第2007/0015916号、Deshpandeの米国特許出願公開第2007/0160732号、並びにRatnamの米国特許出願公開第2007/0270583号(それらの開示が全て、参照により本明細書中に援用される)に開示されている。
【0031】
例えば、(a)スクラロース−6−エステルは、保護基の除去を達成するのに十分な温度及び期間で、反応混合物のpHを約11±1へ上昇させることによってスクラロースへと加水分解することができ、(b)第三級アミドを例えば水蒸気ストリッピングによって除去する。工程(a)又は工程(b)のいずれを最初に実行してもよい。代替的には、スクラロース−6−エステルのスクラロースへの変換は、ナトリウムメトキシドを含有するメタノール中で実行することができる。スクラロース−6−エステルがスクラロース−6−アセテートである場合、スクラロース及び酸のメチルエステル、例えば酢酸メチルを形成するエステル交換反応が起こる。酸のメチルエステルは、蒸留によって除去することができ、得られたスクラロース含有生成物を水に溶解させることができる。スクラロースは最終的に精製及び単離される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のプロセスはスクラロースの調製に有用である。スクラロースは、多くの食品用途及び飲料用途、並びに他の用途で使用することができる高甘味度甘味料である。かかる用途としては、例えば飲料、複合甘味料(combination sweeteners)、消費者製品、甘味料製品、錠剤コア(tablet cores)(Luberの米国特許第6,277,409号)、医薬組成物(Luberの米国特許第6,258,381号、Rocheの米国特許第5,817,340号、及びMcNallyの米国特許第5,593,696号)、速吸収性液体組成物(Gelotteの米国特許第6,211,246号)、安定な発泡組成物(Gowan, Jr.の米国特許第6,090,401号)、デンタルフロス(Ochsの米国特許第6,080,481号)、速崩壊性医薬品剤形(Gowan, Jr.の米国特許第5,876,759号)、薬用飲料濃縮物(Shahの米国特許第5,674,522号)、医薬水性懸濁液(Ratnarajの米国特許第5,658,919号、Gowan, Jr.の米国特許第5,621,005号及び同第5,374,659号、並びにBlaseの米国特許第5,409,907号及び同第5,272,137号)、フルーツスプレッド(Antenucciの米国特許第5,397,588号、及びSharpの米国特許第5,270,071号)、液体濃縮組成物(Antenucciの米国特許第5,384,311号)、及び安定化ソルビン酸溶液(Merciadezの米国特許第5,354,902号)が挙げられる。許容甘味度(acceptable sweetness)の決定は、当業者に良く知られた当該技術分野で既知の様々な標準「味覚テスト」プロトコル、例えばMerkelの米国特許第6,998,144号及びShamilの米国特許第6,265,012号において言及されるプロトコル等によって達成することができる。
【0033】
本発明の有利な特性は、本発明を説明するが、限定するものではない以下の実施例を参照することにより認めることができる。
【実施例】
【0034】
300mL容の三つ口丸底パイレックス(登録商標)フラスコに、温度制御装置へ接続した温度プローブ及び循環冷却装置により10℃で冷却される凝縮器を上部に取り付けたディーン・スタークトラップを装着した。スクロース32.9mmol(11.25g)を、指示量の塩基又は他の試薬(存在する場合)と一緒にフラスコへ添加して、ディーン・スタークトラップにシクロヘキサンを充填した。シクロヘキサンはまた、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタンノキサン(DSDA)のシクロヘキサン溶液の添加後に、反応フラスコ中のDMF全体対シクロヘキサンの比が約2.5:1であるように、反応フラスコにも添加した。過剰のシクロヘキサンの添加により、所望の環流温度95℃に到達するまで、シクロヘキサンをディーン・スタークトラップから徐々に除去することによって、DMF対シクロヘキサンの比がしっかりと制御されるのを可能にした。シクロヘキサン及び糖の混合物へDMF94.4gを、続いてICP(誘導結合プラズマ原子発光)分光法により測定される場合に約50%(w/w)のスズ濃度を有するシクロヘキサン中のDSDA32.9mmmol(19.73g)を添加した。温度制御装置は、95℃に設定した。シクロヘキサンは、環流反応混合物が内部温度95℃に到達するまで、ディーン・スタークトラップから徐々に除去された。反応を95℃で90分間、環流させた。熱を除去して、反応を冷却した。反応温度が40℃に達した時点で、無水酢酸38.2mmol(3.9g、1.16当量)を添加して、反応を2時間攪拌した。反応を水25mLでクエンチした。反応混合物をシクロヘキサン250mLで抽出して、再生されたスズ化合物を除去すると、生成物の水溶液が残り、これをHPLCにより分析した。
【0035】
信頼性の高いベースライン(対照)は、添加塩基の非存在下で上記の反応を10回実行することにより確立されて、塩基を混ぜた反応の分析用の統計学的に有意な集団のデータを得た。反応は、試薬(塩基、又は場合によっては非塩基性ナトリウム塩)を含めて反復され、試薬は、反応設定の開始時にスクロースが添加されるのと同時に反応フラスコへ添加された。反応は、指示試薬それぞれを用いて数回実行して、データを平均化した。ベースライン及び試薬含有反応の結果を表1及び表2に示す。
【0036】
モル収率の増加
表1は、ベースライン組成からの偏差という観点で実験データを提示する。Di1〜Di4と表示した種は、スクロースジアセテートであり、Tri1及びTri2は、スクローストリアセテートであり、S−6−A、S−4−A及びS−2-Aはそれぞれ、スクロース−6−アセテート、スクロース−4−アセテート及びスクロース−2−アセテートであり、Mono1及びMono2は、S−6−A、S−4−A及びS−2−A以外のスクロースモノアセテートである。当量は、アシル化剤(無水酢酸)の量に対して報告される。
【0037】
【表1】

【0038】
上記のデータは、脱水工程の前にスクロース及びスズ化合物の混合物中に塩基を含ませることの利点を明らかに示す。より高レベル(0.5当量〜1当量)では、炭酸ナトリウムは収率損失を引き起こすが、より低レベルでは、収率は、試験した条件全てに関してベースラインよりも増加する。さらに、水酸化ナトリウム水溶液の添加もまた、有意な収率増加を提供する。これは、脱水に関与する中間体のタイプが水に対して感受性が高いことを考えると、特に驚くべきことである。炭酸カリウムもまた、有意に有益な効果を与える。0.1当量では、10.3%のS−6−Aの収率増加は、相当するレベルの炭酸ナトリウムに関する増加である8.4%よりも高い。任意の特定の理論又は説明に拘束されることを望まないが、この差はジメチルホルムアミド溶媒中の炭酸カリウムの溶解度の増加に起因し得ると本発明者らは考える。非塩基性硫酸ナトリウム及び非塩基性硫酸水素ナトリウムは、有益な効果をもたらさず、実際に幾分収率を損なう。
【0039】
上記データから、0.2モル当量の水酸化ナトリウム(23重量%水溶液)の添加により最も良好な結果が達成されることが明らかである。この塩基は、S−6−Aのモル収率を11.7%増加させた。
【0040】
非常に少量の塩基を添加した場合でさえ、S−6−A収率に対する有益な効果が依然として観察されることに留意されたい。この驚くべき効果の理由は明らかではないが、効果は有意である。
【0041】
選択性の増加
表2は、選択性に関するデータを提示する。各サンプルは、特定の種に関する優先性が見られるように100%へ標準化する。
【0042】
【表2】

【0043】
反応選択性の増加は、より高レベルの炭酸ナトリウムの添加実験(0.5当量及び1.0当量)を除いて、全ての塩基に関してベースライン条件を上回って観察される。例えば、より低量のDi4、S−2−A及び未反応のスクロースに留意されたい。これらの反応に関して、スクロースレベルの上昇は、不完全な反応又は生成物分解を示唆し、いずれの場合でも、これは、少なくとも幾つかの場合で、添加して、かつ依然として有益性を受けることができる炭酸ナトリウムのレベルに関する上限を示す。
【0044】
0.25当量、0.1当量及び0.05当量の炭酸ナトリウムレベルの減少に伴って、選択性のわずかな増加が見られ、これは試行した最低レベルである0.01当量で下落し始める。また、炭酸カリウムは、同様に溶解度の増加に起因して等量の炭酸ナトリウムの添加よりもわずかに良好な結果をもたらし、有益な効果をより顕著に示す。水酸化ナトリウムは、アセチル化反応の選択性を少なからぬ7.2%増加させ、同様に水酸化ナトリウムが最終的に脱水される混合物へ水溶液として添加されたという点で驚くべきことである。
【0045】
最良の結果がアシル化剤(又はDSDA又はスクロース)に基づく化学量論量よりも有意に低い塩基レベルで得られたことは注目に値する。
【0046】
さらに、有機塩基もまたアセチル化を改善し得るかどうかを研究するために、0.2当量のヒューニッヒ塩基(第三級アミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)を使用してアセチル化を行った。上述するように、塩基は脱水の前に添加した。表3は、平均ベースライン、上記で報告されるNaOH実行及び炭酸ナトリウム実行と比較して、結果を要約する。明らかなように、ヒューニッヒ塩基もS−6−Aの収率を有意に改善した。他の第三級アミン、並びに第一級アミン及び第二級アミンもまた、本発明に従って使用され得る。t−ブチルアミン及びモルホリン(それぞれ、第一級アミン及び第二級アミン)に関するデータも示され、同様にS−6−Aの収率を改善した。他の好適なアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、エタノールアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、ピロリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、DBU、ジメチルエタノールアミン(DMEA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
同様に、スクロースを用いただけでなく、脱水後に0.2当量のNaOH(23%水溶液)を添加することによって得られたデータも表3に含まれる。プロセスにおけるこの時点でのNaOHの添加は、収率を改善するどころか、非常に有害であった。
【0048】
【表3】

【0049】
本発明を、具体的な実施形態を参照して本明細書中に例証及び説明したが、本発明は提示した詳細に限定されることを意図されない。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の均等物の範囲(scope and range)内の細部において様々な修正を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクロース−6−エステルを形成する方法であって、
a)アミン及び塩基性アルカリ金属塩から選択される塩基の存在下で溶媒中で、スクロースを有機スズベースのアシル化促進剤と接触させる工程、
b)水を除去して、スズスクロース付加物を形成する工程、並びに
c)前記スズスクロース付加物をアシル化剤と接触させて、前記スクロース−6−エステルを形成する工程を順次含む、方法。
【請求項2】
前記塩基がアルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物、三塩基性リン酸塩、二塩基性リン酸塩及びカルボン酸塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩基がアルカリ金属水酸化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記塩基がアルカリ金属炭酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記塩基がアルカリ金属カルボン酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基がアミンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記塩基がN,N−ジイソプロピルエチルアミンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基が、前記アシル化剤に対して0.025当量〜0.4当量の範囲のレベルで存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記塩基が、前記アシル化剤に対して0.05当量〜0.3当量の範囲のレベルで存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記有機スズベースのアシル化促進剤が、1,3−ジ(ヒドロカルビルオキシ)−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタンノキサン、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシド、ジ(ヒドロカルビル)スズオキシドと二価アルコール、アルカノールアミン又はエノール化可能なα−ヒドロキシケトンとの反応生成物、1,3−ジアシルオキシ−1,1,3,3−テトラ−(ヒドロカルビル)ジスタンノキサン及びジ(ヒドロカルビル)スズジアルコキシドからなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機スズベースのアシル化促進剤が、1,3−ジアセトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタンノキサンを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記有機スズベースのアシル化促進剤が、1,3−ジベンゾイルオキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタンノキサンを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記アシル化剤がアシル無水物を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記アシル化剤が無水酢酸を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記アシル化剤が無水安息香酸を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記溶媒が第三級アミドを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第三級アミドがジメチルホルムアミドを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記溶媒が水と共沸混合物を形成することが可能な溶媒をさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記水と共沸混合物を形成することが可能な溶媒が炭化水素溶媒を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記スクロース−6−エステルをスクラロースへ変換すること、並びに該スクラロースを単離及び精製することをさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2012−522049(P2012−522049A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503468(P2012−503468)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/026784
【国際公開番号】WO2010/114683
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(509178806)テート アンド ライル テクノロジー リミテッド (17)
【Fターム(参考)】