スズリッチ堆積層を有する電子部品及びスズリッチ堆積層を堆積させるためのプロセス
本発明は、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品であって、Snリッチ堆積層が、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層である電子部品に関する。本発明はまた、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を形成するために電子部品をメッキするプロセスであって、開始添加物及び光輝性添加物が含まれているスズメッキ溶液の組成を調整するステップと、前記スズメッキ溶液中を通して前記電子部品を動かして、電気的接続のための前記部材上に前記Snリッチ堆積層を形成するステップと、を含むプロセスに関する。従来の技術と比較すると、本発明は、低コストで且つ信頼できる特性をもってウィスカ成長を有効に抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関し、特に、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品、及び、Snリッチ堆積層を堆積させるためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
スズは、優れた耐食性を有する金属として知られており、ハンダとの優れた結合を形成することができるため、Sn堆積層を有する表面を使用して良好なハンダ接続を形成することができ、また、Sn堆積層は、金属又は金属合金の表面に優れた耐食性を与えることができる。結果として、Sn堆積層又はSnを豊富に含む堆積層(Snリッチ堆積層)は、電気機器又は電子部品(例えば、半導体素子)の製造において幅広く使用される。一般に、電子部品と基板(例えば、電子部品マザーボード)との電気的な接続(例えばリード)のためのパーツ上には、良好なハンダ付け性及び相互接続性を保持するため、Sn材料又はSnリッチ材料が堆積される。
【0003】
しかしながら、良く知られているように、Snはウィスカ成長の影響を受け易い。このウィスカ成長は、主に、Snの粒界におけるCu6Sn5等の金属間化合物(IMC)の成長によって引き起こされる。
【0004】
図1Aは、従来の技術におけるSn堆積層から得られた切断部の微細構造の写真である。図1Aに示されるように、Sn堆積層20は、基板10上に堆積される。Sn堆積層20においては、Sn粒子40と基板10との間の境界に金属間化合物30が形成される。図1Bは、図1Aに示される写真の概略図である。金属間化合物30の成長が体積の変化をもたらし、それにより、Sn堆積層20中に応力が生じる。その上、金属間化合物30の不規則な成長がSn堆積層20中に局部応力をもたらす可能性がある。また、この種の圧縮応力によってウィスカ成長が生じてしまう。ウィスカの存在及び成長は、電気部品の電気的特性に悪影響を与える。これは、ウィスカが十分な長さまで成長すると、ウィスカが、電気部品の端子間に低いインピーダンスをもたらし、あるいは、電気回路に短絡を引き起こし、また、電気部品又は電気機器の故障を引き起こすことさえあるからである。特に、集積回路パッケージ内の電気部品の密度が増え続けるにつれて、異なる端子間の距離や基板中の配線の間隔が益々狭くなるとともに、電気部品の電気的特性に対するウィスカの悪影響が益々顕著になる。
【0005】
ウィスカの存在又は成長を抑制するため、従来の技術において使用される他の手段は、基板とSn堆積層との間にニッケル層等のバリア層を加えることである。しかしながら、この手段は、電子部品の製造プロセスを複雑にするとともに、製造コストを増大させる。ウィスカ成長を防止し又は抑制するために使用される他の種類の技術においては、電子部品が熱処理に晒される。この技術により、Sn堆積層と基板との間の境界にある金属間化合物が高温において一種のバルク拡散として成長し、それにより、ウィスカ成長が大きく抑制される。しかしながら、この技術のプロセスも複雑であり、時として熱処理が電気部品に対して副作用をもたらす場合がある。また、一部の電気部品は、そのような熱処理を行うのに適さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、Sn堆積層中のウィスカ成長を防止することができ又は少なくとも遅らせることができる、Sn堆積のためのプロセスを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの目的は、安定した電気的特性を有し且つ製造コストが低い、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、製造プロセスが簡単で、信頼性が高く、コストが低いという利点を有する、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を形成するために前述した電子部品をメッキするプロセスを提供することである。
【0009】
本発明の目的を達成するため、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品が提供され、上記Snリッチ堆積層は、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層である。
【0010】
従って、本発明の解決策では、微細粒Snリッチ堆積層が電子部品の電気的接続のための部材上に直接に堆積され(そのため、バリア層を付加したり、又は、事後の熱処理を行ったりする必要がない)、また、微細粒Snリッチ堆積層中の粒子が前述したような特定の方法で分布させられるように制御されるのが分かる。この方法により、堆積層中の粒子は、ウィスカ防止にとって望ましい態様で配置されるように制御され、従って、金属間化合物の形態が最適化され、それにより、ウィスカ成長を効果的に防止し又は遅らせるという目的が簡単な方法で完全に満たされる。
【0011】
望ましくは、堆積表面に対して垂直な方向における粒子のサイズが2μm以下である。
【0012】
望ましくは、前記粒子は、堆積表面に対して平行な方向においてほぼ同じ配向をとっている。
【0013】
望ましくは、前記粒子の形状は、不規則である。
【0014】
望ましくは、前記Snリッチ堆積層の厚さは、少なくとも2μmである。
【0015】
望ましくは、更なる堆積層が、前記Snリッチ堆積層上に形成され得る。
【0016】
望ましくは、前記更なる堆積層及び前記Snリッチ堆積層は、異なる粒子構造を有している。
【0017】
望ましくは、電気的接続のための前記部材は、銅又は銅合金によって形成されている。例えば、上記部材は、銅又は銅合金コーティング(被覆)であり得る。
【0018】
本発明の他の態様において、本発明は、前述した電気部品のSnリッチ堆積層を製造するための方法を提供する。特に、本発明は、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を形成するために電子部品をメッキするプロセスを提供し、当該プロセスは、開始添加物及び光輝性添加物が含まれているスズメッキ溶液の組成を調整するステップと、前記スズメッキ溶液中を通して前記電子部品を動かして、電気的接続のための前記部材上に前記Snリッチ堆積層を形成するステップと、を含み、前記Snリッチ堆積層は、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層である。
【0019】
従って、特定量の有機添加物(何等かの開始添加物及び光輝性添加物を少なくとも含む)を加えるとともに、メッキプロセスにおいて様々なパラメータを合理的に制御することにより、本発明の新規なプロセスは、簡単で信頼できるコスト削減の方法によりSnリッチ堆積層を効果的に形成することができる。
【0020】
望ましくは、前記開始添加物は、非イオン湿潤剤の水溶液を含み、前記光輝性添加物は、エトキシレートナフトールスルホン酸、α−ナフトール又はα−ナフトールスルホン酸から選択される。
【0021】
望ましくは、前記開始添加物の濃度は、ほぼ40乃至100g/lの範囲であり、前記光輝性添加物の量は、ほぼ3乃至9ml/lの範囲である。
【0022】
望ましくは、前記光輝性添加物のための溶媒が、イソプロピルグリコールである。
【0023】
望ましくは、前記スズメッキ溶液は、メチルスルホン酸系スズメッキ溶液である。
【0024】
望ましくは、上記プロセスは、メッキ条件を制御するステップを更に含み、前記メッキ条件は、ほぼ25乃至30ASDの範囲の電流密度と、ほぼ18乃至45℃の範囲の槽温度とを含む。又は、前記メッキ条件は、ほぼ5乃至25ASDの範囲の電流密度と、ほぼ18乃至35℃の範囲の槽温度とを含む。また、上記プロセスは、前記微細粒Snリッチ堆積層の厚さが少なくとも2μmとなるようにメッキ時間を制御するステップを更に含む。
【0025】
望ましくは、上記プロセスは、前記微細粒Snリッチ堆積層上に通常のSnリッチ堆積層を形成するステップを更に含む。
【0026】
本発明の上記目的、他の目的、特徴、利点は、添付図面及び様々な実施の形態に関連してなされる以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【0027】
図面中、同じ参照符号は、同一の、類似する、若しくは、対応する特徴又は機能を表している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
簡単のため、以下、メッキ半光沢スズ堆積層の例により本発明のプロセス及び製品について詳しく説明する。しかしながら、これは、本発明の用途を何等限定するものではない。当業者にとって、本発明を半光沢スズ堆積層において適用できるだけでなくSnCu,SnBi,SnAg堆積層等のSnを豊富に含む他の堆積層(他のSnリッチ堆積層)においても適用することができることを理解することは容易である。
【0029】
本発明の好ましい比較例は、自動ストリップメッキライン又は従来のハルセルによって形成される。自動ストリップメッキラインは市販されており、また、その構造の概略図が図2に示されている。
【0030】
特に、図2は、本発明の実施の一形態に係るメッキプロセスにおいて使用される自動ストリップメッキライン200の概略図を示している。
【0031】
自動ストリップメッキライン200は、タンク11−15と、交流を直流に変換し且つ直流を各タンクへ供給するための整流器21−25と、槽51,52と、基板を搬送するためのスチールベルト4とを備えている。また、自動ストリップメッキライン200は、メッキ溶液を底部から射出するためのいくつかのノズル31−35も備えている。
【0032】
本発明においては、メッキ溶液で満たされたタンク内で、金属スズが陽極としての機能を果たし、メッキされるべき製品が陰極としての機能を果たす。一般的な例では、メッキされるべき製品がSDIP(Shrink dual in line package)64/24であり、SDIP64/24のリードフレーム(L/F)が合金194(2.4%Feと、0.03%Pと、0.1%Znと、残量のCuとを含む一種の銅L/F)である。二つの電極は、直流電源の対応する陽極及び陰極のそれぞれに対して電気的に接続される。
【0033】
メッキ溶液は、市販のメチルスルホン酸系スズメッキ溶液であってもよく、40g/lの量のスズメチルスルホン酸と150g/lの量のメチルスルホン酸とを含んでおり、また、40−100g/l(好ましくは40g/l)の濃度の何等かの開始添加物(starter additive)と3−9ml/lの量の何等かの光輝性添加物(brighter additive)とが添加される。開始添加物は、非イオン湿潤剤の水溶液を使用でき、光輝性添加物は、エトキシレートナフトールスルホン酸、α−ナフトール又はα−ナフトールスルホン酸から選択することができるとともに、溶媒は、イソプロピルグリコール系溶媒又は技術的に知られた他の適当な溶媒であってもよい。無論、特定の又は実用上の必要性に基づいて、何等かの他の添加物若しくは組成物をメッキ溶液中に加えることができるが、これらは技術的に周知の技術であるため、ここでは詳しく説明しない。
【0034】
メッキ条件における制御可能な係数又はパラメータが以下に示されている。
ベルト速度:4.0−8.0m/min
ノズル流量:0.5−7m3/hour/tank
メッキ時間:10−100s
【0035】
無論、これらの係数又はパラメータは、異なるメッキ製品に応じて調整することができる(例えば、異なるメッキ面積)。
【表1】
注記: ASD:アンペア/平方デシメートル
A :規則的な改質半光沢スズ
B1:高い槽温度での不規則な改質半光沢スズ
B2:低い槽温度での不規則な改質半光沢スズ
C :規則的な半光沢スズ
【0036】
表1から分かるように、メッキ条件を調整することにより、図3に示される三つの異なるタイプの粒子構造(粒状組織)を有するSn堆積層を得ることができる。特に、図3は、三つの異なるタイプの粒子構造、即ち、規則的な改質半光沢スズ(規則MMT)A、不規則な改質半光沢スズ(不規則MMT)B、規則的な半光沢スズ(規則MT)Cを有する切断部の表面形状及び形態(集束イオンビーム技術により形成される)を示している。図3に示されるように、規則的な改質半光沢スズA及び規則的な半光沢スズCは、一般に、類似する粒子構造、即ち、堆積表面に対して垂直な方向のサイズが他の方向のサイズよりもかなり大きい柱状粒子構造を有している。一方、不規則な改質半光沢スズBは、前述した柱状粒子構造とは全く異なる他の種類の粒子構造(いわゆる非柱状粒子構造)を有している。図3に示されているものと組み合わせて以下の説明から分かるように、規則的な改質半光沢スズA及び規則的な半光沢スズCは、いずれも基板に対して垂直な粒子によって支配されており、粒子のサイズにかかわらずウィスカ成長を観察することができる。一方、不規則な改質半光沢スズBは基板に対して平行粒子によって支配されており、この場合、銅原子が主に基板から堆積層へと粒界に沿って拡散するとともに、不規則な改質半光沢スズBにおける粒界の大部分が基板に対して平行であるため、金属間化合物が一種の半バルク拡散として成長し、それにより、金属間化合物のウェッジ型成長が抑制される。
【0037】
表1及び図3から分かるように、メッキ条件を適切に調整することにより、異なるタイプの粒子構造を有するSn堆積層を得ることができる。図4A乃至図11Bから明らかなように、本発明の不規則な改質半光沢スズBの粒子構造において、堆積表面に対して垂直な方向(即ち、方向Z)の粒子のサイズは、堆積表面に対して平行方向のサイズよりもかなり小さく、これについては以下で詳しく説明する。
【0038】
前述したメッキ条件下では、メッキ溶液中に開始添加物及び光輝性添加物が存在しない場合、規則的な半光沢スズCのみが得られることが分かった。規則的な改質半光沢スズAは、メッキ溶液中に開始添加物及び光輝性添加物が添加され、電流密度が低く、槽温度が高い場合に得ることができる。不規則な改質半光沢スズB1(槽温度が高いとき)及びB2(槽温度が低いとき)は、メッキ溶液中に開始添加物及び光輝性添加物が添加され且つ電流密度が高い場合に得ることができる。
【0039】
三つの異なるタイプの粒子構造を得るようにメッキ条件を制御し且つ堆積層の全体の厚さを2乃至10μmの範囲に制限することにより、SDIP64/24上にSn堆積層を有する例C1−C34(表2参照)、及び、SDIP32上にSn堆積層を有する例R1−R11(表3参照)が形成される。
【0040】
図4A乃至図9Aは、例C28,C33,C21,C15,C1,C32における粒子構造の写真をそれぞれ示しており、図4B乃至図9Bは、図4A乃至図9Aに対応する概略図を示している。これらの図において、参照符号50は基板(例えば、Cu L/F)を表しており、参照符号60は堆積層を表しており、参照符号70はSn粒子を表しており、参照符号80は金属間化合物を表している。
【0041】
これらの例から得られるサンプルは、55℃、85%RH(高温多湿、HTH試験)の環境下に2000時間置かれる(表2参照)とともに、室温で15ヶ月間置かれ(表3参照)、それにより、ウィスカ成長の動きを比較するとともにウィスカ成長に対する粒子構造及びメッキ条件の影響を分析するためにHTHウィスカ試験が行われる。
【表2】
注記:I)構造タイプA,Bは自動ストリップメッキラインにより形成され、構造タイプCはハルセルにより形成され、構造タイプC’は自動ストリップメッキラインにより形成される。
II)ウィスカの最大長さ
【表3】
注記:I)構造タイプA,Bは自動ストリップメッキラインにより形成され、構造タイプC’は自動ストリップメッキラインにより形成される。
【0042】
添付図面を参照してこれらの例を分析することにより、以下の結論を得ることができる。
【0043】
ウィスカの存在
表2の例C1−C20に示されるように、下端層の粒子構造が不規則な構造タイプB(不規則な改質半光沢スズB)を示す場合には、2000時間までHTH試験においてウィスカ成長は無い。これに対し、表2の例C21−C22,C29−C34,M1−M4及び表3の比較例R1−R5に示されるように、下端層の粒子構造が規則的な構造タイプ、即ち、規則的な半光沢スズC又は規則的な改質半光沢スズAを示す場合には、総てのケースにおいてウィスカが現れる。
【0044】
従って、図4A乃至図9Bに示されるように、HTHウィスカ試験後であっても同じ下端構造Bが選択されるため、完成した製品にはウィスカが存在しない。一方、下端構造C又はAが選択される例C21及びC33の両方においては、ウィスカが観察される。
【0045】
また、例C28,C15,C1から更に知ることができるが、図4A,図4B,図7A,図7B,図8A,図8Bに示されるように、本発明の解決策では、微細粒堆積層が基板上に直接に堆積され、微細粒堆積層中の粒子が特定の構造タイプに形成される。即ち、これらの粒子は、堆積面と平行方向におけるサイズよりも堆積面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい(好ましくは、かなり小さい)。この状態において、Snと基板との間の金属間化合物は、通常の堆積における場合よりも互いに接近する粒界に沿って成長して、堆積層(例えば、Sn層)上に亘って均一に分布させられ、それにより、金属間化合物が更に側方に成長して、応力分布が更に良好となり、ウィスカ成長が見られなくなる。
【0046】
金属間化合物のこの種の成長は、図10A,図10B,図11A,図11Bに最も良く示される本発明の二つの好ましい実施の形態から明確に見てとることができる。特に、高温で現れる「バルク拡散」と比較すると、本発明における金属間化合物は、一種の「半バルク拡散」として成長する。これに対し、図1A,図1B,図5A,図5B,図6A,図6B,図9A,図9Bに示されるように、当該技術において一般的なSn堆積層は、柱状粒子構造を有しているため、粒界に沿って垂直方向において金属間化合物(例えば、Cu6Sn5)のウェッジ型成長が可能となり、結果的に、ウィスカ成長が生じる。
【0047】
また、本発明において、堆積表面に対して垂直な方向の粒子のサイズ(粒径)は、2μm以下が好ましいことが分かった。更に好ましくは、堆積表面に対して垂直な方向(即ち、Z方向)の粒子のサイズは0.05乃至2μmであり、堆積表面と平行方向(即ち、X方向又はY方向)の粒子のサイズは0.2乃至10μmである。例えば、X又はY方向のサイズが2μm以上である場合、Z方向のサイズは約1μmに設定されるのが好ましく、また、X又はY方向のサイズが0.2μm以上である場合、Z方向のサイズは約0.05μmに設定されるのが好ましい。更に、X方向及びY方向のサイズは異なっていることが好ましく、例えばX=0.5μm、Y=0.2μmであることが好ましい。また、堆積層中の総ての粒子が堆積表面と平行な同一方向に配列される傾向にあり、それにより、ウィスカ成長が効果的に抑制されることが好ましい。
【0048】
堆積層の厚さ
堆積層の全体の厚さは、技術的に良く知られている。C1−C20の例では、全厚が2乃至10μmとして設定される。
【0049】
表2に示される例C1−C20及びC23−C28から分かるように、同じ下端構造タイプB(即ち、不規則な改質半光沢スズB)が下端層で見られる場合、上端層の厚さ及び構造にかかわらず、下端層の厚さがわずか2μmであっても、2000時間まではHTHウィスカ試験においてウィスカ成長は無い。明らかな結論として、ウィスカ成長を引き起こさないように下端層がIMC自己バルク拡散を決定付けている場合には、上端層の厚さ及び構造にかかわらずウィスカが抑制されるといえる。
【0050】
下端層における不規則(非柱状)粒子構造の厚さ
2μm下端層及び4μm下端層に関して不規則粒子構造の厚さを比較するため、薄いものは厚いものと同じ効果を有する。この評価において、2μmの厚さは、ウィスカ成長を遅らせるのに十分である。
【0051】
メッキ条件
表1から分かるように、不規則(非柱状)粒子構造は、高い槽温度及び低い槽温度の両方で得ることができる。即ち、槽温度は、本発明の重大な要因ではない。
【0052】
図11A及び図11Bを参照すると、必要に応じて(例えば、優れた表面粗さを得るため)、本発明の微細粒Snリッチ堆積層上に一つ以上の更なるSnリッチ堆積層を加えることができる。更なるSnリッチ堆積層は、技術的に良く知られた任意の適当な技術により形成することができる。
【0053】
要約すると、本発明の解決策においては、特定の不規則粒子構造を有する微細粒Snリッチ堆積層が基板上に直接に堆積され、それにより、金属間化合物が一種の半バルク拡散として成長するように促進され、従って、ウィスカ成長が効果的に抑制される。また、堆積層が二つの層即ち上端層と下端層とによって構成される場合、ウィスカ成長を引き起こさないように下端層がIMC自己バルク拡散を決定付けていれば、ウィスカは、上端層の厚さ及び構造にかかわらず抑制される。更に、IMCの自己バルク拡散は、メッキ厚さに対してよりもウィスカ成長に対して大きな影響を与えると結論付けることができる。本発明の微細粒Sn堆積層中の金属間化合物は、どのような場合でも、保存温度とは無関係に、一種の半バルク拡散として成長することが分かった。
【0054】
明らかに、本発明は、SDIP64/32/24に対して適用されることには限定されない。その代わり、本発明は、個別素子(例えば、トランジスタ/ダイオード及びチップレジスタ/キャパシタの受動素子)や集積パッケージのリード、電気コネクタ、基板(プリント回路基板又はテープ)又は技術的に知られた任意の他の電気部品にも適用することができる。好ましくは、本発明は、Snリッチ堆積層を必要とし且つウィスカ問題に対して敏感な銅系材料に適用される。
【0055】
ここでは、添付図面を参照しながら本発明の特定の実施の形態について詳しく説明してきたが、これらの実施の形態が単なる例示目的で与えられており、本発明がこれらの特定の実施の形態に限定されないことは理解されるべきである。実際のところ、本発明においては、本発明の範囲又は思想から逸脱することなく当業者により様々な変更及び変形を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1A】従来の技術のSn堆積層から得られた切断部の微細構造の写真及び概略図を示している。
【図1B】従来の技術のSn堆積層から得られた切断部の微細構造の写真及び概略図を示している。
【図2】本発明の実施の一形態に係るメッキプロセスにおいて使用される自動ストリップメッキラインの概略図を示している。
【図3】規則的な改質半光沢スズ(規則MMT)、不規則な改質半光沢スズ(不規則MMT)、規則的な半光沢スズ(規則MT)における切断部の表面形状及び形態を示している。
【図4A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図4B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図5A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図5B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図6A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図6B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図7A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図7B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図8A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図8B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図9A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図9B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図10A】本発明の一つの好ましい実施の形態における「半バルク拡散」IMCの写真及び概略図を示している。
【図10B】本発明の一つの好ましい実施の形態における「半バルク拡散」IMCの写真及び概略図を示している。
【図11A】本発明の他の好ましい実施の形態における「半バルク拡散」IMCの写真及び概略図を示している。
【図11B】本発明の他の好ましい実施の形態における「半バルク拡散」IMCの写真及び概略図を示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関し、特に、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品、及び、Snリッチ堆積層を堆積させるためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
スズは、優れた耐食性を有する金属として知られており、ハンダとの優れた結合を形成することができるため、Sn堆積層を有する表面を使用して良好なハンダ接続を形成することができ、また、Sn堆積層は、金属又は金属合金の表面に優れた耐食性を与えることができる。結果として、Sn堆積層又はSnを豊富に含む堆積層(Snリッチ堆積層)は、電気機器又は電子部品(例えば、半導体素子)の製造において幅広く使用される。一般に、電子部品と基板(例えば、電子部品マザーボード)との電気的な接続(例えばリード)のためのパーツ上には、良好なハンダ付け性及び相互接続性を保持するため、Sn材料又はSnリッチ材料が堆積される。
【0003】
しかしながら、良く知られているように、Snはウィスカ成長の影響を受け易い。このウィスカ成長は、主に、Snの粒界におけるCu6Sn5等の金属間化合物(IMC)の成長によって引き起こされる。
【0004】
図1Aは、従来の技術におけるSn堆積層から得られた切断部の微細構造の写真である。図1Aに示されるように、Sn堆積層20は、基板10上に堆積される。Sn堆積層20においては、Sn粒子40と基板10との間の境界に金属間化合物30が形成される。図1Bは、図1Aに示される写真の概略図である。金属間化合物30の成長が体積の変化をもたらし、それにより、Sn堆積層20中に応力が生じる。その上、金属間化合物30の不規則な成長がSn堆積層20中に局部応力をもたらす可能性がある。また、この種の圧縮応力によってウィスカ成長が生じてしまう。ウィスカの存在及び成長は、電気部品の電気的特性に悪影響を与える。これは、ウィスカが十分な長さまで成長すると、ウィスカが、電気部品の端子間に低いインピーダンスをもたらし、あるいは、電気回路に短絡を引き起こし、また、電気部品又は電気機器の故障を引き起こすことさえあるからである。特に、集積回路パッケージ内の電気部品の密度が増え続けるにつれて、異なる端子間の距離や基板中の配線の間隔が益々狭くなるとともに、電気部品の電気的特性に対するウィスカの悪影響が益々顕著になる。
【0005】
ウィスカの存在又は成長を抑制するため、従来の技術において使用される他の手段は、基板とSn堆積層との間にニッケル層等のバリア層を加えることである。しかしながら、この手段は、電子部品の製造プロセスを複雑にするとともに、製造コストを増大させる。ウィスカ成長を防止し又は抑制するために使用される他の種類の技術においては、電子部品が熱処理に晒される。この技術により、Sn堆積層と基板との間の境界にある金属間化合物が高温において一種のバルク拡散として成長し、それにより、ウィスカ成長が大きく抑制される。しかしながら、この技術のプロセスも複雑であり、時として熱処理が電気部品に対して副作用をもたらす場合がある。また、一部の電気部品は、そのような熱処理を行うのに適さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、Sn堆積層中のウィスカ成長を防止することができ又は少なくとも遅らせることができる、Sn堆積のためのプロセスを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの目的は、安定した電気的特性を有し且つ製造コストが低い、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、製造プロセスが簡単で、信頼性が高く、コストが低いという利点を有する、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を形成するために前述した電子部品をメッキするプロセスを提供することである。
【0009】
本発明の目的を達成するため、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品が提供され、上記Snリッチ堆積層は、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層である。
【0010】
従って、本発明の解決策では、微細粒Snリッチ堆積層が電子部品の電気的接続のための部材上に直接に堆積され(そのため、バリア層を付加したり、又は、事後の熱処理を行ったりする必要がない)、また、微細粒Snリッチ堆積層中の粒子が前述したような特定の方法で分布させられるように制御されるのが分かる。この方法により、堆積層中の粒子は、ウィスカ防止にとって望ましい態様で配置されるように制御され、従って、金属間化合物の形態が最適化され、それにより、ウィスカ成長を効果的に防止し又は遅らせるという目的が簡単な方法で完全に満たされる。
【0011】
望ましくは、堆積表面に対して垂直な方向における粒子のサイズが2μm以下である。
【0012】
望ましくは、前記粒子は、堆積表面に対して平行な方向においてほぼ同じ配向をとっている。
【0013】
望ましくは、前記粒子の形状は、不規則である。
【0014】
望ましくは、前記Snリッチ堆積層の厚さは、少なくとも2μmである。
【0015】
望ましくは、更なる堆積層が、前記Snリッチ堆積層上に形成され得る。
【0016】
望ましくは、前記更なる堆積層及び前記Snリッチ堆積層は、異なる粒子構造を有している。
【0017】
望ましくは、電気的接続のための前記部材は、銅又は銅合金によって形成されている。例えば、上記部材は、銅又は銅合金コーティング(被覆)であり得る。
【0018】
本発明の他の態様において、本発明は、前述した電気部品のSnリッチ堆積層を製造するための方法を提供する。特に、本発明は、電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を形成するために電子部品をメッキするプロセスを提供し、当該プロセスは、開始添加物及び光輝性添加物が含まれているスズメッキ溶液の組成を調整するステップと、前記スズメッキ溶液中を通して前記電子部品を動かして、電気的接続のための前記部材上に前記Snリッチ堆積層を形成するステップと、を含み、前記Snリッチ堆積層は、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層である。
【0019】
従って、特定量の有機添加物(何等かの開始添加物及び光輝性添加物を少なくとも含む)を加えるとともに、メッキプロセスにおいて様々なパラメータを合理的に制御することにより、本発明の新規なプロセスは、簡単で信頼できるコスト削減の方法によりSnリッチ堆積層を効果的に形成することができる。
【0020】
望ましくは、前記開始添加物は、非イオン湿潤剤の水溶液を含み、前記光輝性添加物は、エトキシレートナフトールスルホン酸、α−ナフトール又はα−ナフトールスルホン酸から選択される。
【0021】
望ましくは、前記開始添加物の濃度は、ほぼ40乃至100g/lの範囲であり、前記光輝性添加物の量は、ほぼ3乃至9ml/lの範囲である。
【0022】
望ましくは、前記光輝性添加物のための溶媒が、イソプロピルグリコールである。
【0023】
望ましくは、前記スズメッキ溶液は、メチルスルホン酸系スズメッキ溶液である。
【0024】
望ましくは、上記プロセスは、メッキ条件を制御するステップを更に含み、前記メッキ条件は、ほぼ25乃至30ASDの範囲の電流密度と、ほぼ18乃至45℃の範囲の槽温度とを含む。又は、前記メッキ条件は、ほぼ5乃至25ASDの範囲の電流密度と、ほぼ18乃至35℃の範囲の槽温度とを含む。また、上記プロセスは、前記微細粒Snリッチ堆積層の厚さが少なくとも2μmとなるようにメッキ時間を制御するステップを更に含む。
【0025】
望ましくは、上記プロセスは、前記微細粒Snリッチ堆積層上に通常のSnリッチ堆積層を形成するステップを更に含む。
【0026】
本発明の上記目的、他の目的、特徴、利点は、添付図面及び様々な実施の形態に関連してなされる以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【0027】
図面中、同じ参照符号は、同一の、類似する、若しくは、対応する特徴又は機能を表している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
簡単のため、以下、メッキ半光沢スズ堆積層の例により本発明のプロセス及び製品について詳しく説明する。しかしながら、これは、本発明の用途を何等限定するものではない。当業者にとって、本発明を半光沢スズ堆積層において適用できるだけでなくSnCu,SnBi,SnAg堆積層等のSnを豊富に含む他の堆積層(他のSnリッチ堆積層)においても適用することができることを理解することは容易である。
【0029】
本発明の好ましい比較例は、自動ストリップメッキライン又は従来のハルセルによって形成される。自動ストリップメッキラインは市販されており、また、その構造の概略図が図2に示されている。
【0030】
特に、図2は、本発明の実施の一形態に係るメッキプロセスにおいて使用される自動ストリップメッキライン200の概略図を示している。
【0031】
自動ストリップメッキライン200は、タンク11−15と、交流を直流に変換し且つ直流を各タンクへ供給するための整流器21−25と、槽51,52と、基板を搬送するためのスチールベルト4とを備えている。また、自動ストリップメッキライン200は、メッキ溶液を底部から射出するためのいくつかのノズル31−35も備えている。
【0032】
本発明においては、メッキ溶液で満たされたタンク内で、金属スズが陽極としての機能を果たし、メッキされるべき製品が陰極としての機能を果たす。一般的な例では、メッキされるべき製品がSDIP(Shrink dual in line package)64/24であり、SDIP64/24のリードフレーム(L/F)が合金194(2.4%Feと、0.03%Pと、0.1%Znと、残量のCuとを含む一種の銅L/F)である。二つの電極は、直流電源の対応する陽極及び陰極のそれぞれに対して電気的に接続される。
【0033】
メッキ溶液は、市販のメチルスルホン酸系スズメッキ溶液であってもよく、40g/lの量のスズメチルスルホン酸と150g/lの量のメチルスルホン酸とを含んでおり、また、40−100g/l(好ましくは40g/l)の濃度の何等かの開始添加物(starter additive)と3−9ml/lの量の何等かの光輝性添加物(brighter additive)とが添加される。開始添加物は、非イオン湿潤剤の水溶液を使用でき、光輝性添加物は、エトキシレートナフトールスルホン酸、α−ナフトール又はα−ナフトールスルホン酸から選択することができるとともに、溶媒は、イソプロピルグリコール系溶媒又は技術的に知られた他の適当な溶媒であってもよい。無論、特定の又は実用上の必要性に基づいて、何等かの他の添加物若しくは組成物をメッキ溶液中に加えることができるが、これらは技術的に周知の技術であるため、ここでは詳しく説明しない。
【0034】
メッキ条件における制御可能な係数又はパラメータが以下に示されている。
ベルト速度:4.0−8.0m/min
ノズル流量:0.5−7m3/hour/tank
メッキ時間:10−100s
【0035】
無論、これらの係数又はパラメータは、異なるメッキ製品に応じて調整することができる(例えば、異なるメッキ面積)。
【表1】
注記: ASD:アンペア/平方デシメートル
A :規則的な改質半光沢スズ
B1:高い槽温度での不規則な改質半光沢スズ
B2:低い槽温度での不規則な改質半光沢スズ
C :規則的な半光沢スズ
【0036】
表1から分かるように、メッキ条件を調整することにより、図3に示される三つの異なるタイプの粒子構造(粒状組織)を有するSn堆積層を得ることができる。特に、図3は、三つの異なるタイプの粒子構造、即ち、規則的な改質半光沢スズ(規則MMT)A、不規則な改質半光沢スズ(不規則MMT)B、規則的な半光沢スズ(規則MT)Cを有する切断部の表面形状及び形態(集束イオンビーム技術により形成される)を示している。図3に示されるように、規則的な改質半光沢スズA及び規則的な半光沢スズCは、一般に、類似する粒子構造、即ち、堆積表面に対して垂直な方向のサイズが他の方向のサイズよりもかなり大きい柱状粒子構造を有している。一方、不規則な改質半光沢スズBは、前述した柱状粒子構造とは全く異なる他の種類の粒子構造(いわゆる非柱状粒子構造)を有している。図3に示されているものと組み合わせて以下の説明から分かるように、規則的な改質半光沢スズA及び規則的な半光沢スズCは、いずれも基板に対して垂直な粒子によって支配されており、粒子のサイズにかかわらずウィスカ成長を観察することができる。一方、不規則な改質半光沢スズBは基板に対して平行粒子によって支配されており、この場合、銅原子が主に基板から堆積層へと粒界に沿って拡散するとともに、不規則な改質半光沢スズBにおける粒界の大部分が基板に対して平行であるため、金属間化合物が一種の半バルク拡散として成長し、それにより、金属間化合物のウェッジ型成長が抑制される。
【0037】
表1及び図3から分かるように、メッキ条件を適切に調整することにより、異なるタイプの粒子構造を有するSn堆積層を得ることができる。図4A乃至図11Bから明らかなように、本発明の不規則な改質半光沢スズBの粒子構造において、堆積表面に対して垂直な方向(即ち、方向Z)の粒子のサイズは、堆積表面に対して平行方向のサイズよりもかなり小さく、これについては以下で詳しく説明する。
【0038】
前述したメッキ条件下では、メッキ溶液中に開始添加物及び光輝性添加物が存在しない場合、規則的な半光沢スズCのみが得られることが分かった。規則的な改質半光沢スズAは、メッキ溶液中に開始添加物及び光輝性添加物が添加され、電流密度が低く、槽温度が高い場合に得ることができる。不規則な改質半光沢スズB1(槽温度が高いとき)及びB2(槽温度が低いとき)は、メッキ溶液中に開始添加物及び光輝性添加物が添加され且つ電流密度が高い場合に得ることができる。
【0039】
三つの異なるタイプの粒子構造を得るようにメッキ条件を制御し且つ堆積層の全体の厚さを2乃至10μmの範囲に制限することにより、SDIP64/24上にSn堆積層を有する例C1−C34(表2参照)、及び、SDIP32上にSn堆積層を有する例R1−R11(表3参照)が形成される。
【0040】
図4A乃至図9Aは、例C28,C33,C21,C15,C1,C32における粒子構造の写真をそれぞれ示しており、図4B乃至図9Bは、図4A乃至図9Aに対応する概略図を示している。これらの図において、参照符号50は基板(例えば、Cu L/F)を表しており、参照符号60は堆積層を表しており、参照符号70はSn粒子を表しており、参照符号80は金属間化合物を表している。
【0041】
これらの例から得られるサンプルは、55℃、85%RH(高温多湿、HTH試験)の環境下に2000時間置かれる(表2参照)とともに、室温で15ヶ月間置かれ(表3参照)、それにより、ウィスカ成長の動きを比較するとともにウィスカ成長に対する粒子構造及びメッキ条件の影響を分析するためにHTHウィスカ試験が行われる。
【表2】
注記:I)構造タイプA,Bは自動ストリップメッキラインにより形成され、構造タイプCはハルセルにより形成され、構造タイプC’は自動ストリップメッキラインにより形成される。
II)ウィスカの最大長さ
【表3】
注記:I)構造タイプA,Bは自動ストリップメッキラインにより形成され、構造タイプC’は自動ストリップメッキラインにより形成される。
【0042】
添付図面を参照してこれらの例を分析することにより、以下の結論を得ることができる。
【0043】
ウィスカの存在
表2の例C1−C20に示されるように、下端層の粒子構造が不規則な構造タイプB(不規則な改質半光沢スズB)を示す場合には、2000時間までHTH試験においてウィスカ成長は無い。これに対し、表2の例C21−C22,C29−C34,M1−M4及び表3の比較例R1−R5に示されるように、下端層の粒子構造が規則的な構造タイプ、即ち、規則的な半光沢スズC又は規則的な改質半光沢スズAを示す場合には、総てのケースにおいてウィスカが現れる。
【0044】
従って、図4A乃至図9Bに示されるように、HTHウィスカ試験後であっても同じ下端構造Bが選択されるため、完成した製品にはウィスカが存在しない。一方、下端構造C又はAが選択される例C21及びC33の両方においては、ウィスカが観察される。
【0045】
また、例C28,C15,C1から更に知ることができるが、図4A,図4B,図7A,図7B,図8A,図8Bに示されるように、本発明の解決策では、微細粒堆積層が基板上に直接に堆積され、微細粒堆積層中の粒子が特定の構造タイプに形成される。即ち、これらの粒子は、堆積面と平行方向におけるサイズよりも堆積面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい(好ましくは、かなり小さい)。この状態において、Snと基板との間の金属間化合物は、通常の堆積における場合よりも互いに接近する粒界に沿って成長して、堆積層(例えば、Sn層)上に亘って均一に分布させられ、それにより、金属間化合物が更に側方に成長して、応力分布が更に良好となり、ウィスカ成長が見られなくなる。
【0046】
金属間化合物のこの種の成長は、図10A,図10B,図11A,図11Bに最も良く示される本発明の二つの好ましい実施の形態から明確に見てとることができる。特に、高温で現れる「バルク拡散」と比較すると、本発明における金属間化合物は、一種の「半バルク拡散」として成長する。これに対し、図1A,図1B,図5A,図5B,図6A,図6B,図9A,図9Bに示されるように、当該技術において一般的なSn堆積層は、柱状粒子構造を有しているため、粒界に沿って垂直方向において金属間化合物(例えば、Cu6Sn5)のウェッジ型成長が可能となり、結果的に、ウィスカ成長が生じる。
【0047】
また、本発明において、堆積表面に対して垂直な方向の粒子のサイズ(粒径)は、2μm以下が好ましいことが分かった。更に好ましくは、堆積表面に対して垂直な方向(即ち、Z方向)の粒子のサイズは0.05乃至2μmであり、堆積表面と平行方向(即ち、X方向又はY方向)の粒子のサイズは0.2乃至10μmである。例えば、X又はY方向のサイズが2μm以上である場合、Z方向のサイズは約1μmに設定されるのが好ましく、また、X又はY方向のサイズが0.2μm以上である場合、Z方向のサイズは約0.05μmに設定されるのが好ましい。更に、X方向及びY方向のサイズは異なっていることが好ましく、例えばX=0.5μm、Y=0.2μmであることが好ましい。また、堆積層中の総ての粒子が堆積表面と平行な同一方向に配列される傾向にあり、それにより、ウィスカ成長が効果的に抑制されることが好ましい。
【0048】
堆積層の厚さ
堆積層の全体の厚さは、技術的に良く知られている。C1−C20の例では、全厚が2乃至10μmとして設定される。
【0049】
表2に示される例C1−C20及びC23−C28から分かるように、同じ下端構造タイプB(即ち、不規則な改質半光沢スズB)が下端層で見られる場合、上端層の厚さ及び構造にかかわらず、下端層の厚さがわずか2μmであっても、2000時間まではHTHウィスカ試験においてウィスカ成長は無い。明らかな結論として、ウィスカ成長を引き起こさないように下端層がIMC自己バルク拡散を決定付けている場合には、上端層の厚さ及び構造にかかわらずウィスカが抑制されるといえる。
【0050】
下端層における不規則(非柱状)粒子構造の厚さ
2μm下端層及び4μm下端層に関して不規則粒子構造の厚さを比較するため、薄いものは厚いものと同じ効果を有する。この評価において、2μmの厚さは、ウィスカ成長を遅らせるのに十分である。
【0051】
メッキ条件
表1から分かるように、不規則(非柱状)粒子構造は、高い槽温度及び低い槽温度の両方で得ることができる。即ち、槽温度は、本発明の重大な要因ではない。
【0052】
図11A及び図11Bを参照すると、必要に応じて(例えば、優れた表面粗さを得るため)、本発明の微細粒Snリッチ堆積層上に一つ以上の更なるSnリッチ堆積層を加えることができる。更なるSnリッチ堆積層は、技術的に良く知られた任意の適当な技術により形成することができる。
【0053】
要約すると、本発明の解決策においては、特定の不規則粒子構造を有する微細粒Snリッチ堆積層が基板上に直接に堆積され、それにより、金属間化合物が一種の半バルク拡散として成長するように促進され、従って、ウィスカ成長が効果的に抑制される。また、堆積層が二つの層即ち上端層と下端層とによって構成される場合、ウィスカ成長を引き起こさないように下端層がIMC自己バルク拡散を決定付けていれば、ウィスカは、上端層の厚さ及び構造にかかわらず抑制される。更に、IMCの自己バルク拡散は、メッキ厚さに対してよりもウィスカ成長に対して大きな影響を与えると結論付けることができる。本発明の微細粒Sn堆積層中の金属間化合物は、どのような場合でも、保存温度とは無関係に、一種の半バルク拡散として成長することが分かった。
【0054】
明らかに、本発明は、SDIP64/32/24に対して適用されることには限定されない。その代わり、本発明は、個別素子(例えば、トランジスタ/ダイオード及びチップレジスタ/キャパシタの受動素子)や集積パッケージのリード、電気コネクタ、基板(プリント回路基板又はテープ)又は技術的に知られた任意の他の電気部品にも適用することができる。好ましくは、本発明は、Snリッチ堆積層を必要とし且つウィスカ問題に対して敏感な銅系材料に適用される。
【0055】
ここでは、添付図面を参照しながら本発明の特定の実施の形態について詳しく説明してきたが、これらの実施の形態が単なる例示目的で与えられており、本発明がこれらの特定の実施の形態に限定されないことは理解されるべきである。実際のところ、本発明においては、本発明の範囲又は思想から逸脱することなく当業者により様々な変更及び変形を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1A】従来の技術のSn堆積層から得られた切断部の微細構造の写真及び概略図を示している。
【図1B】従来の技術のSn堆積層から得られた切断部の微細構造の写真及び概略図を示している。
【図2】本発明の実施の一形態に係るメッキプロセスにおいて使用される自動ストリップメッキラインの概略図を示している。
【図3】規則的な改質半光沢スズ(規則MMT)、不規則な改質半光沢スズ(不規則MMT)、規則的な半光沢スズ(規則MT)における切断部の表面形状及び形態を示している。
【図4A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図4B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図5A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図5B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図6A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図6B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図7A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図7B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図8A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図8B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図9A】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図9B】本発明の実施の形態及び比較例に係るHTH(高温多湿)ウィスカ試験後の粒子の構造の写真及び概略図を示している。
【図10A】本発明の一つの好ましい実施の形態における「半バルク拡散」IMCの写真及び概略図を示している。
【図10B】本発明の一つの好ましい実施の形態における「半バルク拡散」IMCの写真及び概略図を示している。
【図11A】本発明の他の好ましい実施の形態における「半バルク拡散」IMCの写真及び概略図を示している。
【図11B】本発明の他の好ましい実施の形態における「半バルク拡散」IMCの写真及び概略図を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品であって、前記Snリッチ堆積層は、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層であることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
堆積表面に対して垂直な方向における粒子のサイズが2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記粒子は、堆積表面に対して平行な方向においてほぼ同じ配向をとっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記粒子の形状は、不規則であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項5】
前記Snリッチ堆積層の厚さは、少なくとも2μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項6】
更なる堆積層が、前記Snリッチ堆積層上に形成され得ることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項7】
前記更なる堆積層及び前記Snリッチ堆積層は、異なる粒子構造を有していることを特徴とする請求項5に記載の電子部品。
【請求項8】
電気的接続のための前記部材は、銅又は銅合金によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項9】
電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を形成するために電子部品をメッキするプロセスであって、
開始添加物及び光輝性添加物が含まれているスズメッキ溶液の組成を調整するステップと、
前記スズメッキ溶液中を通して前記電子部品を動かして、電気的接続のための前記部材上に前記Snリッチ堆積層を形成するステップと、
を含み、
前記Snリッチ堆積層は、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層であることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記開始添加物は、非イオン湿潤剤の水溶液を含むことを特徴とする請求項9に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項11】
前記光輝性添加物は、エトキシレートナフトールスルホン酸、α−ナフトール又はα−ナフトールスルホン酸から選択されることを特徴とする請求項9又は10に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項12】
前記開始添加物の濃度は、ほぼ40乃至100g/lの範囲であり、前記光輝性添加物の量は、ほぼ3乃至9ml/lの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項13】
前記スズメッキ溶液は、メチルスルホン酸系スズメッキ溶液であることを特徴とする請求項9に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項14】
前記光輝性添加物のための溶媒が、イソプロピルグリコールであることを特徴とする請求項9又は11に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項15】
メッキ条件を制御するステップを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項16】
前記メッキ条件は、ほぼ25乃至30ASDの範囲の電流密度と、ほぼ18乃至45℃の範囲の槽温度とを含むことを特徴とする請求項15に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項17】
前記メッキ条件は、ほぼ5乃至25ASDの範囲の電流密度と、ほぼ18乃至35℃の範囲の槽温度とを含むことを特徴とする請求項15に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項18】
前記微細粒Snリッチ堆積層の厚さが少なくとも2μmとなるようにメッキ時間を制御するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項19】
前記微細粒Snリッチ堆積層上に通常のSnリッチ堆積層を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項1】
電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を有する電子部品であって、前記Snリッチ堆積層は、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層であることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
堆積表面に対して垂直な方向における粒子のサイズが2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記粒子は、堆積表面に対して平行な方向においてほぼ同じ配向をとっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記粒子の形状は、不規則であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項5】
前記Snリッチ堆積層の厚さは、少なくとも2μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
【請求項6】
更なる堆積層が、前記Snリッチ堆積層上に形成され得ることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項7】
前記更なる堆積層及び前記Snリッチ堆積層は、異なる粒子構造を有していることを特徴とする請求項5に記載の電子部品。
【請求項8】
電気的接続のための前記部材は、銅又は銅合金によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項9】
電気的接続のための部材上にSnリッチ堆積層を形成するために電子部品をメッキするプロセスであって、
開始添加物及び光輝性添加物が含まれているスズメッキ溶液の組成を調整するステップと、
前記スズメッキ溶液中を通して前記電子部品を動かして、電気的接続のための前記部材上に前記Snリッチ堆積層を形成するステップと、
を含み、
前記Snリッチ堆積層は、堆積表面に対して平行な方向におけるサイズよりも堆積表面に対して垂直な方向におけるサイズの方が小さい粒子からなる微細粒Snリッチ堆積層であることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記開始添加物は、非イオン湿潤剤の水溶液を含むことを特徴とする請求項9に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項11】
前記光輝性添加物は、エトキシレートナフトールスルホン酸、α−ナフトール又はα−ナフトールスルホン酸から選択されることを特徴とする請求項9又は10に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項12】
前記開始添加物の濃度は、ほぼ40乃至100g/lの範囲であり、前記光輝性添加物の量は、ほぼ3乃至9ml/lの範囲であることを特徴とする請求項10に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項13】
前記スズメッキ溶液は、メチルスルホン酸系スズメッキ溶液であることを特徴とする請求項9に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項14】
前記光輝性添加物のための溶媒が、イソプロピルグリコールであることを特徴とする請求項9又は11に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項15】
メッキ条件を制御するステップを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項16】
前記メッキ条件は、ほぼ25乃至30ASDの範囲の電流密度と、ほぼ18乃至45℃の範囲の槽温度とを含むことを特徴とする請求項15に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項17】
前記メッキ条件は、ほぼ5乃至25ASDの範囲の電流密度と、ほぼ18乃至35℃の範囲の槽温度とを含むことを特徴とする請求項15に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項18】
前記微細粒Snリッチ堆積層の厚さが少なくとも2μmとなるようにメッキ時間を制御するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【請求項19】
前記微細粒Snリッチ堆積層上に通常のSnリッチ堆積層を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の電子部品をメッキするプロセス。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【公表番号】特表2008−506038(P2008−506038A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519942(P2007−519942)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052208
【国際公開番号】WO2006/006114
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052208
【国際公開番号】WO2006/006114
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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