スタチンナノ粒子

本発明は、スタチンまたはその誘導体の少なくとも1種の分子から構成され、少なくとも18個の炭素原子を含みかつ少なくとも1つの2-メチルブタ-2-エン単位を含有する少なくとも1つの炭化水素基に共有結合した複合体、該複合体のナノ粒子、およびこれを調製するための方法に関し、上記複合体及び/または上記ナノ粒子は、任意に凍結乾燥物の形態である。本発明はまた、先に定義した少なくとも1種の複合体及び/またはナノ粒子を含む医薬組成物にも関する。本発明は、高脂血症および高コレステロール血症の治療及び/または予防のための上記複合体及び/または上記ナノ粒子に最終的に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に水分散性ナノ粒子形態にある新規なスタチン誘導体、これを含有する組成物、およびその治療的使用を提案することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
スタチンは、コレステロール低下剤の治療分類に属する。スタチンは、LDL-コレステロール(低密度リポタンパク質コレステロール)を特に低下させ、これに関しては、ある特定の心血管疾患を治療または予防するのに特に有用である(Journal of the American Medical Association、251、No. 3、351〜374頁(1984))。これは、多数の医学的研究によって、LDL-コレステロール投与量が心血管事象の発生と最もよく相関することが明らかにされているからである。また、LDL-コレステロールは、アテローム斑の形成に最も関与する脂質のタイプを表す。
【0003】
より詳細には、スタチンは、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素Aをステロールの前駆体であるメバロン酸に変換することによるメバロン酸経路を介したコレステロール合成の律速工程を制御するHMG-CoA還元酵素を阻害することによって、肝臓におけるコレステロールの生合成を低減する。スタチンの使用は、冠動脈疾患を有する患者においてLDL-コレステロールレベルが2.4mmol/lを超えるときに、推奨される。
【0004】
したがって、薬物による心血管疾患の治療は、スタチンの出現によって劇的に変化してきており、血中コレステロールレベルを低下させる効果は劇的なことが多い。詳細には、スタチンは、総コレステロール濃度を20〜50%、LDL-コレステロール濃度を25〜60%、トリグリセリド濃度を15〜30%低減させることができる。
【0005】
しかし、スタチンの禁忌および副作用はしばしば深刻であり、スタチンが薬剤の構成成分の1種に過敏性であることによって、例えば筋疾患が現れる可能性があり、これにより、重度の腎不全、進行性肝疾患及び/またはアミノ基転移酵素の持続的な上昇を引き起こすこととなる場合がある(Armitage J.、Lancet 2007年;370:1781〜1790頁)。これらの作用は、不適切な組織及び/または細胞の分布によって特に引き起こされる。
【0006】
したがって、スタチンの投与量および投与様式を可能な限り正確に調整する必要がある。
【0007】
医薬産業において、経口で投与されることを意図して、活性成分の生物学的利用能を改善することは、製剤学の専門家にとって主な関心事である。
【0008】
特に、一般には親油性の分子であるスタチンの形成は、スタチンの、水性液体の薬学的賦形剤への低い溶解度、水溶液中で沈澱または再結晶する性質、および吸収されなければならない胃腸管の流体への低い溶解度に主に起因した真の課題をもたらす。
【0009】
活性成分の生物学的利用能はまた、胃腸流体中のその濃度にも依存し、上記濃度自体は、活性成分の放出に依存する。特に、親油性であるほど、活性成分が胃腸流体中を移動しなければならない傾向が低くなる。
【0010】
親油性活性成分の生物学的利用能を増加させるために、WO95/24893において、可消化油ならびに親水性および親油性界面活性剤を用いて該活性成分を配合することが想定された。このタイプの配合物により、溶液中の活性成分が消化管を通過して腸管に吸収されるまで維持されることが可能になる。
【0011】
このタイプの配合物の油性成分の消化は、胆汁塩および用いた可消化油のトリグリセリドの脂肪分解生成物からなる混合ミセル中の活性成分を可溶化するという利点を有することが多い。
【0012】
しかし、界面活性剤の存在は、脂肪分解を阻害する可能性があり、これにより、所与の配合物のための油の消化率の事前のインビトロ評価が必要とされる。さらに、活性成分のインビボでの再結晶を回避するために用いることが必要な場合がある可消化油の量が多すぎて、市場性のあるカプセルの製造が不可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO95/24893
【特許文献2】WO2006/090029
【特許文献3】WO02/053131
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Journal of the American Medical Association、251、No. 3、351〜374頁(1984)
【非特許文献2】Armitage J.、Lancet 2007年;370:1781〜1790頁
【非特許文献3】Couvreurら、Nano Lett. 2006年、6、2544〜2548頁
【非特許文献4】Strandbergら、J Lipid Research、31、1637、1999年
【非特許文献5】H. Relasら、J Lipid Research、42、988、2001年
【非特許文献6】Medecine Therapeutique [Therapeutic Medicine]、Corcos L.ら、第13巻、No. I、22〜9、2007年1月〜2月
【非特許文献7】Fessi H.ら、Int. J. Pharm.、55; 1989年、R1〜R4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は事実上、上記の欠点を克服すること、およびスタチンに好適な配合を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の発明者らは、水性媒体中の懸濁物中のナノ粒子の形態であり、小さなサイズを有し、注射または経口投与による投与に特に適合可能であって、但し、スクアレン性の少なくとも1つの炭化水素系基に共有結合していることを条件とするスタチンを処方できると判明したことを示した。
【0017】
したがって、第1の態様によると、本発明は、少なくとも18個の炭素原子を含みかつ2-メチルブタ-2-エンとしても公知である以下の式:
【0018】
【化1】

【0019】
によって表される少なくとも1つの単位を含有する少なくとも1つの炭化水素基に共有結合したスタチンまたはその誘導体の少なくとも1種の分子から構成される複合体に関する。
【0020】
別の主題によると、本発明は、先に定義した複合体であって、炭化水素系化合物が、18〜40個の炭素原子、好ましくは18〜32個の炭素原子を含む複合体を対象とする。
【0021】
有利には、先に定義した複合体を形成する2種の構成要素は、エステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、ホスフェートまたはアミドタイプ、好ましくはエステルタイプの共有結合によって結合している。
【0022】
本発明の別の主題は、上記した複合体のナノ粒子を対象とする。
【0023】
確かに、WO2006/090029およびCouvreurら、Nano Lett. 2006年、6、2544〜2548頁には、例えばスクアレンなどの先に定義した少なくとも1つの炭化水素系基を含有する分子が、ゲムシタビンなどのヌクレオシド誘導体と共有結合するときに、水性媒体中で約100nmのナノ粒子を自発的に形成することができることが既に記載されている。しかし、明確な理由で、ゲムシタビンは、本発明にしたがって考慮すると、該誘導体とは大きく異なる。
【0024】
スクアレンの投与それ自体が、経口または静脈内投与後に、LDLおよびVLDL(超低密度リポタンパク質)中のスクアレン濃度となることも公知である(Strandbergら、J Lipid Research、31、1637、1999年、およびH. Relasら、J Lipid Research、42、988、2001年)。
【0025】
先に示したように、本発明において検討される、本発明によるナノ粒子の形態の治療活性剤の配合物は、いくつかの点において、既に存在する配合物に対して有利な代替を構成する。
【0026】
まず第1に、スタチンのナノ粒子形態は、組織及び/または細胞分布を改善することを有利に可能にし、特に、スタチンの副作用に対処し、したがって投与様式および用量を可能な限り適切に調整することを可能にする。
【0027】
有利には、これらのナノ粒子の平均サイズは、30〜500nm、特に50〜250nm、またはさらには100〜400nmの範囲である。
【0028】
本発明はまた、上記ナノ粒子を調製するための方法であって、本発明による複合体の、少なくとも1種の有機溶媒への分散工程であって、得られる混合物が水相に撹拌されながら添加されるとき上記水相中の懸濁物中で上記複合体のナノ粒子の瞬間形成を達成するために十分な濃度での分散工程を少なくとも含み、必要に応じて、上記ナノ粒子の単離工程を含む方法にも関する。
【0029】
有利には、上記方法はまた、固体形態での配合を可能にするために特に好適な、凍結乾燥工程を更に含んでいてもよい。
【0030】
したがって、本発明はまた、上記した少なくとも1種の複合体及び/または少なくとも1種のナノ粒子を含む凍結乾燥物にも関する。
【0031】
別の主題によると、本発明は、高脂血症、高コレステロール血症の治療及び/または予防が意図された、特に、心血管疾患、肥満、異脂肪症の治療および/もしくは予防ならびに/または心血管事象の予防が意図された医薬組成物を調製するための、場合によっては、先に定義した凍結乾燥物の形態である、先に定義した複合体及び/またはナノ粒子を対象とする。
【0032】
換言すると、本発明の主題は、高脂血症、高コレステロール血症の治療及び/または予防のための、特に、心血管疾患、肥満、異脂肪症の治療および/もしくは予防ならびに/または心血管事象の予防のための、本発明にしたがって定義した、任意に凍結乾燥物の形態である、複合体及び/またはナノ粒子である。
【0033】
用語「心血管疾患」は、アテローム性動脈硬化症(アテローム斑)、脳卒中または脳血管事象、心臓事象(梗塞)、下肢動脈炎、アンギナ(または狭心症)などの冠動脈疾患または心筋梗塞などの他の梗塞、虚血、血栓症および血栓閉塞性疾患、血管疾患、例えば動脈瘤、下肢の閉塞性動脈症、急性大動脈解離、肺動脈高血圧、血栓閉塞性疾患、心臓発作および先天性心臓疾患を意味することが意図される。
【0034】
高コレステロール血症は、一般にはコレステロール生合成の障害の結果であり、及び/または異常な循環コレステロールレベルによって引き起こされる。
【0035】
さらに、種々の局部の癌(肺癌、前立腺癌、乳癌、膵臓癌、食道癌または大腸癌)の発生におけるスタチンの予防的役割が、Medecine Therapeutique [Therapeutic Medicine]、Corcos L.ら、第13巻、No. I、22〜9、2007年1月〜2月において、最近実証されている。スタチンはまた、現在の抗癌治療のためのアジュバントとして有用であることも分かっている。
【0036】
したがって、本発明の主題はまた、癌、特に、肺癌、前立腺癌、乳癌、膵臓癌、食道癌または大腸癌の治療および/もしくは予防のため、または現在の抗癌治療のためのアジュバントとして、任意に凍結乾燥物の形態での、本発明による複合体及び/またはナノ粒子でもある。
【0037】
本発明はまた、少なくとも1種の複合体及び/またはナノ粒子を含む医薬組成物、特に薬剤にまでも及び、上記複合体及び/またはナノ粒子は、場合によっては、上記した凍結乾燥物の形態で、少なくとも1種の許容される薬学的ビヒクルと組み合わされている。
【0038】
本発明はまた、上記の疾患及び/または状態の治療及び/または予防のための薬剤としての使用のための上記組成物にも向けられる。
【0039】
このような組成物は、「リスクがある」と称される患者、すなわち、高血圧を有し、他の心血管リスク因子、例えば、喫煙、過体重であること、心臓疾患または糖尿病、特にII型糖尿病の家族歴を示す患者における上記の疾患及び/または状態の治療及び/または予防のための薬剤として、特に最も有用であることを証明することができる。これは、患者におけるこのようなリスク因子の存在が、上記患者における心血管事象の発生のリスクを増加させるからである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
スクアレン構造を有する炭化水素系化合物または基
本発明の目的で、スクアレンまたはスクアレノイル構造を有する化合物または基とは、先に定義したように、少なくとも1つの2-メチルブタ-2-エン単位を含む化合物または基である。
【0041】
より詳細には、スクアレン基のように、スクアレンまたはスクアレノイル構造を有する炭化水素系化合物または基は、少なくとも18個の炭素原子を含み、少なくとも1つの2-メチルブタ-2-エン単位を含有する。
【0042】
本発明においては、必要に応じて、スクアレンまたはスクアレノイル構造を有する「化合物」または「基」を参照することに注意すべきである。用語「化合物」は、活性剤の分子と反応するとき、複合体を形成する、スクアレンまたはスクアレノイル構造を有する化合物をより詳細には定義することが意図されているが、用語「基」は、形成される複合体のスクアレンまたはスクアレノイル部をより詳細には定義する。
【0043】
本発明の目的で、スクアレン構造を有する炭化水素系基は、以下に示す式(I):
【0044】
【化2】

【0045】
(式中、
- m1=1、2、3、4、5または6であり、
- m2=0、1、2、3、4、5または6であり、
【0046】
【化3】

【0047】
は、スタチンまたはその誘導体の分子への結合を表し、
m2が0を表すとき、m1は少なくとも2を表すことが理解される)
によって表されてよい。
【0048】
より詳細には、スクアレノイル化合物またはその誘導体を参照すれば、出発構成要素がカップリングに貢献しており、この化合物またはその誘導体は、式(Ia):
【0049】
【化4】

【0050】
(式中、
Yは、水素原子または-L2-X'基を表し、ここで、X'は、アルコール、カルボン酸、チオール、ホスフェート、アミン、カルボキサミドまたはケトンタイプの官能基を表し、L2は、単一の共有結合またはC1〜C4アルキレン基を表し、
m1およびm2は、式(I)の基で定義した通りである)
の化合物によって表されてよい。
【0051】
炭化水素系基は、少なくとも18個の炭素原子、特に18〜40個の炭素原子、好ましくは18〜32個の炭素原子を含む。
【0052】
より詳細には、本発明による複合体の形成に使用される化合物は、スクアレン(スピラセン(spiracene)またはサープレン(sirprene)としても公知)であり、コレステロール生合成の基本的な中間体である。化学的には、以下の式:
【0053】
【化5】

【0054】
を有する(E)-2,6,10,15,19,23-ヘキサメチル-2,6,10,14,18,22-テトラコサヘキセンとしても公知である。
【0055】
本発明の1つの好ましい実施形態によると、本発明による複合体中に存在するスクアレン誘導体は、式(I)(式中、m1=1であり、m2=2である)の基である。
【0056】
有利には、上記複合体は、式(I)(式中、m1=1であり、m2=3である)の基である。
【0057】
本発明の1つの好ましい実施形態によると、本発明による複合体中に存在するスクアレン誘導体は、上記式(I)(式中、m2=0である)の基に相当する式(I'):
【0058】
【化6】

【0059】
の基である。
【0060】
この場合、m1=2、3、4、5または6である。
【0061】
本発明による複合体を形成可能である炭化水素系化合物の例として、より具体的には、スクアレン酸およびその誘導体、例えば、1,1',2-トリスノルスクアレン酸、1,1',2-トリスノルスクアレンアミン(trisnorsqualenamine)、1,1',2-トリスノルスクアレノール(trisnorsqualenol)、1,1',2-トリスノルスクアレンチオール(trisnorsqualenethiol)、スクアレン酢酸、スクアレニルエタノール(squalenylethanol)、スクアレニルエタンチオール(squalenylethanethiol)またはスクアレニルエチルアミン(squalenylethylamine)に言及することができる。
【0062】
本発明による複合体は、先に定義した式(I)の基によって表される少なくとも1つの炭化水素系基を含む。
【0063】
特に、本発明による複合体は、1,1',2-トリスノルスクアレン酸の分子から誘導される少なくとも1種の基を含有していてもよい。
【0064】
代替的には、本発明による複合体は、本発明によって定義されており、式(I)の上記化合物によって特に表されている少なくとも2個の炭化水素系基を含む。
【0065】
本発明者らによって言及される通り、先に定義した炭化水素系化合物は、極性媒体、より具体的には水と接触させられた場合には、自然発生的に凝縮された形態を自発的に示す。
【0066】
予想外にも、本発明者は、このような基がスタチンまたはその誘導体の分子と共にある場合、特に共有結合した場合は、この能力が維持されることを発見した。これにより、ナノ粒子の形態の凝縮された構造の創出がもたらされるが、このとき、少なくとも部分的にはスタチン分子構成要素および少なくとも1つの炭化水素系基が存在する。
【0067】
スタチン分子は、実際のところ、形成されたナノ粒子中に部分的にのみ、または全体的に凝縮された状態で存在していてよい。
【0068】
一般には、少なくとも1つの炭化水素系基が、スタチン分子に共有結合している。しかし、上記分子と相互作用することができる炭化水素系誘導体の分子の数は、1を超えていてもよい。
【0069】
スタチン
構造的には、スタチンまたはその誘導体は、4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン系を一般的に有しており、アトルバスタチンまたはフルバスタチンのように、コレステロール合成に関与する酵素のHMG-CoA還元酵素の活性部位、および多置換ヘキサヒドロナフタレン系として特に存在するが多置換ヘテロ芳香族系によって置き換えられていてもよい親油性部分と相互作用するジヒドロキシ酸の形態であってもよい。
【0070】
主な公知のスタチンは、シムバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンおよびロスバスタチンである。
【0071】
これらのスタチンは、本来、一般に親油性である(WO02/053131)。例えば、シムバスタチンは、logP=4.68を有し、ロバスタチンは、logP=4.04を有する。
【0072】
活性成分の親油性は、オクタノールと水との間の分配係数(P)にしたがって決定することができ、オクタノール中の活性成分濃度(Coct)/水中の活性成分濃度(Cwater)の比に相当する。
【0073】
P比が1を超えるときは、CoctがCwaterよりも大きいことを意味し、結果として、活性成分が親油性である(logP>0)ことを意味する。したがって、活性成分のlogPが高いほど、上記活性成分の親油性の性質がより顕著になるということを推測することができる。
【0074】
より詳細には、本発明の目的で、用語「スタチンまたはその誘導体」は、以下の式(IIa)、(IIb)または(IIc):
【0075】
【化7】

【0076】
(式中、
- Raは、アリールまたはヘテロアリール基を表し、1個または複数のR基によって任意に置換されており、
- Rは、ヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、-O-C(O)C1〜C6アルキル基、フェニル、-NR1R2基、-C(O)NR1R2基または-C(O)OR3基を独立して表し、上記アルキルおよびフェニル基は、1個もしくは複数のハロゲン原子または1個もしくは複数のヒドロキシル基によって任意に置換されており、
- R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、C1〜C6アルキル基、-SO2-C1〜C6アルキル基またはフェニルを表し、上記C1〜C6アルキルおよびフェニル基は、1個もしくは複数のハロゲン原子または1個もしくは複数のヒドロキシル基によって任意に置換されており、
- R3は、水素原子、あるいは1個もしくは複数のハロゲン原子または1個もしくは複数のヒドロキシル基によって任意に置換されたC1〜C6アルキルを表す)
によって表される化合物を意味することが意図される。
【0077】
本発明の目的のためには、
- 用語「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味することを意図する。
- 用語「ヒドロキシル基」は、-OH基を意味することを意図する。
- 用語「アルキル」は、線状または分枝状の飽和脂肪族基を意味することを意図する。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルに言及することができる。
- 用語「アルコキシ」は、アルキル基が先に定義した通りである-O-アルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシを意味することを意図する。
- 用語「アリール基」は、部分的に不飽和であってもよく、単環式であっても二環式であってもよく、6〜10個の炭素原子を含む芳香族基を意味することが意図される。単環の例として、フェニルに言及することができる。二環の例として、ナフチルに言及することができ、上記ナフチルは、1,2,6,7,8,8a-ヘキサヒドロナフチルなどのように部分的に不飽和であることが可能である。
- 用語「ヘテロアリール基」は、窒素、硫黄または酸素から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を付加的に含む上記アリール基を意味することが意図される。単環の例として、フラニル、チオフェニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジルおよびピラジニルに言及することができる。二環の例として、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリルおよびフタラジルに言及することができる。
【0078】
一般式(IIa)、(IIb)または(IIc)の化合物は、1個または複数の不斉炭素を含んでいてよい。したがって、これらは、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態で存在していてよい。これらのエナンチオマーおよびジアステレオ異性体、ならびにラセミ混合物も含めたこれらの混合物は、本発明の一部である。
【0079】
先に言及した式の化合物は、塩基の形態、または酸との付加塩の形態で存在していてよい。このような付加塩は、本発明の一部である。
【0080】
これらの塩は、薬学的に許容される酸によって有利には調製されるが、例えば、上記式の化合物を精製または分離するために使用される他の酸の塩もまた本発明の一部である。
【0081】
一般式(IIa)、(IIb)または(IIc)の化合物は、水和物または溶媒和物の形態、すなわち、1個もしくは複数の水分子または溶媒との会合または組み合わせ形態であってもよい。このような水和物および溶媒和物もまた本発明の一部である。
【0082】
本発明に好適である式(IIa)のスタチンの中でも、例えば、プラバスタチンおよびアトルバスタチンに言及することができる。
【0083】
本発明に好適である式(IIb)のスタチンの中でも、例えば、シムバスタチンおよびロバスタチンに言及することができる。
【0084】
本発明に好適である式(IIc)のスタチンの中でも、例えば、フルバスタチンおよびロスバスタチンに言及することができる。
【0085】
本発明を実施するのに特に最も好適なスタチンは、式(IIa)の化合物によって表される。
【0086】
有利には、本発明により、シムバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンまたはロスバスタチン、最も具体的にはプラバスタチンを、本発明による複合体及び/またはナノ粒子に用いることができる。
【0087】
炭化水素系基/スタチン複合体
本発明によるスタチン分子と炭化水素系誘導体との共役、より具体的には1,1',2-トリスノルスクアレノールとの共役は、スタチン分子がナノ沈澱により粒子を形成する能力を該分子に与えるのに十分な物理化学的特性を該分子に付与し、上記粒子のサイズは、いずれの投与様式にも、特に静脈内および経口投与にも適合可能であることを証明している。
【0088】
本発明の目的で、このような共役は、本発明によるスタチン/炭化水素系基の複合体または共役体の形成をもたらし、すなわち、構成要素は、スタチン分子から誘導され、先に定義した炭化水素系基に共有結合している基を含む。
【0089】
したがって、本発明の目的で、用語「複合体」または「共役体」は、このような構成要素を示すための区別がされることなく用いられることとなる。
【0090】
したがって、本発明は、水性媒体の存在下にあるとき、ナノ粒子の形態で自発的に組織化する能力を有することを特徴とする複合体に関する。
【0091】
本発明によるスタチン/炭化水素系基の複合体の形成は、複合体の2種の構成要素が、以下に定義するように、共有結合及び/またはリンカーアームを形成することができる官能基を有することを必要とする。これらの官能基は、2種の出発構成要素に存在していても、存在していなくてもよい。これらの官能基が存在しないとき、出発構成要素または構成要素は、結合反応の前に修飾されなければならないことになる。
【0092】
より詳細には、本発明による炭化水素系化合物は、考慮主題のスタチン分子に存在する官能基と反応することができる官能基を一般に有することで、例えばエステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、ホスフェートまたはアミドタイプの2種の構成要素間での共有結合を確立するようになり、これにより、共有結合複合体を形成する。
【0093】
有利には、該官能基は、エステル官能基である。この場合、テルペン構造を有する炭化水素系化合物は、1,1',2-トリスノルスクアレノールまたはその誘導体であり、特に1,1',2-トリスノルスクアレニルブロモアセテートである。
【0094】
1つの実施形態の変形例によると、2種の分子間に存在する共有結合は、スペーサまたは代替的にはリンカーアームによって表されうる。このようなアームは、本発明によるスタチン/炭化水素系基の相互作用の力を増大させるのに、または、投与後に、有機体の酵素(例えば、エステラーゼ、カテプシン)による共役体の活性化を容易にして、これにより、スタチン分子の制御放出を可能にするのに有用であることを特に証明することができる。
【0095】
このようなアームは、適切な官能基、すなわち、予測される反応親和性(reactional affinity)をそれぞれ有する官能基を、その骨格の2個の端部:本発明による炭化水素系構造を有する誘導体に存在する官能基のための一方の端部;および考慮主題のスタチン分子に存在する官能基のための他方の端部のそれぞれを介して導入することを実際に可能にする。
【0096】
このリンカーアームが、不安定な官能基をその骨格において有し、これにより、炭化水素系構造を有する化合物を考慮主題のスタチン分子から分離するのに好適であることも想定できる。該アームは、例えば、酵素によって認識されうるペプチド単位であってもよい。
【0097】
リンカーアームタイプの単位は、当業者に周知であり、その使用は当業者の能力の範囲内である。
【0098】
本発明によって想定されうるリンカーアームの代表例として、先に定義したアルキレン鎖、(ポリ)アミノ酸単位、ポリオール単位、サッカリド単位、およびポリエチレングリコール(ポリエーテルオキシド)単位に特に言及することができる。
【0099】
本発明の目的で、
- 用語「サッカリド単位」は、トリオース(グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン)、テトロース(エリトロース、トレオース、エリトルロース)、ペントース(アラビノース、リキソース、リボース、デオキシリボース、キシロース、リブロース、キシルロース)、ヘキソース(アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース)、ヘプトース(マンノヘプツロース、セドヘプツロース)、オクトース(オクトロース、2-ケト-3-デオキシマンノオクトネート(deoxymannooctonate))、イソノース(isonoses)(シアロース)から選択される少なくとも1種の基を含む基を意味することが意図され、
- 用語「(ポリ)アミノ酸単位」は、少なくとも1種の単位:
【0100】
【化8】

【0101】
(式中、nは、1以上であり、R'は、水素原子、1個もしくは複数のヒドロキシル基によって任意に置換されたC1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシを表す)
を有する単位を意味することが意図される。
【0102】
したがって、本発明の目的で、「共有結合」は、特に先で特定した共有結合を好ましくは表すが、先に定義したリンカーアームによって表される共有結合もカバーする。
【0103】
したがって、本発明による共有結合性の複合体は、以下の式(III):
【0104】
【化9】

【0105】
(式中、
- Xは、単一の共有結合またはエステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、ホスフェートもしくはアミドタイプの官能基を表し、
- L1およびL2は、互いに独立して、単一の共有結合またはC1〜C4アルキレン基を表し、
- Raは、式(IIa)、(IIb)または(IIc)の化合物で定義した通りであり、m1およびm2は、式(I)の化合物で先に定義した通りであり、
【0106】
【化10】

【0107】
は、不飽和中心の場合による存在を表す)
の化合物によって表されうる。
【0108】
本発明の目的で、用語「C1〜C4アルキレン基」は、1〜4個の炭素原子を含みうる二価のアルキル基を意味することが意図される。例として、メチレン、プロピレン、イソプロピレンおよびブチレンに言及することができる。
【0109】
本発明は、以下の式(IIIa)または(IIIb):
【0110】
【化11】

【0111】
(式中、
m1およびm2は、式(I)の化合物で定義した通りであり、L2は、式(III)の化合物で定義した通りである)
の化合物によって表される、より具体的には複合体に関する。
【0112】
特に、式(IIIa)または(IIIb)の複合体、好ましくは、式(IIIa)の複合体が、本発明によって用いられる。
【0113】
したがって、本発明の主題は、先に定義した式(III)、(IIIa)または(IIIb)によって表されうる、本発明による複合体を対象とする。
【0114】
複合体を調製するための方法
本発明による、考慮主題の少なくとも1つのスタチン分子と、少なくとも1つの炭化水素系基との間の少なくとも1つの共有結合の確立に必要な反応は、標準条件にしたがって実施することができ、したがって、その履行は、明らかに、当業者の知識の部分である。
【0115】
より具体的には、スタチンと炭化水素系基との結合は、1,1',2-トリスノルスクアレニルブロモアセテートによる求核置換によって生成される。この反応は、本発明による、考慮主題の少なくとも1つの炭化水素系化合物の存在下に、本発明により用いられるスタチン分子に対してその過剰量で、例えば2当量の割合で、2種の構成要素のそれぞれが有する2種の特定の官能基の間での相互作用に必要とされる標準条件にしたがって、極性溶媒中の溶液において一般に実施される。
【0116】
先に示したように、本発明による、考慮主題の2種の構成要素間での共有結合の確立は、必要に応じて、反応しなければならない該基のそれぞれが、互いと反応することができる官能基、例えば、エステル結合を形成するためにはカルボキシル官能基およびヒドロキシル官能基、または代替的にはアミド結合を形成するためにはアミン官能基およびカルボキシル官能基を有することを必要とする。
【0117】
したがって、必要な場合には、2種の構成要素の一方が、ある場合にはスタチン分子が、他の場合には炭化水素系化合物が、結合反応の前に修飾されて、これらに適切な官能基を提供し、これらの間の共有結合の形成に必要な反応性をこれらに付与する。好ましくは、2種の分子のそれぞれが修飾されて、これらの間でアミドまたはエステル結合を確立する。
【0118】
好ましくは、本発明による複合体の合成のための出発炭化水素系化合物は、スクアレン誘導体、例えば、実施例1の工程1.1に示される1,1',2-トリスノルスクアレノールである。
【0119】
本発明によるナノ粒子
先に特定したように、本発明による、考慮主題の少なくとも1つのスタチン分子と、本発明による少なくとも1つの炭化水素系化合物との共有結合は、こうして複合体化されたスタチン分子に、極性溶媒体中で凝縮された形態で組織化するという能力を付与する性質を有し、これによりナノ粒子の形成がもたらされる。
【0120】
一般に、こうして得られるナノ粒子は、Coulter Electronics、Hialeah、USAからのCoulter(登録商標)N4MD nanosizerを用いた光散乱による測定から、30〜500nm、特に50〜250nm、または100〜400nmの範囲の平均サイズを有する。
【0121】
本発明の主題は、本発明によるナノ粒子を対象とし、その平均サイズは、30〜500nm、特に50〜250nm、または100〜400nmの範囲である。
【0122】
本発明の別の主題は、4-(N)-スクアレノイルプラバスタチンのナノ粒子に関する。このようなナノ粒子の取得は、実施例2に示される。
【0123】
有利には、特に凍結乾燥物の形態の本発明によるナノ粒子は、経口投与に特に有利である。
【0124】
ナノ粒子を調製するための方法
上記した複合体からのナノ粒子の形成は、複合体をナノ粒子の形態での凝集に好適な条件下に水性媒体と接触させることを含む限り、従来の技術にしたがって実施されうる。該形成は、ナノ沈澱、またはエマルジョン/溶媒蒸発と称される方法を特に含みうる。
【0125】
本発明によるナノ粒子は、以下の方法で好ましくは得られうる。
【0126】
予め、上記のように、本発明による少なくとも1つの炭化水素系化合物を本発明による少なくとも1つのスタチン分子に結合させることによって、スタチン/炭化水素系化合物複合体を形成する。
【0127】
次いで、得られた上記複合体を、少なくとも1種の有機溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール、またはアセトン)に、得られる混合物が水相に撹拌されながら、一般には滴加されるとき、上記水相中の懸濁物において本発明によるナノ粒子の瞬間形成を得るのに十分な濃度で分散させる。必要な場合には、上記ナノ粒子を当業者に周知の技術によって単離する。
【0128】
反応を周囲温度で一般に実施することができる。反応温度は、その値に関係なく、考慮主題のスタチン分子の活性に影響してはならない。本発明によるナノ粒子を調製するための方法は、界面活性剤の必須の存在を必要としないため特に有利であるが、それにも関わらず、界面活性剤は、例えば、プラバスタチンが用いられる場合には必要であることが証明されている場合がある。
【0129】
この特性は、多数の界面活性剤がインビボ適用に適合可能であることが証明されていないため、特に有益である。
【0130】
しかし、一般に有利にはいずれの毒性も有さない界面活性剤の使用が本発明との関連で想定されうることが理解されよう。このタイプの界面活性剤は、さらに、ナノ粒子の形成の際にさらに小さなサイズを得ることを可能にすることができる。本発明で用いられうるこのタイプの界面活性剤の非限定的な説明の目的で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリエチレングリコールのリン脂質誘導体および親油性誘導体に特に言及することができる。
【0131】
ポリエチレングリコールの親油性誘導体として、例えばポリエチレングリコールコレステロールおよびポリエチレングリコールスクアレンに言及することができる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーの例として、poloxamers(登録商標)、pluronics(登録商標)またはシンペロニックとしても公知であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリブロックコポリマーに言及することができ、これらは、BASF社によって特に販売されている。
【0132】
これらのコポリマーファミリーと関係し、(ポリオキシプロピレンをベースとする)疎水性セグメント、(ポリオキシエチレンをベースとする)親水性セグメント、およびエチレンジアミン単位から誘導する中心部分からなるポロキサミンを用いることもできる。
【0133】
本発明によるナノ粒子は、当然ながら、例えばヒドロキシルまたはアミン官能基などの数多くの反応性官能基を表面に有することができる。したがって、これらの官能基に全ての種類の分子を、特に共有結合を介して付着させることを想定することができる。
【0134】
ナノ粒子と関連しうるこのタイプの分子の非限定的な説明の目的で、ラベルタイプの分子、標的とする官能基を実施可能な化合物、および特定の薬物動態学的特性を付与することができる任意の化合物にも言及することができる。後者の態様に関しては、したがって、これらのナノ粒子の表面において、ポリエチレングリコールの親油性誘導体、例えば、ポリエチレングリコール/コレステロール共役体、ポリエチレングリコールホスファチジルエタノールアミン、またはさらに良好にはポリエチレングリコール/スクアレンを付着することが想定されうる。詳細には、スクアレン残基の互いに対する自然親和性を考慮して、ポリエチレングリコール/スクアレン共役体は、典型的には、本発明によるナノ粒子と関連し、そのため、ポリエチレングリコールによって表面コーティングされたナノ粒子の形成をもたらす。さらに、先に言及したように、ポリエチレングリコール/スクアレン共役体は、本発明によるナノ粒子の形成プロセスの際に、その両親媒性挙動に起因して、界面活性剤として有利には作用し、したがって、コロイド溶液を安定化するため、形成されるナノ粒子のサイズを減少させる。このような化合物、特に、ポリエチレングリコールもしくはポリエチレングリコール/コレステロール共役体またはポリエチレングリコール/スクアレン共役体をベースとした表面コーティングは、肝臓マクロファージによるナノ粒子の取り込みの大幅な減少に起因して増加された血管残留性を付与するのに実際に有利である。
【0135】
1つの有利な実施形態によると、本発明によるナノ粒子は、水性分散液の形態で配合される。
【0136】
別の特定の実施形態によると、この水性分散液は、界面活性剤など、例えば、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールおよびその誘導体、例えばエステルなどを、5重量%未満、またはさらには2重量%未満含有し、より著しくは、これらを有さない。
【0137】
別の特定の実施形態によると、この水性分散液は、5重量%未満、またはさらには2重量%未満のC2〜C4アルコール、例えばエタノールを含有する。
【0138】
したがって、水分散性ナノ粒子の形態のスクアレン酸を用いた、考慮主題のスタチンの水性媒体中の配合物は、注射可能な懸濁物を等張性にするのに必要な5%デキストロース以外のいずれの添加物も含まないナノ粒子の懸濁物を得ることを有利には可能にする。
【0139】
別の特定の実施形態によると、本発明によるナノ粒子は、凍結乾燥物の形態である。
【0140】
先に示したように、本発明はまた、本発明による少なくとも1種のナノ粒子の医薬組成物における使用にも向けられる。
【0141】
したがって、本発明の別の態様は、活性材料として、本発明による少なくとも1種の複合体をナノ粒子の形態で含む医薬組成物に関する。本発明による複合体は、少なくとも1種の薬学的に許容されるビヒクルと組み合わされていてよい。
【0142】
本発明の組成物と適合可能な薬学的配合物の例として、特に:
- 静脈内注射剤または注入剤;
- 塩水溶液、または精製水の溶液;
- 吸入用組成物;
- ビヒクルとして、特に、水、リン酸カルシウム、糖、例えばラクトース、デキストロースもしくはマンニトール、タルク、ステアリン酸、デンプン、炭酸ナトリウム及び/またはゼラチンを包含するカプセル、糖衣錠、カシェおよびシロップ
に言及することができる。
【0143】
複合体及び/またはナノ粒子が水溶液中の分散液として用いられるとき、これらは、封鎖もしくはキレート剤、抗酸化剤、pH調節剤及び/または緩衝剤などの賦形剤と組み合わされていてよい。
【0144】
上記化合物に加えて、本発明による医薬組成物は、防腐剤、湿潤剤、可溶化剤および着色剤などの剤を含有していてよい。
【0145】
しかし、これらは、スタチンの効果と共に、治療的観点から利用するのに有益でありうる他の活性剤を含有する。
【0146】
本発明による複合体及び/またはナノ粒子と組み合わされうるこれらの活性材料の代表例として、動脈系高血圧を減少させることが意図された活性剤、例えば、抗高血圧剤もしくは血圧降下剤、または脂質低下活性を有する他の化合物に特に言及することができる。中でも、利尿剤、例えばチアジド利尿剤、ループ利尿剤、例えばフロゼミド、抗アンドロステロン、または他のβ-遮断剤、例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、エスモロール、メトプロロール、ネビボロール、ナドロール、オクスプレノロール、プロプラノロール、ピンドロール、ソタロール、カルベジロール、ラベタロール、レボブノロールもしくはチモロール、変換酵素阻害剤(ACEI、CEI)、例えばベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリルもしくはトランドラプリル、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、例えばカンデサルタン、シレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタンおよびそのカリウム塩、オルメサルタン、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタンもしくはバルサルタン、カルシウム遮断剤、例えばアムロジピン、ガロパミル、ベラパミル、バルニジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンもしくはジルチアゼム、中枢神経系高血圧剤、α-刺激剤、例えばプラゾシン、テラゾシン、アルフゾシン、ドキサゾシンもしくはタムスロシン、末梢神経系α-遮断剤および血管拡張剤が挙げられる。
【0147】
また、フェノフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コレスチポール、エゼチミブ、チアデノール、ゲムフィブロジル、ポリ不飽和オメガ-3脂肪酸、オメガ-3酸トリグリセリド、ベンフロオレックス、アルファ-トコフェノール(ビタミンE)およびコレスチラミンから選択される他の脂質低下剤に言及することもできる。
【0148】
本発明による複合体及び/またはナノ粒子は、いずれの従来の経路によって投与されてもよい。しかし、先に特定したように、小さいサイズの粒子であると、水性懸濁物の形態で静脈内に投与されうるため、血管微小循環と適合可能である。
【0149】
明確な理由で、用いられうる本発明による複合体及び/またはナノ粒子の量は、使用の方法およびその投与のために選択された経路にしたがって大幅に変動することが可能である。
【0150】
一方で、局所投与では、本発明による複合体及び/またはナノ粒子を、目的とする薬学的配合物の全体重量の0.1重量%〜10重量%、またはさらにはこれを超える割合で配合することを想定することができる。
【0151】
以下の実施例は本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0152】
フーリエ分光計(Bruker Vector(登録商標)22フーリエ変換分光計)を用い、純粋な固体または液体における測定により赤外線スペクトルを得る。顕著な吸収のみを書き留める。PerkinElmer(登録商標)241旋光計を用いて589nmの波長で旋光度を測定した。1Hおよび13C NMRスペクトルを、Bruker ARX(登録商標)400分光計(1Hおよび13Cについて、それぞれ400MHzおよび100MHz)またはBruker Avance(登録商標)300分光計(1Hおよび13Cについて、それぞれ300MHzおよび75MHz)を用いて記録した。質量スペクトルを、Bruker Esquire-LC(登録商標)機器を用いて記録した。薄層クロマトグラフィ分析をシリカ6OF254プレート(0.25mmの層)において実施した。カラムクロマトグラフィをシリカ60ゲル(Merck、230〜400メッシュASTM)において実施した。空気または水に敏感な化合物を用いる全ての反応を窒素雰囲気下で実施した。
PDI=多分散指数
【実施例1】
【0153】
(N)-スクアレノイルプラバスタチン(SQprava)複合体の調製
工程1.1:(4E,8E,12E,16E)-4,8,13,17,21-ペンタメチルドコサ-4,8,12,16,20-ペンタエン-1-オール:
スクアレンアルデヒドをスクアレノールに還元する。これを行うため、106mg (0.9当量、2.7mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを、6mlのエタノールに溶解した1.15g(3mmol)のスクアレンアルデヒドに、0℃で少量ずつ添加する。混合物を、窒素雰囲気下、周囲温度で15分間撹拌し、次いで、反応混合物を2NのHCl溶液で中和する。次いで、溶媒を減圧下で蒸留する。残渣を10mlの水に溶解させ、酢酸エチルで抽出し(20mlで3回)、合わせた有機相をNaClの飽和水溶液(10ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、次いで、溶媒を減圧下で蒸留して、淡黄色油を得る。
IR (純度, cm-1) ν: 3060〜2840、1667 (弱い)、1445、1381。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 5.16〜5.09 (m, 5H)、3.62 (t, J = 6.4, 2H)、2.13〜1.94 (m, 21H)、1.61 (s, 3H)、1.53 (s, 15H)。
MS (APCI+, MeOH)、m/z(%): 387 ([M+H]+ (100))。
【0154】
工程1.2:(4E,8E,12E,16E)-4,8,13,17,21-ペンタメチルドコサ-4,8,12,16,20-ペンタエン-1-イルブロモアセテート
216mg(1.55当量、2.01mmol)のブロモ酢酸および数mgのDMAPを、6mlの無水CH2Cl2に溶解した500mg(1.3mmol)のスクアレノールに添加する。混合物を0℃まで冷却し、次いで、2mlのCH2Cl2に溶解した317mg(1.5当量、1.95mmol)のDCCを少量ずつ添加する。添加が完了した後、混合物を、窒素雰囲気下、周囲温度で18時間撹拌し、次いでセライトを通して濾過する。濾液を減圧下で濃縮する。残渣を、EtOAc/シクロヘキサン混合物:1/4を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィにかけ、55mgの無色油を得る。
IR (純度, cm-1) ν: 2960〜2850、1737、1668 (弱い)、1450、1382、1276、1381。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 5.18〜5.07 (m, 5H)、4.14 (t, J = 6.4, 2H)、3.82 (s, 2H)、2.16〜1.98 (m, 18H)、1.81〜1.71 (m, 2H)、1.68 (s, 3H)、1.53 (s, 15H); 13C (75MHz, CDCl3) δ: 167.2 (C)、135.0 (C)、134.8 (2C)、133.2 (C)、131.2 (C)、125.3 (CH)、124.4 (2 CH)、124.2 (2 CH)、65.9 (CH2)、39.7 (2 CH2)、39.6 (CH2)、35.5 (CH2)、28.2 (2 CH2)、28.7 (CH2)、26.6 (CH2)、26.5 (2 CH2)、25.6 (CH2)、25.6 (CH3)、17.6 (CH3)、16.0.(3 CH3)、15.8 (CH3)。
【0155】
工程1.3:2-オキソ-2-{[(4E,8E,12E,16E)-4,8,13,17,21-ペンタメチルドコサ-4,8,12,16,20-ペンタエン-1-イル]オキシ}エチル(3R,5R)-3,5-ジヒドロキシ-7-((1S,2S,6R,8S,8aR)-6-ヒドロキシ-2-メチル-8-{[(2S)-2-メチルブタノイル]オキシ}-1,2,6,7,8,8aヘキサヒドロナフタレン-1-イル)ヘプタノエート
111mg(2当量、0.22mmol)のスクアレニルブロモアセテートを、0.4mlの無水DMSOに溶解した50mg(0.11mmol)のプラバスタチンに添加する。混合物を、窒素雰囲気下、40℃で5時間加熱し、次いで、溶媒を減圧下で蒸留する。残渣を、EtOAc/シクロヘキサン混合物:1/1を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィにかけ、55mgのプラバスタチン-SQを無定形白色固体の形態で得る。
[α]D = 77.7 (c = 2.4, CHCl3);
IR (純度, cm-1) ν: 3500〜3200、2924、1728、1448、1375、1264、1182、1151。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.99 (d, J = 9.7Hz, 1H, H-4)、5.89 (dd, J = 9,7; 6.0Hz, 1H, H-3)、5.56 (s, 1H, H-5)、5.42 (s, 1H, H-8)、5.20〜5.05 (m, 5H, HC=C(Me))、4.72 (d, J = 15.8Hz, 1H, OCH2OCO)、4.61 (d, J = 15.8Hz, 1H, OCH2OCO)、4.46〜4.36 (m, 1H, H-6)、4.38〜4,22 (m, 1H, H-3')、4.15 (t, J = 6.9Hz, 2H, OCH2CH2CH2C(Me))、3.91 (広幅なs, 1H, OH)、3.83〜3.78 (m, 1H, H-5')、3.53 (広幅なs, 1H, OH)、2.65〜2.55 (m, 3H, 2H-2', H-1)、2.46〜2.35 (m, 1H, H-2)、2.35〜2.28 (m, 2H, HC(Me)(Et)CO2)、2.12〜1.92 (m, 18H, =C(Me)CH2CH2)、1.75 (五重線, J = 8.0Hz, 2H, OCH2CH2CH2C(Me))、1.68 (s, 3H, =C(CH3)2)、1.69〜1.50 (m, 21H, 5=C(CH3), H-7, H-4', 1 H CH3CH2CH(Me)CO2, 1H 6')、1.49〜1.35 (m, 2H, 1 H CH3CH2CH(Me)CO2,1 H-7')、1.16 (m, 1H, 1 H-6')、1.11 (d, J = 6.8Hz, 3H, (CH3)(Et)CHCO2)、0.90 (d, J = 7.6Hz, 3H, C-2(CH3))、0.88 (d, J = 7.6Hz, 3H, (CH3)(CH2CH3)CHCO2);
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 176.3 (CO)、171.3 (CO)、168.3 (CO)、136.1 (CH)、135.6 (C)、135.1 (C)、134.9 (2C)、133.3 (C)、131.2 (C)、127.3 (CH)、125.9 (CH)、125.4 (CH)、124.4 (2CH)、124.3 (2CH)、72.2 (CH)、69.5 (CH)、69.2 (CH)、65.6 (CH2)、65.1 (CH)、60.6 (CH2)、42.35 (CH2)、42.30 (CH2)、41.6 (CH)、39.7 (CH2)、39.6 (CH2)、37.7 (CH)、36.8 (CH2)、36.6 (CH)、35.6 (CH2)、34.6 (CH2)、30.9 (CH)、28.3 (2CH2)、26.8 (CH2)、26.65 (3CH2)、26.60 (2CH2)、25.7 (CH3)、23.8 (CH2)、16.8 (CH3)、16.0 (4CH3)、15.8 (CH3)、13.6 (CH3)、11.8 (CH3);
MS (ESI+, MeOH, DMSO)、m/z(%): 874 ([M+Na]+ (100))。
【実施例2】
【0156】
プラバスタチンナノ粒子の調製
4-(N)スクアレノイルプラバスタチンからなるナノ粒子の調製
ナノ粒子を、Fessi H.ら、Int. J. Pharm.、55; 1989年、R1〜R4に記載の方法と同様に、沈澱/溶媒蒸発法によって得る。
【0157】
4mgのSQプラバスタチンを薬瓶において0.5mlのエタノールに溶解させる。別のフラスコにおいて、2mgのSQ-PEGを0.2mlのアセトンおよび0.1mlのエタノールに、言及した順序で溶解させる。次いで、2つの溶液を混合して、得られた溶液を、撹拌しながら(500rpm)、1mlの5%デキストロース水溶液に滴加する。ナノ粒子が直ちに沈澱する。SQプラバスタチン溶液を含有したボトルをリンスし、リンス溶液をナノ粒子の懸濁物に添加する。2または3分の撹拌の後、ナノ粒子の懸濁物を計量済み丸底フラスコ内に移し、ロータリエバポレータ(50〜100mbar、20℃で10分、次いで37℃で約3〜5分)において、0.8〜0.9gの重量が得られるまで減圧下で濃縮する。次いで、溶液を、5%デキストロース溶液または滅菌水のいずれかを用いて1gにする。得られたナノ粒子のサイズは、Malvern nanosizer(Zetasizer)で測定すると、146nmである。
【0158】
ナノ粒子は、いずれの投与様式にも適合可能な平均サイズ、および水溶液中での良好な安定度も有する。
【0159】
ナノ粒子は、0.08の多分散指数を有する。
【0160】
多分散指数を当業者に周知の方法(例えば、Couvreurら、Nanoletters、第6巻、No. 11、2544〜2548頁、2006年に記載の方法と同様)にしたがって決定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタチンまたはその誘導体の少なくとも1種の分子から構成され、少なくとも18個の炭素原子を含みかつ以下の式:
【化1】

によって表される少なくとも1つの単位を含有する少なくとも1つの炭化水素系基に共有結合した複合体。
【請求項2】
炭化水素系化合物が、18〜40個の炭素原子、好ましくは18〜32個の炭素原子を含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
炭化水素系基が、以下の式(I):
【化2】

(式中、
- m1=1、2、3、4、5または6であり、
- m2=0、1、2、3、4、5または6であり、
【化3】

は、スタチンまたはその誘導体の分子への結合を表し、m2が0を表すとき、m1は少なくとも2を表すことが理解される)
の基によって表される、請求項1または2に記載の複合体。
【請求項4】
炭化水素系基が、式(I)の基であり、式中、m1が1を表し、m2が2を表す、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項5】
スタチンまたはその誘導体の分子が、4-ヒドロキシ-6-オキソ-2H-ピラン系またはそのジヒドロキシ酸形態と、特に多置換ヘキサヒドロナフタレンまたは多置換ヘテロ芳香族系として存在する親油性部分とを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項6】
スタチンから誘導される分子が、以下の式(IIa)、(IIb)または(IIc):
【化4】

(式中、
- Raは、アリールまたはヘテロアリール基を表し、1個または複数のR基によって任意に置換されており、
- Rは、ヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、-O-C(O)C1〜C6アルキル基、フェニル、-NR1R2基、-C(O)NR1R2基または-C(O)OR3基を独立して表し、前記アルキルおよびフェニル基は、1個もしくは複数のハロゲン原子または1個もしくは複数のヒドロキシル基によって任意に置換されており、
- R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、C1〜C6アルキル基、-SO2-C1〜C6アルキルまたはフェニルを表し、前記C1〜C6アルキルおよびフェニル基は、1個もしくは複数のハロゲン原子または1個もしくは複数のヒドロキシル基によって任意に置換されており、
- R3は、水素原子、あるいは1個もしくは複数のハロゲン原子または1個もしくは複数のヒドロキシル基によって任意に置換されたC1〜C6アルキルを表す)
によって表される、塩基の形態、または酸との付加塩の形態、ならびにさらには水和物または溶媒和物の形態、ならびにさらにはそのエナンチオマーおよびジアステレオ異性体の形態、ならびにその混合物の形態である、請求項1から5のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項7】
スタチンから誘導される分子が、アトルバスタチン、ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチンおよびロスバスタチンから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項8】
前記複合体を形成する2種の構成要素が、エステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、ホスフェートまたはアミドタイプの共有結合によって結合している、請求項1から7のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項9】
以下の式(III):
【化5】

(式中、
- Xは、単一の共有結合またはエステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、ホスフェートもしくはアミドタイプの官能基を表し、
- L1およびL2は、互いに独立して、単一の共有結合またはC1〜C4アルキレン基を表し、
- Raは、式(IIa)、(IIb)または(IIc)の化合物で定義した通りであり、m1およびm2は、式(I)の化合物で定義した通りであり、
【化6】

は、不飽和中心の場合による存在を表す)
の化合物によって表される、塩基の形態、または酸との付加塩の形態、ならびにさらには水和物または溶媒和物の形態、ならびにさらにはそのエナンチオマーおよびジアステレオ異性体の形態、ならびにその混合物の形態である、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項10】
水性媒体の存在下にあるとき、ナノ粒子の形態で自発的に組織化する能力を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の複合体。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の複合体のナノ粒子。
【請求項12】
その平均サイズが、30〜500nm、特に50〜250nm、または100〜400nmの範囲である、請求項11に記載のナノ粒子。
【請求項13】
4-(N)-スクアレノイルプラバスタチンの、請求項11または12に記載のナノ粒子。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載のナノ粒子を調製するための方法であって、少なくとも、
- 請求項1から10のいずれか一項に記載の複合体の、少なくとも1種の有機溶媒への分散工程であって、得られる混合物が水相に撹拌されながら添加されるとき前記水相中の懸濁物において前記複合体のナノ粒子の瞬間形成を達成するのに十分な濃度での分散工程を含み、
- 必要に応じて、前記ナノ粒子の単離工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
凍結乾燥工程も含む、請求項14に記載の調製方法。
【請求項16】
請求項1から10の一項に記載の少なくとも1種の複合体及び/または請求項11から13の一項に記載の少なくともナノ粒子を含む凍結乾燥物。
【請求項17】
請求項1から10の一項に記載の少なくとも1種の複合体及び/または請求項11から13の一項に記載の少なくともナノ粒子を含む医薬組成物であって、前記複合体及び/または前記ナノ粒子が、任意に、請求項16に定義した凍結乾燥物の形態で、少なくとも1種の許容される薬学的ビヒクルと組み合わされている、医薬組成物。
【請求項18】
請求項1から10の一項に記載の複合体及び/または請求項11から13の一項に記載のナノ粒子であって、任意に、請求項16に定義した凍結乾燥物の形態での、高脂血症、高コレステロール血症の治療及び/または予防、特に、心血管疾患、肥満、異脂肪症の治療及び/または予防のための、複合体及び/またはナノ粒子。

【公表番号】特表2012−507503(P2012−507503A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533903(P2011−533903)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054781
【国際公開番号】WO2010/049900
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(598118019)セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク (15)
【出願人】(510302412)ユニヴェルシテ・パリ・シュド (3)
【Fターム(参考)】