説明

スタンドアロン基地局、携帯端末および基地局検出方法

【課題】携帯端末とスタンドアロン基地局とを用いたシステムにおいて、携帯端末を用いて効率よく基地局を検出するためのセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】スタンドアロン基地局100は、複数の携帯端末から、直前に通信した基地局の位置情報を含む履歴情報を受信する受信部103と、自局の位置情報、隣接基地局の位置情報、および、履歴情報に含まれる位置情報に基づいて、スタンドアロン基地局と隣接基地局との間に新規の基地局が存在するかを判断し、隣接基地局の位置情報を更新する検出スケジュール制御部106と、新規の基地局と自局との距離情報および分割数に基づいて、携帯端末に対して、基地局を検出する待機状態を割り振る複数の検出スケジュール情報を含む検出スケジュールリストを生成する検出スケジュールリスト生成部107と、検出スケジュール情報を送信する送信部112とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を用いてスタンドアロン基地局を検出する、スタンドアロン基地局、携帯端末および基地局検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自治体や警察等により、住民の街中での安心、安全を確保するためのサービスが検討されている。このサービスは、無線ICタグ(RFID)の一種であるアクティブタグを用いて、基地局から防犯や安全のための情報(以下、このような情報を安全情報と記す)を配信するサービスである。ここで、基地局から配信される安全情報は、例えば、不審者情報、事故多発地域についての情報または行方不明者の情報等を含む。
【0003】
このようなサービスにおいては、街中の様々な場所に設置された基地局と、ユーザが有するアクティブタグを内蔵した小型の携帯端末とを用いたセキュリティシステムが用いられる。そして、基地局が、携帯端末に対して、前述した安全情報を配信する。このようなセキュリティシステムの導入により、自治体等は、携帯端末を有するユーザに対して、行く先々でその地点ならではの注意を促すことができ、ユーザも安全情報を自らの防犯や安全を守る行動につなげることができる。
【0004】
このようなセキュリティシステムを実現しようとした場合、基地局が街中に点在することから、携帯端末は、安全情報を受信するために基地局を検出する必要がある。このとき、携帯端末が、基地局を検出する処理を常時行うと、消費電力が大きくなってしまうという課題があった。
【0005】
このような課題に対して、携帯端末が、接続する無線LAN基地局を通じて、管理サーバから、周辺の無線LAN基地局についての位置情報を取得する技術が提案されている。このような技術において、携帯端末は、GPS等を用いて定期的に自端末の現在位置を検出する必要がある。そして、携帯端末は、取得した位置情報により無線LAN基地局の通信可能範囲内に自らが入ったと判断し、無線LAN基地局の検出処理を行うことができる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−135727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、携帯端末は管理サーバから位置情報を取得するため、管理サーバが接続されていない場合や、管理サーバにアクセスできない場合には、他の基地局を検出できない。つまり、ネットワーク等の接続によって他の基地局の位置情報を常時取得できないスタンドアロン基地局を用いて、セキュリティシステムを構築した場合には、携帯端末は他の基地局の検出が行えないという課題があった。
【0008】
このような課題に鑑みて、本発明は、携帯端末とスタンドアロン基地局とを用いたシステムにおいて、携帯端末を用いて効率よく基地局を検出するための、スタンドアロン基地局、携帯端末および基地局検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のスタンドアロン基地局は、複数の携帯端末に対して情報を提供するスタンドアロン基地局であって、複数の携帯端末から、複数の携帯端末それぞれが直前に通信した基地局の位置情報を含む履歴情報を受信する受信部と、隣接基地局の位置情報および分割数を保持するスケジュール生成情報保持部と、自局の位置情報、隣接基地局の位置情報、および、履歴情報に含まれる位置情報に基づいて、スタンドアロン基地局と隣接基地局との間に新規の基地局が存在するかを判断し、新規の基地局が存在すると判断された場合に、スケジュール生成情報保持部に保持された隣接基地局の位置情報を更新する検出スケジュール制御部と、検出スケジュール制御部からの分割数および新規の基地局と自局との距離情報に基づいて、複数の携帯端末に対して、基地局を検出する待機状態を割り振る複数の検出スケジュール情報を含む検出スケジュールリストを生成する検出スケジュールリスト生成部と、複数の携帯端末に対して、検出スケジュールリストから選択された検出スケジュール情報を送信する送信部とを備える。
【0010】
本発明の携帯端末は、スタンドアロン基地局から情報を提供される携帯端末であって、直前に通信した基地局の位置情報を含む履歴情報を保持する履歴情報保持部と、スタンドアロン基地局に対して、履歴情報保持部に保持された履歴情報を送信する送信部と、送信部が送信した履歴情報にもとづいてスタンドアロン基地局で生成された、基地局の検出処理を行うスケジュールを示す検出スケジュール情報を、スタンドアロン基地局から受信する受信部と、受信部が受信した検出スケジュール情報に基づいて、受信部を待機状態または休止状態に切り替える制御部とを備える。
【0011】
本発明の基地局検出方法は、携帯端末に対して情報を提供するスタンドアロン基地局の、新規の基地局を検出する基地局検出方法であって、携帯端末から、携帯端末が直前に通信した基地局の位置情報を含む履歴情報を受信するステップと、履歴情報に含まれる位置情報と、あらかじめ保持された、自局の位置情報および隣接基地局の位置情報に基づいて、スタンドアロン基地局と隣接基地局との間に新規の基地局が存在するかを判断するステップと、新規の基地局が存在すると判断された場合に、隣接基地局の位置情報を更新するステップとを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯端末とスタンドアロン基地局とを用いたシステムにおいて、携帯端末を用いて効率よく基地局を発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるスタンドアロン基地局および携帯端末の基本的なユースケースについて説明するための図
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるスタンドアロン基地局および携帯端末の構成を示す機能ブロック図
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるスタンドアロン基地局および携帯端末間の基本シーケンスを示す図
【図4】本発明の第1の実施の形態における、検出スケジュール情報の生成処理を説明するためのフローチャート
【図5】本発明の第1の実施の形態における、検出スケジュール情報について説明するための図
【図6】本発明の第1の実施の形態における、検出スケジュールリストの一例を示す図
【図7】本発明の第1の実施の形態における、通過数の一例を示す図
【図8】本発明の第1の実施の形態における、検出スケジュール情報の効果について説明するための図
【図9】本発明の第1の実施の形態における、携帯端末がスタンドアロン基地局、スタンドアロン基地局、スタンドアロン基地局の通信範囲を移動してゆく様子を示した図
【図10】本発明の第1の実施の形態における基地局検出方法のシーケンスを示す図
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるセキュリティシステムの構成を示す機能ブロック図
【図12】本発明の第2の実施の形態における、検出スケジュールリストの一例を示す図
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるセキュリティシステムの構成を示す機能ブロック図
【図14】本発明の第4の実施の形態におけるセキュリティシステムの構成を示す機能ブロック図
【図15】本発明の第5の実施の形態におけるセキュリティシステムの構成を示す機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態におけるスタンドアロン基地局および携帯端末の基本的なユースケースについて説明するための図である。
【0015】
図1に示したように、複数のスタンドアロン基地局100およびアクティブタグを有する複数の携帯端末200が、セキュリティシステム300を構成している。
【0016】
スタンドアロン基地局100は、街角の任意の場所に設置される。ここで、スタンドアロン基地局100とは、ネットワーク等の接続によって他のスタンドアロン基地局100の位置情報を常時取得可能ではない基地局のことをいう。このようなスタンドアロン基地局100は、例えばネットワークに接続されていない基地局や、ネットワークに接続されていても、他の基地局の位置情報をサーバ等の他の装置から取得できない基地局等を含む。各スタンドアロン基地局100には、設置される場所に応じて、あらかじめユーザに対して報知すべき各種情報(例えば安全情報)が記憶されている。
【0017】
ユーザは、携帯端末200を携帯している。ユーザが移動中に、携帯端末200が、あるスタンドアロン基地局100の通信範囲400内に入った場合には、そのスタンドアロン基地局100から携帯端末200に対して、予め記憶された安全情報が送られる。ここで、安全情報とは、例えば「この辺りで不審者が多いので気をつけましょう」、「車が沢山通るので、左右を確認してから横断歩道を渡りましょう」等の、ユーザに安全のための行動を促すための情報である。これにより、ユーザは、スタンドアロン基地局100から送られた、その場所に応じた安全情報を、携帯端末200による表示や音声等の適切な方法で知ることができる。
【0018】
ここで、スタンドアロン基地局100および携帯端末200の構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態におけるスタンドアロン基地局100および携帯端末200の構成を示す機能ブロック図である。
【0019】
まず、携帯端末200について、説明する。携帯端末200は、端末情報保持部201、履歴情報保持部202、検出スケジュール保持部203、送信部204、受信部205、タイマ部206および制御部207を有している。
【0020】
端末情報保持部201は、携帯端末200自らを識別するための、例えば識別子を含む端末情報を保持している。
【0021】
履歴情報保持部202は、携帯端末200が直前に通信したスタンドアロン基地局100の位置情報を履歴情報として保持している。履歴情報は、例えば携帯端末200が直前に通信したスタンドアロン基地局100の位置を表した緯度および経度を含む情報であり、位置を特定できる情報であれば、この例に限定されない。
【0022】
検出スケジュール保持部203は、スタンドアロン基地局100から受信した検出スケジュール情報を保持している。本実施の形態における検出スケジュール情報は、携帯端末200がスタンドアロン基地局100の検出処理を行うべき待機状態、または、検出処理を行わない休止状態を時間で示す情報である。検出スケジュール情報は、待機状態を示す時間「検出スケジュール情報を受信後10〜20秒、30〜40秒および60秒以上(一例)」を含む。なお、検出スケジュール情報は、携帯端末200がスタンドアロン基地局100の検出処理を行うべき時間を特定できる情報であれば良い。また、検出スケジュール情報は、携帯端末200の休止状態を特定できる情報であってもよい。
【0023】
送信部204は、端末情報保持部201に保持された端末情報および履歴情報保持部202に保持された履歴情報を、スタンドアロン基地局100に対して送信する。
【0024】
受信部205は、スタンドアロン基地局100から、起動要求、スタンドアロン基地局100の位置情報である基地局情報、検出スケジュール情報、安全情報等を受信する。ここで、基地局情報は、前述の履歴情報と同様に、スタンドアロン基地局100の位置を特定できる情報であるものとする。また、基地局情報には、携帯端末200で識別するために、スタンドアロン基地局100を識別する情報(例えば識別子)を含んでもよい。受信部205で受信された検出スケジュール情報は、検出スケジュール保持部203で保持される。また、受信部205で受信された基地局情報は、履歴情報として履歴情報保持部202で保持される。受信部205で受信された安全情報は、表示手段や音声発生手段等の図示しない手段によって、ユーザに報知される。
【0025】
タイマ部206は計時手段であり、様々な公知の手段を用いることができる。
【0026】
制御部207は、各機能ブロックの動作を制御する。制御部207は、例えばタイマ部206を用いて、受信部205の待機状態と休止状態との切り替えを制御する。また、必要に応じて制御部207は、受信部205による情報受信のタイミングや、送信部204による情報送信のタイミングを制御する。
【0027】
次に、スタンドアロン基地局100について、説明する。
【0028】
スタンドアロン基地局100は、自局情報保持部101、安全情報保持部102、受信部103、制御部104、基地局間距離算出部105、検出スケジュール制御部106および検出スケジュールリスト生成部107、検出スケジュールリスト保持部108、タイマ部109、スケジュール生成情報保持部110、検出スケジュール保持部111、送信部112および流量検出部113を有している。
【0029】
自局情報保持部101は、スタンドアロン基地局100の位置を示す位置情報、例えば、緯度および経度を含む情報を基地局情報として保持する。また、自局情報保持部101は、さらに、スタンドアロン基地局100を識別する情報(例えば、識別子)を保持してもよい。
【0030】
安全情報保持部102は、例えば、前述したユーザに報知すべき安全情報を保持する。
【0031】
受信部103は、携帯端末200の送信部204から送られた端末情報および履歴情報を受信して、検出スケジュール制御部106に送る。
【0032】
制御部104は、受信部103と送信部112の動作を制御する。制御部104は、例えばタイマ部109の計時に従って、受信部103における情報の受信および送信部112における情報の送信のタイミングを制御する。
【0033】
基地局間距離算出部105は、検出スケジュール制御部106を介して取得した履歴情報に含まれる基地局の位置情報、および自局情報保持部101に保持された基地局情報に基づいて、基地局と自局との距離の演算を行う。具体的には、基地局間距離算出部105は、履歴情報に含まれる基地局と自局との距離を算出し、距離情報として検出スケジュール制御部106に送る。
【0034】
検出スケジュール制御部106は、受信部103、タイマ部109、流量検出部113、検出スケジュールリスト生成部107、基地局間距離算出部105、検出スケジュールリスト保持部108、スケジュール生成情報保持部110と接続されている。検出スケジュール制御部106は、隣接基地局か否かの判断と、検出スケジュールリスト生成部107に対する検出スケジュールリストの生成指示を行う。また、検出スケジュール制御部106は、検出スケジュールリストから検出スケジュール保持部111が保持すべき検出スケジュール情報の選択を行う。
【0035】
検出スケジュール制御部106における隣接基地局か否かの判断と、検出スケジュールリストの生成指示について、具体的に説明する。
【0036】
検出スケジュール制御部106は、まず、基地局間距離算出部105から送られた距離情報に基づいて、携帯端末200から送られた履歴情報中の基地局が登録された隣接基地局か否かを判断する。ここで、隣接基地局とは、検出スケジュール制御部106によって、その時点で最も自局の近くに位置すると判断されたスタンドアロン基地局100を指す。そして、検出スケジュール制御部106は、履歴情報中の基地局が隣接基地局であると判断した場合は、スケジュール生成情報保持部110に保持された隣接基地局の位置情報を履歴情報中の基地局の位置情報に更新する。
【0037】
検出スケジュール制御部106は、スケジュール生成情報保持部110が保持する、自局と隣接基地局との距離を示す距離情報や、後述する分割数等により、検出スケジュールリストを生成すべきか否かを判断する。また、検出スケジュール制御部106は、検出スケジュールリストを生成すべきと判断した場合には、検出スケジュールリスト生成部107に対して検出スケジュールリストの生成指示をする。
【0038】
次に、検出スケジュール情報の選択において、検出スケジュール制御部106は、検出スケジュールリスト保持部108が保持する検出スケジュールリストから、以降に通信する携帯端末200に送信すべき検出スケジュール情報を選択する。検出スケジュール制御部106は、選択した検出スケジュール情報を検出スケジュール保持部111に送る。
【0039】
検出スケジュール保持部111は送信バッファの役割を有するものである。つまり、起動要求に対して端末情報と履歴情報を送信してきた携帯端末200に対し、送信部112は、検出スケジュール保持部111が保持する検出スケジュールを、安全情報や基地局情報とともに速やかに送信する。検出スケジュール制御部106による検出スケジュールの選択と、送信部112による携帯端末200への送信は、非同期に行うことが可能である。
【0040】
検出スケジュールリストとは、一または複数の検出スケジュール情報を含むものであり、検出スケジュールリストおよび検出スケジュール情報の詳細については、後述する。
【0041】
検出スケジュールリスト生成部107は、検出スケジュール制御部106より送られる分割数や自局と隣接基地局との距離等の情報に基づいて、検出スケジュールリストを生成する。
【0042】
検出スケジュールリスト保持部108は、検出スケジュールリスト生成部107が生成した検出スケジュールリストを保持する。
【0043】
タイマ部109は、計時手段であり、公知の様々な手段を用いることができる。
【0044】
スケジュール生成情報保持部110は、検出スケジュール制御部106が検出スケジュールリストを生成すべきか否かを判断するために必要な様々な情報を保持している。またスケジュール生成情報保持部110は、検出スケジュールリスト生成部107が検出スケジュールリストを生成するために必要な、様々な情報も保持している。具体的には、隣接基地局の位置情報、および、その隣接基地局と自局との距離を示す距離情報を保持している。また、スケジュール生成情報保持部110は、隣接基地局までの範囲における基地局の検出を、いくつの検出スケジュール情報に分割するかを示す分割数も保持している。さらに、スケジュール生成情報保持部110は、検出スケジュールリストの再生成や検出スケジュール情報の選択を行うための閾値情報(例えば、タイミングや通過数等)も保持している。なお、スケジュール生成情報保持部110で保持された情報は、外部からの設定によっても変更できるものとする。
【0045】
検出スケジュール保持部111は、検出スケジュール制御部106で生成された検出スケジュール情報を保持する。
【0046】
送信部112は、安全情報保持部102に保持された安全情報、自局情報保持部101に保持された基地局情報、検出スケジュール保持部111に保持された検出スケジュール情報および起動要求等を、携帯端末200に対して送信する。
【0047】
流量検出部113は、検出スケジュール制御部106が、受信部103から履歴情報を受信した回数をカウントして、携帯端末200の通過総数や、単位時間当たりの携帯端末200の通過数等を保持する。保持された値は、検出スケジュール制御部106における検出スケジュールリストの生成指示の判断や、検出スケジュールリスト生成部107における、検出スケジュールリストの生成等に用いられる。
【0048】
次に、スタンドアロン基地局100および携帯端末200の動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態におけるスタンドアロン基地局100および携帯端末200間の基本シーケンスを示す図である。
【0049】
携帯端末200の制御部207は、検出スケジュール保持部203に保持している検出スケジュール情報に従って、タイマ部206で計時を行いながら、受信部205を休止状態と待機状態との間で遷移させる。待機状態では、受信部205はスタンドアロン基地局100からの信号を待機しているので電力を消費するが、休止状態ではスタンドアロン基地局100からの信号を待機しないので、待機状態に比べて消費電力が少ないものとする。
【0050】
スタンドアロン基地局100の送信部112からは、携帯端末200の起動を促すための起動要求が所定の間隔などで送られる。送信部112から送られた起動要求は、携帯端末200の受信部205が休止状態であるときには受信されないが(S301)、待機状態であるときに受信される(S302)。
【0051】
ユーザが街中を移動することにより、携帯端末200がスタンドアロン基地局100の通信範囲400内に入った場合、携帯端末200の受信部205は、待機状態でスタンドアロン基地局100からの起動要求を受信する(S302)。そして、制御部207は、送信部204に対して、スタンドアロン基地局100から送られた起動要求に対して応答するように指示する。この指示に基づいて、送信部204は、起動要求の応答として、端末情報保持部201に保持された携帯端末200の端末情報と、履歴情報保持部202に保持された履歴情報とをスタンドアロン基地局100に送信する(S303)。
【0052】
スタンドアロン基地局100の受信部103は、携帯端末200から送られた端末情報および履歴情報を受信する。そして、受信した端末情報および履歴情報は、検出スケジュール制御部106に送信される。そして、検出スケジュール制御部106は、送信された履歴情報に基づいて、検出スケジュール情報の生成処理を開始する(S304)。検出スケジュール情報の生成処理は、検出スケジュール制御部106による検出スケジュールリスト生成指示、検出スケジュールリスト生成部107による検出スケジュールリスト生成等の処理を含む。
【0053】
スタンドアロン基地局100における、「検出スケジュール情報の生成処理」について詳細に説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態における、検出スケジュール情報の生成処理を説明するためのフローチャートである。
【0054】
検出スケジュール制御部106は、受信部103から履歴情報を受信すると、基地局間距離算出部105に対して、履歴情報に含まれる基地局の位置情報を送信する。基地局間距離算出部105は、送信された位置情報と、自局情報保持部101に保持された基地局情報とを用いて、自局と履歴情報中の基地局との距離を算出する(S401)。
【0055】
次に、検出スケジュール制御部106は、履歴情報に含まれる基地局が隣接基地局であるか否かを判断する。検出スケジュール制御部106は、スケジュール生成情報保持部110に保持された隣接基地局と自局との距離を示す距離情報と、基地局間距離算出部105で算出された、自局と履歴情報中の基地局との距離を示す距離情報とを比較する。そして、新たに算出された自局と履歴情報中の基地局間の距離が、あらかじめ保持された隣接基地局と自局との距離よりも短ければ、履歴情報に含まれる基地局を新たな隣接基地局であると判断する。検出スケジュール制御部106は、それ以外の場合に、履歴情報に含まれる基地局が新たな隣接基地局ではないと判断する(S402)。
【0056】
ステップS402で履歴情報中の基地局が新たに隣接基地局であると判断された場合、検出スケジュール制御部106は、スケジュール生成情報保持部110に保持された情報を更新する。具体的には、検出スケジュール制御部106は、スケジュール生成情報保持部110に保持された隣接基地局の位置情報を、履歴情報中の基地局の位置情報に更新する。また、検出スケジュール制御部106は、スケジュール生成情報保持部110に保持された隣接基地局と自局との距離を示す距離情報を、履歴情報中の基地局と自局との距離を示す距離情報に更新する(S403)。
【0057】
検出スケジュール制御部106は、検出スケジュールリストの分割数を変更すべきか否かを判断する(S404)。具体的には、検出スケジュール制御部106は、流量検出部113に保持された通過数(総数または単位時間当たり)が、スケジュール生成情報保持部110に保持された閾値を越えた場合に、分割数を変更すべきと判断する。検出スケジュール制御部106は、ステップS404で、分割数を変更すべきと判断した場合は、ステップS405に進み、そうでない場合にはステップS406に進む。また、検出スケジュール制御部106は、スケジュール生成情報保持部110に保持された分割数が、外部からの設定によって変更された場合にも、分割数の変更を行うべきだと判断する。分割数については、後で詳しく説明する。
【0058】
検出スケジュール制御部106は、検出スケジュールリスト生成部107に対し、スケジュール生成情報保持部110に保持された、隣接基地局と自局との距離を示す情報と分割数とを送信し、検出スケジュールリストの生成を指示する。
【0059】
検出スケジュールリスト生成部107は、受信した情報に基づいて、分割数分の検出スケジュール情報を有する検出スケジュールリストを作成する(S405)。そして、検出スケジュールリスト生成部107は、検出スケジュールリスト保持部108に保持された検出スケジュールリストを更新する。
【0060】
ここで、検出スケジュール情報および検出スケジュールリストについて説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態における、検出スケジュール情報について説明するための図である。また、図6は、本発明の第1の実施の形態における、検出スケジュールリストの一例を示す図である。
【0061】
図5は、スタンドアロン基地局100とスタンドアロン基地局150の配置を示す図である。また、スタンドアロン基地局100のスケジュール生成情報保持部110には、隣接基地局として、スタンドアロン基地局150の位置情報と距離情報を保持しているものとする。このような状況において、検出スケジュールリスト生成部107は、図6に示すような検出スケジュールリストを生成する。図6に示された例では、検出スケジュール制御部106から検出スケジュールリスト生成部107に送信される分割数が「3」であり、三つの検出スケジュール情報を含む検出スケジュールリストが作成されている。
【0062】
検出スケジュールリスト生成部107は、図6に示す、スタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局150までの距離を三分割するような検出スケジュールリストを作成する。検出スケジュールは、スタンドアロン基地局100からの時間(スタンドアロン基地局100から検出スケジュール情報を、受信してからの相対時間)で表されている。図6に示した各検出スケジュール情報は、「0〜15秒と45秒以降(検出スケジュール番号「1」)」、「15〜30秒と45秒以降(検出スケジュール番号「2」)」および「30秒以降(検出スケジュール番号「3」)」である。各検出スケジュール情報は、それぞれの携帯端末200が基地局の検出処理を行うべき時間、すなわち待機状態とすべき時間を示している。
【0063】
検出スケジュールリストの生成にあたり、検出スケジュールリスト生成部107は、検出スケジュール制御部106から送られた隣接基地局と自局との距離情報に基づき、自局から隣接基地局までの携帯端末200の移動時間を計算する。ここで、検出スケジュールリスト生成部107は、携帯端末200を携帯するユーザの単位時間当たりの平均移動距離(速度情報)を有しているものとする。
【0064】
図6に示した例では、検出スケジュールリスト生成部107が、スタンドアロン基地局100の通信範囲400からスタンドアロン基地局150の通信範囲400まで、ユーザが移動するのに要する時間が45秒であると算出したものとする。そして、検出スケジュールリスト生成部107は、スタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局150までの距離を三分割し、三つの検出スケジュールを含む検出スケジュールリストを作成する。作成された検出スケジュールリストは、検出スケジュールリスト保持部108に保持される。
【0065】
スタンドアロン基地局100は、このような検出スケジュールリストの作成により、スタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局150までの範囲において、いずれかの携帯端末200に基地局の検出処理を行わせることができる。
【0066】
図4に戻って、ステップS404で分割数を変更すべきでないと判断された場合、およびステップS405で検出スケジュールリストの生成が行われた場合の処理について説明する。この場合、検出スケジュール制御部106は、検出スケジュール情報の選択頻度変更が必要であるか否かを判断する(S406)。検出スケジュール情報の選択とは、検出スケジュールリスト保持部108の検出スケジュールリストからの、以降に通信する携帯端末200に送信すべき検出スケジュール情報の選択と、検出スケジュール保持部111への送信を意味する。具体的には、検出スケジュール制御部106は、流量検出部113に保持された通過数やスケジュール生成情報保持部110に保持された閾値情報等に基づいて、検出スケジュール情報の選択頻度変更を行うべきか否かを判断する。
【0067】
検出スケジュール情報の選択頻度変更について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態における、流量検出部113が保持する通過数の一例を示す図である。図7に示したように、流量検出部11は、通過する携帯端末200の数をカウントした結果、10時から12時までに100台、12時から14時までに10台の携帯端末200が通過したことを検出する。この場合、12時から14時までの間は、10時から12時の間に比べて、単位時間当たりの携帯端末200の通過数が少ない。よって、検出スケジュール制御部106は、12時に検出スケジュール情報の選択頻度を上げることにより、携帯端末200に、より確実に基地局を発見させることが出来る。
【0068】
例えば、検出スケジュール情報の選択頻度が「携帯端末200の通過数30ごと」で、検出スケジュール情報の選択方法が「リストの上から順に」だった場合について説明する。この場合には、10時から12時は最初の30台の携帯端末200に対して、図6の検出スケジュール番号「1」の検出スケジュール情報が送られる。そして、次の30台の携帯端末200に対しては検出スケジュール番号「2」の検出スケジュール情報、次の30台の携帯端末200に対しては検出スケジュール番号「3」の検出スケジュール情報が送られる。さらに、残り10台の携帯端末200に対しては、検出スケジュール番号1の検出スケジュール情報が送信される。このように、10時から12時は携帯端末200に対し、満遍なく検出処理を分担させることが可能になる。
【0069】
これに対し、12時から14時の間も、検出スケジュール情報の選択頻度が「携帯端末200の通過数30ごと」で、検出スケジュール情報の選択方法が「リストの上から順に」だった場合について説明する。この場合には、10台の携帯端末200に対し検出スケジュール番号「1」の検出スケジュール情報が送信されることになる。つまり、同じ2時間であるにも関わらず、通過数の多い10時から12時は携帯端末200に対し、満遍なく検出処理を分担させることが可能になる一方、12時から14時は検出処理をさせる時間に偏りが生じることになる。この場合、12時から14時の間は、検出スケジュール情報の選択頻度を「携帯端末200の通過数3ごと」とすれば、12時から14時の間も、満遍なく検出処理を分担させることが可能となる。検出スケジュール制御部106は、流量検出部113が保持する過去の通過数の統計により、時間帯による通過数の傾向が分かる。この傾向によって、検出スケジュール制御部106は、例えば2時間の平均通過数の10分の1の通過数を検出スケジュール情報の選択頻度として算出し、選択頻度をスケジュール生成情報保持部110に送信する。スケジュール生成情報保持部110は受信した選択頻度を保持する(S407)。
【0070】
検出スケジュール制御部106は、タイマ部109で計時された時間帯によって、検出スケジュール情報の選択頻度変更が必要か否かを判断する。なお、検出スケジュール制御部106は、時間帯によらず、所定の通過数毎に、検出スケジュール情報を選択するようにしてもよい。検出スケジュール情報を切り替える時間帯や通過数等の閾値情報は、スケジュール生成情報保持部110に保持しておくことが可能であり、外部からの設定によって変更可能である。
【0071】
図4に戻って、ステップS406で検出スケジュール情報の選択頻度変更が必要でないと判断した場合、およびステップS407で選択頻度を変更した場合について説明する。この場合、検出スケジュール制御部106は検出スケジュール情報の選択が必要か否かを判断する(S408)。具体的には、流量検出部113が保持する通過数が検出スケジュール情報を前回選択したときから増加している数と、スケジュール生成情報保持部110が保持する選択頻度を比較することによって判断する。例えば通過数が検出スケジュール情報を前回選択したときから「5」増加しており、スケジュール生成情報保持部110が保持する選択頻度が「5」だった場合には、検出スケジュール情報の選択が必要であると判断する。つまり、検出スケジュール制御部106は、流量検出部113が保持する通過数が、スケジュール生成情報保持部110が保持する選択頻度と同じであれば、検出スケジュール情報の選択が必要であると判断する(S408:YES)。一方、選択頻度未満であれば、検出スケジュール制御部106は検出スケジュール情報の選択は必要なし、と判断する(S408:NO)。
【0072】
ステップS408において検出スケジュール情報の選択が必要と判断した場合、検出スケジュール制御部106は、以降通信する携帯端末200に対して送信する検出スケジュール情報を変更する(S409)。具体的には、検出スケジュール制御部106は、図6に示したような検出スケジュールリストのうち、従前に選択していた検出スケジュール情報とは別の検出スケジュール情報を選択する。この選択方法については、検出スケジュールリスト中の全ての検出スケジュール情報を満遍なく選択できるアルゴリズムであれば良い。例えば、リストの順番に選択する方法を用いることが出来るが、本発明はこの方法に限定されるものではない。そして、検出スケジュール制御部106は、選択した検出スケジュール情報を検出スケジュール保持部111に送信し、検出スケジュール保持部111は受信した検出スケジュール情報を保持する。以上で、検出スケジュール情報の生成処理についての説明を終了する。
【0073】
図3に戻って、スタンドアロン基地局100での検出スケジュール生成処理ステップ(S304)が終了すると、スタンドアロン基地局100の送信部112は、携帯端末200に対して情報の送信を行う。送信部112は、安全情報保持部102に保持された安全情報、検出スケジュール保持部111に保持された検出スケジュール情報、および自局情報保持部101に保持された基地局情報を含む送信データを送信する(S305)。
【0074】
携帯端末200の受信部205が、スタンドアロン基地局100から送られた送信データを受信すると、送信部204はACK信号をスタンドアロン基地局100に返す(S306)。
【0075】
携帯端末200で受信部205が受信した検出スケジュール情報は、検出スケジュール保持部203に保持される。受信部205が受信した基地局情報は、履歴情報として、履歴情報保持部202に保持される。携帯端末200の制御部207は、スタンドアロン基地局100から受け取った安全情報を、図示しない表示手段や音声出力手段等を用いて、ユーザに報知する(S307)。そして、受信部205は、起動状態から休止状態へと移行し、以降は受信した検出スケジュール情報に基づいて、休止状態と待機状態との切り替えが行われる。
【0076】
ここで、複数の携帯端末通過時のスタンドアロン基地局100と携帯端末の動作について図5および図6を用いてさらに詳細に説明する。図5に示した例では、スタンドアロン基地局100のスケジュール生成情報保持部110は、隣接基地局としてスタンドアロン基地局150の位置情報と距離情報とを保持しているものとして説明を行う。また、スケジュール生成情報保持部110が保持する検出スケジュール情報の選択頻度は「1」であるものとする。
【0077】
スタンドアロン基地局100の検出スケジュールリスト生成部107は、検出スケジュール制御部106の検出スケジュールリスト生成指示に従い、図6に示すような検出スケジュールリストを生成する。そして、スケジュール生成情報保持部110が保持する検出スケジュール情報の選択頻度が「1」であるので、検出スケジュール制御部106は、携帯端末と通信するたびに、検出スケジュール情報の選択を行う。さらに、検出スケジュール制御部106は、検出スケジュール保持部111に選択した検出スケジュール情報を送信、検出スケジュール保持部111は受信した検出スケジュール情報を保持する。その結果、携帯端末200,210,220それぞれに対して、検出スケジュール番号「1」から「3」の順に、検出スケジュール情報が送信されることになる。つまり、図5の例において、携帯端末200は、図6における検出スケジュール番号「1」の検出スケジュール情報を受信する。また、携帯端末210が、図6における検出スケジュール番号「2」の検出スケジュール情報を受信し、携帯端末220が、検出スケジュール番号「3」の検出スケジュール情報を受信することになる。
【0078】
このような場合、携帯端末200は検出スケジュール情報を受信した直後(0秒)から待機状態になり、15秒後に再度休止状態となる。そして、携帯端末200は、45秒後以降(携帯端末200を携帯するユーザがスタンドアロン基地局150に到達すると想定される時刻以降)は、常に待機状態となる。
【0079】
次に、携帯端末210は、検出スケジュール情報を受信してから15秒後に休止状態から待機状態になり、30秒後に再度休止状態となる。そして、携帯端末210は検出スケジュール情報を受信してから45秒後以降は、常に待機状態となる。
【0080】
さらに、携帯端末220は、検出スケジュール情報を受信してから30秒後以降は、常に待機状態となる。
【0081】
これにより、図5に示したように、スタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局150までの範囲において、各携帯端末200,210,220のいずれかを待機状態とすることができる。図5に示した例においては、スタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局150までの範囲を、携帯端末200,210,220が分担して基地局の検出を行っていることとなる。よって、スタンドアロン基地局100とスタンドアロン基地局150との間に新規の基地局が追加された場合でも、各携帯端末を常時待機状態にして検出する場合と比較して電力効率よく基地局を検出することが可能となる。
【0082】
なお、上述の例では、携帯端末200,210,220はいずれも、スタンドアロン基地局150に到達すると思われる時刻(45秒)以降は、常に待機状態であるとして説明を行った。このような検出スケジュールとする効果について、説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態における、検出スケジュール情報の効果について説明するための図である。
【0083】
ここまで、携帯端末200は、スタンドアロン基地局100と通信した後は、全ての携帯端末200が同じ方向に移動していくことを前提に説明してきたが、実際の携帯端末200は、携帯するユーザの意志に従って移動する。この場合について説明する。
【0084】
図8に示したように、携帯端末200が、図の下側から上方向に進んでいるとする。また、携帯端末210は、図の左側から右方向に進んでいるものとする。また、スタンドアロン基地局100は、隣接基地局として、携帯端末200の進行方向に位置するスタンドアロン基地局160を認識して検出スケジュール情報を送信する。この仮定において、携帯端末200は、スタンドアロン基地局100を通過した後に隣接基地局であるスタンドアロン基地局160と通信することができる。一方、携帯端末210は、移動方向が異なるため、スタンドアロン基地局160を検出することができない。しかしながら、携帯端末210は、スタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局160までの距離範囲410より外側(図中斜線領域)では、常に待機状態となるような検出スケジュール情報を受信している。よって、携帯端末210は、その先の領域においてスタンドアロン基地局170を検出することが可能である。つまり、携帯端末210は隣接基地局と通信することが不可能であっても、別のスタンドアロン基地局を検出することが可能であり、通信したスタンドアロン基地局から新たな検出スケジュール情報を受信することが可能となる。
【0085】
なお、図5、図6の例では、各携帯端末200,210,220が待機状態であるタイミングが重複しない例を用いて説明したが、本発明はこの例に限定されない。待機状態であるタイミングが重複しない場合には、最も電力効率を高くできる。一方で例えば、携帯端末200,210,220の移動速度が一定でないことを考慮し、スタンドアロン基地局100は、各携帯端末の待機状態がある程度重なり合うような検出スケジュールリストを生成してもよい。
【0086】
また、図5、図6に示した例では、携帯端末200,210,220それぞれが、スタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局150に到達するまでに、一度ずつ待機状態となる例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、スタンドアロン基地局100は、各携帯端末200,210,220が、スタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局150に到達するまでに、複数回待機状態となるような検出スケジュールリストを生成してもよい。
【0087】
さらに、図5、図6の例では、携帯端末200,210,220それぞれが、ほぼ等しい時間、待機状態となる例を用いて説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、ある携帯端末200に、他の携帯端末210,220よりも長い期間、待機状態となるような検出スケジュールリストをスタンドアロン基地局100が生成してもよい。例えば、スタンドアロン基地局100は、端末情報による携帯端末200の識別により、他の端末よりも電力消費量の小さい携帯端末200に対して、より長い期間待機状態となるような指示を行うことが可能である。これにより、よりシステム全体の電力効率化を図ることが可能となる。
【0088】
また、図5の例では、携帯端末200,210,220が、スタンドアロン基地局150の通信範囲内に入ったときに、待機状態(または起動状態)になる例を用いて説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、検出スケジュール情報は、携帯端末200,210,220の移動速度の誤差や、検出スケジュール情報を受け取った位置の誤差を考慮して、スタンドアロン基地局150の通信範囲よりも手前から待機状態としてもよい。これは、各携帯端末200,210,220が確実にスタンドアロン基地局150と通信できるようにするためである。
【0089】
なお、図5に示した例では、3台の携帯端末200,210,220を用いた例を示したが、本発明は、携帯端末の台数を限定するものではない。
【0090】
なお、図5に示した例では、携帯端末200,210,220がスタンドアロン基地局100からスタンドアロン基地局150の方向に移動する例を示したが、逆方向であっても同様である。
【0091】
図9は、本発明の第1の実施の形態における、携帯端末210がスタンドアロン基地局100、スタンドアロン基地局120、スタンドアロン基地局150の通信範囲を移動してゆく様子を示した図である。スタンドアロン基地局100は、隣接基地局としてスタンドアロン基地局150を認識しているものとする。スタンドアロン基地局100の通信範囲において、待機状態で起動要求を受信した携帯端末210は、端末情報と図示せぬ直前に通信したスタンドアロン基地局の基地局情報である履歴情報を、スタンドアロン基地局100に送信する。スタンドアロン基地局100は、基地局情報と、図6を用いて説明した検出スケジュール情報を携帯端末210に送信する。携帯端末210は、スタンドアロン基地局120の通信範囲において、待機状態で起動要求を受信した後は、これまでと同様の動作を繰り返す。
【0092】
この基地局検出方法について、さらに詳細に説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態における基地局検出方法のシーケンスを示す図である。なお、スタンドアロン基地局120,150の構成は、スタンドアロン基地局100と同じであるとして説明を行う。
【0093】
図10に示したように、まず、スタンドアロン基地局100は、自身の通信領域内で待機状態となった携帯端末210に対して起動要求を送信する(S601)。携帯端末210は、スタンドアロン基地局100に対して、起動要求に対する応答として端末情報および履歴情報を送信する(S602)。このとき、履歴情報として、携帯端末210が直前に通過した図示せぬスタンドアロン基地局の位置情報が送信される。
【0094】
スタンドアロン基地局110における検出スケジュール制御部106は送信された履歴情報に基づいて、検出スケジュール情報の生成処理を開始する(S603)。スタンドアロン基地局100は、携帯端末210に対して迅速に応答するため、検出スケジュール情報の生成処理を、携帯端末210との通信と非同期で行ってもよい。
【0095】
携帯端末210は、スタンドアロン基地局100から、安全情報、基地局情報および検出スケジュール情報を受信する(S604)。安全情報は、表示手段や音声発生手段等の図示しない手段によって、携帯端末210のユーザに報知される。携帯端末210の送信部204は、スタンドアロン基地局100に対して、ACK信号を送信する(S605)。
【0096】
携帯端末210は、受信した基地局情報を用いて履歴情報保持部202の履歴情報を更新するとともに、受信した検出スケジュール情報を用いて、検出スケジュール保持部203に保持された検出スケジュール情報を更新する(S606)。これ以降、携帯端末210は、スタンドアロン基地局100から受信した検出スケジュール情報に従って、休止状態と待機状態とを切り替える。
【0097】
携帯端末210がスタンドアロン基地局100の通信範囲外に出て、新規に追加されたスタンドアロン基地局120の通信範囲内に入り待機状態となった以降の処理は、ステップS601からS606と同様である(S607〜S612)。
【0098】
ただし、スタンドアロン基地局120は、新規に追加されたスタンドアロン基地局であるため、携帯端末210からの履歴情報受信前は隣接基地局の位置情報を保持していない。そのため、スタンドアロン基地局は、常に待機状態となる検出スケジュール情報を検出スケジュール保持部111に保持し、携帯端末210に送信するものとしてもよい。
【0099】
次に、携帯端末210がスタンドアロン基地局120の通信範囲外に出て、スタンドアロン基地局150の通信範囲内に入り待機状態となった以降の処理の流れは、ステップS601からS604と同様である(S613〜S618)。
【0100】
以上説明したように、本実施の形態のセキュリティシステム300によれば、スタンドアロン基地局120が新規に追加された場合であっても、携帯端末210によって効率よくその存在を検出することが可能となる。また、スタンドアロン基地局150は、携帯端末210によって新規に追加されたスタンドアロン基地局120を検出し、その位置情報を用いて隣接基地局情報を更新することができる。
【0101】
なお、本実施の形態では、携帯端末200は、その待機状態において、常時スタンドアロン基地局100から送信される情報を受信することが出来るものとして説明したが、本発明は、この例に限定されない。例えば、ある程度間欠的にスタンドアロン基地局100からの情報を受信することができる状態(例えば、2秒に一度、20ミリ秒だけ受信できる状態)であっても本発明の待機状態に含まれるものとする。
【0102】
さらに、本実施の形態においては、スタンドアロン基地局100から携帯端末200に対して送信する情報として、安全情報を用いた例を示したが、本発明はこの例に限定されない。本実施の形態には、例えば、スタンドアロン基地局100から、携帯端末200に対して、店舗情報や広告等の生活に参考になる情報を送信する例等も含まれるものとする。
【0103】
また、本実施の形態においては、スタンドアロン基地局100の安全情報保持部102に、所定の安全情報が保持されているものとして説明を行ったが、本発明はこの例に限定されない。例えば、安全情報保持部102に保持された安全情報が、サーバ等の外部装置や、管理者によって更新される例も本発明に含まれるものである。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態のセキュリティシステム300においては、携帯端末210が直前に通信したスタンドアロン基地局の情報を、隣接するスタンドアロン基地局に送信しながら移動する。これにより、新規に追加されたスタンドアロン基地局の位置情報を、セキュリティシステム全体で共有することが可能となる。
【0105】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態におけるセキュリティシステム310について説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態におけるセキュリティシステム310の構成を示す機能ブロック図である。
【0106】
本実施の形態のセキュリティシステム310においては、第1の実施の形態のセキュリティシステム300と同様の構成については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0107】
セキュリティシステム310は、携帯端末230とスタンドアロン基地局130とを有している。携帯端末230は、携帯端末230の移動距離を測定する距離測定部208を有している。これにより、携帯端末230は、自らの移動距離を測定することができる。
【0108】
また、スタンドアロン基地局130は、検出スケジュールリスト生成部1107が、検出スケジュールリストにおける待機状態を、時間ではなく、距離を指定して作成する。図12は、本発明の第2の実施の形態における、検出スケジュールリストの一例を示す図である。
【0109】
検出スケジュールリスト生成部1107は、図12に示したような検出スケジュールリストを生成する。図12の例において、検出スケジュール情報は、それぞれ「0〜30mと90m以降」、「30〜60mと90m以降」、「60m以降」である。このように、本実施の形態では、携帯端末200が待機状態であるべきスケジュールを、スタンドアロン基地局130からの移動距離(スタンドアロン基地局130から検出スケジュールを、受信してからの移動距離)によって指定している。ここでは、隣接基地局が90m先にあるとして検出スケジュールリストが作成されている。検出スケジュール制御部106は、この検出スケジュールリストから、検出スケジュール情報を選択する。選択された検出スケジュール情報は、検出スケジュール保持部111に保持され、送信部112によって携帯端末230に送信される。なお、隣接基地局の少し手前、例えば80m以降全ての携帯端末230が待機状態になるよう検出スケジュールリストを生成しても良い。また、図12に示した検出スケジュールリストのように、待機状態である距離が重複しない場合には、最も電力効率を高くできる。一方で、例えば、距離測定部208の誤差等を考慮して、一部が重複するような検出スケジュールリストを作成してもよい。
【0110】
携帯端末230は、受信した検出スケジュール情報に基づいて、距離測定部208で距離を測定しながら、待機状態と休止状態を切り替えることができる。
【0111】
以上述べたように、本実施の形態のセキュリティシステム310を用いても、第1の実施の形態で説明したセキュリティシステム300と同様の効果を得ることができる。さらに、セキュリティシステム310によれば、検出スケジュールを距離で指示するため、携帯端末を携帯するユーザが立ち止まったり、走ったりした場合でも、その速度によらずに適切に基地局を検出することができる。
【0112】
また、携帯端末230に距離測定部208を有する構成の場合には、履歴情報として、直前に通信したスタンドアロン基地局100の位置情報を用いるのではなく、自らの移動距離(道のり)を用いてもよい。すなわち、携帯端末230は、スタンドアロン基地局130に対して、履歴情報として、直前にスタンドアロン基地局100と通信してからの移動距離を送信する。このような構成によれば、スタンドアロン基地局間の道が直線ではなく、曲がっているような場合でも、スタンドアロン基地局間の距離ではなく、道のりを用いて検出スケジュールを指定することができる。これにより、本実施の形態は、より正確な検出スケジュールを作成でき、効率的である。
【0113】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態におけるセキュリティシステム320について説明する。図13は、本発明の第3の実施の形態におけるセキュリティシステム320の構成を示す機能ブロック図である。
【0114】
本実施の形態のセキュリティシステム320においても、他の実施の形態のセキュリティシステム300,310と同様の構成については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0115】
セキュリティシステム320は、携帯端末240と、第2の実施の形態で説明した、スタンドアロン基地局130とを有している。携帯端末240は、第2の実施の形態で説明した携帯端末230の距離測定部208に換えて、自らの位置を検出できる位置検出部209を有している。位置検出部209としては例えば、公知のGPS等を用いることができる。これにより、携帯端末240は、自らの位置を検出することができる。
【0116】
スタンドアロン基地局130は、第2の実施の形態と同様に、携帯端末240に対して、基地局の検出スケジュールをスタンドアロン基地局130からの移動距離で指示する。
【0117】
携帯端末240は、位置検出部209により自己の位置を検出しながら、より正確な位置で待機状態と休止状態とを切り替えることができる。
【0118】
以上述べたように、本実施の形態のセキュリティシステム320を用いた場合にも、第1の実施の形態で説明したセキュリティシステム300と同様の効果を得ることが出来る。さらに、セキュリティシステム320によれば、ユーザがまっすぐ進まないような場合(曲がる、Uターンする等)でも、検出スケジュール情報で指示された移動距離を用いて、スタンドアロン基地局を検出することができる。
【0119】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態におけるセキュリティシステム330について説明する。図14は、本発明の第4の実施の形態におけるセキュリティシステム330の構成を示す機能ブロック図である。
【0120】
本実施の形態のセキュリティシステム330においても、他の実施の形態のセキュリティシステム300,310,320と同様の構成については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0121】
セキュリティシステム330は、携帯端末200とスタンドアロン基地局140とを有している。スタンドアロン基地局140と、第1の実施の形態で説明したスタンドアロン基地局100との違いは、検出スケジュール制御部1106の機能である。検出スケジュール制御部1106は、隣接基地局についての位置情報を複数保持している。そして、検出スケジュール制御部1106は、受信部103から受信した履歴情報に含まれる基地局の位置情報と、スケジュール生成情報保持部110が保持する複数の隣接基地局についての位置情報とを比較する。そして、一定期間、保持した隣接基地局と一致する履歴情報を受信しなかった場合には、その隣接基地局が撤去されたものと判断して、その隣接基地局についての基地局情報をスケジュール生成情報保持部110から削除する。ここで、一定の期間は、タイマ部109によって計時可能である。
【0122】
隣接基地局の情報の削除後、検出スケジュール制御部1106は、スケジュール生成情報保持部110に残った隣接基地局の位置情報を用いて、検出スケジュールリスト生成部107に検出スケジュールリストの生成を指示する。これにより、スタンドアロン基地局140は、展示会等の理由により、一時的に設置されたスタンドアロン基地局100が撤去された場合でも、当該スタンドアロン基地局100の基地局情報を削除することができる。よって、スタンドアロン基地局100は、より正確に隣接基地局の基地局情報を管理できる。
【0123】
また、あらかじめスタンドアロン基地局100の削除日時(いつ撤去されるか)が明確な場合には、基地局情報として、自局の位置情報や識別子に加えて、削除日時を示す情報を携帯端末200に送信してもよい。これにより、携帯端末200は、通信したスタンドアロン基地局100に対して、履歴情報に加えて削除日時を送信することができる。削除日時を受信したスタンドアロン基地局150は、削除日時が示す日時に到達したとき、該当するスタンドアロン基地局100の情報をスケジュール生成情報保持部110が保持する隣接基地局から削除することができる。このように、本実施の形態のスタンドアロン基地局150は、より正確な日時に隣接基地局の基地局情報を削除することができる。
【0124】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態におけるセキュリティシステム340について説明する。図15は、本発明の第5の実施の形態におけるセキュリティシステム340の構成を示す機能ブロック図である。
【0125】
本実施の形態のセキュリティシステム340においても、他の実施の形態のセキュリティシステム300,310,320,330と同様の構成については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0126】
セキュリティシステム340は、携帯端末200とスタンドアロン基地局180とを有している。スタンドアロン基地局180と、第1の実施の形態で説明したスタンドアロン基地局100との違いは、検出スケジュール制御部1116および検出スケジュールリスト生成部1117の機能である。
【0127】
検出スケジュール制御部1116は、第1の実施の形態のスタンドアロン基地局100の、検出スケジュール制御部106の機能に加えて、流量検出部113および基地局間距離算出部105の機能を有している。さらに、検出スケジュール制御部1116は、検出スケジュール保持部111の機能も有している。
【0128】
また、検出スケジュールリスト生成部1117は、第1の実施の形態の検出スケジュールリスト生成部107の機能に加えて、検出スケジュールリスト保持部108の機能を有している。
【0129】
検出スケジュール制御部1116は、履歴情報を受信部103から受信する。そして、検出スケジュール制御部1116は、スケジュール生成情報保持部110に保持された隣接基地局の位置情報、自局情報保持部101に保持された自局の位置情報および履歴情報に含まれる位置情報を用いて処理を行う。具体的には、検出スケジュール制御部1116は、自局から隣接基地局までの距離情報と自局から履歴情報に含まれるスタンドアロン基地局までの距離情報とを算出し、比較する。その結果に基づいて、検出スケジュール制御部1116は、第1の実施の形態に説明した方法で、スタンドアロン基地局180と隣接基地局との間に新規のスタンドアロン基地局が存在するかを判断する。そして、検出スケジュール制御部1116は、新規のスタンドアロン基地局が存在すると判断した場合に、スケジュール生成情報保持部110に保持された隣接基地局の位置情報および距離情報を、履歴情報中の位置情報に基づいて更新する。さらに、検出スケジュール制御部1116は、検出スケジュールリスト生成部1117に対して、スケジュール生成情報保持部110に保持された分割数と、更新された自局から隣接基地局までの距離情報とを送信する。
【0130】
検出スケジュールリスト生成部1117は、検出スケジュール制御部1116から送信された情報に基づいて、第1の実施の形態に説明した方法により、検出スケジュールリストを作成し、保持する。
【0131】
検出スケジュール制御部1116は、検出スケジュールリスト生成部1117で生成された検出スケジュールリストから、第1の実施の形態に説明した方法により、検出スケジュールリスト情報を選択する。検出スケジュール制御部1116によって選択された検出スケジュール情報は、送信部112から携帯端末200に対して送信される。
【0132】
以上述べたように、図15に示した構成によっても、第1の実施の形態に示したスタンドアロン基地局100と同様の機能を実現することができる。
【0133】
なお、図15の例においては、自局の位置情報が自局情報保持部101に保持される例を示したが、本実施の形態のスタンドアロン基地局180はこの例に限定されない。例えば、スタンドアロン基地局は、自局の位置情報をスケジュール生成情報保持部110や検出スケジュール制御部1116に保持させ、自局情報保持部101を有しない構成であってもよい。この場合には、検出スケジュール制御部1116は、送信部112に対して、自局の位置情報を基地局情報として送る必要がある。
【0134】
なお、図15においては、第1の実施の形態のスタンドアロン基地局100の変形例を示したが、同様の変形は、他の実施の形態のスタンドアロン基地局130,140にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0135】
以上述べたように、本発明によれば、携帯端末とスタンドアロン基地局とを用いたシステムにおいて、携帯端末を用いて効率よく基地局を検出するための、スタンドアロン基地局、携帯端末および基地局検出方法を提供できる。よって、本発明は、携帯端末に対して自治体や警察署の安全情報、広告やイベント情報等の各種情報を提供するスタンドアロン基地局、携帯端末として有用である。
【符号の説明】
【0136】
100,120,130,140,150,160,170,180 スタンドアロン基地局
101 自局情報保持部
102 安全情報保持部
103 (スタンドアロン基地局側)受信部
104 (スタンドアロン基地局側)制御部
105 基地局間距離算出部
106,1106,1116 検出スケジュール制御部
107,1107,1117 検出スケジュールリスト生成部
108 検出スケジュールリスト保持部
109 (スタンドアロン基地局側)タイマ部
110 スケジュール生成情報保持部
111 (スタンドアロン基地局側)検出スケジュール保持部
112 (スタンドアロン基地局側)送信部
113 流量検出部
200,210,220,230,240 携帯端末
201 端末情報保持部
202 履歴情報保持部
203 (携帯端末側)検出スケジュール保持部
204 (携帯端末側)送信部
205 (携帯端末側)受信部
206 (携帯端末側)タイマ部
207 (携帯端末側)制御部
208 距離測定部
209 位置検出部
300,310,320,330,340 セキュリティシステム
400 通信範囲
410 距離範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯端末に対して情報を提供するスタンドアロン基地局であって、
前記複数の携帯端末から、前記複数の携帯端末それぞれが直前に通信した基地局の位置情報を含む履歴情報を受信する受信部と、
隣接基地局の位置情報および分割数を保持するスケジュール生成情報保持部と、
自局の位置情報、前記隣接基地局の位置情報、および、前記履歴情報に含まれる位置情報に基づいて、前記スタンドアロン基地局と前記隣接基地局との間に新規の基地局が存在するかを判断し、前記新規の基地局が存在すると判断された場合に、前記スケジュール生成情報保持部に保持された前記隣接基地局の位置情報を更新する検出スケジュール制御部と、
前記検出スケジュール制御部からの前記分割数および前記新規の基地局と自局との距離情報に基づいて、前記複数の携帯端末に対して、基地局を検出する待機状態を割り振る複数の検出スケジュール情報を含む検出スケジュールリストを生成する検出スケジュールリスト生成部と、
前記複数の携帯端末に対して、前記検出スケジュールリストから選択された検出スケジュール情報を送信する送信部とを備えたスタンドアロン基地局。
【請求項2】
前記自局の位置情報、前記隣接基地局の位置情報および前記履歴情報に含まれる位置情報に基づいて、前記自局から前記隣接基地局までの距離および前記自局から前記履歴情報に含まれる基地局までの距離を算出する基地局間距離算出部を備え、
前記検出スケジュール制御部は、前記自局から前記履歴情報に含まれる基地局までの距離が、前記自局から前記隣接基地局までの距離より小さければ、前記新規の基地局が存在すると判断し、
前記検出スケジュールリスト生成部は、前記自局から前記新規の基地局までの距離において、前記複数の携帯端末いずれかが待機状態であるように前記検出スケジュールリストを生成する請求項1に記載のスタンドアロン基地局。
【請求項3】
前記複数の携帯端末の通過数を保持する流量検出部を備え、
前記検出スケジュールリスト生成部は、前記流量検出部の保持する通過数に基づいて、異なる検出スケジュールリストを生成する請求項1または請求項2に記載のスタンドアロン基地局。
【請求項4】
前記複数の携帯端末の通過数を保持する流量検出部を備え、
前記検出スケジュール制御部は、前記流量検出部の保持する通過数に基づいて、前記検出スケジュールリストから前記検出スケジュール情報を選択する頻度を変更する請求項1または請求項2に記載のスタンドアロン基地局。
【請求項5】
前記検出スケジュール情報が、前記スタンドアロン基地局からの時間または移動距離によって示されている請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のスタンドアロン基地局。
【請求項6】
前記検出スケジュール制御部は、前記隣接基地局の位置情報を複数保持し、前記履歴情報に含まれる位置情報と、複数の前記隣接基地局の位置情報とを比較して、一定期間一致しない隣接基地局の位置情報を削除する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスタンドアロン基地局。
【請求項7】
スタンドアロン基地局から情報を提供される携帯端末であって、
直前に通信した基地局の位置情報を含む履歴情報を保持する履歴情報保持部と、
前記スタンドアロン基地局に対して、前記履歴情報保持部に保持された履歴情報を送信する送信部と、
前記送信部が送信した前記履歴情報にもとづいて前記スタンドアロン基地局で生成された、基地局の検出処理を行うスケジュールを示す検出スケジュール情報を、前記スタンドアロン基地局から受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記検出スケジュール情報に基づいて、前記受信部を待機状態または休止状態に切り替える制御部とを備えた携帯端末。
【請求項8】
前記制御部に接続される、前記携帯端末の移動距離を測定する距離測定部をさらに備え、
前記検出スケジュール情報は、前記スタンドアロン基地局からの距離によって示され、
前記制御部は、前記距離測定部の測定結果に従って、前記受信部を待機状態または休止状態に切り替える請求項7に記載の携帯端末。
【請求項9】
携帯端末に対して情報を提供するスタンドアロン基地局の、新規の基地局を検出する基地局検出方法であって、
前記携帯端末から、前記携帯端末が直前に通信した基地局の位置情報を含む履歴情報を受信するステップと、
前記履歴情報に含まれる位置情報と、あらかじめ保持された、自局の位置情報および隣接基地局の位置情報に基づいて、前記スタンドアロン基地局と前記隣接基地局との間に新規の基地局が存在するかを判断するステップと、
前記新規の基地局が存在すると判断された場合に、前記隣接基地局の位置情報を更新するステップとを備えた基地局検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−139252(P2011−139252A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297402(P2009−297402)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、総務省、「ユビキタス・プラットフォーム技術の研究開発(ユビキタス端末技術の研究開発)」委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】