説明

スタンドオフ付きフレキシブル電子回路パッケージ、及びその製造方法

【課題】フレキシブル電子回路パッケージ技術を向上させ、従来の機器の大半を用いて、使いやすく比較的安価に製造可能な高性能フレキシブル電子回路パッケージを提供する。
【解決手段】フレキシブル電子回路パッケージ51はヒートシンク53と、上に半導体チップ59を配置し、チップと電気的に接続されるフレキシブル回路55と、フレキシブル回路が平面になるようにフレキシブル回路をヒートシンクに固定するある量の熱収縮性接着剤63’と、を含む。次に、このパッケージは、プリント回路板などの回路基板に配置及び電気的に結合されるように調整される。このパッケージを製造する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路パッケージ、特に、その一部として1つまたはそれ以上のフレキシブル回路部材を含む電子回路パッケージ、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル(または、「フレックス」)電子回路パッケージは通常、1つまたはそれ以上のフレックス回路部材を含み、各部材は、半導体チップ(本明細書では単にチップとも称する)を収容するように設計され、層表面に配置された導体パターン(たとえば、銅パッド)を有する少なくとも1つの誘電体薄層(たとえば、ポリイミド)を含み、該チップは(たとえば、はんだボールを用いて)導体に、それにより、導体に結合されるフレックス回路の別の回路素子にも電気的に接続される。このフレックス回路は次に、通常は多層プリント回路板(本明細書では単にPCBとも称する)の形で別の回路基板に搭載されるように設計される。プリント回路板は次に通常、誘電体基板(たとえば、繊維によって強化される有機樹脂材料で、PCB業界では「FR−4」材料とも称される)、多層導電性回路トレース、およびグラウンド層と電源層を含む。多くのフレックス電子回路パッケージは、フレックス回路をホストPCBのそれぞれの導体に結合するためにはんだボールを利用する。
【0003】
はんだボールを用いてチップを位置決めし、フレックス回路に電気的に結合する際、いくらかの量のフレックス回路の反りが生じ、それは製造の見地からも製品機能の見地からも望ましくない。フレックス回路が極薄の(たとえば、全体で約8ミル(1ミルは1000分の1インチ)〜25ミルの薄さしかないことがある)高分子誘電材料であり、チップ屈曲接合を形成するのに必要なはんだリフロー処理の間に生成される熱により非常に屈曲しやすいため、この反りが生じる。一部をより詳細に以下説明するが、上記反りを回避するために様々な試みがなされている。このような試みの1つの具体例が、通常は剛体金属構造で、いくつかの位置(たとえば、外周)で一般にはフレキシブル回路に固定される「補強材」または「リッド」と称されるものを使用することである。
【0004】
上記パッケージにこれらの部材を追加することは、追加の処理具の使用を必要とすることで、最終パッケージのコストを増大させる場合が多い。フレキシブル回路がより薄く、柔軟になるにつれ(これらのパッケージを用いる現在の製品における小型化の需要の高まりのため)、上記追加の部材と処理の必要なく、フレキシブル回路の平面性を高めることが望ましい。
【0005】
以下から理解されるように、本発明は、結合されたチップ、ひいてはチップが結合されるホストPCBに関するフレックス回路の有効な平面性を保証するためのアプローチが大きく向上したと思われるものを示す。上記平面性は、はんだボール接続が使用される際、特に高密度パターンの導体が使用される際、フレックス回路の多くの導体とその下のホストPCBの導体間の確実な接続を保証するのに必須である。現在のいくつかのパターンでは、たとえば、フレックス回路の導体と収容するPCBの導体とは、非常に密に間隔を置いて配置されるため、上記導体間の中心間の間隔はわずか約12ミル〜50ミルである。本明細書で定義されるように、本発明は、多くの従来技術製品で要求されるように「補強材」または「リッド」の必要なく、上記平面性を提供することができる。
【0006】
以下の各特許文献(米国特許公報)は、電子回路パッケージと類似の構造間に所望の間隔を提供する様々なアプローチを記載している。これらの特許の引用は、いずれも本発明の先行技術であることを認めるものではない。
【0007】
特許文献1には、プリント回路板またはフレックス回路基板に搭載するための電子パッドアレイキャリア装置が記載されており、該装置は、複数のトレースを有する薄い可撓性「テープ」基板を備える。基板は、比較的大きな横方向の機械的変位に耐え得るポリイミドまたはその他の材料とすることができる。集積回路ダイは、基板の近傍または基板上に搭載され、集積回路チップとトレース間の電気的接続は任意の従来の手段によって行われる。基板トレースは、PCBと接続するために外端にはんだボールまたはパッドが設けられ、パッケージ本体はダイを覆い、該本体ははんだボールが適切な凹状構造を形成するように、PCBから設定された距離、パッケージを遠ざけておくために任意に使用することができる。もしくは、キャリア構造は、処理、検査、および搭載中に剛性を追加するため、基板の周囲に設けることができるが、スタンドオフ機能も提供することができる。薄い可撓性基板は、相当大きなパッケージ領域上での比較的大きな横方向、あるいは縦方向の機械的変位すら吸収することができる。基板は、PCBへの搭載後の接合検査を可能にするように任意で透明または半透明とすることができる。PCBまたはフレックス回路も、接合検査のために透明または半透明とすることができる。はんだパッドまたはボールは、パッケージのPCBへの搭載前または後に、キャリアの裏面検査を可能とするように、少なくとも部分的に導電性材料を充填された基板を通じてバイアに接合することができる。さらに、ヒートシンク構造は、パッドアレイキャリアIC装置内のダイに直接接合することができる。
【0008】
特許文献2には、2次レベル電子回路パッケージに可撓膜半導体チップキャリアを搭載する方法と装置が記載されている。結果として生じる電子回路パッケージ構造は、可撓膜半導体チップキャリア上の外側鉛接合パッドと2次レベル電子回路パッケージ上の対応する接合パッドとを電気的に相互接続し、2次レベル電子回路パッケージの表面上の平面に半導体チップキャリアの可撓膜を物理的に支持する、はんだボールまたは被覆銅ボールなどの導電性スペーサを含む。この電子回路パッケージ構造は、底板、弾性部材を有する圧力挿入物、および上板を備える特別なアセンブリ器具を用いて製造される。スペーサが装着される可撓膜半導体チップキャリアは、上板と底板の間の2次レベル電子回路パッケージとともに締め付けられる圧力挿入物の弾性部材上に配置される。次に、このアセンブリは、スペーサのはんだをリフローするために加熱され、アセンブリ器具が分解されて、所望されるように平面幾何学形状のキャリア可撓膜を有する2次レベル電子回路パッケージ上に搭載される可撓膜半導体チップキャリアを残す。スペーサは、可撓膜半導体チップキャリア上の外側鉛接合パッドのパターンに相当する開口部パターンを有する特別なテンプレートを使用して、可撓膜半導体チップキャリアに装着することができる。
【0009】
特許文献3では、部材を支持するために接合される複数の細長いフィラメントを有する櫛形構造を備える電界放出装置で使用されるスペーサが記載されている。フィラメントはガラス製であってもよく、陽極構造と電子放出構造の対向面間の単独層において長手方向に配置される。支持部材は、陽極構造と放出構造の活性領域の完全に外に配置される。スペーサは陽極構造と陰極構造間の電圧分離を提供し、アセンブリ内の真空の機械力のスタンドオフも提供する。
【0010】
特許文献4および特許文献5(特許文献4の分割出願)には、金属製リードフレームを支持する弾性ポリイミド層を含むテープ自動ボンディング(TAB)パッケージが記載されている。マイクロ電子回路ダイは、ポリイミド層の孔に実装され、リードフレームの内部リード線と相互接続される。TABパッケージは、パッケージを搭載するプリント回路板の表面に接触する、スペーサを有する支持部材に接着され、リードフレームと該表面間の所定の間隔を提供する。リードフレームから突出する外側リード線は、自由な状態で少なくともスペーサを該表面に向かって延在するような形状に曲げられる。パッケージおよび支持部材アセンブリは、PCB面上に配置され、アセンブリの重量、リード線の弾性、および予め設定されたスタンドオフ高さの組み合わせによってリード線は弾性変形することができるため、スペーサは該表面に接触し、リード線ははんだまたは他のオーム接続のための表面と適合して係合し、表面上の接合パッドと結合する。支持部材はリード線保持子で形成することができ、リード線は保持子の周囲を延在して、アセンブリが低下する際に該表面に弾性的に適合係合するループを形成する。支持部材は共通平面性を維持し、パッケージに重量を追加し、形成された外側リード線を保護するように表面搭載間にスタンドオフを予め設定し、別のキャリアなしでパッケージを輸送することができる。
【0011】
特許文献6および特許文献7(特許文献6の分割出願)には、プリント回路板にボールグリッドアレイ集積回路(IC)装置を表面実装する装置および方法が開示されている。搭載されるIC装置のリード線に対応する複数の孔を有する非導電性材料の薄い単層または多層シートが、はんだ処理前にボールグリッドアレイと回路板間に介装されて、はんだ貼付、装置配列、およびはんだ保持を簡易化する。アセンブリガイドは、組立間のIC装置の配向と配置を支援する支援具の上面に配置される。別の側面では、開示されたアセンブリ支援具は、IC装置アレイまたは回路板の非平面性を補償するのを助け、ICパッケージと回路板間の最小スタンドオフ距離を保持して過度なはんだ継手の変形を防止する。また、アセンブリ支援具は、マスキングや他の追加の処理工程なしにリフロー処理の前にはんだの局所配置を簡易化することによって、表面実装の再処理を可能にする。
【0012】
特許文献8には、パッケージを外部回路に接合するはんだコラムの厚みを維持するスタンドオフを有する、1つまたはそれ以上の半導体素子を包含するための表面実装パッケージが開示されている。スタンドオフは、パッケージベースの中央部全体に延在するか、あるいは囲む。スタンドオフの熱性能を向上させるため、はんだ可能層は、外部回路へのスタンドオフのはんだ付けを強化する。別の実施形態では、スタンドオフは、接着剤を機械的に固定する、あるいは光源による接着剤の照射を可能にするのに有効な複数の開口を有するフランジを含む。スタンドオフは、配列、強度、または回路ルーティングのための突起を含むことができる。
【0013】
特許文献9には、電子回路パッケージと回路板を相互接続するためのソケットが記載されており、回路板は、基部、基部に強固に摺動自在に装着されるカバー、および基部から下方に延在する支持手段を備える。基部は、そこから斜めに延びる一対の延長プレートを備える。一対のスタンドオフの形状の支持手段は、各延長プレート上に形成される。各スタンドオフの高さは基部の下面に形成されるはんだボールよりもわずかに小さいため、スタンドオフは、ソケットが回路板にはんだ付けされた後で回路板にもたれかかる。上記設計により、基部に沿って摺動するようにカバーを始動するために使われる外部の力は、基部からスタンドオフに送られる。したがって、基部の変形とはんだ継手の損傷が防止されて、PGAパッケージと回路板との間の確実な接続が確保される。
【0014】
特許文献10には、一連の間隙距離と角度ずれ(傾斜)を吸収できる、素子とヒートシンク面などの2つの表面間で使用される弾性および熱伝導性を有するインタフェース装置が記載されている。該装置は、密集してネスト化された形で積層される複数のフォイルからなる。フォイルは、表面間を延在することができる。実施形態は、平面、2次元曲面、3次元曲面、および円柱面(ヒートパイプなど)との使用に関して説明される。好ましくは、フォイルは、装置内に完全に圧縮された状態に応じた形状で予め形成され、互いに対して直接積層される。複数の隣接フォイル近位縁を共に接合し、複数の隣接フォイル遠位縁を共に接合した後、アセンブリは、その後の圧迫と傾斜を吸収する屈曲と高さに対応するため、隣接フォイル屈曲部間の隙間分離距離を生成するように延在される。
【0015】
特許文献11には、液晶プラスチック(LCP)の射出成形または熱効果によって形成されて、ダイキャリアの成形中に形成されるスタンドオフポストの高分子はんだグリッドアレイ(PSGA)を含むダイキャリアを形成する、低応力、低プロフィールのキャビティダウンワイヤボンドまたはフリップチップBGAパッケージが記載されている。スタンドオフポストは、ダイキャリアのめっき中に銅を被覆されて、その表面には、導電トレースが、スタンドオフポストからダイキャビティの側壁を含むダイキャビティに入り、キャビティの底部のワイヤボンド領域または小さなはんだ可能領域までエッチングされる。ワイヤボンドまたはフリップチップ集積回路ダイをダイキャリアのダイキャビティ内に搭載した後、パッケージ集積回路は、導電ペーストを用いて主プリント回路板基板上に実装されて、スタンドオフポストと主PCB基板の導電性はんだ可能領域とを電気的に接続する。めっきされたスタンドオフポストの高アスペクト比および/または大きな高さは、はんだ継手にかかる応力を低減し、LCPダイキャリアの可撓性と組み合わせて、リフロー後および動作中のはんだ継手の信頼性を高める。
【0016】
特許文献12には、IC内で最も信頼性の低いはんだボール継手を最初に特定することによって製造されるボールグリッドアレイまたはチップスケールパッケージ集積回路が記載されている。これらの最悪なケースの継手、または最悪なケースの継手の近傍の継手は、パッド寸法内で変更され、IC内の他のより頑丈な継手よりもボール/バンプ導電性の高い材料にさらされて、通常サイズのボールより大きな大型パッド上のボールを生み出す。大型ボールは、単独のパッド上に複数の小型ボールを一緒に配置して、リフロー動作間に1つの大型ボールを形成することによって形成され、大型ボールは、ICデザイン内で最も弱い継手の信頼性を高めることにより、IC全体の信頼性を向上させる。さらに、大型ボールおよび小型ボールの両方のスタンドオフとも、ほぼ等しくなるように設計される。
【0017】
特許文献13では、リフロー処理および複数のはんだバンプによって基板に搭載される集積回路チップを含む集積回路チップパッケージが記載されている。少なくとも1つのスタンドオフが、回路チップと基板間に配置されて、リフロー処理中の回路チップと基板間の距離を維持する。成形化合物が、チップと基板間の空隙をアンダーフィルするために使用される。集積回路チップパッケージは、成形キャビティ内にチップと基板を配置し、移送成形化合物を成形キャビティに押し込むことによって形成される。集積回路チップと基板間の空隙は、集積回路チップ、スタンドオフ、および基板間で成形化合物を押し込みながら、成形化合物によってアンダーフィルされる。基板を通って延びる通気孔を介して、アンダーフィル中にチップと基板から空気を逃がすことができる。アンダーフィル材料は、アンダーフィルの実行と同時にチップを包含するのに使用することもできる。
【0018】
特許文献14には、電子モジュールとPCBなどの基板間に機械的に締め付けられる放熱可撓性または弾性スタンドオフが記載されており、該締付装置は、PCBへの機械的結合によって、電子モジュールの上面に熱伝導性可撓インタフェースパッドを圧迫するヒートシンクを備える。放熱可撓スタンドオフは、圧迫力に対抗する力を提供することによって、電子モジュールとPCB間のはんだボール接続部にかかる応力を低減する。ワイヤメッシュなどのバネ構造の形状の熱伝導性可撓スタンドオフは、熱伝導と熱対流の両方によって放熱を提供する働きをする。熱伝導性可撓高分子パッドと多孔性金属発泡体の層も、熱伝導性スタンドオフとしての役割を果たすことができる。
【0019】
特許文献15には、基板と回路素子とを有する回路板と、接触端子を有する表面実装装置とを含む電子回路パッケージが記載されており、搭載パッドが回路板上に形成される。電子回路パッケージは、回路板上の搭載パッドに表面実装装置の接触端子を接続するはんだ継手も含む。はんだ継手は、リフロー可能なはんだと複数のスタンドオフ部材とを含む。スタンドオフ部材は、約0.01mm〜0.10mmの範囲で回路板と表面実装装置間の分離距離(H)を提供する。
【0020】
特許文献16には、表面実装装置と回路板間の制御されたスタンドオフ高さを有する電子回路パッケージが記載されている。電子回路パッケージは、基板と搭載パッドを含む回路素子とを有する回路板と、回路素子と接触端子を有する表面実装装置とを備える。はんだ継手は、表面実装装置の接触端子を回路板上の搭載パッドに接続する。誘電性アンダーフィルは回路板と表面実装装置間に配置され、複数のスタンドオフ部材はアンダーフィル材料に配置されて、回路板と表面実装装置間の分離距離を提供する。
【特許文献1】米国特許第5、045、921号公報
【特許文献2】米国特許第5、170、931号公報
【特許文献3】米国特許第5、562、517号公報
【特許文献4】米国特許第5、673、479号公報
【特許文献5】米国特許第5、896、651号公報
【特許文献6】米国特許第5、796、590号公報
【特許文献7】米国特許第5、930、889号公報
【特許文献8】米国特許第5、805、427号公報
【特許文献9】米国特許第6、152、756号公報
【特許文献10】米国特許第6、411、513号公報
【特許文献11】米国特許第6、414、849号公報
【特許文献12】米国特許第6、444、563号公報
【特許文献13】米国特許第6、560、122号公報
【特許文献14】米国特許第6、631、078号公報
【特許文献15】米国特許第6、986、454号公報
【特許文献16】米国特許第7、118、940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の第1の目的は、フレキシブル電子回路パッケージ技術を向上させることである。
【0022】
本発明の別の目的は、従来の機器の大半を用いて、使いやすく比較的安価に製造可能な高性能フレキシブル電子回路パッケージを提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、上記電子回路パッケージの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の1側面によると、ヒートシンクと、複数の導体を含むフレキシブル回路と、該フレキシブル回路上に配置され、該導体のうちの選択された導体に電気的に結合される半導体チップと、該半導体チップを上に配置した該フレキシブル回路が略平面になるように、該フレキシブル回路上に配置され、該フレキシブル回路を該ヒートシンクに接合するある量の熱収縮性接着剤と、該ヒートシンクと該フレキシブル回路間に配置され、該ヒートシンクから間隔を置いて該フレキシブル回路の少なくとも一部を保持する複数のスタンドオフと、を備える電子回路パッケージが提供される。
【0025】
本発明の別の側面によると、ヒートシンクを設けるステップと、複数の導体を含むフレキシブル回路を設けるステップと、該フレキシブル回路上に半導体チップを配置して、該半導体チップを該導体のうちの選択された導体に電気的に結合するステップと、該フレキシブル回路と該ヒートシンクの両方に接触して、該フレキシブル回路と該ヒートシンク間に液体状のある量の熱収縮性接着剤を配置するステップと、該熱収縮性接着剤を略硬化し、該フレキシブル回路を該ヒートシンクに接合するために、上に該半導体チップを有する該フレキシブル回路が略平面になるように、該熱収縮性接着剤を液体状の体積からより少ない体積に収縮させるステップと、実質上該ヒートシンクと該フレキシブル回路間に複数のスタンドオフを配置して、該フレキシブル回路が略平面になるときに該ヒートシンクから間隔を置いて該フレキシブル回路の少なくとも一部を保持するステップと、を備えることを特徴とする電子回路パッケージの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0026】
以上、説明した通り、本発明においては、
「ヒートシンクと、
複数の導体を含むフレキシブル回路と、
前記フレキシブル回路上に配置され、前記導体のうちの選択された導体に電気的に結合される半導体チップと、
前記半導体チップを上に配置した前記フレキシブル回路が略平面になるように、前記フレキシブル回路上に配置され、前記フレキシブル回路を前記ヒートシンクに接合するある量の熱収縮性接着剤と、
前記ヒートシンクと前記フレキシブル回路間に配置され、前記ヒートシンクから間隔を置いて前記フレキシブル回路の少なくとも一部を保持する複数のスタンドオフと、
を備えることを特徴とする電子回路パッケージ」
及び、
「ヒートシンクを設けるステップと、
複数の導体を含むフレキシブル回路を設けるステップと、
前記フレキシブル回路上に半導体チップを配置して、前記半導体チップを前記導体のうちの選択された導体に電気的に結合するステップと、
前記フレキシブル回路と前記ヒートシンクの両方に接触して、前記フレキシブル回路と前記ヒートシンク間に液体状のある量の熱収縮性接着剤を配置するステップと、
前記熱収縮性接着剤を略硬化し、前記フレキシブル回路を前記ヒートシンクに接合するために、上に前記半導体チップを配置する前記フレキシブル回路が略平面になるように、前記熱収縮性接着剤を液体状の体積からより少ない体積に収縮させるステップと、
実質上前記ヒートシンクと前記フレキシブル回路間に複数のスタンドオフを配置して、前記フレキシブル回路が略平面になるときに前記ヒートシンクから間隔を置いて前記フレキシブル回路の少なくとも一部を保持するステップと、
を備えることを特徴とする電子回路パッケージの製造方法」
にその構成上の特徴があり、これにより、本発明は、接合されたチップ(および必要であれば、パッケージの他の素子)に対するフレックス回路の有効な平面性を確保することができる。
【0027】
本発明は、多くの電子回路パッケージでこれまで必須とされていた補強剤または類似の部材を使用せずに、これを達成することができる。上記補強材は、(たとえば、外周の大半に沿って)フレックス回路に直接接合される。
【0028】
さらに、本発明は、複雑で高価な素子および/または処理機器を使用せずにこれを達成することができ、本発明の製造業者はパッケージの消費者にコスト低減の恩恵を転嫁することができる。上記パッケージは当該技術を大幅に前進させると考えられる。
【0029】
換言すれば、本発明によれば、従来の機器の大半を用いて、使いやすく比較的安価に製造可能な高性能フレキシブル電子回路パッケージを提供することができるのでであり、フレキシブル電子回路パッケージ技術を向上させることができる。そして、このような効果を有する電子回路パッケージの製造方法を提供することができるのである。
【0030】
なお、前記電子回路パッケージのスタンドオフは、金属、はんだ素子、電子部品、あるいは半導体チップとはんだボールアセンブリからなること、また、ヒートシンクの延長部を備えることがある。さらに、前記電子回路パッケージを製造するための熱収縮性接着剤は、シリコンからなることがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の理解を深めるため、本発明の他の及び別の目的、利点、及び性能とともに、添付図面と組み合わせて、本発明を説明する。この場合、図面全体を通じ、同じ構成要素には同じ参照符号を付していると理解されたい。
【0032】
本明細書で使用される用語「電気アセンブリ」は、少なくとも1つの電子回路パッケージと少なくとも1つのプリント回路板(またはPCB)との組み合わせを意味し、パッケージはプリント回路板上に配置され、プリント回路板に電気的に結合される。
【0033】
また、本明細書で使用される用語「電子回路パッケージ」は、少なくとも1つの半導体チップを有する少なくとも1つのフレキシブル(またはフレックス)回路と少なくとも1つのヒートシンクとを意味し、チップはヒートシンクに熱結合される。
【0034】
さらに、本明細書で使用される用語「フレキシブル回路」または「フレックス回路」は、その一部として回路素子を有する材料の少なくとも1つの絶縁薄層を意味する。「薄い」という用語は、層内容に応じて、全体の厚みが約1.2〜約30ミルのフレックス回路の一部として、全体の厚みが約1ミル〜約8ミルの個々の絶縁層を意味する。また、用語「回路素子」は、通常は絶縁層表面に形成される通常はパッド状の導体パターンを含み、その場合、導体は約0.2〜約1ミルの厚みしか持たない。上記回路素子は通常、銅または銅合金などの金属製である。
【0035】
本明細書で使用される用語「熱収縮性接着剤」は、略液体状に塗布され、その後硬化される接着剤材料を意味し、該材料は前記液体状の最初の体積から低減した体積まで収縮する。本明細書で使用される用語「熱収縮性接着剤」は、そのように硬化され、液体体積から前記低減された体積まで収縮する熱収縮性材料を意味する。
【0036】
本明細書で使用される用語「プリント回路板」または「PCB」は、交互に配向する2つまたはそれ以上の絶縁層と2つまたはそれ以上の導体層とからなる多層構造を意味する。導体層は通常、金属で、一般的な金属は銅または銅合金である。上記構造は、絶縁層及び導体層のそれぞれを3つ以上含むことが多く、その上面に導体層を含むことが多い。この上側導体層は次に、その上のチップを収容するように設計された導体パターンを含むことができる。
【0037】
「従来技術」として特定される図1〜図3は、当該技術において既知なフレキシブル電子回路パッケージの3つの例を示す。図1は、最も簡単な形状のフレックス回路を示し、これは、単独のフレキシブル回路11と、その上に配置され結合されたチップ13からなっている。すなわち、このフレックス回路は、複数の導体パッド15を含み、それらは次にパッケージの回路素子の一部を成す他の回路ライン(図示せず)に電気的に接続される。上記回路素子は、内部導体層17を含むことができ(図1では1つのみを示す)、そのそれぞれが複数の信号線を含むことができる。断面では、図1のように、単独層17はいくつかの間隔を置いて配置された部分を含むように見ることができ、当該技術において既知であるように、これらは次に様々なパターンで互いに結合される。
【0038】
上述した通り、該フレックス回路は、少なくとも1つの絶縁層16も備え(図1では2つで、層17の両側に1つずつ)、本発明の一実施形態では従来のポリイミド材料からなる。
【0039】
このフレキシブル回路(及び本明細書で定義される他の回路)に利用可能な誘電材料の他の例には、ガラス繊維強化エポキシ樹脂(難燃剤定格に関して、当該技術において「FR4」誘電材料と称される)、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン:登録商標)、ポリアミド、シアン酸樹脂、光画像形成可能材料、及びその他の同様の材料などがある。
【0040】
本発明の導体材料を含め、上記回路の回路素子に利用可能な導体材料の例は、銅または銅合金を含むが、追加の金属(例えば、ニッケル、アルミニウム、金など)またはその合金を含むことができる。本発明の実施形態を含め、多くの実施形態では、チップは従来のはんだ組成で成すことのできるはんだボール19を用いて、各導体15に接合される。1例では、63%スズ、37%鉛のはんだ組成を使用することができる。
【0041】
最後に、チップ(または、2つ以上をフレックス回路に結合すべきである場合は複数のチップ)が、適切な密閉材料21に(上面を除き)ほぼ包まれ、そのいくつかが当該技術において既知である。
【0042】
図1では、フレックス回路11をチップ13に単純に接合した結果、非平面になる程度まで薄いフレキシブル回路に反りが生じることが示され、上記反りは説明のため図1では実質上誇張されている。この望ましくない配向を克服するため、上述したように、フレックス回路11に接合される通常は金属材料(例えば、アルミニウム)の補強材23(またはリッド)を利用する、すなわち、ある量の既知の接着剤25を用いるアプローチが取られてきた。
【0043】
補強材23は、図2に示されるように、チップを収容するように設計された開口部27を有するフレーム構造とすることができる。フレックス回路の平面性はこの構造を用いて可能だが、補強材23は、さもなければさらなるチップの配置などの追加機能のために利用可能な回路上面の比較的大きな部分を占めることが分かる。上述したように、この部材の配置は、追加の処理具の使用を必要とし、最終製品のコストを増大させる。
【0044】
さらに、図2(及び図1)に示される前記パッケージは、さらに別の追加部材である、チップの熱脱出向上(及び寿命延長)のためにチップが熱結合されるヒートシンク29(図2では想像線で示される)を必要とする。ヒートシンク29は、任意の膨らんだ構造で、図2に示される構造に限定されない。前記部材は、多数の直立フィンなどを含むことが多く、これらのうち数個のみを図2の代表例に示す。図2のチップは、ある量の既知の熱接着剤(図示せず)を用いてこのヒートシンクに熱接合されることによって、チップからヒートシンク(次に外部環境)への直接伝熱路を提供する。
【0045】
図3の従来技術の実施形態は、図示されるように、組み合わされたヒートシンク−補強材31が使用され、フレックス回路に接合される図2の構造の別バージョンを示す。図2のヒートシンクと別個の補強材との組み合わせでは、結果的に比較的大きなパッケージ構造となり、フレックス回路の上面の大半が占められる。チップ13は従来の熱接着剤33を用いてヒートシンク−補強材31のキャビティ部の下面に熱接合される。図3の実施形態は、図2の実施形態と同様に他の素子も含む。
【0046】
上記の従来技術の実施形態は、例示のみを目的とし、最終構造において屈曲の平面化を達成するのに使用される他の多くのアプローチを包含することを意図していない。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態による電子回路パッケージ51を示す。パッケージ51は、ヒートシンク53、複数の導体57を含むフレキシブル回路55、フレキシブル回路55上に配置され、導体57のうちの選択された導体に電気的に結合される半導体チップ59(従来の接触箇所(図示せず)を含むチップは次に、従来のはんだ組成の複数のはんだボール61によって導体57のうちの各導体に結合される)、フレキシブル回路55をヒートシンク53に接合するためにフレキシブル回路55上に配置されるある量の熱収縮性接着剤63、及び、ヒートシンク53とフレキシブル回路55間に配置される複数のスタンドオフ65を含む。一実施形態では、チップ59は、ある量の熱ペースト60によってヒートシンク53に熱接合され、いくつかの異なる種類の熱ペーストが当該技術において既知である。
【0048】
一実施形態では、アリゾナ州フェニックスに事業所を置くShin−Etsu MicroSi社製で市販される製品名、熱インタフェース材料X23−7783Dの熱ペースを使用することができる。この特定のペーストは粘性200(パスカル秒)、比重2.6、熱伝導定格(W/m絶対温度)6.0を有する。熱収縮性接着剤63は、適切なディスペンサノズル66を用いて図示される位置に液体状で投与することができ、該接着剤は前記装置を用いて投与されるように調整される。
【0049】
本発明で使用可能な熱収縮性接着剤の1例は、オハイオ州ネラパークに事業所を置くGeneral Electric Companyで市販される製品名「TSE3281−G」の熱伝導性・熱硬化性シリコン接着剤である。この接着剤は、粘性60(パスカル秒)、比重2.70、熱伝導定格(W/m絶対温度)1.68を有する。該接着剤は、50%の伸張率も有する。この接着剤の典型的な硬化時間は、150℃に加熱された場合は1時間、125℃に加熱された場合は2時間、100℃に加熱された場合は4時間である。本発明で使用されるように調整された他の接着剤には、48686ミシガン州ミッドランド、サウスサギナウロードに事業所を置くDow−Corning Corporation製の熱伝導性接着剤1−4173、熱伝導性接着剤1−4174、及び熱伝導性接着剤SE4486CVがある。熱伝導性接着剤1−4174は、直径0.007のガラススペーサビーズを含む。このリストは完全な物ではなく、別の接着剤も利用可能である。
【0050】
この教示は、接着剤63に使用されるのと同じ接着剤を含め、上記のペースト60ではなく熱収縮性接着剤を用いて、チップ59をヒートシンク53に接合するのにも利用することができる。それぞれ異なる厚みを有するフレックス回路とヒートシンク間で、チップをヒートシンクに接合するために同様の接着剤を使用することで、図4の構造(及び後述の構造)のこれらの部分における比例的収縮が可能になる。例えば、約2〜約6ミル厚のチップを接合するのにペースト60の代わりに接着剤を使うと、所望のフレックス回路の平面性を確保しつつ、約20〜約50ミル厚の接着剤63は比例的収縮する(接着剤が厚いほど、対応物よりも大きく収縮し、チップ接着剤がずっと薄くなる)。この比例的収縮性能は、本発明の重要な特徴と考えられる。
【0051】
重要なことに、図4のフレキシブル回路55の配向は、ヒートシンク53に対する回路の最初の配向を示しており、該回路は、はんだボール61が融点まで加熱されてから、冷却されて固化するはんだリフロー処理の結果としてチップ59に固定される。
【0052】
一実施形態では、前記加熱は少なくとも約183℃まで行われ、その後、熱収縮性接着剤63はフレキシブル回路55の外周に投与され、その間にヒートシンク53の下面に接触する。このとき、一実施形態ではガラス球であるスタンドオフ65は、収縮性接着剤内に、フレックス回路の周囲に間隔を置いた配向で配置される。1例では、矩形のフレックス回路は、回路の周囲に配置される16個のスタンドオフ65を含む。
【0053】
前記実施形態では、当然ながらヒートシンク53とフレキシブル回路55間の最終間隔として供するように、各スタンドオフ65は約30ミルの直径を持つことができ、この最終配向は図5に示される。接着剤63内に位置するスタンドオフ65は、ピンセット型ホルダや自動ロボット把持器などの様々な位置決め機構(図示せず)を用いて達成することができる。
【0054】
上記直前の実施形態では、総量0.7グラムの接着剤63と200マイクログラムの接着剤60を使用することができる。図4に示される最初の位置では、ヒートシンク53と回路55間の間隔は平均約35ミルで、対応する球形スタンドオフ65の直径より5ミル大きい。上述の図4の実施形態では、ヒートシンク53は、銅、アルミニウム、アルミニウム−シリカ−炭化ケイ素、ステンレス鋼、または他の強固な熱伝導性材料で作製することができる。
【0055】
チップと回路部材に対するパッケージの平面性を確保する部材として主に意図される場合、セラミック、ガラス、炭化ケイ素、ガラス、水晶、またはその組み合わせで作製することができる。本実施形態では、約20ミルの厚さとし、フィン(図示せず)またはその類似物を含むことができ、そのいくつかの種類が当該技術において既知である。
【0056】
フレキシブル回路55は、図1〜3の従来技術の実施形態に関して言及された1つまたはそれ以上の材料製である。また、1つまたはそれ以上の内部導電層も含むことができ、図示の簡易化のために図4では図示されない。
【0057】
図4は、例えば、テーブル73または他の支持部材の平坦面71に配置されるパッケージ51のフレキシブル回路55を示す。そのようなものとして、フレキシブル回路は、チップ59への装着後の最初の配向の結果として、ヒートシンク53に対し凸状に上向きに湾曲する。すなわち、固定されるチップ59を有する回路部分がヒートシンクに最も近く、回路の外側縁部はヒートシンクからずっと遠い。この湾曲(または屈曲)は説明のため誇張して示されており、非平面配向屈曲のみが想定されることを示すように意図していない。わずかな波形配向、あるいは一方の側が他方の側よりヒートシンクに近い場合も含み、例えば、傾斜も考えられる。
【0058】
図5では、所定時間後、接着剤63が「硬化」させられるパッケージ51が示される。上記熱伝導性接着剤「SE4486CV」が0.8グラム投与された場合、その時間は約120時間である。上記硬化は、過剰に高いまたは低い湿度ではない室温環境にパッケージ51をさらすことによって行われた。しかしながら、より急速な硬化のためには、約140℃〜約160℃までから図4の構造を加熱することが好ましく、TSE32S1−Gを用いる具体的な一実施形態では、硬化プロセスを加速する手段として150℃の温度が使用される。
【0059】
上記温度で、構造を中に置く対流オーブンを用いると、約30分〜約120分内に硬化を達成することができる。150℃の例では、約60分で完全な硬化を得ることができる。驚くことに、薄いフレックス回路自体を傷つけずにチップをフレックス回路を接合するのに使用されるはんだの融点温度の約80〜85%の温度まで構造を加熱することができる。この加熱(ひいては、接着剤の硬化加速)は、はんだよりも融点の高いフレックス回路材料(ここでは、ポリイミド)を用いて可能になる。
【0060】
本発明で利用可能なポリイミドは、300℃もの高さの融点を有する。さらに重要なことに、この「硬化」の結果、接着剤が収縮し(1例では、元の体積から約10%〜約30%)、戦略的に配置されたスタンドオフ65によって停止されるまで、フレキシブル回路55をヒートシンクに近づける。よって、本発明は、フレックス回路に直接固定しなければならない上述の補強材または同様の金属部材を用いずに、フレキシブル回路55の平面性を得ることができる。
【0061】
実質上硬化された図5の配向では、フレックス回路55は、平面状ヒートシンクからヒートシンク(及びフレックス回路)の全幅について30ミルの距離、均等に間隔を置いて配置される。ヒートシンクもフレックス回路も同一平面上にあるため、対応する導体57と対応付けられるチップ59の接触箇所に対して、比較的繊細なはんだボール接続部の略均等な間隔が確保される。
【0062】
図6は本発明の他の実施形態を示す。パッケージ51'は、スタンドオフ65'の選択されたものが熱収縮性接着剤63'の外部に配置され、他(すなわち、図6では左側の1つによって示される)が接着剤内に配置されることを除き、図5のパッケージ51と同様の構成要素を含む。接着剤内のスタンドオフ65'は、図5のスタンドオフ65と同様に配置することができ、それらは、例えば一時的接着剤(図示せず)を用いて、接着剤投与前に接着剤内部に配置されている。
【0063】
接着剤の外部に沿ったスタンドオフ65は、所定位置に保持するための一時的接着剤をここでも用いて、接着剤投与後に配置される。その後、接着剤63'の硬化が生じ、その間に接着剤は収縮して、フレックス回路55は図5の回路55のように堅く引き寄せられる。図5と同様の接着剤の量、類似の材料の構成要素、及び寸法を利用することができる。
【0064】
図6の実施形態は、フレックス回路55と下にあるプリント回路板81との間の可能な(電気的)結合をより詳細に示すために提示される。上記結合は、図6に隠れて示されるような貫通孔及び/または内部回路素子を用いて達成され、各接続位置ではんだボール87を使用して、導体57(ここでも、チップをフレックス回路に結合するのにはんだボール61が使用される)を対応する導体85に結合する。これらのはんだボール87は、はんだボール61と同一または異なるはんだ組成を有することができる。
【0065】
さらに重要なことに、スタンドオフ65'は金属製(例えば、ステンレス鋼、銅、またはアルミニウム製の球形部材、及び、はんだボール61及び87よりも高い融点のはんだボール)で、フレックス回路の上面の対応導体89に電気的に接続することができる。金属またはその他の導電性材料(例えば、金属、例えば、銀粒子を内部に有する硬化エポキシ球形素子)製であるため、スタンドオフは、ヒートシンクへの電気接続(例えば、接地するため)と、熱接続(例えば、パッケージの密閉内部からの熱脱出を向上させるため)を提供する。
【0066】
スタンドオフは、上記スタンドオフ65で使用されるガラス材料(もしくは、セラミック)などの非導電性材料であってもよく、必ずしも伝導路を提供する必要はないと理解される。簡単に言うと、本発明のスタンドオフは有機材料または無機材料のいずれでもよく、後述するような他の構造を取ることができる。よって、接着剤63または63’の収縮の結果として全体の厚みを維持できることを条件に、実質上どの材料または構造でも利用することができる。
【0067】
図7及び8はさらに別の本発明の実施形態を示す。図7では、ヒートシンク53'は、接着剤63を内部に投与した所定長の延長部91を含む。接着剤は上述のように収縮し、図示されるように平面形状を取るまでフレキシブル回路を上方に引っ張ってこれらの延長部に押し付ける。可能な代替として(あるいは延長部91と組み合わせて)、別個の延長部91'を使用することができる。これらは別個の金属部材の形状、例えば、チップ59に対して、戦略的に突出させた延長部91(使用される場合)の内部及び/または外部に配置される円柱状または箱状の部材、あるいは個々の単独部材とすることができる。部分91及び91'は接着剤63’と連続していても、間隔を置いていてもよい。
【0068】
図8の実施形態では、半導体チップ101の形状の電子部品を本発明のスタンドオフとして使用することができる。チップ101は、はんだボール103を用いてフレックス回路55の上面に固定し、次にフレックス回路上の上側導体105(図8では左にのみ示される)に結合することができる。重要なことに、チップ101もこの配置では完全に動作可能であるため、複数のチップ性能を有するパッケージ51’を提供する。
【0069】
図示されるように、これらのチップと対応付けられるはんだ接続部は、チップまたは接続部に悪影響(損傷)を及ぼさずに接着剤の収縮の間その形状(及び幅)を維持することができる。したがって、本発明は、パッケージの機能部材として2つ以上のチップを提供しつつ、ヒートシンクとフレックス回路間の正確な間隔を提供することができる。チップ101は、図8に示されるように、接着剤の内部または外部に配置することができる。
【0070】
従って、フレックス回路が少なくとも大部分に関して、ヒートシンクから正確な距離を置いて保持される電子回路パッケージが図示され定義されている。この間隔は、熱収縮性接着剤を収縮させて以前の非平面フレックス回路を平面構造に近づけることによって、新規かつ独特の方法で達成される。
多様な異なる材料と形状の様々なスタンドオフ部材を使用することができる。
【0071】
本明細書中で定義される本発明は、比較的簡単に製造できるので、大量生産に適合可能である。素子も大部分が比較的安価な材料(例えば、金属及びガラス)で作製されるが、このため上述の半導体チップなどの追加電子部品を使用することもできる。
【0072】
現時点で本発明の好適な実施形態であるものを図示し説明してきたが、当業者にとっては、添付の請求項に定義されるように、本発明の範囲を逸脱せずに様々な変更や修正を行うことができるのは自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】フレキシブル回路を半導体チップに結合する従来技術手段を示す側面図である。
【図2】フレキシブル回路を半導体チップに結合する別の従来技術手段を示す部分破断側面である。
【図3】フレキシブル回路を半導体チップに結合するさらに別の従来技術手段を示す部分破断側面である。
【図4】本発明の一実施形態によるフレキシブル電子回路パッケージを示す部分破断側面図である。
【図5】本発明の別の実施形態によるフレキシブル電子回路パッケージを示す部分破断側面図である。
【図6】発明の別の実施形態によるフレキシブル電子回路パッケージを示す部分破断側面図である。
【図7】発明のさらに別の実施形態によるフレキシブル電子回路パッケージを示す部分破断側面図である。
【図8】発明の他の実施形態によるフレキシブル電子回路パッケージを示す部分破断側面図である。
【符号の説明】
【0074】
11 フレキシブル回路
13 チップ
15 導体パッド
16 絶縁層
17 内部導体層
19 はんだボール
21 密閉材料
23 補強材
25 接着剤
27 開口部
29 ヒートシンク
31 補強材
33 熱接着剤
51・51' 電子回路パッケージ
53・53' ヒートシンク
55 フレキシブル回路
57 導体
59 半導体チップ
60 熱ペースト
61 はんだボール
63・63' 熱収縮性接着剤
65・65' スタンドオフ
66 ディスペンサノズル
71 平坦面
73 テーブル
81 プリント回路板
85 導体
87 はんだボール
89 対応導体
91・91' 延長部
101 半導体チップ
103 はんだボール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンクと、
複数の導体を含むフレキシブル回路と、
前記フレキシブル回路上に配置され、前記導体のうちの選択された導体に電気的に結合される半導体チップと、
前記半導体チップを上に配置した前記フレキシブル回路が略平面になるように、前記フレキシブル回路上に配置され、前記フレキシブル回路を前記ヒートシンクに接合するある量の熱収縮性接着剤と、
前記ヒートシンクと前記フレキシブル回路間に配置され、前記ヒートシンクから間隔を置いて前記フレキシブル回路の少なくとも一部を保持する複数のスタンドオフと、
を備えることを特徴とする電子回路パッケージ。
【請求項2】
前記スタンドオフが前記ある量の熱収縮性接着剤内に配置されることを特徴とする請求項1の電子回路パッケージ。
【請求項3】
前記スタンドオフが無機材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2の電子回路パッケージ。
【請求項4】
前記スタンドオフがガラスからなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子回路パッケージ。
【請求項5】
前記スタンドオフが金属からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電子回路パッケージ。
【請求項6】
前記スタンドオフがはんだ素子からなることを特徴とする請求項1〜請求項3あるいは請求項5のいずれかに記載の電子回路パッケージ。
【請求項7】
前記スタンドオフが電子部品であることを特徴とする請求項1または請求項2の電子回路パッケージ。
【請求項8】
前記スタンドオフが半導体チップとはんだボールアセンブリであることを特徴とする請求項7の電子回路パッケージ。
【請求項9】
前記スタンドオフが前記ある量の熱収縮性接着剤から間隔を置いて、あるいは連続して配置されることを特徴とする請求項1の電子回路パッケージ。
【請求項10】
前記スタンドオフが無機材料からなることを特徴とする請求項1または請求項9の電子回路パッケージ。
【請求項11】
前記スタンドオフがガラスからなることを特徴とする請求項1、請求項9または請求項10のいずれかに記載の電子回路パッケージ。
【請求項12】
プリント回路板をさらに備え、前記電子回路パッケージの前記フレキシブル回路が前記プリント回路板に電気的に結合されて電気アセンブリを形成することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の電子回路パッケージ。
【請求項13】
ヒートシンクを設けるステップと、
複数の導体を含むフレキシブル回路を設けるステップと、
前記フレキシブル回路上に半導体チップを配置して、前記半導体チップを前記導体のうちの選択された導体に電気的に結合するステップと、
前記フレキシブル回路と前記ヒートシンクの両方に接触して、前記フレキシブル回路と前記ヒートシンク間に液体状のある量の熱収縮性接着剤を配置するステップと、
前記熱収縮性接着剤を略硬化し、前記フレキシブル回路を前記ヒートシンクに接合するために、上に前記半導体チップを配置する前記フレキシブル回路が略平面になるように、前記熱収縮性接着剤を液体状の体積からより少ない体積に収縮させるステップと、
実質上前記ヒートシンクと前記フレキシブル回路間に複数のスタンドオフを配置して、前記フレキシブル回路が略平面になるときに前記ヒートシンクから間隔を置いて前記フレキシブル回路の少なくとも一部を保持するステップと、
を備えることを特徴とする電子回路パッケージの製造方法。
【請求項14】
前記フレキシブル回路上に前記半導体チップを配置して、前記半導体チップを前記導体のうちの選択された導体に電気的に接続するステップが、はんだボールを用いて達成されることを特徴とする請求項13の電子回路パッケージの製造方法。
【請求項15】
前記フレキシブル回路と前記ヒートシンクの両方に接触して、前記フレキシブル回路と前記ヒートシンク間に液体状のある量の熱収縮性接着剤を配置するステップが、ディスペンサノズルを用いて達成されることを特徴とする請求項13または請求項14の電子回路パッケージの製造方法。
【請求項16】
前記熱収縮性接着剤を略硬化し、前記フレキシブル回路を前記ヒートシンクに接合するために、上に前記半導体チップを配置する前記フレキシブル回路が略平面になるように、前記熱収縮性接着剤を液体状の体積からより少ない体積に収縮させるステップが、前記熱収縮性接着剤を所定時間室温にさらすことによって達成されることを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれかに記載の電子回路パッケージの製造方法。
【請求項17】
前記熱収縮性接着剤を略硬化し、前記フレキシブル回路を前記ヒートシンクに接合するために、上に前記半導体チップを配置する前記フレキシブル回路が略平面になるように、前記熱収縮性接着剤を液体状の体積からより少ない体積に収縮させるステップが、前記熱収縮性接着剤を所定時間確定温度に加熱するようにさらすことによって達成されることを特徴とする請求項13〜請求項15のいずれかに記載の電子回路パッケージの製造方法。
【請求項18】
前記確定温度が約140℃〜約160℃の範囲内で、前記所定時間が約30分〜約120分であることを特徴とする請求項17の電子回路パッケージの製造方法。
【請求項19】
実質上前記ヒートシンクと前記フレキシブル回路間に複数のスタンドオフを配置して、前記フレキシブル回路が略平面になるときに前記ヒートシンクから間隔を置いて前記フレキシブル回路の少なくとも一部を保持する前記ステップが、前記スタンドオフを前記熱収縮性接着剤内に配置することを含むことを特徴とする請求項13〜請求項18のいずれかに記載の電子回路パッケージの製造方法。
【請求項20】
実質上前記ヒートシンクと前記フレキシブル回路間に複数のスタンドオフを配置して、前記フレキシブル回路が略平面になるときに前記ヒートシンクから間隔を置いて前記フレキシブル回路の少なくとも一部を保持する前記ステップが、前記スタンドオフを前記熱収縮性接着剤の外部にまたは連続して配置することを含むことを特徴とする請求項13〜請求項19のいずれかに記載の電子回路パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−244473(P2008−244473A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57976(P2008−57976)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(503459464)エンディコット インターコネクト テクノロジーズ インク (23)
【Fターム(参考)】