説明

スタンド付ティッシュペーパーボックス

【課題】ティッシュペーパーボックスの広告面を見やすくする。
【解決手段】多数枚のティッシュペーパーを収納し上面にティッシュペーパーの取出口が設けられた直方体の紙箱11の底面(裏面)14に、紙箱11の後面13を底面(裏面)14側に延長して傾斜支持片15を設け、この傾斜支持片15の山折線152を端部とし箱体11側を央部とする略半円形状の第1のスリット153により形成された舌状片153aを折らないようにして、傾斜支持片15を山折線152で山折りし、傾斜支持片15の先端部に設けられた突片154を紙箱11の底部(裏面)14の第2のスリット141に挿入して留めてスタンド152aを形成することでスタンド付ティッシュペーパーボックスを構成し、このスタンド152aにより紙箱11を傾斜状態で維持して設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭や店舗で使用される市販のティッシュペーパーボックスの他、例えば、企業等が自社商品の宣伝や販売促進を目的に無料配布する記念品のノベルティ品に活用されているティッシュペーパーボックスに関し、広告面が見やすいスタンド付ティッシュペーパーボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、栄養ドリンク、ビール、ジュースなどの飲料が詰められたダース箱等に、ボックスティッシュ(ティッシュペーパーが箱詰めされたもの)を付けるなどし、企業等は自社商品の宣伝や販売促進を目的とした営業活動に取り組んでいる。これらのケースでは、ボックスティッシュの箱部分であるティッシュペーパーボックスの表面(上面や側面)に社名や広告を印刷し、そのままボックスティッシュをPOP広告にするという手法が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−163175号公報
【0004】
ここで、上記特許文献1によれば、POP広告に活用するためのベロの付いたティッシュペーパーボックスをすべて機械にて自動形成することができるような構成とした発明が提案されている。
【0005】
この発明は、多数枚のティッシュペーパーを収納し、上面に前記ティッシュペーパーの取出口を形成するための開封用切取ミシン目が設けられた直方体の紙箱で構成されるティッシュペーパーボックスであって、この紙箱に、前後いずれかの面を延長して形成され、紙箱の底面に一部が接着する延長片が備えられたことを特徴とするティッシュペーパーボックスに係るものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1によれば、構造が簡単で、消費者が商品を購入後、ダース箱等の商品からボックスティッシュを手軽に取り外すことができる延長片、例えば舌(ベロ)状片を備えたティッシュペーパーボックスを提供することができる。したがって、この発明によれば、両面テープ等を用いなくてもダース箱等からボックスティッシュを簡単に着脱できるという効果を十分に発揮することができる。
【0007】
ここで、敢えてこの発明に関し新たな課題を挙げるとすれば以下のような課題が考えられる。上記のような舌状片を備えたティッシュペーパーボックスはダース箱や設置面に対して水平または垂直に設置されるものである。したがって、例えばティッシュペーパーボックスを真上(上面側)から見た場合には、側面に印刷された内容が見えなくなり、また、正面側(側面側)から見た場合には、上面に印刷された内容が見えなくなる。つまり、人がティッシュペーパーボックスを見る角度によっては、広告が印刷された面が見づらくなることがあり、広告内容を効果的にアピールすることができなくなるという問題が生じる。なお、この問題は、ティッシュペーパーボックスをダース箱に設置した場合に限られず、カウンターや展示スペースなど、設置した場所が水平であるならば場所を問わずに生じ得る問題である。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて提案されたもので、一般家庭、オフィスや店舗の他、POP広告に活用するためのティッシュペーパーボックスを設置面に対して傾斜をつけて設置することができるような構成とし、様々な角度から見てもティッシュペーパーボックスに印刷された広告内容が見やすいスタンド付ティッシュペーパーボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスは、多数枚のティッシュペーパーを収納し、上面に前記ティッシュペーパーの取出口を形成するための開封用切取ミシン目が設けられた直方体状の箱体に、長辺側の側面を底面側に延長して形成される傾斜支持片が備えられ、前記傾斜支持片には、前記箱体の長辺方向と同じ方向に山折線が設けられ、前記底面には、前記傾斜支持片の先端部を留める留め部が設けられており、前記山折線を折り、前記傾斜支持片の先端部を前記留め部に留めることで前記箱体が設置面に対して傾斜状態に維持されることを特徴としている。
【0010】
特に、上記傾斜支持片には、前記山折線を端部とし、前記箱体側を央部とする1又は複数の略半円形状又は略四角形状の舌状片を形成するための第1のスリットが設けられていることが好ましい。また、前記傾斜支持片の先端部には突片が設けられていることが好ましい。さらに、前記留め部が第2のスリットであることも好ましい。このように構成することで、前記突片が前記第2のスリットに挿入されて、前記傾斜状態が維持されることになる。
【0011】
また、前記取出口が、箱体の上面の長辺寄りに設けられていることも好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、箱体の長辺側の側面を底面側に延長して形成され、箱体の長辺方向と同じ方向に山折線が設けられた傾斜支持片を備え、この傾斜支持片を山折線で折り、傾斜支持片の先端部を箱体の底部に設けられた留め部に留めてスタンド付ティッシュペーパーボックスを構成した。したがって、この傾斜支持片により箱体の底面(裏面)には縦断面略L字型のスタンドが形成され、このスタンドが箱体を支持することで、箱体を傾斜状態で設置することができるスタンド付ティッシュペーパーボックスを提供することができる。また、箱体が傾斜状態であれば、これまでの様に箱体が水平状態で置かれていた場合には見ることができなった面側、すなわち、正面側(側面側)から見た場合に死角となっていた上面側を見ることができるようになるため、人がティッシュペーパーボックスを見る角度によって広告が印刷された面が見づらくなることがなくなる。また、上面と正面(側面)との2面に渡って広告を印刷した場合に、2面が連なった立体的な広告を見やすくすることができる。
【0013】
さらに、上記傾斜支持片には、前記山折線を端部とし、前記箱体側を央部とする1又は複数の略半円形状又は略四角形状の舌状片を形成するためのスリットが設けられて構成されている。したがって、上記の効果を有しつつ、傾斜支持片が設置面と接触する面積が舌状片の分だけ広がり、傾斜状態を安定させることができるスタンド付ティッシュペーパーボックスを提供することができる。当然、舌状片が複数形成されれば、衝撃や振動に対する安定度が一層増すことになる。特に、箱体に傾斜支持片を設けただけの簡単な構造であるので、ティッシュペーパーボックスをすべて機械にて自動形成することができ、納期、コスト面での企業等の経費の削減というニーズに応えることも可能となる。
【0014】
また、上記傾斜支持片の先端部には、突片が設けられ、前記留め部は第2のスリットであり、前記突片が前記第2のスリットに挿入されて前記傾斜状態が維持される構成とされている。したがって、傾斜支持片を山折線で山折りして箱体の底面(裏面)に縦断面略L字型のスタンドを形成する作業が容易となる。特に、箱体の底部に形成された留め部が、傾斜支持片の先端部に設けられた突片を挿入するスリットで構成されているため、突片とスリットとの着脱が容易であり、本発明に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスを手早く組立てることができる。
【0015】
また、ティッシュペーパーの取出口が箱体上面の一方の長辺寄りに設けられた構成とすれば、上記の効果を有しつつ、箱体上面の他方の長辺から取出口までの間が広がり、広告として利用できるスペースを広くとることができるスタンド付ティッシュペーパーボックスを提供することができる。また、広げられたスペースは、広告スペースとしての利用だけではなく、例えば、メッセージやカレンダーを印刷したり、空白にしておいて後から書き込むといった多目的スペースとして利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスの斜視図である。
【図2】実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスの底面側から斜視で示した説明図であり、(a)は傾斜支持片の構成を説明する説明図、(b)は傾斜支持片の作用を説明する説明図である。
【図3】実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスの展開図である。
【図4】実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスの変形例の展開図の一部を示す説明図であり、(a)は舌状片が略四角形状である場合を示す説明図、(b)は舌状片が複数形成された場合を示す説明図である。
【図5】実施例2に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスの斜視図である。
【図6】実施例2に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスの展開図である。
【図7】実施例3に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスの斜視図である。
【図8】実施例3に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、いくつかの実施例を図面とともに説明する。
【0018】
(実施例1)
本発明に係るスタンド付ティッシュペーパーボックスは、図1に示すように、図示しない多数枚のティッシュペーパーを収納し、上面12にティッシュペーパーの取出口122を形成するための開封用切取ミシン目121が設けられた直方体の紙箱11と、傾斜支持片15とから構成されている。傾斜支持片15は、紙箱11の長辺側の側面、すなわち、図1において後面13を底面側に延長して形成されている。この傾斜支持片15の構成については、図2(a)、(b)を用いて後に詳しく説明する。
【0019】
スタンド付ティッシュペーパーボックスの紙箱11自体の形態は、傾斜支持片15を除けば従来の市販品のティッシュペーパーボックスと同様で、何ら変わらない形状をしており、紙箱11内の形態も、従来の市販品のティッシュペーパーが詰められたティッシュペーパーボックスと同様である。ただし、紙箱11の底面(裏面)には後面13が延長されることで紙箱11のスタンドとなる傾斜支持片15が設けられている点が従来のティッシュペーパーボックスとは異なる。この傾斜支持片15により、紙箱11を傾斜状態で維持して設置することができる。なお、本実施例1では、紙製のスタンド付ティッシュペーパーボックスを例示するが、紙製に限られず、薄いプラスチック製や、直方体形状を維持することができる程度に硬化処理がなされた布製などであってもよい。
【0020】
傾斜支持片15は、図2(a)に示すように、紙箱11の長辺側の側面としての後面13を、底面(裏面)14側に延長して形成されている。傾斜支持片15は、幅が紙箱11の長辺の長さとほぼ同じ幅で、長さが底面(裏面)14の一方の長辺14bから他方の長辺14c付近に達している。また、傾斜支持片15には、底面(裏面)14における後面13近傍側の一側14aにて底面(裏面)14と糊付けにより接着させられる糊付領域15aが設けられている。糊付領域15aは、底面(裏面)14の長辺の長さとほぼ等しい長手の長さを有する略長方形の領域である。そして、傾斜支持片15の糊付領域15aにおける底面14との糊付けにより、紙箱11は直方体の箱状に維持されている。
【0021】
また、傾斜支持片15は、紙箱11の長辺方向と同じ方向に山折線152と、この山折線152を境界とする紙箱側領域15bと先端側領域15cとからなり、紙箱側領域15bに山折線152を端部としつつ、紙箱11側、すなわち紙箱側領域15b側を央部とする略半円形状の第1のスリット153が設けられ、この第1のスリット153により舌状片153aが形成されている。傾斜支持片15の先端部には、突片154が設けられている。紙箱11の底部(裏面)14には、傾斜支持片15の先端部の突片154を留める留め部としての第2のスリット141が設けられている。
【0022】
山折線152は、傾斜支持片15の面上ほぼ中央で紙箱11の長辺方向と同じ方向に設けられている。ただし、山折線152のほぼ中央に設けられた舌状片153aの端部に係る部分には、山折線はなくてもよい。この山折線152を折ることで、図2(b)に示すようにスタンド152aが形成される。スタンド152aは、設置面と接触し、紙箱11の底部(裏面)14側を支持する。これにより、紙箱11は斜めに立ち上げられた状態で維持される。なお、山折線152は、傾斜支持片15を折りやすくするための線であり、通常の折り目の他、ミシン目とすることもできる。この場合は、ミシン目から傾斜支持片15の先端側領域15cを切り離すことが可能となり、紙箱11は通常のティッシュペーパーボックスとして用いることもできる。
【0023】
第1のスリット153は、傾斜支持片15の面上で山折線152を端部としつつ、紙箱11側(紙箱側領域15b側)を央部として略半円形状に形成される。すなわち、第1のスリット153aとは、山折線152の線上に半円形状の1辺(半円形のうち直線の部分)を有し、山折線152のほぼ中央から紙箱側領域15b側に向かって半円形状に入れられたスリットを指すものである。この第1のスリット153を入れることで紙箱側領域15cから延設される舌状片153aが形成される。
【0024】
舌状片153aは、上述した第1のスリット153と同径の半円形状(かまぼこ型)であり、紙箱側領域15bから切り抜かれ、先端側領域15cから延設されて形成される。したがって、舌状片153aを折らないように傾斜支持片15を山折線152で山折りすると、舌状片153aは、図2(b)に示すように先端側領域15cと同一面上に形成される。この舌状片153aによれば、紙箱11を傾斜状態で維持するに際し、スタンド152aの設置面に接触する面積が舌状片153aの分だけ広がり、衝撃や振動などに対しても紙箱11の傾斜状態を安定させることができる。
【0025】
突片154は、図2(a)に示すように、傾斜支持片15の同一面上で、かつ先端部のほぼ中央から突出して延設されている。一方、第2のスリット141は、底面(裏面)14のほぼ中央付近に箱体11の長辺方向と平行に切り込むことで設けられている。この突片154が第2のスリット141に挿入されることで、山折線152で山折りした傾斜支持片15は図2(b)に示すようなスタンド152aとなる。なお、突片154は、図2(a)において1つの略四角形状として示されているが、略四角形状に限られず、例えば、略半円形状で複数形成されていてもよい。また、留め部は、同図2(a)において第2のスリット141として示されているが、スリットに限られず、糊付けなどによる構成でもよい。ただし、スリットであれば、着脱が容易であるため、本実施例1のように傾斜状態としたスタンド付ティッシュペーパーボックスとして用いる場合と、通常のティッシュペーパーボックスのように平面状態で用いる場合とで、紙箱を臨機応変に変形することが可能である。
【0026】
次に、図3に基づいて、本実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス10の組立方法の概略について説明する。
【0027】
まず、スタンド付ティッシュペーパーボックス10の組立前において、所定の長さ、幅を有する厚紙からくり抜き、上から傾斜支持片15、後面13、上面12、前面16、底面(裏面)14の順に連続した所定の形状の一枚の展開紙片100とする。その際、後面13、上面12、前面16、底面(裏面)14にはそれぞれ、組立時に側面17、18となる側部片17a〜17d、18a〜18dを形成する。また、傾斜支持片15の先端部に突片154を延設して形成する。さらに、傾斜支持片15には略半円形状の第1のスリット153を、底面(裏面)14には第2のスリット141を、それぞれ形成する。図3において斜線で示される領域は、傾斜支持片15や側部片17a〜17d、18a〜18dの糊付けされる部分を示すものである。一点鎖線で示されるのは、スタンド付ティッシュペーパーボックス10を組み立てる際に折り目となる部分である。破線で示されるのは、ティッシュペーパー取出口122を形成するための開封用切取ミシン目121である。第1のスリット153、第2のスリット141は切り込みであるが、理解し易くするために実線で示してある。なお、ティッシュペーパー取出口122の長辺のうち1辺は、ミシン目121とはせずに通常の折り目としてもよい。この場合、ティッシュペーパー取出口122の紙片部分は、折り目を介して紙箱11の上面12と繋がり、ティッシュペーパー取出口122のフタのような構成となる。
【0028】
次に、図3の所定の形状の一枚の展開紙片100を、一点鎖線に沿って折り曲げるとともに、傾斜支持片15の糊付領域15aや側部片17a〜17d、18a〜18dの糊付けされる部分を糊付けする。そして、傾斜支持片15を山折線152で山折りするとともに、突片154を底面14(裏面)の第2のスリット141に挿入する。このとき、先端側領域15cに延設された舌状片153aを
折らないように傾斜支持片15を山折線152で山折りすれば、図1および図2(b)に示すような本実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス10となる。
【0029】
スタンド付ティッシュペーパーボックス10の代表的な寸法は、上面12、底面(裏面)14、後面13、前面16の長辺が245mm、上面12、底面(裏面)14の短辺が114〜115mm、後面13、前面16の短辺が65〜66mmである。また、傾斜支持片15の長辺が243mm、短辺が104mm、突片154の長辺が30mm、短辺が10mmである。ティッシュペーパー取出口122は、上面12のほぼ中央に形成された略長方形で、長辺が170mm、短辺が35mmである。山折線152は、傾斜支持片15の先端部より45mmの位置に形成される。舌状片153aを形成する第1のスリットは、曲げ半径が37.5Rである。底面(裏面)14の第2のスリット141は、底面(裏面)14上で、前面16と接する長辺14cから他方の長辺14bに向かって50mmの位置に長辺14b、14cと並行に形成され、幅は32mmである。なお、舌状片の形状や大きさは、厚紙の材質、使用状況等から強度を考慮して適宜決定すればよい。
【0030】
上述したように、本実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス10は、紙箱11の長辺側の側面を底面(裏面)14側に延長して形成される傾斜支持片15に、山折線152と、この山折線152を端部とする略半円形状の第1のスリット153により形成される舌状片153aとが設けられ、山折線152を折って傾斜支持片15の先端部の突片154を紙箱11の底面(裏面)14の第2のスリット141に挿入して構成される。したがって、この傾斜支持片15により紙箱11の裏面には縦断面略L字型のスタンド152aが形成され、紙箱11が傾斜状態で支持されて設置することができる。また、紙箱11が傾斜状態であれば、これまでの様に紙箱が水平状態では見ることができなった面側、すなわち、正面側(側面側)から見た場合に死角となっていた上面側を見ることができるようになるため、人がティッシュペーパーボックスを見る角度によって広告が印刷された面が見づらくなることがなくなる。また、上面と正面(側面)との2面に渡って広告を印刷した場合に、2面が連なった立体的な広告を見やすくすることができる。
【0031】
なお、本実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス10は、紙箱11の後面13を底面(裏面)14側に延長して形成される傾斜支持片15によってスタンド152aが形成され、スタンド152aは、設置面と接触し、紙箱11の底部(裏面)14側を支持することは上述の通りである。より具体的には、スタンド152aの縦断面略L字型の菱部分が設置面と接触する。すなわち、スタンド152aのうち、「面」部分(スタンド152aとなる傾斜支持片15の先端側領域15c)ではなく、「線」部分(スタンド152aの縦断面略L字型の菱部)が設置面と接触することになる。この場合であっても、紙箱11の傾斜状態を十分に安定させることができる。したがって、本実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス10は広告面を見やすくするという効果を十分に発揮することができる。
【0032】
また、傾斜支持片15に設けられた第1のスリット153により、傾斜支持片15の紙箱側領域15bから切り抜かれた舌状片153aは、傾斜支持片15の先端側領域15cから延設されて形成され、舌状片153aを折らないように傾斜支持片15を山折線152で山折りすると先端側領域15cと同一面上に形成されることも上述の通りである。より具体的には、舌状片153aが設置面に接触することでスタンド152aの縦断面略L字型の菱部分が設置面からわずかに浮く場合があるが、紙箱11の傾斜状態を十分に安定させることができる。この場合であっても、傾斜支持片15を山折線152で山折りするとともに舌状片153aを適度に折ることで、舌状片153aと併せてスタンド152aの縦断面略L字型の菱部分も設置面に接触させることができる。すなわち、スタンド152aの「線」部分(スタンド152aの縦断面略L字型の菱部)に、適度に折られた舌状片153aが「面」部分として加わり、本実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス10は、傾斜状態を更に安定させることができるため、広告面を見やすくするという効果を十分に発揮することができる。
【0033】
本実施例1では、舌状片153aは、略半円形状として示されているが、略半円形状に限られず、例えば、図4(a)に示すように、略四角形状であってもよい。さらに、舌状片は、図4(b)に示すように、2つまたはそれ以上形成されていてもよい。なお、舌状片の形状を変形し、または片数を変更する場合は、上述した第1のスリットは、図4(a)に示すように略四角形状とし、また、同図4(b)に例示すように複数のスリットを形成する。舌状片の形状を変形させ、または、舌状片を複数形成することで、紙箱11の傾斜状態をさらに安定させることができる。
【0034】
(実施例2)
本実施例2に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス20では、図5に示すように、ティッシュペーパーの取出口122が、紙箱11の上面12の中央よりも長辺12a寄りに設けられている。また、ティッシュペーパーの取出口122は、箱体の上面12の中央よりも長辺12b寄りに設けることもできる。なお、紙箱および傾斜支持片の構成は、実施例1と同じである。
【0035】
次に、本実施例2に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス20の組立方法の概略および寸法について、図6に基づいて、実施例1と異なる構成のみを説明する。
【0036】
本実施例2によれば、ティッシュペーパー取出口122は、紙箱11の上面12の一方の長辺12aから他方の長辺12bに向かって15mmの位置に長辺の一方が配置されるような略長方形であり、長辺が170mmで、短辺が30mmである。なお、その他の寸法は、実施例1と同じである。
【0037】
上述したように、本実施例2に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス20は、ティッシュペーパーの取出口が、紙箱11の上面12の一方の長辺12a寄りに設けられた構成とした。したがって、紙箱11の上面12の他方の長辺12bからティッシュペーパー取出口122までの間が広がり、広告として利用できるスペースを広くとることができるスタンド付ティッシュペーパーボックスを提供することができる。また、広げられたスペースは、広告スペースとしての利用だけではなく、例えば、図5に例示するようにカレンダーを印刷したり、空白にしておいて後から書き込むといった多目的スペースとして利用することもできる。
【0038】
(実施例3)
本実施例3に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス30は、図7に示すように、ティッシュペーパー取出口122が、紙箱11の上面12の中央よりも長辺12aに寄り、特に、長辺12aの一部を含んだ紙箱11の角部に設けられている。すなわち、ティッシュペーパー取出口122は、紙箱11の上面12から一方の長辺12aを経て、紙箱11の後面13に渡って立体的に設けられている。なお、上述したように本実施例3に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス30のティッシュペーパー取出口122は立体的な形態であるが、ティッシュペーパー取出口122の構成の説明を理解しやすくするために、以下、ティッシュペーパー取出口122の形状を、紙箱11の上面12から後面13へまたがる略長方形として説明する。
【0039】
ティッシュペーパー取出口122は略長方形であり、一方の長辺122aが紙箱11の長辺12aに平行して上面12上に設けられ、他方の長辺122bが紙箱11の長辺12aに平行して紙箱11の後面13上に設けられている。そして、ティッシュペーパー取出口122の長辺122a、122bの端部同士が、紙箱11の上面12から後面13に渡って設けられた短辺によって繋がれて、略長方形のティッシュペーパー取出口122が形成されている。長辺122bのほぼ中央には、ティッシュペーパー取出口122を開封しやすくするための凸状のつまみ部が設けられている。本実施例3では、ティッシュペーパー取出口122の一方の長辺122aは、折り目により形成され、他方の長辺122bおよび短辺はミシン目で形成されている。したがって、ミシン目のみを切り離せば、切り離された紙片は、ティッシュペーパー取出口122の一方の長辺122aを介して紙箱11の上面12と繋げられ、ティッシュペーパー取出口122のフタ部分となる。なお、ティッシュペーパー取出口122の一方の長辺122aはミシン目であってもよい。紙箱および傾斜支持片の構成は、実施例1と同じである。
【0040】
次に、本実施例3に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス30の組立方法の概略および寸法について、図8に基づいて、実施例1と異なる構成のみを説明する。
【0041】
本実施例3によれば、ティッシュペーパー取出口122は、長辺が120mmで、短辺が47mmである。長辺122bの中央に形成された凸状のつまみの幅は10mmである。長辺122aは、上面12上で、上面12の一方の長辺12aから30mmの位置に形成され、長辺122bは、後面13上で、上面12の一方の長辺12aから17mmの位置に形成される。なお、その他の寸法は、実施例1と同じである。
【0042】
上述したように、本実施例3に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス30は、ティッシュペーパー取出口122が、紙箱11の上面12の中央よりも長辺12aに寄り、特に、長辺12aの一部を含んだ紙箱11の角部に設けられた構成とした。したがって、実施例2と同様に広告として利用できるスペースを広くとることができるティッシュペーパーボックスを提供することができる。特に、本実施例3に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス30は、ティッシュペーパー取出口122の一方の長辺122aが、折り目により形成され、他方の長辺122bおよび短辺はミシン目で形成されている。したがって、ミシン目のみを切り離せば、切り離された紙片はティッシュペーパー取出口122の一方の長辺122aを介して紙箱11の上面12と繋げられているため、ティッシュペーパー取出口122のフタ部分となり、フタ部分の表にも広告を印刷することができる。この場合、例えば図7において、紙箱11の前面16、上面12およびティッシュペーパー取出口122フタ部分の3面に渡って広告をつなげることもできるため、広告をより立体的で見やすくすることもできる。
【0043】
以上、本発明のいくつかの実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、小売店等においてダース箱を陳列する際、ダース箱の側面に形成された隙間に舌状片を差し込んで、そのままボックスティッシュをPOP広告にすることができる。その他、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 実施例1に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス
11 紙箱
12 上面
12a、b 紙箱の長辺
121 ミシン目
122 ティッシュペーパー取出口
122a、122b ティッシュペーパー取出口の長辺
13 後面
14 底面(裏面)
14a 底面における前面近傍側の一側
14b、c 底面の(裏面)長辺
141 第2のスリット
15 傾斜支持片
15a 糊付領域
15b 紙箱側領域
15c 先端側領域
152 山折線
152a スタンド
153 第1のスリット
153a 舌状片
154 突片
16 前面
17a、b、c、d 側部片
18a、b、c、d 側部片
20 実施例2に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス
30 実施例3に係るスタンド付ティッシュペーパーボックス
100 展開紙片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数枚のティッシュペーパーを収納し、上面に前記ティッシュペーパーの取出口を形成するための開封用切取ミシン目が設けられた直方体状の箱体に、長辺側の側面を底面側に延長して形成される傾斜支持片が備えられ、
前記傾斜支持片には、前記箱体の長辺方向と同じ方向に山折線が設けられ、
前記底面には、前記傾斜支持片の先端部を留めるための留め部が設けられ、
前記山折線を折り、前記傾斜支持片の先端部を前記留め部に留めることで前記箱体が設置面に対して傾斜状態に維持されてなる、
ことを特徴とするスタンド付ティッシュペーパーボックス。
【請求項2】
前記傾斜支持片には、前記山折線を端部とし、前記箱体側を央部とする1又は複数の略半円形状又は略四角形状の舌状片を形成するための第1のスリットが設けられ、
前記傾斜支持片の先端部には、突片が設けられ、
前記留め部は第2のスリットであり、
前記突片が前記第2のスリットに挿入されて前記傾斜状態が維持されてなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のスタンド付ティッシュペーパーボックス。
【請求項3】
前記取出口が、長辺寄りに設けられたこと、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスタンド付ティッシュペーパーボックス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−153379(P2012−153379A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12028(P2011−12028)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(393031885)田子浦パルプ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】