説明

スタンプ

【課題】封筒等の開封機能を備えたスタンプを提供する。
【解決手段】本発明のスタンプ1Aは、印字部2Aを有した本体部3Aと、本体部3Aに着脱される蓋部4Aを備え、本体部3Aの上部に開封部5Aを備える。印字部2Aは、表記の視認を阻害するパターンを有した転写ローラ20を備え、封筒等の処理対象物に印字、あるいはラベルの貼り付け等で表記された住所や氏名等の個人情報を保護する機能と、封筒等を開封する機能を併せ持つ。開封部5Aは、封筒等をカッター50で開封することで発生する紙粉を回収する紙粉回収部53を備え、カッター50に紙粉が付着して切断力が低下することを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物に押印を行うスタンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、封筒等に表記された住所や氏名等を視認困難にするため、文字等の認識を困難にするような印面を備えて押印できるようにした個人情報保護スタンプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の個人情報スタンプは、板ゴム、あるいはローラ形状のゴムに、それ自体に意味を持たない柄や文字を配置し、住所や氏名等の他人に見られたくない個人情報へ押印することで、個人情報を見えにくくするものである。このような個人情報保護スタンプの使用の対象となる処理対象物は、個人情報が印刷あるいはラベルの貼り付け等で表記された封筒や、封筒の内容物であることが多い。
【0004】
さて、封筒の開封には、はさみやカッター、レターオープナ等の開封具が用いられる。このため、個人情報保護のための押印を行う個人情報保護スタンプと、開封具を両方用意する必要があった。
【0005】
一方、筆記具に開封具の機能を持たせた技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−255515号公報
【特許文献2】特開平10−086590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来は、封筒等の開封と、使用済みの封筒等に対する個人情報の保護という動作を、1つの道具で行えるようにするものはなかった。また、封筒等の開封を行うと、刃部の切断力は低下するが、筆記具に開封具の機能を持たせた構成では、筆記具がボールペンであれば、芯の交換等で筆記具は長期間に亘り使用できるが、開封具は、切断力が低下すると、長期間に亘る使用ができなくなる。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、封筒等の開封機能を備えたスタンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、インクを転写する印面を有した印字部と、封止された処理対象物を開封する刃部を有した開封部とを備え、開封部は、刃部の切断力を保つ切断力保持手段を備えたスタンプである。
【0010】
本発明のスタンプでは、開封部を使用することで、封筒の開封が行われる。また、封筒等の処理対象物に印字、あるいはラベルの貼り付け等で表記された住所や氏名等の個人情報が、印字部を使用することで視認が困難にされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のスタンプによれば、1つの道具で開封と個人情報の保護という関連性の高い動作を行うことができ、利用者の利便性を向上させることができる。また、刃部の切断力を保つことができるので、開封機能が長期間に亘って継続的に使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態のスタンプの一例を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態のスタンプの一例を示す正面図である。
【図3】第1の実施の形態のスタンプの一例を示す側面図である。
【図4】第1の実施の形態のスタンプの一例を示す上面図である。
【図5】第1の実施の形態のスタンプの一例を示す正面断面図である。
【図6】第1の実施の形態のスタンプの一例を示す側断面図である。
【図7】処理対象物の一例を示す封筒の斜視図である。
【図8】カッターホルダの一例を示す分解斜視図である。
【図9】第1の実施の形態のスタンプの変形例を示す斜視図である。
【図10】第1の実施の形態のスタンプの変形例を示す斜視図である。
【図11】第1の実施の形態のスタンプの変形例を示す斜視図である。
【図12】第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。
【図13】第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。
【図14】第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。
【図15】第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。
【図16】変形例のスタンプの使用例を示す動作説明図である。
【図17】第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。
【図18】第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。
【図19】第2の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。
【図20】第2の実施の形態のスタンプの変形例を示す斜視図である。
【図21】第3の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。
【図22】第3の実施の形態のスタンプの変形例を示す構成図である。
【図23】第3の実施の形態のスタンプの変形例を示す構成図である。
【図24】第4の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。
【図25】第4の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。
【図26】第4の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。
【図27】第5の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。
【図28】第6の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。
【図29】第7の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。
【図30】開封部の変形例を示す構成図である。
【図31】開封部の他の変形例を示す構成図である。
【図32】紙粉回収部の変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明のスタンプの実施の形態について説明する。
【0014】
<第1の実施の形態のスタンプの構成例>
図1は、第1の実施の形態のスタンプの一例を示す斜視図、図2は、第1の実施の形態のスタンプの一例を示す正面図、図3は、第1の実施の形態のスタンプの一例を示す側面図、図4は、第1の実施の形態のスタンプの一例を示す上面図である。また、図5は、第1の実施の形態のスタンプの一例を示す正面断面図、図6は、第1の実施の形態のスタンプの一例を示す側断面図である。更に、図7は、処理対象物の一例を示す封筒の斜視図である。
【0015】
本実施の形態のスタンプ1Aは、処理対象物である封筒100に印字、あるいはラベルの貼り付け等で表記された住所や氏名等の個人情報101を保護する機能と、封筒100の封緘部102を開封する機能を併せ持つ。
【0016】
第1の実施の形態のスタンプ1Aは、印字部2Aを有した本体部3Aと、本体部3Aに着脱される蓋部4Aを備え、本体部3Aの上部に開封部5Aを備える。印字部2Aは、印面を構成する転写ローラ20を有した転写ユニット21と、転写ローラ20にインクを供給する供給ローラ22を有した供給ユニット23を備える。
【0017】
転写ローラ20は、円周面に表記の視認を阻害するパターンが設けられる。転写ユニット21は、転写ローラ20の円周面の一部を露出させて、転写ローラ20を回転可能に支持する転写ローラガイド21aを備える。転写ローラガイド21aは、転写ローラ20の露出面に対して反対側に突出し、本体部3Aに係止される2本の爪部21bと、爪部21bを弾性変形させる着脱操作部21cを備える。
【0018】
供給ローラ22はインクが含浸され、含浸されたインクが円周面から滲み出す。供給ユニット23は、供給ローラ22の円周面の一部を露出させて、供給ローラ22を回転可能に支持する供給ローラガイド23aを備える。
【0019】
本体部3Aは、例えば樹脂材料等で中空構造に構成され、印字部2Aと開封部5Aが所定の配置で取り付けられる空間が内部に形成される、本体部3Aは、一方の端部、本例では下端部に、転写ユニット21が取り付けられる転写ユニット取付部30を備える。また。転写ユニット取付部30の上側に、供給ユニット23が取り付けられる供給ユニット取付部31を備える。更に、本体部3Aは、他方の端部、本例では上端部に、開封部5Aが取り付けられる開封部取付部32を備える。
【0020】
転写ユニット取付部30は、本体部3Aの下端部に、転写ユニット21の形状に合わせた開口を設けて構成され、転写ユニット21の爪部21bが着脱可能に嵌る係止凹部30aが、本体部3Aの対向する側面の内側に形成される。供給ユニット取付部31は、供給ユニット23の取付位置を規制する図示しないガイド部材が形成される。
【0021】
印字部2Aは、供給ユニット23が本体部3Aに挿入されて供給ユニット取付部31に取り付けられ、転写ユニット21が本体部3Aに挿入されて転写ユニット取付部30に取り付けられる。
【0022】
転写ユニット21は、本体部3Aに挿入されると、爪部21bが転写ユニット取付部30の係止凹部30aに嵌り、転写ローラ20が本体部3Aの下端部に露出し、着脱操作部21cが本体部3Aの両側面に露出する形態で、転写ユニット取付部30に取り付けられる。
【0023】
転写ユニット21が転写ユニット取付部30に取り付けられると、供給ユニット取付部31に取り付けられた供給ユニット23が転写ユニット21で保持され、転写ユニット21の上側に供給ユニット23が取り付けられる。
【0024】
印字部2Aは、転写ユニット21と供給ユニット23が本体部3Aに取り付けられると、転写ローラ20と供給ローラ22が接触し、転写ローラ20の回転に従動して供給ローラ22が回転して、供給ローラ22から転写ローラ20にインクが供給可能な状態になる。
【0025】
本体部3Aに取り付けられた状態の転写ユニット21は、着脱操作部21cが押されることで、爪部21bが内側に倒れる方向に弾性変形して、爪部21bが係止凹部30aから外れ、本体部3Aからの取り外しが可能となる。転写ユニット21が本体部3Aから取り外されると、供給ユニット23の本体部3Aからの取り外しが可能となり、供給ユニット23の交換が可能である。
【0026】
蓋部4Aは、本体部3Aの下端部を覆う形状で、本体部3Aに着脱可能に設けられる。蓋部4Aが本体部3Aの下端部に取り付けられると、本体部3Aの下端部に露出する転写ローラ20が蓋部4Aで覆われて、転写ローラ20が保護される。ここで、スタンプ1Aを立設した状態で載置できるようにするため、蓋部4Aの底面を平面等で構成して、載置面40を備える構成としても良い。
【0027】
開封部5Aは、刃部を構成するカッター50と、カッター50が取り付けられるカッターホルダ51を備える。カッターホルダ51は支持具の一例で、処理対象物である封筒100をガイドするガイド溝52を備える。
【0028】
ガイド溝52は、上側に向かって間隔が広がるV字型あるいはU字型の断面形状を持ち、底面に、封筒100の封緘部102の厚みに合わせた狭い幅の間隔で対向するガイド部52aが形成される。ガイド溝52は、ガイド部52aの内面、本例では底部にカッター50が設けられる。
【0029】
本実施の形態のスタンプ1Aでは、封筒100の封緘部102を開封する際に、フラップ103の折り曲げ部103aを切断することで、切断された紙片が封筒100から分離せず、封緘に伴う短冊状のゴミが発生しないように構成する。
【0030】
そこで、カッター50は、ガイド部52aの底部の幅方向の略中心位置から突出し、ガイド部52aによる処理対象物のガイド方向の手前側に刃が向けられ、刃の上端がガイド方向の手前側に向けて鋭角に突出する形態で、カッターホルダ51に取り付けられる。
【0031】
ガイド溝52は、カッター50に対してガイド方向の手前側のガイド部52aの幅より、ガイド方向の奥側のガイド部52aの幅が広く構成される。これにより、ガイド溝52でガイドされる封筒100は、カッター50の手前では、フラップ103の折り曲げ部103aがカッター50に位置を合わせられてガイドされる。
【0032】
また、カッター50で開封された封筒100は、若干厚みが広がるが、カッター50より奥側のガイド部52aの幅が広げられているので、封筒100に大きな抵抗が係ることなく、開封を行うことができる。
【0033】
開封部5Aは、封筒100の封緘部102をカッター50で切断することで発生する紙粉を回収する紙粉回収部53を備える。紙粉回収部53は、カッター50が設けられる位置のガイド溝52の底部を開口して、カッター50の直下に、紙粉が入る空間を設けて構成される。
【0034】
本体部3Aは、幅方向に沿って延在する溝部32aが上端部に形成され、溝部32aの内側に、カッターホルダ51の形状に合わせた空間を設けて開封部取付部32が形成される。開封部取付部32は、カッターホルダ51が係止される係止凹部32bが、本体部3Aの対向する側面の内側に形成される。
【0035】
カッターホルダ51は、開封部取付部32の係止凹部32bに嵌る爪部51aが、ガイド溝52の延在方向に沿った両端に設けられる。また、本体部3Aの供給ユニット取付部31に取り付けられた供給ユニット23と、転写ユニット取付部30に取り付けられた転写ユニット21の爪部21bの間に突出する保護ガイド51bが、爪部51aの内側に設けられる。
【0036】
開封部5Aは、本体部3Aに挿入されると、爪部51aが開封部取付部32の係止凹部32bに嵌り、ガイド溝52が本体部3Aの溝部32aに露出し、ガイド溝52が本体部3Aの短手方向に沿った幅方向に延在する形態で、開封部取付部32に取り付けられる。
【0037】
本体部3Aには、開封部取付部32に開封部5Aが取り付けられると共に、開封部5Aの下側で、供給ユニット取付部31に供給ユニット23が取り付けられ、転写ユニット取付部30に転写ユニット21が取り付けられる。
【0038】
これにより、開封部5Aのガイド溝52及び紙粉回収部53と、供給ユニット23及び転写ユニット21がカッターホルダ51で仕切られ、開封部5Aでの開封動作で発生した紙粉等が、印字部2A側に入らないように構成される。
【0039】
また、本体部3Aに供給ユニット23と転写ユニット21が取り付けられると、供給ユニット23と、転写ユニット21の爪部21bの間に、カッターホルダ51に設けた保護ガイド51bが突出する。これにより、転写ユニット21の着脱で着脱操作部21cが押されたときに、爪部21bが内側に倒れる量が規制され、爪部21bの変形を防ぐように構成される。なお、カッターホルダ51で供給ユニット23、供給ユニット23と転写ユニット21を支持する構成としても良い。
【0040】
図8は、カッターホルダの一例を示す分解斜視図である。カッターホルダ51は、2つの部品である第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rを一体にして構成される。
【0041】
第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rは、対向する面に、それぞれガイド溝52のガイド部52aが形成される凹部、及び紙粉回収部53が形成される凹部等が一体成形される。
【0042】
また、第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rのどちらか一方、本例では第1のカッターホルダ51Lに、カッター50が取り付けられるカッター取付部51cが形成される。カッター取付部51cは、カッター50の形状に合わせた凹部を、第2のカッターホルダ51Rと対向する面に設けて構成される。
【0043】
第1のカッターホルダ51Lのカッター取付部51cにカッター50を嵌め、第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rを合わせて例えば高周波溶着することで、ガイド溝52にカッター50が取り付けられ、内部に紙粉回収部53が形成されるカッターホルダ51が構成される。
【0044】
ここで、カッター取付部として第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rの両方に凹部を設けた構成すると、第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rを合わせたときに凹部の位置がずれ、カッター50の取付角度等にズレが生じる可能性がある。
【0045】
そこで、第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rのどちらか一方にカッター取付部を設けることで、第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rを合わせたときの位置ずれが発生しないように構成される。
【0046】
また、第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rを高周波溶着で一体にすることで、第1のカッターホルダ51Lと第2のカッターホルダ51Rの間に隙間が発生せず、紙粉回収部53で回収した紙粉が外部に落ちないように構成される。
【0047】
<第1の実施の形態のスタンプの使用動作例>
次に、各図を参照して、第1の実施の形態のスタンプ1Aの使用例について説明する。スタンプ1Aの非使用時には、本体部3Aに蓋部4Aを装着しておく。これにより、転写ローラ20が蓋部4Aで覆われて、転写ローラ20が保護される。また、本体部3Aに蓋部4Aを装着した状態では、蓋部4Aの載置面40で、スタンプ1Aを立設した状態で載置できる。
【0048】
スタンプ1Aの個人情報保護機能を使用する場合、蓋部4Aを本体部3Aから外し、封筒100に印字、或いはラベルの貼り付け等で表記された個人情報101に転写ローラ20を押し付けて、本体部3Aを移動させる。これにより、転写ローラ20が回転して、表記の視認を阻害するパターンが個人情報101上に転写され、個人情報101が視認不可能、あるいは極めて視認が困難な状態となり、個人情報が保護される。また、転写ローラ20の回転に従動して供給ローラ22が回転し、供給ローラ22から転写ローラ20にインクが供給される。
【0049】
スタンプ1Aの開封機能を使用する場合、カッター50の手前側のガイド溝52に封筒100の封緘部102を挿入し、ガイド溝52に沿って封筒100を移動させる。これにより、ガイド溝52でガイドされる封筒100は、フラップ103の折り曲げ部103aがカッター50に位置を合わせられてガイドされる。
【0050】
カッター50は、刃の上端がガイド方向の手前側に向けて鋭角に突出する形態で、ガイド溝52の底部に取り付けられているので、ガイド溝52に沿って封筒100を移動させると、フラップ103の折り曲げ部103aにカッター50が入り、フラップ103の折り曲げ部103aが切断される。これにより、封筒100から切断される紙片が発生せず、封緘に伴う短冊状のゴミが発生しない。
【0051】
一方、封緘に伴って発生する紙粉は、カッター50の下部に配置される紙粉回収部53に入る。これにより、カッター50への紙粉の付着が防止され、カッター50の所期の切断力が長期間に亘り保持される。また、紙粉がガイド溝52から外部に出ることが防止される。
【0052】
このように、第1の実施の形態のスタンプ1Aでは、処理対象物が封筒100であれば、1つの道具で開封と、開封後の封筒100の廃棄時等に個人情報の保護を行うことができる。
【0053】
<第1の実施の形態のスタンプの変形例>
図9〜図11は、第1の実施の形態のスタンプの変形例を示す斜視図である。ここで、図9〜図11では、スタンプの形状を模式的な略矩形で図示し、蓋部は省略している。第1の実施の形態のスタンプ1Aでは、本体部3Aの上面に開封部5Aを設けることとしたが、本体部3Aの側面、正面、あるいは背面の何れかに開封部5Aを設けることとしても良い。
【0054】
本体部3Aの上面に開封部5Aを設ける構成では、ガイド溝52が本体部3Aの幅方向に沿って延在する構成に代えて、図9に示すように、ガイド溝52が本体部3Aの厚さ方向に沿って延在する構成としても良い。
【0055】
本体部3Aの側面に開封部5Aを設ける構成では、図10(a)に示すように、ガイド溝52が本体部3Aの長手方向に沿って延在する構成としても良いし、図10(b)に示すように、ガイド溝52が本体部3Aの厚さ方向に沿って延在する構成としても良い。
【0056】
本体部3Aの側面に開封部5Aを設ける構成で、ガイド溝が本体部3Aの長手方向に沿って延在する構成とすれば、ガイド溝を本体部3Aの長手方向の寸法に応じて長くできるので、封筒100等の処理対象物をガイド溝に通したときに、高い安定性を得ることができる。また、処理対象物を安定した姿勢でガイド溝に当て付けることができる。
【0057】
本体部3Aの側面に開封部5Aを設ける構成で、ガイド溝が本体部3Aの厚さ方向に沿って延在する構成とすれば、ガイド溝を本体部3Aの厚さ方向の寸法に応じて短くできるので、本体部3Aにおいてガイド溝の開口が小さくなり、本体部3Aを把持する際の違和感を解消することができる。
【0058】
本体部3Aの正面または背面に開封部5Aを設ける構成では、図11(a)に示すように、ガイド溝52が本体部3Aの長手方向に沿って延在する構成としても良いし、図11(b)に示すように、ガイド溝52が本体部3Aの幅方向に沿って延在する構成としても良い。本体部3Aの正面または背面に開封部5Aを設ける構成では、本体部3Aを横倒しにして開封動作を行うことで、机上等で安定して処理対象物の開封を行うことができる。
【0059】
図12は、第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。上述したように、本体部3Aの上面、側面、正面または背面に、長手方向、幅方向または厚さ方向に設けた開封部5Aは、カッター50を有したガイド溝52の向きを各方向に完全に一致する必要はなく、図12に示すようにガイド溝52が斜めに配置される構成でも良い。
【0060】
開封部5Aは、ガイド溝52を傾けて配置することで、ガイド溝52を各方向に沿って配置した場合と比較して、ガイド溝52の延在長さを長くしてガイド距離を延ばすことができる。図12では、本体部3Aの正面または背面に、斜めにガイド溝52を設ける構成としたが、本体部3Aの上面または側面に、斜めにガイド溝52を設ける構成としても良い。
【0061】
図13〜図14は、第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。上述した例では、開封部5Aとして1本のガイド溝52が設けられる構成としたが、本体部3Aの上面、側面、正面、及び背面のうちの複数個所に開封部5Aを設けることとしても良い。
【0062】
図13(a)、図13(b)では、本体部3Aの上面と正面(または背面)の2箇所に開封部5Aを設けた例を示し、図13(a)では、本体部3Aの上面に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの厚さ方向に沿って延在し、本体部3Aの正面(または背面)に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの幅方向に沿って延在する構成である。
【0063】
図13(b)では、本体部3Aの上面に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの厚さ方向に沿って延在し、本体部3Aの正面(または背面)に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの長手方向に沿って延在し、本体部3Aの上面のガイド溝52と、本体部3Aの正面のガイド溝52が繋がる構成である。このように、本体部3Aの上面、側面、正面、及び背面のうちの複数個所に開封部5Aを設ける構成では、図13(b)に示すように、各面に設けたガイド溝52を繋げる等、意匠を考慮してガイド溝52を配置することもできる。
【0064】
図14(a)では、本体部3Aの側面と正面(または背面)の2箇所に開封部5Aを設けた例を示し、本体部3Aの側面に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの長手方向に沿って延在し、本体部3Aの正面(または背面)に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの長手方向に対して斜めに延在する構成である。このように、本体部3Aの上面、側面、正面、及び背面のうちの複数個所に開封部5Aを設ける構成でも、ガイド溝52を長手方向、幅方向、または厚さ方向に沿って配置するのみならず、各方向に対して斜めに配置しても良い。
【0065】
図14(b)では、本体部3Aの上面と側面と正面(または背面)の3箇所に開封部5Aを設けた例を示し、本体部3Aの正面(または背面)に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの長手方向に沿って延在する構成である。また、本体部3Aの上面に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの幅方向に沿って延在し、本体部3Aの側面に設けた開封部5Aは、ガイド溝52が本体部3Aの長手方向に沿って延在し、本体部3Aの上面のガイド溝52と、本体部3Aの側面のガイド溝52が繋がる構成である。
【0066】
上述したように、本体部3Aの上面、側面、正面、及び背面のうちの複数個所に開封部5Aを設ける構成では、スタンプ1Aを把持した際に、開封作業で作業を容易に行うためスタンプ1Aの向きを変える場合でも、所望のガイド溝52を選んで開封作業を行うことができ、スタンプ1Aを持ち替える回数を少なくして、作業を簡便に行うことができる。また、スタンプ1Aを机上に載置して開封作業を行う場合でも、スタンプ1Aが載置される向きによらず、所望のガイド溝52を選んで開封作業を行うことができるので、スタンプ1Aの向きを置き換える必要がなく、作業を簡便に行うことができる。
【0067】
図15は、第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図、図16は、変形例のスタンプの使用例を示す動作説明図である。上述した例では、開封部5Aとして1つの面に1本のガイド溝52が設けられる構成としたが、本体部3Aの上面、側面、正面、または背面に複数のガイド溝52を設けることとしても良い。
【0068】
図15に示す例では、本体部3Aの正面(または背面)に、幅方向に沿ったガイド溝52を3本設けた例を示し、本体部3Aを図示しない印字部を下側として長手方向に立設させて載置した場合に、本体部3Aの長手方向に対して下段、中段及び上段に相当する位置に、それぞれカッター50を有したガイド溝52を略平行に設けた構成である。
【0069】
本体部3Aに複数段のガイド溝52を設ける構成では、スタンプ1Aの使用形態、処理対象物の形態等に応じて所望のガイド溝52を選択することができる。例えば、本体部3Aの上段に開封部5Aを設ける構成では、スタンプ1Aで個人情報保護のための押印を行う動作で、本体部3Aを把持する際にガイド溝52が掌で覆われるため、ガイド溝52が指先に掛からず違和感が無い。
【0070】
本体部3Aの中段に開封部5Aを設ける構成では、図16に示すように、書籍や書類束といった厚手の内容物が封緘された封筒100Aを開封する際に、スタンプ1Aの本体部3Aを机上等の作業面150に載置した状態で、ガイド溝52の高さHが封筒100Aの封緘部102Aに近くなり、作業性が向上する。
【0071】
本体部3Aの下段に開封部5Aを設ける構成では、スタンプ1Aの本体部3Aを机上等に載置した状態で、作業机やテーブル等の作業面の近くにガイド溝52が配置されるため、作業面に手を付きながら開封作業ができ、安定した開封動作を行うことが可能になる。ここで、図15では、本体部3Aの正面(または背面)に、幅方向に沿ったガイド溝52を3本設けた例を示したが、2本あるいは3本以上のガイド溝52を設ける構成でも良い。また、本体部3Aの側面に、厚さ方向に沿ったガイド溝52を複数本設ける構成でも良い。
【0072】
上述した第1の実施の形態及び変形例では、開封部5Aをカッター50を内面の所定の位置に有するガイド溝52として構成することで、本体部3Aの表面から開封部5Aが露出せず、スタンプ1Aとしての外観を損ねることなく、開封部5Aを配置することができ、スタンプ1Aのデザインの一部としてガイド溝52を形成することもできる。また、開封に用いられるカッター50が本体部3Aの表面から露出することもない。
【0073】
図17は、第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。図17に示す変形例のスタンプ1Aは、開封部5Aを出没可能とした構成で、例えば、図17(a)に示すように、本体部3Aの正面(または背面)に開封部5Aが設けられる。開封部5Aは、カッター50を有したガイド溝52が、本体部3Aの幅方向に沿って設けられる。
【0074】
スタンプ1Aは、本体部3Aの開封部5Aが設けられた面、本例では正面に、カバー10が設けられる。カバー10は、図17(a)に示すように、開封部5Aが露出する位置と、図17(b)に示すように、開封部5Aを隠蔽する位置との間を、直線動作でスライド移動可能に設けられる。
【0075】
図17に示す変形例のスタンプ1Aでは、開封機能の不使用時、例えば、個人情報を保護するための押印を行う動作でスタンプ1Aを使用する場合は、図17(b)に示すように、カバー10を閉じることで、開封部5Aを隠蔽することができ、外観性を向上させることができると共に、把持した際の違和感を無くすことができる。開封機能を使用する場合は、図17(a)に示すように、カバー10を開けることで、開封部5Aを露出されば良い。
【0076】
図18は、第1の実施の形態のスタンプの他の変形例を示す斜視図である。上述した各実施の形態のスタンプ1Aでは、本体部3Aの形状を略直方体形状としたが、本体部3Aの形状はこれに限らず、立方体形状や曲面を持つ形状、あるいは、図18に示すように、球形状でも良い。図18に示す例では、本体部3Aを球状に形成すると共に、カッター50を有したガイド溝52が円周面に沿って形成された開封部5Aを備え、蓋部4Aを閉めると、スタンプ1Aの全体形状は略
球状となる。
【0077】
<第2の実施の形態のスタンプの構成例>
図19は、第2の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。第2の実施の形態のスタンプ1Bは、印字部2Bを有した本体部3Bと、本体部3Bに着脱される蓋部4Bを備え、蓋部4Bに開封部5Bを備える。蓋部4Bは、本体部3Bの下端部を覆う形状で、本体部3Bに着脱可能に設けられる。蓋部4Bが本体部3Bの下端部に取り付けられると、本体部3Bの下端部に露出する印字部の2Bの図示しない転写ローラが蓋部4Bで覆われる。
【0078】
開封部5Bは、図19(a)に示すように、蓋部4Bの側面に、ガイド溝52が蓋部4Bの厚さ方向に沿って延在する構成としても良い。また、図19(b)に示すように、蓋部4Bの正面に、ガイド溝52が蓋部4Bの幅方向に沿って延在する構成としても良い。更に、図19(c)に示すように、蓋部4Bの底面に、ガイド溝52が蓋部4Bの幅方向に沿って延在する構成としても良いし、図示しないが、蓋部4Bの底面に、ガイド溝52が蓋部4Bの厚さ方向に沿って延在する構成としても良い。
【0079】
カッター50は、ガイド溝52の底部から突出する構成としても良いし、ガイド溝52の側面から突出する構成としても良い。
【0080】
蓋部4Bに開封部5Bを備える構成では、蓋部4Bを本体部3Bから取り外した状態で、蓋部4Bを単体で使用して封筒100等の開封動作を行うことができる。
【0081】
図20は、第2の実施の形態のスタンプの変形例を示す斜視図である。第2の実施の形態のスタンプ1Bでは、本体部3Bに着脱可能な蓋部4Bの外側に開封部5Bを設けることとしたが、図20に示すように、蓋部4Bの内側に開封部5Bを設けることとしても良い。
【0082】
蓋部4Bの内側に設けられた開封部5Bは、蓋部4Bが本体部3Bに取り付けられた状態では、蓋部4B内に隠蔽される。これにより、スタンプ1Bの未使用時には、外観性を向上させることができる。蓋部4Bを本体部3Bから取り外すと、開封部5Bが露出して、開封動作を行うことができる。
【0083】
<第3の実施の形態のスタンプの構成例>
図21は、第3の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。第3の実施の形態のスタンプ1Cは、印字部2Cを本体部3Cに対して出没可能とした構成で、本体部3Cに開封部5Cを備える。
【0084】
本体部3Cは、印字部2Cを出没させる操作部24を、本体部3Cの上面に露出させて備える。本体部3Cは、操作部24の動きを印字部2Cに伝達する構成を備える。本体部3Cは、例えば、操作部24が1回押されると、印字部2Cが作動して転写ローラ20が本体部3Cの下面から突出し、操作部24がもう1回押されると、印字部2Cが作動して転写ローラ20が本体部3Cの下面から内部に退避する構成を備える。
【0085】
開封部5Cは、本体部3Cの側面に、ガイド溝52が本体部3Cの長手方向に沿って延在する構成で設けられる。カッター50は、ガイド溝52の底部から突出する構成としても良いし、ガイド溝52の側面から突出する構成としても良い。
【0086】
本体部3Cの側面に開封部5Cを設ける構成で、ガイド溝52が本体部3Cの長手方向に沿って延在する構成とすれば、ガイド溝52を本体部3Cの寸法に応じて長くできるので、封筒100等の処理対象物をガイド溝に通したときに、高い安定性を得ることができる。また、処理対象物を安定した姿勢でガイド溝52に当て付けることができる。
【0087】
<第3の実施の形態のスタンプの変形例>
図22及び図23は、第3の実施の形態のスタンプの変形例を示す構成図である。図22に示す変形例のスタンプ1Cでは、開封部5Cは、本体部3Cの側面に、ガイド溝52が本体部3Cの厚さ方向に沿って延在する構成で設けられる。カッター50は、ガイド溝52の底部から突出する構成としても良いし、ガイド溝52の側面から突出する構成としても良い。
【0088】
本体部3Cの側面に開封部5Cを設ける構成で、ガイド溝52が本体部3Cの厚さ方向に沿って延在する構成とすれば、ガイド溝52を本体部3Cの寸法に応じて短くできるので、本体部3Cにおいてガイド溝52の開口が小さくなり、本体部3Cを把持する際の違和感を解消することができる。
【0089】
図23に示す変形例のスタンプ1Cでは、開封部5Cは、本体部3Cの正面または背面に、ガイド溝52が本体部3Cの幅方向あるいは長手方向に沿って延在する構成で設けられる。カッター50は、ガイド溝52の底部から突出する構成としても良いし、ガイド溝52の側面から突出する構成としても良い。
【0090】
本体部3Cの正面または背面にガイド溝52を設ける構成では、本体部3Cを横倒しにして開封動作を行うことで、机上等で安定して処理対象物の開封を行うことができる。
【0091】
なお、第3の実施の形態のスタンプ1Cでは、操作部24が設けられる部位以外で本体部3Cの上面に開封部5Cを設ける構成としても良い。また、本体部3Cの側面、正面または背面、あるいは上面に、長手方向、幅方向または厚さ方向に設けた開封部5Cは、カッター50を有したガイド溝52の向きを各方向に完全に一致する必要はなく、ガイド溝52が斜めに配置される構成でも良い。
【0092】
また、本体部3Cの側面、正面または背面、あるいは上面のうちの複数個所に開封部5Cを設けることとしても良く、一の面に複数の開封部5Cを設けることとしても良い。更に、本体部3Cの形状は、直方体形状以外にも、立方体形状や曲面を持つ形状、あるいは、球形状でも良い。
【0093】
<第4の実施の形態のスタンプの構成例>
図24〜図26は、第4の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。第4の実施の形態のスタンプ1Dは、印字部2Dと開封部5Dを本体部3Dに対して出没可能とした構成である。
【0094】
本体部3Dは、印字部2Dを出没させる第1の操作部25aを、本体部3Dの上面に露出させて備える。また、開封部5Dを出没させる第2の操作部25bを、第1の操作部25aに隣接させて本体部3Dの上面に露出させて備える。本体部3Dは、第1の操作部25aの動きを印字部2Dに伝達する構成と、第2の操作部25bの動きを開封部5Dに伝達する構成を備える。
【0095】
本体部3Dは、第1の操作部25aが押されると、図25に示すように、印字部2Dが作動して転写ローラ20が本体部3Dの下面から突出する。第2の操作部25bが押されると、印字部2Dが作動して転写ローラ20が本体部3Dの下面から内部に退避すると共に、開封部5Dが作動してガイド溝52が本体部3Dの下面から突出する構成を備える。
【0096】
開封部5Dは、ガイド溝52が本体部3Dの幅方向に沿って延在する構成で設けられる。カッター50は、ガイド溝52の底部から突出する構成としても良いし、ガイド溝52の側面から突出する構成としても良い。
【0097】
開封部5Dを操作部によって本体部3Dから出没可能とした構成では、封緘動作を行わない開封部5Dの不使用時には、開封部5Dを本体部3D内に収容でき、スタンプとしての外観性を向上させることができる。また、本体部3Dを持ち替えることなく、押印動作と開封動作を行うことができる。
【0098】
<第5の実施の形態のスタンプの構成例>
図27は、第5の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。第5の実施の形態のスタンプ1Eは、印字部2Eを本体部3Eに対して出没可能とした構成で、印字部2Eを出没させる操作部26に開封部5Eを備える。
【0099】
本体部3Eは、印字部2Eを出没させる操作部26が、本体部3Eの側面に突出させて設けられる。本体部3Eは、操作部26の動きを印字部2Eに伝達する構成を備える。本体部3Eは、例えば、操作部26が1回押されると、印字部2Eが作動して転写面27が本体部3Eの下面から突出し、操作部26がもう1回押されると、印字部2Eが作動して転写面27が本体部3Eの下面から内部に退避する構成を備える。
【0100】
開封部5Eは、操作部26と本体部3Eの間の隙間をガイド溝54として、操作部26にカッター50が設けられる。操作部26は、本体部3Eの長手方向に沿って移動可能な構成で、本体部3Eの長手方向に沿って延在する略長方形状である。カッター50は、操作部26の裏面で、操作部26の移動方向に沿ったどちらか一方の側に設けられる。
【0101】
開封部5Eを操作部26に備える構成では、本体部3E等にガイド溝を設ける必要がなく、既存のスタンプの外観を損なわずに、開封部を備えることができる。また、切断箇所が目視しやすく、開封動作が容易かつ確実に行える。
【0102】
<第6の実施の形態のスタンプの構成例>
図28は、第6の実施の形態のスタンプの一例を示す構成図である。第6の実施の形態のスタンプ1Fは、印字部2Fを有した本体部3Fと、本体部3Fに着脱される蓋部4Fと、本体部3Fに着脱可能に設けられる開封部5Fを備える。蓋部4Fは、本体部3Fの下端部を覆う形状で、本体部3Fに着脱可能に設けられる。蓋部4Fが本体部3Fの下端部に取り付けられると、本体部3Fの下端部に露出する印字部の2Fの図示しない転写ローラが蓋部4Fで覆われる。
【0103】
開封部5Fは、本体部3Fの上端部に着脱可能に設けられる。開封部5Fは、 カッター50を有したガイド溝52が上面に設けられる。ガイド溝52は、図28に示すように、開封部5Fの上面に、幅方向に沿って延在する構成としても良いし、図示しないが、厚さ方向に延在する構成としても良い。
【0104】
また、ガイド溝52は、開封部5Fの側面、正面または背面に設けても良い。例えば、ガイド溝52は、開封部5Fの側面に、厚さ方向に沿って延在する構成としても良いし、高さ方向に延在する構成としても良い。また、ガイド溝52は、開封部5Fの正面または背面に、幅方向に沿って延在する構成としても良いし、高さ方向に延在する構成としても良い。
【0105】
なお、ガイド溝52は、開封部5Fの上面、側面、正面、及び背面のうちの複数個所に設けても良い。また、複数のガイド溝52を、開封部5Fの上面、側面、正面、または背面に設けても良い。更に、開封部5Fの上面、側面、正面または背面に設けたガイド溝52は、各面の幅方向、厚さ方向または高さ方向に向きを完全に一致させる必要はなく、斜めに配置されても良い。
【0106】
開封部5Fを本体部3Fに対して着脱可能に備える構成では、開封部5Fを本体部3Fに取り付けた状態で封筒100等の開封動作を行うことができると共に、開封部5Fを本体部3Fから取り外した状態で、開封部5Fを単体で使用して封筒100等の開封動作を行うことができ、使用形態が選択可能となる。
【0107】
<第7の実施の形態のスタンプの構成例>
図29は、第7の実施の形態のスタンプの一例を示す斜視図である。第7の実施の形態のスタンプ1Gは、印字部2Gを有した本体部3Gと、本体部3Gに着脱される蓋部4Gを備え、本体部3Gの上部に開封部5Gを備える。
【0108】
開封部5Gは、カッター55が本体部3Gから突出する位置と本体部3Gに収容される位置との間で移動可能に設けられ、本体部3Gに対して出没可能に構成される。カッター55は、本例では本体部3Gの長手方向に沿った直線動作で、本体部3Gから突出する位置と本体部3Gに収容される位置との間でスライド移動可能に設けられ、操作部55aの操作で本体部3Gに対して出没可能に構成される。
【0109】
スタンプ1Gの非使用時には、本体部3Gに蓋部4Gを装着しておく。スタンプ1Gの開封機能を使用する場合、操作部55aの操作でカッター55を本体部3Gから突出した状態とする。これにより、スタンプ1Gは開封部5Gの使用が可能となり、カッター55で封筒等の開封が行われる。スタンプ1Gは、カッター55が本体部3Gから突出する形態であるので、小包やダンボール箱等の他の処理対象物の開封も可能である他、紐状の梱包材の切断も可能である。
【0110】
スタンプ1Gの個人情報保護機能を使用する場合、操作部55aの操作でカッター55を本体部3Gに収容した状態とする。そして、蓋部4Gを本体部3Gから外し、封筒、小包、ダンボール箱等の処理対象物に印字、或いはラベルの貼り付け等で表記された個人情報に転写ローラ20を押し付けて、本体部3Gを移動させる。これにより、表記の視認を阻害するパターンが個人情報上に転写され、個人情報が保護される。
【0111】
本体部3Gに対して出没可能なカッター55を有した開封部5Gを備えたスタンプ1Gでは、封筒類のみならず、小包等の箱状の処理対象物を開封でき、また、処理対象物を梱包する紐状の梱包材を切断できると共に、処理対象物に表記された個人情報の視認を困難にできるので、個人情報が表記された処理対象物の開封と個人情報の保護を1つの道具で行うことができる。また、通常のカッターナイフとしても使用可能である。
【0112】
なお、スタンプ1Gでは、開封部5Gは、カッター55が直線動作で本体部3Gに対して出没可能な構成としたが、カッター55が本体部3Gに対して回転動作で出没可能な構成としても良い。また、開封部5Gは、カッター55を蓋部4Gに備える構成としても良く、蓋部4Gに備えたカッター55を、蓋部4Gに対して出没可能な構成としても良い。
【0113】
<開封部の変形例>
図30は、開封部の変形例を示す構成図である。図30(a),(b)では、開封部5Hは、断面形状が例えばV字状のガイド溝54Hを備え、ガイド溝54Hの底部にカッター50Hが設けられる。カッター50Hは、刃の上端がガイド方向の手前側に向けて鋭角に突出する形態で、ガイド溝54Hの底部から突出する。
【0114】
図30(c),(d)では、開封部5Iは、断面形状が例えば四角状のガイド溝54Iを備え、ガイド溝54Iの側面にカッター50Iが設けられる。カッター50Iは、刃の一端がガイド方向の手前側に向けて突出する形態で、ガイド溝54Iの両側面に支持される。
【0115】
図30(e),(f)では、開封部5Jは、断面形状が例えば四角状のガイド溝54Jを備え、ガイド溝54Jの側面にカッター50Jが設けられる。カッター50Jは、台形の上辺に刃が設けられ、ガイド溝54Jの側面から突出する。図30(g),(h)では、開封部5Kは、円板状の回転可能なカッター50Kと、カッター50Kを回転可能に支持する支持部56Kを備える。
【0116】
図31は、開封部の他の変形例を示す構成図である。開封部5Lは、円板状の回転可能なカッター50Lと、カッター50Lを回転可能に支持する支持部56Lと、カッター50Lを所定量ずつ回転させて繰り出す繰り出し部57Lを備える。
【0117】
繰り出し部57Lは切断力保持手段の一例で、カッター50Lの円周方向に沿った複数個所に所定の間隔で設けた溝部57aと、支持部56Lに設けられ、カッター50Lの溝部57aに嵌る突起部57bを備える。
【0118】
開封部5Lは、カッター50Lの溝部57aに支持部56Lの突起部57bが嵌ることで、カッター50Lの円周方向に所定の力が加わらなければ、カッター50Lは回転しない。これにより、通常は、カッター50Lの円周方向において、同じ位置で開封動作が行われる。
【0119】
開封動作が繰り返し行われると、カッター50Lの切断力が低下する。そこで、カッター50Lの円周方向に所定の力が加わると、カッター50Lの溝部57aが支持部56Lの突起部57bから外れてカッター50Lが回転し、カッター50Lの次の溝部57aが支持部56Lの突起部57bに嵌る。これにより、カッター50Lは、溝部57aの間隔に応じた一定量ずつの回転動作で新しい刃部を繰り出すことができ、切断力が保持される。
【0120】
ここで、カッター50Lの切断力が低下して、カッター50Lと封筒類の間の摩擦力が増加することで、開封動作における開封部5Lと封筒類との相対移動でカッター50Lに力が掛かり、カッター50Lが回転するようにしても良い。
【0121】
<紙粉回収部の変形例>
図32は、紙粉回収部の変形例を示す構成図である。変形例の紙粉回収部53Aは、本体部3Aの外部と繋がる排出口58を備え、紙粉回収部53Aに入った紙粉等を、本体部3Aから外部に排出可能に構成される。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、個人情報を保護する印面のみならず、日付印等の他の印面を有したスタンプに適用される。
【符号の説明】
【0123】
1A〜1G・・・スタンプ、2A〜2G・・・印字部、20・・・・転写ローラ、21・・・転写ユニット、21a・・・転写ローラガイド、21b・・・爪部、21c・・・着脱操作部、22・・・供給ローラ、23・・・供給ユニット、23a・・・供給ローラガイド、24・・・操作部、25a・・・第1の操作部、25b・・・第2の操作部、26・・・操作部、3A〜3G・・・本体部、30・・・転写ユニット取付部、30a・・・係止凹部、31・・・供給ユニット取付部、4A・・・蓋部、40・・・載置面、5A〜5L・・・開封部、50・・・カッター、51・・・カッターホルダ、51L・・・第1のカッターホルダ、51R・・・第2のカッターホルダ、51a・・・爪部、51b・・・保護ガイド、51c・・・カッター取付部、52・・・ガイド溝、52a・・・ガイド部、53・・・紙粉回収部、54・・・ガイド溝、100・・・封筒、101・・・個人情報、102・・・封緘部、103・・・フラップ、103a・・・折り曲げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを転写する印面を有した印字部と、
封止された処理対象物を開封する刃部を有した開封部とを備え、
前記開封部は、前記刃部の切断力を保つ切断力保持手段を備えた
ことを特徴とするスタンプ。
【請求項2】
前記切断力保持手段は、処理対象物を前記刃部で切断することで発生する紙粉を回収する紙粉回収部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のスタンプ。
【請求項3】
前記開封部は、処理対象物をガイドするガイド溝の内面に前記刃部が設けられ、
前記紙粉回収部は、前記刃部が設けられる位置の前記ガイド溝を開口して、紙粉が入る空間を設けて構成される
ことを特徴とする請求項2記載のスタンプ。
【請求項4】
前記印字部が設けられた本体部を備え、
前記開封部は、前記本体部の表面から臨むように前記ガイド溝が設けられ、前記ガイド溝の内面に前記刃部と前記紙粉回収部が設けられる
ことを特徴とする請求項3記載のスタンプ。
【請求項5】
前記印字部が設けられた本体部と、前記印字部を隠蔽可能に設けられて該印字部を保護する蓋部を備え、
前記開封部は、前記蓋部の表面から臨むように前記ガイド溝が設けられ、前記ガイド溝の内面に前記刃部と前記紙粉回収部が設けられる
ことを特徴とする請求項3記載のスタンプ。
【請求項6】
前記開封部は、複数の支持具の組み合わせで前記紙粉回収部及び前記ガイド溝が構成され、前記紙粉回収部及び前記ガイド溝と前記印字部が分けられる
ことを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか1項に記載のスタンプ。
【請求項7】
前記開封部は、前記紙粉回収部と外部がつなげられ、前記紙粉回収部に入った紙粉を外部に排出する排出口を備えた
ことを特徴とする請求項2〜請求項6の何れか1項に記載のスタンプ。
【請求項8】
前記切断力保持手段は、前記刃部を繰り出す繰り出し部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載のスタンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−166394(P2012−166394A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27676(P2011−27676)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)