説明

スターリングエンジンの制御装置

【課題】スターリングエンジンへの熱源変動や実用負荷変動が生じても、効率のよい状態で運転することができるスターリングエンジンの制御装置を提供すること。
【解決手段】本発明のスターリングエンジンの制御装置は、スターリングエンジンの出力を検出する出力検出手段29と、出力検出手段29で検出した出力を設定値と比較して出力状態を判定する出力判定手段30と、出力判定手段30の結果に基づいてスターリングエンジン10の負荷を変動させる負荷制御手段31と、負荷制御手段31からの信号によって負荷の切り換えを行う負荷切換手段とを備え、負荷切換手段では、スターリングエンジン10の出力が設定値より大きくなると負荷を大きくし、スターリングエンジン10の出力が設定値より小さくなると負荷を小さくすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃熱やバイオマスなどの熱源を利用したスターリングエンジンの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃熱やバイオマスなどの熱源を有効に活用することは、環境問題及びエネルギー問題の解決に繋がる。スターリングエンジンは熱源を選ばず、温度差があれば運転できるという特徴を持つことから、それら熱源の有効活用に適している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、廃熱やバイオマスなどの熱源は、必ずしも利用温度が一定とは限らず、利用温度が変動するとスターリングエンジンの出力に影響する。
スターリングエンジンの出力変動幅が大きくなると、スターリングエンジンの最適な効率での運転を実現できなくなる。
一方、利用側の負荷変動によってもスターリングエンジンの出力負荷が変動する。
出力負荷が大きすぎると、スターリングエンジンが低効率な運転状態に陥ったり、停止してしまうこともある。
逆に出力負荷が小さすぎても、スターリングエンジンの回転数が急上昇して低効率な運転状態に陥ったり、暴走することもあり得る。
【0004】
そこで本発明は、スターリングエンジンへの熱源変動や実用負荷変動が生じても、効率のよい状態で運転することができるスターリングエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のスターリングエンジンの制御装置は、スターリングエンジンに連結された発電機と、前記発電機から出力される交流電流から電圧の異なる直流電流に変換する交流−直流変換手段とを備え、前記交流−直流変換手段で変換された直流電流を電力として用いるスターリングエンジンの制御装置であって、前記スターリングエンジンの出力を検出する出力検出手段と、前記出力検出手段で検出した前記出力を設定値と比較して出力状態を判定する出力判定手段と、前記出力判定手段の結果に基づいて前記スターリングエンジンの負荷を変動させる負荷制御手段と、前記負荷制御手段からの信号によって負荷の切り換えを行う負荷切換手段とを備え、前記負荷切換手段では、前記スターリングエンジンの出力が前記設定値より大きくなると前記負荷を大きくし、前記スターリングエンジンの出力が前記設定値より小さくなると前記負荷を小さくすることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置において、前記負荷切換手段として、複数の抵抗とそれぞれの前記抵抗の切り換えを行うスイッチとから構成された出力負荷切換手段を用い、前記出力負荷切換手段を、前記発電機と前記交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ライン又は前記交流−直流変換手段の出力側に接続される直流電流ラインに接続することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置において、複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの前記蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、前記充電状態判定手段の判定結果に基づいて前記蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段と、前記蓄電制御手段からの信号によって前記蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段とを有することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置において、複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの前記蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、前記充電状態判定手段の判定結果と前記負荷制御手段からの信号に基づいて前記蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段とを有し、前記負荷切換手段として、前記蓄電制御手段からの信号によって前記蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段を用いることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置において、複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの前記蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、前記充電状態判定手段の判定結果と前記負荷制御手段からの信号に基づいて前記蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段とを有し、前記負荷切換手段として、前記蓄電制御手段からの信号によって前記蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段と、前記発電機と前記交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ラインに接続される出力負荷切換手段とを用いることを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置において、前記出力検出手段が前記スターリングエンジンの回転数又は電圧を検出することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置において、キャパシタ又はコンデンサなどの充放電手段を、前記発電機と前記交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ライン又は前記交流−直流変換手段の出力側に接続される直流電流ラインに接続することを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置において、前記スターリングエンジンの熱源として、船舶用ディーゼルエンジンの排ガスを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、スターリングエンジンの出力に応じて負荷を変動させることで、スターリングエンジンの回転数を所定の範囲に制御することができるため、スターリングエンジンへの熱源変動や実用負荷変動が生じても、スターリングエンジンを効率のよい状態で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施例によるスターリングエンジンの制御装置の構成を機能実現手段で示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の第1の実施の形態によるスターリングエンジンの制御装置は、スターリングエンジンの出力を検出する出力検出手段と、出力検出手段で検出した出力を設定値と比較して出力状態を判定する出力判定手段と、出力判定手段の結果に基づいてスターリングエンジンの負荷を変動させる負荷制御手段と、負荷制御手段からの信号によって負荷の切り換えを行う負荷切換手段とを備え、負荷切換手段では、スターリングエンジンの出力が設定値より大きくなると負荷を大きくし、スターリングエンジンの出力が設定値より小さくなると負荷を小さくするものである。本実施の形態によれば、スターリングエンジンの出力に応じて負荷を変動させることで、スターリングエンジンの回転数を所定の範囲に制御することができるため、スターリングエンジンへの熱源変動や実用負荷変動が生じても、スターリングエンジンを効率のよい状態で運転することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるスターリングエンジンの制御装置において、負荷切換手段として、複数の抵抗とそれぞれの抵抗の切り換えを行うスイッチとから構成された出力負荷切換手段を用い、出力負荷切換手段を、発電機と交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ライン又は交流−直流変換手段の出力側に接続される直流電流ラインに接続するものである。本実施の形態によれば、スターリングエンジンの出力変化に対して迅速に対応できるとともに、抵抗の負荷が電圧変動に応じて変動するため、スターリングエンジンの出力変化をリニアにコントロールすることができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態によるスターリングエンジンの制御装置において、複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、充電状態判定手段の判定結果に基づいて蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段と、蓄電制御手段からの信号によって蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段とを有するものである。本実施の形態によれば、蓄電負荷切換手段によって実用負荷に変動が生じても、負荷切換手段によってスターリングエンジンの出力に応じて負荷を変動させるため、スターリングエンジンを効率のよい状態で運転することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態によるスターリングエンジンの制御装置において、複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、充電状態判定手段の判定結果と負荷制御手段からの信号に基づいて蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段とを有し、負荷切換手段として、蓄電制御手段からの信号によって蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段を用いるものである。本実施の形態によれば、スターリングエンジンの出力に応じて蓄電負荷を制御することができるため、効率的に蓄電を行うことができるとともに、スターリングエンジンを効率のよい状態で運転することができる。
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態によるスターリングエンジンの制御装置において、複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、充電状態判定手段の判定結果と負荷制御手段からの信号に基づいて蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段とを有し、負荷切換手段として、蓄電制御手段からの信号によって蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段と、発電機と交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ラインに接続される出力負荷切換手段とを用いるものである。本実施の形態によれば、スターリングエンジンの出力に応じて蓄電負荷を制御することができるため、効率的に蓄電を行うことができるとともに、スターリングエンジンを効率のよい状態で運転することができ、更には蓄電が不要な場合でも、スターリングエンジンの出力変化を適正な範囲内にコントロールすることができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1の実施の形態によるスターリングエンジンの制御装置において、出力検出手段がスターリングエンジンの回転数又は電圧を検出するものである。本実施の形態によれば、スターリングエンジンの回転数又は電圧を直接検出することで、確実に応答よく制御することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1の実施の形態によるスターリングエンジンの制御装置において、キャパシタ又はコンデンサなどの充放電手段を、発電機と交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ライン又は交流−直流変換手段の出力側に接続される直流電流ラインに接続するものである。本実施の形態によれば、例えば蓄電負荷切換手段での切り換え時のように実用負荷が急激に増加して一時的にスターリングエンジンからの給電が十分な場合でも、充放電手段から不足電力を供給することができる。
本発明の第8の実施の形態は、第1の実施の形態によるスターリングエンジンの制御装置において、スターリングエンジンの熱源として、船舶用ディーゼルエンジンの排ガスを用いるものである。本実施の形態によれば、船舶用ディーゼルエンジンの排ガスを船内電力として有効に利用することができる。
【実施例】
【0009】
以下本発明の一実施例によるスターリングエンジンの制御装置について説明する。
図1は本実施例によるスターリングエンジンの制御装置の構成を機能実現手段で示すブロック図である。
図1に示すように、スターリングエンジン10には発電機11が連結され、発電機11には交流電流ライン41によって交流−直流変換手段21が接続されている。
ここで、スターリングエンジン10は、シリンダ12内にディスプレーサピストン13とパワーピストン14とが配置されている。シリンダ12には、ヒータ15、再生器、及び冷却器16を備えている。ヒータ15はシリンダ12の一端側に配置し、冷却器16はシリンダ12の他端側に配置し、再生器はヒータ15と冷却器16との間に配置している。ヒータ15は、船舶用ディーゼルエンジンなどの排ガス管17内に配置している。発電機11は、スターリングエンジン10の出力軸に連結されている。
【0010】
交流−直流変換手段21には、インバータと保護装置とで構成されるパワーコンディショナーを用いることができる。
交流−直流変換手段21の出力側には、直流電流ライン42によって実用負荷手段22と蓄電負荷切換手段23が接続されている。実用負荷手段22は、例えば原動機やポンプ、テレビやエアコンなどの電気機器である。蓄電負荷切換手段23は、複数の切換スイッチを備え、蓄電手段24を構成する複数の独立した蓄電池への給電の切り換えを行う。
蓄電状態判定手段25は、蓄電手段24のそれぞれの蓄電池の充電状態を判定する。また、蓄電制御手段26は、蓄電状態判定手段25からの信号によって蓄電負荷切換手段23のスイッチングを制御する。蓄電状態判定手段25によって充電完了が検出された蓄電池は、蓄電制御手段26からの信号によってスイッチがオフされて給電が停止する。
交流電流ライン41には、出力負荷切換手段27と充放電手段28が接続されている。
ここで、出力負荷切換手段27は、複数の抵抗27Aとそれぞれの抵抗27Aの切り換えを行うスイッチ27Bとから構成されている。充放電手段28は、キャパシタやコンデンサなどの電気を充放電する手段であり、キャパシタが適している。
出力検出手段29はスターリングエンジン10の出力を検出し、出力判定手段30はスターリングエンジン10の出力負荷を判定し、負荷制御手段31は出力負荷切換手段27を制御する。出力検出手段29は、スターリングエンジン10の回転数又は電圧を検出することが好ましい。出力判定手段30は、あらかじめ記憶させた設定値と検出値とを比較し、検出値が設定値を越えるとスターリングエンジン10の出力が増大し、検出値が設定値を下回るとスターリングエンジン10の出力が減少したと判断する。検出値と設定値との差に応じて接続する抵抗を段階的に切り換える。
【0011】
以下に本実施例による制御方法について説明する。
例えば船舶用ディーゼルエンジンの排ガス温度は変動し、この排ガス温度の変動に応じてスターリングエンジン10の出力が変動する。
排ガス温度が上昇し、スターリングエンジン10の出力が増大すると、出力検出手段29での検出値が大きくなる。検出値が大きくなると出力判定手段30において設定値との差を判定し、差の大きさに応じて接続する抵抗数を判定する。この判定結果に基づいて負荷制御手段31では、接続する抵抗27Aを増加する信号を負荷制御手段31に出力し、出力負荷切換手段27では接続する抵抗27Aを多くするように切り換えが行われる。出力負荷切換手段27において、接続する抵抗27Aを多くすることで、出力負荷が増大してスターリングエンジン10の回転数を低下させることができる。
逆に、排ガス温度が低下し、スターリングエンジン10の出力が減少すると、出力検出手段29での検出値が小さくなる。検出値が小さくなると出力判定手段30において設定値との差を判定し、差の大きさに応じて切断する抵抗数を判定する。この判定結果に基づいて負荷制御手段31では、接続する抵抗27Aを減少する信号を負荷制御手段31に出力し、出力負荷切換手段27では接続する抵抗27Aを少なくするように切り換えが行われる。出力負荷切換手段27において、接続する抵抗27Aを少なくすることで、出力負荷が減少してスターリングエンジン10の回転数を増加させることができる。
上記のように、排ガス温度に変動を生じても、出力負荷切換手段27での抵抗負荷を切り換えることで、スターリングエンジン10の出力を所定範囲内に維持することができ、効率の高い運転を継続することができる。
【0012】
一方、実用負荷手段22の運転停止によって、また蓄電負荷切換手段23の切り換えによって交流−直流変換手段21の出力側の負荷が変動する。
交流−直流変換手段21の出力側の負荷が軽くなると、スターリングエンジン10の出力負荷が軽くなり、スターリングエンジン10の出力が増加する。
スターリングエンジン10の出力が増加すると、出力検出手段29での検出値が大きくなる。検出値が大きくなると出力判定手段30において設定値との差を判定し、差の大きさに応じて接続する抵抗数を判定する。この判定結果に基づいて負荷制御手段31では、接続する抵抗27Aを増加する信号を負荷制御手段31に出力し、出力負荷切換手段27では接続する抵抗27Aを多くするように切り換えが行われる。出力負荷切換手段27において、接続する抵抗27Aを多くすることで、出力負荷が増大してスターリングエンジン10の回転数を低下させることができる。
【0013】
逆に、交流−直流変換手段21の出力側の負荷が重くなると、スターリングエンジン10の出力負荷が増大し、スターリングエンジン10の出力が減少する。
スターリングエンジン10の出力が減少すると、出力検出手段29での検出値が小さくなる。検出値が小さくなると出力判定手段30において設定値との差を判定し、差の大きさに応じて切断する抵抗数を判定する。この判定結果に基づいて負荷制御手段31では、接続する抵抗27Aを減少する信号を負荷制御手段31に出力し、出力負荷切換手段27では接続する抵抗27Aを少なくするように切り換えが行われる。出力負荷切換手段27において、接続する抵抗27Aを少なくすることで、出力負荷が減少してスターリングエンジン10の回転数を増加させることができる。
上記のように、交流−直流変換手段21の出力側の負荷に変動を生じても、出力負荷切換手段27での抵抗負荷を切り換えることで、スターリングエンジン10の出力を所定範囲内に維持することができ、効率の高い運転を継続することができる。
なお、交流−直流変換手段21の出力側の負荷が急激に増大し、スターリングエンジン10の出力増加にタイムラグを生じる場合には、本実施例のように充放電手段28を設けることで、充放電手段28が放電し、必要とする電力供給量を維持することができる。
【0014】
本実施例においては、蓄電制御手段26は、蓄電状態判定手段25での判定結果だけで蓄電負荷切換手段23の切り換えを制御する場合を説明したが、負荷制御手段31からの信号によって蓄電制御手段26を制御して蓄電負荷切換手段23での蓄電池への給電を切り換えてもよい。
すなわち、蓄電状態判定手段25によって充電可能な蓄電池が蓄電手段24に存在する場合には、スターリングエンジン10の出力が増大すると、負荷制御手段31では、蓄電制御手段26に対して接続する蓄電池を増加させる指示信号を出し、蓄電負荷切換手段23によって接続する蓄電池を増加させる。逆に、スターリングエンジン10の出力が減少すると、負荷制御手段31では、蓄電制御手段26に対して接続する蓄電池を減少させる指示信号を出し、蓄電負荷切換手段23によって接続する蓄電池を減少させる。
【0015】
また、他の実施例として、負荷制御手段31における切換手段の対象として、蓄電制御手段26からの信号によって蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段23と、出力負荷切換手段27とを併用してもよい。
蓄電負荷切換手段23と出力負荷切換手段27とを併用する場合の第1の方法としては、出力判定手段30での検出値と設定値との差が所定範囲を超える場合には、蓄電負荷切換手段23を用い、出力判定手段30での検出値と設定値との差が所定範囲内の場合には、出力負荷切換手段27を用いるようにしてもよい。
また、蓄電負荷切換手段23と出力負荷切換手段27とを併用する場合の第2の方法としては、充電可能な蓄電池が蓄電手段24に存在する場合には、蓄電負荷切換手段23による切り換えを行い、充電可能な蓄電池が蓄電手段24に存在しない場合には、出力負荷切換手段27を用いるようにしてもよい。
また、蓄電負荷切換手段23と出力負荷切換手段27とを併用する場合の第3の方法としては、第1の方法と第2の方法を共に用いるようにしてもよい。
なお、本実施例では、出力負荷切換手段27と充放電手段28とを交流電流ライン41に接続した場合で説明したが、交流−直流変換手段21の出力側に接続される直流電流ライン42に接続してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明のスターリングエンジンの制御装置は、廃熱やバイオマスなどの熱源ガスを利用した発電設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0017】
10 スターリングエンジン
11 発電機
17 排ガス管
21 交流−直流変換手段
22 実用負荷手段
23 蓄電負荷切換手段
24 蓄電手段
25 蓄電状態判定手段
26 蓄電制御手段
27 出力負荷切換手段
28 充放電手段
29 出力検出手段
30 出力判定手段
31 負荷制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スターリングエンジンに連結された発電機と、前記発電機から出力される交流電流から電圧の異なる直流電流に変換する交流−直流変換手段とを備え、前記交流−直流変換手段で変換された直流電流を電力として用いるスターリングエンジンの制御装置であって、前記スターリングエンジンの出力を検出する出力検出手段と、前記出力検出手段で検出した前記出力を設定値と比較して出力状態を判定する出力判定手段と、前記出力判定手段の結果に基づいて前記スターリングエンジンの負荷を変動させる負荷制御手段と、前記負荷制御手段からの信号によって負荷の切り換えを行う負荷切換手段とを備え、前記負荷切換手段では、前記スターリングエンジンの出力が前記設定値より大きくなると前記負荷を大きくし、前記スターリングエンジンの出力が前記設定値より小さくなると前記負荷を小さくすることを特徴とするスターリングエンジンの制御装置。
【請求項2】
前記負荷切換手段として、複数の抵抗とそれぞれの前記抵抗の切り換えを行うスイッチとから構成された出力負荷切換手段を用い、前記出力負荷切換手段を、前記発電機と前記交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ライン又は前記交流−直流変換手段の出力側に接続される直流電流ラインに接続することを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置。
【請求項3】
複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの前記蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、前記充電状態判定手段の判定結果に基づいて前記蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段と、前記蓄電制御手段からの信号によって前記蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置。
【請求項4】
複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの前記蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、前記充電状態判定手段の判定結果と前記負荷制御手段からの信号に基づいて前記蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段とを有し、前記負荷切換手段として、前記蓄電制御手段からの信号によって前記蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段を用いることを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置。
【請求項5】
複数の独立した蓄電池からなる蓄電手段と、それぞれの前記蓄電池の充電状態を判定する充電状態判定手段と、前記充電状態判定手段の判定結果と前記負荷制御手段からの信号に基づいて前記蓄電池への充電を制御する蓄電制御手段とを有し、前記負荷切換手段として、前記蓄電制御手段からの信号によって前記蓄電池への給電を切り換える蓄電負荷切換手段と、前記発電機と前記交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ラインに接続される出力負荷切換手段とを用いることを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置。
【請求項6】
前記出力検出手段が前記スターリングエンジンの回転数又は電圧を検出することを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置。
【請求項7】
キャパシタ又はコンデンサなどの充放電手段を、前記発電機と前記交流−直流変換手段とをつなぐ交流電流ライン又は前記交流−直流変換手段の出力側に接続される直流電流ラインに接続することを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置。
【請求項8】
前記スターリングエンジンの熱源として、船舶用ディーゼルエンジンの排ガスを用いることを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジンの制御装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−40617(P2013−40617A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259554(P2012−259554)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2008−64192(P2008−64192)の分割
【原出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(506065725)株式会社eスター (17)
【出願人】(501204525)独立行政法人海上技術安全研究所 (185)
【Fターム(参考)】