ステアリングホイール
【課題】ヒータ機能を損なうことなくコスト低減を図る。
【解決手段】ステアリングホイール12のリム部13は、骨格部分をなす環状のリム部芯金20と、リム部芯金20の周方向の少なくとも一部の周りに設けられたヒータエレメント40と、ヒータエレメント40を被覆する少なくとも一層の被覆部35とを有する。ヒータエレメント40は、断熱部として機能する可撓性の断熱シート41と、断熱シート41上に重ね合わされて熱伝導部として機能する熱伝導シート43と、断熱シート41及び熱伝導シート43間に配置され、かつ通電により発熱する発熱体45とを備える。ヒータエレメント40は全体として平面状をなしており、リム部芯金20の外形形状に沿って撓ませられた状態で、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面においてリム部芯金20に貼付けられている。
【解決手段】ステアリングホイール12のリム部13は、骨格部分をなす環状のリム部芯金20と、リム部芯金20の周方向の少なくとも一部の周りに設けられたヒータエレメント40と、ヒータエレメント40を被覆する少なくとも一層の被覆部35とを有する。ヒータエレメント40は、断熱部として機能する可撓性の断熱シート41と、断熱シート41上に重ね合わされて熱伝導部として機能する熱伝導シート43と、断熱シート41及び熱伝導シート43間に配置され、かつ通電により発熱する発熱体45とを備える。ヒータエレメント40は全体として平面状をなしており、リム部芯金20の外形形状に沿って撓ませられた状態で、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面においてリム部芯金20に貼付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電により発熱する発熱体がリム部に組込まれたステアリングホイールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両が冬期の厳寒下で駐車されると、車内の温度が低くなり、これに伴いステアリングホイールのリム部(ハンドル部、リング部とも呼ばれる)の温度が低くなる。このような状態で運転者が車両に乗って運転を開始する際、冷えたリム部を握ることになり、操舵がしづらい。
【0003】
そこで、通電により発熱する発熱体をリム部に組込んだステアリングホイールが種々提案されている。例えば、特許文献1に記載されたステアリングホイールでは、リム部の骨格部分をなすリム部芯金が、発泡ウレタン又はネオプレンからなる基材によって被覆され、その周りに、銀コーティングされた織物からなる面状発熱体が装着されている。面状発熱体は、ポリウレタンからなる発泡体層及び表皮によって順に被覆されている。
【0004】
このステアリングホイールでは、面状発熱体の発した熱がリム部芯金に伝わることを基材によって抑制されるため、熱のより多くがリム部の表面に伝わって効率よく昇温される。また、面状発熱体の発した熱が、銀のコーティング層により拡散されるため、リム部の表面が均一に暖められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2004−520989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1には特に記載がないが、基材及び発泡体層は、それぞれ金型を用いて樹脂を成形することによって形成されたものであると考えられる。これは、特許文献1においてリム部の断面構造を示す図2では、基材及び発泡体層に繋ぎ目がそれぞれ示されていないからである。さらに、基材については、厚みがリム部芯金の周りで不揃いであるにも拘らず、同基材の断面の外形形状がきれいな楕円形として示されているからである。
【0007】
しかし、上記のように基材及び発泡体層を成形するには、金型が2つ必要となり、コストの上昇を招く問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ヒータ機能を損なうことなくコスト低減を図ることのできるステアリングホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、骨格部分をなす環状のリム部芯金と、前記リム部芯金の周方向の少なくとも一部の周りに設けられたヒータエレメントと、前記ヒータエレメントを被覆する少なくとも一層の被覆部とを有するリム部を備え、前記ヒータエレメントは、断熱部として機能する可撓性の断熱シートと、前記断熱シート上に重ね合わされて熱伝導部として機能する熱伝導シートと、前記断熱シート及び前記熱伝導シート間に配置され、かつ通電により発熱する発熱体とを備え、全体として平面状をなしており、前記リム部芯金の外形形状に沿って撓ませられた状態で、前記断熱シートの前記発熱体とは反対側の面において前記リム部芯金に貼付けられていることを要旨とする。
【0009】
上記の構成によれば、リム部の表面温度が低いときにヒータエレメントの発熱体に通電されると、同発熱体が発熱する。この発熱体から発せられた熱は、熱伝導部として機能する熱伝導シートによって拡散されて、被覆部に伝達される。そのため、被覆部は温度分布の均一な状態で昇温させられる。その結果、リム部の表面において発熱体に対応する広い部分が均一に暖められる。
【0010】
また、発熱体の発した熱がリム部芯金に伝わる現象は、断熱部として機能する断熱シートによって抑制される。そのため、発熱体が発した熱のより多くが被覆部に伝えられて、同被覆部が効率よく昇温させられる。
【0011】
ところで、上記リム部の製造に際しては、ヒータエレメントがリム部芯金の外形形状に沿って撓ませられ、断熱シートの発熱体とは反対側の面においてリム部芯金に貼付けられる。この貼付けにより、リム部芯金の周りに、断熱部、発熱体及び熱伝導部が順に積層された状態で形成される。従って、断熱部を、金型を用いた成形によって形成する必要がなくなる。これに伴い、断熱部の成形のための金型が不要となって、その分、コスト低減が図られる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ヒータエレメントは、前記断熱シートの前記発熱体とは反対側の面に粘着層を有しており、前記粘着層において前記リム部芯金に貼付けられていることを要旨とする。
【0013】
上記の構成によれば、ヒータエレメントがリム部芯金の外形形状に沿って撓ませられて、粘着層がリム部芯金に付着すると、同ヒータエレメントはリム部芯金に貼付けられた状態となる。この粘着層はヒータエレメントの一部として予め設けられたものであるため、ヒータエレメントの貼付け時に、リム部芯金や断熱シートに粘着層を設けなくてもすむ。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記ヒータエレメントは、前記断熱シート及び前記熱伝導シートにおいて切欠き部を有していることを要旨とする。
【0015】
上記の構成によれば、リム部芯金が環状をなし三次元曲面を有しているのに対し、ヒータエレメントが平面状をなしている。そのため、リム部芯金にヒータエレメントを貼付ける際、ヒータエレメントに貼付けに関与しない余剰部分が生じ、皺が入るおそれがある。この点、ヒータエレメントが断熱シート及び熱伝導シートにおいて切欠き部を有している請求項3に記載の発明では、この切欠き部が、上記余剰部分の発生を吸収する。そのため、ヒータエレメントに皺が入りにくい。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記被覆部は樹脂を成形することにより形成されたものであることを要旨とする。
ここで、仮にヒータエレメントの表面の凹凸形状がリム部の表面(意匠面)に浮き出ると、外観品質を損なう。しかし、ヒータエレメントの周りに設けられた被覆部は、請求項4に記載の発明では、樹脂を成形することにより形成される。そのため、リム部の表面は、ヒータエレメントの表面の凹凸形状の影響を受けにくい。従って、リム部の表面を平滑又はそれに近い状態の面とすることが可能である。その結果、ヒータエレメントに起因する外観品質の低下が抑制される。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記リム部芯金には溝部が設けられ、前記断熱シートに接触した状態の充填部が前記溝部内に充填されており、前記被覆部及び前記充填部は、前記断熱シートに対し相溶性を有する樹脂を成形することにより、相互に繋がった状態で形成されていることを要旨とする。
【0018】
上記の構成によれば、ヒータエレメントの周りに設けられた被覆部は、リム部芯金の溝部内に充填された充填部と相互に繋がっている。そのため、運転者がリム部を握って回転操作(操舵)をする際に、被覆部がヒータエレメントから剥がれることが充填部によって規制される。
【0019】
また、被覆部及び充填部は、断熱シートに対し相溶性を有する樹脂からなる。そのため、充填部は断熱シートに付着して一体となった状態となる。表現を変えると、被覆部は充填部を介して断熱シートに付着した状態となる。そのため、上記のように、被覆部がヒータエレメントから剥がれることがより一層規制される。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記リム部芯金には溝部が設けられ、前記溝部の内壁面は平面部を有しており、前記ヒータエレメントにおいて相対向する一対の対向縁部の少なくとも一方が前記溝部内に入り込み、前記平面部に貼付けられていることを要旨とする。
【0021】
断熱シートは、撓ませられると元の形に戻ろうとする弾性復元力を有する。そのため、ヒータエレメントの対向縁部は、リム部芯金の曲面部に沿って撓ませられて貼付けられた場合には剥がれるおそれがある。この点、請求項6に記載の発明では、ヒータエレメントの一対の対向縁部の少なくとも一方が溝部内に入り込んで平面部に貼付けられている。平面部に貼付けられた対向縁部は、曲面部に貼付けられる場合ほど撓ませられず、弾性復元力も小さい。そのため、溝部の平面部に貼付けられた対向縁部は、その平面部から剥がれにくい。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記リム部芯金は表面に平面部を有しており、前記ヒータエレメントにおいて相対向する一対の対向縁部は、互いに接近させられた状態で前記平面部に貼付けられていることを要旨とする。
【0023】
断熱シートは、撓ませられると元の形に戻ろうとする弾性復元力を有する。そのため、ヒータエレメントの対向縁部は、リム部芯金の曲面部に沿って撓ませられて貼付けられた場合には剥がれるおそれがある。この点、請求項7に記載の発明では、ヒータエレメントの一対の対向縁部は、互いに接近させられた状態でリム部芯金の表面の平面部に貼付けられている。平面部に貼付けられた対向縁部は、曲面部に貼付けられる場合ほど撓ませられず、弾性復元力も小さい。そのため、リム部芯金の表面の平面部に貼付けられた両対向縁部は、その平面部から剥がれにくい。
【発明の効果】
【0024】
本発明のステアリングホイールによれば、断熱シート及び熱伝導シートによって発熱体を挟み込んだ構造のヒータエレメントをリム部芯金に貼付ける構成を採用したため、ヒータ機能を損なうことなくコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を具体化した一実施形態におけるステアリングホイールの側面図。
【図2】図1のステアリングホイールのA矢視図。
【図3】(A)は図2におけるX−X線に沿ったリム部の断面構造を拡大して示す断面図、(B)は図3(A)中のリム部芯金のみを示す断面図。
【図4】図2におけるY−Y線に沿ったリム部の断面構造を拡大して示す断面図。
【図5】一実施形態において、リム部芯金にヒータエレメントが貼付けられた状態を示す断面図。
【図6】リム部芯金に貼付けられる前の平面状のヒータエレメントを示す平面図。
【図7】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部の断面図。
【図8】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部の断面図。
【図9】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部芯金にヒータエレメントが貼付けられた状態を示す断面図。
【図10】図9のヒータエレメントの周りに被覆部を設けてなるリム部の断面図。
【図11】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部の断面図。
【図12】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を車両用ステアリングホイールに具体化した一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、車両の運転席よりも前方(図1の左方)には、回転軸線L1を中心として回転するステアリングシャフト(操舵軸)11が、運転席側(図1の右側)ほど高くなるように傾斜した状態で配設されている。ステアリングシャフト11の後端部には、本実施形態のステアリングホイール12が一体回転可能に取付けられている。
【0027】
ステアリングホイール12は、リム部(ハンドル部、リング部と呼ばれることもある)13、パッド部14及びスポーク部16を備えている。リム部13は、運転者によって把持されて回転操作(操舵)される部分であり、上記回転軸線L1を中心とした略円環状をなしている(図2参照)。
【0028】
パッド部14は、リム部13によって囲まれた空間に配置されている。パッド部14の前側部分はロアカバー15によって構成されている(図1参照)。スポーク部16は、リム部13及びパッド部14間に複数本(ここでは3本)設けられている。
【0029】
なお、回転操作(操舵)されるリム部13における周方向の位置を特定するために、本実施形態では、車両が直進しているときの状態(中立状態)を基準に、「上」、「下」、「左」、「右」を規定するものとする。
【0030】
図3(A)は、図2のX−X線に沿ったリム部13の断面構造を示し、図4は、図2のY−Y線に沿ったリム部13の断面構造、すなわち、リム部13の左側部分の断面構造を示している。なお、リム部13の右側部分の断面構造は、上記左側部分の断面構造と同様である。そのため、この右側部分の断面構造については説明を省略する。なお、図3(A),(B)及び図4の各々において、右側は車両後側(運転席側)を示し、左側は車両前側を示している。
【0031】
ステアリングホイール12の上記リム部13、スポーク部16及びパッド部14の各内部には、鉄、アルミニウム、マグネシウム、又はこれらの合金等によって形成された芯金が配設されている。この芯金のうち、リム部13内に位置するものは、図3(A)及び図4に示すように、同リム部13の骨格部分をなすものであって、運転者側から見て略円環状をなしており、リム部芯金20と呼ばれる。
【0032】
リム部芯金20は、リム部13の表面から内方へ離れた箇所に配置されている。図3(B)に示すように、リム部芯金20は、上記回転軸線L1を中心とする円環状の外環状部21と、回転軸線L1を中心とし、かつ外環状部21よりもやや小径の円環状の内環状部22と、回転軸線L1を中心とする円環状をなし、かつ上記外環状部21及び内環状部22をそれらの後部で繋ぐ連結環状部23とを備えている。そして、外環状部21、内環状部22及び連結環状部23によって囲まれた空間は、リム部芯金20の前面において開口する溝部24となっている。この溝部24は、リム部13の略全周にわたって設けられている。こうした溝部24を有する構造を採ることで、リム部芯金20は略U字形の断面形状を有している。
【0033】
連結環状部23は、後方へ膨らむように湾曲する曲面部25を有している。外環状部21は、前方へ膨らむように湾曲する曲面部26を前端に有している。外環状部21において、上記両曲面部25,26によって挟まれた箇所には、2つの平面部27が形成されている。内環状部22は、前方へ膨らむように湾曲する曲面部28を前端に有している。内環状部22において、上記両曲面部25,28によって挟まれた箇所には、2つの平面部29が形成されている。さらに、溝部24の内壁面は、相対向する一対の平面部31を有している。
【0034】
リム部13の周方向についての一部(後述するヒータエレメント40の配置されていない部分)では、図3(A)に示すように、リム部芯金20が被覆部35のみによって被覆されている。被覆部35は、ポリウレタンを用いて樹脂成形することによって形成されている。被覆部35の表面は、凹凸の少ない平滑な面となっており、リム部13の意匠面を構成している。
【0035】
図2において破線で示すように、リム部13の周方向について、多くの運転者が握る箇所である左右両側部にはヒータエレメント40が組込まれている。図4及び図5に示すように、ヒータエレメント40は、断熱シート41、熱伝導シート43、発熱体45及び粘着層47を備えており、上記リム部芯金20と被覆部35との間に配置されている。
【0036】
断熱シート41は、可撓性を有する断熱材料によって、厚みが均一(本実施形態では2〜3mm程度)な板状に形成されており、断熱部として機能する。この断熱材料としては、弾性を有していて柔軟な樹脂材料、例えば、ウレタン、ゴム等が適している。特に、断熱性を高めるうえでは、断熱シート41は発泡体であることが好ましい。さらに、断熱シート41は、上記被覆部35に対し相溶性を有する樹脂材料によって形成されていることが好ましい。相溶性は、同種又は類似の種類の材料である場合に良好となる。これらの条件を満たす樹脂材料として、本実施形態では、発泡ウレタンが用いられて断熱シート41が形成されている。
【0037】
熱伝導シート43は、発熱体45から発せられる熱を素早く拡散するためのものであり、上記断熱シート41よりも厚みが薄く、熱伝導率の高い材料によって形成されている。熱伝導シート43は、上記断熱シート41と同様にリム部芯金20に沿って撓ませられるものであるため、厚みの薄いものであることが好ましい。本実施形態では、熱伝導シート43としてアルミ箔によって形成されたものが用いられている。この熱伝導シート43は、上記断熱シート41上に重ね合わされ、接着等の固定手段によって同断熱シート41に固定されており、熱伝導部として機能する。
【0038】
発熱体45は、上記断熱シート41及び熱伝導シート43間に配置されている。発熱体45は、通電により発熱するものであればよく、例えば、電気抵抗が大きく、通電により発熱する線材(発熱用電線:電熱線)によって形成されている。図6に示すように、発熱体(電熱線)45は、ヒータエレメント40の長手方向(図6の上下方向)に波状をなすように繰り返し曲げられて配置されている。
【0039】
図4及び図5に示すように粘着層47は、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面において、その全面にわたって、均一の厚みに形成されている。
上記ヒータエレメント40は、展開された状態では、図6に示すように長尺状をなしている。このヒータエレメント40は、相対向した状態で長手方向に延びる一対の対向縁部48を有している。ヒータエレメント40における断熱シート41及び熱伝導シート43には、各対向縁部48の複数箇所から対向する対向縁部48側へ向けて延びる切欠き部49が形成されている。ここでは、各切欠き部49は、各対向縁部48から遠ざかるに従い幅狭となるように形成されている。
【0040】
なお、上記ヒータエレメント40では、熱伝導シート43及び粘着層47は、断熱シート41の端面には形成されておらず、同端面は露出している。
そして、図4及び図5に示すように、上記ヒータエレメント40は、両対向縁部48が溝部24の入口に位置するように、リム部芯金20の外形形状に沿って撓ませられ、上記粘着層47において、同リム部芯金20に貼付けられている。両対向縁部48での断熱シート41の端面41Aは、溝部24内に位置している。両対向縁部48の一方(図4及び図5の上方)は、外環状部21の曲面部26に貼付けられ、他方(図4及び図5の下方)は内環状部22の曲面部28に貼付けられている。両対向縁部48は、溝部24の入口において相互に接近又は接触している。溝部24の入口は、両対向縁部48によって塞がれた状態、又はそれに近い状態となっている。
【0041】
さらに、図4に示すように、リム部芯金20の溝部24内には、上記断熱シート41の両端面41Aに接触した状態で充填部51が充填されている。この充填部51と、上述した被覆部35とは、上記断熱シート41に対し相溶性を有する樹脂(ここではポリウレタン)を樹脂成形することにより、相互に繋がった状態で形成されている。
【0042】
このようにしてリム部13が構成されている。このリム部13の製造に際しては、図6に示すヒータエレメント40が、両対向縁部48が溝部24の入口に位置するように、リム部芯金20の外形形状に沿って撓ませられる。すなわち、ヒータエレメント40は、図5に示すように、両対向縁部48が溝部24の入口に位置するように、外環状部21の曲面部26及び両平面部27と、連結環状部23の曲面部25と、内環状部22の曲面部28及び両平面部29とに沿って撓ませられる。そして、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面に設けられた粘着層47がリム部芯金20に付着される。この際、一方(図5の上方)の対向縁部48が外環状部21の曲面部26に付着され、他方(図5の下方)の対向縁部48が内環状部22の曲面部28に付着される。これらの付着により、ヒータエレメント40は、粘着層47を介してリム部芯金20に貼付けられた状態となる。また、両対向縁部48が、溝部24の入口において相互に接近又は接触した状態となり、同入口が両対向縁部48によって塞がれた状態又はそれに近い状態となる。
【0043】
ここで、リム部芯金20は図1の矢印A方向から見た場合に円環状をなしている。また、リム部芯金20は、外環状部21、内環状部22及び連結環状部23を備えて、断面U字状をなしている(図3(B)参照)。このように、リム部芯金20は三次元曲面を有している。これに対し、リム部芯金20への貼付け前には、ヒータエレメント40は平面状をなしている(図6参照)。また、ヒータエレメント40の構成部材のうち、特に、熱伝導シート43は断熱シート41よりも伸びにくい。そのため、リム部芯金20にヒータエレメント40を貼付ける際、同ヒータエレメント40の貼付けに関与しない余剰部分が生じ、皺が入るおそれがある。この点、ヒータエレメント40における断熱シート41及び熱伝導シート43の複数箇所に切欠き部49が設けられている本実施形態では、これらの切欠き部49が上記余剰部分を吸収する。そのため、リム部芯金20に貼付けられた状態では、ヒータエレメント40に皺が入りにくい。
【0044】
また、発熱体45はヒータエレメント40の長手方向へ波状をなすように繰り返し曲げられて配置されている(図6参照)ため、ヒータエレメント40がリム部芯金20に沿って撓ませられたときに、同リム部芯金20の外形形状に追従しやすく、ヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付けやすい。
【0045】
なお、リム部芯金20に対する貼付けに際しては、断熱シート41は撓ませられるものの伸縮はさせられない。そのため、貼付けられた状態の断熱シート41は厚みが均一となる(図5参照)。
【0046】
そして、上記ヒータエレメント40の貼付けにより、リム部芯金20の周りに、断熱部として機能する断熱シート41、発熱体45、及び熱伝導部として機能する熱伝導シート43が順に配置される。従って、上述した特許文献1とは異なり、リム部芯金20の周りに断熱部を成形によって形成する必要がない。また、上記粘着層47はヒータエレメント40の一部として予め設けられたものであるため、ヒータエレメント40の貼付け時に、リム部芯金20や断熱シート41に粘着層47を設ける必要もない。
【0047】
さらに、上記ヒータエレメント40の貼付けられたリム部芯金20が、インサートとして金型(図示略)内に配置され、この金型内に溶融状態の樹脂材料が供給されて成形が行なわれる。この際、溶融状態の樹脂材料の多くが、ヒータエレメント40の周りに供給される。この供給された樹脂材料が反応により硬化することで、ヒータエレメント40の周りに被覆部35が形成される(図4参照)。また、上記溶融状態の樹脂材料の一部は、リム部芯金20の溝部24内にも充填される(図4参照)。この充填された溝部24内の樹脂材料が反応により硬化することで、同溝部24内には、断熱シート41の両端面41Aに接触し、かつ上記被覆部35と相互に繋がった状態の充填部51が形成される。
【0048】
また、上記被覆部35及び充填部51を形成する上記樹脂材料は、断熱シート41と同種であって、断熱シート41に対し相溶性を有する樹脂材料(この場合、ウレタン)からなる。そのため、充填部51は、断熱シート41に付着して一体となった状態となる。表現を変えると、被覆部35は充填部51を介して断熱シート41に付着した状態となる。
【0049】
ここで、リム部13の表面(意匠面)に仮にヒータエレメント40の表面の凹凸形状が浮き出ていると、外観品質を損なう。しかし、ヒータエレメント40の周りに設けられた被覆部35は、上記のように樹脂を成形することにより形成される。そのため、リム部13の表面は、ヒータエレメント40の表面の凹凸形状の影響を受けにくく平滑な面又はそれに近い状態の面となる。
【0050】
次に、上記のように製造されたリム部13を含む本実施形態のステアリングホイール12の作用について説明する。
冬期等において外気温が低く、リム部13の温度の低い状況下で車両の運転が開始される際に、ヒータエレメント40の発熱体45に通電されると、同発熱体45が発熱する。この発熱体45から発せられた熱は、熱伝導部として機能する熱伝導シート43によって拡散されて、被覆部35に伝達される。この熱伝達により、被覆部35は温度分布の均一な状態で早期に昇温させられる。その結果、リム部13の表面において発熱体45に対応する広い部分が均一に暖められる。
【0051】
また、リム部13では断熱シート41の厚みが均一となっている(図4参照)ことから、発熱体45からリム部13の表面までの距離についてばらつきが小さい。そのため、この点においても、被覆部35の温度分布を均一にするうえで有利である。
【0052】
ここで、リム部芯金20は、上述した種類の金属によって形成されていて高い熱伝導率を有する。そのため、発熱体45が仮にリム部芯金20に直接接触していると、発熱体45が発した熱はリム部芯金20に伝わりやすい。リム部芯金20に熱が伝わると、その分、発熱体45からリム部13(被覆部35)の表面に伝わる熱が少なくなる。
【0053】
しかし、本実施形態では、リム部芯金20と発熱体45との間に、所定の厚み(発熱体45の熱をリム部芯金20に伝わりにくくするのに必要な厚み)を有する断熱シート41が介在されており、この断熱シート41が断熱部として機能する。特に、断熱シート41は発泡体からなり、内部に多数の気孔を有していて、この気孔内の空気が断熱機能を発揮する。そのため、発熱体45の発した熱がリム部芯金20に伝わる現象は、断熱シート41によって抑制される。その結果、発熱体45が発した熱のより多くが被覆部35に伝えられて、同被覆部35が効率よく昇温させられる。
【0054】
また、本実施形態のステアリングホイール12では、ヒータエレメント40の周りの被覆部35と、リム部芯金20の溝部24内の充填部51とが相互に繋がっている。そのため、運転者がリム部13を握って回転操作(操舵)をする際に、被覆部35がヒータエレメント40から剥がれることが充填部51によって規制される。また、充填部51は断熱シート41に対し相溶性を有する樹脂材料によって形成されていて、同断熱シート41の端面41Aに付着して一体となっていて、充填部51の断熱シート41に対する剥離強度が高められている。被覆部35は、このような充填部51を介して断熱シート41に付着した状態となっている。そのため、被覆部35はヒータエレメント40からより一層剥がれにくい。
【0055】
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)リム部13として、リム部芯金20、ヒータエレメント40及び被覆部35を備えるものを採用する。ヒータエレメント40として、可撓性の断熱シート41と、断熱シート41上に重ね合わされる熱伝導シート43と、断熱シート41及び熱伝導シート43間に配置され、かつ通電により発熱する発熱体45とを備え、全体として平面状をなすものを用いる。そして、このヒータエレメント40を、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面においてリム部芯金20に貼付けている(図4)。
【0056】
そのため、上記断熱シート41及び熱伝導シート43により、ヒータエレメント40の発熱体45が発した熱のより多くを、被覆部35のうち発熱体45に対応する広い部分に伝達し、リム部13の表面を効率よく暖めることができる。
【0057】
また、ヒータエレメント40が、断熱部として機能する断熱シート41を含んでいるため、リム部芯金20の周りに断熱部を成形によって形成する必要がなくなる。これに伴い、断熱部の成形のための金型が不要となって、その分、コスト低減を図ることができる。
【0058】
また、ヒータエレメント40では、断熱シート41、発熱体45及び熱伝導シート43が一体となっているため、同ヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付ける作業を行なうだけで、同リム部芯金20の周りに、断熱シート41、発熱体45及び熱伝導シート43を一度に配置することができ、組付け工数を減らすことができる。
【0059】
(2)ヒータエレメント40として、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面に粘着層47を有するものを用いる。そして、この粘着層47においてヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付けている(図4)。
【0060】
そのため、ヒータエレメント40の貼付け時に、リム部芯金20や断熱シート41に粘着層47を設けなくてもすみ、ヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付ける作業がより容易となる。
【0061】
(3)ヒータエレメント40として、断熱シート41及び熱伝導シート43に切欠き部49の設けられたものを用いている(図6)。
そのため、ヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付ける際に皺を入りにくくすることができる。
【0062】
(4)樹脂を成形することによって、ヒータエレメント40の周りに被覆部35を形成している(図4)。
そのため、ヒータエレメント40の表面の凹凸形状がリム部13の意匠面に浮き出るのを抑制し、ヒータエレメント40に起因する外観品質の低下を抑制することができる。
【0063】
(5)リム部芯金20として溝部24を有しているものを用い、この溝部24内に、断熱シート41の端面41Aに接触した状態の充填部51を設ける。さらに、被覆部35及び充填部51を、断熱シート41に対し相溶性を有する樹脂を成形することにより、相互に繋がった状態で形成している(図4)。
【0064】
そのため、被覆部35のヒータエレメント40に対する剥離強度を高め、運転者がリム部13を握って回転操作(操舵)をする際に、被覆部35がヒータエレメント40から剥がれるのを抑制することができる。
【0065】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
<リム部芯金20について>
・リム部芯金20は、上記実施形態とは異なる断面形状を有するものであってもよい。例えば、リム部芯金20は溝部24が設けられていない断面形状を有するものであってもよいし、溝部24が複数設けられた断面形状を有するものであってもよい。
【0066】
<ヒータエレメント40の配置箇所について>
・リム部13のうち少なくとも運転者によって多く把持される箇所に組込まれることを条件に、リム部13におけるヒータエレメント40の配置箇所が変更されてもよい。
【0067】
・ヒータエレメント40は、リム部13の全周にわたって設けられてもよい。
<ヒータエレメント40の貼付け態様について>
・断熱シート41は、撓ませられると元の形に戻ろうとする弾性復元力を有する。そのため、ヒータエレメント40の対向縁部48は、リム部芯金20の曲面部、例えば、外環状部21の曲面部26、内環状部22の曲面部28に貼付けられた場合には剥がれるおそれがある。
【0068】
そこで、図7に示すように、リム部芯金20が上記実施形態と同様、外環状部21に平面部27を有し、内環状部22に平面部29を有している場合には、ヒータエレメント40の両対向縁部48は、互いに接近させられた状態で平面部27(又は29)に貼付けられてもよい。このようにすると、平面部27(又は29)に貼付けられた対向縁部48は、曲面部26,28に貼付けられる場合ほど撓ませられない。平面部27(又は29)に貼付けられた対向縁部48の弾性復元力は、曲面部26,28に貼付けられた場合の弾性復元力よりも小さい。そのため、対向縁部48はリム部芯金20から剥がれにくくなる。
【0069】
また、ヒータエレメント40の両対向縁部48は、リム部芯金20の曲面部26,28に貼付けられる場合であっても、その貼付けに関する面積が小さい方が剥がれにくい。このことから、例えば、図8に示すように、ヒータエレメント40の一方(図8の上方)の対向縁部48は、外環状部21の曲面部26の一部に対してのみ貼付けられてもよい。また、他方(図8の下方)の対向縁部48は、内環状部22の曲面部28の一部に対してのみ貼付けられてもよい。
【0070】
さらに、リム部芯金20における溝部24の内壁面が、上記実施形態と同様に平面部31を有している場合には、両対向縁部48の少なくとも一方が溝部24内に入り込ませられ、平面部31に貼付けられてもよい。図9及び図10は、一方(図9及び図10の下方)の対向縁部48のみが溝部24内で平面部31に貼付けられた例を示している。この場合、上記一方の対向縁部48は、図9において二点鎖線で示すように、曲面部28に沿って湾曲させられつつ溝部24内に入り込ませられ、平面部31に貼付けられる。平面部31に貼付けられた対向縁部48は、曲面部28に沿って湾曲させられた箇所ほど撓ませられておらず、弾性復元力も小さい。そのため、この場合にも、対向縁部48をリム部芯金20から剥がれにくくすることができる。この効果は、対向縁部48において、溝部24内に入り込んでいる部分が長くなるほど(平面部31での貼付けに関する面積が大きくなるほど)大きくなる。
【0071】
ただし、両対向縁部48をともに、溝部24内の奥深くまで入り込ませて、内壁面の平面部31に貼付けることは難しい。後から溝部24内に入り込ませられる対向縁部48については、その粘着層47が、先に溝部24の平面部31に貼付けられた対向縁部48に付着して、溝部24内に入り込みにくくなるからである。
【0072】
そのため、この場合には、例えば図9に示すように、他方(図9の上方)の対向縁部48については、溝部24内に入り込ませず、曲面部26の一部に貼付けるにとどまらせてもよい。
【0073】
<断熱シート41について>
・断熱シート41として、発泡されていないものが用いられてもよい。
<熱伝導シート43について>
・熱伝導シート43は、発熱体45が発した熱を素早く拡散できるものであればよく、アルミ箔とは異なる材料によって形成されたものが熱伝導シート43として用いられてもよい。例えば、熱伝導シート43は、銅箔からなるものであってもよい。
【0074】
<発熱体45について>
・発熱体45は通電により発熱するものであればよく、上述した電熱線とは異なるものが発熱体45として用いられてもよい。例えば、絶縁シート上に抵抗体層が形成されたものが発熱体45とされてもよい。
【0075】
・発熱体45は、上記実施形態とは異なる態様で、断熱シート41及び熱伝導シート43間に配置されてもよい。例えば、発熱体45は、ヒータエレメント40の短手方向に波状をなすように繰り返し曲げられて配置されてもよい。
【0076】
<粘着層47について>
・ヒータエレメント40における粘着層47が割愛されてもよい。この場合、ヒータエレメント40は、例えば接着剤によってリム部芯金20に貼付けられてもよい。
【0077】
<切欠き部49について>
・切欠き部49は、上記実施形態とは異なる形状に形成されてもよい。
・ヒータエレメント40の長手方向における切欠き部49の位置及び数が変更されてもよい。
【0078】
・切欠き部49として、上記実施形態で示したものに対し直交する方向(図6の上下方向)へ延びるものがさらに形成されてもよい。
<充填部51について>
・図11に示すように、ヒータエレメント40によって溝部24の入口が閉塞される場合には、その閉塞部分に孔61が貫通され、この孔61を通じて被覆部35と充填部51とが連結されてもよい。このようにすると、被覆部35と充填部51との連結強度が高まり、運転者がリム部13を握って回転操作(操舵)をする際に、被覆部35がヒータエレメント40からより一層剥がれにくくなる。
【0079】
<被覆部35について>
・図12に示すように、ヒータエレメント40を被覆する上記被覆部35の周りにさらに別の被覆部62が設けられてもよい。後者の被覆部62は、例えば、皮革等からなる表皮であってもよい。上記図7、図8、図10及び図11で説明したステアリングホイール12についても同様の変更が行なわれてもよい。
【0080】
この場合には、ヒータエレメント40の周りに表皮を直接巻付ける場合とは異なり、表皮の表面(リム部13の意匠面)にヒータエレメント40の表面の凹凸形状が浮き出にくく、ヒータエレメント40に起因する外観品質の低下が生じにくい。
【0081】
・ヒータエレメント40の外形形状の浮き出しがさほど目立たない場合や、多少の浮き出しであれば問題としない場合等には、上記実施形態の被覆部35に代えて、同ヒータエレメント40の周りに皮革が直接巻付けられて被覆部とされてもよい。
【0082】
<その他>
・本発明は、車両に限らず、航空機、船舶等のほかの乗り物における操舵装置のステアリングホイールに適用することもできる。この場合、車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
【符号の説明】
【0083】
12…ステアリングホイール、13…リム部、20…リム部芯金、24…溝部、27,29,31…平面部、35,62…被覆部、40…ヒータエレメント、41…断熱シート、43…熱伝導シート、45…発熱体、47…粘着層、48…対向縁部、49…切欠き部、51…充填部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電により発熱する発熱体がリム部に組込まれたステアリングホイールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両が冬期の厳寒下で駐車されると、車内の温度が低くなり、これに伴いステアリングホイールのリム部(ハンドル部、リング部とも呼ばれる)の温度が低くなる。このような状態で運転者が車両に乗って運転を開始する際、冷えたリム部を握ることになり、操舵がしづらい。
【0003】
そこで、通電により発熱する発熱体をリム部に組込んだステアリングホイールが種々提案されている。例えば、特許文献1に記載されたステアリングホイールでは、リム部の骨格部分をなすリム部芯金が、発泡ウレタン又はネオプレンからなる基材によって被覆され、その周りに、銀コーティングされた織物からなる面状発熱体が装着されている。面状発熱体は、ポリウレタンからなる発泡体層及び表皮によって順に被覆されている。
【0004】
このステアリングホイールでは、面状発熱体の発した熱がリム部芯金に伝わることを基材によって抑制されるため、熱のより多くがリム部の表面に伝わって効率よく昇温される。また、面状発熱体の発した熱が、銀のコーティング層により拡散されるため、リム部の表面が均一に暖められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2004−520989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1には特に記載がないが、基材及び発泡体層は、それぞれ金型を用いて樹脂を成形することによって形成されたものであると考えられる。これは、特許文献1においてリム部の断面構造を示す図2では、基材及び発泡体層に繋ぎ目がそれぞれ示されていないからである。さらに、基材については、厚みがリム部芯金の周りで不揃いであるにも拘らず、同基材の断面の外形形状がきれいな楕円形として示されているからである。
【0007】
しかし、上記のように基材及び発泡体層を成形するには、金型が2つ必要となり、コストの上昇を招く問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ヒータ機能を損なうことなくコスト低減を図ることのできるステアリングホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、骨格部分をなす環状のリム部芯金と、前記リム部芯金の周方向の少なくとも一部の周りに設けられたヒータエレメントと、前記ヒータエレメントを被覆する少なくとも一層の被覆部とを有するリム部を備え、前記ヒータエレメントは、断熱部として機能する可撓性の断熱シートと、前記断熱シート上に重ね合わされて熱伝導部として機能する熱伝導シートと、前記断熱シート及び前記熱伝導シート間に配置され、かつ通電により発熱する発熱体とを備え、全体として平面状をなしており、前記リム部芯金の外形形状に沿って撓ませられた状態で、前記断熱シートの前記発熱体とは反対側の面において前記リム部芯金に貼付けられていることを要旨とする。
【0009】
上記の構成によれば、リム部の表面温度が低いときにヒータエレメントの発熱体に通電されると、同発熱体が発熱する。この発熱体から発せられた熱は、熱伝導部として機能する熱伝導シートによって拡散されて、被覆部に伝達される。そのため、被覆部は温度分布の均一な状態で昇温させられる。その結果、リム部の表面において発熱体に対応する広い部分が均一に暖められる。
【0010】
また、発熱体の発した熱がリム部芯金に伝わる現象は、断熱部として機能する断熱シートによって抑制される。そのため、発熱体が発した熱のより多くが被覆部に伝えられて、同被覆部が効率よく昇温させられる。
【0011】
ところで、上記リム部の製造に際しては、ヒータエレメントがリム部芯金の外形形状に沿って撓ませられ、断熱シートの発熱体とは反対側の面においてリム部芯金に貼付けられる。この貼付けにより、リム部芯金の周りに、断熱部、発熱体及び熱伝導部が順に積層された状態で形成される。従って、断熱部を、金型を用いた成形によって形成する必要がなくなる。これに伴い、断熱部の成形のための金型が不要となって、その分、コスト低減が図られる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ヒータエレメントは、前記断熱シートの前記発熱体とは反対側の面に粘着層を有しており、前記粘着層において前記リム部芯金に貼付けられていることを要旨とする。
【0013】
上記の構成によれば、ヒータエレメントがリム部芯金の外形形状に沿って撓ませられて、粘着層がリム部芯金に付着すると、同ヒータエレメントはリム部芯金に貼付けられた状態となる。この粘着層はヒータエレメントの一部として予め設けられたものであるため、ヒータエレメントの貼付け時に、リム部芯金や断熱シートに粘着層を設けなくてもすむ。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記ヒータエレメントは、前記断熱シート及び前記熱伝導シートにおいて切欠き部を有していることを要旨とする。
【0015】
上記の構成によれば、リム部芯金が環状をなし三次元曲面を有しているのに対し、ヒータエレメントが平面状をなしている。そのため、リム部芯金にヒータエレメントを貼付ける際、ヒータエレメントに貼付けに関与しない余剰部分が生じ、皺が入るおそれがある。この点、ヒータエレメントが断熱シート及び熱伝導シートにおいて切欠き部を有している請求項3に記載の発明では、この切欠き部が、上記余剰部分の発生を吸収する。そのため、ヒータエレメントに皺が入りにくい。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記被覆部は樹脂を成形することにより形成されたものであることを要旨とする。
ここで、仮にヒータエレメントの表面の凹凸形状がリム部の表面(意匠面)に浮き出ると、外観品質を損なう。しかし、ヒータエレメントの周りに設けられた被覆部は、請求項4に記載の発明では、樹脂を成形することにより形成される。そのため、リム部の表面は、ヒータエレメントの表面の凹凸形状の影響を受けにくい。従って、リム部の表面を平滑又はそれに近い状態の面とすることが可能である。その結果、ヒータエレメントに起因する外観品質の低下が抑制される。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記リム部芯金には溝部が設けられ、前記断熱シートに接触した状態の充填部が前記溝部内に充填されており、前記被覆部及び前記充填部は、前記断熱シートに対し相溶性を有する樹脂を成形することにより、相互に繋がった状態で形成されていることを要旨とする。
【0018】
上記の構成によれば、ヒータエレメントの周りに設けられた被覆部は、リム部芯金の溝部内に充填された充填部と相互に繋がっている。そのため、運転者がリム部を握って回転操作(操舵)をする際に、被覆部がヒータエレメントから剥がれることが充填部によって規制される。
【0019】
また、被覆部及び充填部は、断熱シートに対し相溶性を有する樹脂からなる。そのため、充填部は断熱シートに付着して一体となった状態となる。表現を変えると、被覆部は充填部を介して断熱シートに付着した状態となる。そのため、上記のように、被覆部がヒータエレメントから剥がれることがより一層規制される。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記リム部芯金には溝部が設けられ、前記溝部の内壁面は平面部を有しており、前記ヒータエレメントにおいて相対向する一対の対向縁部の少なくとも一方が前記溝部内に入り込み、前記平面部に貼付けられていることを要旨とする。
【0021】
断熱シートは、撓ませられると元の形に戻ろうとする弾性復元力を有する。そのため、ヒータエレメントの対向縁部は、リム部芯金の曲面部に沿って撓ませられて貼付けられた場合には剥がれるおそれがある。この点、請求項6に記載の発明では、ヒータエレメントの一対の対向縁部の少なくとも一方が溝部内に入り込んで平面部に貼付けられている。平面部に貼付けられた対向縁部は、曲面部に貼付けられる場合ほど撓ませられず、弾性復元力も小さい。そのため、溝部の平面部に貼付けられた対向縁部は、その平面部から剥がれにくい。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記リム部芯金は表面に平面部を有しており、前記ヒータエレメントにおいて相対向する一対の対向縁部は、互いに接近させられた状態で前記平面部に貼付けられていることを要旨とする。
【0023】
断熱シートは、撓ませられると元の形に戻ろうとする弾性復元力を有する。そのため、ヒータエレメントの対向縁部は、リム部芯金の曲面部に沿って撓ませられて貼付けられた場合には剥がれるおそれがある。この点、請求項7に記載の発明では、ヒータエレメントの一対の対向縁部は、互いに接近させられた状態でリム部芯金の表面の平面部に貼付けられている。平面部に貼付けられた対向縁部は、曲面部に貼付けられる場合ほど撓ませられず、弾性復元力も小さい。そのため、リム部芯金の表面の平面部に貼付けられた両対向縁部は、その平面部から剥がれにくい。
【発明の効果】
【0024】
本発明のステアリングホイールによれば、断熱シート及び熱伝導シートによって発熱体を挟み込んだ構造のヒータエレメントをリム部芯金に貼付ける構成を採用したため、ヒータ機能を損なうことなくコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を具体化した一実施形態におけるステアリングホイールの側面図。
【図2】図1のステアリングホイールのA矢視図。
【図3】(A)は図2におけるX−X線に沿ったリム部の断面構造を拡大して示す断面図、(B)は図3(A)中のリム部芯金のみを示す断面図。
【図4】図2におけるY−Y線に沿ったリム部の断面構造を拡大して示す断面図。
【図5】一実施形態において、リム部芯金にヒータエレメントが貼付けられた状態を示す断面図。
【図6】リム部芯金に貼付けられる前の平面状のヒータエレメントを示す平面図。
【図7】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部の断面図。
【図8】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部の断面図。
【図9】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部芯金にヒータエレメントが貼付けられた状態を示す断面図。
【図10】図9のヒータエレメントの周りに被覆部を設けてなるリム部の断面図。
【図11】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部の断面図。
【図12】ステアリングホイールの別の実施形態を示す図であり、リム部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を車両用ステアリングホイールに具体化した一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、車両の運転席よりも前方(図1の左方)には、回転軸線L1を中心として回転するステアリングシャフト(操舵軸)11が、運転席側(図1の右側)ほど高くなるように傾斜した状態で配設されている。ステアリングシャフト11の後端部には、本実施形態のステアリングホイール12が一体回転可能に取付けられている。
【0027】
ステアリングホイール12は、リム部(ハンドル部、リング部と呼ばれることもある)13、パッド部14及びスポーク部16を備えている。リム部13は、運転者によって把持されて回転操作(操舵)される部分であり、上記回転軸線L1を中心とした略円環状をなしている(図2参照)。
【0028】
パッド部14は、リム部13によって囲まれた空間に配置されている。パッド部14の前側部分はロアカバー15によって構成されている(図1参照)。スポーク部16は、リム部13及びパッド部14間に複数本(ここでは3本)設けられている。
【0029】
なお、回転操作(操舵)されるリム部13における周方向の位置を特定するために、本実施形態では、車両が直進しているときの状態(中立状態)を基準に、「上」、「下」、「左」、「右」を規定するものとする。
【0030】
図3(A)は、図2のX−X線に沿ったリム部13の断面構造を示し、図4は、図2のY−Y線に沿ったリム部13の断面構造、すなわち、リム部13の左側部分の断面構造を示している。なお、リム部13の右側部分の断面構造は、上記左側部分の断面構造と同様である。そのため、この右側部分の断面構造については説明を省略する。なお、図3(A),(B)及び図4の各々において、右側は車両後側(運転席側)を示し、左側は車両前側を示している。
【0031】
ステアリングホイール12の上記リム部13、スポーク部16及びパッド部14の各内部には、鉄、アルミニウム、マグネシウム、又はこれらの合金等によって形成された芯金が配設されている。この芯金のうち、リム部13内に位置するものは、図3(A)及び図4に示すように、同リム部13の骨格部分をなすものであって、運転者側から見て略円環状をなしており、リム部芯金20と呼ばれる。
【0032】
リム部芯金20は、リム部13の表面から内方へ離れた箇所に配置されている。図3(B)に示すように、リム部芯金20は、上記回転軸線L1を中心とする円環状の外環状部21と、回転軸線L1を中心とし、かつ外環状部21よりもやや小径の円環状の内環状部22と、回転軸線L1を中心とする円環状をなし、かつ上記外環状部21及び内環状部22をそれらの後部で繋ぐ連結環状部23とを備えている。そして、外環状部21、内環状部22及び連結環状部23によって囲まれた空間は、リム部芯金20の前面において開口する溝部24となっている。この溝部24は、リム部13の略全周にわたって設けられている。こうした溝部24を有する構造を採ることで、リム部芯金20は略U字形の断面形状を有している。
【0033】
連結環状部23は、後方へ膨らむように湾曲する曲面部25を有している。外環状部21は、前方へ膨らむように湾曲する曲面部26を前端に有している。外環状部21において、上記両曲面部25,26によって挟まれた箇所には、2つの平面部27が形成されている。内環状部22は、前方へ膨らむように湾曲する曲面部28を前端に有している。内環状部22において、上記両曲面部25,28によって挟まれた箇所には、2つの平面部29が形成されている。さらに、溝部24の内壁面は、相対向する一対の平面部31を有している。
【0034】
リム部13の周方向についての一部(後述するヒータエレメント40の配置されていない部分)では、図3(A)に示すように、リム部芯金20が被覆部35のみによって被覆されている。被覆部35は、ポリウレタンを用いて樹脂成形することによって形成されている。被覆部35の表面は、凹凸の少ない平滑な面となっており、リム部13の意匠面を構成している。
【0035】
図2において破線で示すように、リム部13の周方向について、多くの運転者が握る箇所である左右両側部にはヒータエレメント40が組込まれている。図4及び図5に示すように、ヒータエレメント40は、断熱シート41、熱伝導シート43、発熱体45及び粘着層47を備えており、上記リム部芯金20と被覆部35との間に配置されている。
【0036】
断熱シート41は、可撓性を有する断熱材料によって、厚みが均一(本実施形態では2〜3mm程度)な板状に形成されており、断熱部として機能する。この断熱材料としては、弾性を有していて柔軟な樹脂材料、例えば、ウレタン、ゴム等が適している。特に、断熱性を高めるうえでは、断熱シート41は発泡体であることが好ましい。さらに、断熱シート41は、上記被覆部35に対し相溶性を有する樹脂材料によって形成されていることが好ましい。相溶性は、同種又は類似の種類の材料である場合に良好となる。これらの条件を満たす樹脂材料として、本実施形態では、発泡ウレタンが用いられて断熱シート41が形成されている。
【0037】
熱伝導シート43は、発熱体45から発せられる熱を素早く拡散するためのものであり、上記断熱シート41よりも厚みが薄く、熱伝導率の高い材料によって形成されている。熱伝導シート43は、上記断熱シート41と同様にリム部芯金20に沿って撓ませられるものであるため、厚みの薄いものであることが好ましい。本実施形態では、熱伝導シート43としてアルミ箔によって形成されたものが用いられている。この熱伝導シート43は、上記断熱シート41上に重ね合わされ、接着等の固定手段によって同断熱シート41に固定されており、熱伝導部として機能する。
【0038】
発熱体45は、上記断熱シート41及び熱伝導シート43間に配置されている。発熱体45は、通電により発熱するものであればよく、例えば、電気抵抗が大きく、通電により発熱する線材(発熱用電線:電熱線)によって形成されている。図6に示すように、発熱体(電熱線)45は、ヒータエレメント40の長手方向(図6の上下方向)に波状をなすように繰り返し曲げられて配置されている。
【0039】
図4及び図5に示すように粘着層47は、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面において、その全面にわたって、均一の厚みに形成されている。
上記ヒータエレメント40は、展開された状態では、図6に示すように長尺状をなしている。このヒータエレメント40は、相対向した状態で長手方向に延びる一対の対向縁部48を有している。ヒータエレメント40における断熱シート41及び熱伝導シート43には、各対向縁部48の複数箇所から対向する対向縁部48側へ向けて延びる切欠き部49が形成されている。ここでは、各切欠き部49は、各対向縁部48から遠ざかるに従い幅狭となるように形成されている。
【0040】
なお、上記ヒータエレメント40では、熱伝導シート43及び粘着層47は、断熱シート41の端面には形成されておらず、同端面は露出している。
そして、図4及び図5に示すように、上記ヒータエレメント40は、両対向縁部48が溝部24の入口に位置するように、リム部芯金20の外形形状に沿って撓ませられ、上記粘着層47において、同リム部芯金20に貼付けられている。両対向縁部48での断熱シート41の端面41Aは、溝部24内に位置している。両対向縁部48の一方(図4及び図5の上方)は、外環状部21の曲面部26に貼付けられ、他方(図4及び図5の下方)は内環状部22の曲面部28に貼付けられている。両対向縁部48は、溝部24の入口において相互に接近又は接触している。溝部24の入口は、両対向縁部48によって塞がれた状態、又はそれに近い状態となっている。
【0041】
さらに、図4に示すように、リム部芯金20の溝部24内には、上記断熱シート41の両端面41Aに接触した状態で充填部51が充填されている。この充填部51と、上述した被覆部35とは、上記断熱シート41に対し相溶性を有する樹脂(ここではポリウレタン)を樹脂成形することにより、相互に繋がった状態で形成されている。
【0042】
このようにしてリム部13が構成されている。このリム部13の製造に際しては、図6に示すヒータエレメント40が、両対向縁部48が溝部24の入口に位置するように、リム部芯金20の外形形状に沿って撓ませられる。すなわち、ヒータエレメント40は、図5に示すように、両対向縁部48が溝部24の入口に位置するように、外環状部21の曲面部26及び両平面部27と、連結環状部23の曲面部25と、内環状部22の曲面部28及び両平面部29とに沿って撓ませられる。そして、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面に設けられた粘着層47がリム部芯金20に付着される。この際、一方(図5の上方)の対向縁部48が外環状部21の曲面部26に付着され、他方(図5の下方)の対向縁部48が内環状部22の曲面部28に付着される。これらの付着により、ヒータエレメント40は、粘着層47を介してリム部芯金20に貼付けられた状態となる。また、両対向縁部48が、溝部24の入口において相互に接近又は接触した状態となり、同入口が両対向縁部48によって塞がれた状態又はそれに近い状態となる。
【0043】
ここで、リム部芯金20は図1の矢印A方向から見た場合に円環状をなしている。また、リム部芯金20は、外環状部21、内環状部22及び連結環状部23を備えて、断面U字状をなしている(図3(B)参照)。このように、リム部芯金20は三次元曲面を有している。これに対し、リム部芯金20への貼付け前には、ヒータエレメント40は平面状をなしている(図6参照)。また、ヒータエレメント40の構成部材のうち、特に、熱伝導シート43は断熱シート41よりも伸びにくい。そのため、リム部芯金20にヒータエレメント40を貼付ける際、同ヒータエレメント40の貼付けに関与しない余剰部分が生じ、皺が入るおそれがある。この点、ヒータエレメント40における断熱シート41及び熱伝導シート43の複数箇所に切欠き部49が設けられている本実施形態では、これらの切欠き部49が上記余剰部分を吸収する。そのため、リム部芯金20に貼付けられた状態では、ヒータエレメント40に皺が入りにくい。
【0044】
また、発熱体45はヒータエレメント40の長手方向へ波状をなすように繰り返し曲げられて配置されている(図6参照)ため、ヒータエレメント40がリム部芯金20に沿って撓ませられたときに、同リム部芯金20の外形形状に追従しやすく、ヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付けやすい。
【0045】
なお、リム部芯金20に対する貼付けに際しては、断熱シート41は撓ませられるものの伸縮はさせられない。そのため、貼付けられた状態の断熱シート41は厚みが均一となる(図5参照)。
【0046】
そして、上記ヒータエレメント40の貼付けにより、リム部芯金20の周りに、断熱部として機能する断熱シート41、発熱体45、及び熱伝導部として機能する熱伝導シート43が順に配置される。従って、上述した特許文献1とは異なり、リム部芯金20の周りに断熱部を成形によって形成する必要がない。また、上記粘着層47はヒータエレメント40の一部として予め設けられたものであるため、ヒータエレメント40の貼付け時に、リム部芯金20や断熱シート41に粘着層47を設ける必要もない。
【0047】
さらに、上記ヒータエレメント40の貼付けられたリム部芯金20が、インサートとして金型(図示略)内に配置され、この金型内に溶融状態の樹脂材料が供給されて成形が行なわれる。この際、溶融状態の樹脂材料の多くが、ヒータエレメント40の周りに供給される。この供給された樹脂材料が反応により硬化することで、ヒータエレメント40の周りに被覆部35が形成される(図4参照)。また、上記溶融状態の樹脂材料の一部は、リム部芯金20の溝部24内にも充填される(図4参照)。この充填された溝部24内の樹脂材料が反応により硬化することで、同溝部24内には、断熱シート41の両端面41Aに接触し、かつ上記被覆部35と相互に繋がった状態の充填部51が形成される。
【0048】
また、上記被覆部35及び充填部51を形成する上記樹脂材料は、断熱シート41と同種であって、断熱シート41に対し相溶性を有する樹脂材料(この場合、ウレタン)からなる。そのため、充填部51は、断熱シート41に付着して一体となった状態となる。表現を変えると、被覆部35は充填部51を介して断熱シート41に付着した状態となる。
【0049】
ここで、リム部13の表面(意匠面)に仮にヒータエレメント40の表面の凹凸形状が浮き出ていると、外観品質を損なう。しかし、ヒータエレメント40の周りに設けられた被覆部35は、上記のように樹脂を成形することにより形成される。そのため、リム部13の表面は、ヒータエレメント40の表面の凹凸形状の影響を受けにくく平滑な面又はそれに近い状態の面となる。
【0050】
次に、上記のように製造されたリム部13を含む本実施形態のステアリングホイール12の作用について説明する。
冬期等において外気温が低く、リム部13の温度の低い状況下で車両の運転が開始される際に、ヒータエレメント40の発熱体45に通電されると、同発熱体45が発熱する。この発熱体45から発せられた熱は、熱伝導部として機能する熱伝導シート43によって拡散されて、被覆部35に伝達される。この熱伝達により、被覆部35は温度分布の均一な状態で早期に昇温させられる。その結果、リム部13の表面において発熱体45に対応する広い部分が均一に暖められる。
【0051】
また、リム部13では断熱シート41の厚みが均一となっている(図4参照)ことから、発熱体45からリム部13の表面までの距離についてばらつきが小さい。そのため、この点においても、被覆部35の温度分布を均一にするうえで有利である。
【0052】
ここで、リム部芯金20は、上述した種類の金属によって形成されていて高い熱伝導率を有する。そのため、発熱体45が仮にリム部芯金20に直接接触していると、発熱体45が発した熱はリム部芯金20に伝わりやすい。リム部芯金20に熱が伝わると、その分、発熱体45からリム部13(被覆部35)の表面に伝わる熱が少なくなる。
【0053】
しかし、本実施形態では、リム部芯金20と発熱体45との間に、所定の厚み(発熱体45の熱をリム部芯金20に伝わりにくくするのに必要な厚み)を有する断熱シート41が介在されており、この断熱シート41が断熱部として機能する。特に、断熱シート41は発泡体からなり、内部に多数の気孔を有していて、この気孔内の空気が断熱機能を発揮する。そのため、発熱体45の発した熱がリム部芯金20に伝わる現象は、断熱シート41によって抑制される。その結果、発熱体45が発した熱のより多くが被覆部35に伝えられて、同被覆部35が効率よく昇温させられる。
【0054】
また、本実施形態のステアリングホイール12では、ヒータエレメント40の周りの被覆部35と、リム部芯金20の溝部24内の充填部51とが相互に繋がっている。そのため、運転者がリム部13を握って回転操作(操舵)をする際に、被覆部35がヒータエレメント40から剥がれることが充填部51によって規制される。また、充填部51は断熱シート41に対し相溶性を有する樹脂材料によって形成されていて、同断熱シート41の端面41Aに付着して一体となっていて、充填部51の断熱シート41に対する剥離強度が高められている。被覆部35は、このような充填部51を介して断熱シート41に付着した状態となっている。そのため、被覆部35はヒータエレメント40からより一層剥がれにくい。
【0055】
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)リム部13として、リム部芯金20、ヒータエレメント40及び被覆部35を備えるものを採用する。ヒータエレメント40として、可撓性の断熱シート41と、断熱シート41上に重ね合わされる熱伝導シート43と、断熱シート41及び熱伝導シート43間に配置され、かつ通電により発熱する発熱体45とを備え、全体として平面状をなすものを用いる。そして、このヒータエレメント40を、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面においてリム部芯金20に貼付けている(図4)。
【0056】
そのため、上記断熱シート41及び熱伝導シート43により、ヒータエレメント40の発熱体45が発した熱のより多くを、被覆部35のうち発熱体45に対応する広い部分に伝達し、リム部13の表面を効率よく暖めることができる。
【0057】
また、ヒータエレメント40が、断熱部として機能する断熱シート41を含んでいるため、リム部芯金20の周りに断熱部を成形によって形成する必要がなくなる。これに伴い、断熱部の成形のための金型が不要となって、その分、コスト低減を図ることができる。
【0058】
また、ヒータエレメント40では、断熱シート41、発熱体45及び熱伝導シート43が一体となっているため、同ヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付ける作業を行なうだけで、同リム部芯金20の周りに、断熱シート41、発熱体45及び熱伝導シート43を一度に配置することができ、組付け工数を減らすことができる。
【0059】
(2)ヒータエレメント40として、断熱シート41の発熱体45とは反対側(内側)の面に粘着層47を有するものを用いる。そして、この粘着層47においてヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付けている(図4)。
【0060】
そのため、ヒータエレメント40の貼付け時に、リム部芯金20や断熱シート41に粘着層47を設けなくてもすみ、ヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付ける作業がより容易となる。
【0061】
(3)ヒータエレメント40として、断熱シート41及び熱伝導シート43に切欠き部49の設けられたものを用いている(図6)。
そのため、ヒータエレメント40をリム部芯金20に貼付ける際に皺を入りにくくすることができる。
【0062】
(4)樹脂を成形することによって、ヒータエレメント40の周りに被覆部35を形成している(図4)。
そのため、ヒータエレメント40の表面の凹凸形状がリム部13の意匠面に浮き出るのを抑制し、ヒータエレメント40に起因する外観品質の低下を抑制することができる。
【0063】
(5)リム部芯金20として溝部24を有しているものを用い、この溝部24内に、断熱シート41の端面41Aに接触した状態の充填部51を設ける。さらに、被覆部35及び充填部51を、断熱シート41に対し相溶性を有する樹脂を成形することにより、相互に繋がった状態で形成している(図4)。
【0064】
そのため、被覆部35のヒータエレメント40に対する剥離強度を高め、運転者がリム部13を握って回転操作(操舵)をする際に、被覆部35がヒータエレメント40から剥がれるのを抑制することができる。
【0065】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
<リム部芯金20について>
・リム部芯金20は、上記実施形態とは異なる断面形状を有するものであってもよい。例えば、リム部芯金20は溝部24が設けられていない断面形状を有するものであってもよいし、溝部24が複数設けられた断面形状を有するものであってもよい。
【0066】
<ヒータエレメント40の配置箇所について>
・リム部13のうち少なくとも運転者によって多く把持される箇所に組込まれることを条件に、リム部13におけるヒータエレメント40の配置箇所が変更されてもよい。
【0067】
・ヒータエレメント40は、リム部13の全周にわたって設けられてもよい。
<ヒータエレメント40の貼付け態様について>
・断熱シート41は、撓ませられると元の形に戻ろうとする弾性復元力を有する。そのため、ヒータエレメント40の対向縁部48は、リム部芯金20の曲面部、例えば、外環状部21の曲面部26、内環状部22の曲面部28に貼付けられた場合には剥がれるおそれがある。
【0068】
そこで、図7に示すように、リム部芯金20が上記実施形態と同様、外環状部21に平面部27を有し、内環状部22に平面部29を有している場合には、ヒータエレメント40の両対向縁部48は、互いに接近させられた状態で平面部27(又は29)に貼付けられてもよい。このようにすると、平面部27(又は29)に貼付けられた対向縁部48は、曲面部26,28に貼付けられる場合ほど撓ませられない。平面部27(又は29)に貼付けられた対向縁部48の弾性復元力は、曲面部26,28に貼付けられた場合の弾性復元力よりも小さい。そのため、対向縁部48はリム部芯金20から剥がれにくくなる。
【0069】
また、ヒータエレメント40の両対向縁部48は、リム部芯金20の曲面部26,28に貼付けられる場合であっても、その貼付けに関する面積が小さい方が剥がれにくい。このことから、例えば、図8に示すように、ヒータエレメント40の一方(図8の上方)の対向縁部48は、外環状部21の曲面部26の一部に対してのみ貼付けられてもよい。また、他方(図8の下方)の対向縁部48は、内環状部22の曲面部28の一部に対してのみ貼付けられてもよい。
【0070】
さらに、リム部芯金20における溝部24の内壁面が、上記実施形態と同様に平面部31を有している場合には、両対向縁部48の少なくとも一方が溝部24内に入り込ませられ、平面部31に貼付けられてもよい。図9及び図10は、一方(図9及び図10の下方)の対向縁部48のみが溝部24内で平面部31に貼付けられた例を示している。この場合、上記一方の対向縁部48は、図9において二点鎖線で示すように、曲面部28に沿って湾曲させられつつ溝部24内に入り込ませられ、平面部31に貼付けられる。平面部31に貼付けられた対向縁部48は、曲面部28に沿って湾曲させられた箇所ほど撓ませられておらず、弾性復元力も小さい。そのため、この場合にも、対向縁部48をリム部芯金20から剥がれにくくすることができる。この効果は、対向縁部48において、溝部24内に入り込んでいる部分が長くなるほど(平面部31での貼付けに関する面積が大きくなるほど)大きくなる。
【0071】
ただし、両対向縁部48をともに、溝部24内の奥深くまで入り込ませて、内壁面の平面部31に貼付けることは難しい。後から溝部24内に入り込ませられる対向縁部48については、その粘着層47が、先に溝部24の平面部31に貼付けられた対向縁部48に付着して、溝部24内に入り込みにくくなるからである。
【0072】
そのため、この場合には、例えば図9に示すように、他方(図9の上方)の対向縁部48については、溝部24内に入り込ませず、曲面部26の一部に貼付けるにとどまらせてもよい。
【0073】
<断熱シート41について>
・断熱シート41として、発泡されていないものが用いられてもよい。
<熱伝導シート43について>
・熱伝導シート43は、発熱体45が発した熱を素早く拡散できるものであればよく、アルミ箔とは異なる材料によって形成されたものが熱伝導シート43として用いられてもよい。例えば、熱伝導シート43は、銅箔からなるものであってもよい。
【0074】
<発熱体45について>
・発熱体45は通電により発熱するものであればよく、上述した電熱線とは異なるものが発熱体45として用いられてもよい。例えば、絶縁シート上に抵抗体層が形成されたものが発熱体45とされてもよい。
【0075】
・発熱体45は、上記実施形態とは異なる態様で、断熱シート41及び熱伝導シート43間に配置されてもよい。例えば、発熱体45は、ヒータエレメント40の短手方向に波状をなすように繰り返し曲げられて配置されてもよい。
【0076】
<粘着層47について>
・ヒータエレメント40における粘着層47が割愛されてもよい。この場合、ヒータエレメント40は、例えば接着剤によってリム部芯金20に貼付けられてもよい。
【0077】
<切欠き部49について>
・切欠き部49は、上記実施形態とは異なる形状に形成されてもよい。
・ヒータエレメント40の長手方向における切欠き部49の位置及び数が変更されてもよい。
【0078】
・切欠き部49として、上記実施形態で示したものに対し直交する方向(図6の上下方向)へ延びるものがさらに形成されてもよい。
<充填部51について>
・図11に示すように、ヒータエレメント40によって溝部24の入口が閉塞される場合には、その閉塞部分に孔61が貫通され、この孔61を通じて被覆部35と充填部51とが連結されてもよい。このようにすると、被覆部35と充填部51との連結強度が高まり、運転者がリム部13を握って回転操作(操舵)をする際に、被覆部35がヒータエレメント40からより一層剥がれにくくなる。
【0079】
<被覆部35について>
・図12に示すように、ヒータエレメント40を被覆する上記被覆部35の周りにさらに別の被覆部62が設けられてもよい。後者の被覆部62は、例えば、皮革等からなる表皮であってもよい。上記図7、図8、図10及び図11で説明したステアリングホイール12についても同様の変更が行なわれてもよい。
【0080】
この場合には、ヒータエレメント40の周りに表皮を直接巻付ける場合とは異なり、表皮の表面(リム部13の意匠面)にヒータエレメント40の表面の凹凸形状が浮き出にくく、ヒータエレメント40に起因する外観品質の低下が生じにくい。
【0081】
・ヒータエレメント40の外形形状の浮き出しがさほど目立たない場合や、多少の浮き出しであれば問題としない場合等には、上記実施形態の被覆部35に代えて、同ヒータエレメント40の周りに皮革が直接巻付けられて被覆部とされてもよい。
【0082】
<その他>
・本発明は、車両に限らず、航空機、船舶等のほかの乗り物における操舵装置のステアリングホイールに適用することもできる。この場合、車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
【符号の説明】
【0083】
12…ステアリングホイール、13…リム部、20…リム部芯金、24…溝部、27,29,31…平面部、35,62…被覆部、40…ヒータエレメント、41…断熱シート、43…熱伝導シート、45…発熱体、47…粘着層、48…対向縁部、49…切欠き部、51…充填部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨格部分をなす環状のリム部芯金と、
前記リム部芯金の周方向の少なくとも一部の周りに設けられたヒータエレメントと、
前記ヒータエレメントを被覆する少なくとも一層の被覆部と
を有するリム部を備え、
前記ヒータエレメントは、断熱部として機能する可撓性の断熱シートと、前記断熱シート上に重ね合わされて熱伝導部として機能する熱伝導シートと、前記断熱シート及び前記熱伝導シート間に配置され、かつ通電により発熱する発熱体とを備え、全体として平面状をなしており、前記リム部芯金の外形形状に沿って撓ませられた状態で、前記断熱シートの前記発熱体とは反対側の面において前記リム部芯金に貼付けられていることを特徴とするステアリングホイール。
【請求項2】
前記ヒータエレメントは、前記断熱シートの前記発熱体とは反対側の面に粘着層を有しており、前記粘着層において前記リム部芯金に貼付けられている請求項1に記載のステアリングホイール。
【請求項3】
前記ヒータエレメントは、前記断熱シート及び前記熱伝導シートにおいて切欠き部を有している請求項1又は2に記載のステアリングホイール。
【請求項4】
前記被覆部は樹脂を成形することにより形成されたものである請求項1〜3のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
【請求項5】
前記リム部芯金には溝部が設けられ、前記断熱シートに接触した状態の充填部が前記溝部内に充填されており、
前記被覆部及び前記充填部は、前記断熱シートに対し相溶性を有する樹脂を成形することにより、相互に繋がった状態で形成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
【請求項6】
前記リム部芯金には溝部が設けられ、前記溝部の内壁面は平面部を有しており、
前記ヒータエレメントにおいて相対向する一対の対向縁部の少なくとも一方が前記溝部内に入り込み、前記平面部に貼付けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
【請求項7】
前記リム部芯金は表面に平面部を有しており、前記ヒータエレメントにおいて相対向する一対の対向縁部は、互いに接近させられた状態で前記平面部に貼付けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
【請求項1】
骨格部分をなす環状のリム部芯金と、
前記リム部芯金の周方向の少なくとも一部の周りに設けられたヒータエレメントと、
前記ヒータエレメントを被覆する少なくとも一層の被覆部と
を有するリム部を備え、
前記ヒータエレメントは、断熱部として機能する可撓性の断熱シートと、前記断熱シート上に重ね合わされて熱伝導部として機能する熱伝導シートと、前記断熱シート及び前記熱伝導シート間に配置され、かつ通電により発熱する発熱体とを備え、全体として平面状をなしており、前記リム部芯金の外形形状に沿って撓ませられた状態で、前記断熱シートの前記発熱体とは反対側の面において前記リム部芯金に貼付けられていることを特徴とするステアリングホイール。
【請求項2】
前記ヒータエレメントは、前記断熱シートの前記発熱体とは反対側の面に粘着層を有しており、前記粘着層において前記リム部芯金に貼付けられている請求項1に記載のステアリングホイール。
【請求項3】
前記ヒータエレメントは、前記断熱シート及び前記熱伝導シートにおいて切欠き部を有している請求項1又は2に記載のステアリングホイール。
【請求項4】
前記被覆部は樹脂を成形することにより形成されたものである請求項1〜3のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
【請求項5】
前記リム部芯金には溝部が設けられ、前記断熱シートに接触した状態の充填部が前記溝部内に充填されており、
前記被覆部及び前記充填部は、前記断熱シートに対し相溶性を有する樹脂を成形することにより、相互に繋がった状態で形成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
【請求項6】
前記リム部芯金には溝部が設けられ、前記溝部の内壁面は平面部を有しており、
前記ヒータエレメントにおいて相対向する一対の対向縁部の少なくとも一方が前記溝部内に入り込み、前記平面部に貼付けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
【請求項7】
前記リム部芯金は表面に平面部を有しており、前記ヒータエレメントにおいて相対向する一対の対向縁部は、互いに接近させられた状態で前記平面部に貼付けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−60149(P2013−60149A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200913(P2011−200913)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
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