説明

ステアロイル−補酵素Aデルタ−9デサチュラーゼの阻害剤としてのアザシクロアルカン誘導体

構造式(I)のアザシクロアルカン誘導体は、他の公知のステアロイル−補酵素Aデサチュラーゼと比較してステアロイル−補酵素Aデルタ−9デサチュラーゼ(SCD1)の選択的阻害剤である。本発明の化合物は、アテローム性動脈硬化症のような心臓血管疾患;肥満症;糖尿病;神経性疾患;メタボリックシンドローム;インシュリン抵抗性及び肝脂肪症を含む異常脂質合成及び代謝障害に関連する病状の予防及び治療に有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアロイル−補酵素Aデルタ−9デサチュラーゼ(SCD)の阻害剤であるアザシクロアルカン誘導体、及びSCD活性により媒介される病状又は疾患を制御、予防及び/又は治療するためのこのような化合物の使用に関する。本発明の化合物は、アテローム性動脈硬化症のような心臓血管疾患;肥満症;糖尿病;神経系の疾患;メタボリックシンドローム;インシュリン抵抗性;癌及び肝脂肪変性を含む異常脂質合成及び代謝に関連した病状及び疾患の制御、予防及び治療のために有用である。
【背景技術】
【0002】
哺乳類において、少なくも3種のクラスの脂肪酸アシル−補酵素A(CoA)デサチュラーゼ(デルタ−5、デルタ−6及びデルタ−9デサチュラーゼ)が、食餌源又はデノボ合成のいずれか由来のモノ−及びポリ不飽和脂肪酸アシル−CoAにおける二重結合生成の任を負っている。デルタ−9特異的ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCDs)は、モノ不飽和脂肪酸アシル−CoAのC9−C10位におけるシス−二重結合の律速的な形成を触媒する。好ましい基質は、ステアロイル−CoA及びパルミトイル−CoAであり、オレオイル及びパルミトレオイル−CoAがリン脂質、トリグリセリド、コレステロールエステル及びろうエステルの生合成における主要な成分として生じる(Dobrzyn and Natami,Obesity Reviews,6:169−174(2005))。
【0003】
ラット肝臓のミクロソームSCDタンパク質は、1974年に最初に分離され、特徴づけられた(Strittmatter et al.,PNAS,71:4565−4569(1974))。それ以来、いろいろな種由来の多くの哺乳類SCD遺伝子がクローニングされ研究された。例えば、ラットから2種の遺伝子(SCD1及びSCD2、Thie de et al.,J.Biol.Chem.,261,13230−13235(1986)),Mihara,K.,J.Biochem.(Tokyo),108:1022−1029(1990));マウスから4種の遺伝子(SCD1、SCD2、SCD3及びSCD4)(Miyazaki et al.,J. Biol.Chem.,278:33904−33911(2003));ヒトから2種の遺伝子(SCD1及びACOD4(SCD2))(Zhang,et al.,Biochem.J.,340:255−264(1991);Beiraghi,et al.,Gene,309:11−21(2003);Zhang et al.,Biochem.J.,388:135−142(2005))が同定された。ラット及びマウスにおける脂肪酸代謝におけるSCDsの関与は1970年代から知られている(Oshino,N.,Arch.Biochem.Biophys.,149:378−387(1972))。これは、更にa)SCD1遺伝子に自然変異を有するアセビアマウス(Zheng et al.,Nature Genetics,23:268−270(1999))、b)標的遺伝子欠失に由来するSCD1−ヌルマウス(Ntambi,et al.,PNAS,99:11482−11486(2002))、及びc)レプチンに誘導される体重減少の間のSCD1発現抑制(Cohen et al.,Science,297:240−243(2002))、の生物学的研究によって支持されている。SCD活性の薬理学的阻害の潜在的利益は、マウスにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害剤(ASO)を用いて証明されている(Jiang,et al.,J.Clin.Invest.,115:1030−1038(2005))。SCD活性のASO阻害は、初代マウス肝細胞において、脂肪酸合成を減少し、脂肪酸の酸化を増加する。SCD−ASOsによるマウスの処置は、食餌に誘導される肥満症の予防、脂肪過多症、肝腫大、脂肪変性、食後の血漿インシュリン及びグルコース濃度の減少、脂肪酸デノボ合成の減少、脂質合成遺伝子の発現の減少及び肝臓及び脂肪組織におけるエネルギー消費を促進する遺伝子の発現の増加を招く。従って、SCD阻害は、肥満症及び関連する代謝障害の治療における新規な治療方針となる。
【0004】
ヒトにおいて、上昇したSCD活性がいくつかの一般の疾患経過において直接関係することを支持することを受け入れざるを得ない証拠がある。例えば、非アルコール性脂肪肝疾患の患者におけるトリグリセライドの分泌に対する肝臓の脂肪合成の増加がある(Diraison,et al.,Diabetes Metabolism,29:478−485(2003);Donnelly,et al.,J.Clin.Invest.,115:1343−1351(2005))。食後のデノボ脂肪合成は、肥満症患者において有意に増加する(Marques−Lopes,et al.,American Journal of Clinical Nutrition,73:252−261(2001))。高いSCD活性と、血漿トリグリセリドの増加、高い肥満度指数と血漿HDLの減少を含む心血管系リスクプロフィールの増加との間には顕著な関係がある(Attie,et al.,J.Lipid Res.,43:1899−1907(2002))。SCD活性は、ヒトの形質転換細胞の増殖及び生存の制御において重要な役割を果たしている(Scaglia and Igal,J.Biol.Chem.,(2005))。
【0005】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチド以外に、SCD活性の阻害剤には、非選択的チア脂肪酸基質類似体[B.Behrouzian and P.H.Buist,Prostaglandins,Leukotrienes,and Essential Fatty Acids,68:107−112(2003)]、シクロプロペノイド脂肪酸(Raju and Reiser,J.Biol.Chem.,242:379−384(1967))、特定の共役長鎖脂肪酸異性体(Park,et al.,Biochim.Biophys.Acta,1486:285−292(2000))、全てXenon Pharmaceuticals,Inc.に譲受された国際特許出願公開WO 2005/011653、国際特許出願公開WO 2005/011654、国際特許出願公開WO 2005/011656、国際特許出願公開WO 2005/011656、国際特許出願公開WO 2005/011657に開示されたピリダジン誘導体のシリーズ、全てXenon Pharmaceuticals,Inc.に譲受された国際特許出願公開されている国際特許出願公開WO 2006/014168、国際特許出願公開WO 2006/034279、国際特許出願公開WO 2006/034312、国際特許出願公開WO 2006/034315、国際特許出願公開WO 2006/034338、国際特許出願公開WO 2006/034341、国際特許出願公開WO 2006/034440、国際特許出願公開WO 2006/034441、国際特許出願公開WO 2006/034446に開示されたヘテロ環誘導体のシリーズが含まれる。
【0006】
本発明は、ステアロイル−CoAデルタ−9デサチュラーゼの阻害剤としての新規なアザシクロアルカン誘導体に関し、これは、限定はされないが、非アルコール性脂肪肝疾患、心臓血管疾患、肥満症、糖尿病、メタボリックシンドローム及びインシュリン抵抗性として例示される脂質濃度の上昇に関連するSCD活性により媒介される種々の病状及び疾患の治療及び/又は予防に有用である。
【0007】
脂質代謝におけるステアロイル−補酵素Aデサチュラーゼの役割は、M.Miyazaki and J.M.Ntambi,Prostaglandins,Leukotrienes,and Essential Fatty Acids,68:113−121(2003)に開示されている。SCD活性の薬理学的処置の治療の可能性は、A.Dobryzn and J.M.Ntambi,in“Stearoyl−CoA desaturase as a new drug target for obesity treatment,”Obesity Reviews,6:169−174(2005)に開示されている。
【発明の概要】
【0008】
発明の要旨
本発明は、構造式I:
【0009】
【化1】

のアザシクロアルカン誘導体に関する。
【0010】
これらのアザシクロアルカン誘導体は、SCDの阻害剤として有効である。従って、これらは、糖尿病、インシュリン抵抗性、脂質障害、肥満症、アテローム性動脈硬化症及びメタボリックシンドロームのようなSCDの阻害に応答する障害の治療、制御又は予防に有用である。
【0011】
本発明は、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物にも関する。
【0012】
本発明は、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、治療、制御又は予防を必要とする患者における、SCDの阻害に応答する障害、疾患又は病状を治療、制御又は予防する方法にも関する。
【0013】
本発明は、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することによる、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、肥満症、脂質障害、アテローム性動脈硬化症及びメタボリックシンドロームを治療、制御又は予防する方法にも関する。
【0014】
本発明は、本発明の化合物を、肥満症を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療上有効な量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、制御又は予防する方法にも関する。
【0015】
本発明は、本発明の化合物を、2型糖尿病を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療上有効な量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、制御又は予防する方法にも関する。
【0016】
本発明は、本発明の化合物を、アテローム性動脈硬化症を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療上有効な量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、制御又は予防する方法にも関する。
【0017】
本発明は、本発明の化合物を、脂質障害を治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療上有効な量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療、制御又は予防する方法にも関する。
【0018】
本発明は、本発明の化合物を、メタボリックシンドロームを治療するのに有用であることが知られている他の薬剤の治療上有効な量と組み合わせて投与することによる、前記病状を治療する方法にも関する。
【0019】
発明の詳細な記載
本発明は、SCDの阻害剤として有用なアザシクロアルカン誘導体に関する。本発明の化合物は、式I:
【0020】
【化2】

【0021】
[式中、
qは0又は1であり;
rは0又は1であり;
ZはO、S又はNRであり;
X−Yは、N−C(O)、N−CR、CR14−O、CR14−S(O)0−2又はCR13−CRであり;
及びRは、それぞれ独立して水素であるか、又はC1−3アルキルであり、ここで、アルキルは、フッ素及びヒドロキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
Wは:
【0022】
【化3】

【0023】
からなる群から選択されるヘテロアリールであり;
は:
【0024】
【化4】

【0025】
からなる群から選択されるヘテロアリールであり、ここで、Rは、−(CHCOH、−(CHCO1−3アルキル、−(CH−Z−(CHCOH又は−(CH−Z−(CHCO1−3アルキルであり、ここで、(CH又は(CH中の任意のメチレン(CH)炭素原子は、1個のヒドロキシ、1個のアミノ若しくは1〜2個のフッ素で置換されていてもよく、ここで、前記Rヘテロアリール環は、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルホニル及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1個の置換基で置換されていてもよく;
各Rは、独立して:
水素、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
シアノ、
アミノ、
ニトロ、
1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルキル、
1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、
1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルキルチオ、
1−4アルキルスルホニル、
カルボキシ、
1−4アルキルオキシカルボニル、及び
1−4アルキルカルボニルからなる群から選択され;
Arは、1〜5個のR置換基で置換されていてもよい、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり;
各Rは、独立して:
1−6アルキル、
2−6アルケニル、
(CH−フェニル、
(CH−ナフチル、
(CH−ヘテロアリール、
(CH−ヘテロシクリル、
(CH3−7シクロアルキル、
ハロゲン、
ニトロ、
(CHOR
(CHN(R
(CHC≡N、
(CHCO
(CHNRSO
(CHSON(R
(CHS(O)0−2
(CHNRC(O)N(R
(CHC(O)N(R
(CHNRC(O)R
(CHNRCO
(CHC(O)R
O(CHC(O)N(R
(CH−Z−(CH−フェニル、
(CH−Z−(CH−ナフチル、
(CH−Z−(CH−ヘテロアリール、
(CH−Z−(CH−ヘテロシクリル、
(CH−Z−(CH−C3−7シクロアルキル、
(CH−Z−(CH−OR
(CH−Z−(CH−N(R
(CH−Z−(CH−NRSO
(CH−Z−(CH−C≡N、
(CH−Z−(CH−CO
(CH−Z−(CH−SON(R
(CH−Z−(CH−S(O)0−2
(CH−Z−(CH−NRC(O)N(R
(CH−Z−(CH−C(O)N(R
(CH−Z−(CH−NRC(O)R
(CH−Z−(CH−NRCO
(CH−Z−(CH−C(O)R
CF
CHCF
OCF、及び
OCHCFからなる群から選択され、ここで、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;ここでR中の任意のメチレン(CH)炭素原子は、フッ素、ヒドロキシ及びC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよく、又は2個の置換基が同一のメチレン(CH)上にある場合、それらが結合する炭素原子と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
各Rは、独立して、
水素、
1−6アルキル、
(CH−フェニル、
(CH−ヘテロアリール、
(CH−ナフチル、及び
(CH3−7シクロアルキルからなる群から選択され、
ここで、アルキル、フェニル、ヘテロアリール及びシクロアルキルは、ハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、又は2個のR基が、それらが結合する原子と一緒になって、O、S、NH及びNC1−4アルキルから選択される追加のヘテロ原子を含んでもよい4〜8員環の単環又は二環式環を形成し;
、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、フッ素又はC1−3アルキルであり、ここで、アルキルは、フッ素及びヒドロキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
13は、水素、C1−3アルキル、フッ素又はヒドロキシであり;
各R14は、水素又はC1−3アルキルであり;
各mは、独立して0〜4の整数であり;
各pは、独立して1〜3の整数であり;
各nは、独立して0〜2の整数であり;
各sは、独立して1〜3の整数であり;そして
各tは、独立して1〜3の整数である]又は薬学的に許容されるその塩によって記述される。
【0026】
本発明の化合物の一実施態様においては、mは1又は2である。この実施態様の一クラスにおいては、mは1である。
【0027】
本発明の化合物の第二の実施態様においては、q及びrは、いずれも1であり、6員環ピペリジン環が得られる。
【0028】
本発明の化合物の第三の実施態様においては、qは1であり、rは0であり、5員環ピロリジン環が得られる。
【0029】
本発明の化合物の第四の実施態様においては、q及びrがいずれも0であり、4員環アゼチジン環が得られる。
【0030】
本発明の化合物の第五の実施態様においては、X−YはN−C(O)である。この実施態様の一クラスにおいては、Arは、1〜3個の前述したようなR置換基で置換されているフェニルである。
【0031】
本発明の化合物の第六の実施態様においては、X−YはCH−Oである。この実施態様の一クラスにおいては、Arは、1〜3個の前述したようなR置換基で置換されているフェニルである。
【0032】
本発明の化合物の第七の実施態様においては、X−YはCH−S(O)である。この実施態様の一クラスにおいては、Arは、1〜3個の前述したようなR置換基で置換されているフェニルである。
【0033】
本発明の化合物の第八の実施態様においては、X−YはN−CRである。この実施態様の一クラスにおいては、Arは、1〜3個の前述したようなR置換基で置換されているフェニルである。このクラスの更に他のクラスにおいては、R及びRは水素であり、Arは1〜3個のR置換基で置換されているフェニルである。
【0034】
本発明の化合物の第九の実施態様においては、X−YはCR13−CRである。この実施態様の一クラスにおいては、Arは、1〜3個の前述したようなR置換基で置換されているフェニルである。この実施態様の更に他のクラスにおいては、R、R及びR13は水素であり、Arは、1〜3個のR置換基で置換されているフェニルである。
【0035】
本発明の化合物の更なる実施態様においては、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ水素である。
【0036】
本発明の化合物の更なる実施態様においては、Wは、
【0037】
【化5】

【0038】
からなる群から選択されるヘテロアリールであり、ここで、R及びRは前記の通りである。この実施態様の一クラスにおいては、Rは水素である。
【0039】
この実施態様の他のクラスにおいては、Wは、
【0040】
【化6】

であり、ここで、R及びRは前記の通りである。
【0041】
更なる実施態様においては、Rは、
【0042】
【化7】

【0043】
からなる群から選択されるヘテロアリールであり、ここで、Rは−CHCOH又は−CHCO1−3アルキルである。この実施態様の一クラスにおいては、R
【0044】
【化8】

【0045】
である。
【0046】
本発明の化合物の更なる実施態様においては、q及びrはいずれも1であり;X−YはCH−Oであり;Wは、
【0047】
【化9】

【0048】
からなる群から選択されるヘテロアリールであり;そしてRは、
【0049】
【化10】

【0050】
からなる群から選択されるヘテロアリールであり、ここで、Rは−CHCOH又は−CHCO1−3アルキルである。
【0051】
この実施態様の一クラスにおいては、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ水素である。
【0052】
この実施態様の他のクラスにおいては、Wは
【0053】
【化11】

【0054】
であり、
そして、R
【0055】
【化12】

【0056】
であり、ここで、Rは−CHCOH又は−CHCO1−3アルキルである。
【0057】
このクラスのサブクラスにおいては、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ水素である。
【0058】
SCDの阻害剤として有用な、限定的でない本発明の化合物の具体例は、以下:
【0059】
【化13】

【0060】
【化14】

【0061】
及び薬学的に許容されるその塩である。
【0062】
本明細書で用いられるように、下記の定義が適用される。
【0063】
「アルキル」、及びアルコキシ及びアルカノイル等の接頭辞「アルカ(alk)」を有する他の置換基は、炭素鎖が別に定義されない限り直鎖又は分岐鎖、及びそれらの組み合わせである炭素鎖を意味する。アルキル基の具体例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が含まれる。例えば、C3−10のように、特定の数の炭素原子が許容される場合、用語アルキルは、シクロアルキル基、及びシクロアルキル基と組み合わせた直鎖又は分岐鎖アルキル鎖の組み合わせをも含む。炭素原子が特定されていない場合、C1−6を意味する。
【0064】
「シクロアルキル」はアルキルのサブセットであり、特定の数の炭素原子を有する飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの具体例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が含まれる。シクロアルキル基は、別に明言されない限り、一般に単環式である。シクロアルキル基は、別に定義されない限り飽和である。
【0065】
用語「アルケニル」は、特定の数の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルケンを意味する。アルケニルの具体例には、ビニル、1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等が含まれる。
【0066】
用語「アルコキシ」は、特定の数の炭素原子(例えば、C1−6アルコキシ)又はこの範囲内の任意数の直鎖又は分岐鎖アルコキシドを意味する[すなわち、メトキシ(MeO−)、エトキシ、イソプロポキシ等]。
【0067】
用語「アルキルチオ」は、特定の数の炭素原子(例えば、C1−6アルキルチオ)又はこの範囲内の任意の数の直鎖又は分岐鎖アルキルスルフィドを意味する[すなわち、メチルチオ(MeS−)、エチルチオ、イソプロピルチオ等]。
【0068】
用語「アルキルアミノ」は、特定の数の炭素原子(例えば、C1−6アルキルアミノ)又はこの範囲内の任意の数の直鎖又は分岐鎖アルキルアミンを意味する[すなわち、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ等]。
【0069】
用語「アルキルスルホニル」は、特定の数の炭素原子(例えば、C1−6アルキルスルホニル)又はこの範囲内の任意の数の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホンを意味する[すなわち、メチルスルホニル(MeSO−)、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル等]。
【0070】
用語「アルキルスルフィニル」は、特定の数の炭素原子(例えば、C1−6アルキルスルフィニル)又はこの範囲内の任意の数の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホキシドを意味する[すなわち、メチルスルフィニル(MeSO−)、エチルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル等]。
【0071】
用語「アルキルオキシカルボニル」は、特定の数の炭素原子(例えば、C1−6アルキルオキシカルボニル)又はこの範囲内の任意の数の本発明のカルボン酸誘導体の直鎖又は分岐鎖エステルを意味する[すなわち、メチルオキシカルボニル(MeOCO−)、エチルオキシカルボニル又はブチルオキシカルボニル等]。
【0072】
「アリール」は、炭素環原子を含む、単環式又は多環式芳香族環システムを意味する。好ましいアリールは、単環式又は二環式の6〜10員環芳香族環システムである。フェニル及びナフチルが好ましいアリールである。最も好ましいアリールはフェニルである。
【0073】
「ヘテロシクリル」は、O、S及びNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子、更にイオウの酸化形態、すなわちSO及びSOを含む、飽和又は不飽和の非芳香族環又は環システムを意味する。ヘテロシクリルの具体例には、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4−ジオキサン、モルホリン、1,4−ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3−ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、オキサチアン、チオモルホリン、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル及び2−オキソアゼチジン−1−イル等を含む。
【0074】
「ヘテロアリール」は、O、S及びNから選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、芳香族又は部分芳香族ヘテロシクリルを意味する。従って、ヘテロアリールには、アリール、シクロアルキル及び芳香族でないヘテロシクリル等の他の種類の環と縮合したヘテロアリールが含まれる。ヘテロアリール基の具体例には、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル(特に、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル及び1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジニル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、ベンゾジオキソリル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフラニル等が含まれる。ヘテロシクリル及びヘテロアリール基については、3〜15個の原子を含み、1〜3個の環を形成する環及び環システムが含まれる。
【0075】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。塩素及びフッ素が、一般的に好ましい。アルキル又はアルコキシ基上にハロゲンが置換される場合、フッ素が最も好ましい(例えば、CFO及びCFCHO)。
【0076】
構造式Iの化合物は、1以上の不斉中心を含んでもよく、従って、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一の光学異性体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在していてもよい。本発明は、構造式Iの化合物のこのような全ての異性体形態を含むことを意味する。
【0077】
式Iの化合物は、例えば、適当な溶媒、例えばメタノール若しくは酢酸エチル若しくはそれらの混合物からの分別結晶又は光学活性固定相を用いたキラルクロマトグラフィーによって個々のジアステレオマーに分離していてもよい。絶対的立体化学は、必要であれば、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化される、結晶生成物又は結晶性中間体のX−線結晶学によって決定してもよい。
【0078】
また、一般構造式Iの化合物の任意の立体異性体は、既知の絶対配置の光学的に純粋な出発原料又は試薬を用いて立体特異的な合成により製造してもよい。
【0079】
所望であれば、個々の光学異性体を分離できるように、化合物のラセミ混合物を分離してもよい。分離は、化合物のラセミ混合物を光学異性的に純粋な化合物とカップリングしてジアステレオマー混合物を生成し、分別結晶法又はクロマトグラフィーの様な標準的な方法により個々のジアステレオマーを分離する等の、当該技術分野において周知の方法により実施することができる。カップリング反応は、しばしば光学異性的に純粋な酸又は塩基を用いた塩の形成である。次いで、加えられたキラルな残基の切断によりジアステレオマー誘導体を純粋な鏡像異性体に変換してもよい。化合物のラセミ混合物は、また、当該技術分野において周知のキラル固定相を用いたクロマトグラフィー法によって直接分離してもよい。
【0080】
本明細書に開示された化合物のいくつかはオレフィン二重結合を含んでおり、別に特定されない限りはE及びZ幾何異性体を含むことを意味する。
【0081】
本明細書に開示された化合物のいくつかは、1個以上の二重結合シフトに付随して起こる水素の異なる結合点を有する互変異性体として存在してもよい。例えば、ケトン及びそのエノール体はケト−エノール互変異性体である。個々の互変異性体及びその混合物は、本発明の化合物に含まれる。
【0082】
本明細書で用いられる、構造式Iの化合物への言及は、薬学的に許容される塩、及びそれらがフリーの化合物又は薬学的に許容される塩への前駆体として又は他の合成操作において用いられる場合、薬学的に許容されない塩をも含むことが理解されるであろう。
【0083】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で投与してもよい。「薬学的に許容される塩」なる用語は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される無毒の塩基又は酸から調製される塩を意味する。「薬学的に許容される塩」なる用語に含まれる塩基性化合物の塩は、一般的に遊離塩基を適切な有機又は無機酸と反応させることにより調製される本発明の化合物の無毒の塩を意味する。本発明の塩基性化合物の代表的な塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシル酸塩、トリエチオダイド及び吉草酸塩が含まれるが、これらに限定されない。更に、本発明の化合物が酸部分を有する場合は、適切な薬学的に許容される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、マンガン塩、カリウム、ナトリウム、亜鉛等を含む無機塩基に由来する塩が含まれるがこれらに限定されない。特に好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される有機の無毒の塩基に由来する塩には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等のような一級、二級及び三級アミンの塩、環状アミン及びイオン交換樹脂が含まれる。
【0084】
また、本発明の化合物の中にカルボン酸(−COOH)又はアルコール基が存在する場合、メチル、エチル又はピバロイルオキシメチルのようなカルボン酸誘導体、又はアセチル、ピバロイル、ベンゾイル及びアミノアシルのようなアルコールのアシル誘導体の薬学的に許容されるエステルを用いてもよい。徐放製剤又はプロドラッグ製剤として用いるための溶解性又は加水分解特性を修飾するために当業界で公知のエステル及びアシル基が含まれる。
【0085】
なお、構造式Iの化合物の溶媒和物、特に水和物は本発明に含まれる。
【0086】
本発明の化合物は、前記化合物の有効量を投与することを含む、阻害を必要とするほ乳類のような患者において、ステアロイル−補酵素Aデルタ−9デサチュラーゼ酵素(SCD)を阻害する方法において有用である。従って、本発明の化合物は、高い又は異常なSCD酵素活性により媒介される病状及び疾患の抑制、予防及び/又は治療に有用である。
【0087】
従って、本発明の一態様は、構造式Iの化合物又はその薬学的な塩若しくは溶媒和物の有効量を患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者において、高血糖症、糖尿病又はインシュリン抵抗性を治療する方法に関する。
【0088】
本発明の第二の態様は、構造式Iの化合物の抗糖尿病に有効な量を患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類の患者において非−インシュリン依存性糖尿病(2型糖尿病)を治療する方法に関する。
【0089】
本発明の第三の態様は、構造式Iの化合物を肥満症の治療に有効な量で患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者において肥満症を治療する方法に関する。
【0090】
本発明の第四の態様は、構造式Iの化合物をメタボリックシンドローム及びその後遺症の治療に有効な量で患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者においてメタボリックシンドローム及びその後遺症を治療する方法に関する。メタボリックシンドロームの後遺症には、高血圧症、血糖値の上昇、高トリグリセリド血症、低レベルのHDLコレステロールが含まれる。
【0091】
本発明の第五の態様は、構造式Iの化合物を脂質障害の治療に有効な量で患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者において、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される脂質障害を治療する方法に関する。
【0092】
本発明の第六の態様は、構造式Iの化合物をアテローム性動脈硬化症の治療に有効な量で患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者においてアテローム性動脈硬化症を治療する方法に関する。
【0093】
本発明の第七の態様は、構造式Iの化合物を癌の治療に有効な量で患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者において癌を治療する方法に関する。
【0094】
本発明の更なる態様は、構造式Iの化合物を、疾患の治療に有効な量で患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インシュリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎臓障害、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)メタボリックシンドローム、及び(24)インシュリン抵抗性が要素である他の病状及び障害、からなる群から選択される病状を治療する方法に関する。
【0095】
本発明の更なる態様は、構造式Iの化合物を、病状の発生を遅延するのに有効な量で患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インシュリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎臓障害、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)メタボリックシンドローム、及び(24)インシュリン抵抗性が要素である他の病状及び障害、及びインシュリン抵抗性が要素である他の病状及び障害、からなる群から選択される病状の発生を遅延する方法に関する。
【0096】
本発明の更なる態様は、構造式Iの化合物を、病状の発現の危険性を減少するのに有効な量で患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インシュリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部脂肪症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎臓障害、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)メタボリックシンドローム、及び(24)インシュリン抵抗性が要素である他の病状及び障害、からなる群から選択される病状の発現の危険性を減少する方法に関する。
【0097】
ヒト等の霊長類に加え、本発明の方法によって他の種々のほ乳類を治療することができる。例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、馬、犬、猫、モルモット、ラット又は他のウシ、ヒツジ、馬、犬、猫、マウス等のげっし類を含むほ乳類の種を、限定することなく治療することができる。しかし、鳥類(例えば、ニワトリ)等の他の種でも実施され得る。
【0098】
更に、本発明は、本発明の化合物を薬学的に許容される担体又は希釈剤と組合わせることを含む、ヒト及び動物においてステアロイル−補酵素Aデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性を阻害する医薬の製造方法に関する。特に、本発明は、ほ乳類において高血糖症、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、肥満症及び脂質障害からなる群から選択される病状の治療に用いられる医薬の製造における構造式Iで表される化合物の使用に関し、前記脂質障害が、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される。
【0099】
本発明の方法において治療される患者は、一般に、ステアロイル−補酵素Aデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性の阻害が望まれているほ乳類、好ましくはヒトの男性又は女性である。「治療上有効な量」なる用語は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床家によって求められる組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘導する被検化合物の量を意味する。
【0100】
本明細書において用いられる「組成物」なる用語は、特定の成分を指定された量で含む生成物、及び指定された量における特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的にもたらされる任意の生成物を含むことが意図される。医薬組成物に関するこのような用語には、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む生成物、並びに任意の2種以上の成分の組み合わせ、複合体生成若しくは凝集又は1種以上の成分の解離又は1種以上の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用によって直接的又は間接的にもたらされる任意の生成物が含まれることが意図される。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体とを混合することによって製造される任意の組成物が含まれる。「薬学的に許容される」については、製剤の他の成分と適合性があり、受容者に対して有害でない担体、希釈剤又は賦形剤を意味する。
【0101】
「化合物の投与」及び/又は「化合物を投与する」なる用語は、本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを治療を必要とする個体に与えることを意味すると理解すべきである。
【0102】
ステアロイル−補酵素Aデルタ−9デサチュラーゼ(SCD)酵素活性の阻害剤としての本発明の化合物の有用性は、以下のミクロソーム及び全細胞に基づくアッセイにより証明され得る。
【0103】
I.SCD−誘導ラット肝臓ミクロソームアッセイ
SCD酵素に対する式Iの化合物の活性は、SCD−1を誘導したラット肝臓ミクロソーム及びいくらか修飾された既に公開されている手順(Joshi,et al.,J.Lipid Res.,18:32−36(1977))を用いて、放射標識されたステアロイル−CoAのオレオイル−CoAへの変換に従って決定される。ウィスターラットに、高炭水化物/無脂肪げっし動物用食餌(LabDiet#5803,Purina)を3日間摂食させた後、SCDが誘導された肝臓を、250mMショ糖、1mM EDTA、5mM DTT及び50mM Tris−HCl(pH7.5)中でホモジネートした。組織及び細胞破片を除去するための20分間の遠心分離(18,000×g/4℃)の後、100,000×gの遠心分離(60分間)によって分離し、及び得られた沈殿を、100mMリン酸ナトリウム、20%グリセロール及び2mM DTTに懸濁することによりミクロソームを調製した。2μLのDMSO中の試験化合物を、ミクロソーム180μL(通常、Tris−HClバッファー(100mM、pH7.5)、ATP(5mM)、補酵素A(0.1mM)、Triton X−100(0.5mM)及びNADH(2mM)中に、約100μg/mL)と室温で15分間インキュベートした。[H]−ステアロイル−CoA(最終濃度2μM、放射活性濃度1μCi/mL)20μLを加えることにより反応を開始し、1N水酸化ナトリウム150μLを加えることにより反応を停止した。オレオイル−CoA及びステアロイル−CoAを室温、60分間加水分解した後、ステアリン酸0.5mg/mL及びオレイン酸0.5mg/mLを補充したエタノール中の15%リン酸(v/v)を150μL加えることにより溶液を酸性化した。次いで、C−18逆相カラム及びパッカード フロー シンチレーション アナライザーを備えたHPLCにより、[H]−オレイン酸及び[H]のステアリン酸を定量した。また、反応混合物(80μL)を、塩化カルシウム/活性炭水性懸濁液(15%(w/v)活性炭100μL及び2N CaCl 20μL)と混合した。得られた混合物を遠心分離し、放射活性脂肪酸を安定な沈殿として沈殿させた。9,10−[H]−ステアロイル−CoAのSCD−触媒不飽和化に由来するトリチウム水の上清50μLをシンチレーションカウンターにより測定することにより定量した。
【0104】
II.全細胞に基づくSCD(デルタ−9)、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼアッセイ
ヒトHepG2細胞を、24穴プレートで、10%の加熱不活性化したウシ胎児血清を補充したMEM培地(Gibcoカタログ番号11095−072)中、加湿したインキュベータ内で37℃、5%CO下で培養した。培地に溶解した試験化合物を、密集した細胞と、37℃で15分間インキュベートした。[1−14C]−ステアリン酸を、各ウェルに最終濃度0.05μCi/mLになるように加え、SCDが触媒した[14C]−オレイン酸の形成を検出した。0.05μCi/mLの[1−14C]−エイコサトリエン酸又は[1−14C]−リノレン酸及び2−アミノ−N−(3−クロロフェニル)ベンズアミド(デルタ5−デサチュラーゼ阻害剤)10μMを、それぞれ、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼ活性の指標とするために用いた。37℃で4時間インキュベートした後、培養培地を除去し、標識化された細胞を、室温でPBS(3×1mL)で洗浄した。標識化された細胞脂質を、2N水酸化ナトリウム400μL及びL−α−ホスファチジルコリン(イソプロパノール中2mg/mL、Sigma #P−3556)50μLを用いて65℃で1時間、窒素雰囲気下で加水分解した。リン酸(60μL)を用いて酸性化した後、アセトニトリル300μLを用いて放射活性種を抽出し、C−18逆相カラム及びパッカード フロー シンチレーション アナライザーを備えたHPLCにより定量した。[14C]−ステアリン酸を超える[14C]−オレイン酸、[14C]−エイコサトリエン酸を超える[14C]−アラキドン酸及び[14C]−リノレン酸を超える[14C]−エイコサテトラエン酸(8,11,14,17)のレベルを、それぞれ、SCD、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼの対応する活性指数として用いた。
【0105】
式IのSCD阻害剤、特に実施例1〜20の阻害剤は、1μM未満、更に典型的には0.1μM未満の阻害定数IC50を示す。一般に、式Iの化合物、特に実施例1〜20の化合物についてのSCDに対するデルタ−5又はデルタ−6デサチュラーゼについてのIC50の比は少なくとも約10又はそれ以上であり、好ましくは約100又はそれ以上である。
【0106】
本発明の化合物のインビボにおける効果
式Iの化合物のインビボにおける効果は、以下に示すように動物において[1−14C]−ステアリン酸の[1−14C]オレイン酸への変換によって測定された。式Iの化合物をマウスに投与し、1時間後に放射活性トレーサー[1−14C]−ステアリン酸を20μCi/kgで静脈注射した。化合物の投与3時間後、肝臓を集め、10N水酸化ナトリウム中で80℃で24時間加水分解し、全肝臓脂肪酸のプールを得た。抽出物のリン酸による酸性化の後、[1−14C]−ステアリン酸及び[1−14C]−オレイン酸の量を、C−18逆相カラム及びパッカード フロー シンチレーション アナライザーを備えるHPLCにより定量した。
【0107】
更に、本発明の化合物は、他の薬剤と組み合わせて、前述した疾患、障害及び病状を予防又は治療する方法に有用である。
【0108】
本発明の化合物は、式Iの化合物又は他の薬剤が有用性を有する疾患又は病状の治療、予防、鎮静又は改善において1種以上の他の薬剤と併用して用いてもよく、同時の薬剤の組み合わせは、それぞれの薬剤単独の場合よりも安全でより効果的である。このような他の薬剤は、それらが通常に用いられる投与経路及び量で、式Iの化合物と同時又は連続的に投与してもよい。式Iの化合物を1種以上の他の化合物と同時に用いる場合、このような他の薬剤及び式Iの化合物を含む単一の投与形態における医薬組成物が好ましい。しかし、併用療法は、式Iの化合物と1種以上の他の薬剤とを異なる重複するスケジュールで投与する療法も含んでもよい。1種以上の他の活性成分を併用して用いる場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、それぞれを単独で用いる場合よりも低い濃度で用いてもよいことも意図される。従って、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物に加え、1種以上の他の活性成分を含む組成物が含まれる。
【0109】
別々に投与されるか又は同一の医薬組成物内で投与されるかのいずれかで、式Iの化合物と組み合わせて投与してもよい他の活性成分には、
(a)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−4)阻害剤;
(b)(i)グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン等)のようなPPARγアゴニスト、及びKRP−297、ムラグリタザル、ナベグリタザル、ガリダ、TAK−559のようなPPARα/γ二重アゴニスト、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート及びベザフィブラート)のようなPPARαアゴニスト、及びWO 02/060388、WO 02/08188、WO 2004/019869、WO 2004/020409、WO 2004/020408及びWO 2004/066963に開示されたような選択的PPARγモジュレータ(SPPARγM’s)、を含む他のPPARリガンド;(ii)塩酸メトホルミンのようなビグアニド、及び(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤を含むインシュリン感作物質;
(c)皮下、皮内又は筋肉内注射、経口、経皮、鼻内、肺内のような任意の通常の経路によって投与される即効性インシュリン、標準のインシュリン、持続型インシュリン、インシュリンの複合型等を含む、インシュリン又はインシュリン模倣薬;
(d)スルホニル尿素、及びトルブタミド、グリブリド、グリピジド、グリメピリド、ナテグリニド及びレパグリニド等のメグリチニド類のような他のインシュリン分泌促進剤;
(e)α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース及びミグリトール等):
(f)WO 98/04528、WO 99/01423、WO 00/39088及びWO 00/69810に開示されたようなグルカゴン受容体アンタゴニスト;
(g)GLP−1、GLP−1類似体又は模倣薬、及びエキセンジン−4(エクセナチド)、リラグルチド(NN−2211)、CJC−1131、LY−307161及びWO 00/42026及びWO 00/59887に開示された化合物のようなGLP−1受容体アゴニスト;
(h)WO 00/58360に開示されたようなGIP、GIP模倣薬及びGIP受容体アゴニスト;
(i)PACAP、PACAP模倣薬及びWO 01/23420に開示されたようなPACAP受容体アゴニスト;
(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン及びロスバスタチン及び他のスタチン類)、(ii)金属イオン封鎖剤(コレスチラミン、コレスチポール及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はそれらの塩、(iv)フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート及びベザフィブラート)のようなPPARαアゴニスト、(v)ナベグリタザル及びムラグリタザルのようなPPARα/γ二重アゴニスト、(vi)β−シトステロール及びエゼチミブのようなコレステロール吸収阻害剤、(vii)アバシミブのようなアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、及び(viii)トルセトラピブ、JTT−705及びWO2005/100298、WO2006/014357及びWO2006/014413に開示された化合物のようなCETP阻害剤、及び(ix)プロブコールのようなフェノール性抗酸化剤、のようなコレステロール低下剤;
(k)WO 97/28149に開示されたようなPPARδアゴニスト;
(l)フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、神経ペプチドY又はYアンタゴニスト、CB1受容体インバースアゴニスト薬及びアンタゴニスト、βアドレナリン受容体アゴニスト、メラノコルチン−受容体アゴニスト、特にメラノコルチン−4受容体アゴニスト、グレリンアンタゴニスト、ボンベシン受容体アゴニスト(ボンベシン受容体サブタイプ−3アゴニスト)及びメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体アンタゴニストのような抗肥満化合物;
(m)回腸型胆汁酸トランスポーター阻害剤;
(n)アスピリン、非ストロイド性抗炎症剤(NSAIDs)、グルココルチコイド、アズルフィジン及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤のような炎症状態に用いられることを意図する薬剤;
(o)以下の降圧剤;例えばヒドロクロロチアジド、フロセミド等の利尿薬;プロプラノロール、メタプロロール等のベータアドレナリン遮断薬;ACE阻害剤(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル及びタンドラプリル等);A−II受容体遮断薬(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン等)及びアムロジピン、ジルチアゼム及びベラパミルのようなカルシウムチャンネル遮断薬;
(p)WO 03/015774;WO 04/076420及びWO 04/081001に開示されたようなグルコキナーゼ活性化剤(GKAs);
(q)米国特許第6,730,690号;WO 03/104207及びWO 04/058741に開示されたような11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼI型阻害剤;
(r)米国特許第6,054,587号;第6,110,903号;第6,284,748号;第6,399,782号及び第6,489,476号に開示されたようなフルクトース1,6−ビスホスファターゼ阻害剤;
(s)アセチルCoAカルボキシラーゼ−1及び/又は−2阻害剤;
(t)AMPK活性剤;及び
(u)GPR−119のアゴニスト、が含まれるが、これらに限定されない。
【0110】
構造式Iの化合物と併用してもよいジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害剤には、米国特許第6,699,871号;WO 02/076450(2002年10月3日);WO 03/004498(2003年1月16日);WO 03/004496(2003年1月16日);EP 1 258 476(2002年11月20日);WO 02/083128(2002年10月24日);WO 02/062764(2002年8月15日);WO 03/000250(2003年1月3日);WO 03/002530(2003年1月9日);WO 03/002531(2003年1月9日);WO 03/002553(2003年1月9日);WO 03/002593(2003年1月9日);WO 03/000180(2003年1月3日);WO 03/082817(2003年10月9日);WO 03/000181(2003年1月3日);WO 04/007468(2004年1月22日);WO 04/032836(2004年4月24日);WO 04/037169(2004年5月6日)及びWO 04/043940(2004年5月27日)に開示されたものが含まれる。特定のDPP−IV阻害剤化合物には、シタグリプチン(MK−0431);ビルダグリプチン(LAF237);デナグリプチン;P93/01;サキサグリプチン(BMS477118);RO0730699;MP513;アログリプチン(SYR−322);ABT−279;PHX1149;GRC−8200;TS021及び薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。
【0111】
構造式Iの化合物と併用してもよい抗肥満薬には、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、神経ペプチドY又はYアンタゴニスト、カンナビノイドCB1受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニスト、メラノコルチン−受容体アゴニスト、特にメラノコルチン−4受容体アゴニスト、グレリンアンタゴニスト、ボンベシン受容体アゴニスト及びメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体アンタゴニストが含まれる。構造式Iの化合物と併用してもよい抗肥満化合物の概説については、S.Chaki et al.,”Recent advances in feeding suppressing agents:potential therapeutic strategy for the treatment of obesity,”Expert Opin.Ther.Patents,11:1677−1692(2001);D.Spanswick and K.Lee,”Emerging antiobesity drugs,”Expert Opin.Emerging Drugs,8:217−237(2003)及びJ.A.Fernandez−Lopez,et al.,”Pharmacological Approaches for the Treatment of Obesity,”Drugs,62:915−944(2002)を参照されたい。
【0112】
構造式Iの化合物と併用してもよい神経ペプチドY5アンタゴニストには、米国特許第6,335,345号(2002年1月1日)及びWO 01/14376(2001年3月1日)に開示されたもの、及びGW 59884A;GW 569180A;LY366377及びCGP−71683Aとして同定された特定の化合物が含まれる。
【0113】
式Iの化合物と併用してもよいCB1受容体アンタゴニスト又はインバースアゴニストには、PCT国際公開WO 03/007887;リモナバントのような米国特許第5,624,941号;タラナバントのような米国特許第6,972,295号;SLV−319のような国際公開WO 02/076949、米国特許第6,028,084号;PCT国際公開WO 98/41519;PCT国際公開WO 00/10968; PCT国際公開WO 99/02499;米国特許第5,532,237号;米国特許第5,292,736号;PCT国際公開WO 03/086288;PCT国際公開WO 03/087037;PCT国際公開WO 04/048317;PCT国際公開WO 03/007887;PCT国際公開WO 03/063781;PCT国際公開WO 03/075660;PCT国際公開WO 03/077847;PCT国際公開WO 03/082190;PCT国際公開WO 03/082191;PCT国際公開WO 03/087037;PCT国際公開WO 03/086288;PCT国際公開WO 04/012671;PCT国際公開WO 04/029204;PCT国際公開WO 04/040040;PCT国際公開WO 01/64632;PCT国際公開WO 01/64633及びPCT国際公開WO 01/64634に開示されたものが含まれる。
【0114】
本発明において有用なメラノコルチン−4受容体(MC4R)アゴニストには、その全体が本明細書に参考文献として組み入れられる、米国特許第6,294,534号、米国特許第6,350,760号、第6,376,509号、第6,410,548号、第6,458,790号、米国特許第6,472,398号、米国特許第5837521号、米国特許第6699873号;その全体が本明細書に参考文献として組み入れられる、米国特許出願公開第2002/0004512号、第2002/0019523号、第2002/0137664号、第2003/0236262号、第2003/0225060号、第2003/0092732号、第2003/109556号、第2002/0177151号、第2002/187932号、第2003/0113263号、及びWO 99/64002、WO 00/74679、WO 02/15909、WO 01/70708、WO 01/70337、WO 01/91752、WO 02/068387、WO 02/068388、WO 02/067869、WO 03/007949、WO 2004/024720、WO 2004/089307、WO 2004/078716、WO 2004/078717、WO 2004/037797、WO 01/58891、WO 02/070511、WO 02/079146、WO 03/009847、WO 03/057671、WO 03/068738、WO 03/092690、WO 02/059095、WO 02/059107、WO 02/059108、WO 02/059117、WO 02/085925、WO 03/004480、WO 03/009850、WO 03/013571、WO 03/031410、WO 03/053927、WO 03/061660、WO 03/066597、WO 03/094918、WO 03/099818、WO 04/037797、WO 04/048345、WO 02/018327、WO 02/080896、WO 02/081443、WO 03/066587、WO 03/066597、WO 03/099818、WO 02/062766、WO 03/000663、WO 03/000666、WO 03/003977、WO 03/040107、WO 03/040117、WO 03/040118、WO 03/013509、WO 03/057671、WO 02/079753、WO 02//092566、WO 03/−093234、WO 03/095474及びWO 03/104761に開示されたものが含まれるが、これらに限定されない。
【0115】
併用療法の1つの特定の態様は、構造式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の治療上有効な量を患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者における、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂質異常症からなる群から選択される病状の治療方法に関する。
【0116】
特に、この併用療法の態様としては、治療を必要とするほ乳類患者における、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂質異常症からなる群から選択される病状の治療方法に関し、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びロスバスタチンから選択されるスタチンである。
【0117】
本発明の他の態様においては、構造式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の治療上有効な量をほ乳類患者に投与することを含む、治療を必要とするほ乳類患者における、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症、脂質異常症及びこのような病状の後遺症からなる群から選択される病状の発現の危険性を減少する方法が開示される。
【0118】
本発明の他の態様においては、構造式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の有効な量を患者に投与することを含む、治療を必要なヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発現の遅延又は発現の危険性を減少する方法が開示される。
【0119】
特に、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びロスバスタチンからなる群から選択されるスタチンである、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発現の遅延又は発現の危険性を減少する方法が開示される。
【0120】
本発明の他の態様においては、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンであり、更にコレステロール吸収阻害剤を投与することを含む、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発現の遅延又は発現の危険性を減少する方法が開示される。
【0121】
特に、本発明の他の態様においては、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンであり、コレステロール吸収阻害剤がエゼチミブである、治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化症の発現の遅延又は発現の危険性を減少する方法が開示される。
【0122】
本発明の他の態様においては、
(1)構造式Iの化合物;
(2)以下からなる群より選択される1種以上の化合物:
(a)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−4)阻害剤;
(b)(i)グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン等)のようなPPARγアゴニスト、及びKRP−297、ムラグリタザル、ナベグリタザル、ガリダ、TAK−559のようなPPARα/γ二重アゴニスト、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート及びベザフィブラート)のようなPPARαアゴニスト、及びWO 02/060388、WO 02/08188、WO 2004/019869、WO 2004/020409、WO 2004/020408及びWO 2004/066963に開示されたような選択的PPARγモジュレータ(SPPARγM’s)を含む他のPPARリガンド;(ii)塩酸メトホルミンのようなビグアニド;及び(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤を含むインシュリン感作物質;
(c)皮下、皮内又は筋肉内注射、経口、経皮、鼻内、肺内のような、任意の通常の経路によって投与される、即効性インシュリン、標準のインシュリン、持続型インシュリン、インシュリンの複合型等を含む、インシュリン又はインシュリン模倣薬;
(d)スルホニル尿素、及びトルブタミド、グリブリド、グリピジド、グリメピリド、及びナテグリニド及びレパグリニドのようなメグリチニド類、のような他のインシュリン分泌促進剤;
(e)α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース及びミグリトール等):
(f)WO 98/04528、WO 99/01423、WO 00/39088及びWO 00/69810に開示されたような、グルカゴン受容体アンタゴニスト;
(g)GLP−1、GLP−1類似体又は模倣薬、及び
エキセンジン−4(エクセナチド)、リラグルチド(NN−2211)、CJC−1131、LY−307161及びWO 00/42026及びWO 00/59887に開示された化合物のようなGLP−1受容体アゴニスト;
(h)WO 00/58360に開示されたようなGIP、GIP模倣薬、及びGIP受容体アゴニスト;
(i)PACAP、PACAP模倣薬、及びWO 01/23420に開示されたようなPACAP受容体アゴニスト;
(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン及びロスバスタチン及び他のスタチン類)、(ii)金属イオン封鎖剤(コレスチラミン、コレスチポール及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はそれらの塩、(iv)フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート及びベザフィブラート)のようなPPARαアゴニスト、(v)ナベグリタザル及びムラグリタザルのようなPPARα/γ二重アゴニスト、(vi)β−シトステロール及びエゼチミブのようなコレステロール吸収阻害剤、(vii)アバシミブのようなアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、及び(viii)トルセトラピブ、JTT−705、WO2005/100298、WO2006/014357及びWO2006/014413に開示された化合物のようなCETP阻害剤、及び(ix)プロブコールのようなフェノール性抗酸化剤、のようなコレステロール低下剤;
(k)WO 97/28149に開示されたようなPPARδアゴニスト;
(l)フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、神経ペプチドY又はYアンタゴニスト、CB1受容体インバースアゴニスト及びアンタゴニスト、β3アドレナリン受容体アゴニスト、メラノコルチン−受容体アゴニスト、特にメラノコルチン−4受容体アゴニスト、グレリンアンタゴニスト、ボンベシン受容体アゴニスト(ボンベシン受容体サブタイプ−3アゴニスト)及びメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体アンタゴニストのような抗肥満化合物;
(m)回腸型胆汁酸トランスポーター阻害剤;
(n)アスピリン、非ストロイド性抗炎症剤(NSAIDs)、グルココルチコイド、アズルフィジン及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤のような炎症状態に用いられることを意図する薬剤;
(o)以下の降圧剤;例えばヒドロクロロチアジド、フロセミド等の利尿薬;プロプラノロール、メタプロロール等のベータアドレナリン遮断薬;ACE阻害剤(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル及びタンドラプリル等);A−II受容体遮断薬(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン等)、及びアムロジピン、ジルチアゼム及びベラパミルのようなカルシウムチャンネル遮断薬;
(p)WO 03/015774;WO 04/076420及びWO 04/081001に開示されたようなグルコキナーゼ活性化剤(GKAs);
(q)米国特許第6,730,690号;WO 03/104207及びWO 04/058741に開示されたような、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼI型阻害剤;
(r)米国特許第6,054,587号;第6,110,903号;第6,284,748号;第6,399,782号及び第6,489,476号に開示されたようなフルクトース1,6−ビスホスファターゼ阻害剤;
(s)アセチルCoAカルボキシラーゼ−1及び/又は−2阻害剤;
(t)AMPK活性剤、及び
(u)GPR−119のアゴニスト;及び
(3)薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が開示される。
【0123】
本発明の化合物が1種以上の他の薬剤と同時に用いられる場合、本発明の化合物に加えてこのような他の薬剤を含む医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加え1種以上の他の活性成分を含むものも含まれる。
【0124】
第二の活性成分に対する本発明の化合物の重量比は変化してもよく、それぞれの成分の有効投与量に依存する。一般に、それぞれの有効投与量が用いられる。本発明の化合物を他の薬剤と併用する場合、他の薬剤に対する本発明の化合物の重量比は約1000:1〜約1:1000であり、好ましくは約200:1〜約1:200である。本発明の化合物及び他の活性成分の併用は、一般に前記範囲内であるが、各ケースにおいてそれぞれの活性成分の有効投与量を用いるべきである。
【0125】
このような併用においては、本発明の化合物及び他の活性成分は、別個に又は一緒に投与してもよい。更に、一成分の投与は、他の薬剤の投与の前、同時又は後であってもよい。
【0126】
本発明の化合物は、経口、非経口的(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内注射又は注入、皮下注射又は埋め込み)によって、吸入スプレー、鼻、膣、直腸、舌下又は局所的経路によって投与してもよく、単独で、又は通常の無毒の薬学的に許容される担体、アジュバント及びそれぞれの投与経路に適した賦形剤を含む適切な用量単位製剤中に一緒に製剤化されてもよい。マウス、ラット、馬、牛、羊、犬、猫、猿のような温血動物の治療に加え、本発明の化合物はヒトにおける利用に有効である。
【0127】
本発明の化合物の投与のための医薬組成物は、用量単位形態中に好都合に存在してもよく、薬学の分野において周知の任意の方法によって調製してもよい。全ての方法は、活性成分を、1種以上の補助成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を、液体担体又は微粉化した固体担体又はその両方に均一及び均質に会合させ、必要であれば、生成物を所望の製剤に形成することによって調製される。医薬組成物においては、活性化合物は、疾患の進行又は病状について所望の効果をもたらすのに十分な量含まれる。本明細書で用いられるように、「組成物」なる用語は、特定の成分を指定された量で含む生成物、及び指定された量の特定成分の組み合わせに直接的又は間接的に由来する任意の生成物を含むことを意味する。
【0128】
活性成分を含む医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、薬用キャンディー、水性若しくは油性懸濁液、分散性粉末若しくは顆粒、エマルジョン、硬若しくは軟カプセル、又はシロップ若しくはエリキシル剤のような経口的使用に適した形態であってもよい。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のための技術分野で公知の任意の方法によって調製してもよく、このような組成物は、薬学的優雅さ及び味のよい製剤を提供するために、甘味剤、着香料、着色剤及び保存剤から選択される1種以上の成分を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒の薬学的に許容される賦形剤と混合された活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;トウモロコシデンプン又はアルギン酸のような造粒剤及び崩壊剤;デンプン、ゼラチン又はアラビアゴムのような結合剤、及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクのような滑沢剤であってもよい。錠剤はコーティングされていないか、又は消化管内における崩壊及び吸収を遅延し、その結果、長期間にわたる持続する活性をもたらすために公知の技術によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を用いてもよい。それらはまた、制御放出のための浸透圧性治療用錠剤を形成するための米国特許第4,256,108号;第4,166,452号及び第4,265,874号に開示された技術によってコートされてもよい。
【0129】
経口用途のための製剤は、活性成分が炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンのような不活性固体希釈剤と混合される硬ゼラチンカプセル、或いは活性成分が水又はピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油のような油性媒体と混合される軟ゼラチンカプセルとして存在してもよい。
【0130】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された活性成分を含む。このような賦形剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムのような懸濁剤であり;分散剤又は湿潤剤は、レシチンのような天然のホスファチド、ステアリン酸ポリオキシエチレンのようなアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、ヘプタデカエチレンオキシセタノールのようなエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのようなヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、又はポリエチレンソルビタンモノオレートのようなエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物であってもよい。また、水性懸濁液は、エチル又はn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸のような1種以上の保存剤、1種以上の着色剤、1種以上の着香料及びショ糖又はサッカリン等の1種以上の甘味剤を含んでもよい。
【0131】
油性懸濁液は、活性成分を、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはやし油のような植物性油脂又は流動パラフィンのような鉱油に懸濁することによって製剤化してもよい。油性懸濁液は、ミツロウ、固形パラフィン又はセチルアルコールのような増粘剤を含んでもよい。味のよい経口製剤を得るために、前述したような甘味剤及び着香料を加えてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤を添加することにより保存してもよい。
【0132】
水を加えることによる水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の保存剤と混合された活性成分を提供する。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、既に前記に例示されている。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、着香料及び着色剤を存在させてもよい。
【0133】
本発明の医薬組成物は、水中油型のエマルジョンの形態であってもよい。油相は、オリーブ油、ラッカセイ油のような植物性油脂又は流動パラフィンのような鉱油又はそれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、アラビアゴム又はトラガカントゴムのような天然のゴム、大豆、レシチンのような天然のホスファチド、及びソルビタンモノオレートのような脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来するエステル又は部分エステル、及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレートのような前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物であってもよい。エマルジョンは、甘味剤及び着香料を含んでもよい。
【0134】
シロップ及びエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はショ糖のような甘味剤を用いて製剤化してもよい。このような製剤は、緩和剤、保存剤及び着香料及び着色剤を含んでもよい。
【0135】
医薬組成物は、無菌の注射用の水性又は油性懸濁液であってもよい。この懸濁液は、前述した適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて、当該技術分野において公知の方法に従って製造してもよい。無菌の注射用製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような無毒の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射用溶液又は懸濁液であってもよい。用いてもよい許容される担体及び溶媒は、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液である。更に、無菌の固定油が溶媒又は懸濁媒体として好都合に用いられる。この目的のため、合成のモノ−又はジグリセリドを含む無刺激性の固定油を用いてもよい。更に、オレイン酸のような脂肪酸は、注射用製剤における用途がある。
【0136】
本発明の化合物は、薬剤の直腸投与のための座薬の形態で投与してもよい。これらの組成物は、薬剤を、常温では固体であるが直腸温度で液体であり、その結果直腸内で薬剤を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって製造してもよい。このような物質は、カカオ脂及びポリエチレングリコールである。
【0137】
局所用途のために、本発明の化合物を含むクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液等が用いられる(この用途の目的のため、局所適用には、マウスウォッシュ及びうがい薬が含まれるべきである)。
【0138】
本発明の医薬組成物及び方法は、更に、本明細書に示された前記病理状態の治療に通常に用いられる他の治療的に活性な化合物を含んでもよい。
【0139】
ステアロイル−CoAデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性の阻害を必要とする病状の治療又は予防において適切な用量レベルは、1日あたり約0.01〜500mg/患者の体重1kgであり、単一又は複数回投与することができる。好ましくは、用量レベルは、1日あたり約0.1〜約250mg/kgであり、更に好ましくは1日あたり約0.5〜約100mg/kgである。適切な用量レベルは、1日あたり約0.01〜250mg/kg、1日あたり約0.05〜100mg/kg又は1日あたり約0.1〜50mg/kgであってもよい。この範囲内で、用量は、1日あたり0.05〜0.5、0.5〜5、又は5〜50mg/kgであってもい。経口投与のために、治療される患者の症状に合わせて用量を調節し、組成物は、好ましくは1.0〜1000mgの活性成分、特には1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供される。化合物は、1日に1〜4回の用法で、好ましくは1日に1又は2回の用法で投与してもよい。
【0140】
糖尿病及び/又は高血糖症又は高トリグリセリド血症又は本発明の化合物が適応とする他の疾患を治療又は予防する場合、一般的に満足な結果は、本発明の化合物を1日に約0.1mg〜約100mg/動物の体重1kg、好ましくは単一投与又は1日に2〜6回に分けて又は徐放形態で投与する場合に得られる。最も大きな動物について、1日の全用量は約1.0mg〜約1000mg、好ましくは約1mg〜約50mgである。70kgの成人のヒトの場合、1日の全用量は一般に約7mg〜約350mgである。この用法用量は、最適な治療応答をもたらすように調整してもよい。
【0141】
しかし、任意の特定の患者についての特定の用量レベル及び用量頻度は変化してもよく、用いられる特定の化合物の活性、化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康状態、性、食事、投与の様式及び時間、排泄速度、薬剤の併用、特定の病状の重症度及び宿主の経験している療法を含む種々の要因に依存するだろうことが理解されよう。
【0142】
略語のリスト:
Alk = アルキル
APCI = 大気圧化学イオン化法
Ar = アリール
Boc = tert−ブトキシカルボニル
br = ブロード
t−BuONO = t−亜硝酸ブチル
d = ダブレット
DBU = 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DDQ = 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン
DMF = N,N−ジメチルホルムアミド
DIBAL−H = 水素化ジイソブチルアルミニウム
DMSO = ジメチルスルホキシド
ESI = エレクトロスプレイイオン化
ESMS = エレクトロスプレイイオン−質量スペクトル
EtOAc = 酢酸エチル
HATU = O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HPLC = 高速液体クロマトグラフィー
m = マルチプレット
min = 分
MeOH = メチルアルコール
MS = 質量スペクトル
NaHMDS = ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
NMP = 1−メチル−2−ピロリジノン
NMR = 核磁気共鳴分析法
PG = 保護基
rt又はRT = 室温
s = シングレット
t = トリプレット
TFAA = トリフルオロ酢酸無水物
TfO = トリフルオロメタンスルホン酸無水物
THF = テトラヒドロフラン
TLC = 薄層クロマトグラフィー
TsOH = トルエン−4−スルホン酸
【0143】
本発明の化合物の製造
構造式Iの化合物は、適切な原料を用いて、以下のスキーム及び実施例の方法に従って調製することができ、以下の具体的な実施例によって更に説明する。しかし、実施例に説明される化合物は、本発明として考慮される唯一の種を形成するものとして解釈されるものではない。実施例は、更に本発明の化合物の調製の詳細を説明する。当業者は、これらの化合物を調製するために、以下の製造方法の条件及び工程の公知の変形を用いることができることを容易に理解するであろう。別に示さない限り、全ての温度は摂氏である。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレイイオン−質量分析(ESMS)により測定した。
【0144】
方法A:
適切に置換されたヘテロアリールアミンを、アセトニトリルのような溶媒中、亜硝酸t−ブチル及び無水ハロゲン化銅(II)と反応させ、ハロゲン化物を得る。THFのような溶媒中、を濃水酸化アンモニウムと処置し、アミドを得る。CHClのような溶媒中、TFAA又はTfOを用いて脱水し、ニトリル中間体を得る。
【0145】
【化15】

【0146】
方法B:
適切に置換されたハロ−ヘテロアリールアミンを、アセトニトリルのような溶媒中、亜硝酸t−ブチル及び無水シアン化第一銅と反応させ、ニトリル中間体を得る。
【0147】
【化16】

【0148】
方法C:
ニトリル中間体を、THF、1,4−ジオキサン及びDMFのような溶媒中、室温〜還流温度までの温度範囲で、DBU又はアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩のような塩基の存在下で、適切に置換された環状アミンと反応させる。抽出操作及びフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、カップリング生成物を得る。
【0149】
【化17】

【0150】
方法D:
エステル中間体を、THF、1,4−ジオキサン及びDMFのような溶媒中、室温〜還流温度までの温度範囲で、DBU又はアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩のような塩基の存在下で、適切に置換された環状アミンと反応させる。抽出操作及びフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、カップリング生成物を得る。のエステル基を、MeOHのようなアルコール性溶媒を含むTHF水溶液のような溶媒中、室温〜還流温度で、NaOHのようなアルカリ性塩基を用いて加水分解し、カルボン酸中間体を得る。次いで、THFのような溶媒中、対応する酸塩化物をNHを用いて又はHATUのようなカップリング試薬及びN,N−ジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下、DMFのような溶媒中、NHClを用いて、McMurray[Tetrahedron Lett.,2501(1999)]に開示されたような直接アミド化反応下、カルボン酸をアミドに変換する。CHClのような溶媒中、TFAA又はTfOを用いてアミドを脱水し、ニトリルを得る。
【0151】
【化18】

【0152】
方法E:
方法C又はDにより調製されたニトリル中間体を、NMPのような溶媒中、ピリジン塩酸塩のようなルイス酸触媒の存在下、NaNと反応させ、又は2−プロパノール及び水のような溶媒中、ZnBrのようなルイス酸触媒の存在下、NaNと反応させ、テトラゾール中間体10を得る。DMFのような溶媒中、CsCO又はKOt−Buのような塩基の存在下、ブロモ酢酸エチルのようなハロエステルを用いてアルキル化し、通常、11及び12の混合物を得、これらはフラッシュクロマトグラフィーにより分離してもよい。11及び12のエステル基を、MeOHのようなアルコール性溶媒を含むTHFのような溶媒中、室温〜還流温度までの温度範囲で、水酸化ナトリウムのようなアルカリ性塩基を用いて加水分解し、カルボン酸14及び15を得る。14及び15の構造は、更にX−線結晶学又は15N勾配ヘテロ核多重結合相関(15N gradient Heteronuclear Multiple Bond Correlation)(15NgHMBC)NMR実験により確認することができる。
【0153】
【化19】

【0154】
方法F:
方法C又はDにより調製されたニトリル中間体を、1,4−ジオキサン又はエタノールのような溶媒中、トリエチルアミン又はアルカリ性ナトリウムエトキシドのような塩基の存在下、硫化水素と反応させ、チオアミド16を得る。次いで、チオアミド中間体16を、メチル4−クロロアセトアセテートのようなアルファ−ハロケトエステルと反応させ、エステル中間体17を得る。MeOHのようなアルコール性溶媒を含むTHFのような溶媒中、室温〜還流温度までの温度範囲で、水酸化ナトリウムのようなアルカリ性塩基を用いて、エステル基を加水分解し、カルボン酸18を得る。
【0155】
【化20】

【0156】
方法G:
Wがイソキサゾール残基を表わす場合、オキシム19及びアクリレートエステル20を、EtOAc、THF、EtOAc−HOのような溶媒系中、炭酸水素カリウム及びナトリウムのような塩基の存在下で反応させ、エステル中間体を得、これを、THFのような溶媒中、アルコール性溶媒中のアンモニア又は濃水酸化アンモニアで処理し、ブロモイソキサゾリンアミド21を得る。21を、ベンゼン、ハロベンゼン及びトルエンのような溶媒中、室温〜還流温度までの温度範囲で、酢酸ナトリウムのような塩基の存在下、ヨウ素、DDQ又はMnOで酸化処理し、イソキサゾール中間体23を得る。次いで、方法D及びE中の適切な工程に従い、対応するニトリル中間体を経て、イソキサゾールアミド23をテトラゾール24に変換する。次いで、テトラゾール24を、THF、1,4−ジオキサン又はDMFのような溶媒中、室温〜還流温度までの温度範囲で、EtN又はアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩のような塩基の存在下、ブロモアセテートエステルと反応させる。通常、1−アルキル化異性体と一緒に2−アルキル化エステルテトラゾール中間体が得られ、これらはクロマトグラフィーにより分離することができる。2−アルキル化エステルテトラゾール中間体中のエステル基を、MeOHのようなアルコール性溶媒を含むTHFのような溶媒中、室温〜還流温度までの温度範囲で、水酸化ナトリウムのようなアルカリ性塩基を用いて加水分解し、カルボン酸25を得る。tert−ブチルエステルを用いる場合、エステル基を、CHClのような溶媒中又はギ酸水溶液のような酸中で、室温〜還流温度までの温度範囲で、TFAAを用いて切断し25を得る。25の構造は、更に15NgHMBC NMR実験により確認することができる。
【0157】
【化21】

【0158】
方法H:
適切に置換された環状アミンを、THFのような溶媒中、トリエチルアミンのような塩基の存在下、臭化シアンと反応させ、シアナミド誘導体26を得る。シアナミド26を、還流温度条件下、炭酸ナトリウムのような塩基の存在下、EtOH/水中、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させ、カルボキシミドアミド27を得る。カルボキシミドアミド27を、THFのような溶媒中、室温又は還流温度条件下、トリエチルアミン及び水素化ナトリウムのような塩基の存在下、適切に置換されたヘテロアリール酸塩化物28と反応させ、中間体29を得る。THFのような溶媒中、トリエチルアミン及び水素化ナトリウムのような塩基の存在下、ヘテロアリール窒素をブロモ酢酸エチルのようなハロエステルを用いてアルキル化し、ヘテロアリール酢酸中間体を得る。エステル基を、THF及びMeOHのような溶媒中、ほぼ室温〜ほぼ還流温度までの温度範囲で、NaOH水溶液を用いて加水分解し、次いで抽出操作及びフラッシュカラムクロマトグラフィー又は再結晶による精製により最終生成物30を得ることができる。
【0159】
【化22】

【0160】
方法I:
方法C又はDにより調製されたニトリル中間体を、DMF、EtOH、THF及び1,4−ジオキサンのような溶媒中、室温〜還流温度までの温度範囲で、アルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩のような塩基の存在下、ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させ、カルボキシミドアミド31を得る。CHClのような溶媒中、ピリジンのような塩基の存在下、適切に置換されたカルボン酸ハロゲン化物32との反応により、中間体を得、次いで、ピリジン中での還流により33に変換する。33中のエステル基を、THFのような溶媒又はMeOHのようなアルコール性溶媒中、アルカリ性塩基(NaOH)を用いて加水分解し、切断することにより最終生成物34を得る。
【0161】
【化23】

【0162】
方法J:
方法E又はGにより調製されたフェニル環が示されたようなハロゲン基を有するカルボン酸35を、トルエンのような溶媒中、適切な温度で、Pd(PhP)のような触媒の存在下、アリールボロン酸及びNaCO水溶液のような塩基を用いて、スズキ型条件下で交差カップリングさせ、ビアリール生成物36を得る。
【0163】
【化24】

【0164】
中間体の調製
中間体1
【0165】
【化25】

【0166】
4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン
0℃で、tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(25g,124ミリモル)、2−ヒドロキシ−ベンゾトリフルオライド(22g,136ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(39g,149ミリモル)のTHF中の溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート(23.5mL,149ミリモル)を滴下して加えた。次いで、混合物を室温まで加温し、14時間撹拌した。混合物を濃縮し、EtOで希釈し、1N NaOH及び水で洗浄し、NaSOで乾燥した。混合物を濃縮し、EtO/ヘキサン(35:65)で希釈した。沈殿したホスフィンオキシドをろ過し、ろ液を濃縮した。残渣を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(35%EtO/ヘキサンで溶出)により精製し、tert−ブチル4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−ピペリジン−1−カルボキシレートを固体として得た。
【0167】
tert−ブチル4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−ピペリジン−1−カルボキシレート(29.5g,85ミリモル)のCHCl(171mL)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(26.3mL,342ミリモル)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。蒸発により溶媒を除去した。残渣をEtOAc(200mL)で希釈し、2N NaOH(3×100mL)、食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮し、標題の化合物を油状物質として得た。
【0168】
中間体2
【0169】
【化26】

【0170】
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン
tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(50.6g,251ミリモル)及びジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート(71.0g,308ミリモル)のTHF(350mL)中の溶液に、2−ブロモ−5−フロオロフェノール(36mL,324ミリモル)を加えた。混合物を−78℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(81.5g,311ミリモル)のCHCl(130mL)中の溶液をカニューレを通して加えた。次いで、反応物を室温まで加温し、一晩撹拌した。真空下で溶媒を除去し、粗油状物質をEtOH(200mL)に溶解した。溶液を−78℃まで冷却し、1,4−ジオキサン中の4M HCl(450mL)で処理した。反応物を室温まで加温し、24時間撹拌した。次いで、真空下で溶媒を除去した。塩を1N NaOH(750mL)で中和し、EtO:ヘキサン(1:1)の混合物で数回抽出した。有機層を一緒にし、濃縮して乾燥した。粗生成物をヘプタン(1L)で処理し、白色沈殿をろ過し、廃棄した。ヘプタン層をEtOで希釈し、1,4−ジオキサン中の4M HCl(100mL)で処理した。得られた沈殿をろ過により集め、EtO:ヘキサン(1:1)で3回洗浄した。塩を、1N NaOH(500mL)で再度中和し、EtO:ヘキサン(1:1)混合物で数回抽出した。有機層を一緒にし、食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、濃縮した。粗生成物をヘプタン(2L)に溶解し、1N NaOH(250mL)、食塩水で4回洗浄し、乾燥した(MgSO)。有機層をろ過し、濃縮して乾燥し、標題の化合物を無色の油状物質として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.58(dd,1H),7.00(dd,1H),6.70(td,1H),4.64−4.58(m,1H),3.12−3.06(m,2H),2.73−2.66(m,2H),2.02−1.94(m,2H),1.69−1.60(m,2H)。
【0171】
中間体3
【0172】
【化27】

【0173】
5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル
工程1:エチル5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシレート
エチル5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシレート(10g,58ミリモル)のCHCN(180mL)中の懸濁液に、CuBr(25.7g,115ミリモル)を加えた。混合物が暗緑色に変わり、室温で更に15分間撹拌した。t−BuONO,90%(13.8mL,115ミリモル)を、15〜20分間かけ滴下して加えた。混合物が少し加温され、5分後にガスが放出され、次いで、添加の間続いた。添加完了後ガスの放出が弱まり、混合物を60℃で30分間加熱した。次いで、溶媒を真空下で蒸発させた。水及びEtOAcを加え、混合物を、暗緑色が消えるまでフラスコ中で撹拌した。有機層が淡褐色になり、水層は不溶性物質を含む緑色であった。全ての混合物をセライトによりろ過し、EtOAcで洗浄した。EtOAc層を分離し、希食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ4.52(q,2H),1.43(t,3H)。
【0174】
工程2:5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシアミド
室温で、エチル5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシレート(13.5g,56.9ミリモル)のTHF(50mL)中の溶液に、NHOH(28重量%,39.6mL,164ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、水層中に沈殿が出現した。揮発性物質を真空下で除去した。混合物を水で希釈し、沈殿物を集め、水で洗浄し、真空下で乾燥し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.99(s,1H),7.55(s,1H)。
【0175】
工程3:5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル
0℃で、5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシアミド(11g,53ミリモル)及びEtN(17.1mL,122ミリモル)のTHF(106mL)中の溶液に、TFAA(17mL,58ミリモル)を加えた。次いで、混合物を室温まで加温し、30分間撹拌した。真空下で溶媒を蒸発させた。残渣を水で希釈した。沈殿を集め、水で洗浄し、乾燥し、標題の化合物を得た。13C NMR(300MHz,CDCl):δ77.3,109.0,141.7。
【0176】
下記実施例は、本発明を説明するために提供され、いかなる方法であっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されない。
【0177】
実施例1
【0178】
【化28】

【0179】
[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−2H−テトラゾール−2−イル]酢酸
工程1:5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン
4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン塩酸塩(5.5g,2.2ミリモル)のDMF(50mL)中の溶液に、5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(3.3g,2.2ミリモル)及びKCO(9.1g,6.6ミリモル)を加えた。反応物を、一晩撹拌しながら80℃で加熱した。冷却した後、ろ過により塩を除去し、ろ液を真空下で濃縮した。残渣をEtOAcで粉砕し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.57−7.60(m,2H),7.29−7.35(m,1H),7.03−7.05(m,1H),6.46(s,2H),4.84(s,1H),3.22−3.30(m,4H),1.91−2.01(m,2H),1.68−1.78(m,2H)。MS:m/z345(MH)。
【0180】
工程2:5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル
室温で、5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(10.0g,29.0ミリモル)のCHCN(150mL)中の懸濁液に、CuCN(5.3g,59.2ミリモル)及びt−BuONO(90%)(8mL,60.0ミリモル)を加えた。反応混合物を、TLCが出発原料の消失を示すまで、50〜60℃で2時間加熱した。反応混合物を水に注ぎ入れ、CHClを加えた。ろ過により固体を取り除き、ろ液をCHClで抽出し、乾燥し(NaSO)、ろ過した。真空下で溶媒を除去し、粗生成物を得、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(5:1の石油エーテル/EtOAcで溶出)により精製し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.61(d,1H),7.50(t,1H),6.93−7.06(m,2H),4.86(br s,1H),3.77−3.83(m,4H),2.01−2.20(m,4H)。MS:m/z355(MH)。
【0181】
工程3:1−[5−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン
5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(4.99g,14.1ミリモル)、NaN(4.65g,71.5ミリモル)及び塩酸ピリジニウム(3.43g,29.7ミリモル)のNMP(50mL)中の懸濁液を130℃で18時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、0.5N HCl水溶液に注ぎ入れ、EtOAcで抽出し、0.5N HCl水溶液で3回洗浄し、食塩水溶液で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過した。溶媒を蒸発させ、次いで、MeOH/EtO/ヘプタン(1:1:6)(v/v)中、室温で4時間撹拌しながら粉砕した。次いで、懸濁液を氷水浴で冷却し、ろ過により標題の化合物を白色固体として得た。物質を50℃で1〜2時間加熱することにより、高真空下で乾燥した。HNMR(300MHz,DMSO−d):δ7.60−7.62(m,2H),7.37(d,1H),7.08(t,1H),4.86−4.95(m,1H),3.56−3.64(m,4H),2.00−2.15(m,2H),1.75−1.89(m,2H)。MS:m/z398(MH)。
【0182】
工程4:エチル[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−2H−テトラゾール−2−イル]アセテート及びエチル[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1H−テトラゾール−1−イル]アセテート
−78℃で、1−[5−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]−4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン(262mg,0.66ミリモル)のDMF(5mL)中の溶液をNaH(油中60%)(42mg,1.05ミリモル)で処理した。混合物を0℃まで加温し、10分後に、ブロモ酢酸エチル(150μL,1.35ミリモル)を滴下して加えた。最終反応混合物を加温し、TLCが出発原料の消失を示すまで室温で撹拌した。反応混合物を1N HCl水溶液に注ぎ入れ、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過した。真空下で溶媒を除去し、粗生成物を得、これをシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製し、エチル[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−2H−テトラゾール−2−イル]アセテートを、より極性の高い位置異性体として得た。R=0.2(50%EtOAc/ヘキサン). H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.70−7.61(m,2H),7.40(d,1H),7.14(t,1H),5.81(s,2H),5.10−5.04(m,1H),4.31(q,2H),3.94−3.85(m,2H),3.86−3.77(m,2H),2.29−2.20(m,2H),2.11−2.03(dd,2H),1.31(t,3H)。
【0183】
エチル[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1H−テトラゾール−1−イル]アセテートは、より極性の低い位置異性体として得られた(R=0.3(50%EtOAc/ヘキサン))。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.70−7.61(m,2H),7.40(d,1H),7.14(t,1H),5.79(s,2H),5.11−5.05(m,1H),4.27(q,2H),3.98−3.82(m,4H),2.30−2.21(m,2H),2.13−2.03(m,2H),1.28(t,3H)。
【0184】
工程5:[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−2H−テトラゾール−2−イル]酢酸
エチル[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−2H−テトラゾール−2−イル]アセテート(134mg,0.28ミリモル)のTHF/MeOH(2:1)(v/v)(4.6mL)中の溶液を、1N NaOH(1.5mL)水溶液で処理した。反応混合物を、TLCが出発原料の消失を示すまで室温で撹拌した。反応混合物を0.5N HCl水溶液中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過した。溶媒を除去し、次いで、室温で1時間撹拌しながらEtO/ヘプタンの混合物中で粉砕した。次いで、ろ過により標題の化合物を白色固体として集めた。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ13.67(br s,1H),7.67−7.62(m,2H),7.41(d,1H),7.12(t,1H),5.67(s,2H),5.02−4.94(m,1H),3.80−3.70(m,4H),2.15−2.09(m,2H),1.92−1.85(m,2H)。MS:m/z456.1(MH)。
【0185】
実施例2
【0186】
【化29】

【0187】
[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1H−テトラゾール−1−イル]酢酸
実施例1、工程4において得られたより極性の低い位置異性体、エチル[5−(5−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1H−テトラゾール−1−イル]アセテートから、実施例1、工程5に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ13.91(br s,1H),7.67−7.62(m,2H),7.41(d,1H),7.12(t,1H),5.80(s,2H),5.01−4.94(m,1H),3.78−3.67(m,4H),2.15−2.09(m,2H),1.91−1.84(m,2H)。MS:m/z456.1(MH)。
【0188】
実施例3
【0189】
【化30】

【0190】
(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸
工程1:5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン(15.16g,52.5ミリモル)の1,4−ジオキサン(80mL)中の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基又はDIPEA)(20mL,115ミリモル)、次いで、5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(10.02g,52.7ミリモル)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を飽和NHCl水溶液に注ぎ入れ、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10〜40%EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製し、所望の生成物を無色の油状物質として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.63(dd,1H),7.14(dd,1H),6.78(td,1H),5.04−4.99(m,1H),4.00−3.95(m,2H),3.89−3.84(m,2H),2.27−2.21(m,2H),2.11−2.05(m,2H)。
【0191】
工程2:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ピペリジン
5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(15.6g),NaN(13.2g,204ミリモル)及び塩酸ピリジニウム(9.47g,82.0ミリモル)を用いて、NMP(70mL)中、実施例1、工程3に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製し、MeOH/EtO/ヘプタンの混合物を用いて粉砕することにより精製し、所望の生成物を白色固体として得た。 H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.64(dd,1H),7.16(dd,1H),6.79(td,1H),5.04−5.00(m,1H),4.02−3.94(m,2H),3.89−3.81(m,2H),2.29−2.20(m,2H),2.12−2.03(m,2H)。MS:m/z428.0,426.0(MH)。
【0192】
工程3:エチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテート及びエチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1H−テトラゾール−1−イル)アセテート
DMF(20mL)中、4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]ピペリジン(4.54g,10.66ミリモル)、NaH(油中60%)(512mg,12.80ミリモル)及びブロモ酢酸エチル(1.6mL,14.37mmol)を用いて、実施例1、工程4に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製し、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(10〜50%EtOAc/ヘキサンにより溶出)により精製した。より極性の高い異性体(Rf=0.3(50%EtOAc/ヘキサン))はエチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテートであった。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ7.64(dd,1H),7.29(dd,1H),6.82(td,1H),5.98(s,2H),4.93−4.89(m,1H),4.24(q,2H),3.84−3.77(m,2H),3.72−3.66(m,2H),2.13−2.06(m,2H),1.90−1.83(m,2H),1.24(t,3H)。
より極性の低い異性体(Rf=0.5(50%EtOAc/ヘキサン))はエチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1H−テトラゾール−1−イル)アセテートであった。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ7.64(dd,1H),7.29(dd,1H),6.82(td,1H),5.79(s,2H),4.94−4.89(m,1H),4.19(q,2H),3.86−3.80(m,2H),3.75−3.69(m,2H),2.12−2.06(m,2H),1.90−1.84(m,2H),1.20(t,3H)。
【0193】
工程4:(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸
エチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテート(2.57g)及びTHF/MeOH(30mL)(v/v)(0.1M)中の1N NaOH(10mL)を用いて、実施例1、工程5に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製し、EtO/ヘプタンの混合物中で粉砕することにより精製し、所望の物質を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ13.89(br s,1H),7.65(dd,1H),7.30(dd,1H),6.83(td,1H),5.84(s,2H),4.95−4.88(m,1H),3.86−3.78(m,2H),3.74−3.66(m,2H),2.15−2.07(m,2H),1.92−1.84(m,2H)。MS:m/z485.8,483.8(MH)。
【0194】
実施例4
【0195】
【化31】

【0196】
(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1H−テトラゾール−1−イル)酢酸
実施例3、工程3で得られたより極性の低い位置異性体、エチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1H−テトラゾール−1−イル)アセテートから、実施例1、工程5に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ13.68(br s,1H),7.65(dd,1H),7.30(dd,1H),6.83(td,1H),5.68(s,2H),4.98−4.87(m,1H),3.88−3.80(m,2H),3.77−3.69(m,2H),2.15−2.07(m,2H),1.93−1.83(m,2H)。MS:m/z486.0,484.0(MH)。
【0197】
実施例5
【0198】
【化32】

【0199】
(2’−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−2,5’−ビ−1,3−チアゾール−4−イル)酢酸
工程1:メチル2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート
メチル2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート(10g,45ミリモル)及び4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン(12.1g,50ミリモル)のジオキサン(160mL)中の混合物を80〜85℃で一晩加熱した。冷却した後、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物を水で2回洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製し、標題の化合物を淡黄色の油状物質として得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.90(s,1H),7.62(d,1H),7.51(t,1H),7.06−7.02(m,2H),4.82(d,1H),3.85(s,3H),3.80−3.70(m,4H),2.12−2.02(m,4H)。
【0200】
工程2:2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸
メチル2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート(16g,41.4ミリモル)及び1N NaOH(85mL,85ミリモル)のTHF/MeOH(1:1)(v/v)(300mL)中の混合物を80℃の槽中で1時間加熱した。真空下で揮発性溶媒を除去した。残渣をHOで希釈し、1N HCl(2.2当量)で酸性化し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物をHOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮し、標題の化合物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.83(s,1H),7.69−7.60(m,2H),7.39(d,1H),7.13(t,1H),5.07−5.01(m,1H),3.86−3.72(m,4H),2.22−2.13(m,2H),2.06−1.96(m,2H)。
【0201】
工程3:2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシアミド
室温で、2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(14.5g,39ミリモル)、HOBt(5.3g,39ミリモル)、HATU(23.7g,62ミリモル)及びNHCl(6.3g,117ミリモル)のDMF(200mL)中の溶液に、ヒューニッヒ塩基(34mL,195ミリモル)を約15分間かけて加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。水で希釈した後、混合物をEtOAcで2回抽出した。EtOAc抽出物を一緒にし、0.5N NaOH(2回)、希食塩水(1回)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。残渣をEtO/ヘキサン(1:1)で粉砕し、標題の化合物を淡黄色固体として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.79(s,1H),7.67−7.61(m,2H),7.38(d,1H),7.12(t,1H),5.02(s,1H),3.76(t,2H),3.71−3.67(m,2H),2.16(t,2H),2.00−1.94(m,2H)。
【0202】
工程4:2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシアミド(4g,10.8ミリモル)のCHCl(100mL)中の懸濁液を氷−アセトン槽で冷却した。次いで、TfO(2.0mL,11.9ミリモル)を約10分間かけて滴下して加えた。混合物を5分間撹拌し、次いで冷却槽を取り除いた。室温で更に15分間撹拌した後、水で混合物の反応を停止し、CHClで2回抽出した。一緒にしたCHCl抽出物を希食塩水で2回希釈し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。粗生成物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製し、標題の化合物を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.88(s,1H),7.69−7.60(m,2H),7.39(d,1H),7.14(t,1H),5.09−5.03(m,1H),3.87−3.75(m,4H),2.24−2.15(m,2H),2.06−1.98(m,2H)。
【0203】
工程5:2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボチオアミド
2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル(354mg,1.0ミリモル)のジオキサン中の溶液に、EtN(20μL,0.14ミリモル)を加え、HS(ガス)を、溶液を通して約1分間吹き込んだ。室温で3時間撹拌した後、エタノールを加え、次いで、エタノール中の21重量%NaOEt(238μL,0.6ミリモル)を加えた。追加のHS(ガス)を、溶液を通して更に1分間吹き込んだ。次いで、混合物を室温で3日間撹拌した。真空下で揮発性物質を除去した。残渣をEtOAcに溶解し、水で2回洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。EtOにより粉砕し、標題の化合物を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ8.52(s,1H),8.32(s,1H),7.82(s,1H),7.69−7.60(m,2H),7.39(d,1H),7.13(t,1H),5.04(t,1H),3.84−3.69(m,4H),2.21−2.12(m,2H),2.05−1.95(m,2H)。MS(+ESI)m/z388(MH)。
【0204】
工程6:メチル(2’−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−2,5’−ビ−1,3−チアゾール−4−イル)アセテート
2−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボチオアミド(240mg,0.62ミリモル)及びメチル4−クロロアセトアセテート(73μL,0.62ミリモル)のメタノール(3mL)中の混合物を、密封した試験管内で80〜85℃で一晩加熱した。冷却した後、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物を水で2回洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。粗生成物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(30〜60%EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製し、標題の化合物を淡黄色の粘性物質として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.72(s,1H),7.69−7.60(m,2H),7.39(d,1H),7.26(s,1H),7.13(t,1H),5.06−5.00(m,1H),3.86−3.67(m,9H),2.23−2.14(m,2H),2.06−1.95(m,2H)。MS(+ESI)m/z484(MH)。
【0205】
工程7:(2’−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−2,5’−ビ−1,3−チアゾール−4−イル)酢酸
メチル(2’−{4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−2,5’−ビ−1,3−チアゾール−4−イル)アセテート(220mg,0.44ミリモル)のTHF/MeOH(4:1)(v/v)(5mL)中の混合物を、1N NaOH(1mL,1ミリモル)で処理し、還流温度で2時間加熱した。真空下で揮発性物質を除去した。残渣を水で希釈し、1N HClで酸性化し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物を水で2回洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮し、標題の化合物を黄色の泡状物質として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ10.93(s,1H),7.72(s,1H),7.69−7.61(m,2H),7.39(d,1H),7.28(s,1H),7.13(t,1H),5.07−5.01(m,1H),3.85−3.68(m,6H),2.23−2.14(m,2H),2.06−1.96(m,2H)。MS(+ESI)m/z470(MH)。
【0206】
実施例6
【0207】
【化33】

【0208】
(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸
工程1:エチル3−ブロモ−4,5−ジヒドロイソキサゾール−5−カルボキシレート
ヒドロキシカルボンイミド酸ジブロマイド(15.5g,76.4ミリモル)及びアクリル酸エチル(15.3g,153ミリモル)のDMF(200mL)中の激しく撹拌した混合物に、15重量%KHCO水溶液(102mL,153ミリモル)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。水を加え、混合物をメチルtert−ブチルエーテルで2回抽出した。一緒にした抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空下で濃縮し、標題の化合物を得た。
【0209】
工程2:3−ブロモ−4,5−ジヒドロイソキサゾール−5−カルボキシアミド
エチル3−ブロモ−4,5−ジヒドロイソキサゾール−5−カルボキシレート(6.2g,28ミリモル)及び2MアンモニアのMeOH溶液(56mL)の混合物を室温で1〜2時間撹拌した。真空下で揮発性物質を除去し、標題の化合物を白色固体として得た。
【0210】
工程3:3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−4,5−ジヒドロイソキサゾール−5−カルボキシアミド
3−ブロモ−4,5−ジヒドロイソキサゾール−5−カルボキシアミド(1.5g,7.77ミリモル)、4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン(2.56g,9.33ミリモル)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.5mL,20.04ミリモル)のエタノール(15mL)中の混合物を還流温度で一晩加熱した。次いで、真空下で溶媒を除去した。残渣を水中に懸濁し、1時間撹拌した。固体を集め、水及びEtOで洗浄した。真空下で乾燥し、標題の化合物を淡褐色の粉末として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.61(dd,1H),7.07(dd,1H),7.02(s,1H),6.74(td,1H),6.63(s,1H),4.85−4.78(m,2H),3.56−3.50(m,2H),3.40−3.23(m,4H),2.10−1.05(m,2H),1.89−1.82(m,2H)。
【0211】
工程4:3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−カルボキシアミド
3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−4,5−ジヒドロイソキサゾール−5−カルボキシアミド(2.3g,5.96ミリモル)及び酢酸ナトリウム(1.3g,15.85ミリモル)のクロロベンゼン(15mL)中の撹拌懸濁液に、ヨウ素(2g,7.88ミリモル)を加えた。混合物を還流温度で3時間加熱した。冷却した後、Na溶液、水及びEtOAcを加えた。混合物を5分間撹拌し、セライトでろ過し、不溶性物質を取り除いた。次いで、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。残渣をEtOで粉砕し、標題の化合物を淡褐色の粉末として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d)δ7.61(m,1H),7.51(s,1H),7.10(dd,2H),6.78(s,1H),6.75(td,1H),4.89−4.84(m,1H),3.67−3.60(m,2H),3.45−3.38(m,2H),2.16−2.08(m,2H),1.98−1.88(m,2H)。
【0212】
工程5:3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−カルボニトリル
氷水浴温度で、3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−カルボキシアミド(1.6g,4.2ミリモル)及びEtN(1.5mL,10.8ミリモル)のCHCl(20mL)中の懸濁液に、TFAA(0.8mL,5.7ミリモル)を加えた。均一な溶液が得られた。添加後、冷却浴を取り除き、混合物を室温で2時間撹拌した。水(10〜15mL)、次いで、飽和NaHCO水溶液(15〜20mL)で混合物の反応を停止し、CHCl(2×30mL)で抽出した。一緒にしたCHCl抽出物を希食塩水(40mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。シリカゲル上のクロマトグラフィーによりヘキサン:EtOAc(4:1)で溶出し、標題の化合物を無色の粘性物質として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.62(dd,1H),7.33(s,1H),7.10(dd,1H),6.76(td,1H),4.93−4.86(m,1H),3.71−3.63(m,2H),3.52−3.44(m,2H),2.18−2.09(m,2H),1.99−1.90(m,2H)。
【0213】
工程6:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−テトラゾール−5−イル)イソキサゾール−3−イル]ピペリジン
3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−カルボニトリル(1.4g,3.82ミリモル)、塩酸ピリジニウム(0.9g,7.79ミリモル)及びアジ化ナトリウム(1.3g,20.00ミリモル)のNMP(12mL)中の混合物を撹拌し、130℃の槽で2時間加熱した。冷却した後、混合物を水で希釈し、1N HClで酸性化した(いくらかの沈殿が現れた)。次いで、全混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc抽出物を水で洗浄し(3回)、乾燥し(NaSO)、濃縮した。残渣をジエチルエーテルで粉砕し、標題の化合物を淡褐色の粉末として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.63(dd,1H),7.12(m,2H),6.76(td,1H),4.93−4.88(m,1H),3.77−3.69(m,2H),3.55−3.47(m,2H),2.21−2.13(m,2H),2.02−1.92(m,2H)。
【0214】
工程7:エチル(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテート
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−テトラゾール−5−イル)イソキサゾール−3−イル]ピペリジン(1.2g,2.93ミリモル)、ブロモ酢酸エチル(0.45mL,4.04ミリモル)及びトリエチルアミン(0.75mL,5.38ミリモル)のTHF(12mL)中の混合物を還流温度で2時間加熱した。冷却した後、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。コンビ−フラッシュクロマトグラフィー(40g、ヘキサン中25〜40%EtOAcにより20分間、35mL/分、18mL/画分)により、標題の化合物を、約20%の1−アルキル化異性体を含む無色の粘性物質として得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.63(dd,1H),7.14−7.09(m,1H),7.03(s,1H),6.76(td,1H),5.84(s,2H),4.93−4.87(m,1H),4.34−4.26(m,2H),3.77−3.68(m,2H),3.55−3.46(m,2H),2.21−2.12(m,2H),2.03−1.91(m,2H),1.30(t,3H)。
【0215】
工程8:(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸
エチル(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテート(1.3g,2.62ミリモル)のTHF(15mL)及びMeOH(5mL)中の溶液に、1M水酸化ナトリウム(5.25mL,5.25ミリモル)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。真空下で揮発性溶媒を除去した。残渣を水(20mL)で希釈し、1M HCl(6mL)で酸性化し、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。残渣をジエチルエーテルで粉砕し、約5%の1−異性体を含む粗生成物を得た。酢酸イソプロピル中での粉砕によりさらに精製し(80℃で一晩を2回、次いで室温で一晩)、標題の化合物をベージュ色の粉末として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ13.90(s,1H),7.63(dd,1H),7.29−7.24(m,2H),6.81(td,1H),5.86(s,2H),4.84(m,1H),3.63−3.55(m,2H),3.43−3.33(m,2H),2.06−2.00(m,2H),1.78(d,2H)。MS(+ESI)m/z467,469。
【0216】
実施例7
【0217】
【化34】

【0218】
(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピロール−1−イル)酢酸
工程1:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−カルボニトリル
0℃で、4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン(2.0g,7.30ミリモル)のTHF(24.3mL)中の溶液に、臭化シアン(0.77g,7.30ミリモル)、次いで、トリエチルアミン(1.01mL,7.3ミリモル)を加えた。混合物を室温まで加温し、更に1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を1N HCl(20mL)で希釈した。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。一緒にした有機画分を水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。減圧下で溶媒を蒸発させ、標題の化合物を固体として得、これは、更に精製することなく次の工程で用いた。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.62(dd,1H),7.08(dd,1H),6.76(td,1H),4.88−4.84(m,1H),3.55−3.48(m,2H),3.32−3.25(m,2H),2.16−2.09(m,2H),1.99−1.91(m,2H)。
【0219】
工程2:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−N’−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシミドアミド
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−カルボニトリル(1.6g,5.3ミリモル)、塩酸ヒドロキシルアミン(1.1g,16.1ミリモル)及びNaCO(2.3g,92ミリモル)のEtOH/水4:1(26mL)中の混合物を80℃で1時間加熱した。溶媒を蒸発させた。残渣を6N HClで酸性化し、EtO(2×10mL)で洗浄した。固体のNaCOにより水層を塩基性にし、EtOAc(3×20mL)で抽出した。一緒にした有機画分をNaSOで乾燥し、減圧下で溶媒を除去し、標題の化合物を泡状物質として得、これは、更に精製することなく次の工程で用いた。MS:m/z332,334(MH)。
【0220】
工程3:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−ピロール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン
0℃で、ピロール−3−カルボン酸水和物(93mg,0.723ミリモル)のTHF(2007μL)中の混合物に、塩化オキサリル(264μL,3.01ミリモル)、次いで、DMF(10μL)を加えた。混合物を室温まで加温し、0.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をTHF(1mL)で希釈し、再度蒸発させ、高真空下で乾燥した。残渣をTHF(2007μL)で希釈し、4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−N’−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシミドアミド(200mg,0.602ミリモル)、次いで、トリエチルアミン(252μL,1.806ミリモル)を加えた。混合物を室温で0.5時間撹拌し、次いで80℃で1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、次いで、水素化ナトリウム(72.2mg,1.806ミリモル)を加えた。混合物を室温で0.5時間撹拌し、次いで、80℃で1時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(2mL)で希釈した。水層をEtOAc(3×2mL)で抽出した。一緒にした有機画分をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた。コンビフラッシュクロマトグラフィー(SiO−12g,30〜60%EtOAc/ヘキサンを25分間にわたる勾配溶出)による精製により、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.61(s,2H),7.11(s,1H),6.99(s,1H),6.75(s,1H),6.65(s,1H),4.89(s,1H),3.76(s,2H),3.54(s,2H),1.99−1.82(m,2H),2.10(s,2H)。MS:m/z407,409(MH)。
【0221】
工程4:エチル(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピロール−1−イル)アセテート
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−ピロール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン(60mg,0.15ミリモル)のDMF(491μL)中の溶液に、水素化ナトリウム(11.8mg,0.3ミリモル)を加えた。5分後、ブロモ酢酸エチル(25μL,0.22ミリモル)を加え、混合物を80℃で3時間加熱した。混合物を氷冷した1N HCl(2mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×2mL)で抽出した。一緒にした有機画分を水(2mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させた。コンビフラッシュクロマトグラフィー(SiO−12g,30〜60%EtOAc/ヘキサンを25分間にわたる勾配溶出)による精製により、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.64−7.58(m,2H),7.10(dd,1H),6.95(s,1H),6.75(td,1H),6.62(s,1H),5.03−4.92(m,2H),4.88(s,1H),4.33−4.10(m,2H),3.80−3.72(m,2H),3.56−3.49(m,2H),2.17−2.06(m,2H),1.91(dd,2H),1.31−1.18(m,3H)。MS:m/z493,495(MH)。
【0222】
工程5:(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピロール−1−イル)酢酸
エチル(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピロール−1−イル)アセテート(35mg,0.071ミリモル)のTHF(236μL)及びMeOH(118μL)中の溶液に、1N NaOH(142μL,0.142ミリモル)を加えた。混合物を室温で10分間撹拌した。減圧下、蒸発によりTHF及びMeOHを除去し、水層をEtO(2×2mL)で洗浄した。水層を1N HClでpH1まで酸性化し、EtOAc(3×2mL)で抽出した。一緒にした有機画分をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させ、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.62−7.56(m,2H),7.08(dd,1H),6.94(d,1H),6.72(td,1H),6.58(s,1H),4.96(s,2H),4.87−4.83(m,1H),3.76−3.69(m,2H),3.53−3.47(m,2H),2.11−2.05(m,2H),1.92−1.84(m,2H)。MS:m/z465,467(MH)。
【0223】
実施例8
【0224】
【化35】

【0225】
(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸
工程1:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−ピラゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン
3−ピラゾールカルボン酸(55.7mg,0.497ミリモル)の塩化チオニル(989μL,13.55ミリモル)中の混合物を80℃で2時間加熱した。蒸発により過剰の塩化チオニルを除去した。残渣をTHF(1mL)で希釈し、濃縮し、高真空下で乾燥した。残渣をTHF(1505μL)に溶解し、(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−N’−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシミドアミド(150mg,0.452ミリモル)を加え、次いで、トリエチルアミン(189μL,1.355ミリモル)を加えた。混合物を80℃で1時間加熱した。溶媒を蒸発させ、飽和NaHCO(2mL)を加えた。水層をEtOAc(3×2mL)で抽出した。一緒にした有機画分をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた。コンビフラッシュクロマトグラフィー(SiO−12g,20〜50%EtOAc/ヘキサンを25分間にわたる勾配溶出)による精製により、標題の化合物を得た。 H NMR(500MHz,アセトン−d):δ12.90(s,1H),7.98(s,1H),7.62(dd,1H),7.11(dd,1H),6.95(s,1H),6.82−6.72(m,1H),4.92−4.88(m,1H),3.83−3.76(m,2H),3.64−3.55(m,2H),2.17−2.11(m,2H),1.98−1.90(m,2H)。MS:m/z408,410(MH)。
【0226】
工程2:エチル(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)アセテート
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−ピラゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン、水素化ナトリウム及びブロモ酢酸エチルから、実施例7(工程4)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製し、より極性の高い異性体として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.69(s,1H),7.62(dd,1H),7.13−7.08(m,2H),6.76(td,1H),5.48(s,2H),4.92(t,1H),4.29−4.17(m,2H),3.81−3.72(m,2H),3.62−3.55(m,2H),2.17−2.10(m,2H),1.98−1.90(m,2H),1.27−1.21(m,3H).MS:m/z494,496(MH)。
【0227】
分離されたより極性の低い異性体は、エチル(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)アセテートであった。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.69(s,1H),7.62(dd,1H),7.13−7.08(m,2H),6.76(td,1H),5.48(s,2H),4.92(t,1H),4.29−4.17(m,2H),3.81−3.72(m,2H),3.62−3.55(m,2H),2.17−2.10(m,2H),1.98−1.90(m,2H),1.27−1.21(m,3H)。MS:m/z494,496(MH)。
【0228】
工程3:(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸
エチル(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)アセテート及びNaOH水溶液から、実施例7(工程5)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.97(s,1H),7.62(t,1H),7.12(d,1H),6.94(s,1H),6.75(s,1H),5.22(s,2H),4.91(s,1H),3.82−3.75(m,2H),3.63−3.57(m,2H),2.16−2.07(m,2H),1.94(s,2H)。MS:m/z466,468(MH)。
【0229】
実施例9
【0230】
【化36】

【0231】
(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸
エチル(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)アセテート及びNaOH水溶液から、実施例7(工程5)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.68(d,1H),7.62(dd,1H),7.14−7.08(m,2H),6.76(td,1H),5.49(s,2H),4.93−4.89(m,1H),3.81−3.74(m,2H),3.66−3.55(m,2H),2.16−2.10(m,2H),1.98−1.88(m,2H)。MS:m/z466,468(MH)。
【0232】
実施例10
【0233】
【化37】

【0234】
(4−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸
工程1:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン
4−ピラゾールカルボン酸、塩化チオニル及び(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−N’−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシミドアミドから、実施例8(工程1)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ12.82(s,1H),8.48(s,1H),8.11−7.96(m,1H),7.62(dd,1H),7.11(dd,1H),6.75(td,1H),4.92−4.88(m,1H),3.80−3.73(m,2H),3.59−3.52(m,2H),2.17−2.11(m,2H),1.98−1.88(m,2H)。MS:m/z408,410(MH)。
【0235】
工程2:エチル(4−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)アセテート
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−ピラゾール−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン、水素化ナトリウム及びブロモ酢酸エチルから、実施例7(工程4)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ8.47(s,1H),8.04−7.99(m,1H),7.62(dd,1H),7.11(dd,1H),6.75(td,1H),5.19(s,2H),4.92−4.88(m,1H),4.30−4.19(m,2H),3.80−3.70(m,2H),3.59−3.52(m,2H),2.15−2.09(m,2H),1.96−1.88(m,2H),1.27(t,3H)。MS:m/z494,496(MH)。
【0236】
工程3:(4−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸
エチル(4−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)アセテート及びNaOH水溶液から、実施例7(工程5)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ8.48(s,1H),8.03(s,1H),7.62(dd,1H),7.11(dd,1H),6.75(td,1H),5.20(s,2H),4.90(s,1H),3.80−3.74(m,2H),3.59−3.52(m,2H),2.15−2.08(m,2H),1.95−1.89(m,2H)。MS:m/z466,468(MH)。
【0237】
実施例11
【0238】
【化38】

【0239】
(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸ナトリウム
工程1:3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボキシアミド
0℃で、(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−N’−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシミドアミド(14.5g,43.7ミリモル)及びピリジン(10.59mL,131ミリモル)のTHF(146mL)中の溶液に、塩化メチルオキサリル(8.91mL,96ミリモル)を加えた。混合物を室温まで加温し、1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を1N HCl(200mL)で希釈した。水層をEtOAc(3×200mL)で抽出した。一緒にした有機画分を食塩水(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で溶媒を蒸発させた。コンビフラッシュクロマトグラフィー(SiO−300g,80〜100%EtOAc/ヘキサンを40分間にわたる勾配溶出)による精製により、より極性の低い化合物としてメチル3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボキシレートを、より極性の高い化合物としてメチル(6E)−7−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3,4,9−トリオキソ−2,5−ジオキサ−6,8−ジアザデカ−6−エン−10−オエートを得た。これら2種の化合物を一緒にし、MeOH(146mL)に溶解し、0℃に冷却し、アンモニアガスを5分間吹き込み、0℃で15分間撹拌した。次いで、混合物を室温まで加温し、更に4時間撹拌した。混合物をEtO(100mL)で希釈した。固体をろ過し、EtOで洗浄した。ろ液を蒸発させ、真空下で乾燥した。粗生成物をシリカゲルでろ過し、2:1EtOAc/ヘキサンで溶出した。溶媒を蒸発させ、標題の化合物を得た。MS:m/z585,587(MH)。
【0240】
工程2:3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボニトリル
0℃で、3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボキシアミド(11g,28.6ミリモル)及びトリエチルアミン(12.74mL,91ミリモル)のTHF(95mL)中の溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(6.05mL,42.8ミリモル)を滴下して加えた。混合物を室温まで加温し、更に30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtO(50mL)で希釈し、次いで、NaHCO溶液(100mL)で希釈した。水層をEtO(3×100mL)で抽出した。一緒にした有機画分をNaSOで乾燥し、減圧下で溶媒を蒸発させた。コンビフラッシュクロマトグラフィー(SiO−120g,10〜30%EtOAc/ヘキサンを25分間にわたる勾配溶出)による精製により、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.62(dd,1H),7.11(dd,1H),6.76(td,1H),4.95−4.90(m,1H),3.80−3.73(m,2H),3.62(ddd,2H),2.17−2.10(m,2H),1.98−1.91(m,2H)。
【0241】
工程3:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン
3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボニトリル(8g,21.79ミリモル)、アジ化ナトリウム(2.125g,32.7ミリモル)及び塩化アンモニウム(5.83g,109ミリモル)のDMF(43.6mL)中の混合物を100℃で0.5時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、1N NaOH(50mL)で希釈し、EtO(2×50mL)で洗浄した。水層を、2N HClを用いてpH約1まで酸性化し、EtOAc(3×75mL)で抽出した。一緒にした有機画分を水(2×50mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥した。減圧下で溶媒を蒸発させ、生成物を少量のEtOAcに溶解し、ヘキサンで沈殿させた。固体をろ過し、ヘキサンで洗浄し、標題の化合物を得た。MS:m/z410,412(MH)。
【0242】
工程4:エチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテート
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン(2g,4.88ミリモル)のDMF(16.25mL)中の溶液に、水素化ナトリウム(0.390g,9.75ミリモル)を加えた。5分後、ブロモ酢酸エチル(1.352mL,12.19ミリモル)を加え、混合物を80℃で0.5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、次いで、氷冷した0.5N HCl(100mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。一緒にした有機画分を水(50mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥した。減圧下で溶媒を蒸発させた。コンビフラッシュクロマトグラフィー(SiO−120g,0〜10%EtO/CHClを25分間にわたる勾配溶出)による精製により、標題の化合物を、極性の低い異性体として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.63(dd,1H),7.13(dd,1H),6.76(td,1H),5.92(s,2H),4.97−4.92(m,1H),4.31(q,2H),3.88−3.78(m,2H),3.70−3.62(m,2H),2.21−2.13(m,2H),2.01−1.93(m,2H),1.31(t,3H)。
【0243】
分離されたより極性の高い異性体は、エチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−テトラゾール−2−イル)アセテートであった。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.63(dd,1H),7.12(dd,1H),6.77(td,1H),5.87(s,2H),4.97−4.93(m,1H),4.29(q,2H),3.85−3.77(m,2H),3.69−3.62(m,2H),2.19−2.12(m,2H),2.01−1.93(m,2H),1.30−1.24(m,3H)。
【0244】
工程5:(5−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸ナトリウム
エチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテート(1.65g,3.32ミリモル)のTHF(11.08mL)及びMeOH(5.54mL)中の溶液に、1N NaOH(3.32mL,3.32ミリモル)を加え、混合物を室温で10分間撹拌した。THF及びMeOHを蒸発させ、水層を水(2mL)で希釈し、EtO(2×10mL)で洗浄した。水層を凍結乾燥し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ7.63(dd,1H),7.27(dd,1H),6.80(td,1H),5.07(s,2H),4.89−4.84(m,1H),3.74−3.66(m,2H),3.57−3.50(m,2H),2.07−2.00(m,2H),1.83−1.77(m,2H)。MS:m/z468,470(MH)。
【0245】
実施例12
【0246】
【化39】

【0247】
実施例11(工程4)由来のエチル(5−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−テトラゾール−2−イル)アセテート及び1N NaOHから、実施例11(工程5)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d):δ7.66−7.58(m,1H),7.27(dd,1H),6.82−6.75(m,1H),5.05(s,2H),4.87(s,1H),3.71−3.63(m,2H),3.55−3.48(m,2H),2.04(d,2H),1.80(d,2H)。MS:m/z468,470(MH)。
【0248】
実施例13
【0249】
【化40】

【0250】
3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン酸
工程1:5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−N’−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシミドアミド
5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル及び塩酸ヒドロキシルアミンから、実施例7、工程2について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。
【0251】
工程2:エチル3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパノエート
5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−N’−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシミドアミド(500mg,1.2ミリモル)をCHCl(5mL)に溶解し、氷−水浴中で0℃に冷却した。この溶液に、ピリジン(0.155mL,1.92ミリモル)、次いで、エチル3−クロロ−3−オキソプロパノエート(270mg,1.8ミリモル)を加えた。1時間撹拌した後、真空下で溶媒を除去した。残渣をピリジン(8mL)に溶解し、90℃で一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣をEtOAc及び水で分配した。一緒にした有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を分取用TLCにより精製し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.48−7.52(m,1H),6.61−6.70(m,2H),4.70−4.72(m,1H),4.14−4.19(m,2H),3.78−3.92(m,4H),3.28(t,2H),2.96(t,2H),2.03−2.10(m,4H),1.24−1.27(m,3H)。
【0252】
工程3:3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパン酸
エチル3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロパノエート及び1N NaOHから、実施例7(工程5)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.48−7.52(m,1H),6.61−6.70(m,2H),4.70−4.72(m,1H),3.85−3.92(m,2H),3.77−3.83(m,2H),3.29(t,2H),3.05(t,2H),2.03−2.10(m,4H)。MS:m/z498(MH)。
【0253】
実施例14
【0254】
【化41】

【0255】
(5−{3−[4−(5−ブロモ−2−クロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸
工程1:4−(5−ブロモ−2−クロロフェノキシ)ピペリジン
tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート及び5−ブロモ−2−クロロフェノールから、中間体1について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。
【0256】
工程2:(5−{3−[4−(5−ブロモ−2−クロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸
3−ブロモ−4,5−ジヒドロイソキサゾール−5−カルボキシアミド及び4−(5−ブロモ−2−クロロフェノキシ)ピペリジンから、実施例6、工程3〜8について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.47(d,1H),7.39(d,1H),7.18(dd,1H),7.01(s,1H),5.81(s,2H),4.94−4.89(m,1H),3.76−3.69(m,2H),3.49−3.42(m,2H),2.20−2.14(m,2H),1.99−1.91(m,2H)。MS(+ESI):m/z483,485(MH)。
【0257】
実施例15
【0258】
【化42】

【0259】
3−(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸
工程1:エチル3−(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[5−(1H−ピラゾール−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピペリジン、水素化ナトリウム及びエチル3−ブロモプロピオネートから、実施例7(工程4)に記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製し、より極性の高い主要な異性体として得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ7.91−7.86(m,1H),7.62(dd,1H),7.11(dd,1H),6.87(d,1H),6.75(td,1H),4.92−4.88(m,1H),4.58(t,2H),4.15−4.04(m,2H),3.82−3.75(m,2H),3.65−3.53(m,2H),3.00(t,2H),2.17−2.11(m,2H),1.99−1.89(m,2H),1.21(t,3H)。MS:m/z508,510(MH)。
【0260】
工程2:3−(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸
エチル3−(3−{3−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)プロパノエート(75mg,0.148ミリモル)のジオキサン(492μL)中の溶液に、酢酸(253μL,4.43ミリモル)及び濃HCl(363μL,4.43ミリモル)を加えた。混合物を90℃で1時間加熱した。溶媒を、その容量の1/3まで蒸発させ、水(2mL)で希釈し、EtOAc(2×2mL)で抽出した。一緒にした有機画分を1N NaOH(1mL)で抽出し、水層を2N HCl(1mL)で酸性化し、EtOAc(3×2mL)で抽出した。一緒にした有機画分をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた。生成物をヘキサン(2×2mL)で粉砕し、高真空下で乾燥し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ10.95(s,1H),7.90(s,1H),7.62(dd,1H),7.11(dd,1H),6.87(s,1H),6.75(td,1H),4.90(d,1H),4.57(t,2H),3.83−3.68(m,2H),3.61−3.54(m,2H),3.03(t,2H),2.16−2.11(m,2H),1.96−1.89(m,2H)。MS:m/z480,482(MH)。
【0261】
実施例16
【0262】
【化43】

【0263】
(2R)−3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ヒドロキシプロパン酸
工程1:[(4R)−2,2−ジメチル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル]酢酸
D−(+)−リンゴ酸(10g,75ミリモル)のCHCl(100mL)中の懸濁液に、2,2−ジメトキシプロパン(23g,225ミリモル)及びp−トルエンスルホン酸(0.129g,0.75ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、シリカゲルによりろ過し(50%EtOAc/ヘキサン)、濃縮し、標題の化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ9.70(s,1H),4.69−4.73(m,1H),2.97−3.04(m,1H),2.81−2.89(m,1H),1.62(s,3H),1.57(s,3H)。
【0264】
工程2:[(4R)−2,2−ジメチル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル]アセチルフルオライド
0℃で、[(4R)−2,2−ジメチル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル]酢酸(100mg,0.6ミリモル)のCHCl(2mL)中の懸濁液に、(ジエチルアミノ)サルファトリフルオライド(DAST)(111mg,0.7ミリモル)を加え、得られた溶液を0℃で1時間撹拌した。追加のCHCl(10mL)を加えた。全混合物を冷水で2回洗浄し、無水NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ4.68−4.71(m,1H),3.11−3.17(m,1H),2.98−3.04(m,1H),1.64(s,3H),1.58(s,3H)。
【0265】
工程3:(5R)−5−[(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン
5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−N’−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシミドアミド及び[(4R)−2,2−ジメチル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル]アセチルフルオライドから、実施例13、工程2について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.51(dd,1H),6.62−6.70(m,2H),5.00(m,1H),4.71(m,1H),3.86−3.93(m,2H),3.78−3.83(m,2H),3.58−3.63(m,1H),3.38−3.44(m,1H),2.04−2.10(m,4H),1.62(s,3H),1.59(s,3H)。
【0266】
工程4:(2R)−3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ヒドロキシプロパン酸
(5R)−5−[(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン(200mg,0.36ミリモル)のMeOH(5mL)中の懸濁液に、KOH(61mg,1.08ミリモル)を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、HCl溶液(1モル/L)でpH1に調整し、次いで、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を分取用HPLCにより精製し、標題の化合物を得た。H NMR(300MHz,MeOH−d):δ7.55(dd,1H),7.01(dd,1H),6.65−6.72(m,1H),4.80(m,1H),4.70(m,1H),3.85−3.93(m,2H),3.72−3.80(m,2H),3.48−3.54(m,1H),3.35(m,1H),2.08−2.17(m,2H),1.98−2.06(m,2H)。MS:m/z514(MH)。
【0267】
実施例17
【0268】
【化44】

【0269】
(2S)−3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ヒドロキシプロパン酸
5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−N’−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシミドアミド及び(S)−(−)−リンゴ酸から、実施例16について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.48(dd,1H),7.00(dd,1H),6.60−6.65(m,1H),4.83−4.87(m,1H),4.50−4.53(m,1H),3.76−3.82(m,2H),3.64−3.70(m,2H),3.37−3.42(m,1H),3.21−3.27(m,1H),2.04−2.11(m,2H),1.90(m,2H)。MS:m/z514(MH)。
【0270】
実施例18
【0271】
【化45】

【0272】
3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−L−アラニン
工程1:N−(トリフルオロアセチル)−L−アスパラギン酸α−エチルエステル
0℃で、L−アスパラギン酸(10g,75ミリモル)のTHF中の懸濁液に、TFAA(133g,635ミリモル)を0.5時間かけて加えた。添加後、懸濁液を室温まで加温し、撹拌を3時間続けた。真空下で溶媒を除去した。白色の残渣を、N雰囲気下、EtOH(200mL)中、還流温度で30分間加熱した。真空下で溶媒を除去し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.44(d,1H),4.80−4.84(m,1H),4.27(q,2H),3.15−3.20(m,1H),2.96−3.20(m,1H),1.29(t,3H)。
【0273】
工程2:エチルN−(トリフルオロアセチル)−L−β−アスパルチルクロライド
N−(トリフルオロアセチル)−L−アスパラギン酸α−エチルエステル(3g,11.7ミリモル)の無水トルエン(15mL)中の溶液に、SOCl(3mL)を加えた。還流下1時間撹拌した後、溶液を室温まで冷却した。混合物をろ過し、固体を冷トルエンで洗浄した。固体を乾燥し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ4.71−4.75(m,1H),4.28−2.36(m,2H),3.64−3.70(m,1H),3.56−3.61(m,1H),1.31(t,J=6Hz,3H)。
【0274】
工程3:エチル3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−N−(トリフルオロアセチル)−L−アラニネート
5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−N’−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシミドアミド及びエチルN−(トリフルオロアセチル)−L−β−アスパルチルクロライドから、実施例13、工程2について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.02(d,1H),7.50(dd,1H),6.62−6.70(m,2H),5.05−5.10(m,1H),4.71(m,1H),4.26(q,2H),3.86−3.93(m,2H),3.78−3.83(m,2H),3.66−3.72(m,1H),3.57−3.66(m,1H),2.04−2.10(m,4H),1.26(t,3H)。
【0275】
工程4:3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−L−アラニン
エチル3−(3−{5−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−N−(トリフルオロアセチル)−L−アラニネート(550mg,0.86ミリモル)のEtOH(5mL)及び水(5mL)中の懸濁液に、NaOH(104mg,2.6ミリモル)を加え、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。HCl溶液(1モル/L)で溶液をpH7に調整し、次いでEtOAcで抽出した。一緒にした有機層を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を石油エーテル/EtOAcで洗浄し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,MeOH−d):δ7.56(dd,1H),7.04(dd,1H),6.68−6.73(m,1H),4.90(m,1H),4.11−4.15(m,1H),3.88−3.95(m,2H),3.76−3.88(m,2H),3.66−3.74(m,1H),3.47−3.52(m,1H),2.10−2.20(m,2H),2.00−2.06(m,2H)。MS:m/z513(MH)。
【0276】
実施例19
【0277】
【化46】

【0278】
{5−[3−(4−{[4−クロロ−4’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]オキシ}ピペリジン−1−イル)イソキサゾール−5−イル]−2H−テトラゾール−2−イル}酢酸
(5−{3−[4−(5−ブロモ−2−クロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]イソキサゾール−5−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸(130mg,0.269ミリモル)、[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ボロン酸(98mg,0.476ミリモル)及びPd(PhP)(25mg,0.022ミリモル)のトルエン(4mL)中の懸濁液に、2M NaCO水溶液(1.5mL,3.00ミリモル)を加えた。得られた不均一な混合物を窒素でパージし、窒素雰囲気下、撹拌しながら、6時間、穏やかに80℃に加熱した。室温まで冷却した後、反応物を1N HCl水溶液に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥した(NaSO)。減圧下で溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(0%〜3%HOAc/EtOAcの勾配)により精製した。濃縮後、白色固体を2回共蒸留し、EtO/ヘプタンで粉砕し、標題の化合物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ13.92(br s,1H),7.88−7.83(m,2H),7.57−7.54(m,2H),7.49(d,2H),7.30(dd,1H),7.27(s,1H),5.83(s,2H),5.00−4.93(m,1H),3.68−3.60(m,2H),3.41−3.35(m,2H),2.12−2.02(s,2H),1.87−1.78(m,2H)。MS:m/z565(MH)。
【0279】
実施例20
【0280】
【化47】

【0281】
(5−{2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸
工程1:エチル−2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボキシレート
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン(3.281g,11.97ミリモル)のEtOH(28.5mL)中の溶液に、エチル2−クロロオキサゾール−4−カルボキシレート(1g,5.70ミリモル)及びDIPEA(1.990mL,11.39ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させた。残渣を1N HClで希釈し、EtOAcで抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ8.02(s,1H),7.59(dd,1H),7.08(dd,1H),6.73(td,1H),4.89−4.85(m,1H),4.25(q,2H),3.79−3.72(m,2H),3.64−3.57(m,2H),2.12−2.06(m,2H),1.94−1.86(m,2H),1.28(t,3H)。MS(+ESI)m/z413(MH)。
【0282】
工程2:2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボキシアミド
エチル−2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボキシレート(2.26g,5.47ミリモル)を、密封した試験管内でMeOH(9mL)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、溶液中にアンモニアを5分間吹き込んだ。反応混合物を60℃で15時間撹拌した。減圧下で溶媒を蒸発させた。残渣を、エーテル中で一晩粉砕することにより精製し、標題の化合物を得た。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ7.82(s,1H),7.59(dd,1H),7.08(dd,1H),6.96(s,1H),6.73(d,1H),6.52(s,1H),4.90−4.85(m,1H),3.76−3.72(m,2H),3.64−3.60(m,2H),2.10−2.05(m,2H),1.93−1.89(m,2H)。MS(+ESI)m/z386(MH)。
【0283】
工程3:2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボニトリル
2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボキシアミドから、実施例6、工程5について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(400MHz,アセトン−d):δ8.24(s,1H),7.59(dd,1H),7.08(dd,1H),6.73(td,1H),4.91−4.87(m,1H),3.77−3.73(m,2H),3.68−3.62(m,2H),2.11−2.05(m,2H),1.95−1.91(m,2H)。MS(+ESI)m/z366(MH)。
【0284】
工程4:4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,3−オキサゾール−2−イル]ピペリジン
2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボニトリルから、実施例11、工程3について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ8.21(s,1H),7.61(dd,1H),7.09(dd,1H),6.74(dt,1H),4.92−4.90(m,1H),3.84−3.79(m,2H),3.71−3.67(m,2H),2.16−2.11(m,2H),1.98−1.91(m,2H)。MS(+ESI)m/z409(MH)。
【0285】
工程5:エチル(5−{2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテート
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,3−オキサゾール−2−イル]ピペリジン及びブロモ酢酸エチルから、実施例6、工程7について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。位置異性体の混合物を、コンビフラッシュクロマトグラフィー(SiO−12g,15〜50%EtOAc/ヘキサンで25分間にわたる勾配溶出)により精製し、より極性の高い異性体として標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ8.10(s,1H),7.59(dd,1H),7.09(dd,1H),6.74(dd,1H),5.67(s,2H),4.93−4.87(m,1H),4.26(q,2H),3.86−3.79(m,2H),3.71−3.65(m,2H),2.16−2.09(m,2H),1.97−1.91(m,2H),1.27(t,3H)。MS(+ESI)m/z495(MH)。
【0286】
工程6:(5−{2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)酢酸
エチル(5−{2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−2H−テトラゾール−2−イル)アセテートから、実施例7、工程5について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(400MHz,MeOH−d):δ8.10(s,1H),7.59(t,1H),7.10(d,1H),6.73(t,1H),5.69(s,2H),4.85−4.93(m,1H),3.78−3.85(m,2H),3.62−3.72(m,2H),2.08−2.17(m,2H),1.88−1.96(m,2H)。MS(+ESI)m/z467(MH)。
【0287】
実施例21
【0288】
【化48】

【0289】
(5−{2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−1H−テトラゾール−1−イル)酢酸
工程1:エチル(5−{2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−1H−テトラゾール−1−イル)アセテート
実施例20、工程5由来の極性の低い画分を集め、濃縮し、標題の化合物を得た。H NMR(500MHz,アセトン−d):δ8.26(s,1H),7.60(dd,1H),7.09(dd,1H),6.74(td,1H),5.68(s,2H),4.93−4.88(m,1H),4.21(q,2H),3.84−3.77(m,2H),3.71−3.64(m,2H),2.16−2.09(m,2H),1.97−1.90(m,2H),1.22(t,3H)。MS(+ESI)m/z495(MH)。
【0290】
工程2:(5−{2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−1H−テトラゾール−1−イル)酢酸
エチル(5−{2−[4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−1,3−オキサゾール−4−イル}−1H−テトラゾール−1−イル)アセテートから、実施例7、工程5について記載されたのと同様の方法により、標題の化合物を調製した。H NMR(400MHz,MeOH−d):δ8.25(s,1H),7.59(t,1H),7.10(d,1H),6.73(t,1H),5.69(s,2H),4.85−4.93(m,1H),3.78−3.85(m,2H),3.62−3.72(m,2H),2.08−2.17(m,2H),1.88−1.96(m,2H)。MS(+ESI)m/z467(MH)。
【0291】
医薬製剤の例
本発明の経口用医薬組成物の特定の実施態様として、100mgの力価の錠剤は、実施例の任意の1種の100mg、微結晶性セルロース268mg、クロスカルメロースナトリウム20mg及びステアリン酸マグネシウム4mgから構成される。活性物質、微結晶性のセルロース及びクロスカルメロースを最初に配合する。次いで、ステアリン酸マグネシウムにより混合物を潤滑化し、錠剤に圧縮する。
【0292】
本発明を、特定の実施態様を参照して開示及び説明したが、当業者は、種々の変形、修飾及び置換を本発明の精神及び範囲を逸脱せずになし得ると理解される。例えば、前記に記載の好ましい投与量以外の有効な用量を、特定の病状について治療されるヒトの応答性における変化の結果として適用してもよい。同様に、観察される薬理学的反応は、選択される特定の活性化合物、薬学的担体が存在するかどうか、製剤のタイプ及び用いられる投与方法に従って及び依存して変更してもよく、結果におけるこのような予想される変形又は相違は、本発明の目的及び実施に従って意図される。従って、本発明は、以下の請求の範囲によってのみ限定され、このような請求の範囲は、妥当と思われる範囲で広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、
qは0又は1であり;
rは0又は1であり;
ZはO、S又はNRであり;
X−Yは、N−C(O)、N−CR、CR14−O、CR14−S(O)0−2又はCR13−CRであり;
及びRは、それぞれ独立して水素であるか、又はC1−3アルキルであり、ここで、アルキルは、フッ素及びヒドロキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
Wは、
【化2】

からなる群から選択されるヘテロアリールであり;
は、
【化3】

からなる群から選択されるヘテロアリールであり、ここで、Rは、−(CHCOH、−(CHCO1−3アルキル、−(CH−Z−(CHCOH又は−(CH−Z−(CHCO1−3アルキルであり、ここで、(CH又は(CH中の任意のメチレン(CH)炭素原子は、1個のヒドロキシ、1個のアミノ若しくは1〜2個のフッ素で置換されていてもよく、ここで、前記Rヘテロアリール環は、シアノ、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルホニル及びトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される1個の置換基で置換されていてもよく;
各Rは、独立して、
水素、
ハロゲン、
ヒドロキシ、
シアノ、
アミノ、
ニトロ、
1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルキル、
1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルコキシ、
1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルキルチオ、
1−4アルキルスルホニル、
カルボキシ、
1−4アルキルオキシカルボニル、及び
1−4アルキルカルボニルからなる群から選択され;
Arは、1〜5個のR置換基で置換されていてもよい、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり;
各Rは、独立して、
1−6アルキル、
2−6アルケニル、
(CH−フェニル、
(CH−ナフチル、
(CH−ヘテロアリール、
(CH−ヘテロシクリル、
(CH3−7シクロアルキル、
ハロゲン、
ニトロ、
(CHOR
(CHN(R
(CHC≡N、
(CHCO
(CHNRSO
(CHSON(R
(CHS(O)0−2
(CHNRC(O)N(R
(CHC(O)N(R
(CHNRC(O)R
(CHNRCO
(CHC(O)R
O(CHC(O)N(R
(CH−Z−(CH−フェニル、
(CH−Z−(CH−ナフチル、
(CH−Z−(CH−ヘテロアリール、
(CH−Z−(CH−ヘテロシクリル、
(CH−Z−(CH−C3−7シクロアルキル、
(CH−Z−(CH−OR
(CH−Z−(CH−N(R
(CH−Z−(CH−NRSO
(CH−Z−(CH−C≡N、
(CH−Z−(CH−CO
(CH−Z−(CH−SON(R
(CH−Z−(CH−S(O)0−2
(CH−Z−(CH−NRC(O)N(R
(CH−Z−(CH−C(O)N(R
(CH−Z−(CH−NRC(O)R
(CH−Z−(CH−NRCO
(CH−Z−(CH−C(O)R
CF
CHCF
OCF、及び
OCHCFからなる群から選択され、ここで、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及び1〜5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;ここで、R中の任意のメチレン(CH)炭素原子は、フッ素、ヒドロキシ及びC1−4アルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよく;又は2個の置換基は同一のメチレン(CH)上にある場合、それらが結合する炭素原子と一緒になってシクロプロピル基を形成し;
各Rは、独立して、
水素、
1−6アルキル、
(CH−フェニル、
(CH−ヘテロアリール、
(CH−ナフチル、及び
(CH3−7シクロアルキルからなる群から選択され;
ここで、アルキル、フェニル、ヘテロアリール及びシクロアルキルは、ハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;又は2個のR基が、それらが結合する原子と一緒になって、O、S、NH及びNC1−4アルキルから選択される追加のヘテロ原子を含んでもよい4〜8員環の単環若しくは二環式環系を形成し;
、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、フッ素又はC1−3アルキルであり、ここで、アルキルは、フッ素及びヒドロキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されてもよく;
13は、水素、C1−3アルキル、フッ素又はヒドロキシであり;
各R14は、水素又はC1−3アルキルであり;
各mは、独立して0〜4の整数であり;
各pは、独立して1〜3の整数であり;
各nは、独立して0〜2の整数であり;
各sは、独立して1〜3の整数であり;そして
各tは、独立して1〜3の整数である]の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
mが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
q及びrが、いずれも1である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
X−YがCH−Oである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
Arが、1〜3個のR置換基で置換されているフェニルである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
、R、R、R、R、R10、R11及びR12が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Wが、
【化4】

からなる群から選択されるヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
が水素である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
Wが、
【化5】

である、請求項7記載の化合物。
【請求項10】
が、
【化6】

からなる群から選択されるヘテロアリールであり、ここで、Rが−CHCOH又は−CHCO1−3アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】

【化7】

である、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
q及びrが、いずれも1であり、X−YがCH−Oであり;
Wが、
【化8】

からなる群から選択されるヘテロアリールであり;そして
が、
【化9】

からなる群から選択されるヘテロアリールであり、ここで、Rが−CHCOH又は−CHCO1−3アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
Wが、
【化10】

であり、そして
が、
【化11】

であり、ここで、Rが−CHCOH又は−CHCO1−3アルキルである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12が、それぞれ水素である、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
【化12−1】

【化12−2】

からなる群から選択される化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項16】
請求項1記載の化合物を、薬学的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項17】
哺乳類におけるステアロイル補酵素Aデルタ−9デサチュラーゼの阻害に応答する障害、病状又は疾患の治療のための請求項1記載の化合物の使用。
【請求項18】
前記障害、病状又は疾患が、2型糖尿病、インシュリン抵抗性、脂質障害、肥満症、メタボリックシンドローム、脂肪肝疾患及び癌からなる群から選択される、請求項17記載の使用。
【請求項19】
前記脂質障害が、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される、請求項18記載の使用。
【請求項20】
哺乳類において2型糖尿病、インシュリン抵抗性、脂質障害、肥満症、メタボリックシンドローム及び脂肪肝疾患を治療するのに用いられる医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用。
【請求項21】
前記脂質障害が、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群から選択される、請求項20記載の使用。

【公表番号】特表2010−510993(P2010−510993A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538560(P2009−538560)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/CA2007/002139
【国際公開番号】WO2008/064474
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】