説明

ステアロイル−CoAデサチュラーゼ阻害剤であるチアジアゾール誘導体

本発明は、式(I)で表される置換チアジアゾール化合物およびその製薬上許容可能な塩、それらを含有している医薬組成物、ならびに医薬品におけるそれらの使用に関する。特に、本発明はSCD活性をモジュレートする化合物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアロイル-CoAデサチュラーゼ(stearoyl-CoA desaturase:SCD)の阻害剤であると考えられる新規部類の化合物、前記化合物を含む組成物、かかる化合物の合成方法、ならびにSCD酵素介在性疾患をはじめとする各種疾患(例えば、高脂質濃度に関連する疾患、心血管疾患、糖尿病、肥満、メタボリック症候群、座瘡などの皮膚障害、癌関連疾患または症状)の治療および/または予防における、ならびにアルツハイマー病などのアミロイド斑形成性Aβ42ペプチドの産生に関係のある症状の治療におけるかかる化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アシルデサチュラーゼという酵素は、食事による栄養源または肝臓での新規合成のいずれかに由来する脂肪酸中の二重結合の形成を触媒する。哺乳動物は、具体的にはデルタ-9位、デルタ-6位およびデルタ-5位への二重結合の導入を特異的に触媒する、異なる鎖長の少なくとも3種類の脂肪酸デサチュラーゼを合成する。ステアロイル-CoAデサチュラーゼ(SCD)は、飽和脂肪酸のC9〜C10位に二重結合を導入する。この酵素の好ましい基質はパルミトイル-CoA(16:0)およびステアロイル-CoA(18:0)であり、これらはそれぞれパルミトレオイル-CoA(16:1)およびオレオイル-CoA(18:1)に変換される。次いで、生じたモノ不飽和脂肪酸は、in vivoにおいてリン脂質、トリグリセリドおよびコレステロールエステルの調製に利用され得る。
【0003】
哺乳動物のSCD遺伝子が多数クローニングされている。例えば、ラットからは2種類の遺伝子(SCD1、SCD2)がクローニングされており、マウスからは4種類のSCD遺伝子(SCD1、2、3および4)が単離されている。SCDの基本的な生化学的役割は1970年代以降にラットおよびマウスで分かっているが(Jeffcoat, Rら, Elsevier Science (1984), Vol 4, pp. 85-112;de Antueno, RJ, Lipids (1993), Vol. 28, No. 4, pp. 285-290)、ヒト疾患過程に直接的に関係があるとされたのはごく最近になってのことである。
【0004】
1つのSCD遺伝子、SCD1がヒトにおいて解明されている。SCD1は、BrownlieらのWO 01/62954に開示されている。第2のヒトSCDアイソフォームも同定されたが、それが公知のマウスまたはラットのアイソフォームとほとんど配列相同性をもたないことから、ヒトSCD5またはhSCD5と命名されている(WO 02/26944)。
【0005】
理論に制約されるものではないが、in vivoにおけるSCD活性の阻害は、例えば、脂質異常症、低αリポタンパク血症、高βリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、メタボリック症候群;他の心血管疾患(例えば末梢血管疾患、再潅流障害、血管形成性再狭窄、高血圧症、糖尿病性血管系合併症、血栓症);肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および肝臓中の脂質蓄積に関連する他の疾患などの1種または複数の疾患を改善および/または治療するために使用することができるものと考えられる。
【0006】
またSCD介在性疾患または症状には、多価不飽和脂肪酸(PUFA)障害または皮膚障害(例えば、これらに限定されるものではないが、湿疹、座瘡、乾癬、ケロイド瘢痕形成または予防)の障害、粘膜からのモノ不飽和脂肪酸、ワックスエステルなどの産生または分泌に関連する疾患(US2006/0205713A1、WO2007/046868、WO2007/046867)も含まれる。SCDがコレステロールホメオスタシスで、また正常な皮膚および眼瞼機能に必要なコレステロールエステル、トリグリセリドおよびワックスエステルの新規生合成で生理学的役割を担っていることが判明しており、それ故、座瘡および他の皮膚疾患の治療において有用となり得る(Makotoら, J of Nutrition (2001), 131(9), 2260-2268、Harrisonら, J of Investigative Dermatology (2007), 127(6), 1309-1317)。
【0007】
またSCD介在性疾患または症状には、これらに限定されるものではないが、癌、新生物、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性もしくは悪性)、発癌、肝臓癌などの疾患または症状、あるいは癌、新生物、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性もしくは悪性)、発癌、肝臓癌などに関係している疾患または症状も含まれる(US2006/0205713A1、WO2007/046868、WO2007/046867)。近年、SCD-1がヒト腫瘍細胞生存を担っていることが確認されており、それ故、SCD-1は抗癌標的としての可能性がある(Morgan-Lappeら, 2007 Cancer Res. 67(9) 4390-4398)。
【0008】
ヒト細胞の培養でステアロイル-CoAデサチュラーゼ(SCD)が過剰発現するとアミロイド斑成形性Aβ42ペプチド生成に特異的増加が見られ、反対に、ヒト細胞の培養でSCD活性が低下するとAβ42生成に特異的減少が見られることが判明した。したがって、SCD阻害剤は、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管症(CAA)またはダウン症候群(DS)に関連する認知症およびAβ42を含むアミロイド斑の形成または蓄積を特徴とする他の神経変性疾患(US2007/0087363A1;Myriad Genetics)の治療、それらの症状の発症の遅延、あるいはそれらの症状の進行の遅延化に有効となり得る。
【0009】
WO2005/011657には、SCD活性をモジュレートするのに有用な特定のピペラジン誘導体が開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、SCD活性を阻害するための式(I):
【化1】

【0011】
(式中、
Xは、-CONH-、-NHCO-または-N(CH3)CO-を表し、
R1は、
(i) H、-C1-6アルキルまたは-C3-6シクロアルキルから選択される置換基、
(ii)
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CN、またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C6-10アリール(例えばフェニル)、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CN、またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリール(例えばフェニルまたはナフチル)、
(iii) -C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリルは、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CN、またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C6-10アリール(例えばフェニル)、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CN、またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
を表し、
Yは、-(CH2)m-、-O(CH2)m-または-NR7(CH2)m-を表し、
R2は、H、-C1-6アルキル、-C(=O)C1-6アルキル、-C(=O)C3-6シクロアルキル、-C(=O)C6-10アリール、-C(=O)C1-6アルキルOH、-COC1-3アルキルNR4R5または-C5ヘテロアリールR6を表し、
R3は、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)または-C3-6シクロアルキルを表し、
R4は、Hまたは-C1-3アルキル(例えば-CH3)を表し、
R5は、Hまたは-C1-3アルキル(例えば-CH3)を表し、
R6は、-C1-3アルキルOHを表し、
R7は、Hまたは-C1-3アルキル(例えば-CH3)を表し、
mは、1〜4を表す)
で表される化合物あるいはその製薬上許容可能な塩を提供する。
【0012】
前記化合物はSCD活性を阻害することが判明したため、SCD介在性疾患の治療に有用となり得る。前記疾患は、例えば、脂質異常症、低αリポタンパク血症、高βリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症およびメタボリック症候群を含む、異常な血漿脂質プロファイルによって引き起こされるか、前記プロファイルに関連する疾患もしくは症状;他の心血管疾患、例えば、末梢血管疾患、再潅流障害、血管形成性再狭窄、高血圧症、糖尿病性血管系合併症、血栓症、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および肝臓中の脂質蓄積に関連する他の疾患;皮膚障害、例えば、湿疹、座瘡、乾癬、ケロイド瘢痕形成または予防、および粘膜からの産生または分泌に関連する疾患;癌、新生物、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性もしくは悪性)、発癌、肝臓癌など;軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管症(CAA)またはダウン症候群(DS)に関連する認知症、およびAβ42を含むアミロイド斑の形成または蓄積を特徴とする他の神経変性疾患などである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一態様では、
Xは、-CONH-または-NHCO-を表し;
R1は、
(i) H、-C1-6アルキルまたは-C3-6シクロアルキルから選択される置換基、
(ii)
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OC1-6ハロアルキル(例えば-OCF3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C6-10アリール(例えばフェニル)、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル、-OR3、-C1-6アルコキシ、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリール(例えばフェニル)、
(iii) -C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリルは、
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OC1-6ハロアルキル(例えば-OCF3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C6-10アリール(例えばフェニル)、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル、-OR3、-C1-6アルコキシ、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
を表し、
Yは、-(CH2)m-、-O(CH2)m-または-NR4(CH2)m-を表し、
R2は、H、-C1-6アルキル、-C(=O)C1-6アルキル、-C(=O)C3-6シクロアルキルまたは-C(=O)C6-10アリールを表し、
R3は、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)または-C3-6シクロアルキルを表し、
R4は、Hまたは-CH3を表し、
mは、1〜4を表し、
あるいはその製薬上許容可能な塩である。
【0014】
本発明の一態様では、Xは-NHCO-を表す。本発明の別の態様では、Xは-CONH-を表す。本発明の別の態様では、Xは-N(CH3)CO-を表す。
【0015】
本発明の一態様では、R1は、
(i) Hまたは-C3-6シクロアルキルから選択される置換基、
(ii)
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C6-10アリール(例えばフェニル)、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリール(例えばフェニルまたはナフチル)、
(iii) -C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリルは、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C6-10アリール(例えばフェニル)、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
を表す。
【0016】
本発明の別の態様では、R1は-C3-6シクロアルキルを表す。本発明の別の態様では、R1はシクロヘキサンを表す。
【0017】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲン(クロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリール(例えばフェニル)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリールを表す。
【0018】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CN、ハロゲン、あるいは、
(b) -C1-6アルキル、-OR3、-C1-6アルコキシ、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲンから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリール(例えばフェニル)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリールを表す。
【0019】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0020】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CN、ハロゲン、あるいは、
(b) -C1-6アルキル、-OR3、-C1-6アルコキシ、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲンから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0021】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-3アルキル(例えば-CH3)、-C1-3ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-3アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) -C1-3アルキル(例えば-CH3)、-OR3、-C1-3アルコキシ(例えば-OCH3)、-C1-3ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0022】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-3アルキル(例えば-CH3)、-C1-3ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-3アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) -C1-3アルキル(例えば-CH3)、-OR3、-C1-3アルコキシ(例えば-OCH3)、-C1-3ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0023】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OC1-6ハロアルキル(例えば-OCF3)、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモまたはフルオロ)、あるいは、
(b) ハロゲン(例えばクロロ)、-CNまたは-CF3から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0024】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ、-CN、ハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) ハロゲン(例えばクロロ)、-CNまたは-CF3から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0025】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OC1-6ハロアルキル(例えば-OCF3)、ハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) ハロゲン(例えばクロロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0026】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-3アルキル(例えば-CH3)、-C1-3ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-3アルコキシ(例えば-OCH3)、-OC1-3ハロアルキル(例えば-OCF3)、ハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) ハロゲン(例えばクロロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0027】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、ハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) ハロゲン(例えばクロロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0028】
本発明の別の態様では、R1は、-CH3、-OCH3、-OCH2CH(CH3)2、-CF3、-OCF3またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0029】
本発明の別の態様では、R1は、-CF3、-CH3、-OCH3、-OCH2CH(CH3)2、-CF3、-OCF3またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0030】
本発明の別の態様では、R1は、-CF3またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0031】
本発明の別の態様では、R1は、-CF3またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1または2個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0032】
本発明の別の態様では、R1は、-CF3、-CH3、-OCH3、-OCH2CH(CH3)2、-CF3、-OCF3またはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
【0033】
本発明の別の態様では、R1は、フェニル(例えば2-フェニル)で置換されているフェニルであり、その第2のフェニル環はハロゲン(例えばクロロ)で置換されていてもよい。
【0034】
本発明の別の態様では、R1は、フェニルで置換されているフェニルを表す。
【0035】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-OR3、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいナフチルを表す。
【0036】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CN、ハロゲン、あるいは、
(b) -C1-6アルキル、-OR3、-C1-6アルコキシ、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲンから選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいナフチルを表す。
【0037】
本発明の別の態様では、R1はナフチルを表す。
【0038】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいテトラヒドロナフタレニルを表す。
【0039】
本発明の別の態様では、R1はテトラヒドロナフタレニルを表す。
【0040】
本発明の別の態様では、R1は、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリルを表し、
ここで、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリルは、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C6-10アリール(例えばフェニル)、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい。
【0041】
本発明の別の態様では、R1は、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリルを表し、
ここで-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリルは、
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、
(b) -C6-10アリール(例えばフェニル)、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル、-OR3、-C1-6アルコキシ、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい。
【0042】
本発明の別の態様では、R1は-C5-10ヘテロアリールを表す。本発明の別の態様では、R1は-C6ヘテロアリールを表す。本発明の別の態様では、R1はピリジンを表す。本発明の別の態様では、R1は-C5ヘテロアリールを表す。本発明の別の態様では、R1はチオフェンを表す。
【0043】
本発明の別の態様では、R1は-C5-10ヘテロアリールを表す。本発明の別の態様では、R1は-C8ヘテロアリールを表す。本発明の別の態様では、R1はベンゾチオフェンを表す。本発明の別の態様では、R1はインドールを表す。本発明の別の態様では、R1はN-メチルインドールを表す。
【0044】
本発明の別の態様では、R1は、
(a) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)、あるいは、
(b) -C1-6アルキル(例えば-CH3)、-C1-6ハロアルキル(例えば-CF3)、-C1-6アルコキシ(例えば-OCH3)、-OR3、-CNまたはハロゲン(例えばクロロ、ブロモもしくはフルオロ)から選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいフェニル
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよいジヒドロ-2H-クロメンを表す。
【0045】
本発明の別の態様では、R1はジヒドロ-2H-クロメンを表す。
【0046】
本発明の一態様では、Yは-(CH2)m-、-O(CH2)mまたは-NR7(CH2)m-を表す。本発明の別の態様では、Yは-(CH2)m-または-O(CH2)m-を表す。本発明の別の態様では、Yは-(CH2)m-を表す。本発明の別の態様では、Yは-O(CH2)m-を表す。本発明の別の態様では、Yは-CH2-、-OCH2-、-OCH2CH2-、-C2H4-または-N(CH3)CH2-を表す。本発明の別の態様では、Yは-CH2-、-OCH2-、-OCH2CH2-または-C2H4-を表す。本発明の別の態様では、Yは-CH2-(メチレン)を表す。本発明の別の態様では、Yは-C2H4-(エチレン)を表す。本発明の別の態様では、Yは-OCH2-を表す。本発明の別の態様では、Yは-OCH2CH2-を表す。本発明の別の態様では、Yは-N(CH3)CH2-を表す。
【0047】
本発明の一態様では、R2は水素を表す。本発明の別の態様では、R2は-C3H7を表す。本発明の別の態様では、R2は-C(=O)C1-6アルキルまたは-C(=O)C6-10アリールを表す。本発明の別の態様では、R2は-C(=O)フェニルを表す。本発明の別の態様では、R2は-C(=O)C3H7を表す。本発明の別の態様では、R2は-C(=O)C6H5を表す。本発明の別の態様では、R2は-C(=O)C1-6アルキルOHを表す。本発明の別の態様では、R2は-C(=O)CH2OHを表す。本発明の別の態様では、R2は-C(=O)C(CH3)2OHを表す。本発明の別の態様では、R2は-COCH2N(CH3)2を表す。本発明の別の態様では、R2はチアゾールCH2OHを表す。
【0048】
本発明の一態様では、R3は-OC1-6ハロアルキル(例えば-OCF3)を表す。本発明の別の態様では、R3は-OC1-3ハロアルキル(例えば-OCF3)を表す。本発明の別の態様では、R3は-OC3-6シクロアルキルを表す。
【0049】
本発明の一態様では、R4は-C1-3アルキル(例えば-CH3)を表す。本発明の別の態様では、R4は-CH3(メチル)を表す。本発明の別の態様では、R4は水素を表す。
【0050】
本発明の一態様では、R5は-C1-3アルキル(例えば-CH3)を表す。本発明の別の態様では、R5は-CH3(メチル)を表す。本発明の別の態様では、R5は水素を表す。
【0051】
本発明の一態様では、R7は-C1-3アルキル(例えば-CH3)を表す。本発明の別の態様では、R7は-CH3(メチル)を表す。本発明の別の態様では、R7は水素を表す。
【0052】
本発明の一態様では、mは0、1、2または3を表す。本発明の別の態様では、mは1または2を表す。
【0053】
本発明のそれぞれの態様は、特に明記しない限り独立している。しかし当業者には、記載されている態様の置換すべてが本発明の範囲内であることは理解されよう。したがって、本発明は、適切で、都合が良く、かつ例示されている本明細書に記載の基のすべての組み合わせを網羅しているものと理解されたい。例えば、一態様では、本発明は、Xが-NHCO-を表し、R2がHを表す式(I)の化合物を提供する。
【0054】
式(I)で表される特定の化合物は、立体異性形態で存在していてもよい(例えば、これらは1種または複数の不斉炭素原子を含有していてもよい)。それぞれの立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)ならびにそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。また本発明は、式(I)で表される化合物の配座異性体ならびに前記化合物のすべての幾何学的(シスおよび/またはトランス)異性体にまで及ぶ。同様に、式(I)で表される化合物は、式に示したもの以外の互変異性型で存在していてもよく、それらもまた本発明の範囲内に包含されるものと理解されたい。
【0055】
式(I)で表されるラセミ化合物は、場合によりそれらの個々のエナンチオマーに分離することができることは理解されよう。かかる分割は、好ましくは当技術分野で公知の標準法により行うことができる。例えば、式(I)で表されるラセミ化合物は、キラル分取HPLCにより分離することができる。
【0056】
さらに、多形体として、またそれらの混合物として存在する本発明の化合物も、本発明の範囲内であることは十分に理解されよう。
【0057】
本明細書では、「アルキル」という用語は、特定数の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖を意味する。例えば、C1-6アルキルは、少なくとも1個で最高6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖のアルキルを意味する。本明細書で使用される「アルキル」の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、イソブチル、イソプロピル、t-ブチルおよび1,1-ジメチルプロピルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。しかし、アルキルが置換基を有するように部分が定義される場合、アルキルがアルキレン、例えばメチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)およびプロピレン(-CH2CH2CH2-)を含み得ることは、当業者には本明細書から明らかであろう。
【0058】
本明細書では、「アルコキシ」という用語は、特定数の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を意味する。例えば、C1-6アルコキシは、少なくとも1個で最高6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を意味する。本明細書で使用される「アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロパ-2-オキシ、ブトキシ、ブタ-2-オキシ、2-メチルプロパ-1-オキシ、2-メチルプロパ-2-オキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。結合点は、酸素原子または炭素原子上であってもよい。
【0059】
本明細書では、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素(フルオロ)、塩素(クロロ)、臭素(ブロモ)またはヨウ素(ヨード)の原子を意味する。
【0060】
本明細書では、「ハロアルキル」という用語は、1個または複数の炭素原子を有するアルキル基であって、少なくとも1個の水素原子がハロゲン原子で置換されているものを意味し、例えばトリフルオロメチル基などがある。
【0061】
本明細書では、「シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素環原子、例えば3〜6個の炭素環原子を含有する飽和環状基を意味する。例としては、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0062】
本明細書では、「C5-10ヘテロアリール」という用語は、5〜10個の環原子を含有する芳香族環状基であって、そのうちの1、2、3または4個の原子が窒素、酸素および硫黄から独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素であるものを意味し、例えばベンゾチオフェニル、インドリルまたはチエニルである。この定義には、単環式および二環式環系と、その少なくとも一部が芳香族であり、他の部分が飽和、部分不飽和または完全不飽和である二環式構造の両方が含まれている。
【0063】
本明細書では、「アリール」という用語は、芳香族炭素環部分を意味する。この定義には、単環式および二環式環系と、その少なくとも一部が芳香族であり、他の部分が飽和、部分不飽和または完全不飽和である二環式構造の両方が含まれている。芳香族アリール基の例としては、ナフチル、アントリル、フェナントリル、インダニル、インデニル、アズレニル、アズラニル、フルオレニル、フェニルおよびナプチルが挙げられ、特にフェニルである。
【0064】
本明細書では、「C5-10ヘテロシクリル」という用語は、5〜10個の環原子を含有する環状基であって、そのうちの1、2、3または4個の原子が窒素、酸素および硫黄から独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素であるものを意味し、この場合、前記環状基は飽和、部分不飽和または完全不飽和であるが、芳香族ではないもので、例えばテトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,4-ジオキサン、モルホリン、1,4-ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3-ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、1,3-ジオキサン、1,3-ジチアン、オキサチアンまたはチオモルホリンである。この定義には、この部分が非芳香族という条件で二環式構造が含まれる。
【0065】
ヘテロシクリル基およびヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、ジオキソラニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピペリジニル、ホモピペラジニル、ジオキサニル、モルホリノ、ジチアニル、チオモルホリノ、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、スルホラニル、テトラゾリル、トリアジニル、アゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、ジアゼピニルおよびチアゾリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチアジニル、ベンゾチオフェニル、オキサゾロピリジニル、ベンゾフラニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ジヒドロキナゾリニル、ベンゾチアゾリル、フタルイミド、ベンゾフラニル、ベンゾジアゼピニル、インドリルおよびイソインドリルが挙げられる。
【0066】
本明細書では、「置換(されている)」という用語は、指定の1個または複数の置換基による置換を意味し、別段の定めがない限り、多重置換であってもよい。
【0067】
誤解を避けるために説明すると、「独立して」という用語は、複数の置換基を多数の候補置換基から選択する場合、それらの置換基が同一であっても異なっていてもよいことを意味する。
【0068】
本明細書では、「製薬上許容可能な」という用語は、医薬用途に適している化合物を意味する。
【0069】
医薬用途に適している式(I)で表される化合物の塩は、対イオンが製薬上許容可能であるものである。しかし、製薬上許容可能でない対イオンを有する塩は、例えば、式(I)で表される他の化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩の製造における中間体としての使用に関し、本発明の範囲内である。
【0070】
適切な製薬上許容可能な塩は当業者には明らかであり、例えば、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸など)および有機酸(例えばコハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、酢酸、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸)により形成される酸付加塩が挙げられる。製薬上許容可能でない他の塩(シュウ酸塩など)は、例えば、式(I)で表される化合物の単離において使用可能であり、本発明の範囲内に含まれる。Bergeら, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19を参照されたい。
【0071】
特定の式(I)で表される化合物は、1当量またはそれ以上の当量の酸と酸付加塩を形成し得る。本発明は、可能性のあるすべてのその化学量論的および非化学量論的形態を本発明の範囲内に包含している。
【0072】
式(I)で表される化合物の溶媒和物、および式(I)で表される化合物の塩の溶媒和物は、本発明の範囲内に包含されている。
【0073】
本明細書では、「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明においては、式(I)で表される化合物またはその塩)および溶媒によって形成される可変化学量論的な複合体を意味する。本発明の目的におけるかかる溶媒は、溶質の生物学的活性を妨げるものではない。好適な溶媒の例としては、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、使用される溶媒は製薬上許容可能な溶媒である。最も好ましくは、使用される溶媒は水であり、その溶媒和物は水和物と呼ぶこともできる。
【0074】
医薬用途に適している式(I)で表される化合物の溶媒和物は、溶媒が製薬上許容可能である場合のものである。しかし、製薬上許容可能でない溶媒を含んでいる溶媒和物は、例えば、式(I)で表される他の化合物およびそれらの製薬上許容可能な塩の製造における中間体としての使用に関し、本発明の範囲内である。
【0075】
式(I)で表される化合物のプロドラッグは、本発明の範囲内に包含される。
【0076】
本明細書では、「プロドラッグ」という用語は、体内で、例えば血液中で加水分解によって医療効果のあるその活性型へ変換される化合物を意味する。製薬上許容可能なプロドラッグは、T. HiguchiおよびV. Stella, Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、ならびにEdward B. Roche編, Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、ならびにD. Fleishner, S. RamonおよびH. Barba 「Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs」, Advanced Drug Delivery Reviews (1996) 19(2) 115-130に記載されている。プロドラッグは、かかるプロドラッグを患者に投与する場合、構造(I)で表される化合物をin vivoに放出する、共有結合的に結合されているあらゆる担体である。一般にプロドラッグは、官能基を修飾させ、その修飾がin vivoで切断された結果、親化合物が生じるような手法で製造される。プロドラッグは、例えば、ヒドロキシルまたはアミン基が任意の基に結合されており、患者に投与された時、切断されてヒドロキシまたはアミン基を形成するような本発明の化合物を包含し得る。したがって、プロドラッグの代表例としては、式(I)で表される化合物のヒドロキシおよびアミン官能基のホスホナート、カルバマート、アセタート、ホルマートおよびベンゾアートの誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
ホスホナートおよびカルバマートはそれ自体で活性があってもよく、かつ/またはヒト体内においてin vivo条件下で加水分解され得るものであってもよい。製薬上許容可能なin vivoで加水分解され得る適切なエステル基としては、ヒト体内において容易に分解されて親酸またはその塩が得られるものが挙げられる。ホスホナートは、当技術分野で公知の方法により、亜リン酸(ホスホン酸)との反応によって形成される。例えば、ホスホナートはRP(O)(OR)2などの誘導体であってもよい。カルバマートはカルバミン酸のエステルである。
【0078】
本発明の一態様では、次からなる群から選択される化合物またはその製薬上許容可能な塩を提供する:
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(1-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3,4-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(4-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(フェニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(2-チエニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(2-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(シクロヘキシルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(2-フェニルエチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(1H-インドール-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,5-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(1-ナフタレニルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロ-5-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(1-ベンゾチエン-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(3-チエニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[2-(1-ナフタレニル)エチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[2-(2-クロロフェニル)エチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2-ブロモフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(4-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[3-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフタレニルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[4-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2-ビフェニリルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[({5-クロロ-2-[(2-メチルプロピル)オキシ]フェニル}オキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(3-ピリジニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-6-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{2-[(2-クロロフェニル)オキシ]エチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2'-クロロ-2-ビフェニリル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(3-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,6-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-メチルフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3,4-ジメチルフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({2-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,4,5-トリクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(4-クロロ-2-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3-クロロ-5-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,4-ジフルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-N-(1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(ヒドロキシアセチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(N,N-ジメチルグリシル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(フェニルカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
2-ブタノイル-N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-[5-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、または、
5-[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]-N-(1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキサミド。
【0079】
本発明の別の態様では、以下からなる群から選択される化合物を提供する:
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(1-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(3,4-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(4-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(フェニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(2-チエニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(2-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(シクロヘキシルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(2-フェニルエチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(1H-インドール-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2,5-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(1-ナフタレニルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-クロロ-5-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(1-ベンゾチエン-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(3-チエニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[2-(1-ナフタレニル)エチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[2-(2-クロロフェニル)エチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(2-ブロモフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(3-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(4-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(3-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[3-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフタレニルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(2-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[4-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(2-ビフェニリルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[({5-クロロ-2-[(2-メチルプロピル)オキシ]フェニル}オキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[2-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(3-ピリジニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-(3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-6-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{2-[(2-クロロフェニル)オキシ]エチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(2'-クロロ-2-ビフェニリル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド 塩酸塩、
N-{5-[(2-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(3-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2,6-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-メチルフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(3,4-ジメチルフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({2-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[2-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2,4,5-トリクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-{5-[(4-クロロ-2-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(3-クロロ-5-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-[5-({[5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2,4-ジフルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-N-(1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(ヒドロキシアセチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(N,N-ジメチルグリシル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(フェニルカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
2-ブタノイル-N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-[5-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、または、
5-[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]-N-(1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキサミド塩酸塩。
【0080】
本発明の化合物はSCD活性を阻害することが分かっており、したがって、脂質濃度(例えば血漿脂質濃度)を調節するのに有用であり得る。異常血漿脂質プロファイルによって引き起こされるか関係している疾患または症状としては、また本発明の化合物が有用となり得るそれらの治療に関しては、脂質異常症、低αリポタンパク血症、高βリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、およびメタボリック症候群が挙げられる。本発明の化合物が有用となり得る他の心血管疾患としては、末梢血管疾患、再潅流障害、血管形成性再狭窄、高血圧症、糖尿病性血管合併症および血栓症が挙げられる。他の疾患または症状としては、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および肝臓中の脂質蓄積に関連する他の疾患が挙げられる。
【0081】
また本発明の化合物は、皮膚障害、例えば湿疹、座瘡、乾癬、ケロイド瘢痕形成または予防、および粘膜からの産生または分泌に関連する疾患の治療に有用であり得る。
【0082】
また本発明の化合物は、癌、新生物、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性または悪性)、発癌、肝臓癌などの治療に有用であり得る。
【0083】
本発明の化合物は、また軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管症(CAA)またはダウン症候群(DS)に関連した認知症、およびAβ42を含むアミロイド斑の形成または蓄積を特徴とする他の神経変性疾患の治療に有用であり得る。
【0084】
本発明の内容において、本明細書に使用されている適応症を記載した用語は、Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 第17版および/またはthe International Classification of Diseases 第10版 (ICD-10)に分類されている。本明細書に記載した障害の各種亜型は、本発明の一部として考えるものとする。
【0085】
一態様では、本発明は、薬物療法で使用するための式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を提供する。
【0086】
一態様では、本発明は、SCD阻害剤によって改善可能な(susceptible to amelioration)疾患または症状を治療および/または予防する薬剤の製造における式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0087】
別の態様では、本発明は、座瘡、癌、脂質異常症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、肥満、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、肝臓脂肪症および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療および/または予防する薬剤の製造における式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0088】
別の態様では、本発明は、座瘡、癌、脂質異常症、アテローム性動脈硬化、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、II型糖尿病および/または肝臓脂肪症を治療および/または予防する薬剤の製造における式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0089】
別の態様では、本発明は、座瘡を治療および/または予防する薬剤の製造における式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0090】
一態様では、本発明は、ヒトをはじめとする哺乳動物においてSCD阻害剤によって改善可能な疾患または症状の治療および/または予防で使用するための式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を提供する。
【0091】
別の態様では、本発明は、座瘡、癌、脂質異常症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、肥満、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、肝臓脂肪症および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療および/または予防で使用するための式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を提供する。
【0092】
別の態様では、本発明は、座瘡、癌、脂質異常症、アテローム性動脈硬化、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、II型糖尿病および/または肝臓脂肪症の治療および/または予防で使用するための式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を提供する。
【0093】
別の態様では、本発明は、座瘡の治療および/または予防で使用するための式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を提供する。
【0094】
一態様では、本発明は、被験体(例えばヒトを含む哺乳動物)に、治療上有効な量の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を投与することを含む、SCD阻害剤によって改善可能な疾患または症状の治療および/または予防方法を提供する。
【0095】
別の態様では、本発明は、被験体(例えばヒトを含む哺乳動物)に、治療上有効な量の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を投与することを含む、座瘡、癌、脂質異常症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、肥満、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、肝臓脂肪症および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療および/または予防方法を提供する。
【0096】
別の態様では、本発明は、被験体(例えばヒトを含む哺乳動物)に、治療上有効な量の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を投与することを含む、座瘡、癌、脂質異常症、アテローム性動脈硬化、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、II型糖尿病および/または肝臓脂肪症の治療および/または予防方法を提供する。
【0097】
別の態様では、本発明は、被験体(例えばヒトを含む哺乳動物)に、治療上有効な量の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を投与することを含む、座瘡の治療および/または予防方法を提供する。
【0098】
「治療」および「療法」という用語には、急性期の治療または予防だけでなく、確定した症状(established symptoms)の軽減も含まれることは理解されよう。
【0099】
本発明の化合物は医薬組成物での使用を目的とするものであるので、本化合物は好ましくはそれぞれ実質的に純粋な形態で、例えば少なくとも純度60%、より適切には少なくとも純度75%、好ましくは少なくとも85%、とりわけ少なくとも純度98%で提供される(%は重量比に基づく)ことは容易に理解されよう。不純物を含んだ本化合物の調製物は、医薬組成物中で使用される、より純粋な形態の調製に使用することができる。これらの純度の低い化合物の調製物は、本発明の化合物を少なくとも1%、より適切には少なくとも5%、好ましくは10〜59%で含んでいるべきである。
【0100】
式(I)で表される化合物の製造方法は、本発明のさらなる態様を成す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、XおよびYは、別段の定めがない限り上記で定義された通りである。本明細書の全体にわたって、一般式はローマ数字(I)、(II)、(III)、(IV)などによって表す。
【0101】
特定の事例においては、式(I)で表される最終化合物は、当技術分野で公知の技術によって、式(I)で表される別の化合物に変換することができる。例えば、カルボン酸置換基は慣用の技術によりエステルまたはアミドに変換することができる。
【0102】
一般法では、Xが-NHCOを表し、Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-OCH2CH2-または-NR7CH2-(式中、R7はHまたは-CH3を表す)を表し、R2がHを表す式(I)の化合物(式(Ia))は、反応スキーム1に従い、式(III)の化合物と式(IV)(式中、P1はBocなどの適切な窒素保護基を表す)の化合物を反応させ、式(II)の化合物を形成させることにより製造することができる。この反応は、DCM(適切には室温〜還流で)またはDMF(適切には室温で)などの好適な溶媒中、カップリング剤(例えばHATU、EDClおよび/またはHOBtなど)の存在下で行ない、その後、酢酸エチルなどの好適な溶媒中、塩酸などの酸性条件下において式(II)の化合物の脱保護を行う。
【化2】

【0103】
したがって、一態様では、本発明は、式(III)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を式(IV)(式中、P1は上記で定義した通りである)の化合物とカップリング剤の存在下で反応させ、その後、式(II)の化合物の脱保護を行うことによって式(Ia)で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0104】
Xが-NHCO-を表し、Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-または-NR7CH2-(式中、R7はHまたは-CH3を表す)を表し、R2が-C1-6アルキルを表す式(I)で表される化合物(式(Ib))は、反応スキーム2に従い、式(III)の化合物と式(IVa)の化合物とを(適切には室温〜還流で)DCMなどの好適な溶媒中、HATU、EDCIおよび/またはHOBtなどのカップリング剤の存在下において反応させることにより製造することができる。
【化3】

【0105】
したがって、一態様では、本発明は、式(III)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を式(IVa)(式中、R2は上記で定義した通りである)の化合物とカップリング剤の存在下で反応させることによって式(Ib)で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0106】
Xが-NHCO-を表し、Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表し、R2が-C1-6アルキルを表す式(I)の化合物(式Ib)もまた、反応スキーム3に従って、(-CH2-RであるR2基の形成するために)式(Ia)の化合物を式R-CHO(式中、Rは-C1-5アルキルを表す)の化合物と(適切には室温で)ジクロロメタンなどの好適な溶媒中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下で反応させることにより製造することもできる。
【化4】

【0107】
したがって、一態様では、本発明は、式(Ia)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を式R-CHO(式中、Rは上記で定義した通りである)の化合物と還元剤の存在下において反応させることによって式(Ib)で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0108】
Xが-NHCO-を表し、Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表し、R2が-C(=O)-C1-6アルキル、-C(=O)-C3-6シクロアルキルまたは-C(=O)-C6-10アリールを表す式(I)の化合物(式Ic)は、反応スキーム4に従い、式(Ia)の化合物を式R2-Clの化合物と、ピリジンなどの塩基の存在下、(適切には室温〜還流で)THFなどの好適な溶媒中で反応させるか、あるいは、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、室温で溶媒としてのジクロロメタン中で反応させることにより製造することができる。
【化5】

【0109】
したがって、一態様では、本発明は、式(Ia)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を式R2-Cl(式中、R2は上記で定義した通りである)の化合物と塩基の存在下において反応させることによって、式(Ic)で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0110】
Xが-NHCO-を表し、Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表し、R2が-C(=O)-C1-6アルキル、-C(=O)-C3-6シクロアルキルまたは-C(=O)-C6-10アリールを表す式(I)の化合物(式Ic)もまた、反応スキーム5に従い、式(Ia)の化合物を式R2-OHの化合物と、HATU、EDCIおよび/またはHOBtなどのカップリング剤の存在下において、(適切には室温で)DMFなどの好適な溶媒中で反応させることにより製造することもできる。
【化6】

【0111】
したがって、一態様では、本発明は、式(Ia)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を式R2-OH(式中、R2は上記で定義した通りである)の化合物とカップリング剤の存在下で反応させることによって、式(Ic)で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0112】
Xが-N(CH3)CO-を表し、Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表し、R2がHを表す式(I)の化合物(式(Id))は、反応スキーム6に従い、式(II)(式中、P1はBocなどの適切な窒素保護基を表す)の化合物をハロゲン化メタン化合物(例えばヨードメタン)と、(適切には室温で)THFなどの好適な溶媒中、水素化ナトリウムなどの塩基とともに反応させ、続いて、酢酸エチルなどの好適な溶媒中、塩酸などの酸性条件下で式(IIa)の化合物を脱保護することにより製造することができる。
【化7】

【0113】
したがって、一態様では、本発明は、式(II)(式中、R1、YおよびP1は上記で定義した通りである)の化合物をハロゲン化メタン化合物と反応させ、次いで、式(IIa)の化合物の脱保護を行うことによって、式(Id)で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0114】
Xが-N(CH3)CO-を表し、R2がH以外である式(I)の化合物は、当業者に公知の方法により、式(Id)の化合物とスキーム3、4、5および7で述べた方法を用いて合成することができる。
【0115】
Xが-NHCO-を表し、Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表し、R2が-チアゾールCH2OHを表す式(I)の化合物(式Ie)は、反応スキーム7に従い、式(Ia)の化合物を(2-ブロモ-1,3-チアゾール-5-イル)メタノールと、(適切には室温〜60℃で)THFなどの好適な溶媒中、DBUなどの塩基の存在下において反応させることにより製造することができる。
【化8】

【0116】
したがって、一態様では、本発明は、式(Ia)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を(2-ブロモ-1,3-チアゾール-5-イル)メタノールと塩基の存在下で反応させることによって、式(Ie)で表される化合物を製造する方法を提供する。
【0117】
Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-OCH2CH2-または-NR7CH2-(式中、R7はHまたは-CH3を表す)を表す式(III)の化合物は、反応スキーム8に従い、式(VIII)の化合物を適切には還流でトルエンなどの好適な溶媒中、メタンスルホン酸の存在下において反応させるか、あるいは(適切には室温〜60℃で)三臭化リンの存在下において反応させることにより製造することができる。
【化9】

【0118】
したがって、一態様では、本発明は、式(VIII)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を好適な溶媒中、メタンスルホン酸の存在下で反応させることによって、式(III)の化合物を製造する方法を提供する。
【0119】
またYが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表す式(III)の化合物は、反応スキーム9に従い、式(IX)の化合物を(適切には室温〜110℃で)ポリリン酸などの好適な溶媒中、ヒドラジンカルボチオアミドの存在下において反応させることにより製造することができる。
【化10】

【0120】
Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表す式(III)の化合物はまた、反応スキーム10に従い、式(XIV)の化合物を(適切には還流で)トリフルオロ酢酸などの好適な溶媒中、ヒドラジンカルボチオアミドの存在下において反応させることにより製造することができる。Yが-OCH2-である式(XIV)の化合物は、反応スキーム8に従い、式(XII)の化合物を2-クロロアセトニトリルなどの試薬と、アセトンなどの好適な溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下において反応させることにより製造することができる。
【化11】

【0121】
Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-、-OCH2CH2-または-NR7CH2-(式中、R7はHまたは-CH3を表す)を表す式(VIII)の化合物は、反応スキーム11に従い、式(IX)の化合物をヒドラジンカルボチオアミドと、(適切には室温〜80℃で)DMFなどの好適な溶媒中、HATU、EDClおよび/またはHOBtなどのカップリング剤の存在下において反応させることにより製造することができる。式(VIII)の化合物はまた、反応スキーム11に従い、式(X)の化合物をヒドラジンカルボチオアミドと、(適切には室温〜還流で)DMFなどの好適な溶媒中、ピリジンなどの塩基とともに反応させることにより製造することができる。式(X)の化合物は、式(IX)の化合物を塩化オキサリルまたは塩化チオニルなどの塩素化剤と、ジクロロメタンなどの好適な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
【化12】

【0122】
Yが-OCH2-を表す式(XI)の化合物は、反応スキーム12に従い、式(XII)の化合物をブロモ酢酸エチルまたはクロロ酢酸エチルなどの試薬と、炭酸カリウムなどの塩基の存在下でアセトンなどの好適な溶媒中で反応させ、続いて、(適切には室温〜還流で)エタノールまたはメタノールなどの好適な溶媒中、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基で式(XIII)の化合物を鹸化することにより製造することができる。
【化13】

【0123】
Yが-OCH2-、-CH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表す式(IX)の化合物は、反応スキーム13に従い、式(XIV)の化合物を水酸化ナトリウムなどの試薬と、(適切には室温〜還流で)水などの好適な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
【化14】

【0124】
Xが-CONH-を表し、Yが-OCH2-、-CH2CH2-または-OCH2CH2-を表し、R2が水素を表す式(I)の化合物(式(If))は、反応スキーム14に従い、式(V)(式中、P1はBocなどの適切な窒素保護基を表す)の化合物を塩酸またはトリフルオル酢酸などの酸性の条件下で脱保護することにより製造することができる。
【化15】

【0125】
したがって、一態様では、本発明は、式V(式中、P1は上記で定義した通りである)の化合物を酸性の条件下で脱保護することによって、式(If)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を製造する方法を提供する。
【0126】
Xが-CONH-を表し、Yが-OCH2-を表す式(V)の化合物は、反応スキーム15に従い、式(XX)(式中、P1はBocなどの適切な窒素保護基を表す)の化合物を式(XII)の化合物と、炭酸カリウムなどの塩基の存在下において、(適切には室温〜還流で)アセトンなどの好適な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
【化16】

【0127】
Xが-CONH-を表し、Yが-CH2-を表し、R2が水素を表す式(I)の化合物(式(If))は、反応スキーム16に従い、式(XXII)(式中、P1はBocなどの適切な窒素保護基を表す)の化合物を式(XXIII)の化合物と反応させ、式(XXI)の化合物を形成させることにより製造することができる。この反応は、適切にはHATU、EDClおよび/またはHOBtなどのカップリング剤の存在下において、(適切には室温〜還流で)DCMまたは(適切には室温で)DMFなどの好適な溶媒中で行い、続いて、式(XXI)の化合物を(適切には室温〜還流で)ジクロロメタンなどの好適な溶媒中、三臭化リンの存在下で反応させる。
【化17】

【0128】
したがって、一態様では、本発明は、式(XXII)の化合物を式(XXIII)の化合物と反応させ、続いて、式(XXI)の化合物を三臭化リンの存在下で反応させることによって、式(If)(式中、R1およびYは上記で定義した通りである)の化合物を製造する方法を提供する。
【0129】
Xが-CONH-を表し、R2がH以外である式(I)の化合物は、当業者に公知の方法によって、式(If)の化合物とスキーム3、4、5および7に記載した方法を用いることにより合成することができる。
【0130】
式(XX)の化合物は、反応スキーム17に従い、式(XXII)の化合物をクロロアセチルクロリドなどの試薬と、(適切には室温で)DMFなどの好適な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
【化18】

【0131】
式(XXII)の化合物は、反応スキーム18に従い、式(XXV)(式中、P1はBocなどの適切な窒素保護基を表す)の化合物を硫黄およびモルホリンなどの試薬と、(適切に室温で)DMFなどの好適な溶媒中で反応させることにより製造することができる。この反応の後、式(XXIV)の化合物をヒドラジン水和物などの試薬と、(適切には室温で)DMFなどの好適な溶媒中で反応させる。
【化19】

【0132】
式(XXV)の化合物は、反応スキーム19に従い、式(VII)(式中、P1はBocなどの適切な窒素保護基を表す)の化合物をクロロアセチルクロリドなどの試薬と、(適切に室温で)THFなどの好適な溶媒中で反応させることにより製造することができる。
【化20】

【0133】
式(IV)、(VI)、(VII)、(XII)、(XIV)および(XXIII)の化合物は、市販の化合物であるか、文献により公知の方法または当業者に公知の方法によって製造することができる。
【0134】
式(I)で表される化合物の製造に関するさらなる詳細については、後で記載する実施例の欄で確認できる。
【0135】
本発明の化合物は、単独で、あるいは少なくとも2種(例えば5〜1000種)の化合物、さらに好ましくは10〜100種の化合物を含む化合物ライブラリーとして製造することができる。本発明の化合物のライブラリーは、コンビナトリアル「スプリットアンドミックス(split and mix)」法によるか、当業者に公知の方法による液相または固相化学を用いる多重パラレル合成により製造することができる。したがって、さらなる態様により、本発明の少なくとも2種の化合物を含む化合物ライブラリーを提供する。
【0136】
当業者であれば、式(I)の化合物および/またはその塩の製造において、好ましくない副反応を防止するため、分子または適切な中間体中の1種または複数の官能基を保護することが必要および/または望まれる場合があることは十分に理解されよう。本発明による使用に好適な保護基は当業者には公知であり、慣用の方法で用いることができる。例えば、「Protective groups in organic synthesis」、T.W. GreeneおよびP.G.M. Wuts (John Wiley & sons 1991)、または「Protecting Groups」、P.J. Kocienski (Georg Thieme Verlag 1994)を参照されたい。適切なアミノ保護基の例としては、アシルタイプの保護基(例えばホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタンタイプの保護基(例えばベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換Cbz)、脂肪族ウレタン保護基(例えば9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)、ならびにアルキルまたはアラルキルタイプの保護基(例えばベンジル、トリチル、クロロトリチル)が挙げられる。
【0137】
前述の方法で用いられる各種の中間体化合物(例えば、式(II)、(V)の特定の化合物、ただしこれらに限定されるものではない)は、本発明のさらなる態様を構成する。
【0138】
また、式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩は、他の治療薬と組み合わせて使用することもできる。したがって、さらなる態様では、本発明は、式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を、1種または複数のさらなる治療薬とともに含む組み合わせを提供する。
【0139】
本発明の化合物は、他の治療薬と組み合わせて投与することができる。好ましい治療薬は、次のリストから選択される:コレステロールエステルトランスフェラーゼ阻害剤(CETP阻害剤)、HMG-CoA還元酵素阻害剤、ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体活性化因子(PPAR)、胆汁酸再取込み阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、イオン交換樹脂、抗酸化物質、AcylCoA阻害剤:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT阻害剤)、カンナビノイド1アンタゴニスト、胆汁酸抑制剤、コルチコステロイド、ビタミンD3誘導体、レチノイド、免疫調節剤、抗アンドロゲン、角質溶解剤、抗菌剤、白金化学療法剤(platinum chemotherapeutic)、代謝拮抗物質、ヒドロキシ尿素、タキサン、有系分裂撹乱物質(mitotic disrupter)、アントラサイクリン、ダクチノマイシン、アルキル化剤、およびコリンエステラーゼ阻害剤。
【0140】
式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を第2の治療薬と組み合わせて使用する場合、各化合物の用量は、その化合物を単独で使用する場合の用量と異なっていてもよい。当業者であれば、適切な用量は容易に理解されよう。また治療で使用するのに必要とされる本発明の化合物の量は、治療すべき症状の性質および患者の年齢およびコンディションに応じて変わり、最終的には担当医師または獣医の判断に委ねられることは理解されよう。
【0141】
上で述べた組み合わせは、好ましくは、医薬製剤の剤形における使用に関して示すこともできる。したがって、本発明のさらなる態様は、上記で定義した組み合わせを少なくとも1種の製薬上許容可能な担体および/または賦形剤とともに含んでなる医薬用製剤を含む。かかる組み合わせのそれぞれの成分は、任意の都合のよい経路によって、個別または組み合わせの医薬用製剤を連続的にまたは同時に投与することができる。
【0142】
連続投与の場合、最初に投与するのは、SCD阻害剤または第2の治療薬のいずれであってもよい。同時投与の場合、その組み合わせは、同一のまたは異なる医薬組成物中で投与することができる。
【0143】
同一製剤で組み合わせた場合、その2種類の化合物は相互に、また製剤の他の成分に対して安定的であるとともに相溶性でなければならないことは理解されよう。別々に製剤化される場合、各成分は、好ましくは、かかる化合物に関して当技術分野で公知の方法で、任意の都合のよい製剤にて提供することができる。
【0144】
また本発明は、1種または複数の式(I)で表される化合物または製薬上許容可能な塩を、1種または複数の賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物も包含する。
【0145】
本発明の化合物は、当技術分野で公知の従来の方法に従って、本発明の化合物を標準の医薬用担体または希釈剤と組み合わせることにより製造される、慣用の剤形で投与することができる。これらの方法には、所望の製造に応じて、適切に成分を混合、造粒および圧縮または溶解することが含まれる。
【0146】
本発明の医薬組成物は、任意の経路による投与のために製剤化されていてもよく、ヒトをはじめとする哺乳動物への経口投与、局所投与または非経口投与に適した剤形のものが含まれる。
【0147】
組成物は、錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、トローチ剤、クリーム剤または液状製剤(例えば、経口用または無菌非経口用の液剤または懸濁液剤)の剤形をとっていてもよい。
【0148】
本発明の局所製剤は、例えば、分散剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、粉剤、エアゾールスプレー剤、シロップ剤、またはスポンジもしくはコットン製塗布用品上の軟膏剤、および水性液体、非水性液体、水中油滴型エマルションもしくは油中水滴型液体エマルションの溶液または懸濁液を例示することができる。
【0149】
クリーム剤、ローション剤または軟膏剤は、洗い流しタイプの製品または塗布したままにする製品(leave-on products)として、ならびに他の皮膚用クレンジング組成物または処理組成物(managing composition)と一緒に使用するための2段階処理製品として製造することができる。これらの組成物は、ゲルのような高濃度形態の洗い流しタイプ製品として、また皮膚への刺激を回避するよう低濃度にした塗布したままにする製品として投与することができる。これらのそれぞれの剤形は当業者には十分に理解されるものであり、その用量は本発明の医薬組成物を加えるために容易に調製され得るものである。
【0150】
軟膏剤は、溶解型医薬品または懸濁型医薬品を含有している炭化水素ベースの半固形製剤である。クリーム剤およびローション剤は半固形エマルション系であって、この用語は、水中油滴型または油中水滴型の両方に用いられる。ゲル製剤は、液相が高分子マトリックス中に取り込まれている半固形系である。
【0151】
例としては(これらに限定されるものではない)、軟膏剤は、例えば、白色ワセリンまたは他のミネラルワックス、流動パラフィン、非ミネラルワックス、長鎖アルコール、長鎖の酸およびシリコーンから選択される1種または複数の疎水性担体を含有していてもよい。軟膏剤は、疎水性担体以外に、例えばプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールから選択されるいくつかの親水性担体を適切な界面活性剤/共界面活性剤系と組み合わせて含有していてもよい。クリーム剤またはローション剤の担体組成物は、典型的には、水、白色ワセリンおよび適切な界面活性剤/共界面活性剤系をベースとし、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコールグリセリンモノステアレート、PEG-グリセリンモノステアレート、エステル類、例えばC12-15アルキルベンゾアート、流動パラフィン、非ミネラルワックス、長鎖アルコール、長鎖の酸シリコーン、非シリコーンポリマーから選択される他の担体/成分と組み合わせる。ゲル剤は、例えば、イソプロピルアルコールまたはエチルアルコール、プロピレングリコールおよび水をゲル化剤(例えばヒドロキシエチルセルロース)とともに用いて製剤化するが、適切には微量成分、例えば1種または複数のブチレングリコールおよび湿潤剤(例えばポロキサマー)と組み合わせて製剤化することができる。
【0152】
軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤などは、さらに保湿剤を含むことができる。保湿剤は、疎水性保湿剤、例えばセラミド、ルリジサ油、トコフェロール、リノール酸トコフェロール、ジメチコーンまたはそれらの混合物、あるいは親水性保湿剤、例えばグリセリン、ヒアルロン酸、重炭酸ナトリウム(sodium peroxylinecarbolic acid)、コムギタンパク質、毛髪ケラチンアミノ酸またはそれらの混合物であってもよい。
【0153】
また本発明による組成物は、皮膚用途の従来の添加剤およびアジュバント、例えば、防腐剤、pHバッファー添加剤として用いられる酸または塩基、ならびに抗酸化物質などを含むこともできる。
【0154】
本発明は、経皮貼布剤または経皮投与の他の剤形による投与を包含する。経皮投与に好適な製剤は当技術分野で公知であり、本発明の方法において使用することができる。例えば、医薬化合物の投与に適している経皮貼布剤は、具体的には、Campbellらの米国特許第4,460,372号、Kwiatekらの米国特許第4,573,996号、Nuwayserの米国特許第4,624,665号、Eckertらの米国特許第4,722,941号およびNelsonらの米国特許第5,223,261号に記載されている。
【0155】
本発明の方法で使用するための適切なあるタイプの経皮貼布剤は、非浸透性の裏材層、浸透性の表材層、浸透性表材層を実質的に連続的にコーティングしている接着層、ならびに、裏材層および浸透性表材層の間に配置されるか挟まれている貯蔵部(裏材層は貯蔵部の側部周囲まで伸展しており、浸透性表材層の端部で浸透性表材層につながっているようになっている)を含む、適切な経皮貼布剤を包含する。この貯蔵部は、式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を単独でまたは組み合わせて含有し、かつ浸透性表材層と接触する流動性のものである。経皮貼布剤は、皮膚に経皮貼布剤を接着した場合に浸透性表材層が皮膚と実質的に連続的な接触となるように、浸透性表材層上の接着層によって皮膚に接着される。被験体の皮膚に経皮貼布剤が接着されている間に、経皮貼布剤の貯蔵部に含まれている式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩が貯蔵部から浸透性表材層を介し、接着層を通って患者の皮膚に移動する。経皮貼布剤は、場合により、式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩が皮膚へ浸透しやすいように、1種または複数の浸透促進剤を貯蔵部に含んでいてもよい。
【0156】
裏材層を含み得る適切な材料の例は経皮貼布剤送達の技術分野で公知であり、慣用のあらゆる裏材層材料を本発明の経皮貼布剤において用いることができる。
【0157】
同様に、適切な浸透促進剤も当技術分野で公知である。慣用の浸透促進剤の例としては、アルカノール類、例えばエタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールなど、炭化水素類、例えばヘキサン、シクロヘキサン、イソプロピルベンゼンなど、アルデヒドおよびケトン類、例えばシクロヘキサノン、アセトアミド、N,N-ジ(低級アルキル)アセトアミド、例えばN,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アセトアミド、エステル類、例えばN,N-ジ低級アルキルスルホキシド;精油類、例えばプロピレングリコール、グリセリン、グリセロールモノラウレート、イソプロピルミリステート、オレイン酸エチル、サリチル酸、ならびに上記のうちのいずれかの混合物が挙げられる。
【0158】
経口投与用の錠剤およびカプセル剤は単位用量の服用剤形であってもよく、また慣用の賦形剤、具体的には、結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、またはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば、ラクトース、糖、メイズスターチ、リン酸カルシウム、ソルビトール、またはグリシン;錠剤化滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、またはシリカ;崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン;あるいは許容可能な湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムなどを含有していてもよい。錠剤は、標準の製薬手段で周知の方法に従い、コーティングされていてもよい。経口用液体製剤は、例えば、水性または油性の懸濁剤、液剤、エマルション剤、シロップ剤またはエリキシル剤の剤形であってもよいし、あるいは使用前に水または他の好適なビヒクルで再構成するための乾燥製品として提供することもできる。かかる液体製剤は慣用の添加剤、具体的には、懸濁化剤、例えば、ソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、または硬化食用脂、乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート、またはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含んでいてもよい)、例えば、アーモンドオイル、油性エステル、例えばグリセリン、プロピレングリコール、またはエチルアルコール;保存剤、例えば、メチルまたはプロピルp-ヒドロキシベンゾアート、またはソルビン酸などを含有していてもよく、所望なら、慣用の香味剤または着色剤を含有していてもよい。
【0159】
経口投与用の製剤は、活性化合物の放出を調節または延長するように適切に製剤化することができる。
【0160】
座剤は、慣用の座剤基剤、例えば、カカオバター、または他のグリセリドを含有する。
【0161】
非経口投与に関しては、流動体の単位投薬剤形は、化合物と滅菌済ビヒクル(好ましくは水)を利用して製造される。化合物は、使用するビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁または溶解させることができる。液剤の製造においては、化合物は注射用水に溶解し、フィルター滅菌した後、適当なバイアルまたはアンプルに充填し、密封することができる。
【0162】
都合がよいことには、局部麻酔薬などの薬剤、保存剤および緩衝剤をビヒクル中に溶解させることができる。安定性を高めるには、組成物をバイアルに充填した後に凍結乾燥し、真空下で水を除去することができる。次いで、凍結乾燥粉末をバイアルに密封し、使用前に液剤を再構成するための付属の注射用水のバイアルを提供することもできる。非経口用懸濁剤は、化合物を溶解する代わりにビヒクル中に懸濁し、滅菌がフィルターにより実施されないことを除き、実質的に同様の方法で製造される。化合物はエチレンオキシドに曝露することにより滅菌し、滅菌済ビヒクルに懸濁することができる。好ましくは、界面活性剤または湿潤剤を組成物中に含有させて、化合物の均一な分布を促進させる。
【0163】
組成物は、投与方法に依存して、0.1重量%、好ましくは10〜60重量%の活性物質を含有することができる。組成物が単位容量を含む場合、それぞれの単位は、好ましくは有効成分を50〜500mg含有する。成人のヒトの治療で用いられる用量は、投与経路および頻度に依存して、1日当たり100〜3000mgの範囲、例えば1日当たり1500mgであるのが好ましい。かかる用量は、1日当たり1.5〜50mg/kgに対応する。適切には、用量は1日当たり5〜20mg/kgである。
【0164】
本発明の化合物の個々の用量の最適な量および間隔は、治療すべき症状の性質および程度、投与の剤形、経路および部位、ならびに治療を受ける特定の哺乳動物により決定され、かかる最適条件が通常の技術により決定され得ることは、当業者には理解されよう。また当業者であれば、最適な治療方針、すなわち、所定の日数の間で1日当たりに与えられる本発明の化合物の投与回数は、通常の治療方針の決定試験を用いて当業者により確認され得ることは理解するであろう。
【0165】
また本発明は、式(I)で表される化合物の製造で用いられる、本明細書に記載の新規中間体にも及ぶものとする。
【0166】
定義
AcOEt 酢酸エチル
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
CCl4 四塩化炭素
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
Et3N トリエチルアミン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
Fmoc 9-フルオレニルメトキシカルボニル
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCl 塩酸
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
m-CPBA メタクロロ過安息香酸
MeCN アセトニトリル
Me メチル
MeOH メタノール
NaBH3CN シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaHB(OAc)3 トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
Net3 トリエチルアミン
NH2NH2 ヒドラジン
PPA ポリリン酸
Pd(PPh3)4 テトラキスパラジウム
化合物の製造が本明細書中でどのように示されているかにかかわらず、中間体の特定のバッチ(または2つ以上のバッチの混合物)が製造の次の段階で使用されたであろうと推論してはならない。実施例および中間体は、当業者が本発明について理解しやすいように、同一の製造に関して好適な合成経路を例示することを意図している。
【0167】
「同様の」方法の使用について記載がある場合、当業者には理解されるように、かかる方法には、例えば反応温度、試薬/溶媒量、反応時間、後処理の条件またはクロマトグラフィーの精製条件などのマイナーな変更が含まれ得る。
【0168】
LC-MS分析法
HPLC分析は、X-terra MS C18カラム(2.5μm 3×30mm内径)で実施した。溶出は、温度40℃、流速1.1mL/分にて、水に溶解した0.01Mの酢酸アンモニウム(溶媒A)と以下の溶出勾配を用いる100%アセトニトリル:0〜4分、5〜100% B;4〜5分、100% Bで実施。
【0169】
質量スペクトル(MS)はmicromass ZQ-LC質量分析計で記録した。エレクトロスプレーポジティブイオン化モード[MH+分子イオンを得るためのES+ve]またはエレクトロスプレーネガティブイオン化モード[(M-H)-分子イオンを得るためのES-ve]を利用。
【0170】
LC-HRMS分析法
HPLC分析は、Uptisphere-hscカラム(3μm 30×3mm内径)で実施した。溶出は、温度40℃、流速1.3mL/分にて、水に溶解した0.01Mの酢酸アンモニウム(溶媒A)と以下の溶出勾配を用いる100%アセトニトリル(溶媒B):0〜0.5分、5% B;0.5〜3.5分、5〜100% B;3.5〜4分、100% B;4〜4.5分、100〜5% B;4.5〜5.5分、5% Bで実施。
【0171】
質量スペクトル(MS)はmicromass LCT質量分析計で記録した。エレクトロスプレーポジティブイオン化モード[MH+分子イオンを得るためのES+ve]またはエレクトロスプレーネガティブイオン化モード[(M-H)-分子イオンを得るためのES-ve]を利用。
【0172】
GC-MS分析法
GC分析は、DB-1msカラム(Agilent Technologies)(0.1μm 10m×0.1mm内径)で実施した。溶出は、以下の条件で実施:ヘリウム流速0.5ml/分、圧力3.4 bar、勾配温度:0〜0.35分、100℃;0.35分〜6分、100℃〜250℃(80℃/分の上昇)で実施。
【0173】
質量スペクトル(MS)は、Agilent Technologies G5973質量分析計で記録した。電子衝撃イオン化を利用。
【0174】
以下の実施例により本発明を説明するが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0175】
中間体1:5-クロロ-2-[(2-メチルプロピル)オキシ]フェノール
【化21】

【0176】
5-クロロ-2-[(2-メチルプロピル)オキシ]ベンズアルデヒド(10g、47.17mmol)をジクロロメタン(80ml)中に溶解した。この溶液を65℃まで冷却した。m-CPBA 85%(8.85g、51.45mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。固形物を濾過し、濾液を濃縮した。メタノール(80ml)で残渣を希釈した。溶液を20℃以下に冷却し、NaOH 20%(43ml、0.215mol)の溶液を加えた。この混合物を30分間撹拌し、濃HClで酸性化した。5℃まで混合物を冷却した。固形物を濾過し、冷水で洗浄した。固形物を酢酸エチルで溶解し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、有機相を濃縮した。ペンタン/酢酸エチル(10:1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、表題化合物(9g、96%)を得た。
【0177】
1H NMR (300 MHz, CDCl3, ppm) δ: 6.9 (s, 1H), 6.8 (m, 2H), 3.80 (d, 2H), 2.10 (m, 1H), 1.00 (d, 6H)。
【0178】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム12)を用いて製造した。
【化22】

【0179】
中間体2:エチル=[(4-クロロフェニル)オキシ]アセタート
【化23】

【0180】
DMF中の4-クロロフェノール(25.6g、0.2mol)の溶液に炭酸カリウム(41.4g、0.2mol)を加え、次いでクロロ酢酸エチル(21.2ml、0.2mol)を滴下添加した。この溶液を70℃で一晩加熱した。濾過後、濾液を水へ注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固し、暗黒色油状物(30g、70%)として表題化合物を得た。
【0181】
LC/MS: m/z 215 (M+H)+, Rt: 4.66分。
【0182】
以下の中間体は、中間体2に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化24】

【表1】

【0183】

【0184】

【0185】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム12)を用いて製造した。
【化25】

【0186】
中間体20:[(4-クロロフェニル)オキシ]酢酸
【化26】

【0187】
エチル=[(4-クロロフェニル)オキシ]アセタート(中間体2)(60g、0.28mol)をメチルアルコール中に含む溶液に、水に溶解した水酸化カリウム(28g、0.5mol)の溶液を加えた。この溶液を70℃で一晩加熱した。減圧下で濃縮した後、混合物を氷水で冷却し、濃HCl(20ml、10M)を加えた。得られた固形物を濾過し、乾燥させ、白色固形物(40g、77%)として表題化合物を得た。
【0188】
1H NMR (300 MHz, CDCl3, ppm) δ: 7.3 (d, 2H), 6.9 (d, 2H), 4.6 (s, 2H)。
【0189】
以下の化合物は、中間体20に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化27】

【表2】

【0190】

【0191】

【0192】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム13)を用いて製造した。
【化28】

【0193】
中間体38:[3-(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸
【化29】

【0194】
水に溶解した[3-(トリフルオロメチル)フェニル]アセトニトリル(5.4g、0.03mmol)およびNaOH(6g、0.15mmol)の溶液を一晩還流した。冷却後、希HClでpH2に調節した。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、固形物(5.2g、87%)として表題化合物を得た。
【0195】
1H NMR (300 MHz, DMSO, ppm) δ: 7.6 (m, 4H), 3.7 (s, 2H)。
【0196】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム11)を用いて製造した。
【化30】

【0197】
中間体39:2-{[(2-クロロフェニル)オキシ]アセチル}ヒドラジンカルボチオアミド
【化31】

【0198】
3つのカップリング反応を10gのスケールで同時に行った。2-クロロフェノキシ酢酸(10g、54mmol)、HATU(22.4g、59mmol)およびNEt3(11.1mL、80mmol)をDMF中に含む溶液を室温で1時間撹拌した。ヒドラジンカルボチオアミド(5.9g、64mmol)を加え、反応混合物を室温で2日間撹拌した。3つを合わせた混合物の溶媒を減圧下で蒸発させた後、残渣を水で希釈し、形成された沈殿物を濾過し、乾燥させ、浅黄色粉末として表題化合物を得た。
【0199】
全収率:36.6g、87%。
【0200】
LC/MS: m/z 260 (M+H)+, Rt: 2.09分。
【0201】
以下の中間体は、中間体39に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化32】

【表3】

【0202】

【0203】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム11)を用いて製造した。
【化33】

【0204】
中間体54:2-(フェニルアセチル)ヒドラジンカルボチオアミド
【化34】

【0205】
DMF(100mL)中のフェニルアセチルクロリド(5.27mL、0.04mol)の溶液を、室温で、チオセミカルバジド(3.64g、0.04mol)およびピリジン(3.23mL、0.04mol)をDMF中に含む溶液に加えた。8時間撹拌した後、混合物を氷水へ注ぎ入れ、アンモニアでpH9に調節した。酢酸エチルで水層を抽出した後、有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過後、蒸発乾固した。次いで、残渣を酢酸エチル中で再結晶させ、固形物(1.878g、22%)として表題化合物を得た。
【0206】
LC/MS: m/z 210 (M+H)+, Rt: 1.75分。
【0207】
以下の中間体は、中間体54に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化35】

【表4】

【0208】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム11)を用いて製造した。
【化36】

【0209】
中間体57:(方法A) 2-{[(4-クロロフェニル)オキシ]アセチル}ヒドラジンカルボチオアミド
【化37】

【0210】
[(4-クロロフェニル)オキシ]酢酸(中間体20)(13.0g、0.07mol)をクロロホルム中に含む溶液に、ゆっくりと塩化チオニル(7.5mL、0.1mol)を添加した。この溶液を4時間還流した。次いで、真空下で溶媒を蒸発させた。DMF中に残渣を溶解し、次いで、室温でチオセミカルバジド(7.28g、0.08mol)およびピリジン(7.8g、0.1mol)をDMF中に含む溶液に加えた。2時間撹拌した後、混合物を氷水へ注ぎ入れ、固形物を濾過し、乾燥させ、白色固形物(16g、88%)として表題化合物を得た。
【0211】
LC/MS: m/z 260 (M+H)+, Rt: 2.69分。
【0212】
以下の中間体は、中間体57に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化38】

【表5】

【0213】
中間体59:(方法B) 2-{[(2-フルオロフェニル)オキシ]アセチル}ヒドラジンカルボチオアミド
【化39】

【0214】
0℃で冷却したジクロロメタン中の[(2-フルオロフェニル)オキシ]酢酸(中間体21)(3g、0.018mol)の溶液に、ゆっくりと塩化オキサリル(3.07mL、0.035mol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、真空下で溶媒を蒸発させた。DMF中に残渣を溶解し、次いで、チオセミカルバジド(1.63g、0.018mol)およびピリジン(0.95ml、0.018mol)をDMF中に含む溶液を加え、氷水浴で冷却した。4時間撹拌した後、混合物を氷水へ注ぎ入れた。得られた固形物を濾過し、乾燥させ、表題化合物(3g、67%)を得た。
【0215】
LC/MS: m/z 244 (M+H)+, Rt: 2.13分。
【0216】
以下の中間体は、中間体59に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化40】

【表6】

【0217】

【0218】

【0219】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム8)を用いて製造した。
【化41】

【0220】
中間体77:5-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン
【化42】

【0221】
2-[(4-クロロフェニル)アセチル]ヒドラジンカルボチオアミド(中間体64)(5g、0.020mol)およびPBr3(30mL、0.146mol)の混合物を60℃で16時間加熱した。次いで、この反応物を氷水へ注ぎ入れ、アンモニアでpH9に調節した。懸濁液を濾過した後、固形物を乾燥させ、固形物(3.6g、79%)として表題化合物を得た。
【0222】
LC/MS: m/z 226 (M+H)+, Rt: 3.55分。
【0223】
以下の中間体は、中間体77に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化43】

【表7】

【0224】

【0225】

【0226】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム8)を用いて製造した。
【化44】

【0227】
中間体95:5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン
【化45】

【0228】
2-{[(2-クロロフェニル)オキシ]アセチル}ヒドラジンカルボチオアミド(中間体39)(36.6g、0.14mol)をトルエン(250ml)中に含む溶液にメタンスルホン酸(13.7mL、0.21mol)を滴下添加し、反応混合物を2時間還流で撹拌した。溶媒を蒸発させた。水で残渣を希釈し、アンモニア溶液をpH9まで加えた。形成された沈殿物を濾過し、乾燥させ、浅黄色固形物(20.3g、60%)として表題化合物を得た。
【0229】
LC/MS: m/z 242 (M+H)+, Rt: 2.57分。
【0230】
以下の中間体は、中間体95に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化46】

【表8】

【0231】

【0232】

【0233】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム9)を用いて製造した。
【化47】

【0234】
中間体115:5-(シクロヘキシルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン
【化48】

【0235】
PPA(50g)中のヒドラジンカルボチオアミド(0.32g、3.5mmol)を溶解するまで110℃で加熱した。シクロヘキシル酢酸(0.5g、3.5mmol)を加え、反応混合物を110℃で2時間加熱した。冷却後、反応物を氷中に注ぎ入れ、pH9までアンモニア水を加えた。形成された沈殿物を濾過し、乾燥させ、白色固形物(0.4g、69.4%)として表題化合物を得た。
【0236】
LC/MS: m/z 198 (M+H)+, Rt: 2.49分。
【0237】
中間体116:1,1,1-ジメチルエチル=[5-(1H-インドール-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]カルバマート
【化49】

【0238】
5-(1H-インドール-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン、5-(1H-インドール-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(中間体96)(500mg、2.2mmol)、無水boc(521mg、2.4mmol)およびトリエチルアミン(300μl、2.2mmol)をTHF中に含む溶液を50℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させた。ジクロロメタンで残渣を希釈し、水で洗浄し、有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発後に褐色結晶物(550mg、76%)として表題化合物を得た。
【0239】
LC/MS: m/z 331.2 (M+H)+, Rt: 2.92分。
【0240】
中間体117:1,1-ジメチルエチル={5-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}カルバマート
【化50】

【0241】
室温で1時間撹拌したTHF中の1,1-ジメチルエチル=[5-(1H-インドール-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]カルバマート(中間体116)(550mg、1.66mmol)およびNaH 60%(133mg、3.33mmol)の溶液に、ヨウ化メチル(125μl、2mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、この混合物を50℃で一晩加熱し、NaH 60%(133mg、3.33mmol)およびヨウ化メチル(52μl、0.83mmol)を加え、混合物を50℃でさらに一晩撹拌した。この混合物を加水分解し、減圧下で蒸発させた。DCM 100%〜DCM/MeOH:60/40の勾配で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、黄色結晶物(100mg、17%)として表題化合物を得た。
【0242】
LC/MS: m/z 345.2 (M+H)+, Rt: 3.18分。
【0243】
中間体118:5-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン
【化51】

【0244】
HCl(g)をEtOAc中で0℃にてバブリングし、1,1-ジメチルエチル={5-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}カルバマート(中間体117)(100mg、0.3mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣をアセトニトリルで再結晶させ、固形物(40mg、55%)として表題化合物を得た。
【0245】
LC/MS: m/z 245.08 (M+H)+, Rt: 2.37分。
【0246】
中間体119:5-[(2'-クロロ-2-ビフェニリル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン
【化52】

【0247】
5-[(2-ブロモフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(中間体106)(500mg、1.75mmol)、Pd(PPh3)4(50mg)、Na2CO3 2M(3.5ml、7mmol)および2-クロロフェニルボロン酸(354mg、2.3mmol)をDME中に含む溶液を還流で48時間撹拌した。この混合物を蒸発させた。ジクロロメタンで残渣を希釈し、水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた固形物をアセトニトリルで再結晶させ、固形物(125mg、24%)として表題化合物を得た。
【0248】
LC/MS: m/z 302.02 (M+H)+, Rt: 2.98分。
【0249】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム1)を用いて製造した。
【化53】

【0250】
中間体120:1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ]カルボニル}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化54】

【0251】
2-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキシル酸(14.3g、52mmol)、HATU(29.5g、77.6mmol)、DIPEA(14.6mL、62mmol)をDMF中に含む溶液を室温で1時間撹拌した。5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(中間体95)(15g、62mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。減圧下でDMFを蒸発させ、EtOAc中に残渣を溶解した。次いで、水で有機相を洗浄し、濾過して不溶物を除去した。EtOAcで水相を再抽出し、硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。次いで、DCMで残渣を希釈し、不溶物を濾過した。すべての有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、表題化合物(14g、62%)を得た。
【0252】
1H NMR (300 MHz, DMSO, ppm) δ: 7.96 (s, 1H), 7.93 (d, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.36 (m, 3H), 7.04 (m, 1H), 5.64 (s, 2H), 4.59 (s, 2H), 3.60 (t, 2H), 2.86 (t, 2H), 1.44 (s, 9H)。
【0253】
以下の中間体は、中間体120に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化55】

【表9】

【0254】

【0255】

【0256】

【0257】

【0258】

【0259】

【0260】

【0261】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム12)を用いて製造した。
【化56】

【0262】
以下の中間体は、中間体2に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化57】

【表10】

【0263】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム12)を用いて製造した。
【化58】

【0264】
以下の化合物は、中間体20に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化59】

【表11】

【0265】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム11)を用いて製造した。
【化60】

【0266】
以下の化合物は、中間体39に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化61】

【表12】

【0267】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム11)を用いて製造した。
【化62】

【0268】
以下の中間体は、中間体57に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化63】

【表13】

【0269】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム11)を用いて製造した。
【化64】

【0270】
以下の化合物は、中間体59に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化65】

【表14】

【0271】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム10)を用いて製造した。
【化66】

【0272】
中間体186:[(2,4,5-トリクロロフェニル)オキシ]アセトニトリル
【化67】

【0273】
アセトン(50mL)中の2,4,5-トリクロロフェノール(3g、15.2mmol)の溶液に炭酸カリウム(2.3g、16.7mmol)を加え、次いで2-クロロアセトニトリル(1.26g、16.7mmol)を滴下添加した。この溶液を一晩還流した。濾過後、濾液を蒸発乾固し、次いで、水(50mL)へ注ぎ入れ、DCM(200mL)で抽出した。有機層を水、次いでブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固し、暗黒色固形物(4.7g、定量)として表題化合物を得た。これはそれ以上精製することなく使用した。
【0274】
1H NMR (300 MHz, DMSO, ppm) δ: 7.82 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 5.44 (s, 2H)。
【0275】
以下の中間体は、中間体186に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化68】

【表15】

【0276】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム10)を用いて製造した。
【化69】

【0277】
中間体194:5-{[(2,4,5-トリクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン
【化70】

【0278】
[(2,4,5-トリクロロフェニル)オキシ]アセトニトリル(中間体186)(4.7g、最大15.2mmol)およびチオセミカルバジド(1.7g、18.6mmol)をトリフルオロ酢酸(20mL)中に含む混合物を3時間還流した。減圧下でトリフルオロ酢酸を除去した。残渣に20mlの冷却水を加え、この混合物を濃アンモニアでpH6〜7に調節した。得られた固形物を濾過し、粗生成物を得た。これをメチルアルコール(20mL)中で1.5時間撹拌した。次いで、固形物を濾過し、乾燥させ、白色固形物(4.45g、94%)として表題化合物を得た。
【0279】
LC/MS: m/z 311.9 (M+H)+, Rt: 2.53分。
【0280】
以下の中間体は、中間体194に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化71】

【表16】

【0281】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム8)を用いて製造した。
【化72】

【0282】
以下の中間体は、中間体77に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化73】

【表17】

【0283】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム8)を用いて製造した。
【化74】

【0284】
以下の中間体は、中間体95に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化75】

【表18】

【0285】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム1)を用いて製造した。
【化76】

【0286】
以下の中間体は、中間体120に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化77】

【表19】

【0287】

【0288】

【0289】

【0290】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム19)を用いて製造した。
【化78】

【0291】
中間体232:1,1-ジメチルエチル=6-[(クロロアセチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化79】

【0292】
窒素下で0℃まで冷却されたTHF(350mL)中の1,1-ジメチルエチル=6-アミノ-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(9.5g、38.3mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(8g、95.6mmol)を加え、2〜3分間撹拌した後、THF(10mL)中のクロロアセチルクロリド(6.1ml、76.5mmol)の溶液を滴下添加した。混合物を10分間0℃で撹拌し、次いで、室温以下で加熱し、2.5時間撹拌した。この混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液へ注ぎ入れ、酢酸エチル(500ml)を加えた。炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で有機層を3回洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固し、黄色油状物として表題化合物を得た。これはゆっくりと結晶化した(14.09g、量的収率)。
【0293】
1H NMR (400 MHz, DMSO, ppm) δ: 10.2 (bs, 1H), 7.44 (bs, 1H), 7.36 (bd, 1H), 7.12 (d, 1H), 4.45 (m, 2H), 4.23 (s, 2H), 3.54 (t, 2H), 2.75 (t, 2H), 1.43 (s, 9H)。
【0294】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム18)を用いて製造した。
【化80】

【0295】
中間体233:1,1-ジメチルエチル=6-{[4-モルホリニル(チオキソ)アセチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化81】

【0296】
DMF(30mL)中のモルホリン(4.6mL、52mmol)の溶液に、室温で硫黄S8(4.2g、130mmol)を加え、次いで、DMF(170mL)中の1,1-ジメチルエチル=6-[(クロロアセチル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体232)(12.43g、最高38.3mmol)の溶液を加えた。24時間撹拌した後、水を加えた。固形物は濾過するのが難しく、部分的に濾過した物質をアセトン中に注ぎ入れた。残りの固形物は、濾過により除去した。2つの濾液をDCMで希釈し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。シクロヘキサン100%〜シクロヘキサン/EtOAc:40/60の勾配で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、黄色油状物(3.05g、19.6%)として表題化合物を得た。
【0297】
1H NMR (400 MHz, DMSO, ppm) δ: 10.56 (bs, 1H), 7.48 (bs, 1H), 7.38 (bd, 1H), 7.14 (d, 1H), 4.45 (m, 2H), 4.12 (t, 2H), 3.76 (t, 2H), 3.68 (bs, 4H), 3.53 (t, 2H), 2.76 (t, 2H), 1.43 (s, 9H)。
【0298】
中間体234:1,1-ジメチルエチル=6-{[ヒドラジノ(チオキソ)アセチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化82】

【0299】
DMF(25mL)中の1,1-ジメチルエチル=6-{[4-モルホリニル(チオキソ)アセチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体233)(3.05g、7.5mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物(5mL、103mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、水を加え、濃塩酸溶液でpH4〜5に調節した。固形物を濾過し、最小量の水で2回洗浄した。残渣をエチルアルコールで還流した。室温へ戻した後、固形物を濾過し、エチルアルコールで洗浄し、乾燥後にベージュ色の固形物(1.64g、63%)として表題化合物を得た。
【0300】
1H NMR (400 MHz, DMSO, ppm) δ: 10.14 (bs, 1H), 7.56 (m, 2H), 7.16 (d, 1H), 4.47 (bs, 2H), 3.55 (t, 2H), 2.77 (t, 2H), 1.43 (s, 9H)。
【0301】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム17)を用いて製造した。
【化83】

【0302】
中間体235:1,1-ジメチルエチル=6-({[5-(クロロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]カルボニル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化84】

【0303】
DMF(40mL)中の1,1-ジメチルエチル=6-{[ヒドラジノ(チオキソ)アセチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体234)(1g、2.85mmol)の溶液に、最少量のDMF中のクロロアセチルクロリド(2.3ml、28.5mmol)溶液を窒素下で滴下添加した。室温で一晩撹拌した後、水を加えた。ペースト状固形物を液体層から単離し、DCM中に溶解し、蒸発乾固した。DCM100%〜DCM/MeOH:96/4の勾配で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、淡黄色油状物として表題化合物を得た。これはゆっくりと結晶化した(232mg g、20%)。
【0304】
1H NMR (400 MHz, DMSO, ppm) δ: 11.15 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.18 (d, 1H), 5.34 (s, 2H), 4.48 (bs, 2H), 3.56 (t, 2H), 2.78 (t, 2H), 1.44 (s, 9H)。
【0305】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム15)を用いて製造した。
【化85】

【0306】
中間体236:1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)カルボニル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化86】

【0307】
アセトン(10mL)中の2-クロロフェノール(60mg、0.47mmol)の溶液に炭酸カリウム(102mg、0.74mmol)を加え、次いで室温で1時間撹拌した後、1,1-ジメチルエチル=6-({[5-(クロロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]カルボニル}アミノ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体235)(232mg、0.57mmol)を加えた。混合物を5時間還流し、次いで、追加量の2-クロロフェノール(12mg、0.1mmol)を加え、混合物を45℃で一晩加熱した。室温に戻した後、濾過により固形物を除去し、濾液を蒸発乾固した。この粗製物質をDCM中に注ぎ入れ、水を加えた。水層をDCMで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し蒸発乾固した後、DCM100%〜DCM/MeOH:96/4で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製した。適切な画分を蒸発させた後、少量のジイソプロピルエーテルで物質を結晶化し、乾燥後にオフホワイト色の固形物(140mg、49%)として表題化合物を得た。
【0308】
1H NMR (400 MHz, DMSO, ppm) δ: 11.14 (s, 1H), 7.69 (bs, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.36 (d, 2H), 7.18 (d, 1H), 7.07 (m, 1H), 5.79 (s, 2H), 4.48 (bs, 2H), 3.56 (t, 2H), 2.78 (t, 2H), 1.44 (s, 9H)。
【0309】
中間体237:2-クロロ-N-メチルアニリン
【化87】

【0310】
THF(260mL)中の2-クロロアニリン(26g、0.204mol)の溶液に、-50℃でブチルリチウム(2.5M、80mL、0.2mol)を加えた。反応物を-50℃で0.5時間撹拌し、次いで、室温まで戻した。室温で0.5時間後に、混合物を-50℃に冷却し、次いで、ヨードメタン(12.4mL、0.2mol)を加えた。-50℃で0.5時間撹拌した後、混合物を室温以下で加温し、5時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl溶液に注ぎ入れ、次いで、ジエチルエーテルで水層を抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し蒸発乾固した後、EtOAc/石油エーテル:1/100で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、透明な油状物(12g、42%)として表題化合物を得た。
【0311】
1H NMR (300 MHz, DMSO, ppm) δ: 7.21 (d, 1H), 7.13 (t, 1H), 6.50 (m, 2H), 5.45 (bs, 1H), 2.72 (d, 3H)。
【0312】
中間体238:N-(2-クロロフェニル)-N-メチルグリシン
【化88】

【0313】
アセトニトリル(340mL)中の2-クロロ-N-メチルアニリン(中間体237)(8g、0.057mol)の溶液に、オキソ酢酸(42.2g、0.57mol)を加えた。室温で0.5時間撹拌した後、温度を40℃未満に維持しながら、NaBH3CN(17.7g、0.285mol)を分けて加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、酢酸(23mL)を滴下添加した。1時間撹拌した後、濾過により固形物を除去し、濾液を蒸発乾固した。残渣を水中に注ぎ入れ、NaOH水溶液でpH9に調節した。EtOAcで水層を抽出した後、希HClで水層をpH4まで酸性化した。白色固形物を濾過し、水で洗浄し、次いで、乾燥させ、白色固形物(7g、62%)として表題化合物を得た。
【0314】
LC/MS: m/z 200.1 (M+H)+, Rt: 1.67分。
【0315】
中間体239:2-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]アセチル}ヒドラジンカルボチオアミド
【化89】

【0316】
DMFを3滴含むジクロロメタン中のN-(2-クロロフェニル)-N-メチルグリシン(中間体238)(3g、0.015mol)の溶液に、塩化オキサリル(2.3g、0.018mol)をゆっくりと添加した。室温で2時間撹拌した後、真空下で溶媒を蒸発させた。DMF(10mL)に残渣を溶解し、次いで、DMF(30mL)中のチオセミカルバジド(1.45g、0.016mol)およびピリジン(1.26g、0.016mol)の溶液を加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を水(500mL)へ注ぎ入れ、数時間撹拌した。得られた固形物を濾過し、EtOAcで洗浄し、乾燥させ、白色固形物(3g、69%)として表題化合物を得た。
【0317】
LC/MS: m/z 273.0 (M+H)+, Rt: 2.07分。
【0318】
中間体240:5-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン
【化90】

【0319】
2-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]アセチル}ヒドラジンカルボチオアミド(中間体239)(3g、11mmol)をトルエン(20ml)中に含む溶液に、メタンスルホン酸(9mL、138mmol)を滴下添加し、その反応混合物を3時間還流した。溶媒を蒸発させた。水で残渣を希釈し、pH8までアンモニア溶液を加えた。固形物を濾過し、水およびEtOAcで洗浄し、乾燥させ、白色固形物(2g、71%)として表題化合物を得た。
【0320】
LC/MS: m/z 255.1 (M+H)+, Rt: 2.17分。
【0321】
中間体241:1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ]カルボニル}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化91】

【0322】
2-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキシル酸(555mg、2mmol)、HATU(989mg、2.6mmol)、トリエチルアミン(0.26mL、2.6mmol)をDMF(15mL)中に含む溶液と、5-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン(中間体240)(509mg、2mmol)を室温で一晩撹拌した。減圧下でDMFを蒸発させ、DCMに残渣を溶解させた。硫酸ナトリウムで有機相を乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。DCM100%〜DCM/MeOH:98/2の勾配で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製した。適切な画分を蒸発させた後、物質を加熱メチルアルコール中で摩砕し、濾過し乾燥した後、白色固形物(300mg、29%)として表題化合物を得た。
【0323】
C25H28ClN5O3Sに関するHRMS (M+H)+ 計算値:514.1680、実測値:514.1651, Rt: 3.47分。
【0324】
以下の中間体は、一般反応スキーム(スキーム6)を用いて製造した。
【化92】

【0325】
中間体242:1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)(メチル)アミノ]カルボニル}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化93】

【0326】
5-[(2'-クロロ-2-ビフェニリル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-アミン、1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ]カルボニル}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体120)(180mg、0.36mmol)をTHF(10mL)中に含む溶液に、鉱油(15mg、0.378mmol)に溶解した60%NaHを加え、次いで室温で1時間撹拌した後、ヨードメタン(53mg、0.378mmol)を加えた。この混合物を室温で2日間撹拌した。蒸発乾固した後、粗製物をDCM中に注ぎ入れ、水で洗浄した。濾過し蒸発乾固した後、残渣をジイソプロピルエーテルで摩砕し、乾燥後に淡黄色固形物(150mg、81%)として表題化合物を得た。
【0327】
LC/MS: m/z 515 (M+H)+, Rt: 4.18分。
【0328】
中間体243:1,1-ジメチルエチル=6-[({5-[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}カルボニル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート
【化94】

【0329】
(3,4-ジクロロフェニル)酢酸(320mg、1.56mmol)、HATU(890mg、2.34mmol)、DIPEA(270μL、2.34mmol)をDMF(15mL)中に含む溶液を室温で1時間撹拌した。1,1-ジメチルエチル=6-{[ヒドラジノ(チオキソ)アセチル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体234)(600mg、1.71mmol)を加え、混合物を10日間室温で撹拌した。減圧下でDMFを蒸発させ、残渣をジクロロメタン中で溶解した。次いで、有機相を水で洗浄した。水相をジクロロメタンで抽出した。次いで、合わせた有機相をブラインで処理し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。DCM 100%〜DCM/MeOH:96/4の勾配で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、黄色油状物(200mg、24%)として表題化合物を得た。
【0330】
LC/MS : m/z : 518.9 (M+H)+, Rt : 3.96分。
【0331】
以下の実施例は、一般反応スキーム(スキーム1)を用いて製造した。
【化95】

【0332】
(実施例1):N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド
【化96】

【0333】
HCl(g)をEtOAc中0℃で溶媒が飽和されるまでバブリングし、1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ]カルボニル}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体120)(14g、28mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄し、乾燥させ、アセトニトリルで摩砕した後に白色固形物として表題化合物を得た(11.8g、97%)。
【0334】
C19H17ClN4O2Sに関するHRMS (M+H)+ 計算値:401.0839、実測値:401.0850, Rt: 2.34分。MP: 300.4℃。
【0335】
以下の実施例は、実施例1に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化97】

【表20】

【0336】

【0337】

【0338】

【0339】

【0340】

【0341】

【0342】

【0343】

【0344】

【0345】

【0346】

【0347】

【0348】
以下の実施例は、一般反応スキーム(スキーム14)を用いて製造した。
【化98】

【0349】
(実施例65):5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-N-(1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキサミド塩酸塩
【化99】

【0350】
HCl(g)をEtOAc中0℃で溶媒が飽和されるまでバブリングし、1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)カルボニル]アミノ}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体236)(140mg、0.28mmol)を加えた。反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄し、乾燥させ、オフホワイト色の固形物(115mg、94%)として表題化合物を得た。
【0351】
C19H17ClN4O2Sに関するHRMS (M+H)+ 計算値:401.0839、実測値:401.0853, Rt: 2.48分、MP: 285℃。
【0352】
(実施例66):N-(5-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩
【化100】

【0353】
HCl(g)をEtOAc中0℃で溶媒が飽和されるまでバブリングし、1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ]カルボニル}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体241)(270mg、0.52mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄し、乾燥させ、オフホワイト色の固形物(214mg、91%)として表題化合物を得た。
【0354】
C20H20ClN5OSに関するHRMS (M+H)+ 計算値:414.1155、実測値:414.1133, Rt: 2.10分、MP: 169〜171℃。
【0355】
(実施例67):N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド塩酸塩
【化101】

【0356】
HCl(g)をEtOAc中0℃で溶媒が飽和されるまでバブリングし、1,1-ジメチルエチル=6-{[(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)(メチル)アミノ]カルボニル}-3,4-ジヒドロ-2(1H)-イソキノリンカルボキシラート(中間体242)(138mg、0.27mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、EtOAcおよび加熱メチルアルコールで洗浄し、乾燥させ、白色固形物(81mg、72%)として表題化合物を得た。
【0357】
C20H19ClN4O2Sに関するHRMS (M+H)+ 計算値:415.0995、実測値:415.0979、Rt:2.59分、MP>260℃。
【0358】
以下の実施例は、一般反応スキーム(スキーム5)を用いて製造した。
【化102】

【0359】
(実施例68):N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(ヒドロキシアセチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド
【化103】

【0360】
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド(実施例1)(218mg、0.5mmol)、ヒドロキシ酢酸(46mg、0.6mmol)、HATU(247mg、0.65mmol)、トリエチルアミン(132mg、1.3mmol)をDMF中に含む溶液を4日間室温で撹拌した。減圧下でDMFを蒸発させ、残渣をジクロロメタン中に溶解した。次いで、有機相を炭酸水素ナトリウムの溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し減圧下で蒸発させた後、DCM 100%〜DCM/MeOH:98/2の勾配で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、白色固形物(115mg、50%)として表題化合物を得た。
【0361】
C21H19ClN4O4Sに関するHRMS (M+H)+ 計算値:459.0894、実測値:459.0937、Rt:2.56分、MP:133〜135℃。
【0362】
以下の化合物は、実施例68に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化104】

【表21】

【0363】
以下の実施例は、一般反応スキーム(スキーム4)を用いて製造した。
【化105】

【0364】
(実施例71):N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(フェニルカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド
【化106】

【0365】
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド(実施例1)(210mg、0.48mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、ピリジン(0.232mL、2.88mmol)を加え、次いで塩化ベンゾイル(0.122mL、1.06mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。減圧下でTHFを蒸発させ、残渣をEtOAcに溶解した。有機相を水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し減圧下で蒸発させた後、DCM 100%〜DCM/MeOH:98/2の勾配で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、白色固形物(40mg、17%)として表題化合物を得た。
【0366】
C26H21ClN4O3Sに関するHRMS (M+H)+ 計算値:505.1101、実測値:505.1140、Rt:2.99分、MP:186〜188℃。
【0367】
以下の化合物は、実施例71に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化107】

【表22】

【0368】
以下の実施例は、一般反応スキーム(スキーム3)を用いて製造した。
【化108】

【0369】
(実施例73):N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド
【化109】

【0370】
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド(実施例1)(200mg、0.45mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、トリエチルアミン(138mg、1.37mmol)を加えた。5分間撹拌した後、プロパナール(132mg、2.28mmol)、NaHB(OAc)3(483mg、2.28mmol)および酢酸(82mg、1.37mmol)を加えた。反応混合物を2日間室温で撹拌した。次いで、混合物を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し減圧下で蒸発させた後、DCMで溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、白色固形物(115mg、58%)として表題化合物を得た。
【0371】
C22H23ClN4O2Sに関するHRMS (M+H)+ 計算値:443.1308、実測値:443.1279、Rt:2.97分、MP:186〜188℃。
【0372】
以下の実施例は、一般反応スキーム(スキーム7)を用いて製造した。
【化110】

【0373】
(実施例74):N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-[5-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド
【化111】

【0374】
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド(実施例1)(218mg、0.5mmol)、DBU(0.224mL、1.5mmol)および(2-ブロモ-1,3-チアゾール-5-イル)メタノール(97mg、0.5mmol)をTHF(10mL)中に含む混合物を80℃で一晩撹拌した。次いで追加量のDBU(0.075mL、0.5mmol)および(2-ブロモ-1,3-チアゾール-5-イル)メタノール(97mg、0.5mmol)を加え、混合物を60℃で一晩撹拌した。減圧下でTHFを蒸発させ、残渣をDCMに溶解した。有機相を水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過し減圧下で蒸発させた後、DCM/MeOH:99/1〜DCM/MeOH:95/5の勾配で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し、冷却DCM中で摩砕し乾燥させた後、白色固形物(15mg、6%)として表題化合物を得た。
【0375】
C23H20ClN5O3S2に関するHRMS (M+H)+ 計算値:514.0775、実測値:514.0770、Rt:2.70分、MP:237〜239℃。
【0376】
以下の実施例は、一般反応スキーム(スキーム14)を用いて製造した。
【化112】

【0377】
以下の化合物は、実施例65に関して記載した方法に類似の方法により同様に製造した。
【化113】

【表23】

【0378】
生物学的アッセイ
本発明の化合物は、[3H]H2O産生に基づいたアッセイを用いることで、SCD活性についてin vitroで分析することができる。[3H]H2Oは、酵素触媒によるモノ不飽和脂肪アシルCoA生成物の生成中に放出される。アッセイは、96ウェルの濾過プレートで行う。このアッセイで用いる滴定基質は[9,10-3H]ステアロイルコエンザイムAである。SCD含有のラットミクロソーム(2μgタンパク質)および基質(1μM)を6分間インキュベートした後、標識した脂肪酸アシル-CoA種およびミクロソームを活性炭に吸着させ、遠心分離により[3H]H2Oと分離した。SCD活性の測定として[3H]H2Oの形成を用いる。開始10μM〜0.1nMの濃度の化合物またはビヒクル(DMSO)を5分間ミクロソームと共にプレインキュベートした後に、基質を加える。IC50値を得るため、濃度−応答をS字状曲線と適合させる。
【0379】
SCD活性に関する上述のin vitroアッセイにより、試験した合成実施例の化合物1〜74のすべてが5.5を上回る平均pIC50値を示すことが分かった。
【0380】
以下の化合物を上記と同様のプロトコルに従って製造し、SCD活性に関する上記のin vitroアッセイにより試験したところ、平均pIC50値が5〜5.5の範囲を示すことが確認された。
【表24】

【0381】
さらに以下の化合物を製造し、SCD活性に関する上記のin vitroアッセイにより試験したところ、平均pIC50値が5未満を示すことが確認された。
【表25】

【0382】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
Xは、-CONH-、-NHCO-または-N(CH3)CO-を表し、
R1は、
(i) H、-C1-6アルキルまたは-C3-6シクロアルキルから選択される置換基、
(ii)
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CN、またはハロゲン、
(b) -C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CN、またはハロゲンから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリール、
(iii) -C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリルは、
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CN、またはハロゲン、
(b) -C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル(ここで、-C6-10アリール、-C5-10ヘテロアリールまたは-C5-10ヘテロシクリル環は、-C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CN、またはハロゲンから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい)
を表し、
Yは、-(CH2)m-、-O(CH2)m-または-NR7(CH2)m-を表し、
R2は、H、-C1-6アルキル、-C(=O)C1-6アルキル、-C(=O)C3-6シクロアルキル、-C(=O)C6-10アリール、-C(=O)C1-6アルキルOH、-COC1-3アルキルNR4R5または-C5ヘテロアリールR6を表し、
R3は、-C1-6ハロアルキルまたは-C3-6シクロアルキルを表し、
R4は、Hまたは-C1-3アルキルを表し、
R5は、Hまたは-C1-3アルキルを表し、
R6は、-C1-3アルキルOHを表し、
R7は、Hまたは-C1-3アルキルを表し、
mは、1〜4を表す)
で表される化合物あるいはその製薬上許容可能な塩。
【請求項2】
Xが-NHCO-を表す、請求項1に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項3】
R1が-C3-6シクロアルキルを表す、請求項1または2に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項4】
R1が、
(a) -C1-6アルキル、-C1-6ハロアルキル、-C3-6シクロアルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-CNまたはハロゲン、あるいは、
(b) -C1-6アルキル、-C1-6アルコキシ、-OR3、-C1-6ハロアルキル、-CNまたはハロゲンから独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリール
から独立して選択される1、2または3個の基で置換されていてもよい-C6-10アリールを表す、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項5】
Yが-CH2-、-OCH2-、-OCH2CH2-、-C2H4-または-N(CH3)CH2-を表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項6】
R2が水素を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項7】
以下のものから選択される請求項1に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩:
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(1-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3,4-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(4-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(フェニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(2-チエニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(2-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(シクロヘキシルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(2-フェニルエチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(1H-インドール-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,5-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(1-ナフタレニルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロ-5-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(1-ベンゾチエン-3-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(3-チエニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[2-(1-ナフタレニル)エチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[2-(2-クロロフェニル)エチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2-ブロモフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(4-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[3-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフタレニルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[4-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2-ビフェニリルオキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[({5-クロロ-2-[(2-メチルプロピル)オキシ]フェニル}オキシ)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(4-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(3-ピリジニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレニルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-(3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-6-イルメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{2-[(2-クロロフェニル)オキシ]エチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2'-クロロ-2-ビフェニリル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(3-クロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,6-ジクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-メチルフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3,4-ジメチルフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({2-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,4,5-トリクロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-{5-[(4-クロロ-2-フルオロフェニル)メチル]-1,3,4-チアジアゾール-2-イル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(3-クロロ-5-フルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-[5-({[5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}メチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2,4-ジフルオロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-N-(1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)(メチル)アミノ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(ヒドロキシアセチル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(N,N-ジメチルグリシル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-(フェニルカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
2-ブタノイル-N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、
N-(5-{[(2-クロロフェニル)オキシ]メチル}-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-2-[5-(ヒドロキシメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリンカルボキサミド、および、
5-[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]-N-(1,2,3,4-テトラヒドロ-6-イソキノリニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキサミド。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩を、少なくとも1種の医薬用担体および/または賦形剤とともに含む医薬組成物。
【請求項9】
治療で使用するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項10】
SCD阻害剤によって改善可能な疾患または症状を治療および/または予防する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の使用。
【請求項11】
脂質異常症、低αリポタンパク血症、高βリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症およびメタボリック症候群を含む、異常な血漿脂質プロファイルによって引き起こされるか、前記プロファイルに関連する疾患もしくは症状;末梢血管疾患、再潅流障害、血管形成性再狭窄、高血圧症、糖尿病性血管系合併症、血栓症、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および肝臓中の脂質蓄積に関連する他の疾患;湿疹、座瘡、乾癬、ケロイド瘢痕形成または予防、および粘膜からの産生または分泌に関連する疾患;癌、新生物、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性もしくは悪性)、発癌、肝臓癌など;軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管症(CAA)またはダウン症候群(DS)に関連する認知症、およびAβ42を含むアミロイド斑の形成または蓄積を特徴とする他の神経変性疾患を治療および/または予防する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の使用。
【請求項12】
座瘡、脂質異常症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、肥満、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、肝臓脂肪症および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療および/または予防する薬剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の使用。
【請求項13】
SCD阻害剤によって改善可能な疾患または症状の治療および/または予防で使用するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項14】
脂質異常症、低αリポタンパク血症、高βリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症およびメタボリック症候群を含む、異常な血漿脂質プロファイルによって引き起こされるか、前記プロファイルに関連する疾患もしくは症状;末梢血管疾患、再潅流障害、血管形成性再狭窄、高血圧症、糖尿病性血管系合併症、血栓症、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および肝臓中の脂質蓄積に関連する他の疾患;湿疹、座瘡、乾癬、ケロイド瘢痕形成または予防、および粘膜からの産生または分泌に関連する疾患;癌、新生物、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性もしくは悪性)、発癌、肝臓癌など;軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管症(CAA)またはダウン症候群(DS)に関連する認知症、およびAβ42を含むアミロイド斑の形成または蓄積を特徴とする他の神経変性疾患の治療および/または予防で使用するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項15】
座瘡、脂質異常症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、肥満、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、肝臓脂肪症および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療および/または予防で使用するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩。
【請求項16】
被験体に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の治療上有効な量を投与することを含む、SCDによって改善可能な疾患または症状の治療および/または予防方法。
【請求項17】
脂質異常症、低αリポタンパク血症、高βリポタンパク血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、狭心症、虚血、心虚血、卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症およびメタボリック症候群を含む、異常な血漿脂質プロファイルによって引き起こされるか、前記プロファイルに関連する疾患もしくは症状;末梢血管疾患、再潅流障害、血管形成性再狭窄、高血圧症、糖尿病性血管系合併症、血栓症、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および肝臓中の脂質蓄積に関連する他の疾患;湿疹、座瘡、乾癬、ケロイド瘢痕形成または予防、および粘膜からの産生または分泌に関連する疾患;癌、新生物、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性もしくは悪性)、発癌、肝臓癌など;軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管症(CAA)またはダウン症候群(DS)に関連する認知症、およびAβ42を含むアミロイド斑の形成または蓄積を特徴とする他の神経変性疾患の治療および/または予防方法であって、被験体に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の治療上有効な量を投与することを含む、前記方法。
【請求項18】
座瘡、脂質異常症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化、肥満、II型糖尿病、インシュリン抵抗性、高インシュリン血症、肝臓脂肪症および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療および/または予防方法であって、被験体に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩の治療上有効な量を投与することを含む、前記方法。
【請求項19】
式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩と、コレステロールエステルトランスフェラーゼ阻害剤(CETP阻害剤)、HMG-CoA還元酵素阻害剤、ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体活性化因子(PPAR)、胆汁酸再取込み阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、イオン交換樹脂、抗酸化物質、AcylCoA阻害剤:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT阻害剤)、カンナビノイド1アンタゴニスト、胆汁酸抑制剤、コルチコステロイド、ビタミンD3誘導体、レチノイド、免疫調節剤、抗アンドロゲン、角質溶解剤、抗菌剤、白金化学療法剤、代謝拮抗物質、ヒドロキシ尿素、タキサン、有系分裂撹乱物質(mitotic disrupter)、アントラサイクリン、ダクチノマイシン、アルキル化剤、およびコリンエステラーゼ阻害剤から選択される1種または複数の活性剤との組合せ。

【公表番号】特表2010−520162(P2010−520162A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551183(P2009−551183)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/052276
【国際公開番号】WO2008/104524
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】