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ステロイドホルモンの定量方法
説明

ステロイドホルモンの定量方法

【課題】皮膚性状に重要な働きを有するエストロゲンをはじめとするステロイドホルモンの皮膚中の濃度を、簡便に測定できるようにする。
【解決手段】テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からステロイドホルモンをLC−MSで分析することにより皮膚角質層中のエストロゲンをはじめとするステロイドホルモンを定量する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚角質層中に存在するステロイドホルモンの定量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エストロゲンは、ステロイドホルモンに属する性ホルモンの一種であり、卵胞ホルモン又は女性ホルモンとも呼ばれている。エストロゲンは、卵巣で産生され、全身に搬送されて細胞質内のレセプターと結合し、その結合体が核内に移動し、極微量で強力な多岐にわたる生理作用を示す。例えば、皮膚に関しては、(a)血流を促進させる、(b)ヒアルロン酸等のムコ多糖類を増加させ、肌の保湿力を向上させる、(c)エラスチンやコラーゲンを増加させることにより、皮膚に弾力性を付与する、等の重要な作用を有する。
【0003】
そこで、生体内のエストロゲンの濃度を把握する試みがなされており、例えば、血清、唾液、尿、培養細胞、臓器から得られる生体由来試料からエストロゲンを溶媒抽出し、それにペンタハロゲン化ベンジル化合物若しくはペンタハロゲン化ベンゾイル化合物を反応させた後、さらに1-低級アルキル-2-ハロゲン化ピリジンを反応させ、得られた反応混合物をLC−MSで測定する方法がある(特許文献1)。
【0004】
一方、角質層は、皮膚の最も外側にあって表皮を覆っており、細菌やウィルスの侵入に対するバリア機能、皮膚の水分や保湿成分が喪失するのを防ぐ水分維持機能、外界からの刺激を和らげる保護機能などを有している。しかしながら、角質層は皮膚細胞が角化する途中で細胞核を失った、所謂死んだ細胞であるため、角質層中のエストロゲン濃度は測定されることがなく、皮膚中のエストロゲン濃度は、皮膚組織の採取あるいは採血により測定されている。
【0005】
また、ステロイドホルモンの性ホルモンに属するプロゲステロンやテストステロンに関
しても同様に、これらの生体内における濃度測定は、通常血清、唾液、尿等の採取からな
されており、これまでに角質層中から測定された例はない。
【0006】
【特許文献1】特開2006-138786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに対し、本発明は、皮膚性状に重要な働きを有するエストロゲンをはじめとするステロイドホルモンの皮膚中の濃度を、簡便に測定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、細胞核内に入って種々の生理作用を示すエストロゲン等のステロイドホルモンが、意外にも、細胞核をもたない、所謂死んだ細胞である角質層に存在すること、さらに、テープストリッピング法により角質層を採取し、そこに含まれるステロイドホルモン量を分析することにより、極めて簡便に、角質層中のステロイドホルモン量を計測できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からステロイドホルモンをLC−MSで定量分析する皮膚角質層中のステロイドホルモンの定量方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、皮膚角質層のテープストリッピングにより皮膚角質層を採取し、皮膚角質層に含まれるエストロゲン等のステロイドホルモン濃度を定量するので、被験者の負担が少ない。
【0011】
さらに、皮膚角質層は、皮膚の最外層にあって皮膚内部の性状を顕著に反映することから、皮膚角質層中のステロイドホルモン濃度を知ることは、皮膚内部を含めた皮膚全体の性状の解析に有用となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からエストロゲン等のステロイドホルモンをLC−MSで定量分析する方法である。
【0013】
ここで、ステロイドホルモンはステロイド骨格を有するホルモンをいい、特に、その女性ホルモンであるエストロゲン及びプロゲステロン、男性ホルモンであるテストステロンの定量に好適である。なお、エストロゲンは、エストラジオール及びエストラジオール誘導体をさす。
【0014】
また、テープストリッピングとは、表面に粘着剤層を有するテープを被験部位に貼付し、それを剥がして被験部位の表層をテープの粘着面に付着させ、回収する方法である。
【0015】
本発明において、テープストリッピング法を行うテープとしては、皮膚に密着後、剥離できるものであればよく、このようなテープとしては、市販の粘着性テープを使用することができる。より具体的には、その粘着剤層は、ゴム系、アクリル系、シリコン系等の粘着剤とすることができ、また、粘着剤層を支持するテープ本体は、天然繊維若しくは合成繊維からなる紙若しくは布、又は、ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン等からなるプラスチックシート等とすることができる。中でも、溶剤耐性及びバックグラウンド(テープより検出されるステロイドホルモンの量)の点からポリフェニレンサルファイド(PPS)が好ましい。
【0016】
一方、テープストリッピング法により採取する皮膚角質層の身体上の部位は、特に制限はなく、美容上肌性状が重要となる顔面、首、腕等とすることができる。
【0017】
テープストリッピング法に供した、皮膚角質層が付着しているテープは、裁断あるいはそのままの状態で、エチルアルコール、ヘキサン、アセトン、酢酸エチル等の溶媒に浸漬し、ステロイドホルモンを抽出し、抽出液を精製する。抽出液の精製方法としては、カラム分離を行い、不純物をステロイドホルモンと分離除去することが好ましい。
【0018】
精製した抽出液中のステロイドホルモンには、後にLC−MSで定量する際の検出感度を向上させるため、適宜、置換基を導入し、ステロイドホルモンの誘導体とすることが好ましい。
【0019】
例えば、エストラジオールの検出感度を向上させるため、特開2006-138786号公報(特許文献1)に記載されているように、ペンタハロゲン化ベンジル化合物若しくはペンタハロゲン化ベンゾイル化合物をエストロゲンに反応させてエストロゲンにペンタハロゲン化ベンジル基又はペンタハロゲン化ベンゾイル基を導入すると共に、1-低級アルキル-2-ハロゲン化ピリジンを反応させてエストロゲンに1-低級アルキルピリジニウムを導入する。
【0020】
この場合、エストラジオールのフェノール性水酸基に選択的にペンタハロゲン化ベンジル化合物若しくはペンタハロゲン化ベンゾイル化合物を反応させて、LC−MSでの検出感度をより高めるため、エストラジオールには、ペンタハロゲン化ベンジル化合物若しくはペンタハロゲン化ベンゾイル化合物を反応させた後、1-低級アルキル-2-ハロゲン化ピリジンを反応させることが好ましい。
【0021】
また、プロゲステロンの検出感度を向上させるため、プロゲステロン3及び20位のカルボニルにケトン誘導化試薬のO-エチルヒドロキシルアンモニウムクロライド、ジラール試薬Tまたはジラール試薬Pと反応させて、イミノ誘導体とする。
【0022】
また、テストステロンの検出感度を向上させるため、アシル化試薬でアシル誘導体とするが、ピコリノイール誘導体化を行うことが好ましい。または2-フルオロ-1-メチルピリジンでピリジニウム誘導体とする。
【0023】
このようにステロイドホルモンを適宜その誘導体とした後は、LC−MSによりステロイドホルモン誘導体を検出し、ステロイドホルモンを定量する。
【0024】
ここで、LC−MSとしては、LC−MS/MS、LC−ESI−MS/MS、LC−APCI−MS/MS等を使用することができ、これらの測定自体は、一般的な方法によることができる。
【0025】
また、こうして得られた皮膚角質層のステロイドホルモン量から、皮膚内部のステロイドホルモン量を推定することができる。したがって、本発明により測定されるステロイドホルモン量は、皮膚性状とステロイドホルモン量との関係の研究、化粧料ないし美容方法がステロイドホルモン量に及ぼす影響の研究等に有用となる。
【実施例】
【0026】
以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
実施例1
(1)皮膚角質層の採取
テープストリッピング用テープとして、PPSテープ(ニチバン社)6cm×2.5cmのテープ5枚を4名の被験者(20代女性)A,B,C,Dの頬部に貼付後剥離し、各被験者の皮膚角質層を採取した。
【0027】
(2)試料の精製
皮膚角質層を採取した各テープの中心1cm幅をタンパク定量用にはさみで裁断除去したものを、次のようにエタノール溶液に浸し、精製してエストラジオール定量用の試料とした。
【0028】
即ち、中心1cm幅を裁断除去した各テープに、エタノール25ml、及び精製操作での回収率を判断するためのサロゲート物質としてエストラジオール−13C4(100pg)を添加し、50℃で3時間振とうした。抽出器でさらに10分激しく振とう後、エタノールを採取した。さらに、テープの容器に精製水10mlおよびエタノール10mlを加え、抽出器でさらに10分激しく振とうし、エタノール水溶液を採取し、先に採取したエタノールと合わせた。エタノールを40℃の遠心エバポレーターで濃縮し、濃縮溶液をエタノールで4mlとした。エタノール溶液に精製水0.5mlを添加、攪拌後、5〜15℃で5時間以上(-20〜-10℃では2時間程度)放置後、遠心分離した。上清にヘキサン3mlを添加、攪拌、遠心分離後、上清を捨てた。エタノール層を遠心エバポレーターで留去した。メタノール250μlに溶解し、精製水1.25mlで希釈し、これを試料とした。
【0029】
(3)エストラジオールの定量
(3-1)エストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテルの調製
(2)で精製した試料を破砕状酸性シリカ(島津GLC社、Bond ElutC18)に付加し、精製水2ml、30%アセトニトリル水溶液1.5mlで順次洗浄後、40%アセトニトリル水溶液2.5mlでエストラジオール−テストステロン分画を溶出し、70%アセトニトリル水溶液でプロゲステロンを溶出し、各溶出液を留去した。
【0030】
得られたエストラジオール−テストステロン分画に対し、HPLCでエストラジオールとテストステロンを分離し、エストラジオール抽出物を得た。
【0031】
次に、このエストラジオール抽出物をアセトニトリル50μlに溶解し、0.8%水酸化カリウム/エタノール溶液50μl、5%ペンタフルオロベンジルブロミド/アセトニトリル溶液50μlをそれぞれ添加後、54〜57℃の反応恒温器に60分間放置し、エストラジオールとペンタフルオロベンジルブロミドとを反応させた。
【0032】
この反応液の溶媒を窒素ガスで留去後、精製水0.75ml及びエーテル溶液4mlを加え、10分間振とうし、エストラジオールとペンタフルオロベンジルブロミドとの反応生成物をエーテルに抽出した。そして凍結法でエーテル溶液を分取し、窒素ガスでエーテルを留去することにより、エストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテルの精製物を得た。
【0033】
(3-2)エストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテル17-O-メチルピリジニウムの調製
(3-1)で調製したエストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテルを1時間減圧乾燥後、2% 2-フルオロ-1-メチルピリジニウムp-トルエンスルホナート/ジクロロメタン溶液200μl、10%トリエチルアミン/ジクロロメタン溶液30μlを加えて1.5時間室温で放置した。この反応液から溶媒を窒素ガスで留去後、メタノール250μlに溶解し、精製水1mlで希釈し、エストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテル17-O-メチルピリジニウム溶液を得た。
【0034】
(3-3)エストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテル17-O-メチルピリジニウムの定量
(3-2)で調製したエストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテル17-O-メチルピリジニウム溶液を破砕状酸性シリカ(島津GLC社、Bond ElutC18)に付加し、精製水1ml、0.3%アンモニア水溶液5ml、メタノール3ml、0.01%ギ酸水溶液/メタノール(1:1)3mlで順次洗浄後、アセトニトリル/10%ギ酸水溶液 (4:1)混液4mlでエストラジオール画分を溶出し、溶出液を遠心エバポレ−ターで留去した。さらに、反応試料をアセトニトリル/0.05%ギ酸水溶液(3 : 1)混液0.1mlに溶解し、LC−MS/MS測定試料とした。
【0035】
LC−MS/MS測定を次の条件で行った。
1)LC部
カラム:Xterra 3μm 2.1×100mm
カラム温度:40℃
移動相、流量:アセトニトリル/0.05%ギ酸水溶液(3:1)混液、0.2ml/min
注入量:20ml
2)MS部
MS:API-5000(アプライド バイオシステムズ)
イオン化法:正イオン ESI
キャピラリー電圧:3.5kv
コーン電圧:35、40v
コリジョンエネルギー:18ev
イオン源温度:120℃
測定イオン:544.4→339、110.1(Estradiol)、547.4→339(I.S.)
【0036】
このMS測定で検出されたm/z=544.4のピークについてさらにMS測定を行うとm/z=339、110.1のピークを得、これをSRM(selected reaction monitoring)クロマトグラム測定することにより、エストラジオールを検出した。
【0037】
なお、このエストラジオールの定量には、内部標準物質に、重水素で標識したエストラジオールを用いた検量線を使用した。
【0038】
(4)プロゲステロンの定量
(3-1)の70%アセトニトリルの溶出液を使用し、(3-3)と同様にLC−MS/MSを用い、プロゲステロンの定量を行った。
【0039】
(5)テストステロンの定量
(3-1)でエストラジオール−テストステロン分画から分離したテストステロン溶液を使用し、(3-3)と同様にLC−MS/MSを用い、テストステロンの定量を行った。
【0040】
(6)角質層中のエストラジオール、プロゲステロン、テストステロン量の補正
(6-1)タンパク定量用サンプル調製法
(2)で皮膚角質層を採取したテープから裁断除去した中心部の1cmをバッファー(0.1N NaOH, 1% SDS)に浸け、70℃に設定したオーブン中で2時間抽出し、タンパク定量用サンプルとした。
【0041】
(6-2)タンパク定量
タンパク定量はBCA protein assay kit(テクノケミカル社製PIERCE)を用いて次のように行った。
(i)Reagent AとReagent Bを50:1の割合で混合した。
(ii)96wellプレートに200μlずつ(i)を分注した。
(iii)分注した溶液にタンパク標準液(2mg, 1.5mg, 1mg, 0.75mg, 0.5mg, 0.25mg, 0.125mg, 0.025mg, 0mg/ml BSA溶液)またはサンプルをそれぞれ20μl添加し、37℃にて30分間インキュベートした。
(iv)プレートリーダー(BIO-RAD Model 550)にて575nmの吸光度を測定し、タンパク濃度を定量した。
【0042】
(6-3)角質層中エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン量の補正
(3)〜(5)で得られたエストラジオール、プロゲステロン、テストステロン量を、採取サンプル中のタンパク量で補正し、角質層中のタンパク1mg当たりのステロイドホルモン量を算出した。
【0043】
結果を表1に示す。
【0044】
参考例1(唾液中のステロイドホルモンの測定)
唾液(1〜2ml)に内部標準品のエストラジオール−13C4(100pg)を添加後、エーテル5mLで抽出した。ついでペンタフルオロベンジルブロミドおよび0.8%KOHエタノール溶液(50μl)を加え50〜55℃で1時間加温した。反応液を精製水1mlで希釈し、エーテル5mlで抽出した。調製したエストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテルを1時間減圧乾燥後、2% 2-フルオロ-1-メチルピリジニウムp-トルエンスルホナート/ジクロロメタン溶液200μl、10%トリエチルアミン/ジクロロメタン溶液30μlを加えて1.5時間室温で放置した。この反応液から溶媒を窒素ガスで留去後、メタノール250μlに溶解し、精製水1mlで希釈し、エストラジオール-3-ペンタフルオロベンジルエーテル17-O-メチルピリジニウム溶液を得た。以下、角質中エストラジオール定量と同様に精製した後、LC−MS/MSで測定した。
【0045】
【表1】

【0046】
表1から、ステロイドホルモン濃度は、角質層中と唾液中では異なり、ステロイドホルモンが皮膚性状に及ぼす影響を解析するには、角質層中の濃度を測定することが有益であることがわかる。
【0047】
実施例2
(1)皮膚角質層の採取とプロゲステロン定量用試料の調製
4名の男性被験者E、F、G、Hの頬部の皮膚角質層を、実施例1と同様にPPSテープに採取し、実施例1に準じてプロゲステロン定量用試料を調製した。
即ち、切断したテープをエタノール(27mL)へ加えると同時に、サロゲート物質として13C3−プロゲステロン(100pg)を添加後、50℃で2時間振とうし、エタノール相を抽出し、エタノールを留去した。得られた抽出物をメタノール250μLに溶解後、精製水1mLで希釈し、予め洗浄したBond Elut C18カートリッジカラムへ負荷した。精製水(1mL)、30%アセトニトリル水溶液(4mL)で順次洗浄後、40%アセトニトリル水溶液(3mL)でエストラジオールを溶出し、次いで70%アセトニトリル水溶液(2mL)でプロゲステロンを溶出し、プロゲステロン溶出液の溶媒を留去した。
【0048】
得られたプロゲスロンに2%エチルヒドロキシルアンモニウムクロライド(エトキシアミン塩酸塩)−80%アセトトニトリル溶液(100μL)を添加し、室温で18時間放置により反応させてプロゲステロンをイミノ化したエトキシアミン誘導体とした。反応溶液に精製水(1mL)を加え、ヘキサン(3mL)で抽出後、溶媒を留去した。
【0049】
次に、プロゲステロンのエトキシアミン誘導体を70%アセトニトリル水溶液(100μL)に溶解し、LC-MS/MSの試料とした。
【0050】
(2)プロゲステロンの定量
上述の(1)で調製したLC-MS/MSの試料について、LC−MS/MS測定を次の条件で行った。
1)LC条件
カラム:YMC-Pack Pro C18 RS(5μm、150x2mm、YMC、Kyoto)
カラム温度:40℃
移動相(溶媒):10mMギ酸アンモニュウム:メタノール(1:20)の混合溶液
流量:0.2mL/min
2)MS/MS条件
装置:Applied Biosystems API 4000
イオンモード:ESI-MS ホジテブ-イオン
測定イオン:プロゲステロン(m/z)、497.5/348
13C3−プロゲステロン(m/z)、500.4/351.2
【0051】
ここで、プロゲステロンの定量には、重水素で標識したプロゲステロン(溶媒:精製水)を内部標準物質とし、その検量線を使用した。
【0052】
結果を表2に示す。なお、表中の数値は、PPSテープ5枚で採取されたプロゲステロン量を示している。
【0053】
【表2】

【0054】
なお、ブランク試験は2回の平均で0.58pgであり、皮膚に貼付させなかったPPSテープ5枚分を試料とした試験(ゼロ試験)は、5回の平均で1.76pgであった。
表2の結果から、皮膚角質層中のプロゲステロンを定量できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明のステロイドホルモンの定量方法は、皮膚性状と皮膚に含まれるエストロゲンその他のホルモン量との関係の研究、それに基づく化粧料ないし美容方法の研究開発等に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からステロイドホルモンをLC−MSで定量分析する皮膚角質層中ステロイドホルモンの定量方法。
【請求項2】
ステロイドホルモンがエストロゲン、プロゲステロン及びテストステロンから選ばれるいずれか1種以上である請求項1記載の定量方法。
【請求項3】
テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からエストロゲンを溶媒抽出し、抽出したエストロゲンに、ペンタハロゲン化ベンジル基又はペンタハロゲン化ベンゾイル基、及び1-低級アルキルピリジニウム基を導入後、LC−MS/MSでエストロゲンを定量分析する請求項1記載の定量方法。
【請求項4】
テープストリッピング法により採取された皮膚角質層からプロゲステロンを溶媒抽出し、抽出したプロゲステロンにイミノ基を導入後、LC−MS/MSでプロゲステロンを定量分析する請求項1記載の定量方法。

【公開番号】特開2009−85946(P2009−85946A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229922(P2008−229922)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】