ステロイド溶媒和物
dpi製剤は、非環式、直鎖または分岐の炭素数5〜7の炭化水素を有するベクロメタゾンの溶媒和物を含む。溶媒和物粒子は0.5〜10ミクロンの大きさであり、超音波の存在下でのステロイドの結晶化によって得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステロイド溶媒和物の製剤に関し、特に、ベクロメタゾンの溶媒和物に関する。本発明の好ましい製剤は、ドライパウダー吸入器での使用である。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルを介した肺へのステロイド送達が周知であり、喘息、気道疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む多くの疾患の治療に用いられている。製剤は、通常、ドライパウダー吸入器(dpi)、定量吸入器(mdi)、および、それほどではないが、ネブライザーを介して投与される。
【0003】
2〜5ミクロンの大きさの範囲内のジプロピオン酸ベクロメタゾン粒子の懸濁液を含む、ベクロメタゾンのネブライザー製剤が知られている。この製剤は、一見したところ適切な粒径および粒度分布で、ベクロメタゾンの投与に首尾よく用いられている。しかし、本発明の発明者らは、製剤に関する問題を特定した。すなわち、製剤をうまく貯蔵することができないという問題であり、いくらかの貯蔵期間によってコンテナー内(たとえばアンプルの底部、または逆さであればアンプルの頭部など)に定着し、たとえかなりの攪拌の後であっても、再懸濁させるのが難しい生成物が生じる傾向がある。この再懸濁は、発明者らにとって、ネブライザー製剤に用いられる他のステロイドの再懸濁よりも、著しく困難である。
【0004】
さらに、dpi製剤に関する一般的な問題は、患者への送達点でのベクロメタゾンの有効投与量が、製剤に含まれる有効投与量よりもかなり低いことであり、送達中に生成物の若干の損失が生じることが認識されているが、ここでも、発明者らにとって、この損失量は、他のステロイドよりも高い。この損失は、製剤に含まれる活性物の量で相殺され、これは、容認できると見なされている解決策である。それでもやはり、この損失を減らすことが所望される。いくらかの損失は、ある程度制御不能であるので、投与の信頼性に影響を及ぼすからである。
【0005】
国際公開第02/089942号には、超音波の存在下で結晶化が起こる、小結晶の調製方法が記載されている。国際公開第2004/073827号は、mdiおよびdpiでの使用のためのエアロゾル製剤の調製を記載しており、そこでも活性成分の結晶化中に超音波を用いている。国際公開第2010/007447号は、固体物質の結晶性を高めるプロセスを記載し、このプロセスをdpi製剤用の粒子を調製するために用いることを記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、代替の、好ましくは改良された、ステロイド製剤およびその製造方法、特に、使用時に生成物の損失がより少ない、ステロイド製剤、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、(i)ベクロメタゾンと(ii)炭素数5〜7の炭化水素との溶媒和物を提供する。炭素数5〜7の炭化水素は、典型的には非環式、直鎖または分岐であり、本発明の好ましい実施形態では、炭素数5〜7の炭化水素はヘプタンである。1つの特定の実施形態では、ヘプタンはn−ヘプタンである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の溶媒和物は、送達中および安定に保管されている間の活性物の損失を減らし、医薬品製剤の調製に有利に用いられ得る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の溶媒和物の形成に適したステロイドはベクロメタゾンである。本発明の好ましい実施形態では、溶媒和物はベクロメタゾン−ヘプタンである。
【0010】
典型的には本発明の溶媒和物は、結晶性の形態であり、超音波の存在下での結晶化によって得られる。
【0011】
本発明を用いると、おおよそ丸い、球状粒子の溶媒和物粒子が得られる。本発明の溶媒和物粒子は、規則的形状および平滑な表面形態によって特徴付けられる。
【0012】
本発明の好ましい溶媒和物は、0.5〜10ミクロン、より好ましくは0.5〜5ミクロンの大きさの溶媒和物粒子を含む。さらに、かなりの割合が患者の肺に達するように、かなりの割合の生成物が、これらの規定した大きさの範囲内にあることが好ましい。好ましくは少なくとも75%(数基準)、より好ましくは少なくとも90%(数基準)の溶媒和物粒子が、規定した大きさの範囲内にある。溶媒和物の粒度分布が、X10が0.1ミクロン以上、X50が5ミクロン以下およびX90が10ミクロン以下の範囲内であることがさらに好ましく、より好ましくは、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が7ミクロン以下の範囲内であり、本発明の1つの特定の実施形態では、粒度分布が、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内である。
【0013】
本明細書で使用される粒径または粒子の直径は、たとえばISO規格13320−1に記載されるような、レーザー回折に基づく方法によって、適切に決定され得る。Malvern社のMastersizer 2000TMなどのレーザー回折粒径測定装置が使用され得る。
【0014】
本発明はまた、(i)ベクロメタゾンおよび(ii)炭素数5〜7の炭化水素の溶媒和物を含む、dpi製剤を提供する。炭素数5〜7の炭化水素は、典型的には非環式、直鎖または分岐であり、本発明の好ましい実施形態では、炭素数5〜7の炭化水素はヘプタンである。1つの特定の実施形態では、ヘプタンはn−ヘプタンである。
【0015】
本発明の代替の実施形態では、dpi製剤は、(i)ベクロメタゾンおよび(ii)水の溶媒和物を含む。本発明の好ましい実施形態では、溶媒和物はベクロメタゾン一水和物である。
【0016】
製剤に用いる溶媒和物の形成に適したステロイドはベクロメタゾンである。本製剤の好ましい実施形態では、溶媒和物はベクロメタゾン−ヘプタンである。本発明の代替の実施形態では、溶媒和物はベクロメタゾン一水和物である。
【0017】
本発明の製剤は、0.1%〜10%(質量基準)のベクロメタゾン溶媒和物、好ましくは0.2%〜8%(質量基準)を含み得、より好ましくは本発明の製剤は、0.3%〜6%(質量基準)のベクロメタゾン溶媒和物を含む。
【0018】
本発明の適切なdpi製剤は、ベクロメタゾン約25mcgおよびキャリアー約1.25mgの個別化投与量を含み得、本発明の他の好ましい実施形態では、製剤は、ベクロメタゾン約50mcgおよびキャリアー約2.5mgの個別化投与量を含み、本発明のよりさらなる実施形態では、製剤は、ベクロメタゾン約125mcgおよびキャリアー約6.35mgの個別化投与量を含む。あるいは、本発明のdpi製剤は、ベクロメタゾン約37.5mcgおよびキャリアー約1.25mgの個別化投与量を含み得、本発明の他の実施形態では、製剤は、ベクロメタゾン約75mcgおよびキャリアー約2.5mgの個別化投与量を含み、本発明のよりさらなる実施形態では、製剤は、ベクロメタゾン約187.5mcgおよびキャリアー約6.35mgの個別化投与量を含む。
【0019】
典型的には、製剤に用いる溶媒和物は、結晶性の形態であり、超音波の存在下での結晶化によって得られる。
【0020】
本発明の製剤に用いる好ましい溶媒和物は、大きさが0.5〜10ミクロン、より好ましくは0.5〜5ミクロンのベクロメタゾン溶媒和物粒子を含む。さらに、かなりの割合が患者の肺に達するように、かなりの割合の生成物が、これらの規定した大きさの範囲内にあることが好ましい。好ましくは少なくとも75%(数基準)、より好ましくは少なくとも90%(数基準)の溶媒和物粒子が、規定した大きさの範囲内にある。溶媒和物の粒度分布が、X10が0.1ミクロン以上、X50が5ミクロン以下およびX90が10ミクロン以下の範囲内であり、より好ましくは、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が7ミクロン以下の範囲内であり、本発明の1つの特定の実施形態では、粒度分布が、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内である。
【0021】
本発明の製剤の使用では、典型的には、活性物の投与量の少なくとも80%(質量基準)が患者に送達され、好ましくは少なくとも85%(質量基準)、およびより好ましくは、活性物の投与量の少なくとも90%(質量基準)が患者に送達される。本発明の1つの特定の実施形態では、活性物の投与量の少なくとも95%(質量基準)が患者に送達され、本発明のさらなる実施形態では、活性物の投与量の少なくとも97%(質量基準)が患者に送達され得る。本発明のよりさらなる実施形態では、活性物の投与量の98%(質量基準)までが患者に送達され得る。本発明の代替の実施形態では、活性物の投与量の99%(質量基準)までまたは100%(質量基準)までが患者に送達され得る。
【0022】
本発明のdpi製剤は、β−アゴニストをさらに含み得る。製剤の使用に適したβ−アゴニストとしては、サルブタモール、レバルブテロールおよびフォルモテロールが挙げられる。
【0023】
本発明の1つの特定の実施形態では、製剤はキャリアーをさらに含む。本発明の製剤の使用に好ましいキャリアーとしては、ラクトース、マンニトール、グルコースおよびポリエチレングリコールが挙げられる。本発明の製剤は、80%〜99.9%(質量基準)のキャリアー、好ましくは90%〜99.9%(質量基準)を含み得る。より好ましくは本発明の製剤は、94%〜99.7%(質量基準)のキャリアーを含む。
【0024】
本発明はまた、ベクロメタゾン溶媒和物を調製する方法を提供し、この方法は、(i)溶媒中に溶解されたベクロメタゾンを含む液滴の(ii)炭素数5〜7の炭化水素のベクロメタゾンの非溶媒中の懸濁液を形成させる工程、および超音波をこれらの液滴に当てて、溶媒和物を形成させる工程を含む。
【0025】
本発明の代替の実施形態では、上記方法は、溶媒中のベクロメタゾンの溶液を乾燥して、固形、好ましくは実質的に非晶質の粒子を得、次いで、これを炭素数5〜7の炭化水素のベクロメタゾンの非溶媒と接触させ、超音波に供し、結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程を含む。その溶液は液滴の形態であり得る。乾燥は、急速沈殿、フリーズドライ、凍結乾燥、超臨界溶媒急速膨張、噴霧乾燥、またはそれらの混合によって実行され得る。
【0026】
ベクロメタゾンは、溶媒中のステロイドの溶液を形成し、この溶液の液滴のステロイドの非溶媒中の懸濁液を形成し、そして超音波をこの液滴に当てることによって、適切に結晶化される。懸濁した液滴中のステロイドは、主にまたは完全にベクロメタゾンであり得るが、結晶化して略球状型の粒子を形成する。より具体的には、ベクロメタゾンは、ステロイドを溶媒に溶解させ、溶液の液滴を形成し(例えばこの溶液からエアロゾルを生成することによって)、この液滴のステロイドの非溶媒中の分散系を形成し、そしてこの液滴を超音波に曝露して、ステロイドの結晶化を開始するまたは結晶化を生じさせることによって、結晶化される。
【0027】
液滴は、電気流体力学的噴霧、高圧を用いる噴霧、噴霧ノズル、ネブライザー、圧電トランスデューサーもしくは超音波トランスデューサーなどのトランスデューサー、または他のエアロゾルジェネレーターによって、調製され得る。
【0028】
結晶性ステロイド溶媒和物の所望の粒径を得るために、液滴の大きさおよび溶媒中のステロイドの量が、変更および制御される。プロセスは、ある程度は経験に基づく。これは、同様の条件下で操作しても系が異なれば、異なる最終粒径がもたらされるからである。しかし、液滴は通常、ミクロンサイズであり、たとえば1〜100ミクロン、好ましくは3〜30ミクロンの範囲の大きさで、0.5〜10ミクロンの範囲の大きさの結晶を生成する。
【0029】
非溶媒と接触する前に液滴を乾燥に供する本発明の実施形態では、乾燥した粒子は、通常、ミクロンサイズであり、例えば、10ミクロンまでの範囲、好ましくは0.1〜10ミクロンで、0.5〜10ミクロンの範囲の大きさの結晶を生成する。乾燥条件および次の超音波処理の操作で、所定の特性を有する結晶が形成される。そのような特性には、粒子形態、表面自由エネルギー、粒度分布、所望の多形、および単離された粒子の点では、流動性、減少した静電気、ならびに結合性/接着性の特性が含まれ得る。
【0030】
より略球状の結晶を得るために、溶媒の液滴は、高い割合のステロイドを含むことが好ましい。溶媒は、エアロゾル内の溶媒液滴から蒸発し、この蒸発は、液滴がベクロメタゾンの非溶媒中に集められる、またはベクロメタゾンの非溶媒と組み合わせられる場合に、この液滴が、液滴の少なくとも80質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%のステロイドを含むように、制御および最適化され得る。
【0031】
したがって、液滴中の生成物の割合(%)および液滴の大きさを含む、多くのパラメーターの変動によって、最終的な結晶粒子径は、0.5〜10ミクロン、好ましくは0.5〜5ミクロンの範囲内の粒子が得られるように制御され得る。溶媒和物の粒度分布は、X10が0.1ミクロン以上、X50が5ミクロン以下およびX90が10ミクロン以下の範囲内であることがさらに好ましく、より好ましくは、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が7ミクロン以下の範囲内であり、本発明の1つの特定の実施形態では、粒度分布が、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内である。
【0032】
ベクロメタゾンに適した溶媒は、アルコールおよびケトン、特に低分子量のケトン、アルコールおよびハロゲン化アルカンであり、特定の例は、アセトン、エタノール、メタノールおよびジクロロメタンである。本発明の好ましい実施形態では、溶媒はメタノールであるか、または含む。
【0033】
非溶媒は、ステロイドを非常に少ない量で、好ましくは0.1%(w/w)以下で溶解する。非溶媒は、溶媒と混和性であってもよく、液滴の懸濁の安定性を補助するために、乳化剤または他の薬剤が加えられてもよい。適した非溶媒としては、炭素数5〜7の炭化水素が挙げられ、これは、非環式、直鎖または分岐であり得る。好ましい非溶媒はヘプタンであり、本発明の1つの特定の実施形態では、ヘプタンはn−ヘプタンである。本発明の代替の実施形態では、非溶媒は水である。
【0034】
超音波をステロイドに当てることによって、結晶化が生じる、または結晶化が開始される。結晶化はまた、超音波を溶媒和物に当てることによって、生じる、または開始される。超音波は、連続的に、またはパルスのように断続的に、当てられ得る。超音波は、懸濁液内に挿入されるプローブのような種々の装置を用いて、当てられ得る。
【0035】
周波数および振幅は変動し得るが、20kHz〜5MHzの周波数を有する超音波の存在下で、ベクロメタゾンは結晶化され得る。それとは別に、超音波は0.2W/cm2以上、または0.3W/cm2以上の強度を有し得る。
【0036】
本発明の実施形態では、16kHz〜1MHzの超音波の周波数が用いられ得る。
【0037】
本発明の方法は、典型的には、溶媒和物粒子を乾燥する工程をさらに含む。適した乾燥方法としては、噴霧乾燥および超臨界CO2による乾燥が挙げられる。本発明の好ましい実施形態では、上記粒子が噴霧乾燥によって乾燥される。
【0038】
本発明の1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)n−ヘプタン中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を上記液滴に当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
(d)上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0039】
本発明のさらなる1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)溶媒中にベクロメタゾンの溶液を形成させる工程、
(b)上記溶液を、急速沈殿、フリーズドライ、凍結乾燥、超臨界溶媒急速膨張、噴霧乾燥、またはそれらの混合からなる群より選択されるプロセスに供する工程であって、ベクロメタゾンが実質的に乾燥した固形の物質に変換される、工程、
(c)必要に応じて、工程(b)のプロセスの液体または気体成分から、ベクロメタゾンを単離する工程、
(d)工程(b)または(c)からのベクロメタゾンをn−ヘプタンで処理する工程、
(e)工程(d)のn−ヘプタンと接触させる時に超音波をベクロメタゾンに当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(f)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
(g)上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0040】
本方法のさらなる1つの特定の実施形態では、上記溶媒はメタノールを含む。
【0041】
本発明のよりさらなる1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)(i)メタノール中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)n−ヘプタン中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を上記液滴に当てて、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内の粒度分布を有する結晶化したベクロメタゾンを形成させるための工程、
(c)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0042】
本発明のなおさらなる1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)溶媒中にベクロメタゾンの溶液を形成させる工程、
(b)上記溶液を、急速沈殿、フリーズドライ、凍結乾燥、超臨界溶媒急速膨張、噴霧乾燥、またはそれらの混合からなる群より選択されるプロセスに供する工程であって、ベクロメタゾンが実質的に乾燥した固形の物質に変換される、工程、
(c)必要に応じて、工程(b)のプロセスの液体または気体成分から、ベクロメタゾンを単離する工程、
(d)工程(b)または(c)からのベクロメタゾンをn−ヘプタンで処理する工程、
(e)工程(d)のn−ヘプタンと接触させる時に超音波をベクロメタゾンに当てて、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内の粒度分布を有する結晶化したベクロメタゾンを形成させる工程、
(f)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
(g)上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0043】
本発明の代替の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)水中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を上記液滴に当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0044】
本発明のさらなる1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)溶媒中にベクロメタゾンの溶液を形成させる工程、
(b)上記溶液を、急速沈殿、フリーズドライ、凍結乾燥、超臨界溶媒急速膨張、噴霧乾燥、またはそれらの混合からなる群より選択されるプロセスに供する工程であって、ベクロメタゾンが実質的に乾燥した固形の物質に変換される、工程、
(c)必要に応じて、工程(b)のプロセスの液体または気体成分から、ベクロメタゾンを単離する工程、
(d)工程(b)または(c)のベクロメタゾンを水で処理する工程、
(e)工程(d)の水と接触させる時に超音波をベクロメタゾンに当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(f)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
(g)上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0045】
本明細書中でベクロメタゾンという場合、その適切かつ利用可能な形態のいずれかの薬物物質をいい、その塩および他の誘導体を含む。ベクロメタゾンという場合、ジプロピオン酸ベクロメタゾンおよび吉草酸ベクロメタゾンなど含むが、これらに限定されない。
【実施例】
【0046】
(実施例1)
超音波処理を用いてベクロメタゾンを結晶化させた。手短に言えば、この方法は、薬物溶液を形成した後、それを噴霧し、噴霧乾燥によって制御しながら溶媒を蒸発させ、実質的に非晶質の粒子を生じ、次いで、これをベクロメタゾンの非溶媒と接触させ、超音波に供し、結晶化ベクロメタゾン粒子を含む生成物スラリーを形成させることを含んだ。次いで、噴霧乾燥または超臨界二酸化炭素乾燥によって、生成物スラリーを固型単離物にした。この方法はProsonix Ltd.(英国、オックスフォード)により実行され、この方法のさらなる詳細は、国際公開第2010/007447号に記載の通りである。
【0047】
n−ヘプタンを用いた超音波処理
プロトコール:
投入:6gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液をn−ヘプタン中に噴霧し、噴霧乾燥およびソノプロセスを施した
温度:0℃
粒子を噴霧乾燥によって単離した
【0048】
噴霧乾燥による単離後の示差走査熱量測定(DSC)およびTGAは、単離した物質がn−ヘプタン溶媒和物であり、高度な結晶性であることを確認した。
【0049】
SEMは、平滑な表面およびはっきりとした小石様形態の非常に均質な粒子を示した。乾燥下でのSympatec社PSD分析は、粒度分布が非常に有望であり吸入範囲内にあることを確認した。
【0050】
表1は、乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
長期貯蔵に及ぼす湿度の影響を評価するために、処理したBDPヘプタン溶媒和物を20%の相対湿度(RH)に48時間曝露した。
【0053】
処理したBDPヘプタンのDVSマスプロットは、上記物質が質量の変化の点で充分な安定性を維持したことを示した。
【0054】
貯蔵後に回収した試料を、DSC、TGA、PSDおよびSEMで分析した。
【0055】
貯蔵した試料のDSCトレースは、試料の湿度処理後の熱挙動における変動を示さなかった。
【0056】
PSDは、粒径の有意な変動を示さず、SEM分析は、貯蔵前の試料と同じ形態を示した。
【0057】
表2は、貯蔵後試料の乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0058】
【表2】
【0059】
(実施例2)
超音波処理を用いてベクロメタゾンを結晶化させる。手短に言えば、この方法は、薬物溶液を形成した後、それを噴霧し、制御しながら溶媒を蒸発させ、非溶媒を含む容器内にこの予備濃縮した粘性液滴を回収し、そして超音波力で核生成を介して結晶化すること、を含む。次いで、噴霧乾燥または超臨界二酸化炭素乾燥によって、生成物スラリーを固型単離物にする。この方法のさらなる詳細は、国際公開第2004/073827号に記載の通りである。
【0060】
n−ヘプタンを用いた超音波処理
プロトコール:
投入:6gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液をn−ヘプタン中に噴霧し、ソノプロセスを施す
温度:0℃
粒子を噴霧乾燥によって単離する
【0061】
(実施例3)
超音波処理を上記実施例1に記載したように実行した。
【0062】
超音波の存在下での結晶化によって得たベクロメタゾン水和物
プロトコール:
投入:6gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液を水中に噴霧し、噴霧乾燥およびソノプロセスを施した
温度:0℃
粒子を噴霧乾燥によって単離した
【0063】
噴霧乾燥による単離後の示差走査熱量測定(DSC)およびTGAは、高度に結晶性のBDP水和物を示した。
【0064】
SEMは、平滑な表面および均質な形態の粒子を示した。乾燥下でのSympatec社PSD分析は、粒度分布が充分に吸入範囲内にあることを確認した。
【0065】
表3は、乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0066】
【表3】
【0067】
長期貯蔵に及ぼす湿度の影響を評価するために、処理したBDP水和物を20%の相対湿度(RH)に48時間曝露した。
【0068】
処理したBDP水和物のDVSマスプロットは、貯蔵中、試料が最初、部分脱水による顕著な重量損失を経験したことを示した。試料は、約1,500分後、定常状態に達した。試料からの水分損失は、噴霧乾燥後の試料中に残存する自由水の損失を反映しているようである。これは、この乾燥技術が通常、100%の効率ではないからである。
【0069】
これらの結果は、BDPが非常に低い水分含量の水和物を形成し、長期貯蔵にて安定性
を保つことが見込まれることを示す。
【0070】
貯蔵後に回収した試料を、DSC、TGA、PSDおよびSEMで分析した。
【0071】
貯蔵した試料のDSCトレースは、試料の湿度処理後の熱挙動における変動を示さなかった。
【0072】
PSDは、粒径の有意な変動を示さず、SEM分析は、貯蔵前の試料と同じ形態を示した。
【0073】
表4は、貯蔵後試料の乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0074】
【表4】
【0075】
(実施例4)
超音波処理を上記実施例2に記載したように実行する。
【0076】
超音波の存在下での結晶化によって得たベクロメタゾン水和物
プロトコール:
投入:6gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液を水中に噴霧し、ソノプロセスを施す
温度:0℃
粒子を噴霧乾燥によって単離する
【0077】
(実施例5)
ベクロメタゾン製剤
国際公開第2004/073827号に記載されるように、ベクロメタゾンを溶媒に溶解して、次いでベクロメタゾン溶液の非溶媒中の懸濁液を形成し、そして超音波を当てて、ベクロメタゾンを結晶化させることによって、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する。
【0078】
実質的に2〜3ミクロンの範囲内の大きさの結晶化ベクロメタゾンの粒径を得るように、流量および超音波出力を含む操作パラメーターを変更する。
【0079】
得られたベクロメタゾン溶媒和物をキャリアーとともに調剤し、次いで照射による最終殺菌に供し、以下の個別化投与量に処方される最終製剤を生成する:
【0080】
1
ベクロメタゾン 25mcg
ラクトース 1.25mg
2
ベクロメタゾン 50mcg
ラクトース 2.5mg
3
ベクロメタゾン 125mcg
ラクトース 6.35mg
4
ベクロメタゾン 37.5mcg
ラクトース 1.25mg
5
ベクロメタゾン 75mcg
ラクトース 2.5mg
6
ベクロメタゾン 187.5mcg
ラクトース 6.35mg
7
ベクロメタゾン 25mcg
マンニトール 1.25mg
8
ベクロメタゾン 0.5mcg
マンニトール 2.5mg
9
ベクロメタゾン 125mcg
マンニトール 6.35mg
10
ベクロメタゾン 37.5mcg
マンニトール 1.25mg
11
ベクロメタゾン 75mcg
マンニトール 2.5mg
12
ベクロメタゾン 187.5mcg
マンニトール 6.35mg
【0081】
(実施例6)
ベクロメタゾン製剤
国際公開第2010/007447号に記載されるように、ベクロメタゾンを溶媒に溶解して、制御条件下で、噴霧乾燥によって溶媒を蒸発させ、実質的に非晶質の粒子を得て、次いで、これをベクロメタゾンの非溶媒と接触させ、超音波に供し、ベクロメタゾンを結晶化することによって、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する。
【0082】
実質的に2〜3ミクロンの範囲内の大きさの結晶化ベクロメタゾンの粒径を得るように、流量および超音波出力を含む操作パラメーターを変更する。
【0083】
得られたベクロメタゾン溶媒和物をキャリアーとともに調剤し、次いで照射による最終殺菌に供し、以下の個別化投与量に処方される最終製剤を生成する:
【0084】
1
ベクロメタゾン 25mcg
ラクトース 1.25mg
2
ベクロメタゾン 50mcg
ラクトース 2.5mg
3
ベクロメタゾン 125mcg
ラクトース 6.35mg
4
ベクロメタゾン 37.5mcg
ラクトース 1.25mg
5
ベクロメタゾン 75mcg
ラクトース 2.5mg
6
ベクロメタゾン 187.5mcg
ラクトース 6.35mg
7
ベクロメタゾン 25mcg
マンニトール 1.25mg
8
ベクロメタゾン 0.5mcg
マンニトール 2.5mg
9
ベクロメタゾン 125mcg
マンニトール 6.35mg
10
ベクロメタゾン 37.5mcg
マンニトール 1.25mg
11
ベクロメタゾン 75mcg
マンニトール 2.5mg
12
ベクロメタゾン 187.5mcg
マンニトール 6.35mg
【0085】
(比較例)
超音波処理を上記実施例1に記載したように実行した。
【0086】
(比較例1)
シクロペンタンを用いた超音波処理
プロトコール:
投入:2gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液をシクロペンタン中に噴霧し、噴霧乾燥およびソノプロセスを施した
温度:0℃
粒子を超臨界CO2によって単離した
【0087】
単離前の懸濁液の顕微イメージングは、最大5μmの部分的に凝集した粒子を示した。
【0088】
超臨界CO2による単離後の示差走査熱量測定(DSC)は、非晶質BDPの証拠を示
したが、BDP溶媒和物の証拠を示さなかった。
【0089】
SEMは、平滑な表面および均質な形態の粒子を示したが、大きさが最大10μmの大きな塊も示した。乾燥下でのSympatec社PSD分析は、大部分がほぼ4μmの粒子の存在とともに、20μmを越えるより大きな塊または凝集体を確認した。
【0090】
表5は、乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0091】
【表5】
【0092】
(比較例2)
シクロヘキサンを用いた超音波処理
プロトコール:
投入:2gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液をシクロヘキサン中に噴霧し、噴霧乾燥およびソノプロセスを施した
温度:0℃
粒子を超臨界CO2によって単離した
【0093】
単離前の懸濁液の顕微イメージングは、最大10μmの部分的に凝集した粒子を示した。
【0094】
超臨界CO2による単離後の示差走査熱量測定(DSC)およびTGAは、高度な非晶質の無水BDPの証拠を示したが、溶媒和物の証拠を示さなかった。
【0095】
SEMイメージングは、平滑な表面および非常に均質な特定のダイヤモンド形状の形態の粒子を示したが、大きさが最大10μmを示した。超臨界CO2単離の間、粒子の大きさの重大な増加はみられなかった。
【0096】
表6は、乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0097】
【表6】
【0098】
したがって、本発明は、ベクロメタゾン含有dpi製剤、およびその製造方法を提供する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステロイド溶媒和物の製剤に関し、特に、ベクロメタゾンの溶媒和物に関する。本発明の好ましい製剤は、ドライパウダー吸入器での使用である。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルを介した肺へのステロイド送達が周知であり、喘息、気道疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む多くの疾患の治療に用いられている。製剤は、通常、ドライパウダー吸入器(dpi)、定量吸入器(mdi)、および、それほどではないが、ネブライザーを介して投与される。
【0003】
2〜5ミクロンの大きさの範囲内のジプロピオン酸ベクロメタゾン粒子の懸濁液を含む、ベクロメタゾンのネブライザー製剤が知られている。この製剤は、一見したところ適切な粒径および粒度分布で、ベクロメタゾンの投与に首尾よく用いられている。しかし、本発明の発明者らは、製剤に関する問題を特定した。すなわち、製剤をうまく貯蔵することができないという問題であり、いくらかの貯蔵期間によってコンテナー内(たとえばアンプルの底部、または逆さであればアンプルの頭部など)に定着し、たとえかなりの攪拌の後であっても、再懸濁させるのが難しい生成物が生じる傾向がある。この再懸濁は、発明者らにとって、ネブライザー製剤に用いられる他のステロイドの再懸濁よりも、著しく困難である。
【0004】
さらに、dpi製剤に関する一般的な問題は、患者への送達点でのベクロメタゾンの有効投与量が、製剤に含まれる有効投与量よりもかなり低いことであり、送達中に生成物の若干の損失が生じることが認識されているが、ここでも、発明者らにとって、この損失量は、他のステロイドよりも高い。この損失は、製剤に含まれる活性物の量で相殺され、これは、容認できると見なされている解決策である。それでもやはり、この損失を減らすことが所望される。いくらかの損失は、ある程度制御不能であるので、投与の信頼性に影響を及ぼすからである。
【0005】
国際公開第02/089942号には、超音波の存在下で結晶化が起こる、小結晶の調製方法が記載されている。国際公開第2004/073827号は、mdiおよびdpiでの使用のためのエアロゾル製剤の調製を記載しており、そこでも活性成分の結晶化中に超音波を用いている。国際公開第2010/007447号は、固体物質の結晶性を高めるプロセスを記載し、このプロセスをdpi製剤用の粒子を調製するために用いることを記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、代替の、好ましくは改良された、ステロイド製剤およびその製造方法、特に、使用時に生成物の損失がより少ない、ステロイド製剤、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、(i)ベクロメタゾンと(ii)炭素数5〜7の炭化水素との溶媒和物を提供する。炭素数5〜7の炭化水素は、典型的には非環式、直鎖または分岐であり、本発明の好ましい実施形態では、炭素数5〜7の炭化水素はヘプタンである。1つの特定の実施形態では、ヘプタンはn−ヘプタンである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の溶媒和物は、送達中および安定に保管されている間の活性物の損失を減らし、医薬品製剤の調製に有利に用いられ得る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の溶媒和物の形成に適したステロイドはベクロメタゾンである。本発明の好ましい実施形態では、溶媒和物はベクロメタゾン−ヘプタンである。
【0010】
典型的には本発明の溶媒和物は、結晶性の形態であり、超音波の存在下での結晶化によって得られる。
【0011】
本発明を用いると、おおよそ丸い、球状粒子の溶媒和物粒子が得られる。本発明の溶媒和物粒子は、規則的形状および平滑な表面形態によって特徴付けられる。
【0012】
本発明の好ましい溶媒和物は、0.5〜10ミクロン、より好ましくは0.5〜5ミクロンの大きさの溶媒和物粒子を含む。さらに、かなりの割合が患者の肺に達するように、かなりの割合の生成物が、これらの規定した大きさの範囲内にあることが好ましい。好ましくは少なくとも75%(数基準)、より好ましくは少なくとも90%(数基準)の溶媒和物粒子が、規定した大きさの範囲内にある。溶媒和物の粒度分布が、X10が0.1ミクロン以上、X50が5ミクロン以下およびX90が10ミクロン以下の範囲内であることがさらに好ましく、より好ましくは、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が7ミクロン以下の範囲内であり、本発明の1つの特定の実施形態では、粒度分布が、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内である。
【0013】
本明細書で使用される粒径または粒子の直径は、たとえばISO規格13320−1に記載されるような、レーザー回折に基づく方法によって、適切に決定され得る。Malvern社のMastersizer 2000TMなどのレーザー回折粒径測定装置が使用され得る。
【0014】
本発明はまた、(i)ベクロメタゾンおよび(ii)炭素数5〜7の炭化水素の溶媒和物を含む、dpi製剤を提供する。炭素数5〜7の炭化水素は、典型的には非環式、直鎖または分岐であり、本発明の好ましい実施形態では、炭素数5〜7の炭化水素はヘプタンである。1つの特定の実施形態では、ヘプタンはn−ヘプタンである。
【0015】
本発明の代替の実施形態では、dpi製剤は、(i)ベクロメタゾンおよび(ii)水の溶媒和物を含む。本発明の好ましい実施形態では、溶媒和物はベクロメタゾン一水和物である。
【0016】
製剤に用いる溶媒和物の形成に適したステロイドはベクロメタゾンである。本製剤の好ましい実施形態では、溶媒和物はベクロメタゾン−ヘプタンである。本発明の代替の実施形態では、溶媒和物はベクロメタゾン一水和物である。
【0017】
本発明の製剤は、0.1%〜10%(質量基準)のベクロメタゾン溶媒和物、好ましくは0.2%〜8%(質量基準)を含み得、より好ましくは本発明の製剤は、0.3%〜6%(質量基準)のベクロメタゾン溶媒和物を含む。
【0018】
本発明の適切なdpi製剤は、ベクロメタゾン約25mcgおよびキャリアー約1.25mgの個別化投与量を含み得、本発明の他の好ましい実施形態では、製剤は、ベクロメタゾン約50mcgおよびキャリアー約2.5mgの個別化投与量を含み、本発明のよりさらなる実施形態では、製剤は、ベクロメタゾン約125mcgおよびキャリアー約6.35mgの個別化投与量を含む。あるいは、本発明のdpi製剤は、ベクロメタゾン約37.5mcgおよびキャリアー約1.25mgの個別化投与量を含み得、本発明の他の実施形態では、製剤は、ベクロメタゾン約75mcgおよびキャリアー約2.5mgの個別化投与量を含み、本発明のよりさらなる実施形態では、製剤は、ベクロメタゾン約187.5mcgおよびキャリアー約6.35mgの個別化投与量を含む。
【0019】
典型的には、製剤に用いる溶媒和物は、結晶性の形態であり、超音波の存在下での結晶化によって得られる。
【0020】
本発明の製剤に用いる好ましい溶媒和物は、大きさが0.5〜10ミクロン、より好ましくは0.5〜5ミクロンのベクロメタゾン溶媒和物粒子を含む。さらに、かなりの割合が患者の肺に達するように、かなりの割合の生成物が、これらの規定した大きさの範囲内にあることが好ましい。好ましくは少なくとも75%(数基準)、より好ましくは少なくとも90%(数基準)の溶媒和物粒子が、規定した大きさの範囲内にある。溶媒和物の粒度分布が、X10が0.1ミクロン以上、X50が5ミクロン以下およびX90が10ミクロン以下の範囲内であり、より好ましくは、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が7ミクロン以下の範囲内であり、本発明の1つの特定の実施形態では、粒度分布が、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内である。
【0021】
本発明の製剤の使用では、典型的には、活性物の投与量の少なくとも80%(質量基準)が患者に送達され、好ましくは少なくとも85%(質量基準)、およびより好ましくは、活性物の投与量の少なくとも90%(質量基準)が患者に送達される。本発明の1つの特定の実施形態では、活性物の投与量の少なくとも95%(質量基準)が患者に送達され、本発明のさらなる実施形態では、活性物の投与量の少なくとも97%(質量基準)が患者に送達され得る。本発明のよりさらなる実施形態では、活性物の投与量の98%(質量基準)までが患者に送達され得る。本発明の代替の実施形態では、活性物の投与量の99%(質量基準)までまたは100%(質量基準)までが患者に送達され得る。
【0022】
本発明のdpi製剤は、β−アゴニストをさらに含み得る。製剤の使用に適したβ−アゴニストとしては、サルブタモール、レバルブテロールおよびフォルモテロールが挙げられる。
【0023】
本発明の1つの特定の実施形態では、製剤はキャリアーをさらに含む。本発明の製剤の使用に好ましいキャリアーとしては、ラクトース、マンニトール、グルコースおよびポリエチレングリコールが挙げられる。本発明の製剤は、80%〜99.9%(質量基準)のキャリアー、好ましくは90%〜99.9%(質量基準)を含み得る。より好ましくは本発明の製剤は、94%〜99.7%(質量基準)のキャリアーを含む。
【0024】
本発明はまた、ベクロメタゾン溶媒和物を調製する方法を提供し、この方法は、(i)溶媒中に溶解されたベクロメタゾンを含む液滴の(ii)炭素数5〜7の炭化水素のベクロメタゾンの非溶媒中の懸濁液を形成させる工程、および超音波をこれらの液滴に当てて、溶媒和物を形成させる工程を含む。
【0025】
本発明の代替の実施形態では、上記方法は、溶媒中のベクロメタゾンの溶液を乾燥して、固形、好ましくは実質的に非晶質の粒子を得、次いで、これを炭素数5〜7の炭化水素のベクロメタゾンの非溶媒と接触させ、超音波に供し、結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程を含む。その溶液は液滴の形態であり得る。乾燥は、急速沈殿、フリーズドライ、凍結乾燥、超臨界溶媒急速膨張、噴霧乾燥、またはそれらの混合によって実行され得る。
【0026】
ベクロメタゾンは、溶媒中のステロイドの溶液を形成し、この溶液の液滴のステロイドの非溶媒中の懸濁液を形成し、そして超音波をこの液滴に当てることによって、適切に結晶化される。懸濁した液滴中のステロイドは、主にまたは完全にベクロメタゾンであり得るが、結晶化して略球状型の粒子を形成する。より具体的には、ベクロメタゾンは、ステロイドを溶媒に溶解させ、溶液の液滴を形成し(例えばこの溶液からエアロゾルを生成することによって)、この液滴のステロイドの非溶媒中の分散系を形成し、そしてこの液滴を超音波に曝露して、ステロイドの結晶化を開始するまたは結晶化を生じさせることによって、結晶化される。
【0027】
液滴は、電気流体力学的噴霧、高圧を用いる噴霧、噴霧ノズル、ネブライザー、圧電トランスデューサーもしくは超音波トランスデューサーなどのトランスデューサー、または他のエアロゾルジェネレーターによって、調製され得る。
【0028】
結晶性ステロイド溶媒和物の所望の粒径を得るために、液滴の大きさおよび溶媒中のステロイドの量が、変更および制御される。プロセスは、ある程度は経験に基づく。これは、同様の条件下で操作しても系が異なれば、異なる最終粒径がもたらされるからである。しかし、液滴は通常、ミクロンサイズであり、たとえば1〜100ミクロン、好ましくは3〜30ミクロンの範囲の大きさで、0.5〜10ミクロンの範囲の大きさの結晶を生成する。
【0029】
非溶媒と接触する前に液滴を乾燥に供する本発明の実施形態では、乾燥した粒子は、通常、ミクロンサイズであり、例えば、10ミクロンまでの範囲、好ましくは0.1〜10ミクロンで、0.5〜10ミクロンの範囲の大きさの結晶を生成する。乾燥条件および次の超音波処理の操作で、所定の特性を有する結晶が形成される。そのような特性には、粒子形態、表面自由エネルギー、粒度分布、所望の多形、および単離された粒子の点では、流動性、減少した静電気、ならびに結合性/接着性の特性が含まれ得る。
【0030】
より略球状の結晶を得るために、溶媒の液滴は、高い割合のステロイドを含むことが好ましい。溶媒は、エアロゾル内の溶媒液滴から蒸発し、この蒸発は、液滴がベクロメタゾンの非溶媒中に集められる、またはベクロメタゾンの非溶媒と組み合わせられる場合に、この液滴が、液滴の少なくとも80質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%のステロイドを含むように、制御および最適化され得る。
【0031】
したがって、液滴中の生成物の割合(%)および液滴の大きさを含む、多くのパラメーターの変動によって、最終的な結晶粒子径は、0.5〜10ミクロン、好ましくは0.5〜5ミクロンの範囲内の粒子が得られるように制御され得る。溶媒和物の粒度分布は、X10が0.1ミクロン以上、X50が5ミクロン以下およびX90が10ミクロン以下の範囲内であることがさらに好ましく、より好ましくは、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が7ミクロン以下の範囲内であり、本発明の1つの特定の実施形態では、粒度分布が、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内である。
【0032】
ベクロメタゾンに適した溶媒は、アルコールおよびケトン、特に低分子量のケトン、アルコールおよびハロゲン化アルカンであり、特定の例は、アセトン、エタノール、メタノールおよびジクロロメタンである。本発明の好ましい実施形態では、溶媒はメタノールであるか、または含む。
【0033】
非溶媒は、ステロイドを非常に少ない量で、好ましくは0.1%(w/w)以下で溶解する。非溶媒は、溶媒と混和性であってもよく、液滴の懸濁の安定性を補助するために、乳化剤または他の薬剤が加えられてもよい。適した非溶媒としては、炭素数5〜7の炭化水素が挙げられ、これは、非環式、直鎖または分岐であり得る。好ましい非溶媒はヘプタンであり、本発明の1つの特定の実施形態では、ヘプタンはn−ヘプタンである。本発明の代替の実施形態では、非溶媒は水である。
【0034】
超音波をステロイドに当てることによって、結晶化が生じる、または結晶化が開始される。結晶化はまた、超音波を溶媒和物に当てることによって、生じる、または開始される。超音波は、連続的に、またはパルスのように断続的に、当てられ得る。超音波は、懸濁液内に挿入されるプローブのような種々の装置を用いて、当てられ得る。
【0035】
周波数および振幅は変動し得るが、20kHz〜5MHzの周波数を有する超音波の存在下で、ベクロメタゾンは結晶化され得る。それとは別に、超音波は0.2W/cm2以上、または0.3W/cm2以上の強度を有し得る。
【0036】
本発明の実施形態では、16kHz〜1MHzの超音波の周波数が用いられ得る。
【0037】
本発明の方法は、典型的には、溶媒和物粒子を乾燥する工程をさらに含む。適した乾燥方法としては、噴霧乾燥および超臨界CO2による乾燥が挙げられる。本発明の好ましい実施形態では、上記粒子が噴霧乾燥によって乾燥される。
【0038】
本発明の1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)n−ヘプタン中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を上記液滴に当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
(d)上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0039】
本発明のさらなる1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)溶媒中にベクロメタゾンの溶液を形成させる工程、
(b)上記溶液を、急速沈殿、フリーズドライ、凍結乾燥、超臨界溶媒急速膨張、噴霧乾燥、またはそれらの混合からなる群より選択されるプロセスに供する工程であって、ベクロメタゾンが実質的に乾燥した固形の物質に変換される、工程、
(c)必要に応じて、工程(b)のプロセスの液体または気体成分から、ベクロメタゾンを単離する工程、
(d)工程(b)または(c)からのベクロメタゾンをn−ヘプタンで処理する工程、
(e)工程(d)のn−ヘプタンと接触させる時に超音波をベクロメタゾンに当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(f)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
(g)上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0040】
本方法のさらなる1つの特定の実施形態では、上記溶媒はメタノールを含む。
【0041】
本発明のよりさらなる1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)(i)メタノール中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)n−ヘプタン中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を上記液滴に当てて、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内の粒度分布を有する結晶化したベクロメタゾンを形成させるための工程、
(c)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0042】
本発明のなおさらなる1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)溶媒中にベクロメタゾンの溶液を形成させる工程、
(b)上記溶液を、急速沈殿、フリーズドライ、凍結乾燥、超臨界溶媒急速膨張、噴霧乾燥、またはそれらの混合からなる群より選択されるプロセスに供する工程であって、ベクロメタゾンが実質的に乾燥した固形の物質に変換される、工程、
(c)必要に応じて、工程(b)のプロセスの液体または気体成分から、ベクロメタゾンを単離する工程、
(d)工程(b)または(c)からのベクロメタゾンをn−ヘプタンで処理する工程、
(e)工程(d)のn−ヘプタンと接触させる時に超音波をベクロメタゾンに当てて、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内の粒度分布を有する結晶化したベクロメタゾンを形成させる工程、
(f)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
(g)上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0043】
本発明の代替の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)水中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を上記液滴に当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0044】
本発明のさらなる1つの特定の実施形態は、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法を提供し、この方法は、
(a)溶媒中にベクロメタゾンの溶液を形成させる工程、
(b)上記溶液を、急速沈殿、フリーズドライ、凍結乾燥、超臨界溶媒急速膨張、噴霧乾燥、またはそれらの混合からなる群より選択されるプロセスに供する工程であって、ベクロメタゾンが実質的に乾燥した固形の物質に変換される、工程、
(c)必要に応じて、工程(b)のプロセスの液体または気体成分から、ベクロメタゾンを単離する工程、
(d)工程(b)または(c)のベクロメタゾンを水で処理する工程、
(e)工程(d)の水と接触させる時に超音波をベクロメタゾンに当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(f)噴霧乾燥によって上記粒子を乾燥する工程、および
(g)上記乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程を含む。
【0045】
本明細書中でベクロメタゾンという場合、その適切かつ利用可能な形態のいずれかの薬物物質をいい、その塩および他の誘導体を含む。ベクロメタゾンという場合、ジプロピオン酸ベクロメタゾンおよび吉草酸ベクロメタゾンなど含むが、これらに限定されない。
【実施例】
【0046】
(実施例1)
超音波処理を用いてベクロメタゾンを結晶化させた。手短に言えば、この方法は、薬物溶液を形成した後、それを噴霧し、噴霧乾燥によって制御しながら溶媒を蒸発させ、実質的に非晶質の粒子を生じ、次いで、これをベクロメタゾンの非溶媒と接触させ、超音波に供し、結晶化ベクロメタゾン粒子を含む生成物スラリーを形成させることを含んだ。次いで、噴霧乾燥または超臨界二酸化炭素乾燥によって、生成物スラリーを固型単離物にした。この方法はProsonix Ltd.(英国、オックスフォード)により実行され、この方法のさらなる詳細は、国際公開第2010/007447号に記載の通りである。
【0047】
n−ヘプタンを用いた超音波処理
プロトコール:
投入:6gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液をn−ヘプタン中に噴霧し、噴霧乾燥およびソノプロセスを施した
温度:0℃
粒子を噴霧乾燥によって単離した
【0048】
噴霧乾燥による単離後の示差走査熱量測定(DSC)およびTGAは、単離した物質がn−ヘプタン溶媒和物であり、高度な結晶性であることを確認した。
【0049】
SEMは、平滑な表面およびはっきりとした小石様形態の非常に均質な粒子を示した。乾燥下でのSympatec社PSD分析は、粒度分布が非常に有望であり吸入範囲内にあることを確認した。
【0050】
表1は、乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
長期貯蔵に及ぼす湿度の影響を評価するために、処理したBDPヘプタン溶媒和物を20%の相対湿度(RH)に48時間曝露した。
【0053】
処理したBDPヘプタンのDVSマスプロットは、上記物質が質量の変化の点で充分な安定性を維持したことを示した。
【0054】
貯蔵後に回収した試料を、DSC、TGA、PSDおよびSEMで分析した。
【0055】
貯蔵した試料のDSCトレースは、試料の湿度処理後の熱挙動における変動を示さなかった。
【0056】
PSDは、粒径の有意な変動を示さず、SEM分析は、貯蔵前の試料と同じ形態を示した。
【0057】
表2は、貯蔵後試料の乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0058】
【表2】
【0059】
(実施例2)
超音波処理を用いてベクロメタゾンを結晶化させる。手短に言えば、この方法は、薬物溶液を形成した後、それを噴霧し、制御しながら溶媒を蒸発させ、非溶媒を含む容器内にこの予備濃縮した粘性液滴を回収し、そして超音波力で核生成を介して結晶化すること、を含む。次いで、噴霧乾燥または超臨界二酸化炭素乾燥によって、生成物スラリーを固型単離物にする。この方法のさらなる詳細は、国際公開第2004/073827号に記載の通りである。
【0060】
n−ヘプタンを用いた超音波処理
プロトコール:
投入:6gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液をn−ヘプタン中に噴霧し、ソノプロセスを施す
温度:0℃
粒子を噴霧乾燥によって単離する
【0061】
(実施例3)
超音波処理を上記実施例1に記載したように実行した。
【0062】
超音波の存在下での結晶化によって得たベクロメタゾン水和物
プロトコール:
投入:6gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液を水中に噴霧し、噴霧乾燥およびソノプロセスを施した
温度:0℃
粒子を噴霧乾燥によって単離した
【0063】
噴霧乾燥による単離後の示差走査熱量測定(DSC)およびTGAは、高度に結晶性のBDP水和物を示した。
【0064】
SEMは、平滑な表面および均質な形態の粒子を示した。乾燥下でのSympatec社PSD分析は、粒度分布が充分に吸入範囲内にあることを確認した。
【0065】
表3は、乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0066】
【表3】
【0067】
長期貯蔵に及ぼす湿度の影響を評価するために、処理したBDP水和物を20%の相対湿度(RH)に48時間曝露した。
【0068】
処理したBDP水和物のDVSマスプロットは、貯蔵中、試料が最初、部分脱水による顕著な重量損失を経験したことを示した。試料は、約1,500分後、定常状態に達した。試料からの水分損失は、噴霧乾燥後の試料中に残存する自由水の損失を反映しているようである。これは、この乾燥技術が通常、100%の効率ではないからである。
【0069】
これらの結果は、BDPが非常に低い水分含量の水和物を形成し、長期貯蔵にて安定性
を保つことが見込まれることを示す。
【0070】
貯蔵後に回収した試料を、DSC、TGA、PSDおよびSEMで分析した。
【0071】
貯蔵した試料のDSCトレースは、試料の湿度処理後の熱挙動における変動を示さなかった。
【0072】
PSDは、粒径の有意な変動を示さず、SEM分析は、貯蔵前の試料と同じ形態を示した。
【0073】
表4は、貯蔵後試料の乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0074】
【表4】
【0075】
(実施例4)
超音波処理を上記実施例2に記載したように実行する。
【0076】
超音波の存在下での結晶化によって得たベクロメタゾン水和物
プロトコール:
投入:6gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液を水中に噴霧し、ソノプロセスを施す
温度:0℃
粒子を噴霧乾燥によって単離する
【0077】
(実施例5)
ベクロメタゾン製剤
国際公開第2004/073827号に記載されるように、ベクロメタゾンを溶媒に溶解して、次いでベクロメタゾン溶液の非溶媒中の懸濁液を形成し、そして超音波を当てて、ベクロメタゾンを結晶化させることによって、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する。
【0078】
実質的に2〜3ミクロンの範囲内の大きさの結晶化ベクロメタゾンの粒径を得るように、流量および超音波出力を含む操作パラメーターを変更する。
【0079】
得られたベクロメタゾン溶媒和物をキャリアーとともに調剤し、次いで照射による最終殺菌に供し、以下の個別化投与量に処方される最終製剤を生成する:
【0080】
1
ベクロメタゾン 25mcg
ラクトース 1.25mg
2
ベクロメタゾン 50mcg
ラクトース 2.5mg
3
ベクロメタゾン 125mcg
ラクトース 6.35mg
4
ベクロメタゾン 37.5mcg
ラクトース 1.25mg
5
ベクロメタゾン 75mcg
ラクトース 2.5mg
6
ベクロメタゾン 187.5mcg
ラクトース 6.35mg
7
ベクロメタゾン 25mcg
マンニトール 1.25mg
8
ベクロメタゾン 0.5mcg
マンニトール 2.5mg
9
ベクロメタゾン 125mcg
マンニトール 6.35mg
10
ベクロメタゾン 37.5mcg
マンニトール 1.25mg
11
ベクロメタゾン 75mcg
マンニトール 2.5mg
12
ベクロメタゾン 187.5mcg
マンニトール 6.35mg
【0081】
(実施例6)
ベクロメタゾン製剤
国際公開第2010/007447号に記載されるように、ベクロメタゾンを溶媒に溶解して、制御条件下で、噴霧乾燥によって溶媒を蒸発させ、実質的に非晶質の粒子を得て、次いで、これをベクロメタゾンの非溶媒と接触させ、超音波に供し、ベクロメタゾンを結晶化することによって、ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する。
【0082】
実質的に2〜3ミクロンの範囲内の大きさの結晶化ベクロメタゾンの粒径を得るように、流量および超音波出力を含む操作パラメーターを変更する。
【0083】
得られたベクロメタゾン溶媒和物をキャリアーとともに調剤し、次いで照射による最終殺菌に供し、以下の個別化投与量に処方される最終製剤を生成する:
【0084】
1
ベクロメタゾン 25mcg
ラクトース 1.25mg
2
ベクロメタゾン 50mcg
ラクトース 2.5mg
3
ベクロメタゾン 125mcg
ラクトース 6.35mg
4
ベクロメタゾン 37.5mcg
ラクトース 1.25mg
5
ベクロメタゾン 75mcg
ラクトース 2.5mg
6
ベクロメタゾン 187.5mcg
ラクトース 6.35mg
7
ベクロメタゾン 25mcg
マンニトール 1.25mg
8
ベクロメタゾン 0.5mcg
マンニトール 2.5mg
9
ベクロメタゾン 125mcg
マンニトール 6.35mg
10
ベクロメタゾン 37.5mcg
マンニトール 1.25mg
11
ベクロメタゾン 75mcg
マンニトール 2.5mg
12
ベクロメタゾン 187.5mcg
マンニトール 6.35mg
【0085】
(比較例)
超音波処理を上記実施例1に記載したように実行した。
【0086】
(比較例1)
シクロペンタンを用いた超音波処理
プロトコール:
投入:2gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液をシクロペンタン中に噴霧し、噴霧乾燥およびソノプロセスを施した
温度:0℃
粒子を超臨界CO2によって単離した
【0087】
単離前の懸濁液の顕微イメージングは、最大5μmの部分的に凝集した粒子を示した。
【0088】
超臨界CO2による単離後の示差走査熱量測定(DSC)は、非晶質BDPの証拠を示
したが、BDP溶媒和物の証拠を示さなかった。
【0089】
SEMは、平滑な表面および均質な形態の粒子を示したが、大きさが最大10μmの大きな塊も示した。乾燥下でのSympatec社PSD分析は、大部分がほぼ4μmの粒子の存在とともに、20μmを越えるより大きな塊または凝集体を確認した。
【0090】
表5は、乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0091】
【表5】
【0092】
(比較例2)
シクロヘキサンを用いた超音波処理
プロトコール:
投入:2gの無水ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)
3%(w/v)の無水BDPのメタノール溶液をシクロヘキサン中に噴霧し、噴霧乾燥およびソノプロセスを施した
温度:0℃
粒子を超臨界CO2によって単離した
【0093】
単離前の懸濁液の顕微イメージングは、最大10μmの部分的に凝集した粒子を示した。
【0094】
超臨界CO2による単離後の示差走査熱量測定(DSC)およびTGAは、高度な非晶質の無水BDPの証拠を示したが、溶媒和物の証拠を示さなかった。
【0095】
SEMイメージングは、平滑な表面および非常に均質な特定のダイヤモンド形状の形態の粒子を示したが、大きさが最大10μmを示した。超臨界CO2単離の間、粒子の大きさの重大な増加はみられなかった。
【0096】
表6は、乾燥下でのSympatec社PSD分析の結果を示す。
【0097】
【表6】
【0098】
したがって、本発明は、ベクロメタゾン含有dpi製剤、およびその製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ベクロメタゾンと(ii)炭素数5〜7の炭化水素との溶媒和物。
【請求項2】
前記炭素数5〜7の炭化水素が、非環式、直鎖または分岐である、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項3】
前記炭素数5〜7の炭化水素が、ヘプタンである、請求項1または2に記載の溶媒和物。
【請求項4】
前記ヘプタンが、n−ヘプタンである、請求項3に記載の溶媒和物。
【請求項5】
前記溶媒和物が、結晶性の形態である、請求項1から4のいずれかに記載の溶媒和物。
【請求項6】
前記溶媒和物が、超音波の存在下での結晶化によって得られる、請求項1から5のいずれかに記載の溶媒和物。
【請求項7】
直径0.5〜10ミクロンの粒子を含む、請求項1から6のいずれかに記載の溶媒和物。
【請求項8】
粒度分布が、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内である、請求項7に記載の溶媒和物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の溶媒和物を含む、dpi製剤。
【請求項10】
(i)ベクロメタゾンと(ii)水との溶媒和物を含む、dpi製剤。
【請求項11】
前記溶媒和物がベクロメタゾン一水和物である、請求項10に記載のdpi製剤。
【請求項12】
β−アゴニストをさらに含む、請求項9から11のいずれかに記載のdpi製剤。
【請求項13】
前記β−アゴニストが、サルブタモール、レバルブテロールまたはフォルモテロールである、請求項12に記載のdpi製剤。
【請求項14】
キャリアーをさらに含む、請求項9から13のいずれかに記載のdpi製剤。
【請求項15】
前記キャリアーが、ラクトース、マンニトール、グルコースまたはポリエチレングリコールである、請求項14に記載のdpi製剤。
【請求項16】
ベクロメタゾンの溶媒和物を調製する方法であって、(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)炭素数5〜7の炭化水素のベクロメタゾンの非溶媒中の懸濁液を形成させる工程、および超音波を該液滴に当てて、該溶媒和物を形成させる工程を含む、方法。
【請求項17】
前記非溶媒が非環式、直鎖または分岐である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記非溶媒が、ヘプタンである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ヘプタンが、n−ヘプタンである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記溶媒和物粒子を乾燥する工程をさらに含む、請求項16から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記粒子が、噴霧乾燥によって乾燥される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記溶媒和物が結晶性の形態である、請求項16から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法であって、
(a)(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)n−ヘプタン中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を該液滴に当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって該粒子を乾燥する工程、および
(d)該乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程
を含む、方法。
【請求項24】
前記溶媒が、メタノールを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法であって、
(a)(i)メタノール中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)n−ヘプタン中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を該液滴に当てて、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内の粒度分布を有する結晶化したベクロメタゾンを形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって該粒子を乾燥する工程、および
該乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程
を含む、方法。
【請求項26】
ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法であって、
(a)(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)水中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を該液滴に当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって該粒子を乾燥する工程、および
該乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程
を含む、方法。
【請求項1】
(i)ベクロメタゾンと(ii)炭素数5〜7の炭化水素との溶媒和物。
【請求項2】
前記炭素数5〜7の炭化水素が、非環式、直鎖または分岐である、請求項1に記載の溶媒和物。
【請求項3】
前記炭素数5〜7の炭化水素が、ヘプタンである、請求項1または2に記載の溶媒和物。
【請求項4】
前記ヘプタンが、n−ヘプタンである、請求項3に記載の溶媒和物。
【請求項5】
前記溶媒和物が、結晶性の形態である、請求項1から4のいずれかに記載の溶媒和物。
【請求項6】
前記溶媒和物が、超音波の存在下での結晶化によって得られる、請求項1から5のいずれかに記載の溶媒和物。
【請求項7】
直径0.5〜10ミクロンの粒子を含む、請求項1から6のいずれかに記載の溶媒和物。
【請求項8】
粒度分布が、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内である、請求項7に記載の溶媒和物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の溶媒和物を含む、dpi製剤。
【請求項10】
(i)ベクロメタゾンと(ii)水との溶媒和物を含む、dpi製剤。
【請求項11】
前記溶媒和物がベクロメタゾン一水和物である、請求項10に記載のdpi製剤。
【請求項12】
β−アゴニストをさらに含む、請求項9から11のいずれかに記載のdpi製剤。
【請求項13】
前記β−アゴニストが、サルブタモール、レバルブテロールまたはフォルモテロールである、請求項12に記載のdpi製剤。
【請求項14】
キャリアーをさらに含む、請求項9から13のいずれかに記載のdpi製剤。
【請求項15】
前記キャリアーが、ラクトース、マンニトール、グルコースまたはポリエチレングリコールである、請求項14に記載のdpi製剤。
【請求項16】
ベクロメタゾンの溶媒和物を調製する方法であって、(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)炭素数5〜7の炭化水素のベクロメタゾンの非溶媒中の懸濁液を形成させる工程、および超音波を該液滴に当てて、該溶媒和物を形成させる工程を含む、方法。
【請求項17】
前記非溶媒が非環式、直鎖または分岐である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記非溶媒が、ヘプタンである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ヘプタンが、n−ヘプタンである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記溶媒和物粒子を乾燥する工程をさらに含む、請求項16から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記粒子が、噴霧乾燥によって乾燥される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記溶媒和物が結晶性の形態である、請求項16から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法であって、
(a)(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)n−ヘプタン中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を該液滴に当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって該粒子を乾燥する工程、および
(d)該乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程
を含む、方法。
【請求項24】
前記溶媒が、メタノールを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法であって、
(a)(i)メタノール中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)n−ヘプタン中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を該液滴に当てて、X10が0.5ミクロン以上、X50が3ミクロン以下およびX90が5ミクロン以下の範囲内の粒度分布を有する結晶化したベクロメタゾンを形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって該粒子を乾燥する工程、および
該乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程
を含む、方法。
【請求項26】
ベクロメタゾンのdpi製剤を調製する方法であって、
(a)(i)溶媒中に溶解したベクロメタゾンを含む液滴の(ii)水中の懸濁液を形成させる工程、
(b)超音波を該液滴に当てて、0.5〜5ミクロンの結晶化したベクロメタゾン粒子を形成させる工程、
(c)噴霧乾燥によって該粒子を乾燥する工程、および
該乾燥した粒子を薬学的に許容可能な賦形剤と合わせる工程
を含む、方法。
【公表番号】特表2013−501761(P2013−501761A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524249(P2012−524249)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061916
【国際公開番号】WO2011/018532
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(503183455)ブレス リミテッド (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061916
【国際公開番号】WO2011/018532
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(503183455)ブレス リミテッド (11)
【Fターム(参考)】
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