ステントにコーティングを行うシステムおよび方法
2つの医療装置群を処理するシステムおよび方法が可能となり、両方の群は同じ筺体(116)の内部で交互にスプレーコーティングされる。2つの群は、スプレー領域とスプレー領域から離隔された乾燥領域との間を前後に繰返し移動する。一方の群は、他方の群が移動して乾燥領域を出入りするときにスプレー領域内に移動する。その後、スプレー領域内の群は移動して乾燥領域を出入りし、他方の群は移動して第2のコーティングのためにスプレー領域内に戻る。交互するプロセスは任意の回数繰り返すことができる。スプレー領域は、封止されたスプレーアイソレータ筺体の内部に位置し、ガス放出ノズルで取り囲むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]簡略かつ概略的にいえば、本発明は、医療装置にコーティングを行う技術に関し、より詳細には、ステントにコーティングを行うシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]経皮経管冠動脈形成術(PTCA)では、バルーンカテーテルが上腕動脈または大腿動脈を通じて挿入され、冠動脈閉塞を横切って配置され、膨らまされてアテローム性動脈硬化プラークに対して圧縮し、それによって再形成により冠動脈の管腔を広げる。次いで、バルーンはしぼまされ引き抜かれる。PTCAに関連する問題としては、内膜フラップまたは破れた動脈内面の形成があり、そのどちらも冠動脈の管腔の中に別の閉塞を引き起こす可能性がある。さらに、血栓症および再狭窄が手術の数カ月後に起こり、追加の血管形成術または外科的バイパス手術が必要となる可能性がある。これらの問題に対処するためにステントが使用される。ステントは小型で複雑な植込み型医療装置(implantable medical devices)であり、一般に、閉塞を低減し、血栓症および再狭窄を抑制し、かつ血管腔、例えば冠動脈の管腔などの中の開存性を維持するために、患者の中に植え込まれたままにされる。
【0003】
[0003]ステントを用いた患部または病変部の治療にはステントの送出と展開の両方を伴う。ステントの送出は、ステントを解剖学的管腔から導入し、血管内の病変部などの所望の治療部位に運ぶことを意味する。解剖学的管腔は、任意の腔、導管、あるいは血管、尿路、胆管などの管状臓器とすることができる。ステントの展開は、治療を要する領域にある解剖学的管腔内でステントを拡張することに相当する。ステントの送出および展開は、ステントをカテーテルの一方の端部の周囲に配置し、カテーテルの端部を皮膚から解剖学的管腔内に挿入し、カテーテルを解剖学的管腔内で所望の治療位置まで前進させ、治療位置でステントを拡張し、そしてカテーテルを管腔から取り除いて治療位置にステントを残すことによって実現される。
【0004】
[0004]バルーン拡張型ステント(balloon expandable stent)の場合、ステントは、カテーテル上に配置されたバルーンの周囲に取り付けられる。ステントを取り付けるには、一般には解剖学的管腔内に挿入する前にステントをバルーン上に圧縮または圧着する必要がある。管腔内の治療部位において、ステントはバルーンを膨らませることによって拡張される。次いで、バルーンをしぼませ、カテーテルをステントおよび管腔から引き抜き、ステントを治療部位に残すことができる。自己拡張型ステントの場合、ステントは伸縮自在のシースによってカテーテルに固着させることができる。ステントが治療部位にあるとき、シースは引き抜くことができ、それによってステントは自己拡張することが可能になる。
【0005】
[0005]ステントは、さらに血栓症および再狭窄に対処するために、薬剤送出能力を与えるようにしばしば改変される。ステントは、薬剤または治療剤で含浸されたポリマー担体でコーティングすることができる。従来のコーティング方法は、溶媒と溶媒中に溶解されたポリマーと混合物中に分散された治療剤とを含む組成物を、その組成物中にステントを浸すかまたはその組成物をステントに吹き付けることにより、ステントに塗布することを含む。溶媒は蒸発して、ステントストラット表面上にポリマーとポリマーに含浸された治療剤とでなるコーティングを残すことが可能になる。
【0006】
[0006]冠動脈および末梢動脈用の特定のステントなどの小型で複雑な医療装置の場合、基板に均一なコーティングを優れた接着性で塗布することは困難となりうる。この種のステントは極めて小型となることがあり、典型的には、全径がほんの数ミリメートルであり、全長が数ミリメートルである。また、この種のステントは、ステントが植え込まれる解剖学的管腔の壁を支持または押圧する薄いストラットの細かい網目またはメッシュの形をとることが多い。
【0007】
[0007]例えば、図14は、中空で管状の全体的な本体形状を有するステント10の上部を示す。ステントは、空隙の有無にかかわらず、ワイヤ、繊維、コイル状シート、または足場リングネットワーク(scaffolding network of rings)で作ることができる。ステントは、正弦ストラット構成や蛇行ストラット構成などの任意の特定の幾何学的構成を有することができ、図14に示されているものに限定されるべきでない。ステントパターンの変化は実質的に無制限である。ステントはバルーン拡張型または自己拡張型とすることができ、そのどちらも当技術分野で周知である。
【0008】
[0008]図14および図15は、2つの異なるステントパターンを有するステントを示す。これらのステントは非圧着状態または拡張状態で示されている。図14および図15ではともに、ステント10は、空隙16によって互いに隔てられた多くの相互連結するストラット12、14を含む。ストラット12、14は、生体適合性金属またはポリマーなどの任意の適当な材料で作ることができる。ポリマーは生体吸収性ポリマーでもよい。ステント10は、遠位端22および近位端24と称される両端から測定される長手方向の全長40を有する。ステント10は、ステントの長手方向全長を通り抜ける中央通路17を有する管形状の本体全体50を有する。中央通路は2つの円形開口部を有し、管状本体全体50の遠位端22および近位端24にそれぞれ1つの円形開口部がある。中心軸線18は、管状本体50の中心にある中央通路を走る。ストラット12のうちの少なくともいくつかは、中心軸線18を取り囲む正弦または蛇行リング構造20を形成するように直列に配置される。
【0009】
[0009]図16は、図15におけるステント10の線16−16に沿った例示的断面図である。ステント10の中心軸線18に対して垂直に走る線16−16に沿って多数のストラット12、14が存在することができる。図16では、説明を簡単にするために7つのストラット12、14の断面が示されている。断面でのストラット12、14は、外径26および内径28を有する円形パターンで配置される。円形パターンは中心軸線18を取り囲む。各ストラットの表面の一部は、中心軸線18に面する方向30に半径方向内方に向いている。各ストラットの表面の一部は、中心軸線18から見て外方に向く方向32に半径方向外方に向いている。半径方向外方に向いている様々なストラット表面は、ステント10の外側表面34を集合的に形成する。半径方向内方に向いている様々なストラット表面は、ステント10の内側表面36を集合的に形成する。
【0010】
[0010]「軸線方向の(axial)」および「長手方向の(longitudinal)」という用語は区別なく同義的に用いられ、ステントの中心軸線または円筒構造の中心軸線と平行またはほぼ平行な線または方向に関係する。「円周方向の(circumferential)」という用語は、ステントまたは円形構造の円周に沿った方向に関係する。「半径方向の(radial)」および「半径方向に(radially)」という用語は、ステントの中心軸線または円筒構造の中心軸線に対して垂直またはほぼ垂直な線または方向に関係する。
【0011】
[0011]薄いストラットネットワークのコーティングは、ストラットが交わるコーティング材料のプーリングもしくはウェビング、不均一なコーティングの厚みおよび分布、層間剥離、汚染の原因となることが多い。多くのスプレーコーティングシステムは、部分的にはスプレーおよび乾燥環境の制御が不十分なために、非効率的であり、高い頻度でコーティング欠陥を引き起こす。
【0012】
[0012]コーティングプロセスは、プライマー層、薬剤運搬貯蔵層(drug carrying reservoir layer)、およびトップコートもしくは薬剤拡散バリヤとして別々に塗布される複数のコーティング材料の塗布を必要とすることである。各コーティング層は、溶媒、ポリマーおよび薬剤の混合物を形成するために、複数の化合物の使用を伴うことができる。また、コーティングプロセスは、各コーティング層に対して所望の厚みを形成するために、複数のスプレーと乾燥のサイクルを含むことがある。したがって、各サイクルの間にコーティングサイクルとコーティング材料のタイプまたはバッチとを追跡するのは困難となりうる。そのような細部を追跡し記録することは品質および規制管理(quality and regulatory control)に重要である。ステント上の薬剤の量または各コーティングの所望の特性はコーティングの厚みおよび重量に正比例するので、各ステントの一意の識別情報は、そのステントが製造ラインを下方へ進むにつれて追跡されなければならない。正確な追跡を確実にするために、多くのシステムおよび方法には、スプレーコーティング機が1つのステントを一度に処理するワンピースフロー製造モデルを必要とするが、ワンピースフロー製造モデルには、コート間の乾燥に時間を要するためにかつ各ステント上に複数のコートを必要とするために、非効率的でありかつ時間がかかる可能性がある。製造業生産高を増大させるアプローチは、マルチピースフロー製造スキームと同じように、複数のスプレーコーティング機を並行して使用することである。このアプローチの欠点は、このアプローチが信頼性の高い方法でステントの識別情報を管理し、したがって、ステントが追跡識別情報の喪失のせいで時折ごちゃごちゃなるにことを許容しうるワンピースフロー製造スキームから逸脱していることである。追跡識別情報の喪失により、ステント、さらにはステントの生産ロット全体が破棄されて無駄になる。
【0013】
[0013]薬剤溶出ステントなどの薬剤コーティング済み医療装置を製造する別の困難さは、製造プロセスで使用される薬剤、溶媒、および他の物質が製造機器の人間オペレータの健康に危険を及ぼしうることである。場合によっては、薬剤は、正常な臭覚または視力では目立たないごく少量でも重要な影響を及ぼしうる免疫抑制剤であることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
[0014]したがって、効率的であり、信頼性があり、かつ製造プロセスに従事する人々の健康および安全に配慮した、医療装置にコーティングを行うシステムおよび方法が継続的に必要性とされる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
[0015]簡単かつ概略的にいえば、本発明は、医療装置にコーティングを行うシステムおよび方法を対象とする。本発明のいくつかの態様では、医療装置にコーティングを行うシステムおよび方法は、交代する医療装置群にスプレーをかけ乾燥させる必要がある。
【0016】
[0016]本発明の諸態様では、医療装置にコーティングを行うシステムが、第1の医療装置を受容する寸法となされた第1の開口と第2の医療装置を受容する寸法となされた第2の開口とを有する筺体を備える。このシステムは、筺体の内部に配置されたコーティングディスペンサ(coating dispenser:コーティング材料放出装置)と、第1の医療装置または第1の医療装置キャリア(医療装置支持体)を支持するように構成された第1の装置と、第2の医療装置または第2の医療装置キャリアを支持するように構成された第2の装置と、筺体の外部に配置された第1の機器であって、第1の装置を第1の開口に向かって移動させたり第1の開口から離れる向きに移動させたりするように構成された第1の機器と、筺体の外部に配置された第2の機器であって、第1の装置を第1の開口に向かって移動させたり前記第1の開口から離れる向きに移動させたりするのとは無関係に、第2の装置を第2の開口に向かって移動させたり第2の開口から離れる向きに移動させたりするように構成された第2の機器と、をさらに備える。詳細な態様では、第1の装置および第2の装置は筺体の両側に配置される。
【0017】
[0017]本発明の他の態様では、医療装置にコーティングを行うシステムが、医療装置を受容する寸法となされた第1の開口を有するチャンバと、チャンバの内部のコーティングディスペンサと、チャンバの外部のガス流路に沿ってガスを放出するように構成されたガスディスペンサ(ガス放出装置)と、医療装置の近位部または医療装置キャリアの近位部を支持するように構成された近位支持要素と、近位支持要素をガス流路と交差する移動経路に沿ってチャンバに向かって移動させるように構成された機器と、を備える。他の態様では、このシステムは温度センサをさらに備え、機器は温度センサをガス流路と交差するセンサ移動経路に沿って移動させるように構成される。
【0018】
[0018]本発明の他の態様では、医療装置にコーティングを行うシステムが、医療装置を受容する寸法となされたアクセス開口を具備する、スプレー領域と乾燥領域を隔てる隔離壁を備える。このシステムは、スプレー領域内でコーティング材料を放出するように構成されたコーティングディスペンサと、乾燥領域内でガスを放出するように構成されたガスディスペンサと、医療装置または医療装置キャリアを保持するように構成された支持要素を具備する支持装置と、コーティングディスペンサをスプレー領域内で移動させかつ支持装置を乾燥領域内で移動させるように構成されたアセンブリと、を備える。詳細な態様では、このアセンブリは、コーティングディスペンサを第1の移動経路内で移動させ、かつ支持装置を第1の移動経路と平行またはほぼ平行な第2の移動経路内で移動させるように構成される。
【0019】
[0019]本発明の他の態様では、医療装置にコーティングを行うシステムが少なくとも1つのスプレードライ機器を備える。各スプレードライ機器は、それぞれが医療装置を受容する寸法となされた少なくとも2つのアクセス開口を具備するスプレー筺体を備える。各スプレードライ機器は少なくとも2つの保持装置をさらに備え、1つの保持装置がアクセス開口のそれぞれに関連しており、各保持装置は医療装置または医療装置キャリアを保持するように構成される。各スプレードライ機器は、スプレー筺体の内部のコーティングディスペンサと、ガスを放出するように構成された、スプレー筺体の外部のガスディスペンサと、コーティングディスペンサを移動させかつ各保持装置を移動させるように構成されたアセンブリと、をさらに具備する。
【0020】
[0020]詳細な態様では、このシステムは、少なくとも1つのスプレードライ機器を収容する外側筺体をさらに備える。このシステムは、医療装置または医療装置キャリアを支持しかつ外側筺体の外部から外側筺体の内部に移動させるように構成された、外側筺体の外部から外側筺体の中に延びる第1の移送機器をさらに備える。このシステムは、医療装置または医療装置キャリアを支持しかつ外側筺体の内部から外側筺体の外部に移動させるように構成された、外側筺体の内部から外側筺体の外に延びる第2の移送機器をさらに備える。このシステムは外側筺体の内部に第3の移送機器をさらに備え、第3の移送機器はグリッパおよび機構を具備し、グリッパは医療装置または医療装置キャリアと係合するように構成され、機構はグリッパを第1の位置から第2の位置に移動させたり第2の位置から第3の位置に移動させたりするように構成され、第1の位置は第1の移送機器に隣接し、第2の位置は保持装置のうちのいずれか1つに隣接し、第3の位置は第2の移送装置に隣接する。
【0021】
[0021]本発明のいくつかの態様では、医療装置にコーティングを行う方法が、第1の医療装置をスプレー領域内に移動させること、スプレー領域内で第1の医療装置上にコーティングを施すこと、第1の医療装置がコーティングされた後で、第1の医療装置をスプレー領域から乾燥領域に移動させること、第1の医療装置を前記乾燥領域に移動させる間にまたはその後で、第2の医療装置をスプレー領域内に移動させること、乾燥領域内で第1の医療装置上にガスを放出すること、ならびに、乾燥領域内で第1の医療装置上にガスを放出する間に、スプレー領域内で第2の医療装置上にコーティングを施すこと、を含む。詳細な態様では、第1の医療装置をスプレー領域から乾燥領域に移動させる方法は、第1の医療装置を、スプレー領域を乾燥領域から隔てる壁に形成された開口を通って移動させることを含む。
【0022】
[0022]本発明の特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるべき以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】透明な筺体と、筺体を挿通するコンベヤアセンブリと、透明な筺体内のスプレーアイソレータ筐体と、ステントを回しかつそのステントをアイソレータ筺体の内外に移動させるためのスピンドルアセンブリと、コーティング溶液筺体とを示す、医療装置にコーティングを行うシステムの斜視図である。
【図2】スプレーアイソレータ筐体およびスピンドルアセンブリを示す、図1のシステムの部分詳細図である。
【図3A】図2のスプレーアイソレータ筐体およびスピンドルアセンブリと、スピンドルアセンブリをアイソレータ筺体の内外に移動させるための装置とを示す、スプレードライアセンブリの前方からの斜視図である。
【図3B】図2のスプレーアイソレータ筐体およびスピンドルアセンブリと、スピンドルアセンブリをアイソレータ筺体の内外に移動させるための装置とを示す、スプレードライアセンブリの後方からの斜視図である。
【図4A】組立状態のスピンドルアセンブリを示す、図2のスピンドルアセンブリの斜視図である。
【図4B】分解状態のスピンドルアセンブリを示す、図2のスピンドルアセンブリの斜視図である。
【図5A】左前方から見た、図2の筺体を具備するスプレー筺体サブアセンブリの斜視図である。
【図5B】左後方から見た、図2の筺体を具備するスプレー筺体サブアセンブリの斜視図である。
【図5C】右前方から見た、図2の筺体を具備するスプレー筺体サブアセンブリの斜視図である。
【図5D】図2の筺体を具備するスプレー筺体サブアセンブリの部分分解斜視図である。
【図6】スプレーコーティングノズルと、スプレーコーティングノズルを図2のスプレーアイソレータ筺体内で直線的に並進させるための装置とを示す、スプレーノズルサブアセンブリの斜視図である。
【図7A】図2のスプレーアイソレータ筺体の外部でガスを放出するためのノズルを示す、乾燥器ノズルサブアセンブリの斜視図である。
【図7B】図2のスプレーアイソレータ筺体の外部でガスを放出するためのノズルを示す、乾燥器ノズルサブアセンブリの斜視図である。
【図8A】医療装置キャリアの斜視図である。
【図8B】キャリア上に支持されたステントの斜視図である。
【図9】図8Aおよび図8Bの医療装置キャリア用のホルダを示す、図1のコンベヤアセンブリのうちの1つの斜視図である。
【図10】コーティング溶液の容器と、ポンプと、容器およびポンプを連結する流体導管とを示す、図1のコーティング溶液筺体の斜視図である。
【図11】図1のシステムのブロック図である。
【図12】図3Aのスプレードライアセンブリの模式的平面図である。
【図13A】医療装置群をコーティングし乾燥させる方法の概略図である。
【図13B】医療装置群をコーティングし乾燥させる方法の概略図である。
【図13C】医療装置群をコーティングし乾燥させる方法の概略図である。
【図13D】医療装置群をコーティングし乾燥させる方法の概略図である。
【図14】ステントの一部の斜視図である。
【図15】ステントの斜視図である。
【図16】ステントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0038]ここで本発明の諸実施形態を説明するための例示的な図面をより詳細に参照すると、類似の参照番号は複数の図の間で対応する要素または同様の要素を示し、図1には、医療装置を移送し、スプレーをかけ、そして乾燥させるための制御された製造環境を提供するステントコーティングシステム100が示されている。
【0025】
[0039]使用時に、人が透明な遮蔽筺体104の外側の位置102に立ち、コーティングされるべきステントをインバウンドコンベヤアセンブリ(inbound conveyor assembly)106上に置く。別の人が遮蔽筺体104の外側の位置108に立ち、コーティング済みステントをアウトバウンドコンベヤアセンブリ(outbound conveyor assembly)110から取り除く。ステントに直接手を触れることはない。各ステントは、本明細書では「マンドレル」と称される別個の支持装置上に個々に支持され、コーティングプロセス中にマンドレルを直接操作することにより点から点へ互いに独立して動かすことができる。マンドレルは、ステントを垂直方向および水平方向に保持するように構成される。マンドレルは様々な形をとることができ、ステントの内面、外面、またはその両方と接触することができる。
【0026】
[0040]インバウンドコンベヤアセンブリ106は、マンドレルをステントと共に、遮蔽筺体の外部の位置から遮蔽筺体104の小開口部を通って遮蔽筺体の内部の位置へ移動させる。内部にあるとき、ステントを有するマンドレルは、ロボット機構のグリッパ112によってインバウンドコンベヤアセンブリ106からスピンドルサブアセンブリ114へ自動的に移される。ロボット機構は垂直レールおよび水平レールを具備しており、グリッパ112がY軸線方向に垂直に(上下に)かつX軸線方向に水平に(左右に)並進するのを可能にするために、ヘリカル駆動部、歯車、ベルト、および/またはモータをさらに具備することができる。グリッパ112は、関節部材がマンドレルの一部をつまむかまたは締め付けたりマンドレルを解放したりすることを可能にするために、互いに相対的に移動するように構成された1対の関節部材を具備することができる。
【0027】
[0041]種々の図において、図示されているX軸線とY軸線とZ軸線とは直交する。X軸線の方向は水平または実質的に水平である。Y軸線の方向は鉛直であり、X軸線に対して垂直である。Z軸線の方向は水平または実質的に水平である。Z軸線の方向は、X軸線およびY軸線によって形成されたX−Y平面に対して垂直である。
【0028】
[0042]図3Aおよび図3Bはスプレードライアセンブリ200の種々の図を示し、スプレードライアセンブリ200の各部について以下でより詳細に説明する。各スプレードライアセンブリは、スプレーコーティング材料がスプレーアイソレータ筺体外部の領域に漏れるのを防止するように構成されたスプレーアイソレータ筺体116を具備する。例示した図1および図2の実施形態では、システム100は2つのスプレードライアセンブリ200を具備する。任意の数のスプレードライアセンブリ200が一緒に実装されうることが理解されよう。
【0029】
[0043]図1、図2B、図3Aおよび図3Bを参照すると、各スプレードライアセンブリ200は4つのスピンドルサブアセンブリ114を具備する。スプレーアイソレータ筺体116は、筺体の左側に左側対のスピンドルサブアセンブリ114aを有し、筺体の右側に右側対のスピンドルサブアセンブリ114bを有する。左側スピンドル114aアセンブリにステントが装填された後、スピンドルサブアセンブリはステントをスプレーアイソレータ筺体内で摺動させ、そこでステントは1対のスプレーノズル122を有するコーティングディスペンサによってコーティングされる。ステントは、筺体116の側壁を貫通して形成されたアクセス開口113を挿通する。ステントが筺体116の内部でスプレーコーティングされる間、スピンドルサブアセンブリ114は、ステントを個々のステント中心軸線を中心に軸線方向に回転させる。
【0030】
[0044]図4Aおよび図4Bは各スピンドルサブアセンブリ114の細部を示しており、各スピンドルサブアセンブリ114は、軸受と、連結器と、マンドレルを保持するように構成された保持要素117を回転させる電気モータ115とを具備する。保持要素117は、マンドレルの一部を受容する開口119を具備する。開口119の中の磁石121は、マンドレルが保持要素117から離れる向きに不注意に滑らないようにするとともに、マンドレルが保持要素と共に回転するようにする。保持要素117および磁石121は、マンドレルを保持する保持装置として機能する。モータ115が作動すると、保持要素117は回転軸線125を中心に円周方向123に回転する。いくつかの実施形態では、ステントの中心軸線は回転軸線125と同軸である。
【0031】
[0045]図5A〜図5Dは、各スプレードライアセンブリ200の一部を形成するスプレー筺体サブアセンブリ250の種々の図である。図6は、各スプレードライアセンブリ200の一部を形成するスプレーノズルサブアセンブリ300を示す。図7Aは乾燥機ノズルサブアセンブリ(dryer nozzle subassembly)350を示し、各スプレードライアセンブリ200には4つの乾燥機ノズルサブアセンブリがある。
【0032】
[0046]図5Aおよび図5Bに示されているように、各スプレーアイソレータ筺体116の上部に側面開口部124があり、シャフト126(図6)が側面開口部124を通って摺動し出たり入ったりする。図6に示されているように、シャフト126の一端は、スプレーアイソレータ筺体116の内部に存在することができる1対のステント上にコーティング材料を放出する1対のスプレーノズル122を支持する。シャフト126の他端は、スプレーアイソレータ筺体の外部に位置する機構128に取り付けられる。機構128はシャフト126を直線的に並進させ、それによって、1対のスプレーノズル122をスプレーアイソレータ筺体116の内部でステントの全長全体にわたって移動させる。
【0033】
[0047]スプレーアイソレータ筺体116は、ろ過された空気をスプレーアイソレータ筺体の上部に位置する入口130(図6)に吸い込む真空システムに連結される。筺体の下部126にある出口132(図5B)は、コーティング材料からの空気およびヒュームをスプレーアイソレータ筺体116から吸い出す。
【0034】
[0048]ステントがスプレーアイソレータ筺体116の内部でスプレーされている間、左側スピンドルサブアセンブリ114aのそれぞれにある温度変換器134(図3A)は、スプレーアイソレータ筺体116の左側にありかつ左側スピンドルサブアセンブリ114aの下方に位置する1対の乾燥機ノズル135から出てくる空気乾燥温度を測定する。空気乾燥温度は、温度変換器134からの読取値に基づいて必要に応じて調節される。ステントがスプレーされた後、左側スピンドルサブアセンブリ114aはステントをスプレーアイソレータ筺体116から左側乾燥機ノズル135aの上方の位置に摺動させ、左側乾燥機ノズル135aはステントを乾燥させる。スピンドルサブアセンブリ114aはステントを軸方向に回転させ、ステントを乾燥させる。
【0035】
[0049]ステントが乾燥させられている間、右側スピンドルサブアセンブリ114bは、別の対のステント(右側ステント)を摺動させてスプレーアイソレータ筺体116の中に入れる。右側ステントがスプレーアイソレータ筺体116の中でスプレーされる間、左側ステントは外部で乾燥させられている。また、各右側スピンドルサブアセンブリ114b上の変換器134は、スプレーアイソレータ筺体116の右側にありかつ右側スピンドルサブアセンブリ114bの下方にある1対の乾燥機ノズル135から出てくる空気乾燥温度を測定する。空気乾燥温度は、変換器134からの読取値に基づいて必要に応じて調節される。右側ステントがスプレーされた後、右側スピンドルサブアセンブリ114bは右側ステントをスプレーアイソレータ筺体116から右側乾燥機ノズル135bの上方の位置に摺動させ、右側乾燥機ノズル135bはステントを乾燥させる。
【0036】
[0050]右側ステントが乾燥させられている間に、左側ステントはスプレーアイソレータ筺体116の中に戻される。スプレーし乾燥させるプロセスは、所望の厚みまたは所望の薬剤量を有するコーティングを形成するのに必要となりうる任意の回数繰り返される。
【0037】
[0051]ステントが所望のコーティングを有すると、ステントを支持するマンドレルはグリッパ112によってスピンドルサブアセンブリ114から取り除かれ、アウトバウンドコンベヤアセンブリ110上に置かれ、そこでマンドレルは遮蔽筺体104から外へ移される。
【0038】
[0052]上述のプロセスは遮蔽筺体104の内部でスプレーアイソレータ筺体116のそれぞれに対して実行され、それによって最大で8つのステントが遮蔽筺体の内部でどの時点でも互い違いに処理されることが可能になる。
【0039】
[0053]図8Aおよび図8Bは、ステント10を支持するためのマンドレル400を示す。マンドレルは、ロッド402とロッド402上の2つの末端部404とを具備する。末端部404は、ロッドを受容する寸法となされた貫通孔406を有する。各末端部404は、ステント10の両端と係合するように構成されたテーパ状の円錐面408を有する。円錐面408は、ロッド402の中央の方に面し、互いに向き合っている。末端部404の少なくとも一方は、ロッド402から滑り落ちてステント10がロッドの上および周囲に取り付けられることを可能にするように構成される。ロッド402は、ステントの内面と接触することなくステントの中央通路を挿通する。ロッド402の近位端には突起部410がある。突起部410は、スピンドルサブアセンブリ114の開口119(図4A)内に収まるように構成される。ロッドは、スピンドルサブアセンブリ114の磁石121に吸引される磁性材料を具備する。
【0040】
[0054]図示の実施形態では、スピンドルサブアセンブリは、マンドレルまたは他の医療装置キャリアを支持しかつ保持するように構成される。他の実施形態では、スピンドルサブアセンブリは、医療装置を直接的に支持しかつ保持するように構成される。例えば、スピンドルサブアセンブリは、ステントの中央通路を通ってはまり、それによってステントをステントの内面によって支持する寸法となされた細長い部材を具備することができる。
【0041】
[0055]図9はインバウンドコンベヤアセンブリ106を示す。2つのローラ450がベースプレート452の両端部上に取り付けられる。連続ベルト454がローラによって引っ張られた状態に保たれる。ローラの一方は、ドライバローラ450aと称され、ベースプレート452の下にある電気モータ460に連結される。電気モータ460は、ローラの中心軸線462を中心にドライバローラ450aを回転させる。ローラ450上の突出歯要素456がベルト454に形成された孔458を貫通して延びていて、ローラ450の回転464がベルト454の動き466を引き起こすようにする。円筒形マンドレルホルダ468がベルト454上に取り付けられ、ベルト上に互いに等間隔に配置される。各マンドレルホルダ468は、孔が形成された最上面を具備する。この孔は、マンドレル400の突起部410(図8Aおよび図8B)を受容する寸法となされる。
【0042】
[0056]インバウンドコンベヤアセンブリ106は近接センサ470を具備する。このセンサ470は、マンドレルの存在を検出するように構成された光電変換器を具備する。このセンサ470は、グリッパ112(図1)のロボット機構に対して定位置に保持される。このセンサ470により、マイクロプロセッサベースのコントローラは、マンドレルがグリッパ112によって持ち上げられていること、および、マンドレルホルダ468がグリッパ領域から離れる向きに移動するときにマンドレルホルダ468が空であることを確認することができる。
【0043】
[0057]バーコードリーダ472が、ベルト454を部分的に取り囲むガイド部材474に取り付けられる。バーコードリーダ472は、マンドレル400上のバーコード412(図8B)を読み取るように構成された赤外線エミッタおよび赤外線センサを具備する。バーコード412は、マンドレル上の特定のステント10を一意に識別するように適合することができる。バーコードリーダ472により、バーコードリーダと通信するマイクロプロセッサベースのコントローラは、システム100に入るステントを追跡すること、ならびに、ステントに塗布された特定のコーティング材料と、ステントが受容しているコーティング層の数と、他の処理パラメータとを追跡し記録することが可能になる。
【0044】
[0058]いくつかの実施形態では、アウトバウンドコンベヤアセンブリ110は、図9に示されているインバウンドコンベヤアセンブリ106と構造的に同じである。他の実施形態では、アウトバウンドコンベヤアセンブリ110は、インバウンドコンベヤアセンブリ106の鏡像として組み立てられる。
【0045】
[0059]再び図1を参照すると、システム100は、コーティングプロセスに関する情報を表示するためのディスプレイモニタ140を具備する。情報は、遮蔽筺体104内のステントの識別、遮蔽筺体104内の特定のステントに対するコーティング進捗、特定のスピンドルサブアセンブリ上での特定のステントの位置、特定のステントが乾燥させられているのかそれともスプレーコーティングされているのか、ならびに、タイプおよびバッチに関するスプレーコーティング材料の識別を制限なく含むことができる。
【0046】
[0060]図1および図10に示されているように、システム100は、コーティングに使用される溶媒、ポリマー、薬剤、および他の物質を保持することができる、様々な瓶および容器にアクセスするために開放されうる透明なドアを有するコーティング溶液筺体142も具備する。瓶および容器に連結された管およびポンプは、コーティング材料を各スプレーアイソレータ筺体116内のスプレーノズル122(図2B)に運ぶ。
【0047】
[0061]次に図11を参照すると、コントローラ500がシステム100の様々な部分と通信する。コントローラ500はコンピュータとすることができ、かつ/または、複数のマイクロプロセッサと、システム100の様々な部分を協調して動かすためのロジックの入ったプログラマブルコントローラおよびマイクロコントローラとを具備することができる。コントローラは、システム100内にシステム100の一体的な部分として局所に配置することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、システム100から離隔して配置され、複数のシステム100を制御し操作するように構成することができる。
【0048】
[0062]コントローラ500は、インバウンドコンベヤアセンブリ106およびアウトバウンドコンベヤアセンブリ110を制御し操作するように構成される。コントローラは、近接センサ470ならびにインバウンドコンベヤアセンブリ106およびアウトバウンドコンベヤセンブリ110のバーコードリーダ472からの信号を送受信するように構成される。コントローラは、ステントをシステム100の内外に移動させるために、インバウンドコンベヤアセンブリ106およびアウトバウンドコンベヤセンブリ110のコンベヤモータ460を作動させかつコンベヤモータ460に電力を供給するように構成される。図11内の破線矢印は、ステントがシステム100の各部に対して行き来する動きを示している。
【0049】
[0063]コントローラ500は、ステントをインバウンドコンベヤアセンブリ106からスピンドルサブアセンブリ114に移動させたり、スピンドルサブアセンブリからアウトバウンドコンベヤアセンブリ110に移動させたりするために、グリッパ112の移送機構510を制御し操作するように構成される。コントローラ500は、グリッパをX軸線およびY軸線に沿って移動させるために、機構のモータを作動させかつそれに電力を供給するように構成される。
【0050】
[0064]コントローラ500は、スピンドルサブアセンブリ114を制御し操作するように構成される。コントローラは、マンドレルとマンドレルに取り付けられたステントとを回転させるために、スピンドルモータ115を作動させかつそれに電力を供給するように構成される。コントローラ500は、スピンドルサブアセンブリ114を直線的に並進させるために、スプレードライアセンブリ200(図3Aおよび図3B)の種々のモータを作動させかつそれに電力を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ500は、右側対のスピンドルサブアセンブリ114bが筺体から出て行く間にまたはその後でのみ、左側対のスピンドルサブアセンブリ114aをスプレーアイソレータ筺体116の中に移動させるように構成される。
【0051】
[0065]図3Aおよび図3Bに示されているように、各対のスピンドルサブアセンブリ114(左側対114aおよび右側対114bのそれぞれ)は、Z軸線レール204上に取り付けられた支持アーム202上に取り付けられ、Z軸線レール204は、ヘリカル駆動部、歯車、ベルト、および/または他の運動伝達要素を収容することができる。Z軸線レール204上の第1の電気モータ204は、支持アーム202上の1対のスピンドルサブアセンブリ114をZ軸線方向に直線的に並進させるように構成される。このように、複数対のスピンドルサブアセンブリ114は、マンドレルおよびステントの上げ下ろしを容易にするために、後方位置から前方位置へ押されることができる。図3Aは、後方位置にあるすべてのスピンドルサブアセンブリ114を示す。後方位置は、スプレーアイソレータ筺体116の前面にある閉じた透明扉206によって形成された面の後方にある。前方位置は、閉じた透明扉206によって形成された面の前方にある。
【0052】
[0066]Z軸線レール204はX軸線レール208上に取り付けられ、X軸線レール208は、ヘリカル駆動部、歯車、ベルト、および/または他の運動伝達要素を収容することができる。X軸線レール208上の第2の電気モータ210(図3B)は、支持アーム202上の1対のスピンドルサブアセンブリ204をX軸線方向に直線的に並進させるように構成される。このように、複数対のスピンドルサブアセンブリ114は、スプレーアイソレータ筺体116に対して前後に押されたり、離れた位置から近傍位置に押されたり、離れた位置に押し戻されたりすることができる。スピンドルサブアセンブリ114上のステントは、直接支持されようとマンドレル上に支持されようと、スピンドルサブアセンブリが近傍位置にあるときにスプレーアイソレータ筺体116の内部に位置し、スピンドルサブアセンブリが離れた位置にあるときにスプレーアイソレータ筺体の外部に位置する。図3Aでは、すべてのスピンドルサブアセンブリ114(左側のスピンドルサブアセンブリ114aおよび右側のスピンドルサブアセンブリ114b)は離れた位置に示されている。動作中の多くの場合、一方の対のスピンドルサブアセンブリが近傍位置にあり、他方の対のスピンドルサブアセンブリは離れた位置にあることを理解されたい。
【0053】
[0067]離れた位置にあるとき、1対のスピンドルサブアセンブリ114は、この1対のスピンドルサブアセンブリ114に隣接する筺体側壁から離れた所定の距離のところに位置する。この離隔距離は、マンドレルおよびステントがスピンドルサブアセンブリ114と隣接する筺体側壁との間に収まるのを可能にするのに十分である。この離隔距離は乾燥領域220を部分的に画定する。
【0054】
[0068]筺体116は、左側壁212aと、左側壁と平行な右側壁212bと、頂壁214と、底壁216と、ヒンジ付き透明前扉217と、後壁218とを有する。左側壁212aおよび右側壁212bは、筺体116内部のスプレー領域を乾燥領域220から物理的に離隔する。そこには左側乾燥領域220aおよび右側乾燥領域220bがある。
【0055】
[0069]近傍位置にあるとき、1対のスピンドルサブアセンブリ114は、乾燥領域内にかつ側壁に直接隣接して位置する。いくつかの実施形態では、スピンドルサブアセンブリ114の保持要素117およびベース要素127(図4A)は側壁のアクセス開口113を挿通する。したがって、近傍位置にあるとき、スピンドルサブアセンブリ114は開口113を覆い、スプレーコーティング材料がスプレーアイソレータ筺体116から流出するのを防止する。いくつかの実施形態では、保持要素117または保持要素117の底部にあるテーパ状ベース要素127(図4A)は、スピンドルサブアセンブリ114が近傍位置にあるときにアクセス開口113を密封するサイズおよび形状を有する。この密封は、溶媒ヒュームおよび薬剤が周囲の製造環境の中へ漏れるのを防止する。
【0056】
[0070]前述したように、ステントに吹き付けられるコーティング材料は、たとえ微量でも、医療装置の製造に従事する人々に悪影響を及ぼしうる物質を含んでいる可能性がある。アイソレータ筺体116の機能は、溶媒ヒューム、薬剤、および他の化学物質が周囲の製造環境の中へ漏れるのを防止することである。システム100は複数の封じ込め機能を具備する。アイソレータ筺体116は、システム100を取り囲む周囲圧力に対して負圧に維持される。したがって、シャッタ扉254が開放されてマンドレルおよびステントがアイソレータ筺体116の中に挿入されると、ヒュームおよびエーロゾルはアイソレータ筺体の外部に漏れない。アイソレータ筺体内の負圧は、システムのコントローラ500に接続された圧力変換器によって監視される。筺体の扉117には、扉117が閉じられていることをシステムのコントローラ500にフィードバックする安全スイッチが装備されている。
【0057】
[0071]図1を参照すると、システム100の外側筺体104は、乾燥運転から生じる溶媒ヒュームを抜く排気システムに連結される。排気流の外側筺体104への接続は、システムコントローラ500に接続された流量変換器によって監視される。システム100の最上かつ中央にあるパイプ109は、外側筺体104の中から空気を抽出するように構成される。抽出される空気は、乾燥機ノズルアセンブリ350から放出されたガスと、乾燥中にステントから蒸発したヒュームと、2つのコンベヤ106、110の上方の空間を通じて吸い込まれたいくらかの周囲空気とを含む。2つのコンベヤ106、110の上方の空間は、マンドレルおよびステントが外側筺体104に出入りするのを可能にするアクセス開口部である。空気の抽出は外側筺体104の中に第2レベルの負圧を引き起こし、このことは、スプレードライプロセスから発出する大気中化学物質が周囲の製造環境の中へ漏れないようにすることをさらに確実にする。
【0058】
[0072]再び図11を参照すると、コントローラ500は、乾燥領域220内での乾燥運転を制御するように構成される。コントローラ500は、乾燥領域220内でステントを乾燥させるのに関連する様々なガスポンプ、弁、および加熱要素を作動させかつそれらに電力を供給するように構成される。図7Aに示されているように、乾燥ノズルアセンブリ350はガス管または導管352を具備しており、ガスが、コントローラ500によって作動させられかつ電力供給されるポンプによってガス管または導管352を通して強制的に送られる。ガスは、ノズルヘッド135から乾燥領域220(図3A)の中へ放出される。
【0059】
[0073]いくつかの実施形態では、ガス導管352(図7A)は加圧源からガスを運び、コントローラはガスノズルアセンブリ350の流量制御弁を作動させかつそれに電力を供給する。この弁は導管出口352と加圧源との間に位置することができる。
【0060】
[0074]導管352の出口353はガスを加熱管354の近位端に送出する。加熱管354はコントローラ500によって作動させられかつ電力供給される抵抗線コイルなどの電気加熱要素を具備する。加熱管354の反対遠位端は、ガスノズルヘッド135内の細長いプレナムチャンバに連結される。プレナムチャンバは、ガスノズルヘッド135の最上部に直線状に配置された複数のガス出口穴を有する。いくつかの実施形態では、これらの出口穴はX軸線に平行な線356上に配置される。いくつかの実施形態では、直線状配置の小さな穴から放出されたガスは、X−Y平面上のシート状流路に対応するエアナイフ効果またはエアカーテン効果を作り出す。シート状流路は、Z軸線方向に比較的狭く、X軸線方向に比較的幅の広い寸法を有する。他の実施形態では、プレナムチャンバは、X−Y平面上のシート状ガス流路に対応するエアナイフ効果またはエアカーテン効果を作り出すように、X軸線方向に向けられた主要寸法を有する長く狭いガス開口部を有する。
【0061】
[0075]いくつかの実施形態では、スピンドルサブアセンブリ114の移動経路360(図7A)は、ガス流路358と交差しかつ平行またはほぼ平行である。いくつかの実施形態では、移動経路360およびガス流路358は同じX−Y平面上にある。いくつかの実施形態では、移動経路360は線356と平行またはほぼ平行であり、ノズル出口穴は線356に沿ってガスノズルヘッド135の最上面上に配置される。
【0062】
[0076]1対のスピンドルサブアセンブリ114が近傍位置にあるとき、スピンドルアセンブリ114の後端部にある温度変換器134(図3)は、乾燥領域220内のガス流路中に位置する。これにより、コントローラ500は、温度変換器134からフィードバック信号またはデータを得てガス放出温度を所望の温度と比較し、ガス放出温度が所望の温度と一致するように加熱管354(図7A)の加熱要素への電力を調節することが可能になる。
【0063】
[0077]いくつかの実施形態では、図7Bに示されているように、線364が、支持要素262(図5C)上の1点とスピンドルサブアセンブリ114の保持要素117(図3A)とによって画定される。前述したように、支持要素262はマンドレルの遠位部を支持するように構成され、保持要素117はマンドレルの近位部を支持するように構成される。線364は、マンドレル上に支持されかつ遠位支持要素262と近位保持要素117との間に保持されうるステントの中心軸線に対応する。線364は、ガス流路358と交差しかつ平行またはほぼ平行である。いくつかの実施形態では、線364およびガス流路358は同じX−Y平面上にある。いくつかの実施形態では、線364は線356と平行またはほぼ平行であり、ノズル出口穴は線356に沿ってガスノズルヘッド135の最上面上に配置される。
【0064】
[0078]再び図11を参照すると、コントローラ500は、スプレーアイソレータ筺体116内での吹き付け操作を制御するように構成される。コントローラ500は、コーティング溶液筺体142(図10)内のコーティング材料の様々な瓶および容器に関連する様々なガスポンプおよび弁を作動させかつそれらに電力を供給するように構成される。
【0065】
[0079]コントローラ500は、スプレーノズルサブアセンブリ300の様々なモータを作動させかつそれらに電力を供給するように構成される。図6に示されているように、1対のスプレーノズル122は、剛性シャフト126の前方部分304に固定して取り付けられたブラケット302によって支持される。前方部分304は、スプレーアイソレータ筺体116の左側壁212aのアクセス開口113の上方の開口部124(図5Aおよび図5B)を貫通して延びる。シャフト126(図6)の後方部分は、X軸線レール310上に取り付けられたキャリッジ308に連結され、X軸線レール310は、ヘリカル駆動部、歯車、ベルト、および/または他の運動伝達要素を収容することができる。X軸線レール上の電気モータ312が作動すると、キャリッジ128およびノズル122は水平X軸線方向に直線的に前後に並進する。そのような並進の間、ノズル122はスプレーアイソレータ筺体116の中に留まるが、シャフト126の前方部分304の一部は開口部124の内外に移動することができる。
【0066】
[0080]1つまたは複数の流体導管314が、加圧ガス、溶媒、薬剤およびポリマーをスプレーアイソレータ筺体116内のノズル112に送出するために、キャリッジ308上にシャフト126を貫通して支持されてもよい。キャリッジ308に取り付けられた加熱管316は、ノズルが洗浄モードにあるときにノズル112に運ばれるガスを加熱するための加熱要素を具備する。洗浄モードの間、スプレー領域内にステントは存在せず、ノズルが加熱されている間に洗浄溶剤がノズルからポンプで送られる。いくつかの実施形態では、加熱ガスは、ステントがスプレーされているときにノズル112に運ばれ、コントローラ500は、吹き付けに使用されるガスを選択された温度にするために、加熱管316内の加熱要素を作動させかつそれらに電力を供給するように構成される。
【0067】
[0081]吹き付け操作の一部は、スピンドルサブアセンブリ114によって覆われていないアクセス開口113を密封することを含むことができる。前述したように、一方の対のスピンドルサブアセンブリが近傍位置にあるときに、他方の対のスピンドルサブアセンブリは離れた位置にある。例えば、左側対のスピンドルサブアセンブリ114aが近傍位置にあるときに、左側のスピンドルサブアセンブリによって支持されたステントはスプレーアイソレータ筺体114の内部に位置する。その間、右側対のスピンドルサブアセンブリ114bは遠い位置に位置し、右側のスピンドルサブアセンブリ114bによって支持されたステントは右側乾燥領域220b内のガス流路中に保持される。したがって、右側のスピンドルサブアセンブリは、右側壁212bのアクセス開口を覆うまたは封止することができない。筺体116上のシャッタ装置252は、右側壁212bのアクセス開口を覆いかつ封止するために摺動して閉じる。
【0068】
[0082]図5A〜図5Dに示されているように、各対のアクセス開口113の上方にシャッタ装置252がある。シャッタ装置252は、キャリッジ256に連結された1対のカバー254を具備する。キャリッジはトラック258上で摺動し、空気圧ピストン260に取り付けられる。空気圧ピストンに空気圧流体を選択的に送出することにより、1対のカバーが上に摺動して開口113からのアクセスが可能になり、1対のカバーが下に摺動して開口を覆い封止する。コントローラ500は、アクセス開口113を選択的に開閉するために、空気圧流体を空気圧ピストン260に供給するための装置を制御し操作するように構成される。
【0069】
[0083]各カバー254は、軸線方向に向く面上に円錐凹部264を有する支持要素262を具備する。円錐凹部264は、スピンドルサブアセンブリ114によって支持されたマンドレルの遠位端部分412(図8Aおよび図8B)を受容するように適合される。円錐凹部264は、マンドレルの遠位端部分412を所望の位置に導くとともに、マンドレルおよびステントの回転中にその位置を維持するように構成される。カバー254が下げられて開口113を覆い封止すると、支持要素262および円錐凹部264は、ステントが乾燥ガス流路358(図7Aおよび図7B)の中に保持され、かつガスノズルヘッド135のガス放出開口部と適切に位置合せされるようにするために、マンドレルおよびステントの遠位端部分412を支持する。
【0070】
[0084]スプレーアイソレータ筺体116の内側には、各対のアクセス開口113に隣接する支持要素265がある。各筺体116の内側には2つの支持要素265があるが、図3Aには1つだけ見ることができる。各支持要素265は、支持要素の軸線方向に向く面上に1対の円錐凹部を有する。各円錐凹部は、スピンドルサブアセンブリ114によって支持されたマンドレルの遠位端部分412(図8Aおよび図8B)を受容するように適合される。各支持要素265(図3A)は、スプレーアイソレータ筺体116の後側218に形成された開口部266(図5B)から後方に延びるシャフトを具備する。このシャフトは、筺体116の後方の空気圧ピストン222(図3B)に取り付けられる。空気圧ピストン222に空気圧流体を選択的に送出することにより、支持要素265(図3A)が摺動して、スピンドルサブアセンブリ114によって支持されたマンドレルの遠位端を支持するための支持位置に行き来する。コントローラ500は、支持要素265を選択的に移動させて支持位置に入れたり出したりするために、筺体116の後方の空気圧ピストン222に空気圧流体を供給するための装置を制御し操作するように構成される。支持要素265が支持位置にあるとき、支持要素265の円錐凹部は、ステントが筺体内側の吹き付け領域内に保持されかつスプレーノズル122と適切に位置合せされるようにするために、マンドレルおよびステントの遠位端を支持する。支持要素265について、以下で図12に関連してさらに説明する。
【0071】
[0085]再び図5A〜図5Dを参照すると、スプレーアイソレータ筺体116の内側には、下向きのY軸線方向の層状非乱流気流(laminar,non−turbulent air flow)の形成を容易にする1対の穴あきグリル268、270がある。出願人は、層状気流がステント上に均一なコーティングを生成するのを助けると考えている。グリル268、270は平坦であり、水平にかつ互いに平行に向けられる。スプレー領域は、2つのグリル268、270の間に位置する。上部グリル270(図5D)は空気入口130(図5B)の下方に位置する。上部グリル270の穿孔は、スプレー領域の上方に均等に分散され、流入空気流を均等に分散させるように構成されて、スプレー領域内に存在しうる任意のステントの中および周囲を空気が一様に流れるようにする。下部グリル268は空気出口132の上方に位置する。真空装置が出口132に連結されかつ筺体116の外部に位置しており、空気出口132に吸引力または負圧を与え、それによって空気を入口130に吸い込むように構成される。下部グリル268の穿孔は、サイズならびにX軸線位置およびZ軸線位置が上部グリル270の穿孔と同じである。下部グリル268の穿孔は、スプレー領域の下方に均等に分散され、吸引力を均等に分散させるように構成されて、スプレー領域内に存在しうる任意のステントの中および周囲を空気が一様に流れるようにする。いくつかの実施形態では、下部グリル268と上部グリル270の両方の穿孔は、スプレーアイソレータ筺体116内での空気の流量特性を調整するために、サイズおよび位置を変えることができる。
【0072】
[0086]いくつかの実施形態では、下部グリル268の穿孔はノズル122からオーバースプレー(overspray)を受けるよう構成される。「オーバースプレー」とは、ノズル122から放出され、スプレーアイソレータ筺体116の中に存在しうるステントにコーティングまたは付着させないコーティング材料を意味する。下部グリル268の下方には、オーバースプレーの液滴を除去するために、空気流路内に一連の旋回(a series of turns)が存在することができる。一連の旋回は、下部グリル286の下方に配置された複数の羽根によって形成することができる。
【0073】
[0087]エアフィルタ272が空気入口130に流体接続され、空気がスプレーアイソレータ筺体116内のスプレー領域に入る前に空気から特定の物質を除去するように構成される。いくつかの実施形態では、エアフィルタ272は、0.02ミクロン以上などの1ミクロン未満のサイズを有する粒子を除去するように構成される。いくつかの実施形態では、エアフィルタ272に吸い込まれる空気はシステム100を取り囲む周囲空気である。筺体116内部の温度および湿度は、周囲空気の温度および湿度を調節することによって制御することができる。いくつかの実施形態では、筺体116内部の温度および湿度は、空気入口130に流体接続された事前に温度および湿度を調整する装置によって制御される。
【0074】
[0088]いくつかの実施形態では、周囲空気の代わりに、所定のガスまたはガス混合物が筺体116にポンプで注入される、あるいは筺体116に吸い込まれてもよい。例えば、筺体内でスプレーされている薬剤が酸素によって劣化すると、窒素などの不活性ガスが筺体116を充填し下向きの層状ガス流を作り出すために使用される。
【0075】
[0089]いくつかの実施形態では、図12に示されているように、線440が、2つの対向するアクセス開口113の中心点442によって画定される。あるいは、線440は、2つの対向するスピンドルサブアセンブリ114の中心軸線上の中心点444によって画定される。
【0076】
[0090]前述したように、スピンドルサブアセンブリ114によって支持されたマンドレルおよびステントは、アクセス開口113の内外に移動する。いくつかの実施形態では、スプレードライアセンブリ200の移動機構208、210(図3B)は、スピンドルサブアセンブリ114を線440の一部分と平行にかつその中で移動させるように構成される。左側スピンドルサブアセンブリ114aは、線440の左側部分451の中で直線移動するように構成することができる。右側スピンドルサブアセンブリ114bは、線440の右側部分453の中で直線移動するように制限することができる。
【0077】
[0091]前述したように、スプレーノズルアセンブリ300の構成要素は、スプレーアイソレータ筺体116の中でノズル122を移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、スプレーノズルアセンブリ300の構成要素は、アクセス開口113を挿通する線440と平行またはほぼ平行な移動経路に沿ってノズル122を直線的に並進させるように構成される。いくつかの実施形態では、ノズル112の移動経路および線440は同じX−Y平面上にある。
【0078】
[0092]いくつかの実施形態では、図12に示されているように、ガスノズルヘッド135の乾燥ガス出口穴448は、線440と平行またはほぼ平行な線に沿って直線的に整列される。いくつかの実施形態では、ノズルの移動経路とスピンドルアセンブリの移動経路とスピンドルアセンブリの回転軸線125(図4A)と乾燥ガス出口穴448の直線配列356(図7A)とは、互いに平行またはほぼ平行である。
【0079】
[0093]図12では、2つの支持要素265がスプレーアイソレータ筺体116の中の異なる位置に示されている。前述したように、支持要素265はマンドレルおよびステントの遠位端を支持するように構成され、スピンドルサブアセンブリ114はマンドレルおよびステントの近位端を保持するように構成される。左側支持要素265aは支持位置にあり、左側支持要素265aの円錐支持面446が線440上に置かれかつ線440が中心となるようにする。左側支持要素265aの円錐支持面446は左側壁212aのアクセス開口113をふさぐ。右側支持要素265bは非支持位置にあり、右側支持要素265bの円錐支持面446が筺体の右側壁212bのアクセス開口113をふさがないようにする。したがって、右側スピンドルサブアセンブリ114bはマンドレルおよびステントを支持しているときに左側に移動することができ、その結果、マンドレルおよびステントは右側支持要素265bに接触することなくアクセス開口113を挿通することができる。
【0080】
[0094]上記の諸実施形態はステントに関連して説明してきたが、本発明はステント以外の装置に適用されうることを理解されたい。本発明が適用する医療装置には、バルーン拡張型ステント、自己拡張型ステント、移植片、ステント移植片、バルーン、カテーテル、およびそれらの構成要素が含まれるが、この限りでない。
【0081】
[0095]図13A〜図13Dは、本発明の諸実施形態による医療装置にコーティングを行う方法を示す。図13Aでは、第1の医療装置群500が、複数の隔離壁506によって境界を画された筺体504の中のスプレー領域502内に移動させられる。コーティングがスプレー領域502の中で第1の群500に塗布される。コーティングの塗布と同時に、乾燥領域の第1の領域508aの中の乾燥空気温度が測定され、乾燥空気温度は所望の温度に調節される。温度の調節は、測定済み温度と所望の温度との比較に基づいて行われる。いくつかの実施形態では、温度の調節は、フィードバック用の乾燥機ヒータアセンブリ内部の熱電対を使用して、閉ループPID(比例−積分−微分)アルゴリズムで実行される。この内部温度はステントで分かる実際の温度を表していない可能性があるので、第2の熱電対134(図3A)が、実際のステント乾燥領域内の温度を測定するとともに、温度設定値(内部乾燥機ヒータの熱電対を参照する)にオフセット値を与えるために使用される。
【0082】
[0096]次に図13Bに示されているように、第1の群500は、スプレー領域502から第1の乾燥領域508a内に移動させられる。同時にまたはその後で、第2の医療装置群509がスプレー領域502内に移動させられる。第1の乾燥領域508a内にある間にガスが第1の群500上に放出される。第1の群500を放出されたガスで乾燥させるのと同時に、スプレー領域502の中ある間にコーティングが第2の群509に塗布され、乾燥領域の第2の領域508bの中の乾燥空気温度が測定され、乾燥空気温度は所望の温度に調節される。温度の調節は、測定済み温度と所望の温度との比較に基づいて行われる。
【0083】
[0097]次に図13Cに示されているように、第2の群509は、スプレー領域502から第2の乾燥領域508b内に移動させられる。同時にまたはその後で、第1の群500はスプレー領域502内に移動して戻される。第2の乾燥領域508b内にある間にガスが第2の群509上に放出される。第2の群509を放出されたガスで乾燥させるのと同時に、スプレー領域502内にある間に第2のコーティングが第1の群500に塗布され、第1の乾燥領域508aの中の乾燥空気温度が再び測定され、必要に応じて再調節される。
【0084】
[0098]次に図13Dに示されているように、第1の群500は、スプレー領域502から移動させられ、第1の乾燥領域508a内に戻される。同時にまたはその後で、第2の医療装置群509はスプレー領域502内に移動して戻される。第1の乾燥領域508a内にある間にガスが第1の群500上に放出される。第1の群500上の第2のコーティングを乾燥させるのと同時に、スプレー領域502内にある間に第2のコーティングが第2の群509に塗布され、第2の乾燥領域508bの中の乾燥空気温度が再び測定され、必要に応じて再調節される。ステントの上げ下ろしについては、プロセスが個々に行われる。一度に1つのステントがコンベヤから持ち上げられ、8つの位置のうちの1つに置かれてスプレーされる。吹き付けのために置かれているステントのそばにあるステントは(そこに既に1つある場合)、そのステントと共に移動するだけであり、次いで戻って所望の数のコートを終える。ステント吹き付けの開始と停止を互い違いにするかまたはずらすことにより、各ステントがコンベヤ上で機械に出入りする時間間隔がより一貫することになる。これは、上流および下流の手動操作が一貫した定常プロセス速度を維持するのに役立つ。
【0085】
[0099]任意の数の医療装置が第1の群500および第2の群509を形成できることが考えられるが、図13A〜図13Dには1群当たり2つの医療装置しか示されていない。例えば、各群はただ1つの医療装置または少なくとも3つの医療装置を有することができる。2つの群の移動経路を様々な方法で方向付けることができることも考えられる。図13Dに示されているように、第1の群500および第2の群509は、互いに平行でありかつ互いに対して180度の角度「A」で方向付けられた移動経路507を有する。他の実施形態では、角度「A」は、4つの医療装置群が同じ筺体504を使用して順次処理されることが可能となるように、90度とすることができる。この場合、スプレーノズルはアイソレータの中央で静止することができ、ステントはノズルの下方で移動してコーティングされる。
【0086】
[00100]任意の数の筺体504が同時に様々なスプレー剤に対して使用されうることも考えられる。1つの筺体504なら、コートをほとんど必要としないステントをスプレーすることができ、他の2つの筺体なら、より遅いプロセス、したがって吹き付けプロセスのステップにバランスする時間を有するステントをスプレーすることができる。このように、複数の筺体を収容している1つの機械ならステント上に複数の異なるコートを置くことができ、最後に完成したコーティング済みステントが現れる。
【0087】
[00101]本発明の複数の特定の形態について例示し説明してきたが、様々な修正が本発明の範囲から逸脱することなくなされうることも明らかであろう。開示された諸実施形態の特定の特徴および態様の様々な組合せまたは部分的組合せが、本発明の様々なモードを形成するために、互いに組み合わされうるかまたは置き換えられうることも考えられる。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されるものではない。
【技術分野】
【0001】
[0001]簡略かつ概略的にいえば、本発明は、医療装置にコーティングを行う技術に関し、より詳細には、ステントにコーティングを行うシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]経皮経管冠動脈形成術(PTCA)では、バルーンカテーテルが上腕動脈または大腿動脈を通じて挿入され、冠動脈閉塞を横切って配置され、膨らまされてアテローム性動脈硬化プラークに対して圧縮し、それによって再形成により冠動脈の管腔を広げる。次いで、バルーンはしぼまされ引き抜かれる。PTCAに関連する問題としては、内膜フラップまたは破れた動脈内面の形成があり、そのどちらも冠動脈の管腔の中に別の閉塞を引き起こす可能性がある。さらに、血栓症および再狭窄が手術の数カ月後に起こり、追加の血管形成術または外科的バイパス手術が必要となる可能性がある。これらの問題に対処するためにステントが使用される。ステントは小型で複雑な植込み型医療装置(implantable medical devices)であり、一般に、閉塞を低減し、血栓症および再狭窄を抑制し、かつ血管腔、例えば冠動脈の管腔などの中の開存性を維持するために、患者の中に植え込まれたままにされる。
【0003】
[0003]ステントを用いた患部または病変部の治療にはステントの送出と展開の両方を伴う。ステントの送出は、ステントを解剖学的管腔から導入し、血管内の病変部などの所望の治療部位に運ぶことを意味する。解剖学的管腔は、任意の腔、導管、あるいは血管、尿路、胆管などの管状臓器とすることができる。ステントの展開は、治療を要する領域にある解剖学的管腔内でステントを拡張することに相当する。ステントの送出および展開は、ステントをカテーテルの一方の端部の周囲に配置し、カテーテルの端部を皮膚から解剖学的管腔内に挿入し、カテーテルを解剖学的管腔内で所望の治療位置まで前進させ、治療位置でステントを拡張し、そしてカテーテルを管腔から取り除いて治療位置にステントを残すことによって実現される。
【0004】
[0004]バルーン拡張型ステント(balloon expandable stent)の場合、ステントは、カテーテル上に配置されたバルーンの周囲に取り付けられる。ステントを取り付けるには、一般には解剖学的管腔内に挿入する前にステントをバルーン上に圧縮または圧着する必要がある。管腔内の治療部位において、ステントはバルーンを膨らませることによって拡張される。次いで、バルーンをしぼませ、カテーテルをステントおよび管腔から引き抜き、ステントを治療部位に残すことができる。自己拡張型ステントの場合、ステントは伸縮自在のシースによってカテーテルに固着させることができる。ステントが治療部位にあるとき、シースは引き抜くことができ、それによってステントは自己拡張することが可能になる。
【0005】
[0005]ステントは、さらに血栓症および再狭窄に対処するために、薬剤送出能力を与えるようにしばしば改変される。ステントは、薬剤または治療剤で含浸されたポリマー担体でコーティングすることができる。従来のコーティング方法は、溶媒と溶媒中に溶解されたポリマーと混合物中に分散された治療剤とを含む組成物を、その組成物中にステントを浸すかまたはその組成物をステントに吹き付けることにより、ステントに塗布することを含む。溶媒は蒸発して、ステントストラット表面上にポリマーとポリマーに含浸された治療剤とでなるコーティングを残すことが可能になる。
【0006】
[0006]冠動脈および末梢動脈用の特定のステントなどの小型で複雑な医療装置の場合、基板に均一なコーティングを優れた接着性で塗布することは困難となりうる。この種のステントは極めて小型となることがあり、典型的には、全径がほんの数ミリメートルであり、全長が数ミリメートルである。また、この種のステントは、ステントが植え込まれる解剖学的管腔の壁を支持または押圧する薄いストラットの細かい網目またはメッシュの形をとることが多い。
【0007】
[0007]例えば、図14は、中空で管状の全体的な本体形状を有するステント10の上部を示す。ステントは、空隙の有無にかかわらず、ワイヤ、繊維、コイル状シート、または足場リングネットワーク(scaffolding network of rings)で作ることができる。ステントは、正弦ストラット構成や蛇行ストラット構成などの任意の特定の幾何学的構成を有することができ、図14に示されているものに限定されるべきでない。ステントパターンの変化は実質的に無制限である。ステントはバルーン拡張型または自己拡張型とすることができ、そのどちらも当技術分野で周知である。
【0008】
[0008]図14および図15は、2つの異なるステントパターンを有するステントを示す。これらのステントは非圧着状態または拡張状態で示されている。図14および図15ではともに、ステント10は、空隙16によって互いに隔てられた多くの相互連結するストラット12、14を含む。ストラット12、14は、生体適合性金属またはポリマーなどの任意の適当な材料で作ることができる。ポリマーは生体吸収性ポリマーでもよい。ステント10は、遠位端22および近位端24と称される両端から測定される長手方向の全長40を有する。ステント10は、ステントの長手方向全長を通り抜ける中央通路17を有する管形状の本体全体50を有する。中央通路は2つの円形開口部を有し、管状本体全体50の遠位端22および近位端24にそれぞれ1つの円形開口部がある。中心軸線18は、管状本体50の中心にある中央通路を走る。ストラット12のうちの少なくともいくつかは、中心軸線18を取り囲む正弦または蛇行リング構造20を形成するように直列に配置される。
【0009】
[0009]図16は、図15におけるステント10の線16−16に沿った例示的断面図である。ステント10の中心軸線18に対して垂直に走る線16−16に沿って多数のストラット12、14が存在することができる。図16では、説明を簡単にするために7つのストラット12、14の断面が示されている。断面でのストラット12、14は、外径26および内径28を有する円形パターンで配置される。円形パターンは中心軸線18を取り囲む。各ストラットの表面の一部は、中心軸線18に面する方向30に半径方向内方に向いている。各ストラットの表面の一部は、中心軸線18から見て外方に向く方向32に半径方向外方に向いている。半径方向外方に向いている様々なストラット表面は、ステント10の外側表面34を集合的に形成する。半径方向内方に向いている様々なストラット表面は、ステント10の内側表面36を集合的に形成する。
【0010】
[0010]「軸線方向の(axial)」および「長手方向の(longitudinal)」という用語は区別なく同義的に用いられ、ステントの中心軸線または円筒構造の中心軸線と平行またはほぼ平行な線または方向に関係する。「円周方向の(circumferential)」という用語は、ステントまたは円形構造の円周に沿った方向に関係する。「半径方向の(radial)」および「半径方向に(radially)」という用語は、ステントの中心軸線または円筒構造の中心軸線に対して垂直またはほぼ垂直な線または方向に関係する。
【0011】
[0011]薄いストラットネットワークのコーティングは、ストラットが交わるコーティング材料のプーリングもしくはウェビング、不均一なコーティングの厚みおよび分布、層間剥離、汚染の原因となることが多い。多くのスプレーコーティングシステムは、部分的にはスプレーおよび乾燥環境の制御が不十分なために、非効率的であり、高い頻度でコーティング欠陥を引き起こす。
【0012】
[0012]コーティングプロセスは、プライマー層、薬剤運搬貯蔵層(drug carrying reservoir layer)、およびトップコートもしくは薬剤拡散バリヤとして別々に塗布される複数のコーティング材料の塗布を必要とすることである。各コーティング層は、溶媒、ポリマーおよび薬剤の混合物を形成するために、複数の化合物の使用を伴うことができる。また、コーティングプロセスは、各コーティング層に対して所望の厚みを形成するために、複数のスプレーと乾燥のサイクルを含むことがある。したがって、各サイクルの間にコーティングサイクルとコーティング材料のタイプまたはバッチとを追跡するのは困難となりうる。そのような細部を追跡し記録することは品質および規制管理(quality and regulatory control)に重要である。ステント上の薬剤の量または各コーティングの所望の特性はコーティングの厚みおよび重量に正比例するので、各ステントの一意の識別情報は、そのステントが製造ラインを下方へ進むにつれて追跡されなければならない。正確な追跡を確実にするために、多くのシステムおよび方法には、スプレーコーティング機が1つのステントを一度に処理するワンピースフロー製造モデルを必要とするが、ワンピースフロー製造モデルには、コート間の乾燥に時間を要するためにかつ各ステント上に複数のコートを必要とするために、非効率的でありかつ時間がかかる可能性がある。製造業生産高を増大させるアプローチは、マルチピースフロー製造スキームと同じように、複数のスプレーコーティング機を並行して使用することである。このアプローチの欠点は、このアプローチが信頼性の高い方法でステントの識別情報を管理し、したがって、ステントが追跡識別情報の喪失のせいで時折ごちゃごちゃなるにことを許容しうるワンピースフロー製造スキームから逸脱していることである。追跡識別情報の喪失により、ステント、さらにはステントの生産ロット全体が破棄されて無駄になる。
【0013】
[0013]薬剤溶出ステントなどの薬剤コーティング済み医療装置を製造する別の困難さは、製造プロセスで使用される薬剤、溶媒、および他の物質が製造機器の人間オペレータの健康に危険を及ぼしうることである。場合によっては、薬剤は、正常な臭覚または視力では目立たないごく少量でも重要な影響を及ぼしうる免疫抑制剤であることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
[0014]したがって、効率的であり、信頼性があり、かつ製造プロセスに従事する人々の健康および安全に配慮した、医療装置にコーティングを行うシステムおよび方法が継続的に必要性とされる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
[0015]簡単かつ概略的にいえば、本発明は、医療装置にコーティングを行うシステムおよび方法を対象とする。本発明のいくつかの態様では、医療装置にコーティングを行うシステムおよび方法は、交代する医療装置群にスプレーをかけ乾燥させる必要がある。
【0016】
[0016]本発明の諸態様では、医療装置にコーティングを行うシステムが、第1の医療装置を受容する寸法となされた第1の開口と第2の医療装置を受容する寸法となされた第2の開口とを有する筺体を備える。このシステムは、筺体の内部に配置されたコーティングディスペンサ(coating dispenser:コーティング材料放出装置)と、第1の医療装置または第1の医療装置キャリア(医療装置支持体)を支持するように構成された第1の装置と、第2の医療装置または第2の医療装置キャリアを支持するように構成された第2の装置と、筺体の外部に配置された第1の機器であって、第1の装置を第1の開口に向かって移動させたり第1の開口から離れる向きに移動させたりするように構成された第1の機器と、筺体の外部に配置された第2の機器であって、第1の装置を第1の開口に向かって移動させたり前記第1の開口から離れる向きに移動させたりするのとは無関係に、第2の装置を第2の開口に向かって移動させたり第2の開口から離れる向きに移動させたりするように構成された第2の機器と、をさらに備える。詳細な態様では、第1の装置および第2の装置は筺体の両側に配置される。
【0017】
[0017]本発明の他の態様では、医療装置にコーティングを行うシステムが、医療装置を受容する寸法となされた第1の開口を有するチャンバと、チャンバの内部のコーティングディスペンサと、チャンバの外部のガス流路に沿ってガスを放出するように構成されたガスディスペンサ(ガス放出装置)と、医療装置の近位部または医療装置キャリアの近位部を支持するように構成された近位支持要素と、近位支持要素をガス流路と交差する移動経路に沿ってチャンバに向かって移動させるように構成された機器と、を備える。他の態様では、このシステムは温度センサをさらに備え、機器は温度センサをガス流路と交差するセンサ移動経路に沿って移動させるように構成される。
【0018】
[0018]本発明の他の態様では、医療装置にコーティングを行うシステムが、医療装置を受容する寸法となされたアクセス開口を具備する、スプレー領域と乾燥領域を隔てる隔離壁を備える。このシステムは、スプレー領域内でコーティング材料を放出するように構成されたコーティングディスペンサと、乾燥領域内でガスを放出するように構成されたガスディスペンサと、医療装置または医療装置キャリアを保持するように構成された支持要素を具備する支持装置と、コーティングディスペンサをスプレー領域内で移動させかつ支持装置を乾燥領域内で移動させるように構成されたアセンブリと、を備える。詳細な態様では、このアセンブリは、コーティングディスペンサを第1の移動経路内で移動させ、かつ支持装置を第1の移動経路と平行またはほぼ平行な第2の移動経路内で移動させるように構成される。
【0019】
[0019]本発明の他の態様では、医療装置にコーティングを行うシステムが少なくとも1つのスプレードライ機器を備える。各スプレードライ機器は、それぞれが医療装置を受容する寸法となされた少なくとも2つのアクセス開口を具備するスプレー筺体を備える。各スプレードライ機器は少なくとも2つの保持装置をさらに備え、1つの保持装置がアクセス開口のそれぞれに関連しており、各保持装置は医療装置または医療装置キャリアを保持するように構成される。各スプレードライ機器は、スプレー筺体の内部のコーティングディスペンサと、ガスを放出するように構成された、スプレー筺体の外部のガスディスペンサと、コーティングディスペンサを移動させかつ各保持装置を移動させるように構成されたアセンブリと、をさらに具備する。
【0020】
[0020]詳細な態様では、このシステムは、少なくとも1つのスプレードライ機器を収容する外側筺体をさらに備える。このシステムは、医療装置または医療装置キャリアを支持しかつ外側筺体の外部から外側筺体の内部に移動させるように構成された、外側筺体の外部から外側筺体の中に延びる第1の移送機器をさらに備える。このシステムは、医療装置または医療装置キャリアを支持しかつ外側筺体の内部から外側筺体の外部に移動させるように構成された、外側筺体の内部から外側筺体の外に延びる第2の移送機器をさらに備える。このシステムは外側筺体の内部に第3の移送機器をさらに備え、第3の移送機器はグリッパおよび機構を具備し、グリッパは医療装置または医療装置キャリアと係合するように構成され、機構はグリッパを第1の位置から第2の位置に移動させたり第2の位置から第3の位置に移動させたりするように構成され、第1の位置は第1の移送機器に隣接し、第2の位置は保持装置のうちのいずれか1つに隣接し、第3の位置は第2の移送装置に隣接する。
【0021】
[0021]本発明のいくつかの態様では、医療装置にコーティングを行う方法が、第1の医療装置をスプレー領域内に移動させること、スプレー領域内で第1の医療装置上にコーティングを施すこと、第1の医療装置がコーティングされた後で、第1の医療装置をスプレー領域から乾燥領域に移動させること、第1の医療装置を前記乾燥領域に移動させる間にまたはその後で、第2の医療装置をスプレー領域内に移動させること、乾燥領域内で第1の医療装置上にガスを放出すること、ならびに、乾燥領域内で第1の医療装置上にガスを放出する間に、スプレー領域内で第2の医療装置上にコーティングを施すこと、を含む。詳細な態様では、第1の医療装置をスプレー領域から乾燥領域に移動させる方法は、第1の医療装置を、スプレー領域を乾燥領域から隔てる壁に形成された開口を通って移動させることを含む。
【0022】
[0022]本発明の特徴および利点は、添付の図面に関連して読まれるべき以下の詳細な説明からより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】透明な筺体と、筺体を挿通するコンベヤアセンブリと、透明な筺体内のスプレーアイソレータ筐体と、ステントを回しかつそのステントをアイソレータ筺体の内外に移動させるためのスピンドルアセンブリと、コーティング溶液筺体とを示す、医療装置にコーティングを行うシステムの斜視図である。
【図2】スプレーアイソレータ筐体およびスピンドルアセンブリを示す、図1のシステムの部分詳細図である。
【図3A】図2のスプレーアイソレータ筐体およびスピンドルアセンブリと、スピンドルアセンブリをアイソレータ筺体の内外に移動させるための装置とを示す、スプレードライアセンブリの前方からの斜視図である。
【図3B】図2のスプレーアイソレータ筐体およびスピンドルアセンブリと、スピンドルアセンブリをアイソレータ筺体の内外に移動させるための装置とを示す、スプレードライアセンブリの後方からの斜視図である。
【図4A】組立状態のスピンドルアセンブリを示す、図2のスピンドルアセンブリの斜視図である。
【図4B】分解状態のスピンドルアセンブリを示す、図2のスピンドルアセンブリの斜視図である。
【図5A】左前方から見た、図2の筺体を具備するスプレー筺体サブアセンブリの斜視図である。
【図5B】左後方から見た、図2の筺体を具備するスプレー筺体サブアセンブリの斜視図である。
【図5C】右前方から見た、図2の筺体を具備するスプレー筺体サブアセンブリの斜視図である。
【図5D】図2の筺体を具備するスプレー筺体サブアセンブリの部分分解斜視図である。
【図6】スプレーコーティングノズルと、スプレーコーティングノズルを図2のスプレーアイソレータ筺体内で直線的に並進させるための装置とを示す、スプレーノズルサブアセンブリの斜視図である。
【図7A】図2のスプレーアイソレータ筺体の外部でガスを放出するためのノズルを示す、乾燥器ノズルサブアセンブリの斜視図である。
【図7B】図2のスプレーアイソレータ筺体の外部でガスを放出するためのノズルを示す、乾燥器ノズルサブアセンブリの斜視図である。
【図8A】医療装置キャリアの斜視図である。
【図8B】キャリア上に支持されたステントの斜視図である。
【図9】図8Aおよび図8Bの医療装置キャリア用のホルダを示す、図1のコンベヤアセンブリのうちの1つの斜視図である。
【図10】コーティング溶液の容器と、ポンプと、容器およびポンプを連結する流体導管とを示す、図1のコーティング溶液筺体の斜視図である。
【図11】図1のシステムのブロック図である。
【図12】図3Aのスプレードライアセンブリの模式的平面図である。
【図13A】医療装置群をコーティングし乾燥させる方法の概略図である。
【図13B】医療装置群をコーティングし乾燥させる方法の概略図である。
【図13C】医療装置群をコーティングし乾燥させる方法の概略図である。
【図13D】医療装置群をコーティングし乾燥させる方法の概略図である。
【図14】ステントの一部の斜視図である。
【図15】ステントの斜視図である。
【図16】ステントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0038]ここで本発明の諸実施形態を説明するための例示的な図面をより詳細に参照すると、類似の参照番号は複数の図の間で対応する要素または同様の要素を示し、図1には、医療装置を移送し、スプレーをかけ、そして乾燥させるための制御された製造環境を提供するステントコーティングシステム100が示されている。
【0025】
[0039]使用時に、人が透明な遮蔽筺体104の外側の位置102に立ち、コーティングされるべきステントをインバウンドコンベヤアセンブリ(inbound conveyor assembly)106上に置く。別の人が遮蔽筺体104の外側の位置108に立ち、コーティング済みステントをアウトバウンドコンベヤアセンブリ(outbound conveyor assembly)110から取り除く。ステントに直接手を触れることはない。各ステントは、本明細書では「マンドレル」と称される別個の支持装置上に個々に支持され、コーティングプロセス中にマンドレルを直接操作することにより点から点へ互いに独立して動かすことができる。マンドレルは、ステントを垂直方向および水平方向に保持するように構成される。マンドレルは様々な形をとることができ、ステントの内面、外面、またはその両方と接触することができる。
【0026】
[0040]インバウンドコンベヤアセンブリ106は、マンドレルをステントと共に、遮蔽筺体の外部の位置から遮蔽筺体104の小開口部を通って遮蔽筺体の内部の位置へ移動させる。内部にあるとき、ステントを有するマンドレルは、ロボット機構のグリッパ112によってインバウンドコンベヤアセンブリ106からスピンドルサブアセンブリ114へ自動的に移される。ロボット機構は垂直レールおよび水平レールを具備しており、グリッパ112がY軸線方向に垂直に(上下に)かつX軸線方向に水平に(左右に)並進するのを可能にするために、ヘリカル駆動部、歯車、ベルト、および/またはモータをさらに具備することができる。グリッパ112は、関節部材がマンドレルの一部をつまむかまたは締め付けたりマンドレルを解放したりすることを可能にするために、互いに相対的に移動するように構成された1対の関節部材を具備することができる。
【0027】
[0041]種々の図において、図示されているX軸線とY軸線とZ軸線とは直交する。X軸線の方向は水平または実質的に水平である。Y軸線の方向は鉛直であり、X軸線に対して垂直である。Z軸線の方向は水平または実質的に水平である。Z軸線の方向は、X軸線およびY軸線によって形成されたX−Y平面に対して垂直である。
【0028】
[0042]図3Aおよび図3Bはスプレードライアセンブリ200の種々の図を示し、スプレードライアセンブリ200の各部について以下でより詳細に説明する。各スプレードライアセンブリは、スプレーコーティング材料がスプレーアイソレータ筺体外部の領域に漏れるのを防止するように構成されたスプレーアイソレータ筺体116を具備する。例示した図1および図2の実施形態では、システム100は2つのスプレードライアセンブリ200を具備する。任意の数のスプレードライアセンブリ200が一緒に実装されうることが理解されよう。
【0029】
[0043]図1、図2B、図3Aおよび図3Bを参照すると、各スプレードライアセンブリ200は4つのスピンドルサブアセンブリ114を具備する。スプレーアイソレータ筺体116は、筺体の左側に左側対のスピンドルサブアセンブリ114aを有し、筺体の右側に右側対のスピンドルサブアセンブリ114bを有する。左側スピンドル114aアセンブリにステントが装填された後、スピンドルサブアセンブリはステントをスプレーアイソレータ筺体内で摺動させ、そこでステントは1対のスプレーノズル122を有するコーティングディスペンサによってコーティングされる。ステントは、筺体116の側壁を貫通して形成されたアクセス開口113を挿通する。ステントが筺体116の内部でスプレーコーティングされる間、スピンドルサブアセンブリ114は、ステントを個々のステント中心軸線を中心に軸線方向に回転させる。
【0030】
[0044]図4Aおよび図4Bは各スピンドルサブアセンブリ114の細部を示しており、各スピンドルサブアセンブリ114は、軸受と、連結器と、マンドレルを保持するように構成された保持要素117を回転させる電気モータ115とを具備する。保持要素117は、マンドレルの一部を受容する開口119を具備する。開口119の中の磁石121は、マンドレルが保持要素117から離れる向きに不注意に滑らないようにするとともに、マンドレルが保持要素と共に回転するようにする。保持要素117および磁石121は、マンドレルを保持する保持装置として機能する。モータ115が作動すると、保持要素117は回転軸線125を中心に円周方向123に回転する。いくつかの実施形態では、ステントの中心軸線は回転軸線125と同軸である。
【0031】
[0045]図5A〜図5Dは、各スプレードライアセンブリ200の一部を形成するスプレー筺体サブアセンブリ250の種々の図である。図6は、各スプレードライアセンブリ200の一部を形成するスプレーノズルサブアセンブリ300を示す。図7Aは乾燥機ノズルサブアセンブリ(dryer nozzle subassembly)350を示し、各スプレードライアセンブリ200には4つの乾燥機ノズルサブアセンブリがある。
【0032】
[0046]図5Aおよび図5Bに示されているように、各スプレーアイソレータ筺体116の上部に側面開口部124があり、シャフト126(図6)が側面開口部124を通って摺動し出たり入ったりする。図6に示されているように、シャフト126の一端は、スプレーアイソレータ筺体116の内部に存在することができる1対のステント上にコーティング材料を放出する1対のスプレーノズル122を支持する。シャフト126の他端は、スプレーアイソレータ筺体の外部に位置する機構128に取り付けられる。機構128はシャフト126を直線的に並進させ、それによって、1対のスプレーノズル122をスプレーアイソレータ筺体116の内部でステントの全長全体にわたって移動させる。
【0033】
[0047]スプレーアイソレータ筺体116は、ろ過された空気をスプレーアイソレータ筺体の上部に位置する入口130(図6)に吸い込む真空システムに連結される。筺体の下部126にある出口132(図5B)は、コーティング材料からの空気およびヒュームをスプレーアイソレータ筺体116から吸い出す。
【0034】
[0048]ステントがスプレーアイソレータ筺体116の内部でスプレーされている間、左側スピンドルサブアセンブリ114aのそれぞれにある温度変換器134(図3A)は、スプレーアイソレータ筺体116の左側にありかつ左側スピンドルサブアセンブリ114aの下方に位置する1対の乾燥機ノズル135から出てくる空気乾燥温度を測定する。空気乾燥温度は、温度変換器134からの読取値に基づいて必要に応じて調節される。ステントがスプレーされた後、左側スピンドルサブアセンブリ114aはステントをスプレーアイソレータ筺体116から左側乾燥機ノズル135aの上方の位置に摺動させ、左側乾燥機ノズル135aはステントを乾燥させる。スピンドルサブアセンブリ114aはステントを軸方向に回転させ、ステントを乾燥させる。
【0035】
[0049]ステントが乾燥させられている間、右側スピンドルサブアセンブリ114bは、別の対のステント(右側ステント)を摺動させてスプレーアイソレータ筺体116の中に入れる。右側ステントがスプレーアイソレータ筺体116の中でスプレーされる間、左側ステントは外部で乾燥させられている。また、各右側スピンドルサブアセンブリ114b上の変換器134は、スプレーアイソレータ筺体116の右側にありかつ右側スピンドルサブアセンブリ114bの下方にある1対の乾燥機ノズル135から出てくる空気乾燥温度を測定する。空気乾燥温度は、変換器134からの読取値に基づいて必要に応じて調節される。右側ステントがスプレーされた後、右側スピンドルサブアセンブリ114bは右側ステントをスプレーアイソレータ筺体116から右側乾燥機ノズル135bの上方の位置に摺動させ、右側乾燥機ノズル135bはステントを乾燥させる。
【0036】
[0050]右側ステントが乾燥させられている間に、左側ステントはスプレーアイソレータ筺体116の中に戻される。スプレーし乾燥させるプロセスは、所望の厚みまたは所望の薬剤量を有するコーティングを形成するのに必要となりうる任意の回数繰り返される。
【0037】
[0051]ステントが所望のコーティングを有すると、ステントを支持するマンドレルはグリッパ112によってスピンドルサブアセンブリ114から取り除かれ、アウトバウンドコンベヤアセンブリ110上に置かれ、そこでマンドレルは遮蔽筺体104から外へ移される。
【0038】
[0052]上述のプロセスは遮蔽筺体104の内部でスプレーアイソレータ筺体116のそれぞれに対して実行され、それによって最大で8つのステントが遮蔽筺体の内部でどの時点でも互い違いに処理されることが可能になる。
【0039】
[0053]図8Aおよび図8Bは、ステント10を支持するためのマンドレル400を示す。マンドレルは、ロッド402とロッド402上の2つの末端部404とを具備する。末端部404は、ロッドを受容する寸法となされた貫通孔406を有する。各末端部404は、ステント10の両端と係合するように構成されたテーパ状の円錐面408を有する。円錐面408は、ロッド402の中央の方に面し、互いに向き合っている。末端部404の少なくとも一方は、ロッド402から滑り落ちてステント10がロッドの上および周囲に取り付けられることを可能にするように構成される。ロッド402は、ステントの内面と接触することなくステントの中央通路を挿通する。ロッド402の近位端には突起部410がある。突起部410は、スピンドルサブアセンブリ114の開口119(図4A)内に収まるように構成される。ロッドは、スピンドルサブアセンブリ114の磁石121に吸引される磁性材料を具備する。
【0040】
[0054]図示の実施形態では、スピンドルサブアセンブリは、マンドレルまたは他の医療装置キャリアを支持しかつ保持するように構成される。他の実施形態では、スピンドルサブアセンブリは、医療装置を直接的に支持しかつ保持するように構成される。例えば、スピンドルサブアセンブリは、ステントの中央通路を通ってはまり、それによってステントをステントの内面によって支持する寸法となされた細長い部材を具備することができる。
【0041】
[0055]図9はインバウンドコンベヤアセンブリ106を示す。2つのローラ450がベースプレート452の両端部上に取り付けられる。連続ベルト454がローラによって引っ張られた状態に保たれる。ローラの一方は、ドライバローラ450aと称され、ベースプレート452の下にある電気モータ460に連結される。電気モータ460は、ローラの中心軸線462を中心にドライバローラ450aを回転させる。ローラ450上の突出歯要素456がベルト454に形成された孔458を貫通して延びていて、ローラ450の回転464がベルト454の動き466を引き起こすようにする。円筒形マンドレルホルダ468がベルト454上に取り付けられ、ベルト上に互いに等間隔に配置される。各マンドレルホルダ468は、孔が形成された最上面を具備する。この孔は、マンドレル400の突起部410(図8Aおよび図8B)を受容する寸法となされる。
【0042】
[0056]インバウンドコンベヤアセンブリ106は近接センサ470を具備する。このセンサ470は、マンドレルの存在を検出するように構成された光電変換器を具備する。このセンサ470は、グリッパ112(図1)のロボット機構に対して定位置に保持される。このセンサ470により、マイクロプロセッサベースのコントローラは、マンドレルがグリッパ112によって持ち上げられていること、および、マンドレルホルダ468がグリッパ領域から離れる向きに移動するときにマンドレルホルダ468が空であることを確認することができる。
【0043】
[0057]バーコードリーダ472が、ベルト454を部分的に取り囲むガイド部材474に取り付けられる。バーコードリーダ472は、マンドレル400上のバーコード412(図8B)を読み取るように構成された赤外線エミッタおよび赤外線センサを具備する。バーコード412は、マンドレル上の特定のステント10を一意に識別するように適合することができる。バーコードリーダ472により、バーコードリーダと通信するマイクロプロセッサベースのコントローラは、システム100に入るステントを追跡すること、ならびに、ステントに塗布された特定のコーティング材料と、ステントが受容しているコーティング層の数と、他の処理パラメータとを追跡し記録することが可能になる。
【0044】
[0058]いくつかの実施形態では、アウトバウンドコンベヤアセンブリ110は、図9に示されているインバウンドコンベヤアセンブリ106と構造的に同じである。他の実施形態では、アウトバウンドコンベヤアセンブリ110は、インバウンドコンベヤアセンブリ106の鏡像として組み立てられる。
【0045】
[0059]再び図1を参照すると、システム100は、コーティングプロセスに関する情報を表示するためのディスプレイモニタ140を具備する。情報は、遮蔽筺体104内のステントの識別、遮蔽筺体104内の特定のステントに対するコーティング進捗、特定のスピンドルサブアセンブリ上での特定のステントの位置、特定のステントが乾燥させられているのかそれともスプレーコーティングされているのか、ならびに、タイプおよびバッチに関するスプレーコーティング材料の識別を制限なく含むことができる。
【0046】
[0060]図1および図10に示されているように、システム100は、コーティングに使用される溶媒、ポリマー、薬剤、および他の物質を保持することができる、様々な瓶および容器にアクセスするために開放されうる透明なドアを有するコーティング溶液筺体142も具備する。瓶および容器に連結された管およびポンプは、コーティング材料を各スプレーアイソレータ筺体116内のスプレーノズル122(図2B)に運ぶ。
【0047】
[0061]次に図11を参照すると、コントローラ500がシステム100の様々な部分と通信する。コントローラ500はコンピュータとすることができ、かつ/または、複数のマイクロプロセッサと、システム100の様々な部分を協調して動かすためのロジックの入ったプログラマブルコントローラおよびマイクロコントローラとを具備することができる。コントローラは、システム100内にシステム100の一体的な部分として局所に配置することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、システム100から離隔して配置され、複数のシステム100を制御し操作するように構成することができる。
【0048】
[0062]コントローラ500は、インバウンドコンベヤアセンブリ106およびアウトバウンドコンベヤアセンブリ110を制御し操作するように構成される。コントローラは、近接センサ470ならびにインバウンドコンベヤアセンブリ106およびアウトバウンドコンベヤセンブリ110のバーコードリーダ472からの信号を送受信するように構成される。コントローラは、ステントをシステム100の内外に移動させるために、インバウンドコンベヤアセンブリ106およびアウトバウンドコンベヤセンブリ110のコンベヤモータ460を作動させかつコンベヤモータ460に電力を供給するように構成される。図11内の破線矢印は、ステントがシステム100の各部に対して行き来する動きを示している。
【0049】
[0063]コントローラ500は、ステントをインバウンドコンベヤアセンブリ106からスピンドルサブアセンブリ114に移動させたり、スピンドルサブアセンブリからアウトバウンドコンベヤアセンブリ110に移動させたりするために、グリッパ112の移送機構510を制御し操作するように構成される。コントローラ500は、グリッパをX軸線およびY軸線に沿って移動させるために、機構のモータを作動させかつそれに電力を供給するように構成される。
【0050】
[0064]コントローラ500は、スピンドルサブアセンブリ114を制御し操作するように構成される。コントローラは、マンドレルとマンドレルに取り付けられたステントとを回転させるために、スピンドルモータ115を作動させかつそれに電力を供給するように構成される。コントローラ500は、スピンドルサブアセンブリ114を直線的に並進させるために、スプレードライアセンブリ200(図3Aおよび図3B)の種々のモータを作動させかつそれに電力を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ500は、右側対のスピンドルサブアセンブリ114bが筺体から出て行く間にまたはその後でのみ、左側対のスピンドルサブアセンブリ114aをスプレーアイソレータ筺体116の中に移動させるように構成される。
【0051】
[0065]図3Aおよび図3Bに示されているように、各対のスピンドルサブアセンブリ114(左側対114aおよび右側対114bのそれぞれ)は、Z軸線レール204上に取り付けられた支持アーム202上に取り付けられ、Z軸線レール204は、ヘリカル駆動部、歯車、ベルト、および/または他の運動伝達要素を収容することができる。Z軸線レール204上の第1の電気モータ204は、支持アーム202上の1対のスピンドルサブアセンブリ114をZ軸線方向に直線的に並進させるように構成される。このように、複数対のスピンドルサブアセンブリ114は、マンドレルおよびステントの上げ下ろしを容易にするために、後方位置から前方位置へ押されることができる。図3Aは、後方位置にあるすべてのスピンドルサブアセンブリ114を示す。後方位置は、スプレーアイソレータ筺体116の前面にある閉じた透明扉206によって形成された面の後方にある。前方位置は、閉じた透明扉206によって形成された面の前方にある。
【0052】
[0066]Z軸線レール204はX軸線レール208上に取り付けられ、X軸線レール208は、ヘリカル駆動部、歯車、ベルト、および/または他の運動伝達要素を収容することができる。X軸線レール208上の第2の電気モータ210(図3B)は、支持アーム202上の1対のスピンドルサブアセンブリ204をX軸線方向に直線的に並進させるように構成される。このように、複数対のスピンドルサブアセンブリ114は、スプレーアイソレータ筺体116に対して前後に押されたり、離れた位置から近傍位置に押されたり、離れた位置に押し戻されたりすることができる。スピンドルサブアセンブリ114上のステントは、直接支持されようとマンドレル上に支持されようと、スピンドルサブアセンブリが近傍位置にあるときにスプレーアイソレータ筺体116の内部に位置し、スピンドルサブアセンブリが離れた位置にあるときにスプレーアイソレータ筺体の外部に位置する。図3Aでは、すべてのスピンドルサブアセンブリ114(左側のスピンドルサブアセンブリ114aおよび右側のスピンドルサブアセンブリ114b)は離れた位置に示されている。動作中の多くの場合、一方の対のスピンドルサブアセンブリが近傍位置にあり、他方の対のスピンドルサブアセンブリは離れた位置にあることを理解されたい。
【0053】
[0067]離れた位置にあるとき、1対のスピンドルサブアセンブリ114は、この1対のスピンドルサブアセンブリ114に隣接する筺体側壁から離れた所定の距離のところに位置する。この離隔距離は、マンドレルおよびステントがスピンドルサブアセンブリ114と隣接する筺体側壁との間に収まるのを可能にするのに十分である。この離隔距離は乾燥領域220を部分的に画定する。
【0054】
[0068]筺体116は、左側壁212aと、左側壁と平行な右側壁212bと、頂壁214と、底壁216と、ヒンジ付き透明前扉217と、後壁218とを有する。左側壁212aおよび右側壁212bは、筺体116内部のスプレー領域を乾燥領域220から物理的に離隔する。そこには左側乾燥領域220aおよび右側乾燥領域220bがある。
【0055】
[0069]近傍位置にあるとき、1対のスピンドルサブアセンブリ114は、乾燥領域内にかつ側壁に直接隣接して位置する。いくつかの実施形態では、スピンドルサブアセンブリ114の保持要素117およびベース要素127(図4A)は側壁のアクセス開口113を挿通する。したがって、近傍位置にあるとき、スピンドルサブアセンブリ114は開口113を覆い、スプレーコーティング材料がスプレーアイソレータ筺体116から流出するのを防止する。いくつかの実施形態では、保持要素117または保持要素117の底部にあるテーパ状ベース要素127(図4A)は、スピンドルサブアセンブリ114が近傍位置にあるときにアクセス開口113を密封するサイズおよび形状を有する。この密封は、溶媒ヒュームおよび薬剤が周囲の製造環境の中へ漏れるのを防止する。
【0056】
[0070]前述したように、ステントに吹き付けられるコーティング材料は、たとえ微量でも、医療装置の製造に従事する人々に悪影響を及ぼしうる物質を含んでいる可能性がある。アイソレータ筺体116の機能は、溶媒ヒューム、薬剤、および他の化学物質が周囲の製造環境の中へ漏れるのを防止することである。システム100は複数の封じ込め機能を具備する。アイソレータ筺体116は、システム100を取り囲む周囲圧力に対して負圧に維持される。したがって、シャッタ扉254が開放されてマンドレルおよびステントがアイソレータ筺体116の中に挿入されると、ヒュームおよびエーロゾルはアイソレータ筺体の外部に漏れない。アイソレータ筺体内の負圧は、システムのコントローラ500に接続された圧力変換器によって監視される。筺体の扉117には、扉117が閉じられていることをシステムのコントローラ500にフィードバックする安全スイッチが装備されている。
【0057】
[0071]図1を参照すると、システム100の外側筺体104は、乾燥運転から生じる溶媒ヒュームを抜く排気システムに連結される。排気流の外側筺体104への接続は、システムコントローラ500に接続された流量変換器によって監視される。システム100の最上かつ中央にあるパイプ109は、外側筺体104の中から空気を抽出するように構成される。抽出される空気は、乾燥機ノズルアセンブリ350から放出されたガスと、乾燥中にステントから蒸発したヒュームと、2つのコンベヤ106、110の上方の空間を通じて吸い込まれたいくらかの周囲空気とを含む。2つのコンベヤ106、110の上方の空間は、マンドレルおよびステントが外側筺体104に出入りするのを可能にするアクセス開口部である。空気の抽出は外側筺体104の中に第2レベルの負圧を引き起こし、このことは、スプレードライプロセスから発出する大気中化学物質が周囲の製造環境の中へ漏れないようにすることをさらに確実にする。
【0058】
[0072]再び図11を参照すると、コントローラ500は、乾燥領域220内での乾燥運転を制御するように構成される。コントローラ500は、乾燥領域220内でステントを乾燥させるのに関連する様々なガスポンプ、弁、および加熱要素を作動させかつそれらに電力を供給するように構成される。図7Aに示されているように、乾燥ノズルアセンブリ350はガス管または導管352を具備しており、ガスが、コントローラ500によって作動させられかつ電力供給されるポンプによってガス管または導管352を通して強制的に送られる。ガスは、ノズルヘッド135から乾燥領域220(図3A)の中へ放出される。
【0059】
[0073]いくつかの実施形態では、ガス導管352(図7A)は加圧源からガスを運び、コントローラはガスノズルアセンブリ350の流量制御弁を作動させかつそれに電力を供給する。この弁は導管出口352と加圧源との間に位置することができる。
【0060】
[0074]導管352の出口353はガスを加熱管354の近位端に送出する。加熱管354はコントローラ500によって作動させられかつ電力供給される抵抗線コイルなどの電気加熱要素を具備する。加熱管354の反対遠位端は、ガスノズルヘッド135内の細長いプレナムチャンバに連結される。プレナムチャンバは、ガスノズルヘッド135の最上部に直線状に配置された複数のガス出口穴を有する。いくつかの実施形態では、これらの出口穴はX軸線に平行な線356上に配置される。いくつかの実施形態では、直線状配置の小さな穴から放出されたガスは、X−Y平面上のシート状流路に対応するエアナイフ効果またはエアカーテン効果を作り出す。シート状流路は、Z軸線方向に比較的狭く、X軸線方向に比較的幅の広い寸法を有する。他の実施形態では、プレナムチャンバは、X−Y平面上のシート状ガス流路に対応するエアナイフ効果またはエアカーテン効果を作り出すように、X軸線方向に向けられた主要寸法を有する長く狭いガス開口部を有する。
【0061】
[0075]いくつかの実施形態では、スピンドルサブアセンブリ114の移動経路360(図7A)は、ガス流路358と交差しかつ平行またはほぼ平行である。いくつかの実施形態では、移動経路360およびガス流路358は同じX−Y平面上にある。いくつかの実施形態では、移動経路360は線356と平行またはほぼ平行であり、ノズル出口穴は線356に沿ってガスノズルヘッド135の最上面上に配置される。
【0062】
[0076]1対のスピンドルサブアセンブリ114が近傍位置にあるとき、スピンドルアセンブリ114の後端部にある温度変換器134(図3)は、乾燥領域220内のガス流路中に位置する。これにより、コントローラ500は、温度変換器134からフィードバック信号またはデータを得てガス放出温度を所望の温度と比較し、ガス放出温度が所望の温度と一致するように加熱管354(図7A)の加熱要素への電力を調節することが可能になる。
【0063】
[0077]いくつかの実施形態では、図7Bに示されているように、線364が、支持要素262(図5C)上の1点とスピンドルサブアセンブリ114の保持要素117(図3A)とによって画定される。前述したように、支持要素262はマンドレルの遠位部を支持するように構成され、保持要素117はマンドレルの近位部を支持するように構成される。線364は、マンドレル上に支持されかつ遠位支持要素262と近位保持要素117との間に保持されうるステントの中心軸線に対応する。線364は、ガス流路358と交差しかつ平行またはほぼ平行である。いくつかの実施形態では、線364およびガス流路358は同じX−Y平面上にある。いくつかの実施形態では、線364は線356と平行またはほぼ平行であり、ノズル出口穴は線356に沿ってガスノズルヘッド135の最上面上に配置される。
【0064】
[0078]再び図11を参照すると、コントローラ500は、スプレーアイソレータ筺体116内での吹き付け操作を制御するように構成される。コントローラ500は、コーティング溶液筺体142(図10)内のコーティング材料の様々な瓶および容器に関連する様々なガスポンプおよび弁を作動させかつそれらに電力を供給するように構成される。
【0065】
[0079]コントローラ500は、スプレーノズルサブアセンブリ300の様々なモータを作動させかつそれらに電力を供給するように構成される。図6に示されているように、1対のスプレーノズル122は、剛性シャフト126の前方部分304に固定して取り付けられたブラケット302によって支持される。前方部分304は、スプレーアイソレータ筺体116の左側壁212aのアクセス開口113の上方の開口部124(図5Aおよび図5B)を貫通して延びる。シャフト126(図6)の後方部分は、X軸線レール310上に取り付けられたキャリッジ308に連結され、X軸線レール310は、ヘリカル駆動部、歯車、ベルト、および/または他の運動伝達要素を収容することができる。X軸線レール上の電気モータ312が作動すると、キャリッジ128およびノズル122は水平X軸線方向に直線的に前後に並進する。そのような並進の間、ノズル122はスプレーアイソレータ筺体116の中に留まるが、シャフト126の前方部分304の一部は開口部124の内外に移動することができる。
【0066】
[0080]1つまたは複数の流体導管314が、加圧ガス、溶媒、薬剤およびポリマーをスプレーアイソレータ筺体116内のノズル112に送出するために、キャリッジ308上にシャフト126を貫通して支持されてもよい。キャリッジ308に取り付けられた加熱管316は、ノズルが洗浄モードにあるときにノズル112に運ばれるガスを加熱するための加熱要素を具備する。洗浄モードの間、スプレー領域内にステントは存在せず、ノズルが加熱されている間に洗浄溶剤がノズルからポンプで送られる。いくつかの実施形態では、加熱ガスは、ステントがスプレーされているときにノズル112に運ばれ、コントローラ500は、吹き付けに使用されるガスを選択された温度にするために、加熱管316内の加熱要素を作動させかつそれらに電力を供給するように構成される。
【0067】
[0081]吹き付け操作の一部は、スピンドルサブアセンブリ114によって覆われていないアクセス開口113を密封することを含むことができる。前述したように、一方の対のスピンドルサブアセンブリが近傍位置にあるときに、他方の対のスピンドルサブアセンブリは離れた位置にある。例えば、左側対のスピンドルサブアセンブリ114aが近傍位置にあるときに、左側のスピンドルサブアセンブリによって支持されたステントはスプレーアイソレータ筺体114の内部に位置する。その間、右側対のスピンドルサブアセンブリ114bは遠い位置に位置し、右側のスピンドルサブアセンブリ114bによって支持されたステントは右側乾燥領域220b内のガス流路中に保持される。したがって、右側のスピンドルサブアセンブリは、右側壁212bのアクセス開口を覆うまたは封止することができない。筺体116上のシャッタ装置252は、右側壁212bのアクセス開口を覆いかつ封止するために摺動して閉じる。
【0068】
[0082]図5A〜図5Dに示されているように、各対のアクセス開口113の上方にシャッタ装置252がある。シャッタ装置252は、キャリッジ256に連結された1対のカバー254を具備する。キャリッジはトラック258上で摺動し、空気圧ピストン260に取り付けられる。空気圧ピストンに空気圧流体を選択的に送出することにより、1対のカバーが上に摺動して開口113からのアクセスが可能になり、1対のカバーが下に摺動して開口を覆い封止する。コントローラ500は、アクセス開口113を選択的に開閉するために、空気圧流体を空気圧ピストン260に供給するための装置を制御し操作するように構成される。
【0069】
[0083]各カバー254は、軸線方向に向く面上に円錐凹部264を有する支持要素262を具備する。円錐凹部264は、スピンドルサブアセンブリ114によって支持されたマンドレルの遠位端部分412(図8Aおよび図8B)を受容するように適合される。円錐凹部264は、マンドレルの遠位端部分412を所望の位置に導くとともに、マンドレルおよびステントの回転中にその位置を維持するように構成される。カバー254が下げられて開口113を覆い封止すると、支持要素262および円錐凹部264は、ステントが乾燥ガス流路358(図7Aおよび図7B)の中に保持され、かつガスノズルヘッド135のガス放出開口部と適切に位置合せされるようにするために、マンドレルおよびステントの遠位端部分412を支持する。
【0070】
[0084]スプレーアイソレータ筺体116の内側には、各対のアクセス開口113に隣接する支持要素265がある。各筺体116の内側には2つの支持要素265があるが、図3Aには1つだけ見ることができる。各支持要素265は、支持要素の軸線方向に向く面上に1対の円錐凹部を有する。各円錐凹部は、スピンドルサブアセンブリ114によって支持されたマンドレルの遠位端部分412(図8Aおよび図8B)を受容するように適合される。各支持要素265(図3A)は、スプレーアイソレータ筺体116の後側218に形成された開口部266(図5B)から後方に延びるシャフトを具備する。このシャフトは、筺体116の後方の空気圧ピストン222(図3B)に取り付けられる。空気圧ピストン222に空気圧流体を選択的に送出することにより、支持要素265(図3A)が摺動して、スピンドルサブアセンブリ114によって支持されたマンドレルの遠位端を支持するための支持位置に行き来する。コントローラ500は、支持要素265を選択的に移動させて支持位置に入れたり出したりするために、筺体116の後方の空気圧ピストン222に空気圧流体を供給するための装置を制御し操作するように構成される。支持要素265が支持位置にあるとき、支持要素265の円錐凹部は、ステントが筺体内側の吹き付け領域内に保持されかつスプレーノズル122と適切に位置合せされるようにするために、マンドレルおよびステントの遠位端を支持する。支持要素265について、以下で図12に関連してさらに説明する。
【0071】
[0085]再び図5A〜図5Dを参照すると、スプレーアイソレータ筺体116の内側には、下向きのY軸線方向の層状非乱流気流(laminar,non−turbulent air flow)の形成を容易にする1対の穴あきグリル268、270がある。出願人は、層状気流がステント上に均一なコーティングを生成するのを助けると考えている。グリル268、270は平坦であり、水平にかつ互いに平行に向けられる。スプレー領域は、2つのグリル268、270の間に位置する。上部グリル270(図5D)は空気入口130(図5B)の下方に位置する。上部グリル270の穿孔は、スプレー領域の上方に均等に分散され、流入空気流を均等に分散させるように構成されて、スプレー領域内に存在しうる任意のステントの中および周囲を空気が一様に流れるようにする。下部グリル268は空気出口132の上方に位置する。真空装置が出口132に連結されかつ筺体116の外部に位置しており、空気出口132に吸引力または負圧を与え、それによって空気を入口130に吸い込むように構成される。下部グリル268の穿孔は、サイズならびにX軸線位置およびZ軸線位置が上部グリル270の穿孔と同じである。下部グリル268の穿孔は、スプレー領域の下方に均等に分散され、吸引力を均等に分散させるように構成されて、スプレー領域内に存在しうる任意のステントの中および周囲を空気が一様に流れるようにする。いくつかの実施形態では、下部グリル268と上部グリル270の両方の穿孔は、スプレーアイソレータ筺体116内での空気の流量特性を調整するために、サイズおよび位置を変えることができる。
【0072】
[0086]いくつかの実施形態では、下部グリル268の穿孔はノズル122からオーバースプレー(overspray)を受けるよう構成される。「オーバースプレー」とは、ノズル122から放出され、スプレーアイソレータ筺体116の中に存在しうるステントにコーティングまたは付着させないコーティング材料を意味する。下部グリル268の下方には、オーバースプレーの液滴を除去するために、空気流路内に一連の旋回(a series of turns)が存在することができる。一連の旋回は、下部グリル286の下方に配置された複数の羽根によって形成することができる。
【0073】
[0087]エアフィルタ272が空気入口130に流体接続され、空気がスプレーアイソレータ筺体116内のスプレー領域に入る前に空気から特定の物質を除去するように構成される。いくつかの実施形態では、エアフィルタ272は、0.02ミクロン以上などの1ミクロン未満のサイズを有する粒子を除去するように構成される。いくつかの実施形態では、エアフィルタ272に吸い込まれる空気はシステム100を取り囲む周囲空気である。筺体116内部の温度および湿度は、周囲空気の温度および湿度を調節することによって制御することができる。いくつかの実施形態では、筺体116内部の温度および湿度は、空気入口130に流体接続された事前に温度および湿度を調整する装置によって制御される。
【0074】
[0088]いくつかの実施形態では、周囲空気の代わりに、所定のガスまたはガス混合物が筺体116にポンプで注入される、あるいは筺体116に吸い込まれてもよい。例えば、筺体内でスプレーされている薬剤が酸素によって劣化すると、窒素などの不活性ガスが筺体116を充填し下向きの層状ガス流を作り出すために使用される。
【0075】
[0089]いくつかの実施形態では、図12に示されているように、線440が、2つの対向するアクセス開口113の中心点442によって画定される。あるいは、線440は、2つの対向するスピンドルサブアセンブリ114の中心軸線上の中心点444によって画定される。
【0076】
[0090]前述したように、スピンドルサブアセンブリ114によって支持されたマンドレルおよびステントは、アクセス開口113の内外に移動する。いくつかの実施形態では、スプレードライアセンブリ200の移動機構208、210(図3B)は、スピンドルサブアセンブリ114を線440の一部分と平行にかつその中で移動させるように構成される。左側スピンドルサブアセンブリ114aは、線440の左側部分451の中で直線移動するように構成することができる。右側スピンドルサブアセンブリ114bは、線440の右側部分453の中で直線移動するように制限することができる。
【0077】
[0091]前述したように、スプレーノズルアセンブリ300の構成要素は、スプレーアイソレータ筺体116の中でノズル122を移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、スプレーノズルアセンブリ300の構成要素は、アクセス開口113を挿通する線440と平行またはほぼ平行な移動経路に沿ってノズル122を直線的に並進させるように構成される。いくつかの実施形態では、ノズル112の移動経路および線440は同じX−Y平面上にある。
【0078】
[0092]いくつかの実施形態では、図12に示されているように、ガスノズルヘッド135の乾燥ガス出口穴448は、線440と平行またはほぼ平行な線に沿って直線的に整列される。いくつかの実施形態では、ノズルの移動経路とスピンドルアセンブリの移動経路とスピンドルアセンブリの回転軸線125(図4A)と乾燥ガス出口穴448の直線配列356(図7A)とは、互いに平行またはほぼ平行である。
【0079】
[0093]図12では、2つの支持要素265がスプレーアイソレータ筺体116の中の異なる位置に示されている。前述したように、支持要素265はマンドレルおよびステントの遠位端を支持するように構成され、スピンドルサブアセンブリ114はマンドレルおよびステントの近位端を保持するように構成される。左側支持要素265aは支持位置にあり、左側支持要素265aの円錐支持面446が線440上に置かれかつ線440が中心となるようにする。左側支持要素265aの円錐支持面446は左側壁212aのアクセス開口113をふさぐ。右側支持要素265bは非支持位置にあり、右側支持要素265bの円錐支持面446が筺体の右側壁212bのアクセス開口113をふさがないようにする。したがって、右側スピンドルサブアセンブリ114bはマンドレルおよびステントを支持しているときに左側に移動することができ、その結果、マンドレルおよびステントは右側支持要素265bに接触することなくアクセス開口113を挿通することができる。
【0080】
[0094]上記の諸実施形態はステントに関連して説明してきたが、本発明はステント以外の装置に適用されうることを理解されたい。本発明が適用する医療装置には、バルーン拡張型ステント、自己拡張型ステント、移植片、ステント移植片、バルーン、カテーテル、およびそれらの構成要素が含まれるが、この限りでない。
【0081】
[0095]図13A〜図13Dは、本発明の諸実施形態による医療装置にコーティングを行う方法を示す。図13Aでは、第1の医療装置群500が、複数の隔離壁506によって境界を画された筺体504の中のスプレー領域502内に移動させられる。コーティングがスプレー領域502の中で第1の群500に塗布される。コーティングの塗布と同時に、乾燥領域の第1の領域508aの中の乾燥空気温度が測定され、乾燥空気温度は所望の温度に調節される。温度の調節は、測定済み温度と所望の温度との比較に基づいて行われる。いくつかの実施形態では、温度の調節は、フィードバック用の乾燥機ヒータアセンブリ内部の熱電対を使用して、閉ループPID(比例−積分−微分)アルゴリズムで実行される。この内部温度はステントで分かる実際の温度を表していない可能性があるので、第2の熱電対134(図3A)が、実際のステント乾燥領域内の温度を測定するとともに、温度設定値(内部乾燥機ヒータの熱電対を参照する)にオフセット値を与えるために使用される。
【0082】
[0096]次に図13Bに示されているように、第1の群500は、スプレー領域502から第1の乾燥領域508a内に移動させられる。同時にまたはその後で、第2の医療装置群509がスプレー領域502内に移動させられる。第1の乾燥領域508a内にある間にガスが第1の群500上に放出される。第1の群500を放出されたガスで乾燥させるのと同時に、スプレー領域502の中ある間にコーティングが第2の群509に塗布され、乾燥領域の第2の領域508bの中の乾燥空気温度が測定され、乾燥空気温度は所望の温度に調節される。温度の調節は、測定済み温度と所望の温度との比較に基づいて行われる。
【0083】
[0097]次に図13Cに示されているように、第2の群509は、スプレー領域502から第2の乾燥領域508b内に移動させられる。同時にまたはその後で、第1の群500はスプレー領域502内に移動して戻される。第2の乾燥領域508b内にある間にガスが第2の群509上に放出される。第2の群509を放出されたガスで乾燥させるのと同時に、スプレー領域502内にある間に第2のコーティングが第1の群500に塗布され、第1の乾燥領域508aの中の乾燥空気温度が再び測定され、必要に応じて再調節される。
【0084】
[0098]次に図13Dに示されているように、第1の群500は、スプレー領域502から移動させられ、第1の乾燥領域508a内に戻される。同時にまたはその後で、第2の医療装置群509はスプレー領域502内に移動して戻される。第1の乾燥領域508a内にある間にガスが第1の群500上に放出される。第1の群500上の第2のコーティングを乾燥させるのと同時に、スプレー領域502内にある間に第2のコーティングが第2の群509に塗布され、第2の乾燥領域508bの中の乾燥空気温度が再び測定され、必要に応じて再調節される。ステントの上げ下ろしについては、プロセスが個々に行われる。一度に1つのステントがコンベヤから持ち上げられ、8つの位置のうちの1つに置かれてスプレーされる。吹き付けのために置かれているステントのそばにあるステントは(そこに既に1つある場合)、そのステントと共に移動するだけであり、次いで戻って所望の数のコートを終える。ステント吹き付けの開始と停止を互い違いにするかまたはずらすことにより、各ステントがコンベヤ上で機械に出入りする時間間隔がより一貫することになる。これは、上流および下流の手動操作が一貫した定常プロセス速度を維持するのに役立つ。
【0085】
[0099]任意の数の医療装置が第1の群500および第2の群509を形成できることが考えられるが、図13A〜図13Dには1群当たり2つの医療装置しか示されていない。例えば、各群はただ1つの医療装置または少なくとも3つの医療装置を有することができる。2つの群の移動経路を様々な方法で方向付けることができることも考えられる。図13Dに示されているように、第1の群500および第2の群509は、互いに平行でありかつ互いに対して180度の角度「A」で方向付けられた移動経路507を有する。他の実施形態では、角度「A」は、4つの医療装置群が同じ筺体504を使用して順次処理されることが可能となるように、90度とすることができる。この場合、スプレーノズルはアイソレータの中央で静止することができ、ステントはノズルの下方で移動してコーティングされる。
【0086】
[00100]任意の数の筺体504が同時に様々なスプレー剤に対して使用されうることも考えられる。1つの筺体504なら、コートをほとんど必要としないステントをスプレーすることができ、他の2つの筺体なら、より遅いプロセス、したがって吹き付けプロセスのステップにバランスする時間を有するステントをスプレーすることができる。このように、複数の筺体を収容している1つの機械ならステント上に複数の異なるコートを置くことができ、最後に完成したコーティング済みステントが現れる。
【0087】
[00101]本発明の複数の特定の形態について例示し説明してきたが、様々な修正が本発明の範囲から逸脱することなくなされうることも明らかであろう。開示された諸実施形態の特定の特徴および態様の様々な組合せまたは部分的組合せが、本発明の様々なモードを形成するために、互いに組み合わされうるかまたは置き換えられうることも考えられる。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されるものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置にコーティングを行うシステムであって、
第1の医療装置を受容する寸法とされた第1の開口と、第2の医療装置を受容する寸法となされた第2の開口とを有する筺体と、
前記筺体の内部に配置されたコーティングディスペンサと、
前記第1の医療装置または第1の医療装置キャリアを支持するように構成された第1の装置と、
前記第2の医療装置または第2の医療装置キャリアを支持するように構成された第2の装置と、
前記筺体の外部に配置された第1の機器であり、前記第1の装置を前記第1の開口に向かって移動させかつ前記第1の開口から離れる向きに移動させるように構成された第1の機器と、
前記筺体の外部に配置された第2の機器であって、前記第1の装置を前記第1の開口に向かって移動させかつ前記第1の開口から離れる向きに移動させるのとは無関係に、前記第2の装置を前記第2の開口に向かって移動させかつ前記第2の開口から離れる向きに移動させるように構成された第2の機器と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1の装置および前記第2の装置が前記筺体の両側に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記筺体の外部にかつ前記筺体の両側に配置された第1のガスディスペンサおよび第2のガスディスペンサをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記筺体の外部に配置された第1のガスディスペンサおよび第2のガスディスペンサをさらに備え、前記第1のガスディスペンサは、前記第1の開口に向かって移動するときに、前記第1の装置が移動する第1のガス流路に沿ってガスを放出するように構成され、前記第2のガスディスペンサは、前記第2の開口に向かって移動するときに、前記第2の装置が移動する第2のガス流路に沿ってガスを放出するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の装置が、前記第1の装置が前記第1の機器によって前記第1の開口に向かって移動させられたときに前記第1または第2のガス流路内にあるように位置付けられた温度センサを具備する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の装置が、前記第1の装置が前記第1の機器によって前記第1の開口に向かって移動させられた後で第1の開口を覆う、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の装置が、前記第1の装置が前記第1の機器によって前記第1の開口に向かって移動させられた後で前記第1の開口にはまりかつ前記第1の開口を封止するように形づくられた封止要素を具備する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の装置が、第1の近傍位置と、前記筺体から前記第1の近傍位置より遠い第1の離れた位置とに移動可能であり、前記第2の装置が、第2の近傍位置と、前記筺体から前記第2の近傍位置より遠い第2の離れた位置とに移動可能であり、前記第2の装置が前記第2の離れた位置にあるときに、前記第1の機器を作動させて前記第1の装置を前記第1の近傍位置に移動させるように構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の装置が前記第1の医療装置または前記第1の医療装置キャリアを保持するように構成された要素を具備し、前記第1の装置が前記要素を回転させるように適合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記筺体が第3の開口を有し、前記コーティングディスペンサが前記第3の開口を貫通して延びるシャフトの前方部分上に支持され、前記筺体の外部に配置された装置をさらに備え、前記装置が前記前方部分を前記筺体の内外に移動させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
医療装置にコーティングを行うシステムであって、
前記医療装置を受容する寸法となされた第1の開口を有するチャンバと、
前記チャンバの内部のコーティングディスペンサと、
前記チャンバの外部のガス流路に沿ってガスを放出するように構成されたガスディスペンサと、
前記医療装置の近位部または前記医療装置キャリアの近位部を支持するように構成された近位支持要素と、
前記近位支持要素を前記ガス流路と交差する移動経路に沿って前記チャンバに向かって移動させるように構成された機器と、
を備えるシステム。
【請求項12】
温度センサをさらに備え、前記機器が前記温度センサを前記ガス流路と交差するセンサ移動経路に沿って移動させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
カバー要素をさらに備え、前記機器が、前記機器が前記近位支持要素を前記チャンバに向かって移動させたときにまたはその後で、前記カバー要素を前記第1の開口を覆う位置に移動させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
封止要素をさらに備え、前記機器が、前記機器が前記近位支持要素を前記チャンバに向かって移動させたときにまたはその後で、前記封止要素を前記第1の開口内に移動させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の開口をふさぐ閉位置へ往復移動するように構成されたカバーをさらに備え、前記カバーが、前記医療装置の遠位部または前記医療装置キャリアの遠位部を支持するように構成された遠位支持要素を具備する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記遠位支持要素上の点と前記近位支持要素上の点とが前記ガス流路と交差する線を画定する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記近位支持要素の前記移動経路と平行またはほぼ平行な回転軸線上で前記近位支持要素を回転させるように構成された装置をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
第2の医療装置を受容する寸法となされた第2の開口と、
第2のガス流路に沿ってガスを放出するように構成された、前記チャンバの外部の第2のガスディスペンサと、
前記第2の医療装置の近位部または前記第2の医療装置キャリアの近位部を支持するように構成された第2の近位支持要素と、
をさらに備え、
前記第1の機器が前記第2の近位支持要素を前記第2のガス流路と交差する移動経路に沿って移動させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
第2の医療装置を受容する寸法となされた第2の開口と、
第2のガス流路に沿ってガスを放出するように構成された、前記チャンバの外部の第2のガスディスペンサと、
前記第2の医療装置の近位部または前記第2の医療装置キャリアの近位部を支持するように構成された第2の近位支持要素と、
他の前記近位支持要素の移動とは無関係に、前記第2の近位支持要素を前記第2のガス流路と交差する移動経路に沿って移動させるように構成される前記第2の機器と、
をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
医療装置にコーティングを行うシステムであって、
前記医療装置を受容する寸法となされたアクセス開口を具備する、スプレー領域と乾燥領域を隔てる隔離壁と、
前記スプレー領域内でコーティング材料を放出するように構成されたコーティングディスペンサと、
前記乾燥領域内でガスを放出するように構成されたガスディスペンサと、
前記医療装置または医療装置キャリアを保持するように構成された支持要素を具備する支持装置と、
前記コーティングディスペンサを前記スプレー領域内で移動させかつ前記支持装置を前記乾燥領域内で移動させるように構成されたアセンブリと、
を備えるシステム。
【請求項21】
前記アセンブリが、前記コーティングディスペンサを第1の移動経路内で移動させ、かつ前記支持装置を前記第1の移動経路と平行またはほぼ平行な第2の移動経路内で移動させるように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記隔離壁がオリフィスを具備し、前記コーティングディスペンサが前記オリフィスを通って移動可能な部材上に取り付けられ、前記アセンブリが前記部材の少なくとも一部を前記スプレー領域の内外に移動させるように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記隔離壁が前記スプレー領域を収容するチャンバを形成する、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記チャンバが、前記チャンバの上部にあるガス入口と、前記チャンバの下部にあるガス出口と、前記ガス入口と前記スプレー領域の間に配置された上部プレートと、前記ガス出口と前記スプレー領域の間に配置された下部プレートと、を具備し、前記上部プレートおよび前記下部プレートがそれぞれ複数の穿孔を具備する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記支持装置が、前記チャンバ内の任意のガスおよびスプレー液滴が前記アクセス開口を通って漏れるのを防止するために前記アクセス開口を封止するように構成された封止要素を具備する、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記チャンバが前記医療装置を受容する寸法となされた少なくとも2つのアクセス開口を有し、前記アセンブリが前記支持装置を前記開口のうちの2つを挿通する線の一部分と平行にかつその中で移動させるように構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記チャンバの内部に可動支持要素をさらに備え、前記可動支持要素が、前記医療装置または前記医療装置キャリアを支持するとともに、前記2つの開口を挿通する線の内外に移動するように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記アクセス開口を覆う被覆位置に行き来するように構成されたカバー要素をさらに備え、前記カバー要素が、前記医療装置の遠位部または前記医療装置キャリアの遠位部を支持するように構成される支持要素を具備し、前記支持装置が前記医療装置の近位部または前記医療装置キャリアの近位部を支持するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
少なくとも1つのスプレードライ機器を備える、医療装置にコーティングを行うシステムであって、それぞれの前記スプレードライ機器が、
それぞれが医療装置を受容する寸法となされた少なくとも2つのアクセス開口を具備するスプレー筺体と、
1つの保持装置が前記アクセス開口のそれぞれに関連しており、各保持装置が医療装置または医療装置キャリアを保持するように構成される、少なくとも2つの保持装置と、
前記スプレー筺体の内部のコーティングディスペンサと、
ガスを放出するように構成された、前記スプレー筺体の外部のガスディスペンサと、
前記コーティングディスペンサを移動させかつ前記各保持装置を移動させるように構成されたアセンブリと、
を具備するシステム。
【請求項30】
少なくとも1つのスプレードライ機器を収容する外側筺体と、
前記医療装置または前記医療装置キャリアを支持しかつ前記外側筺体の外部から前記外側筺体の内部に移動させるように構成された、前記外側筺体の外部から前記外側筺体の中に延びる第1の移送機器と、
前記医療装置または前記医療装置キャリアを支持しかつ前記外側筺体の内部から前記外側筺体の外部に移動させるように構成された、前記外側筺体の内部から前記外側筺体の外に延びる第2の移送機器と、
グリッパおよび機構を具備する、前記外側筺体の内部の第3の移送機器であって、前記グリッパが前記医療装置または前記医療装置キャリアと係合するように構成され、前記機構が前記グリッパを第1の位置から第2の位置に移動させかつ前記第2の位置から第3の位置に移動させるように構成され、前記第1の位置が前記第1の移送機器に隣接し、前記第2の位置が前記保持装置のうちのいずれか1つに隣接し、前記第3の位置が前記第2の移送装置に隣接する、第3の移送装置と、
をさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
それぞれの前記スプレードライ機器について、前記保持装置のうちの2つが互いに連結され、前記アセンブリが前記2つの保持装置を前記スプレー筺体に向かって同時に移動させるように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
それぞれの前記スプレードライ機器について、前記保持装置のうちの2つが前記スプレー筺体の両側に位置し、前記アセンブリが前記2つの保持装置を前記スプレー筺体に向かって互いに独立して移動させるように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
それぞれの前記スプレードライ機器について、1本の線が前記アクセス開口のうちの2つを挿通し、前記アセンブリが前記保持装置のうちの2つを別々の移動経路上で移動させるように構成され、前記移動経路の一方が前記線の第1の部分に対応し、前記移動経路の他方が前記線の第2の部分に対応し、前記スプレー筺体が前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置される、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
前記システムが少なくとも2つのスプレードライ機器を備え、それぞれの前記スプレードライ機器の前記スプレー筺体が第1の対のアクセス開口および第2の対のアクセス開口を具備し、前記第1の対のアクセス開口が前記スプレー筺体の第1の壁に形成され、前記第2の対のアクセス開口が前記スプレー筺体の第2の壁に形成され、前記コーティングディスペンサが前記第1の壁と前記第2の壁の間に位置する、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
医療装置にコーティングを行う方法であって、
第1の医療装置をスプレー領域内に移動させるステップと、
前記スプレー領域内で前記第1の医療装置上にコーティングを施すステップと、
前記第1の医療装置がコーティングされた後で、前記第1の医療装置を前記スプレー領域から乾燥領域に移動させるステップと、
前記第1の医療装置を前記乾燥領域に移動させる間にまたはその後で、第2の医療装置を前記スプレー領域内に移動させるステップと、
前記乾燥領域内で前記第1の医療装置上にガスを放出するステップと、
前記乾燥領域内で前記第1の医療装置上に前記ガスを放出する間に、前記スプレー領域内で前記第2の医療装置上にコーティングを施すステップと、
を備える方法。
【請求項36】
前記第1の医療装置を前記スプレー領域から前記乾燥領域に移動させるステップが、前記第1の医療装置を、前記スプレー領域を前記乾燥領域から隔てる壁に形成された開口を通って移動させる工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の医療装置を前記スプレー領域内に移動させるステップが、前記第2の医療装置を、前記スプレー領域を前記乾燥領域から隔てる第2の壁に形成された開口を通って移動させる工程を含み、前記スプレー領域が前記2つの壁の間に配置され、前記乾燥領域が2つの乾燥領域を含み、前記スプレー領域が前記2つの乾燥領域の間に配置される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の医療装置が前記スプレー領域内にある間に、前記ガスを前記乾燥領域の第1の領域内に放出するステップと、
前記第1の医療装置が前記スプレー領域内にある間に、前記第1の領域内に放出された前記ガスの温度を測定するステップと、
前記ガスの温度を、前記第1の領域内に放出された前記ガスの前記測定済み温度に少なくとも部分的に基づいて調節するステップと、
をさらに備え、
前記第1の医療装置を前記スプレー領域から移動させるステップが、前記ガスの温度を調節するステップの後で前記第1の医療装置を前記乾燥領域の前記第1の領域内に移動させる工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の医療装置がコーティングされた後で、前記第2の医療装置を前記スプレー領域から前記乾燥領域に移動させるステップと、
前記第2の医療装置を前記乾燥領域に移動させる間にまたはその後で、前記第1の医療装置を前記スプレー領域内に移動させるステップと、
前記乾燥領域内で前記第2の医療装置上に前記ガスを放出するステップと、
前記乾燥領域内で前記第2の医療装置上に前記ガスを放出する間に、前記スプレー領域内で前記第1の医療装置上に第2のコーティングを施すステップと、
をさらに備える、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の医療装置上にコーティングを施すステップが、ノズルから前記第1の医療装置に向かってコーティング材料の液滴を放出する工程と、前記スプレー領域内にガスを導いて前記ガスが前記ノズルの上方の領域から前記医療装置の下方の領域に流れる工程と、を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記乾燥領域に対する前記スプレー領域内の負圧を維持するステップをさらに備える、請求項35に記載の方法。
【請求項1】
医療装置にコーティングを行うシステムであって、
第1の医療装置を受容する寸法とされた第1の開口と、第2の医療装置を受容する寸法となされた第2の開口とを有する筺体と、
前記筺体の内部に配置されたコーティングディスペンサと、
前記第1の医療装置または第1の医療装置キャリアを支持するように構成された第1の装置と、
前記第2の医療装置または第2の医療装置キャリアを支持するように構成された第2の装置と、
前記筺体の外部に配置された第1の機器であり、前記第1の装置を前記第1の開口に向かって移動させかつ前記第1の開口から離れる向きに移動させるように構成された第1の機器と、
前記筺体の外部に配置された第2の機器であって、前記第1の装置を前記第1の開口に向かって移動させかつ前記第1の開口から離れる向きに移動させるのとは無関係に、前記第2の装置を前記第2の開口に向かって移動させかつ前記第2の開口から離れる向きに移動させるように構成された第2の機器と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1の装置および前記第2の装置が前記筺体の両側に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記筺体の外部にかつ前記筺体の両側に配置された第1のガスディスペンサおよび第2のガスディスペンサをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記筺体の外部に配置された第1のガスディスペンサおよび第2のガスディスペンサをさらに備え、前記第1のガスディスペンサは、前記第1の開口に向かって移動するときに、前記第1の装置が移動する第1のガス流路に沿ってガスを放出するように構成され、前記第2のガスディスペンサは、前記第2の開口に向かって移動するときに、前記第2の装置が移動する第2のガス流路に沿ってガスを放出するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の装置が、前記第1の装置が前記第1の機器によって前記第1の開口に向かって移動させられたときに前記第1または第2のガス流路内にあるように位置付けられた温度センサを具備する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の装置が、前記第1の装置が前記第1の機器によって前記第1の開口に向かって移動させられた後で第1の開口を覆う、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の装置が、前記第1の装置が前記第1の機器によって前記第1の開口に向かって移動させられた後で前記第1の開口にはまりかつ前記第1の開口を封止するように形づくられた封止要素を具備する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の装置が、第1の近傍位置と、前記筺体から前記第1の近傍位置より遠い第1の離れた位置とに移動可能であり、前記第2の装置が、第2の近傍位置と、前記筺体から前記第2の近傍位置より遠い第2の離れた位置とに移動可能であり、前記第2の装置が前記第2の離れた位置にあるときに、前記第1の機器を作動させて前記第1の装置を前記第1の近傍位置に移動させるように構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の装置が前記第1の医療装置または前記第1の医療装置キャリアを保持するように構成された要素を具備し、前記第1の装置が前記要素を回転させるように適合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記筺体が第3の開口を有し、前記コーティングディスペンサが前記第3の開口を貫通して延びるシャフトの前方部分上に支持され、前記筺体の外部に配置された装置をさらに備え、前記装置が前記前方部分を前記筺体の内外に移動させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
医療装置にコーティングを行うシステムであって、
前記医療装置を受容する寸法となされた第1の開口を有するチャンバと、
前記チャンバの内部のコーティングディスペンサと、
前記チャンバの外部のガス流路に沿ってガスを放出するように構成されたガスディスペンサと、
前記医療装置の近位部または前記医療装置キャリアの近位部を支持するように構成された近位支持要素と、
前記近位支持要素を前記ガス流路と交差する移動経路に沿って前記チャンバに向かって移動させるように構成された機器と、
を備えるシステム。
【請求項12】
温度センサをさらに備え、前記機器が前記温度センサを前記ガス流路と交差するセンサ移動経路に沿って移動させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
カバー要素をさらに備え、前記機器が、前記機器が前記近位支持要素を前記チャンバに向かって移動させたときにまたはその後で、前記カバー要素を前記第1の開口を覆う位置に移動させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
封止要素をさらに備え、前記機器が、前記機器が前記近位支持要素を前記チャンバに向かって移動させたときにまたはその後で、前記封止要素を前記第1の開口内に移動させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の開口をふさぐ閉位置へ往復移動するように構成されたカバーをさらに備え、前記カバーが、前記医療装置の遠位部または前記医療装置キャリアの遠位部を支持するように構成された遠位支持要素を具備する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記遠位支持要素上の点と前記近位支持要素上の点とが前記ガス流路と交差する線を画定する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記近位支持要素の前記移動経路と平行またはほぼ平行な回転軸線上で前記近位支持要素を回転させるように構成された装置をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
第2の医療装置を受容する寸法となされた第2の開口と、
第2のガス流路に沿ってガスを放出するように構成された、前記チャンバの外部の第2のガスディスペンサと、
前記第2の医療装置の近位部または前記第2の医療装置キャリアの近位部を支持するように構成された第2の近位支持要素と、
をさらに備え、
前記第1の機器が前記第2の近位支持要素を前記第2のガス流路と交差する移動経路に沿って移動させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
第2の医療装置を受容する寸法となされた第2の開口と、
第2のガス流路に沿ってガスを放出するように構成された、前記チャンバの外部の第2のガスディスペンサと、
前記第2の医療装置の近位部または前記第2の医療装置キャリアの近位部を支持するように構成された第2の近位支持要素と、
他の前記近位支持要素の移動とは無関係に、前記第2の近位支持要素を前記第2のガス流路と交差する移動経路に沿って移動させるように構成される前記第2の機器と、
をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
医療装置にコーティングを行うシステムであって、
前記医療装置を受容する寸法となされたアクセス開口を具備する、スプレー領域と乾燥領域を隔てる隔離壁と、
前記スプレー領域内でコーティング材料を放出するように構成されたコーティングディスペンサと、
前記乾燥領域内でガスを放出するように構成されたガスディスペンサと、
前記医療装置または医療装置キャリアを保持するように構成された支持要素を具備する支持装置と、
前記コーティングディスペンサを前記スプレー領域内で移動させかつ前記支持装置を前記乾燥領域内で移動させるように構成されたアセンブリと、
を備えるシステム。
【請求項21】
前記アセンブリが、前記コーティングディスペンサを第1の移動経路内で移動させ、かつ前記支持装置を前記第1の移動経路と平行またはほぼ平行な第2の移動経路内で移動させるように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記隔離壁がオリフィスを具備し、前記コーティングディスペンサが前記オリフィスを通って移動可能な部材上に取り付けられ、前記アセンブリが前記部材の少なくとも一部を前記スプレー領域の内外に移動させるように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記隔離壁が前記スプレー領域を収容するチャンバを形成する、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記チャンバが、前記チャンバの上部にあるガス入口と、前記チャンバの下部にあるガス出口と、前記ガス入口と前記スプレー領域の間に配置された上部プレートと、前記ガス出口と前記スプレー領域の間に配置された下部プレートと、を具備し、前記上部プレートおよび前記下部プレートがそれぞれ複数の穿孔を具備する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記支持装置が、前記チャンバ内の任意のガスおよびスプレー液滴が前記アクセス開口を通って漏れるのを防止するために前記アクセス開口を封止するように構成された封止要素を具備する、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記チャンバが前記医療装置を受容する寸法となされた少なくとも2つのアクセス開口を有し、前記アセンブリが前記支持装置を前記開口のうちの2つを挿通する線の一部分と平行にかつその中で移動させるように構成される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記チャンバの内部に可動支持要素をさらに備え、前記可動支持要素が、前記医療装置または前記医療装置キャリアを支持するとともに、前記2つの開口を挿通する線の内外に移動するように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記アクセス開口を覆う被覆位置に行き来するように構成されたカバー要素をさらに備え、前記カバー要素が、前記医療装置の遠位部または前記医療装置キャリアの遠位部を支持するように構成される支持要素を具備し、前記支持装置が前記医療装置の近位部または前記医療装置キャリアの近位部を支持するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
少なくとも1つのスプレードライ機器を備える、医療装置にコーティングを行うシステムであって、それぞれの前記スプレードライ機器が、
それぞれが医療装置を受容する寸法となされた少なくとも2つのアクセス開口を具備するスプレー筺体と、
1つの保持装置が前記アクセス開口のそれぞれに関連しており、各保持装置が医療装置または医療装置キャリアを保持するように構成される、少なくとも2つの保持装置と、
前記スプレー筺体の内部のコーティングディスペンサと、
ガスを放出するように構成された、前記スプレー筺体の外部のガスディスペンサと、
前記コーティングディスペンサを移動させかつ前記各保持装置を移動させるように構成されたアセンブリと、
を具備するシステム。
【請求項30】
少なくとも1つのスプレードライ機器を収容する外側筺体と、
前記医療装置または前記医療装置キャリアを支持しかつ前記外側筺体の外部から前記外側筺体の内部に移動させるように構成された、前記外側筺体の外部から前記外側筺体の中に延びる第1の移送機器と、
前記医療装置または前記医療装置キャリアを支持しかつ前記外側筺体の内部から前記外側筺体の外部に移動させるように構成された、前記外側筺体の内部から前記外側筺体の外に延びる第2の移送機器と、
グリッパおよび機構を具備する、前記外側筺体の内部の第3の移送機器であって、前記グリッパが前記医療装置または前記医療装置キャリアと係合するように構成され、前記機構が前記グリッパを第1の位置から第2の位置に移動させかつ前記第2の位置から第3の位置に移動させるように構成され、前記第1の位置が前記第1の移送機器に隣接し、前記第2の位置が前記保持装置のうちのいずれか1つに隣接し、前記第3の位置が前記第2の移送装置に隣接する、第3の移送装置と、
をさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
それぞれの前記スプレードライ機器について、前記保持装置のうちの2つが互いに連結され、前記アセンブリが前記2つの保持装置を前記スプレー筺体に向かって同時に移動させるように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
それぞれの前記スプレードライ機器について、前記保持装置のうちの2つが前記スプレー筺体の両側に位置し、前記アセンブリが前記2つの保持装置を前記スプレー筺体に向かって互いに独立して移動させるように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
それぞれの前記スプレードライ機器について、1本の線が前記アクセス開口のうちの2つを挿通し、前記アセンブリが前記保持装置のうちの2つを別々の移動経路上で移動させるように構成され、前記移動経路の一方が前記線の第1の部分に対応し、前記移動経路の他方が前記線の第2の部分に対応し、前記スプレー筺体が前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置される、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
前記システムが少なくとも2つのスプレードライ機器を備え、それぞれの前記スプレードライ機器の前記スプレー筺体が第1の対のアクセス開口および第2の対のアクセス開口を具備し、前記第1の対のアクセス開口が前記スプレー筺体の第1の壁に形成され、前記第2の対のアクセス開口が前記スプレー筺体の第2の壁に形成され、前記コーティングディスペンサが前記第1の壁と前記第2の壁の間に位置する、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
医療装置にコーティングを行う方法であって、
第1の医療装置をスプレー領域内に移動させるステップと、
前記スプレー領域内で前記第1の医療装置上にコーティングを施すステップと、
前記第1の医療装置がコーティングされた後で、前記第1の医療装置を前記スプレー領域から乾燥領域に移動させるステップと、
前記第1の医療装置を前記乾燥領域に移動させる間にまたはその後で、第2の医療装置を前記スプレー領域内に移動させるステップと、
前記乾燥領域内で前記第1の医療装置上にガスを放出するステップと、
前記乾燥領域内で前記第1の医療装置上に前記ガスを放出する間に、前記スプレー領域内で前記第2の医療装置上にコーティングを施すステップと、
を備える方法。
【請求項36】
前記第1の医療装置を前記スプレー領域から前記乾燥領域に移動させるステップが、前記第1の医療装置を、前記スプレー領域を前記乾燥領域から隔てる壁に形成された開口を通って移動させる工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の医療装置を前記スプレー領域内に移動させるステップが、前記第2の医療装置を、前記スプレー領域を前記乾燥領域から隔てる第2の壁に形成された開口を通って移動させる工程を含み、前記スプレー領域が前記2つの壁の間に配置され、前記乾燥領域が2つの乾燥領域を含み、前記スプレー領域が前記2つの乾燥領域の間に配置される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の医療装置が前記スプレー領域内にある間に、前記ガスを前記乾燥領域の第1の領域内に放出するステップと、
前記第1の医療装置が前記スプレー領域内にある間に、前記第1の領域内に放出された前記ガスの温度を測定するステップと、
前記ガスの温度を、前記第1の領域内に放出された前記ガスの前記測定済み温度に少なくとも部分的に基づいて調節するステップと、
をさらに備え、
前記第1の医療装置を前記スプレー領域から移動させるステップが、前記ガスの温度を調節するステップの後で前記第1の医療装置を前記乾燥領域の前記第1の領域内に移動させる工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の医療装置がコーティングされた後で、前記第2の医療装置を前記スプレー領域から前記乾燥領域に移動させるステップと、
前記第2の医療装置を前記乾燥領域に移動させる間にまたはその後で、前記第1の医療装置を前記スプレー領域内に移動させるステップと、
前記乾燥領域内で前記第2の医療装置上に前記ガスを放出するステップと、
前記乾燥領域内で前記第2の医療装置上に前記ガスを放出する間に、前記スプレー領域内で前記第1の医療装置上に第2のコーティングを施すステップと、
をさらに備える、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の医療装置上にコーティングを施すステップが、ノズルから前記第1の医療装置に向かってコーティング材料の液滴を放出する工程と、前記スプレー領域内にガスを導いて前記ガスが前記ノズルの上方の領域から前記医療装置の下方の領域に流れる工程と、を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記乾燥領域に対する前記スプレー領域内の負圧を維持するステップをさらに備える、請求項35に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2013−501589(P2013−501589A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524853(P2012−524853)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/045228
【国際公開番号】WO2011/019851
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(507135788)アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド (92)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/045228
【国際公開番号】WO2011/019851
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(507135788)アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド (92)
【Fターム(参考)】
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