説明

ステージ装置

【課題】構成を複雑化することなくステージの移動時の振動を抑制することが可能なステージ装置を提供する。
【解決手段】ステージ装置は、ステージ機構とカウンタマス機構と制御装置とを有し、制御装置は、ステージ機構を制御するカウンタマス制御ユニットとカウンタマス機構を制御するカウンタマス制御ユニットを有する。カウンタマスの可動平面とステージの可動平面は、互いに平行であり、且つ、互いに隔てられて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造分野における半導体の検査や評価に用いる電子顕微鏡装置の試料ステージとして好適な、ステージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ上に形成したパターンの検査では、測長機能を備えた走査型電子顕微鏡(以下、測長SEMと称す)が用いられる。近年、一回の測定にかかる時間を短縮化する傾向がある。そのため、ウェハを搭載した試料ステージは高速かつ高加速度で移動させる必要がある。
【0003】
試料ステージを高速かつ高加速度で移動させると、その反力によって、装置全体に振動が発生する。このような振動は、測長SEMの二次電子像に悪影響を及ぼすばかりでなく、試料ステージの位置決め時の整定時間が増大する原因となる。そこで、試料ステージの移動に起因する装置の振動を抑制する必要がある。例えば、測長SEMでは、ナノメートルオーダ以下の振動に制限される。
【0004】
従来、試料ステージの移動に伴う装置加振への対策が幾つか知られている。そのような技術のなかに、カウンタマスと称する移動体を設け、ステージにより発生する反力を、相殺し、装置の振動を抑制する技術がある。
【0005】
この技術では、ステージとカウンタマスの重心を一致させるようにして動作させることにより、ステージの移動に伴う反力を完全に相殺させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−268268号公報
【特許文献2】特開2006−303312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示された技術では、カウンタマスをステージと同じ高さに配置する必要があり、カウンタマスをステージ近傍に設置することになる。即ち、カウンタマスを試料室内に配置する必要がある。しかしながら、従来のカウンタマス機構を試料室内のステージ近傍に設置するのは困難である。
【0008】
また、特許文献2に示された技術では、カウンタマスをステージの周囲を囲うように配置する。この場合、第一軸(X軸と称する)とそれに直交する第二軸(Y軸と称する)について、それぞれ2個のカウンタマスを必要とし、装置全体では4個のカウンタマスとそれを駆動するモータを備えなければならない。これは、装置構成が複雑になるとともに、装置質量が増加し、ステージ装置のコスト増大という問題につながる。
【0009】
本発明の目的は、構成を複雑化することなくステージの移動時の振動を抑制することが可能なステージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるステージ装置は、ステージ機構とカウンタマス機構と制御装置とを有し、制御装置は、ステージ機構を制御するステージ制御ユニットとカウンタマス機構を制御するカウンタマス制御ユニットを有する。
【0011】
本発明によるステージ装置では、カウンタマスの可動平面とステージの可動平面は、互いに平行であり、且つ、互いに隔てられて配置されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構成を複雑化することなくステージの移動時の振動を抑制することが可能なステージ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のステージ装置の例の全体構成を示す図である。
【図2】本発明のステージ装置に設けられたカウンタマス機構の概略構成を示す図である。
【図3】本発明のステージ装置のカウンタマス機構の概略構成を示す図である。
【図4】本発明のステージ装置の制御装置の概略構成を示す図である。
【図5】本発明のステージ装置において、ステージ移動時においてカウンタマスに入力する推力指令の時間応答波形の一例を示す図である。
【図6】本発明のステージ装置において、ステージ連続移動時におけるカウンタマス位置の時間応答波形の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面(図1〜図6)を参照しながら、本発明実施形態に係るステージ装置について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明による測長機能を備えた走査型電子顕微鏡(以下、測長SEMと称す)に装着されたステージ装置の例を示す。ここで、図1の左右方向をX軸方向とし、紙面に垂直方向をY軸方向とし、図1の上下方向をZ軸方向とする。本例の測長SEMは、試料室11と、試料室11の上側の略中央に設けられた円筒形のカラム12を有する。カラム12には、電子線源、電子線光学系、及び、2次電子検出系が設けられている。測長SEMは、更に、制御装置4を有する。
【0016】
試料室11は、4つの防振部材14および支持脚13を介してベース10の上に設置されている。試料室11の内部にはステージ機構2が設けられている。ステージ機構2は、ステージベース21、ステージ22、案内機構23、及び、ステージ駆動機構24を有する。ステージ22はステージ駆動機構24によって駆動される。ステージ22は案内機構23によってX軸方向又はY軸方向に沿って移動する。ステージ駆動機構24は、リニアモータ等によって構成されてよい。ステージ22の位置は、ステージ位置検出ユニット(図示せず)によって計測され、制御装置4にフィードバックされる。ステージ位置検出ユニット(図示せず)は、レーザ干渉計やリニアスケール等によって構成されてよい。
【0017】
試料室11の下面には、カウンタマス機構3が設けられている。カウンタマス機構3は、カウンタマスベース31、カウンタマス案内機構32、カウンタマス駆動機構33及びカウンタマス34を有する。カウンタマス機構3は、更に、カウンタマスの位置を検出するカウンタマス位置検出ユニット(図示なし)を有する。カウンタマス位置検出ユニットは、レーザ干渉計やリニアスケール等によって構成されてよい。試料室11の下面には、試料室11を真空排気するための真空排気ユニット(図示せず)が設けられる。カウンタマス機構3の詳細は、後に、図2及び図3を参照して説明する。
【0018】
試料室11の下面には、試料室11の加速度を検出する加速度センサ35が装着されている。加速度センサ35は、XYZ軸の三軸の加速度を計測可能なものであることが望ましい。この場合、加速度の入力軸のうちのいずれか二軸をステージのX軸方向およびY軸方向に一致させるように加速度センサ35を配置することが望ましい。なお、本例では加速度センサ35を、試料室11の下面に装着しているが、試料室11の側面、上面、又は、試料室の内部等、試料室の振動を検出可能な任意の位置に設置してよい。また本例では、1個の加速度センサを用いているが、2個もしくはそれ以上の加速度センサを使用することも有効である。
【0019】
更に、加速度センサ35は、ステージ機構2に設けてもよい。即ち、加速度センサ35は、ステージ22に装着するのでなければ、ステージ機構2の任意の位置に設けることができる。この場合、加速度センサ35はステージ機構2の加速度を検出するが、ステージ機構2の加速度と試料室の加速度は実質的に同一である。
【0020】
制御装置4は、位置決め制御ユニット41、ステージ制御ユニット42、カウンタマス制御ユニット44、及び、ステージ駆動アンプ43、45を有する。位置決め制御ユニット41は、ステージ22を移動させるための目標位置指令をステージ制御ユニット42に出力する。ステージ制御ユニット42は、ステージ位置検出ユニット(図示せず)からフィードバックされたステージ22の位置情報と目標位置指令によりステージ22を駆動するための推力指令を算出する。この推力指令は、ステージ駆動アンプ43を介して、ステージ駆動機構24に供給され、ステージ22を駆動する。ステージ制御ユニット42によって算出された推力指令は、カウンタマス制御ユニット44にも出力される。カウンタマス制御ユニット44は、カウンタマス位置検出ユニット(図示せず)からフィードバックされたカウンタマス34の位置情報と、ステージ制御ユニット42から入力されたステージの推力指令と、加速度センサ35により計測された試料室11の加速度情報を用いてカウンタマス34を駆動するための推力指令を算出する。この推力は、カウンタマス駆動アンプ45を介してカウンタマス駆動機構33に供給され、カウンタマス34を駆動する。
【0021】
なお、図1では簡単のために、ステージ機構2及びカウンタマス機構3をX軸方向に沿って駆動する場合を説明したが、Y軸方向に沿って駆動する場合も同様である。
【0022】
本例のカウンタマス機構3による振動防止機構の概略を説明する。図示のように、ステージ22とカウンタマス34は、共に、XY平面に沿って移動する。即ち、ステージ22の可動面とカウンタマス34の可動面は、平行であり、且つ、Z軸方向に沿って、互いに離れて配置されている。ステージ22が加速又は減速するとき、図示のように加速又は減速に起因した力F1が作用する。この力F1は、XY平面に沿って作用する。この力F1に対する反力がステージ機構2を介して試料室11に作用する。この反力によって、試料室11は振動する。試料室11の振動は、基本的には、XY平面に沿った1次元又は2次元の直線振動である。しかしながら、試料室11を剛体と見なすと、試料室11は、防振部材14又は支持脚13を通る回転軸線回りに、遥動運動又は回転振動R1する。
【0023】
本例では、カウンタマス34に推力F2が発生するように、カウンタマス34を駆動する。この推力F2に対する反力によって、試料室11の振動は相殺される。
【0024】
ステージ22に印加される力F1とカウンタマス34の推力F2は、同一の大きさを有するが、互いに反対方向に作用する。ステージ22に印加される力F1とカウンタマス34の推力F2は偶力を生成する。この偶力によって、試料室11の1次元又は2次元の直線振動が相殺されるばかりでなく、試料室11の遥動運動又は回転振動が抑制される。こうして本発明によると、試料室11の直線振動及び遥動運動又は回転振動を、ステージ22とカウンタマス34に作用する偶力によって置き換える。
【0025】
ステージ22とカウンタマス34が共に原点にあるとき、カウンタマス34は、ステージ22の鉛直方向下方に配置させることができる。このとき、カウンタマス34の重心を、ステージ22の重心を通る鉛直線上に配置させることができる。これについては、後に詳細に説明する。
【0026】
図2は、試料室11の下側の構造を示す。図2は、試料室11を斜め下から見た斜視図である。図2では、説明のため、ベース10は図示していない。図2に示すように、試料室11は、4つの防振部材14および支持脚13を介してベース10(図示なし)の上に設置されている。試料室11の上にはカラム12が設けられ、試料室11の下面には、カウンタマス機構3と真空排気ユニット6が設けられている。真空排気ユニット6は、試料室11の下面の中央付近に取り付けられる。本発明によると、カウンタマス機構3は、略L字形を有する。そのため、真空排気ユニット6の設置を妨害しないで、カウンタマス機構3を、試料室11の下面に配置することができる。即ち、真空排気ユニット6が試料室11の下面の中央付近に設置されていても、試料室11の下面に、カウンタマス機構3を設けることができる。
【0027】
ここでは、カウンタマス機構3を、試料室11の下面に配置する例を示したが、カウンタマス機構3は、試料室11の上面に設置してもよい。試料室11の上にはカラム12が設けられている。しかしながら、カウンタマス機構3は、略L字形を有する。そのため、カウンタマス機構3を、試料室11の上面に設けることができる。更に、カウンタマス機構3を試料室11の内部に設けてもよい。
【0028】
図3を参照して、カウンタマス機構3の詳細を説明する。図3は、試料室11の下面に設けられたカウンタマス機構3を斜め下から見た斜視図である。図3では、説明のため、試料室11の下面は図示していない。図示のように、試料室11の下面に沿ってX軸及びY軸をとり、垂直上方にZ軸をとる。
【0029】
カウンタマス機構3は、試料室11の下面に固定された、カウンタマスベース311x、311y(図1では31)と、カウンタマスベース311x、311yの下面に装着されたカウンタマス案内機構32x、32y(図1では32)と、その下に装着されたカウンタマス駆動機構33x、33y(図1では33)と、更に、その下に装着されたカウンタマス341X、341Y、342(図1では34)を有する。
【0030】
カウンタマスベース(図1では31)は略L字形の板材によって形成され、X軸方向に沿って延びるXベース311xとY軸方向に沿って延びるYベース311yを有する。
【0031】
カウンタマス案内機構(図1では32)は、X案内機構32xとY案内機構32yを有する。X案内機構32xは、Yベース311yに固定された1対の平行なXレール321xと、Xサブテーブル322xとを有する。Y案内機構32yは、Xベース311xに固定された1対の平行なYレール321yと、Yサブテーブル322yとを有する。Xサブテーブル322xは、X軸方向に沿って延びるXレール321xによって拘束され、X軸方向に沿ってのみ可動である。Yサブテーブル322yは、Y軸方向に沿って延びるYレール321yによって拘束され、Y軸方向に沿ってのみ可動である。
【0032】
カウンタマス駆動機構(図1では33)は、X駆動機構33xとY駆動機構33yを有する。X駆動機構33xは、Yサブテーブル322yに装着されたX軸モータ可動子332xとX軸モータ固定子331xを有する。Y駆動機構33yは、Xサブテーブル322xに装着されたY軸モータ可動子332yとY軸モータ固定子331yを有する。
【0033】
カウンタマス(図1では34)は、Xカウンタマス部材341x、Yカウンタマス部材341y、及び、連結部材342を有する。Xカウンタマス部材341xと連結部材342は、X軸モータ固定子331xを介して接続されている。Yカウンタマス部材341yと連結部材342は、Y軸モータ固定子331yを介して接続されている。X軸モータ固定子331x及びY軸モータ固定子331yは、カウンタマス補助部材として機能し、カウンタマスの構成要素である。本例のカウンタマスは、カウンタマスベース31と同様に、略L字形に形成されている。
【0034】
X駆動機構33x及びY駆動機構33yは、例えばリニアモータによって構成されてよい。リニアモータは、基本的にはマグネットとコイルからなり、両者間の磁気的な吸引力により駆動力を発生する。通常のリニアモータでは、固定子の質量は可動子の質量より大きい。そこで、本例では、モータ固定子331x、331yをカウンタマス補助体として利用する。一方、モータ可動子332x、332yを、サブテーブル322x、322yに装着した。
【0035】
こうして本例では、比較的質量が大きいモータ固定子331x、331yを、カウンタマス補助部材として利用する。それによって、カウンタマス部材341X、341Y、及び、連結部材342の質量を低減させることができる。例えば、モータ固定子331x、331yを、鋳鉄等の比較的質量が大きい鉄材によって形成してよい。なお、モータ固定子331x、331yをサブテーブル322x、322yに装着し、モータ可動子332x、332yをカウンタマス補助部材として使用してもよい。
【0036】
カウンタマス341X、341Y、342、331x、331yをX軸方向に沿って移動させる場合には、X駆動機構33x(331xと332x)を駆動させる。それによって、X軸モータ可動子332xが、X軸モータ固定子331xに対して相対的にX方向に移動するように、X方向の推力Fxが発生する。推力Fxは、カウンタマスをX軸方向に移動させる。カウンタマスが、X軸方向に移動するとき、Y軸モータ可動子332y、及び、Xサブテーブル322xも、Xレール321xに沿ってX軸方向に移動する。
【0037】
カウンタマス341X、341Y、342、331x、331yをY軸方向に沿って移動させる場合には、Y駆動機構33y(331yと332y)を駆動させる。それによって、Y軸モータ可動子332yが、Y軸モータ固定子331yに対して相対的にY方向に移動するように、Y方向の推力Fyが発生する。推力Fyは、カウンタマスをY軸方向に移動させる。カウンタマスが、Y軸方向に移動するとき、X軸モータ可動子332x、及び、Yサブテーブル322yもYレール321yに沿ってY軸方向に移動する。
【0038】
本例によると、カウンタマス341X、341Y、342、331x、及び、331yはX軸方向及びY軸方向に移動可能であるから、X軸とY軸それぞれに対して別のカウンタマスを設置する場合に比べてカウンタマス機構の質量を軽減できる。
【0039】
次に、本例のカウンタマスの重心の位置を説明する。本例のカウンタマスは、カウンタマス部材341X、341Y、連結部材342、及び、カウンタマス補助部材として機能するX軸モータ固定子331x、及び、Y軸モータ固定子331yを有する。本例のカウンタマスは、これらの構成要素によって形成されたL字形の構造体からなる。従って、カウンタマスの構成要素の中心を結ぶと三角形が描かれる。カウンタマスの重心は、この三角形の内部にある。
【0040】
本例のカウンタマスでは、カウンタマス補助部材として機能するX軸モータ固定子331xとY軸モータ固定子331yの長さを変化させることによって、これらのカウンタマスの構成要素の間の相対的な位置が変化する。こうして、カウンタマスの構成要素の間の相対的な位置を変化させることによって、カウンタマスの重心の位置を所望の位置に選択することができる。
【0041】
更に、これらのカウンタマスの構成要素の質量を適当な値に選択することによって、カウンタマスの重心の位置を所望の位置に選択することができる。本例では、X軸モータ固定子331x、及び、Y軸モータ固定子331yを、鋳鉄などの鉄系材料によって構成する。そのため、X軸モータ固定子331x、及び、Y軸モータ固定子331yの質量を大きくすることができる。
【0042】
本例によると、ステージ22(図1参照)が原点にあり、カウンタマスが原点にあるとき、カウンタマスは、ステージ22の鉛直方向下方に配置させることができる。即ち、ステージ22の重心位置の鉛直方向下方に、カウンタマスの重心位置が存在するように、カウンタマスの重心の位置が選択される。即ち、ステージ22(図1参照)の重心位置を通る鉛直方向の軸線上にカウンタマスの重心位置が配置される。
【0043】
図2を参照して説明したように、本例によると、カウンタマス機構3は、試料室11の下面及び下面のいずれに設けてもよい。試料室11の下面には、真空排気ユニット6が設けられ、試料室11の上面には、カラム12が設けられている。しかしながら、カウンタマス機構3はL字形に形成されている。そのため、真空排気ユニット6、又は、カラム12が存在しても、カウンタマスの重心位置を、ステージ22(図1参照)の重心位置の鉛直方向下方に配置することができる。更に、カウンタマス機構3は、試料室11の内部に設けてもよい。試料室11の内部にも様々な構成部品が存在する。しかしながら、カウンタマス機構3はL字形に形成されている。そのため、カウンタマスの重心位置を、ステージ22(図1参照)の重心位置の鉛直方向下方に配置することができる。
【0044】
図4は、本発明のステージ装置の制御装置の例の概略構成を示す図である。制御装置4は、位置決め制御ユニット41、ステージ制御ユニット42、及び、カウンタマス制御ユニット44を有する。ステージ機構2は、ステージ22、ステージ駆動機構24、及び、ステージ位置検出ユニット25を有する。カウンタマス機構3は、カウンタマス34、カウンタマス駆動機構33及びカウンタマス位置検出ユニット36を有する。
【0045】
位置決め制御ユニット41は、予め設定された駆動プロファイルに従って、予め設定された目標位置へステージ22を移動させるための目標位置指令を生成し、それをステージ制御ユニット42に出力する。
【0046】
ステージ制御ユニット42は、位置制御ユニット421、速度制御ユニット422、及び、微分器423を有する。位置制御ユニット421は、ステージ位置検出ユニット25からフィードバックされたステージ22の位置情報と、位置決め制御ユニット41から供給された目標位置指令を入力し、両者の差分である位置偏差を算出する。更に、この位置偏差からPID制御演算などにより速度指令を生成し、それを速度制御ユニット422に出力する。微分器423は、ステージ位置検出ユニット25からフィードバックされたステージ22の位置情報のサンプル時間ごとの差分からステージ22の現在速度を算出し、それを速度制御ユニット422に出力する。速度制御ユニット422は、ステージ22の速度指令と現在速度を入力し、両者の差分である速度偏差を算出する。更に、この速度偏差からPID制御演算などにより推力指令を生成し、それをステージ駆動アンプ43に出力する。ステージ駆動アンプ43は、推力指令よりステージ駆動命令を生成し、それをステージ駆動機構24に出力する。
【0047】
カウンタマス制御ユニット44は、位置制御ユニット441、速度制御ユニット442、微分器443、加速度フィードバック演算ユニット444、及び、推力フィードフォワード係数器445、及び、加算器446を有する。加算器446には、3つの推力指令が供給される。加算器446は、入力された3つの推力指令の和を求め、それを最終的な推力指令としてカウンタマス駆動アンプ45に出力する。カウンタマス駆動アンプ45は、加算器446からの推力指令よりカウンタマス駆動命令を生成し、それをカウンタマス駆動機構33に出力する。
【0048】
加算器446に入力される3つの推力指令を説明する。先ず、推力フィードフォワード制御に用いる推力指令を説明する。ステージ制御ユニット42の速度制御ユニット422からカウンタマス制御ユニット44に、ステージ22に対する推力指令が供給される。推力フィードフォワード係数器445は、ステージ22に対する推力指令に、係数を乗ずることにより、カウンタマス34に対する推力指令が生成される。推力フィードフォワード係数器445によって乗ずる係数は、ステージ22の質量とカウンタマス34の質量の比によって決定する。こうして、ステージ22に対する推力指令に比例したカウンタマス34に対する推力指令が生成される。推力フィードフォワード制御では、ステージ22の移動に起因して生じるX軸方向およびY軸方向の試料室11の反力を相殺するように、カウンタマス34を駆動する。
【0049】
次に、カウンタマス位置制御に用いる推力指令を説明する。位置制御ユニット441は、カウンタマス位置検出ユニット36からフィードバックされたカウンタマス34の位置情報からPID制御演算などによりカウンタマス34に対する速度指令を生成し、それを速度制御ユニット442に出力する。微分器443は、カウンタマス位置検出ユニット36からフィードバックされたカウンタマス34の位置のサンプル時間ごとの差分からカウンタマス34の現在速度を算出し、それを速度制御ユニット442に出力する。速度制御ユニット442は、カウンタマス34に対する速度指令と現在速度を入力し、両者の差分である速度偏差を算出する。更に、速度偏差からPID制御演算などにより、カウンタマス34に対する推力指令を生成する。こうして、カウンタマス位置制御では、カウンタマス34の位置が原点(ストローク中心)に収束するように、カウンタマス34を駆動する。それによって、カウンタマス34の可動範囲(ストローク)は大幅に低減することができる。カウンタマス34の位置フィードバック制御の例は、図6に示す。
【0050】
加速度フィードバック制御に用いる推力命令を説明する。加速度フィードバック演算ユニット444は、加速度センサ35からフィードバックされた試料室11の加速度より、試料室11の振動を抑制するような推力指令を生成する。加速度フィードバック演算ユニット444は、フィードバックした加速度に単純に係数を乗じて推力指令を生成してもよいが、加速度から試料室11の運動状態(並進・回転の変位・速度)を推定し、それを打ち消す推力指令を算出してもよい。こうして加速度フィードバック制御では、推力フィードフォワード制御で相殺できないX軸およびY軸方向の回転軸線まわりの試料室11の回転振動を抑制するようにカウンタマス34を駆動する。
【0051】
加算器446には、推力フィードフォワード制御に用いる推力指令が負入力され、カウンタマス位置制御に用いる推力指令が負入力され、加速度フィードバック制御に用いる推力命令が正入力される。本例では、上述した3つの推力指令の和を最終的な推力指令としてカウンタマス34の制御を行ったが、必ずしも3つ全ての制御を適用する必要はなく、2つ以下の制御方法を適用してカウンタマス34の制御を行う構成としてもよい。
【0052】
図5は、本発明のステージ装置において、ステージの移動時においてカウンタマスに供給する推力指令の時間応答波形の一例を示す図である。図5の横軸は時間、縦軸は推力指令である。点線のグラフ701は、推力フィードフォワード制御のみを適用した場合の推力指令の時間変化を表し、実線のグラフ702は、推力フィードフォワード制御、加速度フィードバック制御及びカウンタマス位置制御の3つの制御を適用した場合の推力指令の時間変化を表す。期間Aは、カウンタマス34が移動している期間、期間Bは、カウンタマス34が停止している期間を表す。即ち、停止期間Bの後に移動期間Aとなり、次に、停止期間Bとなる。カウンタマス34の移動期間Aは、更に、加速期間a、定速期間b、減速期間cからなる。
【0053】
点線のグラフ701に示すように、推力フィードフォワード制御のみを適用した場合には、加速期間a及び減速期間cでは、一定の大きさFの推力指令を生成させるが、停止期間B及び定速期間bでは、推力指令はゼロである。加速期間aの推力指令と減速期間cの推力指令は、互いに反対方向である。カウンタマス34によって生成される推力によって、ステージの移動に起因した試料室11のX軸方向およびY軸方向の反力を相殺できる。
【0054】
実線702のグラフに示すように、3つの制御を適用した場合には、加速期間a及び減速期間cでは、推力指令が発生しているが、この推力指令は、時間と共に僅かであるが減少している。一方、加速期間aの直後の定速期間bでは、加速期間aに印加された推力指令Fと反対方向の小さな推力が生成される。同様に、減速期間cの直後の停止期間Bでは、減速期間cに印加された推力指令Fと反対方向の小さな推力が生成される。これらの反対方向の推力は、変動しながら、時間の経過とともに零に収束する。これは、加速度フィードバック制御とカウンタマス位置制御によるものである。
【0055】
図6は、本発明によるステージ装置において、ステージを連続的に移動させた場合のカウンタマスの位置の時間応答波形の一例を示す図である。図6の横軸は時間、縦軸はカウンタマスの位置である。図6は、ステージ22を原点から一定の移動量Lで正方向に3回、負方向に3回連続して動作させた場合のカウンタマス位置の応答を示す。点線のグラフ801は、推力フィードフォワード制御のみを適用して推力指令を生成した場合のカウンタマスの位置、実線のグラフ802は、推力フィードフォワード制御、加速度フィードバック制御及びカウンタマス位置制御の3つの制御を適用して推力指令を生成した場合のカウンタマスの位置を表す。期間Aは、カウンタマス34が移動している期間、期間Bは、カウンタマス34が停止している期間を表す。即ち移動期間Aと停止期間Bが交互に変化している。移動期間Aと停止期間Bは、図5の移動期間Aと停止期間Bに対応する。カウンタマス34の移動期間Aは、加速期間a、定速期間b、減速期間cからなる。
【0056】
点線のグラフ801に示すように、推力フィードフォワード制御のみを適用した場合には、推力指令を生成するたびに、カウンタマス34の位置が距離Lだけ変化している。距離Lは、推力フィードフォワード係数445により決まる。カウンタマス34の質量がステージ22の質量に対して小さければ、カウンタマス34の移動距離Lは大きくなり、逆に、カウンタマス34の質量がステージ22の質量に対して大きければ、カウンタマス34の移動距離Lは小さくなる。カウンタマス34の移動距離Lが大きくなると、カウンタマス34の可動範囲(ストローク)を大きくする必要がある。
【0057】
一方、実線のグラフ802に示すように、推力フィードフォワード制御、加速度フィードバック制御及びカウンタマス位置制御の3つの制御を適用した場合には、カウンタマス34の位置は最初の位置、即ち、原点の近傍に収まっている。従って、カウンタマス34の可動範囲は小さい。この場合には、カウンタマス機構の質量増加を抑制するとともに、カウンタマス機構の寸法を小さくすることができる。そのため、カウンタマス機構の設置の自由度を高めることができる。
【0058】
本例では、カウンタマス34の位置制御は常に原点を目標位置としたが、ステージ22の次回移動時の移動量および移動方向が予め決まっている場合には、カウンタマス制御ユニット44の位置制御ユニット441は次回移動時に備えて特定の方向にストロークを確保できる位置に位置制御を行ってもよい。上述のように、本発明では、ステージ22(図1参照)が原点にあり、カウンタマスが原点にあるとき、カウンタマスは、ステージ22の鉛直方向下方にある。従って、ステージ22が移動しても、常に、カウンタマスをステージ22の鉛直方向下方に配置させることができる。
【0059】
以上のように本発明のステージ装置では、カウンタマス機構の複雑化と、カウンタマス機構の質量の増加を抑えながら、カウンタマス機構の配置の自由度を向上させることができる、と共に、振動抑制効果の両立が可能となる。
【0060】
以上本発明の例を説明したが本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは、当業者によって容易に理解されよう。
【符号の説明】
【0061】
2…ステージ機構、3…カウンタマス機構、4…制御装置、6…真空排気ユニット、10…ベース、11…試料室、12…カラム、13…支持脚、14…防振部材、21…ステージベース、22…ステージ、23…ステージ案内機構、24…ステージ駆動機構、32…カウンタマス案内機構、33…カウンタマス駆動機構、34…カウンタマス、35…加速度センサ、41…位置決め制御ユニット、42…ステージ制御ユニット、43…ステージ駆動アンプ、44…カウンタマス制御ユニット、45…カウンタマス駆動アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1軸方向に沿って移動可能なステージと前記ステージを駆動するステージ駆動機構と前記ステージの位置を検出するステージ位置検出ユニットとを含むステージ機構と、少なくとも1軸方向に沿って移動可能なカウンタマスと前記カウンタマスを駆動するカウンタマス駆動機構と前記カウンタマスの位置を検出するカウンタマス位置検出ユニットとを含むカウンタマス機構と、前記ステージ機構を制御するステージ制御ユニットと前記カウンタマス機構を制御するカウンタマス制御ユニットを有する制御装置と、を有し、
前記カウンタマスの可動平面と前記ステージの可動平面は互いに平行であり、且つ、互いに隔てられて配置されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項2】
請求項1記載のステージ装置において、
前記カウンタマスは、第1のカウンタマス部材と、第2のカウンタマス部材と、連結部材と、前記第1のカウンタマス部材と前記連結部材を接続する第1のカウンタマス補助部材と、前記第2のカウンタマス部材と前記連結部材を接続する第2のカウンタマス補助部材と、を含み、前記第1のカウンタマス部材と前記第1のカウンタマス補助部材と前記連結部材は一方の軸方向に沿って配置され、前記第2のカウンタマス部材と前記第2のカウンタマス補助部材と前記連結部材は他方の軸方向に沿って配置され、それによって、L字形に構成されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項3】
請求項2記載のステージ装置において、
前記第1及び第2のカウンタマス補助部材は、前第1及び第2のカウンタマス部材の材料に比べて比重の大きな材料によって形成されていることを特徴とする請求項3記載のステージ装置。
【請求項4】
請求項1記載のステージ装置において、
前記カウンタマス駆動機構は、固定子と可動子を有するリニアモータによって構成され、該固定子と可動子のうち質量が大きいほうを前記カウンタマスの構成要素として用いることを特徴とするステージ装置。
【請求項5】
請求項1記載のステージ装置において、
前記ステージと前記カウンタマスが原点に配置されているとき、前記ステージの重心を通る鉛直線上に前記カウンタマスの重心が配置されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項6】
請求項1記載のステージ装置において、
前記カウンタマス制御ユニットは、前記ステージ制御ユニットによって算出された前記ステージに対する推力指令に比例した前記カウンタマスに対する推力指令を生成する推力フィードフォワード制御を行うことを特徴とするステージ装置。
【請求項7】
請求項6記載のステージ装置において、前記カウンタマスに対する推力指令は、前記ステージに対する推力指令に、前記ステージの質量と前記カウンタマスの質量の比を乗算することによって求めることを特徴とするステージ装置。
【請求項8】
請求項1記載のステージ装置において、
前記カウンタマス制御ユニットは、前記カウンタマスの位置が原点に収束するように、前記カウンタマスを駆動するカウンタマス位置制御を行うことを特徴とするステージ装置。
【請求項9】
請求項8記載のステージ装置において、
前記カウンタマス位置制御では、前記カウンタマス位置検出ユニットからフィードバックされた前記カウンタマスの位置情報からPID制御演算により前記カウンタマスに対する速度指令を生成し、前記カウンタマスの位置情報から前記カウンタマスの現在位置を算出し、前記速度指令と前記現在速度の間の偏差により、前記カウンタマスに対する推力指令を生成することを特徴とするステージ装置。
【請求項10】
請求項1記載のステージ装置において、
前記ステージ機構は加速度を計測する加速度センサを有し、
前記カウンタマス制御ユニットは、前記加速度センサからフィードバックされた加速度より、前記ステージ機構の振動を抑制するように前記カウンタマスに対する推力指令を生成する加速度フィードバック制御を行うことを特徴とするステージ装置。
【請求項11】
真空排気されるように構成された試料室と、該試料室の上に設けられカラムと、該カラムの内部に設けられた電子線源及び電子線光学系と、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を有する電子顕微鏡装置において、
X軸及びY軸に沿って移動可能なステージと前記ステージを駆動するステージ駆動機構と前記ステージの位置を検出するステージ位置検出ユニットとを含むステージ機構と、X軸及びY軸に沿って移動可能なカウンタマスと前記カウンタマスを駆動するカウンタマス駆動機構と前記カウンタマスの位置を検出するカウンタマス位置検出ユニットとを含むカウンタマス機構と、前記ステージ機構を制御するステージ制御ユニットと前記カウンタマス機構を制御するカウンタマス制御ユニットを有する制御装置と、を有し、
前記カウンタマスは、L字形の構造体であり、前記カウンタマスの可動平面と前記ステージの可動平面は互いに平行であり、且つ、互いに隔てられて配置されていることを特徴とする電子顕微鏡装置。
【請求項12】
請求項11記載の電子顕微鏡装置において、
前記カウンタマスは、第1のカウンタマス部材と、第2のカウンタマス部材と、連結部材と、前記第1のカウンタマス部材と前記連結部材を接続する第1のカウンタマス補助部材と、前記第2のカウンタマス部材と前記連結部材を接続する第2のカウンタマス補助部材と、を含み、前記第1のカウンタマス部材と前記第1のカウンタマス補助部材と前記連結部材はX軸方向に沿って配置され、前記第2のカウンタマス部材と前記第2のカウンタマス補助部材と前記連結部材はY軸方向に沿って配置され、それによって、L字形に構成されていることを特徴とする電子顕微鏡装置。
【請求項13】
請求項11記載の電子顕微鏡装置において、
前記カウンタマス機構は、前記試料室の下面又は上面に設置されていることを特徴とする電子顕微鏡装置。
【請求項14】
請求項11記載の電子顕微鏡装置において
前記試料室内部の真空排気を行う真空排気ユニットを有し、
前記真空排気ユニットと前記カウンタマス機構は、前記試料室の下面に設けられていることを特徴とする電子顕微鏡装置。
【請求項15】
請求項11記載の電子顕微鏡装置において、
前記試料室には加速度を計測する加速度センサが設けられ、
前記カウンタマス制御ユニットは、前記ステージ制御ユニットによって算出された前記ステージに対する推力指令に比例した前記カウンタマスに対する推力指令を生成する推力フィードフォワード制御と、前記カウンタマスの位置が原点に収束するように、前記カウンタマスを駆動するカウンタマス位置制御と、前記加速度センサからフィードバックされた加速度より、前記ステージ機構の振動を抑制するように前記カウンタマスに対する推力指令を生成する加速度フィードバック制御の少なくとも1つを行うことを特徴とする電子顕微鏡装置。
【請求項16】
請求項15記載の電子顕微鏡装置において、
前記推力フィードフォワード制御において前記カウンタマスに対する推力指令は、前記ステージに対する推力指令に、前記ステージの質量と前記カウンタマスの質量の比を乗算することによって求めることを特徴とする電子顕微鏡装置。
【請求項17】
請求項15記載の電子顕微鏡装置において、
前記カウンタマス位置制御において、前記カウンタマス位置検出ユニットからフィードバックされた前記カウンタマスの位置情報からPID制御演算により前記カウンタマスに対する速度指令を生成し、前記カウンタマスの位置情報から前記カウンタマスの現在位置を算出し、前記速度指令と前記現在速度の間の偏差により、前記カウンタマスに対する推力指令を生成することを特徴とする電子顕微鏡装置。
【請求項18】
請求項15記載の電子顕微鏡装置において、
前記加速度フィードバック制御では、前記推力フィードフォワード制御で相殺できないX軸およびY軸方向の回転軸線回りの回転振動を抑制することを特徴とする電子顕微鏡装置。
【請求項19】
少なくとも1軸方向に沿って移動可能なステージと前記ステージを駆動するステージ駆動機構と前記ステージの位置を検出するステージ位置検出ユニットとを含むステージ機構と、少なくとも1軸方向に沿って移動可能なカウンタマスと前記カウンタマスを駆動するカウンタマス駆動機構と前記カウンタマスの位置を検出するカウンタマス位置検出ユニットとを含むカウンタマス機構と、前記ステージ機構を制御するステージ制御ユニットと前記カウンタマス機構を制御するカウンタマス制御ユニットを有する制御装置と、加速度を計測する加速度センサと、を有し、
前記カウンタマス制御ユニットは、前記ステージ制御ユニットによって算出された前記ステージに対する推力指令に比例した前記カウンタマスに対する推力指令を生成する推力フィードフォワード制御と、前記カウンタマスの位置が原点に収束するように、前記カウンタマスを駆動するカウンタマス位置制御と、前記加速度センサからフィードバックされた加速度より、前記ステージ機構の振動を抑制するように前記カウンタマスに対する推力指令を生成する加速度フィードバック制御の少なくとも1つを行うことを特徴とするステージ装置。
【請求項20】
請求項19記載のステージ装置において、
前記カウンタマスは、L字形の構造体であり、前記カウンタマスの可動平面と前記ステージの可動平面は互いに平行であり、且つ、互いに隔てられて配置されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項21】
請求項19記載のステージ装置において、
前記ステージと前記カウンタマスが原点に配置されているとき、前記ステージの重心を通る鉛直線上に前記カウンタマスの重心が配置されていることを特徴とするステージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−217032(P2010−217032A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65013(P2009−65013)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】