説明

ステープルバットレス保持システム

【課題】材料が外科用器具のあごに場所が限定されるように、外科用器具に限定された量のバットレス材料を取り付けるシステムを提供すること。
【解決手段】バットレス材料を保持するシステムを有する外科用器具であって、ハンドルと、該ハンドルから遠位方向に延びる細長い部材と、該細長い部材の遠位端近くに取り付けられ、第1のあごおよび第2のあごを含むあごアセンブリと、バットレス材料と、開いた中央部分を有し、該第1のあごおよび該第2のあごのうちの少なくとも1つと係合するバットレス保持器であって、該開いた中央部分は、該バットレス材料を解放可能に保持する大きさとされる、バットレス保持器とを備えている、外科用器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本開示は、身体組織を接合する際に使用されるバットレス材料の適用、および外科用器具にバットレス材料を取り付けるための取り付けシステムに関する。さらに詳細には、本開示は、外科用ステープリング器具のアンビルおよび/またはステープルを含むカートリッジにステープルラインバットレス材料を一時的に取り付けるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の背景)
外科用ステープリングデバイスは、身体組織のセグメントを共に接合する目的で、身体組織に、1つ以上の列の締め具、例えばステープルまたは2部品の締め具を、逐次的にまたは同時に適用するために外科医によって使用される。そのようなデバイスは一般的に、接合される身体組織がその間に置かれる一対のあごまたは指状の構造から成る。ステープリングデバイスが作動、すなわち「発射」させられるとき、発射部材または部材(複数)は、あごのうちの1つにおいてステープル駆動部材と接触する。ステープル駆動部材は、身体組織の中を通して相対するあごのアンビルの中に外科用ステープルを押し込み、アンビルはステープルを曲げて閉じる。組織が除去または分離される場合、ナイフブレードがデバイスのあごの中に提供され、ステープルのライン間で組織をカットし得る。
【0003】
比較的薄い罹患しているか、または脆弱な組織をステープルする場合、バットレスが空気または流体の漏れに対してステープルを密封するために使用され得る。さらに、バットレスは、組織に対してステープルラインを補強し、組織の裂けまたはステープルが組織に引かれることを防ぐために使用され得る。バットレス材料の層が、組織に対して設けられ、組織は、従来の態様でステープルされる。組織をステープルする前に、バットレス材料をステープリング器具自体に配置することは公知である。この例示的な例が、McKeanらへの特許文献1に開示されている。McKeanらにおいては、バットレス材料は、ステープラのあごの上を滑る。ステープラは次に作動させられ、対象の組織をステープルし、組織とステープルラインとの間にバットレス材料を固定し、組織およびステープルラインを補強する。
【特許文献1】米国特許第5,542,594号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
材料が外科用器具のあごに場所が限定されるように、外科用器具に限定された量のバットレス材料を取り付けるシステムを提供することが望ましい。バットレス材料が外科用器具から離れることを容易にする、外科用器具にバットレス材料を取り付けるシステムを提供することも望ましい。さらに、McKeanにおいて開示された方法は、オープン外科処置のために有用であるが、内視鏡的器具のあごにバットレス材料を取り付けるシステムを提供することが望ましい。円形の外科用ステープリング器具のアンビルおよびステープルを含むヘッドに、バットレス材料を取り付けるシステムを提供することがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
バットレス材料を保持するシステムを有する外科用器具が開示される。外科用器具は、ハンドルおよびハンドルから遠位方向に延びる細長い部材を含む。あごアセンブリは、細長い部材の遠位端に取り付けられ、アンビルおよびステープルを含むカートリッジを含む。開いたセンターを有するバットレス保持器は、ステープルを含むカートリッジ内に少なくとも部分的に配置され、それによってバットレス保持器は、ステープルを含むカートリッジと摩擦で係合する。バットレス材料は、ステープルを含むカートリッジとバットレス保持器との間に配置される。ステープルを含むカートリッジは、高くなったエッジを有する外側のチャネルおよび外側のチャネル内に配置されたステープルを含む挿入部品を含む。バットレス保持器は、ステープルを含むカートリッジの高くなったエッジと摩擦で係合する。
【0006】
一実施形態において、該挿入部品は側ノッチを含み、保持器は垂れ下がるレグを含み、垂れ下がるレグは側ノッチ内に着座し、外側チャネルと摩擦で係合する。一実施形態において、保持器は、円形の外科用ステープリング器具に対する使用のための円形のリングであり、一方、代替の実施形態において、保持器は直線状外科用ステープリング器具に対する使用のための長方形である。該代替の実施形態において、保持器の少なくとも一端は、外科用器具のブレードによってカットされるように構成されたノッチを含む。
【0007】
特定の実施形態において、バットレス材料は、バットレス材料の中央部分をバットレス材料の周辺部分から分離する周辺の打抜きラインを含み、それによって中央部分は組織にステープルされ得、一方、外側部分は、ステープルを含むカートリッジに残る。
【0008】
バットレス材料を外科用器具のアンビルに固定するシステムも開示される。バットレス保持器は、アンビルの上をスライドするように構成され、それによってバットレス保持器は、アンビルに対してバットレス材料の少なくとも一部分を解放可能に保持する。バットレス保持器は、アンビルのエッジの上のスライドするように構成された第1のレールおよび第2のレールを含む。第1のレールは、アンビルのエッジと係合するように構成された第1の内側に向けられたリップを有する第1のレグを含む。一実施形態において、第1のレグは柔軟である。バットレス保持器は、開いた中央部分をさらに含む。特定の実施形態において、バットレス材料は、周辺の打抜きラインを含む。
【0009】
外科用器具のアンビルにバットレス材料を固定する代替のシステムも開示される。バットレス保持器は、バットレス保持器が、アンビルに対してバットレス材料を解放可能に保持するようにスナップフィットの方法でアンビルと係合するように構成される。バットレス保持器は、アンビルのエッジと係合するように構成された、内側に向けられた突起を有する少なくとも1つの柔軟なレグを含む。
【0010】
一実施形態において、アンビルは、円形の外科用ステープリング器具に対する使用のために構成される。この特定の実施形態において、該少なくとも1つの柔軟なレグおよび内側に向けられた突起は、アンビルのアンビルキャップのリムと係合するように構成されている。
【0011】
代替の実施形態において、アンビルは、直線状の外科用ステープリング器具に対する使用のために構成される。
【0012】
特定の実施形態において、バットレス材料は、バットレス材料の中央部分が組織にステープルされ、一方、バットレス材料の残りは、アンビルおよびバットレス保持器に残ることを可能にする周辺の打抜きラインを含む。
【0013】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0014】
(項目1)
バットレス材料を保持するシステムを有する外科用器具であって、
ハンドルと、
該ハンドルから遠位方向に延びる細長い部材と、
該細長い部材の遠位端近くに取り付けられ、第1のあごおよび第2のあごを含むあごアセンブリと、
バットレス材料と、
開いた中央部分を有し、該第1のあごおよび該第2のあごのうちの少なくとも1つと係合するバットレス保持器であって、該開いた中央部分は、該バットレス材料を解放可能に保持する大きさとされる、バットレス保持器と
を備えている、外科用器具。
【0015】
(項目2)
上記第1のあごは、外科用ステープリングアンビルを含み、上記第2のあごは、外科用ステープリングカートリッジを含む、項目1に記載の外科用器具。
【0016】
(項目3)
上記バットレス保持器は、上記カートリッジと係合する、項目2に記載の外科用器具。
【0017】
(項目4)
上記カートリッジは、上記バットレス材料と摩擦で係合するための第1の高くなったエッジ、および第2の高くなったエッジを有する、項目3に記載の外科用器具。
【0018】
(項目5)
上記アンビルバットレス保持器は、上記アンビルと係合する、項目3に記載の外科用器具。
【0019】
(項目6)
上記ステープルを含むカートリッジは、高くなったエッジを有する外側のチャネル、および該チャネル内に配置されたステープルを含む挿入部品を含み、上記バットレス保持器は、該外側のチャネルの該高くなったエッジと摩擦で係合する、項目1に記載の外科用器具。
【0020】
(項目7)
上記挿入部品側ノッチを含み、および上記保持器は垂れ下がるレグを含む、項目6に記載の外科用器具。
【0021】
(項目8)
上記垂れ下がるレグは、上記外側チャネルと摩擦で係合する、項目7に記載の外科用器具。
【0022】
(項目9)
上記保持器は、円形のリングである、項目1に記載の外科用器具。
【0023】
(項目10)
上記保持器は長方形である、項目1に記載の外科用器具。
【0024】
(項目11)
上記保持器は、上記外科用器具のブレードによってカットされるように構成されたノッチを有する少なくとも1つの端を含む、項目10に記載の外科用器具。
【0025】
(項目12)
上記バットレス材料は、該バットレス材料の中央部分を該バットレス材料の周辺部分から分離する周辺の打抜きラインを含む、項目1に記載の外科用器具。
【0026】
(項目13)
バットレス材料を保持するシステムを有する外科用器具であって、
ハンドルと、
該ハンドルから遠位方向に延びる細長い部材と、
該細長い部材の遠位端近くに取り付けられ、第1のあごおよび第2のあごを含むあごアセンブリと、
該第1のあごおよび該第2のあごのうちの少なくとも1つに対して配置されたバットレス材料と、
バットレス保持器が該バットレス材料を解放可能に保持するように、該あごの上をスライドするように構成されたバットレス保持器と
を備えている、外科用器具。
【0027】
(項目14)
上記バットレス保持器は、アンビルの上をスライドするように構成された第1のレールおよび第2のレールを含む、項目13に記載のシステム。
【0028】
(項目15)
上記バットレス保持器は、開いた中央部分を含む、項目13に記載のシステム。
【0029】
(項目16)
上記第1のレールは、第1の内側に向けられたリップを有する第1のレグを含む、項目14に記載のシステム。
【0030】
(項目17)
上記第1のレグは柔軟である、項目16に記載のシステム。
【0031】
(項目18)
上記バットレス材料は、周辺の打抜きラインを含む、項目13に記載のシステム。
【0032】
(項目19)
バットレス材料を保持するシステムを有する外科用器具であって、
ハンドルと、
該ハンドルから遠位方向に延びる細長い部材と、
該細長い部材の遠位端近くに取り付けられ、第1のあごおよび第2のあごを含むあごアセンブリと、
該第1のあごおよび該第2のあごのうちの少なくとも1つに対して配置されたバットレス材料と、
該あごと係合するように構成され、かつ該バットレス材料を解放可能に保持するように構成された開いた中央部分を有するバットレス保持器と
を備えている、外科用器具。
【0033】
(項目20)
上記バットレス保持器は、アンビルのエッジと係合するように構成された、内側に向けられた突起を有する少なくとも1つの柔軟なレグを含む、項目19に記載のシステム。
【0034】
(項目21)
上記少なくとも1つの柔軟なレグおよび上記内側に向けられた突起は、上記アンビルのアンビルキャップのリムと係合するように構成された、項目20に記載のシステム。
【0035】
(項目22)
アンビルは、円形の外科用ステープリング器具に対して使用されるように構成された、項目19に記載のシステム。
【0036】
(項目23)
アンビルは、直線状の外科用ステープリング器具に対して使用されるように構成された、項目19に記載のシステム。
【0037】
(項目24)
上記バットレス材料は、周辺の打抜きラインを含む、項目19に記載のシステム。
【0038】
(摘要)
外科用ステープリング器具は、外科用器具と関連するアンビルおよびステープルを含むカートリッジに、バットレス材料を固定するためのシステムを有して提供される。システムは、アンビルまたはステープルを含むカートリッジと係合して、保持器とアンビルまたはステープルを含むカートリッジとの間にバットレス材料を捕捉するように構成された保持器を含む。開示された保持器は、スナップフィットまたは摩擦フィットの方法で、アンビルまたはステープルを含むカートリッジと係合する。バットレス材料は、バットレス材料の中央が組織にステープルされ、その一方で、バットレス材料の残りが、アンビルまたはステープルを含むカートリッジに残ることを可能にする周辺の打抜きラインを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
ステープルラインバットレス材料を外科用ステープリング器具に取り付ける本開示のシステムの様々な実施形態が、図面を参照して本明細書に開示される。
【0040】
(実施形態の詳細な記述)
外科用器具に対する使用のための本開示のバットレス材料取り付けシステムの実施形態がここで、図面を参照して詳細に記述され、幾つかの図面の各々において、同様な数字は同一、または対応する要素を示す。当技術分野において普通であるように、用語「近位の」は、ユーザまたはオペレータ、すなわち外科医または内科医により近い部分またはコンポーネントを指し、一方、用語「遠位の」は、ユーザからより遠い部分またはコンポーネントを指す。
【0041】
ここで図1を参照して、組織をステープルし、かつステープルと下にある組織との間にバットレス材料の層を適用する際に使用するための直線状の外科用ステープリング器具すなわち外科用ステープラ10が開示される。このタイプの外科用ステープリング器具の例が、米国特許第7,044,353号に開示され、その全開示が本明細書に参考として援用されている。外科用ステープラ10は概して、ハンドル12から遠位方向に延びる細長い管状部材14を有するハンドル12を含む。あごアセンブリ16は、細長い管状部材14の遠位端18に取り付けられている。あごアセンブリ16は、ステープルを形成するアンビル20およびステープルを含むカートリッジ、すなわちステープルカートリッジ22を含む。ステープルカートリッジ22は、細長い管状部材14に永久的に取り付けられ得るか、または取り外し可能であり得、従って新しいステープルカートリッジ22と取替え可能であり得る。ステープルをクリンチするアンビル20は、細長い管状部材14の遠位端18に可動的に取り付けられ、ステープルカートリッジ22から離れた開いた位置とステープルカートリッジ22に実質的に近い閉じた位置との間で可動である。
【0042】
ステープルを形成するアンビル20には、以下により詳細に記述される方法で、アンビルバットレス材料24の層が提供され、ステープルカートリッジ22には、カートリッジバットレス材料26の層が提供される。アンビル20のバットレス材料のタイプは、ステープルカートリッジのバットレス材料のタイプと同じかまたは異なり得る。アンビルバットレス保持器28は、アンビルバットレス材料をステープルを形成するアンビル20に解放可能に固定するために提供される。同様に、カートリッジバットレス保持器30は、カートリッジバットレス材料26をステープルカートリッジ22に解放可能に固定するために提供される。アンビルバットレス材料24およびカートリッジバットレス材料26は、外科用ステープラ10によって組織に適用されるステープルラインを補強、密封、かつ/または支持するために提供される。
【0043】
外科用ステープラ10は、ハンドル12に可動的に取り付けられたトリガ32を含む。トリガ32の作動は、ステープルカートリッジ22に対して開いた位置から閉じた位置にアンビル20を動かすように最初に動作し、その後ステープルのラインを組織に適用するように外科用ステープラ10を作動させる。ステープルされる組織に対してあごアセンブリ16を正しく向けるために、外科用ステープラ10には、ハンドル12に取り付けられた回転ノブ34がさらに提供される。ハンドル12に対する回転ノブ34の回転は、ハンドル12に対して細長い管状部材14およびあごアセンブリ16を回転させ、それによってステープルされる組織に対してあごアセンブリ16を正しく向ける。
【0044】
図2を参照して、ドライバ36が、ステープルカートリッジ22に対して開いた位置と閉じた位置との間でアンビル20を動かすために提供される。ドライバ36は、アンビル20に形成された長手方向のスロット38の中を動く。ナイフブレード(図示されず)は、ドライバ32と関連し、ドライバ36がスロット38の中を動くとき、アンビル20とステープルカートリッジ22との間で捕捉された組織をカットする。
【0045】
アンビル20、バットレス材料24およびアンビルバットレス保持器28は、組み合わさって、アンビルバットレス取り付けシステム40を形成し、アンビルバットレス材料24が、アンビル20に支持され、解放可能に取り付けられることを可能にする。同様に、ステープルカートリッジ22、カートリッジバットレス材料26およびカートリッジバットレス保持器30は組み合わさって、カートリッジバットレス取り付けシステム42を形成し、カートリッジバットレス材料26が、ステープルカートリッジ22の上に支持され、解放可能に取り付けられることを可能にする。外科用ステープラ10が患者の身体の中に挿入されかつ操作されるとき、それぞれのバットレス材料が裂けたりまたは皺がよったりする危険なく患者の身体の中を外科用ステープラ10が通ることを容易にするために、アンビルバットレス取り付けシステム40およびカートリッジバットレス取り付けシステム42は、それぞれのバットレス材料が、アンビル20およびステープルカートリッジ22の内側を向く面に限定配置されることを可能にするように特に構成される。
【0046】
図3を参照して、開いた位置と閉じた位置との間でアンビル20を動かすために、アンビル20は、閉じた位置にアンビル20をカムで動かすためにドライバ36と係合するように構成された近位の、角度が付いたまたは傾斜したエッジ44を含む。スロット38は、傾斜したエッジ44から遠位方向に延び、外科用ステープラ10が完全に作動したとき、ドライバ36を捕捉して、外科用ステープラ10のさらなる作動を防ぐように構成された横スロット46で終端する。ステープルカートリッジ22によって提供されたステープルを組織およびバットレス材料に固定するために、アンビル20には、長手方向のスロット38の両側に位置するステープルをクリンチするポケット48の長手方向に延びる列が提供される。スロット38の両側には、ステープルをクリンチするポケット48の単一の列だけが例示されているが、複数のおよび/または互い違いに配列されたステープルをクリンチするポケット48の列がアンビル20に提供され得ることが考えられている。
【0047】
なおも図3を参照して、アンビル20、アンビルバットレス材料24、およびアンビルバットレス保持器28を含むアンビルバットレス取り付けシステム40がここで記述される。ステープルカートリッジ22および/またはアンビル20に対するバットレス材料が、任意の生体適合性のある自然のまたは合成の材料から作られ得る。バットレス材料が形成される材料は、生体吸収性または生体非吸収性であり得る。自然の、合成の、生体吸収性の、および生体非吸収性の材料の任意の組み合わせが使用され、バットレス材料を形成し得ることが、もちろん理解されるべきである。
【0048】
物質(その物質から、上記バットレス材料(buttress material)が作製され得る)のいくつかの非限定的な例としては、ポリ(酪酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ホスファジン)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアセテート、ポリカプロラクトン、ポリプロピレン、脂肪族ポリエステル、グリセロール、ポリ(アミノ酸)、コポリ(エーテル−エステル)、ポリアルキレン−オキサレート、ポリアミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリオキサエステル、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ならびにそれらのコポリマー、ブロックコポリマー、ホモポリマー、混合物、および組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0049】
実施形態において、天然の生物学的ポリマーが、上記バットレス材料の形成において使用される。適した天然の生物学的ポリマーの例としては、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブリノゲン、エラスチン、ケラチン、アルブミン、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルセルロース、キチン(chitan)、キトサン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。さらに、その天然の生物学的ポリマーは、上記バットレス材料を作製するために本明細書中に記載される任意の他のポリマー物質と合わせられ得る。
【0050】
バットレス材料は、多孔性もしくは非多孔性であり得るか、または多孔性および非多孔性の層の組み合わせであり得る。バットレス材料が非多孔性である場合、バットレス材料は、組織内部成長が組織を取り囲むことを阻止するかまたは妨げ、それによって癒着バリアとして作用し、望ましくない瘢痕組織の形成を妨げる。従って、実施形態において、バットレス材料は、抗癒着特性を持つ。上記の材料から非多孔性の層を形成する技術は、当業者の知識の範囲内であり、例えばキャスティング、モールディングなどを含む。
【0051】
実施形態において、バットレス材料は多孔性であり、止血特性を持つ。バットレス材料が多孔性である場合、その表面の少なくとも一部分に開口部または孔を有する。多孔性の層を形成するための適切な材料は、泡沫(例えば開いたまたは閉じたセル構造の発泡体)を含むが、これに限定されない。実施形態において、孔は、多孔性の層の厚さ全体にわたって相互接続するために、数およびサイズが充分である。他の実施形態において、孔は、多孔性の層の厚さ全体にわたって相互接続しない。さらに他の実施形態において、孔は、多孔性の層の厚さ全体にわたって延びず、その表面の一部分に存在する。実施形態において、開口部または孔は、多孔性の層の表面の一部分に位置し、多孔性の層の他の部分は、非多孔性テクスチャを有する。本開示を読む当業者は、多孔性層に対する他の孔分布パターンおよび構成を想到する。
【0052】
バットレス材料が多孔性である場合、孔は、組成物の凍結乾燥、すなわちフリーズドライングを含むがこれに限定されない、発泡体または海綿を形成する任意の適切な方法を使用して形成され得る。泡沫を作る適切な技術は、当業者の知識の範囲内である。多孔性のバットレス材料は、少なくとも0.2cmの厚さであり得、実施形態においては約0.3〜約1.5cmの厚さであり得る。多孔性のバットレス材料は、約75mg/cmを超えない密度を有し得、以下の実施形態においては、約20mg/cmである。多孔性のバットレス材料における孔のサイズは、約20μm〜約300μmであり得、実施形態においては、約100μm〜約200μmである。
【0053】
バットレス材料は、補強部材も含み得る。補強部材は、多孔性または、非多孔性の層と関連し得るか、またはバットレス材料の非多孔性の層と多孔性の層との間に配置され得る。あるいは、補強部材は、バットレス材料の1つ以上の個々の層内に完全に配置され得る(すなわち多孔性の層、非多孔性の層、または両方の内部に埋め込まれ得る)。補強部材は、バットレス材料をなす層のうちの1つの表面に位置し得、かつ実施形態においては、バットレス材料の外面に位置し得る。
【0054】
補強部材の一部の適切な非限定的な例は、織物、メッシュ、モノフィラメント、マルチフィラメント編組、切り刻まれたファイバ(chopped fibers)(当技術分野ではときどき、ステープルファイバと称される)およびそれらの組み合わせを含む。補強部材がメッシュの場合、当業者に公知の任意の技術、例えばニッティング、ウィービング、タッチング(tatting)、ニップリング(knipling)などを使用して、それは調製され得る。モノフィラメントまたはマルチフィラメント編組が補強部材として使用される場合、モノフィラメントまたはマルチフィラメント編組は、任意の所望の態様で方向付けられ得る。例えば、モノフィラメントまたはマルチフィラメント編組は、バットレス材料内で、互いに対して無作為に配置され得る。別の例として、モノフィラメントまたはマルチフィラメント編組は、バットレス材料内で共通の方向に向けられ得る。切り刻まれたファイバが、補強部材として使用される場合、切り刻まれたファイバは、任意の所望の態様で方向付けられ得る。例えば、切り刻まれたファイバは、無作為に方向付けられ得るか、または共通の方向に向けられ得る。従って、切り刻まれたファイバは、不織材料、例えばマットまたはフェルトを形成し得る。切り刻まれたファイバは、(例えば熱溶解によって)共に接合され得るか、またはそれらは互いに対して付着されないことがある。切り刻まれたファイバは任意の適切な長さであり得る。例えば、切り刻まれたファイバは、長さが0.1mm〜100mmであり得、実施形態においては、長さが0.4mm〜50mmであり得る。例示的な実施形態において、バットレス材料は、予め共に溶解されずにバットレス材料内に埋め込まれた無作為に方向付けられた切り刻まれたファイバを有する。
【0055】
補強材料は、任意の生体吸収性、非生体吸収性、天然、または本明細書中に既に記述された合成材料およびそれらの組み合わせから形成され得る。モノフィラメントまたはマルチフィラメント編組が補強部材として使用される場合、任意の商業的に利用可能な縫合糸材料が、補強部材として有利にも使用され得る。
【0056】
実施形態において、少なくとも1つの生物活性剤が、バットレス材料および/またはバットレス材料を構成するために使用される個々の構成要素(多孔性の層、非多孔性の層および/または補強部材)のうちの任意のものと組み合わせられ得る。これらの実施形態において、バットレス材料は、生物活性剤の送達のためのビヒクルとしても役立ち得る。用語「生物活性剤」は、本明細書に使用されるとおり、その最も広い意味で使用され、臨床的用途を有する任意の物質または物質の混合を含む。従って、生物活性剤はそれ自体、薬理学的作用、例えば色素、または芳香を有し得るか、または有し得ないことがある。あるいは、生物活性剤は、組織成長、細胞成長、細胞分化に影響を与えるかもしくはこれに関係する化合物、抗接着化合物、免疫反応など生物学的反応を引き起こすことができ得るか、または1つ以上の生物学的プロセスにおいて任意の他の役割を果たし得る化合物など、治療的または予防的効果を提供する任意の剤であり得る。
【0057】
本開示に従って用いられ得る生物活性因子のクラスの例としては、抗接着剤、抗菌剤、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症剤、心臓血管薬剤、診断剤、交感神経作用剤、コリン作用剤、抗ムスカリン剤、抗痙攣剤、ホルモン、成長因子、筋弛緩薬、アドレナリンニューロン遮断薬、抗腫瘍剤、免疫物質、免疫抑制薬、胃腸薬剤、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、および酵素が挙げられる。生物活性因子の組み合わせが使用され得ることもまた、意図される。
【0058】
抗接着剤(anti−adhesive)または抗接着因子(anti−adhesion agent)が、上記バットレス材料と標的組織の反対側の周辺組織との間に、接着が形成されるのを防ぐために用いられ得る。これらの因子の例としては、ポリ(ビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0059】
本開示のバットレス材料中の生物活性因子として含まれ得る、適した抗菌剤としては、トリクロサン(2,4’,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルとしても公知)、クロルへキシジンおよびその塩(酢酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルへキシジン、塩酸クロルへキシジン、および硫酸クロルへキシジンが挙げられる)、銀およびその塩(酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリル酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク質、および銀スルファジアジンが挙げられる)、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシンおよびゲンタマイシン)、リファンピシン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン類(例えば、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、エノキサシン、およびシプロフロキサシン)、ペニシリン(例えば、オキサシリンおよびピプラシル(pipracil))、ノンオキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。さらに、抗菌タンパク質およびペプチド(例えば、ウシラクトフェリンおよびラクトフェリンB)が、本開示の生物活性コーティングに生物活性因子として含まれ得る。
【0060】
本開示に従うバットレス材料中の生物活性因子として含まれ得る、他の生物活性因子としては、局所麻酔薬;非ステロイド性抗受精剤;副交感神経作用剤;精神療法剤;精神安定薬;うっ血除去薬;鎮静睡眠薬;ステロイド類;スルホンアミド;交感神経作用剤;ワクチン;ビタミン類;抗マラリア薬;抗偏頭痛薬;抗パーキンソン病剤(例えば、L−ドパ);抗痙攣剤;抗コリン作用剤(例えば、オキシブチニン);鎮咳薬;気管支拡張薬;心臓血管剤(例えば、冠状血管拡張薬およびニトログリセリン);アルカロイド類;鎮痛薬;麻酔薬(例えば、コデイン、ジヒドロコデイノン、メペリジン、モルホリンなど);非麻酔薬(例えば、サリチレート、アスピリン、アセトアミノフェン、d−プロポキシフェンなど);オピオイド受容体アンタゴニスト(例えば、ナルトレキソンおよびナロキソン);抗癌剤;抗痙攣薬;制吐剤;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤(例えば、ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン剤、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾンなど);プロスタグランジンおよび細胞毒性薬剤;エストロゲン;抗菌剤;抗生物質;抗真菌薬;抗ウイルス薬;抗凝固薬;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗ヒスタミン薬;ならびに免疫物質が挙げられる。
【0061】
上記コーティング組成物中に含まれ得る適した生物活性因子の他の例としては、ウイルスおよび細胞、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質、それらのアナログ、それらのムテイン、ならびにそれらの活性なフラグメント(例えば、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン、リンフォカイン、モノカイン、ケモカイン)、血液凝固因子、造血因子、インターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−6)、インターフェロン(β−IFN、(α−IFNおよびγ−IFN)、エリトロポイエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、抗腫瘍剤および腫瘍抑制剤、血液タンパク質、ゴナドトロピン(例えば、FSH、LH、CGなど)、ホルモンおよびホルモンのアナログ(例えば、成長ホルモン)、ワクチン(例えば、腫瘍生抗原、細菌性抗原、ウイルス性抗原);ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子;成長因子(例えば、神経成長因子、インスリン様成長因子);タンパク質インヒビター、およびタンパク質アゴニスト;核酸(例えば、アンチセンス分子、DNAおよびRNA);オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;ならびにリボザイム))が挙げられる。
【0062】
なおも図3を参照して、アンビル20、アンビルバットレス材料24およびアンビルバットレス保持器28を含むアンビルバットレス取り付けシステム40が、ここで記述される。図3および図4を参照して、図示のように、バットレス保持器28は、アンビル20の面に対してバットレス材料24を解放可能に保持するように構成されている。バットレス保持器28は、アンビル20の上を滑るかまたはぱちんと嵌ってバットレス材料24を保持するように構成されている。バットレス保持器28は、ステープルカートリッジ22と関連するステープルが通る開いた中央エリア52を画定するフレーム50を含む。フレーム50は、遠位端54および近位端56を含む。第1および第2の側58および60はそれぞれ、遠位端54と近位端56との間に延びる。第1のレグ62は、第1の側58から下がり、第1の内側に向けられたリップ64を含む。同様に、第2のレグ66は、第2の側60から下がり、第2の内側に受けられたリップ68を含む。第1の側58、第1のレグ62、および第1のリップ64は、アンビル20を受け入れるための第1のレール70を形成し、第2の側60、第2のレグ66、および第2のリップ68は、アンビル20を受け入れるための第2のレール72を形成する。
【0063】
アンビルバットレス保持器28は、アンビル20の上でアンビルバットレス保持器28を長手方向にスライドさせることによって、アンビル20に取り付けられ、それによって第1のレール70は、アンビル20の第1の側74の上をスライドして摩擦係合し、第2のレール72は、アンビル20の第2の側76の上をスライドして摩擦係合し、それによってアンビルバットレス保持器28とアンビル20との間でアンビルバットレス材料を捕捉する。アンビルバットレス材料24は、開いた中央52を介してステープルカートリッジ22に露出される。アンビルバットレス材料24は、アンビルバットレス保持器28とアンビル20との間でゆるく保持され、それによってアンビルバットレス材料24を組織にステープルする際に、アンビルバットレス材料24は、アンビル20から引き離され得る。第1のリップ64および第2のリップ68は、バットレス材料24を解放可能に保持し、使用に際してバットレス材料24がアンビル20から引き離されることが可能になるようなサイズとされる。あるいは、アンビルバットレス材料24は、アンビル20とアンビルバットレス保持器28との間でしっかりと把握され得る。この実施形態において、アンビルバットレス材料24は、中央部分80を組織にステープルする際に、アンビルバットレス材料の中央部分80が、周辺部分82から引き離されることを可能にする周辺の打抜きライン78で形成される。周辺部分82は、アンビル20とアンビルバットレス保持器28との間で捕捉、かつ保持される。
【0064】
さらなる代替実施形態において、第1および第2のレグ62および66は、アンビル20の上を長手方向にスライドするのに対して、アンビル20の第1および第2の側74および76それぞれの上にぱちんと適合するように充分に柔軟に形成され得る。アンビルバットレス材料24はそのとき、上に論議された方法のうちの任意の方法で、アンビル20とアンビルバットレス保持器28との間で捕捉される。
【0065】
図5を参照して、上に述べられたように、あごアセンブリ16は、ステープルカートリッジ22およびカートリッジバットレス保持器30によってステープルカートリッジ22に固定されたカートリッジバットレス材料30を含むカートリッジバットレス取り付けシステム42を有する。ステープルカートリッジ22は、概ねU形状の外側チャネル84および外側チャネル84内に配置されたステープルを含む挿入部品86を有する公知のタイプのステープルカートリッジである。特定の実施形態において、外側チャネル84は型で打ち抜かれたシート金属で形成され、一方、ステープルを含む挿入部品86は、プラスチック材料から形成される。
【0066】
ここで図6を参照して、外側チャネル84は、ステープルカートリッジ22が、細長い管状部材14に取り外し可能に取り付けられることを可能にするU形状の近位端88を含む。ステープルを含む挿入部品86は、外科用ステープラ10と関連するナイフの通過のための、中央に位置する細長いスロット90を含む。さらに、ステープルを含む挿入部品86は、スロット90の両側に配置されたステープルを含むポケット92および94の長手方向に延びる列を含む。ポケット92および94は、以下により詳細に記述される態様でステープルおよびステープルプッシャを含む。さらに、ステープルを含む挿入部品は、ステープル駆動部材100および102を受け入れるための、ステープルポケット92および94の列の下に配置された、長手方向に延びるスロット96および98を含む。ステープルを含むポケット92および94の下でのステープル駆動部材100および102の通過は、そこに含まれたステープルをステープルを含む挿入部品86の外に駆動する。
【0067】
カートリッジバットレス保持器30をステープルを含むカートリッジ22に固定するために、外側チャネル84は、その間にカートリッジバットレス保持器30を捕捉するように構成された、第1および第2の長手方向に延びる高くなったエッジ104および106を含む。カートリッジバットレス保持器30は、遠位端108および近位端110を含む。第1および第2の側112および114は、遠位端108と近位端110との間に延びる。カートリッジバットレス保持器30がステープルを含むカートリッジ22に組み立てられるとき、第1の側112は第1の高くなったエッジ104と摩擦係合し、一方、第2の側114は第2の高くなったエッジ106と摩擦係合し、このようにしてステープルを含むカートリッジ22の外側チャネル84の第1および第2の高くなったエッジ104と106との間にカートリッジバットレス保持器30をしっかりと固定する。
【0068】
図7をここで参照して、上に記述されたステープルバットレス材料24と同様に、カートリッジバットレス材料26には、カートリッジバットレス材料26の周辺部分118を中央部分120から分離する周辺の打抜きライン116が提供されている。
【0069】
図6に戻って、外科用ステープリング器具10と関連するナイフブレード(図示されず)が、カートリッジバットレス材料26を完全にカットするために、カートリッジバットレス保持器30の遠位端108にはノッチ122が提供され、カートリッジバットレス保持器30はノッチ122において、ナイフブレードによってカットされるように構成される。同様に、近位端110にはノッチ124が提供され、カートリッジバットレス保持器30は、カートリッジバットレス材料26のカットの間に、ナイフブレードによってノッチ124においてカットされるように構成される。アンビルバットレス保持器28は、アンビル20に取り付けられたままで、ナイフブレードによってカットされるように同様に構成される。
【0070】
ここで図8を参照して、上に論議されたように、カートリッジバットレス材料26は、カートリッジバットレス保持器30とステープルカートリッジ22のステープルを含む挿入部品86との間に固定される。詳細には、カートリッジバットレス材料26の周辺部分118は、カートリッジバットレス保持器30の第1の側112とステープルを含む挿入部品86との間に捕捉される。カートリッジバットレス材料26の中央部分120は、自由に組織にステープルされ、打抜きライン116に沿って周辺部分118から分離される。図示のように、カートリッジバットレス保持器30の第1の側112は、外側チャネル84の第1の高くなったエッジ104によって摩擦で保持される。あるいは、打抜きライン116は省略され、遠位端108、近位端110、第1の側112および/または第2の側114は、バットレス材料26が、カートリッジバットレス保持器30の開いた中央エリアを滑り抜けることを可能にしながら、バットレス材料26を解放可能に保持するような大きさとされる。
【0071】
ここで図9を参照して、ステープルカートリッジ22内にカートリッジバットレス保持器30を固定する代替の方法が例示される。この実施形態において、ステープルを含む挿入部品86は、カートリッジバットレス保持器30の第1の側112から下向きに延び垂れ下がるレグ128を受け入れるように構成される側ノッチ126を含む。詳細には、垂れ下がるレグ128は、ステープルを含む挿入部品86と外側チャネル84との間に捕捉される。図8に開示された実施形態と同様に、カートリッジバットレス材料26の周辺部分118は、第1の側112とステープルを含む挿入部品86との間に捕捉される。中央部分120は、組織にステープルされた後、打抜きライン116に沿って自由に分離される。
【0072】
ここで図10〜図14を参照するが、最初に図10および図11に関して、管状組織セクションTをステープルし、かつ分割するための外科用ステープラ10の使用がここで記述される。最初に、アンビル20およびステープルを含むカートリッジ22を含むあごアセンブリ16は、ステープルされる組織Tの周りに配置される。ドライバ36は、スロット38に対して近位の位置にある。図11に最も良く示されるように、ステープルを含む挿入部品86は、ステープルポケット92内に配置されたステープル130を含む。ステープル130は従来のタイプであり、バックスパン132から延びる一対のレグ134および136を有するバックスパン132を含む。レグ134および136は、組織を貫通する先端138および140で終端する。プッシャ142は、ステープルポケット92内に位置し、ステープル132と駆動バー100の経路との間に配置される。
【0073】
ここで図11を参照して、外科用ステープラ10は最初に、ハンドル12(図1)に対するトリガ32の動きによって作動させられ、矢印Bの方向に、かつ傾斜の付いたアンビル20のエッジ44に対してドライバ36が動くようにし、それによってステープルカートリッジ22に対して閉じた位置にアンビル20が動かされるようにする。図12に最も良く示されるように、駆動バー100が、ステープルを含む挿入部品86内で遠位方向に前進するとき、駆動バー100は、ステープル130のバックスパン132に対してプッシャ142を上向きに促し、カートリッジバットレス材料26、組織T、アンビルバットレス材用24を貫きアンビル20内のステープル形成ポケット48の方にステープル130を駆動する。組織を貫通するチップ138および140は、ステープルをクリンチするポケット48内で曲げられ、それによってアンビルバットレス材料24を組織Tに対して固定し、一方、バックスパン132は、カートリッジバットレス材料26を組織Tに対して固定する。
【0074】
特に示されてはいないが、外科用ステープラ10の完全な作動に際して、外科用ステープラ10と関連し、ドライバ36によって搬送されるナイフブレードは、組織T、ならびに今形成されたステープル132の列の間のアンビルバットレス材料24およびカートリッジバットレス材料26をカットする。図13に示されるように、一実施形態において、ステープルカートリッジ22から離れた、アンビル22の開いた位置への動きに際して、アンビルバットレス材料24は、上に記述されたようにアンビル20から引き離される。代替実施形態において、アンビルバットレス材料24の周辺の部分82は、打抜きライン78に沿って中央部分80から分離する。さらに、カートリッジバットレス材料26の中央部分120は、上に記述された態様で、打抜きライン116(図7)に沿って周辺の部分118から分離する。従って、周辺の部分82および118は、外科用ステープラ10が組織Tから離れるように動かされるとき、アンビル20およびステープルカートリッジ22に残る。
【0075】
ステープル130でステープルされて閉じられた結果として生じる組織Tは、図14に最も良く例示されている。詳細には、カートリッジバットレス材料26は、ステープル130のバックスパン132によって組織Tに対して固定され、アンビルバットレス材料24は、ステープル130の今形成された組織を貫通するチップ138および140によって組織Tに対して固定される。この態様で、アンビルバットレス材料24およびカートリッジバットレス材料26は、組織にステープルされ、それによってステープル130によって生成されたこれらのステープルラインを密封かつ/または補強する。
【0076】
ここで図15〜図22を参照するが、最初に図15に関して、円形の外科用ステープラにバットレス材料を解放可能に取り付けるためのシステムがここで開示される。円形の外科用ステープラ150は、ハンドル152から遠位方向に延びる細長い部材154を有するハンドル152を概して含む公知のタイプである。ステープルを含むヘッドすなわちカートリッジ156は、細長い部材154の遠位端に提供される。ステープルを含むカートリッジ156は、組織の中を通して挿入するためのステープル(図示されず)を収納する。詳細には、円形の外科用ステープラ150は、1つ以上の円形の列のステープルを適用して、2つの管状の組織セクションを共にステープルするように構成される。アンビル160は、組織の周りで閉じられた形状にステープルを形成するために提供される。アンビル160は、アンビルキャップ162から近位方向に延びるアンビルシャフト164を有するアンビルキャップ162を含む。シャフト166は、細長い部材154から延び、アンビルシャフト164と解放可能に係合するように構成される。アプロクシメータ168はハンドル152に回転可能に取り付けられ、ステープルを含むカートリッジ156の方に、かつこれから遠ざかるように、アンビル160を近づけるか、または動かすために提供される。
【0077】
一対のアーム170は、旋回可能にハンドル152に取り付けられ、円形の外科用ステープラ150を作動させて、ステープルを含むカートリッジ156からステープル(図示されず)を排出するために提供される。アンビル160がステープルを含むカートリッジ156に近づけられる前に円形の外科用ステープラ150が作動することを遮り、かつ防ぐために、ハンドル152にはロック172が提供される。円形の外科用ステープラ150には、アンビルキャップ162に解放可能に取り付けられたアンビルバットレス材料174、およびステープルを含むカートリッジ156に提供されたカートリッジバットレス材料176が提供されている。アンビルバットレス材料174およびカートリッジバットレス材料176は、円形の外科用ステープラ150によって管状組織セクションに適用されたステープルラインを補強、かつ/または密封するために役立つ。
【0078】
ここで図16を参照して、以下により詳細に論議されるように、ステープルを含むカートリッジ156は、ステープルを含む複数のステープルポケット178を含む。外科用ステープラ10のステープルを含むカートリッジ22に関して上に論議されたものと同様に、カートリッジバットレス材料176をステープルを含むカートリッジ156上に保持するために、円形の外科用ステープラには、円形のリングすなわちカートリッジバットレス保持器180を含むシステムが提供されている。カートリッジバットレス保持器180は、ステープルを含むカートリッジ156に形成された高くなった遠位外側エッジ182と摩擦で係合するように構成され、それによってカートリッジバットレス保持器180とステープルを含むカートリッジ156との間にカートリッジバットレス材料176を捕捉する。一実施形態において、カートリッジバットレス材料176は、カートリッジバットレス保持器180とステープルを含むカートリッジ156との間にゆるく適合し、それによって組織へのステープリングの際、カートリッジバットレス材料176は、ステープルを含むカートリッジ156から自由に引き離される。代替実施形態において、カートリッジバットレス材料176には、カートリッジバットレス材料176の中央部分が、ステープルを含むカートリッジ156とカートリッジバットレス保持器180との間に捕捉されたバットレス材料の残りから引き離されることを可能にする周辺の打抜きライン184が提供される。
【0079】
アンビル160は、アンビルキャップ162の面188に形成され、それらが組織を貫通して打ち込まれた後、ステープルを形成するように構成された、円周方向に間隔を空けられた複数のステープル形成ポケット186を含む。円形の外科用ステープラ150には、アンビル160に対してアンビルバットレス材料174を保持するためのシステムも提供される。円形のリングすなわちアンビルバットレス保持器190は、円形のフレーム192およびアンビルキャップ162のリム200と係合するように構成された近位側で面する複数のレグすなわちクリップ194、196および198を有して提供される。詳細には、クリップ194、196および198には、スナップフィット方式でリム200と係合するように構成された内側に突出するリップ202、204および206が提供される。ステープルを含むカートリッジ156およびカートリッジバットレス材料176に関して上に記述されたシステムと同様に、一実施形態において、アンビルバットレス材料174は、アンビルバットレス保持器190とアンビル160との間から自由に引き離される。代替の実施形態において、アンビルバットレス材料174には、アンビルバットレス材料174の中央部分が組織にステープルされ、一方、外側部分はアンビルバットレス保持器190とアンビル160との間に固定されたままになることを可能にする周辺の打抜きライン208が提供される。
【0080】
図示のように、一実施形態において、アンビル160をステープラ150に固定するために、アダプタ210が提供される。アダプタ210の近位端212は、円形の外科用ステープラ150のシャフト166と係合するように構成される。アダプタ210は、組織セクションを刺し通し、かつアンビルシャフト164と係合するように構成された尖った遠位端214を含む。
【0081】
ここで図15および図17〜図22を参照するが、最初に図17に関して、2つの管状組織セクションおよび適用されるバットレス材料を接続するための円形の外科用ステープラ150の使用がここで記述される。最初に、ステープルを含むカートリッジ156は、アダプタ210が、組織T1を超えて延びるように第1の管状組織セクションT1内に配置される。巾着縫合216が、組織T1およびアダプタ210の周りに形成され、内側に向けられた組織面TF1を形成する。同様に、アンビル160は、アンビルシャフト164が、組織セクションT2を超えて突出するように第2の管状組織セクションT2内に配置され、第2の巾着縫合218によってそこに固定され、第2の内側に向けられた組織面TF2を形成する。アダプタ210は次に、アンビルシャフト164内に挿入され、ステープルを含むカートリッジ156をアンビル160に接続する。(図18)
一旦ステープルを含むカートリッジ156が、アンビル160に接続されると、ハンドル152のアプロクシメータ168が回転させられ、アンビル160をステープルを含むカートリッジ156の方に引き、こうして第1の組織面TF1を第2の組織面TF2と同一面に係合させ、ステープルされる位置におく。(図1および図19を参照)
図20および図21を参照して、上に論議されたように、ステープルを含むカートリッジ176は、複数のステープル220を含む。円形の外科用ステープラ150は、ロック172を解放し、かつアーム170を旋回させることによって作動させられ(図1)、それによってステープル220をステープルを含むカートリッジ156から排出し、組織セクションの中を通す。詳細には、ステープル220は、第1の組織面TF1、カートリッジバットレス材料176、第2の組織面TF2およびアンビルバットレス材料174の中を通る。ステープル20は、ステープルをクリンチするポケット186によってアンビルバットレス材料174の周りにクリンチされて閉ざされる。(図16)
図21に最も良く示されるように、一旦組織T1およびT2が共にステープルされると、アンビル160は、ステープルを含むカートリッジ156から分離される。一実施形態において、カートリッジバットレス材料176は、カートリッジバットレス保持器180から自由に引き離され、アンビルバットレス材料174は、アンビルバットレス保持器190から自由に引き離される。代替の実施形態において、カートリッジバットレス材料176は、周辺の打抜きライン184に沿って分離し、アンビルバットレス材料174は、周辺の打抜きライン208に沿って分離する。
【0082】
結果として生じるステープルされた組織セクションは、図22に明確に例示されている。一旦組織セクションがステープルされると、円形の外科用ステープラ150と関連する円形のナイフ(図示されず)は、ステープルされた組織セクションの部分の芯を取るために使用され得る。
【0083】
開示された取り付けシステムは、バットレス材料が予め装填される、すなわち製造時に外科用ステープラに配置され、手術室での設置の必要をなくすことに留意されるべきである。さらに、バットレス材料は一般に、アンビルおよびステープルカートリッジの面に場所が限定されるので、外科用ステープラは、バットレス材料からの干渉なく、アクセスデバイスを介して容易に挿入され得る。取り付けシステムは、外科用器具の上をスライドするか、器具の上にぱちんと嵌るか、器具に接着するか、または器具と摩擦で係合するか、またはそれらの組み合わせであるカートリッジバットレス保持器、および/またはアンビルバットレス保持器を含む。器具は、カートリッジ、アンビル、または両方に対する保持器を含み得る。
【0084】
様々な修正が、本明細書に開示された実施形態になされ得ることは理解される。例えば、開示されたバットレス材料保持器システムは、オープンまたは内視鏡的外科ステープリング器具の中に取り込まれ得る。さらに、開示されたバットレス材料は、中央または別の場所にある打抜きラインを含み得、バットレス材料が、関連するアンビルまたはステープルを含むカートリッジから分離することを容易にする。さらに、限定された量の接着剤が、バットレス材料をアンビルまたはステープルを含むカートリッジに一時的に固定するために使用され得る。従って、上述は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された請求項の範囲および精神内で他の実施形態を想到する。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、ステープルラインバットレス材料の取り付けのためのシステムを取り入れた外科用ステープリング器具の斜視図である。
【図2】図2は、図1の外科用ステープリング器具の遠位端の斜視図である。
【図3】図3は、アンビルおよびバットレス材料取り付けシステムの、部分が分離された斜視図である。
【図4】図4は、図2のライン4−4に沿った断面図である。
【図5】図5は、図1の外科用ステープリング器具の遠位端の斜視図である。
【図6】図6は、ステープルカートリッジおよびバットレス材料取り付けシステムの一実施形態の、部分が分離された斜視図である。
【図7】図7は、図6において例示されたシステムに対して使用されるように構成されたバットレス材料のシートの斜視図である。
【図8】図8は、取り付けシステムの一実施形態を例示する図5のライン8−8に沿った断面図である。
【図9】図9は、取り付けシステムの代替の実施形態を例示する図8と同様な断面図である。
【図10】図10は、管状組織の所定の位置における外科用ステープリング器具の遠位端の斜視図である。
【図11】図11は、図1の外科用器具のアンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織セクションの断面図である。
【図12】図12は、図1の外科用ステープリング器具の初期の作動を示す断面図である。
【図13】図13は、外科用ステープリング器具およびステープルされた組織セクションの遠位端の斜視図である。
【図14】図14は、図13のライン14−14に沿った、ステープルされた組織セクションの断面図である。
【図15】図15は、バットレス材料取り付けシステムの一実施形態による円形のステープリング器具の斜視図である。
【図16】図16は、図15の円形の外科用ステープリング器具の遠位端の、部分が分離された斜視図である。
【図17】図17は、管状組織セクションに配置された図15の円形の外科用ステープリング器具の遠位端の、部分的に断面で示された側面図である。
【図18】図18は、円形の外科用ステープリング器具のステープリングを含むヘッドに取り付けられた円形の外科用ステープリング器具のアンビルを例示する側面図である。
【図19】図19は、アンビルとステープルを含むヘッドとが近づけられて示される側面図である。
【図20】図20は、図19の詳細図の拡大されたエリアである。
【図21】図21は、円形の外科用ステープリング器具の作動を示す詳細図である。
【図22】図22は、ステープルされた管状組織セクションの、部分的に断面で示される斜視図である。
【符号の説明】
【0086】
10 外科用ステープラ
12 ハンドル
14 細長い管状部材
16 あごアセンブリ
20 ステープルをクリンチするアンビル
22 ステープルカートリッジ
24 アンビルバットレス材料
26 カートリッジバットレス材料
28 アンビルバットレス保持器
30 カートリッジバットレス保持器
32 トリガ
34 回転ノブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バットレス材料を保持するシステムを有する外科用器具であって、
ハンドルと、
該ハンドルから遠位方向に延びる細長い部材と、
該細長い部材の遠位端近くに取り付けられ、第1のあごおよび第2のあごを含むあごアセンブリと、
バットレス材料と、
開いた中央部分を有し、該第1のあごおよび該第2のあごのうちの少なくとも1つと係合するバットレス保持器であって、該開いた中央部分は、該バットレス材料を解放可能に保持する大きさとされる、バットレス保持器と
を備えている、外科用器具。
【請求項2】
前記第1のあごは、外科用ステープリングアンビルを含み、前記第2のあごは、外科用ステープリングカートリッジを含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記バットレス保持器は、前記カートリッジと係合する、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記カートリッジは、前記バットレス材料と摩擦で係合するための第1の高くなったエッジ、および第2の高くなったエッジを有する、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記アンビルバットレス保持器は、前記アンビルと係合する、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記ステープルを含むカートリッジは、高くなったエッジを有する外側のチャネル、および該チャネル内に配置されたステープルを含む挿入部品を含み、前記バットレス保持器は、該外側のチャネルの該高くなったエッジと摩擦で係合する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記挿入部品側ノッチを含み、および前記保持器は垂れ下がるレグを含む、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記垂れ下がるレグは、前記外側チャネルと摩擦で係合する、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記保持器は、円形のリングである、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記保持器は長方形である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記保持器は、前記外科用器具のブレードによってカットされるように構成されたノッチを有する少なくとも1つの端を含む、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記バットレス材料は、該バットレス材料の中央部分を該バットレス材料の周辺部分から分離する周辺の打抜きラインを含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項13】
バットレス材料を保持するシステムを有する外科用器具であって、
ハンドルと、
該ハンドルから遠位方向に延びる細長い部材と、
該細長い部材の遠位端近くに取り付けられ、第1のあごおよび第2のあごを含むあごアセンブリと、
該第1のあごおよび該第2のあごのうちの少なくとも1つに対して配置されたバットレス材料と、
バットレス保持器が該バットレス材料を解放可能に保持するように、該あごの上をスライドするように構成されたバットレス保持器と
を備えている、外科用器具。
【請求項14】
前記バットレス保持器は、アンビルの上をスライドするように構成された第1のレールおよび第2のレールを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記バットレス保持器は、開いた中央部分を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のレールは、第1の内側に向けられたリップを有する第1のレグを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のレグは柔軟である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記バットレス材料は、周辺の打抜きラインを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
バットレス材料を保持するシステムを有する外科用器具であって、
ハンドルと、
該ハンドルから遠位方向に延びる細長い部材と、
該細長い部材の遠位端近くに取り付けられ、第1のあごおよび第2のあごを含むあごアセンブリと、
該第1のあごおよび該第2のあごのうちの少なくとも1つに対して配置されたバットレス材料と、
該あごと係合するように構成され、かつ該バットレス材料を解放可能に保持するように構成された開いた中央部分を有するバットレス保持器と
を備えている、外科用器具。
【請求項20】
前記バットレス保持器は、アンビルのエッジと係合するように構成された、内側に向けられた突起を有する少なくとも1つの柔軟なレグを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの柔軟なレグおよび前記内側に向けられた突起は、前記アンビルのアンビルキャップのリムと係合するように構成された、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
アンビルは、円形の外科用ステープリング器具に対して使用されるように構成された、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
アンビルは、直線状の外科用ステープリング器具に対して使用されるように構成された、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記バットレス材料は、周辺の打抜きラインを含む、請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−289883(P2008−289883A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133354(P2008−133354)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】