説明

ストッキング脱剥具

ストッキング(110)、特に、弾性伸縮性ストッキング、を脱ぐための道具として好適なストッキング脱剥補助装置(1)が記載されている。本装置は脚(100)の周囲に配置され、ストッキング(110)の折返された上端部(111)を受けるために適切な少なくとも1つのほぼ環状の内部装置(10)と、環状内部装置(10)の周囲に折返されたストッキング(110)の上端部(111)が環状内部装置(10)と環状外部装置(30)間に締付けられるように、脚(100)の周囲に且つ内部装置(10)の周囲に配置するのに適切な環状内部装置(10)と一致するほぼ環状の外部装置(30)を具備している。環状内部装置は完全に閉じてないが、360度以下の角度(α)に伸びている。同様に、環状内部装置(30)は完全に閉じていないが、360度以下の角度(β)に伸びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はストッキングを脱ぐための補助具に関する。本発明に関連して、ストッキング、特に、弾性伸縮性ストッキングを脱ぐのを容易にする補助具として使用するのを意図した装置を意味している。
【背景技術】
【0002】
伸縮自在ストッキングを脱ぐことが使用者にとって難しいことは一般的に知られている。かなりの力が必要であり、また、そうすることにおいて、ストッキングを掴むために両手を足の位置に持ってこなければならず、伸縮性ストッキングを持っている大部分の人にとって困難である2つの側面がある。
【0003】
1991年9月2日に公開されたオランダ特許出願NL−90.00361は伸縮性ストッキングの着脱の場合の問題を詳細に説明している。この説明は今でも通用し、本発明で参照により含まれるべきと考慮されるので、この説明を繰り返す必要はない。
【0004】
このオランダ特許出願NL−90.00361は伸縮性ストッキングを脱ぐ場合と同様に履く場合の補助具としての使用に適切な装置を提案している。この既知の装置は内部リングと外部リングの2つの部品からなる環状クランプを具備している。内部リングは実質的に円形断面を有し、使用中、ストッキングの端部はこの内部リングの周囲で折返される。外部リングはU形状の断面を有し、このU断面の脚部は内部に向いている。外部リングは内部リングの周囲に置かれているので、内部リングはU断面の脚部の間に配置され、内部リングと外部リングの寸法は内部リングの周りに折返されたストッキングの端が内部リングと外部リング間で締付けられるように互いに一致している。
【0005】
この既知の補助具は使用者がもはやストッキング自身を掴まなくても、外部リングをより容易に取り扱えるところの進展を提供している。この取り扱いを更に容易にするため、外部リングにブラケット、グリップ、ハンドル等を備えることができる。
【0006】
この既知の補助具は実際に良く機能するが、いくつかの欠点がある。ストッキングを脱ぐ場合に、まず、脚の周囲に内部リングを載せなければならない。この目的を達成するため、内部リングを足から始まって脚部を越えてずらしていかなければならない、足の上にリングを置くことは、自分の両手を足に届かなければならないことを意味し、健全でない人にとって問題である。この問題を解決するため、この公開公報は内部リングが互いに対してヒンジ(蝶番)で動く2個の部品からなるので、内部リングが側部から足の上をずらせることを記載しているが、これはヒンジ付きの部品を適用する必要性を要求している。
【0007】
同様な理由で、この公開公報は外部リングが互いに対してヒンジで動く2個の部品からなり、更に、ヒンジで固定された外部リングを閉じたままにするためのラッチを有することを記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
更なる欠点は外部リングを内部リングの周りのあてがう操作に関する。外部リングがU断面形状であるので、ヒンジ付開口外部リングを内部リングと同一面で内部リングの近傍に放射状に配置しなければならず、且つ内部リング上を脚部に向かって放射状に動かしてずらさなければならない。実際には、この動きは健全でない人にとって制御するのが困難と思われ、どちらの状況においても、外部リングがそこに取付けられたグリップにより比較的重いことを実感するに違いない。その後、外部リングが内部リングから脱落するのを防止するためにラッチ機構を直ちに閉じ且つ締付けなければならない。
【0009】
更に、リングが円形であれば、硬いリングアセンブリの直径は足甲とかかと間の距離である通過する最大交差寸法に適合させなければならない。従って、リングアセンブリの直径は比較的大きく、これはストッキングの端部を内部リングの周囲に配置するため比較的大きい力が掛かることを意味する。この問題を減らすため、リングは足甲とかかと間の距離に適合した最大直径と脚の幅に適合した最小直径の楕円形状を有することが可能である。しかしながら、不都合は外部リングが一方向のみに内部リングの周りにはめ込まれるので、外部リングを内部リングに対して接線方向に回転させることができないことである。もし脚に対して正しく内部リングを位置決めせず、ストッキングの端を内部リングの周りに折返さなければ、脚に対して接線方向に内部リングを回転させることができず、従って、グリップ付の外部リングを脚に対して曲げられないことを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記不具合がない既知の補助具を更なる進展を提供し、又は、前記の不都合を少なくとも減少させることを目的としている。
【0011】
本発明は前記欠点が少なくとも使用中に前記刊行物の内部リングと外部リングが完全に閉じられる事実に関連している洞察に基いており、更に、補助具の良好な機能のために、内部リングと外部リングを完全に閉じる必要がないという洞察に基いている。これらの洞察に基いて、本発明は360度以下で伸びる内部リングと外部リングを有する補助具を提供する。特に、これらのリングは約215度から約290度の範囲で外周寸法を有し、約255度の範囲の外周寸法が好ましい。
【0012】
内部リングが、2つのヒンジで動く半部としてでなく、硬い一体リングとして実施でき、内部リングを足から始まって脚部上を移動させる必要がない。内部リングは脚部に対して半径方向に動きながら、脚部上を、いくぶん弾性的に移動できる。
【0013】
内部リングは互いからある距離に、典型的には、5から15センチメートルの程度に配置された2つの端部を有する。足を通すと、足の甲はリングの周辺の外側まで2つのリング端部間のこの距離により規定された開口部に向かって伸ばせる。このように、リングの直径を足甲とかかとまでの距離に合わせる必要はない。足甲とかかと間の距離以下の直径を有するリングを環状に実施することが可能であるので、ストッキングの端部を内部リングの周囲に張るのに力を必要としない。円形で実施することは内部リングと外部リングが互いに対して接線方向に移動できる利点を有するので、内部リングの位置ずれは自動的に外部リングの位置ずれにつながることを必要としない。
【0014】
本発明の更なる態様によると、外部リングと内部リングは互いに対して個別的に適合される内部輪郭及び外部輪郭を有し、外部リングが内部リングに近接する脚部の周囲に配置され、軸方向移動により内部リングと接触することを可能にする。この移動は比較的且つ容易に実行され、外部リングをリングに取付けられたグリップ等で保持している間に比較的容易に実行される。これに関連して、本発明の補助具のリングアセンブリは主にストッキングを脱ぐための補助具として意図しているので、補助具の外部リングは足の方向に向かって押す力を内部リングに移すためにのみに必要であることが注目される。
【0015】
前記輪郭は内部リングと外部リングが互いに対して(自己追求的に)自動的に中央そろえするように形成される。
【0016】
ストッキング履き補助具として利用可能であるために、外部リングは好ましくは足がストッキングに挿入できるようにストッキングの端部が折返せる固定ブラケットが設けられる。これに関連して、内部リングは機能を持たない。
【0017】
欧州特許出願0.878.157はストッキングの着脱のための補助具を記載している。この補助具は側部から脚の周りに配置され、且つストッキングのカラーを掴むために互いに協働できるように互いに協働する2個の部品を具備している。この場合、2個のリング部品ははさみのようなブラケットに取付けられるので、リング部品は互いに対して横方向のみに移動できる。その結果、リング部品は最大180度以上で且つ充分な足甲開口部を与えるため伸び、リングは楕円の半部の形状に従って引き伸ばされなければならない。この補助具を使用する場合、使用者はブラケットの長さ及び重量によりリング部品の操作(適用及び除去)を妨害されるので、リング部品が、2つの長いステム状のグリップを有する、はさみ状ブラケットに固定的に接続されることは不都合である。更に、充分なクランプ力を与えるために、互いに向かって2つのステム形状グリップを締め付けることが必要であることは、それゆえに、この補助具を使用することが使用者の両手に大きな力を要求するが、実施にはこの補助具のターゲットグループが両手に力を受けないことは不利である。更に、ストッキングのカラーを下側から上部リングの輪郭形状の外部サービスの周囲に置かねばならないことは不便である。
【0018】
米国特許2.903.170はストッキングを履くための補助具を記載している。この補助具は互いに協働する2個のリング部品を具備し、これらのリングは側部から脚部周囲に配置され且つストッキングのカラーを掴むために互いに協働的に作用する。この場合において、2個のリング部品はブラケットの2個の個別ブラケット部品に取付けられ、ブラケット部品は互いに対して縦方向に配置できる。蹄鉄形状のリング部品が180度以上伸びているが、ここでも、ブラケットに対して恒常的に接続することは不利である。リング部品は先細りされていない。ここでも、充分なクランプ力を与えるために、この場合、縦方向締付力で互いに対して2個のステム状のグリップを締め付けることが必要であることは不利である。更に、縦方向に移動する可能性のため、下部リングに接続されたブラケット部品は、下部リングの平面内に置かれた、180度以上折返された端部を備えなければならず、このため、リングが特別に大きく、下部リングの周囲にストッキングをはめることが特別に悪化する。
【0019】
オランダ特許出願93.00731はストッキングを脱ぐための補助具を記載しており、この補助具は互いに協働する2個の先細リングを具備している。この場合において、リングが360度以上伸び、即ち、完全に閉じられるので、リングを足を通して脚部上をずらさなければならないことが不利である。更に、外部リングを2つのコードと壁部に取付けられるプーリーにより引っ張らなければならないことは不利である、即ち、この構成が使用を複雑にし、年配者や健全でない人はコードを取り扱うための手の柔軟性と力を欠いている。更に、使用者が使用時に自分の足を持ち上げ、他方の足で自身を安定にし、引張力に抗して自身を身構えなければならず、自分の座席から引っ張られる危険があることは不利である。更に、この補助具は穴あけを要する壁に部品を取付ける必要がある。更に、この補助具は移動性がない、即ち、この補助具は他の部屋でもなく、他の家でもない、部品が壁に取り付けられる場所にのみ使用できる。即ち、特に、使用者は、使用者の自由な重大な制限を意味する、訪問又は休日に外出する場合に補助具を携帯することができず、又は少なくとも容易にできない。
【0020】
本発明のこれらの及び他の態様及び特徴及び利点は同一参照番号が同一又は類似部品を示す図面を参照した以下の説明により更に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明によるストッキング脱剥補助装置1の第1実施例の斜視図を概略的に示す。補助装置1は互いに結合される2つの部品、即ち、内部リング10と外部リング30からなる。後で詳細に説明されるように、グリップ50、ブラケット60、及び車輪アセンブリ80が外部リング30に取付けられており、即ち、このアセンブリは語句「外部リングアセンブリ2」により示される。
【0022】
図2は外部リングアセンブリ2の他の実施例の図1との比較図を示している。この他の実施例において、特に、ブラケット60が異なる方法で実施されている。
【0023】
図3は内部リング10の上面図を概略的に示している。本実施例において、内部リング10は、図のように、円形であり、内部リング10は完全に閉じていないが、本実施例において、例えば、230度の角度α以上に伸びている。内部リングの環状寸法は重要でないが、好ましくは、約215度から約290度の範囲であり、好ましい実施例において、円周寸法は約255度のオーダである。どのような場合においても、αは360度以下である。
【0024】
内部リング10は閉じていないので、内部リングは互いからある距離に位置する端部11及び12を有する。適切な実施例において、この距離dは約5−15センチメートルであり、内部リング10はいくぶん柔軟且つ弾性的に実施できるので、この距離を使用者により多少変化させることができることが留意される。更に、実際において、使用者の脚部の厚みに依存して、いくつかのサイズの実施例がある。
【0025】
内部リング10は語句「内部空間13」により示される空間を囲み、両リング11及び12間の相互距離dがこの内部空間13に対する超過開口部14を規定する。
【0026】
比較において、外部リング10は閉じていない円形輪郭を有するが、好ましくは、角度αに等しい角度βに広がっている。このように、外部リング30はリングの2つの端部37及び38間の距離により規定された超過開口部を有する内部空間36を有する。いずれの場合も、βは360度以下であり、安定性のために、好ましくは、180度以上である。好ましくは、215°≦β≦290°が適用される。
【0027】
図4は内部リング10の可能な実施例のラインIV−IVに従った断面を概略的に示し、使用者の視点から見て、使用者の臀部から足への方向が図において下部から上部に向いている。図4から、本実施例の内部リング10の断面は実質的に3角環状輪郭を有するように見える。内部リング10は半径方向の2つの相互平行面15及び16間の軸方向の長さを有し、図4の下部平面15は「隣接面」として示され、反対側の平面16は「末端面」として示される。隣接面15は内部リング10の隣接端部17を規定し、末端面16は内部リングの末端部18を規定する。例示の実施例において、内部リング10は実質的に軸方向に向いた内部表面19と、斜めに向いた外部表面20、即ち、円錐面に位置決めされた外部表面を有する。その隣接端部17の内部リング10の半径は末端面16の内部リング10の半径より小さい。
【0028】
図6は図2による外部リングアセンブリ2の実施例の側面図を概略的に示す。図6の側面図において、外部リング30は上面31と下面32を有する。グリップ50とブラケット60は上面31の側に配置される。即ち、これは、使用中、使用者の上体に向けられる面である。車輪アセンブリ80は外部リング30の中央部に配置される。図1、図2、及び図6の実施例の場合において、グリップ50は上面31にほぼ垂直に取付けられ、且つ湾曲区間31で互いに合致する2つのバー51、52の形状で実施される。図6の側面図で示されるように、バー51と52は湾曲し、湾曲部の凹部側は車輪アセンブリ80から離間し、即ち、前記入口開口部に向いている。
【0029】
図1、図4及び図6はバー51、52が外部リング30の上面31で直接終端することを示している。図2はバー51、52が外部リング30の外面と係合させるためにバーの下端部で内方向に湾曲されることを示している。これはバー51、52間の相互距離がいくぶん拡大でき、ブラケット60とバー51、52間の空間をいくぶん広げられる有利な結果を有する。図1の実施例において、外部リング30はバー51、52の外部に対して側方向に延長した取付部品を設けられるので、この追加の空間が形成される。
【0030】
図5A―5Cは本発明による補助装置1の使用を概略的に例示している。図5Aは脚に配置された伸縮自在ストッキング110を着けた脚100を概略的に示している。この伸縮自在ストッキング110を脱ぐために、内部リング10は、隣接端部17が上体方向に向けられ、末端部18が足101の方向に向けられるように、伸縮自在ストッキング110の上端111の近くの足100の周囲にまず配置される。本発明の重要な態様によれば、この操作は足の後側から前側へ、矢印P1に示される、径方向の移動により内部リング10を脚の上方でずらすことにより実施される。そうすることにより、伸縮自在ストッキング110をつけた脚100はこの内部空間13のアクセス開口部14を介して内部リング10の内部空間13に入る。
【0031】
次の工程で、伸縮自在ストッキング110の上端部111は、図5Bに示されるように、内部リング10の周囲に折返される。明瞭さのため、ここでは、伸縮自在ストッキング110と内部リング10は断面で示されている。この図から明らかであるように、内部リング10は隣接端部17が上体方向に向けられ、末端部18が足101の方向に向けられるように配置される。
【0032】
次の工程で、外部リング30は脚部100の周りで且つ内部リング10の上方に配置され、下面32は内部リング10に向けられ、上面31は上体に向けられる。外部リング10の配置は、脚部100がリング30の内部空間に入れるためリング30の自由端部間を通過する場合に、第2の矢印P2により示される、径方向の移動により実施される。例示の実施例において、外部リング30は脚部100の後側から前側にずらされるが、外部リング30は脚部の周りで、異なる方向から、例えば、脚の前側から移動させることが可能であり、車輪アセンブリ80が脚の後側に置かれるまで外部リング30をその軸の周りで回転させる。
【0033】
図4において、現在得られた状態での外部リング30と内部リング10間の協働を例示するため、外部リング30の断面も概略的に示される。図4において、外部リング30は内部リング10と同軸的に整合され、外部リング30の下面32は内部リング10に向けられている。更に、内部リング10から離間して方向付けられた外部リング30の上面31に対してほぼ垂直に向けられたバー51と52の端部が、図4で、概略的に示される。
【0034】
外部リング30は形状が重要でない外部表面33を有し、この例では、この外表面はほぼ軸方向に向けられている。外部リング30の内部表面34、少なくともその一部が斜めに方向付けられ、即ち、円錐面に配置され且つ内部リング10の傾斜外表面20に方向付けられている。外部リング30の傾斜内部表面34の傾斜度、即ち、対応する仮想円錐面の頂角は内部リング10の傾斜外部表面20の頂角に対応する。図4において、伸縮自在ストッキング110と、内部リング10の周囲に折返された伸縮自在ストッキング110の上端部111が点線で示される。
【0035】
次の工程で、外部リング30は、図5Cで第3の矢印P3で示されるように、足101に向けた軸方向移動により内部リング10に対して押圧される。このように、伸縮自在ストッキング110の上端部111は外部リング30の傾斜内部表面34と内部リング10の傾斜外部表面20間で締め付けられる。
【0036】
2つの表面の傾斜度のため、使用者が外部リングで正確に狙う必要はない。即ち、外部リング30は内部リング10上でそれ自身の位置を求める。更に、内部リング10と外部リング30の円形のおかげで、脚部100に対する外部リング30の相対方向を外部リング30の接線方向の回転により変化させることが可能である。
【0037】
外部リング30の圧力を増加させることにより、外部リング30は内部リング10を足101の方向に押圧し、ストッキング110の上端部111を共に移動させる。かかと103を通過させると、足101の甲が内部リング10の内部空間13からアクセス開口部14を通じて突出し、これは外部リング30にも当てはまる。
【0038】
中央車輪アセンブリ80は必須でないが、利点を提供する。特に、中央車輪アセンブリ80は接地面を損なうことなく接地面に乗せることができる。即ち、グリップ50とリング10、30は、かかとを通過させるとき、多くの力を作用させることなく、自動的に足を持ち上げるレバーとして作用し、リングアセンブリは足を持ち上げるのに苦労することなくかかとの下に通せる。好ましくは、図1及び図2に示されるように、車輪アセンブリ80は互いに対して軸方向距離に配置された2個の車輪を有し、補助装置1の横方向の安定性を増加させるが、変形例として、車輪アセンブリ80は単一の幅広の車輪又はローラーを具備できる。
【0039】
図4に示される内部リング10の断面は必須ではなく、特に、内部表面19の正確な形状は重要ではない。図7A−図7Cは内部リング10の断面形状を有する可能な変形例のいくつかを示している。図7Aの変形例において、内部リング10は傾斜細片形状を有する。即ち、断面は内部表面21が傾斜し且つ外部表面20と平行である平行四辺形である。内部表面21の正確な向きが傾斜外部表面20の機能において役割を果たしていないことは明らかである。
【0040】
図7Bの変形例において、外部表面は傾斜していないが、内部リング10は実質的にL形状断面を有し、外部表面22aの末端部はほぼ軸方向に向き、内部リング10の末端部23はより大きな外径を有し、軸方向表面部22aは凸状部22Bを介してほぼ径方向に向いた表面部22cに変化している。この場合、外部リングの相補的形状の内部表面は内部リングの外部表面と係合できる。
【0041】
図7Cは内部リング10の断面が、傾斜外部表面20を除いて、円形である他の変形例を示している。この場合、傾斜外部表面20の作用は残りの表面の円形輪郭により影響されない。
【0042】
図8は外部リング30の好ましい詳細部を示している。簡単にするため、バー51、52及び内部リング10は示されていない。対称形のため、外部リング30の半分のみが示されている。図4の実施例において、傾斜内部表面34の上端部は下部表面32から軸方向に向いた内部表面35に延びている。この場合、傾斜内部表面34の上端部は外部リング30の最小内半径に相当する半径を有する。図8の実施例の場合、外部リング30は、その上部表面31で、好ましくは、上部表面31に実質的に平行に向けられ且つ軸方向に向いた内部表面35と傾斜内部表面34の上端部間に伸びている下部表面82を有する内部方向に向いた環状停止装置81を備えている。もし、圧力を外部リング30に作用させて、外部リング30がいくぶん径方向に押圧され、及び/又は内部リング10がいくぶん内方向に径方向に押圧されると、停止装置81が内部リング10の上側17と接触するので、この停止装置81は外部リング30が内部リング10を勢いよく通過できない利点を提供する。有利な二次効果は、このため、内部リング10と外部リング30間の締付け効果が増加することである。
【0043】
上述において、相互に協働する傾斜表面部20及び34は円錐として説明され、即ち、円錐表面に従って方向付けられている。これに関連して、これらの表面部20及び34が完全に平面である必要はない。可能な実施例において、内部リング10と外部リング30間に保持された伸縮性ストッキングに改善された保持力を与えるため、表面部20及び34は突出した稜線部及び凹状の可能性のある溝を設けている。他の可能な実施例において、これらの表面部20及び34は段付きの方法で実施される。図9はこの実施例の変形をより大きな尺度で図示している。ここで、内部リング10と外部リング30は互いにシフトされた相互に協働する位置で示される。図9から明らかであるように、内部リング10の外部表面20は相互に異なる外形を有する一連の後続セグメント90として実施され、図の下側から上側への方向で見られる、これらの外形は段階的に増加する。図で下側から上側への方向で見られるように、この直径を徐々に増加させることもできるが、各セグメント90は直径がこのセグメントの軸方向寸法にわたって実質的に一定である外部表面91を有する。更に、この環状表面部92は軸方向で90度でない角度を形成できるが、2つの隣接したセグメント間の段階的変化は実質的に軸方向に向いた環状表面部92により形成される。図において、セグメント90の軸方向寸法は互いに等しいが、これらの軸方向寸法は互いに相違させることもできる。図において、環状表面部92の半径寸法は互いに等しいが、互いに相違させることもできる。
【0044】
内部リング10を参照して説明されたように比較可能な方法で、外部リング30の内部表面34は階段状に実施され、外部リング30の内部リング34の段付輪郭は内部リング10の外部表面20の輪郭に相当する。
【0045】
図9において更に示されるように、外部リング30の環状停止装置81は内部リング10の方向に向かう環状溝83を設けることができ、内部リング10はその末端部17で前記溝に嵌合する環状突出部84を設けられる。この結果、一方で、補助装置を足首の周りで操作する場合に特に重要であるより強い接続が内部リング10と外部リング20間に達成され、更に伸縮性ストッキングに更に強力なグリップが利用できる。
【0046】
もし補助装置1がストッキング脱剥補助装置として専用的に使用されると、ブラケット60は省略できる。ブラケット60のみが補助装置1をストッキング装着補助装置として使用できるように機能する。図1の実施例において、ブラケット60は、両端で、2つの傾斜したバー62及び63によりある距離で外部リング30に接続され、且つ外部リング30に対して実質的に平行である半円形ブラケット部61を具備している。中央のほぼ逆U形状支持ブラケット64は強度を増すため半円形ブラケット部61の中央部を支持している。図2の好ましい実施例において、ブラケット60は、相互に実質的に平行な脚部と実質的に水平に向いた底部部品を有する、車輪アセンブリ80の反対側で外部リング30の上部表面31に搭載された2つの逆U形状ブラケット65、66を具備する。
【0047】
使用中、伸縮自在ストッキングは外部リング30の内部空間内に配置され、この伸縮自在ストッキングの上端部はブラケット60の上端部上に折返され、ストッキングのかかとが上側にあるまで折込まれる。結果として、伸縮自在ストッキングは足の甲の位置でブラケット60により開いたままなので、使用者は自分の足をこの伸縮自在ストッキングの足部に挿入できる。ハンドルグリップ50を引っ張ることにより、ブラケット60に要求された逆力を与え、脚部の圧力に抗して伸縮自在ストッキングをその位置に維持する。
【0048】
本発明が上述された例示実施例に限定されないがいくつかの変型及び改造が添付された特許請求の範囲で規定されたような本発明の保護範囲内で可能であることが当業者にとって明らかであろう。
【0049】
更に、内部リング10の周辺寸法が180度以下又は180度であることが可能である。その場合、このような2個の「半月形状」内部リング部品が完全に閉じた内部リングを共に形成するため互いに対向して使用でき、「半月形状」内部リング部品の各々が径方向の移動により配置でき、ストッキング110の上端部111を折返すことにより正しい位置に維持できる。
【0050】
更に、内部リング10の傾斜外部表面が内部リング10の全体軸方向寸法全体に伸びることも可能であるが、内部リング10の傾斜外部表面が内部リング10の軸方向寸法の一部のみを越えて伸びることも可能である。外部リング30の傾斜内部表面34が外部リング30の全軸方向寸法に渡って伸びることも可能であるが、外部リング30の傾斜内部表面34が外部リング30の軸方向寸法の一部のみを超えて伸びることも可能である。更に内部リング10の傾斜外部表面が互いに異なる傾斜を有する複数の部分から成り、外部リング30の傾斜内部表面34のためにずっと保持することが可能である。互いに相違する傾斜度を有するこれらの異なる部分の軸方向の寸法は互いに等しくする必要はない。
【0051】
更に内部リング10の外部表面が完全に軸方向に向けられ、又は、外部リングの内部表面が体の軸と作る角度より小さい体の軸との角度を形成することが可能である。この場合、外部リングの内部表面が内部リングの末端外部端部と単に係合する。このような実施例は機能するが、ストッキングをより擦り切れさせる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は本発明によるストッキング脱剥補助装置の第1実施例を示す概略斜視図である。
【図2】図2は本発明によるストッキング脱剥補助装置の第2実施例を示す概略斜視図である。
【図3】図3は本発明によるストッキング脱剥補助装置の内部リングの上面図を概略的に示す。
【図4】図4は本発明によるストッキング脱剥補助装置の内部リングと外部リングの好ましい実施例のラインIV−IVに沿った断面図を概略的に示す。
【図5】図5A−5Cは本発明によるストッキング脱剥補助装置の使用を概略的に示す。
【図6】図6は図2に従ったストッキング脱剥補助装置の外部リングアセンブリの側面図を概略的に示す。
【図7】図7A−7Cは内部リングの断面図の形状のいくつかの変形を示す。
【図8】図8は外部リングの断面形状の変形を示す。
【図9】図9は2つのリングの形状の好ましい詳細図を示す図4との比較図である。
【符号の説明】
【0053】
1 ストッキング脱剥補助装置
2 外部リングアセンブリ
10 内部リング
13 内部空間
14 アクセス開口部
30 外部リング
37、38 端部
50 グリップ
51、52、62、63 バー
60 ブラケット
80 車輪アセンブリ
81 停止装置
100 脚部
101 足部
103 かかと
110 ストッキング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストッキング(110)、特に、弾性伸縮性ストッキングを脱ぐための道具として適切なストッキング脱剥補助装置(1)において、
脚(100)の周囲に配置するため且つストッキング(110)の折返し上端部(111)を受けるために適切であり、且つ内部空間(13)を包囲する、少なくとも1つの実質的に環状な内部装置(10)と;
前記環状内部装置(10)の周囲に折返されたストッキング(110)の上端部(111)が前記環状内部装置(10)と環状外部装置(30)間に締付けられるように、前記脚(100)の周囲に且つ前記内部装置(10)の周囲に配置されるのに適切である環状内部装置(10)と一致し、且つ前記環状外部装置(30)が内部空間(36)を包囲する実質的に環状な外部装置(30)と;
を具備し、
前記環状内部装置(10)は215度から290度の範囲で角度(α)の円の一部に従って周辺方向に伸び、前記内部空間(13)に対するアクセス開口部(14)が環状内部装置(10)の端部(11、12)間に規定され;
前記環状外部装置(30)は215度から290度の範囲で角度(β)の円の一部に従って周辺方向に伸び、前記内部空間(13)に対するアクセス開口部が前記環状外部装置(30)の端部(37、38)間に規定され;
前記環状内部装置(10)は少なくとも1つの先細り外部表面部(20)を有し、環状外部装置(30)が少なくとも1つの先細り内部表面部(34)を有し、前記環状外部装置(30)の前記内部表面部(34)の円錐方向が前記環状内部装置(10)の前記外部表面部(20)の円錐方向に相当し;
前記環状外部装置(30)は上部表面(31)と下部表面(32)を有し、その下部表面(32)に近接する前記環状外部装置(30)の半径方向内寸法がその上部表面(31)に近接する位置の前記環状外部装置(30)の半径方向内寸法以上であり;
近接終板(15)に近接する位置の前記環状内部表面(10)はその下部表面(32)に近接する前記環状外部装置(30)の半径方向内寸法より小さい半径方向外寸法を有し、
前記環状外部装置(30)は前記上部表面(31)に垂直な方向でほぼ軸方向に伸びている少なくとも1つのグリップ(50)を備えている;
ことを特徴とするストッキング脱剥補助装置。
【請求項2】
前記内部装置(10)の前記外部表面部(20)が円錐表面上に配置され;
前記外部装置(30)の前記内部表面部(34)が円錐表面上に配置され;
前記両円錐表面は互いに等しい頂上角を有する;
ことを特徴とする請求項1記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項3】
前記内部装置(10)の前記外部表面部(20)が突出部及び/又は溝部を備え、及び/又は
前記外部装置(30)の前記内部表面部(34)が突出部及び/又は溝部を備えていることを特徴とする請求項1記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項4】
前記内部装置(10)の前記外部表面部(20)と前記外部装置(30)の前記内部表面部(34)が階段状に実施されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項5】
前記内部装置(10)の前記外部表面部(20)が軸方向に対して垂直に向けられた各環状サービス部(92)により互いに分離された相互に異なる外径を有する一連の円筒外部表面部(91)として実施され、前記外部装置(30)の内部表面部(34)が対応する外形を有することを特徴とする請求項4記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項6】
上記環状内部装置(10)がその下部表面(31)に近接する前記環状外部装置(30)の半径方向内部寸法以上の半径方向外寸法を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項7】
前記半径方向外寸法が前記隣接端面(15)からある距離を置いて配置され、且つ好ましくは反対の末端端面(16)の近傍に配置された軸上位置で達成されることを特徴とする請求項6記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項8】
前記グリップ(50)が湾曲し、且つこの湾曲の凹面側が前記環状外部装置(30)の自由端(37、38)の側に配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項9】
前記環状外部装置(30)がこのストッキングを履く目的でストッキング(10)の端部(111)を跨るための少なくとも1つのスパンブラケット(60)を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項10】
前記環状外部装置(30)がその自由端(37、38)に対して中央位置に支持車輪又は支持ローター(80)を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項11】
その上部表面(31)で前記環状外部装置(30)が、前記上部表面(31)に対して平行に向けられた下部表面(82)を有する、内方向に向けられた停止装置(81)を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のストッキング脱剥補助装置。
【請求項12】
前記その上部表面(31)の前記環状外部装置(30)が前記環状溝(83)が前記環状内部装置(10)に向けられた状態で内方向に向けられた停止装置(81)を備えており、前記環状内部装置(10)が前記溝(83)に嵌合する突出部(84)を備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のストッキング脱剥補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−518108(P2009−518108A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544279(P2008−544279)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/NL2006/000629
【国際公開番号】WO2007/067050
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508172122)
【氏名又は名称原語表記】WESTERBOS, Steven, Bernardus, Antonius
【住所又は居所原語表記】Westpoint 106, NL−5038 KG Tilburg Netherlands
【Fターム(参考)】