説明

ストラップで対象物を固定する方法および装置

本発明は盗難に対して品物を守る方法に関する。本発明の方法では、少なくとも1つのストラップで固定する手段(10)が固定される品物(2)の周りで締め付けられ、ストラップで固定する手段(10)の重なった領域が互いに接合される。少なくとも1つの電子的に検出できるセキュリティ素子(21)が、セキュリティ素子(21)が重なった領域の間に含まれるようにストラップで固定する手段(10)に供給される。さらに本発明は、品物の周りで締め付けることにより盗難に対して品物を守る装置(1)に関し、その装置は、少なくとも1つのストラップで固定する手段(10)が、固定される品物(2)を包むストラップで固定する手段(10)の重なった領域を閉じる装置(18)を備える。本装置は、ストラップで固定する手段(10)が閉じられる前に少なくとも1つのセキュリティ素子(21)を付ける装置をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗難に対して対象物を守る方法に関し、固定される対象物の周りに少なくとも1つのストラップで固定する手段が輪を作り、ストラップで固定する手段の重なる部分が一緒に結合され、盗難に対して対象物を守る装置に対して対象物を少なくとも1つのストラップで固定する手段で巻くことにより、ストラップで固定する手段の重なる部分を閉じる装置により、固定する対象物を巻く。
【背景技術】
【0002】
売り場で販売用に提供される商品の品目は、商品が包装から外されるのを防ぎ、気付かずにレジカウンターを通って運ばれるのを防ぐために、商品の包装の周りにプラスティックのベルトを巻き付けることにより、盗難に対してますます守られる。
【0003】
ストラップにより品物を固定する方法および装置は、例えば特許文献1で知られている。本明細書で説明されているストラップで固定する機械では、ベルトコンベヤーが、固定する対象物を部分的に囲むベルトの案内部の中に、高速でプラスティックのベルトを発射する。それによりループが形成され、対象物の周りにベルトを配置する。ベルトの自由端は、ベルト保持部により捕まえられ、所定の位置に固定される。次にベルトコンベヤーが、反対方向にベルトを引く。これにより、ループが対象物の周りにきつく引っ張られ、対象物の表面に対してぴったりと設置される。張力をかける装置により、ベルトに張力がかけられ、次に張力がかけられた状態で、閉じる装置によりベルトの重なった部分で閉じられる。
【0004】
さらに、電子的に検出できるセキュリティ素子の助けを借りて、盗難に対して商品の品目を守ることが知られていて、概して、包装にまたは固定される対象物に直接付けられる。そのようなセキュリティ素子は、電子的に検出できる信号を発する電気装置、電子装置、および/また磁気装置を含む。適切な検出装置は、セキュリティ素子に磁場を発生させて特定の信号を発生させる磁場の変化を引き起こす。次に、この特定の信号は、検出装置により受信されて、検出装置が警報をだす。
【0005】
例えば特許文献2から、セキュリティタグが知られていて、そのセキュリティタグは、電子的に検出でき、解除できるセキュリティ素子を備え、糊の着いたコーティングが周りを覆っている。解除できるセキュリティ素子は、柔らかい磁石の細長い一片の素子であって、磁場を発生させて特定の信号を発することが可能であって、硬い磁石の材料の長方形の素子に付けられる。硬い磁石の材料は強い磁界により飽和状態に達し、その磁性化により、柔らかい磁石の材料が反応しなくなるので、商品が正しく購入されると、セキュリティ素子が解除される。このセキュリティ素子は、保管および輸送のために皮の細長い一片に付着している。皮の細長い一片が取り除かれると、露出された粘着性のコーティングを持つセキュリティ素子が、固定される対象物に付着できる。しかし、そのようなセキュリティタグは、固定される対象物またはその包装から比較的容易に取り外せる欠点を持つ。
【特許文献1】独国特許出願公開第DE19516043A1号
【特許文献2】欧州特許出願公開第EP0446910A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、保護する対象物を固定する有効性および効率的使用を提供する最初に言及したタイプの方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
最初に言及したタイプの方法から進歩して、本発明にかかるこの目的は、セキュリティ素子がストラップの重なる部分の間に包まれるように、少なくとも1つの電子的に検出できるセキュリティ素子を、ストラップで固定する手段に供給することにより実現される。
【0008】
本発明のこのアプローチでは、セキュリティ素子が、固定された品物からもう容易には取り除けないことが保証される。本発明により、セキュリティ素子が、ストラップで固定する手段の重なる部分の間に包まれ、これはセキュリティ素子を取り除くには、ストラップ全体が取り除かれねばならないことを意味する。商品の包装に付着したセキュリティ素子は、ストラップで固定する手段の上に貼られたセキュリティ素子と同じくらい容易に取り除ける。しかし、ストラップで固定する手段は、重なった部分の区間で、見えないようにかつ固定されて閉じられ、この区間で一緒に接合されるので、ストラップで固定する手段のこの特定の区間に包まれる本発明にかかるセキュリティ素子は取り除けない。重なった部分の接合は、例えばとてもしっかりした接着が得られる溶接により実現される。さらに、固定される対象物をストラップで固定するプロセスは、ワンパスで電子品物監視用のセキュリティ素子を利用するプロセスと組み合わすことができ、とても高速で低コストの品物を守る方法になる。
【0009】
セキュリティ素子は、例えば電磁気(EM)の、音響磁気(AM)の、RFの、またはRF−IDの素子を含んでもよい。したがって、本発明により、異なるタイプのセキュリティ素子が使用でき、平らなセキュリティ素子、例えば、細長い一片状のセキュリティ素子または薄いフィルムの素子が好ましい。これらは解除できるタイプであってもよく、商品に対して適切な支払いがされるとレジでそれらを解除できる。細長い一片または薄いフィルムの素子を使用すると、問題なくストラップにセキュリティ素子を一体化できる薄い層の厚みを持つ利点をさらに提供する。
【0010】
EMすなわち電磁気の場合、セキュリティ素子として素子が使用され、EM材料は、解除できる素子または解除できない材料として細長い一片の素子(「シンプルな細長い一片」)をコーティングするプラスティックの内部に含まれる同時押し出し材料であってもよい。プラスティックのコーティングは、ストラップの固定が形成できるプラスティックのベルトと融合する市販の同時押し出しプラスティックからできている。
【0011】
本発明の方法の有利な形態では、ストラップで固定する動作および重なった部分の1つに付けられる前に、ストラップで固定する手段に供給されるセキュリティ素子が与えられる。したがって、セキュリティ素子は、ストラップで固定する手段がストラップで固定する動作に与えられる時に、セキュリティ素子がストラップで固定する手段に既に貼られていてもよい。これにより、セキュリティ素子が、適切な位置に、所定の相対距離を有してストラップで固定する手段に付けられて、これらが一緒に接合された時に、セキュリティ素子が、ストラップで固定する手段の重なった部分の間に位置する。
【0012】
本発明の方法のもう1つの有利な形態では、ストラップで固定する動作の間にストラップで固定する手段に供給され、重なった位置の間に位置するセキュリティ素子が与えられる。これは、セキュリティ素子を供給する動作をストラップで固定する動作と組み合わせるので、対象物の完全な固定がワンパスで実行され、極度に効率的なプロセスになる。
【0013】
この配置により、ストラップで固定する手段として、溶接可能で、ベルト状のストラップ材料からつくられた少なくとも1つのループが、溶接範囲を形成するベルト状のストラップ材料の重なった部分と共に、対象物の周りを廻る関係に配置され、少なくとも部分的に溶解する材料でコーティングされたセキュリティ素子が、溶接範囲内のベルト状のストラップ材料の重なった部分の間に導入され、ストラップ材料とコーティングされたセキュリティ素子とを、溶接範囲で互いに溶接することにより、ループを閉じる。セキュリティ素子をストラップ材料に溶接することにより、とてもしっかりとした接着が形成されて、セキュリティ素子を取り除くことが特に不可能になる。溶接に関して、摩擦溶接または超音波溶接プロセスが使用できる。
【0014】
本発明の方法の有利な形態では、コンベヤーにより少なくとも部分的に対象物を囲むベルトの案内部に供給し、上記案内部を通して送ると、ストラップで固定する手段がさらに提供され、ストラップで固定する手段は供給リールから取り除かれ、接合する動作の前または接合する動作に続いて、ストラップ材料の残りの供給によりループが提供される。
【0015】
セキュリティ素子は、連続した細長い一片の形で巻かれた供給リールからはがされ、ストラップで固定する手段に供給される。このプロセスでは、1つのセキュリティ素子が、ストラップで固定する手段の中に包まれる前にまたは後に連続して細長い一片から供給される。
【0016】
代わりにセキュリティ素子は細長い一片の素子の大きさに切断されて供給でき、ストラップで固定する手段を1度に1つ供給できる。
【0017】
固定される対象物が2つのストラップで固定する手段によりストラップで固定された時、2つのセキュリティ素子が、互いに90度の角度で対象物に貼られるプロセスでは、売り場の出口の検出装置のアンテナの検出感度を向上でき、本発明の方法の有効性がさらに増加する。
【0018】
最初に言及したタイプの装置から進歩して、少なくとも1つの電子的に検出できるセキュリティ素子を、ストラップを固定する手段を閉じる前に、ストラップで固定する手段に付ける装置を含む本発明にかかる目的が実現される。この取り付け装置により、従来のストラップで固定する機械の機能は、有利な方法でさらに発展できて、例えば、ストラップで固定する動作によりセキュリティ素子の供給の組合せを可能にし、いいかえると、1つの装置内の機械的および電子的セキュリティ素子の利用を可能にする。
【0019】
この配置では、取り付け装置は、ストラップで固定する手段と一体化する重なった部分の1つにセキュリティ素子を付けるのに対応した分配装置を含んでもよい。例えば、単純な分配へり等のそのような分配装置により、セキュリティ素子が、ストラップで固定する動作に供給される前にストラップで固定する手段に付けられてもよく、言い換えると、ストラップで固定する手段のベルトの案内部に打ち込まれてもよい。この方法では、セキュリティ素子が、ストラップで固定する手段の重なった部分と一緒に接合される時、ストラップで固定する手段の重なった部分の間に配置されるように、適切な位置かつ所定の相対距離で、ストラップで固定する手段に付けられるように、本発明にかかる装置が制御ユニットにより制御される必要がある。
【0020】
代わりに、取り付け装置は位置決め装置を含んでもよく、その位置決め装置により、ストラップで固定する手段と一体化される必要のあるセキュリティ素子が、重なる部分の中間に位置される。この位置決め装置は、2つの重なった部分を接合する直前に、セキュリティ素子がストラップで固定する手段の上部層および下部層の間に導入される方法で、配置され、調整可能であるので、セキュリティ素子は、接合動作の間およびその後、ストラップで固定する手段の2つの重なった部分の間に包まれる。
【0021】
ストラップで固定する手段として、溶接可能でベルト状のストラップ材料がベルトの案内部に供給できることにより、本発明にかかる装置は、好ましくはコンベヤーを含む。ベルトの案内部は、少なくとも部分的に対象物を囲むように配置されるので、ストラップで固定する手段は、固定される対象物の周りにループを形成する。
【0022】
セキュリティ素子は、1つずつ配置されてもよく、マガジンの大きさに切られてもよく、連続した細長い一片として供給リールに巻かれてもよい。どちらの方法でも、セキュリティ素子は取り付け装置に高速かつ短い間隔で供給できる。
【0023】
本発明の装置の有利な形態では、セキュリティ素子を拾い上げ、取り付け装置に供給する供給装置も提供される。
【0024】
重なる部分の長さにほぼ対応する大きさにセキュリティ素子を切断する供給装置好ましくは切断装置が設けられる場合は、セキュリティ素子は、重なる部分により完全に包まれることのできる大きさで与えられる。
【0025】
閉じる装置は、例えば摩擦溶接装置、または超音波溶接装置であってもよい。これらの場合、セキュリティ素子が熔解できる材料により少なくとも部分的にコーティングされると、ストラップ材料およびセキュリティ素子は、それらのセキュリティ素子が事実上取り除かれるのを防止するとてもしっかりとした接着が形成されるように、互いに溶接されてもよい。
【0026】
セキュリティ素子は、好ましくは細長い一片形状の構成であり、かつ/ないしは、運搬ウェブ上に配置される。セキュリティ素子は、例えば、電磁気(EM)の、音響磁気(AM)の、RFの、またはRF−IDの素子を含んでもよい。
【0027】
取り付け装置が少なくともアイドラーロールおよび分配へりを備えると、セキュリティ素子は高い信頼性でかつ高速に付けられ、供給できる。
【0028】
ストラップで固定する手段がベルトの供給部として供給リールに巻かれ、ストラップの重なった部分が一緒に接合された後で、ベルト供給部からストラップで固定する手段が供給される供給装置が提供されると、本発明にかかる装置の特に効果的であって、トラブルを受け付けない動作が保証される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付の図を参照して発明の実施の形態を説明する。
【0030】
図1は、盗難に対して対象物2を守る本発明の装置1にかかる実施の形態を示す。装置1は、テーブル5を備えた装置1の下部のレール4に設けられたベルトの案内部3を含む。ベルトの案内部3の側部のレール6、7および上部のレール8はテーブル5の周りに配置されるので、テーブル5の下面に配置された対象物2がベルトの案内部3の境界の中にある。本発明の装置1は、ストラップで固定する手段10用の供給リール9をさらに含む。ストラップで固定する手段10は、例えばプラスティックなどの溶接できる材料からできたベルト11である。ストラップで固定する手段10は、アイドラーロール13を介して供給装置12により供給リール9から取り出され、ベルトのマガジン14に供給される。コンベヤー15によりベルト11は、ベルトのマガジン14からベルトの案内部3に高速で射出される。ベルト11の自由端は閉じる範囲で捕らえられ、定位置にしっかりと固定される。次に、コンベヤー15の進行方向が逆になり、ベルト11は引っ込められ、ループ17の形で対象物2の周りにベルト11を配置する。最後にストラップで固定する手段10は、図示されていない張力ローラーを配置してもよい張力をかける装置により対象物2の周りで締め付けるように張力をかけられるので、ループ17は対象物2に対してぴったりと配置される。次に、ストラップで固定する手段10の2つの反対に配置され、重なった部分が、閉じる範囲16に存在する。位置決め装置20が、ストラップで固定する手段10の2つの重なった部分の間の空間19に直接近接するように配置される。位置決め装置20は、電子的に検出できるセキュリティ素子21を閉じる範囲16に供給するために使用される。位置決め装置20は調節できるタイプであり、それ故、セキュリティ素子21が、ストラップで固定する手段10の重なった部分の間に位置することができる。セキュリティ素子21は粘着性のコーティングにより運搬ウェブ22に貼られ、ウェブが供給リール23に巻かれる。位置決め装置20を介して送られて、セキュリティ素子21をその上に保持する運搬ウェブ22はフィードロール24により供給リール23から取り除かれる。空間19に近い終端部に、位置決め装置20は分配へりをもち、その分配へりでは、セキュリティ素子21が運搬ウェブ22から薄層に裂かれ、ストラップで固定する手段10の重なった部分のうちの下の部分に付けられ、その上で粘着性のコーティングにより接着されてとどまる。
【0031】
本発明の代わりの実施の形態では、セキュリティ素子21が、ストラップで固定する手段10の重なった部分のうちの上の部分に付けられてもよい。どちらの場合でも、図1に示された本発明の装置1にかかる実施の形態により、セキュリティ素子21は、ストラップで固定する動作の間ストラップで固定する手段に提供され、ストラップで固定する手段10の重なった部分の間に配置される。一旦、セキュリティ素子21がストラップで固定する手段10の重なった部分に与えられると、これらの部分は閉じる装置18により接合される。閉じる装置18は、例えば、溶接できるストラップ材料を一緒に溶接できる摩擦溶接装置または超音波溶接装置であってもよく、それによってループ17、すなわちストラップで固定する手段10を閉じる。
【0032】
本発明の特別な実施の形態では、セキュリティ素子21は、追加的にストラップの重なった部分を互いに溶接する間熔解する材料により覆われていてもよく、それ故、ストラップで固定する手段10の材料としっかりとした接着を形成する。ストラップで固定する手段10が閉じられた後で、セキュリティ素子20は、外から見えないようにストラップで固定する手段10の重なった部分の間に包まれて、ストラップで固定する手段から事実上取り外せない。さらに閉じる装置18は、好ましくは、ベルトの供給部を意味する残りのストラップ材料から、ループ17を意味する次に閉じられるストラップで固定する手段10を供給する供給ユニットを含む。本発明のプロセスの完了時には、ループ17が対象物2を囲み、ループ17が、ストラップで固定する手段10の重なった部分の間に見えないように包まれたセキュリティ素子21を含む。次に、本発明のもう1つの実施の形態では、対象物2は90度の角度、回転させられて、再度ストラップで固定されてもよいので、互いに直角に配置された2つのループが対象物2を固定する。これにより、互いに直角に配置された2つのセキュリティ素子となるので、この実施の形態は検出感度をさらに向上できる。本発明の装置1は、供給装置、例えば、切断装置を含んでもよく、その切断装置は、ストラップで固定する手段10の重なった部分の長さにほぼ対応する長さにセキュリティ素子21を切断する。セキュリティ素子21が、完全に、言い換えると、見えないように、重なった部分に包まれるようにするために、セキュリティ素子が切断される長さは、重なった部分の長さよりわずかに短い長さであるべきである。
【0033】
図2は、対象物2を守る本発明の装置25にかかるもう1つの実施の形態を示す。セキュリティ素子27が、実際にストラップで固定する動作の前に、ストラップで固定する手段10の適切な部分に付けられることにより、セキュリティ素子を付ける装置が本質的に分配装置26を備える点で、装置25は図1の装置1とは異なる。またこの実施の形態では、セキュリティ素子27が運搬ウェブ28の上に配置され、フィードロール29により供給リール30から送られる。このプロセスでは、セキュリティ素子27を上に保持した運搬ウェブ28は一端に分配へり31を持つ分配装置26を介して送られる。セキュリティ素子27は、分配へり31で運搬ウェブ28から薄層に裂かれ、ベルト11を意味するストラップで固定する手段10に付けられる。これが起こると、装置25は、ストラップで固定する手段10の1つの部分がもう1つのストラップで固定する手段10との固定動作の間に重なる1つの部分にセキュリティ素子27が付けられる方法で制御されねばならず、それ故、ストラップで固定する手段10の重なった部分の間にセキュリティ素子27を包むことができる。したがって、本発明の装置25により、ストラップで固定する動作の前に、セキュリティ素子27がストラップで固定する手段10に供給され、セキュリティ素子27は重なった部分の1つに付けられる。それらを運搬ウェブ28およびストラップで固定する手段に接着するために、セキュリティ素子27は、例えば粘着性のコーティングを備えていてもよい。代わりに、セキュリティ素子27は、重なった部分が接合された時にストラップ材料と融合する溶解できる材料でコーティングされていてもよいので、セキュリティ素子27はとてもしっかりと、かつ実用的に分離しないように重なった部分に包まれる。
【0034】
図3は、従来のストラップで固定する機械35を示し、テーブル37の下面に配置された対象物2を囲むベルトの案内部36を同様に含む。さらに、ストラップで固定する機械35は、ストラップで固定する手段10用の供給リール38も含み、そこから、ストラップで固定する手段35が、供給装置39によりベルトのマガジン40に供給される。ここで、ストラップで固定する手段10は、ベルトのマガジン40からコンベヤー41を介してベルトの案内部36の中に射出され、それに続いて閉じる装置42により閉じられる。図2の実施の形態と同様に、セキュリティ装置43は、ストラップで固定する動作の前にストラップで固定する手段10に供給され、接合するストラップで固定する動作の間に重なるストラップで固定する手段10の部分に付けられる。この目的のため、本実施の形態では、セキュリティ素子43は、所定の相対距離で、ストラップで固定する手段10にあらかじめ付けられ、ストラップで固定する手段と共に供給リール38に巻かれている。本実施の形態の効果は、従来の、そしてこの場合は恐らく、既に存在しているストラップで固定する機械35が本発明の方法を実行するために使用できる点にある。
【0035】
図4は本発明の対象物45の斜視図であり、ループの形で対象物の周りを廻るストラップで固定する手段46を示す。ストラップで固定する手段46は、ストラップで固定する手段46の2つの部分48、49が重なる関係にある区間47を持つ。これらの部分48、49はしっかりと接合され、好ましくは互いに溶接され、ストラップで固定する手段46は、好ましくは溶接できるプラスティックから出来ている。細長い一片の形状のセキュリティ素子50(破線で示される)が部分48、49の間に挟まれていて、セキュリティ素子50は、重なった部分48、49の間に完全に包まれ、それ故外からは見えない。対象物45は商品の品目の包装51である。一方で、ストラップで固定することにより包装51が開けられるのを防ぎ、それに続いて商品の品目が取り外されるのを防ぎ、他方で、セキュリティ素子50は品目が売り場から不正に取り外されるのを防ぐ。
【0036】
図5は図4の対象物45を示し、本実施の形態では、さらにもう1つのストラップで固定する手段52により固定される。もう1つのセキュリティ素子55が2つの重なる部分53、54の間のストラップで固定する手段52の中に包まれる。セキュリティ素子50および55が互いに直角に配置されるので、対象物が、監視されている範囲を通って運び出された時より高い検出感度を示す。
【0037】
全ての上に記載された場合では、細長い一片形状のセキュリティ素子は同時押し出しEM材料から出来ていてもよく、そのうちの定義された量は、ストラップで固定する手段の長さ方向に、分離した供給リールから供給される。しかし、EM材料が任意の所望の方向に供給されてもよいことは分かるであろう。全ての場合、EM材料はストラップで固定する材料、好ましくはプラスティックのベルトの上部層および下部層の間に導入される。例えば超音波ヘッド等の溶接ヘッドは、ストラップで固定する手段をEM材料と融合させる。
【0038】
図6は図5の2つのストラップで固定する手段46、52により固定された対象物45を示す。同時押し出しEM材料で出来たセキュリティ素子が重なった部分53、54の間のストラップで固定する手段52の中に包まれる。さらに、図6は、個々のセキュリティ素子55が、ストラップの重なった領域の中に包まれるだけではなく、重なった領域から突き出ていてもよく、その様子は図6から容易に分かる。上記のように、セキュリティ素子は重なった部分53、54の間、または他の重なった部分の間に包まれてもよく、これは、セキュリティ素子が重なった領域から突き出さないことを意味しない。
【0039】
同時押し出しEM材料は以下の構造を持つ。
【0040】
プラスティックのコーティングの内部は解除できる素子としての1つの素子(欧州特許EP0921942B1で知られている「シンプルな細長い一片」)または解除できない材料のみのどちらでもよい。プラスティックのコーティングは市販の同時押し出しプラスティックから出来ていて、任意の所望の色または形状を持っていてもよい。
【0041】
EM材料は、供給リールから供給されて、溶接範囲に導入される際に適切な長さに切断されてもよく、既に適切な長さに切断されたセキュリティ素子が一度に1つずつ溶接ヘッドに供給されてもよい。この目的のため、従来のストラップで固定する機械はこの動作に対応するために変更されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の装置にかかる実施の形態の概略図
【図2】本発明の装置にかかるもう1つの実施の形態の概略図
【図3】本発明の方法にかかる実施の形態を実行する装置の概略図
【図4】ストラップで巻かれた対象物の斜視図
【図5】2重ストラップを備えた図4の対象物の斜視図
【図6】2重ストラップを備え、詳細図Aに従ったプラスティックのストラップベルトに付けられた同時押し出しEM材料から造られたセキュリティ素子を備えた斜視図
【符号の説明】
【0043】
1 装置
2 対象物
3 ベルトの案内部
4 レール
5 テーブル
6 レール
7 レール
8 レール
9 供給リール
10 ストラップで固定する手段
11 ベルト
12 供給装置
13 アイドラーロール
14 ベルトのマガジン
15 コンベヤー
16 閉じる範囲
17 ループ
18 閉じる装置
19 空間
20 位置決め装置
21 セキュリティ素子
22 運搬ウェブ
23 供給リール
24 フィードロール
25 装置
26 分配装置
27 セキュリティ素子
28 運搬ウェブ
29 フィードロール
30 供給リール
31 分配へり
35 ストラップで固定する機械
36 ベルトの案内部
37 テーブル
38 供給リール
39 供給装置
40 ベルトのマガジン
41 コンベヤー
42 閉じる装置
43 セキュリティ素子
45 対象物
46 ストラップで固定する手段
47 範囲
48 部分
49 部分
50 セキュリティ素子
51 包装
52 ストラップで固定する手段
53 部分
54 部分
55 セキュリティ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのストラップで固定する手段が固定される対象物の周りに輪を作り、上記ストラップで固定する手段の重なった部分が一緒に接合される盗難に対して対象物を守る方法であって、セキュリティ素子(21、27、43、50、55)が上記重なった部分(48、49、53、54)の間に包まれるように、少なくとも1つの電子的に検出できる上記セキュリティ素子(21、27、43、50、55)を、上記ストラップで固定する手段(10、46、52)に供給するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、ストラップで固定する動作の前に上記ストラップで固定する手段(10、46、52)に上記セキュリティ素子(27、43、50、55)を供給するステップおよび上記セキュリティ素子を上記重なった部分(48、49、53、54)の1つに付けるステップを有することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、ストラップで固定する動作の間に上記ストラップで固定する手段(10、46、52)に上記セキュリティ素子(21、43、50、55)を供給するステップおよび、上記重なった部分(48、49、53、54)の中間に上記セキュリティ素子を配置するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、ストラップで固定する手段(10、46、52)として、上記対象物(2、45)の周りを廻る関係で、溶接可能なベルト状のストラップ材料から出来た少なくとも1つのループ(17)を配置し、上記ベルト状のストラップ材料の上記重なった部分(48、49、53、54)が溶接範囲を形成するステップと、少なくとも部分的に溶解できる材料でコーティングされたセキュリティ素子(21、27、43、50、55)を上記溶接範囲内の上記バンド形状のストラップ材料の上記重なった部分(48、49、50、55)の間に導入するするステップと、上記ストラップ材料と上記コーティングされたセキュリティ素子(21、27、43、50、55)とを上記溶接範囲内で互いに実質的に溶接して、上記ループ(17)を閉じるステップを有することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、溶接動作のために摩擦溶接または超音波溶接プロセスを使用するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の方法であって、コンベヤー(15)により少なくとも部分的に上記対象物(2、45)を囲むベルトの案内部(3、36)に上記ストラップで固定する手段(10、46、52)を供給し、上記案内部を通して送るステップ、および/または上記ストラップで固定する手段(10、46、52)を供給リール(9、38)から取り除き、接合動作の前にまたは後に続いてストラップ材料の残りの供給により上記ループ(17)を供給するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の方法であって、連続した細長い一片の形で巻かれた供給リール(23、30)から上記セキュリティ素子(21、27、43、50、55)をはがし、上記ストラップで固定する手段(10、46、52)に供給するステップ、および上記ストラップで固定する手段(10、46、52)の中の上記セキュリティ素子との一体化の前にまたは後に続いて上記連続した細長い一片から1つのセキュリティ素子(21、27、43、50、55)を供給するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の方法であって、細長い一片の素子の大きさに切断された上記セキュリティ素子(43、50、55)を供給するステップ、および上記ストラップで固定する手段(10、46、52)に一度に1つそれらのセキュリティ素子を供給するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の方法であって、固定される上記対象物(2、45)を2つのストラップで固定する手段(10、46、52)とストラップで固定するステップ、およびそのプロセス中に少なくとも2つのセキュリティ素子(21、27、43、50、55)を、互いに90度の角度で上記対象物に貼るステップを有することを特徴とする方法。
【請求項10】
少なくとも1つのストラップで固定する手段で対象物の周りを廻すことにより盗難に対して対象物を守り、固定される上記対象物の周りを廻るストラップで固定する手段の重なった部分を閉じる装置を備えた装置であって、少なくとも1つの電子的に検出できるセキュリティ素子(21、27、43、50、55)を、上記ストラップで固定する手段(10、46、52)が閉じられる前に上記セキュリティ素子に付ける装置であるので、上記閉じる装置(18、42)により上記重なった部分が閉じられた時、上記ストラップで固定する手段の上記重なった部分の間に上記セキュリティ素子が包まれることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、上記取り付け装置が、上記ストラップで固定する手段(10)の上記重なった部分(49、54)の各々に、上記ストラップで固定する手段(10、46、52)と一体化するセキュリティ素子(47、43、50、55)を付けるのに対応した分配装置(26)を含み、1つの上記重なった部分が、ストラップで固定する動作の間に、上記ストラップで固定する手段(10)のもう1つの部分と重なることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、取り付け装置が位置決め装置(20)を含み、それと共に上記ストラップで固定する手段(10、46、52)に一体化される必要のあるセキュリティ素子(21、50、55)が、上記重なった部分(48、49、53、54)の中間に位置するようになっていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項10から請求項12のいずれか1つに記載の装置であって、ストラップで固定する手段(10、46、52)として、溶解でき、ベルト状のストラップ材料が、少なくとも部分的に上記対象物(2、45)を囲むように配置されたベルトの案内部(3)を供給するようになっていることにより、上記装置がコンベアー(15)を含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項10から請求項13のいずれか1つに記載の装置であって、上記セキュリティ素子(21、27、43、50、55)が1つずつ配置され、マガジンの大きさに切断されるか、連続した細長い一片として供給リール(23、30)に巻かれていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項10から請求項14のいずれか1つに記載の装置であって、セキュリティ素子(21、27、43、50、55)を拾い上げ、上記セキュリティ素子(21、27、43、50、55)を上記取り付け装置に供給する供給装置を備えることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項10から請求項15のいずれか1つに記載の装置であって、上記重なった部分(48、49、53、54)の長さにほぼ対応した大きさにセキュリティ素子(21、27、43、50、55)を切断する供給装置、好ましくは切断装置が設けられることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項10から請求項16のいずれか1つに記載の装置であって、上記閉じる装置(18、42)が摩擦溶接装置または超音波溶接装置であり、上記セキュリティ素子(21、27、43、50、55)が少なくとも部分的に熔解できる材料でコーティングされていることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項10から請求項17のいずれか1つに記載の装置であって、上記セキュリティ素子(21、27、43、50、55)が細長い一片の形状であること、および/または、運搬ウェブ(22、28)の上に配置されることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項10から請求項18のいずれか1つに記載の装置であって、上記取り付け装置が少なくとも1つのアイドラーロールおよび分配へり(31)を備えることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項10から請求項19のいずれか1つに記載の装置であって、上記ストラップで固定する手段(10、46、52)がベルトの供給部としての供給リール(9、38)に巻かれ、上記ストラップで固定する手段の重なった部分が一緒に接合された後で、上記ベルトの供給部から上記ストラップで固定する手段を供給する供給装置が設けられることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−533555(P2007−533555A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529753(P2006−529753)
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004849
【国際公開番号】WO2004/102497
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(505328351)チェックポイント・システムズ・インターナショナル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (4)
【氏名又は名称原語表記】CHECKPOINT SYSTEMS INTERNATIONAL GMBH
【Fターム(参考)】