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ストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法
説明

ストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法

【課題】作業時間の短縮、型費削減を実現し、品質確保しながら生産性向上に貢献するストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法を提供する。
【解決手段】型開状態下、ストラップ基端部52が型閉じ時に発泡型1のキャビティC内へ配される一方、ストラップ先端部51が該キャビティC外に出るように、発泡型1にストラップ5をセットし、次いで、該キャビティC内に硬質ポリウレタンフォーム原料8を注入すると共に型閉じし、その後、硬質ポリウレタンフォーム原料8を発泡膨張させ、発泡硬化した硬質ウレタン発泡体7に前記ストラップ基端部52を埋設一体化させて、前記ストラップ先端部51が該硬質ウレタン発泡体7から突き出すようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の内装材、家具,船舶等の芯材、建築等の断熱材などに使用される硬質ウレタン発泡体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の内装材や家具等の芯材に使用される硬質ウレタン発泡体(硬質ポリウレタンフォーム成形品)は、従来、製品の脱型が難しく、離型剤を塗布したり発泡型の型面に離型シートを貼着したりして作業時間のかかる脱型が実施されてきた。
こうしたことから、近年、上記負担を軽減する硬質ウレタン発泡体の製造方法が提案されるようになっている(例えば特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−82716号公報
【特許文献2】特開平7−164452号公報
【0004】
特許文献1は「成形型を用いて硬質ウレタン発泡体を製造するに当たり、上記成形型の内部の周縁部分に予めスライスウレタンフォームを配設し、また成形型内部の底面及び上面に表面材を配置すると共に成形型内にウレタン樹脂材料を注入して、発泡させ、その後成形体を脱型することにより、周縁に上記スライスウレタンフォームを一体的に有する硬質ウレタン発泡体を得ることを特徴とする硬質ウレタン発泡体の製造方法」の発明を提案する。
【0005】
また、特許文献2は「硬質ポリウレタンフォーム原料をモールド内に設置されたプラスチック製フィルム内に注入して発泡・膨張させ、ポリウレタンフォームを上記プラスチック製フィルムと共にモールドから取り出し、次いで上記プラスチック製フィルムを分離すること」を発明の特徴的部分として提案する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、特許文献1の発明はスライスウレタンフォームが発泡成形される硬質ウレタン発泡体と材質的に違うため、スライスウレタンフォームがちぎれる虞があった。
また、特許文献2の発明は、脱型後、ポリウレタンフォームからプラスチック製フィルムを取り除かねばならず、この作業工数が結構かかる問題があった。
特に、各角部が直角になる方形体の硬質ウレタン発泡体は、作業に手間取り、結局、図8のような発泡型9を用いて造られることが多かった。割り型9a〜9fを採用して、成形後、図9の鎖線図示のごとく割り型を開いて製品7を脱型する製法を採っていた。割り型9c,9d等の型開による製品7との隙間にエアガンAGを吹き出し、手作業で製品7を掴む脱型が行われていた。脱型するために下型が三,四分割されている。しかし、発泡型9の割り型が増すことによって、(1)寸法精度のバラツキ要因増(型閉め不具合による)、(2)型費の増大、(3)割り型部のパーティングラインからの硬質ポリウレタンフォーム原料漏れ、(4)パーティングライン部に離型剤を塗布する必要がある等の負担を強いられた。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するもので、作業時間の短縮、型費削減を実現し、品質確保しながら生産性向上に貢献するストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、型開状態下、ストラップ基端部(52)が型閉じ時に発泡型(1)のキャビティ(C)内へ配される一方、ストラップ先端部(51)が該キャビティ(C)外に出るように、発泡型(1)にストラップ(5)をセットし、次いで、該キャビティ(C)内に硬質ポリウレタンフォーム原料(8)を注入すると共に型閉じし、その後、硬質ポリウレタンフォーム原料(8)を発泡膨張させ、発泡硬化した硬質ウレタン発泡体(7)に前記ストラップ基端部(52)を埋設一体化させて、前記ストラップ先端部(51)が該硬質ウレタン発泡体(7)から突き出すようにしたことを特徴とするストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法にある。請求項2の発明たるストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法は、請求項1で、ストラップ(5)がテープ片(5a)からなり、且つテープ片基端部(52)の突端部分(52a)がテープ幅方向で二つ折りにされ、その二つ折り部分が接着結合されてなる二つ折り結合部分(55)と、テープ片先端部(51)につながるテープ片基端部(52)の残り部分(52b)とを、硬質ウレタン発泡体(7)に埋設一体化させることを特徴とする。
請求項3の発明たるストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法は、請求項1又は2で、ストラップ(5)がテープ片(5a)からなり、前記テープ片基端部(52)に開孔(57)が設けられることを特徴とする。請求項4の発明たるストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法は、請求項1〜3で、ストラップ(5)がテープ片(5a)からなり、さらに発泡型(1)に係る一の分割型(2)の型閉じ用シール面(22)に横断面V字状の凹部(23)を設ける一方、該シール面(22)に対応する他の分割型(4)のシール面(42)に該凹部(23)に嵌合する横断面逆V字状の凸部(43)を設け、且つ該凹部(23)と凸部(43)との間にテープ片先端部(51)を介在させて前記型閉じすることを特徴とする。請求項5の発明たるストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法は、請求項1〜4で、ストラップ(5)がテープ片(5a)の一方の面に粘着剤(5b)を付与した粘着剤(5b)付きテープ片(5a)であることを特徴とする。
【0009】
(作用)
請求項1の発明のごとく、発泡硬化した硬質ウレタン発泡体にストラップ基端部を埋設一体化させて、ストラップ先端部が硬質ウレタン発泡体から突き出すようにすると、発泡成形後、割り型の数が少なくても、ストラップ先端部を掴んで容易に脱型できる。請求項2の発明のごとく、二つ折り結合部分とテープ片先端部につながるテープ片基端部の残り部分とを、硬質ウレタン発泡体に埋設一体化させると、発泡成形で、残り部分に形成される窪みに硬質ウレタン発泡体が入り込んで一体化するので、テープ片先端部を掴んで、確実に脱型できるようになる。
請求項3の発明のごとく、テープ片基端部に開孔が設けられると、テープ片が発泡成形時の発泡圧を開孔にくぐらせてかわし、キャビティ内に配されるテープ片基端部のセットが安定維持される。また、硬質ウレタン発泡体が開孔を貫通する形で発泡成形されるので、テープ片と硬質ウレタン発泡体との一体化が強力になる。請求項4の発明のごとく、一の分割型の型閉じ用シール面に横断面V字状の凹部を設ける一方、該シール面に対応する他の分割型のシール面に該凹部に嵌合する横断面逆V字状の凸部を設け、且つ該凹部と凸部との間にテープ片先端部を介在させて型閉じすると、テープ片先端部も横断面V字状になって、テープ片と硬質ウレタン発泡体との結合力が高まり、単純な構造で両者の一体化に貢献する。請求項5の発明のごとく、ストラップがテープ片の一方の面に粘着剤を付与した粘着剤付きテープ片であると、粘着剤が在る面を対向させて二つ折りすることで、簡単に二つ折り結合部分を作製できる。また、粘着剤が在る面がシール面に接合することで、発泡型へのテープ片のセットが円滑実施される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法は、品質確保しながら脱型を容易にして作業時間の短縮,生産性向上、さらに型費の削減等に優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法の一形態で、(イ)〜(ヘ)はその製造工程概図である。
【図2】図1のシール面にピンを設け、また図1(ロ)から(ハ)へ移る工程で支障をきたす場合の説明断面図である。
【図3】(イ),(ロ)は、図1のストラップに代わる他態様のストラップの斜視図である。
【図4】(イ)が図3(ロ)のストラップを用いて発泡型にセットする平面図で、(ロ)が(イ)の正面断面図、(ハ)が発泡硬化状態の平面図で、(ニ)が(ハ)のα-α線矢視図である。
【図5】(イ)が図4(ニ)の拡大図、(ロ)が(イ)に代わる別態様図である。
【図6】(イ)が図1に代わる別態様の発泡型を用いた部分平面図で、(ロ)が(イ)の正面断面図、(ハ)が図1(ロ)の工程に対応する平面図、(ニ)が(ハ)の正面断面図である。
【図7】図6(ニ)のβ-β線矢視図である。
【図8】従来技術の説明斜視図である。
【図9】従来技術の説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法について詳述する。図1〜図7は本発明のストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法の一形態で、図1の(イ)〜(ヘ)はその製造工程概図、図2は図1の(ロ)から(ハ)へ移る工程で支障をきたす場合の説明断面図、図3は図1のストラップに代わる他態様のストラップの斜視図、図4は(イ),(ロ)が図3(ロ)のストラップを用いた図1(ロ)に対応する説明図で、(ハ),(ニ)が図1(ハ)に対応する説明図、図5は(イ)が図4(ニ)の拡大図、(ロ)が(イ)に代わる別態様図、図6は(イ)が別態様の発泡型を用いた部分平面図で、(ロ)が(イ)の正面断面図、(ハ),(ニ)が図1(ロ)に対応する説明図、図7は図6のβ-β線矢視図を示す。尚、図1は紙面垂直方向にキャビティ形成用型面を有する下型部分(図8の符号9e及び符号9f相当部分)の図示を省き、また断面表示のハッチング図示を省略する。各図はテープ片5aを判り易くするため大きく描く。
【0013】
ストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法に先立ち、発泡型1とストラップ5とが準備される。
発泡型1は、図8の従来型に比し、割り型3の数を減らした図1のような金型とする。一の分割型たる成形主型2と一の割り型3とで下型2Aを構成し、他の分割型たる上型4との型閉じで、硬質ウレタン発泡体7(硬質ポリウレタンフォーム成形品)のキャビティCを形成する。図1中、符号21,31は成形主型2,割り型3のキャビティ形成用型面、符号22,32は成形主型2,割り型3の型閉じ用シール面、符号41は上型4のキャビティ形成用型面、符号42は上型4の型閉じ用シール面を示す。
ストラップ5は所定長さに切断された紐や帯である。ここでは、型閉じで、基端部52を発泡型1のキャビティC内へ配して、先端部51を発泡型1のキャビティC外に出るように、型開状態下の発泡型1にセットできる長さのテープ片5aを用いる。ストラップ5は紐でもよいが、テープ片5aを用いると、その厚みが小さく、型閉じ用シール面22,32にその先端部51を配して、型閉じでシール性を確保しながらテープ片5aを発泡型1で保持でき、より好ましくなる。本実施形態もストラップ5にテープ片5aを採用する。テープ片5aの幅は成形される硬質ウレタン発泡体7の大きさにもよるが、20mm〜200mm程度とする。テープ片5aの材質は、発泡成形で変質,溶解せず且つ脱型時に破れないものであればよく、合成樹脂系、紙、布等の材料から適宜選定される。
【0014】
ストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法は、前記発泡型1,ストラップ5を用いて、例えば次のように行う。
まず、図1(イ)の白抜き矢印のごとく割り型3を移動し、該割り型3と成形主型2とで下型2A側の凹状キャビティ形成用型面を形成する。
次に、型開状態下、ストラップ基端部52が型閉じ時に発泡型1のキャビティC内(キャビティ形成用型内)に配され、ストラップ先端部51は発泡型1のキャビティC外に出るように、発泡型1にストラップ5をセットする。具体的には、下型2Aに係る成形主型2の型閉じ用シール面22と割り型3の型閉じ用シール面31、いいかえれば型閉じ時の上型4との型合せ面に、テープ片先端部51を夫々載置し、且つ所定長さ分のテープ片基端部52が、下型2A側のキャビティ形成用型面に係る側壁面21a,31aの上縁から型内(キャビティ形成用型内)へ図1(ロ)のごとく突き出すようにセットする。図1(ロ)は成形主型2と割り型3とに夫々テープ片5aを一枚ずつセットするが、紙面垂直長手方向に延びるシール面22,32に夫々、テープ片5aを所定ピッチで複数セットしてもよい。
【0015】
次いで、キャビティC内に硬質ポリウレタンフォーム原料8を注入すると共に型閉じする(図2のイ)。硬質ポリウレタンフォーム原料8の注入と型閉じとの時系列順序は問わない。下型2へのテープ片52のセット後、硬質ポリウレタンフォーム原料8を注入し、その後、型閉じしたが、下型2へのテープ片52のセット後、型閉じし、その後、質ポリウレタンフォーム原料8を注入することもできる。この型閉じで、テープ片先端部51が下型2Aと上型4に挟着保持され、テープ片基端部52が文字通りキャビティC内に配される。
続いて、硬質ポリウレタンフォーム原料8を発泡膨張させ(図2のロ)、その後、発泡硬化した硬質ウレタン発泡体7を成形する。そして、硬質ウレタン発泡体7にテープ片基端部52を埋設一体化させて、テープ片先端部51が該硬質ウレタン発泡体7から突き出すようにした所望のストラップ付き硬質ウレタン発泡体製品を得る(図1のハ)。テープ片基端部52が硬質ウレタン発泡体7の内部72に入り込む一方、テープ片先端部51は硬質ウレタン発泡体7の表面71から突出している。
【0016】
しかる後、硬質ウレタン発泡体7から突き出すストラップ先端部51、すなわちテープ片先端部を手に持って引っ張り上げ、脱型する。図1(ニ)のように割り型3を白抜き矢印方向に開いた後、テープ片先端部51を掴んで、図1(ホ)の白抜き矢印のごとく持ち上げれば容易に脱型できる。脱型されたストラップ付き硬質ウレタン発泡体製品は、テープ片先端部51をトリミングカットして、各角部が直角になる方形体の硬質ウレタン発泡体7の商品になる(図1のヘ)。硬質ウレタン発泡体7内にテープ片基端部52が埋設一体化するが、芯材等の商品によっては問題にならないケースがあり、商品価値を損ねない。尚、問題になる場合は、その部分をカットすれば足りる。
【0017】
ここで、テープ片5aが単なる帯状体であると、硬質ポリウレタンフォーム原料8を発泡膨張させる段階で、図2(ロ)のようにテープ片5aが原料8から受ける矢印方向の膨張圧に押され、図2(ハ)のごとく上型4にへばりつき、硬質ウレタン発泡体7内へのテープ片基端部52の埋設一体化が不十分となる場合がある。図2中、符号8aは発泡膨張液状体、符号81は発泡膨張液状体の上昇表面を示す。
斯かる場合、図3(イ)のごとくテープ片5aの基端部52に開孔57を設けると、硬質ウレタン発泡体7内へのテープ片基端部52の埋設一体化がより確実になり好ましくなる。前記膨張圧を開孔57でかわし、また開孔57を潜り抜けてテープ片基端部52と一体になる硬質ウレタン発泡体7が発泡成形されるからである。
【0018】
また、図3(ロ)のごとく、テープ片基端部52の突端部分52aがテープ幅方向で二つ折りにされ、且つその二つ折り部分が接着結合されてなる二つ折り結合部分55と、テープ片先端部51につながるテープ片基端部52の残り部分52bとが、硬質ウレタン発泡体7に埋設一体化すると、一層好ましくなる。二つ折り結合部分55の形成で、残り部分52bには図5(イ)のような窪み56ができ、ここに発泡成形で硬質ウレタン発泡体7が入り込んで、テープ片5aとの一体化がより強固になるからである。
さらに、テープ片5aの一方の面に粘着剤5bを付与した粘着剤5b付きテープ片5aであると、粘着剤5bが在る面を対向させて、二つ折りすれば、その二つ折り部分が粘着剤5bでそのまま接着結合されて二つ折り結合部分55ができるので、該二つ折り結合部分55の形成作業が楽になる。また、シール面22,32へのテープ片基端部52のセット時に、粘着剤5bでテープ片5aの貼着固定化が図れるので、好都合になる。
加えて、図5(ロ)のごとく、二つ折り結合部分55やテープ片基端部52の残り部分52bに開孔57を設けると、開孔57に伴うテープ片基端部52と硬質ウレタン発泡体7内との一体強化が加わって、両者の一体化が一段と強力になる。脱型でテープ片5aを多少無理に引き上げても硬質ウレタン発泡体7から抜けることがない。テープ片5aに追随させて硬質ウレタン発泡体7を円滑に脱型できる。
【0019】
発泡型1に関しては、図1の発泡型1に図6,図7のごとく凹部23と凸部43を設けるとより好ましくなる。下型2Aに係る成形主型2(一の分割型)の型閉じ用シール面22に横断面V字状の凹部23を設ける一方、該シール面22に対応する上型4(他の分割型)のシール面42に該凹部23に嵌合する横断面逆V字状の凸部43を設けて、テープ片先端部51を凹部23と凸部43との間に介在させて型閉じするのである。テープ片5aのセットで、横断面V字状に変形されるテープ片先端部51に影響を受けて、テープ片基端部52も横断面V字状に変形し、この変形で平らな基端部よりも硬質ウレタン発泡体7との一体化が一層進む。さらに、発泡型1にセットされるテープ片先端部51が図7のように凹部23と凸部43とに確実に挟着される形になり、セットされたテープ片5aの横ズレが抑えられ、製品の品質安定,作業性向上にもつながる。図6,図7中、符号23aは凹部23のV字状溝底、符号43aは凸部43の稜線、符号58はテープ片5aのV字状折れ部、符号58aは折れ底を示す。
【0020】
また、テープ片先端部51が配されるシール面22に図2の円内拡大図に示すような突状ピン25を設け、該ピン25にテープ片先端部51のテープ面を突き破り貫通させて、テープ片5aをシール面22にセットすると、セットされたテープ片5aがシール面22に確実に係止されるので、より一層の品質安定化が図られる。尚、図示を省略するが、ピン25を設けたシール面22の相手方シール面42にはピン25の突状分の凹穴(図示せず)が設けられる。凹部23,凸部43とピン25を併用する発泡型1を用いれば、シール面22へセットされたテープ片5aにズレが全くなくなり、高品質のストラップ付き硬質ウレタン発泡体を得ることができる。
【0021】
このように構成したストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法は、ストラップ先端部51が硬質ウレタン発泡体7から突き出すようにして、ストラップ基端部52を該硬質ウレタン発泡体7に埋設一体化しているので、脱型で掴み易いストラップ先端部51を手などで持ち上げれば、一緒に硬質ウレタン発泡体7が引き上げられるので、脱型が非常に楽になる。そして、図1のごとく割り型3の数を減らすことができ、従来技術で挙げた寸法精度のバラツキ要因増(型閉め不具合による)等の問題を軽減,解消できる。すなわち、(1)寸法精度の安定化確保(割り型による不具合要因の回避)、(2)型費の削減、(3)発泡成形時で、割り型からの硬質ポリウレタンフォーム原料漏れの回避、型メンテナンス費用の削減等に効を奏す。
勿論、特許文献1のように、スライスウレタンフォームがちぎれる虞はなく、特許文献2のように、ポリウレタンフォームからプラスチック製フィルムを取り除かねばならない面倒な後作業もない。
【0022】
また、ストラップ5にテープ片5aを用い、該テープ片基端部52に開孔57や二つ折り結合部分55を形成すると、簡便なテープ片5aを用いながら、テープ片基端部52を硬質ウレタン発泡体7に確実に一体化させることができる。特に、テープ片基端部52の突端部分52aがテープ幅方向で二つ折りにされ、その二つ折り部分が接着結合されてなる二つ折り結合部分55と、テープ片先端部51につながるテープ片基端部52の残り部分52bとが、硬質ウレタン発泡体7に埋設一体化すると、該残り部分52bに形成される図3〜図5ごとくの窪み56へ、硬質ウレタン発泡体7が発泡成形時に入り込むので、テープ片基端部52と硬質ウレタン発泡体7との一体化が万全になる。脱型時、テープ片先端部51を掴んで持ち上げることで、これと一体化した硬質ウレタン発泡体7を、割り型3の数を増やさずとも発泡型1から円滑に取り出せる。
そして、テープ片5aの一方の面に粘着剤5bを付与した粘着剤5b付きテープ片5aを採用すれば、二つ折り結合部分55を容易に作製できる。また、テープ片5aの発泡型1へのセット時に粘着剤でシール面22,32へ貼着固定化が図られ好都合になる。
【0023】
さらに、発泡型1のシール面22,42に横断面V字状凹部23,横断面逆V字状凸部43を設けて、凹部23と凸部43との間にテープ片先端部51を介在させて型閉じすると、テープ片先端部51がV字状に変形して挟まれ、テープ片基端部52にまでその変形形状が付形延長されるので、単なる平たいテープ片基端部に比べ、該テープ片基端部52で硬質ウレタン発泡体7との一体強化が図られる。
また、テープ片先端部51が配されるシール面22に突状ピン25を設けて、該ピン25にテープ片先端部51のテープ面を突き破り貫通させて、テープ片5aをシール面22にセットすると、テープ片5aがピン25に係止されるので、テープ片5aに特に粘着剤が施されなくても、シール面22へのセットを円滑且つ着実になすことができる。
【0024】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。発泡型1,ストラップ5,テープ片5a,硬質ウレタン発泡体7等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
【符号の説明】
【0025】
1 発泡型
2A 下型
2 成形主型(一の分割型)
22 シール面
23 凹部
4 上型(他の分割型)
42 シール面
43 凸部
5 ストラップ
5a テープ片
5b 粘着剤
51 先端部(テープ片先端部)
52 基端部(テープ片基端部)
52a 突端部分
55 二つ折り結合部分
57 開孔
7 硬質ウレタン発泡体(製品)
8 硬質ポリウレタンフォーム原料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型開状態下、ストラップ基端部(52)が型閉じ時に発泡型(1)のキャビティ(C)内へ配される一方、ストラップ先端部(51)が該キャビティ(C)外に出るように、発泡型(1)にストラップ(5)をセットし、次いで、該キャビティ(C)内に硬質ポリウレタンフォーム原料(8)を注入すると共に型閉じし、その後、硬質ポリウレタンフォーム原料(8)を発泡膨張させ、発泡硬化した硬質ウレタン発泡体(7)に前記ストラップ基端部(52)を埋設一体化させて、前記ストラップ先端部(51)が該硬質ウレタン発泡体(7)から突き出すようにしたことを特徴とするストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法。
【請求項2】
前記ストラップ(5)がテープ片(5a)からなり、且つテープ片基端部(52)の突端部分(52a)がテープ幅方向で二つ折りにされ、その二つ折り部分が接着結合されてなる二つ折り結合部分(55)と、テープ片先端部(51)につながるテープ片基端部(52)の残り部分(52b)とを、硬質ウレタン発泡体(7)に埋設一体化させる請求項1記載のストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法。
【請求項3】
前記ストラップ(5)がテープ片(5a)からなり、前記テープ片基端部(52)に開孔(57)が設けられる請求項1又は2に記載のストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法。
【請求項4】
前記ストラップ(5)がテープ片(5a)からなり、さらに発泡型(1)に係る一の分割型(2)の型閉じ用シール面(22)に横断面V字状の凹部(23)を設ける一方、該シール面(22)に対応する他の分割型(4)のシール面(42)に該凹部(23)に嵌合する横断面逆V字状の凸部(43)を設け、且つ該凹部(23)と凸部(43)との間にテープ片先端部(51)を介在させて前記型閉じする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法。
【請求項5】
前記ストラップ(5)がテープ片(5a)の一方の面に粘着剤(5b)を付与した粘着剤(5b)付きテープ片(5a)である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のストラップ付き硬質ウレタン発泡体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−99917(P2013−99917A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271852(P2011−271852)
【出願日】平成23年12月13日(2011.12.13)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】