説明

ストリッピング法

【課題】 装置の待機時間を短縮するため迅速なアルミナのストリッピング法を提供する。
【解決手段】 本発明は、アルミナからのフッ化物の除去に特に適したアルミナのストリッピング方法であって、昇温下でアルミナを酸又はアルカリ水溶液で洗浄することを含む方法に関する。この方法は、放射性フッ素化反応後のアルミナから[18F]フッ化物のような未反応放射性フッ化物を除去するのにも使用ができる。本方法の実施に適した自動合成装置及びカセットについても開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミナのストリッピング法に関するものであり、例えばアルミナを用いて放射性合成反応混合物から[18F]フッ化物のような放射性フッ化物を抽出した際のストリッピング法としてアルミナからフッ化物を除去する方法に関する。本発明はさらにかかる方法を実施するための装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
アルミナ(酸化アルミニウム)は、例えば水性流出液の処理や飲料水の処理において水からフッ化物を吸着によって除去するのに用いられる。アルミナは、例えば2−[18F]フルオロ−2−デオキシ−D−グルコース(以下、[18F]FDGと略す。)の合成後の放射性合成反応混合物から未反応[18F]フッ化物を除去するのにも使用される。
【0003】
18F]FDGのような放射性トレーサーは現在では試薬Kryptofix(商標)2.2.2による18での求核放射性フッ素化化学を用いた自動放射性合成装置で製造されることが多い。このような装置は、Tracerlab MX(Coincidence Technologies社)及びTracerlab FX(Nuclear Interface社)を始め、幾つか市販されている。かかる装置は一般にカセット(大抵は使い捨て型)を備えており、放射性合成を実施するため装置に装着して、放射化学反応を実施する。カセットは通常は、流路と、反応容器と、各試薬バイアルの取り付け口と、放射性合成後の浄化段階に用いられる固相抽出カートリッジとを備える。
【0004】
放射性合成を自動装置で実施する場合、装置の効率に重要な一つの要因はその装置をどれだけ迅速に次の合成を使用できるかということであり、これはカセットにどの程度の残留放射能が存在するかによって左右される。これによって、どれだけ素早くオペレーターが次の合成のための新しいカセット又は新しい試薬を装置に再装填できるかが決まるからである。ストリッピングプロセスがなければ、使用する放射性同位体の半減期に応じて、カセットが交換できるようになるまでに、放射能が崩壊するまでの数時間さらには数日間カセットを放置しておく必要があるかもしれない。サイクロトロン効率の向上に伴って、放射性合成は高レベルの放射能で実施される傾向にあるが、これは合成後のカセット内の残留放射能レベルが高まることを意味する。ある種の自動放射性合成装置では、かなりの割合の残留放射能がカセットの一部をなす容器内に保持されたアルミナに吸着される。そのため、運転から次の運転までの装置の待機時間を短縮するため迅速なアルミナのストリッピング法に対するニーズがある。
【特許文献1】英国特許第1265769号明細書
【特許文献2】米国特許第3785990号明細書
【特許文献3】米国特許第6599429号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様では、昇温下で金属水酸化物の水溶液のような酸又はアルカリ水溶液でアルミナを洗浄することを含んでなるアルミナのストリッピング法を提供する。
【0006】
本ストリッピング法はアルミナからのフッ化物の除去に特に適している。従って、本発明の別の態様では、アルミナからフッ化物(好適には[18F]フッ化物のような放射性フッ化物)を除去する方法であって、昇温下で金属水酸化物の水溶液のような酸又はアルカリ水溶液でアルミナを洗浄することを含んでなる方法を提供する。アルミナからの廃液流は遮蔽廃棄物容器に移して、オペレーターを被曝させることなく放射能を崩壊させればよい。
【0007】
本ストリッピング法での使用に適した酸水溶液としては、塩酸、硫酸又は硝酸のような無機酸水溶液が挙げられる。
【0008】
本ストリッピング法での使用に適したアルカリ水溶液としては金属水酸化物水溶液が挙げられる。金属水酸化物は好適には、溶液中に0.2〜10M、好適には0.5〜5M、さらに好適には1〜3M、例えば2Mの濃度で存在するアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)又はアルカリ土類金属水酸化物(例えば、マグネシウム又はカルシウム)である。好ましくは、金属水酸化物は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。
【0009】
アルミナは中性アルミナでも酸性アルミナでもよいが、好ましくは酸性アルミナである。アルミナは好適には粒径10〜500μmの粉末の形態で使用される。フッ化物の吸着に使用できる市販のアルミナとしては、Waters Sep−Pak(登録商標)又はAlltech Maxiclean(商標)又はExtract−clean(商標)が挙げられる。
【0010】
アルミナの洗浄は、昇温下、つまり40℃乃至酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物水溶液など)の沸点までの温度、好ましくは80℃付近、例えば75〜85℃で実施される。昇温は、加熱した酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物水溶液など)をアルミナと接触させるか、或いは酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物水溶液など)との接触前及び/又は接触時にアルミナを外部熱源で加熱することによって達成できる。
【0011】
本発明の一実施形態では、酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物溶液など)をそれぞれアルカリ又は酸水溶液の添加による中和反応の発熱で熱を生じさせることによって加熱する。この実施形態は、アルミナのための外部熱源が必要ないという利点があり、自動放射性合成装置のような自動合成装置の設計では重要であろう。酸水溶液を用いてアルカリ水溶液を加熱する場合、酸水溶液は好適にはリン酸、塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸水溶液であり、好適には250mM〜5M、例えば500mM〜2Mの濃度である。通例、金属水酸化物溶液は、酸添加後の金属水酸化物のレベルが0.2〜10M、さらに好適には1〜3M、例えば2Mとなるように実質的に過剰に存在する。
【0012】
洗浄段階は、容器中でアルミナを酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物水溶液など)と混合した後アルミナをろ過分離することによって実施できる。別法として、アルミナを自動合成装置で使用する場合に特に好適であるが、アルミナを容器内に収容し、これに酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物水溶液など)を流せしてもよい。酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物水溶液など)は、ストリッピング用カートリッジでの充分な滞留時間が得られるように、連続流として(例えば0.1〜100ml/minの流量で)アルミナに流してもよいし、或いは回分法でアルミナに流してもよい。
【0013】
上述の通り、本ストリッピング法は、自動放射性合成の分野、例えばアルミナカートリッジから[18F]フッ化物のような放射性フッ化物を除去するのに特に有用である。このストリッピング法の用途では、アルミナ上の残留[18F]フッ化物量ができるだけ低いことが重要であり、ストリッピング後のアルミナ上に残留する[18F]フッ化物の量の方が除去量よりも重要である。
【0014】
当業者には明らかであろうが、アルミナはプラスチック若しくは金属カラム、カートリッジ又はシリンジバレルのような適当な容器内に保持することができ、こうした容器とアルミナを本明細書中では「アルミナカートリッジ」という。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図1を参照して説明するが、図1は以下のプロセス段階を実施することができる代表的な放射性フッ素化装置の一部分の概略図である。
【0016】
図1は、自動合成装置(全体は図示せず)に取付可能なカセット1の概略を点線で示す。合成装置は、カセット内で合成を行うため当技術分野で公知のポンプ、アクチュエーター、センサー及び制御手段を備える。カセット1は細長い流路4を含んでおり、これに1以上の容器2、シリンジ6、反応容器8及びカートリッジ10,12のような容器が接続されている。合成装置はさらに容器12及び/又は14を加熱できるように配置された熱源16を備える。図2は図1と同様の装置であるが、カセット1がさらに容器12及び/又は14を加熱できるように配置された熱源16を備えている。
【0017】
(i)放射性標識剤の製造
上記装置を用いて放射性フッ素化を実施する本発明の一つの態様では、放射性標識剤は18であり、18O濃縮水の照射によって調製し、イオン交換カートリッジでトラップすることができる。放射性標識剤は、Kryptofix 2.2.2のような相間移動剤、炭酸カリウムのような無機塩基とアセトニトリルのような適当な非プロトン性溶媒で18を溶出することによって調製できる。かかる試薬及び溶媒は容器2に保持され、好適にはカセット1の一部をなすか或いは合成を実施する前にオペレーターによってカセットに取り付けることができるバイアル又はシリンジ内に保持される。これらの試薬及び溶媒は、例えば、ポンプ(図示せず)又はシリンジ6によって或いは窒素のような不活性ガスを用いて系内の圧力(正圧又は負圧)を制御することによって流路4を介して自動的に又は手動で移送することができる。
【0018】
(ii)放射性標識剤と放射性標識用基剤との反応
本発明の一つの態様では、放射性標識用基剤は、18のような求核試薬で置換される脱離基、例えばアルキル−、ハロアルキル−又はアリール−スルホネートを含む。慣用される放射性標識用基剤の一例は、[18F]FDGの合成で前駆体として使用される1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノース(一般にマンノーストリフレートと呼ばれる。)である。かかる反応は、溶液相又は固相で実施でき、カセット1の一部を構成する1以上の反応容器8で起こり得る。反応条件(例えば、温度及び反応時間)は自動合成装置に格納されたコンピュータープログラムで自動制御してもよいし、或いはオペレーターが手動で制御してもよい。
【0019】
(iii)脱保護
副反応を防ぐため放射性標識用基剤の反応性基が化学的に保護されている場合、反応後に残留する保護基を除去する必要がある。かかる脱保護は一般に加水分解段階であり、保護中間体に酸又はアルカリ水溶液を添加することによって実施される。[18F]FDGの合成では、一般的な保護中間体は2−フルオロ−1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−グルコース(テトラアセチルフルオロデオキシグルコース又はpFDGという。)である。脱保護は、例えば米国特許第6172207号に記載の方法を用いて反応容器8内又は固相で好適に実施できる。
【0020】
(iv)精製
粗反応混合物は過剰の試薬を除去するため精製する必要がある。自動合成装置で慣用されている精製技術としては、有機物を吸着するためのC18カートリッジ10と、放射性フッ化物(例えば18)のような過剰の放射性核種を除去するためのアルミナカートリッジ12と、最終放射性医薬品の無菌性を担保するための精密ろ過が挙げられる。精製混合物は次いで製剤化及び/又は分配用のディスペンサー20に送られる。
【0021】
(v)カセット浄化
合成の最後に、過剰の放射能を崩壊させるか又は除去して、次の合成のためにカセットを交換できるようにする必要がある。本発明の方法のこの実施形態では、アルミナカートリッジ12を、容器14からの酸又はアルカリ(金属水酸化物など)の水溶液で洗浄する。洗浄段階を実施する温度は、フッ化物ストリッピングの効率に重要であり、装置内に配置された熱源16によって制御され、カセットを装置に装着したときに容器14又はアルミナカートリッジ12内の金属水酸化物の水溶液が加熱されるように制御される。洗浄段階が完了したら、廃棄放射性フッ化物を含有する水溶液は遮蔽廃棄物容器18に移送される。放射能が安全なレベルまで低減したら、オペレーターは次の合成のためカセット1を新しいカセットと交換するか或いは新たな試薬を装填すればよい。
【0022】
本発明の別の態様では、水性反応混合物からフッ化物イオンを除去するためのアルミナカートリッジを備える自動合成装置であって、当該装置が、上述の通り昇温下でアルミナを酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物水溶液など)で洗浄することによってアルミナをストリッピングするのに適合していることを特徴とする装置を提供する。
【0023】
アルミナカートリッジは、自動合成装置用に設計された使い捨て又は着脱式のカセット内に収容することができる。従って、本発明はさらに、水性反応混合物からフッ化物イオンを除去するためのアルミナカートリッジを備える自動合成装置用のカセットであって、当該カセットが、上述の通り昇温下でアルミナを酸又はアルカリ水溶液(金属水酸化物水溶液など)で洗浄することによってアルミナをストリッピングするのに適合していることを特徴とするカセットを提供する。
【実施例】
【0024】
以下の実施例によって本発明を例証する。
【0025】
実施例1:加熱を利用した酸性アルミナカートリッジからのフッ化物置換
材料
酸性アルミナカートリッジ:Waters社製WAT020500 #041434265A。
【0026】
18F−フッ化物:Hammersmith Imanet社(英国)製。
【0027】
水酸化ナトリウム:Aldrich社製、製品番号484024 #06614EB、純度97%。
【0028】
方法
300mgの酸性アルミナカートリッジを10mlの水で平衡化した後、約14MBqの18F−フッ化物を注入した。カートリッジを1mlの水で洗浄した後、3mlの2M水酸化ナトリウムを1mlずつ注入し、各画分を回収し、放射能を電離箱で測定した。3mlの後のカートリッジの残留放射能を測定した。
【0029】
上記のプロセスを繰返し、上記と同様の第2の酸性アルミナカートリッジで約14MBqの放射能をトラップした。2Mの水酸化ナトリウムを、カートリッジ注入前に50℃に予熱しておいてから、3×1mlをカートリッジに注入し、各画分を回収し、上記と同様に放射能を測定した。この時点でアルミナカートリッジの残留放射能を測定した。
【0030】
上記のプロセスを繰返し、上記と同様の第3の酸性アルミナカートリッジで約9MBqの放射能をトラップした。2M水酸化ナトリウムを、ホットエアガン(ノズル温度約100℃)で加熱したカートリッジに注入した。3×1mlをカートリッジに注入し、各画分を回収して、上記と同様に放射能を測定するとともに、カートリッジの残留放射能を測定した。
【0031】
結果を図3に示す。明らかに、カートリッジへの注入の前に水酸化ナトリウムを予熱すると、カートリッジの残留放射能が大幅に減少する。水酸化ナトリウムを流すカートリッジを直接加熱すると一段と改善され、3mlの2M水酸化ナトリウムを注入した後の残留放射能のレベルは対照実験の約1/5となった。
【0032】
実施例2:アルミナカートリッジストリッピングでの酸−塩基反応の発熱の使用
材料
酸性アルミナカートリッジ:Waters社製WAT020500 #041434265A。
【0033】
18F−フッ化物:Hammersmith Imanet社(英国)製。
【0034】
リン酸:Aldrich社製、純度85%、製品番号43808−1 #U01380
水酸化ナトリウム:Aldrich社製、製品番号484024 #06614EB、純度97%。
【0035】
方法
水酸化ナトリウム(2.5M、6ml)にリン酸(0.405ml)を加え、溶液を室温に冷却した。300mgの酸性アルミナカートリッジを10mlの水で平衡化した後、8.7MBqの18F−フッ化物を加えた。カートリッジを1mlの水で洗浄した後、水酸化ナトリウム/リン酸溶液を1mlずつ注入し、各々の溶離液で測定した。カートリッジの残留放射能も測定した。
【0036】
上記のプロセスを繰返し、第2の酸性アルミナカートリッジに6.1MBqの放射能をトラップした。ただし、水酸化ナトリウム/リン酸溶液は混合後に冷却時間を与えずに直ちに酸性アルミナカートリッジに注入した。
【0037】
各実験で除去された%フッ化物を対比して図4に示す。これらには明らかな差がみられ、対照実験では29%であったのに比較して、発熱反応では3ml後に14%の放射能しか存在しない。
【0038】
結論
実施例1及び実施例2の結果をそれぞれ図3及び図4に示す。水酸化ナトリウムの予熱も、カートリッジの加熱も、アルカリ条件下での酸性アルミナカートリッジからの18F−フッ化物のストリッピング速度に格段に有益な効果を有する。加えて、リン酸と水酸化ナトリウムの反応の発熱は、同じプロセスで格段の改善を示す。
【0039】
実施例3:1M塩酸を用いた酸性アルミナカートリッジからのフッ化物置換
材料
酸性アルミナカートリッジ:Waters社製WAT020500 #041434265A。
【0040】
18F−フッ化物:Hammersmith Imanet社(英国)製。
【0041】
1M塩酸:BDH社Convol 180365D #90367620。
【0042】
方法
300mgの酸性アルミナカートリッジを10mlの水で平衡化した後、16.4MBqの18−フッ化物を注入した。カートリッジを1mlの水で洗浄した後、1mlの1M塩酸を1mlずつ注入し、各画分を回収し、電離箱で放射能を測定した。3ml後カートリッジに残留放射能を測定した。次に、ホットエアブロアーを1分間用いて(Steinel HG3000SLEホットエアガン、設定4、位置1)カートリッジを70℃に加熱し、さらに1mlの1M塩酸をカートリッジに注入した。再度画分を回収して、上記と同様に放射能を測定するとともに、カートリッジの残留放射能も測定した。
【0043】
【表1】

1Mの塩酸でも酸性アルミナカートリッジからフッ化物は置換されるが、3ml後に約21%が置換されるにすぎない。カートリッジを加熱すると酸性アルミナカートリッジからのフッ化物の脱着速度が格段に増大し、わずか1mlの1M塩酸後でもさらに29.2%が除去される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】放射性フッ素化装置の一部分の概略図であり、自動合成装置(全体は図示せず)に取付可能なカセット1の概略を点線で示す。
【図2】図1と同様の装置であるが、カセット1がさらに容器12及び/又は14を加熱できるように配置された熱源16を備えている。
【図3】図3は、実施例1の結果を示すグラフ。
【図4】図4は、実施例2の結果を示すグラフ。
【符号の説明】
【0045】
1 カセット
2 容器
4 流路
6 シリンジ
8 反応容器
10,12 カートリッジ
12,14 容器
16 熱源
18 遮蔽廃棄物容器
20 ディスペンサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇温下でアルミナを酸又はアルカリ水溶液で洗浄することを含んでなる、アルミナのストリッピング方法。
【請求項2】
昇温下でアルミナを金属水酸化物の溶液で洗浄することを含む、請求項1記載のアルミナのストリッピング方法。
【請求項3】
昇温下でアルミナを酸又はアルカリ水溶液で洗浄することを含んでなる、アルミナからフッ化物を除去する方法。
【請求項4】
昇温下でアルミナを金属水酸化物の水溶液で洗浄することを含む、請求項3記載のアルミナからフッ化物を除去する方法。
【請求項5】
前記フッ化物が[18F]フッ化物のような放射性フッ化物である、請求項3又は請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記金属水酸化物が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、請求項2、請求項4又は請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記洗浄を、40℃乃至酸又はアルカリ水溶液の沸点までの温度、好ましくは80℃付近で実施する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
酸又はアルカリ水溶液をそれぞれアルカリ又は酸水溶液の添加によって加熱する、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
水性反応混合物からフッ化物イオンを除去するためのアルミナカートリッジを備える自動合成装置であって、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法を用いたアルミナのストリッピングを行うのに適合していることを特徴とする装置。
【請求項10】
18F]フッ化物からの[18F]FDGの合成のような放射性フッ素化放射性トレーサーの合成に適している、請求項9記載の装置。
【請求項11】
過剰のフッ化物を除去するためのアルミナカートリッジ12と、アルミナカートリッジと流路4で接続した金属水酸化物水溶液のような酸又はアルカリ水溶液の容器14とを備える請求項9又は請求項10記載の装置であって、さらに、金属水酸化物水溶液のような酸又はアルカリ水溶液の容器14又はアルミナカートリッジ12のいずれかを加熱するために配置・制御された熱源16を備えることを特徴とする装置。
【請求項12】
水性反応混合物からフッ化物イオンを除去するためのアルミナカートリッジを備える自動合成装置用カセットであって、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法を用いたアルミナのストリッピングを行うのに適合していることを特徴とするカセット。
【請求項13】
18F]フッ化物からの[18F]FDGの合成のような放射性フッ素化放射性トレーサーの合成に適している、請求項12記載のカセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−538529(P2008−538529A)
【公表日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502467(P2008−502467)
【出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001034
【国際公開番号】WO2006/100471
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(305040710)ジーイー・ヘルスケア・リミテッド (99)
【Fターム(参考)】