説明

ストリング

【課題】打球感及び耐久性を向上させたラケット用ストリングの提供。
【解決手段】このストリング10は、集束体18を備える。集束体18は、被覆材19により被覆されている。集束体18は、7本のモノフィラメント11〜17を有する。各モノフィラメント11〜17は、ナイロン6からなる。各モノフィラメント11〜17の断面形状は、正六角形である。隣り合うモノフィラメント11〜17同士は、対向する側面同士が面接触している。この側面同士は、接着剤により強固に接着されている。集束体18は、1mあたり50回転の撚りがかけられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テニス、バドミントン、スカッシュなどのラケットに用いられるストリング、特に、シンセティックストリングの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テニス、バドミントン、スカッシュなどのラケットには、従来からナチュラルストリングが採用されている。このナチュラルストリングは、牛や羊などの動物の腸(ガット)から作られたものである。このナチュラルストリングが採用されたラケット(典型的には、テニスラケット)は、一般に、打球感が良好であると共に、優れたパワー、コントロール性を備えるとされている。しかし、ナチュラルストリングは、湿気に弱く耐久性に劣ると共に高価であるため、近年では、合成繊維(典型的には、ポリアミド製のモノフィラメントまたはマルチフィラメント)からなるストリング(一般に、「シンセティックストリング」と称される。)が使用されている。
【0003】
このシンセティックストリングは、モノフィラメントタイプとマルチフィラメントタイプとに大きく分類される。
【0004】
モノフィラメントタイプのストリングは、典型的には、中芯を構成する太径モノフィラメントと、この中芯のまわりに配置された細径モノフィラメントとを有する。なお、中芯が設けられていないモノフィラメントタイプのストリングも提案されている。上記細径モノフィラメントは「皮糸」と称され、上記中芯を取り囲むように当該中芯に巻き付けられ且つ接着されている。モノフィラメントタイプのストリングは、中芯及び細径モノフィラメントを構成する素材に起因してさまざまな性能が発揮される。したがって、モノフィラメントタイプのストリングが採用されることにより、所要の性能を備えたテニスラケットが比較的簡単に設計され得るという利点がある。
【0005】
一方、マルチフィラメントタイプのストリングは、前述のような中芯が備えられておらず、一般に多数の繊維がツイストされ、集束接着されることにより構成される。マルチフィラメントタイプのストリングを構成する繊維の線径及び数はさまざまであり(数本ないし数千本)、この繊維の数及び線形が決定されることにより、マルチフィラメントタイプのストリングの性能が決定され得る。マルチフィラメントタイプのストリングの構造は、要するにナチュラルストリングに近似するものであり、このストリングが採用されたテニスラケットは、衝撃吸収性に優れ、一般にソフトな打球感が得られると共に、高いプレイアビリティーを発揮するとされている。
【0006】
マルチフィラメントタイプのストリングは、モノフィラメントタイプのストリングに比べて長期にわたって性能(良好な打球感等)が持続されるという長所がある一方、耐久性に劣るという短所がある。このように、打球感と耐久性とは、テニスラケット等においては一般に二律背反事項であって、両立させることは容易ではない。従来から打球感と耐久性との両立を目的として、ストリングは、種々の改良が施されており、モノフィラメントタイプとマルチフィラメントタイプとの組み合わせも種々検討されている。しかし、打球感と耐久性とを高いレベルで両立させるストリングは、未だ得られていない。
【0007】
打球感と耐久性との両立を目的として、従来では、モノフィラメントタイプとマルチフィラメントタイプとの中間的な構造を有するストリングが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このストリングの構造は、比較的細径のモノフィラメントが集束されることによって中芯が形成されたものである。具体的には、例えば、特開昭62−22665号公報は、7本のモノフィラメントからなる中芯を備えたストリングを開示している。これら7本のモノフィラメントは、互いに捻られており、各モノフィラメントの断面形状は、円形である。
【0008】
【特許文献1】特開昭62−22665号公報
【特許文献2】特開2000−262653公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、隣り合うモノフィラメント同士は、互いに点接触することになり、このため、基本的にモノフィラメント間の接着力が小さく、相互にばらけやすい。つまり、ストリングの耐久性が低いという問題がある。上記公報は、表面に皮糸を巻きつけた例を開示しているが、中芯を構成するモノフィラメントがばらけやすく、十分な耐久性が確保されていないという問題が残っている。
【0010】
そこで、本発明は、マルチフィラメントタイプのストリングのようなソフトな打球感が得られると共に、モノフィラメントタイプのストリングのような高い耐久性を備えたストリングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は、上記目的を達成するために、ストリングを構成する複数本のフィラメントの相互の接着性を改善することに着目した。
【0012】
(1) そこで、本願発明に係るストリングは、断面形状が六角形に形成されることにより長手方向に延びる6つの側面が形成されているモノフィラメントを3本以上有する集束体を備える。そして、隣り合うモノフィラメントの互いに対向する側面同士は、面接触した状態で接着されている。
【0013】
この発明では、隣り合うモノフィラメント同士が面接触するから、相互に確実に固着される。したがって、集束体が容易にばらけることはない。
【0014】
上記モノフィラメントは、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる1又は2以上の材料から構成されるのが好ましい。
【0015】
上記集束体は、3本以上40本以下のモノフィラメントから構成されるのが好ましい。
【0016】
上記モノフィラメントは、断面形状が正六角形に形成され、上記集束体は、一のモノフィラメントの周囲に他の6本のモノフィラメントが環状に配置されたものであるのが好ましい。他のモノフィラメントを構成する材料は、上記一のモノフィラメントを構成する材料と異なっているのが好ましい。特に、他のモノフィラメントはポリアミド系樹脂からなり、上記一のモノフィラメントはポリエステル、ポリオレフィン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド又はポリフッ化ビニリデンから構成されるのがより好ましい。
【0017】
上記集束体は、5〜100回/mの撚りが付与されているのが好ましい。
【0018】
(2) また、上記目的が達成されるため、本願発明に係るストリングは、モノフィラメント又はマルチフィラメントからなる一のコアフィラメントと、コアフィラメントを囲繞するように当該コアフィラメントの周囲に配置された6本の他のモノフィラメントとを有する集束体を備える。そして、上記他のモノフィラメントは、断面形状が正六角形に形成されることにより長手方向に延びる6つの側面が形成されており、隣り合う他のモノフィラメントの互いに対向する側面同士が面接触した状態で接着されている。
【0019】
この発明では、他のモノフィラメントは、断面形状が正六角形に形成されているから、6本の他のモノフィラメントが環状に配置された場合には、隣り合う他のモノフィラメントの角部同士が面接触し、中央に空洞が形成されることになる。ただし、各モノフィラメント同士は、側面同士が面接触することになるから、強固に接着され得る。そして、上記空洞に一のコアフィラメントが配置される。この場合、仮に一のコアフィラメントと他のモノフィラメントとが良好に面接触していないとしても、一のコアフィラメントを囲繞する他のモノフィラメント同士が強固に接着されるので、集束体が容易にばらけることはない。
【0020】
上記集束体は、5〜100回/mの撚りが付与されているのが好ましい。
【0021】
(3) さらに、上記目的が達成されるため、本発明に係るストリングの製造方法は、断面形状が六角形であるモノフィラメントが捻られることなく3本以上供給される第1工程と、供給されたモノフィラメントに接着剤が付与される第2工程と、各モノフィラメントがノズルに挿通されることによって、各モノフィラメントが集束接着される第3工程とを含んでいる。この製造方法では、隣り合うモノフィラメント同士が面接触するから、相互に確実に固着される。したがって、集束体が容易にばらけることはない。
【0022】
また、集束体に5〜100回/mの撚りを付与する第4工程がさらに設けられているのが好ましい。このように、集束体に撚りがかけられることにより、集束体を構成するモノフィラメントは、より強固に固着される。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、集束体を構成する複数のモノフィラメントが相互に無駄な隙間を生じさせることなく強固に接着されるから、集束体が容易にばらけることはなく、その結果、ストリングの耐久性が向上する。しかも、各モノフィラメント同士が強固に接着され得ることから、複数のモノフィラメントのうち一部について構成材料が変更され得る。その結果、マルチフィラメントタイプのストリングのようなソフトな打球感も実現され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係るストリングの構造を示す斜視図である。
【0026】
同図が示すように、ストリング10は、7本のモノフィラメント11〜17からなる集束体18と、これを保護する被覆材19とを備えている。このストリング10は、典型的には、テニスラケット等に張設される。
【0027】
各モノフィラメント11〜17は、本実施形態では同様の材料から構成され、同様の形状を呈する。各フィラメント11〜17は合成繊維からなる。各フィラメント11〜17を構成する材料は特に限定されるものではないが、溶融紡糸可能な材料が採用され得る。各フィラメント11〜17を構成する材料としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン9T、ナイロン6T、ナイロンMXD6やこれらの共重合で代表されるポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)ポリプロピレンテレフタレート(PPT、PTT)などの芳香族ポリエステル、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの生分解ポリエステルとして知られる脂肪族ポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ弗化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらのポリマーは各種の添加剤、たとえば、耐熱剤、耐光剤、染顔料、充填剤、柔軟剤、可塑剤、平滑剤などを含んでいてもよい。また、ポリマーブレンド、複合などによる改質と組み合わされていてもよいことは勿論である。
【0028】
各モノフィラメント11〜17は、その断面形状が六角形、好ましくは正六角形断面である。このような六角形断面を有するモノフィラメントは公知であって、かかる断面形状を備えたモノフィラメントは、紡糸ノズルの形が樹脂の溶融粘度や冷却条件に基づいて設計されることによって製造され得る。本実施形態の特徴とするところは、同じ形状(断面が六角形)のモノフィラメント11〜17が、互いに隙間なく強固に接着されている点である。本実施形態では、7本のモノフィラメント11〜17から集束体18が構成されているが、集束体18は、少なくとも3本以上のモノフィラメントから構成され得る。集束体18を構成するモノフィラメントの本数は、好ましくは3本以上40本以下であるが、より好ましくは3本ないし7本である。モノフィラメントの本数が多い場合は、各モノフィラメント同士を隙間なく配列させる作業が困難となるからであり、また、きわめて多数のモノフィラメントから集束体18が構成された場合は、円形断面のモノフィラメントにより構成されたと同様の結果となるからである。
【0029】
図2は、ストリング10の断面図である。
【0030】
同図が示すように、中心に配置されたモノフィラメント11(一のモノフィラメント)は、長手方向に延びる6つの側面の6つの側面21〜26を有する。また、モノフィラメント11の周囲に配置されたモノフィラメント12〜17(他のモノフィラメント)も、6つの側面を有する。そして、モノフィラメント12〜17のそれぞれの側面27〜32は、上記側面21〜26と対向し、面接触状態で接着されている。
【0031】
さらに、モノフィラメント12〜17は、隣り合う側面同士が面接触した状態で環状に配置されている。具体的には、モノフィラメント12とモノフィラメント13とは、側面33と側面34とが面接触状態で接着されている。モノフィラメント13とモノフィラメント14とは、側面35と側面36とが面接触状態で接着されている。モノフィラメント14とモノフィラメント15とは、側面37と側面38とが面接触状態で接着されている。モノフィラメント15とモノフィラメント16とは、側面39と側面40とが面接触状態で接着されている。モノフィラメント16とモノフィラメント17とは、側面41と側面42とが面接触状態で接着されている。モノフィラメント17とモノフィラメント12とは、側面43と側面44とが面接触状態で接着されている。すなわち、隣り合うモノフィラメントの互いに対向する側面同士が面接触した状態で接着されている。対向する側面間には接着剤が介在される。この接着剤としては公知のものが採用され得る。
【0032】
被覆材19は、上記集束体18を保護している。被覆材19を構成する材料としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン等が採用され得る。被覆材は、溶融コーティング法または樹脂加工法により集束体18の外周面に被覆される。また、集束体18を芯成分として皮巻きすることも可能である。なお、被覆部材19が省略されていてもよい。
【0033】
このように、隣り合うモノフィラメント11〜17同士が面接触することから、両者間の接着面積が大きくなる。したがって、各モノフィラメント11〜17が相互に強固に固着され、その結果、ストリング10は、衝撃や圧力に対する強度が高くなる。詳述すれば、仮に集束体18を構成するモノフィラメントの断面形状が円形であるとすれば、隣り合う隣接するモノフィラメントは、線接触することになり、両者間の接着力が小さくなる。そのため、集束体18に側面からの衝撃(例えばボールの衝突)や圧力(例えばクランプ)が加わった場合に、各モノフィラメントがばらけやすくなる。しかし、本実施形態では、各モノフィラメント11〜17が強固に固着されていることから、ストリング10の耐衝撃性、耐圧性が向上する。
【0034】
特に、本実施形態では、図1が示すように、集束体18が長手方向をねじり中心として捻られている。具体的には、ストリング10の長さ1mあたり、5〜100回転の捻りが付与されている。集束体18が捻られることにより、中心に配置されたモノフィラメント11も捻られることになる。これにより、モノフィラメント11は、他のモノフィラメント12〜17と一層強固に固着し、いわゆる「モノフィラメント11の繊維軸方向への抜け」が確実に防止される。なお、上記集束体18の捻りは、5〜100回/mの範囲で付与されるが、特に、30回/m以上が好ましく、70回/m以下であるのが好ましい。
【0035】
上記モノフィラメント11は、特に「芯素材」と称され、モノフィラメント12〜17は特に「周辺素材」と称されることがある。本実施形態のように、周辺素材12〜17が強固に固着され、その中心に芯素材11が配置されることにより、集束体18が強固に結束されるので、芯素材11を構成する材料と、周辺素材12〜17を構成する材料とが異なっている場合、例えば、芯素材11が接着性の低いポリエステル等から構成される場合であっても、周辺素材12〜17間が強固に接着されているため、集束体18がばらけてしまうことはない。したがって、難接着素材のモノフィラメントが芯素材11として採用された場合であっても、高い耐久性を備えたストリング10が得られ、さらに、芯素材11を構成する材料が特に限定されることにより、ソフトな打球感が得られるストリング10が得られる。
【0036】
図3は、本実施形態の第1の変形例に係るストリングの断面図である。
【0037】
本変形例に係るストリング50が上記ストリング10と異なるところは、上記ストリング10では、モノフィラメント11〜17は、すべて同様の材料から構成されているのに対し、本変形例に係るストリング50では、モノフィラメント11を構成する材料は、モノフィラメント12〜17を構成する材料と異なっている点、及び上記ストリング10では、モノフィラメント11〜17の断面形状はすべて同様であるのに対し、本変形例に係るストリング50では、モノフィラメント11(コアフィラメント)の断面形状が円形に形成されている点である。なお、その他の構成については、ストリング10と同様である。
【0038】
本変形例では、モノフィラメント11は、環状に配置されたモノフィラメント12〜17の中心に配置されており、モノフィラメント11の外径寸法は、各モノフィラメント12〜17の側面27〜32に接するように設定されている。このモノフィラメント11の断面形状は、円形に限定されるものではなく、上記側面27〜32に接するものであれば、他の形状が採用され得る。また、モノフィラメント11を構成する材料と、モノフィラメント12〜17を構成する材料との好ましい組み合わせとしては、例えば下記の組み合わせが例示される。すなわち、モノフィラメント12〜17を構成する材料が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系材料であり、モノフィラメント11を構成する材料が、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデンである。もっとも、他の組み合わせが採用され得ることは、勿論である。
【0039】
図4は、本実施形態の第2の変形例に係るストリングの断面図である。
【0040】
本変形例に係るストリング60が上記ストリング10と異なるところは、上記ストリング10では、芯素材11(モノフィラメント11)及び周辺素材(モノフィラメント12〜17)が共にモノフィラメントにより構成されていたのに対し、本変形例に係るストリング60では、芯素材61がマルチフィラメントから構成されている点である。なお、その他の構成については、ストリング10と同様である。芯素材61を構成するマルチフィラメントは、種々の材料から構成され得るものであり、このマルチフィラメントを構成する材料については、特に限定されるべきものではない。
【0041】
本変形例においても、上記第1の変形例と同様に、芯素材61を構成する材料と、周辺素材(モノフィラメント12〜17)を構成する材料とが異なっていてもよいことは勿論である。その場合、材料の組み合わせとしては、前述の組み合わせが採用され得る。また、本変形例において、芯素材61の断面形状は、円形に形成されていてもよいことは勿論である。さらに、芯素材61の断面形状は、円形に限定されるものではなく、上記側面27〜32に接するものであれば、他の形状が採用され得る。
【0042】
次に、本実施形態に係るストリング10の製造方法について説明される。
【0043】
図5は、上記ストリング10(図1参照)の製造装置の模式図であり、上記ストリング10の製造方法が示されている。
【0044】
この製造装置70は、芯素材ストック部71と、周辺素材ストック部72と、第1ガイド73と、テンションローラ74と、糸切検出センサ75と、第2ガイド76と、集束機77と、乾燥機78と、巻取機79とを備えている。
【0045】
芯素材ストック部71は、ボビン80を備えており、このボビン80に長尺のモノフィラメント11が巻回保持されている。ボビン80は、モノフィラメント11が繰り出される方向(繰出方向)に回転される。ボビン80が当該繰出方向に回転することにより、モノフィラメント11がボビン80から上記糸切検出センサ75側へ繰り出される。ただし、ボビン80は、常にモノフィラメント11を巻き取る方向(反繰出方向)に回転するように弾性的に付勢されている。これにより、モノフィラメント11は、ボビン80の反繰出方向への付勢力に抗して繰り出されるようになっており、したがって、常に一定のテンションが発生している。
【0046】
周辺素材ストック部72は、ボビン81〜86を備えている。ボビン81〜86は、それぞれ、長尺のモノフィラメント12〜17を巻回保持している。ボビン81〜86は、モノフィラメント12〜17が繰り出される方向(繰出方向)に回転される。ボビン81〜86が当該繰出方向に回転することにより、各モノフィラメント12〜17は、それぞれ、ボビン81〜86から上記糸切検出センサ75側へ繰り出される。ただし、各ボビン81〜86は、常にモノフィラメント12〜17を巻き取る方向(反繰出方向)に回転するように弾性的に付勢されている。これにより、モノフィラメント12〜17は、ボビン81〜86の反繰出方向への付勢力に抗して繰り出されるようになっており、したがって、常に一定のテンションが発生している。なお、モノフィラメント11に発生するテンションの大きさと、モノフィラメント12〜17に発生するテンションの大きさとは、同様となるように設定されている。
【0047】
モノフィラメント12〜17は、第1ガイド73に送給され、整列された状態でテンションローラ74に送られる。テンションローラ74は、一対のローラを備えており、モノフィラメント12〜17がこれらに掛け回されることにより、一定のテンションが維持されるようになっている。さらに、モノフィラメント12〜17は、上記糸切検出センサ75に送られ、上記モノフィラメント11と共に整列される。そして、モノフィラメント11〜17は、第2ガイド76に案内された状態で、集束機77に送給される。
【0048】
集束機77は、7本のモノフィラメント11〜17を集束し、図1及び図2が示すような集束体18を形成する。集束機77は、後に詳述されるが、接着剤を用いてモノフィラメント11〜17を集束する。そして、この集束体18は、乾燥機78によって乾燥されることにより、モノフィラメント11〜17が確実に固着する。最後に、集束体18が巻取機79によって巻き取られる。なお、集束体18に被覆材19を被覆する工程は図示されていないが、当該工程は、集束体18が乾燥機78を通過した後に行われてもよい。被覆材19としてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン、これがブレンドされたもの、これらが共重合されたもの等が例示され、これが溶融コーティングされる。集束対18が巻き取られることにより、製品としてのストリング10が完成する。
【0049】
図6は、上記集束機77の構造を模式的に示す図である。
【0050】
同図が示すように、集束機77は、接着剤漕87と、ガイドローラ88と、転着ローラ89と、集束用ガイド90と、第1ノズル91及び第2ノズル92とを備えている。上記第2ガイド76を通過したモノフィラメント11〜17は、ガイドローラ88に案内されれながら、転着ローラ89の外周面上に送給される。転着ローラ89は、接着剤漕87の内部に配置されており、接着剤漕87には、接着剤が充填されている。この接着剤としては、例えば、ナイロンをフェノール又はアルコールに溶解させた樹脂液等が採用される。転着ローラ89が回転すると、接着剤が転着ローラ89によってかき上げられ、転着ローラ89の外周面に付着する。前述のように、各モノフィラメント11〜17は、転着ローラ89の外周面上に案内されるから、各モノフィラメント11〜17の側面に接着剤が確実に塗布される。
【0051】
図7は、上記集束用ガイド90の拡大斜視図である。
【0052】
同図が示すように、集束用ガイド90は、ボディ94を備えており、このボディ94に複数の孔93が設けられている。この孔93は、上記モノフィラメント11〜17が送給される方向(ボディ94の厚み方向)に延びており、ボディ94を貫通している。モノフィラメント11は、複数の孔93のうち中央に位置する孔93に挿通され、モノフィラメント12〜17は、それぞれ、当該中央に位置する孔93の周囲に位置する孔93に挿通される。このように、各モノフィラメント11〜17が各孔93に挿通されることにより、各モノフィラメント11〜17は、上記集束体18を構成する位置に相対的に配置される。
【0053】
図8は、上記第1ノズル91の拡大斜視図であり、図9は、上記第2ノズル92の拡大斜視図である。
【0054】
集束用ガイド90を通過した各モノフィラメント11〜17は、第1ノズル91に挿通され、集束される。第1ノズル91は、ボディ95を備えており、このボディ95に集束孔96が設けられている。集束孔96は、モノフィラメント11〜17が送給される方向に延びており、ボディ95を貫通している。この集束孔96の内径寸法d1は、1.35mm〜1.45mmに設定されている。上記モノフィラメント11〜17が集束孔96を挿通することによって、図1及び図2が示すように、各モノフィラメント11〜17が互いに接着される。
【0055】
第1ノズル91を通過した各モノフィラメント11〜17は、第2ノズル92に挿通され、集束される。第2ノズル92は、ボディ97を備えており、このボディ97に集束孔98が設けられている。集束孔98は、上記モノフィラメント11〜17が送給される方向に延びており、ボディ97を貫通している。この集束孔98の内径寸法d2は、1.40mmに設定されている。上記第1ノズル91を通過することによって集束されたモノフィラメント11〜17は、さらに上記集束孔98を挿通することによって、確実に接着される。
【0056】
第2ノズル92を通過したモノフィラメント11〜17は集束体18を形成し、この集束体18は乾燥機78に導入される。この乾燥機78は、既知の構造であって、集束体18を案内しながら、例えば140℃の雰囲気温度の環境下で乾燥させる。これにより、各モノフィラメント11〜17に塗布された接着剤が乾燥し、各モノフィラメント11〜17が相互に強固に固着する。また、この乾燥機78を通過した集束体18は、巻取機79に導入される。巻取機79も既知の構造を有し、乾燥機78を通過した集束体18を所定のリールに巻き取る。
【0057】
巻取機79は、上記収束体18を捻りながら巻き取るようになっている。すなわち、巻取機79は、収束体18に撚りをかける。収束体18に撚りをかける機構も公知であって、収束体18に対して1mあたり50回転の捻りを付与するようになっている。したがって、上記リールには、50回/mの撚りがかけられた収束体18が連続して巻き取られるようになっている。
【0058】
なお、モノフィラメント11〜17は、既知の方法で製造される。例えば、ナイロン6/66共重合樹脂(三菱エンプラ社製ナイロン ノバミッド2118J)を材料として、略正六角形の紡糸ノズルを用いて六角形断面モノフィラメントが紡糸される。紡糸温度は、270℃に設定される。紡出糸は、30℃の冷却水槽に導入され、連続して湿式(95℃)−乾式(220℃)の2段延伸処理が施される。これにより、紡出糸は、トータル延伸倍率が5.0倍となるように延伸される。引き続き、この紡出糸は、連続して5%のリラックス率でリラックス熱処理(220℃)が施され、巻き取られる。モノフィラメント11〜17の断面形状は正六角形となり、その物性は、直径が0.416mm、太さ(dtex)が1670dtex、破断強度(強力(N))が124N、伸度(%)が25.9%である。
【0059】
あるいは、ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レイヨン PA−200)を材料として、前述と同様に、六角形断面モノフィラメントが紡糸される。紡糸温度は、285℃に設定される。紡出糸は、60℃の冷却水槽に導入され、連続して湿式(98℃)−乾式(240℃)の2段延伸処理が施される。これにより、紡出糸は、トータル延伸倍率6.0倍となるように延伸される。引き続き、この紡出糸は、連続して3%のリラックス率でリラックス熱処理(240℃)が施され、巻き取られる。この場合、モノフィラメント11〜17の断面形状は正六角形となり、その物性は、直径が0.422mm、太さ(dtex)が18900dtex、破断強度(強力(N))が133N、伸度(%)が17.2%である。
【0060】
すなわち、本実施形態に係るストリング10の製造方法では、第1工程として、断面形状が六角形のモノフィラメント11〜17が、捻られることなく供給される工程が行われ、第2工程として、集束機77が各モノフィラメント11〜17に接着剤を塗布する工程を行い、第3工程として、各モノフィラメント11〜17が隙間がないような状態で集束接着されるために、集束機77が各モノフィラメント11〜17を上記第1ノズル91及び第2ノズル92に挿通させる工程を行う。なお、本実施形態では、ストリング10が7本のモノフィラメント11〜17を備えているが、前述のように、3本以上のモノフィラメントからストリングが構成されるので、少なくとも3本以上のモノフィラメントが上記第1工程〜第3工程にしたがって加工される場合もある。
【0061】
第1工程では、図5が示すように、ボビン80〜86に巻かれたモノフィラメント11〜17が横方向(上記繰出方向)から取り出されるので、六角形断面のモノフィラメント11〜17が捻られることはない。また、第2工程では、各モノフィラメント11〜17が集束される前に接着剤が塗布されるので、モノフィラメント11〜17の隙間や内部に接着剤が確実に浸透し、各モノフィラメント11〜17が確実に固着する。接着剤は、図5が示すように、各モノフィラメント11〜17が集束される前に、中心に配置されるモノフィラメント11に塗布されるのが好ましい。第3工程では、各モノフィラメント11〜17が第1ノズル91及び第2ノズル92を通過するので、各モノフィラメント11〜17が規則正しく配列され、集束体18が幾何学的に正確に組み立てられる。しかも、各モノフィラメント11〜17が第1ノズル91及び第2ノズル92を通過することにより、余分な接着剤が除去されるという利点もある。さらに、本実施形態では、集束体18の巻き取り時に撚り掛けが行われるので、集束体18を構成する各モノフィラメント11〜17同士がより結束を固めるという利点もある。なお、本実施形態においては、その他必要に応じて、集束体18に染色、熱処理(緊張、弛緩)、印字、油剤付与などが行われてもよい。
【実施例】
【0062】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0063】
[実施例1]
断面形状が正六角形であるモノフィラメント7本が使用されることにより、集束体が構成されている。各モノフィラメントは、ナイロン6からなる。各モノフィラメントは、捻られることなく供給され、中心となるモノフィラメント(芯素材)に接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液が付与されている。各モノフィラメントは、集束孔の内径寸法d1が1.35mm〜1.45mmに設定された第1ノズル及び集束孔の内径寸法が1.40mmに設定された第2ノズルを通過して集束されている。集束された各モノフィラメント(集束体)は、140℃の雰囲気温度の環境下で乾燥されながら50回/mの捻りが与えられている。集束体は、その表面にナイロン6が溶融コーティングされている。本実施例に係るストリングは、テニスラケット用として構成されている。
【0064】
[実施例2]
断面形状が正六角形であるモノフィラメント7本が使用されることにより、集束体が構成されている。中心に配置されるモノフィラメント(芯素材)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるが、他のモノフィラメント(周辺素材)は、ナイロン6からなる。各モノフィラメントは、捻られることなく供給され、中心となるモノフィラメントに接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液が付与されている。各モノフィラメントは、集束孔の内径寸法d1が1.35mm〜1.45mmに設定された第1ノズル及び集束孔の内径寸法が1.40mmに設定された第2ノズルを通過して集束されている。集束された各モノフィラメント(集束体)は、140℃の雰囲気温度の環境下で乾燥されながら50回/mの捻りが与えられている。集束体は、その表面にナイロン6が溶融コーティングされている。本実施例に係るストリングは、テニスラケット用として構成されている。
【0065】
[実施例3]
断面形状が正六角形であるモノフィラメント6本が使用されることにより、集束体の周辺素材が構成されている。周辺素材は、ナイロン6からなる。断面形状が丸形であるモノフィラメントにより、集束体の芯素材が構成されている。芯素材は、ポリエステルエラストマーからなり、その外径寸法は、0.6mmに設定されている。各モノフィラメントは、捻られることなく供給され、中心となるモノフィラメントに接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液が付与されている。各モノフィラメントは、集束孔の内径寸法d1が1.35mm〜1.45mmに設定された第1ノズル及び集束孔の内径寸法が1.40mmに設定された第2ノズルを通過して集束されている。集束された各モノフィラメント(集束体)は、140℃の雰囲気温度の環境下で乾燥されながら50回/mの捻りが与えられている。集束体は、その表面にナイロン6が溶融コーティングされている。本実施例に係るストリングは、テニスラケット用として構成されている。
【0066】
[実施例4]
断面形状が正六角形であるモノフィラメント6本が使用されることにより、集束体の周辺素材が構成されている。周辺素材は、ナイロン6からなる。芯素材は、パラアミド繊維(例えば、ケブラ−(登録商標)2200dtex)からなる。芯素材及び周辺素材は、捻られることなく供給され、芯素材に接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液が付与されている。芯素材及び周辺素材は、集束孔の内径寸法d1が1.35mm〜1.45mmに設定された第1ノズル及び集束孔の内径寸法が1.40mmに設定された第2ノズルを通過して集束されている。集束された芯素材及び周辺素材は、集束体を構成し、140℃の雰囲気温度の環境下で乾燥されながら50回/mの捻りが与えられている。集束体は、その表面にナイロン6が溶融コーティングされている。本実施例に係るストリングは、テニスラケット用として構成されている。
【0067】
[比較例1]
断面形状が丸形であるモノフィラメント7本が使用されることにより、集束体が構成されている。各モノフィラメントは、ナイロン6からなる。各モノフィラメントは、捻られることなく供給され、中心となるモノフィラメント(芯素材)に接着剤としてナイロンをフェノールに溶解した樹脂液が付与されている。各モノフィラメントは、集束孔の内径寸法d1が1.35mm〜1.45mmに設定された第1ノズル及び集束孔の内径寸法が1.40mmに設定された第2ノズルを通過して集束されている。集束された各モノフィラメント(集束体)は、140℃の雰囲気温度の環境下で乾燥されながら50回/mの捻りが与えられている。集束体は、その表面にナイロン6が溶融コーティングされている。本実施例に係るストリングは、テニスラケット用として構成されている。
【0068】
表1は、各実施例及び比較例に係るストリングの耐久性、打球感及び物性について示している。ここで、耐久性は、各実施例及び比較例に係るストリングが硬式用テニスラケットに張力60ポンドで張設された状態で、耐久性評価試験機が測定した切断回数により評価が与えられる。具体的には、ボール速度100km/hr、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cmに設定され、ラケットの4個所において順次打ち出しストリングが切断するまでの回数が測定される。この回数が多いほど耐久性が高い。また、打球感は、試験者の主観により判断され、良の場合は○を、そうでない場合は×で表される。
【0069】
【表1】

【0070】
表1が示すように、各実施例に係るストリングは、打ち味のソフト感の実現(打球感の向上)と耐久性の向上とが両立されている。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、硬式テニス、軟式テニス、バドミントン、スカッシュ、ラケットボールなどのラケット競技用ストリングに適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るストリングの構造を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るストリングの断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態の第1の変形例に係るストリングの断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態の第2の変形例に係るストリングの断面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係るストリング製造装置を模式的に示す図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係るストリング製造装置の集束機の構造を模式的に示す図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係るストリング製造装置の集束用ガイドの拡大斜視図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係るストリング製造装置の第1ノズルの拡大斜視図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係るストリング製造装置の第2ノズルの拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0073】
10・・・ストリング
11・・・モノフィラメント
12・・・モノフィラメント
13・・・モノフィラメント
14・・・モノフィラメント
15・・・モノフィラメント
16・・・モノフィラメント
17・・・モノフィラメント
18・・・集束体
19・・・被覆材
21〜44・・・側面
50・・・ストリング
60・・・ストリング
61・・・芯素材
70・・・製造装置
71・・・芯素材ストック部
72・・・周辺素材ストック部
73・・・第1ガイド
74・・・テンションローラ
75・・・糸切検出センサ
76・・・第2ガイド
77・・・集束機
78・・・乾燥機
79・・・巻取機
80〜86・・・ボビン
87・・・接着剤漕
88・・・ガイドローラ
89・・・転着ローラ
90・・・集束用ガイド
91・・・第1ノズル
92・・・第2ノズル
93・・・孔
94・・・ボディ
95・・・ボディ
96・・・集束孔
97・・・ボディ
98・・・集束孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面形状が六角形に形成されることにより長手方向に延びる6つの側面が形成されているモノフィラメントを3本以上有し、隣り合うモノフィラメントの互いに対向する側面同士が面接触した状態で接着されている集束体を備えているストリング。
【請求項2】
上記モノフィラメントは、
ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデンから選ばれる1又は2以上の材料から構成される請求項1に記載のストリング。
【請求項3】
上記集束体は、3本以上40本以下のモノフィラメントからなる請求項1又は2に記載のストリング。
【請求項4】
上記モノフィラメントは、断面形状が正六角形に形成されており、
上記集束体は、一のモノフィラメントの周囲に他の6本のモノフィラメントが環状に配置されたものである請求項1から3のいずれかに記載のストリング。
【請求項5】
上記他のモノフィラメントを構成する材料は、上記一のモノフィラメントを構成する材料と異なっている請求項4に記載のストリング
【請求項6】
上記他のモノフィラメントはポリアミド系樹脂からなり、上記一のモノフィラメントはポリエステル、ポリオレフィン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド又はポリフッ化ビニリデンからなる請求項5に記載の成ストリング。
【請求項7】
上記集束体は、5〜100回/mの撚りが付与されている請求項1から6のいずれかに記載のストリング。
【請求項8】
モノフィラメント又はマルチフィラメントからなる一のコアフィラメントと、
コアフィラメントを囲繞するように当該コアフィラメントの周囲に配置された6本の他のモノフィラメントとを有する集束体を備え、
上記他のモノフィラメントは、断面形状が正六角形に形成されることにより長手方向に延びる6つの側面が形成されており、隣り合う他のモノフィラメントの互いに対向する側面同士が面接触した状態で接着されているストリング。
【請求項9】
上記集束体は、5〜100回/mの撚りが付与されている請求項8に記載のストリング。
【請求項10】
断面形状が六角形であるモノフィラメントが捻られることなく3本以上供給される第1工程と、
供給されたモノフィラメントに接着剤が付与される第2工程と、
各モノフィラメントがノズルに挿通されることによって、各モノフィラメントが集束接着される第3工程とを含むストリングの製造方法。
【請求項11】
集束体に5〜100回/mの撚りを付与する第4工程がさらに設けられている請求項10に記載のストリングの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−345963(P2006−345963A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−173287(P2005−173287)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(505224101)
【Fターム(参考)】