説明

ストリームデータ処理装置およびストリームデータの同期検証方法

【課題】同一のストリームデータを複数回入力することなく同期検証をすること。
【解決手段】本発明にかかるストリームデータ処理装置は、期待値記憶部と、出力準備されたユニットデータが格納されるデータ記憶部と、現在時刻をカウントする時刻カウント部と、データ記憶部のユニットデータの時刻情報と、現在時刻の一致時に、ユニットデータを再生出力する再生出力部と、データ記憶部へのユニットデータの格納前に、ユニットデータ及び時刻情報を識別する第1のデータ識別情報及び第1の時刻識別情報を期待値記憶部に格納する第1の情報出力部と、再生出力されるユニットデータを識別する第2のデータ識別情報を出力する第2の情報出力部と、ユニットデータの再生出力時の現在時刻の第2の時刻識別情報と、第2のデータ識別情報と同一の第1のデータ識別情報に対応する第1の時刻識別情報が示す時刻の差が所定範囲内かを検証する同期検証部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリームデータ処理装置およびストリームデータの同期検証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送システムにおけるストリームデータ処理は、ストリーム多重分離処理、復号処理、出力処理、および同期制御から構成される。同期制御とは、映像と音声の再生タイミングを合わせる制御である。ストリームデータの再生時に、画が抜けたり、音がとんだりしても、視聴しただけではその原因が同期制御による適切なスキップ制御であるか、障害によるものかを判別することは難しい。そのため、同期制御の定量的な検証方法が必要となる。既知の定量的な同期検証方法として、あらかじめフラッシュ画像とビープ音を同期して多重化したストリームデータを用意し、出力映像信号と出力音声信号をオシロスコープで観測する方法がある。
【0003】
しかし、同期制御に関する障害は放送波を受信しているときに発生するケースが多い。そのため、検証対象の放送波が送出されている地域での検証も必要となることから、特殊なストリームや機材によらず検証可能であることが望ましい。したがって、定量的かつ低コストにて同期検証ができるストリームデータ処理装置および同期検証方法が求められている。
【0004】
特許文献1には、ストリームデータをAV同期再生させるストリームデータ処理のAV同期検証方法が開示されている。特許文献1に開示のAV同期検証方法は、同期を有効にした場合と無効にした場合とでデータ圧縮値を取り込み、それぞれの場合で取り込んだデータ圧縮値を比較する。これにより、評価対象であるデータ自体への加工が不要として、デジタル放送などのストリームデータ処理のAV同期検証を行うようにしている。
【0005】
図7は、特許文献1にかかるデジタル放送AVシステム(ストリームデータ処理装置)を示すシステム構成図である。
【0006】
データ入力部110は、多重分離部111と、映像バッファ112と、音声バッファ113と、を備える。ストリームデータは、データ入力部110に入力される。データ入力部110に入力されたストリームデータは、多重分離部111によって音声ストリームと映像ストリームとに分離される。分離された音声ストリームと映像ストリームとは、それぞれ音声バッファ113と映像バッファ112とに順次蓄積される。PTS読取部120は、映像バッファ112および音声バッファ113上のデータからPTS情報(Presentation Time Stamp:提示時刻情報)を取得する。読み取られたPTS情報は、AV同期制御部140に送られる。
【0007】
STCカウンタ130は、ストリームデータに付加されているPCR(Program Clock Reference)情報に基づいて設定され、システムクロックSTC(System Time Clock)をカウントする。
【0008】
AV同期制御部140は、STC情報およびPTS情報に基づいて、音声再生出力と映像再生出力との同期をとるもので、音声信号処理部150および映像信号処理部160に復号開始命令および出力命令を与える。このとき、AV同期制御部140は、PTS情報とSTC情報とを比較して、STCがPTSの時刻になった時点で再生を開始させる。
【0009】
音声信号復号部151および映像信号復号部161は、復号開始命令を受けて復号を開始し、出力命令を受けて復号したデータを外部出力する。
【0010】
図8は、AV同期制御の検証を行う動作手順を示すフローチャートである。AV同期制御の検証においては、まず、AV同期制御をオフにし(ST100)、期待値を取得する(ST200)。続いて、AV同期制御をONにし(ST300)、データ照合処理を行う(ST400)。
【0011】
図9は、期待値を取得する工程(ST200)の詳細な動作手順を示すフローチャートである。
【0012】
まず、検証対象となるストリームデータをデータ入力部110から入力する(ST201)。データ圧縮部162は、映像信号復号部161から外部出力されるデータを1フレームごとに取り込んで圧縮する(ST202)。圧縮したデータは、順次メモリ180に格納されていく(ST203)。
【0013】
このとき、各データ圧縮値の取得に合わせ、1フレーム毎のPTS値をPTS読取部120によって取得し(ST204)、メモリ180へ格納する(ST205)。これをフレーム毎に繰り返し行い、データ圧縮値とPTS値とを取得し、メモリ180へ蓄積する。検証の対象となる全てのフレームのデータ取得が完了した後(ST206:YES)、記憶媒体200にデータ圧縮値および各データ圧縮値に対応するPTS値の格納を行なう(ST207)。これにより、期待値データの取得が終了する。
【0014】
図10は、AV同期有効モードにおける映像データと取得した期待値データとを照合する工程(ST400)の詳細な動作手順を示すフローチャートである。
【0015】
まずは、予め取得しておいた期待値データを記憶媒体200上からメモリ180上に展開しておく(ST401)。そして、ストリームデータをデータ入力部110から入力する(ST402)。このストリームデータは、期待値データの取得時に用いたデータと同じものである。
【0016】
データの1フレームごとにデータ圧縮値を取得する(ST403)。すなわち、ストリームデータは多重分離されたのち、映像バッファ112を経て、映像信号処理部160に送られる。ここで、AV同期制御部140によるAV同期処理を有効にしているので、STCがPTSになるタイミングで映像信号復号部161からデータが復号されて外部出力される。そして、データ圧縮部162は、映像信号復号部161から外部出力されるデータを1フレームごとに取り込んで圧縮し、圧縮データを取得する(ST403)。取得された圧縮データは、AV同期検証部170に送られる。
【0017】
また、同時に、AV同期検証部170は、メモリ180上に展開している期待値データとしての映像圧縮データを読み出す(ST404)。そして、AV同期検証部170は、取得した圧縮データを順次期待値データと比較していく(ST405)。
【0018】
データ圧縮値の比較結果が一致すれば(ST405:YES)、そのフレームはOKであると判定とする(ST406)。
【0019】
一方、不一致の場合(ST405:NO)、フレームリピート、フレームスキップ、及びNGのいずれかが考えられる。この場合には、現在の出力映像フレームに対応するSTC情報をSTCカウンタから取得する(ST408)。そして、取得したSTC値と期待値データとしてメモリ180上に展開している該当データ圧縮値に相当するPTS値とを比較する(ST410)。
【0020】
この比較の結果として、STC値が1フレーム分早い場合、フレームスキップが発生していると判断し、メモリ180上に展開している期待値データを次フレームのデータとし(ST411)、再度、圧縮データと期待値データとの比較を行う(ST405)。また、比較(ST410)の結果として、STC値が1フレーム分遅い場合、フレームリピートが発生していると判断し、メモリ180上に展開している期待値データを前フレームのデータ圧縮値とし(ST412)、再度、圧縮データと期待値データとの比較を行う(ST405)。また、比較(ST410)の結果として、STC値とPTS値の差分が1フレーム以下の場合、スキップ又はリピート動作しておらず、期待値不一致が発生したと判断し、NGと判定する(ST413)。
【0021】
検証の対象となるストリームデータ全ての期待値照合が完了するまで(ST407:YES)、上記の処理を行う。
【0022】
しかし、以上に説明した特許文献1に開示の技術は、期待値データを取得するために、AV同期制御をオフにした状態で、一度ストリームデータを入力する必要がある。そして、AV同期制御をONにしてAV同期制御を検証するときに、さらにもう一度、同一のストリームデータを入力する必要がある。
【0023】
よって、特許文献1に開示の技術は、期待値データを作成するためのストリームデータと、AV同期制御の検証の対象となるストリームデータとを別々に入力する必要がある。そのため、期待値となるデータと、その期待値との比較対象となるデータとがまったく同じ映像又は音声に対応するものであることは具体的に保証されていないという問題がある。
【0024】
また、特許文献1に開示の技術は、AV同期制御を検証するために、同一のストリームデータを複数回入力する必要があるという問題がある。そのため、リアルタイムで放送波が送出されている地域で、その放送波を使用した検証もすることができない。
【0025】
特許文献2には、エンコーダSTCの周波数と、再生された音声DTSと実施の音声デコーディングタイムの間の差と、再生された音声PTSと実際の音声プレゼンテーションタイムの間の差と、再生される映像DTSと実際の映像デコーディングタイムの間の差と、再生される映像PTSと実際の映像デコーディングタイムの間の差と、を計算して記憶し、それぞれの値を、検査の間または終了後の任意の時刻にリアルタイムで再検査する音声/映像同期の自動検査方法が開示されている。
【0026】
しかし、特許文献2には、本願発明のように、期待値となるデータと、その期待値との比較対象となるデータとが同じ映像又は音声に対応するものであることを保証するための具体的な技術は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】特開2010−279014号公報
【特許文献2】特表2006−509409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
背景技術として説明したように、特許文献1に開示の技術は、ストリームデータの同期検証を行う際に、期待値となるデータと、その期待値との比較対象となるデータとが、ストリームデータに含まれる同じユニットデータに対応するものであることが保証されていないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の第1の態様にかかるストリームデータ処理装置は、複数のユニットデータと、各ユニットデータに対応づけられ、当該ユニットデータの再生出力時刻を示す時刻情報とを有するストリームデータを再生するストリームデータ処理装置であって、期待値記憶部と、前記ストリームデータに含まれるユニットデータのうち、出力準備されたユニットデータが格納されるデータ記憶部と、現在時刻をカウントする時刻カウント部と、前記データ記憶部に格納されたユニットデータに対応づけられた時刻情報が、前記時刻カウント部によってカウントされる現在時刻に一致したときに、当該ユニットデータを再生出力する再生出力部と、前記データ記憶部に前記ユニットデータが格納される前までに、当該ユニットデータ及びこれに対応する時刻情報をそれぞれ識別する第1のデータ識別情報及び第1の時刻識別情報を出力して前記期待値記憶部に格納する第1の情報出力部と、前記ユニットデータが再生出力されるときに、当該ユニットデータを識別する第2のデータ識別情報を出力する第2の情報出力部と、前記ユニットデータが再生出力されるときに、前記時刻カウント部の現在時刻を第2の時刻識別情報として取得するとともに、前記第2のデータ識別情報と同一のユニットデータを識別する第1のデータ識別情報に対応する第1の時刻識別情報を前記期待値記憶部から取得して、当該第2の時刻識別情報と、当該第1の時刻識別情報とが示す時刻の差が所定の範囲内であるか否かを検証する同期検証部と、を備えたものである。
【0030】
本発明の第2の態様にかかるストリームデータの同期検証方法は、複数のユニットデータと、各ユニットデータに対応づけられ、当該ユニットデータの再生出力時刻を示す時刻情報とを有するストリームデータの同期検証方法であって、前記ユニットデータの出力準備をする前に、当該ユニットデータ及びこれに対応する時刻情報をそれぞれ識別する第1のデータ識別情報及び第1の時刻識別情報を期待値記憶部に格納し、前記出力準備されたユニットデータに対応づけられた時刻情報が、現在時刻をカウントする時刻カウント部がカウントする現在時刻に一致したときに、当該ユニットデータを再生出力し、前記ユニットデータが再生出力されるときに、当該ユニットデータを識別する第2のデータ識別情報を取得し、そのときの前記時刻カウント部の現在時刻を第2の時刻識別情報として取得し、前記第2のデータ識別情報と同一のユニットデータを識別する第1のデータ識別情報に対応する第1の時刻識別情報を前記期待値記憶部から取得して、当該第2の時刻識別情報と、当該第1の時刻識別情報とが示す時刻の差が所定の範囲内であるか否かを検証する、ものである。
【0031】
上述した本発明の各態様によれば、ストリームデータに含まれるユニットデータが出力準備されるまでに、そのユニットデータの再生出力時刻の期待値となる第1の時刻識別情報を、そのユニットデータを識別する第1のデータ識別情報と対応付けて用意することができる。そのため、その出力準備されたユニットデータが再生出力されるときには、そのユニットデータを識別する第2のデータ識別情報に基づいて、そのユニットデータの再生出力時刻の期待値となる第1の時刻識別情報を特定して、そのユニットデータの実際の再生出力時刻となる第2の時刻識別情報と比較することができる。そのため、再生出力時刻の期待値を、ストリームデータにおいてその再生出力時刻の期待値が対応付けられていた復号データそのものの実際の再生出力時刻と比較することができる。
【発明の効果】
【0032】
上述した本発明の各態様によれば、ストリームデータの同期検証を行う際に、期待値となるデータと、その期待値との比較対象となるデータとが、ストリームデータに含まれる同じユニットデータに対応するものであることを保証することができるストリームデータ処理装置およびストリームデータの同期検証方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置の信号処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置の出力処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置の同期検証モード有効化時の処理を詳細に示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置のデータフロー図である。
【図7】特許文献1にかかるデジタル放送AVシステムを示すシステム構成図である。
【図8】特許文献1にかかる同期処理検証の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】特許文献1にかかる期待値を取得する工程の詳細な動作手順を示すフローチャートである。
【図10】特許文献1にかかる圧縮データ同士を照合する工程の詳細な動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施の形態.
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置の構成図である。
【0035】
ストリームデータ処理装置10は、データ入力部20、CPU(Central Processing Unit)11、内部バス12、メモリ13、PTS読取部30、STCカウンタ40、音声信号処理部50、映像信号処理部60、AV同期制御部70、及びAV同期検証部80を有する。
【0036】
CPU11は、各ブロックの制御をする。CPU11は、プログラムに従って、各部13、30、40、50、60、70の設定変更、起動、及び停止等の制御を行う。
内部バス12は、各部13、30、40、50、60、70の間で相互に、各種情報を伝達する。
【0037】
メモリ13は、同期検証に必要なデータが保存される。ここで、メモリ13として、メモリ以外の任意の記憶装置を使用してもよい。記憶装置として、例えば、メモリ以外にハードディスクを使用してもよい。メモリ13は、期待値記憶部に相当する。
【0038】
データ入力部20は、ストリームデータから特定の符号データを分離して蓄積する。ここで、ストリームデータは、1フレーム当たりの映像を示す映像データと、1フレーム当たりの音声を示す音声データとが多重化されたデータである。このストリームデータに含まれる映像データ及び音声データのそれぞれは、符号化されている。以下、符号化された映像データ及び音声データのそれぞれを「符号データ」とも言い、復号化された映像データ及び音声データのそれぞれを「復号データ」とも言う。また、符号化された映像データを「映像符号データ」とも言い、符号化された音声データを「音声符号データ」とも言い、復号化された映像データを「映像復号データ」とも言い、復号化された音声データを「音声復号データ」とも言う。
【0039】
ストリームデータにおいては、映像データ及び音声データのそれぞれに、PTS値(Presentation Time Stamp:提示時刻情報)が付加されている。ストリームデータは、例えば、MPEG(Moving Picture Experts)規格におけるストリームデータである。この場合、ストリームデータは、映像データ又は音声データと、PTS値とを含むパケットを有することになる。
【0040】
データ入力部20は、多重分離部21、映像符号バッファ22、及び音声符号バッファ23を有する。
【0041】
多重分離部21は、受信機等(図示せず)で受信されたストリームデータから特定の符号データを分離し、映像符号バッファ22及び音声符号バッファ23にそれぞれ出力する。具体的には、多重分離部21は、ストリームデータから映像データ及び音声データのそれぞれを分離して、分離した映像データを映像符号バッファ22に格納し、分離した音声データを音声符号バッファ23に格納する。そのとき、映像データ及び音声データのそれぞれに付加されていたPTS値もともに格納される。
【0042】
映像符号バッファ22及び音声符号バッファ23は、分離した符号データが一時的に蓄積される。映像符号バッファ22及び音声符号バッファ23は、例えば、レジスタ又はメモリ等の任意の記憶装置である。
【0043】
PTS読取部30は、復号する符号データのPTS値を読み取る。PTS読取部30は、内部バス12を介して、映像符号バッファ22及び音声符号バッファ23に格納されたPTS値を取得して、AV同期制御部70とメモリ13に出力する。これによって、メモリ13にPTS値が格納される。
【0044】
STCカウンタ40は、STC値(System Time Clock:システム基準時刻情報)をカウントする。STCカウンタ40は、ストリームに付加されているPCR(Program Clock Reference)情報に同期するようにCPU11によって制御されるカウンタである。STCカウンタ40は、STC値をAV同期制御部70とAV同期検証部80に出力する。STCカウンタ40は、時刻カウント部として機能する。
【0045】
音声信号処理部50は、音声符号データを復号して出力する。音声信号処理部50は、音声信号復号部51、復号データ圧縮部52、デコードバッファ53、出音処理部54、及び出力データ圧縮部55を有する。
【0046】
音声信号復号部51は、音声符号データを復号する。音声信号復号部51は、AV同期制御部70からの指示に応じて、フレーム単位で音声符号データを復号する。音声信号復号部51は、音声符号データを復号した音声復号データをデコードバッファ53に出力する。
【0047】
復号データ圧縮部52は、音声復号データの圧縮値を計算する。以下、音声復号データの圧縮値を「音声データ圧縮値」とも言う。復号データ圧縮部52は、音声信号復号部51からデコードバッファ53に出力される音声復号データを読み取り、読み取った音声復号データを圧縮して音声データ圧縮値を生成する。復号データ圧縮部52は、生成した音声データ圧縮値を、内部バス12を介して出力してメモリ13に格納する。
【0048】
デコードバッファ53は、音声信号復号部51から出力された音声復号データを一時的に蓄積する。デコードバッファ53は、例えば、レジスタ又はメモリ等の任意の記憶装置である。
【0049】
出音処理部54は、音声復号データの出音処理をする。出音処理部54は、AV同期制御部70からの指示に応じて、デコードバッファ53に蓄積された音声復号データを読み取り、ストリームデータ処理装置10の外部に出力する。
【0050】
出力データ圧縮部55は、音声復号データの圧縮値を計算する。出力データ圧縮部55は、出音処理部54からストリームデータ処理装置10の外部に出力される音声復号データを読み取り、読み取った音声復号データを圧縮して音声データ圧縮値を生成する。出力データ圧縮部55は、生成した音声データ圧縮値を、内部バス12を介してAV同期検証部80に出力する。
【0051】
ここで、復号データ圧縮部52及び出力データ圧縮部55は、同期検証を行うときにのみ、CPU11によって内部バス12を介して有効化される。
【0052】
映像信号処理部60は、映像符号データを復号して出力する。映像信号処理部60は、映像信号復号部61、復号データ圧縮部62、デコードバッファ63、表示処理部64、及び出力データ圧縮部65を有する。
【0053】
映像信号復号部61は、映像符号データを復号する。映像信号復号部61は、AV同期制御部70からの指示に応じて、フレーム単位で映像符号データを復号する。映像信号復号部61は、映像符号データを復号した映像復号データをデコードバッファ63に出力する。
【0054】
復号データ圧縮部62は、映像復号データの圧縮値を計算する。以下、映像復号データの圧縮値を「映像データ圧縮値」とも言う。復号データ圧縮部62は、映像信号復号部61からデコードバッファ63に出力される映像復号データを読み取り、読み取った映像復号データを圧縮して映像データ圧縮値を生成する。復号データ圧縮部62は、生成した映像データ圧縮値を、内部バス12を介して出力してメモリ13に格納する。
【0055】
デコードバッファ63は、映像信号復号部61から出力された映像復号データを一時的に蓄積する。デコードバッファ63は、例えば、レジスタ又はメモリ等の任意の記憶装置である。
【0056】
表示処理部64は、映像復号データの出画処理をする。表示処理部64は、AV同期制御部70からの指示に応じて、デコードバッファ63に蓄積された映像復号データを読み取り、ストリームデータ処理装置10の外部に出力する。
【0057】
出力データ圧縮部65は、映像復号データの圧縮値を計算する。出力データ圧縮部65は、表示処理部64からストリームデータ処理装置10の外部に出力される出力データを読み取り、読み取った映像復号データを圧縮して音声データ圧縮値を生成する。出力データ圧縮部65は、生成した映像データ圧縮値を、内部バス12を介してAV同期検証部80に出力する。
【0058】
ここで、復号データ圧縮部62及び出力データ圧縮部65は、同期検証を行うときにのみ、CPU11によって内部バス12を介して有効化される。PTS読取部30及び復号データ圧縮部52、62は、第1の情報出力部として機能する。出力データ圧縮部55、65は、第2の情報出力部として機能する。
【0059】
AV同期制御部70は、映像と音声が同期して再生されるように復号処理と出力処理を制御する。具体的には、AV同期制御部70は、PTS値とSTC値の差分が規定の範囲内に収まるように復号処理と出力処理を制御する。AV同期制御部70は、STC値とPTS値を比較して、STC値がPTS値の時刻になった時点で、そのPTS値が付加された音声データ又は映像データに基づいた音声又は映像が出力されるように、音声信号処理部50及び映像信号処理部60を制御する。言い換えると、AV同期制御部70は、STC値がPTS値の時刻になった時点で、そのPTS値が付加された音声データ又は映像データがストリームデータ処理装置10の外部に出力されるように、音声信号処理部50及び映像信号処理部60を制御する。AV同期制御部70は、再生出力部として機能する。
【0060】
AV同期検証部80は、AV同期検証を行う。具体的には、AV同期検証部80は、PTS値とSTC値の差分が規定の範囲内に収まっているか否かを検証する。具体的には、AV同期検証部80は、ある映像データ又は音声データのストリームデータ処理装置10の外部への出力が開始された時点のSTC値と、その映像データ又は音声データのPTS値とを比較して、PTS値とSTC値の差分が規定の範囲内であるかを判定する。AV同期検証部80は、判定結果をCPU11に出力する。この規定の範囲は、予め任意に定めてよい。AV同期検証部80は、同期検証部として機能する。
【0061】
以上に説明したように、ストリームデータ処理装置10は、映像データ及び音声データをストリームデータ処理装置10の外部に出力する。つまり、ストリームデータ処理装置10は、出音装置(図示せず)及び表示装置(図示せず)に接続される。出音装置は、例えば、スピーカーである。表示装置は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。
【0062】
出音処理部54からストリームデータ処理装置10の外部に出力された音声データは、出音装置に入力される。出音装置は、入力された音声データに基づいて音声を出音する。また、表示処理部64からストリームデータ処理装置10の外部に出力された映像データは、表示装置に入力される。表示装置は、入力された映像データに基づいて映像を表示する。以下、本実施の形態では、このように、音声又は映像を出音又は表示するために、出音処理部54又は表示処理部64が、音声データ又は映像データをストリームデータ処理装置10の外部に出力することを、再生出力と言う。
【0063】
ストリームデータ処理装置10は、例えば、光ディスクに記録されたストリームデータを再生するプレーヤーであってもよい。また、ストリームデータ処理装置10は、例えば、出音装置及び表示装置を有し、ストリームデータを受信して再生する映像音声再生装置の一部に含まれていてもよい。映像音声再生装置は、例えば、デジタルテレビ又はテレビ電話等である。
【0064】
続いて、図1〜図2を参照して、本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置10の処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置10の処理を示すフローチャートである。
【0065】
CPU11は、同期検証を行なうかを判定する(S10)。同期検証を行うか否かは、例えば、ストリームデータ処理装置10が有するスイッチ(図示せず)によって判定される。スイッチは、ユーザによって同期検証を行うか否かが選択される。スイッチは、選択内容を示す選択信号をCPU11に出力する。この選択信号は、同期検証を行うか否かを示す。CPU11は、スイッチから出力された選択信号に基づいて、同期検証を行うか否かを判定する。
【0066】
なお、同期検証を行うか否かを判定する方法は、これに限られない。ユーザインタフェースを介して入力された選択内容に基づいて判定するようにしてもよい。例えば、ストリームデータ処理装置10がデジタルテレビに含まれている場合、表示装置が同期検証を行うか否かの選択表示を表示するようにして、入力装置(図示せず)によって、そのうちのいずれかを選択する入力を受けるようにしてもよい。入力装置は、例えば、リモートコントローラ又はデジタルテレビの操作ボタン等である。この場合、デジタルテレビがストリームデータ処理装置10のCPU11に対して選択内容を示す信号を入力する。つまり、ユーザが同期検証を行うか否かを選択する入力装置は、スイッチに限られない。
【0067】
同期検証を行わないと判定した場合(S10:NO)、CPU11は、同期検証モードを無効化する(S11)。この場合、CPU11は、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65による圧縮値の計算機能と、AV同期検証部80による同期検証機能とを無効化する。具体的には、CPU11は、同期検証機能の無効化を指示する指示信号を、復号データ圧縮部52、62、出力データ圧縮部55、65、及びAV同期検証部80に出力する。復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65のそれぞれは、CPU11からの指示信号の出力に応じて、圧縮値の計算を行わないようにする。AV同期検証部80は、CPU11からの指示信号の出力に応じて、同期検証を行わないようにする。
【0068】
音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれは、復号処理を行う(S12)。具体的には、AV同期制御部70は、音声符号データの復号を指示する復号指示信号を音声信号復号部51に出力する。また、AV同期制御部70は、映像符号データの復号を指示する復号指示信号を映像信号復号部61に出力する。AV同期制御部70は、STCカウンタ40から出力されているSTC値と、PTS読取部30から出力されたPTS値とが一致した時点で、そのPTS値が付加されていた音声復号データ又は映像復号データが再生出力可能な状態となっているように復号指示信号を出力する。よって、復号指示信号の出力タイミングは、例えば、STC値がPTS値となるまでの時間が所定の時間未満となったときとする。また、MPEG規格のように、音声データ又は映像データにDTS(Decoding Time Stamp)値が付加されている場合は、STC値とDTS値が一致したときに復号指示信号を出力するようにしてもよい。
【0069】
音声信号復号部51は、AV同期制御部70からの復号指示信号の出力に応じて、音声符号バッファ23から音声符号データを取得して復号する。音声信号復号部51は、復号によって生成した音声復号データをデコードバッファ53に蓄積する。また、映像信号復号部61は、AV同期制御部70からの復号指示信号の出力に応じて、映像符号バッファ22から映像符号データを取得して復号する。映像信号復号部61は、復号によって生成した映像復号データをデコードバッファ63に蓄積する。
【0070】
なお、音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれは、例えば、復号データを再生順に並べてデコードバッファ53、63のそれぞれに格納する。復号データは、例えば、デコードバッファ53、63のアドレスの昇順又は降順等の所定の順序で並べられる。このようにすることで、出音処理部54及び表示処理部64のそれぞれが、AV同期制御部70からの指示に応じて、並び順に復号データを取得することで、再生順に復号データを取得して再生出力可能とする。
【0071】
出音処理部54及び表示処理部64のそれぞれは、出力処理を行う(S13)。具体的には、AV同期制御部70は、STCカウンタ40から出力されているSTC値と、音声信号復号部51によって復号された音声符号データに付加されていたPTS値とが一致したときに、その音声符号データを復号した音声復号データの出力を指示する出力指示信号を出音処理部54に出力する。また、AV同期制御部70は、STCカウンタ40から出力されているSTC値と、映像信号復号部61によって復号された映像符号データに付加されていたPTS値とが一致したときに、その映像符号データを復号した映像復号データの出力を指示する出力指示信号を表示処理部64に出力する。
【0072】
ここで、AV同期制御部70は、例えば、PTS読取部30から出力されたPTS値がSTC値と一致するまでの間、そのPTS値を保持するレジスタ又はメモリ等の任意の記憶装置を有するようにして、STC値との比較を可能とする。
【0073】
出音処理部54は、AV同期制御部70からの出力指示信号の出力に応じて、デコードバッファ53から音声復号データを取得して、ストリームデータ処理装置10の外部に出力する。表示処理部64は、AV同期制御部70からの出力指示信号の出力に応じて、デコードバッファ63から映像復号データを取得して、ストリームデータ処理装置10の外部に出力する。
【0074】
以上に説明した処理によって、映像データ及び音声データのそれぞれが、それぞれに付加されたPTS値が示す時刻となったときに、同期して再生されるようにしている。
【0075】
同期検証を行うと判定した場合(S10:YES)、CPU11は、同期検証モードを有効化する(S21)。この場合、CPU11は、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65による圧縮値の計算機能と、AV同期検証部80による同期検証機能とを有効化する。具体的には、CPU11は、同期検証機能の有効化を指示する指示信号を、復号データ圧縮部52、62、出力データ圧縮部55、65、及びAV同期検証部80に出力する。復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65のそれぞれは、CPU11からの指示信号の出力に応じて、圧縮値の計算を行うようにする。AV同期検証部80は、CPU11からの指示信号の出力に応じて、同期検証を行うようにする。
【0076】
音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれは、復号処理を行う(S22)。音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれは、映像符号バッファ22及び音声符号バッファ23のそれぞれから取得した符号データを復号する。音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれは、復号によって生成した復号データをデコードバッファ53、63のそれぞれに蓄積する。なお、音声信号復号部51、映像信号復号部61、及びAV同期制御部70の具体的な処理内容については、ステップS12と同様であるため、説明を省略する。
【0077】
さらに、同期検証モードの有効化時には、復号データのデコードバッファ53、63への蓄積時に、PTS読取部30が、映像符号バッファ22及び音声符号バッファ23から取得したPTS値を、内部バス12を介してメモリ13に蓄積する。また、同期検証モードの有効化時には、復号データ圧縮部52は、音声信号復号部51から出力されてデコードバッファ53に格納される音声復号データを取得して、取得した音声復号データの音声データ圧縮値を生成する。復号データ圧縮部52は、生成した音声データ圧縮値を、内部バス12を介してメモリ13に蓄積する。また、同期検証モードの有効化時には、復号データ圧縮部62は、映像信号復号部61から出力されたデコードバッファ63に格納される映像復号データを取得して、取得した映像復号データの映像データ圧縮値を生成する。復号データ圧縮部62は、生成した映像復号データの圧縮値を、内部バス12を介してメモリ13に蓄積する。
【0078】
出音処理部54及び表示処理部64のそれぞれは、出力処理を行う(S23)。出音処理部54及び表示処理部64のそれぞれは、デコードバッファ53、63から取得した復号データをストリームデータ処理装置10の外部に出力する。なお、出音処理部54、表示処理部64、及びAV同期制御部70の具体的な処理内容については、ステップS13と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
さらに、同期検証モードの有効化時には、出力データ圧縮部55は、出音処理部54からストリームデータ処理装置10の外部に出力される音声復号データを取得して、取得した音声復号データの音声データ圧縮値を生成する。出力データ圧縮部55は、生成した音声データ圧縮値をAV同期検証部80に出力する。また、同期検証モードの有効化時には、出力データ圧縮部65は、表示処理部64からストリームデータ処理装置10の外部に出力される映像復号データを取得して、取得した映像復号データの映像データ圧縮値を生成する。出力データ圧縮部65は、生成した映像データ圧縮値をAV同期検証部80に出力する。
【0080】
AV同期検証部80は、ステップS22でメモリ13に蓄積された圧縮値及びPTS値と、ステップS23で出力データ圧縮部55、65から出力された圧縮値とを使用して同期検証処理を実施する(S24)。
【0081】
続いて、図3を参照して、本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置10の同期検証モード有効化時の詳細な処理について説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置10の同期検証モード有効化時の処理を詳細に示すフローチャートである。
【0082】
まず、図3(a)を参照して、図2のステップS22における復号処理を詳細に説明する。図3(a)は、図2のステップS22における復号処理を詳細に示すフローチャートである。
【0083】
音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれは、フレームごとに符号データを復号して、復号データをデコードバッファ53、63のそれぞれに格納する(S31)。
【0084】
PTS読取部30は、その復号データに対応するPTS値を取得して、メモリ13に格納する。言い換えると、PTS読取部30は、その復号データの復号前の符号データに付加されていたPTS値を取得して、メモリ13に格納する。また、復号データ圧縮部52、62のそれぞれは、デコードバッファ53、63のそれぞれに格納される復号データの圧縮値を生成して、メモリ13に格納する。(S32)。ここで、メモリ13には、復号データの圧縮値と、その復号データの復号前の符号データに付加されていたPTS値とが対応付けられて格納されるようにする。
【0085】
なお、ここでの圧縮値とPTS値の格納方法は、復号データの圧縮値と、その復号データの復号前の符号データに付加されていたPTS値とを対応付けて格納するものであれば、どのような格納方法であってもよい。例えば、圧縮値とPTS値との組を1つのエントリとして、音声データ圧縮値及び映像データ圧縮値のそれぞれについて、複数のエントリをメモリ13に用意する。そして、PTS読取部30は、音声データ圧縮値についての複数のエントリに、PTS値を、そのPTS値が付加されていた音声データが再生順に並ぶように格納する。また、復号データ圧縮部52も、音声データ圧縮値についての複数のエントリに、音声データ圧縮値を、その音声データ圧縮値を生成した音声データが再生順に並ぶように格納する。このとき、例えば、PTS値及び音声データ圧縮値は、複数のエントリのエントリ番号順、もしくはメモリ13におけるエントリのアドレスの昇順又は降順等の所定の順序で、再生順に並ぶようにメモリ13に格納されるようにする。このようにすることで、PTS読取部30と復号データ圧縮部52とが別々にPTS値及び音声データ圧縮値を格納しても、音声復号データの圧縮値と、その音声復号データの復号前の符号データに付加されていたPTS値とが、1つのエントリとして対応付けられて格納されるようにする。映像データ圧縮値についての複数のエントリに対しても、同様である。
【0086】
続いて、図3(b)を参照して、図2のステップS23における出力処理を詳細に説明する。図3(b)は、図2のステップS23における出力処理を詳細に示すフローチャートである。
【0087】
出音処理部54及び表示処理部64のそれぞれは、AV同期制御部70から内部バス12を介して出力指示信号が入力されたとき、デコードバッファ53、63のそれぞれから復号データを取得して、取得した復号データをストリームデータ処理装置10の外部に出力する(S41)。また、このとき、AV同期制御部70は、出力指示信号を同時にAV同期検証部80にも出力する。
【0088】
AV同期検証部80は、復号データのストリームデータ処理装置10の外部への出力開始時点のSTC値をSTCカウンタ40から取得する(S42)。具体的には、AV同期検証部80は、AV同期制御部70からの出力指示信号の出力に応じて、STCカウンタ40から出力されたSTC値を取得する。
【0089】
出力データ圧縮部55、65のそれぞれは、出音処理部54及び表示処理部64のそれぞれからストリームデータ処理装置10の外部に出力された復号データの圧縮値を生成して、内部バス12を介してAV同期検証部80に出力する。AV同期検証部80は、出力データ圧縮部55、65のそれぞれから出力された圧縮値を取得する(S43)。AV同期検証部80は、例えば、STCカウンタ40から出力されたSTC値と、出音処理部54又は表示処理部64から出力された圧縮値とを取得したときに、同期検証処理を開始する。
【0090】
ここで、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65によって生成する圧縮値は、例えば、ハッシュ値である。なお、圧縮値は、復号データを圧縮して、復号データよりもサイズが小さく、復号データを一意に識別することができるものであれば、ハッシュ値に限られない。例えば、ハッシュ値のように一方向性の関数によって生成したデータに限られず、復号データ自体を不可逆圧縮又は可逆圧縮した圧縮データを、圧縮値として生成するようにしてもよい。しかし、好ましくは、ハッシュ値のように一方向性の関数によって比較的簡単な演算で生成することができるデータを圧縮値とすることで、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65の構成を容易にすることができ、ストリームデータ処理装置10のコストを低減することができる。
【0091】
続いて、図3(c)を参照して、図2のステップS24における同期検証処理を詳細に説明する。図3(c)は、図2のステップS24における同期検証処理を詳細に示すフローチャートである。
【0092】
AV同期検証部80は、ステップS43で取得した復号データの圧縮値と一致する復号データの圧縮値をメモリ13から検索する。AV同期検証部80は、検索した復号データの圧縮値に対応するPTS値をメモリ13から取得して、取得したPTS値を次ステップS52で比較するデータとする(S51)。
【0093】
AV同期検証部80は、ステップS42で取得したSTC値と、ステップS51で取得したPTS値とを比較し、STC値とPTS値の差分が規定の範囲内であるかを判定する(S52)。この範囲は、ユーザが任意の値を予め規定するようにしてよい。STC値とPTS値の差分が規定の範囲内であればステップS53に進み、規定の範囲外であればステップS54に進む。
【0094】
ステップS52で規定の範囲内であると判定した場合、AV同期検証部80は、正常に同期しているとの判定結果をCPU11に通知する(S53)。具体的には、AV同期検証部80は、正常に同期しているとの判定結果を示す判定結果情報をCPU11に出力する。
【0095】
ステップS52で規定の範囲内ではないと判定した場合、AV同期検証部80は、正常に同期できていないとの判定結果をCPU11に通知する(S54)。具体的には、AV同期検証部80は、正常に同期していないとの判定結果を示す判定結果情報をCPU11に出力する。CPU11は、正常に同期できていないとの判定結果の通知に応じて、任意の異常に応じた処理を実行するようにしてもよい。例えば、CPU11は、ユーザに異常を通知する映像を示す映像データを映像信号処理部60に出力して、その映像を映像信号処理部60によって表示装置に表示させる。
【0096】
続いて、図4を参照して、本発明の実施の形態にかかる同期検証のメカニズムについて説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかるストリームデータ処理装置10のデータフロー図である。図4は、図3に示すフローチャートのステップS31、S32、S43〜S43、S51、及びS52におけるデータフローを示す図である。
【0097】
映像符号バッファ22及び音声符号バッファ23に蓄積された符号データのそれぞれは、音声信号復号部51又は映像信号復号部61によって復号され(DF1)、デコードバッファ53、63に格納される(S31)。図4の「PTS1」〜「PTS4」のそれぞれは、PTS値を示す。図4の「符号A」〜「符号D」のそれぞれは、「PTS1」〜「PTS4」のそれぞれに対応する符号データを示す。PTS値に対応する符号データとは、そのPTS値が付加されている符号データのことである。図4の「データA」〜「データD」のそれぞれは、「符号A」〜「符号D」のそれぞれを復号した復号データを示す。
【0098】
復号データ圧縮部52又は復号データ圧縮部62は、「データA」〜「データD」ごとに復号データを圧縮して、圧縮値をメモリ13に格納する。PTS読取部30は、「データA」〜「データD」のそれぞれに対応するPTS値を映像符号バッファ22及び音声符号バッファ23から取得してメモリ13に格納する(S32)。図4では、「データA」〜「データD」のそれぞれの復号データを圧縮した圧縮値を、「データA」〜「データD」のそれぞれに対応するPTS値(「PTS1」〜「PTS4」)とともにメモリ13に格納した場合について例示している(DF2)。
【0099】
図4では、「データA」の圧縮値が"4ef81abc"であり、「データA」が再生出力されるべき時刻が"PTS:00:01"であり、「データB」の圧縮値が"37e98bac"であり、「データB」が再生出力されるべき時刻が"PTS:00:02"であり、「データC」の圧縮値が"1ac712af"であり、「データC」が再生出力されるべき時刻が"PTS:00:03"であり、「データD」の圧縮値が"9629deb2"であり、「データD」が再生出力されるべき時刻が"PTS:00:04"である場合について例示している。
【0100】
出音処理部54及び表示処理部64は、デコードバッファ53、63に格納された復号データを、ストリームデータ処理装置10の外部に出力する(S41)。ここで、図4では、「データB」のPTS値に対してSTC値が先行していたため、AV同期制御部70が、AV同期制御によって、「データB」の提示をスキップして、「データC」を提示した場合について例示している(DF3)。この場合、AV同期制御部70は、復号データを1つスキップして出力するように指示する出力指示信号を出音処理部54又は表示処理部64に出力する。そして、出音処理部54又は表示処理部64は、その出力指示信号の出力に応じて、復号データを1つスキップした次の復号データをストリームデータ処理装置10の外部に出力するようにする。例えば、上述したように、デコードバッファ53、63のそれぞれに復号データが再生順に並んでいる場合、出音処理部54又は表示処理部64は、1つとばして復号データを取得するようにすることで、復号データを1つスキップした次の復号データを再生出力することができる。
【0101】
AV同期検証部80は、復号データのストリームデータ処理装置10の外部への出力開始時点のSTC値を取得する(S42)。出力データ圧縮部55、65は、ストリームデータ処理装置10の外部に出力される復号データを圧縮して、圧縮された圧縮値をAV同期検証部80に出力する(S43)。図4では、AV同期検証部80がSTC値"STC:00:03"を取得し(DF4)、AV同期検証部80に復号データの圧縮値"1ac712af"が出力された(DF5)ときについて例示している。つまり、「データC」が再生出力された場合について例示している。
【0102】
AV同期検証部80は、ステップS43で取得した復号データの圧縮値"1ac712af"と一致する復号データの圧縮値をメモリ13から検索する。AV同期検証部80は、検索した復号データの圧縮値"1ac712af"に対応するPTS値"PTC:00:03"と、ステップS42で取得したSTC値"STC:00:03"とを、次ステップで比較するデータとする(S51)。このように、本実施の形態では、同期検証のために比較すべきPTS値と、STC値とを、復号データの圧縮値によって関連付けることができる。
【0103】
ステップS42で取得したSTC値と、ステップS51で取得したPTS値とを比較して、STC値とPTS値との差分が規定の範囲内であるか否かを判定する(S52)。具体的には、「データC」の復号データの再生出力時刻の期待値となるPTS値"PTS:00:03"と、その「データC」の復号データがストリームデータ処理装置10の外部に実際に出力された時点のSTC値"STC:00:03"とがAV同期検証部80によって比較されて、規定の範囲内であるか否かが判定される(DF6)。図4で例示したように、PTS値とSTC値とがともに時刻"00:03"を示し、相互に一致している場合は、期待した時刻に同期して復号データが再生出力されたことになる。
【0104】
このように、本実施の形態では、復号データに付加されたPTS値をその復号データの再生出力時刻の期待値として、その復号データの圧縮値と対応付けて保持するようにしている。そのため、復号データが再生出力されるときに、実際に再生出力される復号データの圧縮値から、その復号データの再生出力時刻の期待値となるPTS値を特定することができる。言い換えると、復号データの圧縮値によって、その復号データの実際の再生出力時刻を示すSTC値と、その復号データの再生出力時刻の期待値とを関連付けて、それぞれを比較可能としている。これによれば、復号データの再生出力時刻の期待値となるPTS値と、その復号データの実際の再生出力時刻を示すSTC値とを比較して、実際に再生出力される映像データ又は音声データが正しい時刻に出力再生されているか否かを同期検証することができる。
【0105】
本発明の他の実施の形態.
上述した実施の形態では、STC値とPTS値とを関連付けるデータとして、復号データの圧縮値を使用した場合について例示したが、復号データを識別するデータであれば、これに限られない。
【0106】
例えば、図5に示すように、STC値とPTS値とを関連付けるデータとして、復号データを使用するようにしてもよい。この場合、図5に示すように、ストリームデータ処理装置10は、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65を有さない。
【0107】
復号データ圧縮部52、62が復号データの圧縮値をメモリ13に格納するのに代えて、音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれが、デコードバッファ53、63のそれぞれに格納する復号データを、メモリ13にも格納するようにする。また、出力データ符号部56、66が復号データの圧縮値をAV同期検証部80に出力するのに代えて、出音処理部54及び表示処理部64のそれぞれが、ストリームデータ処理装置10の外部に出力する復号データを、AV同期検証部80にも出力するようにする。
【0108】
そして、AV同期検証部80は、出音処理部54及び表示処理部64のそれぞれから出力された復号データと一致する復号データをメモリ13から検索する。AV同期検証部80は、検索した復号データに対応するPTS値をメモリ13から取得して、取得したPTS値をSTC値と比較するデータとする。
【0109】
また、例えば、図6に示すように、STC値とPTS値とを関連付けるデータとして、符号データを使用するようにしてもよい。この場合、図6に示すように、ストリームデータ処理装置10は、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65を有さず、復号データを再度符号化する出力データ符号部56、66のそれぞれを、音声信号処理部50及び映像信号処理部60のそれぞれに有するようにする。
【0110】
復号データ圧縮部52、62が復号データの圧縮値をメモリ13に格納するのに代えて、音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれで復号する前の符号データを、メモリ13に格納するようにする。また、出力データ符号部56、66が復号データの圧縮値をAV同期検証部80に出力するのに代えて、出力データ符号部56、66のそれぞれが、ストリームデータ処理装置10の外部に出力する復号データを再度符号化して、符号データを生成してAV同期検証部80に出力するようにする。ここでの符号化規則は、ストリームデータに含まれている符号データの符号化規則と同一であるものとする。
【0111】
ここで、符号データのメモリ13への格納は、音声信号復号部51及び映像信号復号部61のそれぞれが、復号するために取得した符号データをメモリ13に格納することによって実施してもよく、AV同期制御部70が、音声信号復号部51又は映像信号復号部61に復号を指示したときに、復号を指示した符号データを映像符号バッファ22又は音声符号バッファ23から取得してメモリ13に格納することによって実施するようにしてもよい。
【0112】
そして、AV同期検証部80は、出力データ符号部56、66のそれぞれから出力された符号データと一致する符合データをメモリ13から検索する。AV同期検証部80は、検索した復号データに対応するPTS値をメモリ13から取得して、取得したPTS値をSTC値と比較するデータとする。
【0113】
以上に説明したように、STC値とPTS値とを関連付けるデータとして、復号データの圧縮値に代えて、復号データを識別するデータであれば、復号データ又は符号データ等も使用することもできる。
【0114】
また、上述した実施の形態では、復号データの実際の再生出力時刻と、その復号データの再生出力時刻の期待値とが、STC値とPTS値とで関連付けられるようにしている場合について例示しているが、両者が比較可能な程度に再生出力時刻を識別することができるデータであれば、STC値及びPTS値そのものに限られない。例えば、STC値及びPTS値に基づいて、再生出力時刻をSTC値及びPTS値とは異なるフォーマット又はビット数で示すデータを生成して関連付けるようにしてもよい。
【0115】
以上に説明したように、本実施の形態では、出力準備された復号データが格納されるデコードバッファ53、63に、復号データが格納される前までに、その復号データ及びこれに対応するPTS値をそれぞれ識別する第1のデータ識別情報及び第1の時刻識別情報を出力してメモリ13に格納するようにしている。また、出力準備された復号データが再生出力されるときに、その復号データを識別する第2のデータ識別情報をAV同期制御部70に出力するようにしている。AV同期制御部70は、復号データが再生出力されるときに、STCカウンタ40のSTC値を第2の時刻識別情報として取得するとともに、第2のデータ識別情報と同一の復号データを識別する第1のデータ識別情報に対応する第1の時刻識別情報をメモリ13から取得して、第2の時刻識別情報と、第1の時刻識別情報とが示す時刻の差が所定の範囲内であるか否かを検証するようにしている。
【0116】
これによれば、ストリームデータに含まれる符号データが復号データとして出力準備されるまでに、その復号データの再生出力時刻の期待値となる第1の時刻識別情報を、その復号データを識別する第1のデータ識別情報と対応付けて用意することができる。そのため、その出力準備された復号データが再生出力されるときには、その復号データを識別する第2のデータ識別情報に基づいて、その復号データの再生出力時刻の期待値となる第1の時刻識別情報を特定して、その復号データの実際の再生出力時刻となる第2の時刻識別情報と比較することができる。
【0117】
つまり、復号データが再生出力されるまでの一連の流れの中で、その復号データに対して再生出力時刻の期待値を用意し、その復号データの実際の再生出力時刻と比較するようにしている。そのため、再生出力時刻の期待値を、ストリームデータにおいてその再生出力時刻の期待値が対応付けられていた復号データそのものの実際の再生出力時刻と比較することができる。よって、期待値となるデータと、その期待値との比較対象となるデータとが、まったく同じ復号データに対応するものであることを保証することができる。
【0118】
また、一度ストリームデータを入力するのみで、その復号データが再生出力されるときの現在時刻を識別する第2の時刻識別情報と、その復号データの再生出力時刻の期待値となる第1の時刻識別情報とを比較して、同期検証をすることができる。
【0119】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0120】
本実施の形態では、圧縮値をメモリ13に蓄積しているが、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65のそれぞれの内部に保持させるようにしてもよい。この場合、例えば、PTS読取部30が、AV同期制御部70によって復号が指示された復号データに付加されたPTS値を、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65のそれぞれに出力するようにして、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55、65のそれぞれが、圧縮値とPTS値とを対応付けて保持するようにする。また、AV同期検証部80が圧縮値を比較するようにしているが、CPU11で圧縮値を比較するようにしてもよい。
【0121】
本実施の形態では、映像データ及び音声データが多重化されたストリームデータを処理する場合について例示したが、これに限られない。例えば、映像データ及び音声データのうち、いずれか1つが多重化されたストリームデータに対して処理を行うようにしてもよい。この場合、ストリームデータ処理装置10は、音声信号処理部50及び映像信号処理部60のうち、いずれか1つを有するようにしてもよい。
【0122】
復号データに、高画質化処理やサラウンド処理等のフィルタ処理を施してストリームデータ処理装置10の外部に出力する場合には、復号データの圧縮値と出力データの圧縮値が異なるものとなってしまう。この場合、予め同期制御を無効化して再生することで、復号データ圧縮部52、62及び出力データ圧縮部55及び56が、復号データの圧縮値と、フィルタ処理を施した出力データの圧縮値とを1対1に関連付けてメモリ13に格納しておくようにしてもよい。そして、同期制御を有効化して再生した場合に、AV同期検証部80が、出力データの圧縮値から対応する復号データの圧縮値を検索することを可能として、上述した本発明の実施の形態を適用可能とすることができる。
【符号の説明】
【0123】
10 ストリームデータ処理装置
11 CPU
12 内部バス
13 メモリ
20、110 データ入力部
21、111 多重分離部
22、112 映像符号バッファ
23 音声符号バッファ
30、120 PTS読取部
40、130 STCカウンタ
50、150 音声信号処理部
51、151 音声信号復号部
52、62 復号データ圧縮部
53、63 デコードバッファ
54 出音処理部
55、65 出力データ圧縮部
56、66 出力データ符号部
60、160 映像信号処理部
61、161 映像信号復号部
64 表示処理部
70、140 AV同期制御部
80、170 AV同期検証部
100 デジタル放送AVシステム
112 映像バッファ
113 音声バッファ
152、162 データ圧縮部
162 データ圧縮部
180 メモリ
200 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユニットデータと、各ユニットデータに対応づけられ、当該ユニットデータの再生出力時刻を示す時刻情報とを有するストリームデータを再生するストリームデータ処理装置であって、
期待値記憶部と、
前記ストリームデータに含まれるユニットデータのうち、出力準備されたユニットデータが格納されるデータ記憶部と、
現在時刻をカウントする時刻カウント部と、
前記データ記憶部に格納されたユニットデータに対応づけられた時刻情報が、前記時刻カウント部によってカウントされる現在時刻に一致したときに、当該ユニットデータを再生出力する再生出力部と、
前記データ記憶部に前記ユニットデータが格納される前までに、当該ユニットデータ及びこれに対応する時刻情報をそれぞれ識別する第1のデータ識別情報及び第1の時刻識別情報を出力して前記期待値記憶部に格納する第1の情報出力部と、
前記ユニットデータが再生出力されるときに、当該ユニットデータを識別する第2のデータ識別情報を出力する第2の情報出力部と、
前記ユニットデータが再生出力されるときに、前記時刻カウント部の現在時刻を第2の時刻識別情報として取得するとともに、前記第2のデータ識別情報と同一のユニットデータを識別する第1のデータ識別情報に対応する第1の時刻識別情報を前記期待値記憶部から取得して、当該第2の時刻識別情報と、当該第1の時刻識別情報とが示す時刻の差が所定の範囲内であるか否かを検証する同期検証部と、
を備えたストリームデータ処理装置。
【請求項2】
前記ストリームデータ処理装置は、前記時刻カウント部によってカウントされる現在時刻が、前記時刻情報が示す再生出力時刻となったときに、通知信号を前記再生出力部及び前記同期検証部に出力する同期制御部を備え、
前記再生出力部は、前記同期制御部からの通知信号の出力に応じて、前記ユニットデータを再生出力し、
前記同期検証部は、前記同期制御部からの通知信号の出力に応じて、前記時刻カウント部から前記現在時刻を前記第2の時刻識別情報として取得する、
請求項1に記載のストリームデータ処理装置。
【請求項3】
外部からの指示に基づき前記検証を有効にするか否かを判定し、前記検証を有効にすると判定した場合に、前記第1の情報出力部、前記第2の情報出力部、及び前記同期検証部を動作させ、前記検証を有効にしないと判定した場合に、前記第1の情報出力部、前記第2の情報出力部、及び前記同期検証部の動作を抑止する制御部を備えた、
請求項1又は2に記載のストリームデータ処理装置。
【請求項4】
前記ストリームデータに含まれる各ユニットデータは、エンコードされたエンコードデータであり、
前記エンコードデータをデコードしてデコードデータとして前記データ記憶部に格納するデコード部をさらに備えた、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のストリームデータ処理装置。
【請求項5】
前記第1の情報出力部は、前記第1の識別情報として、前記ユニットデータを圧縮して第1の圧縮値を生成し、
前記第2の情報出力部は、前記第2の識別情報として、前記ユニットデータを前記第1の圧縮値と同一規則で圧縮して第2の圧縮値を生成する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のストリームデータ処理装置。
【請求項6】
前記第1の圧縮値及び前記第2の圧縮値は、ハッシュ値である、
請求項5に記載のストリームデータ処理装置。
【請求項7】
前記ストリームデータの各ユニットデータは、音声データ又は映像データであって、
前記第1の情報出力部、前記第2の情報出力部、及び前記同期検証部を有し、前記音声データ及び前記映像データのうち、前記音声データを処理する音声処理部と、
前記第1の情報出力部、前記第2の情報出力部、及び前記同期検証部を有し、前記音声データ及び前記映像データのうち、前記映像データを処理する映像処理部と、をさらに備えた、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のストリームデータ処理装置。
【請求項8】
前記ストリームデータを、前記映像データと前記音声データとに分離する分離部と、
前記分離部により分離された前記音声データが格納される音声バッファと、
前記分離部により分離された前記映像データが格納される映像バッファと、
を備え、
前記音声処理部は、前記音声バッファから前記音声データを取得し、
前記映像処理部は、前記映像バッファから前記映像データを取得する、
請求項7に記載のストリームデータ処理装置。
【請求項9】
前記時刻情報は、PTS(Presentation Time Stamp)値であり、
前記時刻カウント部は、STC(System Time Clock)値をカウントするSTCカウンタである、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のストリームデータ処理装置。
【請求項10】
複数のユニットデータと、各ユニットデータに対応づけられ、当該ユニットデータの再生出力時刻を示す時刻情報とを有するストリームデータの同期検証方法であって、
前記ユニットデータの出力準備をする前に、当該ユニットデータ及びこれに対応する時刻情報をそれぞれ識別する第1のデータ識別情報及び第1の時刻識別情報を期待値記憶部に格納し、
前記出力準備されたユニットデータに対応づけられた時刻情報が、現在時刻をカウントする時刻カウント部がカウントする現在時刻に一致したときに、当該ユニットデータを再生出力し、
前記ユニットデータが再生出力されるときに、当該ユニットデータを識別する第2のデータ識別情報を取得し、そのときの前記時刻カウント部の現在時刻を第2の時刻識別情報として取得し、前記第2のデータ識別情報と同一のユニットデータを識別する第1のデータ識別情報に対応する第1の時刻識別情報を前記期待値記憶部から取得して、当該第2の時刻識別情報と、当該第1の時刻識別情報とが示す時刻の差が所定の範囲内であるか否かを検証する、
ストリームデータの同期検証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−231250(P2012−231250A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97444(P2011−97444)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】