説明

ストレッチ包装装置

【課題】省スペース化のニーズに応えるとともに、包装装置の操作性を向上させるストレッチ包装装置を提供する。
【解決手段】包装部は、第1フィルムまたは第2フィルムを緊張保持して物品に相対的に押し付け、第1フィルムまたは第2フィルムで物品を包装する。搬送機構は、包装部に第1フィルムまたは第2フィルムを搬送する。フィルム引渡し機構は、第1フィルムおよび第2フィルムのいずれかを選択的に搬送機構に引き渡す。第1フィルム把持部は、第1フィルムを把持する。第2フィルム把持部は、第2フィルムを把持する。切り替え部は、第1姿勢と、第2姿勢と、第3姿勢とを切り替える。第1姿勢は、第1フィルム把持部が第1フィルムを搬送機構に受け渡す姿勢である。第2姿勢は、第2フィルム把持部が第2フィルムを搬送機構に受け渡す姿勢である。第3姿勢は、第1フィルムを第1フィルム把持部に把持させることが可能な姿勢である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレッチ包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生鮮食料品などの被包装物を包装する装置として、ストレッチ包装装置が知られている。ストレッチ包装装置は、所定長さ寸法に切断したフィルムを緊張保持し、当該フィルムに対して被包装物を押し付けてフィルムに被包装物を密着させる。その後、ストレッチ包装装置は、フィルムの周縁部を被包装物の裏面に折り込んだ後、ヒートシールして被包装物を包装する。
【0003】
また、近年では、例えば、特許文献1(特開2003−95208号公報)のように、複数のロール保持部を備えるストレッチ包装装置が提案されている。具体的には、被包装物の包装を行う本体(包装部)の両側にフィルムロールが配置されており、いずれか一方のロール保持部に装填されたフィルムロールからフィルムが送り出される。また、各フィルムロールに対応して、フィルム引き渡し機構が設けられている。フィルム引き渡し機構は、フィルムの先端を把持し、その後、当該フィルムの先端をフィルム搬送機構に引き渡す。したがって、文献1に記載のストレッチ包装装置は、複数のロール保持部のそれぞれにフィルム幅の異なるフィルムロールを装填することによって、異なる大きさの被包装物を連続して包装することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記技術を採用した場合には、ロール保持部を設置するための複数の空間が必要になる。そのため、省スペース化のニーズに応えることは困難である。また、複数の空間が離れた場所にある場合には、フィルムロールの交換作業も煩雑である。
【0005】
本発明の課題は、省スペース化のニーズに応えるとともに、包装装置の操作性を向上させるストレッチ包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るストレッチ包装装置は、包装部と、搬送機構と、フィルム引渡し機構とを備える。包装部は、第1フィルムまたは第2フィルムを緊張保持して物品に相対的に押し付け、第1フィルムまたは第2フィルムで物品を包装する。搬送機構は、包装部に第1フィルムまたは第2フィルムを搬送する。フィルム引渡し機構は、第1フィルムおよび第2フィルムのいずれかを選択的に搬送機構に引き渡す。また、フィルム引き渡し機構は、第1フィルム把持部と、第2フィルム把持部と、切り替え部とを含む。第1フィルム把持部は、第1フィルムを把持する。第2フィルム把持部は、第2フィルムを把持する。切り替え部は、第1姿勢と、第2姿勢と、第3姿勢とを切り替える。第1姿勢は、第1フィルム把持部が第1フィルムを搬送機構に受け渡す姿勢である。第2姿勢は、第2フィルム把持部が第2フィルムを搬送機構に受け渡す姿勢である。第3姿勢は、第1フィルムを第1フィルム把持部に把持させることが可能な姿勢である。これにより、省スペース化を図るとともに、フィルムロール装填の操作性を向上させることができる。
【0007】
さらに、第3姿勢は、第2フィルムを第2フィルム把持部に把持させることも可能な姿勢であることが好ましい。これにより、フィルムの付け替えおよび交換をさらに容易にすることができる。
【0008】
また、フィルム引き渡し機構は、支持軸をさらに含むことが好ましい。支持軸は、第1フィルム把持部および第2フィルム把持部を支持する。また、切り替え部は、支持軸の回転角度を変更することにより、第1姿勢、第2姿勢、および第3姿勢のいずれか一つに切り替える。これにより、使用するフィルムシートの切り替えを省スペースで行うことができる。
【0009】
さらに、第1姿勢は、第1フィルム把持部の先端から搬送機構までの距離が第2フィルム把持部から搬送機構までの距離よりも近く、第2姿勢は、第2フィルム把持部の先端から搬送機構までの距離が第1フィルム把持部から搬送機構までの距離よりも近く、また、第3姿勢は、第1姿勢および第2姿勢よりも、第1フィルム把持部の先端から搬送機構までの距離および第2フィルム把持部の先端からの搬送機構までの距離が遠いことが好ましい。把持部の姿勢を第3姿勢に切り替えることにより、フィルム把持部に対して、容易にフィルムを把持させることができる。
【0010】
また、第1フィルム把持部は、第1板部材と、第2板部材とを含むことが好ましい。第2板部材は、第1板部材に対して接近および離反可能な部材である。また、第2フィルム把持部は、第3板部材と、第4板部材とを含むことが好ましい。第4板部材は、第3板部材に対して接近および離反可能な部材である。ここで、第1フィルムは、第1板部材と第2板部材との間で把持され、第2フィルムは、第3板部材と第4板部材との間で把持される。これにより、狭いスペースにおけるフィルムの付け替えが容易になる。
【0011】
さらに、支持軸は、第1板部材と第3板部材とを近接した位置で支持し、第2板部材は、第1方向に移動することにより、第1板部材に接近し、第4板部材は、第1方向の反対の方向である第2方向に移動することにより、第3板部材に接近することが好ましい。これにより、第1フィルム把持部へのフィルムの装填および第2フィルム把持部へのフィルムの装填に必要なスペースを低減させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るストレッチ包装装置は、省スペース化を図るとともに、フィルムロール装填の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るストレッチ包装装置の外観斜視図である。
【図2】ストレッチ包装装置内部の正面概略図である。
【図3】図2のIII-III矢視概略図である。
【図4】ロール保持機構の概略図である。
【図5】ロール保持機構の部分拡大図である。
【図6】ロール保持機構の下段ベルトの配置を示す図である。
【図7】ロール保持機構の上段ベルトの配置を示す図である。
【図8】ストレッチ包装装置の平面外略図である。
【図9A】フィルム送り出し機構(ローディングポジション時)の外観斜視図である。
【図9B】フィルム送り出し機構(第1フィーディングポジション時)の外観斜視図である。
【図9C】フィルム送り出し機構(第2フィーディングポジション時)の外観斜視図である。
【図10】ローディングユニットの概略構成図である。
【図11】第1フィルム把持ユニットの側面図である。
【図12】フィルム送り出し機構、切断機構、およびフィルム搬送機構の部分拡大図である。
【図13A】フィーダユニットの側面図である。
【図13B】フィーダユニットにおける上ベルトおよび下ベルトの配置を示す図である。
【図13C】導入ユニットおよびクランプの平面配置図である。
【図14】制御装置のブロック構成図である。
【図15】ストレッチ包装装置の動作説明図である。
【図16】ストレッチ包装装置の動作説明図である。
【図17】ストレッチ包装装置の動作説明図である。
【図18】ストレッチ包装装置の動作説明図である。
【図19】フィルム送り出し機構における動作を示すフローを示す図である。
【図20A】フィルム送り出し処理における動作を示す図である。
【図20B】フィルム送り出し処理における動作を示す図である。
【図20C】フィルム送り出し処理における動作を示す図である。
【図20D】フィルム送り出し処理における動作を示す図である。
【図21A】フィルム送り出し処理における動作を示す図である。
【図21B】フィルム送り出し処理における動作を示す図である。
【図21C】フィルム送り出し処理における動作を示す図である。
【図21D】フィルム送り出し処理における動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(1)全体構成
図1に、本発明の一実施形態に係るフィルム横送り型のストレッチ包装装置を示す。ストレッチ包装装置1は、緊張保持させたフィルム(ストレッチフィルム)に対して、トレーTに載せた生鮮食料品等(物品)Gを押し上げ、フィルムの周辺部をトレーTの底面側に折り込むことによって被包装物(トレーTに載せられた物品G)のフィルム包装を行う装置である。ストレッチ包装装置1は、フィルム包装機能に加えて、計量機能やラベル貼付による値付機能を兼ね備えている。ストレッチ包装装置1は、本体1aの正面に、投入口ISおよび取出し口OSを備える。投入口ISは、本体1aの正面の下方に配置されている。また、取出し口OSは、投入口ISの上方に配置されている。物品G(または物品GおよびトレーT)は、投入口ISから投入された後、一連のフィルム包装処理が行われる。包装処理が行われた物品G(包装商品)は、取出口OSから取り出される。
【0015】
図1または図2に示すように、ストレッチ包装装置1は、計量搬入機構2と、包装ステーション3と、ロール保持機構4と、フィルム送り出し機構5と、フィルム搬送機構6と、カッター機構7と、シール機構8とを含む。また、ストレッチ包装装置1は、ストレッチ包装装置1に含まれる各機構を制御するため制御装置9をさらに含む。ストレッチ包装装置1に含まれる各機構は、ストレッチ包装装置1の本体1aおよびケーシング1bの中に収められる。ケーシング1bは、本体1aの側部に取り付けられる。また、ケーシング1bには、ケーシング1bにフィルムロールR1,R2を装填する際に用いられる蓋1cおよび蓋1dが取り付けられている。以下、ストレッチ包装装置1に含まれる各構成について詳細に説明する。
【0016】
なお、以下の説明において、「左右」とは、ストレッチ包装装置1の本体1aの正面に向かって左右を意味する。また、フィルムF1,F2と記述した場合には、フィルムF1およびフィルムF2のうちの任意の一のフィルムを意味し、フィルムロールR1,R2と記述した場合には、フィルムロールR1およびフィルムロールR2のうち任意の一のフィルムロールを意味する。また、フィルムの幅方向とは、フィルムロールR1,R2の幅方向と同じ方向を意味し、フィルムの長さ方向とは、フィルムの幅方向に交差する方向を意味する。また、上流とは、フィルムの搬送方向上流を意味し、下流とは、フィルムの搬送方向下流を意味する。
【0017】
(2)詳細構成
(2−1)計量搬入機構の構成
計量搬入機構2は、物品Gを計量し、その後、物品Gを包装ステーション3に搬送する。計量搬入機構2は、本体1aの正面に設けられている。具体的に、計量搬入機構2は、投入口ISに設けられている。
【0018】
図3に示すように、計量搬入機構2は、計量器2aと、搬入ベルト2bとを有する。計量器2aは、トレーTに載せられた生鮮食料品(物品)Gの重量を計量する。搬入ベルト2bは、一対のローラ間に掛け渡されている。搬入ベルト2bには搬送用の突起が設けられている。物品Gを収容したトレーT(被包装物)を計量器2a上に載置すると、物品Gの重量が計量器により計量される。その後、被包装物は、搬入ベルトの突起に押されて、包装ステーション3のリフター機構30(後述)の支持部材33上に送られる。
【0019】
(2−2)包装ステーション
包装ステーション3は、本体1a内に形成される空間である。被包装物は、包装ステーション3内で包装される。包装ステーション3は、上述の計量搬入機構2によって計量された被包装物に一連のフィルム包装処理を施す空間である。包装ステーション3には、リフター機構30と、折り込み機構37とが配置される。
【0020】
(2−2−1)リフター機構
リフター機構30は、トレーTの底面を保持してトレーTおよび物品Gを上方に移動させる。また、リフター機構30は、後述するフィルム搬送機構6によって緊張保持されたストレッチフィルム(張られたフィルム)F1,F2に対して、被包装物を突き上げる(図17参照)。リフター機構30は、包装ステーション3の下部に設けられている。
【0021】
リフター機構30は、図2および図3に示すように、支持ベース31と、複数の支持バー32と、支持部材33と、電動ボールネジ機構34とを有する。支持ベース31は、複数の支持バー32を固定する部材である。支持バー32は、支持ベース31の上面に固定されている。各支持バー32は、前後左右に折れ曲がるヒンジを備えている。ヒンジは、各支持バー32の中央部分に備えられている。ヒンジによって、各支持バー32は、後述する左右折り込み板76,77や後折り込み板78がトレーTの下部に入ってくるときに一時的に転倒する。支持部材33は、トレーTの底面を受ける部材である。支持部材33は、各支持バー32の上端部にそれぞれ回動自在に支持されている。電動ボールネジ機構34は、支持ベース31の下に連結され、支持ベース31を上下移動させる。
【0022】
(2−2−2)折り込み機構
折り込み機構37は、リフター機構30によって突き上げられた被包装物の底面側(すなわち、トレーTの底面側)にフィルムF1,F2の周囲の部分を折り込む。これにより、フィルムF1,F2がトレーTおよび物品Gを覆う。
【0023】
折り込み機構37は、図2または図3に示すように、主として、左右折り込み板76,77と、後折り込み板78と、前折り込み棒79とを含む。
【0024】
左右折り込み板76,77は、フィルムF1,F2のフィルム搬送方向両端部をトレーTの底面側に折り込む。左右折り込み板76,77は、図示しないモータおよびタイミングベルトによって、フィルムF1,F2の長さ方向に水平移動が可能である。
【0025】
後折り込み板78は、フィルムF1,F2の幅方向奥側の側部をトレーTの底面側に折り込む。後折り込み板78は、図示しないモータおよびタイミングベルトによって、フィルムF1,F2の幅方向に水平移動が可能である。
【0026】
前折り込み棒79は、フィルムF1,F2の幅方向手前側の側部をトレーTの底面側に折り込む。前折り込み棒79は、排出プッシャー79aによってトレーTがシール機構8側に排出される際に、フィルムFをトレーTの底面側に折り込む。
【0027】
(2−3)ロール保持機構
ロール保持機構4は、図1および図2等に示すように、ケーシング1bに設置される。ロール保持機構4は、2本のフィルムロールR1,R2を保持する構成になっている。各フィルムロールR1,R2には、所定幅のストレッチフィルムF1,F2が多重に巻き付けられている。ここで、各フィルムロールR1,R2に巻き付けられるストレッチフィルムF1,F2は、同じ幅であっても、異なる幅であってもよい。また、各フィルムロールR1,R2に巻き付けられるストレッチフィルムF1,F2は、同じ種類(素材、厚み等)であっても、異なる種類であってもよい。
【0028】
図4に示すように、ロール保持機構4は、主として、ロール保持部40と、ロール駆動部43とを含む。
【0029】
(2−3−1)ロール保持部
ロール保持部40には、上側ロール保持部41と下側ロール保持部42とが含まれる。上側ロール保持部41は、フィルムロールR1(第1ロール)を保持し、下側ロール保持部42は、フィルムロールR2(第2ロール)を保持する。
【0030】
上側ロール保持部41は、下側ロール保持部42の上方に配置されている。また、上側ロール保持部41と下側ロール保持部42とは、平面視で、左右にずれた位置に配置されている。具体的に、上側ロール保持部41は、ケーシング1b内で、本体1aに近い位置に配置されている。一方、下側ロール保持部42は、ケーシング1b内で、本体1aから離れた位置に配置されている。すなわち、上側ロール保持部41は、下側ロール保持部42と比べて、本体1aに近い位置に配置されている。
【0031】
(a)上側ロール保持部
上側ロール保持部41は、上側ロールバー41aと、上側ホルダー41bとを有する。
【0032】
上側ロールバー41aは、フィルムロールR1を保持する部材である。上側ロールバー41aは、フィルム幅の異なる複数のフィルムロールR1を装填可能なように、所定の長さを有する。上側ロールバー41aは、正面から見てケーシング1bの向こう側から手前側に向かって延びる。上側ロールバー41aは、第1端部と第2端部とを有する。第1端部は、ケーシング1bの向こう側に配置された支持プレート49に回転自在に支持されている。第1端部には、上段プーリ41cが取り付けられている。上段プーリ41cには、上段ベルト41dが掛けられる(図7参照)。第2端部には、上側ホルダー41bが取り付けられている。上側ロールバー41aに装填されたフィルムロールR1は、上側ホルダー41bによって上側ロールバー41aに固定される。
【0033】
(b)下側ロール保持部
下側ロール保持部42も、上側ロール保持部41と同様に、下側ロールバー42aと、下側ホルダー42bとを有する。上側ロール保持部41に含まれる各構成41a,41bと、下側ロール保持部42に含まれる各構成42a,42bとは同じである。したがって、下側ロール保持部42に含まれる各構成42a,42bの説明は省略する。なお、下側ロール保持部42は、フィルムロールR2を保持する部材である。また、下側ロールバー42aの第1端部には、上段プーリ42cが取り付けられ、上段プーリ42cには、上段ベルト42dが掛けられる(図7参照)。
【0034】
(2−3−2)ロール駆動部
ロール駆動部43は、上側ロール保持部41および下側ロール保持部42を選択的に回転させ、フィルムロールR1およびフィルムロールR2のいずれか一方からフィルムF1またはフィルムF2を繰り出させる。ロール駆動部43は、下側ロール保持部42の下方に配置されている(図4参照)。
【0035】
図5に示すように、ロール駆動部43は、主として、ロール駆動モータ431と、上側ローラ駆動機構44と、下側ローラ駆動機構45とを含む。
【0036】
(a)ロール駆動モータ
ロール駆動モータ431は正逆回転が可能である。ロール駆動モータ431は、後述する上側ローラ駆動機構44の第1ギア44aに連結されている。ロール駆動モータ431は、正回転時に上側ロール保持部41を駆動し、逆回転時に下側ロール保持部42を駆動する。すなわち、正回転時、ロール駆動モータ431は、上述の上段プーリ41cに掛けられた上段ベルト41dを駆動する。また、逆回転時には、ロール駆動モータ431は、上段プーリ42cに掛けられた上段ベルト42dを駆動する。
【0037】
(b)上側ローラ駆動機構
上側ローラ駆動機構44は、上側ローラ保持部41を回転駆動させる機構である。図5に示すように、上側ローラ駆動機構44は、主として、第1ギア44aと、下段タイミングプーリ44bと、中段第1タイミングプーリ44cと、中段第2タイミングプーリ44dと、アイドラプーリ44eと、ワンウェイクラッチ44fと、ブレーキ44gとを含む。
【0038】
第1ギア44aは、上述のロール駆動モータ431と連結されている。第1ギア44aには、下段タイミングプーリ44bが取り付けられている。下段タイミングプーリ44bの上方には、第1ギア44aの回転を上側ローラ保持部41に伝えるための、中段第1タイミングプーリ44cおよび中段第2タイミングプーリ44dが配置されている。中段第1タイミングプーリ44cおよび中段第2タイミングプーリ44dは、シャフト44hの両端に取り付けられている。
【0039】
図6に示すように、下段タイミングプーリ44bおよび中段第1タイミングプーリ44cには、下段ベルト41eが掛けられる。また、図7に示すように、中段第2タイミングプーリ44dおよび上段プーリ41cには、上段ベルト41dが掛けられる。なお、中段第2タイミングプーリ44dと上段プーリ41cとの間には、テンションローラ41fが設けられている。アイドラプーリ44eは、中段第1タイミングプーリ44cと、下段タイミングプーリ44bとの間に配置され、下段ベルト41eのテンションを調整する。
【0040】
ワンウェイクラッチ44fは、シャフト44hの回転方向を規制する。本実施形態では、ワンウェイクラッチ44fは、シャフト44hが反時計回りに回転しないように規制する。すなわち、シャフト44hは、時計回りにのみ回転する。これにより、上側ローラ保持部41の上側ロールバー41aは、図2の紙面に対して、時計回りに回転し、フィルムロールR1からフィルムF1が引き出される。
【0041】
ブレーキ44gは、ディスクブレーキである。ブレーキ44gは、シャフト44hに取り付けられている。ブレーキ44gは、シャフト44hの回転を抑制する。具体的に、ブレーキ44gは、後述する制御装置9によって、下側ロール保持部42の駆動(フィルムロールR2の使用)が選択された場合に、シャフト44hの回転を抑制する。
【0042】
(c)下側ローラ駆動機構
下側ローラ駆動機構45は、下側ローラ保持部42を回転駆動させる機構である。図5に示すように、下側ローラ駆動機構45は、主として、第2ギア45aと、下段タイミングプーリ45bと、中段第1タイミングプーリ45cと、中段第2タイミングプーリ45dと、アイドラプーリ45eと、ワンウェイクラッチ45fと、ブレーキ45gとを含む。
【0043】
第2ギア45aは、第1ギア44aに噛み合う構成になっている。すなわち、第2ギア45aは、第1ギア44aの回転方向と異なる方向に回転する。第2ギア45aには、下段タイミングプーリ45bが取り付けられている。下段タイミングプーリ45bの上方には、第2ギア45aの回転を下側ローラ保持部42に伝えるための、中段第1タイミングプーリ45cおよび中段第2タイミングプーリ45dが配置されている。中段第1タイミングプーリ45cおよび中段第2タイミングプーリ45dは、シャフト45hの両端に取り付けられている。
【0044】
図6に示すように、下段タイミングプーリ45bおよび中段第1タイミングプーリ45cには、下段ベルト42eが掛けられる。また、図7に示すように、中段第2タイミングプーリ45dおよび上段プーリ42cには、上段ベルト42dが掛けられる。アイドラプーリ45eは、中段第1タイミングプーリ45cと、下段タイミングプーリ45bとの間に配置され、下段ベルト42eのテンションを調整する。
【0045】
ワンウェイクラッチ45fは、シャフト45hの回転方向を規制する。本実施形態では、ワンウェイクラッチ45fは、シャフト45hが反時計回り回転しないように規制する。すなわち、シャフト45hは、時計回りにのみ回転する。これにより、下側ローラ保持部42の下側ロールバー42aは、図2の紙面に対して、時計回りに回転し、フィルムロールR2からフィルムF2が引き出される。
【0046】
ブレーキ45gは、ディスクブレーキである。ブレーキ45gは、シャフト45hに取り付けられている。ブレーキ45gは、シャフト45hの回転を抑制する。具体的に、ブレーキ45gは、後述する制御装置9によって、上側ロール保持部41の駆動(フィルムロールR1の使用)が選択された場合に、シャフト45hの回転を抑制する。
【0047】
(2−4)フィルム送り出し機構
フィルム送り出し機構5は、フィルムロールR1から引き出されたフィルムF1またはフィルムロールR2から引き出されたフィルムF2を、後述するフィルム搬送機構6の一対のフィーダユニット61,62に引き渡すための機構である。
【0048】
フィルム送り出し機構5もまた、図2および図8に示すように、ケーシング1bに設置される。フィルム送り出し機構5は、図2または図9A〜図9Cに示すように、主として、ローディングユニット移動フレーム51と、ローディングユニット70と、ローディングユニット駆動モータ52とを含む。
【0049】
(2−4−1)ローディングユニット移動フレーム
ローディングユニット移動フレーム51は、ケーシング1bの上方に配置されている(図9A〜図9C参照)。すなわち、ローディングユニット移動フレーム51は、ロール保持機構4の上方に配置されている。ローディングユニット移動フレーム51は、後述するローディングユニット回転軸70aを回転自在に支持する。また、ローディングユニット移動フレーム51は、リンク機構により、水平移動が可能である。具体的には、ローディングユニット移動フレーム51は、後述するフィルム搬送機構6から最も離れた第1位置と、フィルム搬送機構6に最も近づいた第2位置との間を所定のタイミングで移動する。ここで、所定のタイミングとは、ローディングユニット70が、後述するフィルム搬送機構6に対して、フィルムF1,F2を送り出すタイミングである。
【0050】
(2−4−2)ローディングユニット
ローディングユニット70は、図9A〜図9Cに示すように、ローディングユニット移動フレーム51に取り付けられる。すなわち、ローディングユニット70は、フィルムロールR1およびフィルムロールR2の上方に配置されている。
【0051】
ローディングユニット70は、主として、第1把持ユニット71と、第2把持ユニット72と、ローディングユニット回転軸70aとを有する。第1把持ユニット71および第2把持ユニット72は、ローディングユニット回転軸70aに取り付けられる。
【0052】
第1把持ユニット71および第2把持ユニット72は、図10に示すように、基準線Lに対して左右対称の位置に配置される。ここで基準線Lは、ローディングユニット回転軸70aの中心からローディングユニット移動フレーム51の高さ方向に沿って仮想的に延ばした垂線である。すなわち、基準線Lは、フィルムF1,F2の搬送面に対して直交する方向に延びる。第1把持ユニット71および第2把持ユニット72は、側面視で、V字形状を有する。第1把持ユニット71から第2把持ユニット72までの距離は、常に一定である。
【0053】
第1把持ユニット71および第2把持ユニット72は、使用するフィルムの種類(フィルムF1またはフィルムF2)によって使い分けられる。具体的には、第1把持ユニット71は、フィルムF1を把持させるユニットである。一方、第2把持ユニット72は、フィルムF2を把持させるユニットである。第1把持ユニット71および第2把持ユニット72は、フィルム幅の異なるフィルムF1,F2の送り出しが可能なように、ケーシング1bの奥行き方向に所定の長さを有する。
【0054】
第1把持ユニット71は、ケーシング1b内で、本体1aに近い位置に配置されている。すなわち、図2に示すように、第1把持ユニット71は、カッター機構7およびフィルム搬送機構6に近接した位置に配置されている。一方、第2把持ユニット72は、ケーシング1b内で、本体1aから離れた位置に配置されている。すなわち、第1把持ユニット71は、第2把持ユニット72と比較して、本体1aに近い位置に配置されている。
【0055】
ローディングユニット回転軸70aは、上側ロールバー41aおよび下側ロールバー42aと同様、正面から見てケーシング1bの向こう側から手前側に向かって延びる。ローディングユニット回転軸70aは、ローディングユニット移動フレーム51に対し、回転自在に支持されている。ローディングユニット回転軸70aは、後述するローディングユニット駆動モータ52によって駆動される(図2参照)。ローディングユニット回転軸70aの回転角度を変更することにより、ローディングユニット70は、姿勢を変更する(図9A〜図9C参照)。ローディングユニット70の姿勢は、第1の姿勢、第2の姿勢、および第3の姿勢を含む。
【0056】
第1の姿勢は、第1把持ユニット71がフィルムF1をフィルム搬送機構6に受け渡す姿勢である(第1フィーディングポジション)。第1の姿勢では、第1把持ユニット71の先端からフィルム搬送機構6までの距離が、第2把持ユニット72の先端からフィルム搬送機構6までの距離よりも近くなる。具体的には、ローディングユニット70の姿勢が第1の姿勢をとるとき、第1把持ユニット71は水平面に対して平行になるまで傾けられる(図9B参照)。フィルムF1は、第1把持ユニット71の先端からフィルム搬送機構6に対して水平方向に送り出される。
【0057】
第2の姿勢は、第2把持ユニット72がフィルムF2をフィルム搬送機構6に受け渡す姿勢である(第2フィーディングポジション)。第2の姿勢では、第2把持ユニット72の先端からフィルム搬送機構6までの距離が、第1把持ユニット71の先端からフィルム搬送機構6までの距離よりも近くなる。具体的には、ローディングユニット70の姿勢が第2の姿勢をとるとき、第2把持ユニット72は水平面に対して平行になるまで傾けられる(図9C参照)。フィルムF2は、第2把持ユニット72の先端からフィルム搬送機構6に対して水平方向に送り出される。
【0058】
第3の姿勢は、第1把持ユニット71に1フィルムF1を把持させることを可能にする姿勢である(ローディングポジション)。第3の姿勢では、また、第2把持ユニット72にフィルムF2を把持させることを可能にする姿勢でもある。第3姿勢は、第1姿勢および第2姿勢をとっている時よりも、第1把持ユニット71からフィルム搬送機構6までの距離および第2把持ユニット72からフィルム搬送機構6までの距離が遠い。すなわち、第1把持ユニット71および第2把持ユニット72が、基準線Lに対して対称の位置にくるように、ローディングユニット回転軸70aが回転される(図9A参照)。
【0059】
次に、図10および図11を参照して、第1把持ユニット71および第2把持ユニット72の構成について詳細に説明する。
【0060】
(a)第1把持ユニット
第1把持ユニット71は、フィルムF1を把持するユニットである。第1把持ユニット71は、フィルムロールR1,R2の長手方向に沿って延びる。第1把持ユニット71の長さは、フィルムロールR1,R2の長さよりも長い。
【0061】
図11に示すように、第1把持ユニット71は、主として、2枚の板部材(第1板部材および第2板部材に相当)157,158と、ワンウェイローラ159とから構成されている。
【0062】
(a−1)板部材
板部材157,158には、複数の切欠き53a〜53hがそれぞれ形成されている。切欠き53a〜53hは、フィルムF1をフィルム搬送機構6に受け渡す際、後述する上ベルト24および下ベルト23を入り込ませてフィルムF1を狭持させるスペースでもある。また、板部材157,158は、フィルムF1と対向する面に、凹凸部157a,158aを有する(図10参照)。
【0063】
さらに、図10に示すように、板部材158の天面(上面)TFにはバフがけ処理が施されている。これにより、後述するカッター機構7の切断刃7aでフィルムF1が切断されるときに、フィルムF1が板部材158の天面TFに密着して保持される。また、板部材158のバフがけされている天面TFの外側の角部EDは、さらにヤスリがけ処理が施されている。
【0064】
2枚の板部材157,158は、一端が図示しないヒンジで連結されている。板部材(第2板部材に相当)158は、当該ヒンジ部分を中心として板部材157に対して回動する。具体的には、板部材158は、板部材(第1板部材に相当)157に対して、接近および離反が可能である。すなわち、板部材158は、板部材157に対して、開閉可能である。図8において点線で示す状態が、板部材158の開の状態を表す。図8に示すように、板部材158は、本体1aに近づく方向(第1方向に相当)に回動することにより、開の状態になる。
【0065】
(a−2)ワンウェイローラ
ワンウェイローラ159は、一方向のみの回転を許容するローラである(図10の矢印A1参照)。ワンウェイローラ159は、板部材157の長手方向(フィルム幅方向)に沿って複数設けられている。ワンウェイローラ159は、板部材157,158に挟まれたフィルムF1が下方に抜け落ちないようにフィルムFを保持する。ワンウェイローラ159は、樹脂製の本体にニッケル等で金属メッキを施したものである。
【0066】
ワンウェイローラ159の表面は、板部材157の表面よりも板部材158側に突出する。したがって、板部材157,158に挟まれたフィルムF1は必ずワンウェイローラ159に接触する。これにより、板部材157と板部材158の間に挟まれて把持されたフィルムF1は、後述するカッター機構7によって、フィルム搬送機構に搬送されたフィルムF1と切り離された場合にも、ワンウェイローラ159に保持される。
【0067】
(b)第2把持ユニット
第2把持ユニット72は、フィルムF2を把持するユニットである。第2把持ユニット72は、フィルムロールR1,R2の長手方向に沿って延びる。第2把持ユニット72の長さは、フィルムロールR1,R2の長さよりも長い。
【0068】
第2把持ユニット72は、第1把持ユニット71と類似の構成をしている。すなわち、第2把持ユニット72は、主として、2枚の板部材(第3板部材および第4板部材に相当)257,258と、ワンウェイローラ259とから構成されている。したがって、以下、第1把持ユニット71の構成と異なる構成について説明する。
【0069】
(b−1)板部材
板部材257,258は、フィルムF2と対向する面に、凹凸部257a,258aを有する。また、2枚の板部材257,258のうち、板部材(第4板部材に相当)258は、ヒンジ部分を中心として板部材257に対して回動する。具体的には、板部材258は、板部材(第3板部材に相当)257に対して、接近および離反が可能である。すなわち、板部材258は、板部材257に対して、開閉可能である。図8において点線で示す状態が、板部材258の開の状態を表す。図8に示すように、板部材258は、本体1aから離れる方向(第2方向に相当)に回動することにより、開の状態になる。
【0070】
(b−2)ワンウェイローラ
ワンウェイローラ259は、板部材258の長手方向(フィルム幅方向)に沿って複数設けられている。ワンウェイローラ259の表面は、板部材258の表面よりも板部材257側に突出する(図10参照)。
【0071】
(2−4−3)ローディングユニット駆動モータ
ローディングユニット駆動モータ54は、上述したローディングユニット回転軸70aを回転させる。ローディングユニット駆動モータ54は、後述する制御装置9に入力された設定に応じてローディングユニット回転軸70aを回転させる。ここで、制御装置9に入力された設定とは、フィルムロールR1およびフィルムロールR2のいずれのフィルムロールを使用するかに関する設定である。制御装置9に入力された設定が、フィルムロールR1を選択するものであった場合には、ローディングユニット駆動モータ54は、第1把持ユニット71の先端がフィルム搬送機構6に最も近づくように、ローディングユニット回転軸70aを回転させる。具体的には、ローディングユニット駆動モータ54は、後述するフィルム搬送機構6に対する第1把持ユニット71の傾きが水平になるように、ローディングユニット回転軸70aを回転させる(図9Bおよび図20B参照)。一方、制御装置9に入力された設定が、フィルムロールR2を選択するものであった場合には、ローディングユニット駆動モータ54は、第2把持ユニット72の先端がフィルム搬送機構6に最も近づくように、ローディングユニット回転軸70aを回転させる。具体的には、ローディングユニット駆動モータ54は、後述するフィルム搬送機構6に対する第2把持ユニット72の傾きが水平になるように、ローディングユニット回転軸70aを回転させる(図9Cおよび図21B参照)。さらに、後述の制御装置9において、フィルムセットボタンが押された場合、または、フィルムロールR1,R2がなくなったことをセンサが検知した場合には、ローディングユニット駆動モータ54は、第1把持ユニット71の先端および第2把持ユニット72の先端がフィルム搬送機構6から遠ざかるように、ローディングユニット回転軸70aを回転させる。具体的には、ローディングユニット駆動モータ54は、第1把持ユニット71および第2把持ユニット72が、基準線Lに対して対称の位置に来るように、ローディングユニット回転軸70aを回転させる(図9Aおよび図10等参照)。
【0072】
(2−5)フィルム搬送機構
フィルム搬送機構6は、フィルム送り出し機構5からフィルムを受け取り、包装ステーション3へとフィルムF1,F2を搬送する。また、フィルム搬送機構6は、フィルム送り出し機構5から受け取ったフィルムF1,F2を、包装ステーション3の中央部分で緊張保持する。
【0073】
フィルム搬送機構6は、図8に示すように、主として、第1フィーダユニット61と、第2フィーダユニット62と、第1フィーダ移動ユニット63と、第2フィーダ移動ユニット64と、フィーダ駆動ユニット65とから構成されている。
【0074】
第1フィーダユニット61はストレッチ包装装置1の正面から見て手前側に配置されている。また、第2フィーダユニット62はストレッチ包装装置1の正面から見て向こう側に配置されている。また、第1フィーダユニット61および第2フィーダユニット62は、フィルムの長手方向に沿って、フィルムの幅方向両側に配置されている。第1フィーダユニット61および第2フィーダユニット62は、フィルムの幅方向両側部(手前側の側部および向こう側の側部)をベルトで挟む。第1フィーダユニット61および第2フィーダユニット62は、フィーダ駆動ユニット65によって駆動され、フィルムF1,F2を搬送する
また、第1フィーダユニット61および第2フィーダユニット62の長手方向側部には、図3および図8に示すように、フィルムの幅方向に延びるスライドシャフト66,67が設けられている。第1フィーダユニット61および第2フィーダユニット62は、スライドシャフト66,67によって支持されている。第1フィーダユニット61および第2フィーダユニット62は、第1フィーダ移動ユニット63および第2フィーダ移動ユニット64によって駆動され、スライドシャフト66,67に沿って、フィルム幅方向に移動する。
【0075】
(2−5−1)第1フィーダユニットおよび第2フィーダユニット
第1フィーダユニット61の構成と第2フィーダユニット62の構成とは、概ね同様である。したがって、以下、図12,図13A〜図13Cを用いて、第1フィーダユニット61の構成を説明する。
【0076】
第1フィーダユニット61は、主として、導入ユニット22と、下ベルト23と、上ベルト24と、上流域クランプ25、中流域クランプ26、下流域クランプ27と、これらの構成を支持するフレーム21とを含む。
【0077】
(a)導入ユニット
導入ユニット22は、下ベルト23と上ベルト24との間に、フィルムF1,F2を導入する。導入ユニット22は、第1フィーダユニット61の上流側、すなわち、ローディングユニット70の近傍に配置される(図12参照)。また、図12に示すように、導入ユニット22は、平面上で下ベルト23と重なる位置に配置される。
【0078】
導入ユニット22は、第1端部と、第1端部の反対側の端部である第2端部とを有する(図12、図13Aおよび図13B参照)。第1端部は、フィルム送り出し機構5の近傍に配置される。第1端部には、導入プーリ22aが取り付けられている。導入プーリ22aは、下ベルト23のプーリ21bの回転に従動する。導入プーリ22aには、図12および図13Bに示すように、上ベルト24が掛けられる。導入プーリ22aの回転により、上ベルト24が駆動する。
【0079】
第2端部は、導入ユニット回動軸22bを有する。導入ユニット回動軸22bは、図示しないソレノイドにより駆動する。導入ユニット22は、導入ユニット回動軸22bを支点に、第1端部を開閉する。具体的には、第1端部は、下ベルト23から離れた上位置と、下ベルト23に接近した下位置との間を、所定のタイミングで行き来する。ここで、所定のタイミングとは、ローディングユニット70によってフィルムF1,F2が受け渡されるタイミングである。すなわち、導入ユニット22は、ローディングユニット70によってフィルムF1,F2が引き渡されると、導入ユニット回動軸22bを中心に、第1端部が下位置に移動する。これにより、フィルムF1,F2は、上ベルト24と下ベルト23との間で挟持される。
【0080】
導入ユニット22は、第1の所定時間、第1端部を下位置に留める。第1の所定時間の間、フィルムF1,F2は、上ベルト24と下ベルト23との間で狭持され続ける。ここで、第1の所定時間とは、ローディングユニット70がフィルムF1,F2を引き渡すタイミングから、カッター機構7によってフィルムF1,F2が切断されるタイミングまでの時間である。
【0081】
また、導入ユニット22は、後述のクランプがフィルムF1,F2をクランプするタイミングに併せて第1端部を下位置に移動させる。
【0082】
(b)下ベルト
下ベルト23は、フィルムF1に下から接触する。下ベルト23は、図13Bに示すように複数のプーリに掛け渡される。複数のプーリには、プーリ21bと、プーリ21cとが含まれる。プーリ21bは、フィルムの搬送方向上流側に配置される。プーリ21cは、フィルムの搬送方向下流側に配置される。プーリ21cは、駆動モータにつながっている。プーリ21bは、プーリ21cの動きに従動する。駆動モータは、上述のロール駆動部43に同期してプーリ21cを駆動させる。駆動モータによるプーリ21cの駆動により、第1フィーダユニット61および第2フィーダユニット62の下ベルト23が動作する。
【0083】
(c)上ベルト
上ベルト24は、下ベルト23の上に乗っている。上ベルト24は、下ベルト23の動きに従動する。上ベルト24もまた、図13Bに示すように、複数のプーリに掛け渡されている。複数のプーリには、上述した導入ユニット22の導入プーリ22aが含まれる。フィルムF1,F2は、上ベルト24と下ベルト23との間に巻き込まれながら下流に搬送される。
【0084】
(d)クランプ
クランプには、上流域クランプ25、中流域クランプ26、および下流域クランプ27が含まれる。図13Cに示すように、上流域クランプ25は、フィルムの搬送方向上流側に配置され、下流域クランプ27は、フィルムの搬送方向下流側に配置され、中流域クランプ26は、上流域クランプ25および下流域クランプ27の間に配置される。クランプ25〜27は、平面上でベルト23,24とずれた位置に配置される。具体的に、クランプ25〜27は、フィルムの幅方向に対して、ベルト23,24の内側に配置される。クランプ25〜27の下方には、帯板21aが配置されている。
【0085】
クランプ25〜27は、図示しないソレノイドのオン/オフ切り替えによって作動する。具体的に、ソレノイドのオン/オフ切り替えにより、クランプ25〜27は、フィルムF1,F2に力を加えたり、フィルムF1,F2を解放したりする。より具体的には、ソレノイドがオンのとき、クランプ25〜27は、フィルムF1,F2の上面に接触して下向きの力を加える。これにより、クランプ25〜27と帯板21aとの間で、フィルムF1,F2が挟持される。一方、ソレノイドをオフすれば、フィルムF1,F2の緊張保持が解除される。ソレノイドは、フィルム搬送が完了したタイミングで、ONに切り替えられる。
【0086】
(2−5−2)第1フィーダ移動ユニットおよび第2フィーダ移動ユニット
第1フィーダ移動ユニット63は、第1フィーダユニット61の下方に取り付けられている。図3に示すように、第1フィーダ移動ユニット63は、駆動モータ63aと、ベルト63bとを有する。ベルト63bは、駆動モータ63aによりフィルム幅の両方向に移動する。
【0087】
また、第2フィーダ移動ユニット64は、第2フィーダユニット62の下方に取り付けられている。図3に示すように、第2フィーダ移動ユニット64は、駆動モータ64aと、ベルト64bとを有する。ベルト64bは、駆動モータ64aによりフィルム幅方向に移動する。
【0088】
ベルト63bがフィルムの幅方向に移動することにより、第1フィーダユニット61もフィルムの幅方向に移動する。同様に、ベルト64bがフィルムの幅方向に移動することにより、第2フィーダユニット62もフィルムの幅方向に移動する。
【0089】
(2−6)カッター機構
カッター機構7は、フィルム送り出し機構5がフィルム搬送機構6へフィルムを受け渡した後、フィルム送り出し機構5とフィルム搬送機構6との間で張られたフィルムFを切断する。具体的には、フィルム搬送機構6がフィルムを所定量搬送した後に、カッター機構7は、フィルム送り出し機構5とフィルム搬送機構6との間で張られたフィルムFを切断する。
【0090】
カッター機構7は、図2および図12等に示すように、フィルム送り出し機構5とフィルム搬送機構6との間に配置される。また、カッター機構7は、切断刃7aを有する(図2等参照)。切断刃7aは、フィルム幅よりも長い。切断刃7aは、アクチュエータによって上下方向に移動させられる。
【0091】
(2−7)シール機構,ラベルプリンター,ラベル発行機
シール機構8は、折り込み機構37により被包装物の底面側に折り込まれたフィルムF1,F2を熱シールする。また、シール機構8は、包装済みのトレーTおよび物品G(商品)を排出する機能も有する。
【0092】
ラベルプリンター10は、物品に関する情報をラベルに印字する。ここで、物品に関する情報とは、商品名および値段等である。
【0093】
ラベル発行機11は、ラベルプリンター10によって印字されたラベルを、排出された包装済みの商品に貼り付ける。
【0094】
(2−8)制御装置
制御装置9は、本体1aの上部に配置されているコンピュータである。コンピュータは、表示パネル9a、操作キー9b、および記憶部9c等を有する。制御装置9は、上記の各機構の作動を制御する(図14参照)。
【0095】
また、制御装置9は、計量搬入機構2により計量された物品Gの重量を示す信号に基づいて物品Gの価格の算出等を行う。さらに、制御装置9は、物品Gの重量や価格等をラベルに印字するラベルプリンター10やラベル発行機11の作動を制御する。
【0096】
表示パネル9aは、タッチパネル式のディスプレイである。ディスプレイには操作ボタンも表示される。また、記憶部9cには、表示パネル9aや操作キー9bなどから入力された、あるいは外部の装置から転送された各種データが記憶されている。各種データには、フィルムF1,F2に関するデータや、包装する物品Gに関する情報等が含まれる。
【0097】
オペレータによる操作は、表示パネル9a内の操作ボタンや操作キー9bの他、各スイッチやダイヤル15,16,17,18,19によっても受け付けられる(図14参照)。なお、操作ボタンには、フィルムセットボタン15が含まれる。フィルムセットボタン15は、フィルムロールR1,R2の交換時に用いられる。具体的には、フィルムセットボタン15は、フィルム送り出し機構5のローディングユニット70を、ローディングポジションに切り替えるためのボタンである。オペレータにより受け付けられる操作には、包装する物品Gの種類および個数、物品Gを包装する速度、およびフィルムロールR1,R2の選択等が含まれる。
【0098】
また、制御装置9には、蓋開閉センサ14が接続されている。蓋開閉センサ14は、ケーシング1bの蓋1dの開閉を監視する近接スイッチである。制御装置9は、蓋開閉センサ14が開けられたり閉められたりしたときに、その状態変化の検知結果を、蓋開閉センサ14から受け取る。制御装置9は、蓋開閉センサ14から検知結果を受け取ると、ローディングユニット70を、選択されているフィルムロールR1,R2に適した姿勢に変更する。
【0099】
なお、制御装置9と接続される各種の制御線および基板等は、ケーシング1b内の電装品ボックス13に収納されている(図2参照)。上述したように、ケーシング1bには、ロール保持機構4が設置されている。電装品ボックス13に収納される基板から発せられる熱は、ケーシング1b内を温めるため用いられる。
【0100】
(3)ストレッチ包装装置の動作
(3−1)全体の動作概略
次に、本実施形態に係るストレッチ包装装置1の動作を簡単に説明する。ストレッチ包装装置1では、物品Gを収容したトレーTが、オペレータによって計量搬入機構2の計量器上に載せられると(図15参照)、計量値が安定して計量が完了するのを待って、搬入ベルト2bが動き出す。搬入ベルト2bの動きに従って搬入ベルト2bに固定されている突起が移動し、物品Gを載せたトレーTをリフター機構30の支持部材33上に押し出す(図15参照)。
【0101】
一方、フィルム送り出し機構5によってフィルム搬送機構6へと受け渡されたフィルムF1,F2は、カッター機構7により切断されて1枚の長方形状のフィルムF1,F2になる。フィルムF1,F2は、リフター機構30の上方まで両フィーダユニット61,62によって運ばれると、各クランプ25〜27の作動によりフィルムF1,F2の幅方向両側が緊張保持される(図16参照)。
【0102】
リフター機構30は、緊張保持されたフィルムFに対して、物品GおよびトレーTを押し上げる(図17参照)。これにより、フィルムF1,F2の幅方向量側を緊張保持されているフィルムF1,F2は物品GおよびトレーTを覆うように伸張する。
【0103】
フィルムF1,F2が物品GおよびトレーTを覆う状態で、折り込み機構37が動作を開始する。具体的には、後折り込み板78および左右折り込み板76,77がトレーTの底面側に水平移動する。また、適当なタイミングで、正面側(図17の左側)にあるクランプ26以外のクランプ25〜27がフィルムF1,F2の保持を解除する。クランプ25〜27によるフィルムF1,F2の保持の解除後、フィルムF1,F2の周囲3辺がトレーTの下側に折り込まれる。
【0104】
その後、排出プッシャー79aがトレーTをシール機構8側に押し出すと、折り込まれていなかった正面側のフィルムF1,F2の1辺が前折り込み棒79に接触する。前折り込み棒79に接触したフィルムF1,F2は、トレーTがシール機構8側へ移動するにしたがって、トレーTの下側に折り込まれていく。正面側のクランプ26は、このときにフィルムF1,F2の保持を解除する。トレーTの下側に折り込まれたフィルムFは、熱シールされた後、排出される(図18参照)。
【0105】
なお、ラベル貼付を含む処理を選択している場合には、計量値に基づいて算出される商品の値段や重量などがラベルプリンター10によってラベルに印字され、その後、ラベルがラベル発行機11によりフィルムF1,F2に貼付される。
【0106】
(3−2)フィルム送り出し機構における動作
次に、図19を参照して、フィルム送り出し機構5における動作について説明する。
【0107】
まず、ステップS1において、オペレータによってフィルムセットボタンが押されたかどうかが判断される。フィルムセットボタンが押された場合には、ステップS2に進む。
【0108】
ステップS2では、ローディングユニット駆動モータ54がローディングユニット回転軸70aを回転させ、ローディングユニット70を第3の姿勢(ローディングポジション)に切り替える。すなわち、第1把持ユニット71および第2把持ユニット72が、基準線Lに対して対称の位置に位置するように、ローディングユニット回転軸70aが回転される(図9A参照)。
【0109】
次に、ステップS3において、ケーシング1bの蓋1dが閉められたかどうかが、蓋開閉センサ14から送信される検知結果に基づいて判断される。ステップS3では、蓋1dが閉められたと判断されるまで待機し、蓋1dが閉められると、ステップS4に進む。
【0110】
ステップS4では、いずれのフィルムF1,F2が選択されているかが判断される。ステップS4において、1フィルムF1が選択されていると判断された場合には、ステップS5に進む。一方、フィルムF2が判断されていると判断された場合には、ステップS6に進む。
【0111】
ステップS5では、ローディングユニット駆動モータ54がローディングユニット回転軸70aを回転させてローディングユニット70を第1の姿勢(第1フィーディングポジション)に切り替える。すなわち、第1把持ユニット71が水平になるように、ローディングユニット回転軸70aが回転される(図9B参照)。
【0112】
一方、ステップS6では、ローディングユニット駆動モータ54がローディングユニット回転軸70aを回転させてローディングユニット70を第2の姿勢(第2フィーディングポジション)に切り替える。すなわち、第2把持ユニット72が水平になるように、ローディングユニット回転軸70aが回転される(図9C参照)。
【0113】
(3−3)フィルム送り出し処理
次に、図20A〜図21Dを用いて、フィルム送り出し機構5からフィルム搬送機構6までフィルムF1,F2が送られる処理(フィルム送り出し処理)の流れについて説明する。なお、図20A〜図20Dには、フィルムF1が選択されている場合のフィルム送り出し処理を示す。また、図21A〜図21Dには、フィルムF2が選択されている場合のフィルム送り出し処理を示す。
【0114】
フィルムF1が用いられる場合、ストレッチ包装装置1は、図20Aの矢印A2が示す方向に、ローディングユニット70を傾けて、第1把持ユニット71を水平にする。その後、ストレッチ包装装置1は、図20Bの矢印A3が示すように、ローディングユニット移動フレーム51をフィルム搬送機構6に近づける。その後、ストレッチ包装装置1は、図20Cの矢印A4で示すように、導入ユニット22を下位置に移動して下ベルト23との間にフィルムF1を狭持する。また、ストレッチ包装装置1は、矢印A5で示す方向に、ローディングユニット移動フレーム51を移動させる。その後、ストレッチ包装装置1は、下ベルト23および上ベルト24の間に、所定量のフィルムF1を導入する。所定量のフィルムF1が下ベルト23および上ベルト24の間に導入されると、図20Dの矢印A6に示すように、カッター機構7を動作させ、フィルム送り出し機構5と、フィルム搬送機構6との間に掛け渡されたフィルムF1を切断する。
【0115】
また、フィルムF2が用いられる場合には、ストレッチ包装装置1は、図21Aの矢印A2が示す方向に、ローディングユニット70を大きく傾けて、第2把持ユニット72を水平にする。その後、ストレッチ包装装置1は、図21Bの矢印A3が示すように、ローディングユニット移動フレーム51をフィルム搬送機構6に近づける。その後、ストレッチ包装装置1は、図21Cの矢印A4で示すように、導入ユニット22を下位置に移動して下ベルト23との間にフィルムF1を狭持する。また、ストレッチ包装装置1は、矢印A5で示す方向に、ローディングユニット移動フレーム51を移動させる。その後、ストレッチ包装装置1は、下ベルト23および上ベルト24の間に、所定量のフィルムF1を導入する。所定量のフィルムF1が下ベルト23および上ベルト24の間に導入されると、図21Dの矢印A6に示すように、カッター機構7を動作させ、フィルム送り出し機構5と、フィルム搬送機構6との間に掛け渡されたフィルムF1を切断する。
【0116】
(4)特徴
(4−1)
本実施形態に係るストレッチ包装装置1は、省スペース化を図るため、本体1aの片側に1のケーシング1bを有し、ケーシング1bに、複数のフィルムロールR1,R2が装填可能な構成になっている。また、ストレッチ包装装置1は、複数のフィルムロールR1,R2のそれぞれから繰り出されたフィルムF1,F2をフィルム搬送機構6に送り出すことができるよう、フィルム送り出し機構5を有する。フィルム送り出し機構5では、使用するフィルムF1,F2に応じて、ローディングユニット70の姿勢を切り替えている。さらに、ストレッチ包装装置1は、フィルムロールR1,R2の装填がしやすいように、ローディングポジション(第3の姿勢)を有する。
【0117】
これにより、省スペースに複数のフィルムロールR1,R2を配置した場合であっても、フィルムロール装填の操作性を向上させることができる。
【0118】
(4−2)
また、上記実施形態に係るストレッチ包装装置1では、フィルムF1を把持する第1把持ユニット71と、フィルムF2を把持する第2把持ユニット72とがローディングユニット回転軸70aに支持されている。また、ローディングユニット回転軸70aを回転させることにより、ローディングユニット70の姿勢を切り替えている。
【0119】
これにより、使用するフィルムの切り替えを省スペースで行うことができる。
【0120】
(4−3)
さらに、上記実施形態に係るストレッチ包装装置1では、ローディングポジションに切り替えることにより、第1把持ユニット71および第2把持ユニット72の両方が、フィルム搬送機構6から離れた位置に移動する。したがって、ローディングユニット70に対してフィルムF1およびフィルムF2のいずれを把持させる場合も、容易に行うことができる。
【0121】
(4−4)
また、上記実施形態に係るストレッチ包装装置1では、第1把持ユニット71は、本体1aに近い位置に配置され、第2把持ユニット72は、本体1aから離れた位置に配置されている。また、複数のフィルムF1,F2を使用可能にするように、フィルムF1をフィルム搬送機構6に送り出す際はローディングユニット70を第1の姿勢にし、フィルムF2をフィルム搬送機構6に送り出す際は、ローディングユニット70を第2の姿勢に切り替えている。
【0122】
ここで、フィルムF2を使用している途中でフィルムF2がなくなった場合には、ローディングユニット70は、第2の姿勢をとっている。第2把持ユニット72にフィルムF2を把持させるためには、板部材257に対して板部材258を垂直方向上側に回動させ、板部材258と板部材257との間にフィルムF2を把持させる。ケーシング1bの蓋1cを開けておけば、第2把持ユニット72の上方には広いスペースがある。そのため、フィルムF2を第2把持ユニット72に把持させることは容易である。しかし、フィルムF1を使用している途中でフィルムF1がなくなった場合には、ローディングユニット70は、第1の姿勢をとっている。そのため、第1把持ユニット71にフィルムF1を把持させようとすると、板部材157に対して板部材158を垂直方向下側に回動させることになる。このとき、オペレータは、低い姿勢で作業を行わなければならず、作業が煩雑である。
【0123】
上記実施形態に係るストレッチ包装装置1は、ローディングユニット70がローディングポジションをとっているとき、板部材158および板部材258を左右方向に回動可能な構成としている。これにより、オペレータに無理な姿勢を強いる必要がない。また、フィルムF1,F2をローディングユニット70に把持させるために必要なスペースを低減させることができる。
【0124】
(4−5)
上記実施形態に係るストレッチ包装装置1は、電装品ボックス13をケーシング1bの内部に配置し、電装品ボックス13の内部に収納された基板からの発熱を利用してフィルムロールR1,R2を温めている。一般的に、ストレッチ包装装置1は、スーパーマーケット等のバックヤードに配置される。すなわち、ストレッチ包装装置1は、物品の在庫が保管されている場所や、物品が加工されている場所に配置される場合が多い。バックヤードの温度は、売り場の温度と比較して、十分に制御されていない。そのため、バックヤードの温度によっては、ストレッチ包装装置1に装填されたフィルムロールR1,R2からフィルムF1,F2が適切に繰り出されない場合がある。従来は、ケーシング1b内の温度を温めるため、ファンヒータを用いていた。
【0125】
しかし、上記実施形態に係るストレッチ包装装置では、電装品ボックス13をケーシング1bの内部に配置し、基板の発熱をケーシング1b内の温度調整に利用している。すなわち、廃熱を利用して、フィルムロールR1,R2が設置されている空間の温度調節がされる。これにより、フィルムF1,F2の繰り出しを確実に行うことができる。また、ファンヒータの設置を省略またはファンヒータの稼働時間を低減することができる。
【0126】
(5)変形例
(5−1)
上記実施形態に係るストレッチ包装装置1は、電装品ボックス13をケーシング1bの内部に配置し、電装品ボックス13の発熱を利用してケーシング1bの内部の温度調整を行っている。ここで、温度調整を行うため、ヒートシンクが用いられてもよい。
【0127】
(5−2)
上記実施形態に係るストレッチ包装装置1は、トレーTに載せた物品Gを包装したが、ストレッチ包装装置1は、物品Gのみを包装する場合に用いてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 ストレッチ包装装置
1a 本体
1b ケーシング
1c,1d 蓋
2 計量搬入機構
3 包装ステーション(包装部)
4 ロール保持機構
5 フィルム送り出し機構(フィルム引き渡し機構)
6 フィルム搬送機構(搬送機構)
7 カッター機構
8 シール機構(包装部)
9 制御装置
51 ローディングユニット移動フレーム
52 ローディングユニット駆動モータ(切り替え部)
70 ローディングユニット
71 第1把持ユニット(第1フィルム把持部)
72 第2把持ユニット(第2フィルム把持部)
73 ローディングユニット回転軸(支持軸)
F1,F2 フィルム(第1フィルム,第2フィルム)
R1,R2 フィルムロール
【先行技術文献】
【特許文献】
【0129】
【特許文献1】特開2003−95208号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フィルムまたは第2フィルムを緊張保持して物品に相対的に押し付け、前記第1フィルムまたは前記第2フィルムで前記物品を包装する包装部と、
前記包装部に前記第1フィルムまたは前記第2フィルムを搬送する搬送機構と、
前記第1フィルムおよび前記第2フィルムのいずれかを選択的に前記搬送機構に引き渡すフィルム引き渡し機構と、
を備え、
前記フィルム引き渡し機構は、
前記第1フィルムを把持する第1フィルム把持部と、
前記第2フィルムを把持する第2フィルム把持部と、
前記第1フィルム把持部が前記第1フィルムを前記搬送機構に受け渡す姿勢である第1姿勢と、前記第2フィルム把持部が前記第2フィルムを前記搬送機構に受け渡す姿勢である第2姿勢と、前記第1フィルムを前記第1フィルム把持部に把持させることが可能な姿勢である第3姿勢とを切り替える切り替え部と
を含む、
ストレッチ包装装置。
【請求項2】
前記第3姿勢は、前記第2フィルムを前記第2フィルム把持部に把持させることも可能な姿勢である、
請求項1に記載のストレッチ包装装置。
【請求項3】
前記フィルム引き渡し機構は、
前記第1フィルム把持部および前記第2フィルム把持部を支持する支持軸をさらに含み、
前記切り替え部は、前記支持軸の回転角度を変更することにより、前記第1姿勢、前記第2姿勢、および前記第3姿勢のいずれか一つに切り替える、
請求項1または2に記載のストレッチ包装装置。
【請求項4】
前記第1姿勢は、前記第1フィルム把持部の先端から前記搬送機構までの距離が、前記第2フィルム把持部から前記搬送機構までの距離よりも近く、
前記第2姿勢は、前記第2フィルム把持部の先端から前記搬送機構までの距離が、前記第1フィルム把持部から前記搬送機構までの距離よりも近く、
前記第3姿勢は、前記第1姿勢および前記第2姿勢よりも、前記第1フィルム把持部の先端から前記搬送機構までの距離および前記第2フィルム把持部の先端からの前記搬送機構までの距離が遠い、
請求項1から3のいずれかに記載のストレッチ包装装置。
【請求項5】
前記第1フィルム把持部は、
第1板部材と、
前記第1板部材に対して接近および離反可能な第2板部材と
を含み、
前記第2フィルム把持部は、
第3板部材と、
前記第3板部材に対して接近および離反可能な第4板部材と
を含み、
前記第1フィルムは、前記第1板部材と前記第2板部材との間で把持され、
前記第2フィルムは、前記第3板部材と前記第4板部材との間で把持される、
請求項1から4のいずれかに記載のストレッチ包装装置。
【請求項6】
前記支持軸は、前記第1板部材と前記第3板部材とを近接した位置で支持し、
前記第2板部材は、第1方向に移動することにより、前記第1板部材に接近し、前記第4板部材は、前記第1方向の反対の方向である第2方向に移動することにより、前記第3板部材に接近する、
請求項3から5のいずれかに記載のストレッチ包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【公開番号】特開2012−176778(P2012−176778A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40899(P2011−40899)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】