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ストレッチ布帛
説明

ストレッチ布帛

【課題】ヒステリシスロスが小さく、回復時応力が高い布帛の提供。
【解決手段】弾性糸が使われているストレッチ布帛であって、該布帛より抜き出した弾性糸の300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度が0.060cN/dt以上であり、かつ、回復率が80%以上である前記布帛。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回復時応力が高く、ヒステリシスロスが小さいストレッチ布帛に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレッチ布帛は、水着やタイツ等に代表されるスポーツ衣料分野、インナーウェア、アウターウェア、ストッキング等の衣料分野を始め、オムツに代表される衛生材料分野、産業資材分野等に広く使用されている。
これらの分野にストレッチ布が使用される場合には、薄地化、軽量化、高性能化が益々求められるようになってきた。特に、近年、着用中のフィット感を高めたスポーツ衣料、インナーウェアや、着用中のサポート力が通常のものよりも高く、優れた体型補正機能、疲労軽減機能を持つストッキング、ガードルなどの製品が注目を集めている。これらの製品の分野においては、生地を薄地・軽量・透明化することや、より高いストレッチ性能を発現することでより高機能化することが強く求められている。
【0003】
ここでいう「ストレッチ性能」とは、衣服を着用しようとする時に感じる抵抗と関係する伸長時応力、及び衣服を着用している最中のフィット感と関係する回復時応力を意味する。伸長時応力は高ければ高い程良い訳ではなく、伸長時の応力が高すぎるポリウレタン弾性繊維から作製した衣料は伸びづらく着用しづらいものになってしまう。つまり、伸長時の応力は、従来品レベルであり、着用し易いものである一方、回復時の応力は、従来品よりも高く、フィット感のより高いものであることが求められている。これは、ポリウレタン弾性繊維の回復時応力が高く、かつ、伸長回復時のヒステリシスロスが小さいことと対応している。さらには、ポリウレタン弾性繊維の編成、製織、製紐等の加工性・生産性と密接な関係がある耐熱性、破断伸度も高いレベルが求められている。
【0004】
以下の特許文献1には、炭素数が2〜10の異なるアルキレンエーテルからなる共重合ポリアルキレンエーテルジオールから製造したポリウレタンウレアからなるポリウレタン弾性繊維であって、ウレタン部分とウレア部分の数平均分子量が特定範囲であるポリウレタンウレアからなるポリウレタン弾性繊維が開示されている。このポリウレタン弾性繊維は、伸長時応力を低くすることが意図されており、得られたポリウレタン弾性繊維はヒステリシスロスが小さいものの、回復時応力も低いものである。またこのポリウレタン弾性繊維を使って、伸びがよく、耐久性が高いストッキングが得られているものの、十分に高いフィット性は有していない。
【0005】
また、以下の特許文献2と特許文献3には、側鎖を有する共重合ポリエーテルジオールを原料とするポリウレタン弾性繊維を使用した編地や織物が開示されている。これらの編地や織物は着脱し易いものであるものの、十分に高いフィット性は有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3717186号公報
【特許文献2】特許第2733321号公報
【特許文献3】特許第2835358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かかる状況下、本発明が解決しょうとする課題は、ヒステリシスロスが小さく、回復時応力が高いストレッチ布帛を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、弾性糸が使われているストレッチ布帛において、布帛より抜き出した弾性糸の300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度が0.060cN/dt以上であり、かつ、回復率が80%以上とすることで、所望のストレッチ布帛を得ることができることを予想外に見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
[1]弾性糸が使われているストレッチ布帛であって、該布帛より抜き出した弾性糸の300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度が0.060cN/dt以上であり、かつ、回復率が80%以上である前記布帛。
【0010】
[2]前記弾性糸は、炭素数2〜10の異なるアルキレンエーテルからなる共重合ポリアルキレンエーテルジオール、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びジアミンからなるポリウレタンウレアであって、下記式(1):
ハードセグメント分率(%)=(ウレア部分の数平均分子量)/{(ウレタン部分の数平均分子量)+(ウレア部分の数平均分子量)}×100 (1)
により求められるハードセグメント分率が14%以上25%以下であるポリウレタンウレアからなるポリウレタン弾性繊維である、前記[1]に記載の布帛。
【0011】
[3]前記ウレタン部分の数平均分子量が3000〜6000である、前記[2]に記載の布帛。
【0012】
[4]前記ジアミンは、2つのアミン基の間のアルキル部分の炭素数が3以下の直鎖又は分岐脂肪族第一ジアミンと、これと異なる、2つのアミン基の間のアルキル部分の炭素数が3以下の直鎖又は分岐脂肪族第二ジアミンとの混合物からなる、前記[2]又は[3]に記載の布帛。
【0013】
[5]全ジアミン中の第二ジアミンのモル分率が2〜20モル%である、前記[4]に記載の布帛。
【0014】
[6]前記共重合ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量が1000〜3000である、前記[2]〜[5]のいずれかに記載の布帛。
【0015】
[7]前記共重合ポリアルキレンエーテルジオールが、テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールの共重合体、及び/又はテトラヒドロフランと3−メチル−1,5−ペンタンジオールの共重合体である、前記[2]〜[6]のいずれかに記載の布帛。
【0016】
[8]以下の工程:
炭素数が2〜10の異なるアルキレンエーテルジオールからなる共重合ポリアルキレンエーテルジオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを反応させて、両末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマーを合成し、
得られたウレタンプレポリマーにジアミンを添加し、不活性溶剤中で反応させて、ポリウレタン溶液を得、
得られたポリウレタン溶液を乾式紡糸して、前記[2]に記載のポリウレタン弾性繊維を得、そして
得られたポリウレタン弾性繊維を用いてストレッチ布帛を作製する、
前記[2]〜[7]のいずれかに記載の布帛の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明のストレッチ布帛は回復時応力が高く、ヒステリシスロスが小さいため着用感に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタンウレアのハードセグメント分率の範囲を斜線で示したグラフである。グラフ中の斜めの2本の境界線は、それぞれ、ハードセグメント分率が14%と25%である点を結んだ線である。
【図2】本発明に係るポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタンウレアのNMRスペクトル図である。
【図3】本発明に係るポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタンウレアのウレタン部分とウレア部分の構造式の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るストレッチ布帛は、弾性糸が使われているストレッチ布帛である。かかるストレッチ布帛としては、弾性繊維と非弾性繊維との交編織が好ましい。弾性繊維は、裸糸であっても、被覆弾性糸であってもよい。
本発明に係るストレッチ布帛においては、該布帛より抜き出した弾性糸の300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度が0.060cN/dt以上であり、かつ、回復率が80%以上である。これにより、着用感に優れた布帛を得ることができる。
【0020】
弾性繊維は、複合繊維の製造工程や、編成・製織工程、染色工程を経ることで、その性能を低下させていく。特に、熱処理を受ける染色工程での性能低下が顕著である。300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度が十分に高く、回復率が高い弾性糸を用いて布帛を製造しても、熱処理を受ける染色工程を経ることで、その物性は低下し、十分な着用感が得られない。したがって、弾性繊維は、布帛の中でも十分な回復時強度と回復率を有することが重要である。本発明に係るストレッチ布帛においてはは、該布帛より抜き出した弾性糸の300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度は、0.60cN/dt以上、好ましくは0.065cN/dt以上、より好ましくは0.070cN/dt以上であり、かつ、回復率は、80%以上、好ましくは83%以上、より好ましくは85%以上である。
【0021】
本発明に係るストレッチ布帛に使われる弾性繊維は、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系弾性繊維、ポリエーテルエステル系弾性繊維、ポリオレフィン系弾性繊維、ポリウレタン弾性繊維などが挙げられ、これらの一種又は2種以上を混用してもよいが、コスト・汎用性・ストレッチ性の観点から、好ましくはポリウレタン弾性繊維を用いる。
【0022】
本発明に係るストレッチ布帛に使われる弾性繊維は、好ましくは、炭素数2〜10の異なるアルキレンエーテルからなる共重合ポリアルキレンエーテルジオール、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びジアミンからなるポリウレタンウレアであって、下記式(1):
ハードセグメント分率(%)=(ウレア部分の数平均分子量)/{(ウレタン部分の数平均分子量)+(ウレア部分の数平均分子量)}×100 (1)
により求められるハードセグメント分率が14%以上25%以下であるポリウレタンウレアからなるポリウレタン弾性繊維である。
【0023】
かかるポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタンウレアの製造に用いる共重合ポリアルキレンエーテルジオールは、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、デカメチレン等の炭素数2〜10の直鎖状の、又は1,2−プロピレン、3−メチルテトラメチレン、3−メチルペンタメチレン、2,2−ジメチルプロピレン等の炭素数2〜10の分岐状のアルキレン基の2種以上がエーテル結合している共重合ポリアルキレンエーテルジオールであることができる。2種以上のアルキレン基は、交互状、ブロック状又はランダム状にエーテル結合していてよい。得られるポリウレタン弾性繊維のストレッチ性能、耐水性、耐光性、耐摩耗性の観点から、1のアルキレン基がテトラメチレン基であり、他のアルキレン基が2,2−ジメチルプロピレン基、3−メチルペンタメチレン基であることが好ましい。テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基の共重合ポリアルキレンエーテルジオールが特に好ましい。得られるポリウレタン繊維の強度又は破断伸度の観点から、テトラメチレン基と共重合している他のアルキレン基の共重合比率は4モル%以上85モル%以下であることが好ましく、8モル%以上40モル%以下であることがより好ましい。共重合ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量は1000〜3000であることが好ましい。数平均分子量が1000未満であると、破断伸度が低下し、一方、3000より大きいと伸長時応力、回復時応力や耐摩耗性に悪影響を及ぼす。
【0024】
ポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタンウレアの製造に用いる4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートは、単独で又は20モル%以下で2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと混用されてもよい。
【0025】
ポリウレタン弾性繊維を構成するポリウレタンウレアの製造に用いる、イソシアネート基と反応するジアミンとしては、イソシアネートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有するジアミンを使用することができる。この具体例として、ヒドラジン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン等の直鎖脂肪族ジアミン化合物、1,2−ジアミノプロパン、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミンの分岐脂肪族ジアミン化合物、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジアミン化合物、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン化合物、ピペラジン等の環式ジアミン化合物が挙げられる。
【0026】
ジアミンは、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよいが、得られる紡糸原液の安定性の観点から、2つのアミン基の間のアルキル部分の炭素数が3以下の直鎖又は分岐脂肪族第一ジアミンと、これとは異なる、2つのアミン基の間のアルキル部分の炭素数が炭素数3以下の直鎖又は分岐脂肪族第二ジアミンとの混合物であることが好ましい。炭素数3以下のジアミンを使用するのは、ウレア基の水素結合密度を高めて強固なものとし、ストレッチ性能や耐熱性を向上させるためである。ここで、炭素数3以下の直鎖又は分岐脂肪族ジアミンの例としては、炭素数0のヒドラジン、炭素数2のエチレンジアミン、炭素数3の1,3−ジアミノプロパン、N−メチルエチレンジアミン、N,N´−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N´−ジエチルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン等が挙げられる。
【0027】
炭素数3以下の直鎖又は分岐脂肪族第一ジアミンと、これとは異なる、炭素数3以下の直鎖又は分岐脂肪族第二ジアミンとの混合物の好適な例としては、エチレンジアミンと1,3−ジアミノプロパンの混合物、エチレンジアミンとN−エチルエチレンジアミンの混合物、エチレンジアミンと1,2−ジアミノプロパンの混合物、1,3−ジアミノプロパンとN−エチルエチレンジアミンの混合物、1,3−ジアミノプロパンと1,2−ジアミノプロパンの混合物、N−エチルエチレンジアミンと1,2−ジアミノプロパンの混合物が挙げられる。尚、これらのジアミンの組み合わせにおいては、どちらが第一ジアミンであってもよく、例えば、エチレンジアミンと1,3−ジアミノプロパンの混合物では、第一ジアミンはエチレンジアミンであっても、1,3−ジアミノプロパンであってもよい。
【0028】
ジアミンとして炭素数3以下の直鎖又は分岐脂肪族第一ジアミンと、これとは異なる、炭素数3以下の直鎖又は分岐脂肪族第二ジアミンとの混合物を使用する場合、全ジアミン中の第二ジアミンのモル分率は2〜20モル%であることが好ましい。第二ジアミンのモル分率が2%未満であると、紡糸原液の安定性が悪く紡糸工程での糸切れが多発し、一方、第二ジアミンのモル分率が20%より大きくなると、得られるポリウレタン弾性繊維の耐熱性が顕著に低下する。
【0029】
共重合ポリアルキレンエーテルジオール、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びジアミンからポリウレタンウレアを製造する方法には、公知のウレタン化反応の技術を応用することができる。まず、下記式(1):
ハードセグメント分率(%)=(ウレア部分の数平均分子量)/{(ウレタン部分の数平均分子量)+(ウレア部分の数平均分子量)}×100 (1)
で求められるハードセグメント分率が14%以上25%以下となるようにウレタン部分の数平均分子量とウレア部分の数平均分子量を決定する。
【0030】
ハードセグメント分率が14%未満であると、得られるポリウレタン弾性繊維の回復時応力や耐熱性は満足できるものではなく、一方、25%よりも大きいと、得られるポリウレタン弾性繊維の破断伸度は極端に小さくなってしまう。このとき、得られるポリウレタン繊維の伸度と回復時応力の観点から、ウレタン部分の数平均分子量は3000〜6000であり、かつ、ハードセグメント分率が14%以上25%以下となるように、ウレタン部分の数平均分子量と、ウレア部分の数平均分子量を決定することが好ましい。
【0031】
ポリウレタンウレアを製造するには、まず、バルク又は不活性溶媒中で、共重合ポリアルキレンエーテルジオールを過剰モルの4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと反応させ、分子鎖の両末端に未反応のイソシアネート基を持つウレタンプレポリマーを製造する。このプレポリマー中には未反応の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが含まれる。ウレタン部分の数平均分子量を制御するためには、共重合ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量Moと、共重合ポリアルキレンエーテルジオールに対する4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのモル比N1を調整する必要がある。
【0032】
ここで、ウレタン部分の数平均分子量Msは、下記式(2):
Ms={Mo+Mi(N1−N0)}/(N1−N0−1)−2Mi (2)
{式中、
Ms:ウレタン部分の数平均分子量;
Mo;共重合ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量;
Mi:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの分子量;
N0:下記式(3):
N0=aN1+bN1+cN1+dN1+e (3)
(式中、
a〜e:定数(a=0.03806、b=−0.3997、c=1.617、d=−2.144、e=0.8795)。)により求められる共重合ポリアルキレンエーテルジオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのウレタン反応後に存在する未反応の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのモル比;
N1:共重合ポリアルキレンエーテルジオールに対する4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのモル比。}により計算することができる。すなわち、使用する共重合ポリアルキレンエーテルジオールの分子量を決定した上で、上記式(2)のMsが所定の値となるように、共重合ポリアルキレンエーテルジオールに対する4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのモル比N1を設計すればよい。
【0033】
次に、製造したプレポリマーに、ウレア部分の数平均分子量が所定の値となるように、必要に応じて4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを追加で添加する。ウレア部分の数平均分子量を制御するためには、ジアミンの分子量Maと、プレポリマーに必要に応じて追加で添加する4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの量N2を調整する必要がある。ここで、ウレア部分の数平均分子量Mhは、下記式(4):
Mh={Ma(N1+N2−1)+Mi(N0+N2)}/(N1−N0−1)+2Mi (4)
{式中、
Mh:ウレア部分の数平均分子量;
Ma:ジアミンの分子量(2種類以上を混合して使用する場合はその数平均分子量);
Mi:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの分子量;
N0:上記式(3)により求められる共重合ポリアルキレンエーテルジオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのウレタン反応後に存在する未反応の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのモル比;
N1:共重合ポリアルキレンエーテルジオールに対する4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのモル比;
N2:共重合ポリアルキレンエーテルジオールに対する追加添加分の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのモル比。}により計算することができる。すなわち、使用するジアミンの分子量を決定した上で、上記式(4)のMhが所定の値となるように、共重合ポリアルキレンエーテルジオールに対する必要に応じて追加添加する4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのモル比N2を設計すればよい。4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを追加添加する必要がない場合には、N2は0であってもよい。
【0034】
このようにして必要に応じて、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを追加で添加したプレポリマーは、必要に応じて不活性溶媒で希釈して濃度を調整する。その後ジアミンを反応させ、ウレア部分を生成させることにより、所定の数平均分子量を有するウレア部分を持つポリウレタンウレアの溶液を製造することができる。尚、このときジアミンは不活性溶媒で希釈されていてもよい。また、生成するポリウレタンウレアの分子量を制御する目的で、ジアミン中に反応停止剤としてのモノアミン化合物を含んでいてもよい。また、反応停止剤としてのモノアミン化合物としては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルエチルアミン等が挙げられるが、分子量制御の容易さという観点から、ジエチルアミンが好ましい。
【0035】
ポリウレタンウレア製造において使用される不活性溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
製造したポリウレタンウレア溶液には、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、黄変防止剤、耐塩素剤等を添加してもよい。こうして得られたポリウレタンウレア溶液は、公知の乾式紡糸法又は湿式紡糸法でポリウレタン弾性繊維とすることができる。紡糸したポリウレタン弾性繊維には、油剤として、ポリアルキルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、鉱物油、タルク等の鉱物性微粒子、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸金属塩の粉末、パラフィンなどの種々のものを組み合わせて付与してもよい。
【0036】
本発明に係るストレッチ布帛は、丸編地、緯編地、経編地などの編地、織物全般の形態であることができる。かかる編地として使用可能な編成組織は、丸編地、緯編地又は経編地のいずれでもよい。緯編地としては、平編の基本組織、タック編、浮編、片畦編、レース編、添糸編、ジャガード編等の組織のいずれであってもよい。また、経編地として使用可能な編成組織としては、鎖編、デンビー編、コード編、アトラス編、挿入編等の基本組織、又はこれらの組み合わせによる変化組織のいずれであってもよい。弾性繊維と交編する場合は全面に編みこんでもよいし、所望する間隔に編みこんでもよい。弾性繊維を挿入することも可能である。
【0037】
丸編地は、一列針床を有する通常のシングルニット丸編機、二列針床を有する通常のダブルニット丸編機のような、給糸口数が多数あり、同時に複数本の糸を供給し得るフィーダーのある編機を用いて編成される。編機のゲージは、通常、5〜50ゲージであり、使用目的によって適宜選定すればよい。
緯編地は、大緯編機、小緯編機、両頭機、両面機、ジャガード機等の緯編機、シングルニードル機、ダブルニードル機等のフルファッション編機を用いて編成される。編機のゲージとしては、通常、3〜50ゲージであり、使用目的によって適宜選定すればよい。
経編地は、カールマイヤー整経機、リバー整経機等を用いた整経工程により、弾性繊維及び又は被覆弾性糸、非弾性繊維を各々、目的とする商品に合わせた本数を揃えてビームに巻き取り、その後、後述の編機に、弾性繊維及び又は被覆弾性糸、非弾性繊維のビームを設置して、編成される。
【0038】
経編地の編成には、トリコット編機、ラッセル編機、ダブルラッセル編機が使用でき、使用する糸のデニールや商品の狙いにより適宜使用デニール、編機種、ゲージを選択すればよい。編成組織としては、上述の基本編成組織、これらの組み合わせによる変化組織を用いて、トリコット編機では2枚筬組織のハーフ組織、サテン組織、ジャガード組織、又はこれらの組織の組み合わせによる変化組織等、ラッセル編機、ダブルラッセル編機では、パワーネット組織、サテンネット組織、ジャガード組織等によって所望の経編地が得られる。トリコット編機、ラッセル編機とも、3枚以上の筬組織で編成してもよい。編機のゲージは、通常10〜50ゲージであり、使用目的によって適宜選定すればよい。
【0039】
本発明の織物は、綿、麻などの天然繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン(製品名キュプラ)、特定セルロース(商品名テンセル)等の再生セルロース系繊維、ポリエステル、ポリアミド,PVA等の合成繊維などから一つ又は二つ以上選ばれて、常法で織られた織物であることができる。また、熱可塑性ポリウレタン繊維の特性を十分に発現させるために、ポリウレタン弾性繊維を、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどからなるポリエステル系弾性繊維などと交織してもよい。ポリウレタン弾性繊維は、原糸のまま製織されていてもよいいが(裸糸使い)、耐久性や風合い等の点から他の繊維と複合して用いることが好ましい。複合方法としては、引き揃え糸、エアーカバーリング、カバーリング、合撚糸、等が挙げられる。複合は、1種類だけではなく複数の組み合わせでもよい。得られた複合糸には、公知のスチームセットを行ってもよい。
【0040】
得られた複合糸の準備工程としては、公知の工程を用いればよく、サイジング又はワックスとして公知の剤を使用することができる。
糸の配列方法としては、公知の方法でよく、組織及び密度に従って適宜配列方法を決めればよい。例えば、本発明に係るポリウレタンの弾性繊維複合糸1本に対して、その他の弾性繊維を用いた複合糸10本を配列してもよい。
【0041】
製織においては、公知の織機、例えば、WJL、AJL、レピア等を用いることができる。
【0042】
また、本発明の布帛である丸編地、緯編地、経編地又は織物に関しては、生機を開反し、リラックス処理を施した後、染色工程を経て、樹脂加工を含めた仕上げセットなどを行う一般的な染色工程を使用することができる。
本発明に係るストレッチ布帛は、衣類に好適である。衣類としては、例えば、ショーツ、シャツ、キャミソール、スリップ、ボディスーツ、ブリーフ、トランクス、肌着、ガードル、ブラジャー、スパッツ、腹巻き、パンティストッキング、タイツ、靴下等のインナーウェア、水着、トレーニングウェア、レオタード、スキーウェア、各種競技用スポーツウェア、アウトドア用ウェア等のスポーツウェア、Tシャツ、ジャケット、セーター、ベスト、パンツ、スカート、カットソー、コート、ジャンパー等のアウターウェア、手袋、帽子、マフラー等の服飾品、パジャマ、ガウン等のナイトウェア、介護用ウェア等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0043】
以下、実施例及び参考例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例等において、以下の測定方法を用いた。
【0044】
(1)ストレッチ布帛から抜き出した弾性繊維の300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度、及び回復率
ストレッチ布帛から、弾性繊維を長さ100mmで5本抜出し、以下の方法で前記伸長強度、及び回復率を測定した。
まず、抜き出した弾性繊維100mm5本の重量W(g)を測定し、下記式:
繊度(dt)=10,000×W/0.5
により、繊度(dt)を求めた。
次に、引張試験機(オリエンテック(株)製RTG−1210型テンシロン)を使用し、20℃、相対湿度65%の条件下で、500mm/分の速度でチャック間距離50mmで伸度0%〜300%の繰り返し伸縮試験を実施したときの伸長時の応力をS−モジュラス、収縮時の応力をR−モジュラスとし、伸度200%における繰り返し3回目のS−モジュラスとR−モジュラスを測定した。R−モジュラスを先に測定した繊度で割った値を、300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度(以下の表2中、「200%R−Mod cN/dt」で表す。)とし、また回復時の回復率%を測定した。また、繰り返し3回目のS−モジュラスに対するR−モジュラスの比を200%応力保持率と呼び、ヒステリシスロスの指標とした。この200%応力保持率が大きいほど、ヒステリシスロスが小さいポリウレタン弾性繊維であることを示している。一つの試験糸につき測定は5回行い、その平均値を採用した。
【0045】
(2)ウレタン部分およびウレア部分の数平均分子量とハードセグメント分率の測定方法
上記(1)で抜き出したポリウレタン弾性繊維を、石油エーテルで洗浄して油剤を除去し、その後、クロロホルムを溶媒としてソックスレー抽出を行い、有機系添加剤を除去した。クロロホルムを乾燥除去し、以下の装置と測定条件で測定を行った:
測定装置:BRUKER社製AVANCEII
測定核:1H
共鳴周波数:400MHz
積算回数:128回
測定温度:25℃
溶媒:重水素化ジメチルホルムアミド
測定濃度:1.5重量%
化学シフト基準:テトラメチルシラン(0ppm)。
【0046】
前記測定条件下で測定したNMRスペクトルの例を図2に示す。図2中の線PがNMRスペクトルであり、Iがその積分曲線である。両端がウレタン結合である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチレン基のピーク(f1)が3.872ppmに、一方がウレタン結合でもう一方がウレア結合である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチレン基のピーク(f2)が3.839ppmに、両端がウレア結合である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチレン基のピーク(f3)が3.805ppmに見られた。ピークf1の積分曲線の高さをF1とし、同様にf2、f3に対応する積分曲線の高さを、それぞれ、F2、F3とした。
【0047】
本発明に係るポリウレタンウレアのウレタン部分とウレア部分の構造式の一例を図3に示す。図3中のRは共重合ポリアルキレンジオールの残基、Rは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの残基、Rはジアミンの残基を表し、f1は両端がウレタン結合である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチレン基の位置、f2は一方がウレタン結合でもう他方がウレア結合である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチレン基の位置、f3は両端がウレア結合である4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのメチレン基の位置を示し、これらは、図2に示すピークf1、f2、f3に、それぞれ、対応する。図3の構造式中のウレタン部分の平均繰り返し数n、ウレア部分の平均繰り返し数mは、それぞれ、下記式(5):
n=2×(F1/F2) (5)
と下記式(6):
m=2×(F3/F2) (6)
により求めることができる。
【0048】
したがって、ウレタン部分の数平均分子量Msとウレア部分の数平均分子量Mhは、それぞれ、下記式(7):
Ms=(Mo+Mi)×n+Mo (7)
{式中、
Mo;共重合ポリアルキレンジオールの数平均分子量;
Mi:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの分子量である。}と下記式(8):
Mh=(Ma+Mi)×m+Ma+2Mi (8)
{式中、
Ma:ジアミンの分子量(2種類以上を混合して使用する場合はその数平均分子量);
Mi:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの分子量である。}により求めることができる。
【0049】
(3)ストレッチ布帛の80%伸長繰り返し3回目の回復時50%伸長強度
得られたストレッチ布帛を、幅25mm、長さ150mmに裁断し、引張試験機(オリエンテック(株)製RTG−1210型テンシロン)を使用して、20℃、相対湿度65%の条件下で、500mm/分の速度でチャック間距離100mmで伸度0%〜80%の繰り返し伸縮試験を実施したときの伸長時の応力をS−モジュラス、収縮時の応力をR−モジュラスとし、伸度50%における繰り返し3回目のS−モジュラスとR−モジュラスを測定した。R−モジュラスを80%伸長繰り返し3回目の回復時50%伸長強度とした。また、繰り返し3回目のS−モジュラスに対するR−モジュラスの比を50%応力保持率と呼び、ヒステリシスロスの指標とした。この50%応力保持率が大きい程、ヒステリシスロスが小さいストレッチ布帛であることを示している。一つの布帛サンプルについて、経方向の裁断サンプルと緯方向の裁断サンプルのそれぞれに関して測定を3回行い、その平均値を採用した。
【0050】
(4)着圧
得られたストレッチ布帛を筒状にして端をミシンで縫い、円周200mm、円周178mmの筒状としたサンプルを、それぞれ、円周長267mmのプラスチック筒にかぶせて、着圧センサーを用いて、着圧を測定した。円周200mmの筒状サンプルをプラスチック筒にかぶせた場合、その伸長率は33%、円周178mmの筒状サンプルをかぶせた場合、その伸長率は50%となる。
【0051】
[実施例1]
テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基からなる、数平均分子量1800で2,2ジメチルプロピレン基の共重合率が10モル%である共重合ポリアルキレンエーテルジオール1800g(1モル)と、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(表1中、MDI−1と表す。)443g(1.772モル)を、乾燥窒素雰囲気下、60℃で3時間攪拌することで反応させて、末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマーを得た。これを室温まで冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(表1中、MDI−2と表す。)を追加で33.3g(0.139モル)と、ジメチルアセトアミド2783gを追加して室温で攪拌することにより、均一なプレポリマー溶液とした。
【0052】
一方、第一ジアミンとしてエチレンジアミンを44.7g(0.749モル)、第二ジアミンとして1,2−ジアミノプロパンを9.74g(0.132モル)、末端停止剤としてジエチルアミンを4.26g(0.0587モル)、ジメチルアセトアミド1959gに溶解した溶液を、上記プレポリマー溶液に高速攪拌下で一気に加え、さらに室温下で1時間反応させ、30℃で3500ポイズのポリウレタン溶液を得た。
【0053】
このポリウレタン溶液の粘度安定性を評価したところ、50℃で15日間放置した後の粘度上昇幅Δηは150ポイズで、安定な原液であった。
このポリウレタン溶液に、添加剤としてp−クレゾールとジシクロペンタジエンとイソブチレンの縮合物をポリウレタンポリマー固形分に対して1重量%、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールをポリウレタンポリマー固形分に対して0.2重量%、ハイドロタルサイトをポリウレタンポリマー固形分に対して0.3重量%添加して、均一な溶液とした。添加剤を加えたポリウレタン溶液は室温減圧下で脱泡し、3000ポイズの紡糸原液を得た。以下の表1に、原料及び仕込み比率等を示す。
【0054】
この紡糸原液を、紡口口金2ホールを使用して紡口直下の加熱窒素ガス温度270℃の雰囲気下に吐出し、ゴデッドローラーと巻き取りボビン間のドラフト1.15の条件下で、巻き取り速度680m/分で、ジメチルシリコンを主成分とする油剤を付与した後、ボビンに巻き取り、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。
このポリウレタン弾性繊維のNMR分析の結果、図2のスペクトルが得られた。ピークf1、f2、f3の積分曲線の高さF1、F2、F3は、それぞれ、6.3、10.4、4.9であった。これから求めたウレタン部分の平均繰り返し数nは1.21、ウレア部分の平均繰り返し数mは0.94であった。したがって、このポリウレタンウレアのウレタン部分の数平均分子量は4280、ウレア部分の数平均分子量は860、ハードセグメント分率は16.7%であった。また、原料仕込み量から式(2)〜式(4)に従って求めたウレタン部分の数平均分子量は4180、ウレア部分の数平均分子量は865、ハードセグメント分率は17.2%であって、NMR測定によって得られた値は原料仕込み量から計算された値と良い一致を示した。
【0055】
このポリウレタン弾性繊維を用いて、30インチ28ゲージ針本数2640本のシングル丸編機にて、ポリエステル84dt/36フィラメントとともに、ドラフト3で編成したベア天竺生地を作成した。常法に従って、リラックス80℃×5分処理後、セッターにて195℃×1分乾熱プレセットを施し、液流染色機にて130℃×30分ボイル処理した後、セッターにて170℃×1分仕上げセットを行って、ストレッチ布帛を得た。
ストレッチ布帛から抜出した弾性繊維の物性、ストレッチ布帛の物性を、以下の表2に示す。
【0056】
[実施例2〜4]
実施例1と同様の方法で、以下の表1に示す原料及び仕込み比率で製造したポリウレタン溶液を、実施例1と同様な方法で紡糸して、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。各種評価解析結果を以下の表2に示す。
【0057】
[比較例1〜3]
実施例1と同様の方法で、以下の表1に示す原料及び仕込み比率で製造したポリウレタン溶液を、実施例1と同様な方法で紡糸して、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維を得た。各種評価解析結果を以下の表2に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のストレッチ布帛は、ヒステリシスロスが小さく、回復時応力が高く、着圧が高いものであり、スポーツウェア、インナーウェア、アウターウェア、ストッキング等の衣料分野にて好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性糸が使われているストレッチ布帛であって、該布帛より抜き出した弾性糸の300%伸長繰り返し3回目の回復時200%伸長強度が0.060cN/dt以上であり、かつ、回復率が80%以上である前記布帛。
【請求項2】
前記弾性糸は、炭素数2〜10の異なるアルキレンエーテルからなる共重合ポリアルキレンエーテルジオール、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びジアミンからなるポリウレタンウレアであって、下記式(1):
ハードセグメント分率(%)=(ウレア部分の数平均分子量)/{(ウレタン部分の数平均分子量)+(ウレア部分の数平均分子量)}×100 (1)
により求められるハードセグメント分率が14%以上25%以下であるポリウレタンウレアからなるポリウレタン弾性繊維である、請求項1に記載の布帛。
【請求項3】
前記ウレタン部分の数平均分子量が3000〜6000である、請求項2に記載の布帛。
【請求項4】
前記ジアミンは、2つのアミン基の間のアルキル部分の炭素数が3以下の直鎖又は分岐脂肪族第一ジアミンと、これと異なる、2つのアミン基の間のアルキル部分の炭素数が3以下の直鎖又は分岐脂肪族第二ジアミンとの混合物からなる、請求項2又は3に記載の布帛。
【請求項5】
全ジアミン中の第二ジアミンのモル分率が2〜20モル%である、請求項4に記載の布帛。
【請求項6】
前記共重合ポリアルキレンエーテルジオールの数平均分子量が1000〜3000である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の布帛。
【請求項7】
前記共重合ポリアルキレンエーテルジオールが、テトラヒドロフランとネオペンチルグリコールの共重合体、及び/又はテトラヒドロフランと3−メチル−1,5−ペンタンジオールの共重合体である、請求項2〜6のいずれか1項に記載の布帛。
【請求項8】
以下の工程:
炭素数が2〜10の異なるアルキレンエーテルジオールからなる共重合ポリアルキレンエーテルジオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを反応させて、両末端がイソシアネートであるウレタンプレポリマーを合成し、
得られたウレタンプレポリマーにジアミンを添加し、不活性溶剤中で反応させて、ポリウレタン溶液を得、
得られたポリウレタン溶液を乾式紡糸して、請求項2に記載のポリウレタン弾性繊維を得、そして
得られたポリウレタン弾性繊維を用いてストレッチ布帛を作製する、
請求項2〜7のいずれか1項に記載の布帛の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−67924(P2013−67924A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208916(P2011−208916)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】