説明

ストレージシステム

【課題】新しい形態のストレージシステムを提供する。
【解決手段】ストレージシステム1において、クライアント装置20とストレージ装置10とがネットワーク3に接続する。クライアント装置20は、クライアント装置20は、ストレージ装置10のレコーダ機能を制御するためのアプリケーションをインストールしており、ストレージ装置10にアクセスして、ユーザがストレージ装置10を操作するためのユーザインタフェースを提供する。ストレージ装置10は、NAS機能とレコーダ機能を備え、ストレージ装置10を操作するためのユーザインタフェースを有しない。ネットワーク3には、複数のストレージ装置10を接続可能であり、クライアント装置20は、ネットワーク3に接続した複数のストレージ装置10を登録すると、登録した複数のストレージ装置10にアクセスして、単一のユーザインタフェースをユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータネットワークにNAS(Network Attached Storage)を接続したストレージシステムを家庭内で構築することが一般的になっている。NASはハードディスクドライブを備えたファイルサーバであり、TCP/IPネットワークを介してクライアント装置にコンテンツファイルを提供する。
【0003】
またテレビ放送などの映像をハードディスクドライブに記録するPVR(Personal Video Recorder)が広く普及している。最近のPVRは、地上デジタル放送および衛星デジタル放送のいずれにも対応し、ユーザは、ユーザインタフェースを操作して好きな番組を録画できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PVRは、ユーザが操作するための独自のユーザインタフェースを提供する。そのためユーザがPVRを買い替えると、新たなPVRより提供されるユーザインタフェースが以前のものとは異なるため、慣れるまでに時間がかかるという問題がある。また記録容量の大きいPVRに買い替えた場合、古いPVRは動作するにもかかわらず使用されないようになり、廃棄されるか、リサイクルショップに持ち込まれることになる。PVRは決して安いものではないため、PVRが次々に買い替えられていく状況は、資源の観点からも、また家計の観点からも、好ましいといえない。
【0005】
そこで本発明は、新しい形態のストレージシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、クライアント装置とストレージ装置とがネットワークに接続するストレージシステムを提供する。クライアント装置は、ストレージ装置にアクセスして、ユーザがストレージ装置を操作するためのユーザインタフェースを提供する。ストレージ装置は、NAS機能とレコーダ機能を備え、ストレージ装置を操作するためのユーザインタフェースを有さず、したがってビデオ出力を有していない。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、新しい形態のストレージシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例にかかるストレージシステムの構成を示す図である。
【図2】ストレージ装置の登録処理のフローチャートを示す図である。
【図3】(a)および(b)は、PINコードの入力画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
近年、家庭内にNASを設置し、PVRにおいて録画したコンテンツをネットワークを介してNASに転送し、NASにおいて、コンテンツを集中して管理するようなことが行われている。このようなストレージシステムを構築することで、PVRの記録容量は小さくてよく、ユーザは、記録容量を大きくすることを目的としてPVRを買い替える必要もなくなる。
【0011】
しかしながら一方で、このようなストレージシステムでは、PVRは実質的にはチューナとしての機能を有してさえいればよく、PVRに搭載された機能はオーバスペックとなり、搭載機能を十分に活用しているとは言えない。またPVRとNASの別個のハードウェアが必要となるため、設置場所をとるという問題もある。
【0012】
そこで、以下に示すストレージシステムにおいて、NAS機能とレコーダ機能とを備えたストレージ装置を提案する。これにより1台のストレージ装置が、NASおよびPVRとして動作でき、設置場所の省スペース化やメンテナンスの柔軟性を高められる。またストレージ装置はユーザインタフェースをもたず、ストレージ装置にアクセスするクライアント装置に専用のアプリケーションをインストールして、クライアント装置がユーザインタフェースを提供するようにする。これにより、ネットワークに接続するストレージ装置の台数を増やすことで、システム全体の記録容量を簡単に大きくすることができるとともに、ユーザインタフェースがクライアント装置から提供されることで、ユーザは、ストレージ装置の台数にかかわらず、常に同じユーザインタフェースを用いて、ストレージ装置を操作できるようになる。
【0013】
図1は、実施例にかかるストレージシステム1の構成を示す。ストレージシステム1では、クライアント装置20a、20b(以下、特に区別しない場合には「クライアント装置20」とよぶ)と、ストレージ装置10a、10b、10c(以下、特に区別しない場合には「ストレージ装置10」とよぶ)とがネットワーク3に接続する。なお図1では、複数のクライアント装置20a、20bと、複数のストレージ装置10a、10b、10cとが示されているが、ストレージシステム1においてクライアント装置20およびストレージ装置10は、それぞれ1台存在していればよい。
【0014】
ストレージ装置10は、NAS機能とレコーダ機能を備える。ストレージ装置10は、ハードディスクドライブを備え、ハードディスクドライブはたとえば300GBを超える記録容量を有する。なおストレージ装置10は、ハードディスクドライブ以外の記録メディア、たとえばフラッシュメモリを備えて構成されてもよい。またストレージ装置10はディスプレイ装置は有しないが、動作状態などをユーザに提示するためのLEDを搭載する。ストレージシステム1において、ストレージ装置10はメディアサーバとして機能し、DLNA(Digital Living Network Alliance)対応機器であるクライアント装置20は、ストレージ装置10にアクセスして、記録されたコンテンツを取得し、また再生できる。
【0015】
レコーダ機能を実現するために、ストレージ装置10はアンテナ2に接続し、地上波デジタル放送波、BSデジタル放送波、CSデジタル放送波の3波チューナを備える。なお図1に示す接続構成では、アンテナ2からの放送信号が分岐して、各ストレージ装置10a〜10cに入力されているが、各ストレージ装置10は、アンテナ入力端子およびアンテナ出力端子を備え、たとえばストレージ装置10aのアンテナ入力端子をアンテナ2に接続し、ストレージ装置10aのアンテナ出力端子とストレージ装置10bのアンテナ入力端子を接続し、ストレージ装置10bのアンテナ出力端子とストレージ装置10cのアンテナ入力端子を接続して、ストレージ装置10a、10b、10cが放送信号を受信できるようにしてもよい。
【0016】
本実施例においてストレージ装置10は、シングルチューナのPVRとして動作し、1番組の録画を可能とする。ストレージシステム1では、ストレージ装置10を1台、ネットワーク3に接続すると、シングルチューナのPVRとして機能し、2台ネットワーク3に接続すると、ダブルチューナのPVRとして機能し、3台ネットワーク3に接続すると、トリプルチューナのPVRとして機能する。ストレージ装置10の接続台数を増やすごとに、同時録画できる番組数が増えるとともに、ストレージシステム1における記録容量も増加する。このように本実施例では、単純にストレージ装置10を増設するだけで、チューナ数および記録容量を増やすことのできる拡張性の高いストレージシステム1を提供する。なおストレージ装置10は、通常のNASとしても動作するため、記録容量を簡単に増やせることは、NASシステムとしての柔軟性を高めることにもつながる。
【0017】
クライアント装置20は、ディスプレイ装置に接続し、またはディスプレイを有して構成される。クライアント装置20は、ディスプレイ装置に接続する据置型のゲーム機やデスクトップ型のパーソナルコンピュータであってよく、またディスプレイと一体に構成された携帯型のゲーム機やノート型パーソナルコンピュータであってよい。
【0018】
クライアント装置20は、ストレージ装置10に蓄積されたコンテンツファイルを取得して再生する。クライアント装置20は、ケーブルでネットワーク3に接続してもよく、またアクセスポイント(AP)4を介して、無線でネットワーク3に接続してもよい。AP4は、外部のネットワークと接続するルータ機能を有してもよく、これにより外部ネットワークに接続するクライアント装置が、ストレージ装置10にアクセスすることが可能となる。
【0019】
クライアント装置20は、ユーザがPVRとして動作するストレージ装置10を操作するためのユーザインタフェースを提供するべく、ストレージ装置10のレコーダ機能を制御するための専用のアプリケーションをインストールする。これによりユーザは、ストレージ装置10をレコーダとして利用でき、番組の録画予約や、録画番組の視聴などの操作を、クライアント装置20が提供するユーザインタフェースを利用して行うことができる。
【0020】
複数台のストレージ装置10がネットワーク3に接続される場合、各ストレージ装置10の管理は、クライアント装置20にインストールされたレコーダ操作アプリケーションにより実現される。ストレージ装置10がユーザインタフェースをもたないために、ストレージ装置10はビデオ出力をもつ必要もなく、製造コストを安価に抑えることができる。またユーザは、ストレージ装置10をネットワーク3に接続するだけで、ストレージシステム1における記録容量および同時録画できる番組数を簡単に増やすことができ、非常に柔軟性の高いストレージシステム1を提供できる。
【0021】
図2は、ストレージ装置10の登録処理のフローチャートを示す。DLNAでは、UPnP(Universal Plug and Play)プロトコルが採用されている。ストレージ装置10がネットワーク3に接続されると(S10)、DHCPによってIPアドレスが付与される。次にSSDPを用いたディスカバリ処理が実行され、ストレージ装置10が、マルチキャストパケット(Notifyメソッド)を送出すると(S12)、それを受けたクライアント装置20が、新規に接続された機器を検出する(S14)。クライアント装置20は、検出した機器に対して問合せを行い(S16)、ストレージ装置10が応答することで(S18)、クライアント装置20は、新規に検出した機器がストレージ装置10であることを認識する(S20)。このとき、クライアント装置20のレコーダ操作アプリケーションは、ユーザにPINコードの入力を促す画面を提供する(S22)。
【0022】
図3(a)は、PINコードの入力画面を示す。入力画面では、検出されたストレージ装置10の機器IDと、入力ボックスとが示される。なお機器ID以外に、ストレージ装置10を一意に特定する情報が表示されていてもよい。
【0023】
ストレージ装置10には、PIN(Personal Identification Number)コードが割り当てられている。PINコードは、ストレージ装置10ごとに異なるユニーク値を有し、ストレージ装置10を一意に識別する役割をもつ。ストレージ装置10において、搭載されたコントローラはPINコードを保持しており、他のデバイスとのデータ送受信においてPINコードを利用する。
【0024】
ストレージ装置10の筐体には、ユーザが認識できるように、PINコードを記したシールが貼り付けられている。なおPINコードは、ストレージ装置10の筐体に刻印されていてもよく、また販売時にストレージ装置10に同梱されている書類などに記述されていてもよい。ユーザは、クライアント装置20により提供される入力画面に、PINコードをマニュアルで入力する。レコーダ操作アプリケーションは、入力されたPINコードを機器IDで特定されるストレージ装置10に送信し(S24)、ストレージ装置10におけるコントローラは、保持しているPINコードと比較して、同一である場合には、その旨をクライアント装置20に返す(S26)。これにより、クライアント装置20は、ストレージ装置10を登録する(S28)。クライアント装置20は、ストレージ装置10を登録すると、そのストレージ装置10をPVRとして扱うことができるようになる。
【0025】
一般に、NASをホームネットワークに接続する場合、PINコードを入力させて、機器登録する必要はない。そのため本実施例のストレージ装置10も、PINコードを登録しなくても、クライアント装置20は、ストレージ装置10をNASとして扱うことはできる。したがってストレージ装置10をPVRとして利用しない場合には、PINコードの登録処理は行わなくてもよい。上記したように、クライアント装置20がストレージ装置10のPINコードを登録することで、ユーザはストレージ装置10をPVRとして利用できるようになる。
【0026】
クライアント装置20は、ネットワーク3に接続した複数のストレージ装置10を登録すると、登録した複数のストレージ装置10にアクセスして、単一のユーザインタフェースをユーザに提供する。これによりユーザは、接続するストレージ装置10の台数にかかわらず、いつも同じユーザインタフェースにより、レコーダ機能を操作することが可能となる。
【0027】
図2のフローチャートでは、ディスカバリ処理により、1台のストレージ装置10が検出された例を示したが、同時に複数台のストレージ装置10が検出されることもある。図3(b)は、PINコードの入力画面を示す。
【0028】
複数台のストレージ装置10が検出された場合、ユーザは、どの入力ボックスに、どのPINコードを入れればよいか理解しにくい。そのためユーザが入力ボックスを選択すると、それに対応するストレージ装置10のLEDが点灯するようにしてもよい。ユーザはLEDの点灯を確認して、そのストレージ装置10に貼り付けられたPINコードを入力ボックスに入力する。これによりユーザは、適切なPINコードを入力ボックスに入力できるようになる。なお、PINコードを記したシールに、入力画面に表示される機器IDも並記されていてもよい。こうすることで、ユーザは、機器IDとPINコードの対応を知ることができ、LEDを点灯しなくても、適切なPINコードを入力することが可能となる。
【0029】
以上のようにPINコードを登録することで、クライアント装置20は、ストレージ装置10をPVRとして制御できるようになる。各ストレージ装置10は、クライアント装置20からコンテンツの再生要求を受けると、コンテンツをクライアント装置20に提供する。複数のクライアント装置20がネットワーク3に接続されている場合、ストレージ装置10は、複数のクライアント装置20から再生要求を受けることがある。各ストレージ装置10は、コンテンツの出力数の上限を設定されており、上限数を超えるクライアント装置20からの再生要求は拒否するようになっている。
【0030】
一方で、予め定められたアプリケーション(クライアント装置20)からの再生要求に対しては、他のアプリケーションよりも優先的に、再生要求を受け付けるようにしてもよい。ストレージ装置10は、優先的にコンテンツを提供するクライアント装置20の機器情報を、優先リストに保持しておく。ストレージ装置10が、上限数のクライアント装置20に対してコンテンツを送信している際に、クライアント装置20から再生要求を受け付けると、そのクライアント装置20の機器情報を取得する。その機器情報が優先リストに含まれる場合、ストレージ装置10は、いずれかのクライアント装置20に対するコンテンツの送信を強制停止して、優先リストに含まれるクライアント装置20の再生要求を受け付ける。
【0031】
なお、既にコンテンツを配信している上限数のクライアント装置20の全てが優先リストに含まれている場合、ストレージ装置10は、新たなクライアント装置20からの再生要求を拒否する。これにより、優先リストに含まれるクライアント装置20に対して実行中のコンテンツ配信を中断することなく、継続できる。なおストレージ装置10が、コンテンツ配信の終了時刻を予測する機能を有して、再生要求を拒否したクライアント装置20に対して、待機時間を通知するようにしてもよい。たとえば、実行中のコンテンツ配信があと5分で終了する場合、再生要求を発行したクライアント装置20に対して、「5分後に再生開始できます」というメッセージを通知してもよい。
【0032】
本実施例のストレージシステム1では、ストレージ装置10をネットワーク3に接続するだけで、番組同時録画数(チューナ数)を増やすことができる。しかしながら、ストレージ装置10a、10b、10cのうち、ストレージ装置10aに録画が集中して、ストレージ装置10aの記録容量が実質的にフルで使用されると、ストレージ装置10aに新たに録画することが困難となり、チューナ数は実質的に減ることになる。そこで各ストレージ装置10が協調して、このような状況を回避できるようにしてもよい。
【0033】
各ストレージ装置10は、自身の残り記録容量を管理する。たとえばストレージ装置10aの残り記録容量が所定容量(たとえば20GB)を下回ると、他のストレージ装置10b、10cに対してコンテンツを移動できるか問い合わせる。たとえばストレージ装置10bの残り記録容量が所定容量を上回っていれば、ストレージ装置10bは、ストレージ装置10aに対してその旨を通知し、ストレージ装置10aは、ストレージ装置10bに対して、残り記録容量が所定容量を上回るように、いくつかのコンテンツを移動する。これによりストレージ装置10aは、残り記録容量を十分に確保でき、ストレージシステム1全体のチューナ数を「3」に維持できる。
【0034】
この仕組みを利用して、各ストレージ装置10は、残り記録容量がほぼ同じとなるようにコンテンツ移動処理を自律的に行ってもよい。この場合、ストレージ装置10は、自身の残り記録容量とともに、他のストレージ装置10の記録容量も管理する。他のストレージ装置10の記録容量については、定期的に問い合わせるか、または定期的に互いに通知することで、取得される。このような協調動作により、各ストレージ装置10の残り記録容量を揃えることで、各ストレージ装置10に対するアクセスなどの負荷を均等に振り分けることが可能となる。
【0035】
なお、ストレージ装置10が自律的にコンテンツ移動処理を行う場合、ユーザに対して、コンテンツ移動が行われたことを通知することが好ましい。ストレージ装置10は、コンテンツ移動処理の内容をクライアント装置20のレコーダ用アプリケーションに通知し、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、コンテンツが移動したことを知るようにしてもよい。
【0036】
なお、以上はストレージ装置10が自律的に記録容量を管理する例を示したが、レコーダ用アプリケーションが、ストレージ装置10の記録容量を管理してもよい。レコーダ用アプリケーションは、登録している各ストレージ装置10の記録容量を定期的に取得する。レコーダ用アプリケーションは、残り記録容量が所定容量を下回っているものがあれば、そのストレージ装置10から、残り記録容量に余裕のある別のストレージ装置10に対して、コンテンツを移動させる。このようにすることで、全てのストレージ装置10の残り記録容量を十分に確保でき、ストレージシステム1全体のチューナ数を維持することができる。
【0037】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0038】
複数のストレージ装置10がネットワーク3に接続される場合、レコーダ用アプリケーションは、各ストレージ装置10を、コンテンツのジャンル毎に使用してもよい。レコーダ用アプリケーションは、たとえばアニメについてはストレージ装置10a、ドラマについてはストレージ装置10bに録画する。こうすることで、たとえば友人宅に行って、ユーザ宅で録画したアニメを一緒に見ようとする場合、ユーザはストレージ装置10aのみを友人宅に持って行けばよい。ストレージ装置10の録画コンテンツをジャンルごとに振り分けることは、特にストレージ装置10の持ち運びを考えたときの利便性が高い。
【0039】
また複数のストレージ装置10がネットワーク3に接続される場合、特定のチャンネルを常に録画しておくという使用形態も考えられる。たとえば民法キー局による地上波デジタル放送を想定すると、民放キー局数(5社)分のストレージ装置10を用意すれば、キー局全ての番組の録画が可能となる。これにより、キー局放送番組の録画については、ユーザはいちいち個別の番組録画予約をする必要なく、見たいときに好きな番組を視聴できるようになる。これは、ストレージシステム1において、ストレージ装置10を増設するだけでチューナ数および記録容量を容易に拡張できることによるメリットである。なお各ストレージ装置10は、残り記録容量が少なくなると、古いコンテンツから順にハードディスクドライブから削除し、新しいコンテンツを上書きするようにする。
【0040】
また複数のストレージ装置10により、RAIDを構築してもよい。またストレージ装置10のNAS機能によるファイルシステムは、レコーダ機能により録画されたコンテンツファイルを、ユーザに見せないように管理してもよい。
【0041】
またストレージ装置10は、シングルチューナのPVRとして動作することを説明したが、複数チューナのPVRとして動作してもよい。またストレージシステム1において、シングルチューナのストレージ装置10と、複数チューナのストレージ装置10とが混在していてもよく、ストレージ装置10のチューナ数に関係なく、ストレージ装置10がネットワーク3に自由に接続できることが好ましい。
【0042】
また実施例では、クライアント装置20にストレージ装置10を登録することを説明したが、ストレージ装置10に、クライアント装置20を登録してもよい。この場合、ストレージ装置10は、登録しているクライアント装置20からのアクセスは受け付け、登録していないクライアント装置20からのアクセスは受け付けないように動作してもよい。なおストレージ装置10は、NASとして動作する場合には、クライアント装置20の登録の有無に関係なく動作し、一方で、PVRとして動作する場合には、登録しているクライアント装置20からのアクセスは受け付け、登録していないクライアント装置20からのアクセスは受け付けないように動作してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1・・・ストレージシステム、3・・・ネットワーク、10・・・ストレージ装置、20・・・クライアント装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置とストレージ装置とがネットワークに接続するストレージシステムであって、
前記クライアント装置は、前記ストレージ装置にアクセスして、ユーザが前記ストレージ装置を操作するためのユーザインタフェースを提供し、
前記ストレージ装置は、NAS機能とレコーダ機能を備え、前記ストレージ装置を操作するためのユーザインタフェースを有しないことを特徴とするストレージシステム。
【請求項2】
ネットワークには、複数の前記ストレージ装置を接続可能であり、
前記クライアント装置は、ネットワークに接続した複数の前記ストレージ装置を登録すると、登録した複数の前記ストレージ装置にアクセスして、単一のユーザインタフェースをユーザに提供することを特徴とする請求項1に記載のストレージシステム。
【請求項3】
前記クライアント装置は、前記ストレージ装置のレコーダ機能を制御するためのアプリケーションをインストールしていることを特徴とする請求項1または2に記載のストレージシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−97462(P2013−97462A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237832(P2011−237832)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】