説明

ストレージ装置及びストレージ装置の被収納物検出方法

【課題】装置起動時の初期動作の際、ストレージ部の収納スペース内にカセットが何本収納されているのかを検出作業を効率的に行うことができるストレージ装置及びストレージ装置の被収納物検出方法を提供する。
【解決手段】複数のカセットCを所定の案内面1Aに案内させながら収納スペース1の開口部2から底部1Bへ向かって直列に収容するストレージ装置であって、前記底部1B側のカセットCの存在を前記開口部2の周囲に表示するフラグ32(表示部)を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のカセット(被収納物)をマガジンに収納するストレージ装置に係り、収納スペースの底部側にカセットが納まっているか否かを効率的に検出可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の関連する技術として、特許文献1及び2に示されるライブラリ装置が知られている。
このライブラリ装置は、最大2つの記録媒体となるカセット(被収納物)を水平な案内面上を案内させながら収納スペースの開口部から底部へ向かって直列に収容するストレージ部を、開口部の面方向に複数並べた媒体保管手段を有する構成とされる。
【0003】
また、前記媒体保管手段の開口部側には、該開口部の面と平行に移動するアクセッサが設けられており、該アクセッサに搭載されたピッカー機構により、前記収納スペースに対してカセットを出し入れ可能としている。
【0004】
また、引用文献2には、ピッカー機構による押し込み動作により、ストレージ部内にカセットが何本収納されているのかを検出可能としている。
具体的には、ストレージ部にカセットが収納されている場合に、該カセットが1本だけであるのか、底部側にもう1本あるのか(つまり合計2本あるのか)の区別が付かない。このため、引用文献2では、ピッカー機構がカセットを底部側に押し込む動作を行うようにし、このときのカセットの移動量が、既定の移動量より小さいときには、底部側にカセットが存在し、ストレージ部の底部側にさらにカセットを収納する収納スペースは無いと判断するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−146087号公報
【特許文献2】特開2009−230791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記ストレージ装置では、装置起動時の初期動作の際、データベースが空であるので、該データベースにストレージ部でのカセット収納状況を蓄積する必要がある。このため、特許文献2では、上述したように、アクセッサ―に搭載されたピッカー機構により、ストレージ部内のカセットを底部側に押し込む動作を行うことで、該ストレージ部の収納スペース内にカセットが何本収納されているのかをアクセス可能としていている。
しかしながら、このような機械的なカセットの押し込み動作を逐一行っていたのでは、多くの作業時間が必要となって全体の作業効率が悪くなり、この点において改善が期待されていた。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、装置起動時の初期動作の際、ストレージ部の収納スペース内にカセットが何本収納されているのかを検出作業を効率的に行うことができるストレージ装置及びストレージ装置の被収納物検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明は、複数の被収納物を所定の案内面に案内させながら収納スペースの開口部から底部へ向かって直列に収容するストレージ装置であって、前記底部側の被収納物の存在を前記開口部の周囲に表示する表示部を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、複数の被収納物を所定の案内面に案内させながら収納スペースの開口部から底部へ向かって直列に収容するストレージ装置の被収納物検出方法であって、前記底部側の被収納物の存在を前記開口部の周囲に表示する、ことで、ストレージ装置内の被収納物を検出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、収納スペースの底部側の被収納物の存在が、表示部により開口部の周囲に表示されることから、該表示部の表示内容を、開口部側を移動しかつ収納スペースに対して被収納物を出し入れするアクセッサなどのロボットで容易に認識することができる。
これによって従来のようにアクセッサで機械的に被収納物を押し込むという動作が不要となって、装置起動時の初期動作の際、収納スペース内に被収納物が何本収納されているのかを検出作業を効率的に行うことが可能となる。
【0011】
また、非常に簡易な構成で収納スペース内に被収納物が何本収納されているかの検出作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明が適用されるストレージ装置の概略を示す外観図である。
【図2】図1のストレージ装置の内部構成を示す平面図である。
【図3】ストレージ装置内の収納スペースへのカセット収納動作を説明するための図であって、(a)は収納スペースにカセットが収納されている途中の動作を示す平面図、(b)は収納スペースにカセットが完全に収納された状態を示す平面図である。
【図4】ストレージ装置内の収納スペースへのカセット収納動作を説明するための図であって、(a)はカセットが未収納の収納スペースを示す平面図、(b)は1つのカセットが収納された収納スペースを示す平面図、(c)は2つのカセットが収納された収納スペースを示す平面図である。
【図5】収納スペースの開口部及び内部に収納されたカセットに付されたバーコードを示す正面図であって、(a)フラグが左側(収納スペースの底部側にカセット収納なし)にあることを示す図、(b)フラグが右側(収納スペースの底部側にカセット収納あり)にあることを示す図である。
【図6】装置起動時のストレージ装置の制御プログラムのステップ(SP)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1〜図3は本発明が適用されるストレージ装置の概略構成図である。このストレージ装置は、複数の被収納物となるカセットCを、所定の案内面1Aに案内させながら収納スペース1の開口部2から底部1Bへ向かって直列(z方向)に収容するストレージ部3を前記開口部2の面方向(x‐y方向)に複数並べたマガジン4と、前記カセットCを前記マガジン4の各ストレージ部3に対して出し入れするためのアクセッサAと、を有している。
【0014】
前記アクセッサAは、図示しない駆動機構の動力により前記マガジン4と対向する位置にて、前記開口部2の面と平行に移動(x‐y方向に移動)するものであって、コントロール装置50(制御部)からの制御信号に基づき、特定のストレージ部3の開口部2にまで移動して収納スペース1に対して、図示しないピッカー機構を介してカセットCを把持して出し入れする。図中符号5は、カセットCのデータを読み書きする装置(磁気テープドライブ)であり、カセットCを開口部2に挿入したときに、カセットC内のテープをロードし、磁気ヘッドを介してデータの読み書きを行うものである。
また、前記複数のストレージ部3の各収納スペース1内には、直列(z方向)に複数のカセットCが収容されるが、本例では、最大で2つのカセットCが収容可能となっている。
【0015】
また、図3(a)及び(b)に示されるように、前記ストレージ部3の各収納スペース1の底部1Bには、該収納スペース1内に収容されたカセットCを、開口部2側へ付勢して押し出す押出手段10が設けられている。
この押出手段10は、例えばゼンマイ状に形成されたコプリングからなるものであって、ストレージ部3の収納スペース1内に挿入されたカセットCの側角部に接触して、該カセットCが収納スペース1に押し込まれると解けるように構成されている。そして、このようなゼンマイ状に形成されたコプリングの押圧によって、収納スペース1内に収容されたカセットCを、常時、開口部2側へ付勢する。
【0016】
また、前記ストレージ部3の各収納スペース1の開口部2外側には、該開口部2と交差する方向(本例ではx方向)に移動可能に設けられ、該開口部2と重なる方向へ図示しない板バネで付勢されたラッチレバー11が設けられている。
このラッチレバー11は、収納スペース1内にカセットCがない状態では、ストレージ部3の開口部2と重なるように突出した位置にある。また、このラッチレバー11は、図3(a)に示すように、アクセッサAにより収納スペース1内にカセットCが押し込まれる場合には、ストレージ部3の開口部2から退避した位置となり、また、図3(b)に示すように、該カセットCがストレージ部3の開口部2を完全に通過した場合には、該開口部2と重なるように突出する。
【0017】
そして、図3(b)に示す状態において、カセットCは、ストレージ部3の収納スペース1内にてラッチレバー11と押出手段10との間に挟まれる「適正収納位置」に配置される。
また、前記ラッチレバー11の正面側には、ターゲットマークM(図5参照)が付されており、該ターゲットマークMがアクセッサAの読み取りセンサ15(後述する)で検出されることにより、該ラッチレバー11が収納スペース1内に収納されたカセットCを確実にラッチしているか否かを認識する。
【0018】
また、前記アクセッサAには、ストレージ部3の開口部2にカセットCを出し入れする際に、一時的にラッチレバー11を、ストレージ部3の開口部2から退避した位置に押しやるための操作手段が設けられているが、図面上では省略されている。
また、前記ストレージ部3の収納スペース1内の底部1Bには、図3(a)(b)に示されるように、該収納スペース1の奥にまでカセットCが収納された場合に、該カセットCの先端部に接触するストッパ12が設置されている。
【0019】
前記アクセッサAには、図2に示されるように、前記ラッチレバー11の位置等を検出するCMOSイメージセンサなどの読み取りセンサ15が設けられている。
この読み取りセンサ15は、ストレージ部3の開口部2に対向するように配置されるものであって、図5に示されるように、カセットCの後部側の側面に貼付されたバーコードからなるカセット識別コード16を読み取り、どの収納スペース1にどのようなカセットCが収納されているかのデータ収集をすることができる。その他に、この読み取りセンサ15は、ラッチレバー11のターゲットマークMを検出することにより、該ラッチレバー11が収納スペース1内に収納されたカセットCを確実にラッチしているか否かを認識し、さらにフラグ22・32(後述する)の位置を検出して収納スペース1の所定位置にカセットCがあるか否かを認識する(後述する)。
【0020】
次に、前記マガジン4の各ストレージ部3に設けられたカセット収納判別手段20及び30について、図4及び図5を参照して説明する。なお、カセット収納判別手段20は、開口部2に近い前側のカセットCの有無を判別し、カセット収納判別手段30は、底部1Bに近い奥側のカセットCの有無を判別するためのものである。
【0021】
このカセット収納判別手段20は、図4(a)〜(c)の平面図に示されるように、収納スペース1内のカセットCにおいて該収納スペース1の開口部2側にカセットCが収納されることにより受圧されて操作される棒状の受圧部材21(検出体)と、該受圧部材21の前端部(開口部2側の端部)に設けられて該受圧部材21の操作結果に基づき、前記開口部2側のカセットCの存在を前記開口部2の周囲に表示するフラグ22(表示部)と、を具備している。
【0022】
前記受圧部材21は、前記ストレージ部3の壁面に位置する垂直な回転軸21Aを中心に回動自在に設けられており、図中下端部側が、収納スペース1の開口部2側にて突出する位置(図4(a)参照)と、収納スペース1から退避した位置(図4(b)(c)参照)との間で移動する。また、この受圧部材21は、図示しない板バネによって、収納スペース1側の突出する位置に向けて常時、付勢されている。
前記フラグ22(表示部)は、前記受圧部材21の前端部(開口部2側の端部)に設けられた突状部材であって、該受圧部材21の図中下端部側が収納スペース1側に突出する位置(図4(a)参照)にある場合、「収納スペース1の開口部2側にカセット収納なし」の情報を意味する正面視、左位置に配置される。また、前記フラグ22は、該受圧部材21の図中下端部側が収納スペース1から退避した位置(図4(b)(c)参照)にある場合、図5(a)(b)に示すように「収納スペース1の開口部2側にカセット収納あり」の情報を意味する正面視、右位置に配置される。
【0023】
以上の点をまとめると、図4(a)に示されるようにストレージ部3の収納スペース1にカセットCがない場合には、収納スペース1の開口部2側において、受圧部材21には何にも接触しないので、該受圧部材21はその付勢力によって収納スペース1側に突出する。その結果、該受圧部材21の前端部に位置するフラグ22は、「収納スペース1の開口部2側にカセット収納なし」の情報を表示するために正面視、左位置に位置する。
【0024】
また、図4(b)(c)に示されるように収納スペース1の開口部2側にカセットCが収納されている場合には、該カセットCが、付勢力に抗して受圧部材21を外側に押しのけることで、該受圧部材21を収納スペース1から退避する位置させる。これによって図5(a)(b)に示されるように、該受圧部材21の前端部に位置するフラグ22は、「収納スペース1の開口部2側にカセット収納あり」の情報を表示するために正面視、右位置に移動する。
【0025】
次に、カセット収納判別手段30について説明すると、このカセット収納判別手段30は、図4(a)〜(c)の平面図に示されるように、収納スペース1内のカセットCにおいて該収納スペース1の底部1B側にカセットCが収納されることにより受圧されて操作される棒状の受圧部材31(検出体)と、該受圧部材31の前端部(開口部2側の端部)に設けられて該受圧部材31の操作結果に基づき、前記底部1B側のカセットCの存在を前記開口部2の周囲に表示するフラグ32(表示部)と、を具備している。
【0026】
前記受圧部材31は、前記ストレージ部3の壁面に位置する垂直な回転軸31Aを中心に回動自在に設けられており、図中下端部側が、収納スペース1の底部1B側にて突出する位置(図4(a)(b)参照)と、収納スペース1から退避した位置(図4(c)参照)との間で移動する。また、この受圧部材31は、図示しない板バネによって、収納スペース1側の突出する位置に向けて常時、付勢されている。
前記フラグ32(表示部)は、前記受圧部材31の前端部(開口部2側の端部)に設けられた突状部材であって、該受圧部材31の図中下端部側が収納スペース1側に突出する位置(図4(a)(b)参照)にある場合、図5(a)に示すように「収納スペース1の底部1B側にカセット収納なし」の情報を意味する正面視、左位置に配置される。また、前記フラグ32は、該受圧部材31の図中下端部側がが収納スペース1から退避した位置(図4(c)参照)にある場合、図5(b)に示すように「収納スペース1の底部1B側にカセット収納あり」の情報を意味する正面視、右位置に配置される。
【0027】
以上の点をまとめると、図4(a)に示されるようにストレージ部3の収納スペース1にカセットCがない場合には、収納スペース1の底部1B側において、受圧部材31には何にも接触しないので、該受圧部材31はその付勢力によって収納スペース1側に突出する。その結果、該受圧部材31の前端部に位置するフラグ32は、図5(a)に示されるように、「収納スペース1の底部1B側にカセット収納なし」の情報を表示するために正面視、左位置に位置する。
【0028】
また、図4(b)に示されるようにストレージ部3の収納スペース1の開口部2側にカセットCが1つだけしか収納されていない場合には、図4(a)と同様に、収納スペース1の底部1B側において、受圧部材31には何にも接触しないので、該受圧部材31はその付勢力によって収納スペース1側に突出する。その結果、該受圧部材31の前端部に位置するフラグ32は、図5(a)に示されるように、「収納スペース1の底部1B側にカセット収納なし」の情報を表示するために正面視、左位置に位置する。
【0029】
また、図4(c)に示されるようにストレージ部3の収納スペース1内に2つのカセットCが収納されている場合には、底部1B側のカセットCが、付勢力に抗して受圧部材31を外側に押しのけることで、該受圧部材31を収納スペース1から退避する位置させる。これによって図5(b)に示されるように、該受圧部材31の前端部に位置するフラグ32は、「収納スペース1の底部1B側にカセット収納あり」の情報を表示するために正面視、右位置に移動する。
【0030】
そして、図5(a)及び(b)に示すように、受圧部材31の前端部に位置するフラグ22・32が左側か右側かのいずれかに配置されることで、「収納スペース1の開口部2側/底部1B側にカセット収納なし」又は「収納スペース1の開口部2側/底部1B側にカセット収納あり」かの情報を視覚的に知ることができる。これにより装置起動時の初期動作の際に、アクセッサAに搭載された読み取りセンサ15を矢印x‐y方向に移動させる処理を行うことで、フラグ22・32の位置を検出して収納スペース1の各開口部2側又は底部1B側にカセットCがあるか否かの判定を行うことができる。
上記のように、このストレージ装置においては、開口部2から露出する最後に収納したカセットC(被収納物)を基準として、このカセットCよりも底部1B側に位置するカセットCの存在を開口部2の周囲に表示するフラグ22・32(表示部)を具備するので、底部1B側にカセットCがあるか否かを判断することができる。
【0031】
次に、図6を参照して装置起動時のストレージ装置の作業内容を示すフローチャートについて説明する。なお、以下のフローチャートのステップ(SP)は、図2のコントロール装置50にて実行される。
【0032】
《ステップ1》
装置の電源を投入する
【0033】
《ステップ2》
電源投入時に、アクセッサAを矢印x‐y方向に移動して特定のストレージ部3の前に停止させる。なお、アクセッサAが複数あるストレージ部3に対してどのような順番で移動するかは、予め設定しておくものとする。
アクセッサAを特定のストレージ部3の前に停止させた後、該アクセッサAに搭載されている読み取りセンサ15に対して、ストレージ部3の開口部2に設けられているラッチレバー11のターゲットマークMを読み取らせ、次のステップ3に進む。
なお、本ステップ1にてラッチレバー11のターゲットマークMが認識されるとは、該ラッチレバー11により収納スペース1内にカセットCが正しく収納されている、又は該収納スペース1内に全くカセットCが収納されていないことを意味する。
【0034】
《ステップ3》
前記読み取りセンサ15に対して、該収納スペース1の開口部2にあるフラグ22・32の左右位置を読み取らせる。
その結果、フラグ22及び32が共に正面視、左位置に位置して、カセットCの存在が認識されない場合に収納スペース1内のカセット収納本数を「0」と判定する。図5(a)で示すように、フラグ22が正面視、右位置に位置しかつフラグ32が正面視、左位置に位置していることが検出された場合に収納スペース1内のカセット収納本数を「1」(収納スペース1の開口部2側にのみ1本収容)と判定する。また、図5(b)で示すように、フラグ22及び32が共に正面視、右位置に位置していることが検出された場合に収納スペース1内のカセット収納本数を「2」(収納スペース1の開口部2側と底部1B側にそれぞれ1本ずつ収容)と判定する。
そして、この判定結果に基づき、収納スペース1内のカセット収納本数が「0」の場合にステップ8に進み、カセット収納本数が「1」又は「2」の場合にステップ4に進む。
【0035】
《ステップ4》
ステップ3の判定結果に基づき、収納スペース1内のカセット収納本数が「1」である場合にステップ5に進み、また、収納スペース1内のカセット収納本数が「2」の場合にステップ6・7に進む。
【0036】
《ステップ5》
アクセッサAに搭載されている読み取りセンサ15に対して、収納スペース1内のカセットC(開口部2側に収納されているカセットC)に貼付されているカセット識別コード16を読み取らせた後、次のステップ8に進む。
【0037】
《ステップ6〜7》
アクセッサAに搭載されている読み取りセンサ15に対して、収納スペース1内のカセットCに貼付されているカセット識別コード16を読み取らせた後、次のステップ8に進む。このとき、収納スペース1内の2つのカセットCのカセット識別コード16を共に読み取るために、開口部2側のカセットCのカセット識別コード16を読み取った後(ステップ6)、該カセットCを収納スペース1から一旦、取り出し、底部1B側のカセットCのカセット識別コード16を読み取るインベントリ処理を行う(ステップ7)。
【0038】
《ステップ8・9》
以上のステップ2〜7の処理が、指定されたマガジン4のストレージ部3に対して行われたか否かを判断し、YESの場合にステップ9に進み、NOの場合にステップ2に戻って同様の処理を行う。
【0039】
《ステップ9》
上記ステップ2〜8の処理で得たマガジン4の各ストレージ3毎のカセット識別コード16をデータベースとして保存した後、アクセッサAに対して通常のカセットCの出し入れ処理を開始させ、本フローチャートを終了する。
【0040】
以上詳細に説明したように本実施形態に示されるストレージ装置によれば、収納スペース1内の底部1B側にカセットCが収納されることで、受圧部材31が操作される。このとき、該受圧部材31の操作結果に基づき、該収納スペース1の底部1B側のカセットCの存在が、フラグ32により開口部2の周囲に表示されることから、該フラグ32の表示内容を、開口部2側を移動しかつ収納スペース1に対してカセットCを出し入れするアクセッサAなどのロボットで容易に認識することができる。
これによって従来のようにアクセッサAで機械的にカセットCを押し込むという動作が不要となって、装置起動時の初期動作の際、収納スペース1内にカセットCが何本収納されているのかを検出作業を効率的に行うことが可能となる。
【0041】
また、検出体として、被収納部から収納スペース1側に突出する位置と、収納スペース1から退避した位置との間に移動可能に設けられ、かつ前記突出する位置に向けて付勢された受圧部材31で構成し、さらに、表示部として、前記受圧部材31に連動して前記開口部2近傍の位置と退避した位置との間を移動するフラグ32を使用すれば、フラグ32の位置を視覚的に検出することで、収納スペース1内にカセットCが何本収納されているかの検出作業を効率的に行うことが可能となる。すなわち、非常に簡易な構成で収納スペース1内にカセットCが何本収納されているかの検出作業を効率的に行うことができる。
【0042】
なお、上記実施形態ではストレージ部3の収納スペース1に最大2つのカセットCが直列に収納されるようにしているが、これに限定されず、3個以上のカセットCを直接配置しても良く、その収納数は限定されない。このとき、受圧部材21・31及びフラグ22・32からなるカセット収納判別手段20・30を、各カセット収納箇所に対してそれぞれ設けるようにして、いくつのカセットCが収納されているかを各フラグの位置により確認しても良い。
【0043】
また、上記カセット収納判別手段20・30の検出体として、カセットCにより受圧される受圧部材21・31を使用した。これに限定されず、前記検出体を、カセットCが収納スペース1内の収納位置にあることでONとなるマイクロスイッチ、光センサ等の検出体を使用し、該検出体での検出結果を電気信号として表示部(例えば、電光表示板などを開口部2の周囲に設置)に送り表示しても良い。
【0044】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、多数のカセット(被収納物)をマガジンに収納するストレージ装置に係り、収納スペースの底部側にカセットが納まっているか否かを効率的に検出可能な技術に関する。
【符号の説明】
【0046】
1 収納スペース
1A 案内面
1B 底部
2 開口部
3 ストレージ部
4 マガジン(収納部)
10 押出手段
11 ラッチレバー
15 読み取りセンサ
20 カセット収納判別手段
21 受圧部材(検出体)
21A 回転軸
22 フラグ(表示部)
30 カセット収納判別手段
31 受圧部材(検出体)
31A 回転軸
32 フラグ(表示部)
50 コントロール装置
A アクセッサ
C カセット(被収納物)
M ターゲットマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被収納物を所定の案内面に案内させながら収納スペースの開口部から底部へ向かって直列に収容するストレージ装置であって、
前記底部側の被収納物の存在を前記開口部の周囲に表示する表示部を具備することを特徴とするストレージ装置。
【請求項2】
前記被収納物のうち、前記底部側に被収納物が収納されることにより操作される検出体を具備し、
前記表示部は、前記検出体の操作結果に基づき、前記表示をなすことを特徴とする請求項1記載のストレージ装置。
【請求項3】
前記検出体として、被収納部から収納スペース側に突出する位置と、収納スペースから退避した位置との間に移動可能に設けられ、かつ前記突出する位置に向けて付勢された受圧部材が設けられ、
前記表示部は、前記受圧部材の移動によって前記開口部近傍の位置と退避した位置との間を移動する請求項1のストレージ装置。
【請求項4】
前記検出体となる受圧部材は、前記収納スペースの壁面に位置する回転軸を中心として回動自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のストレージ装置。
【請求項5】
前記収納スペースの開口部側には、前記収納スペースに対して被収納物を出し入れするためのアクセッサが配置され、該アクセッサには、前記表示部の状態を読み取ることができる読み取りセンサが搭載されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のストレージ装置。
【請求項6】
複数の被収納物を所定の案内面に案内させながら収納スペースの開口部から底部へ向かって直列に収容するストレージ装置の被収納物検出方法であって、
前記底部側の被収納物の存在を前記開口部の周囲に表示することを特徴とするストレージ装置の被収納物検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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