説明

ストレーナ

【課題】コンパクト性に優れ、圧力損失の小さい縦形であり、スクリーン挿着時にはスクリーンとボデーとの隙間を塞いで異物やゴミの流出を防ぎ、スクリーン取り出し時にはこのスクリーンが固着した場合でもスクリーンとボデーとの隙間を確保してこれらが傷付いたり破損することを防ぎつつ、簡単に抜き取ることができるストレーナを提供する。
【解決手段】一次、二次側の接続口30、31を有するボデー3の上方に設けた開口部11を蓋体5で着脱自在に被蓋し、この開口部11より挿入する一次側に流入口15を有する筒状のスクリーン2をボデー3内に着脱し、ボデー3の一次側流入開口部60より下方位置で、かつボデー3の二次側に筒状スクリーン2を装着して一次側へ回転させる支点Pを設け、筒状スクリーン2の上方位置に設けた押圧手段4の押圧力を介して当該筒状スクリーン2の流入口15の口縁部44をボデー3の流入開口部60側に押し付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の配管ラインを流れる水・油・ガス・空気・蒸気などの各種流体中の異物、配管中の腐食やガスケットなどの剥離によるゴミ等を捕捉するストレーナに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のストレーナは、スクリーンを内蔵し、このスクリーン内に溜まった流体中の異物・ゴミ等を、ストレーナ本体を配管に接続したままの状態で清掃できる構造である。このようなストレーナのうち、Y形ストレーナやU形ストレーナよりもコンパクト性の向上や圧力損失の低減が可能なストレーナとして、いわゆる、直通形で縦形と呼ばれるストレーナが提案されている。このストレーナは、流入口と流出口とが略直線上に位置され、流入口と流出口との間にスクリーンが配置された構造になっている。
【0003】
このような縦形のストレーナとして、例えば、特許文献1のストレーナが知られている。このストレーナでは、流入口と流出口とが一直線上に形成された弁箱内に、この弁箱の流入口と直交し、この流入口に開口孔が合致するように円筒形のストレーナ部材(スクリーン)が収納されている。
また、JIS F 7121に示される船用筒形水こしにおいては、本体内に水こし用のこし筒(スクリーン)が収納されている。
これらのストレーナや水こしでは、何れもスクリーン流入側の円筒形部分に開口穴が形成され、ボデーの上部から流路に対して垂直方向からスクリーンを着脱する構造になっている。
【0004】
更に、スクリーン固定して装着するその他のストレーナとして、特許文献2、3が知られている。
このうち、特許文献2のストレーナでは、流体が略S字を描くように流れる構造となっており、このS字状の流路の構造により、筒状のスクリーンの上部には流体を流すための空間が設けられ、筒状のスクリーンの提手には矩形部分と円形部分とからなる倒鍵孔状孔が設けられ、一方、スクリーンの対応する位置には角棒状の突起が設けられている。使用時(通水時)には、突起を倒鍵孔状孔の矩形部分に嵌合させて提手を固定し、この固定した提手を蓋で押さえることで流体の逆流などによるスクリーンの浮き上がりを防止し、清掃時には、突起を倒鍵孔状孔の円形部分の位置にして回転自在にすることでゴミを取出すストレーナである。
【0005】
特許文献3においては、流路が直線状であり流体抵抗が特許文献2に比較して低くなっているが、開口が流入口の向きに押し当てられた状態でスクリーンが取付けられている。このストレーナでは、スクリーンが、押圧手段の円錐台部とテーパ面とにより流入口に押し付けられて固定される構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第2594281号公報
【特許文献2】特開昭56−17617号公報
【特許文献3】特許第4272907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のストレーナや水こしのように、本体の垂直方向からスクリーンを着脱する構造の場合、ストレーナの挿入間違いを防ぐことは可能であるが、弁箱の流入口とストレーナ部材の開口孔との隙間の閉塞が十分ではなくなり、スクリーンの挿着後に流体を流したときに、スクリーンとボデーとの間に生じた隙間から異物やゴミが流出するおそれがある。一方、ゴミ、異物の除去やスクリーンを清掃するためにこのスクリーンを取り外す場合には、スクリーンとボデーとの隙間にボデーの錆やゴミがつまることでこれらが固着し、スクリーンを取り外せなくなる可能性がある。この対策として防錆塗装を施すことが考えられるが、その際にも、スクリーンの隙間から錆こぶや硬いゴミが飛び出したときにこれらをせん断する方向にスクリーンを抜きとるために強い力が必要になる。しかも、抜き取り時には、錆こぶやゴミによってボデー内部の防錆塗膜が削られてスクリーンが破損するおそれがある。この削られた部分に錆が発生すると、結果的にスクリーンがボデーに固着することに繋がる。
【0008】
特許文献2のストレーナは、特許文献1とは異なりスクリーンの開口側から流体が流れる構造であるが、流体が略S字を描くように流れるために流体抵抗が大きくなり、さらに、流路の一次側に提手が露出し、この提手が倒鍵孔状孔を有する構造であるために表面積が大きくなり一層流体抵抗が増加することになる。提手にゴミが引っ掛かったり付着したりすると、流体抵抗で提手が変形したり破損するおそれもあった。ストレーナの製作時には、上記のようにスクリーン上部に流路用の空間を設けていることから、縦方向の寸法が必要になって全体が大型化していた。更に、角棒状の突起や、倒鍵孔状孔の製作が困難であり、突起を倒鍵孔状孔の矩形部分に嵌め込んだ状態でスクリーンを動かすために突起が変形することがあった。この場合、組立て後に提手を確実に保持できなくなり、スクリーン装着時にガタが生じてゴミが漏れるおそれがある。ストレーナの内部を確認しようとした場合には、提手が邪魔になって確認しにくくなることもあった。
【0009】
特許文献3においては、流路が直線状で流体抵抗は小さくなっているものの、スクリーン開口が流入口の向きに押し当てられた、特殊なスクリーン取付け構造であるため、スクリーン内部を確認するためには、蓋を取り外してスクリーンを本体から取り外す必要があった。しかも、スクリーンを流入口に押し付けるために、円錐台部、テーパ面を有する特殊形状の押圧手段を設ける必要があり、押圧手段の螺子の取付け部分を目視で確認できなくなって取付けも困難になっていた。この場合、取付け時にめねじ部にゴミが入ると螺子としての機能を発揮できなくなり、押圧手段を取付けできなくなることがある。
スクリーンの開口が流路に向けられていることからこのスクリーンにゴミを溜めるための部位がなく、例えば、水平に配管された本体を清掃する際にスクリーンを本体から取り外すと、スクリーン開口側から本体底部(スクリーン二次側)にゴミが漏れる可能性があり、二次側にゴミを流出することを防ぐというストレーナ本来の機能を発揮できなくなることがあった。
【0010】
本発明は、上記した実情に鑑み、鋭意検討の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、コンパクト性に優れ、圧力損失の小さい縦形のストレーナであり、スクリーンの挿着時には、スクリーンとボデーとの隙間を塞いで異物やゴミの流出を防ぎ、一方、スクリーンの取り出し時には、このスクリーンが固着した場合でもスクリーンとボデーとの隙間を確保してこれらが傷付いたり破損することを防ぎつつ、簡単に抜き取ることができるストレーナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、一次側と二次側の接続口を有するボデーの上方に設けた開口部を蓋体で着脱自在に被蓋し、この開口部より挿入する一次側に流入口を有する筒状のスクリーンをボデー内に着脱するストレーナにおいて、ボデーの一次側流入開口部より下方位置で、かつボデーの二次側に筒状スクリーンを装着して一次側へ回転させる支点を設け、筒状スクリーンの上方位置に設けた押圧手段の押圧力を介して当該筒状スクリーンの流入口の口縁部をボデーの流入開口部側に押し付けるようにしたストレーナである。
【0012】
請求項2に係る発明は、スクリーンの上方位置に設けた押圧手段である押圧杆をスクリーンの径方向に沿って進退自在に設けて押圧杆の外端部をボデー内面に押圧したストレーナである。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記筒状スクリーンの上端枠部に雌ねじ部を固着し、この雌ねじ部に雄ねじ部を有するスクリーンロッドをスクリーンの径方向に進退自在に設けて、このスクリーンロッドの外端部をボデー内周面に押圧したストレーナである。
【0014】
請求項4に係る発明は、筒状スクリーンの上端枠部の外径を下端枠部の外径よりやや大きくしたストレーナである。
【0015】
請求項5に係る発明は、ボデー内周面に、スクリーンロッドの外端部を押圧し、かつ回転方向に係合する位置決め溝を設けた記載のストレーナである。
【0016】
請求項6に係る発明は、スクリーンロッドの外端部をロッドより径の大きい押圧部とし、内端部には、工具係合可能な係合部を設けたストレーナである。
【0017】
請求項7に係る発明は、筒状スクリーンの上部に押圧手段である円弧状の取っ手を回転自在に軸着し、この取っ手の中間位置に凸状部を設け、この凸状部をボデーの開口部二次側に形成した係止溝にボデーの二次側に向けた反力を付与するようにしたストレーナである。
【0018】
請求項8に係る発明は、取っ手の付け根部をボデーの開口部に形成した突起部に当てて回転方向を制限するようにしたストレーナである。
【0019】
請求項9に係る発明は、取っ手の設置位置をスクリーンの中心から二次側へ偏芯させたストレーナである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によると、コンパクト性に優れ、圧力損失の小さいストレーナであり、スクリーンの挿着時には、ボデーの一次側流入開口部より下方位置で、かつボデーの二次側に設けた支点に筒形スクリーンの二次側が支えられ、この状態で筒状スクリーン上方を押圧手段の押圧力を介して支点を中心に筒状スクリーンを一次側へ回転させてこの筒状スクリーンの流入口の口縁部をボデー内周に押し付けているため、スクリーンとボデーとの隙間を塞いで異物やゴミの流出を防ぐことができる。そのため、スクリーンとボデーとの間に異物・ゴミや錆が堆積したり二次側に流出することを確実に阻止できる。一方、仮に異物やゴミが堆積してスクリーンが固着した場合でも、筒状スクリーン上方の押圧手段の押圧力を解除することでスクリーンとボデーとの隙間を確保でき、これらが傷付いたり破損することを防ぎつつスクリーンを簡単に抜き取ることができる。しかも、筒状スクリーンの下部を二次側のみ、上部側を一次側のみボデーで支える構造であるため、ゴミ・泥・錆などにより筒状スクリーンがボデーと固着した場合、スクリーンを水平方向に動かして、筒状スクリーンを離脱する際に固着物をせん断方向に引きちぎる力を加えることなく、固形物をスクリーンの穴から抜くだけで簡単にこのスクリーンを取り外しできる。上記のように筒状スクリーンを脱着する際にスライドさせるための支点が、ボデーの一次側流入開口部よりも下方位置にあることで、この支点から力点となる押圧部分までの距離よりも、支点から作用点となるスクリーンの流入口の口縁部までの距離を短くでき、押圧手段によるスクリーンを押圧する力を強くし、スクリーンを離脱するために加える力を軽くできる。
これらのことから、スクリーンを繰り返し着脱した場合でもこのスクリーンとボデーとの封止性を確保しながら挿着でき、長期にわたって優れた濾過性能を維持できる。
【0021】
請求項2に係る発明によると、コンパクト性に優れ、圧力損失の小さいストレーナであり、スクリーンの挿着時には、スクリーンの上方位置に設けた押圧手段である押圧杆の外端部をボデー内面に押圧させてボデー内周に押し付けるようにスクリーンを固定し、このスクリーンとボデーとの隙間を塞いで異物やゴミの流出を防止できる。そのため、スクリーンとボデーとの間に異物・ゴミや錆が堆積したり二次側への流出を確実に阻止できる。一方、仮に、異物やゴミが堆積してスクリーンが固着した場合でも、押圧杆を径方向に進退させることでスクリーンとボデーとの隙間を確保し、これらが傷付いたり破損することを防ぎつつ簡単にスクリーンを抜き取ることができる。そのため、スクリーンを繰り返し着脱する場合でも、スクリーンとの封止性を確保しながらこのスクリーンを挿着でき、長期にわたって優れた濾過性能を維持できる。
【0022】
請求項3に係る発明によると、雄ねじ部と雌ねじ部とを介して筒状スクリーン上端側のスクリーンロッドを進退自在に設けていることで、スクリーンロッドを螺入方向に回転させてスクリーンとボデーとの間に隙間を生じさせ、離脱性を向上しながらボデーからスクリーンを簡単に抜き取りできる。また、スクリーンの挿着後に、ボデー方向に進むようにスクリーンロッドを回転させることで、スクリーン全体をボデーの流出口側から流入口側に押し付けて隙間を塞ぐことができる。
【0023】
請求項4に係る発明によると、筒状スクリーンの上端枠の外径が下端枠部の外径よりもやや大きくなっていることで、筒状スクリーンをボデーの上方側から抜き取るときにスクリーンの円筒状の濾過部分がボデーに接触することを防いで、この円筒部分が擦れたり傷付くことを防止する。
【0024】
請求項5に係る発明によると、位置決め溝によりスクリーンロッドを位置決めしつつこのスクリーンロッドで隙間を塞ぎ、スクリーンロッドの位置決め溝への回転方向の係合により回転方向の位置出しをしながらスクリーンをボデーに挿着できる。
【0025】
請求項6に係る発明によると、スクリーンロッド外端部をロッドより径の大きい押圧部とし、スクリーンロッドをスクリーンの外側からボデーとの間に挿着することでこのスクリーンロッドの脱落を防止できる。スクリーンロッドの内端部に工具係合可能な係合部を設けていることで、スクリーンの内側からスクリーンロッドを回転して緩めたり締付けたりすることができる。その際、通常は手で係合部を把持してスクリーンロッドを回転可能であり、特に、固着して動かない場合には工具を使用することで容易に回転できる。
【0026】
請求項7に係る発明によると、押圧部材である取っ手に設けた凸状部を、ボデー開口部二次側の係止溝にボデーの二次側に向けた反力を付与させながら装着すると、ボデーの二次側下方のスクリーンを支える位置が支点となり、この支点を中心としたてこの作用によりスクリーンをボデー中央部の一次側流入開口部に押し付けることができる。これにより、ボデーとスクリーンとの隙間を極めて小さくして流体中のゴミ、異物を確実に捕捉できる。取っ手を収納できることで、ウォッチグラスから本体内部を覗いたときにこの取っ手が邪魔になることがなく、内部の確認をおこないやすくなる。
【0027】
請求項8に係る発明によると、取っ手の付け根部をボデーの突起部に当てて回転方向を制限をしていることにより、スクリーンを確実に正しい位置に装着でき、このスクリーンがボデーに対して回転することを防止し、ボデーの一次側流入開口部とスクリーンの流入口との位置ずれを回避してスクリーン流入口からの異物やゴミの流出を防止できる。
【0028】
請求項9に係る発明によると、筒状スクリーンの中心と取っ手の中心との位置をずらすことにより、取っ手を逆方向にしたときにこの取っ手がスクリーン上部に干渉し、この取っ手が邪魔になって蓋体を組立てできなくなる。このため、取付け方向を間違った状態でスクリーンを装着することを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のストレーナの第1実施形態を示した縦断面図である。
【図2】図1における筒状スクリーンの中央縦断面図である。
【図3】本発明のストレーナの第1実施形態を示した平面図である。
【図4】押圧杆の他例を示す平面図である。
【図5】筒状スクリーンの他例を示す中央縦断面図である。
【図6】本発明のストレーナの第2実施形態を示した縦断面図である。
【図7】図6のストレーナのボデー内部を示した斜視図である。
【図8】図6のA−A断面図である。
【図9】スクリーン離脱時の過程を示した断面図である。
【図10】図7の平面図である。
【図11】凸状部の係止溝への装着状態を示した概略平面図である。
【図12】図11のB−B拡大断面図である。
【図13】筒状スクリーンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明におけるストレーナの実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1、図2においては、本発明のストレーナの第1実施形態を示している。本発明におけるストレーナ本体1は、筒状スクリーン2、この筒状スクリーン収納用のボデー3、スクリーンロッドからなる押圧杆4、蓋体5を有している。
【0031】
図1、図2に示した筒状スクリーン2は、例えば、ステンレス等の材料によりボデー3内の後述の収納部10よりもやや縮径した円筒状に形成され、ボデー3の開口部11から挿着されてこの収納部10に着脱可能になっている。スクリーン2は、筒部12と、この筒部12の底部側を閉塞する底板13とを有している。筒部12と底板13とには、パンチング等の加工手段により多数の小孔14が形成されている。筒部12の一次側には流入口15が形成されており、この流入口15から流体を流入して濾過可能になっている。
【0032】
スクリーン2の筒部12の上端側・下端側には、上端枠部16・下端枠部17がそれぞれ取付けられ、筒部12はこの上端枠部16、下端枠部17によって上下部位が補強されている。上端枠部16の外径は下端枠部17の外径よりもやや大きく設けられており、具体的には、例えば、上端枠部において上端部側から18mmの幅の範囲の外径をφ87mmとしたときに、下端枠部の外径をφ84mmとしている。
【0033】
上端枠部16には、略円筒状のコマ体18が溶接等の固着手段で固着されている。コマ体18の内周には雌ねじ部20が形成され、この雄ねじ部20にスクリーンロッド4が取付けられる。このスクリーン2の上方位置に設けたスクリーンロッド4が押圧手段となる。
【0034】
スクリーンロッド4は、雌ねじ部20に螺合可能な雄ねじ部21を有しており、この雄ねじ部21を雌ねじ部20に螺合することでスクリーン2の径方向に進退自在に設けられている。この場合、雌ねじ部20に対して雄ねじ部21を緩めたときに、スクリーンロッド4の外端部22をボデー内周面23に押圧することが可能になっている。
【0035】
スクリーンロッド外端部22は、スクリーンロッド4を構成するロッド24よりも大きい径に設けられ、この外端部22が押圧部をなしている。一方、スクリーンロッド4の内端部25には工具係合可能な係合部26を設けており、この係合部26は図示しない六角レンチで回転可能な六角部よりなっている。スクリーンロッド4は、通常は手で回転可能であるが、固着して動かなくなった場合などに六角レンチで回転することも可能であり、これにより容易に回転できる。スクリーンロッド4は、外端部4をスクリーン2の外側、係合部26をスクリーン2の内側とした向きでスクリーン2の外側から内側にコマ体18に螺合して取付けられる。
【0036】
上端枠部16には2つの穿孔穴27、27が形成され、この穿孔穴27、27にはガイド杆28が取付けられている。ガイド杆28は、スクリーン2の径方向に一部が突設され、この突設部位がボデー3への係止部29となる。
【0037】
図1において、ボデー3は、例えば、鋳鉄・鋳鋼や黄銅・青銅等の材料により成形され一次側・二次側の接続口30、31を有している。ボデー3の上方にはスクリーン2着脱用の開口部11が設けられ、この開口部11は蓋体5により被蓋可能になっている。接続口30、31との間に、開口部11に続けてスクリーン2よりも上下部位がやや大径の収納部10が設けられ、この収納部10はスクリーン2の形状に合わせて下部側の外径よりも上部側の外径がやや大径に形成されている。収納部10における一次側接続口30の開口側には、環状のシール面32が形成されている。
【0038】
ボデー3には、接続口30、31に続けて一次側流入開口部60、二次側流出開口部61がそれぞれ形成されている。ボデー3の一次側流入開口部60より下方位置で、かつボデー3の二次側流出開口部61側にはスクリーン2との支点Pを形成する段部62が設けられ、この支点Pにスクリーン2を装着してこの支点Pを中心にスクリーン2を回転させることが可能になっている。この場合、ボデー3における前記スクリーンロッド外端部22の押圧部分が力点Tとなる。ボデー3のシール面32において、スクリーン流入口15の外周縁部である口縁部44との当接位置が作用点Sとなる。
【0039】
本発明のストレーナは、筒状スクリーン2の上方位置に設けた押圧手段であるスクリーンロッド4の押圧力を介して、当該スクリーン2の口縁部44をボデー3の流入開口部60側に押し付けるようにしたものである。この場合、前述の雌ねじ部20に対して雄ねじ部21を緩めたときに、スクリーンロッド4の外端部22がボデー内周面23を押圧して力点Tに力が加わり、図1において支点Pを中心にスクリーン2が左方向に回転しようとする。このときの力が作用点Sに作用して、筒状スクリーン2の口縁部44をボデー3の一次側流入開口部60側に押し付けることが可能になる。
【0040】
開口部11側のボデー内周面23には位置決め溝33が適宜の深さで形成され、スクリーン2を収納部10に挿着したときには、この位置決め溝33にスクリーンロッド外端部22が係合されることで、回転方向の向きが位置決めされた状態でスクリーンロッド4が装着される。位置決め溝33は、ボデー内周面23の二次側に設けられ、スクリーン2を挿着したときには、スクリーンロッドの外端部22を押圧してスクリーン2とボデー3との間の隙間を抑えた状態で設置でき、かつ、外端部22を回転方向に係合することで位置決めした状態を保持している。位置決め溝33は、スクリーン2をボデー3に挿入したときに、外端部22の位置が流路から45°以内となる範囲に設けることが望ましい。特に、スクリーンロッド4を1箇所に設け、このスクリーンロッド4を流路に対して平行に配置したときに後述する機能が最も効率的に発揮される。スクリーンロッド4の流路からの角度を45°以上に設けた場合には、スクリーン2を1次側に押さえつける力よりも横方向に押さえつける力が強くなるため望ましいことではない。
【0041】
図3に示すように、開口部11には係止溝部35が一部を切欠いて形成され、この係止溝部35にガイド杆28の係止部29を係止可能になっている。スクリーン2の挿着時には、係止溝部35に係止部29を係止させることで、スクリーン2を正しい向きでボデー3に取付けできることから組み間違いを防止できる。さらに、ガイド杆28をスクリーン着脱用の取っ手として使用できる。係止溝部35の上方側には、この係止溝部35や収納部10よりも拡径した環状凹溝36が所定の深さで形成されている。この環状凹溝36の外側には4本のおねじ37が埋め込みにより取付けられている。
【0042】
収納部10の下方側、すなわち、スクリーン2の底面2aが載置する側には、図1に示すように、突状の載置部38と、この載置部38の間に凹部39が形成されている。載置部38はスクリーン2を載置可能な形状に設けられ、スクリーン2を載置したときに底面2aとの間に凹部39により空間部位が形成される。これにより、底面2a全体が収納部10に接触することが防がれ、底面2a側に錆が発生してこの底面2aが収納部10に固着することを防いでいる。
【0043】
ボデー3の両側にはフランジ部40が形成され、このフランジ部40には取付穴41が形成されている。ストレーナ本体1は、フランジ部40を介して図示しない外部流路に接続可能になっている。図示しないが、フランジ部40の代わりに各種の接続構造を設けてもよい。
【0044】
図1に示すように、蓋体5は、開口部11を被蓋可能な大きさに形成され、おねじ37と対応する位置に図示しない挿通穴が穿孔されている。蓋体5は挿通穴におねじ37を挿入しながらボデー3に載置され、おねじ37にナット42を螺合することでボデー3に取付けられる。ボデーと蓋体との間の環状凹溝36にはガスケット43が挟着され、このガスケット43により開口部11からの流体漏れが防がれる。
図示しないが、蓋体5の中央部位に開口穴を形成し、この開口穴に透明のガラス板やアクリル板を取付けることで、蓋体5を介して外側からスクリーン2の内部の異物・ゴミ等の堆積状態を視認することもできる。
【0045】
ストレーナ本体1において、前記したようにボデー3に対してスクリーン2の上端に設けたスクリーンロッド4が押圧杆としてスクリーン2の径方向に沿って進退自在に設けられ、この押圧杆4の外端部22をボデー内面23に押圧可能にしつつ、スクリーン2を着脱可能になっている。スクリーン2は流入口15が一次側接続口30に対向配置され、シール面32に流入口15の口縁部44が圧接シールした状態でボデー3内に挿着される。
【0046】
なお、前述したスクリーンロッド(押圧杆)4は必ずしもスクリーン2側に設けられている必要はなく、ボデー3側に配設してもよい。さらに、スクリーンロッド4を複数設けるようにしてもよく、スクリーン2の適宜の位置に設けることもできる。
スクリーン2は、強度を確保していればステンレス以外の金属材料や、或は樹脂材料等を用いて製作することもでき、ストレーナ本体1の使用温度や流体の条件に応じて最適な材料を選択できる。更に、パンチングにより小孔14を設けているが、図示しない金網等のメッシュにより円筒状のスクリーンを形成したり、或は、小孔を設けたスクリーンの内側にメッシュを貼り付けるようにしてもよい。
【0047】
続いて、上述した実施形態のストレーナにおいて、ボデー3にスクリーン2を着脱する場合を述べる。
先ず、ボデー3にスクリーン2を取付ける場合には、流入口15を一次側接続口30に対向させるようにして、スクリーンロッド4の押圧部(外端部)22を位置決め溝33、ガイド杆28の係止部29を係止溝部35にそれぞれ係合させながら開口部11から収納部10にスクリーン2を挿着する。このとき、収納部10の上下部位がスクリーン2よりもやや大径に形成されていることでこの上下部位とスクリーン2との間に空間が形成されるため容易にスクリーン2を挿着でき、しかも、収納部10の上部側が下部側よりもやや大径になっていることから、スクリーン2の挿入がより簡単になっている。
スクリーン2は、押圧部22と位置決め溝33、係止部29と係止溝部35との各係合により流入口15がシール面32に位置決めされた状態で挿着され、回り止めされていることでこの位置決め状態が保持される。
【0048】
続いて、図1、図3において、スクリーンロッド4の係合部26を手で把持するか、或はこの係合部26に工具を係合させ、外端部22をボデー内周面23に進出させる方向に回転させ、スクリーン2を水平方向に移動させながら外端部22をボデー内周面23に押圧させる。これにより、スクリーン2がボデー3の二次側接続口31側から一次側接続口30側に押し付けられながら固定される。このとき、特に、上端枠部16の外周部位、下端枠部17の外周部位がそれぞれボデー内周面23、口縁部44がシール面32により強く圧接されてボデー3とスクリーン2との隙間が塞がれる。そのためスクリーン2の水平方向の動きが抑制され、流体中の異物・配管内腐食や図示しないシール部材の剥離によるゴミ等をスクリーン2で捕捉し、これらの二次側への流出を確実に阻止して水・油・ガス・空気・蒸気などの各種流体を濾過できる。このとき、ストレーナ本体1が縦形であることにより、濾過した流体を直線状に流出して圧力損失が抑えられている。
スクリーン2は、例えば、ボデー3の上部側における左右と2次側、下部側における左右と1次側の上下それぞれ3箇所で支えられる。
【0049】
一方、ボデー3からスクリーン2を取り外す際には、ナット42の螺合を外し、蓋体5とガスケット43とをボデー3から取り外して、開口部11を開口させる。
次いで、係合部26を手で把持するか、或は工具を用いて外端部22をボデー内周面23から離間させる方向に回転させ、スクリーン2を水平方向に移動させて外端部22とボデー内周面23との間に隙間を発生させる。このときにスクリーン2がボデー3に押圧される力が解除されてスクリーン2の水平方向の動きが自由になることで、上端枠部16の外周部位、下端枠部17の外周部位とボデー内周面23、口縁部44とシール面32との間にもそれぞれ隙間が発生する。そのためスクリーン2とボデー3との離脱性が向上し、ガイド杆28を取っ手として上方に引き上げることでボデー3からスクリーン2を簡単に抜き取ることができ、スクリーン2とボデー3との間に錆やゴミ・異物等がつまって固着している場合にも強い力を加えることなく容易な抜き取りが可能となる。
錆こぶや硬いゴミなどをせん断することなくスクリーン2を抜き取ることができるため、防錆塗装を施した場合にもこの塗装が削られて錆が発生したりスクリーン2の破損を防止でき、長期に渡ってスクリーン2による高い濾過機能を発揮できる。
【0050】
スクリーン2は、前述したようにボデー3に上下それぞれ3箇所で支えられているが、このスクリーン2の上部側を下部側よりも大径に設けていることでボデー3の開口上部側にスクリーン2が干渉することを防止し、スクリーン2が擦れたりすることが回避される。
【0051】
このように、スクリーン2をボデー3上部の開口部11より着脱できるため、メンテナンスも容易である。また、この縦形のストレーナ構造により、コンパクト性に優れ、単純な内部構造で構成できるため部品点数も少なくなって低コストで製作可能である。
【0052】
図4においては押圧杆の他例を示している。この押圧杆45は六角ボルトからなり、この六角ボルト45をボデー3に設けたねじ穴46にボデー3の外側から進退自在に螺入することで、この六角ボルトの先端47でスクリーン2をボデー2の外部から流入側に押し付け可能に設けたものである。このように押圧杆を六角ボルト45とした場合にも、前述の場合と同様の効果を発揮できる。
【0053】
図5においては筒状スクリーンの他例を示している。この筒状スクリーン48では、板材49がリベット50により止められて押圧杆51が設けられ、この押圧杆51がピン52を介して径方向に沿って進退自在に設けられている。このように押圧杆51をスクリーン48に設け、この押圧杆51の外端部53でボデー内面を押圧することもできる。
【0054】
図6においては、本発明のストレーナの第2実施形態を示している。なお、この実施形態において、前記実施形態と同一部分を同一符号によって表している。このストレーナ本体70は、筒状スクリーン71、この筒状スクリーン収納用のボデー72、蓋体であるカバー73を有している。
【0055】
図13に示した筒状スクリーン71は、例えば、ステンレス材料により設けられ、前記実施形態と共通の筒部12と底板13とを有しており、ボデー72の一次側から入ってきた異物・ゴミ等を捕捉して濾過可能になっている。筒部12と底板13とは溶接によって一体に設けられ、筒部12の流入口15から流入した異物・ゴミ等が、底から落ちないようになっている。筒部12は円筒状に形成され、端部同士が合わせ板74により溶接で固着されている。合わせ板74は、筒部12の端部同士の合わせ部分を平らにしながら溶接され、これにより、丸く形成された円筒スクリーン71全体の形状が保持される。流入口15の外周側には、ボデー3の一次側流入開口部60に押し付け可能な外周縁部である口縁部44が形成されている。
【0056】
図10、図11に示すように、筒状スクリーン71には押圧手段である取っ手75が設けられている。取っ手75は、筒部12よりも大きい径によって円弧状に設けられている。取っ手75の両側の端部76、76はそれぞれ曲折形成され、この曲折により付け根部77、77が設けられている。端部76は筒部12の上部に形成された孔部78に挿入され、これにより筒部12に回転自在に軸着されている。取っ手75の中間位置には凸状部80が設けられ、この凸状部80をつかみながら筒状スクリーン71を回転させることでこの筒状スクリーン71をボデー72に着脱可能となる。
【0057】
図10において、取っ手75の設置位置は、筒状スクリーン71の中心(筒部12の中心)Оから二次側へ偏芯されている。このため、取っ手75を筒部12に対して回転したときに、二次側には所定の状態まで倒すことが可能になり、一方、一次側には中央付近(凸状部80付近)が筒部12の上部に干渉して倒すことができなくなっている。このように、取っ手75は、スクリーン71の取付け方向を間違えないようにする役割を有している。
【0058】
図7に示したボデー72は、前記実施形態と共通の材料によって形成され、例えば、青銅によって成形される。図9、図10において、ボデー72は、一次側と二次側の接続口81、82を有し、これらの接続口81、82は、図のような連通穴以外であってもよく、例えば雌ネジを設けるようにしてもよい。ボデー72にはスクリーン71着脱用の開口部83が設けられ、この開口部83側には、図11においてハッチングで示したガスケット43装着用の環状凹溝89が形成されている。開口部83の内側の二次側には円弧状の凹状部84が切欠き形成され、この凹状部84の二次側に凸状部80を係止可能な係止溝85が、環状凹溝89を切欠くように形成されている。更に、開口部83における付け根部77の配設位置よりも一次側には、突起部86が内周方向に突出して形成され、開口部83の一次側には、筒部12が係合可能な円弧状縁部87が設けられている。
【0059】
図6、図8に示すように、ボデー72の収納部10の下部においては、二次側の載置部38に係合段部88が形成され、この係合段部88が支点Pとなってスクリーン71の二次側下部を係合することが可能になっている。係合段部88の上方にはアール状の案内面部96が形成されている。収納部10下部の二次側両側には、ガイド部97、97が設けられ、このガイド部97は、アール状の案内面98と、小載置部99とを有している。案内面部96、案内面98は、収納部10から緩やかに縮径するように形成され、この案内面部96、案内面98の内周面側でスクリーン71外周側を保持可能になっている。載置部38、小載置部99は、スクリーン71の底面側を載置するために同じ高さに設けられている。
【0060】
図6において、カバー73は、開口部83を被蓋可能な大きさに形成され、図示しない着脱用挿通穴が設けられている。カバー73の中央には装着穴部90が設けられ、この装着穴部90の出口側に取付段部91、穴部内周に環状溝92が形成されている。装着穴部90にはウォッチグラス93が装着され、このウォッチグラス93は取付段部91に当接して位置保持されている。ウォッチグラス93は、透明或は半透明のガラス、又はアクリル等の樹脂材料により成形されている。環状溝92にはゴム製のOリング94が装着され、このOリング94でウォッチグラス93とカバー73との間の漏れが防がれている。ストレーナの使用時には、ウォッチグラス93を介して内部のゴミ詰まりを目視により確認できる。ボデー72とカバー73との間には前記実施形態と共通のガスケット43が装着され、このガスケット43によりこれらの間からの漏れが防がれている。
【0061】
カバー73は、ウォッチグラス93、Oリング94が装着された状態で、六角穴付きボルト95により挿通穴を介してボデー72に固定される。六角穴付きボルト95の締付けにより、ガスケット43を潰してボデー72との間の漏れを確実に防ぐことができる。このとき、ガスケット43がスクリーン71上端に当接してスクリーン71の公差を吸収し、スクリーン71がボデー72内部でガタつくことを防ぎながら装着される。さらに、このガスケット43により、凹状部84内に装着された取っ手75が保護される。
【0062】
筒状スクリーン71のボデー72への挿入時には、取っ手75を持ちながら挿入し、このときボデー72の中心を境に二次側下部のみに係合段部88が設けられ、一次側上部のみに円弧状縁部87が設けられていることから、スクリーン71をボデー72に接触させることなく挿入できる。スクリーン71とボデー72とが接していると、異物の噛み込みや固着によりスクリーン71を装着できなくなるが、これらの接触を防いでいることで確実にスクリーン71を着脱でき、しかも、シール面32から係合段部88までの距離を厳しい公差にしながらボデー72を製作できる。
【0063】
筒状スクリーン71を挿入し、この筒状スクリーン71の底板13側が案内面部96、案内面98の位置まで達すると、これらの案内面部96、案内面98に沿うように載置部38、小載置部99まで案内される。このように、スクリーン71をボデー72の二次側に沿わせるように挿入するだけで、スクリーン71下部側の保持用として狭くなっている載置部38、小載置部99まで案内して所定の状態に載置できる。挿入時には、スクリーン71の上部側をボデー72の流路方向に可動できるため、取っ手71でスクリーン71上部側を流路方向に動かすことでスクリーン71を簡単に挿入できる。
【0064】
続いて、凸状部80を回転させて係止溝85に装着すると、図6、図7、図12において、取っ手75の弾性力により力点Tにおいて凸状部80が係止溝85にボデー72の二次側に向けた反力を付与し、この反力によって筒状スクリーン71の上部側が開口部83側に位置決め固定される。このようにして、スクリーン71は、上下側でボデー72内に所定状態に装着される。このとき、筒部12の二次側下部と係合段部88との係合部位が支点Pとなり、この支点Pを中心に凸状部80の反力でスクリーン71が一次側流入開口部60方向に回転する。これによって、口縁部44が一次側流入開口部60のシール面32に押し付けられ、この押圧部位が作用点Sとなって口縁部44とシール面32とが密着する。スクリーン71の一次側上部は、円弧状縁部87に係合し、この係合と凸状部80の係止溝85への装着によってスクリーン71上部側が位置保持されている。このように取っ手75の弾性力により、スクリーン71上部の一、二次側と、下部の二次側とがボデー72内に強固に押し付けられた状態になる。
【0065】
装着後において、中心Oを軸としてスクリーン71がボデー72に対して回転しようとすると、取っ手75の付け根部77がボデー72の突起部86に当たって回転方向を制限する。これにより、ボデー72の一次側流入開口部60とスクリーンの流入口15との位置ずれを防いで異物やゴミの漏れを防止できる。
更に、スクリーン71の外径よりも取っ手75の径を大きくすることと、ボデー72上部のスクリーン71の支承部位である円弧状縁部87、突起部86を一次側のみに設けることによって、スクリーン71の中心Oに対する回転方向への制限がかかり、このスクリーン71を確実に正しい方向に取付けることができる。
【0066】
図9において、筒状スクリーン71をボデー72から離脱させるときには、係止溝85から凸状部80を外すように取っ手75を回転させる。この場合、支点Pから力点Tまでの距離よりも支点Pから作用点Sまでの距離が近いことで作用点Sに発生する力がより強くなり、スクリーン71がボデー72との接触部位から斜め方向に簡単に離れやすくなっている。
【0067】
次いで、取っ手75を引っ張るようにして筒状スクリーン71を二次側へスライドさせ、上方に抜き取ることで簡単に取り外しできる。スクリーン71離脱時には、小孔14等に固形化した砂などが詰まった場合でも、固形物をせん断することなく収納部10から引き抜く方向に移動させるだけで軽い力で離脱させることが可能となる。しかも、係合段部88の上端が支点Pとなって接触面積の大きい口縁部44により作用点Sにおける力を増幅できるため、スクリーン71の離脱をよりおこない易くできる。
【符号の説明】
【0068】
1、70 ストレーナ本体
2、71 筒状スクリーン
3、72 ボデー
4 スクリーンロッド(押圧杆)
5、73 蓋体
11、83 開口部
15 流入口
16 上端枠部
17 下端枠部
20 雌ねじ部
21 雄ねじ部
22 押圧部(外端部)
23 ボデー内周面
24 ロッド
25 内端部
26 係合部
30 一次側接続口
31 二次側接続口
33 位置決め溝
44 外周縁部(口縁部)
60 一次側流入開口部
61 二次側流出開口部
75 取っ手
77 付け根部
80 凸状部
85 係止溝
86 突起部
O 中心
P 支点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側と二次側の接続口を有するボデーの上方に設けた開口部を蓋体で着脱自在に被蓋し、この開口部より挿入する一次側に流入口を有する筒状のスクリーンをボデー内に着脱するストレーナにおいて、前記ボデーの一次側流入開口部より下方位置で、かつボデーの二次側に前記筒状スクリーンを装着して一次側へ回転させる支点を設け、前記筒状スクリーンの上方位置に設けた押圧手段の押圧力を介して当該筒状スクリーンの流入口の口縁部を前記ボデーの流入開口部側に押し付けるようにしたことを特徴とするストレーナ。
【請求項2】
前記スクリーンの上方位置に設けた押圧手段である押圧杆を前記スクリーンの径方向に沿って進退自在に設けて前記押圧杆の外端部を前記ボデー内面に押圧した請求項1に記載のストレーナ。
【請求項3】
前記筒状スクリーンの上端枠部に雌ねじ部を固着し、この雌ねじ部に雄ねじ部を有するスクリーンロッドをスクリーンの径方向に進退自在に設けて、このスクリーンロッドの外端部を前記ボデー内周面に押圧した請求項1又は2に記載のストレーナ。
【請求項4】
前記筒状スクリーンの上端枠部の外径を下端枠部の外径よりやや大きくした請求項3に記載のストレーナ。
【請求項5】
前記ボデー内周面に、前記スクリーンロッドの外端部を押圧し、かつ回転方向に係合する位置決め溝を設けた請求項3又は4に記載のストレーナ。
【請求項6】
前記スクリーンロッドの外端部をロッドより径の大きい押圧部とし、内端部には、工具係合可能な係合部を設けた請求項3乃至5の何れか1項に記載のストレーナ。
【請求項7】
前記筒状スクリーンの上部に押圧手段である円弧状の取っ手を回転自在に軸着し、この取っ手の中間位置に凸状部を設け、この凸状部を前記ボデーの開口部二次側に形成した係止溝に前記ボデーの二次側に向けた反力を付与するようにした請求項1に記載のストレーナ。
【請求項8】
前記取っ手の付け根部を前記ボデーの開口部に形成した突起部に当てて回転方向を制限するようにした請求項7に記載のストレーナ。
【請求項9】
前記取っ手の設置位置を前記筒状スクリーンの中心から二次側へ偏芯させた請求項8に記載のストレーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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