説明

ストロボ及び無線ストロボ制御システム

【課題】無線ストロボ制御に対応していないカメラに装着された場合でも、同調不良による失敗写真を防止することを可能にしたストロボ制御システムを提供する。
【解決手段】ストロボに対してX信号を出力可能なカメラと、前記カメラに装着可能なマスターストロボ装置と、スレーブストロボ装置を有し、前記マスターストロボ装置からの無線通信により前記スレーブストロボ装置との情報や制御のやり取りを行うストロボ制御システムにおいて、前記マスターストロボ装置は前記カメラが無線多灯ストロボ制御に対応可能かどうかを判定する手段、シャッター速度を取得する手段、X同調値を取得する手段を備え、前記判定手段により対応可能でないと判断された場合、前記マスターストロボ装置はカメラからのX信号に同期してスレーブストロボ装置に対して発光命令を送信してストロボ撮影を行ない、シャッター速度が同調秒時付近ならば、警告表示を行う手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムを構成する撮像装置、ストロボ装置、ストロボ制御カメラシステム、それによる同調撮影方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多灯制御システムにおいて、カメラはスレーブストロボと無線通信を行うことによって、カメラ側でスレーブストロボの動作を集中制御し、ストロボ発光撮影を行うシステムが特許文献1によって提案されている。
【0003】
しかし無線送受信動作には通信速度に依存する遅延や、通信失敗時の再送信による遅延があるためこれを考慮しシャッタータイミングの発光同期を取る必要がある。
【0004】
このため、例えば、特許文献2ではカメラとストロボが無線通信を行うストロボ制御で、スレーブストロボはカメラからの発光コマンドを受信したことに対する応答トリガパケットを送信する。この後カメラは受信応答パケットを受信したとき第一の一定期間経過後にシャッター先幕動作を行い、第二の所定時間後に先幕同調のストロボ撮影を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−89306号公報
【特許文献2】特開2010−185961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般的にカメラに対しストロボは互換性のあるアクセサリとしてユーザーに提供されており、様々なカメラに装着可能である。
【0007】
そのため、前述の発光同期技術を搭載したストロボが、過去に発売されたカメラ、つまり無線通信用の発光コマンド送信に対応していないカメラに装着されることも考慮しなければならない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、無線ストロボ制御に対応していないカメラに装着された場合であっても、同調不良による失敗写真を防止することを可能にしたストロボ制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、ストロボに対してX信号(発光同期信号)を出力可能なカメラと、前記カメラに装着可能なマスターストロボ装置と、発光手段を持つスレーブストロボ装置を有し、前記マスターストロボ装置からの無線通信により前記スレーブストロボ装置との情報や制御のやり取りを行うストロボ制御システムにおいて、前記マスターストロボ装置は前記カメラが無線多灯ストロボ制御に対応可能かどうかを判定する判定手段を備え、さらに前記マスターストロボ装置は装着したカメラからシャッター速度を取得する手段、およびカメラのX同調値(同調可能なシャッター速度)を取得する手段を備え、前記判定手段により対応可能でないと判断された場合には、前記マスターストロボ装置はカメラからのX信号に同期してスレーブストロボ装置に対して無線通信により発光命令を送信し、ストロボ撮影を行ない、シャッター速度が同調秒時付近ならば、警告表示を行うための報知手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、無線ストロボ制御に対応していないカメラに装着された場合であっても、同調不良による失敗写真を防止することを可能にしたストロボ制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例を説明するためのカメラシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施例を説明するためのカメラシステムを示す模式図である。
【図3】本発明の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施例における画面表示の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第一の実施例を説明するためのストロボ同調撮影を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施例1に係わるカメラシステム(デジタルカメラ、レンズ、ストロボ装置から成る)の構成を示すブロック図である。
【0014】
100はカメラ本体を、200はレンズを、300はストロボ装置(閃光装置)を、それぞれ示している。
【0015】
まず、カメラ本体100内の構成について説明する。
【0016】
101はカメラ100の各部を制御するマイクロコンピュータCCPU(以下、カメラマイコン)である。カメラマイコン101はカメラシステムの制御をおこなうもので、各種の条件判定もおこなう。
【0017】
102は赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCD,CMOS等の撮像素子であり、後述のレンズ群202によって撮影時に被写体の像が結像される。
【0018】
103は制御回路を含むシャッターで非撮影時には撮像素子102を遮光し、撮影時には開いて撮像素子102へ光線を導く。シャッター制御回路は、カメラマイコン101からシャッター先幕駆動信号、シャッター後幕駆動信号118の信号に従って、シャッターを制御する。ここでは、シャッターが公知のフォーカルプレンシャッターであり、フォーカルプレンシャッターを構成する2つのシャッター駆動マグネットを制御し、シャッター先幕と後幕を走行させ、露出動作を担う。
【0019】
またシャッターには公知のシャッターの羽の位置を検出し、シャッター走行完了などのタイミングを検出するフォトインタラプタを内蔵し、カメラマイコン101と接続される119の信号により検出する。
【0020】
シャッター103の動作に関しては図4のフローチャートと図9のタイミング図にて詳細に説明する。
【0021】
104は主ミラー(ハーフミラー)で非撮影時にレンズ群202より入射する光の一部を反射し105のピント板に結像させる。
【0022】
105はピント板で不図示の光学ファインダー内のピントを目視で確認する。
【0023】
106は測光回路でこの回路内の測光センサーは被写体の撮影範囲を複数の領域に分割しそれぞれの領域で測光を行っている。
【0024】
107は焦点検出回路で回路内の測距センサーは複数点を測距ポイントとして持ち、測光センサーの分割された部分に対応した位置に測距ポイントが含まれているよう構成されている。
【0025】
測光回路106内の測光センサーは後述する114のペンタプリズムを介してピント板105に結像された被写体像を見込んでいる。
【0026】
108は撮像素子102の信号の増幅のゲインを切換えするためのゲイン切換え回路であり、ゲインの切換えは撮影の条件や後述の充電電圧条件によるレベル設定、撮影者の入力等によりカメラマイコン101が切換えを行う。
【0027】
109は増幅された撮像素子102からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器で、110は撮像素子102の増幅された信号入力とA/D変換器109の変換タイミングを同期させるためのタイミングジェネレータ(TG)である。
【0028】
111はA/D変換器109でデジタル信号に変換された画像データをパラメータにしたがって画像処理を行うデジタル信号処理回路である。
【0029】
尚、処理画像の記憶のためのメモリ等は省略する。
【0030】
120はカメラ100とレンズ200及びストロボ装置300とのインタフェースの信号ラインでありアクセサリーシュー内に通信端子が設けられている。例えばカメラマイコン101をホストとしてデータの交換やコマンドの伝達を相互に行う。
【0031】
これにより、ストロボ装置300への発光開始信号や後述するストロボマイコン310との通信クロック端子を持ち、カメラマイコン101からストロボマイコン310間で通信を可能にしている。
【0032】
同様に130は後述するレンズマイコン201とのインタフェースであるレンズマウントであり、レンズマイコン201からカメラマイコン101にデータを送信する端子を有し、カメラマイコン101とレンズマイコン201間で通信を可能にしている。
【0033】
112は各種入力部で任意のフィルタ情報の設定を入力することや、予備発光を行うための予備発光ボタン、日中シンクロモード等のスイッチやボタン、ダイヤルなどでカメラの設定などを外部から入力する事が可能である。
【0034】
113は各種設定されたモードやその他の撮影情報などを表示する液晶装置や発光素子などからなる表示部である。
【0035】
114はペンタプリズムで、ピント板105の被写体像を測光回路106内の測光センサー及び不図示の光学ファインダーに導く。
【0036】
115はサブミラーで、レンズ群202より入射し主ミラー104を透過した光線を焦点検出回路107の測距センサーへ導く。
【0037】
次に、レンズ200内の構成と動作について説明する。
【0038】
201はレンズ200の各部の動作を制御するマイクロコンピュータLPU(以下、レンズマイコン)である。レンズマイコン201はレンズの制御や各種の条件判定を行う。
【0039】
202は複数枚で構成されたレンズ群である。
【0040】
203はレンズ群202の焦点位置合わせ用の光学系を移動させるレンズ駆動部であり、レンズ群202の駆動量は、カメラ100内にある焦点検出回路107の出力に基づいてカメラマイコン101内にて演算され算出される。
【0041】
204はレンズ群202の駆動時に位置を検出するエンコーダである。
【0042】
算出された駆動量はカメラマイコン101からレンズマイコン201に通信され、エンコーダ204の駆動情報により駆動量分だけレンズマイコン201がレンズ駆動部203を動作させ、レンズ群202が合焦位置へ移動させられる。
【0043】
205は絞りで、206は絞り制御回路であり、絞り205は絞り制御回路206を介してレンズマイコン201により制御される。
【0044】
なお、レンズ群202の焦点距離は単焦点のものであっても、ズームレンズのように焦点距離は可変であっても構わない。
【0045】
次に、ストロボ装置300の構成について説明する。
【0046】
310はストロボ装置300の各部の動作を制御するマイクロコンピュータFPU(以下、ストロボマイコン)である。ストロボマイコン310は、ストロボ装置300の制御や、各種の条件判定を行う。
【0047】
301はストロボの電源(VBAT)としての電池である。後述の昇圧回路302、ストロボマイコン310に接続される。
【0048】
302は電池301の電圧を数百Vに昇圧する昇圧回路で主コンデンサ303に発光のためのエネルギーを蓄積させる。ストロボマイコン310の端子に接続され、充電の制御を行なう。
【0049】
303は主コンデンサでストロボ発光のための高圧コンデンサで実施例では330Vまで充電して発光時放電する。
【0050】
313は電圧検出回路で主コンデンサ303の両端に接続され主コンデンサ電圧の検出手段である。
【0051】
主コンデンサ303に充電された電圧は電圧検出回路313により抵抗304、抵抗305により分圧され、分圧された電圧はストロボマイコン310の端子を介してA/D変換端子に入力される。
【0052】
この情報はストロボマイコン310からアクセサリーシュー通信を介してカメラマイコン101に通信される。
【0053】
306はトリガー回路である。ストロボマイコン310の端子に接続され、発光時にストロボマイコン310よりトリガー信号パルスが出力される。
【0054】
307は放電管であり、主コンデンサ303に充電されたエネルギーをトリガー回路306から印加される数KVのパルス電圧を受け励起する事で発光し、その光を被写体に照射する。
【0055】
308はトリガー回路306と共に放電管307の発光の開始を制御し、さらに発光の停止を制御する発光制御回路である。
【0056】
323は放電管307の発光量を受光するセンサーとしてのフォトダイオードであり、直接またはグラスファイバーなどを介して放電管307の光を受光する。
【0057】
309はフォトダイオード323の受光電流を積分する積分回路であり、入力は積分開始信号としてストロボマイコン310内の端子に接続される。
【0058】
積分回路309の出力は312のコンパレータの反転入力端子とストロボマイコン310のe端子を介してA/Dコンバータ端子に入力される。
【0059】
コンパレータ312の非反転入力はストロボマイコン310内の端子を介してD/Aコンバータ出力端子に接続され、コンパレータ312の出力は311のANDゲートの入力端子に接続される。
【0060】
ANDゲート311のもう一方の入力はストロボマイコン310の端子を介して発光制御端子と接続され、ANDゲート311の出力は発光制御回路308に入力される。
【0061】
315は反射傘、316はパネル等から成りストロボ装置300の照射角を決める光学系である。
【0062】
320は各種入力部(入力インタフェース)であり、出力はストロボマイコン310の端子に接続される。例えばストロボ装置300の側面などにスイッチが設置されており、手動によりストロボ情報を入力することも可能である。
【0063】
321はストロボ装置300の各状態を表示する表示部でストロボマイコン310の端子より入力された表示を行なう。
【0064】
322は定電圧回路で電池301の電圧を定電圧にする。
【0065】
323はフォトダイオードでの積分回路309にて受光電流を積分する。
【0066】
324は無線通信回路、325は無線アンテナであり、これによって外部のストロボやリモコン等のカメラアクセサリと電波を用いたデータの送受信を行う。後述のストロボ1000とは、無線通信回路324及び無線アンテナ325を介して、ストロボマイコン310によって生成された無線通信パケットをやりとりする。
【0067】
図2は、本発明を適用した実施形態に係るストロボ制御カメラシステムの模式図である。本実施形態に係るストロボ制御カメラシステムは、デジタル一眼レフレックスカメラとストロボ(閃光装置)とから構成されるワイヤレスストロボシステムである。
【0068】
100は前記で説明したカメラであり、外付けストロボ300とアクセサリシューを介して接続されている。ストロボ300はここではマスターストロボとして動作する。また外付けストロボ300は無線通信回路及び無線アンテナを内蔵している。
【0069】
1000は外付けストロボであり、外付けストロボ300と同様、無線通信回路及び無線アンテナを内蔵している。ストロボ1000はスレーブストロボであり、マスターストロボが指令した通信により動作する。ストロボ300とストロボ1000とは、既知の無線通信規格であるIEEE802.15.4等の方法によって無線通信を行う。
【0070】
400は被写体、600はスクリーン、500はカメラ100を固定する三脚であり、写真スタジオでのストロボ撮影を想定している。
【0071】
本実施形態では、ストロボ300がマスター機器となり、ストロボ1000がスレーブ機器となって、カメラ100のシャッターとストロボ300、ストロボ1000の発光とが同期した、ストロボ同調撮影を行う。
【0072】
次に、図3、図4、図5、図6、図7のフローチャートと図8の表示画面、図9のストロボ同調撮影を示すタイミングチャートにより図2に示すようにカメラ100とストロボ300が接続され、ストロボ300とストロボ1000が1対1の場合のストロボ同調撮影のシーケンスを説明する。
【0073】
まず、既知の無線ペアリングによって、ストロボ300とストロボ1000とは、予め通信相手としてお互いに登録が行われている。
【0074】
カメラマイコン101の具体的な動作について図3のフローチャートにより本発明のシーケンスを説明する。
【0075】
不図示の電源スイッチがオンされてカメラ100のカメラマイコン101が動作可能となると、カメラマイコン101は、図3のステップ(以下、Sと略す)1から所定の動作を開始する。
【0076】
まず、S1では、カメラマイコン101自身のメモリやポートの初期化を行う。
【0077】
また入力部112より入力されたスイッチの状態や予め設定された入力情報を読み込み、シャッタースピードの決め方や、絞りの決め方等様々な撮影モードの設定を行う。
【0078】
カメラ100の電源がオンされ、ストロボ300の電源がオンして、無線ストロボ発光モードに設定されていると、カメラ100を介して、ストロボマイコン310は無線通信回路324を制御し、無線周波数を振ってチャンネルをスキャンする。そして通信相手であるストロボ1000を検索する。
【0079】
ストロボ1000は、電源がオンされると、ストロボ300と同様に無線通信回路324を制御し、使用するチャンネルを設定して、ストロボ300からの検索に応答できる状態に設定される。
【0080】
ストロボ300が検索によってストロボ1000を見つけると、ストロボ300はネットワークコーディネータとして定期的なビーコンパケット(ビーコン信号)の発行を開始することでネットワークを立ち上げる。ストロボ300はまたネットワークデバイスの役割を担い、ストロボ300の通信相手としてお互いにリンクを張ることで、いつでも通信可能な状態となる。
【0081】
このようにしてカメラ100とストロボ300とストロボ1000からなるシステムが起動した後、カメラ100はユーザーからのレリーズ操作待ちの状態(SW1のオン待ちの状態)となる
S2では、図示しないシャッターボタンの半押し状態であるSW1がONか否かを判別し、OFFのときはこのステップを繰り返し、ONのときはS3に進む。
【0082】
S3では、カメラマイコン101は撮影レンズ200内のレンズマイコン201と通信ライン130を介して通信を行う。そして、撮影レンズ200の焦点距離情報(以下、レンズの焦点距離情報)や測距、測光に必要な光学情報を取得する。
【0083】
S4では、カメラ100にストロボ装置300が装着されているかどうかをチェックする。カメラ100にストロボ装置300が装着されているならばS5へ進み、未装着ならばS6へ進む。
【0084】
S5では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ライン120を介して通信を行い、上記S3にて取得したレンズの焦点距離情報をストロボマイコン310に出力する。
【0085】
これにより、ストロボマイコン310は受信した焦点距離情報に基づいてモータ駆動回路313を駆動してエンコーダ314で位置を検出しストロボの照射角を制御する。
【0086】
S5では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ライン120を介して通信を行い、ストロボマイコン310自身のメモリ内に格納されているストロボの情報を出力するように指示を出し、ストロボマイコン310はカメラマイコン101へストロボ情報を出力する。
【0087】
このストロボ情報データは、現在の発光モード情報、主コンデンサ充電情報などである。
【0088】
次に、S6で、S1にて設定されたカメラの撮影モードのうち、カメラが自動焦点検出動作を行うモード(AFモード)であるか、そうでないモード(MFモード)であるかを判別する。
【0089】
また、カメラマイコン101はストロボマイコン310に対して、カメラの種類を識別するためのカメラID情報を送信する。
【0090】
S6でAFモードであればS7に進み、MFモードであれば、すぐにS9へ進む。S7では、焦点検出回路107を駆動することにより周知の位相差検出法による焦点検出動作を行う。またS7では、複数の測距点からどのポイントに合わせるか(測距ポイント)は、前述の入力部112により入力し設定されたポイントまたはカメラの撮影モードに応じて決定されたり、近点優先を基本の考え方とした周知の自動選択アルゴリズムなどで決定したりする。
【0091】
S8では、S7で決定された測距ポイントをカメラマイコン101内の図示しないRAM(ランダムアクセスメモリー)に記憶させる。
【0092】
更に、S8ではカメラマイコン101は焦点検出回路107の情報に基づきレンズの駆動量を演算する。
【0093】
カメラマイコン101は撮影レンズ200内のレンズマイコン201と通信ライン130を介して通信を行う。前記演算結果に基づきレンズマイコン201はレンズ駆動回路203を制御してレンズ群202を合焦位置に駆動しS9へ進む。
【0094】
S9では、一例としてここでは画面上の12のエリアに分割し被写体輝度値を測光回路106より得る。
【0095】
S10では、入力部112より入力されたゲイン設定の処理をゲイン切換え回路108により行なう。例えばISO感度設定である。
【0096】
またS10ではカメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ライン120を介して通信を行い、上記S10にて取得したゲイン設定情報をストロボマイコン310に出力する。
【0097】
S11では、複数のエリアの被写体輝度値EVbから、周知のアルゴリズムにより露出値(EVs)を決定する。
【0098】
S12では、ストロボマイコン310が充電完了信号を出力しているかどうかをチェックする。ここで、ストロボマイコン310が充電完了信号を出力しているならばS13へ進み、出力していなければS14へ進む。
【0099】
なお、このS12におけるストロボマイコン310が充電完了信号を出力しているかどうかの判定結果は、後のステップで用いるので記憶しておく。
【0100】
S13では、ストロボ撮影を行うために適したシャッター速度(Tv)と絞り値(Av)とを上記S9にて得られた測光出力をもとに決定する。
【0101】
S14では、自然光撮影を行うために適したシャッター速度(Tv)と絞り値(Av)とを上記S9にて得られた測光出力をもとに決定する。上記S13又はS14の処理が実行されると、いずれの場合もS15へ進む。
【0102】
S15では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ライン120を介して通信を行い、その他のストロボに関する情報をストロボマイコン310に出力する。
続いて、S16で、図示しない撮影開始のスイッチであるSW2がONであるか否かを判別し、OFFであればS1からS16までの動作を繰り返し、ONであればS17以下の図4の一連のレリーズ動作に進む
レリーズ後の動作について図4のフローチャートで説明する。
【0103】
S17では、カメラマイコン101からストロボマイコン310に通信ライン120を介して通信を行い、カメラ情報をストロボマイコン310に出力する。
【0104】
S18では、定常光の測光動作1を行う。
【0105】
S19では、プリ発光をストロボ300にておこなうためプリ発光通信をおこなうためカメラマイコン101からストロボマイコン310に通信ライン120を介して通信を行い、カメラ情報をストロボマイコン310に出力する。
【0106】
ストロボ300のプリ発光動作については後述にストロボ動作のフローチャート図5で説明する。
【0107】
S20では、ストロボ300でのストロボプリ発光状態での測光動作2を行う。
【0108】
このようにして得られた測光情報から、シャッタースピード、絞り値、ストロボ300、ストロボ1000の発光量を演算する。
【0109】
S21では、主ミラー104をアップさせ、撮影光路内から退去させる。
【0110】
S22では、光量設定通信を行う。S20で得られた測光情報をカメラマイコン101からストロボマイコン310に通信ライン120を介して通信を行い、カメラ情報をストロボマイコン310に出力する。
【0111】
ストロボ300の無線での光量設定通信については後述にストロボ動作のフローチャート図5で説明する。
【0112】
S23では、発光コマンドを送信する。カメラマイコン101からストロボマイコン310に通信ライン120を介して通信を行い、カメラ情報をストロボマイコン310に出力する。
【0113】
S24ではシャッターと絞り動作を行う。 また、スレーブストロボ1000では発光準備が完了し、発光トリガー通信待ちの状態となる。カメラ100はカメラマイコン101の制御下でミラーアップ、絞り制御し、シャッター103の先幕走行を開始するとともに、撮像素子102を制御して蓄積を開始する。
【0114】
S25では、メイン発光動作が行われる。シャッター103が全開状態に近くなると、カメラ100はストロボ300に対して発光同期信号であるX信号を出力する。
【0115】
多灯制御ではなく、ストロボ300による1灯撮影の場合においては、このX信号に同期してストロボ300は本発光処理をおこなうことで、カメラ100のシャッター前回タイミングに同期して発光処理を行うことができる。
【0116】
これに対して、本実施例で説明している無線通信による多灯制御の場合、マスターストロボ300からスレーブストロボ1000は無線パケット通信により発光同期を行うこととなり、マスターストロボ300にX信号が入力されてから、スレーブストロボ1000が発光処理を開始するまでに、発光コマンドパケットの通信時間分の遅れが生じることとなる。このため、無線による多灯制御に対応したカメラでは、X信号の出力をストロボ間の通信時間分前倒しして行うことにより、スレーブストロボ1000の発光タイミングと、カメラ100のシャッター前回タイミングを同期させることが可能となる。
【0117】
こうして一連の露光動作が終了すると、S26で、撮影光路より退去させていた主ミラー104をダウンして再び撮影光路内に斜設させる。
【0118】
S27では撮像素子102の画素データをゲイン切換え回路108に前記のように設定されたゲインで増幅した信号をA/D変換器109でデジタル信号として変換する。変換された画素データはS29でホワイトバランスなど所定の信号処理を信号処理回路111で行う。このときS24のフィルタ補正情報を加味してホワイトバランスの設定を行う。
【0119】
そしてS28で処理された画像データを図示しないメモリに記憶して1枚の撮影のルーチンを終了する。
【0120】
続いて、ストロボ装置300内のストロボマイコン310での具体的な動作(ストロボ制御動作)について、図5のフローチャートに従って説明する。
【0121】
不図示の電源スイッチがオンされてストロボマイコン310が動作可能となると、当該ストロボマイコン310はS101より所定の動作を開始する。
【0122】
まず、S101では、ストロボマイコン310自身のメモリやポートの初期化を行う。
【0123】
また入力部320より入力されたスイッチの状態や予め設定された入力情報を読み込み、ストロボ撮影モードや発光量等の設定を行う。
【0124】
カメラマイコン101よりストロボマイコン310と通信ライン120を介して通信があったときは、ストロボ情報をストロボマイコン310に出力する。
【0125】
またこの情報はストロボマイコン310内の図示しないRAM(ランダムアクセスメモリー)に記憶させる。
【0126】
S102では、昇圧回路302を動作開始させて発光の準備を行う。
【0127】
そして、S103にて、カメラマイコン101から通信ライン130を介して得られるレンズの焦点距離情報、カメラが露出制御により決定したシャッター速度および絞り値、発光モード情報等のストロボ情報をチェックする。また、カメラの種類を識別するためのカメラID情報を取得する。
【0128】
S104では、自身のメモリ内に記憶されたストロボ情報を表示部321に表示する。ここでは、カメラ100が無線多灯制御に対応しているかどうか判定し、その結果により表示内容を切り替える。詳細については後述の図6にて説明する。
【0129】
S105では、ストロボマイコン310からカメラマイコン101に通信ライン120を介して通信を行い、ストロボ情報をカメラマイコン101に出力する。
【0130】
S106では、昇圧回路302が昇圧した電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達したか(充電完了か)どうかを判定し、放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していると判定した場合にはS108に進む。
【0131】
上記S106にて昇圧回路302が昇圧した電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していないと判定した場合には、ステップS107へ進む。
【0132】
S107では、充電未完信号を出力してストロボの発光準備ができていないことを通信ライン120を介してカメラマイコン101に知らせる。充電信号を昇圧回路302に送り、その後はS102へ戻り、上記したステップを繰り返す。
【0133】
S108へ進むと、充電完了信号を出力してストロボの発光準備ができたことを通信ライン120を介してカメラマイコン101に知らせる。
【0134】
そして、次のS109にて、カメラ情報を受信する。カメラマイコン101よりプリ発光開始用信号が出力されているかどうかをチェックする。
【0135】
プリ発光開始用信号がされていればS110にてプリ発光通信を行う(カメラ100の動作フローチャートの図4のS19に対応)。
【0136】
ストロボマイコン310は無線通信回路324を制御しアンテナ325によりスレーブストロボ1000に送信する。
【0137】
ここで図5のS104における表示動作について図6のフローチャートを用いて詳細の説明をおこなう。
【0138】
S150でマスターストロボ300が装着されているカメラ300が無線ストロボに対応しているかどうかの判定をおこなう。この判定はあらかじめカメラ100から取得済みのカメラIDによりおこなわれる。ストロボマイコン310内のROM領域には無線ストロボに対応していないカメラを識別するためのIDテーブルが格納されている。また、このIDテーブルには、後述する処理で使用するカメラの同調秒時がIDと関連付けて格納されている。ストロボマイコン310はこのIDテーブルを検索し、図4のS103でカメラ100から取得したカメラIDと一致するものがなければ、無線ストロボに対応したカメラであると判断し、S151へ進む。
【0139】
S151ではマスターストロボ300の表示部321に図7(b)で示す通常の表示をおこなう。
【0140】
一方S150で、IDテーブルを検索した結果、カメラIDと一致するものがあった場合、つまり無線ストロボに対応していないカメラと判定された場合には、S152へ進む。
【0141】
S152ではカメラ100の同調秒時を判定する。カメラがストロボと同調可能なシャッター秒時の上限(高速シャッター側の限界)は、カメラのシャッター幕速により異なる。シャッター幕速が早いカメラの場合は、遅いカメラに対して同じシャッター速度においてもシャッター全開時間が長い傾向があり、結果的により高速シャッター側でストロボ同調が可能となる。マスターストロボ300では、どのカメラがどの同調秒時かという対応関係を前述のIDテーブルに含めて格納しているため、S150で検索したカメラIDのテーブルを参照することで、そのカメラの同調秒時を求めることができる。
【0142】
S153ではストロボマイコン310がカメラマイコン101より取得したシャッター速度を装着カメラの同調秒時と比較する。その結果、取得したシャッター速度がカメラの同調秒時付近であると判定されればS154へ進む。同調秒時より十分遅い速度と判断されればS151へ進み、前述の通り通常の表示処理を行う。ここで同調秒時付近であるかどうかの判定方法の例としては、ストロボマイコン310内のROMにマスターストロボとスレーブストロボ間の発光コマンド通信にかかる時間を格納しておき、IDテーブルから取得した同調秒時に通信遅れ時間を加算する形で無線多灯制御の同調実力値を算出し、この同調実力値よりシャッター速度が高速側の場合に同調秒時付近と判断すればよい。もしくは、IDテーブルから取得した同調秒時に対して1段程度低速側の秒時を基準とし、カメラ100から取得したシャッター速度と比較しても良い。
【0143】
S154では図7(b)に示すような警告表示をおこなう。これによりユーザーに現在のカメラ設定によるシャッター速度ではスレーブストロボが同調できない可能性があることを報知し、シャッター速度を低速秒時側に設定しなおすよう促すことができる。
【0144】
つぎに、無線通信動作に関して、図8のタイミングチャートを用いて詳細の説明を行う。
【0145】
図8は図5のフローチャートをタイミングチャートの形で表した図である。SW1がオンになる前は、マスターストロボ300は100ミリ秒間隔でビーコンパケットを発行している。
【0146】
ストロボ1000は、それに合わせて100ミリ秒間隔で無線通信回路324を受信動作させ、ビーコンパケットを常に受信できるように制御している。
【0147】
ビーコンパケットの受信に要する時間は数ミリ秒であり、特に通信する必要がないアイドル状態のときには、受信動作が終わってから次の受信動作までの間、ストロボ側の無線通信回路324は動作する必要が無いので、省電力を図ることが可能である。
【0148】
カメラ100のSW1がオンになると、ストロボ300は、ビーコンパケットの直後のタイミングで、ストロボ1000に対してSW1がオンになったことを通知するためのパケットを送信する(マスターストロボ送信データのSW1)。これとともに、それまで100ミリ秒間隔であったビーコンパケットを、10ミリ秒程度のより細かい間隔で発行するように制御を変更する。このようにレリーズ操作の前後でビーコンパケットの発行間隔を変更することによって、次にSW2がオンになったときのストロボ1000の反応レスポンスを向上させている。ビーコンパケットの間隔が短くなったことに伴い、ストロボ1000側の受信動作のタイミングも、ビーコンの間隔に合わせて短くしている。これによって、レスポンスが向上する代わりに無線通信回路324の動作頻度が高くなり消費電力が増加する。
【0149】
カメラ100のSW2がオンになると、ストロボ300は、ビーコンパケットの直後のタイミングで、ストロボ1000に対してSW2がオンになったことを通知するためのパケットを送信する(マスターストロボ送信データのSW2)。
【0150】
ストロボ1000は、自身の充電状態をチェックして、発光可能な状態であれば、カメラ100側にその旨を通知する(ストロボ送信データの充完情報/Ack)。これとともに、ストロボ1000は常に無線パケットを受信可能な状態に設定される。
【0151】
このような状態になった後、図5のS109〜S118までを順次実行していく。
【0152】
すなわち、カメラ100とストロボ300は、調光動作に入るとともに(カメラ動作の調光1、調光2、露出計算)、プリ発光通信、光量設定通信を行う。
【0153】
ストロボ1000は、ストロボ300からのパケットを受信するたびに、Ackパケットを送信することで、通信の信頼性を確保している。
【0154】
ストロボ300は、送信したパケットに対して一定時間が経過してもストロボ1000からAckパケットが送られてこない場合には、通信異常が発生したとして、再度同じパケットを送信する再送処理を行う。
【0155】
ストロボ1000は、後述のステップS113で光量設定通信がなされた後は、いつでも同期動作のためのコマンドパケットである、発光コマンドパケットを受信可能な状態になる。つまり、いつでも本発光して同調撮影が可能なスタンバイ状態となる。
【0156】
図5のS110ではプリ発光通信を無線にて行う(マスターストロボ通信データ参照)。
【0157】
ストロボマイコン310は無線通信回路324を制御しアンテナ325によりスレーブストロボ1000に送信を行う。正常であれば図9のストロボ1000は、Ackパケットを送信する(スレーブストロボ通信データ参照)。
【0158】
S111ではストロボ300とストロボ1000のプリ発光動作とともに測光動作2を行う(カメラ100の動作フローチャートの図4のS20に対応)。
【0159】
ストロボ300とストロボ1000のプリ発光、本発光の動作については図7のフローチャートに動作を示す。
【0160】
図8のS201にて、カメラマイコン101より発光開始用信号が出力されているかどうかをチェックし、発光開始用信号が出力されていなければルーチンから抜け元に戻り、一方、発光開始用信号が出力されているならばステップS202へ進む。
【0161】
S202へ進むと、ストロボマイコン310の発光制御端子よりANDゲート311を介して発光制御回路308にトリガー信号を与えてストロボの発光を開始させる。
【0162】
S203では、カメラマイコン101より通信ライン120を介してストロボマイコン310に発光量演算値で決められた光量に相当する発光量に到達したか直接またはグラスファイバーなどを介して放電管307の光をフォトダイオード323で受光する。
【0163】
積分回路309でフォトダイオード323の受光電流を積分し、その出力は312のコンパレータの反転入力端子とストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子に入力される。
【0164】
コンパレータ312の非反転入力はストロボマイコン310内のD/Aコンバータ出力端子に接続され、発光量演算値で決められた光量に相当する発光量に相当するD/Aコンバータ値が設定されている。
【0165】
プリ発光量は例えばフル発光量の1/32等と小光量に設定され、本発光量はプリ発光量の相対値に設定してもよい。
【0166】
S203でこのレベルまで達していない場合は発光を継続し、達した場合は204へ進む。
【0167】
S204では、ANDゲート311より発光停止信号を出し発光制御回路308により発光が停止される。この後ステップS202へ戻り、上記したステップを繰り返す。
【0168】
図5のS112ではカメラ情報を受信する。カメラマイコン101より光量設定信号が出力されているかどうかをチェックする。
【0169】
前記のプリ発光の測光演算結果から光量設定がされていればS113にて光量設定通信を行う(カメラ100の動作フローチャートの図4のS22に対応)。
【0170】
図5のS113にて光量設定通信を行う。ストロボマイコン310は無線通信回路324を制御しアンテナ325によりスレーブストロボ1000に送信を行う(マスターストロボ通信データ参照)。
【0171】
正常であれば図9のストロボ1000は、Ackパケットを送信する(スレーブストロボ通信データ参照)。
【0172】
図5のS114ではカメラ情報を受信する。カメラマイコン101よりストロボ発光スタート信号が出力されているかどうかをチェックする。
【0173】
その後、カメラ100の先幕走行信号Mgの動作により先幕走行が開始され(図4のS24)、先幕走行完了のタイミングで、つまり図5でのS115でマスターストロボXout信号をオンさせる(図9のマスターストロボXout信号のハイレベルからローレベル)。
【0174】
これにより、マスターストロボは、図5のS116にて発光コマンドを送信する。ストロボマイコン310は無線通信回路324を制御しアンテナ325によりスレーブストロボ1000に送信する。
【0175】
ここで発光コマンドの送信には所定の通信時間が必要となるため、マスターストロボとスレーブストロボの発光タイミングは図9の本発光波形で示すようにずれることになる。すると、本来の同調秒時付近ではスレーブストロボの発光がシャッター後幕でけられてしまい、光量不足、つまり同調不良となる恐れがある。
【0176】
マスターストロボが装着されているカメラ100が無線ストロボ撮影に対応しているカメラの場合には、このずれ時間をあらかじめ見込んでマスターストロボへのスレーブストロボ発光コマンド要求をおこなうことで本発光タイミングを揃えることができる。
【0177】
これに対し本実施例で説明したカメラ、つまり無線ストロボ通信に対応していないカメラの場合には、マスターストロボ300がカメラ100の同調秒時と制御シャッター速度を判定することで、同調不良になる可能性がある場合にユーザーに警告表示をおこなうことができる。
【0178】
なお、本実施形態では、シャッター先幕走行完了タイミングとストロボ発光とが同期した、先幕シンクロ撮影を想定しているが、シャッター先幕走行開始とストロボ発光開始が同期したハイスピードシンクロ撮影であっても、本発明を適用することで同様の効果が得られる。
【0179】
本発光の動作については前述の図8のフローチャートに動作を示す。
【0180】
なお、カメラ100は、シャッター103の先幕走行開始とともに、撮像センサー102を蓄積状態に制御している。そして、シャッター103の後幕走行完了とともに、撮像センサー102を蓄積状態から読み出し状態に制御して、画像データの読み出しを開始する。
【0181】
図5のフローチャートのS118にて発光終了処理をおこなう。
【0182】
ストロボ1000に対して、シーケンスが終了したことを通知するパケットを送信する(カメラ送信データのシーケンス終了)。
【0183】
ストロボ1000は、発光コマンドパケットを受信して正常に発光できた場合には、ストロボ300に対してその旨を伝える通信を行う(ストロボ送信データの正常発光/Ack)。
【0184】
カメラ100は、今撮影した画像が、正常にストロボ発光したときの撮影画像であると判断し、画像を記録する再に撮影条件の情報としてファイルに添付して保存する。反対にストロボ撮影が正常に行われなかった場合には、その旨を画像ファイルに添付して記録する(カメラ100の動作フローチャートの図4のS26、S27に対応)。
【0185】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0186】
100 カメラ
101 カメラマイコン
102 撮像素子
103 シャッター
116 無線通信回路
117 無線アンテナ
300 ストロボ
310 ストロボマイコン
324 無線通信回路
325 無線アンテナ
1000 ストロボ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロボに対してX信号(発光同期信号)を出力可能なカメラ(100)と、
前記カメラに装着可能なマスターストロボ装置(300)と、
発光手段を持つスレーブストロボ装置(1000)を有し、
前記マスターストロボ装置からの無線通信により前記スレーブストロボ装置との情報や制御のやり取りを行うストロボ制御システムにおいて、
前記マスターストロボ装置は前記カメラが無線多灯ストロボ制御に対応可能かどうかを判定する判定手段(310、S150)を備え、
さらに前記マスターストロボ装置は装着したカメラからシャッター速度を取得する手段(310、S103)、およびカメラのX同調値(同調可能なシャッター速度)を取得する手段(310、S152)を備え、
前記判定手段により対応可能でないと判断された場合には、前記マスターストロボ装置はカメラからのX信号に同期してスレーブストロボ装置に対して無線通信により発光命令を送信し、ストロボ撮影を行ない、シャッター速度が同調秒時付近ならば、警告表示を行うための報知手段(321)を備えることを特徴とする、ストロボ制御システム。
【請求項2】
前記シャッター速度が同調秒時付近とはカメラのX同調値に対して一段低速側のシャッター秒時より高速側であることを特徴とする、請求項1に記載のストロボ制御システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−105024(P2013−105024A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248652(P2011−248652)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】